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文部科学省委託事業 r 学校の総合マネジメントカの強化に関する調査研究J

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文部科学省委託事業r学校の総合マネジメントカの強化に関する調査研究J

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子供や学校の抱える課題の解決、

未来を担う子供たちの『生きる力』を育むためには

「祉会総がかりでの教育の実現」が不可欠です。

0多くの地域の人々が学校に関わるようになれば、より豊かな子供の学びが生まれます。

O子供の成長とともに大人たちの成長を促し、地域の緯を強めていく ζとは

「地域が良くなれば学校が良くなる」という好循環を生み出します。

いまこそ、地域とともにある学校づくり

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いまなぜ?「地域とともにある学校づくり」~社会を生き抜くために必要な力の育成のために~

平成二七年三月四日に「教育再生実行会韻」が示し

仕た事第が 六

年春さ でれ は

室長P 十

天 1学二L 十元年

暮震笠 E五七% % は の

3 警

までもがコンピューターにより代替される可能性があ

るとの指摘があった。これからの子供たちには、厳しい

挑戦の時代を乗り越え、高い志や意欲老持つ自立した

人間として

他者と協働しながら創造的に生き

未来

を切り拓いていく力が求められる。

子供たちの「生きるカ」(※六頁参慰は、多様な人々

と関わり

様々な経験を重ねてし、

く申で育まれるもの

であり、学校のみで育まれるものではない。地域社会と

のつながりは、鮮を育み、子供たちの成長に豊かさとた

くましさを生み出してくれる。我が国の子供たちの自

量定感や社会参画

i 調査

固に上じ4'、て

主しくその割合が低

調査結果がある

下部右図参

8

5 確

善言語す

には

信頼でき

美人との多くの関わりが不可欠であ

り、人と人との関わりを遇して、心は育っていく。

子供たちの健やかな成長は全ての国民の顕いであ

学校の役割が複雑化し

? す

需で

※ 下部左

図参照)、現在の学校や子供たちが抱える課題や、家

庇・地域社会が抱える課題等老解決するとともに、子

供たちが豊かで健やかな成長老遂げるためには、改正

それぞれの役割を果たしつつ、社会総掛かりでの教育

案事必要で

き夫フレ

文部科学省委託事業

暴校と

遣の協働体制老

力ずのる強た化め

民参す R

ii E 学環嬰

t岩て官

zs af

が協働し

長とともにある学校づくり

がより推進

されるととを願い作成されたものである。

| 生徒の自己肯践社会参画に関する意識 I '4・蝶利腕隼邸<::ltI丈日本の生徒は 『自分を価償ある入閣だ』という自噂るをf寄っτいる前合が半分以下、, r自らの@却により益金現象が漉えられるか色しれ怠い』という愈蛾も低L、

自分の性格癖4匝{繍緩隼}

.‘n‘ 同司‘

司陸線・教員の役割{イメ一切

かつての学校の役剖

現在の学校の役割

I鮮路の蛙蹴

f石器i1町内会側婿箇力活動

匙器官一宮田民認叫叩副

111同様隅

招惜

別開.闘訓"-U閤-1" 1111

四回払の・舗により.賓えてほしい社会現畿が少し変えられる品、もしれ怠い

)(関 川 {

生徒指噂

3

土曜日の活動r 齢学習 ! 1 小学校英語ett. 目

、ーーーーー'書札習動ll同 ](

薫授

生徒指.

4

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6

「生きる力」とはーそれは、知・徳・体のバランスのとれた力のとと

変化の激しいとれからの社会を生きるために、確かな学力、豊かな人間性、健康・体力の知・徳・体をバランスよく育てるととが大切です

確かな学力基礎・基本を確実に身に付け、

自ら課題を見付け、自ら学び、自ら考え、主体的に判断し、行動し、よりよく問題を解決する資質や能力

『告母宅る掬』量かな入園憧

自らを律しつつ、他人とともに協同し、他人を思いやる心や感動する心など

健康・体力たくましく生きるための健康や体力

子供は保護者や教員だけでなく、多くの大人と触れ合って様々な力を身に

つけます。地域ぐるみで子供の教育に取り組む環境づくりを進めていくと

とが重要です。文部科学省では次のようなととを進めています。

0コミュニティ・スクール

O学校支援地峨本部

0放課後子ども教室

地域住民だけでなく、公共機関、企業、NPOなど地域を構成する様々な団体

との積極的な連携により、子供たちに多様な社会体験・自然体験・生活体験

等を提供するととが大切です。

まちの探検捲 近藤・湾内・加蘇

③ 。 ⑨ 灘前九州家持。@鍵仰が絡先守、 h 時

点ち@。 挑む毒~.,t:.?1' 1可 Y 欝~宅持議議野ポル京拘

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, 生寺大lt 向来来1:、そして見てずー

島根県立隠吠島前高校 2年

嶋本千聖

、与-ー-

新潟大学p乍

(岐阜県立可児高校卒)

角野

?とちが管ん f芝、

仁美

しキ)t三-岨・・'t学校ずある毛エ也減~~

mw'ち与え4tく

もれた、

h

闘は二年生になり、夢ができました。

ph口'四

それは、育った地、島前に恩返しと

-SEEMいう形で貢献することです。夢を

与えてくれたのは、地域学という授業ですa

旭国場学とは、島前高校独自のもので、地織の

ことを学び、問題解決に取り組む授業のこと

です.私は地械学がとても好きです.島民な

がら知らなかったことを学べたり、島前の歴史

を島外生が興味課く聞いているところを自に

するのが素直に嬉しいからです。そして、問題

解決に取り組む際に、地域の方と交流がある

ため、島前にいるという実感が湧きます・

夢ができた私は、学ぶことに前向きになりま

した。考え方、ポジティブになり、成長を感

じられます。人との関わりが多い学校はなか

なかないです。日々、多くの方に感謝していま

す。そのため、進学先で沢山のことを学んで、

早く島前に貢献したいという気持ちが大きく

なりました。

一弘前議会-震学制約目喝

この島前高校は、島前地域全体が学びの婦

です。しかし、私がそのことに気付いたのは一一

年生の時です。なぜかというと、二年生になっ

て地域の方との吏流が増えたからです。一年

生の頃は、地域の方との関わりは多くはないよ

うに思えました。たまにある地域の方との交

流がとても療しく、私や友達はその時聞が好

池城、の妄ae汎ヂ・、

7

地.減す

きでした。そこから考えたことがあります@そ

れは、一年生の時から地域の方との交誌の場

を設けて欲しいということです。部情動等で

忙しく、なかなか地域の方と交流できない人

もいます。私は、このような交流の場を設ける

ことで、島前のことを学べたり、より好きにな

ると考えられます。学べることは島前のことに

眠るわげではないので、他にも沢山のことが学

ベます。そうしたら、私のように夢ができる人

がいるかもしれません@夢ができると学ぶこと

にも前向きになれると考えられます。夢がで

きるとこんなにもそチベlシヨンが上がるのか

と実感できたので、なおさら交流の場を置け

て欲しいと思いました。

島前高校魅力化プロジZクト

地域継がかりで取り組んでいる敏育からの未

来づくり事幾

「島前高校魅力化プロジzタト」

がある・足元から縛続可也聞な地域社会bzつく

るグローカル人舗の富岡成を目指し、生岨慌たちが

実際の玄ちづ〈りや組織の篠困層解決に取り飽

むプロジェクト学習等の展開や、学校l地域連

携型寺子屋{公立盤}『隠岐園学習センター』の

創緑、ICTも活用し地織

人材や圏内外の専門家と

の対話を重視した斬たな

キャリア敏書聞の鍛造等を

展開している.

凪岐島前商事置のある・ilU臨海士町

』司色白ハ

ηavしレ仏間帯、合、っ

でり f__・生と l-t‘Fき向 t/)ユミるき L..:_一一大合 ーーーーー人う通告砦遣こし ι 同γ と て 最 校長が自あ時型出らる代思来の大に

ま進入りし路遺書同 社 に 主 主そ地三誕さてし媛てわま毒菌じりざ

つをま学域く

授と家と部活との往復しかしていなかった私

にとって、とても刺撤的なもので、毎回知ら

なかった世界と出会い、多様な価植観、生き

方に触れる中で、『今までなんて羨い世界で

生きていたんだろう」「大人ってすごい」という

思いを抱かせてくれました。自然と、これま

で考えたことも無かった『自分と社会との関

わり』を、深く考えるようになり、

自分が生

きてきたプロセスをじっくりと見つめ直しまし

た.そうした一一連の経験を通して、心の底か

ら「私を育ててくれた地域社会に、全力で思

返しをしていきたい!」と思うようになりま

した。そして、そのために自分に何が出来る

のかを考え、これまでの歩みや想いと照らし

合わせながら、本当にやりたいと思うことを

見つけていきました。その揺るぎない志が、原

動カとなり、自分でも驚くほど猛烈に受験

勉強に打ち込むように。みるみるうちに学

カも上がり、大学合格へとつながりました@

大学での学びやその先のイメージを持てたこ

とが、モチベlシヨン・学カアップの鍵となり、

自らの手で新たなチャンスを掴み取ることが

出来ました。

一学持、地.減ず

一イキイキ氾学制ゆえdV毛在巧

現在、大学生となった私は小学生を対象に

した放課後の公民館のフリースペースの運営

ゃ、教育支援のNPOに関わりながら、学校

と地域をつなげる現場で学んでいます。その

中で感じることは、多様な大人との関わりに

より、若者に確実に地域への愛着が育まれて

いるということ。そして「私も、もっと早い段

階から地域社会と関わっていたかった!」と

思うほど、学校と地滋の中でイキイキと学ぶ

子どもたちの婆は印象的です。このような子

どもたちが、もっともっと増えて欲しいなと

思っています.

エンリッチ・プロジェクト

可児高校では、平成三十五年度、可児市の

市役所や市S会などと遠谷uて、地減隈題解

決型キャリア敏育『エンUYチ・プロジェクト」を

始めた・とれば『生徒の学習意欲やキャリア意

織の向上」『掛宇崎慌の活性化と存立‘盤強化』

『地域の持続可館位向上』を

一体的に展開し

ようという、

『生徒よし・学校よし・地域よし』

のプロジェクトである・昨年

末には、地域医azIPE〈多

職種関連舞研修)にて、大

人と一緒に繰題解決に取

り組んだ.

IPE研修会の様子

8

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園地域とともにある

園学校づくりに必要なこと

園地域とともにある

園学校づくりを進めるために

いくのか、何老実現していくのかとい

う目標・ビジョンを共有するために

「熟議」を重ねることが大切です。

園必要なこと②

圃「協働して活動すること」

学校と地域の信頼関係の基礎を構

築した上で、学校運営に地域の人々

が「参画」し、共有した目標に向かって

「協働」して活動していくことが大切

です。そのためには、参加的な取組や

学校を支援する取組等を通じたコミ

ームとして力を発揮し、さらに学校と

地域の人々をつなぐコ1ディネ1ト

機能の充実など組職的な体制の構築

と目指すべき学校運営老実現するた

め、関係者の努力と取組を引き出す

「仕掛け」の存在が大事になってきま

す。そして教育委員会と教育長及び

首長の明確なビジョンと行動が地域

とともにある学校づくりを促進して

いくためには欠かせません。

地域とともにある学校づくりに必

要なζとは次の三点です。一つ目は、地

域でどのような子供を育てていくの

か、何を実現していくのかという目標

(「子供像」)を共有するために熟識を

重ねるとと。一一つ目は、学校運営に地

域の人々が参画し、共有した目標に

向かって協働して活動することです。

そのためには、学校と地域の人々の相

互理解と信頼関係の存在が不可欠で

す。三一つ目は、学校のマネジメント力の

向上です匂校長の強いリーダーシップ・

教育委員会の明確なビジョンの存在

がカギになります。乙の三点が「地域

とともにある学校づくり」の運営に必

要な要素です。次項からこの三点を詳

しく説明します。

園必要なとと①

園「熟議を重ねること」

まず必要なことは、関係者が当事

者意識を持って「熟議(熟慮と議論)」

を重ねることです。そのために関係者

が参加しやすい仕組みの構築と題材

の提供が必要であり、それらを通じた

根気よく丁寧な「熟語」が求められま

す。関係者がみな当事者意識を持ち、

子供たちがどのような課題を抱えて

いるのかという実態を共有するとと

もに、地域でどのような子供を育てて

地域の人々が日常的に学校に関わ

る状態をつくることで、子どもたちが

地域の人々に見守られて育つ環境が

生まれるとともに、地域を良くしよう

とする人たちの営みが学校にも向け

られ、学校を良くしようという営みと

結びついていきます。そんな中、コミュ

ニティ・スクールは、学校運営に地域

の人々や保護者が参画することを通

じて、学校・家庭・地域の関係者が目

標や謀題を共有し、学校の教育方針

の決定や教育活動の実践に、地域のニ

ーズを的確かつ機動的に反映させる

とともに、地域ならではの創意や工夫

老生かした特色ある学校づくりにつ

ながっていきます。つまりコミュニテ

ィ・スクールは、地域とともにある学

校づくりを進めるための有効的な仕

掛けであると言えます。次頁では、コ

ミュニティ・スクールの役割と機能に

ついて図示いたしました。

「協働の場」という視点

日本の公立学校は、全国どとの地

域にもあり、優秀な教職員が配置さ

れており、全国で地域社会を支えるイ

ンフラです。地域に根を張り、地域の

礎となっている学校は、学校を核とし

た地域づくりに貢献するととが可能

です。また、学校の学習課題(例一ふる

さと教育、キャリア教育、人権教育、

防災教育、環境教育等)は、地域の課

題にもつながるものであり、学校づく

りと地域づくりが密接に関わっている

ことを考えれば、学校が地域の課題を

解決するための「協働の場」になると

いう視点も大切になってきます。そし

て「協働の場」とする際には、単なる学

校開放にとどまらず、学校と地域の

人々との「協働」の機会を確保すると

ともに、地域住民主体の運営を基本

とすることや学校側の体制を整備す

ることが必要となってきます。

判一慌

四日

野山「

志-一

習一円

融一ヰ

千コ

ユニケlションの促進、学校から地域

の人々への積極的な情報公闘が必要

となってきます。

園必要なとと③

圃「マネジメント力の向上」

学校の組織としての「マネジメント

カ」向上が必要です。校長の強いリー

ダーシップのもとに、教職員全体がチ

文官硝学省

コミュニティ・スクールパンフレッ卜

EY POIr'~T 地域とともにある学校づくりに必要なとと「熟醜{熟慮と韓輪)Jr協働Jf'マネジメント」を備えた学校運営が鍵

~[|昧X ~日z正E5Ell楠‘

③学校が組織として力を発揮するための「マネジメント力」

の向上

次のページからは、「学校x地域』で協働している具体的な事例をもとに、

学校と地域の協働によって取り組みを進めていくためのポイントを探っていきます。

保護者や地域住民が学校に意向を伝え、学校からも保護者に意向を伝える、相互交流システムです。

コミュニティ・スクールに指定された学校には『学校運営協話会』が設置され内

保護者や地域住民等が一定の権限と責任を持って活動します。

学校運営の

基本方針

学校運営・

教育活動

校長

コミュニティ・スクールは

『地域とともにある学校づくりJのための

最も有効的なツールです!

関係者の努力と取組を引き出す「仕掛け」の構築各地域、学校の自発性と独自性を基本とした、教育委員会・教育長の明確なビジョン止符動

d 説明 |

司 意見 l

勺 ρ

J払4A11

②学校と地域の人々が

「協働」して活動するとと

①関係者が当事者意識をもって「熟議(熟慮と議論)J

を重ねるとと

。-y 子 学技能に関する

唱す ~ 意見1

員 ↓人官官る

教蔵員人事の決定

(学佼運営箇議会の

態見耳E尊麗)

12

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ヘ|の|道|筋

~関係者が語る①~

トや必要性を体感

知恵を出し合い、

協働のメリツ

まず、フ占41

ラムのねらい

議を小グループ

明の熟舗を行う

トととで設定し

めました。ぞれ

ゆまでおまり発

↓言の機会がな

万かった委員も、

情積極的に発言

i

するようにな

り、委員聞の相互理解も図られるように

なりました。

次に、運営班、広報班等に分かれ、企画

老練り、準備を進めました。当日は、会場

の設営から後片付けまで、教育委員会事

務局の手を借りるととなく全養員協力の

もとに行い、無事にフォーラムを終えるζ

とができました。

学校運営協議会の愛員は、保護者、地

域住民、教職員、学識経験者なと、様々な

立場の方で構成されています。年齢も3

0代から70代と輔があり、世代が違え

ば考え方もかなり遣ってきます。そのよう

な人々が、一つの目標のため、知恵を出し

合い、共に汗をかき、一定の成果を得られ

たζとは、当事者意識を高め、協働のメリ

ットや必要性を体感ずるよい機会となり

ました。

園みんなで支え、みんなで育て

園みんなが育つおおたまの教育

大山小学校では、演検の全校受検のた

めに保護者・地域住民・教職員のボランテ

ィアで漢検推進委員会を結成し、放課後

の学習や受検時の監督、保護者や地域住

-学校支援地域本部事業と

園放課後子ども教室事業の立ち上げ

大玉村は、農業老中心とした小規模自

治体です。早くから、小さな村の特長老生

かし、きめ細かな住民サービス老行ってき

ました。特記、子育て支援には重点的に取

り組んできたことで、近隣市町村が人口

減少を招く中、わずかずつではありまし

たが人口の増加を続けてきました。〈震災

まで〉そ

の一方で、住民は、行政への依存意識

が強く、地域の問題も役場に言えば何と

かしてくれるという思いがあるためか、互

助・共助の意識が育まれにくい地域になっ

ていました。その傾向は、教育の分野にお

いても見られ、家庭の教育力・地域の教育

カの低下が危倶されていました。そのよ

うな中、村の教育改革の一環として、コミ

ュニティ・スクールの制度を取り入れ、学

校と地域の協働による「地域とともにあ

る学校」づくりに取り組むととになりま

した。し

かし、ボランティア意識や参画意識

が簿い地域に、いきなりコミュニティ・スク

ールの仕組みを導入してもうまくいかな

いととは容易に想像できました。ぞとで

「子供の教育は学校に任せておけばいい」

という住民意識を、当事者意識に変えて

行く取組が必要となりました。ぞれが、学

校支援地域本部事業と放課後子ども教

室事業の立ち上げで究

ζの事業は、本来、生涯学習領域が所

管しているので、教育総務諌と生渥学習

隷が連携して推進しました。当初は、両

民への広報活動に取り組んできました。

そのことにより90%を超える高い合

絡率を得て、児童一人一人の自己有用惑

を高めるととにつながりました。また、日

本漢字能力検定協会より、成績優秀によ

り優秀団体質を受けたととは、子供たち

だけでなく、ζの活動に関わったすべての

大人の自信と誇りとなり、震災・原発事

故災に苦しむ地域ヘ大きな勇気を与える

ととになりました。

大玉村は、「みんなで支え、みんなで育

て、みんなが育つおおたまの教育」を目指

し、コミュニティ・スクールをそのツールと

して取り組んできました。そして、子供を

育てること、学校を良くすることが、子供

に関わる大人を育て、地域の活性化につ

ながるというζとを、今、多くの村民が実

感しつつ島ります。学校を核とした人づ

くりや地域づくりの好循環は、今後も村

の持続可能な発展に寄与するととでしょ

・フ。

13

事業ともな

かなかボラ

ンティアが集

まらないとい

う状況が見

られました

が、地域コー

ディネーター

の人材発掘

の努力や口コ

ミで徐々に登録者を増やし、活動件数老

増やしていきました。特に、実際に子供と

触れ合ったボランティアの「楽しかった」

「やってよかった」という感想の広がりが、

「自分逮にも何かできるかもしれない」と

いう当事者意識を醸成するのに大きな役

割を果たしました。

園一つの目標のために

園知恵を出し合い、共に汗をかく

からはコミュニティ・スクールの推進等に聞する調査協力者会議委員として、地舗とと

平成20年慶より福島県大玉村教育委員会指導主事、平鹿2年慶から大玉村立大山小

もにある学技づくりの幽E闘する事慨嚢や献金の講師を多数着払

学校長として、コミュヱティ・スクールの導入・推進に鍵わる.平鹿25隼度からは文部

科学省初等中等教育局コミュニティ・スクール推進委員(CSマイスター),平成26年度

語り手のプロフィール

放課後子ども教室

コミュニティ・スクールが立ち上がった

からといって、すぐに学校と地域の協働が

進むわけでもなく、また、コミュニティ・ス

クールの中心を担う学校運営協議会が

すぐに機能するわけでもありません。ぞ

れは、協議会を構成する委員が、学校や

自らの役割を自覚し、熟議・協働ができる

ようになるまでには、一定の時間と経験を

要するからです。

そこで、具体的な課題解決場面を設定

し、必然的に熱識・協働が生まれ、養員と

しての当事者意識が高まるような取組老

行いました。それは、これまで教育養員会

が主体に実施していた教育フォーラムを、

学校運営協議会が主体となって企画・運

営するという取組です。

安鷲

大玉村は、福島県中通り地方のほぼ中心に位置し、『智恵子妙」で有名な安達太良山のなだらかな舘野に広がる人口約8,500人の小さな"で、その田園凪震は村のシンボル的震観となっています.昨年、「日本で・も発しい村」連合に加盟承認されました.

事例から探る、学校と地域の協働へのアプローチ

「乙こがポイント!J

福島県

大玉

14

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ヘ|の|道|筋

~関係者が語る②~

とで

大人たちのモチべーションが向上

合わせや誤字脱字の指摘程度のととしか

できませんでした。それでも自分たちが

教育課程という学校運営の裏の部分に関

わっている責任感を感じながら協識を深

めてきました。自分たちが意見を言って

承認した教育課程ですので、責任を持っ

て学校と共に実践に取り組み、取り組ん

だことを評価・点検し、外部評価ももらい

ながら改善に向けてまた協議する、とい

う、いわゆるPDCAサイクルを繰り返

すうちに、自分たちの役割を理解し、組

織のレベルアップが図られてきたと思い

ます。教

育について協議する場、というのはど

・っしでも個人の教育に対する考えや見識

を述べる場になってしまいがちですが、

「学園の教育目標を実現させる為」という

大きな目的に沿った話し合いをする、とい

うととを行政や校長から示されたとと

で、学校運営協議会が、単なる教育を諮

る場とは決定的に遣うということが委員

の共通認識として持たれました。

開園して六年が経ち、今では学校の教

育課程の承認↓実施方策の確認↓コミュ

、... 」成功体験を昧わう学思の教曾活動を支援する任意団体『みたかスクール

.コミュニティ・サ,、ートネットJが授業補助しながら中学生のカで仮説トイレの組み立てを行う地減務災担業

-コミュニティ・スクールの導入

三鷹市が掲げた「コミ三ニティ・スクー

ルを基盤とした小・申一貫教育」を全市展

開する、という教育施策のもと、私たちは

平成二一年四月からコニ鷹中央学園コミ

ュニティ・スクール養員会」としてスター

トを切りました。

一定の準備期聞があったとはいえ、一年

目はコミュニティ・スクール養員会の果た

すべき役割などはよくわかっていません

でした。一部地域からは、コミュニティ・ス

クール委員会ができたととで、自分たち

が長年やってきた子供たちのための活動

が否定されてしまうのではないか?と懸

念もされましたが、これまでの地域活動

やPTA活動が無くなったり負担が追加

されたりするものではないことを行政や

学校が説明者重ねてくれたととで批判的

な声は減っていきました。

また、開園当初はイベントなども企画

三鷹中央学園の三校の先生方とCS~員とが子供たちの学びのために大人ができるととをそれぞれの立場で熟議「学題研xcs委員会100人熟議j

ニティ・スクール委員会の活動計画の立

案↓様々な実践〈学校の教育活動への支

穆↓学校関係者評価、外部評価〈保護者

アンケート〉↓自己評価も含めた評価結

果の分析↓次年度の学校の教育課程への

反映、という年聞の涜れを、熱識などを通

して確立しつつあります。さらには教育目

様の実現に向けて学校・家庭・地域がそれ

ぞれにできるζとを共有し合いながら実

践するための行動指針となるコニ慮中央

学園パワ1アップアクションプラン」を策

定し、啓発に努めています。

また、東日本大震災以降、防災について

様々な取組を行い、計画の段階から学校

の先生と打ち合わせをして、授業に参画

しています。単なるお手伝いや協力では

なく思いを共有し、協働するパートナー

としず学校との連携老模索していま究

一もともと学校や子供たちを応援する

地域力はあったものの、ほぽゼロの状態か

ら組織の役割や存在意義を強固なものに

してきたとの六年聞でした。これからは、

それらをどう一般化し持続可能な仕組み

にしていきながら家庭や地域の教育力を

向上させ、教育の質を高めていけるかが

課題です。とれからも様々なカベや課題

が、解決してはまた現れの連続だと思い

ますが、コミュニティ・スクール委員会老

中心にみんなで議論し、大人たちの知恵

を結集させ、子供たちの未来のために今

できることをやる。ぞれが「地域とともに

ある学校」づくり、なのだと思います。

持続可能な仕組みづくりヘ

し、参加者の

「策しかった」

経験や「子供た

ちのために〈自

分が〉役に立っ

た」経験、いわ

ゆる成功体般

を味わうこと

で関わる大人

たちのそチペ1

ションが高まっていったように思いま究

今撮り返ってみると、初動は決して自

発的なものではなく、むしろ市の施策と

してトップダウンで「やらされている」もの

でした。地域住民の誰もが戸惑い、-体何

が始まるのか困感していました。その中

で、市がコミュニティ・スクール構想を掲

げた当時の三鹿市教育長だった貝ノ瀬滋

先生が、機会あるごとに私たちに直接思

いを語ったことが、地域の当事者意識を

高めていったのではないかと思います。

先生が何度もおっしゃって、今でも覚え

ているのは①地域も教育の当事者である

こと、@地域が学校に関わる、という仕組

み捻学校の先生に楽をさせる、というζと

とは違う、ということ、@校長先生の辛口

の友人になって抵しい、というととです。教

育長の強い推進力があったからζそ学校

も動き、地域も呼応し連動したのだと思

います。

教室の立ち上肌学習ボランティア組織の立ち上げ、7/J惇区地場コーディネータ

ーなど、地元の小・中学校の子供たちゃ学校に関わり続ける.平成21年度より豆腐

三胸中央学園コミュニティ・スクール愛員会の様子

平成15年、娘の通う小学校の円A役員を務めて以来Jい中学校の醜聾笹子ども

語り手のプロフィール

園協横ずるパートナーとして、

園学校との連携を模索

学校運営協議会が本来果たすべき役

割である教育課程の承認も、開国当初は

学校の年間行事予定と地域行事のすり

四柳

世此J

三鷹市は、東京都のほぼ真ん中にi)~、都心へのアクセスの良さ、井の頭公園や穴沢の里など緑の豊かさ、国立天安台やジブり美術館などの文化施設など、恵まれた環境の町です.三鹿市教育ビジョン凶ま『地域とともに協偏した教育』が掲げ

られていま乱

事例から探る、学校と地域の協働へのアプローチ

「乙こがポイント!J

r

15

中央学園コミュニティ・スクー1レ委員、23年度から問委員会会長、26年度は副会長

.平成25年度より文部科学省初等中等教育局コミュヱティ・スクール推進貝(CS

マイスター)として三腐の取組を全国各地に拡散中.

16

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ヘ|の|道|筋

~関係者が語る③~

を推進する

コーディネーターの必要性

ら、各学年や発達段階に応じた系統的な

学習内容になっています。

雲南市は市内全ての中学校7校に「教

育支援コーディネータl(教育委員会職

員七名〉」、市内全ての小学校に「地域コー

ディネータl(地域住民十六名)」、そし

て、市内拠点小学校7枝に「社会教育コ

ーディネータl(嘱託職員七名)」を配置

し、

2重、

3重のコ

IデネIションシステ

ムによって学校と多様な主体との連携・

協働を進めるキlマンとして活躍してい

ます。「

『誓発見プログラム」に位置付けられ

-学校を核とした

地域を挙げての教育

私は、連携・協働の大きな意義は、「貨

の高い教育の実現」と「地域課題の解決」

にあると思っています。今、国老挙げて「地

方創生」「人口誠少問題」が叫ぼれてお

り、持続可能な地域づくりが喫緊の課題

となっています。

私ども雲南市も合併後十年間で人口

が約五千人減少し、小学校が9校、幼稚

園が5園、閉校・開園しました。こうした

申にあって、地方創生の源である「人材」の

質と量を、教育によって、どう充実・確保

していくのかは、極めて重大な課題です。

学校はもとより、多様な主体の連携・協

働によって、教育の賀を高め、未来者生き

抜く、たくましい子供の育成を目指すこ

とで一人一人の子供にとってよりよいキャ

リア形成が実現でき、それにより次世代

の担い手を育成していかなければならな

「幸雲南重量Jinさんぺは中学3年生を対象としたキャリアアップのための宿泊セミナーである。大学生や仕事をしている人の簡などを聞いて、自分と向き合い、量後には自分の支えとなる「乙とば」をつくり、それを宣言します。

た取り組みの実践においても、それぞれの

コーディネータ!の果たす役割は極めて

大きいものがあります。

今後の挑戦

学校、家庭、地域(企業、

NPO等〉、行

政が連携・協働老進めるうえで、まずは、

学校と教育委員会が一体となり、そして、

家庭、地域を巻き込んだ「教育の大きな

プラットホームが実現できたらいいな」と

思っていま究

そして、その実践の場として、土曜日の

d

也学活用を考えています。私は、土曜日を「地

4J

h

E

轍域の総合的な学習の時間」として捉えた

ト忌引いと思っています。例えば、土曜日に各企

宮崎創業が行っているキャリア教育の出前授業

哨財制等を活用し、学校教育と有槙的な連携を

机配制図りながら、雲南市独自のキャリア教育

あ員たを目指したいと思っています。

で蚕れ

習育さまた、来年度から雲南市は、認定NP

O法人「カタリパじと連携・協働し、整宵に

陣判瑚おいて、「子供」「若者」「大人」のチャレン

聡凪酌ジの連鎖を作ることにより、日本の教育

のて史

生いすに新たな連携・協働の在り方を提示する

持同駅もことに挑戦したいと願っています。

いと認識しています。

このように、学校を核としながらも、地

域を挙げて教育に闇わり、コミュニティの

活性化を困るためには、「仕組みづくりL

「仕掛けづくり」が必要です。コミュニテ

ィ・スクールはそこへの有効な手段であ

り、雲南市でも平成二七年度より参画し

ていく予定です。そこへの礎となった雲南

市独自の取り組みを以後ご紹介いたしま

す。園仕組みづくりと

園仕掛けづくり

17

中学桂教員、島根県教育庁勤務等を軽て、平慮5年より加茂町教育長1(:蹴色町村合

青少年分科会委員等をE色

語り手のプロフィール

併に伴い、平成16年より雲南市教育晶「寧底学技、地塙位艶、行政の協働による

キャリア教育の充実Jを目指し、『コーディネーター制鹿lの導入等を展開。平成17隼

度より文部科学省中央教育審調会生語学習分科会委員、平属20年直よりスポーツ・

連携・協働を推進するには、目標の共

有化が重要であり、実現していく共通の

「教育実践プログラム」と「連携・協働」を

推進していくコーディネーターが要だと

考えています。そのために、雲南市では、

連携・協働を漂めていくシステムとして、

共通して取り組む「『著発見プログラムL

を作成し、連携・協働の要となる「コーデ

ィネータl」を学校に配置しています。己

のコーディネータ1の配置が学校である

というととが大きなポイント、たと考えて

います。

雲南市では、学校、家庭、地域〔企業、

N

PO等)、行政が連携・協働して「キャリア

教育」に取り組んでいる「夢」発見プログ

ラムがあります。乙の

aF」発見プログラム

は、大きく4つの柱からなっており、各学

校が独自に取り組む内容と、全ての保育

所、幼稚園、小・中学校が共通して取り組

むキャリア教育です。

現在-市内県立高校2枝の「高校版・夢

発見プログラム」老作成中ですが、学校種

聞と学校閣でのつながりを大切にしなが

士江

私たちのふるさと雲南市は、銅錫やたたら製鉄の歴史遺産、桜や蛍にみられる生命の輝きなど先人が守り育ててきた多彩で魅力ある貨車を有しています.かつて、との地に神々 が住まわれ、日本のふるさとづくりが始まったととに思いを凪せれば、雲南市は、日本のふるさととも言えます.

事例から探る、学校と地域の協働へのアプローチ

『ここがポイント!J

島根県

雲南

18

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学校と地域の協働を自分たちのものにするために丹間康仁

一協働の患っ

Zんだろう?

みなさんは

H

協働H

という言葉を聞

いてどんなイメージを抱くでしょうか。

協働は、どとか新しくて期待を寄せたく

なる言葉です。最近では色々な所で自に

するようになりましたが、二十年ほど前

にはまだ見慣れない言葉でした。もちろ

ん、同じ発音の共同や協同という言葉は

些剛から使われてきました。それらの漢

字を置キ』換えた醤働u

に、どのような

意味や期待を込めていくかが関われて

います。そとで、地域と学校の協働を自

分たちのものにしていくためには、単な

る理想やスローガンとして協働を捉え

るのではな《その中身をどれだけ実の

あるものにしていけるかを常に聞い直

していく姿勢が重要です。

たとえば、「地域とともにある学校づ

くり』では、学校と地域でどのような子

供を育てていくかという共通の目標の

設定が重要です。しかし、その目標は、誰

がどのように決めるものでしょうか。共

通の目標は、ふと濃いて出てくるもので

もなければ、誰かが先に用意してくれる

ものでもありません。したがって、共通

の目標を設定するためには、地域と学校

に関わる多様な立場の人々が参加する

熟語のテーブルを作るととか先演です。

している

0

・学校長がマネジメント能力を発揮して

いる。

・行政〈教育委員会・首長部局)の推進力

と「覚情」「本気」がある。

・協働のコーディネーターがいたり、その

力量が育成されたりしている。

ζζに掲げた一二のポイントは、学校

と地域の協働体制を築き上げてきた先

進事例の到達点であるといえます。ζれ

らのポイントを達成できるような協働

体制を築いていくためには、協働に向け

た基盤を整えていくととがスタートに

なります。みなさんの学校や地援は、ど

のような状態にあるでしょうか。協働の

基本的な考え方を踏まえて、協働関係を

築いていくための基盤となる項目を次

に挙げてみました。

圃堂殺と地域の協働に向けた

圃基盤づくり

①分かり合うために

。相手(学校なら地媛側、地峨なら学校

側〉と対話する場がある。

。相手が自分にない情報や責源を持っ

ていると知っている。

。相手が今どのような課題を抱えてい

るか理解している。

塾臓のテーブルでは、自分の意見を表

明するととも重要ですが、ぞれ以上に、

他の考えに触れたり別の価値観を知っ

たりするととに意義と面白さがおりま

す。そのなかで、当初抱いていた自分の

考えが深まったり価値観が変わったりす

るととがあります。とのような過程に

は、自身にとっての気づきゃ学びがあり

ます。熟語を通して学び合い、お宣いの

考えや価値観に変容をもたらし合いな

がら、目標の共有部分を見出していく。

その過程を通して、学校と地域で育てて

いきたい手ども像を描いていくととが

できるのではないでしょうか。

とのように考えると、どちらか一方か

らの押しつけや第三者からの要請で進

めている取り組みは、決して協働とはい

えないととが分かります。自分の負担を

減らしたり肩代わりしたりするという

役割分担の見直しの論理ではなく、相手

と力を合わせるととで、単独ではなしえ

ない結果を導くζとに、協働の関係を築

いていく意味があります。その際、互い

が変わらなければ、協働という関係は成

り立ちません。自分が気づキ長ぷヒとで

相手も変わっていく。また一方で、相手が

変わっていく盗をみるととで自分も学

び変わろうとする。その相互依存的な関

係のなか更単独ではなしえない結果が

生まれたり、当初は予期していなかった

19

ような効果がみられたりするという創

造的で躍動的な過程が、協働であるとい

えます。

本パンフレットの「学校×地域|協働

への道筋」に紹介されている三か所の先

進事例は、まさにζうした過程を積み重

ねて、単品伐と地援で実のある協働の関係

を築き上げてきた事例であるといえる

でしょう.とれらの先進事例では、学校

と地域の協働が次のようなポイントに

まで寓められています。

圃昼-殺×地域l協働への道筋」の

園事例のポイント

-子供のためという目的意識がある。

・子供を取り巻く環境に課題意識や危機

感がある。

・熟議から当事者意識を育んでいる。

・嬰略と地域のそれぞれの立場と役割が

明確にされ、相互理解に発展している。

.教育課程に「地様づくり」が組み、委れ

ている。

・協働でのアプローチから子供の変容が

芽生えたととが共有されている。

・協働のメリットや必要性が体感されて

いる。・かかわった人の小さな成功体験が蓄積

され、自信と誇りを醸成している。

-PDCAサイクルによって改替を実施

@学び合うために

.学校と地域の関係について振り返ってみ

O互いの持っている課題について熟議し

・るととが求められるといえます。

ていく場がある。

O熟議にあたっで必要な情報や知識を

得る場や時聞がある。

。熟議での気づきゃ学びを鑑り返る機

会がある。

I ,. I

‘'

③力を出し合-フために

。互いの抱える課題意識を掘り下げて

目標を共有している。

。互いの持っている情報や資源を引き

出し合うととができる。

。互いに力を出し合わなければ解決で

きない諜題があると実感している。

協働は、異なる立場にある者どうし

が、互いの立場や特性を分かり合い、そ

のうえで学び合い、力を出し合うととに

よって、単独ではなしえない成果が生ま

れたり、当初は予期していなかったよう

な効果がみられたりするととを期待し

た概念であるといえます.協働は気づき

ゃ学びによって支えられるものです。協

働という関係に完成形はなく、それは学

び合いを通して不断に追求されていく

ものであるといえるかもしれません。

学枝と地場の協働を自分たちのもの

にするためには、いま一度、協働そのもの

について考えを深めながら、自分たちの

丹聞康仁(たんまやすひと)

強立行政法人日本学術掻興会特別研究員,-PDとして,

名古屋大学大学院教育発達科学研究科にて研究活動に従事。

学校と地域.住民と行政など異なる立場にある者どうしの

「協働」輪について,理論的・実践的に研究を進めている。

著書に『学習と協働頃洋館出版砲がある.

筑波大学大学院人閣総合科学研究科単位取得退学.

博士(教育学)(筑波大学)0

20

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あなたの学校×地域の協働に向けた基盤は?

ポイントチェツクシート戸、グ、,、,、

学校と地域の協働に向けた基盤づ、くりチェックポイント①分かり合うためLL"'" ~~電~1I

01. 相手(学校なら地域側、地域なら学校側)と対話する場がある。

02. 相手が自分にない情報や資源を持っていると知っている。

03. 相手が今どのような課題を抱えているか理解している。

学校と地域の協働に向けた基盤づ、くりチェックポイント②~学び合うために~

04. 互いの持っている課題について熟議していく場がある。

05. 熟議にあたって必要な情報や知識を得る場や時聞がある。

06. 熟議での気づきゃ学びを振り返る機会がある。

学校と地域の協働に向けた基盤づ、くりチェックポイント③~力を出し合うために~

互いの抱える課題意識を掘り下げて目標を共有している。07.

互いの持っている情報や資源を引き出し合うととができる。08.

地域みんなで子ど也たちの未来を考えるワークショップのすすめパンフレット作成しました!

ワークショップ運営のポイントなど、誰でも活用できるように分かりゃすく解説!

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線級総がかりで子どもfl)糸線毛嫌犬'"ワークショップ~!1組む静岡抑制、欄圃聞・酬配』同帽幽‘・司聞劇岡町周・・柚帽骨帽酬耳切軸回世帽関陣帽同酬網開U剛

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E窒冨主二こ

E認磨密室笠伺e=長啓伍陸信~

唱:.,-ー l・p需胃開

25.=寄宿謂嵩屯器奇沼郡

* 宮鷲宮毘=話出宮帽

プログラムの概要。運営主体:学校・教育委員会・学校運営協議会など。参加対象:教職員・保護者・地域住民など。ワークショップの流れ:導入ワーク→子供の来来をめぐるビジョンの共有→ビ、ジ、ヨン共有に向けたアイデア出し→主催者のコメント→振り返り(所要時間約2時間)

ワークショップ実践事例(北海道浦幌町)

いろんな宣揚の人と話しをする中で、共通してめざしていきたいととが分かった.

学校の抱える楢みを共有できた。家庭の中、地鼠の中でももっと共有できればと思う.

参加者の声

cs導入を間近にひかえた浦幌町で平成27年1月に、教職員や地織住民たちが集まり、本ワークショッププログラムを実施しました。

21

全ての項目で2つ以上のOが付かなければ、まずは「学校×地域jの協働に向けた気運を高めるととが必要です。次ページでは、平成26年度文部科学省「学校の総合マネジメントカの強化に関する調査研究」事業で開発された協働への気運の向上につながるワークショップのためのパンフレットと実際に行われた事例を紹介します。

互いに力を出し合わなければ解決できない課題があると実感している。Q9.

「コミュニティ・スクール」および「地域とともにある学校づくり」に関するお問い合わせ

お問い合わせ: 文部科学省初等中等教育局参事官(学校運営支援担当)付運営支盤企画係

〒110・8959 東京都千代田区霞が関3・2・2TEL:03・5253・4111 FAX: 03・6734-3727

本パンフレット及びワークショップに関する禽聞い合わせお問い合わゼ: 線式会社ノースブDダクション

〒089-5601 北海道十勝郡浦幌町字室町53-26TEL:015・576・4678FAX: 015・576・3772