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特集 見えてきた被害の全貌
岩手県
南部の都市や港に大きな津波被害防波堤や国道45号線の橋が壊れて機能失う
八戸線大浜川橋梁
津波で橋桁が流失
久慈潅………………」….1
久慈港
玉の脇地区の北・内防波堤が全壊、護岸やパラペットの一部が倒壊
釜石市内を担った津波の様子(写莫:被災地の住民が幻影)
所々で沈下した宝石市の如防波堤(写真:本誌)
いわて花巻空港
ターミナルビルの2倍天井が落下
被災した主なインフラ
● 道路(路面崩壊、段差など・
■ 道路(津波推織物など)
▲ 道路(落橋など橋の被害)
- 被災した高速道路の区間
● 鉄道こ局所被害)
被災した鉄道の主な区間
● 河川
● - 港湾、空港、海岸
● ダム
津惑の推定浸水エリア
蔑i宝道総
国道
新幹線
在来線、私鉄
41ページまでの地図は、国土交通省や自治体、東日本高速道路会社、JR東日本などの発表資料や、本誌の取材
をもとに作成。34ページまでの地区に示した津波の推定浸水エリアはノヾスコが合成開口レーダー衛星など、複数の衛星を使って推定した範囲をもとに、主な箇所をプロットした
鷹.川腰川痛、沼日精織機
津波で市街地が壊滅」
義
宮古
津波で宮古地区や田老地区の市街地が壊滅
宮古港
第一線防波堤がほぼ全域で水没。岸壁で多数のエプロンが沈下
大船渡港
湾口防波堤はほぼ全壊。岸壁荷さばき地で30cmの沈下
気仙大橋、川原川橋、沼田跨線橋
津浪によって橋梁上部が崩落または損傷して通行止めに
沿岸部のほとんどがリアス式海岸
である岩手県は、東日本大震災で津
波の被害をまともに受けたこノ港湾空
港技術研究所や国土交通省国士技術
政策総合研究所などの現地調査で、
津波の遡上高は大船渡市の綾里湾で
最大23.6mに達していたことが分
かった。
4市町で1000人超の死者・不明者
3月31日時点で、県内の死者数は
3370人。.その全てが沿岸の臼治体
3月14日に撼影した大船渡港付近。港の後背地は壊滅的な被害を受けた(写蔓ニアジア航測)
での死者だ。判明している分だけ
で、死者・行方不明者の数が1000
人を超えている自治体は、陸前高H
市(2310人)、宮古市(1665人)、大
槌町(1597人)、釜石市(r1295人)の
4市町ある。.
明治三陸地震、昭和三■三陸地震、チ
リ地だなどでたびたび甚人な津波被
害を受けてきた肯手県沿岸∴宮古市
椚老地区や釜打市などでは湾L」や沿
岸部に巨大な堤防を築いていた二
宮古市凹老地[亘では、標高約
釜石港の湾口防波堤で沈下、傾斜した北堤の一部(写真:港湾空港技術研究所、国土交通省国土技術政策総合研究所) ′
釜石市内の唐丹(とうに)市中白浜漁藷の被害。3月17日撮影(写真:群馬大学災害社会工学研究空)
10m、総延長2km以上の防潮堤を、
沿岸だけでなく街中にも配してい
た‥ だが、6ページの写真のように、
想定をはるかに越える大津波がそれ
らを乗り越え、市街地は壊滅した。
東日本大震災の津波で大破した港
湾施設は少なくない= 釜相巷の湾‖
防波堤は、南碇が22面のうち11商
で水没。北程は44函のうち7函ほ
どが原形をとどめているにすぎな
かった。久慈港の_玉の脇地区北防波
堤や内防波堤、大船渡港の湾U防波
∴:(十ぺ_:CONSTRUCT10N 23
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特集 見えてきた被害の全貌
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堤がほぼ全壊。陸前高田市でも海沿
いの堤防が大破し、堤防より海側に
あった公園や緑地が水没した。
ただし、津波に破壊されながら
も、防波堤などの施設の効果で、津
波の勢いは弱められたとみる専門家
は多い(10ページ参照)。
岸壁などの港湾施設にも被害が出
たが、複lHは比較的早期に進んだ‥
3月23日に大船渡港の一部が復旧
し、国土交通省が管理する岩手県内
の港湾は全てが利用可能になった。
24 ㌧:KKE:CONSTRUCTlON
国道45号の浪板橋では、橋台の背面が流出した
国道45号の沼田誇線種(写妥:右も国土交通省三陸国道事務所)
「くしの歯作戦」で輸送路を確保
津波によって、岩手県の沿岸を貫
く唯一の道路である国道45号が寸
断された。
なかでも被害が大きかったのが陸
前高田市内の区間だ=_津波によっ
て、気仙川に架かる橋長182mの気
仙大橋や、同65mの沼田跨線橋が
落橋。川原川橋では橋台の背面盛り
土が流出した。
そのほか、釜石市内や山田町内で
も、道路の流失や盛り土の崩壊で通
行止めになった。.地震発生から数日
は、被災者の捜索や救援のために沿
岸部を南北方向に移動するのは不可
能だった。
そこで、国交省東北地方整備局
は、まずは内陸部を走る東北自動車
道や国道4号を復旧し、次にそこか
ら沿岸に向かう東西方向の複数の道
路を復旧する「くしの歯」型救援
ルートの確保に力を注いだ。
内陸から沿岸に向かう「くしの
歯」に当たる道路は、青森県八戸市
唐丹湾付近で津波によって崩壕した道路。3月18日超影(写貴:群馬大学災害社会工学研究室)
山田町で流失した国道45号(写実:国土交通省三陸国道事務所〉
第1中曽根高架橋では復旧工事が始まっている(写真:本誌)
から福島県いわき市までで計15本。
そのうち岩手県内を通る8本は、3
月15日までに通行吋能になった。
国道45号の復旧も進んできた。
仮設橋の設置や盛り土の応急復旧が
進み、3仔29円時点で通行不能箇所
は4カ所を残すだけだ。
東北新幹線の高架橋に被害
沿岸部の鉄道では、県の北部を走
るJR八戸線の宿戸一陸中八木間で
大浜川橋梁が流失するなど、津波被
ラーメン謡架橋の柱に僅壕が見られた東北新幹線の第1中曽根高架橋(写真:志橋良和・京窮大学防災研究所准教授)
害を受けた。内陸部と沿岸部を結ぶ
釜石線の遠野一釜石間や大船渡線の
一ノ関一気仙沼(宮城県)間などは4
月上旬から中旬にはに運転を再開す
る見込みだが、大船i度線や山田線の
沿岸部、八戸線の岩手県内の区間で
は復旧の見込みが立っていない‥:.
津波による被害が目立ったもの
の、内陸部のインフラは比較的被害
が少なかった。ただし、東北新幹線
では被害が見られた。
盛岡一新青森間は約40カ所の被
災箇所があったが、3月22日に連行
を再開した.。一方、盛岡以南では構
造物に深刻な被害が出た。
18ページで取り上げたとおり、
京都大学防災研究所の高橋良和准教
授らの調査によって、北上駅の北側
にある第1中曽根高架橋で「曲げせ
ん断破壊」とみられるラーメン高架
橋柱の破損が見つかった。東北新幹
線の岩手県内の区間では、電化柱が
折損したり軌道が電位したり、架線
が断線したりした箇所があった。
L;小E CONSTRUCT10N 25