飛行船を使用した上空撮影システムにおける 付加的...

7
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――― 論文受付日 H25.4.15 *現 青森職業能力開発短期大学校 **現 中部職業能力開発促進センター 飛行船を使用した上空撮影システムにおける付加的遠隔操縦装置の研究開発 使 秋田職業能力開発短期大学校 小関 英明* 高齢・障害・求職者雇用支援機構本部 山田 晃司** Research and Development of the Additional Remote Controller in the Sky Photography System Using an Airship Hideaki KOSEKI, Koji YAMADA 近年、立ち入り困難な場所の調査および建設工事写 真や地理情報データ調査等の目的により、空撮システ ムが注目されている。従来はヘリコプターや航空機を 使用した撮影が主であるが、上空飛行の規制や費用が 高価である等の問題があった。そこで、比較的安価で 安全なバルーンを使った上空撮影システムを採用し ている企業が幾つかある。 しかし、一般的な操縦制御装置を持たないバルーン では、上空の風の影響により、高度や位置が安定せず、 撮影が困難な状況が少なくない。2009 年に青森短大 校で行なわれた東北ポリテクビジョンの際、展示した 飛行ロボットを見た(株)サネックス関係者より、現 有している操縦制御装置を持たないバルーンに対し て、飛行船ロボット技術を応用した、付加的な操縦制 御装置の開発についての相談があり、2010 年度より 受託研究として、その研究開発に取り組んできた。本 報告では製作した試作機について述べる。 ㈱サネックスでは、従来よりバルーンを用いた上空 撮影システム「スカイキャッチャー」を使用し、地理 情報の取得および調査、上空撮影等の業務を行なって いる。「スカイキャッチャー」の写真を図 1 に、その 空撮システムの概要を図 2 示す。 このスカイキャッチャーを用いた空撮システムで は、機体の操縦装置が装備されていないため、特に急 な強風といった上空の気象条件等により、高度や位置 が安定できず、撮影が困難となる場合が多くある。そ こで、主な研究課題として以下の 3 点が示された。 ① 上空の気象条件に対応し、高度を安定させる。 23 近年、立ち入り困難な場所の調査および建設工事写真や地理情報データ調査 等の目的により、上空からの撮影システム(以下空撮システム)が注目され ており、安価なバルーンを使った空撮システムを採用している企業が幾つかある。しか し、一般的な操縦制御装置を持たないバルーンでは、気象条件により高度や位置が安定 せず、撮影が困難な状況が少なくない。そこで、空撮を業務の一部としている企業であ る㈱サネックス関係者より、現有するバルーンに対する付加的操縦装置の開発について 相談があり、 2010 年度より受託研究として取り組んできた。その結果、 GPS データロガーを 搭載した手動操縦による付加的遠隔操縦装置の試作機を製作し、その動作を確認した。

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Page 1: 飛行船を使用した上空撮影システムにおける 付加的 …GPSシステムの導入を取り入れる事とした(2)。 図1 スカイキャッチャー(1) 図2空撮システムの概要(1)

22

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――― 論文受付日 H25.4.15 *現 青森職業能力開発短期大学校 **現 中部職業能力開発促進センター

1

< 実践報告・資料> 飛行船を使用した上空撮影システムにおける付加的遠隔操縦装置の研究開発

飛行船を使用した上空撮影システムにおける

付加的遠隔操縦装置の研究開発

秋田職業能力開発短期大学校 小関 英明*

高齢・障害・求職者雇用支援機構本部 山田 晃司**

Research and Development of the Additional Remote Controller in the Sky Photography System Using an Airship

Hideaki KOSEKI, Koji YAMADA

近年、立ち入り困難な場所の調査および建設工事写真や地理情報データ調査

等の目的により、上空からの撮影システム(以下空撮システム)が注目され

ており、安価なバルーンを使った空撮システムを採用している企業が幾つかある。しか

し、一般的な操縦制御装置を持たないバルーンでは、気象条件により高度や位置が安定

せず、撮影が困難な状況が少なくない。そこで、空撮を業務の一部としている企業であ

る㈱サネックス関係者より、現有するバルーンに対する付加的操縦装置の開発について

相談があり、2010 年度より受託研究として取り組んできた。その結果、GPS ロガーを

搭載した手動操縦による付加的遠隔操縦装置の試作機を製作し、その動作を確認した。

Ⅰ はじめに

近年、立ち入り困難な場所の調査および建設工事写

真や地理情報データ調査等の目的により、空撮システ

ムが注目されている。従来はヘリコプターや航空機を

使用した撮影が主であるが、上空飛行の規制や費用が

高価である等の問題があった。そこで、比較的安価で

安全なバルーンを使った上空撮影システムを採用し

ている企業が幾つかある。

しかし、一般的な操縦制御装置を持たないバルーン

では、上空の風の影響により、高度や位置が安定せず、

撮影が困難な状況が少なくない。2009 年に青森短大

校で行なわれた東北ポリテクビジョンの際、展示した

飛行ロボットを見た(株)サネックス関係者より、現

有している操縦制御装置を持たないバルーンに対し

て、飛行船ロボット技術を応用した、付加的な操縦制

御装置の開発についての相談があり、2010 年度より

受託研究として、その研究開発に取り組んできた。本

報告では製作した試作機について述べる。

Ⅱ 上空撮影システム「スカイキャッチャー」

㈱サネックスでは、従来よりバルーンを用いた上空

撮影システム「スカイキャッチャー」を使用し、地理

情報の取得および調査、上空撮影等の業務を行なって

いる。「スカイキャッチャー」の写真を図 1 に、その

空撮システムの概要を図 2 示す。

このスカイキャッチャーを用いた空撮システムで

は、機体の操縦装置が装備されていないため、特に急

な強風といった上空の気象条件等により、高度や位置

が安定できず、撮影が困難となる場合が多くある。そ

こで、主な研究課題として以下の 3点が示された。

① 上空の気象条件に対応し、高度を安定させる。

要約

23 23

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――― 論文受付日 H25.4.15 *現 青森職業能力開発短期大学校 **現 中部職業能力開発促進センター

1

< 実践報告・資料> 飛行船を使用した上空撮影システムにおける付加的遠隔操縦装置の研究開発

飛行船を使用した上空撮影システムにおける

付加的遠隔操縦装置の研究開発

秋田職業能力開発短期大学校 小関 英明*

高齢・障害・求職者雇用支援機構本部 山田 晃司**

Research and Development of the Additional Remote Controller in the Sky Photography System Using an Airship

Hideaki KOSEKI, Koji YAMADA

近年、立ち入り困難な場所の調査および建設工事写真や地理情報データ調査

等の目的により、上空からの撮影システム(以下空撮システム)が注目され

ており、安価なバルーンを使った空撮システムを採用している企業が幾つかある。しか

し、一般的な操縦制御装置を持たないバルーンでは、気象条件により高度や位置が安定

せず、撮影が困難な状況が少なくない。そこで、空撮を業務の一部としている企業であ

る㈱サネックス関係者より、現有するバルーンに対する付加的操縦装置の開発について

相談があり、2010 年度より受託研究として取り組んできた。その結果、GPS データロガーを

搭載した手動操縦による付加的遠隔操縦装置の試作機を製作し、その動作を確認した。

Ⅰ はじめに

近年、立ち入り困難な場所の調査および建設工事写

真や地理情報データ調査等の目的により、空撮システ

ムが注目されている。従来はヘリコプターや航空機を

使用した撮影が主であるが、上空飛行の規制や費用が

高価である等の問題があった。そこで、比較的安価で

安全なバルーンを使った上空撮影システムを採用し

ている企業が幾つかある。

しかし、一般的な操縦制御装置を持たないバルーン

では、上空の風の影響により、高度や位置が安定せず、

撮影が困難な状況が少なくない。2009 年に青森短大

校で行なわれた東北ポリテクビジョンの際、展示した

飛行ロボットを見た(株)サネックス関係者より、現

有している操縦制御装置を持たないバルーンに対し

て、飛行船ロボット技術を応用した、付加的な操縦制

御装置の開発についての相談があり、2010 年度より

受託研究として、その研究開発に取り組んできた。本

報告では製作した試作機について述べる。

Ⅱ 上空撮影システム「スカイキャッチャー」

㈱サネックスでは、従来よりバルーンを用いた上空

撮影システム「スカイキャッチャー」を使用し、地理

情報の取得および調査、上空撮影等の業務を行なって

いる。「スカイキャッチャー」の写真を図 1 に、その

空撮システムの概要を図 2 示す。

このスカイキャッチャーを用いた空撮システムで

は、機体の操縦装置が装備されていないため、特に急

な強風といった上空の気象条件等により、高度や位置

が安定できず、撮影が困難となる場合が多くある。そ

こで、主な研究課題として以下の 3点が示された。

① 上空の気象条件に対応し、高度を安定させる。

要約

Page 2: 飛行船を使用した上空撮影システムにおける 付加的 …GPSシステムの導入を取り入れる事とした(2)。 図1 スカイキャッチャー(1) 図2空撮システムの概要(1)

職業能力開発報文誌 VOL.1._(47_),2016 ―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

2

CH3

CH2送信機

受信機

前後進・旋回用モータ

上昇下降用モータ

制御用アンプ

制御用アンプ

制御用アンプ

信号変換用PIC

CH2

CH3

前後進動作

上昇下降動作

信号変換用PICCH1

回転方向制御用リレー

回転方向制御用リレー

制御用アンプ

信号変換用PIC

回転方向制御用リレー

旋回動作 CH1

GPSロガー

5V電源

② 非常時には、地上からの操作により、バルーン

を安全に回収できる。

③ 撮影時の位置・高度情報を取得する。 また、

条件としては、新たなバルーンを導入するのでは無く、

「現有のバルーンに付加して用いる物であること」が

示された。

①、②の対策として、地上からの操作でバルーンを

制御する遠隔操縦装置の導入を考えた。更に、③の対

策として、位置と高度を常にモニタリングするための

GPS システムの導入を取り入れる事とした(2)。

図 1 スカイキャッチャー(1)

図 2 空撮システムの概要(1)

Ⅲ GPS 付き遠隔操縦装置の制作

上空の気象条件による高度・位置の変化の多くは、

不意の強風により、高度が低下すると共に、バルーン

が風下側に流れる事が原因と考えられる。そこで、モ

ータを使用したプロペラからの推力を利用して、機体

の位置・姿勢を遠隔操縦するための装置を作成した。

当初、企業からの要望としては、高度低下への対処

を目的としたため、モータの回転方向の制御は行わず、

また、GPS データについても地上での確認で十分との

要請に基づき試作機(以降、試作 1号機)を製作(2),(3)

したが、実働実験の後に、上昇・下降、左右旋回およ

び GPS データロガー化の要望があり、改良型の試作 2

号機を製作している。表 1に、試作 1号機と 2号機の

主な変更点を示す。

前述の課題①、②の対策として、上昇・下降に 2

個、前後進および左右旋回に 2個と計 4個のモータを

用いている(3)。このモータは小型で高出力のラジコン

飛行機用ブラシレスモータを用いた。また、モータ 1

つに対して制御用アンプ 1 個を使用している。遠隔操

縦には、混信を防ぐため、ラジコン飛行機用の 2.4GHz

帯送受信機を使用した。図 3 に製作した、遠隔操縦装

置の模式図を示す。

表 1 試作 1 号機と 2 号機の主な変更点

図 3 遠隔操縦装置模式図

さらに、現有バルーンの浮揚力は約 1500gである

が、バルーン本体が 310g、カメラ等の撮影システム

が 560gあるため、製作予定ゴンドラ重量はバッテリ

24 24

飛行船を使用した上空撮影システムにおける付加的遠隔操縦装置の研究開発 ―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

3

を含めて約 630g前後と設定した。

1 モータ出力の制御

受信機は、送信機からの信号を、そのチャネルのス

ティックの操作量に対応した矩形波として出力する。

この波形例を図 4に示す。ここでは、チャネル 1,

2(CH1,2)を前後進・旋回用に、チャネル 3(CH3)

を上昇・下降用に使用する(2)。

図 4 出力矩形波の概形(2)

一般には、CH3 が、モータ出力を制御する為の信号

となっており、安全上、電源が入った時に初期状態(出

力ゼロ)を検出しなければ、動作しないようになって

いる。上昇用のモータを制御するアンプについては、

CH3 がそのまま使用できるが、前進用に使用する

CH1,2 は、一般的にはサーボモータ制御用で、通常何

も操作していない場合はスティックが中立している

ので、そのままでは使用することはできない。そこで、

スティックが中立の状態で初期状態の信号を出力す

る様に、PIC を用いて信号の変換を行っている(2)。変

換された信号の模式図を図 5に示す。

図 5 変換波形の模式図(2)

2 ブラシレスモータの回転方向の制御

機体の前後進、および上昇・下降を可能にするには、

使用しているブラシレスモータの回転方向(正転・逆

転)を制御する必要がある。ブラシレスモータは一般

的に 3相駆動であり、簡単にはその内の 2 相を入れ替

えることで、正転・逆転の制御が可能である(4),(5)。

そこで、2回路リレーを用いて、物理的に 2回路を入

れ替えることにより、正転・逆転の制御を行った。こ

の模式図を図 6に示す。

図 6 ブラシレスモータの回転方向制御の模式図(4),(5)

遠隔操縦用送信機のスティック位置は、先にのべた

ように受信機により、矩形波として出力される。今回

は、スティック位置の中心を出力ゼロ位置とし、波形

の幅がこれを超える時は正転、これより狭い時は PIC

より MOSFET に電流を流し、リレーコイルを動作させ

ることにより、回路を入れ替えて逆転にする(4),(5)。

図 7に送信機のスティック位置と対応する受信機か

らの信号とモータの回転方向の模式図を示す。さらに、

図 8には製作した制御用回路図を示し、図 9には、回

路図を基に製作した制御回路基板の写真を示す。これ

により、モータの正転・逆転の制御が可能になった。

図 7 送信機のスティック位置と回転方向の関係(4),(5)

図 8 回転方向制御回路図(4),(5)

CH3 の制御信

CH1,2 の 制 御

CH1,2 の制御信

25 25

GPSデータ

ロガー

5V電源

職業能力開発報文誌 VOL.28 No.1(47),2016

0

Page 3: 飛行船を使用した上空撮影システムにおける 付加的 …GPSシステムの導入を取り入れる事とした(2)。 図1 スカイキャッチャー(1) 図2空撮システムの概要(1)

職業能力開発報文誌 VOL.1._(47_),2016 ―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

2

CH3

CH2送信機

受信機

前後進・旋回用モータ

上昇下降用モータ

制御用アンプ

制御用アンプ

制御用アンプ

信号変換用PIC

CH2

CH3

前後進動作

上昇下降動作

信号変換用PICCH1

回転方向制御用リレー

回転方向制御用リレー

制御用アンプ

信号変換用PIC

回転方向制御用リレー

旋回動作 CH1

GPSロガー

5V電源

② 非常時には、地上からの操作により、バルーン

を安全に回収できる。

③ 撮影時の位置・高度情報を取得する。 また、

条件としては、新たなバルーンを導入するのでは無く、

「現有のバルーンに付加して用いる物であること」が

示された。

①、②の対策として、地上からの操作でバルーンを

制御する遠隔操縦装置の導入を考えた。更に、③の対

策として、位置と高度を常にモニタリングするための

GPS システムの導入を取り入れる事とした(2)。

図 1 スカイキャッチャー(1)

図 2 空撮システムの概要(1)

Ⅲ GPS 付き遠隔操縦装置の制作

上空の気象条件による高度・位置の変化の多くは、

不意の強風により、高度が低下すると共に、バルーン

が風下側に流れる事が原因と考えられる。そこで、モ

ータを使用したプロペラからの推力を利用して、機体

の位置・姿勢を遠隔操縦するための装置を作成した。

当初、企業からの要望としては、高度低下への対処

を目的としたため、モータの回転方向の制御は行わず、

また、GPS データについても地上での確認で十分との

要請に基づき試作機(以降、試作 1号機)を製作(2),(3)

したが、実働実験の後に、上昇・下降、左右旋回およ

び GPS データロガー化の要望があり、改良型の試作 2

号機を製作している。表 1に、試作 1号機と 2号機の

主な変更点を示す。

前述の課題①、②の対策として、上昇・下降に 2

個、前後進および左右旋回に 2個と計 4個のモータを

用いている(3)。このモータは小型で高出力のラジコン

飛行機用ブラシレスモータを用いた。また、モータ 1

つに対して制御用アンプ 1 個を使用している。遠隔操

縦には、混信を防ぐため、ラジコン飛行機用の 2.4GHz

帯送受信機を使用した。図 3 に製作した、遠隔操縦装

置の模式図を示す。

表 1 試作 1 号機と 2 号機の主な変更点

図 3 遠隔操縦装置模式図

さらに、現有バルーンの浮揚力は約 1500gである

が、バルーン本体が 310g、カメラ等の撮影システム

が 560gあるため、製作予定ゴンドラ重量はバッテリ

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飛行船を使用した上空撮影システムにおける付加的遠隔操縦装置の研究開発 ―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

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を含めて約 630g前後と設定した。

1 モータ出力の制御

受信機は、送信機からの信号を、そのチャネルのス

ティックの操作量に対応した矩形波として出力する。

この波形例を図 4に示す。ここでは、チャネル 1,

2(CH1,2)を前後進・旋回用に、チャネル 3(CH3)

を上昇・下降用に使用する(2)。

図 4 出力矩形波の概形(2)

一般には、CH3 が、モータ出力を制御する為の信号

となっており、安全上、電源が入った時に初期状態(出

力ゼロ)を検出しなければ、動作しないようになって

いる。上昇用のモータを制御するアンプについては、

CH3 がそのまま使用できるが、前進用に使用する

CH1,2 は、一般的にはサーボモータ制御用で、通常何

も操作していない場合はスティックが中立している

ので、そのままでは使用することはできない。そこで、

スティックが中立の状態で初期状態の信号を出力す

る様に、PIC を用いて信号の変換を行っている(2)。変

換された信号の模式図を図 5に示す。

図 5 変換波形の模式図(2)

2 ブラシレスモータの回転方向の制御

機体の前後進、および上昇・下降を可能にするには、

使用しているブラシレスモータの回転方向(正転・逆

転)を制御する必要がある。ブラシレスモータは一般

的に 3相駆動であり、簡単にはその内の 2 相を入れ替

えることで、正転・逆転の制御が可能である(4),(5)。

そこで、2回路リレーを用いて、物理的に 2回路を入

れ替えることにより、正転・逆転の制御を行った。こ

の模式図を図 6に示す。

図 6 ブラシレスモータの回転方向制御の模式図(4),(5)

遠隔操縦用送信機のスティック位置は、先にのべた

ように受信機により、矩形波として出力される。今回

は、スティック位置の中心を出力ゼロ位置とし、波形

の幅がこれを超える時は正転、これより狭い時は PIC

より MOSFET に電流を流し、リレーコイルを動作させ

ることにより、回路を入れ替えて逆転にする(4),(5)。

図 7に送信機のスティック位置と対応する受信機か

らの信号とモータの回転方向の模式図を示す。さらに、

図 8には製作した制御用回路図を示し、図 9には、回

路図を基に製作した制御回路基板の写真を示す。これ

により、モータの正転・逆転の制御が可能になった。

図 7 送信機のスティック位置と回転方向の関係(4),(5)

図 8 回転方向制御回路図(4),(5)

CH3 の制御信

CH1,2 の 制 御

CH1,2 の制御信

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を含めて約 630g前後と設定した。

1 モータ出力の制御

受信機は、送信機からの信号を、そのチャネルのス

ティックの操作量に対応した矩形波として出力する。

この波形例を図 4に示す。ここでは、チャネル 1,

2(CH1,2)を前後進・旋回用に、チャネル 3(CH3)

を上昇・下降用に使用する(2)。

図 4 出力矩形波の概形(2)

一般には、CH3 が、モータ出力を制御する為の信号

となっており、安全上、電源が入った時に初期状態(出

力ゼロ)を検出しなければ、動作しないようになって

いる。上昇用のモータを制御するアンプについては、

CH3 がそのまま使用できるが、前進用に使用する CH1、

2 は、一般的にはサーボモータ制御用で、通常何も操

作していない場合はスティックが中立しているので、

そのままでは使用することはできない。そこで、ステ

ィックが中立の状態で初期状態の信号を出力する様

に、PIC を用いて信号の変換を行っている(2)。変換さ

れた信号の模式図を図 5に示す。

図 5 変換波形の模式図(2)

2 ブラシレスモータの回転方向の制御

機体の前後進、および上昇・下降を可能にするに

は、使用しているブラシレスモータの回転方向(正

転・逆転)を制御する必要がある。ブラシレスモータ

は一般的に 3 相駆動であり、簡単にはその内の 2相を

入れ替えることで、正転・逆転の制御が可能である

(4),(5)。そこで、2回路リレーを用いて、物理的に 2回

路を入れ替えることにより、正転・逆転の制御を行っ

た。この模式図を図 6に示す。

図 6 ブラシレスモータの回転方向制御の模式図(4),(5)

遠隔操縦用送信機のスティク位置は、先にのべた

ように受信機により、矩形波として出力される。今回

は、スティック位置の中心を出力ゼロ位置とし、波形

の幅がこれを超える時は正転、これより狭い時は PIC

より MOSFET に電流を流し、リレーコイルを動作させ

ることにより、回路を入れ替えて逆転にする(4),(5)。

図 7に送信機のスティック位置と対応する受信機か

らの信号とモータの回転方向の模式図を示す。さらに、

図 8には製作した制御用回路図を示し、図 9には、回

路図を基に製作した制御回路基板の写真を示す。これ

により、モータの正転・逆転の制御が可能になった。

図 7 送信機のスティック位置と回転方向の関係(4),(5)

図 8 回転方向制御回路図(4),(5)

CH3 の制御信号

CH1,2 の制御信号

CH1,2 の制御信号

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図 9 回転方向制御用回路基板(4),(5)

3 前後進と旋回の制御

2 個のモータ・プロペラで、前後進および旋回を制

御するには、前後進では 2個のモータの回転方向を同

時に制御することで可能であるが、旋回する為には同

じ 2個のモータの回転方向を個々に制御する必要が

ある。これを、送信機のミキシング機能を用いること

で行った(4)。このミキシング機能による回転方向制御

の模式図を図 10 に示す。

遠隔操縦用に使用しているラジコン飛行機用の送

信機には、各チャンネルをミキシングして制御する機

能がある。そこで、今回はデルタ翼飛行機に対して使

用するエレボン(無尾翼機における補助翼)用のミキ

シング機能を用いて、CH1、CH2 に前後進および旋回

用のモータを対応させ制御した(6)。これにより、送信

機の左スティックを前後に操作することで、前後進を

行い、右スティックを左右に操作することで、それぞ

れ左旋回・右旋回をすることが可能である(4)。

図 10 ミキシング機能の模式図(4)

4 GPS システムの製作

写真撮影時の位置・高度情報を取得する為、GPS シ

ステムを導入した。当初は、遠隔操縦装置内に GPS

の計測・送信回路を納め、XBee を用いて、地上の表

示装置にデータを表示する方法を用いた(試作 1号

機)が、地上での確認作業用の人員の負担から、自動

記録化が求められた。そこで、試作 2号機では、小型

の GPS データロガー(GT730F/L)を用いることで、デ

ータの自動記録化を行うと共に、無線通信用回路を省

略することで、全体として軽量化することができた。

試作 1 号機に使用した GPS システムの模式図を図

11 に、製作した GPS システムの写真を図 12 に示す。

図 11 GPS システムの模式図

図 12 GPS システム(2),(3)

試作 2号機に使用した、自動記録化のための GPS

データロガーを図 13 に示す。

図 13 GPS データロガー(GT730F/L)

この GPS ロガーでのデータは、専用ソフトによりエ

クセル用データとして保存できるほか、地図上に移動

26

飛行船を使用した上空撮影システムにおける付加的遠隔操縦装置の研究開発 ―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

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軌跡を表示することも可能である。ただし、この GPS

の誤差範囲は 5m~10m である。

5 ゴンドラの製作

ゴンドラは、発砲スチロール製の箱を用いて作成し

た。箱の底部に 4mm 角のカーボンシャフトを取り付け、

これにモータを取り付けフレームにより固定した。

この取り付けフレームは、2mm 厚のアクリル板から

レーザー加工機により切り出して制作した。さらに安

全のため、ポリスチレンによるプロペラカバーも取り

付けてある(2),(3)。図 14 に製作したゴンドラを示す。

図 14 遠隔操縦用ゴンドラ(試作 2 号機)(4)

バッテリを含んだゴンドラの重量は、635gとなり、

ほぼ目標の 630gに近いものとなった。このゴンドラ

(試作 2号機)の仕様を表 2 に示す。

表 2 試作 2 号機仕様

このゴンドラは、図 15 に示すように、取り付け用

のフィルムベルトによりバルーン後部に取り付けら

れる。

図 15 ゴンドラの取り付け方法(2),(3)

Ⅳ試作機の遠隔操縦実験および実験結果

1 遠隔操縦による野外飛行実験

青森短大校の駐車場敷地内で、試作 1号機を用いて

遠隔操縦によるバルーンの飛行実験を行った。カメラ

は積載せずに、ゴンドラによる飛行の手動制御と GPS

システムの動作確認を行った。ほぼ上空 100m位まで

上昇させた後、モータを制御し、前進および上昇の動

作確認を行い、風速 8m/s、最大瞬間風速 13m/s の気

象状況(7)において、高度を一定に保つことができるこ

と、およびバルーンの位置を安定させ、安全に回収で

きる事を確認した。また、ゴンドラからの GPS データ

の受信を確認した(2),(3)。この時の様子を図16に示す。

図 16 飛行実験の様子

2 実働実験

(株)サネックスに依頼し、試作 1号機を用いて実際

にカメラを装着しての動作実験を行った。この実験で

は、ヘリウムガスだけによる浮揚はできず、上昇用モ

ータを使用することで、約 10 分間の浮揚が可能であ

った。また、GPS システムの受信は問題なく確認でき

た(3)。

27 27

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職業能力開発報文誌 VOL.1._(47_),2016 ―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

4

図 9 回転方向制御用回路基板(4),(5)

3 前後進と旋回の制御

2 個のモータ・プロペラで、前後進および旋回を制

御するには、前後進では 2個のモータの回転方向を同

時に制御することで可能であるが、旋回する為には同

じ 2個のモータの回転方向を個々に制御する必要が

ある。これを、送信機のミキシング機能を用いること

で行った(4)。このミキシング機能による回転方向制御

の模式図を図 10 に示す。

遠隔操縦用に使用しているラジコン飛行機用の送

信機には、各チャンネルをミキシングして制御する機

能がある。そこで、今回はデルタ翼飛行機に対して使

用するエレボン(無尾翼機における補助翼)用のミキ

シング機能を用いて、CH1、CH2 に前後進および旋回

用のモータを対応させ制御した(6)。これにより、送信

機の左スティックを前後に操作することで、前後進を

行い、右スティックを左右に操作することで、それぞ

れ左旋回・右旋回をすることが可能である(4)。

図 10 ミキシング機能の模式図(4)

4 GPS システムの製作

写真撮影時の位置・高度情報を取得する為、GPS シ

ステムを導入した。当初は、遠隔操縦装置内に GPS

の計測・送信回路を納め、XBee を用いて、地上の表

示装置にデータを表示する方法を用いた(試作 1号

機)が、地上での確認作業用の人員の負担から、自動

記録化が求められた。そこで、試作 2号機では、小型

の GPS データロガー(GT730F/L)を用いることで、デ

ータの自動記録化を行うと共に、無線通信用回路を省

略することで、全体として軽量化することができた。

試作 1 号機に使用した GPS システムの模式図を図

11 に、製作した GPS システムの写真を図 12 に示す。

図 11 GPS システムの模式図

図 12 GPS システム(2),(3)

試作 2号機に使用した、自動記録化のための GPS

データロガーを図 13 に示す。

図 13 GPS データロガー(GT730F/L)

この GPS ロガーでのデータは、専用ソフトによりエ

クセル用データとして保存できるほか、地図上に移動

26

職業能力開発報文誌 VOL.1._(47_),2016 ―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

4

図 9 回転方向制御用回路基板(4),(5)

3 前後進と旋回の制御

2 個のモータ・プロペラで、前後進および旋回を制

御するには、前後進では 2個のモータの回転方向を同

時に制御することで可能であるが、旋回する為には同

じ 2個のモータの回転方向を個々に制御する必要が

ある。これを、送信機のミキシング機能を用いること

で行った(4)。このミキシング機能による回転方向制御

の模式図を図 10 に示す

遠隔操縦用に使用しているラジコン飛行機用の送

信機には、各チャンネルをミキシングして制御する機

能がある。そこで、今回はデルタ翼飛行機に対して使

用するエレボン(無尾翼機における補助翼)用のミキ

シング機能を用いて、CH1、CH2 に前後進および旋回

用のモータを対応させ制御した(6)。これにより、送信

機の左スティックを前後に操作することで、前後進を

行い、右スティックを左右に操作することで、それぞ

れ左旋回・右旋回をすることが可能である(4)。

図 10 ミキシング機能の模式図(4)

4 GPS システムの製作

写真撮影時の位置・高度情報を取得する為、GPS シ

ステムを導入した。当初は、遠隔操縦装置内に GPS

の計測・送信回路を納め、XBee を用いて、地上の表

示装置にデータを表示する方法を用いた(試作 1号

機)が、地上での確認作業用の人員の負担から、自動

記録化が求められた。そこで、試作 2号機では、小型

の GPS データロガー(GT730F/L)を用いることで、デ

ータの自動記録化を行うと共に、無線通信用回路を省

略することで、全体として軽量化することができた。

試作 1 号機に使用した GPS システムの模式図を図

11 に、製作した GPS システムの写真を図 12 に示す。

図 11 GPS システムの模式図

図 12 GPS システム(2),(3)

試作 2号機に使用した、自動記録化のための GPS

データロガーを図 13 に示す。

図 13 GPS データロガー(GT730F/L)

この GPS データロガーでのデータは、専用ソフトに

よりエクセル用データとして保存できるほか、地図上

職業能力開発報文誌 VOL.28 No.1(47),2016

0

Page 5: 飛行船を使用した上空撮影システムにおける 付加的 …GPSシステムの導入を取り入れる事とした(2)。 図1 スカイキャッチャー(1) 図2空撮システムの概要(1)

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職業能力開発報文誌 VOL.1._(47_),2016 ―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

4

図 9 回転方向制御用回路基板(4),(5)

3 前後進と旋回の制御

2 個のモータ・プロペラで、前後進および旋回を制

御するには、前後進では 2個のモータの回転方向を同

時に制御することで可能であるが、旋回する為には同

じ 2個のモータの回転方向を個々に制御する必要が

ある。これを、送信機のミキシング機能を用いること

で行った(4)。このミキシング機能による回転方向制御

の模式図を図 10 に示す。

遠隔操縦用に使用しているラジコン飛行機用の送

信機には、各チャンネルをミキシングして制御する機

能がある。そこで、今回はデルタ翼飛行機に対して使

用するエレボン(無尾翼機における補助翼)用のミキ

シング機能を用いて、CH1、CH2 に前後進および旋回

用のモータを対応させ制御した(6)。これにより、送信

機の左スティックを前後に操作することで、前後進を

行い、右スティックを左右に操作することで、それぞ

れ左旋回・右旋回をすることが可能である(4)。

図 10 ミキシング機能の模式図(4)

4 GPS システムの製作

写真撮影時の位置・高度情報を取得する為、GPS シ

ステムを導入した。当初は、遠隔操縦装置内に GPS

の計測・送信回路を納め、XBee を用いて、地上の表

示装置にデータを表示する方法を用いた(試作 1号

機)が、地上での確認作業用の人員の負担から、自動

記録化が求められた。そこで、試作 2号機では、小型

の GPS データロガー(GT730F/L)を用いることで、デ

ータの自動記録化を行うと共に、無線通信用回路を省

略することで、全体として軽量化することができた。

試作 1 号機に使用した GPS システムの模式図を図

11 に、製作した GPS システムの写真を図 12 に示す。

図 11 GPS システムの模式図

図 12 GPS システム(2),(3)

試作 2号機に使用した、自動記録化のための GPS

データロガーを図 13 に示す。

図 13 GPS データロガー(GT730F/L)

この GPS ロガーでのデータは、専用ソフトによりエ

クセル用データとして保存できるほか、地図上に移動

26

飛行船を使用した上空撮影システムにおける付加的遠隔操縦装置の研究開発 ―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

5

軌跡を表示することも可能である。ただし、この GPS

の誤差範囲は 5m~10m である。

5 ゴンドラの製作

ゴンドラは、発砲スチロール製の箱を用いて作成し

た。箱の底部に 4mm 角のカーボンシャフトを取り付け、

これにモータを取り付けフレームにより固定した。

この取り付けフレームは、2mm 厚のアクリル板から

レーザー加工機により切り出して制作した。さらに安

全のため、ポリスチレンによるプロペラカバーも取り

付けてある(2),(3)。図 14 に製作したゴンドラを示す。

図 14 遠隔操縦用ゴンドラ(試作 2 号機)(4)

バッテリを含んだゴンドラの重量は、635gとなり、

ほぼ目標の 630gに近いものとなった。このゴンドラ

(試作 2号機)の仕様を表 2 に示す。

表 2 試作 2 号機仕様

このゴンドラは、図 15 に示すように、取り付け用

のフィルムベルトによりバルーン後部に取り付けら

れる。

図 15 ゴンドラの取り付け方法(2),(3)

Ⅳ試作機の遠隔操縦実験および実験結果

1 遠隔操縦による野外飛行実験

青森短大校の駐車場敷地内で、試作 1号機を用いて

遠隔操縦によるバルーンの飛行実験を行った。カメラ

は積載せずに、ゴンドラによる飛行の手動制御と GPS

システムの動作確認を行った。ほぼ上空 100m位まで

上昇させた後、モータを制御し、前進および上昇の動

作確認を行い、風速 8m/s、最大瞬間風速 13m/s の気

象状況(7)において、高度を一定に保つことができるこ

と、およびバルーンの位置を安定させ、安全に回収で

きる事を確認した。また、ゴンドラからの GPS データ

の受信を確認した(2),(3)。この時の様子を図16に示す。

図 16 飛行実験の様子

2 実働実験

(株)サネックスに依頼し、試作 1号機を用いて実際

にカメラを装着しての動作実験を行った。この実験で

は、ヘリウムガスだけによる浮揚はできず、上昇用モ

ータを使用することで、約 10 分間の浮揚が可能であ

った。また、GPS システムの受信は問題なく確認でき

た(3)。

27 27

飛行船を使用した上空撮影システムにおける付加的遠隔操縦装置の研究開発 ―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

5

に移動軌跡を表示することも可能である。ただし、こ

の GPS の誤差範囲は 5m~10m である。

5 ゴンドラの製作

ゴンドラは、発砲スチロール製の箱を用いて作成し

た。箱の底部に 4mm 角のカーボンシャフトを取り付け、

これにモータを取り付けフレームにより固定した。

この取り付けフレームは、2mm 厚のアクリル板から

レーザー加工機により切り出して制作した。さらに安

全のため、ポリスチレンによるプロペラカバーも取り

付けてある(2),(3)。図 14 に製作したゴンドラを示す。

図 14 遠隔操縦用ゴンドラ(試作 2 号機)(4)

バッテリを含んだゴンドラの重量は、635gとなり、

ほぼ目標の 630gに近いものとなった。このゴンドラ

(試作 2号機)の仕様を表 2 に示す。

表 2 試作 2 号機仕様

このゴンドラは、図 15 に示すように、取り付け用

のフィルムベルトによりバルーン後部に取り付けら

れる。

図 15 ゴンドラの取り付け方法(2),(3)

Ⅳ 試作機の遠隔操縦実験および実験結果

1 遠隔操縦による野外飛行実験

青森短大校の駐車場敷地内で、試作 1号機を用いて

遠隔操縦によるバルーンの飛行実験を行った。カメラ

は積載せずに、ゴンドラによる飛行の手動制御と GPS

システムの動作確認を行った。ほぼ上空 100m位まで

上昇させた後、モータを制御し、前進および上昇の動

作確認を行い、風速 8m/s、最大瞬間風速 13m/s の気

象状況(7)において、高度を一定に保つことができるこ

と、およびバルーンの位置を安定させ、安全に回収で

きる事を確認した。また、ゴンドラからの GPS データ

の受信を確認した(2),(3)。この時の様子を図16に示す。

図 16 飛行実験の様子

2 実働実験

(株)サネックスに依頼し、試作 1号機を用いて実際

にカメラを装着しての動作実験を行った。この実験で

は、ヘリウムガスだけによる浮揚はできず、上昇用モ

ータを使用することで、約 10 分間の浮揚が可能であ

った。また、GPS システムの受信は問題なく確認でき

た(3)。

飛行船を使用した上空撮影システムにおける付加的遠隔操縦装置の研究開発 ―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

5

に移動軌跡を表示することも可能である。ただし、こ

の GPS の誤差範囲は 5m~10m である。

5 ゴンドラの製作

ゴンドラは、発砲スチロール製の箱を用いて作成し

た。箱の底部に 4mm 角のカーボンシャフトを取り付け、

これにモータを取り付けフレームにより固定した。

この取り付けフレームは、2mm 厚のアクリル板から

レーザー加工機により切り出して制作した。さらに安

全のため、ポリスチレンによるプロペラカバーも取り

付けてある(2),(3)。図 14 に製作したゴンドラを示す。

図 14 遠隔操縦用ゴンドラ(試作 2 号機)(4)

バッテリを含んだゴンドラの重量は、635gとなり、

ほぼ目標の 630gに近いものとなった。このゴンドラ

(試作 2号機)の仕様を表 2 に示す。

表 2 試作 2 号機仕様

このゴンドラは、図 15 に示すように、取り付け用

のフィルムベルトによりバルーン後部に取り付けら

れる。

図 15 ゴンドラの取り付け方法(2),(3)

Ⅳ 試作機の遠隔操縦実験および実験結果

1 遠隔操縦による野外飛行実験

青森短大校の駐車場敷地内で、試作 1号機を用いて

遠隔操縦によるバルーンの飛行実験を行った。カメラ

は積載せずに、ゴンドラによる飛行の手動制御と GPS

システムの動作確認を行った。ほぼ上空 100m位まで

上昇させた後、モータを制御し、前進および上昇の動

作確認を行い、風速 8m/s、最大瞬間風速 13m/s の気

象状況(7)において、高度を一定に保つことができるこ

と、およびバルーンの位置を安定させ、安全に回収で

きる事を確認した。また、ゴンドラからの GPS データ

の受信を確認した(2),(3)。この時の様子を図16に示す。

図 16 飛行実験の様子

2 実働実験

(株)サネックスに依頼し、試作 1号機を用いて実際

にカメラを装着しての動作実験を行った。この実験で

は、ヘリウムガスだけによる浮揚はできず、上昇用モ

ータを使用することで、約 10 分間の浮揚が可能であ

った。また、GPS システムの受信は問題なく確認でき

た(3)。

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Page 6: 飛行船を使用した上空撮影システムにおける 付加的 …GPSシステムの導入を取り入れる事とした(2)。 図1 スカイキャッチャー(1) 図2空撮システムの概要(1)

職業能力開発報文誌 VOL.1._(47_),2016―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

3 室内での動作確認実験

青森校の製作室内において、試作 号機を用いて

上昇・下降および前後進、左右旋回についての動作確

認実験を行った。ただし、教室内であるため、各モー

タの回転方向制御の動作と、無風状態でのバルーンの

下降、前後進および旋回の動作を確認した。この時の

実験の様子を図 に示す。

図 室内動作確認実験

4 飛行動作実験

秋田校の体育館において、試作 号機の飛行動作実

験を行った。使用したバルーンは学生が総合制作実習

で製作したイベント用バルーンを用いた。これは、当

時の秋田校では、企業より借与されたバルーンを使用

した場合、実験後の保管場所が確保できないなどの理

由によるものである。ただし、ヘリウムの浮揚力によ

る積載可能重量は、実機のものと同様 約 にな

るように調整している。実験に使用したイベント用バ

ルーンを図 に示す。

図 イベント用飛行船のバルーン

この他にも、実機と同型の小型バルーンを用いての

飛行実験も行った。小型バルーンによる飛行実験の様

子を図 に示す。

図 小型バルーンによる飛行実験

これらの実験により、無風状態において、上昇・下

降および前後進、さらに左右の旋回について操縦制御

可能であることを確認した。 については、野外に

おいて データの受信とデータの記録の確認を行

った。測定した データの軌跡を表示した例を図

に、またエクセル用の データとして保存した

データの一部を表 に示す。単位は、方位については

「度 」で、高度については「メートル 」で

ある。また、小数点 桁以下は四捨五入している。

図 地図上の軌跡表示(白実線)

表 エクセル用 データの一部

28 28

3 室内での動作確認実験

青森校の製作室内において、試作 1号機を用いて上

昇・下降および前後進、左右旋回についての動作確認

実験を行った。ただし、教室内であるため、各モータ

の回転方向制御の動作と、無風状態でのバルーンの下

降、前後進および旋回の動作を確認した。この時の実

験の様子を図 17 に示す。

図 17 室内動作確認実験

4 飛行動作実験

秋田校の体育館において、試作 2号機の飛行動作実

験を行った。使用したバルーンは学生が総合制作実習

で製作したイベント用バルーンを用いた。これは、当

時の秋田校では、企業より借与されたバルーンを使用

した場合、実験後の保管場所が確保できないなどの理

由によるものである。ただし、ヘリウムの浮揚力によ

る積載可能重量は、実機のものと同様(約 630g)にな

るように調整している。実験に使用したイベント用バ

ルーンを図 18 に示す。

図 18 イベント用飛行船のバルーン(8)

この他にも、実機と同型の小型バルーンを用いての

飛行実験も行った。小型バルーンによる飛行実験の様

子を図 19 に示す。

図 19 小型バルーンによる飛行実験

これらの実験により、無風状態において、上昇・下

降および前後進、さらに左右の旋回について操縦制御

可能であることを確認した。GPS については、野外に

おいて GPS データの受信とデータの記録の確認を行

った。測定した GPS データの軌跡を表示した例を図

20 に、またエクセル用の CSV データとして保存した

データの一部を表 3に示す。単位は、方位については

「度(deg.)」で、高度については「メートル(m)」で

ある。また、小数点 6桁以下は四捨五入している。

図 20 地図上の軌跡表示(白実線)

表 3 エクセル用 CSV データの一部

飛行船を使用した上空撮影システムにおける付加的遠隔操縦装置の研究開発 ―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

7

5 実験のまとめと課題

これまでの実験より、地上付近より約上空 100m に

おいて、無風状態から風速 8m/s、最大瞬間風速 13m/s

の気象状態で高度および位置を保つことが可能であ

った。

また、無風状態において、機体のヘリウムガスによ

る浮揚力が約 630gで、上昇・下降、前後進、左右旋

回といった機体制御が可能であることを確認した。

さらに、GPS データロガーと専用のソフトウェアを

用いることで、稼働中の機体の GPS データを地図上に

表示し、CSV 形式により保存できることを確認した。

課題として、今回は主に屋内での無風状態において

動作を確認しただけであり、データもビデオや写真が

主であり、飛行に関しての客観的、物理的データが取

られていない事が挙げられる。今後は実験を撮影した

ビデオを基にした、飛行データの測定が必要である。

さらに、カメラを積載しての野外飛行実験が行われ

ていない事が挙げられる。現在本校では、実習棟の改

修工事が行われており、これが終了した後、天候を考

慮しながら実際にカメラを搭載しての野外実験を行

う予定であり、これにより GPS データを用いての客観

的飛行データも得ることができると思われる。

また、現場で使用するには、各部品の耐久性につい

ても、確認する必要があると考える。

Ⅴ おわりに

受託研究として、飛行船ロボットの技術を活用し、

飛行船を使用した上空撮影システムにおける付加的

遠隔操縦装置を開発製作し、イベント用飛行船等を用

いて屋内においてその動作確認を行った。今後は、天

候等を考慮しながら、野外での動作確認を行った後、

実際の現場にて実働試験を行う計画である。さらに、

ビデオおよび GPS データを基にした、客観的な飛行性

能のデータの取得および評価を行う予定である。

また現在は、オリジナルのバルーンを設計し、撮影

システムと操縦制御システムを一体化した空撮シス

テムの製作を計画している。

[謝辞]

今回の受託研究にあたり、バルーンの借与ならびに、

試験空撮にご協力頂いた、(株)サネックス代表取締役

前田喜寿郎様および同社スタッフの皆様に感謝申し

上げます。また、一部部品の製作にあたりご協力頂い

た、青森校生産技術科勝田洋平先生に感謝申し上げま

す。

[参考文献]

(1)㈱サネックスホームページ、

http://www.sanex.jp/

(2)山田晃司、㈱サネックス受託研究資料、2010

(3)小関英明 他、飛行船を使用した上空撮影シス

ムにおける遠隔制御装置の研究開発、第 10 回東

北ポリテクニックビジョン予稿集、2012、

pp.138-139

(4)小関英明 他、飛行船を使用した上空撮影シス

ムの改良、第 11 回東北ポリテクニックビジョン

予稿集、2013、pp.140-141

(5)小関英明、ブラシレスモータの回転方向の制

法について、東北職業能力開発短期大学校附属

秋田職業能力開発短期大学校 紀要 第 18 号、

2014、pp.4-5

(6)㈱FUTABA T7C-2.4GHz 取り扱い説明書、P.58

(7)気象庁アメダスデータ(五所川原市 2011/3/23)

http://www.data.jma.go.jp/obd/stats/etrn/in

dex.php

(8)金子啓史、庄司駿、野呂田知、イベント用飛

行船ロボットの製作、第 11 回東北ポリテクニッ

クビジ ョン予稿集、2013、pp.58-59

29 29

職業能力開発報文誌 VOL.28 No.1(47),2016

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Page 7: 飛行船を使用した上空撮影システムにおける 付加的 …GPSシステムの導入を取り入れる事とした(2)。 図1 スカイキャッチャー(1) 図2空撮システムの概要(1)

職業能力開発報文誌 VOL.1._(47_),2016―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

3 室内での動作確認実験

青森校の製作室内において、試作 号機を用いて

上昇・下降および前後進、左右旋回についての動作確

認実験を行った。ただし、教室内であるため、各モー

タの回転方向制御の動作と、無風状態でのバルーンの

下降、前後進および旋回の動作を確認した。この時の

実験の様子を図 に示す。

図 室内動作確認実験

4 飛行動作実験

秋田校の体育館において、試作 号機の飛行動作実

験を行った。使用したバルーンは学生が総合制作実習

で製作したイベント用バルーンを用いた。これは、当

時の秋田校では、企業より借与されたバルーンを使用

した場合、実験後の保管場所が確保できないなどの理

由によるものである。ただし、ヘリウムの浮揚力によ

る積載可能重量は、実機のものと同様 約 にな

るように調整している。実験に使用したイベント用バ

ルーンを図 に示す。

図 イベント用飛行船のバルーン

この他にも、実機と同型の小型バルーンを用いての

飛行実験も行った。小型バルーンによる飛行実験の様

子を図 に示す。

図 小型バルーンによる飛行実験

これらの実験により、無風状態において、上昇・下

降および前後進、さらに左右の旋回について操縦制御

可能であることを確認した。 については、野外に

おいて データの受信とデータの記録の確認を行

った。測定した データの軌跡を表示した例を図

に、またエクセル用の データとして保存した

データの一部を表 に示す。単位は、方位については

「度 」で、高度については「メートル 」で

ある。また、小数点 桁以下は四捨五入している。

図 地図上の軌跡表示(白実線)

表 エクセル用 データの一部

28 28

飛行船を使用した上空撮影システムにおける付加的遠隔操縦装置の研究開発 ―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

7

5 実験のまとめと課題

これまでの実験より、地上付近より約上空 100m に

おいて、無風状態から風速 8m/s、最大瞬間風速 13m/s

の気象状態で高度および位置を保つことが可能であ

った。

また、無風状態において、機体のヘリウムガスによ

る浮揚力が約 630gで、上昇・下降、前後進、左右旋

回といった機体制御が可能であることを確認した。

さらに、GPS データロガーと専用のソフトウェアを

用いることで、稼働中の機体の GPS データを地図上に

表示し、CSV 形式により保存できることを確認した。

課題として、今回は主に屋内での無風状態において

動作を確認しただけであり、データもビデオや写真が

主であり、飛行に関しての客観的、物理的データが取

られていない事が挙げられる。今後は実験を撮影した

ビデオを基にした、飛行データの測定が必要である。

さらに、カメラを積載しての野外飛行実験が行われ

ていない事が挙げられる。現在本校では、実習棟の改

修工事が行われており、これが終了した後、天候を考

慮しながら実際にカメラを搭載しての野外実験を行

う予定であり、これにより GPS データを用いての客観

的飛行データも得ることができると思われる。

また、現場で使用するには、各部品の耐久性につい

ても、確認する必要があると考える。

Ⅴ おわりに

受託研究として、飛行船ロボットの技術を活用し、

飛行船を使用した上空撮影システムにおける付加的

遠隔操縦装置を開発製作し、イベント用飛行船等を用

いて屋内においてその動作確認を行った。今後は、天

候等を考慮しながら、野外での動作確認を行った後、

実際の現場にて実働試験を行う計画である。さらに、

ビデオおよび GPS データを基にした、客観的な飛行性

能のデータの取得および評価を行う予定である。

また現在は、オリジナルのバルーンを設計し、撮影

システムと操縦制御システムを一体化した空撮シス

テムの製作を計画している。

[謝辞]

今回の受託研究にあたり、バルーンの借与ならびに、

試験空撮にご協力頂いた、(株)サネックス代表取締役

前田喜寿郎様および同社スタッフの皆様に感謝申し

上げます。また、一部部品の製作にあたりご協力頂い

た、青森校生産技術科勝田洋平先生に感謝申し上げま

す。

[参考文献]

(1)㈱サネックスホームページ、

http://www.sanex.jp/

(2)山田晃司、㈱サネックス受託研究資料、2010

(3)小関英明 他、飛行船を使用した上空撮影シス

ムにおける遠隔制御装置の研究開発、第 10 回東

北ポリテクニックビジョン予稿集、2012、

pp.138-139

(4)小関英明 他、飛行船を使用した上空撮影シス

ムの改良、第 11 回東北ポリテクニックビジョン

予稿集、2013、pp.140-141

(5)小関英明、ブラシレスモータの回転方向の制

法について、東北職業能力開発短期大学校附属

秋田職業能力開発短期大学校 紀要 第 18 号、

2014、pp.4-5

(6)㈱FUTABA T7C-2.4GHz 取り扱い説明書、P.58

(7)気象庁アメダスデータ(五所川原市 2011/3/23)

http://www.data.jma.go.jp/obd/stats/etrn/in

dex.php

(8)金子啓史、庄司駿、野呂田知、イベント用飛

行船ロボットの製作、第 11 回東北ポリテクニッ

クビジ ョン予稿集、2013、pp.58-59

29 29

飛行船を使用した上空撮影システムにおける付加的遠隔操縦装置の研究開発 ―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

7

5 実験のまとめと課題

これまでの実験より、地上付近より約上空 100m に

おいて、無風状態から風速 8m/s、最大瞬間風速 13m/s

の気象状態で高度および位置を保つことが可能であ

った。

また、無風状態において、機体のヘリウムガスによ

る浮揚力が約 630gで、上昇・下降、前後進、左右旋

回といった機体制御が可能であることを確認した。

さらに、GPS データロガーと専用のソフトウェアを

用いることで、稼働中の機体の GPS データを地図上に

表示し、CSV 形式により保存できることを確認した。

課題として、今回は主に屋内での無風状態において

動作を確認しただけであり、データもビデオや写真が

主であり、飛行に関しての客観的、物理的データが取

られていない事が挙げられる。今後は実験を撮影した

ビデオを基にした、飛行データの測定が必要である。

さらに、カメラを積載しての野外飛行実験が行われ

ていない事が挙げられる。現在本校では、実習棟の改

修工事が行われており、これが終了した後、天候を考

慮しながら実際にカメラを搭載しての野外実験を行

う予定であり、これにより GPS データを用いての客観

的飛行データも得ることができると思われる。

また、現場で使用するには、各部品の耐久性につい

ても、確認する必要があると考える。

Ⅴ おわりに

受託研究として、飛行船ロボットの技術を活用し、

飛行船を使用した上空撮影システムにおける付加的

遠隔操縦装置を開発製作し、イベント用飛行船等を用

いて屋内においてその動作確認を行った。今後は、天

候等を考慮しながら、野外での動作確認を行った後、

実際の現場にて実働試験を行う計画である。さらに、

ビデオおよび GPS データを基にした、客観的な飛行性

能のデータの取得および評価を行う予定である。

また現在は、オリジナルのバルーンを設計し、撮影

システムと操縦制御システムを一体化した空撮シス

テムの製作を計画している。

[謝辞]

今回の受託研究にあたり、バルーンの借与ならびに、

試験空撮にご協力頂いた、(株)サネックス代表取締役

前田喜寿郎様および同社スタッフの皆様に感謝申し

上げます。また、一部部品の製作にあたりご協力頂い

た、青森校生産技術科勝田洋平先生に感謝申し上げま

す。

[参考文献]

(1)㈱サネックスホームページ、

http://www.sanex.jp/

(2)山田晃司、㈱サネックス受託研究資料、2010

(3)小関英明 他、飛行船を使用した上空撮影シス

ムにおける遠隔制御装置の研究開発、第 10 回東

北ポリテクニックビジョン予稿集、2012、

pp.138-139

(4)小関英明 他、飛行船を使用した上空撮影シス

ムの改良、第 11 回東北ポリテクニックビジョン

予稿集、2013、pp.140-141

(5)小関英明、ブラシレスモータの回転方向の制

法について、東北職業能力開発短期大学校附属

秋田職業能力開発短期大学校 紀要 第 18 号、

2014、pp.4-5

(6)㈱FUTABA T7C-2.4GHz 取り扱い説明書、P.58

(7)気象庁アメダスデータ(五所川原市 2011/3/23)

http://www.data.jma.go.jp/obd/stats/etrn/

index.php

(8)金子啓史、庄司駿、野呂田知、イベント用飛

行船ロボットの製作、第 11 回東北ポリテクニッ

クビジ ョン予稿集、2013、pp.58-59

職業能力開発報文誌 VOL.28 No.1(47),2016

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