介護支援専門員専門研修 ガイドライン - mhlw · 2018-06-19 · 1...

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介護支援専門員専門研修 ガイドライン 平成 28 年 11 月

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介護支援専門員専門研修

ガイドライン

平成 28 年 11 月

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1 ガイドライン作成の背景 ............................................................................................................ 1

(1)介護支援専門員の研修の目的........................................................................................................1

(2)介護支援専門員の研修制度の見直し ...........................................................................................1

(3)本ガイドラインの位置付け ...................................................................................................................3

2 本ガイドラインの基本的な考え方......................................................................................... 5

(1)ケアマネジメントの目的と意義 ............................................................................................................5

(2)研修の目的 ...........................................................................................................................................5

(3)本ガイドラインの構成............................................................................................................................6

3 PDCAサイクルの構築 ............................................................................................................ 7

(1)研修向上委員会の設置.....................................................................................................................7

①国において設置される研修向上委員会...................................................................................................................7

②都道府県において設置される研修向上委員会....................................................................................................8

(2)PDCA サイクルによる継続的な改善.................................................................................................9

(3)研修の計画と評価 ............................................................................................................................ 11

①研修計画の必要性..........................................................................................................................................................11

②研修効果の測定と研修記録シートの活用............................................................................................................15

4 研修の具体的な展開方法...................................................................................................21

(1)研修の目標 ........................................................................................................................................ 21

①各課程の対象者...............................................................................................................................................................21

②研修全体の最終目標(アウトカム)............................................................................................................................23

③研修各段階における受講者の熟達度....................................................................................................................24

④修得目標の意味...............................................................................................................................................................25

(2)専門研修実施上の留意点 ............................................................................................................. 26

①本ガイドラインで取り上げる研修手法の特徴と留意点......................................................................................26

②事例を用いた講義・演習一体型の科目の展開の考え方について ........................................ 28

③課題整理総括表及び評価表の活用方法............................................................................................................33

④事例検討と事例研究の展開.......................................................................................................................................34

5 各科目の展開方法.................................................................................................................37

(1)専門研修課程における科目の構成(カリキュラム) .................................................................... 37

(2)各科目のガイドラインの構成と各項目の見方 .............................................................................. 48

介護支援専門員専門研修ガイドライン 目次

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6 各科目のガイドライン..............................................................................................................49

専門研修課程Ⅰ ........................................................................................................................... 49

専門研修課程Ⅱ .........................................................................................................................149

7 研修記録シート......................................................................................................................211

専門研修課程Ⅰ .........................................................................................................................211

専門研修課程Ⅱ .........................................................................................................................241

参考資料.......................................................................................................................................259

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ガイドライン作成の背景

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1 ガイドライン作成の背景

1 ガイドライン作成の背景

(1)介護支援専門員の研修の目的

要介護者ができる限り住み慣れた地域で、最後まで尊厳をもって自分らしい自立した日常生活を送るためには、

医療・介護・予防・住まい・生活支援といった多様なサービスが一体的に提供されるとともに、医療職をはじめとする

多職種と連携・協働しながら要介護者等を支援できるよう、適切にケアマネジメントを行うことが重要である。介護支

援専門員は適切なケアマネジメントの実現に向けて日々、日常の業務の中で多様な地域の資源の情報を収集・把

握したり、多職種とのネットワークの拡充に務めたりしている。しかし、地域包括ケアシステムの構築に向けて、より多

くの主体と連携したケアマネジメントの実践がこれまで以上に期待される中、介護支援専門員の資質について必ずし

も十分でないとの指摘もある。

そこで、ケアマネジメントにおいてその中核的な役割を担う介護支援専門員について、その養成段階で行われる

介護支援専門員実務研修や現任者を対象とした研修等を体系的に実施することにより、介護保険制度の基本理

念である利用者本位、自立支援、公正中立等の理念を徹底し、専門職としての専門性の向上を図ることにより、利

用者の自立支援に資する適切なケアマネジメントの実現に資することを目的とする。

また、主任介護支援専門員については、地域包括ケアシステムの構築に向けて、地域課題の把握から社会資

源の開発等の地域づくりや地域の介護支援専門員の人材育成等の役割を果たすことができる専門職の養成を図

ることを目的とする。

(老発 0704 第 2号:平成 26年 7月 4日「介護支援専門員資質向上事業の実施について」より)

(2)介護支援専門員の研修制度の見直し

地域包括ケアシステムの中で、医療職をはじめとする多職種と連携・協働しながら、利用者の尊厳を旨とした自

立支援に資するケアマネジメントを実践できる専門職を養成するため、介護支援専門員に係る研修制度を見直す。

入口の研修である介護支援専門員実務研修を充実するため、任意の研修となっている介護支援専門員実務従

事者基礎研修を介護支援専門員実務研修に統合。

主任介護支援専門員に更新制を導入し、更新時の研修として更新研修を創設。

専門職として修得すべき知識、技術を確認するため、各研修修了時に修了評価を実施。

ガイドライン作成の背景1

(1)介護支援専門員の研修の目的

(2)介護支援専門員の研修制度の見直し

1

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1 ガイドライン作成の背景

※実務研修等は平成28年度の介護支援専門員実務研修受講試験の合格発表の日から、専門研修等は平成28年度4月1日から施行。

※平成 26年 6月 2日告示公布

創設

2

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1 ガイドライン作成の背景

(3)本ガイドラインの位置付け

介護支援専門員の資質向上については、これまで、必要な知識・技能の修得を目的とし、都道府県が実施主体

となって、実務に就いたあとも継続的に研修の機会を提供できるよう体系的な研修を行ってきたところである。

一方、介護支援専門員に係る研修については、都道府県ごとに実施されていることから、研修内容に格差が生じ

ているとの指摘がある。そこで、都道府県が行っている研修の質の平準化を図るため、国として研修実施の指導者

用のガイドラインを策定することにより、介護支援専門員の更なる資質向上に資する研修とするとともに、研修内容

の不断の見直しを実施し、介護支援専門員の研修実施の実効性を確保する必要がある。

このため、研修の企画・立案、研修の実施、評価、その後の研修への反映といった研修実施のサイクルを都道府

県において効果的に実行していくことが必要である。すなわち都道府県においても研修実施の PDCA サイクルを構

築することによって、研修の実をあげることを目指した。

本ガイドラインを、都道府県における介護支援専門員に係る研修実施の際の手引書として活用いただき、また指

導者の養成にも資することができれば幸いである。

(3)本ガイドラインの位置付け

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1 ガイドライン作成の背景

MEMO

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本ガイドラインの基本的な考え方

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2 本ガイドラインの基本的な考え方

(1)ケアマネジメントの目的と意義

ケアマネジメントの成り立ちや介護保険制度における位置づけについては多様な解釈が存在するが、それらを総

合すると、ケアマネジメントとは、生活全般の状況を総合的に把握し、自立した日常生活に向けての希望を十分に

把握し、それを踏まえてニーズに応じたサービスを一体的に提供する専門的な機能ということができる。介護保険

制度におけるケアマネジメントの目的は、介護保険制度が目指す「自立支援」の理念を実現することにあるということ

もできよう。

ただし、高齢者のニーズは多様であり、ニーズに応じた各種サービスの総合的、一体的、効率的な提供が必要で

ある。また、介護保険においては、利用者本位のサービスの提供が基本理念であり、どのようなサービスを選択し利

用するかの最終的な意思決定は利用者に委ねられている。

しかし、各サービスは専門分化しており多職種間の連携にも課題が残る。それゆえ、高齢者やその介護者が各種

サービスの情報を自ら収集し、自らの状況に最もふさわしいサービスを選択し継続的に利用していくことが難しい。

だからこそ、全ての要介護者が等しく、サービスの利用における権利を有することを担保することにケアマネジメン

トの意義があり、その意義を実現するために他の介護保険給付とは異なり、居宅介護支援は全額が保険給付で提

供されているといえよう。

(2)

介護支援専門員は、要介護者からの相談に応じて、要介護者等が日常生活の状況に応じて適切なサービスを

利用できるようサービス利用の連絡調整等を行う者であって、日常生活を営むのに必要な援助に関する専門的知

識や技術を有する者とされている。

つまり、介護支援専門員には、専門的な知識や技術を生かして前述したようなケアマネジメントの価値を実現して

いくことが期待されているのである。一方ケアマネジメントが、介護保険において全国統一的な仕組みとして導入さ

れ、現物給付となった(自己負担ゼロとなった)背景には、利用者の立場に立って、サービスの決定を支援すること

によって全ての要介護者が等しく、サービスの利用における権利を保持することを担保しようとの考え方がある。

したがって、全ての介護支援専門員には、利用者の決定を支援するに足る一定水準以上の知識や技術を有す

ることが求められ、それゆえ「介護支援専門員として利用者の自立支援に資するケアマネジメントに関する必要な知

識及び技術を修得し、地域包括ケアシステムの中で医療との連携を初めとする多職種協働を実践できる介護支援

専門員の養成を図ることを目的とする」法定研修の受講が義務付けられている。

一方で介護及び医療や福祉の実践の方法や技術、介護保険をはじめとする社会保障制度は、常に変化していく

ため、一度研修を受講したら終わりではなく常に有する知識や技術を磨き上げていく必要がある。

また、業務経験年数が長い介護支援専門員については、自身が実務を通じて培ってきた経験に基づく知識や技

術さらには基本的な姿勢などを整理して一般化し、後進の介護支援専門員に伝えていく役割が期待される。

本専門研修は、こうした「知識や技術の継続的な磨き上げ」とともに、「実践経験に基づく知識や技術の整理・一

般化」を目的として実施されるものである。

本ガイドラインの基本的な考え方2

(1)ケアマネジメントの目的と意義

(2)研修の目的

5

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2 本ガイドラインの基本的な考え方

(3)

本ガイドラインは総論と各論で構成されている。総論部分は研修の計画と評価、および研修向上委員会の活用

などについて述べた研修PDCAサイクルの構築方法と、研修の目標の考え方、研修実施上の留意点や事例を用い

た研修の工夫について述べている。

各論部分は次のような内容になっている

また、これまでの研修の評価方法を見直し、有効性・適正性を計る新たな評価システムを目指している。

各科目ガイドラインの主な内容

●介護支援専門員実務研修実施要綱に従った目的、概要

●介護支援専門員の熟達度に合わせた研修の修得目標

●科目の内容

●科目のポイント

●講義・演習の展開例

●受講者の理解度を知るための事前アンケートを実施する

●所属先の管理者に対してアンケート(研修において修得してほしい内容等)を実施し、受講者の意識

向上を図る

●受講後の研修科目ごとに研修内容の効果を検証する

(3)本ガイドラインの構成

6

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PDCAサイクルの構築

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3 PDCA サイクルの構築

3 PDCAサイクルの構築

(1)研修向上委員会の設置

介護支援専門員の研修実施の実効あるものとするため、研修の企画、立案、実施、評価、その後の研修の反映

といった研修実施の PDCA サイクルを新たに構築することにより、継続的に研修内容の見直しを図ることが求められ

る。

研修向上委員会は、研修の実施後の評価をもとに、更なる効率的・効果的な研修の実施方策を検討する国及

び都道府県に設置される委員会である。

①国において設置される研修向上委員会

PDCA サイクルの構築3

厚生労働省●資質向上事業における研修実施のガイドラインの提示

●実施結果の分析・課題の整理

●ガイドラインの修正

都道府県

研修事業者

●ガイドラインを参考とした研修の企画・実施

●厚生労働省へ事業評価をフィードバック

●次回以降の研修に反映

想定される

構成委員

学識者、行政担当者、職能団体、都道府県担当者

介護支援専門員、実施事業者、学会 等

国における研修向上委員会

都道府県からの事業評価をもとに、研修における課題の整理を行うとともに、改善に向けた検討を

行う。

●研修体系の内容の検討と提示

●ガイドラインの作成

●各研修項目の目標設定と提示

●指導要領・指導技術・研修の修了評価方法の検討

●効率的・効果的な研修の実施方策の検討

●指導者に関する要件の検討

●介護支援専門員研修向上委員会の運営

(1)研修向上委員会の設置

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3 PDCA サイクルの構築

②都道府県において設置される研修向上委員会

都道府県

●ガイドラインを参考とした研修実施(事業委託)

●研修企画への参画

●事業評価

●次回以降の研修(事業委託内容)に反映

研修事業者

●ガイドラインを参考とした研修実施

●都道府県へ結果を報告

●次回以降の研修に反映

都道府県における研修向上委員会

1)国との関係

ガイドラインを参考に研修企画・実施・評価に関する事務を担う。

●効率性・実効性の高い研修の実施に関する検討

●実施状況及び事業評価について国へフィードバック(教材・指導者・実施状況等)

2)研修実施機関との関係

●研修内容の適正性について調整

●指導者(講師)評価

想定される

構成委員

学識者、介護支援専門員、職能団体の指導者、都道府県担当

者、実施機関、地域包括支援センター 等

8

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3 PDCA サイクルの構築

介護支援専門員関連研修のPDCAサイクルの確立と研修実施支援

PDCAの実行(介護支援専門員研修改善事業)

厚生労働省

都道府県

研修事業者

提言

委託・参画 結果のフィードバック

結果のフィードバック

研修向上委員会(都道府県)

PDCAの実行(介護支援専門員資質向上事業)

研修向上委員会(国)

研修の実施

研修の企画

体系の構築

ガイドラインの作成

指導者の養成

(2)PDCA サイクルによる継続的な改善

現在、介護支援専門員の資質向上に伴う取り組みは、実施主体である都道府県のおかれている現状によるとこ

ろが大きい。研修内容の見直しを図り、介護支援専門員の更なる資質向上を図るためには、幅広い視点から研修

内容の見直しを行い、研修の質の平準化を図ることが必要であり、そのためには、「都道府県」と「研修実施事業

者」、「厚生労働省」と「都道府県等」における各々の研修向上の体制が、両輪で行われることが重要である。具体

的には、各都道府県からの事業評価を国において検討し、随時ガイドラインの修正を図りながら、介護支援専門員

に係る研修の効果的な実施に向けて、実施主体である都道府県との連携を図ることが望ましい。

なお、都道府県に設置する研修向上委員会とは、新たに設置するものではなく、これまで研修を実施する際に設

けられていた各都道府県の会議及び委員会等を指すものである。

図-1 介護支援専門員関連研修の PDCAサイクルの確立と研修実施支援イメージ

研修実施

(2)PDCA サイクルによる継続的な改善

●全国的な質の確保、平準化がなされたか

●事業評価における課題点

視点

●ガイドライン

●研修実施内容の適正性

●介護支援専門員の質の向上

検証する事項

9

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3 PDCA サイクルの構築

都道府県における事業評価は、実施内容に関する評価と、研修終了後に学習したことが日々の業務へどの程度

反映しているかを評価することが必要である。研修時に確認された自己の課題に「どのように取り組んでいるか」、ま

た、その成果が「どのように表れているか」を一定期間後、事前アンケートをもとに自己評価及び管理者または主任

介護支援専門員等による評価(研修記録シートとアンケート等)を研修実施機関にフィードバックし、研修実施機関

は効果を検証した後、結果を都道府県へ報告する。

●ガイドラインを参考とした研修企画、実施が

なされ、資質向上が図れたか

●事業評価における課題点の整理

視点

●研修実施内容の適正性

●介護支援専門員の質の向上

●指導技術

検証する事項

研修改善事業 介護支援専門員関連研修のPDCAサイクルの確立

PDCAの実行(介護支援専門員研修改善事業)

厚生労働省

都道府県

研修事業者

提言

委託・参画 結果のフィードバック

結果のフィードバック

研修向上委員会(都道府県)

PDCAの実行(介護支援専門員資質向上事業)

研修向上委員会(国)

研修の実施

研修の企画

体系の構築

ガイドラインの作成

指導者の養成

受講者 事業所

事前自己評価項目の提示

受講前に目標設定(共有)

事後自己評価(振り返り)

設定した目標の達成度評価

図-2 都道府県における 2段階の研修評価

研修実施

新たに仕組みを

新たに仕組みを

10

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3 PDCA サイクルの構築

(3)研修の計画と評価

①研修計画の必要性

科目の特性に合わせ、講義、演習、実習を組み合わせて展開すること。

1)事前準備

●実施要綱には、その科目の目的、内容が示されている。その要綱に沿ってガイドラインには具体的修得目

標と評価方法を明示している。ガイドラインに沿って研修を組み立てる。

2)講義に使用する資料

●使用する教材やスライド、パワーポイント、レジュメ等は、講義をわかりやすくするものとして準備する。

3)講義の実施計画

事前に講義の実施計画(組み立て)を作成する。

講義に当たっては、ガイドラインに沿って事前アンケートを実施。

●事前のアンケートから受講者の知識の修得状況等について、受講者像を明らかにし、適切な講義を構成

する。

●講義・演習の時間は要綱に定められた時間、若しくはそれ以上とする。

●講義の中に適宜事例を盛り込み、わかりやすい内容とする。

●講義の終了時には振り返りの時間(グループワーク)を設ける。

●講義の中で理解が難しかった点について再度指導し、理解を定着させる。

4)演習

●技術の修得では、次の順に展開することが望ましい。

講義

演習(シミュレーション)

演習(ロールプレイ)

実践

各科目による知識・技術の伝達

実務での経験や、OJT での修得

(3)研修の計画と評価

11

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3 PDCA サイクルの構築

実施要綱に定められている通り、研修計画を作成する上では、以下の内容を盛り込む必要がある。

1)目的

現任の介護支援専門員に対して、一定の実務経験をもとに、必要に応じた専門知識及び技能の修得

を図ることにより、その専門性を高め、多様な疾病や生活状況に応じて、医療との連携や多職種協働を

図りながらケアマネジメントを実践できる知識・技術を修得し、もって介護支援専門員の資質向上を図るこ

とを目的とする。

(老発 0704 第 2 号:平成 26 年 7 月 4 日「介護支援専門員資質向上事業の実施について」別添 2 より)

2)対象者

ア 専門研修課程Ⅰ

専門研修課程Ⅰの研修対象者は、原則として、介護支援専門員としての実務に従事している者で

あって、就業後6か月以上の者とする。

なお、介護支援専門員として、効果的にその専門性を高めるためには早期に受講することが適当で

あり、就業後3年以内に受講することが望ましい。

イ 専門研修課程Ⅱ

専門研修課程Ⅱの研修対象者は、原則として、介護支援専門員としての実務に従事している者で

あって、専門研修課程Ⅰを修了している就業後3年以上の者とする。

(老発 0704 第 2 号:平成 26 年 7 月 4 日「介護支援専門員資質向上事業の実施について」別添 2 より)

3)実施方法

個々の介護支援専門員の経験・知識等を考慮し、介護支援専門員専門研修の研修課程を専門研修

課程Ⅰ及び専門研修課程Ⅱに区分し、それぞれ介護支援専門員の習熟度に応じて実施すること。

また、介護支援専門員が実際に直面している問題を把握し、実際のサービスや施策の状況、介護支

援専門員の状況を踏まえた研修内容とすること。

なお、本研修は、介護支援専門員実務研修から連続する一連の研修体系の中に位置付けられるもの

であり、それぞれ対象となる現任の介護支援専門員の全員が受講することが望ましい。また、専門研修

課程Ⅱは、1回の受講で修了するものではなく、一定の期間ごとに、技術の再確認及び向上のために繰り

返し受講することが望ましい。

(老発 0704 第 2 号:平成 26 年 7 月 4 日「介護支援専門員資質向上事業の実施について」別添 2 より)

12

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3 PDCA サイクルの構築

4)研修実施上の留意点

(1)ケアマネジメントの演習及びケアマネジメントにおける実践事例の研究及び発表に係る科目について、

アセスメントからニーズを把握する過程及びモニタリングでの評価に関する知識・技術についての講義・

演習を行うに当たっては、別途通知する「課題整理総括表」及び「評価表」等を活用し行うものとする。

また、看護、認知症、リハビリテーション、福祉用具等に関する基本的な知識を講義した上で演習を

展開すること。

なお、演習を行うに当たっては、受講者が積極的に演習に参加するよう小規模な班編制により実施

することとし、班編制に当たっては保健、医療、福祉の各職種の均衡に配慮すること。

(2)ケアマネジメントにおける実践事例の研究及び発表においては、基本的に各受講者が担当している事

例を持ち寄ることとするが、科目に適合する事例を担当していないことも考えられるため、研修実施機

関においては事例を用意しておくこと。

(3)講師

講師については、原則ア及びイのとおりとする。

なお、相当の知見を有する者とは、

ⅰ 施行規則第113条の2第1項第1号に規定する資格を有する実務経験が長い主任介護支援専門

ⅱ 地域包括支援センターにおいて介護支援専門員に対する相談・支援に従事している者

ⅲ 大学教員又は法人内において研修の責任者として指導に従事している者

ⅳ その他上記に準ずる者

とする。

ただし、対人個別援助技術及び地域援助技術の科目に関しては、ⅰの資格を社会福祉士に、ⅱの

介護支援専門員を地域活動と読み替える。

ア 専門研修課程Ⅰ

① 「ケアマネジメントにおける実践の振り返り及び課題の設定」及び「ケアマネジメントの実践における

倫理」の講師については、相当の実務経験のある現任の主任介護支援専門員を充てること。

② 「介護保険制度及び地域包括ケアシステムの現状」の講師については、介護保険制度について

相当の知見を有する者又は都道府県職員を充てること。

③ 「対人個別援助技術及び地域援助技術」の講師については、当該研修科目に関して相当の知見

を有する者を充てること。

④ 「ケアマネジメントに必要な医療との連携及び多職種協働の実践」の講師については、在宅介護に

知見のある医療関係者又は病院等において医療連携業務に従事している者を充てること。

⑤ ケアマネジメントの演習に係る項目については、相当の実務経験のある現任の主任介護支援専門

員又は法人内において研修の責任者として指導に従事している者又は在宅介護に知見のある医

療関係者を充てること。

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3 PDCA サイクルの構築

4)研修実施上の留意点

⑥ 「個人での学習及び介護支援専門員相互間の学習」の講師については、相当の実務経験のある

主任介護支援専門員を充てること。

イ 専門研修課程Ⅱ

① 「介護保険制度及び地域包括ケアシステムの今後の展開」の講師については、介護保険制度に

ついて相当の知見を有する者又は都道府県職員を充てること。

② 「ケアマネジメントにおける実践事例の研究及び発表」に係る科目の講師については、相当の実務

経験のある現任の主任介護支援専門員又は法人内において研修の責任者として指導に従事して

いる者又は在宅介護に知見のある医療関係者を当てること。

(4)修了評価

研修の実施にあたっては、各科目における到達目標を達成しているかについて修了評価を実施する

こと。

(5)その他留意点

当該研修の研修受講地については、原則として介護支援専門員の登録を行っている都道府県とす

る。なお、受講者がやむを得ない事情により、専門研修の一部又は全部を受講できなかった場合に

は、別途実施する専門研修の際に当該未受講の科目を受講することとして差し支えない。この場合、

当該受講者から登録地の都道府県に申し出ることにより、他の都道府県で受講することを認めるなど、

都道府県間で連携の上、受講者の便宜を図るものとする。

(老発 0704 第 2 号:平成 26 年 7 月 4 日「介護支援専門員資質向上事業の実施について」別添 2 より)

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3 PDCA サイクルの構築

②研修効果の測定と研修記録シートの活用

1)評価の考え方

研修を通して修得したことを確認したうえで、自己の今後の活動にフィードバックし、自信を持って実務

に必要な能力を獲得することが目標であり、現時点で達成できないことを把握し、今後の実践につなげる

ために評価を実施する。

・研修科目の習熟度については、各科目で設ける修得目標に照らして受講前、受講中、受講後のそれ

ぞれの時期に評価を行う。

・修了時評価は受講者が修得した効果を研修記録シートで確認する。修了評価の実施方法は研修向

上委員会、研修実施機関で検討する。

・研修全体での評価の際は、各科目の習熟度に加えて、介護支援専門員としての資質の前提として、

研修での受講姿勢(講師や他受講者とのコミュニケーション、自己研鑽の意欲等)も考慮する。

2)PDCA サイクルにおける研修記録シートを用いた評価の考え方

①都道府県

・研修実施機関において回収・集計した研修記録シートを基に、都道府県の研修向上委員会におい

て次回以降の研修の企画・実施に向けて改善点・課題点の検討に活用する。

・上記の検討結果は、都道府県の研修への反映とともに、国へフィードバックすることで、研修実施

のガイドライン等の全国の研修の質の向上のための検討に活用する。

②講師

・受講者の事前評価の集計結果を基に各科目の修得目標(研修記録シート2の設問項目)の理解

度を把握することで、講義・演習の重点項目の調整を行うことで、受講者の修得度を向上させる。

・研修中に研修記録シート2を記入する時間(振り返りの時間など)を設け、数件のサンプルから受講

者の自己評価を把握することで、補足説明をし、受講者の修得度を向上させる。

③受講者

・受講前には、研修記録シート1により、受講に当たっての目標を事業所管理者等とともに設定し、ま

た、研修記録シート2により、各科目で学ぶ項目に対する自己評価を行うことで、研修で学ぶべきこ

とを明確化する。

・受講後、実践後には、設定した目標に対する達成度を振り返ることで、さらなる資質向上への目標

の設定に活用する。また、継続的な自己評価により、自身の不足する分野を認識するなど、学習

課題の明確化に活用する。

④事業所管理者

・受講前に、研修記録シート1で受講者とともに受講に際しての目標を設定し、当該研修の受講に期

待することを設定し、受講者の研修受講への動機づけや、受講後の事業所での役割等を明確化

する。

・受講後、実践後には、設定した目標に対する達成度や、事業所での役割等の変化を共有すること

で、継続した目標設定と評価を行う。

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3 PDCA サイクルの構築

3)評価の方法

各研修の特性、都道府県の実情に合わせ、評価方法を選択する。

・テスト

・レポート

・口頭試問

・受講者間の相互評価

・実技

・講師・ファシリテーター等による評価(習熟度、受講姿勢、意欲等による総合的な評価)

・研修記録シート(活用方法は事項参照)

・その他

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3 PDCA サイクルの構築

4)研修記録シートの活用方法

研修の受講による学習を効果的なものとするためには、受講者自身が研修を通じて得たいこと(学習

課題)を設定し、その達成状況を研修修了後に評価することが重要である。達成状況を踏まえ、その後

の継続学習やOJT等において補足的な学習を行うことも重要である。

学習課題の設定やその振り返りには、「研修記録シート」を活用することが有効である。このシートは、こ

れまでのカリキュラムにおいて実施された介護支援専門員研修において実際に活用されてきたものであ

り、その有効性は実証されている。

「研修記録シート」は、研修前に受講者自身とその管理者が学習課題を設定するとともに、研修受講

修了時点と、受講修了後3か月時点において、それぞれ学習課題の達成状況やカリキュラムにおける修

得目標の達成状況を評価し、その結果をその後のOJT等の計画に反映するものである。「研修記録シー

ト」の概要と活用方法は後述の通り。

なお、全受講生に共通して「研修記録シート」を活用することにより、個々の受講生の学習の質を高め

るだけでなく、研修の主催者が研修内容を振り返って継続的に研修の質を高めていくことも期待できる。

具体的には、研修受講前に受講者自身あるいはその管理者が設定している学習課題を把握した上で

研修の内容やその展開の工夫を担当講師との調整や、受講修了後や修了後 3 か月時点での評価結果

を踏まえ、研修内容や教材、講師選定の見直し等に活用する。

①研修記録シートの活用の流れ

ⅰ)受講前【受講申し込み時】

・受講者は、「研修記録シート1(目標)」の受講前記入欄に受講前の目標を記入する。

・管理者(または地域包括支援センター主任介護支援専門員等)は、「研修記録シート1(目標)」の受

講前記入欄に受講者に期待することを記入する。

・受講者は、「研修記録シート2(評価)の受講前記入欄に受講前の自己評価を記入する。

・記入した「研修記録シート1(目標)、2(評価)」を研修主催者に提出してもらう。

ⅱ)受講中【各科目講義・演習時】

・講師は提出された「研修記録シート1(目標)、2(評価)」により、受講者の理解度を把握し、理解度を

考慮して講義・演習を実施する。

・受講者は、「研修記録シート3(振り返り)」に気づいたことを記入する。

ⅲ)受講直後

・講師は、講義・演習の最後に振り返りの時間を設け、受講者は「研修記録シート2(評価)」「研修記録

シート3(振り返り)」に受講直後欄に自己評価を記入する。

ⅳ)受講後【受講の一定期間後(3か月程度)】

・受講者は、「研修記録シート1(目標)」の受講後(3ヶ月後程度)記入欄に目標の達成度と実践への

活用の状況を記入する。

・管理者(または地域包括支援センター主任介護支援専門員等)は、「研修記録シート1(目標)」の受

講後(3ヶ月後程度)記入欄に受講者の目標の達成度と実践への活用の状況を記入する。

・受講者は、「研修記録シート2(評価)の実践評価(3ヶ月後)記入欄に自己評価を、「研修記録シート

3(振り返り)」に受講後からの気づいた点などを記入する(ポートフォリオの作成)。

・記入した「研修記録シート1(目標)、2(評価)」を研修主催者に提出してもらう。

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3 PDCA サイクルの構築

②研修記録シートの活用方法

1)研修時の評価

ⅰ.研修記録シート2(評価)の活用

【受講前】

・講師は、「受講前記入欄」の集計結果を利用し、受講者の理解度を点検する。

・受講者に、研修記録シートにより「修得目標」を点検(現状課題を認識)させる。

【受講直後】

・受講者に、研修記録シートにより「修得目標」を改めて点検(受講後の自己評価)させる。

・各科目の振り返りの時間に、学習したことや課題を少人数で共有(受講者同士で研修記録シートをチ

ェック)させ、リアルタイムでの気づきを促す。

・講義・演習時間の最後に補足説明・講義を行う。(ガイドラインの「講義等の具体例」を参考)

ⅱ.研修記録シート3(振り返り)の作成・活用

・受講者に、研修受講時から継続的に記録させることで、研修時の課題についてこれからどう学習する

か、取り組むか振り返り、今後の自己研鑽に活用させる。

・一番勉強になったこと、理解したこと、理解できなかったこと等を記載させる。

・この記録をもとにグループ内2、3人で相互に評価を行わせる。

ⅲ.講義の評価

・講義終了後、振り返りの時間を導入し、グループで評価を行わせ、その結果浮かび上がった多くの受

講者が理解できなかったことや疑問点について、最後のまとめの講義において再度触れる。

ⅳ.講師の評価

・講義内容が伝わったか研修記録シートをグループで数枚程度サンプリングし、講義終了後に理解しに

くかったポイントを確認し、講師の自己評価の参考にする。

・研修直後の受講者の自己評価を踏まえ、見落としやすいポイントとして講義内容にフィードバックす

る。

2)研修修了後の評価

・評価は、自己評価と管理者による他者評価を行わせる。

・研修修了後、所属先において研修記録シート等で再度自己評価を行わせる。

・管理者は、研修内容が実務に反映されているかをアンケート、ヒアリング等で管理者に確認させるとと

もに、その結果について研修記録シート等に記載させる。

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3 PDCA サイクルの構築

表-2 研修記録シートの記入方法

シート名 内容

研修記録

シート1

(目標)

●研修受講前に「受講者」と「管理者」が受講に当たっての目標を共有し、一定期間後に

その成果を確認するためのものです。

(1)受講前

■当該課程を受講する前に、受講者と管理者が面談の上、研修に期待すること、目

標、成果等を記入します。

■管理者は、受講者に「学んできてほしいこと」「研修に期待すること」をイメージして目

標を記入します。

■受講者は、「研修後にどの様な行動ができるようになりたいか」をイメージして目標を記

入します。

■記入順は、管理者から先に記入します。

(2)受講後3ヶ月

■受講者はシート2、3を先に記入します。

■管理者との面談は、記入した「シート2、3」を基に相談し、それぞれ評価を記入します。

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3 PDCA サイクルの構築

シート名 内容

研修記録

シート2

(評価)

●科目の受講前後で各自の理解度を把握し、受講中の学習効果の向上と、受講後の学習

のポイントを焦点化し、継続的な資質向上に役立てるものです。

●各科目を学習した時点で感じた事を書き留め、今後の学習方針や課題への取り組みを

える際に見返します。

●受講前・受講直後・受講後3カ月の時期に記入します。

●評価は自己評価とし、4段階評価で、数字が大きいほど高評価、数字が小さいほど低評

価として記入します。

●理解度が増し、学ぶべき範囲が見えた事で自己評価が下がる場合もあります。

研修記録

シート3

(振り返り)

●各科目の受講後から継続して記入することで自身の記録を残します。

●各科目を学習した時点で感じた事を書き留め、今後の学習方針や課題への取り組みを

考える際に見返します。

●一番勉強になったこと、理解したこと、理解できなかったこと等を記入します。

●研修時の課題について、これからどう学習するか、取り組むか記入します。

(1)受講前

■当該科目で学ぶべきことの理解の程度を自己評価します。

■どんなことを学べばいいか理解しているなどの評価結果を記入します。

(2)受講直後

■当該科目を受講した直後に、受講前と比べてどの様に変化したか自己評価します。

■受講した事で、より多くのことを学ぶべきだと気付いた、受講前に理解していた通りだっ

たなどの評価を記入します。

(3)受講後 3 ヶ月

■研修で学んだことを実践した後の自己評価を記入します。

■活用できた場面など備考欄に書き留めておきます。

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研修の具体的な展開方法

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4 研修の具体的な展開方法

(1)研修の目標

①各課程の対象者

介護支援専門員資質向上事業における各課程は、連続した育成の視点を持って構成されている。実務研修の

実施にあたっては、他の課程の対象者と比較し、各科目の研修内容を準備する必要があるため、参考までに以下

の通り各課程の対象者を一覧できるようにした。

介護支援専門員資質向上事業 各課程の受講対象者

研修課程 設定時間数 対 象

実務研修 87時間以上法第 69条の 2第 1項に規定する介護支援専門員実務研修受講試験に

合格したものとする。

専門研修

課程Ⅰ56時間以上

原則として、介護支援専門員としての実務に従事している者であって、就

業後 6か月以上の者とする。

なお、介護支援専門員として、効果的にその専門性を高めるためには早期

に受講することが適当であり、就業後 3年以内に受講することが望ましい。

専門研修

課程Ⅱ32時間以上

原則として、介護支援専門員としての実務に従事しているものであって、専

門研修課程Ⅰを修了している就業後 3年以上の者とする。

主任介護

支援専門

員研修

70時間以上

介護支援専門員の業務に関し十分な知識と経験を有する介護支援専門

員とする。

具体的には、主任介護支援専門員としての役割を果たすことができる者を

養成する観点から、居宅サービス計画書等を提出させることにより、研修実

施期間において内容を確認し、利用者の自立支援に資するケアマネジメント

が実践できていると認められる者のうち、以下の①から④のいずれかに該当

し、かつ、「介護支援専門員専門研修実施要綱」に基づく専門研修課程Ⅰ

及び専門研修課程Ⅱ又は「介護支援専門員更新研修実施要綱」の3の(3)

に基づく実務経験者に対する介護支援専門員更新研修を修了した者とす

る。

① 専任の介護支援専門員として従事した期間が通算して 5年(60 ヶ月)

以上である者(ただし、管理者との兼務は期間として算定できるものとす

る。)

② 「ケアマネジメントリーダー活動等支援事業の実施及び推進について」

(平成14年4月24日老発第0424003号厚生労働省老健局長通知)

に基づくケアマネジメントリーダー養成研修を修了した者又は日本ケアマ

ネジメント学会等が認定する認定ケアマネジャーであって、専任の介護

支援専門員として従事した期間が通算して 3年(36 ヶ月)以上である者

(ただし、管理者との兼務は期間として算定できるものとする。)

③ 施行規則第140条の66第1号イ(3)に規定する主任介護支援専門

員に準ずる者として、現に地域包括支援センターに配置されている者

④ その他、介護支援専門員の業務に関し十分な知識と経験を有する者

であり、都道府県が適当と認める者

また、受講対象者の選定に当たっては、特に質の高い研修を実施す

る観点から、上記の要件以外に、都道府県において実情に応じた受講

研修の具体的な展開方法4

(1)介護支援専門員専門研修の目標

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4 研修の具体的な展開方法

研修課程 設定時間数 対 象

要件を設定することは差し支えないものとする。

主任介護

支援専門

員更新研

46時間以上

研修対象者は、次の①から⑤までのいずれかに該当するものであって、主

任介護支援専門員研修修了証明書の有効期間がおおむね 2 年以内に満

了する者とする。

なお、特に質の高い研修を実施する観点から、上記の要件以外に、都道

府県において実情に応じた受講要件を設定することは差し支えないものとす

る。

① 介護支援専門員に係る研修の企画、講師やファシリテーターの経験が

ある者

② 地域包括支援センターや職能団体等が開催する法定外の研修等に

年 4回以上参加した者

③ 日本ケアマネジメント学会等が開催する研究大会等において、演題発

表等の経験がある者

④ 日本ケアマネジメント学会等が認定する認定ケアマネジャー

⑤ 主任介護支援専門員の業務に十分な知識と経験を有する者であり、

都道府県が適当と認める者

(老発 0704 第 2号:平成 26年 7月 4日「介護支援専門員資質向上事業の実施について」より)

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4 研修の具体的な展開方法

②研修全体の最終目標(アウトカム)

研修成果をあげるためには、介護支援専門員が細かい技術の一つ一つを完璧に実施できることよりも、総合的な

力を身につけ利用者や家族から信頼される人材に成長することが求められる。介護支援専門員研修の最終目標

の例として8項目を図に示した。

ガイドラインには科目ごとに5から10程度の具体的修得目標があげている。その科目を履修するにあたり、受講者

が個々の修得目標を達成できるように指導することは当然であるが、より大切なことは個々の学びが個人の総合力

の養成に役立つように指導することである。

たとえば実務研修では科目ごとに多くの知識を受講者に伝えることを目的にすべきではなく、ケアマネジメントの対

象である利用者が少しでも自立した生活が送れるように支援するために、知識を活用した③ケアマネジメント実践力

が身につくことをめざすべきである。また③を身につけるためには基礎として①②の修得が必須である。その上で④

⑤を身につけていくことが求められる。

介護支援専門員研修の最終目標(アウトカム)

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4 研修の具体的な展開方法

③研修各段階における受講者の熟達度

どのような職種であっても研修の最終目標を達成するには時間がかかる。介護支援専門員は総合的、多面的な

能力を身につけなければならないため、熟達した技術を修得するには最短でも約 10 年の期間が必要と思われる。

当然個人差は大きい。

研修の各段階においては、受講者がどの程度熟達しているかを知り、弱点を補強し、強みをさらに伸ばすように努

めることが望ましい。そのため概略ではあるが、熟達度からみた各研修課程の受講前における受講者像を示すこと

にした。

アウトカム項目によっては熟達の表現が難しいものもある。それぞれ右の列になるにしたがって熟達度が高いこと

を示している。知識については広く深くなることを示している。コミュニケーションに関しては対象事例が複雑化困難

化しても対応できることを示している。

研修課程

実務 専門Ⅰ 専門Ⅱ 主任 主任更新

介護支援専門員育成のアウトカム項目

①介護保険制度の知識 部分的 部分的 全体的 専門的 専門的

②コミュニケーション力 部分的単純な事

複雑な

事例

支援困難

事例

支援困難

事例

③ケアマネジメント実践力 経験不足 部分的 全体的 全体的 全体的

④多職種協働チーム活用力 経験不足 未熟 部分的 包括的 包括的

⑤省察的思考力 未熟 不十分 多面的 多面的 多面的

⑥生涯学習力 未熟 不十分 意欲的 指導的 指導的

⑦プロと意識と倫理 未熟 未熟 不十分 実践的 実践的

⑧地域アプローチ 未熟 未熟 不十分 試行的 政策提言

最短 10年

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4 研修の具体的な展開方法

④修得目標の意味

1)各科目のねらいを科目ごとにできるだけ具体的に表現した修得目標が設定されている。これは、受講者が講

義、演習、実習後、およびその後の日常業務を通して修得すべきものを提示した。主語はすべて受講者で、理解

しやすく、理想ではなく実現可能で、評価しやすいように行動的で測定可能な言葉を用いている。

したがって、研修の受講終了時点における達成を目標とするが、研修の内容を踏まえた実践の中においてそ

の技術を身につけていくものであり、むしろ、介護支援専門員に求められる知識や技術、態度等は、実践を通じて

常に研鑽していく性質のものである。こうした目標が達せられるよう、受講修了後の継続学習(自己学習やOJT

やOff-JT、職域団体や地域で行われる研修への参加等)につながるような研修内容が望ましい。

2)修得目標は、ヘッド(知識・論理)、ハート(思い、姿勢、態度)、ハンド(技術)がバランスよく示される必要があ

る。教育評価の考え方では「認知領域」(知識や理解の獲得や判断に関わる評価領域)、「情意領域」(姿勢や

感情に関わる評価領域)、「精神運動領域」(技能の獲得と実践に関わる評価領域)の3つの領域に分類されて

いる。このうち「認知領域」についてはさらに「想起」(知識の獲得、問われて思い出せるかどうか)、「解釈」(理念

や考え方を理解して説明できるかどうか)、「問題解決」(さまざまな情報を踏まえて問題解決に向けた判断がで

きるかどうか)の3つの領域で構成している。これらの各評価領域での修得目標の表現とその意味は以下のとおり

である。

※受講者への継続的な学習にあたり、本ガイドラインでは受講者自身が自己評価、振り返り、今後の目標設定等、

一連の学習プランを計画出来るよう、修得目標をもとにした研修記録シートの活用を示している

領域 修得目標の表現 意味

認知領域

「想起」「~を述べることができる」

必要な知識を記憶しており、具体的な用語や実

例等を回答できるレベル

認知領域

「解釈」「~について説明できる」

必要な理念や考え方について理解しており、その

理念や考え方について自分の言葉で具体的に

説明できるレベル

認知領域

「問題解決」「~を判断できる」

さまざまな情報と、理念や考え方に基づき、専門

職として、問題解決に向けた妥当な判断を行うこ

とができるレベル

情意領域 「~に配慮できる」専門職として持つべき姿勢や態度を有して実践

できるレベル

精神運動領域「~を行うことできる」

「~(動作を)できる」

必要な技能を有し、専門職として具体的に実践

できるレベル

表-1 修得目標の意味

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4 研修の具体的な展開方法

(2)研修実施上の留意点

①本ガイドラインで取り上げる研修手法の特徴と留意点

研修では以下に挙げるような研修手法の活用が盛り込まれている。各科目のねらいや修得目標に照らして、各

研修手法の特徴や留意点を踏まえた研修の実施が求められる。

名称 手法と特徴 留意点

座学(講義)

●介護支援専門員として理解すべき原理

原則やルール、方法論や考え方を説明した

り、基礎的な知識を解説したりする。

●単に知識を付与するだけでなく、知識の

体系やその基盤となる基本的な考え方を解

説することにより、その後のさまざまな学習

の基盤を形成することが出来る。

●講義で使用する教材は、研修受講修了

後の実践においても、適宜振り返って知識

を確認したり定着させたりするために活用出

来る。

●単に講義形式の座学を続けるだけでな

く、ミニワーク(個人学習)やグループワーク

等を交えて組み立てることで学習効果を高

めることが必要である。

●科目の目的に合わせて知識の解説と知

識に基づいた活用方法の教授を行う。

●実務研修では、介護支援専門員としての

実務経験が無い受講生を対象にすることか

ら、基本的な事項から丁寧に説明すること

が必要。

●受講者が主体的に学ぶ姿勢を持ち、学

習できるように工夫する。

●主任介護支援専門員研修、主任介護

支援専門員更新研修では介護支援専門員

へ指導するためのケアマネジメントに関する

指導に向けての知識を学習できるように工

夫する。

講義・演習

(一体型)

●実務を想定して行う訓練や体験。

●また、演習だけでなく講義と組み合わせ

て展開することにより、知識の定着と更なる

獲得を図る。

●技能の修得では、慣れるまで繰り返し学

習することで実践力の修得を図る。

●ロールプレイとシミュレーションを適切に組

み合わせることで、より実践的な学習とする

ことが出来る。

●主任介護支援専門員研修、主任介護支

援専門員更新研修においては、演習、講義

の組み合わせの展開や技能の修得で実践

指導の獲得および修得を図る。

●講義で得た知識を実務に活用する。

●受講者が、円滑に実践を始められるよ

う、具体的な演習となるよう工夫する。

●継続的な学習の基盤とするため、介護支

援専門員の業務の基盤となる基本的な考

え方や知識(例:ケアマネジメントプロセスな

ど)、指導方法等は、演習を通じて繰り返し

定着と確認を行うことが重要。

●主任介護支援専門員研修、主任介護支

援専門員更新研修においては講義で得た

知識を実践指導に活用する。

実習

●実習を通じて得られる具体的、個人的な

経験を、学んできた知識、技術、態度と結

び付け、実務が展開できるようにする。

●介護支援専門員の実務経験が無い受講

者に対し、介護支援専門員の業務の実際を

経験してもらうことにより、自らが実践を始め

る際の心構えを持ってもらうことが出来る。

●高齢者個人や事業所の利用者等の協

力を得て学習していることを考慮する。

●指導者がその状況を総合的にとらえてど

のような学習が可能かを判断しながら、意

図的に関わること。

●介護支援専門員の実務の概観が具体的

に理解できるよう、実習で参加する場面を

工夫する。

(2)専門研修実施上の留意点

表-1 研修手法

26

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4 研修の具体的な展開方法

名称 手法と特徴 留意点

事例検討

●一般化された知識や考え方の理解を具

体的に深めたり、具体的な実務を想定して

模擬的に判断の訓練を行ったりする研修手

法。

●主任介護支援専門員研修、主任介護支

援専門員更新研修では、一般化された知

識や考え方の理解を具体的に深めたり、具

体的な実践指導の振り返りや実践指導を想

定して模擬的に判断の訓練を行ったりする

研修手法。

●一般的な理解を踏まえた上で、具体的に

問題解決や気付きを目指した検討を進める

ことが特徴。

●事例検討の目的に応じて、用いる事例の

準備方法(共通事例とするか、受講者各自

の持ち寄り事例とするか)、準備する情報の

範囲を調整することで、理解度を高めること

が出来る。

●具体的な判断方法を解説する際には、

指導者の経験値だけによらず、一般化され

た知識や考え方に基づいた解説を行うこと。

●実務研修課程では、介護支援専門員の

実務経験が無い受講者であることから、

個々の事例における問題解決の方策を深

める以上に、ケアマネジメントプロセスの理解

や、類似の事例における検討(特に情報の

収集・分析と課題抽出)の留意点の理解に

重点を置くことが望ましい。

●実務研修課程の中で行われる事例検討

では、基本的に研修機関が準備する共通

事例を用いる。情報の分析と課題抽出に力

点を置く科目では幅広い情報を提供した上

でそれをどう分析するかの演習を展開する

ことが望ましい。一方、情報の収集(多職種

連携を含む)に力点を置く科目では必ずしも

十分でない情報を提示した上で「どのような

情報を追加収集すれば良いか」考えてもら

うといった展開も有効である。なお、本ガイド

ラインに掲載する事例は事例検討で用いる

共通事例の資料の提示例として示したもの

であり、必ずしもこの事例をそのまま用いなく

てはならないというものではない。

●主任介護支援専門員研修、主任介護支

援専門員更新研修の演習においては、介

護支援専門員への指導方法について知

識、技術を学べるように工夫する。

●主任介護支援専門員研修、主任介護支

援専門員更新研修では、地域づくりの視点

も合わせて演習に組み入れる

27

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4 研修の具体的な展開方法

②事例を用いた講義・演習一体型の科目の展開の考え方について

≪専門研修Ⅰ≫

○各課程の講義・演習一体型の科目で重点を置く内容

各課程の講義・演習一体型の科目では、以下の内容に重点を置くこととする。

各課程の講義・演習一体型の科目で重点を置く内容

多職種協働の重要性を理解し、予防的な視点や体系的アセスメントを身に着けた上で、特に様々な状況等

を勘案した実践しうる複数の対応策を提案するために必要な知識・技術や留意点の修得に重点を置く。

■講義では、実務課程で取り扱わなかった知識・技術を一通り身につけることを目指す。

■その上で演習では、特にさまざまな状況等を勘案した実践しうる複数の対応策(居宅サービス計画等)の

提案に重点を置く。

○講義の展開例

取り上げる事例ごとに多少の違いはあるとしつつ、各課程のねらいを踏まえて以下のような展開例を基本とす る。

講義の展開例 実務(300 分)

※養成機関が用意した事例を使用

①知識・技術の講義(80 分)

・自らの実践を振り返った上で、多様な事例に対応するために必要な知識・技術及び留意点を解説する。

・講義だけでなくミニワーク等を交えることにより、効果的な修得を促す。

②アセスメントとプラン作成演習(90分)

・与えられた事例ン基づいてアセスメントを行い、様々な状況等を勘案した実践しうる複数の対応策(居

宅サービス計画等)を作成する演習を行う。

③多職種等への説明と合意(40 分)

・②で作成した居宅サービス計画等を用いて多職種等に分かりやすく説明する方法を検討する。

・さらに検討した内容を踏まえ説明(プレゼンテーション)の演習を行う。

④振り返りとまとめの講義(30 分)

・本科目で修得した内容を振り返ってまとめ、確認する。

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4 研修の具体的な展開方法

○事例の例として示す資料

各課程で用いる事例の例及び資料としては、以下のようなものを取り上げることとする。

事例の例として示す資料

【事例】

・様々な状況等を勘案した実践しうる複数の対応策(居宅サービス計画等)が検討できる事例

【資料】

・支援経過記録

・課題分析標準項目(23 項目)

(基本情報及びアセスメント情報)

・ジェノグラム、エコマップ

・主治医意見書

・課題分析総括表【作成例】

・評価表

・居宅サービス計画書等

(支援方針の提案)【作成例】

・サービス担当者会議録

○原稿の内容を整える上での調整(共通)

・「各ケアマネジメントプロセスにおける留意点」の「アセスメント」部分については、ICFの枠組みに基づいて留意

点を整理して示す。

・展開例では、休憩時間を含めずに各科目で示されている時間数となるようにする。

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4 研修の具体的な展開方法

≪専門研修課程Ⅱ≫

○各課程の講義・演習一体型の科目で重点を置く内容

各課程の講義・演習一体型の科目では、以下の内容に重点を置くこととする。

各課程の講義・演習一体型の科目で重点を置く内容

自らの実践を振り返り、特に個別事例に基づいて他の事例にも対応できる事項を抽出したり、地域課

題を捉えて多職種連携や社会資源への働きかけへと展開したりする方法の修得に重点を置く。

■講義は、専門Ⅰで取り扱った知識・技術の確認・振り返りに留める。

■演習を主とし、普遍化や社会資源への働きかけに重点を置く。

■一般的な「研究」の考え方や方法論は、法定外研修等を通じて本課程受講前に修得していることを前提と

する。

○講義の展開例

取り上げる事例ごとに多少の違いはあるとしつつ、各課程のねらいを踏まえて以下のような展開例を基本とする。

講義の展開例 実務(300 分)

※基本的に持ち寄り事例を使用

①知識・技術の確認と自己覚知(40分)

・自らの実践を振り返り、自己の学習課題を認識する。

・専門Ⅰまでに取り扱った知識・技術やネットワークの振り返りと、多職種連携や社会資源とのネットワーク

に関する最新の状況を解説する。

②普遍化に関する演習(110 分)

・演習で用いる事例を共有する。

・個別支援の事例を起点に、その地域の高齢者の生活を取り巻く普遍化された課題と、それに対応する

ケアマネジメントにおける留意点・工夫等を捉える方法の修得を促す。

③地域課題の把握に関する演習(60分)

・②の事例を起点に、地域課題を把握し、その解決に向けた取り組み方法の検討方法の修得を促す。

④振り返りとまとめの講義(30 分)

・本科目で修得した内容を振り返ってまとめ、確認する。

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4 研修の具体的な展開方法

○事例の例として示す資料

各課程で用いる事例の例及び資料としては、以下のようなものを取り上げることとする。

事例の例として示す資料

【選定方法】

・ケアマネジメントを実践する上で、介護支援専門員が悩んだり対応に苦慮したりした事例

・受講者1人につき1事例(7類型から選択)を提出

【資料】

・支援経過記録

・課題分析標準項目(23 項目)

(基本情報及びアセスメント情報)

・ジェノグラム、エコマップ

・主治医意見書

・課題分析総括表

・評価表

・居宅サービス計画書

・サービス担当者会議録

○原稿の内容を整える上での調整(共通)

・「各ケアマネジメントプロセスにおける留意点」の「アセスメント」部分については、ICFの枠組みに基づいて留意

点を整理して示す。

・展開例では、休憩時間を含めずに各科目で示されている時間数となるようにする。

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4 研修の具体的な展開方法

【参考】ケアマネジメントプロセスについて

実務研修課程は、前期にケアマネジメントプロセスに沿って基本的な知識や考え方を理解し、実習で

実践の様子を経験した上で、後期には要介護認定状態となる原因として多くみられる疾患群別に、ケア

マネジメントの具体的な展開を学ぶ。このように、介護支援専門員の業務にとって最も重要なケアマネジ

メントプロセスについては繰り返し学習する機会が設けられている。

このようなカリキュラムの特徴を踏まえ、研修を展開する際は「ケアマネジメントプロセス」の考え方を、

関連する科目の講師間で共有しておくことが重要である。本ガイドラインでは以下に示す居宅介護支援

の流れに基づいて各科目の研修内容を展開している。

介護支援専門員等による支援(ケアマネジメントの実施)

アセスメント

ケアプラン原案作成

サービス担当者会議

利用者への説明・同意

ケアプランの確定交付

サービス提供

給付管理

モニタリング

■生活の質(QOL)の向上

■尊厳の保持

■自立した日常生活の実現

居宅で面接し、利用者の解決

すべき課題(ニーズ)を把握

サービス担当者を集め、利用

者に係る情報の共有や専門的

意見の聴取

居宅で面接し、ケアプラン

の実施状況を把握

利用者

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4 研修の具体的な展開方法

③課題整理総括表及び評価表の活用方法

実施要綱に定められている通り、専門研修課程では課題整理総括表及び評価表を活用することとされている。

課題整理総括表はアセスメント結果をもとに、介護支援専門員がどのような事実に基づいてケアの見通しを考えて

課題を抽出したかを、多職種向けに総括的に示すことを目的とした書式である。一方、評価表は、ケアプランに位

置付けた短期目標の達成状況を、短期目標の終期の時点で振り返り、その要因をサービス担当者会議等で検討

することによって、再アセスメントをより効果的なものとすることを目的としたものである。課題整理総括表及び評価表

のそれぞれの活用方法については、平成26年 6月 17日に厚生労働省から示された「課題整理総括表及び評価

表の活用の手引き(以下、手引きと表記)」に記載されている。

専門研修課程では、専門研修課程Ⅰの「ケアマネジメントにおける実践の振り返り及び課題の設定」、および専門

研修課程Ⅰの「ケアマネジメントの演習」、専門研修課程Ⅱの「ケアマネジメントにおける実践事例の研究及び発表」

といった、いずれも講義・演習一体型の科目において、事例検討・事例研究のために活用することが想定される。

ただし、本様式は参考様式であるので、研修で利用する際は、専門研修課程を受講する受講者は業務において

多様なアセスメントツールを利用していて普段から利用しているアセスメントツールの種類によって情報の収集・整

理・分析に対する視点が異なる場合もあることにも配慮が必要である。

なお、課題整理総括表については、手引きにおいて、実践における活用場面として「介護支援専門員自身による

振り返りとOJT」「サービス担当者会議における多職種間での情報共有」「地域ケア会議における事例検討や地域

課題の検討」といった場面が挙げられている。

専門課程Ⅰの「ケママネジメントにおける実践の振り返り及び課題の設定」では、介護支援専門員自身による振り

返りとして活用することになる。一方、専門課程Ⅰの「ケアマネジメントの演習」においては、分析した要因に着目して

複数の対応策の可能性を検討したりサービス担当者会議における多職種間で効果的に情報を共有したりといった

活用が、専門課程Ⅱの「ケアマネジメントにおける実践事例の研究及び発表」では地域ケア会議における事例検討

や地域課題の検討を目的とした活用が期待される。

特に専門課程Ⅱにおける活用では、個別ケアの視点だけでなく、把握しながらもケアプランに反映できなかったニ

ーズを特定することで、地域全体の課題の抽出につなげていく視点(一般化の視点)を持つためのツールの一つとし

て、課題整理総括表を活用することが期待される。

以上をまとめ、専門研修課程における活用として、具体的には例えば以下のような展開が考えられる。

専門研修Ⅰ・Ⅱにおける課題整理総括表を活用した学習の展開(例)

・自身の実践において情報の収集・整理・分析が適切かどうかを振り返り、自分の学習課題を確認する

・サービス担当者会議での多職種連携において、どのような情報を共有すればよいかを学習する

・個別事例においてケアプランに反映できなかった課題を起点として、地域の課題の抽出につなげて

いく視点や考え方を学習する

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4 研修の具体的な展開方法

④事例検討と事例研究の展開

1) 事例研究科目の狙い

初期段階(実務課程等)で行う事例検討とは異なり、経験を積む中で身につけてきた価値・倫理・知識や技術と

いった専門性を、他の受講者と共に学ぶ中で、確認しあい、今後の実践における活動目標を掴むことである。

事例研究は発表者の主導型の研究となってしまう要素を含んでいることから、発表者が主観的な視点や思考の

みに陥ることのないよう留意することが重要となる。

2) 経緯

多様な高齢者の暮らしの中で、介護保険制度を利用する一人一人の高齢者の主体的な生活を選択することを

支援する役割を持つ介護支援専門員は、今以上の複眼的な視点を持つ事を期待されていることから、演習を通し

た介護支援専門員間での意見交換や、担当以外の事例に向き合い、共学の精神で研修を受講する事が重要とな

る。

このため、介護支援専門員の働いている場に応じてマネジメントを提供する視点だけではなく、実務 3 年目以上

の介護支援線専門員の実践の場を超えて、実践事例を分析し、高齢者の生活像を複眼的な視点を持ち、地域で

の介護支援専門員の活動を拡大する事を促進し、介護支援専門員自らが考える力、解釈する幅、実践力を強化

する事を目的として、専門研修課程Ⅱにおいて、新たに「ケアマネジメントの実践事例の研究及び発表」科目を設け

たところである。

各事例のテーマについては、地域包括ケアシステム構築に向け重要な視点や課題となるテーマを科目して設定

した。

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4 研修の具体的な展開方法

3) 介護支援専門員法定研修での事例研究の考え方

現在すでに行われている事例検討と事例研究については、言葉の厳密な定義をせずに事例検討と事例研究の

2 つの用語を並べてきた。研究概念としては、あらゆる事象の心理や原理を明らかにするために行われる知的な行

為の事で、研究という時は、人間が認識可能なあらゆる事柄が対象になると言われている。特に介護支援専門員

が扱う研究の対象は、国が明記した課題分析標準項目23項目又は ICFでの生活機能分類を対象とすれば、無数

な事象が研究対象となる。

今回介護支援専門員研修課程Ⅱで取り扱う事例研究については、介護支援専門員が担当する個別または、そ

のネットワーク(集団)について詳細な資料を収集し、特長やその利用者又はネットワークが変化していくプロセスにつ

いて、総合的・系統的・力動的に分析・検討し、それによって得られた知識を実践の場であるいは学術的に生かし

ていく事である。今まで行われていた事例検討は、具体的には、個別または、そのネットワーク(集団)において、生

活課題を検討し、どのように支援していくかについて方向性を明確にする事である。研究はそれに加え介護支援専

門員のあり方や支援の過程と結果について評価を行う事である。その意味では、事例研究は事例検討を含んでい

ると言える。

具体的に現時点での事例研究の意義は以下の通りである。

①自分が気づいてなかった個別または、そのネットワーク(集団)とその解決の道筋について複眼的な視点で理

解する。

②個別または、そのネットワーク(集団)について理解を深める。

③実践を追体験する事で、対応の基本的視点、支援過程、支援結果、反省点を分析する。そのプロセスにおい

て自分以外の介護支援専門員の実践についての理解と共有化を図る。

④事例を共に深める事によって、知識や技術の向上に役立て実践に反映させる。

⑤支援の原則を皆で導き出す。

⑥自分たちの実践を客観的に評価する力をつける。

⑦実践の振返りを通じ、個別の課題から地域の課題、社会への課題の認識へとつなぐ。

⑧地域における総合的な支援・トータルケア力を他の専門職や関係者と共に高めていくうえでの介護支援専門

員の果たす役割について、確認する。

⑨説明責任を果たせるようにする。(援助過程の説明ができる事、情報開示ができる事、サービス決定に対する

説明責任に対応する力量を備える。)

⑩組織の力をつける。

=引用:中央法規出版 介護支援専門員の為のスキルアップテキスト~専門研修課程Ⅱ対応版~2010 年 6 月 20 日発行 第3章

4) 事例研究カリュキュラムの基本理解について

研究を具体的に始めるには、事例の作成が必要となる。今回の研修体系に沿って説明を行うと、実務研修受

講試験に合格後、受講する実務課程で、事例対するアセスメントとケアプラン作成について、運営規定を勘案し

て記述する事が修得される。次に就労後6ヶ月を経て専門課程Ⅰの受講となる。専門研修課程Ⅰでは、担当高

齢者の事例を、現時点での社会的支援の課題解決が必要なテーマに沿って講義・演習を通して多様なケアマ

ネジメントの展開について修得をする。そして就労後3年以上を経て専門課程Ⅱ受講により、事例研究を行う。こ

こでは、研究の意義を踏まえ、介護支援専門員が直面している高齢者支援の場面での事象を研究する。

研修体系の流れにおいて事例研究の理解をするならば、専門課程Ⅱにおいて単独で研究が行われるもので

はなく、これまでの研修や実践による習熟度を踏まえて研究に触れることとなる。

参考資料

・平成25年度老人保健事業推進費等補助金老人保健健康増進事業[介護支援専門員の資質向上及びケアマネジメントの質の向上に資する

研修制度に関する調査研究事業報告書 一般財団法人 長寿社会開発センター 平成 26年1月

・中央法規出版 介護支援専門員の為のスキルアップテキスト~専門研修課程Ⅱ対応版~2010 年 6 月 20 日発行 第3章

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4 研修の具体的な展開方法

MEMO

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各科目の展開方法

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5 各科目の展開方法

(1)専門研修課程

ア 専門研修課程Ⅰ

専門研修課程Ⅰについて、科目、目的、内容及び時間数については以下のとおりであり、合計 56時間以上と

する。

(老発0704 第 2号:平成26年 7月 4日「介護支援専門員資質向上事業の実施について」別添2より)

科 目 目 的 内 容 時間数

○ケアマネジメント

における実践の振り

返り及び課題の設定

介護支援専門員と

しての実践の振り返

りを通じて、ケアマ

ネジメントプロセス

を再確認した上で、

専門職としての自ら

の課題を理解する。

・各自の実践を省みる事により、ケアマネジメントプ

ロセスにおける各項目の持つ意味と重要性に関し

て再確認し課題等を認識するための講義を行う。

・専門職としての知識・技術を高めていく上での克服

すべき課題等を認識する講義を行う。

・振り返りに当たっては、担当事例を活用することと

し、担当事例におけるケアマネジメントの視点(ア

セスメントの結果から課題(ニーズ)を導き出すま

での考え方、当該課題(ニーズ)に対するサービス

の選定理由等)を発表し、他の受講者との意見交換

を通じて、自分自身の技量における課題を認識・理

解する。

講義及び演

習12時間

○介護保険制度及び

地域包括ケアシステ

ムの現状

介護保険制度の最

新の動向や地域包括

ケアシステムの構築

に向けた現状の取組

を理解した上で、今

後の地域包括ケアシ

ステムの展開におけ

る介護支援専門員と

しての関わりを理解

する。

また、地域包括ケ

アシステムの中で、

利用者及びその家族

を支援していくに当

たって、関連する制

度等を理解する。

・介護保険制度の改正等の状況や地域包括ケアシステ

ムの構築に向けた現状の取組及び課題に関する講

義を行う。

・地域包括ケアシステムの構築に向けて、介護支援専

門員が果たすべき役割に関する講義を行う。

・利用者が、住み慣れた地域で自立した生活を継続す

るためには、利用者だけでなくその家族を支援する

という視点も必要であることから、利用者の家族も

含めた支援に関連する各種制度や社会資源に関

する講義を行う。

・フォーマルだけでなくインフォーマルな社会資源と

の連携やそれらの活用と働きかけに関する講義を

行う。

講義3時間

(1)専門研修課程における科目の構成(カリキュラム)

各科目の展開方法5

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5 各科目の展開方法

科 目 目 的 内 容 時間数

○対人個別援助技術

及び地域援助技術

対人個別援助技術

(ソーシャルケース

ワーク)と地域援助

技術(コミュニティ

ソーシャルワーク)

の違いと役割を理解

する。

・対人個別援助技術(ソーシャルケースワーク)の考

え方と地域援助技術(コミュニティソーシャルワー

ク)の概念・機能・目的に関する講義を行う。

・対人個別援助技術(ソーシャルケースワーク)に必

要な知識・技術及び地域援助 技術(コミュニティ

ソーシャルワーク)の展開技法についての講義を行

う。

・個別事例の支援から地域課題の把握、課題の共有、

課題解決に向けた地域づくりや資源開発などに至

る一連のプロセスに関する講義を行う。

・実際に取り組む場である地域ケア会議の意義や機能

及び一連のプロセスの中における介護支援専門員

としての役割に関する講義を行う。

・個別事例の支援や地域課題の把握から解決に向け、

保険者を含む多職種連携の意義やネットワーク作

りの視点と方法に関する講義を行う。

講義3時間

○ケアマネジメント

の実践における倫理

ケアマネジメント

を実践する上で感じ

た倫理的な課題を踏

まえ、チームで対応

していく際のチーム

アプローチの方法及

び高齢者の権利を擁

護する上で必要な制

度等を理解する。

・ケアマネジメントを実践する上での介護支援専門員

としての倫理原則(利用者本位、自立支援、人権の

尊重、公正中立等)に関する講義を行う。

・ケアマネジメントを実践する上で生じうる具体的な

倫理的課題に対する心構えや対応方法についての

講義を行う。

・利用者の人権と倫理に配慮した意思決定のプロセス

に関する講義を行う。

・倫理的な課題に対するチームアプローチの重要性を

認識し、その手法に関する講義を行う。

・成年後見制度や高齢者虐待防止法等、高齢者の尊厳

や権利擁護に関する講義を行う。

講義2時間

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5 各科目の展開方法

科 目 目 的 内 容 時間数

○ケアマネジメント

に必要な医療との連

携及び多職種協働の

実践

実践を通じて感じ

た医療との連携や多

職種協働に関する課

題を踏まえ、今後の

実践に向けて必要な

知識・技術を理解す

る。

・ケアマネジメントを実践する上で必要な疾病や医療

との連携、多職種協働の必要性・重要性を再確認す

るための講義を行う。

・これまでの実践を省みて課題を認識し、医療との連

携や多職種協働を実践していくための課題解決の

方法に関する講義を行う。

・介護支援専門員から医療機関や多職種に情報を提供

する際の留意点及び、医療機関や多職種から情報を

収集する際の留意点についての講義を行う。

・サービス担当者会議や地域ケア会議における多職種

との効果的な協働の手法に関する講義を行う。

講義4時間

○ケアマネジメント

の演習

・リハビリテーショ

ン及び福祉用具の活

用に関する事例

リハビリテーショ

ンや福祉用具等の活

用が有効な事例を用

いて講義・演習を行

うことにより、リハ

ビリテーションや福

祉用具等の活用に係

る知識及びケアマネ

ジメント手法を修得

する。

・リハビリテーション(口腔リハビリテーションを含

む。)や福祉用具等に関する基礎知識の向上と活用

に当たっての基本的な視点に関する講義を行う。

・リハビリテーション専門職並びに福祉用具専門相談

員等との連携方法等に関する講義を行う。

・リハビリテーションや福祉用具等の活用に関する事

例を用いて、適切なアセスメントを行う際の重要な

ポイントや地域の社会資源を活用したケアマネジ

メントを実践する知識・技術を修得する。

・1つの事例について様々な状況等を勘案した、実践

しうる複数の対応策(居宅サービス計画の作成)が

検討できるよう、必要な知識・技術を修得する。

講義及び演

習4時間

・看取り等における

看護サービスの活用

に関する事例

看護サービスの活

用が必要な事例を用

いて講義・演習を行

うことにより、看護

サービスの活用に係

る知識及びケアマネ

ジメント手法を修得

する。

・看護サービスに関する基礎知識の向上と活用に当た

っての基本的な視点に関する講義を行う。

・訪問看護計画との関連付けや看護職との連携方法等

に関する講義を行う。

・看取り等における看護サービスの活用に関する事例

を用いて、適切なアセスメントを行う際の重要なポ

イントや地域の社会資源を活用したケアマネジメ

ントを実践する知識・技術を修得する。

・1つの事例について様々な状況等を勘案した、実践

しうる複数の対応策(居宅サービス計画の作成)が

講義及び演

習4時間

39

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5 各科目の展開方法

科 目 目 的 内 容 時間数

検討できるよう、必要な知識・技術を修得する。

・認知症に関する事

認知症に関する事

例を用いて講義・演

習を行うことによ

り、認知症に関する

知識及び認知症の要

介護者等に有効なサ

ービスを活用したケ

アマネジメント手法

を修得する。

・認知症や精神疾患に関する医学的・心理的基礎知識

の向上と認知症施策に関わる多職種との連携方法

等に関する講義を行う。

・認知症等の特質性を踏まえた早期の対応方法や家族

も含めた支援方法などを修得するとともに、地域で

生活を継続していくための支援を行う上で必要な

視点を理解する。

・認知症に関する事例を用いて、認知症に鑑みた適切

なアセスメントを行う際の重要なポイントや、地域

の社会資源を活用したケアマネジメントを実践す

る知識・技術を修得する。

・1つの事例について様々な状況等を勘案した、実践

しうる複数の対応策(居宅サービス計画の作成)が

検討できるよう、必要な知識・技術を修得する。

講義及び演

習4時間

・入退院時等におけ

る医療との連携に関

する事例

入退院時等におけ

る医療との連携に関

する事例を用いて講

義・演習を行うこと

により、医療との連

携に必要な知識及び

医療との連携を踏ま

えたケアマネジメン

ト手法を修得する。

・高齢者に多い疾病の特徴とその対処法、感染予防に

関する講義を行う。

・医療職(特に主治医)や医療機関との連携方法等に

関する講義を行う。

・入退院時等における医療との連携に関する事例を用

いて、適切なアセスメントを行う際の重要なポイン

トや、社会資源を最大限に活用したケアマネジメン

トを実践する知識・技術を修得する。

・1つの事例について様々な状況等を勘案した、実践

しうる複数の対応策(居宅サービス計画の作成)が

検討できるよう、必要な知識・技術を修得する。

講義及び演

習4時間

・家族への支援の視

点が必要な事例

家族への支援の視

点が必要な事例を用

いて講義・演習を行

うことにより、家族

への支援の視点も踏

まえたケアマネジメ

ント手法を修得す

る。

・単なるレスパイトだけでなく今後の介護に対する不

安や利用者、家族同士の軋轢への介入など家族支援

における基本的な視点に関する講義を行う。

・関係行政機関等との連携方法、家族支援に有効な制

度等についての講義を行う。

・障害等のある家族や働きながら介護を担う家族に対

する支援が必要な事例などを用いて、適切なアセス

メントを行う際の重要なポイントや、地域の社会資

源を最大限に活用したケアマネジメントを実践

する知識・技術を修得する。

講義及び演

習4時間

40

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5 各科目の展開方法

科 目 目 的 内 容 時間数

・1つの事例について様々な状況等を勘案した、実践

しうる複数の対応策(居宅サービス計画の作成)が

検討できるよう、必要な知識・技術を修得する。

・社会資源の活用に

向けた関係機関との

連携に関する事例

社会資源の活用に

向けた関係機関との

連携に関する事例を

用いて講義・演習を

行うことにより、利

用者が活用しうる制

度に関する知識及び

関係機関等との連携

を踏まえたケアマネ

ジメント手法を修得

する。

・生活保護制度、障害者施策、成年後見制度などの他

法他施策に関する制度の知識やインフォーマルサ

ービスの活用に係る視点に関する講義を行う。

・虐待が発生している事例、他の制度(生活保護制度、

成年後見制度等)を活用している事例、インフォー

マルサービスを提供する事業者との連携が必要な

事例等を用いて、適切なアセスメントを行う際の重

要なポイントや、地域の社会資源を最大限に活用し

たケアマネジメントを実践する知識・技術を修得す

る。

・1つの事例について様々な状況等を勘案した、実践

しうる複数の対応策(居宅サービス計画の作成)が

検討できるよう、必要な知識・技術を修得する。

講義及び演

習4時間

・状態に応じた多様

なサービス(地域密

着型サービス、施設

サービス等)の活用

に関する事例

状態に応じた多様

なサービス(地域密

着型サービス、施設

サービス等)の活用

に関する事例を用い

て講義・演習を行う

ことにより、介護保

険で提供される地域

密着型サービス等の

活用に係る知識及び

ケアマネジメントの

手法を修得する。

・定期巡回・随時対応型訪問介護看護や複合型サービ

スなど新しく導入されたサービス及び小規模多機

能型居宅介護の意義・効果に関する講義を行う。

・これらのサービスを活用する際の視点の重要性や連

携方法等についての講義を行う。

・状態に応じた多様なサービス(地域密着型サービス、

施設サービス等)の活用に関する事例を用いて、適

切なアセスメントを行う際の重要なポイントや、地

域の社会資源を最大限に活用したケアマネジメン

トを実践する知識・技術を修得する。

・1つの事例について様々な状況等を勘案した、実践

しうる複数の対応策(居宅サービス計画、施設サー

ビス計画の作成)が検討できるよう、必要な知識・

技術を修得する。

・その他、施設サービス等を活用する際の留意点等に

ついて理解する。

講義及び演

習4時間

41

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5 各科目の展開方法

科 目 目 的 内 容 時間数

○個人での学習及び

介護支援専門員相互

間の学習

指導・支援、コー

チング、スーパービ

ジョン等の違いを踏

まえ、自らがそれら

を受ける際の心構え

や、専門職として不

断に自己研鑽を行う

ことの重要性を理解

する。

・個人で専門性を高めていく際に必要な視点、手法に

関する講義を行う。

・指導・支援、コーチング、スーパービジョン等の基

本的な考え方、内容、方法を理解するとともに、こ

れらを受ける側と行う側双方に求められる姿勢に

関する講義を行う。

・個人で研鑽する場合と介護支援専門員間相互で研鑽

する場合に求められる内容や手法とその関係性に

ついての講義を行う。

・専門職として継続した自己研鑽を行うことの必要

性・重要性について講義を行う。

講義2時間

○研修全体を振り返

っての意見交換、講

評及びネットワーク

作り

研修全体を通じた

振り返りを行うこと

で、今後の学習課題

を認識し、自己研鑽

の意欲を高める。

また、研修受講者

間でのネットワーク

の構築を図る。

・研修全体の振り返りを行うに当たって、グループ又

は全体で意見交換を行い、専門的助言を含めて、研

修における学習の成果や今後の学習課題への意識

付けのための講評を行う。

・現場で生じうる課題への対応や共同で研修する機会

を作るため、研修受講者間においてネットワークの

構築を図る。

講義及び演

習2時間

42

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5 各科目の展開方法

イ 専門研修課程Ⅱ

専門研修課程Ⅱについて、科目、目的、内容及び時間数については以下のとおりであり、合計 32 時間以上とする。

(老発 0704 第 2号:平成 26年 7月 4日「介護支援専門員資質向上事業の実施について」別添2より)

科 目 目 的 内 容 時間数

○介護保険制度及び

地域包括ケアシステ

ムの今後の展開

介護保険制度の最新

の動向や地域包括ケア

システムの構築に向け

た現状の取組を理解し

た上で、今後の地域包

括ケアシステムの展開

における介護支援専門

員としての関わりを理

解する。

また、地域包括ケア

システムの中で、利用

者及びその家族を支援

していくに当たって、

関連する制度等を理解

する。

・介護保険制度の改正等の最新状況や地域

包括ケアシステムの構築に向けた現状の

取組及び課題についての講義を行う。

・地域包括ケアシステムの構築に向けて、

介護支援専門員が果たすべき役割に関す

る講義を行う。

・利用者やその家族を支援する上で関連す

る最新の制度、動向及び社会資源に関す

る講義を行う。

・介護保険制度や介護支援専門員を取り巻

く状況など現状で課題となっている事項

に関する講義を行う。

講義4時間

○ケアマネジメント

における実践事例の

研究及び発表

・リハビリテーション

及び福祉用具の活用

に関する事例

リハビリテーション

や福祉用具等の活用事

例を用いて演習等を行

うことにより、リハビ

リテーションや福祉用

具等の活用に係る知識

及び効果的なケアマネ

ジメント手法を修得す

る。

また、演習等で得ら

れたリハビリテーショ

ンや福祉用具等の活用

に係る示唆、留意点等

を踏まえ、他の事例に

も対応することができ

る知識・技術を修得す

る。

・各自が担当しているリハビリテーション

や福祉用具等を組み入れた居宅サービス

計画等を持ち寄り、事例に関して分析し

た内容の発表、意見交換等を通じて、適

切なアセスメントを行う際の留意点や居

宅サービス計画等の作成における留意点

を理解、再確認する。それらの留意点や

必要に応じ根拠となる各種統計データを

活用する等により、別の類似の事例等に

も広く対応することができる知識・技術

を修得する。

・リハビリテーションや福祉用具等を活用

するに当たって重要となる関連知識や歯

科医師、リハビリテーション専門職等と

の連携方法に関する講義を行う。

・リハビリテーションや福祉用具等の活用

を検討するに当たり、効果的なものとな

るようインフォーマルサービスも含めた

地域の社会資源を活用したケアマネジメ

講義及び演

習4時間

43

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5 各科目の展開方法

科 目 目 的 内 容 時間数

ントの展開に関する講義を行う。

・看取り等における看

護サービスの活用に

関する事例

看護サービスの活用

が必要な事例を用いて

講義・演習を行うこと

により、看護サービス

の活用に係る知識及び

効果的なケアマネジメ

ント手法を修得する。

また、演習等で得ら

れた看護サービスの活

用に係る示唆、留意点

等を踏まえ、他の事例

にも対応することがで

きる知識・技術を修得

する。

・各自が担当している看護サービスを組み

入れた居宅サービス計画等を持ち寄り、

事例に関して分析した内容の発表、意見

交換等を通じて、適切なアセスメントを

行う際の留意点や居宅サービス計画等の

作成における留意点を理解、再確認する。

それらの留意点や必要に応じ根拠となる

各種統計データを活用する等により、別

の類似の事例等にも広く対応することが

できる知識・技術を修得する。

・看取り等を含む看護サービスを活用する

に当たって重要となる各種知識や医師、

看護師等との連携方法に関する講義を行

う。

・看取り等を含む看護サービスを検討する

に当たり、効果的なものとなるようイン

フォーマルサービスも含めた地域の社会

資源を活用したケアマネジメントの展開

に関する講義を行う。

講義及び演

習4時間

・認知症に関する事例 認知症に関する事例

を用いて講義・演習を

行うことにより、認知

症に関する知識及び認

知症の要介護者等に有

効なサービスを活用し

た効果的なケアマネジ

メント手法を修得す

る。

また、演習等で得ら

れた認知症の要介護者

等に対して有効なサー

ビスの活用に係る示

唆、留意点等を踏まえ、

他の事例にも対応する

ことができる知識・技

・各自が担当している認知症である要介護

者等の居宅サービス計画等を持ち寄り、

事例に関して分析した内容の発表、意見

交換等を通じて、適切なアセスメントを

行う際の留意点や居宅サービス計画等の

作成における留意点を理解、再確認する。

それらの留意点や必要に応じ根拠となる

各種統計データを活用する等により、別

の類似の事例等にも広く対応することが

できる知識・技術を修得する。

・認知症の要介護者等及び家族を支援する

に当たり重要となる各種知識及び医療職

をはじめとする多職種や地域住民との連

携方法に関する講義を行う。

・認知症である要介護者等の支援方法を検討

するに当たり、効果的なものとなるようイ

講義及び演

習4時間

44

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5 各科目の展開方法

科 目 目 的 内 容 時間数

術を修得する。 ンフォーマルサービスも含めた地域の社

会資源を活用したケアマネジメントの展

開に関する講義を行う。

・入退院時等における

医療との連携に関す

る事例

入退院時等における

医療との連携に関する

事例を用いて講義・演

習を行うことにより、

医療との連携に必要な

知識及び医療との連携

を踏まえた効果的なケ

アマネジメント手法を

修得する。

また、演習等で得ら

れた入退院時等におけ

る医療との連携に係る

示唆、留意点等を踏ま

え、他の事例にも対応

することができる知

識・技術を修得する。

・各自が担当している入退院時等における

ケースの居宅サービス計画等を持ち寄り、

事例に関して分析した内容の発表、意見

交換等を通じて、適切なアセスメントを

行う際の留意点や居宅サービス計画等の

作成における留意点を理解、再確認する。

それらの留意点や必要に応じ根拠となる

各種統計データを活用する等により、別

の類似の事例等にも広く対応することが

できる知識・技術を修得する。

・入退院時等の支援に当たり重要となる各

種知識や医療職をはじめとする多職種と

の連携方法に関する講義を行う。

・入退院時のケースを検討するに当たり、

効果的なものとなるようインフォーマル

サービスも含めた地域の社会資源を活用

したケアマネジメントの展開に関する講

義を行う。

講義及び演

習4時間

・家族への支援の視点

が必要な事例

家族への支援の視点

が特に必要な事例を用

いて講義・演習を行う

ことにより、家族への

支援の視点も踏まえた

効果的なケアマネジメ

ント手法を修得する。

また、演習等で得ら

れた家族への支援に係

る示唆、留意点等を踏

まえ、他の事例にも対

応することができる知

識・技術を修得する。

・各自が担当している家族支援が特に必要

なケースの居宅サービス計画等を持ち寄

り、事例に関して分析した内容の発表、

意見交換等を通じて、適切なアセスメン

トを行う際の留意点や居宅サービス計画

等の作成における留意点を理解、再確認

する。それらの留意点や必要に応じ根拠

となる各種統計データを活用する等によ

り、別の類似の事例等にも広く対応する

ことができる知識・技術を修得する。

・家族に対する支援に当たり重要となる各

種知識や関係機関、地域住民をはじめと

する多職種との連携方法に関する講義を

行う。

・家族支援が必要なケースを検討するに当た

講義及び演

習4時間

45

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5 各科目の展開方法

科 目 目 的 内 容 時間数

り、効果的なものとなるようインフォーマ

ルサービスも含めた地域の社会資源を活

用したケアマネジメントの展開に関する

講義を行う。

・社会資源の活用に向

けた関係機関との連

携に関する事例

社会資源の活用に向

けた関係機関との連携

に関する事例を用いて

講義・演習を行うこと

により、利用者が活用

することができる制度

に関する知識及び関係

機関等との連携を踏ま

えた効果的なケアマネ

ジメント手法を修得す

る。

また、演習等で得ら

れた社会資源の活用に

向けた関係機関との連

携に係る示唆、留意点

等を踏まえ、他の事例

にも対応することがで

きる知識・技術を修得

する。

・各自が担当している、他の制度(生活保護

制度、成年後見制度等)を活用している事

例、インフォーマルサービスを提供する事

業者との連携が必要な事例等の居宅サー

ビス計画等を持ち寄り、事例に関して分析

した内容の発表、意見交換等を通じて、適

切なアセスメントを行う際の留意点や居

宅サービス計画等の作成における留意点

を理解、再確認する。それらの留意点や必

要に応じ根拠となる各種統計データを活

用する等により、別の類似の事例等にも広

く対応することができる知識・技術を修得

する。

・他の制度を活用するに当たり重要となる

各種知識や関係機関、多職種との連携方

法に関する講義を行う。

・他の制度を活用するケースを検討するに

当たり、効果的なものとなるようインフ

ォーマルサービスも含めた地域の社会資

源を活用したケアマネジメントの展開に

関する講義を行う。

講義及び演

習4時間

・状態に応じた多様な

サービス(地域密着型

サービス、施設サービ

ス等)の活用に関する

事例

状態に応じた多様な

サービス(地域密着型

サービス、施設サービ

ス等)の活用に関する

事例を用いて講義・演

習を行うことにより、

介護保険で提供される

地域密着型サービス等

の活用に係る知識及び

ケアマネジメントの手

法を修得する。

・各自が担当している地域密着型サービス

等の多様なサービスを活用している事例

等の居宅サービス計画等を持ち寄り、事

例に関して分析した内容の発表、意見交

換等を通じて、適切なアセスメントを行

う際の留意点や居宅サービス計画等の作

成における留意点を理解、再確認する。

それらの留意点や必要に応じ根拠となる

各種統計データを活用する等により、別

の類似の事例等にも広く対応することが

できる知識・技術を修得する。

講義及び演

習4時間

46

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5 各科目の展開方法

科 目 目 的 内 容 時間数

・状態に応じて多様なサービスを活用する

に当たり重要となる各種知識や関係機

関・介護サービス事業者との連携方法に関

する講義を行う。

・状態に応じて多様なサービスを活用するに

当たり、効果的なものとなるようインフォ

ーマルサービスも含めた地域の社会資源

を活用したケアマネジメントの展開に関

する講義を行う。

47

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5 各科目の展開方法

(2)各科目方

1)目的

・介護支援専門員専門研修実施要綱に掲げられている、本科目を履修する目的を示している(要綱の内容の

再掲)。

2)概要

・介護支援専門員専門研修実施要綱に掲げられている本科目を達成するための研修内容の概要を示してい

る(要綱の内容の再掲)。

3)関連科目と修得目標

・本課程及び連続する他の課程において、本科目の内容と関連が大きい科目名を示している。研修実施機関

における講師選定及び、講師間での研修内容の調整を行う際の指針として活用いただきたい。

4)修得目標

・科目全体を通して修得する内容を示している。なお、前章「修得目標の意味」にも記載した通り、修得目標と

は、研修の受講修了時点における達成を目標とするが、受講者が研修受講後の実務(目安として 1年程度)

においての到達点(理解の深化)を含んでいる。したがって、研修の受講終了後も実務における継続学習(自

己学習、OJT 等)につながるような研修の展開とすることが重要である。

・修得目標の表現の意味は「修得目標の意味」(24 頁参照)に記載の通りであるので、担当講師にはこちらも

併せて確認していただきたい。

5)内容

・修得目標を踏まえ、本科目で研修すべき内容を具体的に列記している。

・なお、知識・技術については本研修及びその後の実務における継続学習を通じて修得が期待される基本的

な事項を全て列記している。あくまでも受講終了後の継続学習も含めた修得を目指しているので、ここに掲げ

られている内容の全てを、本科目の研修時間内に無理に触れようとする必要はない。

6)科目のポイント

・研修を展開する上で、特に留意すべき点、指導上のポイント等を示している。

・前述の通り「内容」は、受講終了後の継続学習も含めた修得を目指した事項を示しているので、研修時間内

に特にどのような内容に力点を置くべきかを検討する指針として捉え、活用いただきたい。

7)講義・演習の展開例

・前述した「修得目標」「内容」「科目のポイント」を踏まえた、研修の展開例を示している。この展開例はあくまで

も例であってこの通り展開しなければならないというものではないが、具体的な展開を考える指針として捉え、

活用いただきたい。

・なお、要綱に定められた研修時間は正味の研修時間であり、休憩時間は時間数に含まれない。したがって、

長時間の科目であって、昼休みを挟んだり、2 日間にまたがって本科目を展開したりする場合等には留意が

必要である。

(2)各科目のガイドラインの構成と各項目の見方

48

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各科目のガイドライン専門研修課程Ⅰ

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介護支援専門員専門研修課程Ⅰ

専門研修課程Ⅰ

①ケアマネジメントにおける実践の振り返り及び課題の設定・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 49

②介護保険制度及び地域包括ケアシステムの現状 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 56

③対人個別援助技術及び地域援助技術 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 62

④ケアマネジメントの実践における倫理 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 67

⑤ケアマネジメントに必要な医療との連携及び多職種協働の実践 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 73

⑥-1 ケアマネジメントの演習「リハビリテーション及び福祉用具の活用に関する事例」 ・・・・・・・・・・・・・・・・・ 79

⑥-2 ケアマネジメントの演習「看取り等における看護サービスの活用に関する事例」 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 87

⑥-3 ケアマネジメントの演習「認知症に関する事例」・・・・…・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・…・・・・・・・・・・・・… 97

⑥-4 ケアマネジメントの演習「入退院時等における医療との連携に関する事例」・・・・…・・・・・・・・・・・・・・… 104

⑥-5 ケアマネジメントの演習「家族への支援の視点が必要な事例」・・・・…・・・・・・・・・・・・…・・・・・・・・・・・・… 111

⑥-6 ケアマネジメントの演習「社会資源の活用に向けた関係機関との連携に関する事例」・・・・・・・・・・・・… 117

⑥-7 ケアマネジメントの演習「状態に応じた多様なサービス(地域密着型サービスや施設サービス等)の

活用に関する事例」・・・・・・・・・・・・・・・…・・・・・・・・・・・・…・・・・・・・・・・・・…・・・・・・・・・・・・…・・・・・・・・・・・・… 127

⑦個人での学習及び介護支援専門員相互間の学習・・・・…・・・・・・・・・・・・…・・・・・・・・・・・・…・・・・・・・・・・・・・… 139

⑧研修全体を振り返っての意見交換、講評及びネットワーク作り・・・・…・・・・・・・・・・・・…・・・・・・・・・・・・・・…・・ 144

※本ガイドラインの本文中にある『社会資源』は「インフォーマルサービス等」を含む。

※本ガイドラインの本文中にある『居宅サービス計画』は「施設サービス計画」を含む。

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介護支援専門員専門研修課程Ⅰ

6 各科目のガイドライン

1.目的

介護支援専門員としての実践を振り返り、ケアマネジメントプロセスを再確認した上で、専門職としての自らの

課題を理解する。

2.内容

・各自の実践を省みる事により、ケアマネジメントプロセスにおける各項目の持つ意味と重要性に関して再確認し

課題等を認識するための講義を行う。

・専門職としての知識・技術を高めていく上での克服すべき課題等を認識する講義を行う。

・振り返りに当たっては、担当事例を活用することとし、担当事例におけるケアマネジメントの視点(アセスメントの

結果から課題(ニーズ)を導き出すまでの考え方、当該課題(ニーズ)に対するサービスの選定理由等)を発表

し、他の受講者との意見交換を通じて、自分自身の技量における課題を認識・理解する。

3.関連科目と修得目標

(1)関連科目 研修体系において、本科目に関連性の高い科目は以下の通りである。

実務研修⑥ケアマネジメントのプロセス

⑦-1~5 ケアマネジメントに必要な基礎知識及び技術

専門研修課程Ⅰ

専門研修課程Ⅱ

主任介護支援専門員

研修

主任介護支援専門員

更新研修

①ケアマネジメントにおける実践の振り返り及び課題の設定講義・演習

12 時間

49

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介護支援専門員専門研修課程Ⅰ

6 各科目のガイドライン

(2)修得目標

修得目標修得分野 対応する研修内容

※次項の番号に対応しています知識 技術 態度

①自己のケアマネジメントプロセスの客観的

な評価を行うことができる。● ● ● (1)

②ケアマネジメントプロセスの中で得意不得

意を認識し活動の修正を行うことができ

る。

● ● ● (2)

③自己のケアマネジメントプロセスの客観的

な評価結果に基づき、今後の学習課題の設

定を行うことができる。

● ● ● (3)

4.内容 修得目標を踏まえ、本科目で研修すべき主な内容は以下の通りである。

(1)実践の振り返り

①実務研修を終えてからの実践の振り返り

実務研修が終了し、実践してきた業務を振り返り、今までの実践からの成長や課題について確認する。

・実務において、どのような経験をし、何を学んだか。

・実務をすることにより自らがどれだけ変わったか。

・実務研修を修了する際に設定した自らの課題とどのように向かい合い、取り組むことができたか。

・実務研修を修了する際に設定した自らの課題は達成できたか。

・実務を通じて、自らのどのような課題が見つかったか。

②ケアマネジメントプロセスの重要性の確認

改めてケアマネジメントプロセスの項目ごとの意味と重要性について確認する。

(ア)受付及び初回面接相談(インテーク)、契約

・利用者及び家族との信頼関係の構築の重要性

・利用者が主体となる契約の意義とそれを保証するための仕組み

・受付及び初回面接相談(インテーク)場面における留意事項

(イ)アセスメント及びニーズの把握の方法

・アセスメントにおける情報収集と分析による課題の明確化

・利用者の状態の改善及び悪化の可能性の予測

・利用者の生活全体を捉える視点の重要性

・利用者の生活機能と背景を把握、理解する視点

(ウ)居宅サービス計画等の作成

・利用者及び家族の生活に対する意向の確認及び総合的な援助の方針の策定における留意点

・アセスメントから導き出したニーズを解決するための視点と達成するための目標の関係

・多職種との連携による居宅サービス計画等の策定における留意点

・居宅サービス計画と個別サービス計画との連動の重要性

50

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介護支援専門員専門研修課程Ⅰ

6 各科目のガイドライン

(エ)サービス担当者会議の意義と進め方

・会議を開催するにあたり、必要な業務の理解

・サービス担当者会議における介護支援専門員によるアセスメントの結果を共有することの重要性

・会議での意識の共有にあたり、居宅サービス計画と個別サービス計画との内容の整合性

・複数サービスを利用する場合における各サービスの個別サービス計画ごとの内容の確認をすることの重要性

・各ケース(新規、更新、区分変更等)ごとのサービス担当者会議における検討の留意点

(オ)モニタリング及び評価

・利用者及び家族、サービス担当者等との継続的な連絡や居宅訪問による利用者との面接の意味

・モニタリングにおける視点や手法、心身状況の変化への対応

・目標に対する各サービスの達成度(評価)の検証の必要性と評価手法(評価表等の活用)

・モニタリングにおける多職種との役割分担と連携の重要性

・モニタリング結果の記録作成の意味と記録に当たっての留意点

(2)担当事例による事例検討

担当事例を持ち寄り、事例検討を行うに当たり、目的や方法について学び、意見交換等を通じて自らのケア

マネジメントにおける課題とその対応について学ぶ。

①事例検討の意義と方法

・事例検討の目的

・地域ケア会議と事例検討会の違い

・参加者の基本姿勢

・事例検討の進め方

・事例検討における準備

②事例検討の実施

各実践事例を用いて、以下の内容について検討する。

(ア)ケアマネジメントプロセスを振り返り、アセスメントの結果から生活全般の解決すべき課題を導きだすまで

の考え方の確認、課題に沿った目標、目標を達成するためのサービス内容・種別・事業所選定になってい

るかどうか等を確認する視点

・医療情報を把握しているか。

・具体的「困りごと」を把握しているか。

・生活をする上での「困りごと」の原因を把握しているか。

・生活上の「困りごと」について、本人・家族の意向を確認しているか。

・「困りごと」から「望む暮らし」への転換がはかられているか。

・利用者・環境の強さ(ストレングス)を把握しているか。

・介護の必要性、改善の可能性、悪化の危険性を検討しているか。

・アセスメントの結果に沿った課題(ニーズ)になっているか。

・課題(ニーズ)に沿ったケアの方向性になっているか。

・課題(ニーズ)に沿った目標になっているか。

・目標に沿った介護内容になっているか。

・利用者の選択によるサービス種別・事業所選定になっているか。

・サービス担当者会議は適切か。

・モニタリングは適切か。

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介護支援専門員専門研修課程Ⅰ

6 各科目のガイドライン

(イ)介護支援専門員の専門性向上を目的とした視点

・介護支援専門員の役割を理解して対応しているか。

・高齢者にとって問題となりやすい生活上の「困りごと」を具体的に理解しているか。

・生活上の「困りごと」の原因の把握方法を理解して対応しているか。

・課題検討をするための考え方を理解して対応しているか。

・ケアの方向性を設定するための考え方を理解して対応しているか。

(ウ)家族の問題や、介護支援専門員・介護サービス事業者の問題、 心情的問題、介護保険サービス利用で

解決できない課題への対応の視点

・解決すべき課題の内容を具体的に整理ができているか。

・誰(利用者、家族、介護支援専門員、事業者等)にとっての問題なのか整理できているか。

・問題の原因を明確化ができているか。

・問題だけではなく、対象者の生活全般について、解決すべき課題を把握できているか。

・介護保険制度の理念、介護保険事業の運営基準に沿った対応となっているか。

・介護保険だけでなく、社会資源を活用した対応となっているか。

・本人の持っている力を踏まえた対応となっているか。

(エ)ケアプラン点検

・ケアプラン点検は、介護給付費適正化事業として、介護給付の適正化を図ることにより、利用者に対する適

切な介護サービスの提供を確保するとともに、不適切な給付を削減することで、介護保険制度の信頼感を高

めるとともに、介護給付費や介護保険料の増大を抑制し、持続可能な介護保険制度を構築するという考え

から行われている。

・介護給付の適正化については、都道府県と保険者が一体となって戦略的に取り組んでいくことを促進する

観点から、平成 19 年6月に示された「介護給付適正化計画に関する指針」に基づき、各都道府県の方針及

び目標等を定めた「介護給付適正化計画」を策定し、平成 20 年度から全国で行われている。

・介護給付費適正化事業には、要介護認定の適正化、サービス提供体制及び介護報酬請求の適正化とし

て、認定調査状況の点検、居宅サービス計画の点検、住宅改修等の点検、医療情報との突合、縦覧点検、

介護給付費通知などがあり、ケアプラン点検はその一つである。

・ケアプラン点検は、居宅サービス計画がケアマネジメントのプロセスを踏まえ、自立支援に資する適切な居

宅サービス計画となっているのかを、基本となる事項を介護支援専門員とともに確認しながら、介護支援専

門員の「気づき」を促すとともに、自立支援に資するケアマネジメントとは何かを追求し、その普遍化を図り、

健全な給付の実施を支援するためのものである。

・介護支援専門員がケアマネジメントの視点を正しく踏まえ、専門家として判断の根拠を示した上で居宅サー

ビス計画の作成ができているかどうかが重要である。

(オ)居宅サービス計画に関する課題と対応策についての検討

・メンバーによる意見交換により、事例提出者の気づきを促すと共に、今後の支援方針や対応策を検討し、ま

た、残された課題について検討する。

(カ)グループ発表

・メンバーによる事例の検討により明らかになったことや、メンバーと事例の再アセスメントを行うことによって生

まれた新たな視点などの気づきについて発表し、グループで検討した今後の支援方針や対応策を発表する

と共に、事例検討を行った感想や自己の課題などの気づきを発表する。

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介護支援専門員専門研修課程Ⅰ

6 各科目のガイドライン

(3)学習課題の設定

事例検討を通じて把握した自らの課題について、今後の学習課題を設定し、さらなる資質向上へとつなげる。

①自らの課題の確認

・事例検討を行うことによって気づいた自己の課題や傾向について確認する。

②学習課題に対する対応策と学習目標の設定

・研修を振り返り、事例検討をすることによって気づいた自己の課題や傾向について、その対応策を検討し、

自己の学習課題を設定するとともに、事例検討の必要性や生涯学習の必要性について理解する。

5.科目のポイント

・実務での体験から具体的なエピソードを使い振り返ることによって、自らの課題にどのように向き合ったのか

を確認する。

・ケアマネジメントプロセスを振り返ることより、各プロセスの意味と重要性を再確認し、自己の業務と照らし合

わせて業務を振り返るようにする。

・事例検討においては、司会、書記などの役割分担と各グループにファシリテーターが介入し、事例検討が

円滑に進むようにコーディネートされることが望ましい。

・ケアプラン点検の目的を理解した上で行うようにし、自己の業務の振り返りと、他者による点検の必要性を理

解する。

・事例検討により導き出された自らの現在の能力と課題について、研修を通じてどのように学び、修得していく

のかを考える講義にすること。

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介護支援専門員専門研修課程Ⅰ

6 各科目のガイドライン

6.講義・演習の展開例

下記の時間数は正味の時間数であり、適宜休憩を挟んで展開すること。

1 日目(360 分)

構成 時間 内容 修得目標

導入 10 分

○本科目の目的、修得目標の確認

・アイスブレイク

・研修記録シートを用いてそれぞれの目標の確認

講義・演習 30 分

(1)実践の振り返り

○実務研修を終えてからの実践の振り返り

・グループ内のメンバーで実務研修を終えてから実践してきた中で学

んだことや、失敗したこと、課題と感じることの意見交換

・知識・技術を高めていく上での克服すべき課題を確認

講義 75 分○ケアマネジメントプロセスの重要性の確認

・ケアマネジメントの各プロセスの再確認と押さえるべきポイントの確認①

講義 75 分(2)担当事例による事例検討

○事例検討の意義と方法②

演習 120 分

(2)担当事例による事例検討

●事例検討の実施

・事例の報告、発表

・事例に対するメンバーとの質疑応答

・不足している情報(アセスメント)の確認

・事例提出者の気づきの報告

講義 30 分

(2)担当事例による事例検討

○事例検討の意義と方法

・事例検討の感想・事例検討の効果の再確認

振り返り 20 分○本科目全体を振り返り、ポイントについて講義

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介護支援専門員専門研修課程Ⅰ

6 各科目のガイドライン

2日目(360 分)

構成 時間 内容 修得目標

導入 10 分

○前回の振り返り

・アイスブレイク

・研修記録シートを用いてそれぞれの目標の確認

講義・演習 120 分

(2)担当事例による事例検討

●事例検討の実施

・ケアプラン点検の意義、ケアプラン点検支援マニュアルの説明

・自己点検

・他者点検

・点検結果の振り返りとグループ演習に使う事例の選定

演習 90 分

(2)担当事例による事例検討

●事例検討の実施

・グループワークによる課題と確認と対応策の検討

・グループワークによる居宅サービス計画作成(言語化)

演習 80 分

(2)担当事例による事例検討

●事例検討の実施

・グループ発表と総評

演習 40 分

(3)学習課題の設定

●自らの課題の確認

●学習課題に対する対応策と学習目標の設定

・事例検討、グループ発表、意見交換を通じて認識した、自らの課

題に対し、解決に向けた学習課題の設定を行う

・グループ内で、自らが設定した学習課題の発表

振り返り 20 分 ○本科目全体を振り返り、ポイントについて講義

<参考文献>

○介護支援専門員実務研修テキスト作成委員会編「五訂介護支援専門員実務研修テキスト」一般財団法

人長寿社会開発センター2012 年

○佐藤信人「ケアプラン作成の基本的考え方」中央法規出版 2008 年

○居宅サービス計画書作成の手引編集委員会編「四訂 居宅サービス計画書作成の手引き」一般財団法

人長寿社会開発センター 2010 年

○社会福祉法人全国社会福祉協議会「改定福祉職員研修テキスト 指導編」社会福祉法人全国社会福祉

協議会 2003 年

○稲葉元吉・尾川丈一訳「プロセス・コンサルテーションー援助関係を築くことー」株式会社白桃書房

2002 年

55

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介護支援専門員専門研修課程Ⅰ

6 各科目のガイドライン

1.目的

介護保険制度の最新の動向や、地域包括ケアシステムの構築に向けた現状の取組を理解した上で、今後の

地域包括ケアシステムの展開における介護支援専門員の役割を理解する。

また、地域包括ケアシステムの中で、利用者及びその家族を支援していくに当たって、関連する制度等を理

解する。

2.内容

・介護保険制度の改正等の状況や地域包括ケアシステムの構築に向けた現状の取組及び課題に関する講義を

行う。

・地域包括ケアシステムの構築に向けて介護支援専門員が果たすべき役割について講義を行う。

・利用者が住み慣れた地域で自立した生活を継続するためには、利用者だけでなくその家族を支援するという視

点も必要であることから、利用者家族も含めた支援に関する各種制度や社会資源に関する講義を行う。

・介護保険サービスだけでなく、社会資源活用と働きかけに関する講義を行う。

3.関連科目と修得目標

(1)関連科目 研修体系において、本科目に関連性の高い科目は以下の通りである。

実務研修①介護保険制度の理念・現状及びケアマネジメント

⑨地域包括ケアと社会資源

専門研修課程Ⅰ

専門研修課程Ⅱ ①介護保険制度及び地域包括ケアシステムの今後の展開

主任介護支援専門員

研修

①主任介護支援専門員の役割と視点

⑥地域援助技術

主任介護支援専門員

更新研修①介護保険制度及び地域包括ケアシステムの動向

②介護保険制度及び地域包括ケアシステムの現状 講義3時間

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介護支援専門員専門研修課程Ⅰ

6 各科目のガイドライン

(2)修得目標

修得目標修得分野 対応する研修内容

※次項の番号に対応しています知識 技術 態度

①介護保険制度等の改正の内容とその理由に

ついて説明することができる。● ● (1)

②地域包括ケアシステムの構築にむけた現状

及び展開における課題について説明でき

る。

● ● (2)

③地域包括ケアシステムの構築にむけて介護

支援専門員の果たすべき役割について説明

できる。

● ● ● (3)

④個別支援における地域ケアチームの一員と

しての役割について説明できる。● ● ● (4)

⑤利用者の家族も含めた社会資源について説

明できる。● ● ● (5)

⑥利用者ニーズに応じた多様な社会資源の活

用について説明できる。● ● ● (6)

4.内容 修得目標を踏まえ、本科目で研修すべき主な内容は以下の通りである。

(1)介護保険制度等の改正の内容

①介護保険制度の現状と課題

(ア)介護保険制度の変遷

・要介護度別の認定者数、サービス利用者数、保険料の推移

・医療介護連携の促進の必要性

・家族の介護や看護を理由とした離職者数の推移と仕事と介護の両立支援の必要性

(イ)介護支援専門員を取り巻く環境について

(2) 地域包括ケアシステムの構築に向けた現状及び展開における課題

(ア)医療と介護の連携強化等

・地域包括ケアシステムの実現のためには、地域において多面的に在宅医療・介護連携を展開していくこ

が不可欠。

・地域の医療・福祉資源の把握及び活用

・24 時間 365 日の在宅医療・介護提供体制の構築

(イ)介護人材の確保とサービスの質の向上

・介護に関する資格見直しや、介護支援専門員の研修体系も見直し、介護人材の質の向上を目指す。

(ウ)高齢者の住まい等の整備

・住民それぞれのニーズに合った住まいが提供され、その中で自己決定による尊厳が確保された生活が実

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介護支援専門員専門研修課程Ⅰ

6 各科目のガイドライン

現できる。

・持ち家か借家か、バリアフリー等の配慮の有無、ライフステージに応じた適切な住み替えなど、様々な観

点から住まいを検討できる。

(エ)認知症対策の推進

・認知症対策等総合支援事業の実施について、推進強化を行っている。

(オ)保険者による取組の推進

・住民から求められる介護サービスと住まいに関するニーズを的確に把握し、これらのニーズを踏まえてそ

れぞれの施策の目標が整合するように計画が作成されなければならない

・所得や資産を持たない高齢者、家族による支援が期待できない高齢者等には、居住支援と生活支援を

合わせて考えていく必要がある。

(3)地域包括ケアシステムの構築にむけて介護支援専門員の果たすべき役割

介護支援専門員は、包括的・継続的ケアマネジメント事業を行うために、在宅や施設の就労場所を超えて、

医療機関・関係機関・インフォーマルサービス等の体制整備の協働を行う姿勢が必要である。実務を行う中で、

地域に不足している機能などを、介護支援専門員が自ら地域ケア会議などで提示する必要がある。

(4)地域ケアチームの一員としての役割

(ア)地域の社会資源の把握の必要性

・サービス化された支援だけではなく、活動や参加、安否確認や見守りなど、心身の状況や家族構成の変化

などによって喪失してしまう生活機能もある。

・仕事と介護の両立が必要な家族に対する相談機能、利用者と家族を支える社会資源の整備状況等につ

いても把握する等、地域の実情に応じた仕事と介護の両立支援策の検討、推進が必要である。

・地域内には潜在しているボランティアや住民グループがあり、社会参加や地域貢献をしたいと思いながらも

きっかけがないまま活動につながっていない場合もあるため、地域資源の発掘も重要である。

・日常生活圏域ニーズ調査などを活用して高齢者の健康状態や社会資源等について把握し、課題やニー

ズを分析、必要な社会資源に関するアセスメント(地域診断)を行うことが求められる。

・地域における明らかになったニーズに対して、発掘・開発された地域資源を地域包括ケアシステムへつな

ぐことが重要である。

(イ)地域包括支援センターとの連携の必要性

・地域ケア会議や、関係者が集まる機会を活用しながら地域資源を生み出すことも必要である。

・地域資源だけでは地域の課題とニーズに対応できない状況も想定できる。このような場合には新たなサー

ビスや仕掛けを生み出すことも必要である。

(ウ)地域ケア会議の機能

・個別課題解決機能

・地域包括支援ネットワーク構築機能

・地域課題発見機能

・地域づくり・資源開発機能

・政策形成機能

(エ)地域ケア会議の目的

・多職種協働による地域包括支援ネットワークの構築

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介護支援専門員専門研修課程Ⅰ

6 各科目のガイドライン

・個別ケースの支援内容の検討に通じた地域の介護支援専門員の法の理念に基づいた高齢者の自立支援

に資するケアマネジメントの支援

・高齢者の実態把握や課題解決のための地域包括支援ネットワークの構築

・個別ケースの課題分析等を行うことによる地域課題の把握

(オ)地域ケア会議とその他の会議との相違点

(a)サービス担当者会議との相違点

・サービス担当者会議は介護支援専門員が主催し、利用者がそのニーズに応じたサービスを適切に活用でき

るように、ケアマネジメントの一環として開催するもの。

・個別ケースを検討する地域ケア会議は市町村または地域包括支援センターが主催し、包括的支援事業の

一環として開催するもの。

b)事例検討会との区別

(※専門Ⅰとのレベル感に留意:実務研修では知ってもらうなど軽く触れる程度に留める)

・事例検討会の手法を充実させ、地域課題発見の視点も入れる。

・処遇困難事例の検討に、様々な立場からの知恵やノウハウを集結させながら解決に向かう視点を取り入れる。

カ)地域ケア会議で取り上げる事例

(a)サービス未利用で支援を必要とする高齢者等

(b)周辺住民が困っている事例

(c)支援者が困っている事例

(d)支援のための資源調整や環境整備が必要な事例

(e)高齢者の心身の健康や権利が侵害されている事例

(f)保険者からみてサービス提供内容に課題がある事例

(5)利用者の家族も含めた社会資源

※以下の実務研修における地域包括ケアと社会資源を振り返る。(介護支援専門員実務研修ガイドラインを参照のこと)

(ア)社会資源の関連機関と専門職

(a)医療機関、社会福祉協議会、保健所

(b)地域包括支援センター、在宅介護支援センター

(c)地域活動支援センター

(d)地域生活定着支援センター

(e)医療職(医師、看護師、保健師、准看護師、歯科医師、薬剤師、理学療法士、作業療法士、言語聴覚

士、義肢装具士、歯科衛生士)

(f)福祉職(介護福祉士、社会福祉士、精神保健福祉士、社会福祉主事)

(g)その他(管理栄養士、栄養士、ホームヘルパー、相談支援専門員、柔道整復師、あん摩マッサージ師、

はり灸師)

(イ)地域資源

(a)自治会 (d)ボランティア

(b)民生児童委員 (e)商店街の活動等

(c)地区社協

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介護支援専門員専門研修課程Ⅰ

6 各科目のガイドライン

(6)利用者ニーズに合わせた多様な社会資源

※以下の実務研修における地域包括ケアと社会資源を振り返る。(介護支援専門員実務研修ガイドラインを参照のこと)

(ア)社会資源を活用する視点

(a)その人が望む生活に向けた視点

(b)望む生活を実現するために必要な社会資源の活用の視点

(c)虐待や支援困難ケースの対応策への活用

(d)地域包括ケアシステムの5つの視点

(ⅰ)医療との連携強化

(ⅱ)介護サービスの充実強化

(ⅲ)予防の推進

(ⅳ)見守り、配食、買い物など、多様な生活支援サービスの確保や権利擁護など

(ⅴ)高齢期になっても住み続けることのできる高齢者住まいの整備

5.科目のポイント

・介護保険制度の現状について、統計データや介護保険事業計画等を示し、地域の実情に合った講義を行

う。

・介護保険制度の現状や課題について最新の資料を用いて講義を行う。

・「介護保険最新情報」等により介護保険に関する情報を積極的に収集できるようになることも解説する。

・介護保険制度の改正の状況や地域包括ケアシステムの構築に向けた現状の取組及び課題に関する講義

を行う。

・最近のトピックス的な内容を取り入れた講義を行う。

・地域ケア会議の目的を理解し、参加に向けた講義を行う。

・どのような生活を送りたいかという利用者と家族の意思を確認し、その意思を尊重した社会資源等を活用す

ることが大切。利用者の自己決定を尊重するという姿勢で、その人に必要な社会資源を結びつけることを伝

える。

・高齢者の、地域での在宅生活の継続や療養場所に関する意向を踏まえ、意思決定の支援や地域が目指す

姿の共有を行うことの重要性について理解を促す。

60

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介護支援専門員専門研修課程Ⅰ

6 各科目のガイドライン

6.講義・演習の展開例 (180 分)

下記の時間数は正味の時間数であり、適宜休憩を挟んで展開すること。

構成 時間 内容 修得目標

導入 10 分

○本科目の目的、修得目標を確認

・アイスブレイク

・研修記録シートを用いてそれぞれの目標を確認

講義 20 分

(1)介護保険制度等の改正の内容

○介護保険制度の現状と課題

●理解を深めるミニワーク

講義 30 分

(2)地域包括ケアシステムの構築に向けた現状及び展開における課

●理解を深めるミニワーク

講義 60 分

(3)地域包括ケアシステムの構築にむけて介護支援専門員の果たす

べき役割

(4)地域ケアチームの一員としての役割

○地域の社会資源の把握の必要性

○地域包括支援センターとの連携の必要性

○地域ケア会議の機能

○地域ケア会議の目的

○地域ケア会議とその他の会議との相違点

○地域ケア会議で取り上げる事例

●理解を深めるミニワーク

③④

講義 40 分

(5)利用者の家族も含めた社会資源

(6)利用者ニーズに合わせた多様な社会資源

●理解を深めるミニワーク

⑤⑥

振り返り 20 分 ○本科目全体を振り返り、ポイントについて講義

<参考文献>○地域包括ケアシステムを構築するための制度論等に関する調査研究事業報告書

地域包括ケア研究会、2014.3○日常生活圏域ニーズ調査の実施及び第6期介護保険事業計画の策定準備について

厚生労働省 地域包括支援センター業務マニュアル○認知症対策等総合支援事業の実施について

老発 0606 第1号 2011(平成 23)年6月6日・老発 0405 第 14 号 2012(平成 24)年4月5日○一般財団法人長寿社会開発センター「地域包括支援センター運営マニュアル 2012」2012 年○地域包括ケア研究会「地域包括ケア研究会報告書(平成22年3月)」2010 年○社団法人全国国民健康保険診療施設協議会「実践につながる住民参加型地域診断の手引き」2012 年

61

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介護支援専門員専門研修課程Ⅰ

6 各科目のガイドライン

1.目的

対人個別援助技術と地域援助技術の違いと役割を理解する。

2.内容

・対人個別援助技術の考え方と地域援助技術の概念・機能・目的に関する講義を行う。

・対人個別援助技術に必要な知識・技術及び地域援助技術の展開技法についての講義を行う。

・個別事例の支援から地域課題の把握、課題の共有、課題解決に向けた地域づくりや資源調整などに至る一連

のプロセスに関する講義を行う。

・実際に取り組む場である地域ケア会議の意義や機能及び一連のプロセスの中における介護支援専門員として

の役割に関する講義を行う。

・個別事例の支援や地域課題の把握から解決に向け、保険者を含む多職種連携の意識やネットワーク作りの視

点と方法に関する講義を行う。

3.関連科目と修得目標

(1)関連科目 研修体系において、本科目に関連性の高い科目は以下の通りである。

実務研修

③相談援助の専門職としての基本姿勢及び相談援助技術の基礎

④人格の尊重及び権利擁護並びに介護支援専門員の倫理

⑦-1 ケアマネジメントに必要な基礎知識及び技術「受付及び相談並びに契約

専門研修課程Ⅰ

専門研修課程Ⅱ ②ケアマネジメントにおける実践事例の研究及び発表

主任介護支援専門員

研修

①主任介護支援専門員の役割と視点

⑥地域援助技術

⑧対人援助者監督指導

主任介護支援専門員

更新研修②主任介護支援専門員としての実践の振返りと指導・支援の実践

③対人個別援助技術及び地域援助技術 講義3時間

62

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介護支援専門員専門研修課程Ⅰ

6 各科目のガイドライン

(2)修得目標

修得目標修得分野 対応する研修内容

※次項の番号に対応しています知識 技術 態度

①対人個別援助技術、地域援助技術の概念・機能・

目的について説明できる。(※以下、対人個別援助

技術、地域援助技術とする)

● ● ● (1)

②対人個別援助技術に必要な知識・技術について

説明できる。● ● ● (1)

③地域援助技術の展開技法について説明できる。 ● ● (1)

④個別事例に基づいて地域づくりや資源開発など

に至る一連のプロセスについて説明できる。● ● (1)(2)

⑤地域ケア会議における介護支援専門員の役割

と、その活用における留意点を述べることができ

る。

● ● ● (1)

⑥保険者を含む多職種との連携の必要性と、その

活用における留意点を述べることができる。● ● ● (1)

4.内容 修得目標を踏まえ、本科目で研修すべき主な内容は以下の通りである。

(1)知識・技術の基本的理解

①対人個別援助技術に関する考え方と展開技法

・対人個別援助技術の定義・目的や原則に関する説明を行う。

・対人個別援助技術の展開過程に関する説明を行う。

・対人個別援助技術における基本的な技法に関する説明を行う。

・対人個別援助技術におけるバイステックの原則の確認を行う。

・対人個別援助技術における面接場面におけるコミュニケーション技法の説明を行う。

【項目のポイント】

・ここで学習すべきポイントは、対人個別援助技術の内容・原則・展開過程について理解を深めるこ

とである。また、面接におけるコミュニケーション技法についても説明しておくことが必要である。

②地域援助技術に関する考え方と展開技法

・地域援助技術の定義・目的と機能に関する説明を行う。

・地域援助技術の展開過程に関する説明を行う。

・地域援助技術における基本的な技法に関する説明を行う。

・地域援助技術と対人個別援助技術の類似点および相違点に関する説明を行う。

・地域援助技術を行う上での留意点についての説明を行う。

63

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介護支援専門員専門研修課程Ⅰ

6 各科目のガイドライン

【項目のポイント】

・ここで学習すべきポイントは、地域援助技術の内容・展開過程等について理解を深めることである。

また、対人個別援助技術と地域援助技術の類似点および相違点についても説明しておくことが必要

となる。

③地域ケア会議の意義と介護支援専門員の役割

・地域ケア会議の機能と地域ケア会議の設置レベル(地域包括支援センター・市町村)の説明を行う。

・個別事例において、地域ケア会議の開催が必要となる可能性のある事例(例えば、サービス拒否事例、多

問題家族事例など)についての説明を行う。

・個別事例について、地域ケア会議で話し合うべき内容(課題解決の方法・各担当者の役割の明確化・居宅

サービス計画などのチェック・現場レベルで問題解決に至らない場合の市町村への紹介・送致)の説明を行

う。

【項目のポイント】

・ここで学習すべきポイントは、地域ケア会議の重要性とともに、地域ケア会議を開催することで個

別事例に関する課題解決や地域における課題の共有化や課題解決につながることの理解を深める。

また、どのような内容の場合に、地域ケア会議を開くことが望ましいかの例示を行い、地域ケア会

議における介護支援専門員の役割の重要性に関する理解を深める。また、現場レベルで問題解決に

至らない場合には、市町村への送致もあるということについて理解を深める。

④多職種連携とネットワーク作り

・多職種連携における介護支援専門員の役割の説明を行う。

・介護支援専門員を中心とした多職種連携に関するモデルの説明を行う。

・多職種連携における留意点に関する説明を行う。

・個別事例などでの多職種連携による課題解決に向かう方法に関する説明を行う。

・ネットワーク作りの目的及び必要性の説明を行う。

・ネットワークの機能及び形態に関する説明を行う。

・ネットワーク作りにおける留意点の説明を行う。

・多職種連携やネットワーク作りにおけるサービス担当者会議や地域ケア会議の機能に関する説明を行う。

【項目のポイント】

・ここで学習すべきポイントは、対人個別援助技術や地域援助技術の技法を活用しながら、多職種連

携を通じて、個別事例などの課題解決に向けたプロセスの理解を深めることである。また、ネット

ワーク作りでは、ネットワークを活用した情報収集などによる地域における課題探索や課題分析の

方法を理解するとともに、個別事例などの課題解決につながるネットワーク作りの方法を理解する

ことも必要となる。さらに、多職種連携やネットワーク作りにおけるサービス担当者会議や地域ケ

ア会議の機能についての理解を深める。

64

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介護支援専門員専門研修課程Ⅰ

6 各科目のガイドライン

(2)実践的に活用する上での留意点

対人個別援助技術は、個別事例の理解における基本的な考え方であり、特に、「個人と環境(家族・近隣・社

会資源)との交互作用」という枠組みで、個人の生活課題の解決を目指す。したがって、生活課題の解決に向け

ては、介入の焦点を個人のみに向けるのではなく、その環境にも焦点をあて、個人と環境との調整により、個人

の生活課題の解決を目指すという視点を理解することが重要である。更に個人の環境として重要な地域につい

ても理解を深め、個別事例における課題解決のための有効な方法として、地域援助技術があることを理解でき

るように促す。また地域における多様な課題の抽出、個別事例における援助困難事例に対応する場合には、地

域援助技術の技法が重要となる。地域における課題の検討、地域における潜在的なニーズの抽出、アウトリー

チが必要な対象者の検討などを行う場合にも、地域援助技術の技法が役立ち、また、地域ケア会議も非常に重

要となる。

5.科目のポイント

(1)対人個別援助技術について

対人個別援助技術では、その内容・原則・展開過程について理解を深め、対人個別援助で重要となる面接

におけるコミュニケーション技法についても必ず触れておく必要がある。また、対人個別援助における基本的

な考え方である「個人と環境との交互作用」についての理解を深めることが講義で求められる。

(2)地域援助技術について

地域援助技術は、対人個別援助を円滑に進めるために有効な方法であり、個別事例などを用いて、どのよう

な地域援助技法が役立つかの講義を行うことが求められる。さらに、対人個別援助技術でも述べたように、

「個人と環境との交互作用」という考え方から、個人の環境の一つに地域がある。そして、個人の生活課題の

解決のための一つの方法として地域援助技術があるということの理解を深めることが重要である。

(3)地域ケア会議と介護支援専門員の役割について

地域ケア会議の機能の理解を深めるとともに、地域ケア会議に諮ることが望ましい個別事例について説明を

行うとともに、地域ケア会議での介護支援専門員の役割について理解を深める。

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介護支援専門員専門研修課程Ⅰ

6 各科目のガイドライン

6.講義・演習の展開例 (180 分)

下記の時間数は正味の時間数であり、適宜休憩を挟んで展開すること。

構成 時間 内容 修得目標

導入 10 分

○本科目の目的、修得目標の確認

・アイスブレイク

・研修記録シートを用いて、それぞれの目標を確認する

講義 30 分

(1)知識・技術の基本的理解

○対人個別援助技術に関する考え方と展開技法

●理解を深めるミニワーク

①②

講義 40 分

(1)知識・技術の基本的理解

○地域援助技術に関する考え方と展開技法

●理解を深めるミニワーク

①③

講義 40 分

(1)知識・技術の基本的理解

○地域ケア会議の意義と介護支援専門員の役割

(2)実践的に活用する上での留意点

●理解を深めるミニワーク

④⑤

講義 40 分

(1)知識・技術の基本的理解

○多職種連携とネットワーク作り

(2)実践的に活用する上での留意点

●理解を深めるミニワーク

振り返り 20 分 ○本科目全体を振り返り、ポイントについて講義

<参考文献>○奥川幸子「身体知と言語 対人援助技術を鍛える」中央法規出版 2007 年○渡部律子「高齢者援助における相談面接の倫理と実際」第2版 医歯薬出版 2011 年○日本地域福祉研究所監修、中島修、菱沼幹男編「コミュニティソーシャルワークの理論と実践」中央法規出

版 2015 年

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介護支援専門員専門研修課程Ⅰ

6 各科目のガイドライン

1.目的

ケアマネジメントを実践する上で感じた倫理的な課題を踏まえ、チームで対応していく際のアプローチの方法

及び高齢者の権利を擁護する上で必要な制度等を理解する。

2.内容

・ケアマネジメントを実践する上での介護支援専門員としての倫理原則(利用者本位、自立支援、人権の尊重、

公正中立等)に関する講義を行う。

・ケアマネジメントを実践する上で生じうる具体的な倫理的課題に対する心構えや対応方法についての講義を行う。

・利用者の人権と倫理に配慮した意思決定のプロセスに関する講義を行う。

・倫理的な課題に対するチームアプローチの重要性を認識し、その手法に関する講義を行う。

・成年後見制度や高齢者虐待防止法、高齢者の尊厳や権利擁護に関する講義を行う。

3.関連科目と修得目標

(1)関連科目 研修体系において、本科目に関連性の高い科目は以下の通りである。

実務研修 ④人格の尊重及び権利擁護並びに介護支援専門員の倫理

専門研修課程Ⅰ

専門研修課程Ⅱ ②ケアマネジメントにおける実践事例の研究及び発表

主任介護支援専門員

研修②ケアマネジメントの実践における倫理的な課題に対する支援

主任介護支援専門員

更新研修

④ケアマネジメントの実践における倫理 講義2時間

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介護支援専門員専門研修課程Ⅰ

6 各科目のガイドライン

(2)修得目標

修得目標修得分野 対応する研修内容

※次項の番号に対応しています知識 技術 態度

①ケアマネジメンを実践する上での介護支援

専門員としての倫理原則について説明できる。● ● ● (1)

②ケアマネジメントプロセスにおいて生じや

すい倫理的課題とその対応における留意点に

ついて説明できる。

● ● ● (1)

③倫理的葛藤に対するチームアプローチにつ

いて説明できる。● ● ● (1)(2)

④高齢者の尊厳を守るための制度(成年後見制

度・高齢者虐待防止法等)について説明できる。● ● ● (1)

4.内容 修得目標を踏まえ、本科目で研修すべき主な内容は以下の通りである。

(1)知識・技術の基本理解

①ケアマネジメントを実践する上での介護支援専門員としての倫理原則とケアマネジメントを実践する上での

倫理的葛藤について

(ア)利用者本位

・要望の強い家族がいる場合、利用者本位の居宅サービス計画に導くことの難しさを感じる事例

(イ)自立支援

・介護支援専門員やチームは自立を目指すが、利用者が自立を望まない事例

・利用者の心身機能向上を家族が望まない事例

(ウ)人権の尊重

・介護支援専門員の日ごろの何気ない言葉遣いや、真に関心のある態度がとれない等による、高齢者や家

族に与える良い影響、悪い影響の事例

(a)利用者と相性の悪い介護支援専門員の事例

(b)在宅における身体拘束の事例

(エ)公正中立

・介護支援専門員が発揮したい専門性と法人や上司の考えに相違がある事例

・地域の関係機関の力関係の中で、介護支援専門員が調整に苦慮する事例

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介護支援専門員専門研修課程Ⅰ

6 各科目のガイドライン

②倫理的な課題に対するチームアプローチの重要性の認識と、その手法について

・「なんとなくおかしい」と感じる倫理的な気づきをそのままにしないことが重要である。

・倫理的な気づきを介護支援専門員あるいはチーム構成員一人の中にとどめておかず、チームに投げかける。

・介護支援専門員やチーム構成員の気づきを尊重し、それぞれの考えについて話し合う。

・話し合いは「利用者の権利と利益」を中心に据える。

・倫理的課題の解決にはチームにおけるコミュニケーションが重要である。

・5 つの生命倫理の基本原則

(ア)自律性の原則

(イ)善行・恩恵の原則

(ウ)無危害の原則

(エ)公正・正義の原則

(オ)誠実・忠誠の原則

・引用:Beauchamp,T.L&Childress,J.F(永安幸正、立木教夫監訳)『生命医学倫理』成文堂、1997

・臨床倫理の4分割法『臨床倫理学(改訂第5版)-臨床医学における倫理的決定のための実践的なアプロー

チ』新興医学出版社、2006

③成年後見制度や高齢者虐待防止法、高齢者の尊厳や権利擁護に関する講義を行う。

(ア)成年後見制度

・実務研修で修得した成年後見制度の概要を振り返る。

(イ)高齢者虐待防止法

・1980 年代欧米での高齢者虐待の社会問題化、1991 年国連総会での「高齢者の5原則」、2002 年第2回高齢

者問題世界会議での世界行動計画等を経た、日本における高齢者虐待防止法の成り立ちを知る。

・高齢者虐待防止法は、高齢者本人だけでなく、被虐待者も含めた支援を行う。

・虐待の定義と種類分類と内容を知る。

・身体拘束も高齢者虐待の一部であり、11種類ある。

(a)徘徊しないように、車いすや椅子、ベッドに体幹や四肢をひも等で縛る。

(b)転落しないように、ベッドに体幹や四肢をひもで縛る。

(c)自分で降りられないように、ベッドを柵(サイドレール)で囲む。

(d)点滴、経管栄養等のチューブを抜かないように、四肢をひも等で縛る。

(e)点滴、経管栄養等のチューブを抜かないように、または皮膚をかきむしらないように手指の機能を制限する

ミトン型の手袋等をつける。

(f)車いすや椅子からのずり落ち防止、立ち上り防止を目的に Y字型抑制ベルト、車いすテーブルをつける。

(g)立ち上がる能力のある人の立ち上がりを妨げるような椅子を使用する。

(h)脱衣やおむつはずしを制限するために、介護服(つなぎ服)を着せる。

(i)他人への迷惑行為を防ぐために、ベッドなどに体幹や四肢をひもで縛る。

(j)行動を落ち着かせるために、向精神薬を過剰に服用させる。

(k)自分の意思であけることのできない居室等に隔離する。

・やむを得ない身体拘束の場合には、行政への相談とチームによる3要件の確認が必須である。

・日本の高齢者虐待の推移に関するデータから養護者による虐待、従事者では在宅、施設、サービス種別、

年齢、性別等による傾向を知り、自らに当てはめて予防を考える。

・高齢者虐待防止法における早期発見の努力義務として虐待のサインを知る。

・通報、対応(介入)機関と介入方針を知る。

・関係機関との連携と介入推進組織を知る。

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介護支援専門員専門研修課程Ⅰ

6 各科目のガイドライン

(ウ)高齢者の尊厳や権利擁護

・寝たきり、認知症、ターミナルの状態になっても利用者の尊厳がまもられ、最大限に利用者の意思が尊重さ

れるように介護支援専門員がチームと共に利用者と家族をサポートする。

(2)実践的に活用する上での留意点

・感覚的な気づきをそのままにしない。

・利用者の価値観だけではなく、チーム構成員の価値観も尊重し、チームで話し合う。その上で、利用者の意

思決定がおこなわれる。そのプロセスが最も大切である。そのような職場環境を整えていくことが大切である。

また、地域包括ケアシステムを推進していくうえでは地域の環境も整えていくことが大切である。

5.科目のポイント

・倫理の基本的理解を確認する。

・倫理的な課題に対する介護支援専門員自身の気づきが重要であると共に居宅サービス計画に位置づけた

チーム内構成員が感じる倫理的な課題にも介護支援専門員は敏感である必要性や、その気づきをサービス

担当者間で言語化して相互の考えや価値観を認めあいながら、話し合うプロセスの重要性について理解で

きるように講義する。

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介護支援専門員専門研修課程Ⅰ

6 各科目のガイドライン

6.講義・演習の展開例 (120 分)

下記の時間数は正味の時間数であり、適宜休憩を挟んで展開すること。

構成 時間 内容 修得目標

導入 5 分

○本科目の目的、修得目標を確認

・アイスブレイク

・研修記録シートを用いてそれぞれの目標を確認

講義 30 分

(1)知識・技術の基本理解

○ケアマネジメントを実践する上での介護支援専門員としての倫理原

則とケアマネジメントを実践する上での倫理的葛藤について

(2)実践的に活用する上での留意点

●理解を深めるミニワーク

①②

講義 30 分

(1)知識・技術の基本理解

○倫理的な課題に対するチームアプローチの重要性の認識と、その

手法について

(2)実践的に活用する上での留意点

●理解を深めるミニワーク

講義 15 分

(1)知識・技術の基本理解

○成年後見制度

●理解を深めるミニワーク

講義 30 分

(1)知識・技術の基本理解

○高齢者虐待防止法

・高齢者虐待防止法の成立までの流れと法の性質

・虐待の定義と種類分類と内容を理解する

・身体拘束とその対応

・高齢者虐待の傾向とそのデータ

・高齢者虐待防止法における早期発見の努力義務

・通報、対応(介入)機関と介入方針、

・関係機関との連携と介入推進組織(フロー図で確認)

・高齢者の尊厳や権利擁護について

●理解を深めるミニワーク

振り返り 10 分 ○本科目全体を振り返り、ポイントについて講義

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介護支援専門員専門研修課程Ⅰ

6 各科目のガイドライン

<参考文献・引用文献>○引用:Beauchamp,T.L&Childress,J.F(永安幸正、立木教夫監訳)『生命医学倫理』成文堂、1997○臨床倫理の4分割法『臨床倫理学(改訂第5版)-臨床医学における倫理的決定のための実践的なアプローチ』新興医学出版社、2006 ※Jonsen らのワークシートをもとに白良浜改変)を使用する。

○医学的適応、患者の意向、QOL、周囲の状況○倫理的価値の対立(倫理的ジレンマ)○平成 13 年厚生労働省事業における「身体拘束ゼロへの手引き」○箕岡真子、稲葉一人「わかりやすい倫理 日常ケアに潜む倫理的ジレンマを解決するために」ワールドプランニング、2011 年

○石垣靖子、清水哲郎「臨床倫理ベーシックレッスン」日本看護協会出版会、2012 年○箕岡真子「認知症ケアの倫理」ワールドプランニング、2010 年

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介護支援専門員専門研修課程Ⅰ

6 各科目のガイドライン

1.目的

実践を通じて感じた医療との連携や多職種協働に関する課題を踏まえ、今後の実践に向けて必要な知識・技

術を理解する。

2.内容

・ケアマネジメントを実践する上で必要な疾病や医療との連携、多職種協働の必要性・重要性を再確認するため

の講義を行う。

・これまでの実践を省みて課題を認識し、医療との連携や多職種協働を実践していくための課題解決の方法に

関する講義を行う。

・介護支援専門員から医療機関や多職種に情報を提供する際の留意点及び、医療機関や多職種から情報を収

集する際の留意点についての講義を行う。

・サービス担当者会議や地域ケア会議における多職種との効果的な協働の手法に関する講義を行う。

3.関連科目と修得目標

(1)関連科目 研修体系において、本科目に関連性の高い科目は以下の通りである。

実務研修

⑤利用者、多くの種類の専門職等への説明及び合意

⑦-4 ケアマネジメントに必要な基礎知識及び技術

「サービス担当者会議の意義及び進め方」

⑧介護支援専門員に求められるマネジメント(チームマネジメント)

⑨地域包括ケアシステム及び社会資源

⑩ケアマネジメントに必要な医療との連携及び多職種協働の意義

専門研修課程Ⅰ ⑥ケアマネジメント演習

専門研修課程Ⅱ ②ケアマネジメントにおける実践事例の研究及び発表

主任介護支援専門員

研修⑦ケアマネジメントに必要な医療との連携及び多職種協働の実現

主任介護支援専門員

更新研修②主任介護支援専門員としての実践の振り返りと指導・支援の実践

⑤ケアマネジメントに必要な医療との連携及び多職種協働の

実践講義4時間

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介護支援専門員専門研修課程Ⅰ

6 各科目のガイドライン

(2)修得目標

修得目標修得分野 対応する研修内容

※次項の番号に対応しています知識 技術 態度

①個別支援における医療の関わりについて説

明できる。● ● ● (1)

②医療機関や多職種に情報を提供する際の留

意点について説明できる。● ● ● (1)

③医療機関や多職種から情報を収集する際の

留意点について説明できる。● ● ● (1)

④サービス担当者会議では役割を持って多職種と

の効果的な意見交換を実施できる。● ● ● (1)

⑤地域ケア会議での効果的な協働の手法を説

明できる。● ● ● (2)

4.内容 修得目標を踏まえ、本科目で研修すべき主な内容は以下の通りである。

(1)知識の修得・基本的理解

①多職種協働をすすめるための医療連携や多職種協働に関する課題

(ア)コーディネートの技法である連絡調整、依頼、交渉の説明・実践の確認を行う。

(イ)チーム形成上での課題を整理することができるようにポイントを説明する。

・介護保険以外の制度(生活保護制度、障害者施策、老人福祉施策など)の最新の情報を説明する。

・行政の福祉担当職員との連携や社会福祉協議会の実施するサービスの把握と関連する機関、ボランティア

等との連携・協力・ネットワーク形成の説明と、社会資源の活用と資源化への働きかけの説明・確認を行う。

(ウ)サービス担当者会議での実践と課題の説明・確認を行う。

・アセスメント情報の共有、ケアプランの意見交換と合意、具体的な役割分担ができ、チームアプローチをすす

めること。さらに、モニタリング内容の確認、評価の実施ができる目標設定とリスク予測ができ、個別サービス

計画との連動の確認。

【項目のポイント】

・ここでのポイントは、多職種協働により、利用者の解決すべき課題と社会資源を的確に結びつける

ことができているか、さらに社会資源の発見と情報の蓄積、開発する力が求められていることを認

識できるようにする。多職種協働の必要性・重要性を再確認する。

・利用者を中心としたチームの信頼関係の構築が求められることと、主治医が参加できない場合の医

療関連、職種の参加の依頼も必要な場合があることを説明する。

(エ)利用者、家族の情報共有の同意上での課題の説明・確認を行う。

・個人情報の保護と同意の必要性と方法について説明・確認

・事前に利用者、家族への十分な説明とサービス担当者会議等への参加

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介護支援専門員専門研修課程Ⅰ

6 各科目のガイドライン

(オ)地域ケア会議参加等での実践と課題についての説明を行う。

・地域ケア会議の参加において自身の課題等の振り返りの確認

・必要時の地域包括支援センターへの相談と地域ケア会議開催の必要性の提案

・地域ケア会議参加のプロセスとその効果について説明

・多機関、多職種からのコンサルテーションや主任介護支援専門員等からのスーパービジョンの必要性を説明

・個別課題から地域課題への抽出、展開ができることの説明

・社会資源の拡大、開発、創出方法の提案等につながることを説明

【項目のポイント】

・地域ケア会議は、地域包括支援センターだけでなく、地域の介護支援専門員、サービス事業者にとっても有

益な会議であることを理解できるようにする。

②医療連携において医療機関や多職種に対して情報収集および情報提供する際の留意点

(ア)利用者の医療ニーズの把握についての説明・確認を行う。

・医療との連携が必要な場面ごとの連携窓口、連携方法、留意点の説明

・居宅療養管理指導の概要と取組、必要時の導入についての説明

(イ)医療に関連する利用者の情報の理解を説明する。

・疾病名とその特徴(主訴、症状、病態、治療、予後)などに関する基礎的な理解の必要性の確認

・薬と介護上の注意、禁忌事項を踏まえること、感染予防の知識の重要性の確認

(ウ)医療機関や医療職からの情報収集の方法と内容を説明する。

・主治医との連携、主治医意見書の内容の把握についての確認

・現在の病状と留意点及び改善の可能性の把握、継続的な医学的管理の必要性の確認

・支援目標に対する医療的な視点(アドバイス)と治療方針(薬剤を含む)

・複数の疾病等による複数の医療機関の受診の場合の留意点

・主治医、訪問看護やPT、OTなどの医療職との効果的な連携方法

・地域の医療機関、医療系サービス事業所等の把握方法

・連携窓口、担当者の把握

・主治医との面談、受診時の同行、訪問診療・往診時の同席時などの留意点

・入退院時の連携

・在宅・施設でのターミナルケア

(エ)看護職、リハビリテーション専門職との連携について説明する。

・健康状態の把握と情報提供

・介護上での留意点、退院時指導内容の把握

・心身機能の維持・向上の可能性、医療管理の概要

(オ)医療機関や医療職、介護職への情報提供の方法と内容

・医療機関、医療職が必要とする情報の必要事項記入のための、連携シート作成と使用の合意

・入退院時連携シートの活用による双方向の情報共有

・介護職、各サービス事業所が必要とする情報

・在宅での暮らしの様子や直近の情報提供

・精神状況悪化の対応、認知能力の低下における生活変化

・治療のコンプライアンス

・専門的アドバイス等の介護への反映、各書類の見方と活用

(カ)医療連携加算の理解と活用

・入院時情報連携加算

・退院・退所加算

・緊急時等居宅カンファレンス加算

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介護支援専門員専門研修課程Ⅰ

6 各科目のガイドライン

・その他

【項目のポイント】

・ここで学習すべきポイントは、医療機関、主治医との医療情報などの収集と専門的な介護への助言について

把握し、利用者、家族を始めとして、各サービス事業所の介護に反映されるように情報提供等を実施すること

をどのようにするといいのかを各自で振り返ることができるようにする。

・入院・入所時の情報提供ができるようになる。

・退院・退所時の情報を入手して、ケアマネジメントに反映する。

・医療機関等との情報のやり取りができるようになる。

③在宅医療・介護の連携推進に係る事業概要

(ア)在宅医療・介護の推進 5 カ年計画の概要を説明する。

・在宅医療・介護推進プロジェクトチームの設置

・在宅療養支援診療所、在宅療養支援病院の役割

(イ)「在宅医療の体制構築に係る指針」のポイントを説明する。

・在宅医療に係る圏域の設定

・疾病・事業ごとのPDCAサイクルの推進

(ウ)在宅医療・介護の実施拠点の整備について説明する。

・在宅歯科診療設備整備事業

・在宅医療拠点薬局整備事業

・訪問看護支援事業

・栄養ケア活動支援整備事業

・定期巡回・随時対応型訪問介護看護・小規模多機能型居宅介護の推進

・看護小規模多機能型居宅介護(旧:複合型サービス)の推進

(エ)在宅医療・介護の連携推進について説明する。

・介護と連携した在宅医療の体制整備

・薬物療法提供体制強化事業

・地域ケア会議活用推進事業

・在宅歯科医療連携室整備事業

(オ)個別の疾患等に着目したサービスの充実・支援について説明する。

・難病患者の在宅医療・在宅介護の充実・強化事業

・HIV感染者・エイズ患者の在宅医療・介護環境整備事業

・在宅緩和ケア地域連携事業・緩和ケア推進事業

・在宅での医療麻薬使用推進モデル事業

・認知症対策等総合支援事業

【項目のポイント】

・ここで学習すべきポイントは、現在すすめられている在宅医療・介護の連携推進事業の概要を把握

し、現場での医療・介護の多職種連携に活かせるようにする。

76

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介護支援専門員専門研修課程Ⅰ

6 各科目のガイドライン

(2)実践的に活用する上での留意点

ケアマネジメントに必要な医療との連携及び多職種協働の知識、制度、事業を学び、それを各自の実践と照ら

し合わせながら、各自に実践上の課題や地域における課題などを整理し、考え、今後の実践に取り組めるように

していく。また、各実践地域、医療圏域、保険者により、取組状況は異なるため、各都道府県、各地域の実情を

踏まえた説明及び各介護支援専門員が考えて、取り組めるように説明していく。

介護支援専門員が医療知識を学ぶことは、介護支援専門員自身が判断していくためのものではなく、医療職

とのアセスメントや、連携をすすめるのに役立つものであることを理解していく。

*実際に自分の医療連携、多職種協働の事例を思い出せるような時間をとる等の工夫も有効である。

5.科目のポイント

・全般的な講義のポイントの第一は、医療連携、多職種協働の基本的な考え方を理解した上で、個別の連絡

調整やサービス担当者会議や地域ケア会議等を活用しながら、利用者の支援チームづくりを行うことができ

るように講義を行うことである。

6.講義・演習の展開例 (240 分)

下記の時間数は正味の時間数であり、適宜休憩を挟んで展開すること。

構成 時間 内容 修得目標

導入 10 分

○本科目の目的、修得目標を確認

・アイスブレイク

・研修記録シートを用いてそれぞれの目標を確認

講義 80 分

(1)知識の修得・基本的理解

○多職種協働をすすめるための医療連携や多職種協働に関する課題

(2)実践的に活用する上での留意点

●理解を深めるミニワーク

②④⑤

講義 80 分

(1)知識の修得・基本的理解

○医療連携において医療機関や多職種に対して情報収集及び情報

提供する際の留意点

(2)実践的に活用する上での留意点

●理解を深めるミニワーク

①③

講義 50 分

(1)知識の修得・基本的理解

○在宅医療・介護の連携推進に係る事業概要

・在宅医療・介護の推進 5カ年計画の概要を説明する

・「在宅医療の体制構築に係る指針」のポイントを説明する

・在宅医療・介護の実施拠点の整備について説明する

・在宅医療・介護の連携推進について説明する

・個別の疾患等に着目したサービスの充実・支援について説明する

●理解を深めるミニワーク

振り返り 20 分 ○本科目全体を振り返り、ポイントについて講義

77

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介護支援専門員専門研修課程Ⅰ

6 各科目のガイドライン

<参考文献>○厚生労働科学特別研究事業「在宅医療連携を進めるための情報共有と ICT の活用」2012○中央法規「多職種連携の技術 地域生活支援のための理論と実践」2014○一般社団法人日本介護支援専門員協会「ケアマネジャーのための医療職との連携ハンドブック」2014 年○ 担当者会議向上委員会「サービス担当者会議マニュアル」中央法規出版 2012○ 公益社団法人日本医療社会福祉協会編「保健医療ソーシャルワークの基礎 実践力の構築」相川書房2015

○ 近藤克則「医療・福祉マネジメント 福祉社会開発に向けて」ミネルヴァ書房 2007○ 二木 立 「地域包括ケアと地域医療連携」勁草書房 20155○ 野中猛 他 2名 「ケア会議の技術」中央法規出版 2007○ 杉山孝博監修 利根川理恵子著「福祉・介護職のための病院・医療のしくみまるわかりブック」中央法規出版 2015

○ 岩間伸之 「援助を深める事例研究の方法 第 2版」ミネルヴァ書房 2005○ 渡部律子「気づきの事例検討会」中央法規出版 2007

78

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介護支援専門員専門研修課程Ⅰ

6 各科目のガイドライン

1.目的

リハビリテーションや福祉用具等の活用が有効な事例を用いて講義・演習を行うことにより、リハビリテーション

や福祉用具等の活用に係る知識及びケアマネジメント手法を修得する。

2.内容

・リハビリテーション(口腔リハビリテーションを含む。)や福祉用具に関する基礎知識の向上と活用に当たっての

基本的な視点に関する講義を行う。

・リハビリテーション専門職並びに福祉用具専門相談員等との連携方法等に関する講義を行う。

・リハビリテーションや福祉用具の活用に関する事例を用いて、適切なアセスメントを行う際の重要なポイントや地

域の社会資源を活用したケアマネジメントを実践する知識・技術を修得する。

・1つの事例について様々な状況等を勘案した、実践しうる複数の対応策(居宅サービス計画の作成)が検討で

きるよう、必要な知識・技術を修得する。

3.関連科目と修得目標

(1)関連科目 研修体系において、本科目に関連性の高い科目は以下の通りである。

実務研修

⑮-1~6 ケアマネジメントの展開

⑮-2脳血管障害に関する事例

⑮-4筋骨格系疾患及び廃用症候群に関する事例

専門研修課程Ⅰ

専門研修課程Ⅱ②-1 ケアマネジメントにおける実践事例の研究及び発表

「リハビリテーション及び福祉用具の活用に関する事例」

主任介護支援専門員

研修

⑦ケアマネジメントに必要な医療との連携及び多職種協働の実現

⑨個別事例を通じた介護支援専門員への指導・支援の展開

主任介護支援専門員

更新研修

②-1主任介護支援専門員としての実践の振り返りと指導・支援の実践

「リハビリテーション及び福祉用具の活用に関する事例」

⑥-1 ケアマネジメントの演習

「リハビリテーション及び福祉用具の活用に関する事例」

講義・演習

4時間

79

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介護支援専門員専門研修課程Ⅰ

6 各科目のガイドライン

(2)修得目標

修得目標修得分野 対応する研修内容

※次項の番号に対応しています知識 技術 態度

①リハビリテーション(口腔リハビリテーショ

ンを含む)や福祉用具に関する基礎知識につ

いて説明できる。

● ● ● (1)

②リハビリテーション(口腔リハビリテーショ

ンを含む)や福祉用具の連携についての方法

について説明できる

● ● (1)

③リハビリテーション(口腔リハビリテーショ

ンを含む)や福祉用具の活用について、アセ

スメントを実施できる。

● ● ● (2)

④リハビリテーション(口腔リハビリテーショ

ンを含む)や福祉用具を使用する利用者に関

して、複数の活用方法の提案を実施できる。

● ● ● (2)

⑤リハビリテーション(口腔リハビリテーショ

ンを含む)や福祉用具の利用者効果について

説明できる。

● ● ● (1)

80

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介護支援専門員専門研修課程Ⅰ

6 各科目のガイドライン

4.内容 修得目標を踏まえ、本科目で研修すべき主な内容は以下の通りである。

(1)知識の修得・基本的理解

①リハビリテーション

(ア)リハビリテーションの定義(WHO、1982)の確認。

・リハビリテーションとは、身体的、精神的、かつまた社会的に最も適した最高水準の達成を可能とすることに

よって、各個人が自らの人生を変革していくための手段を提供していくことをめざし、かつ、時間を限定した

プロセスである。

(イ)リハビリテーションとは、単なる機能回復訓練でなく、心身に障害を持つ人々の全人間的復権を理念とし

て、潜在する能力を最大限に発揮させ、日常生活の活動性を高め、家庭や社会への参加を可能にし、その

自立を促すもの。

(ウ)国際生活機能分類(International Classification of Functional, Disability, and Health : ICF)による、日常

生活活動に対する分類が、リハビリテーションの評価や目標設定の指標として用いられる。

(エ)医学的リハビリテーション、社会的リハビリテーション、教育的リハビリテーション、職業的リハビリテーション

に分類される。

(オ)介護保険法第四条にある「国民の努力義務」としてリハビリテーションの位置づけの理解。

・要介護状態となった場合においても、進んでリハビリテーションその他の適切な保健医療サービス及び福祉

サービスを利用することにより、その有する能力の維持向上に努めるものとする。

(カ)リハビリテーション専門職の理解とチームアプローチ

・理学療法士、作業療法士、言語聴覚士の各専門性、サービス内容の確認。

(キ)医療保険におけるリハビリテーションの内容

・『リハビリテーション医療は、基本的動作能力の回復等を目的とする理学療法や、応用的動作能力、社会適

応能力の回復等を目的とする作業療法、言語聴覚能力の回復等を目的とした言語聴覚療法より構成され、

いずれも実用的な日常生活における諸活動の実現を目的として行われるものである』(2002(平成 14)年 3

月 8 日保医発 0308001)

(ク)介護保険におけるリハビリテーションの内容

・医師、看護師、理学療法士、作業療法士、言語聴覚士等により、施設サービスとしては、介護療養型医療

施設及び介護老人保健施設等、居宅サービスとしては、通所リハビリテーション、訪問リハビリテーション等

でリハビリテーションが行われている。

(ケ)高齢者に対するリハビリテーションの基本的考え方

・脳卒中モデルと廃用症候群モデルの理解

(a)脳卒中モデル:発症直後からリハビリテーションを開始し、自宅復帰を目指して短期的に集中してリハビリ

テーションを行った後に、自宅復帰後は日常的に適切な自己訓練を行うとともに具体的な課題や、さらな

る目標が設定された時に、必要に応じて、期間を定めて計画的にリハビリテーションを行うことが基本とな

る。

(b)廃用症候群モデル:徐々に生活機能が低下してくることから、生活機能の低下が軽度である早い時期にリ

ハビリテーションを行うことが基本となる。リハビリテーションの提供にあたっては、必要な時に期間を定め

て計画的に行われることが必要である。

※何でもしてあげるのが良い介護である、あるいは安全第一という考え方で過剰な介護をして、かえって

廃用症候群を惹起する場合がある。

81

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介護支援専門員専門研修課程Ⅰ

6 各科目のガイドライン

②福祉用具活用と住宅改修

(ア)福祉用具の導入の目的

自立の支援と介助者の負担の軽減

(イ)福祉用具の種類(貸与、販売種目)と機能の理解

・貸与 13 種目(車いす、車いす付属品、特殊寝台、特殊寝台付属品、床ずれ防止用具、体位変換器、手す

り、スロープ、歩行器、歩行補助つえ、認知性老人徘徊感知器、移動リフト(つり具の部分を除く)、自動排泄

処理装置)、販売 5種目(腰掛便座、自動排泄処理装置の交換可能部品、入浴補助用具、簡易浴槽、移動

用リフトのつり具の部分)について解釈通知の内容を示し、それぞれの福祉用具について具体的な製品を

例示しながら機能と適応を解説する。

(ウ)住宅改修の種類と目的についての理解

・介護保険の給付対象となる6つの住宅改修(手すりの取り付け、段差の解消、滑りの防止、及び移動の円滑

化等のための床又は通路面の材料の変更、引き戸等への扉の取替え、洋式便器等への便器の取替え、そ

の他これらの住宅改修に付帯して必要となる住宅改修)の内容について解釈通知の内容を示し、それぞれ

の住宅改修の具体例を示し、機能と適応を解説する。

(エ)福祉用具・住宅改修の効果を確認するための評価の視点は以下のとおりである。

(a)日常生活活動(自立度の向上、安全性の向上)

(b)生活の変化(利用頻度・時間、意欲、活動時間、外出場所・頻度)

(c)介護負担の軽減、満足度等

(オ)福祉用具の導入プロセスと福祉用具専門相談員の役割

(a)福祉用具の導入プロセスは以下の 7 つのプロセスがある。

(ⅰ)必要性の判断

(ⅱ)種目の選定

(ⅲ)機種の選定

(ⅳ)確認・合意

(ⅴ)福祉用具サービス計画の完成

(ⅵ)導入・適合

(ⅶ)モニタリング

(b)福祉用具専門相談員の役割は以下のとおりである。

(ⅰ)福祉用具が適切に選択され、かつ利用されるよう利用者や介護支援専門員に福祉用具の機能、使

用方法に関する情報を提供する。

(ⅱ)貸与又は販売する福祉用具の機能、安全性、衛生状況等に関し、点検を行う。

(ⅲ)利用者に福祉用具の使用方法、使用上の留意事項等を説明し、必要に応じて実際に当該福祉用具

を使用させながら使用方法の指導を行う。

(ⅳ)定期的に貸与した福祉用具の使用状況を確認し、必要な場合は、使用方法の指導、修理等を行う。

(カ)福祉用具専門相談員の理解

(a)福祉用具専門相談員は、介護保険制度での福祉用具給付に係わる相談員として、福祉用具サービス

を提供する福祉用具貸与及び販売事業所に 2名以上置くことが義務付けられている。

(b)福祉用具専門相談員の役割は、福祉用具を貸与又は販売にあたって、福祉用具サービス計画を作成

し、これに基づき必要な相談、点検、使用方法の指導を行うことである。

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介護支援専門員専門研修課程Ⅰ

6 各科目のガイドライン

【項目のポイント】

・リハビリテーションは単なる機能回復訓練ではなく、潜在する能力を最大限に発揮させ、日常生活の活動性

を高め、家庭や社会への参加を可能にし、その自立を促すものであることを示す。

・高齢者に対するリハビリテーションで重要な廃用症候群に対するタイムリーなケアマネジメントの重要性につ

いて理解を促す。

・急性発症タイプ(脳血管障害等)においては、退院後の実生活において、生活スタイルの再構築の過程で生

活機能が変化することに留意して居宅サービス計画を作成する。

・福祉用具及び住宅改修では、使用目的(自立を支援するのか、介助負担を軽減するのか)を明確にして適

応について説明する。

・住宅改修のみならず、家具の配置替え等の住環境整備の重要性について説明する。

・福祉用具導入プロセスと福祉用具サービス計画の内容等の理解を促し、福祉用具専門相談員の商品知識

の活用を促すなどの連携のあり方について説明する。

・福祉用具・住宅改修の目的(効果)について、視点を提示する。

③リハビリテーションの実際

(ア)関節可動域訓練

・関節の可動域を維持・改善するための方法として、自動運動、自動介助運動、他動運動があり、個別の関

節を訓練として動かすだけでなく、寝返り、起き上がり、立ち上がり、移乗、移動といった日常生活動作に組

み込んで継続することの有効性を示す。

(イ)筋力増強のための訓練

・四肢の筋力のみならず、腹筋、背筋などの体幹の筋群の訓練が必要であることを理解する。また、日常生

活動作で可能な限り自分の力を発揮することが筋力の維持につながることを示す。

(ウ)口腔機能向上のための訓練

・口腔機能向上の必要性についての教育、口腔清掃の自立支援、摂食・嚥下機能訓練(咀嚼訓練、嚥下訓

練、構音・発声訓練、呼吸訓練)の概要について説明する。

(エ)高次脳機能障害の理解と対応

・高次脳機能障害の主な症状(失語、失行、失認、半側無視、注意障害、記憶障害、発動性の低下、抑制障

害(社会的行動障害)、遂行機能障害、病識欠如)などの理解と対応について説明する。

(カ)日常生活動作訓練(起居・移乗・移動、食事、排せつ、更衣、整容、入浴)

・脳血管障害による片麻痺について、日常生活動作訓練(代償的手段である福祉用具の活用を含む)の実

際を説明する。

(キ)手段的日常生活動作訓練(家事、買い物等)

・脳血管障害による片麻痺について、手段的日常生活動作訓練(代償的手段である自助具等の福祉用具の

活用を含む)の実際を説明する。

・地域の社会資源(例:買い物のための店・スーパー等)を把握して生活に即した模擬訓練などのリハビリテ

ーションの実際を説明する。

【項目のポイント】

・急性発症である脳血管障害による片麻痺に対する、一般的な医学的リハビリテーションについて概

説することで、急性期、回復期、生活期のリハビリテーションについて理解を促す。

・日常生活動作及び手段的日常生活動作訓練は、移動様式(歩行及び車いす)、自立度(自立、見守り、

一部介助、全介助)、コミュニケーションレベル(理解度等)の状態像に対応して説明するなど、実

際的な内容とする。

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介護支援専門員専門研修課程Ⅰ

6 各科目のガイドライン

(2)ケアマネジメントの各プロセスにおける留意点

インテーク

(ア)身体的な側面で機能が低下している利用者が多いが、精神的・環境的な側面にも視点を向けてインテー

クを行う。

②アセスメント

(ア)治療中で改善が見込めるのか、あるいは進行性の疾患なのかによって居宅サービス計画の目標や実施

期間の設定が異なるため、生活障害の原因である疾患(脳血管障害、進行性疾患、筋骨格系疾患等)、経過

について把握する。

(イ)脳卒中等で入院加療中の利用者では、医学的禁忌事項、病棟で実際にしている日常生活活動の自立度

について確認し、屋外・屋内移動、入浴、排せつ等での福祉用具の利用状況を把握する。

③居宅サービス計画原案作成

(ア)脳血管障害は、60~70歳代の発症が多く、加齢に伴う機能の低下が生活機能に大きく関与する。社会参

加の機会を確保し、廃用症候群を生じないような生活スタイルの確立が必要である。

(イ)脊髄損傷では、損傷の部位や程度によって、姿勢の保持や食事・整容などの動作も一人ひとり異なるた

め、リハビリテーション専門職からの情報収集を怠らないようにする。

(ウ)利用者の潜在する能力を最大限に発揮できるように生活機能の活用を考慮し、意欲が高まるような居宅

サービス計画を作成する。

(エ)様々な状況等を考え、複数の対応等を検討する。

④サービス担当者会議

(ア)失語症、注意障害、記憶障害といった高次脳機能障害は、運動麻痺とは異なり、目に見えない障害であ

るので、リハビリテーション専門職に障害像を確認することが大切である。

⑤サービスの提供や介入

(ア)主体的に利用者と家族が道具や環境も含めて理解し受容できる支援が必要である。その為には、利用者

像を多面的に多職種が共通認識する必要性がある。

⑥モニタリング・再評価

(ア)急性発症タイプ(脳血管障害等)においては、退院後の実生活において、生活機能が変化することに留

意してモニタリングの計画を立案する。

⑦終結・フォローアップ

(ア)利用者の生活機能が改善し、主体的な取り組みが出来た時点で今後の支援が必要であるかの評価を

行い、自己管理・セルフケア・地域(家庭内含む)での役割・民間団体の活動への参加などの転換を図

って行く事が必要である。

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介護支援専門員専門研修課程Ⅰ

6 各科目のガイドライン

5.科目のポイント

(1)リハビリテーションの専門職と職務内容について理解を促す。

①理学療法士、作業療法士、言語聴覚士の業務内容を具体的に示す。急性発症タイプ、廃用症候群タイプ

へのリハビリテーションの実際を説明する。

②医療機関のリハビリテーションと介護保険でのリハビリテーションの連携について、切れ目なく効果的に提

供するための、医療機関との連携の必要性を確認する。

(2)福祉用具、住宅改修等の住環境整備の重要性、効果について確認する。

①福祉用具、住宅改修の目的(効果)について実際の事例を示して具体的に解説する。

6.講義・演習の展開例 (240 分)

下記の時間数は正味の時間数であり、適宜休憩を挟んで展開すること。

構成 時間 内容 修得目標

導入 10 分

○本科目の目的、修得目標を確認

・アイスブレイク

・研修記録シートを用いてそれぞれの目標を確認

講義 70 分

(1)知識の修得・基本的理解

○リハビリテーション

○福祉用具活用と住宅改修

○リハビリテーションの実際

●理解を深めるミニワーク

①②⑤

演習 20 分

(2)ケアマネジメントの各プロセスにおける留意点

●事例概要説明

●事例の読み込み

①②③

④⑤⑥

演習 90 分

(2)ケアマネジメントの各プロセスにおける留意点

●事例の情報収集と課題分析

課題分析の内容については、事例も含めて、下記の内容を確認し収

集し分析を行う事を演習の目標とする。

『例』

①筋力低下改善の為の提案をするために必要な情報と分析

②日常生活動作に関する環境整備及び改善の為の情報収集と

分析

③外出支援環境の提案の為の情報収集と分析

④日常生活の活動性を高め、家庭や社会への参加を可能にする

ための情報収集と分析

⑤おいしく食事ができるための口腔機能の情報収集と分析 等

以上のような演習の実施

③④

演習 30 分 ●発表

振り返り 20 分 ○本科目全体を振り返り、ポイントについて講義

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介護支援専門員専門研修課程Ⅰ

6 各科目のガイドライン

<参考文献>○2002(平成 14)年 3 月 18 日保医発第 0308001 号 「療担規則及び薬担規則並びに療担基準に基づき厚生労働大臣が定める掲示事項等」及び「選定療養及び特定療養費に係る厚生労働大臣が定める医薬品等」の制定に伴う実施上の留意事項について

○一般社団法人日本福祉用具供給協会「福祉用具を活用するための高次脳機能障害対応マニュアル」渡邉愼一他、2014 年

○介護支援専門員実務研修テキスト作成委員会「五訂 介護支援専門員実務研修テキスト」長寿社会開発センター、2012 年

○一般社団法人日本介護支援専門員協会「ケアマネジャーのための医療職との連携ハンドブック」2014 年○日本歯科医師会 「健康長寿社会に寄与する歯科医療・口腔保健のエビデンス 2015」2015 年

http://www.jda.or.jp/pdf/ebm2015ja.pdf○厚生労働省「全国介護保険担当課長会議資料 福祉用具・住宅改修の普及及び活用促進について」2002.6.4○社会保障審議会介護給付費分科会―第7回介護報酬改定検証・研究委員会(平成 27 年 3月 20 日)資料「(6)リハビリテーションにおける医療と介護の連携に関する調査研究(結果概要)」http://www.mhlw.go.jp/file/05-shingikai-12601000-seisakutoukatsukan-sanjikanshitsu_shakaihoshoutantou/0000078678.pdf

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介護支援専門員専門研修課程Ⅰ

6 各科目のガイドライン

1.目的

看護サービスの活用が必要な事例を用いて講義・演習を行うことにより、看護サービスの活用に係る知識及び

ケアマネジメント手法を修得する。

2.内容

・看護サービスに関する基礎知識の向上と活用に当たっての基本的な視点に関する講義を行う。

・訪問看護計画との関連付けや看護職との連携方法等に関する講義を行う。

・看取り等における看護サービスの活用に関する事例を用いて、適切なアセスメントを行う際の重要なポイントや

地域の社会資源を活用したケアマネジメントを実践する知識・技術を修得する。

・1つの事例について様々な状況等を勘案した、実践しうる複数の対応策が検討できるよう、必要な知識・技術を

修得する。

3.関連科目と修得目標

(1)関連科目 研修体系において、本科目に関連性の高い科目は以下の通りである。

実務研修 ⑮-6 ケアマネジメントの展開「看取りに関する事例」

専門研修課程Ⅰ

専門研修課程Ⅱ②-2 ケアマネジメントにおける実践事例の研究及び発表

看取り等における看護サービスの活用にかかる事例

主任介護支援専門員

研修③ターミナルケア

主任介護支援専門員

更新研修

②-2主任介護支援専門員としての実践の振り返りと指導及び支援の実践

「看取り等における看護サービスの活用に関する事例」

⑥-2 ケアマネジメントの演習

「看取り等における看護サービスの活用に関する事例」

講義・演習

4時間

87

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介護支援専門員専門研修課程Ⅰ

6 各科目のガイドライン

(2)修得目標

修得目標修得分野 対応する研修内容

※次項の番号に対応しています知識 技術 態度

①訪問看護に関する基礎知識について説明で

きる。● ● ● (1)

②訪問看護を通して連携についての理解や効

果的な活用を実施できる。● ● ● (1)

③看取り等における看護サービスの活用方法

について説明できる。● ● (2)(4)(5)

④看取り等について、多様な提案を実施でき

る。● ● ● (2)(5)(7)

⑤看取り等において利用者の気持ちの変化に

応じたケアマネジメントを実施できる。● ● ● (6)(7)

⑥看取り等における地域の社会資源(インフォ

ーマルサービス等)を活用したケアマネジメ

ントを実施できる。

● ● ● (3)(7)

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介護支援専門員専門研修課程Ⅰ

6 各科目のガイドライン

4.内容 修得目標を踏まえ、本科目で研修すべき主な内容は以下の通りである。

(1)看護を通しての連携についての理解

①訪問看護サービスの基礎知識

(ア)訪問看護とは

(a)訪問看護サービスには、以下の種類がある。

(ⅰ)介護保険の訪問看護(公的な保険制度)

(ⅱ)医療保険の訪問看護(公的な保険制度)

(ⅲ)自費の訪問看護(民間のサービス)

※上記の種類は、年齢や症状によって使い分けられています。

(b)訪問看護とは、看護師などが居宅を訪問して、主治医の指示や連携により行う看護(療養上の世話又は

必要な診療の補助)である。

(c)病気や障がいがあっても、医療機器を使用しながらでも、住まいで最期まで暮らせるように多職種と協働

しながら療養生活を支援する。

(イ)訪問看護に携わる職種

・看護師免許を持つ看護師もしくは保健師・助産師が訪問看護を行う。また、理学療法士、作業療法士、言

語聴覚士が必要に応じて訪問する。

(ウ)訪問看護を受ける対象

・疾病・障害をもち、療養をしながら家庭で生活している者。利用者だけではなく、支えている家族もサポート

する。

・訪問看護を必要とする全ての者を対象とし、性別・国籍・宗教・地域等に関係なく実施される。

(エ)訪問看護の活動内容

・かかりつけの医師と連絡をとり、心身の状態に応じて以下のようなケアを行う。

・健康状態の観察と助言

・検査・治療促進のための看護

・日常生活の看護

89

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介護支援専門員専門研修課程Ⅰ

6 各科目のガイドライン

(2)看取り等について、多様な提案

①看取り等についての看護内容

(ア)本人、家族の意向に添った多様な提案

(イ)療養環境改善のアドバイス(チームで行う)

(ウ)在宅リハビリテーション看護

(エ)介護者の相談

(オ)精神・心理的な看護

(カ)様々なサービス(社会資源)の使い方相談

(キ)認知症の看護(行動障害も含む)

(ク)終末期の看護

•痛みのコントロール

・療養生活の援助

•療養環境の調整

•看取りの体制への相談・アドバイス

•本人・家族の精神的支援

※下記の疾患および状態の療養者への訪問看護は介護保険や障害者自立支援法の対象であっても医療保

険から受けることになる。

厚生労働大臣が定める疾病などは下記の疾患または状態が対象になる。

・末期の悪性腫瘍・多発性硬化症・重症筋無力症・スモン・筋萎縮性側索硬化症・脊髄小脳変性症

・ハンチントン病・進行性筋ジストロフィー症・パーキンソン病関連疾患(進行性核上性麻痺、大脳皮質基底核変

性症、パーキンソン病(ホーエン・ヤールの重症度分類がステージⅢ以上であって、生活機能障害度がⅡ度ま

たはⅢ度のものに限る))・多系統萎縮症(線条体黒質変性症、オリーブ橋小脳萎縮症およびシャイ・ドレーガ

ー症候群)・プリオン病・亜急性硬化性全脳炎・ライソゾーム病・副腎白質ジストロフィー・脊髄性筋萎縮症

・球脊髄性筋萎縮症・慢性炎症性脱髄性多発神経炎・後天性免疫不全症候群・頸髄損傷または人工呼吸器

を使用している状態及び急性増悪期の場合

(3)対応できる知識を得て、看取り等における地域の社会資源を活用したケアマネジメント

①主な在宅ケアサービス(社会資源)

(ア)自治体の在宅サービスや保健・福祉サービス

(イ)民間や関連機関の在宅ケアサービス

(ウ)ボランティアサービス

(エ)当事者団体、各種家族会

(4)看取り等における看護サービスの活用方法

①訪問看護を提供する機関

(ア)訪問看護ステーション

・全国におよそ 6801 カ所(一般社団法人全国訪問看護事業協会 平成 25 年 4 月 1 日現)の訪問看護ステ

ーションがある。在宅で療養する利用者に、質の高い訪問看護サービスを提供するため、訪問看護師自身

が運営するサービス機関。各種保険(医療保険、介護保険、公費負担医療など)が使えるので、費用負担

が少なくてすむ。

(イ)医療機関(病院・診療所)

90

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介護支援専門員専門研修課程Ⅰ

6 各科目のガイドライン

・多くの病院や診療所が、「訪問看護部門」を設け、在宅で療養が必要な状態で退院した方々や、病院・診

療所に通院し、往診を受けている方に訪問看護を提供している。

(ウ)自費の訪問看護サービス

・民間の企業などが行う訪問看護サービス。

訪問看護ステーションや病院・診療所からの訪問看護と同様、専門の訪問看護が受けられる。

料金の体系等が、他機関の訪問看護とは異なり、利用者との契約で行われるサービスである。

その分、特殊なケアやオリジナルに富んだメニューが用意されている。

(5)看護に関する基礎知識について

①在宅ターミナル

(ア)条件

・利用者その家族が「家で最期を迎えたいという意思があること

(イ)環境整備

・医療チームの体制(往診・訪問診療、訪問看護)などが整っていること

・介護力(介護職等の支援を含む)が整っていること

・医療介護連携が整っていること

・24 時間体制のケアができること

・病院・ホスピスとの連携ができること

(利用者の意向が変化しても柔軟な対応ができる)

(ウ)疼痛緩和

・ターミナル期において必要とされる援助は、癌末期の場合は、症状緩和のための疼痛コントロールであり、

医師や薬剤師との協働で行う必要がある。

・癌のターミナル期の利用者・家族にとって、不快や苦痛を伴う症状の中でも、特に疼痛が十分にコントロー

ルされることが、在宅療養を安心して継続するための条件となる。

・疼痛コントロールは、WHO方式癌疼痛治療法指針(1986 年)に基づいて行う。

・在宅で一般に実施可能な疼痛緩和の方法は、薬剤の投与である。

・WHO3段階除痛ラダーでは、非オピオイド、弱オピオイド、強オピオイドと、疼痛の程度に応じた鎮痛薬の段

階的使用方法を提示している。モルヒネ塩酸塩、強オピオイド鎮痛薬の代表である。

②ターミナル期における介護支援専門員の役割

(ア)トータルペインにおける介護支援専門員の役割

・癌末期の疼痛はトータルペインと呼ばれ、身体的な要因のみならず、さまざまな要因が絡み合っている。十

分なアセスメントが必要である。

・訪問看護師との連携により、疼痛治療の効果を最大限に引き出せるよう調整する。

・副作用を最小限にするために、使用前に十分に医療職との共通認識、調整をはかり居宅サービス計画に

反映させ、利用者が家族とともに実践できるよう支援する。

・在宅では、寝たきりであっても、家族の一員としての役割が果たせて、心理的にも落ち着き、ひいてはスピリ

チュアルな意味での、自分がそこに在ることの意義を見いだすことができ、その全体的な統合で、身体的な

苦痛も軽減されることがある。

・自己実現のための支援にも配慮する。

91

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6 各科目のガイドライン

(イ)必要なケアにおける連携からの介護支援専門員の役割

(a)訪問看護師との協働・連携

・治療開始後も継続的にこまやかなアセスメントと評価をする。

・トータルペインの視点からアセスメントし、訪問看護との情報交換により、さまざまな側面からアプローチを

する。

・予想される薬の副作用に対して観察を行い、徴候があれば直ちに医療機関に報告をする。

・できるだけ予防的に対処し、苦痛を生じないようにすることが重要である。

・訪問看護計画と居宅サービス計画が連動していることが大切である。

(6)対応できる知識を得て、看取り等において利用者の気持ちの変化に応じたケアマネジメント

①多職種との協働・連携

・薬物療法以外のペインマネジメントの方法を専門職とともに検討する。

・疼痛の程度、バイタルサイン、モルヒネ塩酸塩による副作用症状等を観察するよう専門職との役割を明確にし

ておく。

・痛みを緩和させるため、マッサージ、タッチング、音楽療法、散歩など、リラクゼーションできる方法を併用する

ための支援を居宅サービス計画へ組み入れる。

②チームづくり

・訪問看護・訪問介護・福祉用具貸与・訪問入浴・通所介護などさまざまなサービスと連携し、チームづくりが

必要となる。

・医療との関連で、居宅療養管理指導の活用を行う。また、医療機器の担当者などにも、在宅で接することもある。

・24 時間体制の在宅支援診療所の医師は在宅の看取りには必ず必要とされるため、病院から退院時には地

域の医師と連携し、訪問診療や往診に対応してもらえるようにしておく必要がある。

・この緊急体制が整わず、往診が望めない病院の医師のみが主治医の場合には、亡くなった際に死亡診断書

を書いてもらえずに検死となり、つらい思いをすることもあるので注意が必要である。

・緩和ケアで麻薬等の使用には調剤薬局または訪問薬剤管理指導を組み入れる。

③日常生活の支援における介護支援専門員の役割

・生活機能改善に向けた居宅サービス計画の提案を行う。

・看取りにおけるリハビリテーションの提案も行う。

④家族へのケアにおける介護支援専門員の役割

・ケアの中心はあくまでも、その中心にいる利用者とその家族であり、家族も同じように不安や緊張や悲嘆の中

にあり、ケアの対象として接していく必要がある。

⑤遺族へのケア

・遺族の中には、身体症状として胃潰瘍を起こしたり、血圧の変動があったり、またうつ状態に陥ったりと、家族

を失った喪失の悲しみから立ち直れない状態の人もいるため、グリーフケアを行う。

・遺族へのサポートを、看護サービスと連携を図りながら調整していく。

92

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6 各科目のガイドライン

(7)ケアマネジメントの各プロセスにおける留意点

①インテーク

(ア)利用者・家族

・告知をうけているかどうか、死について利用者、家族の受けとめ

・告知されている場合は、どのような死を迎えたいかの意向

・告知されていない場合の家族の意向、利用者への説明

(イ)医療者との情報共有

・入院中の経過、治療、看護、考えられるリスクと状態変化

・今後の通院先、フォローアップ先・・・緊急時の連絡先

・介護報酬上の加算

インテーク時に、家族が介護役割をどのように担い、どのような看取り方を希望するのか、介護に対する希望

や期待度を確認する。期待度に応じたケアを行い、介護負担の軽減に努めるとともに、死別の準備ができる

ようなかかわりが必要となることを押さえる。

②アセスメント

・安定期から看取りまでの過程、経過を常に確認する。

・利用者と家族の心理的状況を意識しておく必要性を説明する。

・高齢者の死の迎え方の希望を尊重し、家族や利用者と関わりの深い人と意思決定のプロセスを共有する。

・高齢者は自己表明しないことも多く、家族の意向がより重視されるなどの課題があることを知っておく。

・死の受容段階におけるサポートについても知識を得る。

・QODの実現におけるサポートを説明する。(総合的な支援の提案・当事者団体の紹介等)

③居宅サービス計画原案作成

(ア)利用者

・死の受容の段階における利用者の気持ちの揺れに寄り添いマネジメントを行う。

(イ)家族支援のポイント

・急変時における緊急連絡先を明確にしておく。

・主介護者だけではなく、家族介護全体の生活の変化とストレスを知り、チームで統一した支援方針を立てる。

・家族の関係性から身体的な痛みが増減することを知り、支援する役割分担を明確にする。

・QOD を高めるために不安なく最期を看取ることができるよう支援する。

(ウ)様々な状況等を考え複数の対応策を検討する。

④サービス担当者会議

・ケアや日々の状況をチーム全体が確認閲覧できる記録やコミュニケーション手段などの方法を早急に提案

する。

・急変時の対応手順や緊急連絡先を共有しておく。

・必要があれば感染予防について確認し共有しておく。

⑤サービス提供や介入

(ア)医療との連携により疼痛やその他の症状をコントロールし、利用者・家族が痛みや症状について十分な治

療・介護を受けたと思えるケアの提供になっているか

(イ)共感的な態度をもって関わりができているか

・死はその人の一生において、自己の存在の最大危機であり、そのときに経験する痛みは今を生きることの苦

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6 各科目のガイドライン

しみ、痛みとして感じられ、またさまざまな人間関係の痛みとして感じられる。このような場合には、そばにい

るという「共感的な態度」が必要である。

⑥モニタリング・評価

・状況の変化に応じたチームとしての対応が適切にできているか確認する。

・全体像として再アセスメントの必要性を確認する。

・自己実現の方法について身体・心理状況に応じて確認する。

・サービスの提供状況を踏まえた看護サービスと居宅サービス計画の整合性を確認する。

⑦終結・フォローアップ

・介護者家族のグリーフケアを検討する。

5.科目のポイント

①看護を通して連携についての理解や効果的な活用について

・医療との連携、特に看護に重点が置かれる看取りについて、どのように医療と連携していくのか、そして連携

における介護支援専門員の役割を理解する。

・在宅生活への導入期の安心・安全は、その後の在宅生活の継続、及び最期の看取りを在宅で迎えることに

大きく影響すること。それをどうケアマネジメントで担保していくかが大切である。

②看取り等について、多様な提案について

・入退院についての相談や、必要に応じ他の様々なサービスを紹介したり、関連機関と綿密な連携をとり、利

用者が安心して豊かな療養生活を送れるための様々な支援や調整をする。

③看取り等における看護サービスの活用方法について

・本科目では「看取りに関連する各種サービス等の活用方法を具体的に理解することで、医療職をはじめとす

る多職種との連携・協働を効果的に行い、安心・安全に在宅生活に移行できる」ことに力点を置き、その点を

説明しやすい事例を選択して用いる。

・病院から在宅生活へ看取りに関連する各種サービス等の活用方法を理解することで、看護をはじめとする多

職種との連携・協働を効果的に行えるようにする。

(演習で用いる簡単な事例には、以下のような点を考慮して事例を選択する)

・病院から在宅生活への移行期であり、最期を自宅で迎える事例

・告知を受けていて、在宅で看取りの迎え方が、家族の思いが強く医療との関係が上手くいっていない事例

・利用者、主介護者、家族(子ども)との関係で配慮が必要な事例

・主介護者が、働いており、不安がある事例。

・利用者と家族の「死の受容」の段階が違う事例

・利用者のそれまで生きてきた過程での関係性が色濃く反映するため、後で混乱を生じないよう把握に努める

必要があることを押さえる。ターミナルステージだからこそ、今までとは違った家族模様が展開される。家族と

の関係がアセスメントには必要となってくることを理解させる。

④看護に関する基礎知識について

・病院から在宅へ移行するにあたり情報を共有し、利用者・家族の意向を踏まえ、訪問看護と連携をはかり方

向性を調整・決定できること。

・在宅での看取りにおいて、医療情報・家族情報をアセスメントし居宅サービス計画に反映させること。

⑤対応できる知識を得て、看取り等において利用者の気持ちの変化に応じたケアマネジメントについて

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6 各科目のガイドライン

・看取りに向けた利用者及びその家族との段階的な関わりの変化(生活動作の負担や痛みの軽減、主治医と

の連携や多職種協働、急変時の基本的な対応等)を認識することで、医療職をはじめとする多職種との連

携・協働をスムーズにする。

・連携の在り方で、在宅生活の継続性に大きく影響することを理解することで、アセスメントや連携のポイントが

わかるようにする。

・人の死は、実にさまざまな思いを家族に残す。それを考え、よりよい別れができるよう、個々に合わせた援助

が必要となってくる。

・生前の利用者との関係、看取りの問題に関して遺族が罪悪感をもたないように配慮するよう支援する。

⑥対応できる知識を得て、看取り等における地域の社会資源を活用したケアマネジメントについて

・家族やサービス提供者と情報共有でき統一した支援と出来なかった支援から、チームアプローチの重要性を

理解できること。

・介護保険サービス以外のインフォーマルサービスの情報提供を行い、ケアマネジメントを実施できる。

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介護支援専門員専門研修課程Ⅰ

6 各科目のガイドライン

6.講義・演習の展開例 (240 分)

下記の時間数は正味の時間数であり、適宜休憩を挟んで展開すること。

構成 時間 内容 修得目標

導入 10 分

○本科目の目的、修得目標を確認

・アイスブレイク

・研修記録シートを用いてそれぞれの目標を確認

講義 40 分

(1)看護を通しての連携についての理解

○訪問看護サービスの基礎知識

(2)看取り等について、多様な提案

○終末期の看護

(4)看取り等における看護サービスの活用方法

○訪問看護を提供する機関

(5)看護に関する基礎知識について

○在宅ターミナル

○ターミナル期における介護支援専門員の役割

●理解を深めるミニワーク

①②③④

演習 30 分

(3)対応できる知識を得て、看取り等における地域の社会資源を活用

したマネジメント

●事例の説明と読み込み

・事例の概要、支援記録(相談記録)、基本情報

・アセスメントをする際のポイントを明確にする。

・地域の社会資源の活用、どんなチームを作るか検討を行う演習をす

演習 140 分

(6)対応できる知識を得て、看取り等において利用者の変化に応じた

ケアマネジメント

●経過における事例の変化

・アセスメントの相違、サービスの活用について、その原因と視点を検討

・不足しているサービス導入の事例の活用

振り返り 20 分 ○本科目全体を振り返り、ポイントについて講義

<参考文献・引用文献>○世界保健機関編、武田文和 訳:がんの痛みからの解放−WHO方式がん疼痛治療法−第2版

金原出版株式会社、3-39、1996○厚生労働省・日本医師会:がん緩和ケアに関するマニュアル改訂第3版、(有)成文社 2010 年○的場元弘:がん疼痛緩和のレシピ(2007 年版)、春秋社○厚生労働省資料がん対策情報等○一般社団法人日本介護支援専門員協会:医療ニーズと支援のポイント 2013 年○一般社団法人日本介護支援専門員協会:ケアマネジャーのための医療職との連携ハンドブック 2013 年○厚生労働省ホームページ「在宅医療・介護の推進について」○中央社会保険医療協議会総会:訪問看護について 2013.11.11○介護支援専門員実務研修テキスト作成委員会:五訂 介護支援専門員実務研修テキスト、長寿社会開発センター 2012 年

○臺有桂・石田千絵・山下留理子著:ナーシング・グラフィカ 在宅看護論 地域療養を支えるケア、メディカ出版 2015 年

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介護支援専門員専門研修課程Ⅰ

6 各科目のガイドライン

1.目的

認知症に関する事例を用いて講義・演習を行うことにより、認知症に関する知識及び認知症の要介護者等に

有効なサービスを活用したケアマネジメント手法を修得する。

2.内容

・認知症や精神疾患に関する医学的・心理的基礎知識の向上と認知症施策に関わる専門職との連携方法等に

関する講義を行う。

・認知症等の特質性を踏まえた早期の対応方法や家族も含めた支援方法などを修得するとともに、地域で生活

を継続していくための支援を行う上で必要な視点を理解する。

・認知症に関する事例を用いて、認知症に鑑みた適切なアセスメントを行う際の重要なポイントや、地域の社会資

源を活用したケアマネジメントを実践する知識・技術を修得する。

・1つの事例について様々な状況等を勘案した、実践しうる複数の対応策(居宅サービス計画の作成)が検討でき

るよう、必要な知識・技術を修得する。

3.関連科目と修得目標

(1)関連科目 研修体系において、本科目に関連性の高い科目は以下の通りである。

実務研修 ⑮-3 ケアマネジメントの展開「認知症に関する事例」

専門研修課程Ⅰ

専門研修課程Ⅱ ②-3 ケアマネジメントにおける実践事例の研究及び発表「認知症に関する事例」

主任介護支援専門員

研修⑨個別事例を通じた介護支援専門員への指導・支援の展開

主任介護支援専門員

更新研修

②-3主任介護支援専門員としての実践の振り返りと指導及び支援の実践

「認知症に関する事例」

⑥-3 ケアマネジメントの演習

「認知症に関する事例」

講義・演習

4時間

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6 各科目のガイドライン

(2)修得目標

修得目標修得分野 対応する研修内容

※次項の番号に対応しています知識 技術 態度

①認知症や精神疾患に関する医学的・心理的基

礎知識について説明できる。● ● (1)

②認知症施策に関わる多職種連携について説

明できる。● ● (1)(3)

③認知症等の状況に応じた対応方法の提案を

実施できる。● ● (1)

④認知症等の利用者だけでなく、家族が地域で

の生活を継続できるように支援するケアマ

ネジメントを実施できる。

● ● ● (1)

⑤個別の認知症状等に合わせて地域の社会資

源(インフォーマルサービス等)の活用を実

施できる。

● ● ● (1)(3)

⑥認知症等について、複数の対応策の提案を実

施できる。● ● ● (2)(4)

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6 各科目のガイドライン

4.内容 修得目標を踏まえ、本科目で研修すべき主な内容は以下の通りである。

(1)基本的な理解

① 知症や精神疾患に関する医学的・心理的基礎知識

・認知症は、ICD-10、DSM-Ⅳ-TR 等において定義づけされている。

・認知症には、アルツハイマー型認知症、血管性認知症、レビー小体型認知症、前頭側頭型認知症などがある。

・高齢者に多く見られる精神疾患(統合失調症、両極性障害、うつ病、パニック障害など)について説明する。

【項目のポイント】

・実務研修やそれ以降の実務経験でも一通り学習している内容である。しかし、介護現場では認知症と

精神疾患を合わせて持つ利用者が増えている現状があり、精神疾患の基本的知識の重要性を伝える。

②認知症施策に関わる多職種との連携方法

・国の最新の認知症施策(オレンジプラン)を説明し、その中での介護支援専門員の役割を説明する。

・認知症ケアパス、早期診断・早期対応、認知症疾患医療センター、認知症地域支援推進員、ライフサポート

プランを説明する。

・若年性認知症施策を説明する。

・初期集中支援チームの役割と連携を説明する。

・多職種連携で在宅生活を支える事を説明する。

・高齢者が認知症以外の慢性疾患を有している場合は、認知症状がそうした慢性疾患の療養に影響を与える

恐れがあるため、療養上の留意点を把握しておくことが重要である。

【項目のポイント】

・初期から終末期まで、在宅生活を支援していく視点を明確にする。その経過の中で、医療との連携

の重要性を伝える。特に激しいBPSDが急に起こった場合など、治療の必要性を検討する。

③早期対応及び家族の支援方法

・認知症を早期発見し、適切な対応を行うことが重要である。

・認知症の場合、その家族の支援も重要である。特に介護負担を軽減する視点を持つこと、家族だけで抱え

込まないようにすることが重要である。

④地域での生活の継続の支援

・認知症の人の支援は地域全体で取り組むことが重要である。地域のサポートとは、利用者を直接支える地域

の見守り体制、認知症サポーター、徘徊高齢者 SOS ネットワークといったものがある。

・これに加えて、認知症の人を支える家族を地域が支える仕組みや、認知症ケアに携わる介護職どうしの連携

を支える仕組み、介護職と他の専門職との連携を支える仕組みなど、重層的な仕組みを構築し、それを活用

することが必要である。

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6 各科目のガイドライン

⑤認知症の適切なアセスメントと地域の社会資源を活用したケアマネジメント

(ア)適切なアセスメントの視点

・認知症のアセスメントはチームアプローチで行い、多職種協働で情報収集及び分析する事を説明する。

・BPSDについて、すべての認知症の人に発生するものではないことを説明する。表面的な現象だけに目を奪

われるのではなく、原因と背景を把握する方法を修得する。

・BPSDに対するケアの基本的な方針を確認することが必要である。また、認知症ケアは多職種協働で進める

ものであるとの基本認識をしっかりと理解してもらう。

(イ)地域の社会資源の活用

・認知症に関わる社会資源は、介護保険サービスに関わる資源だけでなく、医療に関する資源、インフォーマ

ルな支援など様々なものがある。

・様々な状況等を勘案した、実践しうる複数の対応策が示せる。

・認知症等の利用者だけでなく、家族が地域での生活を継続できるように支援するケアマネジメントを実施でき

る。

【項目のポイント】

・介護支援専門員は、事例を活用して、さまざまな社会資源の具体的な活用方法を示すことが必要で

ある。

(2)ケアマネジメントの各プロセスにおける留意点

①インテーク

・初回面接の目的は相談内容の確認及び主介護者とキーパーソンの確認。

・信頼関係を樹立することが最も重要である。

②アセスメント

・認知症に適切なアセスメントは、身体状況だけでなく精神的状況や利用者の思いを明らかにすることが出来

るもので、一つのアセスメント様式で網羅できない場合は、いくつかの様式を組み合わせる事が重要である。

・情報を収集・整理する際は、利用者の言葉を聞き取るセンター方式の活用方法等が有効である。

・収集・整理した情報を分析しニーズを抽出する際は、ひもときシート等を活用することが有効である。

・アセスメントに際して、利用者の意向の確認を丁寧に行うことが重要である。

・留意すべき心身の状況は、睡眠障害、脱水、嚥下障害、排泄障害、転倒リスク、口腔機能の低下、皮膚トラ

ブル、低栄養等が、認知症の悪化を招くことを提示する。

・住環境、住まい方・生活様式、なじみの器具・物品、居住地周辺環境等も影響する事を伝える。

・コミュニケーション能力の低下している利用者は、利用者をサポートしている家族や友人等の協力を得て情

報収集を行う。

③居宅サービス計画原案作成

・優先順位のつけ方、地域の社会資源の活用方法、チームアプローチ

・複数の対応策(居宅サービス計画)の検討

④サービス担当者会議

・利用者の意向の確認、家族の介護負担の軽減、対応方法の明確化・共有

・地域の社会資源の活用に関する多職種からの意見聴取

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6 各科目のガイドライン

⑤サービスの提供と介入

・個別サービス計画の確認、具体的サービス内容の確認、なじみの関係、適切な環境作り

⑥モニタリング

・利用者の状況変化、家族の介護状況、修正の必要性

・サービス提供状況の確認

⑦終結・フォローアップ

・短期目標の到達状況、利用者の生活状況の確認、利用者主体の選択と決定、虐待の疑いにおける通報義

(3)個別支援を取り巻く環境

①多職種協働

・地域ケア会議の活用

介護支援専門員、地域包括支援センター職員、行政、かかりつけ医、サービス提供事業所、友人・知人

②地域づくり

・地域生活を支える医療サービス、地域生活を支える介護サービス

・地域において認知症の正しい理解の促進

・見守りネットワーク体制の構築、ボランティアなど

(4)事例による展開

※前項(1)~(3)の内容の事例を用いて展開する

5.科目のポイント

(1)全体的な指導の視点

・認知症の種類別の原因、生活行為の改善可能性および進行、薬物療法・非薬物療法の有効性と留意点、

副作用についての講義を行った上で演習を展開する。

・演習に当たっては、課題整理総括表等や評価表等を活用し、課題分析を通じたニーズの抽出やモニタリン

グ時の評価における考え方の理解につなげる。

・認知症の特性等に関しては、医療的な内容に踏み込みすぎず、ケアマネジメントを行う上で必要な基本的知

識についての理解につながるよう留意する。

(2)演習における指導の視点と方法

・専門研修課程Ⅰの受講者は、実務研修終了後、継続的な学習及び指導的な立場の先輩介護支援専門員

や主任介護支援専門員のいる環境で従事し、経験を積んできたと考えられる。

・認知症のケアマネジメントにおいて、利用者中心の考え方に基づく情報収集の視点

101

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介護支援専門員専門研修課程Ⅰ

6 各科目のガイドライン

6.講義・演習の展開例 (240 分)

下記の時間数は正味の時間数であり、適宜休憩を挟んで展開すること。

構成 時間 内容 修得目標

導入 10 分

○本科目の目的、修得目標の確認

・アイスブレイク

・研修記録シートを用いてそれぞれの目標の確認

講義 40 分

(1)基本的な理解

○認知症や精神疾患に関する医学的・心理的基礎知識

○認知症施策に関わる多職種との連携方法

○早期対応及び家族の支援方法

○地域での生活の継続の支援

○認知症の適切なアセスメントと地域の社会資源を活用したケアマネ

ジメント

●理解を深めるミニワーク

①②③

④⑤

講義 30 分(2)ケアマネジメントの各プロセスにおける留意点

●理解を深めるミニワーク⑥

演習 30 分

(4)事例による展開

●演習の目的、手順の説明

●事例概要の読み込み

講義・演習 50 分

(4)事例による展開

●事例における情報の収集と分析、利用者の能力の把握

●課題抽出のポイントの理解

(3)個別支援を取り巻く環境

○多職種協働

○地域づくり

②⑤⑥

講義・演習 60 分

(4)事例による展開

●複数の対応等(居宅サービス計画)の検討

●グループ内での意見交換

●グループ発表

振り返り 20 分 ○本科目全体を振り返り、ポイントについて講義

102

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介護支援専門員専門研修課程Ⅰ

6 各科目のガイドライン

<参考文献>

○池田学「認知症―専門医が語る診断・治療・ケアー」中央公論新社 2010 年

○浦上克哉「新版認知症よい対応・わるい対応」日本評論社 2014 年

○川畑信也「認知症疾患の診断と治療の実際」株式会社ワールドプランニング 2008 年

○一般社団法人日本介護支援専門員協会「ケアマネジャーのための医療職との連携ハンドブック」2014

○山口晴保編著、佐土根郎・松沼記代・山上哲也「認知症の正しい理解と包括的医療・ケアのポイント第

2 版」共同医書出版社、2010

103

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介護支援専門員専門研修課程Ⅰ

6 各科目のガイドライン

1.目的

入退院時等における医療との連携に関する事例を用いて、講義・演習を行うことにより、医療との連携に必要

な知識及び医療との連携を踏まえたケアマネジメント手法を修得する。

2.内容

・高齢者に多い疾病の特徴とその対処法、感染予防に関する講義を行う。

・医療職(特に主治医)や医療機関との連携方法等に関する講義を行う。

・入退院時等における医療との連携に関する事例を用いて、適切なアセスメントを行う際の重要なポイントや、社

会資源を最大限に活用したケアマネジメントを実践する知識・技術を修得する。

・1つの事例について様々な状況等を勘案した、実践しうる複数の対応策(居宅サービス計画の作成)が検討でき

るよう、必要な知識・技術を修得する。

3.関連科目と修得目標

(1)関連科目 研修体系において、本科目に関連性の高い科目は以下の通りである。

実務研修⑩ケアマネジメントに必要な医療との連携及び多職種協働の意義」を理解した上で、

「⑮-1~6 ケアマネジメントの展開」の疾患別事例を通して医療との連携を理解する

専門研修課程Ⅰ

専門研修課程Ⅱ②-4 ケアマネジメントにおける実践事例の研究及び発表

「入退院時における医療との連携に関する事例」を学ぶ

主任介護支援専門員

研修⑦ケアマネジメントに必要な医療との連携及び多職種協働の実現

主任介護支援専門員

更新研修

②-4主任介護支援専門員としての実践の振り返りと指導・支援の実践

「入退院時等における医療との連携に関する事例」

⑥-4 ケアマネジメントの演習

「入退院時等における医療との連携に関する事例」

講義・演習

4時間

104

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介護支援専門員専門研修課程Ⅰ

6 各科目のガイドライン

(2)修得目標

修得目標修得分野 対応する研修内容

※次項の番号に対応しています知識 技術 態度

①高齢者に多い疾患の特徴とその対処法につ

いて説明できる。● ● (1)

②高齢者の感染症の知識とその予防法につい

て説明できる。● ● (1)

③医療機関との連携方法に関しての様々な方

法について説明できる。● ● (2)

④入退院時等に必要な利用者のアセスメント

を理解し工夫を実施できる。● ● ● (3)

⑤高齢者の入退院時等に関する多様な背景を

理解し、ケアマネジメントを実施できる。● ● ● (3)

⑥入退院時等の医療との連携について、複数の

対応策の提案を実施できる。● ● ● (3)

⑦入退院時に合わせた地域の社会資源の活用

を実施できる。● ● ● (3)

105

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介護支援専門員専門研修課程Ⅰ

6 各科目のガイドライン

4.内容 修得目標を踏まえ、本科目で研修すべき主な内容は以下の通りである。

(1)高齢者に多い疾患の特徴とその対処法、感染予防について

①高齢者に多い疾患の特徴とその対処法

(ア)環境変化

・高齢者にとって環境の変化は心身機能に大きな影響を及ぼす。

・入退院という環境変化は、高齢者や周囲の生活を変化させる要因となる。

・入院によって、ケアの内容、方法、ケアを担う人が変わることは、高齢者にとって大きな不安要素(リスク)で

あることを理解する。

・認知機能の低下は、入院直後から現れる場合も多い。

・入院の長期化によって、高齢者の心身機能や意欲低下を助長し、自立のきっかけを失うことに繋がる場合も

ある。

・自宅、施設、居住系施設等、入院前の環境、退院先のルートは様々である。

・どこから入院し、どこへ退院していくのか、環境アセスメントの視点が大切である。

・速やかな入退院の支援は、介護支援専門員の重要な役割である。

・入院時から退院支援が始まっているという意識を、医療機関側と共に共有することが大切である。

(イ)高齢者に多い疾患の特徴とその対処法

・高齢者の身体機能の低下は、個人差が大きい。

・身体機能の低下が、いくつもの臓器や生理機能と複雑に重なる。

・入院時から退院後の生活を意識して、退院後の生活環境の変化によるADL低下の予防や、廃用症候群に

たいして予防的なリハビリテーションを行う必要がある。

・高齢者は多数の薬を服用している場合があり、薬剤の相互作用や副作用に注意する必要がある。

・高齢者に多い主な疾患として、老年症候群、廃用症候群(生活不活発病)、脱水、低栄養、動脈硬化、転倒

などがある。

・それぞれの疾患の特徴に応じたケアを提供すると共に、入退院という環境変化の中で、高齢者の不安が少

しでも軽減できるよう、医療機関側と介護支援専門員は密な連携を図ることが必要である。

②感染予防

・入退院時においては、どのような環境から入院し、どのような環境へ退院するのか、医療機関側と情報共有を

しておく。

・施設や居住系施設等で集団生活をしている場合などでは、二次的感染を引き起こす可能性も高い。

・様々な人が高齢者のケアに介在するため、常に感染予防に対する意識を高めておくことは重要である。

・インフルエンザ、ノロウイルス、疥癬、結核、B型肝炎、C型肝炎など、高齢者が罹患しやすい感染症の知識

や予防の方法等を学んでおくことは重要である。

・高齢者の中には、不衛生な住環境で生活している者もいる。感染の可能性が高い環境かどうか、感染予防

が可能な環境かなど、入退院時の環境アセスメントが大切である。

・家族背景やネグレクトの状況などの情報も、医療機関側と共有しておくことが大切である。ただし、個人のプラ

イバシーに関わることであり、感染に関する情報の取り扱いには、十分留意する必要がある。

・感染予防は、退院後のケアを担う者にとっても二次的感染を防ぐ意味で大変重要である。

106

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介護支援専門員専門研修課程Ⅰ

6 各科目のガイドライン

(2)医療職と介護職の各ルール

・医師は医療の専門家、介護支援専門員は介護保険制度における生活支援のためのケアマネジメントをおこ

なう専門家である。

・言語、思考プロセス、スピード感など、実践場面において医療と介護は違いがある。

・医療機関の機能は様々であり、各医療機関は、機能分化と医療連携によって関係が整理されている。

・介護支援専門員は、どの医療職と連携をするのか、まず確認をする。

・医療職が必要とする情報は、介護支援専門員が伝えたい情報とは異なる場合があることも認識しておく。

(3)入退院時における連携

①入院前・入院時における連携

・担当介護支援専門員であることを、病院に伝える。

・在宅の生活状況を、アセスメント情報として病院に提供する。

・在宅主治医(かかりつけ医)やサービス事業者に、速やかに連絡する。

・地域医療連携担当窓口(地域医療連携室や医療福祉相談室等)に顔を出し、情報共有のきっかけをつくる。

・利用者家族と急病等で入院した場合の介護支援専門員への連絡方法等を話し合っておく。(特に独居や認

知症の場合等)。

② 院中における連携

・入院後速やかに、利用者が入院している病院を訪問する。

・病院側と、情報共有する旨を、利用者家族に了解を得る。

・医療ソーシャルワーカー(MSW)等に連絡をいれることができる(事例)。

・利用者家族に連絡し、在宅の状況や今後の意向について確認の面接をおこなう(入院中に意向が変動する

ことも踏まえる)。

・退院の見通しについて、病棟に確認する。

・必要に応じて、入院中カンファレンスに参加する。

・利用者の病状等についてサービス事業者と情報共有をする。

③退院前における連携

・家族に退院日時の確認をする。

・必要に応じて病院側に、退院前カンファレンスの開催を要請し、参加する。

・医師、看護師、薬剤師、栄養士、セラピスト等、各医療職から、退院に向けて必要な情報を得る。

・退院に向けて、今後の病状変化等、予後予測を踏まえて確認をした上で、医療情報を居宅サービス計画に反映

する。

・サービス事業者に対し、退院日時の連絡とともに、個別サービス計画に反映できる情報を提供する。

・退院後に急変等があった場合、病院側の受け入れ体制や対応の流れ、緊急時の連携方法等を確認する。

・退院に向けた家族の心配や不安等を、速やかに病院側に伝える。

④退院後における連携

・退院後、病院側に退院後の生活状況報告をする。

・退院後、通院・治療が同一病院で行われる場合は、継続的な連携に努める。

・継続した医療サービスをどのように行うかを念頭に置き支援する。

107

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介護支援専門員専門研修課程Ⅰ

6 各科目のガイドライン

5.科目のポイント

・医療職と連携をすることに対する苦手意識が有る場合、それを払拭する。

・看護、リハビリテーション、福祉用具の活用、認知症、医療連携をはじめとする多職種協働などの基本的な知

識についての講義を行った上で演習を展開する。

・1つの事例から複数の対応策(居宅サービス計画(案))を検討し、その中から最適なものを判断する視点を養

う必要性について気づきを促す。

・多様な保健・医療・福祉サービス及び社会資源を組み込んだ複数の居宅サービス計画を示し、各サービス

や社会資源を活用する視点について理解を促す。

108

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介護支援専門員専門研修課程Ⅰ

6 各科目のガイドライン

6.講義・演習の展開例 (240 分)

下記の時間数は正味の時間数であり、適宜休憩を挟んで展開すること。

構成 時間 内容 修得目標

導入 10 分

○本科目の目的、修得目標を確認

・アイスブレイク

・研修記録シートを用いてそれぞれの目標を確認

講義・演習 90 分

(1)高齢者に多い疾患の特徴とその対処法、感染予防について

○高齢者に多い疾患の特徴とその対処法

○感染予防

●理解を深めるミニワーク

・実践場面における感染事例や対応方法等について共有する

(2)医療職と介護職の各ルール

●理解を深めるミニワーク

・日々の実践を通して感じている、自己の医療との連携の課題や、

苦手意識をディスカッションする。

・医療職に対する自分の意識を客観視する。(苦手意識があるかな

いか、なぜそう感じるのか等)

・連携でうまくいったこと、失敗したこと(なぜうまくいったのか、なぜ失

敗したのか)

・医療職側との連携の課題として真摯な姿勢でディスカッションする。

①②③

講義・演習 90 分

(3)入退院時における連携

○入院前・入院時における連携

○入院中における連携

○退院前・退院後における連携

●理解を深めるミニワーク

・共通事例を活用し、入院前、入院時、入院中、退院前、退院後にお

ける医療との連携場面をディスカッションし、効果的な連携の方法を

検討する。

③④

⑤⑥

まとめ 30 分

(3)入退院時における連携

●理解を深めるミニワーク

・入退院時における医療との連携は、病院と在宅、病院医師、看護師、

MSW等と介護支援専門員のネットワークを構築する、ケアマネジメン

トにおける重要なプロセスであることを理解する。

③④

⑤⑥

振り返り 20 分 ○本科目全体を振り返り、ポイントについて講義

109

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介護支援専門員専門研修課程Ⅰ

6 各科目のガイドライン

<参考文献>

○宇都宮宏子・三輪恭子編「これからの退院支援・退院調整~ジェネラリストナースがつなぐ外来・病

棟・地域~」日本看護協会出版会 2014 年

○一般社団法人日本介護支援専門員協会「ケアマネジャーのための医療職との連携ハンドブック」2014

○川越正平「在宅医療バイブル」日本医事新報社、2014

○岡田晋吾/田城孝雄 スーパー総合医「地域医療連携・多職種連携」中山書店、2015

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介護支援専門員専門研修課程Ⅰ

6 各科目のガイドライン

1.目的

家族への支援の視点が必要な事例を用いて講義・演習を行うことにより、家族への支援の視点も踏まえたケア

マネジメント手法を修得する。

2.内容

・単なるレスパイトだけでなく今後の介護に対する不安や利用者、家族同士の軋轢への介入など家族支援にお

ける基本的な視点に関する講義を行う。

・関係行政機関等との連携方法、家族支援に有効な制度等についての講義を行う。

・障害等のある家族や働きながら介護を担う家族に対する支援が必要な事例などを用いて、適切なアセスメントを

行う際の重要なポイントや、地域の社会資源を最大限に活用したケアマネジメントを実践する知識・技術を講義

する。

・1つの事例についてさまざまな状況等を勘案した実践しうる複数の対応策(居宅サービス計画の作成)が検討で

きるよう、必要な知識・技術を講義する。

3.関連科目と修得目標

(1)関連科目 研修体系において、本科目に関連性の高い科目は以下の通りである。

実務研修 ⑮-6 ケアマネジメントの展開「看取りに関する事例」

専門研修課程Ⅰ

専門研修課程Ⅱ②-5 ケアマネジメントにおける実践事例の研究及び発表

「家族への支援の視点が必要な事例」

主任介護支援専門員

研修⑨個別事例を通じた介護支援専門員への指導・支援の展開

主任介護支援専門員

更新研修

②-5主任介護支援専門員としての実践の振り返りと指導及び支援の実践

「家族への支援の視点が必要な事例」

⑥-5 ケアマネジメントの演習

「家族への支援の視点が必要な事例」

講義・演習

4時間

111

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介護支援専門員専門研修課程Ⅰ

6 各科目のガイドライン

(2)修得目標

修得目標修得分野 対応する研修内容

※次項の番号に対応しています知識 技術 態度

①家族支援に有効な社会資源について説明で

きる。● ● (1)

②家族関係に配慮しながら利用者支援の工夫

を実施できる。● ● ● (1)

③家族の健康状態や介護に対する思いを理解

し利用者支援を実施できる。● ● ● (1)

④家族関係や家族状況に合わせて、多数の社会

資源(インフォーマルサービス等)の提案を

実施できる。

● ● ● (2)(3)

⑤家族の社会的状況も配慮しながらケアマネ

ジメントを実施できる。● ● ● (2)

4.内容 修得目標を踏まえ、本科目で研修すべき主な内容は以下の通りである。

(1)家族への支援に関する知識の修得・基本理解

①家族への支援の必要性が高まった社会背景

(ア)少子高齢化と家族規模の縮小が家族機能に与える影響

・人口構造の変化に伴う社会保障費増大

・ジェンダーと家族各構成員のその人らしい生き方

・在宅介護、地域包括ケアシステムへの流れと家族を取り巻く課題

・近代家族から個人尊重家族、介護の社会化、ケアラーの人権尊重

②家族の定義と機能

(ア)家族の定義

・「家族とは、夫婦の配偶関係や親子・兄弟などの血縁関係によって結ばれた親族関係を基礎にして成立す

る小集団」他、複数の定義を引用して説明する。

・家族の多様性

・個人の価値観が多様化する中、家族の価値観も多様化している。標準的な家族像、健康な家族像は決め

られるものではない。

(イ)家族の機能

・家族の機能としての社会的機能と個人的機能

・家族周期と時間軸、家族構成員のライフサイクル

・全体としての家族

・家族機能の対内的機能※1と対外的機能※2と社会福祉における国の制度との関連

※1 対内的機能:家族を構成するメンバーが求める機能

※2 対外的機能:社会が家族に求める機能

112

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介護支援専門員専門研修課程Ⅰ

6 各科目のガイドライン

・家族内外の状態や関係を理解するためには以下のツールを活用する

(a)ジェノグラム(家系図)は世代間関係の構造を示す図式

(b)エコマップは、外的構造との相互作用の量と質を評価する図式

・家族成員間の意識のずれ役割期待へのずれと家族における介護の位置づけ

・社会資源としての家族、地域の中の家族

③自立支援と利用者本位・家族本位

・利用者の自立支援

・利用者にとっての幸せと家族にとっての幸せ

・折り合いをつけることと、悔いのない選択

・個人と地域と自立の関係

④家族支援

・レスパイトケア

・介護に対する不安や利用者・家族同士の軋轢への介入

・家族介護者への支援

・関係機関との連携

(2) ケアマネジメントの各プロセスにおける留意点

①インテーク

・相談者と利用者の関係・相談の言葉の背景

・家族への労い・主介護者とキーパーソンの確認

②アセスメント

・代表的なアセスメントモデルを複数紹介

・グループとしての家族の理解

・家族構成員個々のアセスメント(健康状態、セルフケア能力、価値観、就労・子育ての有無、24時間の生活

状況等)

※仕事と介護の両立の支援を行うためには、育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉

に関する法律の理解が必要

・家族の介護力とその限界

・家族構成員同士(サブシステム)のアセスメント

・遠方や疎遠な家族の存在を把握し、アセスメントする。

・社会の中の家族のアセスメント

・家族に影響するつながりのアセスメント

・現在、家族が利用者に影響を与えることがらや家族成員との関係性、葛藤の分析

・今後、利用者と家族に発生しうることがらの分析

・家族への支援の必要性の判断

・家族への支援の必要性がある場合の地域の関係機関、協力者のアセスメント

113

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介護支援専門員専門研修課程Ⅰ

6 各科目のガイドライン

③居宅サービス計画原案作成

・利用者の自立と家族の生活の折り合い

・家族不在や家族に負担のかかる介護や時間帯への配慮

・ニーズを充足するための介護保険サービス以外の保健・医療・福祉サービスの活用

・ニーズを充足する地域のつながりを活かした居宅サービス計画作成

・様々な状況等を考えた、複数の対応策の検討

④サービス担当者会議

・多職種からみた家族像、家族アセスメントとニーズの確認

・多職種(担当者)と家族の関係性のアセスメントと多職種を資源とした活用

・必要な資源と家族をつなぐ

・必要な資源だが足りない資源の確認

⑤サービスの提供や介入

介護支援専門員や多職種による家族への働きかけの内容は以下の通りである。

・家族を労う。

・家族の不安や悩みを話し、支援する態度

・家族のエンパワメント・家族のレジリエンス

・対象となる家族へのアプローチ・パートナーシップと交渉

・家族と利用者の情緒的結びつきを支える。

・必要な資源とつなぐ。

⑥モニタリング

・家族の負担感、介護への意欲の度合

・家族の健康・精神・社会とのつながりの状態(健康状態、セルフケア能力、価値観、就労・子育ての有無、24

時間の生活状況等)

・サービス利用による家族の生活の状況、達成度や負担感

・サービス利用に伴う家族の相互作用の変化

⑦終結・フォローアップ

・自立したのち、予防的な観点での生活の提案

・施設へ入所した後、家族の介護への振り返り

・死亡した後、お悔やみと労い、家族の悲嘆の程度と立ち直りの見込みの確認

(3)地域包括ケアシステムへの展開

・利用者の支援を中心に置いた家族の支援を展開することによる在宅介護の継続性について

・地域と家族のつながり、地域と利用者のつながりをつくることによる在宅生活の継続性について

・地域が生活課題を抱える家族をサポートする視点について

・多職種による家族支援の視点について

・レスパイトケアについては、介護者の身体的・精神的介護負担の軽減を図るという点において、単に時間的・空

間的に介護者を介護から解放するというだけに留まらず、要介護者の有する能力や生活ニーズに応じた生活

支援を行う事について、地域での取り組みなどの促進や現状などを受講者間で共有する事も必要である。

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介護支援専門員専門研修課程Ⅰ

6 各科目のガイドライン

5.科目のポイント

・家族そのものを支援することが目的ではなく、利用者本人への支援を効果的に実行することを目的に最も影

響力の強い家族をアセスメントし、利用者と家族の相互作用や家族と地域のシステムを活用することが理解

できるように説明する。

・利用者のアセスメントだけでなく、家族のアセスメントを行い、利用者のニーズの分析や支援介入の分析に活

かす視点を伝える。

115

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介護支援専門員専門研修課程Ⅰ

6 各科目のガイドライン

6.講義・演習の展開例 (240 分)

下記の時間数は正味の時間数であり、適宜休憩を挟んで展開すること。

構成 時間 内容 修得目標

導入 10 分

○本科目の目的、修得目標を確認

・アイスブレイク

・研修記録シートを用いてそれぞれの目標を確認

講義 50 分

(1)家族への支援に関する知識の修得・基本理解

○家族への支援の必要性が高まった社会背景

○家族の定義と機能

○自立支援と利用者本位・家族本位

○家族支援

(2)ケアマネジメントの各プロセスにおける留意点

●理解を深めるミニワーク

①②③

④⑤

演習 60 分

(2)ケアマネジメントの各プロセスにおける留意点

○演習の目的、手順の説明

●事例の概要の読み込み、アセスメント、課題抽出、支援の具体例

●理解を深めるミニワーク

④⑤

演習 60 分

(2)ケアマネジメントの各プロセスにおける留意点

●グループ内での課題抽出及び複数の対応策の意見交換

●発表

④⑤

講義 40 分

(2)ケアマネジメントの各プロセスにおける留意点

○各発表を踏まえ、講師による事例の課題の解説

(3)地域包括ケアシステムへの展開

●理解を深めるミニワーク

④⑤

振り返り 20 分 ○本科目全体を振り返り、ポイントについて講義

<参考文献・引用文献><引用文献・参考文献>○森岡清美・望月嵩「四訂版 新しい家族社会学」培風館.○山田昌弘「迷走する家族-戦後家族モデルの形成と解体,有斐閣.2005○Mary E Richmond,Social Diagnosis,Paperback ed.,The Free Press,1965,pp.137-142.○岡村重夫「社会福祉学(総論)」,柴田書店○澤田いずみ「看護者の家族間とパートナーシップ」,家族看護4(1).2007○平成 23 年度 厚生労働省老人保健事業推進費等補助金(老人保健健康増進等事業分)レスパイトケアの推進に資する短期入所生活介護のあり方に関する調査研究事業報告書 要約版平成 24 年 3 月

116

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介護支援専門員専門研修課程Ⅰ

6 各科目のガイドライン

1.目的

社会資源の活用に向けた関係機関との連携に関する事例を用いて講義・演習を行うことにより、利用者が活用

しうる制度に関する知識及び関係機関等との連携を踏まえたケアマネジメント手法を修得する。

2.内容

・生活保護制度、障がい者施策、成年後見制度などの他法施策に関する制度の知識やインフォーマルサービス

の活用に係る視点に関する講義を行う。

・虐待が発生している事例、他の制度(生活保護制度、成年後見制度等)を活用している事例、インフォーマルサ

ービスを提供する事業者との連携が必要な事例等を用いて、適切なアセスメントを行う際の重要なポイントや、

地域の社会資源を最大限に活用したケアマネジメントを実践する知識・技術を修得する。

・1つの事例について様々な状況等を勘案した、実践しうる複数の対応策(居宅サービス計画の作成)が検討で

きるよう、必要な知識・技術を修得する。

3.関連科目と修得目標

(1)関連科目 研修体系において、本科目に関連性の高い科目は以下の通りである。

実務研修

⑤利用者や多職種への説明と合意

⑦ケアマネジメントに必要な基礎知識及び技術

⑨地域包括ケアシステム及び社会資源

専門研修課程Ⅰ

専門研修課程Ⅱ②-6 ケアマネジメントにおける実践事例の研究及び発表

「社会資源の活用に向けた関係機関との連携に関する事例」

主任介護支援専門員

研修

①主任介護支援専門員の役割と視点

⑥地域援助技術

主任介護支援専門員

更新研修

②-6主任介護支援専門員としての実践の振り返りと指導・支援の実践

「社会資源の活用に向けた関係機関との連携に係る事例」

⑥-6 ケアマネジメントの演習

「社会資源の活用に向けた関係機関との連携に関する事例」

講義・演習

4時間

117

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介護支援専門員専門研修課程Ⅰ

6 各科目のガイドライン

(2)修得目標

修得目標修得分野 対応する研修内容

※次項の番号に対応しています知識 技術 態度

①生活保護制度、障がい者施策、成年後見制度

等の制度と介護保険制度の関係について説

明ができる。

● ● (1)

②生活保護制度、障がい者施策、成年後見制度

等の制度と介護保険制度の活用内容につい

て説明できる。

● ● ● (1)

③生活保護制度、障がい者施策、成年後見制度

等の制度等、いずれかの制度を活用した事例

を用いてチームケアの必要性を述べること

ができる。

● ● (1)(3)

④インフォーマルサービスとの関係や個人情

報保護についての対応について説明できる。● ● ● (3)

⑤多数の社会資源の活用を必要とする具体的事

例を挙げることができる。● ● ● (2)

⑥虐待事例、他制度活用事例、インフォーマル

サービスの連携が必要な事例等に対してア

セスメントのポイントを解釈して社会資源

を最大限活用できる。

● ● ● (2)

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介護支援専門員専門研修課程Ⅰ

6 各科目のガイドライン

4.内容 修得目標を踏まえ、本科目で研修すべき主な内容は以下の通りである。

(1)基本的な理解

①社会資源の必要性

(a)利用者の全体像を理解し、社会資源の理解や地域資源の把握を行い活用すること。

(b)住み慣れた地域での生活を継続するために必要なこと。

(c)利用者の尊厳の保持と自立支援(介護保険法第1条基本理念)

②社会資源とは

社会的要求の充足や問題解決のために利用することが出来る制度、施設、人、物、資金、情報など、

人的・物的資源の総称

③社会資源を活用する目的

(ア)生活基盤を整える(経済、住居、生活用具など)

(イ)健康を保つ(予防、治療、機能訓練、健康維持など)介護予防に関する指針

(ウ)日常の生活行動を支える(歩行、排せつ、入浴、食事、整理整頓、買い物など)

(エ)家族を支える(介護相談・指導、介護の代替・休養など)

(オ)他者との交流を深める(コミュニケーション手段、外出手段、対人関係など)

(カ)社会参加をする(教育、就労、趣味活動、旅行、社会的活動など)

(キ)安全・安心して暮らす(緊急通報システム、安否確認、安全装置、金銭管理など)

(ク)権利を守る(権利擁護、成年後見制度、苦情処理窓口など)

④社会資源を活用する視点

(ア)利用者が望む生活に向けた視点

(イ)利用者の望む生活を実現するために必要な社会資源の活用の視点

(ウ)さまざまな利用者への対応策への活用

(エ)地域包括ケアシステム

【項目のポイント】

・どのような生活を送りたいかという利用者と家族の意思を確認し、その意思を尊重した社会資源の

活用を援助することが大切。利用者の自己決定を助けるという姿勢で、その人に必要な社会資源を

結びつけることを伝える。

119

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介護支援専門員専門研修課程Ⅰ

6 各科目のガイドライン

⑤社会資源の種類

(ア)フォーマル

(a)相談・介護等申請をする場合

(ⅰ)区市町村行政窓口

(ⅲ)保健所

(ⅴ)地域包括支援センター

(ⅶ)各種電話相談(認知症相談・介護相談など)

(ⅱ)福祉事務所

(ⅳ)市町村保健センター

(ⅵ)社会福祉協議会

(b)経済面を支える場合

(ⅰ)国民年金・厚生年金・共済年金

(ⅲ)船員年金

(ⅴ)重度心身障害者手当

(ⅶ)生活福祉資金

(ⅱ)老齢福祉年金・寡婦年金

(ⅵ)特別障害手当

(ⅵ)生活保護

(ⅷ)その他自治体での助成制度

(c)医療を受ける場合

(ⅰ)各種健康保険

(ⅲ)特定医療費の助成

(ⅴ)入院治療・退院時指導

(ⅶ)訪問診療・往診

(ⅸ)訪問看護

(ⅺ)通所リハビリテーション

(ⅱ)後期高齢者医療制度

(ⅳ)高額医療費の助成

(ⅵ)通院

(ⅷ)訪問歯科診療

(ⅹ)訪問リハビリテーション

(d)健康推進の場合

(ⅰ)健康手帳交付

(ⅲ)健康教育・健康相談

(ⅱ)健康診査

(ⅳ)訪問指導

(e)就労支援の場合

(ⅰ)ハローワーク (ⅱ)シルバー人材センター

(f)介護予防の場合

(ⅰ)区市町村健康診査

(ⅲ)介護予防地域支援事業

(ⅴ)訪問指導

(ⅶ)機能訓練

(ⅱ)介護予防健診

(ⅳ)介護予防教室

(ⅵ)閉じこもり、うつ、認知症の予防支援

(g)在宅療養する場合

(ⅰ)居宅介護(ホームヘルプ)

(ⅲ)入浴サービス

(ⅴ)紙おむつなどの支給

(ⅶ)ふとん乾燥・丸洗いサービス

(ⅸ)福祉電話(電話の貸与と安否確認)

(ⅺ)介護慰労金

(ⅱ)福祉用具の給付または貸与

(ⅵ)給食サービス

(ⅵ)理美容サービス

(ⅷ)緊急通報システム

(ⅹ)デイサービス

(h)介護保険施設

(ⅰ)介護老人福祉施設(特別養護老人ホーム)

(ⅲ)介護療養型老人保健施設

(ⅱ)介護老人保健施設(老人保健施設)

(ⅳ)介護療養型医療施設(療養病床など)

(i)地域密着型サービス

(ⅰ)定期巡回・随時対応型訪問介護看護

(ⅱ)夜間対応型訪問介護

120

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介護支援専門員専門研修課程Ⅰ

6 各科目のガイドライン

(ⅲ)地域密着型通所介護

(ⅳ)認知症対応型通所介護・介護予防認知症対応型通所介護

(ⅴ)小規模多機能型居宅介護施設・介護予防小規模多機能型居宅介護

(ⅵ)看護小規模多機能型居宅介護

(ⅶ)認知症対応型共同生活介護・介護予防認知症対応型共同生活介護

(ⅷ)地域密着型介護老人福祉施設入所者生活介護

(ⅸ)複合型サービス(看護小規模多機能型居宅介護)

(j)地域密着型特定入所者生活介護

(ⅰ)小規模な有料老人ホーム

(ⅲ)軽費老人ホーム

(ⅱ)養護老人ホーム

(k)その他入所サービス

(ⅰ)高齢者集合住宅

(ⅲ)過疎高齢者生活福祉センター

(ⅵ)その他各自治体の福祉サービス等

(ⅱ)民間シニア住宅

(ⅳ)サービス付き有料老人ホーム

(ⅴ)介護付き有料老人ホーム

(イ)インフォーマル

(a)相談・介護等申請をする場合

(ⅰ)町会長、民生委員 (ⅱ)老人福祉推進委員

(b)生きがい・楽しみ

(ⅰ)老人クラブ・女性部

(ⅲ)教養講座・スポーツ教室

(ⅴ)囲碁・将棋クラブ、ダンスサークルなど

趣味に関すること

(ⅶ)認知症カフェ(サロン、食事会等)

(ⅱ)老人福祉センター

(ⅳ)寿大学

(ⅵ)市民センターの活動

(ⅷ)認知症の人の家族のつどい

(c)在宅療養の場合

(ⅰ)家政婦

(ⅲ)移送・送迎サービス

(ⅴ)NPO

(ⅱ)ボランティア

(ⅳ)通院・通所の付き添い

【項目のポイント】

・適切なケアマネジメントをするためにも各種類の機能及び役割についての理解をできるよう指導する。

⑥社会資源の関連機関と専門職

(ア)病院、社会福祉協議会、保健所、福祉事務所

(イ)地域包括支援センター、在宅介護支援センター

(ウ)地域活動支援センター

(エ)地域定着支援センター

(オ)医療職(医師、看護師、保健師、准看護師、歯科医師、薬剤師、理学療法士、作業療法士、言語聴覚

士、義肢装具士、歯科衛生士等)

(カ)福祉職(介護福祉士、社会福祉士、精神保健福祉士、社会福祉主事等)

(キ)その他(管理栄養士、栄養士、ホームヘルパー、相談支援専門員、柔道整復師、あん摩マッサージ師、

はり灸師等)

(ク)介護予防健康運動指導員

【項目のポイント】

・公的機関の役割の理解や専門職の役割、特徴を把握できるよう指導する。

121

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介護支援専門員専門研修課程Ⅰ

6 各科目のガイドライン

⑦関連法律

主に利用者と家族の権利擁護の為に活用を行う事を提示する。以下のようなものがある。

(ア)成年後見制度との関連

(a)介護保険制度は契約に基づくため、利用者の契約能力に応じる。

(b)介護保険制度に限らず、利用者の日常生活を守るための制度。

(イ)成年後見制度と日常生活自立支援事業について

(a)成年後見制度は判断能力が不十分な者の方契約や財産管理、身上監護などの法律行為全般を裁判

所の裁定に基づき成年後見人が行う。認知症、知的障がい者、精神障がい者などの理由で判断能力が不

十分な者が、身のまわりの世話のための介護などのサービスや施設への入所に関する契約を結ぶことが

難しい場合に活用することができる。

(b)日常生活自立支援事業は利用者ができる限り地域で自立した生活を継続していくために必要なものと

して、福祉サービスの利用手続きや日常的な金銭管理などの「日常生活上の事務的行為」のお手伝いを

利用契約を交わして行う事業。成年後見制度の一部と利用者援助内容も似ているが、支援内容は日常生

活の範囲に限られている。都道府県、指定都市社会福祉協議会が窓口である。

(c)成年後見制度も日常生活自立支援事業も利用者の権利を守るということ。活用に関しては利用者の状

態に応じて検討する。

(ウ)生活保護制度との関連

(a)介護扶助

(b)その他の扶助

(c)みなし2号保険者の手続き(福祉事務所との連携)

(エ)障がい者総合支援法との関連

(a)程度区分と介護保険の併用について

(b)みなし2号保険者(障がい者総合支援法の対象者)

※あくまでも利用者の自立支援を目的とすること。

※障がい者総合支援法に規定するサービス利用者が介護保険法第一号被保険者へ移行する際には相談

支援専門員と介護支援専門員の連携は不可欠

(カ)精神保健福祉法との関連

(a)退院後生活環境相談員との連携

(b)地域活動支援センター相談員との連携

(キ)生活困窮者自立支援法

(a)福祉事務所との連携

(b)配置される専門職との連携(例えば、就労支援員など)

(ク)介護予防・日常生活支援総合事業

(a)介護予防・生活支援サービス事業

(b)一般介護予防事業

(c)生活支援コーディネーターとの連携

【項目のポイント】

・高齢者関連法の理解及び、他法との関係性や連携に伴う権利擁護の役割を理解できるよう指導する。

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介護支援専門員専門研修課程Ⅰ

6 各科目のガイドライン

⑧地域資源

(ア)NPO、ボランティア、商店街の活動、民間法人等

(イ)高齢者就労支援等

(ウ)区市町村住民ニーズ調査参考

(エ)総務省総計局人口推計参考

⑨地域包括ケアシステム

(ア)地域ケア会議の目的

(a)地域包括ケアシステムの5つの枠組み

研修科目である「介護保険制度及び地域包括ケアシステムの今後の展開」参照

(b)多職種協働による地域包括支援ネットワークの構築

(c)個別ケースの支援内容の検討に通じた、地域の介護支援専門員の法の理念に基づいた、高齢者の自

立支援に資するケアマネジメントの支援

(d)高齢者の実態把握や課題解決のための地域包括支援ネットワークの構築

(e)個別ケースの課題分析等を行うことによる地域課題の把握

(イ)個人情報の取り扱い

(a)誓約書の活用等

(b)秘密保持義務

(2) ケアマネジメントの各プロセスにおける留意点

①インテーク

説明をすること(制度、公的機関の役割、インフォーマルサービスの活用について、地域資源の状況(区市町

村住民ニーズ調査参考))が多くなるので、利用者及び家族に分かりやすく話せるようパンフレット等の活用をす

る。

②アセスメント

(ア)環境因子であるキーパンソンの存在、介護力、家族の経済状況、地域の見守り活動、地域の特性、制度

やサービスの影響についての重要性を提示する。

(イ)エコマップ、ジェノグラムの活用について、視覚化するツールの活用についても提示する。

(ウ)現在の状態だけでなく、介護状態となる前はどのような生活をしていたのか、家族や近隣住民との関係

性、地域との関わりについて把握をする。

(エ)利用者のストレングス、家族のストレングスの情報収集も必要。出来ないこと、出来ること、やれることやら

ないこと、やれるけど支援者がしてしまっていること、してもらっていることなどの把握する。

(オ)課題に対する専門職からの情報収集(課題整理総括表等の活用)

③居宅サービス計画原案作成

(ア)利用者の自立支援及び生活と家族の生活の確立

(イ)利用者のニーズに合わせたインフォーマルサービスを含む

(ウ)制度の活用(成年後見制度、生活保護制度、障がい者施策関連制度等)

(エ)利用者、家族の参加(出来ること、やれること、維持すること、継続すること等)

(オ)複数の対応等(居宅サービス計画)の検討

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介護支援専門員専門研修課程Ⅰ

6 各科目のガイドライン

④サービス担当者会議

(ア)多職種(関係機関、地域の関係者)からの助言と提案、役割分担

(イ)利用者と家族支援の明確化

(ウ)その他考えられる社会資源の調整及び検討

⑤サービスの提供や介入

多様な社会的な専門職が関わるために、保健・医療・福祉以外の各専門性を理解し役割の分担等には、特に

配慮が必要である。

⑥モニタリング

利用者の生活状況の変化、家族の生活状況の変化、サービス提供の適正、修正、追加の必要性

⑦終結・フォローアップ

(ア)安定した生活の継続への提案

(イ)施設入所した場合の利用者支援と家族支援

(ウ)死亡した場合の原因についての振り返りと家族への支援

(エ)地域ケア会議の開催

(オ)虐待に至った経過の検証および家族支援等(虐待の疑いがある場合)

(カ)虐待以外のケースの場合においても検証および支援方法の検討等

(3)個別支援を取り巻く環境

①職種について

地域包括支援センター職員、行政、警察(駐在所署員)、金融機関、町内会、親戚、知人、サービス事業所職

員、保健所、弁護士、かかりつけ医、地域活動支援センター職員等、その他事例によってかかわりを持つ職種が

ある。

②地域の取り組み

(ア)必要な地域資源の検討会

(イ)町会長、民生委員連絡会等への参加

(ウ)見守りネットワーク体制の構築、ボランティア、商店会、NPO

③個人情報の取り扱い

(ア)個人情報保護についての説明をする。(説明に際しては弁護士等の協力を得ることも必要)

(イ)地域ケア会議や他の会議、活動の際には個人情報を漏洩しないための誓約書等の活用。

(ウ)さまざまなケースの通報の際、通報者への配慮が必要。通報者は通報したことを知られることに不安を感

じているため、なかなか情報提供できないこともある。通報者を守ることについても啓発しながら、地域の協力

体制づくりをする。

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介護支援専門員専門研修課程Ⅰ

6 各科目のガイドライン

5.科目のポイント

・社会資源活用の目的、視点、各関連法律、地域資源を理解してもらえるよう講義・演習を展開する。

・さまざまなケースの事例に対する支援方法をつなげる基本的な知識の理解を留意する。

・社会資源の活用の重要性を理解する。

・利用者への支援方法の組み方を理解する。

6.講義・演習の展開例 (240 分)

下記の時間数は正味の時間数であり、適宜休憩を挟んで展開すること。

構成 時間 内容 修得目標

導入 10 分

○本科目の目的、修得目標を確認

・アイスブレイク

・研修記録シートを用いてそれぞれの目標を確認

講義 60 分

(1)基本的な理解

○社会資源の必要性

○社会資源とは

○社会資源を活用する目的

○社会資源を活用する視点

○社会資源の種類

○社会資源の関係機関と専門職

○関連法律

○地域資源

○地域包括ケアシステム

(2)ケアマネジメントの各プロセスにおける留意点

(3)個別支援を取り巻く環境

○職種について

○地域についての取り組み

○個人情報の取り扱い

●理解を深めるミニワーク

①②③

④⑤⑥

演習 80 分

(2)ケアマネジメントの各プロセスにおける留意点

○さまざまな事例への対応方法

○演習の目的、手順の説明

●事例の概要の読み込み、アセスメント、課題の抽出、支援(複数の対

応等)の方法、社会資源の活用方法

●居宅サービス計画書の作成(他法、インフォーマルを含めた)

⑤⑥

講義・演習 40 分

(2)ケアマネジメントの各プロセスにおける留意点

○多職種協働等への説明と合意の説明

○作成した居宅サービス計画書の提案された多職種への役割説明

●助言を含めたプレゼンテーションの演習

●課題整理総括表等の活用

⑤⑥

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介護支援専門員専門研修課程Ⅰ

6 各科目のガイドライン

振り返りと

まとめの講義30 分

(2)ケアマネジメントの各プロセスにおける留意点

○社会資源の活用に関する講義

○ケアマネジメントプロセス展開が出来たかどうか

・虐待の疑いのあるケースに対する対応策のポイントの整理及び活

用できる社会資源の確認

・その他様々なケースに活用できる社会資源の確認

●発表

⑤⑥

振り返り 20 分 ○本科目全体を振り返り、ポイントについて講義

<参考文献>○「在宅看護論」○木下由美子編著 「新版在宅看護論」厚生労働省老健局計画課認知症対策推進室

市町村・都道府県における高齢者虐待・養護者支援の対応について全国高齢者虐待防止・養護者支援担当者会議資料 平成 18 年4月 24 日

○厚生労働省老健局 障がい者虐待の防止障がい者の養護者に対する支援等に関する法律の公布平成 23 年6月 24 日

○厚生労働省 全国介護保険担当課長会議資料 平成 26 年7月 28 日○社団法人日本社会福祉士会編集 改訂 地域包括支援センターのソーシャルワーク実践 中央法規出版○社団法人日本社会福祉士会編集 市町村・地域包括支援センター・都道府県のための養護者による高齢者虐待対応の手引き 中央法規

○谷川ひとみ・池田恵利子著 介護支援専門員のための権利擁護実践ガイド 中央法規出版○アルコール健康障害対策基本法○一般財団法人仁明会精神衛生研究所 「老年精神医学 高齢患者の特徴を踏まえてケースに臨む」○「一般財団法人 長寿社会開発センター 地域ケア会議運営マニュアル」 平成 25 年3月○社団法人日本社会福祉士会編 権利擁護と成年後見実践 -社会福祉士のための成年後見入門― 第2版○白澤 政和著 地域のネットワークづくりの方法 地域包括ケアの具体的な展開 中央法規○一般財団法人 長寿社会開発センター 介護支援専門員基本テキスト

第1巻 介護保険制度と介護支援第2巻 介護保険サービス第3巻 高齢者保健医療・福祉の基礎知識

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介護支援専門員専門研修課程Ⅰ

6 各科目のガイドライン

1.目的

状態に応じた多様なサービス(地域密着型サービス、施設サービス等)の活用に関する事例を用いて講義・演

習を行うことにより、介護保険で提供される地域密着型サービス等の活用に係る知識及びケアマネジメントの手

法を修得する。

2.内容

・定期巡回・随時対応型訪問介護看護、看護小規模多機能型居宅介護(複合型サービス)及び小規模多機能型

居宅介護の意義・効果に関する講義を行う。

・これらのサービスを活用する際の視点の重要性や連携方法等についての講義を行う。

・状態に応じた多様なサービス(地域密着型サービス、施設サービス等)の活用に関する事例を用いて、適切な

アセスメントを行う際の重要なポイントや、地域の社会資源を最大限に活用したケアマネジメントを実践する知

識・技術を修得する。

・1つの事例について様々な状況等を勘案した、実践しうる複数の対応策(居宅サービス計画、施設サービス計

画の作成)が検討できるよう、必要な知識・技術を修得する。

・その他、施設サービス等を活用する際の留意点等について理解する。

3.関連科目と修得目標

(1)関連科目 研修体系において、本科目に関連性の高い科目は以下の通りである。

実務研修

専門研修課程Ⅰ

専門研修課程Ⅱ

②-7 ケアマネジメントにおける実践事例の研究及び発表

「状態に応じた多様なサービス(地域密着型サービスや施設サービス等)の活用に関す

る事例」

主任介護支援専門員

研修

主任介護支援専門員

更新研修

②-7主任介護支援専門員としての実践の振り返りと指導・支援の実践

「状態に応じた多様なサービス(地域密着型サービスや施設サービス等)の活用に関す

る事例」

⑥-7 ケアマネジメントの演習

「状態に応じた多様なサービス(地域密着型サービスや

施設サービス等)の活用に関する事例」

講義・演習

4時間

127

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介護支援専門員専門研修課程Ⅰ

6 各科目のガイドライン

(2)修得目標

修得目標修得分野 対応する研修内容

※次項の番号に対応しています知識 技術 態度

①定期巡回・随時対応型訪問介護看護の意義と

効果について説明できる。● ● ● (1)

②小規模多機能型居宅介護、看護小規模多機能

型居宅介護(複合型サービス)の意義と効果に

ついて説明できる。

● ● ● (1)

③上記①、②のサービスを活用する際の重要な

視点・連携方法について説明できる。● ● ● (1)(3)

④地域の多様な社会資源(インフォーマルサー

ビス等)を活用したケアマネジメントについ

て説明できる。

● ● (1)(3)

⑤施設サービス等の特徴と利用する際の留意

点等を説明できる。● ● ● (1)

⑥状態に応じた多様なサービスについて、複数

の対応策の提案を実施できる。● ● ● (1)(2)

4.内容 修得目標を踏まえ、本科目で研修すべき主な内容は以下の通りである。

(1)基本的な理解

①制度改正の流れと地域密着型サービス等の介護サービス創設経緯

(ア)2005(平成 17)年度改正の概要

(a)2005(平成17)年介護保険制度改革の基本的な視点

・明るく活力ある超高齢社会の構築

・制度の持続可能性

・社会保障の総合化

(b)制度の課題

・軽度者の大幅な増加

・軽度者に対するサービスが状態の改善につながっていない。

・在宅と施設の利用者負担の公平性

・独居高齢者や認知高齢者の増加

・在宅支援の強化

・医療と介護との連携

・利用者によるサービスの選択を通じた質の向上

・低所得者への配慮

・市町村の事務負担の軽減

(c)制度改正の方向性(2006(平成 18)年4月施行)

・予防重視システムへの転換

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介護支援専門員専門研修課程Ⅰ

6 各科目のガイドライン

・施設給付の見直し(2005(平成 17)年 10 月施行)

・新たなサービス体系の確立

・サービスの質の確保、向上

・負担の在り方、制度運営の見直し

(d)改正の具体的内容

・新予防給付の創設

・地域支援事業の創設

・居宅費用、食費の見直し

・低所得者に対する配慮

・地域密着型サービスの創設

・地域包括支援センターの創設

・居住系サービスの充実

・介護サービスの情報公表

・ケアマネジメントの見直し

・第1号保険料の見直し

・保険者機能の強化

(イ)2008(平成 20)年度制度改正の概要

(a)介護保険及び老人福祉法の一部を改正する法律の概要

・介護サービス事業者の不正事案の再発を防止し、介護事業運営の適正化を図るため、法令遵守等の業

務管理体制整備の義務付け、事業者の本部等に対する立入検査権の創設、不正受給者による処分逃

れ対策など、所要の改正を行う。

(b)制度の課題

・事業者の法令順守が不十分

・事業者の本部への検査権限がない。

・不正行為への組織的な関与が確認できない。

・不正事業者による処分逃れ

・「一律」連座制の問題

・組織的な不正行為の有無に関わらず一律連座

・事業廃止時のサービス確保対策が不十分

(c)制度改正の方向性(平成 21年5月施行)

・業務管理体制の整備

・本部への立入検査等

・処分逃れ対策

・指定、更新の欠格事由の見直し

・サービス確保対策の充実

(d)改正の具体的内容

・新たに事業所単位の規制として法令遵守の義務の履行が確保されるよう、事業者の規模に応じた業務

管理体制の整備を義務付け等

・不正行為への組織的な関与が疑われる場合は、国、都道府県、市町村の事業者の本部への立入検査

権を創設

・業務管理体制に問題がある場合は、国、都道府県、市町村による事業者における是正勧告、命令権を

創設

・事業所の廃止届を事後届出制から事前届出制へ

・立入検査中に廃止届を出した場合は、指定、更新の欠格事由に追加

129

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介護支援専門員専門研修課程Ⅰ

6 各科目のガイドライン

・指定取消を受けた事業者が密接な関係にある者に事業移行する場合について、指定、更新の欠格事由

に追加

・連座制の仕組みは維持しつつも、不正行為への組織的な関与の有無を確認し、自治体が指定、更新可

否を判断

・広域的な事業者の場合は、国、都道府県、市町村が十分な情報共有と密接な連携のもとに対応

・事業廃止時のサービス確保に係る事業者の義務を明確化

・事業者がサービス確保の義務を果たしていない場合を、勧告、命令の自由に追加

・行政が必要に応じて事業者の実施する措置に対する支援を行う。

(ウ)2012 年度制度改正の概要

(a)介護保険及び老人福祉法の一部を改正する法律の概要

高齢者が住み慣れた地域で自立した生活を営めるよう、医療、介護、予防、住まい、生活支援サービスが

切れ目なく提供される「地域包括ケアシステム」の構築に向けた取組を進める。

(b)制度改正の方向性(2012(平成 24)年4月施行)

・医療と介護の連携の強化等

・介護人材の確保とサービスの質の向上

・高齢者の住まいの整備等

・認知症対策の推進

・保険者による主体的な取組の推進

・保険料の上昇の緩和

(c)改正の具体的内容

・医療、介護、予防、住まい、生活支援サービスが連携した要介護者等への包括的な支援(地域包括ケ

ア)を推進

・日常生活圏域ごとの地域ニーズや課題の把握を踏まえた介護保険事業計画を策定

・単身・重度の要介護者等に対応できるよう、24 時間対応の定期巡回・随時対応サービスや(看護小規模

多機能型居宅介護(複合型サービス)を創設

・保険者の判断による予防給付と生活支援サービスの総合的な実施を可能とする。

・介護療養病床の廃止期限(平成 24 年3月末)を猶予。(新たな指定は行わない。) ・介護福祉士や一定

の教育を受けた介護職員等によるたんの吸引等の実施を可能とする

・介護福祉士の資格取得方法の見直し(平成 24年4月実施予定)を延期

・介護事業所における労働法規の遵守を徹底、事業所指定の欠格要件及び取消要件に労働基準法等違

反者を追加

・公表前の調査実施の義務付け廃止など介護サービス情報公表制度の見直しを実施 ・有料老人ホーム

等における前払金の返還に関する利用者保護規定を追加

・厚生労働省と国土交通省の連携によるサービス付き高齢者向け住宅の供給を促進

・市民後見人の育成及び活用など、市町村における高齢者の権利擁護を推進

・市町村の介護保険事業計画において地域の実情に応じた認知症支援策を盛り込む。

・介護保険事業計画と医療サービス、住まいに関する計画との調和を確保

・地域密着型サービスについて、公募・選考による指定を可能とする。

・各都道府県の財政安定化基金を取り崩し、介護保険料の軽減等に活用

(d)その他

・2015年4月 「複合型サービス」は「看護小規模多機能型居宅介護」に名称が変更された。

・2016年4月 「地域密着型通所介護」新設された。

130

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6 各科目のガイドライン

②多様なサービス

(ア)施設サービス

(a)介護保険施設

・介護老人福祉施設(特別養護老人ホーム)

・介護老人保健施設(老人保健施設)

・介護療養型医療施設(療養病床など)

(b)その他の入所サービス

(ⅰ)有料老人ホーム

・介護付有料老人ホーム

・住宅型有料老人ホーム

・健康型有料老人ホーム

(ⅱ)高齢者向け住宅

・高齢者集合住宅

・民間シニア住宅

・サービス付高齢者住宅

(ⅲ)経費老人ホーム

・経費老人ホーム

・ケアハウス

(Ⅳ)養護老人ホーム

(イ)地域密着型サービス

(a)定期巡回・随時対応型訪問介護看護

(b)夜間対応型訪問介護

(c)地域密着型通所介護

(d)認知症対応型通所介護・介護予防認知症対応型通所介護

(e)小規模多機能型居宅介護施設・介護予防小規模多機能型居宅介護

( f)看護小規模多機能型居宅介護

(g)認知症対応型共同生活介護・介護予防認知症対応型共同生活介護

(h)地域密着型介護老人福祉施設入所者生活介護

(i)複合型サービス(看護小規模多機能型居宅介護)

(ウ)居宅サービス

(a)訪問介護

(b)訪問入浴介護

(c)訪問看護

(d)訪問リハビリテーション

(e)居宅療養管理指導

(f)通所介護

(g)通所リハビリテーション

(h)短期入所生活介護

(i)短期入所療養介護

(j)特定施設入居者生活介護

(k)福祉用具貸与

(l)福祉用具購入

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6 各科目のガイドライン

③介護保険以外の多様なサービス

・居宅介護(ホームヘルプ)

・福祉用具の給付または貸与

・入浴サービス

・給食サービス

・紙おむつなどの支給

・理美容サービス

・ふとん乾燥・丸洗いサービス

・緊急通報システム

・福祉電話(電話の貸与と安否確認)

・老人クラブ・女性部

・老人福祉センター

・教養講座・スポーツ教室

・囲碁・将棋クラブ、ダンスサークルなど趣味に関すること

・市民センターの活動

・認知症カフェ

・認知症の人の家族のつどい

【項目のポイント】

・制度改正の概要に触れ、地域密着型サービスの創設の経緯や施設サービスにおける支援の変化(ユ

ニット型、食費居住費の減免等)の説明を中心に行う

・地域密着型や施設サービスだけでなく、広く介護サービスについて触れ、各サービスを理解するこ

とにより、課題の解決に向けて多様なサービスから支援を選択できるようになる必要性について説

明する。

・介護保険サービスのみでなく、地域の社会資源の活用により支援が行われることが大切であり、介

護保険サービスも社会資源の一つであることを説明する。

・社会資源については、「社会資源の活用に向けた関係機関との連携に関する事例」で詳細の講義・演

習があるので、社会資源についての内容については振り返り程度とする。

④状態像に応じた多様なサービスの活用

(ア)定期巡回・随時対応型訪問介護看護

・定期巡回随時対応型訪問介護看護は、適切なアセスメントとマネジメントに基づいて、介護サービスと看護サ

ービスが連携を図りつつ、「短時間の定期訪問」、「随時の対応」といった手段を適宜・適切に組み合わせて、1

日複数回、「必要なタイミング」で「必要な量と内容」のケアを一体的に提供するサービスである。

・一日複数回の定期訪問によるサービス提供を行い、在宅生活を包括的に支えるとともに、利用者の心身の状

況について介護・看護の視点から継続的にアセスメントを行うことが求められる。

・継続的なアセスメントに基づき、施設におけるケアと同様、利用者の心身の状況に応じて、提供時間の長さや

タイミングを柔軟に変更しながら必要なサービスを提供することが必要である。

・一日複数回の定期訪問に加え、利用者からのコールを受けた場合に、利用者の心身の状況等を踏まえコー

ル内容を総合的かつ的確に判断し、必要な対応を行うことにより在宅生活の安心感を提供できるように支援す

ることが求められる。

・日中帯を中心に定期訪問サービス提供を行い、起床から就寝までの在宅生活を包括的に支えるとともに、発

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6 各科目のガイドライン

生頻度は少ないながらも確実に存在する深夜帯のニーズに対応するため、24 時間の対応体制を確保し、サ

ービス提供を行うことにより、在宅での生活を継続を支援するサービスである。

・在宅生活を包括的かつ継続的に支える観点から、利用者の看護ニーズに対応するため、介護・看護サービス

を一体的に提供する。

・一つの事業者で訪問介護と訪問看護のサービスを一体的に提供する介護・看護一体型と訪問介護を行う事

業者が地域にある訪問看護事業所と連携し、サービス提供を行う介護看護連携型がある。

・定期巡回・随時対応型訪問介護看護では、定期巡回、随時対応、随時訪問、訪問看護といったサービスを適

切に組み合わせ、利用者にとって必要なサービスを必要なタイミングで提供することにより、在宅生活の継続を

できることが求められる。

(イ)小規模多機能型居宅介護の理解と活用

・小規模多機能型居宅介護では、要介護者が、その居宅において、又はサービスの拠点に通い、若しくは短期

間宿泊し、当該拠点において、家庭的な環境と地域住民との交流の下で、入浴、排せつ、食事等の介護その

他の日常生活上の世話及び機能訓練を行うことにより、利用者がその有する能力に応じその居宅において自

立した日常生活を営むことができるようにするものである。

・小規模多機能型居宅介護は、利用者が住み慣れた地域での生活を継続することができるよう、地域住民との

交流や地域活動への参加を図りつつ、利用者の心身の状況、希望及びその置かれている環境を踏まえて、

通いサービス、訪問サービス及び宿泊サービスを柔軟に組み合わせることにより、妥当適切に行うものである。

・住みなれた自宅や地域で、自分らしく、これまでの暮らしを続けることができるように、在宅でも24時間・365 日

の安心を提供し、自宅を施設の居室のように捉えて、道は施設における廊下のように捉え、施設の職員が居室

に訪室するように自宅に訪問し、施設における日中のつどいの場として利用者が食堂へ集まるように事業所に

通い、利用者がつどうといったようなサービスを行い、地域を高齢者の居住空間に見立てたようなサービスの

提供が可能なサービスである。

・小規模多機能型居宅介護では、同じ場所で、顔なじみの利用者同士や職員が「通い」を中心に、「宿泊」「訪

問」といった支援によって継続的に関わることにより、環境の変化に敏感な利用者(特に、認知症の方)の不安

を和らげることができ、また、継続的な支援により利用者やご家族の変化に瞬時に気づくことができるため、状

況や状態に合わせて臨機応変に、その時その人にあった支援を提供することができることが特徴である。

・小規模多機能型居宅介護での通いでは、利用者の過ごし方にあわせて、利用することができるため、ただ決

められた時間を利用するのではなく、利用者の自宅での一日を思い描いた上で、その人にとって必要なこと

を、通いを通して必要な内容、時間に応じて提供することが可能である。

・認知症の高齢者にとってはいつも利用している場所と違う施設を利用するということになると、大きな不安やス

トレスを持つことになり認知症の混乱を深める要因になるが、小規模多機能型居宅介護における宿泊は、通い

慣れた場所で、利用者の状況を良く知っている顔なじみの職員や他の利用者がいる安心した環境で、安心し

て宿泊できることが特徴であり、職員も利用者の状態像が普段の利用の様子から理解出来ていることで緊急

時にも臨機応変に対応できる。

・小規模多機能型居宅介護の訪問では、サービス提供時間によってサービス提供をするのではなく、必要なと

きに必要な量の支援ができるのが特徴であり、必要に応じて回数や時間にとらわれない支援が可能であり、自

宅での緊急時には即訪問するなどの対応ができる。利用者の様子を良く知っている職員が自宅への訪問をす

ることにより、利用者の個別性に沿った対応が可能である。

(ウ)看護小規模多機能型居宅介護(複合型サービス)

・看護小規模多機能型居宅介護(複合型サービス)とは複数の介護保険サービスを組み合わせて一事業者が

一体的に提供するサービスのことを言い、現在は「訪問看護」と「小規模多機能型居宅介護」の組み合わせが

提供可能なサービスとして定められている。

・看護小規模多機能型居宅介護(複合型サービス)は登録利用者に対し、「通い」、「泊まり」、「訪問介護」、

「訪問看護」のサービスの提供を行い、看護と介護サービスを一体的に提供することで医療ニーズの高い要介

133

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6 各科目のガイドライン

護者への支援の対応ができるサービスである。

・別々に指定しサービス提供するよりも、小規模多機能型居宅介護事業所に配置された介護支援専門員による

サービスの一元管理により、利用者のニーズに応じた柔軟なサービス提供ができるサービスである。

・看護と介護の連携による一体的なサービス提供により、緊急時の対応を含め、柔軟なサービス提供が可能で

あり、看護職員の配置に伴い介護職員によるたんの吸引等のより安全な実施や、日常生活上必要な医療・看

護ニーズへの対応が可能である。

(エ)施設サービス

(ⅰ)介護老人福祉施設

・介護老人福祉施設は、利用者に対し、入浴、排せつ、食事等の介護その他の日常生活上の世話、機能訓

練、健康管理及び療養上の世話を行うことを目的とする施設である。入所待機者増加の状況を踏まえ、介護

の必要の程度や家族等の状況などから施設サービスの必要性の高い要介護者が優先的に入所できるように

定められている。

・介護老人福祉施設は、在宅での生活が困難な中重度の要介護者を支える施設としての機能に重点を置くこ

とが求められ、軽度(要介護1・2)の要介護者については、やむを得ない事情により、特養以外での生活が著

しく困難であると認められる場合には、市町村の関与の下、特例的に、入所を認める。

・入所者の心身の状況や環境を適切に把握し、居宅での日常生活ができるかどうかの検討を行い、可能な限

り居宅での生活への復帰ができるよう円滑な施設退所に向けた支援を行う視点も必要である。

(ⅱ)介護老人保健施設

・介護老人保健施設は、看護や医学的管理の元における介護及び機能訓練その他必要な医療並びに日常

生活上の世話を行うことにより、入所者がその有する能力に応じ自立した日常生活を営むことができるように

するとともに、居宅における生活への復帰を目指すものでなければならない。

・介護老人保健施設には、医療と福祉のサービスを統合した包括的ケアサービス施設、生活機能の向上を目

的に集中的なリハビリテーションを行うリハビリテーション施設、多職種からなるチームケアで早期の在宅復帰

に努める在宅復帰(通過)施設、家庭での生活が少しでも継続できるように、高齢者およびその家族を支える

在宅生活支援施設、家族介護者や地域のボランティア等がケア技術を習得する地域に根ざした施設などの

役割、機能がある。

・介護老人保健施設では、利用者の病状や残存機能の把握、ADL障害や認知症症状などの生活障害の改

善、生活環境の整備など利用者及び利用者をとりまく生活状況全体の改善が必要であり、専門職がそれぞ

れの専門性を発揮し、チームケアで臨むことが求められるサービスである。

・介護老人保健施設におけるリハビリテーションは、維持期リハビリテーションあるいは生活期リハビリテーショ

ンであり、生活場面における自立支援の取り組みを行い、利用者の自立した生活が地域で継続できるように

することが求められる。

(ⅲ)介護療養型医療施設

・介護療養型医療施設は、長期にわたる療養を必要とする要介護者に対し、施設サービス計画に基づいて、

療養上の管理、看護、医学的管理の下における介護その他の世話及び機能訓練その他の必要な医療を行

うことにより、その者がその有する能力に応じ自立した日常生活を営むことができるようにするものでなければ

ならない。

・介護療養型医療施設では、入院当初より退院することによる自宅生活のイメージづくりに取り組み、サービス

の必要性や他の支援の可能性を意識した施設サービス計画の立案と実行が重要な役割であり、他介護施設

等へ移る可能性が高い場合でも、在宅復帰の可能性を検討することが必要である。

・介護療養型医療施設については、そのサービス特性により、日常的な医療的ケアを要する要介護高齢者の

長期療養を担っており、看取りやターミナルケアの実施も相対的に多く、地域包括ケアシステムのなかで在宅

復帰の取り組みと医療ニーズの高い長期療養者への対応などに応える役割が求められる。

134

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6 各科目のガイドライン

(2) ケアマネジメントの各プロセスにおける留意点

①インテーク

信頼関係の構築をしながら利用者及び家族の理解度に配慮し、支援の必要性や主訴の確認を行い、サービ

スの説明の必要性や説明する際の内容の詳細はどの程度必要なのか判断を行う。

②アセスメント

・地域密着型サービス利用において、地域密着型サービスにおける特性や特徴の理解を促すとともに、施設

サービスを希望されている場合、緊急性、切迫性について把握する。

・24時間の切れ目のない生活における課題を捉え、利用者のライフスタイルを保持し、地域で生活しているう

えでの役割や生きがいを継続するために利用者の能力を活用し、さらには地域資源を活用しながらサービス

による支援の必要性や支援の方法について検討できるようにする。

・地域密着型サービスの場合は、そのサービスの特徴から、支援の提案をするにあたり、介護保険証により保

険者についても確認を忘れないことが大切である。

・施設におけるサービスを希望している場合でも、居宅での生活をどのように実現していくかは変わらないの

で、生活環境や利用者のライフスタイル等の把握が必要である。

・施設の計画担当介護支援専門員は、必ず入所者及びその家族に面接してアセスメントを行うことが求められ

る。

・施設の入所に際し、その利用者を担当していた居宅介護支援事業者への照会等により、入所をする利用者

の心身の状況、生活歴、病歴、居宅サービス等の利用状況等を把握することが必要である。

・定期巡回随時対応型訪問介護看護では、実際に訪問を行っている介護職員や看護職員によるチームが行

う継続的アセスメントに基づき、一日のサービス提供のタイミング等を検討することが必要である。

③居宅(施設)サービス計画原案作成

・生活上の課題を把握するだけでなく、アセスメントによって知り得た情報からどのように生きたいのか、暮らし

たいのかを知り、介護が必要となっても継続したい・暮らしたい生活を支える居宅(施設)サービス計画となる

ようにする。

・生活上の課題だけに注目するのではなく、利用者の意欲や能力を引き出しながら、サービス事業者、地域の

支援者、家族が協働し、支えることができる生活が居宅(施設)サービス計画における目標となるよう、生活の

豊かさへの支援に向けての居宅(施設)サービス計画作成の視点の必要性も提示する。

・小規模多機能型居宅介護の場合、そのサービスの特性に基づき、利用者の日々の変化やニーズの変更に

柔軟に対応し、臨機応変な対応となるようにすることが必要である。

・定期巡回随時対応型訪問介護看護の場合、生活課題における定期的な支援を必要とする課題と、緊急的

に対応する課題を整理したうえで支援を検討する必要がある。

・看護小規模多機能型居宅介護(複合型サービス)の場合、サービス事業所の看護師等と密接な連携を図り、

地域における活動への参加の機会が提供されることなどにより利用者の多様な活動が行われるように居宅サ

ービス計画作成をすることが必要である。

・定期巡回随時対応型訪問介護看護の場合、事業所と共同マネジメントの形で緊密に連携を図り、情報共有

を進めつつ、利用者のニーズに即した居宅サービス計画を作成することが必要である。

・施設の場合、施設における日課があるが、単にその日課に利用者の生活を合わせるのではなく、利用者の

生活にいかに施設における生活を近づけていくことができるのかが大切である。画一的な生活とならないよ

う、集団生活の場であっても個別性が尊重された生活となるようにケアプランを作成することが大切である。

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介護支援専門員専門研修課程Ⅰ

6 各科目のガイドライン

④サービス担当者会議

・事業所職員だけでなく、地域の支援者や家族、利用者と現状の確認と利用者が今後の目指す生活を共有

し、各々が過不足ない支援となるようにする。

・小規模多機能型居宅介護の場合、職員が通いや泊り、訪問を一体的に行うことによる状態変化の早期把握

とその対応の検討、実施のためのカンファレンスが行いやすい特徴がある。これらの特徴を踏まえ、いかに臨

機応変に対応しつつも統一された支援となるようにするかが大切である。

・定期巡回随時対応型訪問介護看護の場合、24時間の生活における課題に対して、その利用者のライフスタ

イルに沿った支援の内容や提供時間となっているのかどうか改めて家族や専門職の意見を元に検討の必要

がある。

・施設におけるサービス担当者会議の場合、施設には多くの専門職が業務に従事しており、その専門職から

の意見を聴きながら施設サービス計画の内容を検討することが求められる。

・施設においては、家族が利用者と共に生活しているわけではなく、利用者の生活状況や課題について、把

握ができていない場合もあるため、現在の生活の状況や課題を共有することが求められる。

⑤サービスの提供や介入

・支援にあたり、生活上の課題を解決するだけでなく、利用者の生活の不安を解消できるよう、必要に応じて支

援の内容を柔軟に対応するだけでなく、利用者の意欲が引き出されるように事業所だけでなく、介護支援専

門員自ら利用者にアプローチすることも重要である。

⑥モニタリング

・利用を開始するにあたって、検討した支援内容が実施されているか、実施された結果、目標に近づいている

のかを確認し、もし、実施されない、もしくは実施されているにも関わらず目標に近づいていないのであれば、

その原因を分析し、目標やサービスの変更の必要性を検討することが必要である。

・利用を開始し、新たな生活課題が生じていないかを確認し、もし新たな生活課題が生じているのであれば、

その課題の解決に向けて検討する。

・小規模多機能型居宅介護の場合、支援を開始し、モニタリングの結果から、サービスの量(過不足)だけでな

く、通い、宿泊、訪問のどのサービス提供がふさわしいのかを検討することが必要である。また、利用者の状況

に応じ、支援の内容や量が適切になるように意識し、必要に応じて適宜居宅サービス計画の変更を行うことが

必要である。

・定期巡回随時対応型訪問介護看護の場合、モニタリングを通じて生活がどのように変化したのかを確認する

と共に、定期ではない対応の内容を精査し、定期的な支援の必要性があるかどうか検討する。また、利用者

の状況に応じ、支援の内容や量が適切になるように意識し、必要に応じて適宜居宅サービス計画の変更を

行うことが必要である。

・施設の場合、施設生活を行うにあたり、環境の変化が生じるため、環境の変化によりどのような影響があるの

か、施設という生活の場でどのような生活が送れているのか、新たな課題が生じていないかを確認する。

136

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6 各科目のガイドライン

(3)個別支援を取り巻く環境

①地域の社会資源の整備状況

(ア)介護保険サービス(居宅サービス、地域密着型サービス、施設サービス)の整備状況

(イ)介護保険サービス以外の支援の整備状況(ボランティア、商店街、NPO等)

(ウ)地域における社会参加の機会や活動

②各サービス事業所の特性

(ア)各サービスにおけるサービス提供体制、サービス時間、加算の算定

(イ)サービス事業所の特徴

(ウ)地域性によるサービス特徴

(エ)定期巡回随時対応型訪問介護看護における介護医療連携推進会議

(オ)小規模多機能型居宅介護及び看護小規模多機能型居宅介護(複合型サービス)における運営推進会

5.科目のポイント

・科目の内容が多様なサービスの活用ではあるが、サービスは社会資源の一つであり、多くの社会資源の活

用をすることにより、支援が行われることが大切である。この科目ではサービスの理解をすることにより利用者

の状態像に合ったサービスが多様なサービスの中から選択できることを目指す。

・利用者の状態像に応じて多様なサービスの中から適切なサービスによる支援を選択することの必要性と理解

を促す講義・演習を展開する。

・小規模多機能型居宅介護・定期巡回随時対応型訪問介護看護の特徴の理解と状態像に応じた活用ができ

るように講義を行う。

・ただサービスを選択するのではなく、状態像に適したサービスの選択と、利用者の生活課題の解決におい

て、多様な対応策を多様なサービスにより解決する対応策を検討する。

・施設サービスの利用にあたり、注意すべき点や在宅からの生活の継続性や、施設から在宅復帰に向けた生

活の継続性について学ぶ。

・状態像に応じ、在宅サービスによる支援の検討と施設における支援の検討を行い、状態像と利用者の選択

に基づき生活の在り方が多様な複数の対応策の中から検討されるように学ぶ。

・介護保険施設の場合、地域密着型施設の場合と地域密着型施設ではない場合では入所できる要件が異な

ることも伝える。

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6 各科目のガイドライン

6.講義・演習の展開例 (240 分)

下記の時間数は正味の時間数であり、適宜休憩を挟んで展開すること。

構成 時間 内容 修得目標

導入 10 分

○本科目の目的、修得目標を確認

・アイスブレイク

・研修記録シートを用いてそれぞれの目標を確認

講義 80 分

(1)基本的な理解

○制度改正の流れと地域密着型サービス等の介護サービス創設経緯

○多様なサービス

○介護保険以外の多様なサービス

○状態像に応じた多様なサービスの活用

(2)ケアマネジメントの各プロセスにおける留意点

●理解を深めるミニワーク

①②③

演習 90 分

(2)ケアマネジメントの各プロセスにおける留意点

・多様なサービスの活用が検討される事例

・演習の目的、手順の説明

・事例の概要の読み込み、アセスメント、課題の抽出、支援の方法、社

会資源の活用方法

・居宅(施設)サービス計画書の作成(多様なサービスの活用を検討

し、複数の支援による居宅(施設)サービス計画の作成)

●理解を深めるミニワーク

③④⑤

講義・演習 40 分

(2)ケアマネジメントの各プロセスにおける留意点

・作成した居宅(施設)サービス計画の説明、発表

・課題整理総括表を活用し、居宅(施設)サービス計画の説明、発表を

行う。

(3)個別支援を取り巻く環境

○地域の社会資源の整備状況

○各サービス事業者の特性

●理解を深めるミニワーク

①②③

④⑤⑥

振り返り 20 分 ○本科目全体を振り返り、ポイントについて講義

<参考文献>

○古屋龍太編「精神保健福祉に関する制度とサービス 精神保健福祉士シリーズ 7」(株)弘文堂

2012 年

138

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介護支援専門員専門研修課程Ⅰ

6 各科目のガイドライン

1.目的

指導・支援、コーチング、スーパービジョン等の違いを踏まえ、自らがそれらを受ける際の心構えや、専門職と

して不断に自己研鑽を行うことの重要性を理解する。

2.内容

・個人で専門性を高めていく際に必要な視点、手法に関する講義を行う。

・指導・支援、コーチング、スーパービジョン等の基本的な考え方、内容、方法を理解するとともに、これらを受け

る側と行う側双方に求められる姿勢に関する講義を行う。

・個人で研鑽する場合と介護支援専門員間相互で研鑽する場合に求められる内容や手法とその関係性につい

ての講義を行う。

・専門職として継続した自己研鑽を行うことの必要性・重要性について講義を行う。

3.関連科目と修得目標

(1)関連科目 研修体系において、本科目に関連性の高い科目は以下の通りである。

実務研修

②自立支援のためのケアメンジメントの基本

③相談援助の専門職としての基本姿勢及び相談援助技術の基礎

⑥ケアマネジメントのプロセス

⑰研修全体を振返っての意見交換、講評及びネットワーク作り

専門研修課程Ⅰ

専門研修課程Ⅱ ②ケアマネジメントにおける実践事例の研究及び発表

主任介護支援専門員

研修

①主任介護支援専門員の役割と視点

⑦ケアマネジメントに必要な医療との連携及び多職種協働の実践

⑧対人援助者監督指導

主任介護支援専門員

更新研修③介護支援専門員としての実践の振返りと指導・支援の実践

⑦個人での学習及び介護支援専門員相互間の学習 講義2時間

139

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介護支援専門員専門研修課程Ⅰ

6 各科目のガイドライン

(2)修得目標

修得目標修得分野 対応する研修内容

※次項の番号に対応しています知識 技術 態度

①個人学習や実践活動を促進するために指導

を受けることができる。● ● ● (1)

②自らが指導を受ける態度に配慮できる。 ● ● ● (1)

③生涯学習を意識して自己学習の計画を立案

できる。● ● ● (2)(3)

④教える為の考え方・内容・方法(コーチング・

スーパービジョン等)の意義について説明で

きる。

● ● (2)

⑤自己評価と他者評価の必要性について説明

できる。● ● ● (3)

4.内容 修得目標を踏まえ、本科目で研修すべき主な内容は以下の通りである。

(1)個人学習と相互学習

①個人学習と相互学習の必要性

(ア)個人学習とは、個人的な素質・能力・環境に応じて行われる学習形態によって個々の能力や理解度、経

験の違いに応じ、その自発性を重んじて学習目標を達成させようとする学習方法で、個々の能力やペースに

あった学習の進め方ができることを理解する。

(イ)相互学習とは、2者あるいはグループの間で起こる情報や知識の共有等の相互作用を通じて、各人が新

しい考え方を獲得して行動を変容させていくことができることを理解する。

(ウ)相互学習により、参加者の相互啓発が促進されると共に個人学習では得ることのできない客観的な視点

が促され、支援の多様性への理解へとつながることを説明する。

(エ)相互学習により情報や知識の共有が行われ、多様性の受容から学習到達度の向上につながることを理

解する。

(オ)アクションラーニングやグループワーク等の活動も、グループ内での意見交換や情報共有等を通じて、構

成員の相互学習を促す。このような組織内外での相互学習を実施していくことは、個人の学習と成長を考え

るうえで重要な取り組みとなることを説明する。

140

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介護支援専門員専門研修課程Ⅰ

6 各科目のガイドライン

(2)スーパービジョンとコーチング

①スーパービジョンとは

(ア)相談援助におけるスーパービジョンとは、スーパーバイザー(指導者)によってスーパーバイジー(被指導

者)に対して行われる、専門職を育成する過程であり、スーパーバイザーとスーパーバイジーとの相互作用に

よって提供される一連の試みである。

(イ)スーパービジョンには、支持的機能、教育的機能、管理的機能などの機能があり、それぞれが別々に存

在するのではなく、相互に関連しあい、スーパービジョンの目的に応じていずれかの機能が前面に押し出さ

れたり、側面に移動したりする。

(ウ)スーパービジョンにおいてスーパーバイジーは、スーパーバイザーからの助言や指導を一方的に受けるも

のではなく、また、スーパーバイザーもスーパーバイジーの成長の進捗を見極めながら適切な指導や助言を

行い、スーパーバイザーとスーパーバイジーが相互に作用しながら、スーパービジョンが進められる。

スーパービジョンには、大別して (ⅰ)個人、(ⅱ)グループ、(ⅲ)ライブ、(ⅳ)ピア、(ⅴ)セルフの5つの形

態がある。

②コーチングとは

(ア)コーチングとは、相手の持っている力や考え、意欲、自主性、自立性を引き出し、主体的な目標達成をサ

ポートするコミュニケーションであり、自己実現をサポートするシステムでもある。

(イ)心理学者ジョハリ・ルフトとハリー・インガムのコミュニケーションモデル「ジョハリの窓」において、人の心の

中には、A開かれた窓、B盲目の窓、C隠された窓、D未知の窓の4つの窓があり、気づきを促してA開かれた

窓を広げるサポートをするのがコーチングの一つである。

(ウ)コーチングの流れの一つとして、ジョン・ウィトモアの開発したGROWモデルでは、

・GOAL

・REALITY

・RESOURCE

・OPTIONS

・WILL

目標の明確化

現状の把握

資源の発見

選択肢の創造

意思の確認、計画の策定

とまとめている。このようなコミュニケーション訓練が必要である事を提示する。

(エ)その場面や相手に合わせ、コーチングだけにこだわらず、何が必要かを見極め、最適なアプローチを選

ぶ、または組み合わせることが重要である。

141

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介護支援専門員専門研修課程Ⅰ

6 各科目のガイドライン

(3)OJTの必要性・重要性

①OJTの必要性と効果

(ア)OJT(On the Job Training)とは、日常業務のなかで、仕事を通して、意図的・計画的に働きかけていく指

導・教育方法である。

(イ)新たに時間や場所を確保することなく、職務を遂行する中で育成でき、必要なときにできるので、育成の

機会を多くもつことができる。

(ウ)1人ひとりの課題に応じた具体的な取り組みが可能であり、個別に最も有効な方法で育成することによっ

て成長を早めることができる。

(エ)OJTの実施状況や目標の達成状況に応じて、OJTの方法を適宜改善することができる。

(オ)OJTを受ける側だけでなく、行う側にとってもOJTの機会となり、人に教えながら自分の教育指導の在り方

を見直したり、見本となることで職務への意識が向上したりする。

(カ)育成される側が、いずれは育成する側になるという、育成機能の連続性を確立できる。

②OJTの場面と技法

(ア)OJTの場面としては、先輩や上司からの日常的な助言や仕事ぶりから学ばせる、新たな職務を経験させ

る、相互で学び合う場を活用するなどの場面が想定される。

(イ)場面に合わせて、以下の技法等を実施する。

・理由を理解させる

・質問や報告を適時適切に行わせる

・見せてイメージを膨らませる

・相手の状況に合わせ段階的に教える

・職務を経験させることの意義を自覚させる

・1人ひとりに自分の課題をもたせる

・日常の業務や指導場面で実践する

・1人ひとりに自分の役割をもたせる

・成果と課題を常に確認する など

(ウ)OJTの実施状況を把握し、指導・助言を行う。

③OJTに必要な知識、態度

(ア)対象者に対し、「何を、どう指導すればよいか」は、対象者との日常から接し、対象者のことを把握してい

れば、自然と見えてくるものであり、日常におけるコミュニケーションが重要である。

(イ)OJTを実施する際には「人間理解」や「コミュニケーション」といった能力が求められる。

(ウ)効果的なOJTを展開するには、OJTに対する姿勢・態度が重要になる。

(エ)OJTは「スキル、テクニック」というより、「姿勢・態度」が大きな影響を与え、受ける側と行う側双方にOJTに

対する基本的な「姿勢・態度」がしっかりしていれば、効果はそれなりに上がると考えられる。

(オ)OJTを受けるだけでなく、自分の理解の振り返りとさらなる専門職としての資質向上を図るためには、必要

な知識を修得するための自己研鑽が欠かせないことを理解する。

【項目のポイント】

・OJTは本来計画的に行われるものであるので、そのためのプログラムもなく単に現場に出て仕事

を覚えるということは OJT とは言わないことを伝える。

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介護支援専門員専門研修課程Ⅰ

6 各科目のガイドライン

5.科目のポイント

・次の法定研修に向けた学習目標を設定し、専門的技術修得のための研修や事例検討会への参加など、継

続的学習が大切であることの理解を促す。

・事例を通して学ぶことの大切さの理解を促し、事例検討会への参加など主体的学習への意欲を引き出す。

・研修記録シートを活用することで、スーパービジョンに活用したり、次の実践につなげたりすることでさらに学

びが深められることの理解を促す。

・指導・支援、コーチング、スーパービジョンの違いの理解を促す。

・指導・支援、コーチング、スーパービジョンを受ける際の心構え等を伝える。

6.講義・演習の展開例 (120 分)

下記の時間数は正味の時間数であり、適宜休憩を挟んで展開すること。

構成 時間 内容 修得目標

導入 10 分

○本科目の目的、修得目標を確認

・アイスブレイク

・研修記録シートを用いてそれぞれの目標を確認

講義 45 分

〇個人学習と相互学習について

・個人学習と相互学習の違いと特徴

・スーパービジョン、コーチングについて講義

●理解を深めるミニワーク

①②③④

講義 45 分

○OJT の必要性について

・OJT に必要な知識、技術、態度

・場面に応じた OJT の技法

●理解を深めるミニワーク

②③④⑤

振り返り 20 分 ○本科目全体を振り返り、ポイントについて講義

<参考文献>

○吉田新一郎 『「学び」で組織は成長する』 光文社 2006 年

○村田久行 「援助者の援助―支持的スーパービジョンの理論と実際―」川島書店 2010 年

○本間正人、松瀬理保 「コーチング入門」日本経済新聞社 2006 年

○介護支援専門員に対するスーパービジョンのあり方に関する研究委員会『平成24年度「介護支援

専門員のスーパービジョン実践としての実習型研修の普及に向けての調査研究」報告書』2013 年

143

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介護支援専門員専門研修課程Ⅰ

6 各科目のガイドライン

1.目的

研修全体を通じた振り返りを行うことで、今後の学習課題を認識し、自己研鑽の意欲を高める。また、研修受講

者間でのネットワークの構築を図る。

2.内容

・研修全体の振り返りを行うに当たって、グループ又は全体で意見交換を行い、専門的助言を含めて、研修にお

ける学習の成果や今後の学習課題への意識付けのための講評を行う。

・現場で生じうる課題への対応や共同で研修する機会を作るため、研修受講者間においてネットワークの構築を

図る。

3.関連科目と修得目標

(1)関連科目 研修体系において、本科目に関連性の高い科目は以下の通りである。

実務研修

②自立支援のためのケアマネジメントの基本

②相談援助専門職としての基本姿勢及び相談援助技術の基礎

⑰研修全体を振り返っての意見交換、講評及びネットワーク作り

専門研修課程Ⅰ

専門研修課程Ⅱ ②ケアマネジメントにおける実践事例の研究及び発表

主任介護支援専門員

研修

①主任介護支援専門員の役割と視点

⑧対人援助監督指導

主任介護支援専門員

更新研修②主任介護支援専門員としての実践の振返りと指導・支援

⑧研修全体を振り返っての意見交換、講評及びネットワーク作り講義・演習

2時間

144

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介護支援専門員専門研修課程Ⅰ

6 各科目のガイドライン

(2)修得目標

修得目標修得分野 対応する研修内容

※次項の番号に対応しています知識 技術 態度

①指導する側と受ける側の姿勢について説明

できる。● ● ● (2)

②学習内容や個人としての振り返りを実施で

きる。● ● ● (1)

③地域での学習活動の振り返りを実施できる。 ● ● (3)

④継続した自己研鑽の意義について説明でき

る。● ● ● (2)

⑤研修受講者間での意見交換により今後の学

習課題を判断できる。● ● ● (3)

⑥研修受講者間でのネットワークの構築を実

施できる。● ● ● (3)

4.内容 修得目標を踏まえ、本科目で研修すべき主な内容は以下の通りである。

(1)研修全体の振り返り

①ケアマネジメントプロセスの再確認

(ア)研修全体を通じて、実務における自己の課題と照らし合わせ、ケアマネジメントプロセスの重要性をあらた

めて理解する。

(イ)グループ又は全体で、研修で学んだことを意見交換し、専門的助言を受け、今後の実務に結び付けるとと

もに、今後の学ぶべき新たな自己の課題について設定する。

②多様な事例からの学習

(ア)多様な事例において、その特性における基礎知識を身につける重要性と多職種協働によるケアマネジメ

ントの重要性について理解する。

(イ)多様な事例に対応できるためにも、多様な保健・医療・福祉サービス及び社会資源の特性の把握が必要

であることを押える。

(ウ)事例を通じて、必要な知識の修得だけでなく、支援のポイント等を効果的に学ぶことができることを理解する。

【項目のポイント】

・事例を通じ、課題の解決においては、社会資源の特性や地域の状況を理解することの重要性を伝え

る。

145

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介護支援専門員専門研修課程Ⅰ

6 各科目のガイドライン

(2)研修における学習効果と学習課題への取り組み

①学習効果の確認

(ア)研修を始めるにあたり設定した学習目標を確認し、研修受講により目標達成できたか評価する。

(イ)研修受講により、修得できた目標と修得できなかった目標を明らかにし、今後の学習課題を設定する。

(ウ)次の法定研修に向けた学習目標を設定し、介護支援専門員としての活動に繋げる。

【項目のポイント】

・学習課題を意識し、常に目標設定と評価を通じ、介護支援専門員の資質向上に努めることの必要性

を伝える。

(3)ネットワークづくり

①ネットワークの必要性

(ア)今後の実務や学習課題の修得のために必要な機会をつくるためのネットワーク作りが必要なことを理解する。

(イ)共に学び、共に業務に従事する介護支援専門員同士の関係を構築することにより、業務への主体的な取

り組みや継続的学習意欲が高まることに繋がることを説明する。

【項目のポイント】

・ケアマネジメントにおいては、同職種のネットワークだけでなく、多職種間とのネットワークづく

りも必要であることを伝える。

5.科目のポイント

・次の法定研修に向けた学習目標を設定し、専門的技術修得のための研修や事例検討会への参加など、継

続的学習が大切であることの理解を促す。

・事例を通して学ぶことの大切さの理解を促し、事例検討会への参加など主体的学習への意欲を引き出す。

・研修記録シートを活用することで、スーパービジョンに活用したり、次の実践につなげたりすることでさらに学

びが深められることの理解を促す。

・研修受講者間でネットワーク構築を図ることを促す

146

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介護支援専門員専門研修課程Ⅰ

6 各科目のガイドライン

6.講義・演習の展開例 (120 分)

下記の時間数は正味の時間数であり、適宜休憩を挟んで展開すること。

構成 時間 内容 修得目標

導入 10 分

○本科目の目的、修得目標を確認

・アイスブレイク

・研修記録シートを用いてそれぞれの目標を確認

講義 10 分

○研修の振り返り

・研修科目ごとのポイントの振り返り、各事例におけるポイントの振り返り

●理解を深めるミニワーク

①②

個人ワーク 10 分

○研修記録シートの活用

・研修記録シートにより、研修目標の振り返り、研修の結果による修

得した内容と課題の整理。

①②④

グループ

ワーク40 分

○受講者間での共有

・受講者間で個人ワークの内容を共有し、自分以外の受講者の気づ

きや学びを共有する。

・個人の学びからグループとして、そして研修終了後の介護支援専

門員としての活動について意見交換する。

●理解を深めるミニワーク

①②③

④⑤

個人ワーク 10 分 ○研修受講後の新たな学習目標の設定 ④⑤⑥

発表、講評 20 分

○受講者に、研修を通じて学んだことと今後の課題、学習目標につい

て発表する。

○発表を受け、講師は総評、エールを送る。

振り返り 20 分 ○本科目全体を振り返り、ポイントについて講義

<参考文献>

○堀公俊 「ファシリテーション入門」日本経済新聞出版社 2004 年

○木村佳世子 「図解NLPコーチング術」秀和システム 2007 年

○福山和女編著・監修「スーパービジョンとコンサルテーション=理論と実際=」2006 年

○介護支援専門員実務研修テキスト作成委員会「五訂 介護支援専門員実務研修テキスト」一般財団法

人長寿社会開発センター、2012 年

○「介護支援専門員の生涯学習体系に関する調査委研究事業お報告書」(独立行政法人福祉医療機構社

会福祉振興助成事業平成23年3月)一般社団法人日本介護支援専門員協会 2011 年

147

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介護支援専門員専門研修課程Ⅰ

6 各科目のガイドライン

MEMO

148

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各科目のガイドライン専門研修課程Ⅱ

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介護支援専門員専門研修課程Ⅰ

専門研修課程Ⅱ

①介護保険制度及び地域包括ケアシステムの今後の展開・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 149

②-1 ケアマネジメントにおける実践事例の研究及び発表「リハビリテーション及び福祉用具の活用に関する事

例」・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 157

②-2 ケアマネジメントにおける実践事例の研究及び発表「看取り等における看護サービスの活用に関する事

例」・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 164

②-3 ケアマネジメントにおける実践事例の研究及び発表「認知症に関する事例」・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 176

②-4 ケアマネジメントにおける実践事例の研究及び発表「入退院時等における医療との連携に関する事

例」・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 182

②-5 ケアマネジメントにおける実践事例の研究及び発表「家族への支援の視点が必要な事例」 ・・・・・・・・・ 187

②-6ケアマネジメントにおける実践事例の研究及び発表「社会資源の活用に向けた関係機関との連携に関する

事例」・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 193

②-7 ケアマネジメントにおける実践事例の研究及び発表「状態に応じた多様なサービス(地域密着型サービス

や施設サービス等)の活用に関する事例」・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 201

※本ガイドラインの本文中にある『社会資源』は「インフォーマルサービス等」を含む。

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介護支援専門員専門研修課程Ⅱ

6 各科目のガイドライン

1.目的

介護保険制度の最新の動向や、地域包括ケアシステムの構築に向けた現状の取組を理解した上で、今後の

地域包括ケアシステムの展開における介護支援専門員として関わりを理解する。

また、地域包括ケアシステムの中で、利用者及びその家族を支援していくに当たって、関連する制度を理解する。

2.内容

・介護保険制度の改正等の最新状況や地域包括ケアシステムの構築に向けた現状の取組及び課題について講

義を行う。

・地域包括ケアシステムの構築に向けて、介護支援専門員が果たすべき役割について講義を行う。

・利用者やその家族を支援する上で関連する最新の制度、動向及び社会資源に関する講義を行う。

・介護保険制度や介護支援専門員を取り巻く状況など現状で課題となっている事項に関する講義を行う。

3.関連科目と修得目標

(1)関連科目 研修体系において、本科目に関連性の高い科目は以下の通りである。

実務研修 ⑨地域包括ケアシステム及び社会資源

専門研修課程Ⅰ ②介護保険制度及び地域包括ケアシステムの現状

専門研修課程Ⅱ

主任介護支援専門員

研修①主任介護支援専門員の役割と視点

主任介護支援専門員

更新研修①介護保険制度及び地域包括ケアシステムの動向

①介護保険制度及び地域包括ケアシステムの今後の展開 講義4時間

149

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介護支援専門員専門研修課程Ⅱ

6 各科目のガイドライン

(2)修得目標

修得目標修得分野 対応する研修内容

※次項の番号に対応しています知識 技術 態度

①介護保険制度等の改正の内容とその理由に

ついて説明することができる。● ● ● (1)

②地域の社会資源を活用したケアマネジメン

トを実施できる。● ● ● (2)

③地域包括ケアシステムの構築に向けて地域

課題の解決における介護支援専門員が果た

すべき役割を具体的に実施できる。

● ● ● (3)

④介護保険制度の中での課題解決のために新

たな社会資源と関連付けた対応を実施でき

る。

● ● ● (4)

⑤地域包括ケアシステムの構築に向けた現状

の取り組みや課題の解決のために介護支援

専門員として具体的な行動を実施できる。

● ● ● (5)

150

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介護支援専門員専門研修課程Ⅱ

6 各科目のガイドライン

4.内容 修得目標を踏まえ、本科目で研修すべき主な内容は以下の通りである。

(1)介護保険制度等の改正の内容

①介護保険制度の現状と課題(現時点での最新情報)

(ア)介護保険制度の変遷

・要介護度別の認定者数、サービス利用者数、保険料の推移

・医療連携の促進の必要性

(イ)介護支援専門員を取り巻く環境と姿勢ついて

(2)地域の社会資源を活用したケアマネジメント

(ア)社会資源の活用例

・医療との連携における活用

・インフォーマルサービスの活用

・認知症高齢者の地域サポートの活用

・仕事と介護の両立を支援する既存サービスの活用、潜在ニーズの把握と開発

・その他様々なサポートの活用

・新たな社会資源の開発と活用

(イ)地域包括ケアシステムの構築ための視点

・医療と介護の連携強化等

・地域包括ケアシステムの実現のためには、地域において多面的な在宅医療・介護連携を展開していくこと

が不可欠である。

・地域の医療・福祉資源の把握及び活用

・24 時間 365 日の在宅医療・介護提供体制の構築

(ウ)介護人材の確保とサービスの質の向上

・介護に関する資格見直しや、介護人材の質の向上を目指す。

(エ)高齢者の住まい等の整備

・住民それぞれのニーズに合った住宅が提供され、その中で自己決定による尊厳が確保された生活が実現

できる。

・持ち家か借家か、バリアフリー等の配慮の有無、ライフステージに応じた適切な住み替えなど、様々な観点

から住まいを検討する。

(オ)認知症対策の推進

・認知症対策等総合支援事業の実施についての取り組みが具体的に地域でどのように促進されているかを

調査し、提示する。

(カ)保険者による主体的な取組の推進

(a)住民から求められる介護サービスと住まいに関するニーズを的確に把握し、これらのニーズを踏まえて

それぞれの施策の目標が整合するように計画が作成されなければならない。

(b)所得や資産を持たない高齢者、家族による支援が期待できない高齢者等には、居住支援と生活支援を

合わせて考えていく必要がある。

151

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介護支援専門員専門研修課程Ⅱ

6 各科目のガイドライン

(キ)地域の社会資源の把握

(a)サービス化された支援だけではなく、活動や参加、安否確認や見守りなど、心身の状況や家族構成の

変化などによって喪失してしまう機能もある。

(b)地域内には潜在しているボランティアや住民グループがあり、社会参加や地域貢献をしたいと思いなが

らもきっかけがないまま活動につながっていない場合もあるため、地域資源の発掘も重要である。

(c)日常生活圏域ニーズ調査などを活用して高齢者の健康状態や社会資源等について把握し、課題やニ

ーズを分析、必要な社会資源に関するアセスメント(地域診断)を行うことが求められる。

(d)地域におけるニーズが明らかになり、発掘された地域資源を地域包括ケアシステムに取り込むため地域

資源をつなぐことが重要である。

(ク)地域包括支援センターとの連携

(a)地域包括支援センターが開催する地域ケア会議や、関係者が集まる機会を活用しながら地域資源を生

み出すことも必要である。

(b)地域の資源だけでは地域の課題とニーズに対応できない状況も想定できる。このよう場合には新たにサ

ービスや仕掛けを生み出すことも必要である。

(3)介護支援専門員の果たすべき役割

①地域ケア会議

(ア)地域ケア会議の目的

(a)地域包括ケアシステムの5つの枠組みの推進

(b)多職種協働による地域包括支援ネットワークの構築

(c)個別ケースの支援内容の検討に通じた地域の介護支援専門員の法の理念に基づいた高齢者の自立

支援に資するケアマネジメントの支援

(d)高齢者の実態把握や課題解決のための地域包括支援ネットワークの構築

(e)個別ケースの課題分析等を行うことによる地域課題の把握

(イ)地域ケア会議で取り上げる事例

(a)サービス未利用で支援を必要とする高齢者等

(b)周辺住民が困っている事例

(c)支援者が困っている事例

(d)支援のための資源調整や環境整備が必要な事例

(e)高齢者の心身の健康や権利が侵害されている事例

(f)保険者からみてサービス提供内容に課題がある事例

(ウ)地域ケア会議の機能

(a)個別課題解決機能

(b)個別ケースについて多機関・多職種が多様な視点から検討を行うことにより、

(ⅰ)住民の問題解決を支援する。

(ⅱ)解決へのプロセスを通して、地域包括センター職員や介護支援専門員等の実践上の課題解決力向

上を図ることで、被保険者への支援の質を高める。

(ⅲ)取り上げる個別ケースについて (例として)

解決優先型:地域ごとの課題の優先順位や関係機関の関心等に応じて、テーマを絞って(例えば、介護

予防、認知症、虐待等)選定する。

課題抽出型:あまりテーマを絞らず参加する関係機関が対応に困っている事例を持ち寄る。 検討を通し

て、個別課題の解決のみならず、次の(d)地域課題発見機能や、(c)地域包括支援ネットワーク構築機

能、(e)地域づくり・資源開発機能、(f)政策形成機能につなげていく。

152

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介護支援専門員専門研修課程Ⅱ

6 各科目のガイドライン

(c)地域包括支援ネットワーク構築機能

(ⅰ)個別ケースの背後に、同様のニーズを抱えた要援護者やその予備群を見出し、かつ関連する事実

や課題、地域の現状等を総合的に判断して、解決すべき地域課題を明らかにする機能。

(ⅱ)発見された課題(例えば、認知症の独居や虐待等)に対して、どのような解決策・改善策が可能かを検

討するプロセスのなかで、関係機関の必要な取組み・役割等が明らかになり、連絡調整機能につながる。

(ⅲ)どのような公的サービスやインフォーマルサービス等が必要かを検討することが、地域づくり・資源開

発機能や政策形成機能につながる。

(ⅳ)検討した解決策や改善策の実現を妨げる要因が見つかる場合、そのこと自体も、地域課題として関

係者に認識が共有される。

(d)地域課題発見機能

(ⅰ)地域の関係機関等の連携を高める機能。

(ⅱ)個別課題・地域課題を解決するために必要な関係機関等の役割が、個別ケースの検討を通じて明

らかになる。

(ⅲ)課題解決に向けて関係機関が具体的に連携を行うことによって、連携が強固かつ実践的なものになる。

(ⅳ)関係機関だけでは課題の解決や予防が十分に行えないという場合、必要な公的サービスやインフォ

ーマルサービス等が明らかになり、(e)地域づくり・資源開発機能や(f)政策形成機能につながる。

(e)地域づくり・資源開発機能

(ⅰ)インフォーマルサービスや地域の見守りネットワークなど、必要な地域資源を地域で開発していく機能。

(ⅱ)地域の実態や特性に応じて状況が異なるため、地域ごとに個別的な地域課題があり、これらに応じ

た個々の解決策が必要である。

(ⅲ)地域ケア会議を通じて関係者・グループに個別的要素を踏まえた働きかけをすることで、個別的要

素を活かした地域づくり・資源開発につながる。

(ⅳ)地域づくり、資源開発を行うことで、個人に対する支援のネットワークの網の目は細かくなり、それが

さらに(a)個別課題解決機能の向上につながる。

(ⅴ)地域づくり、資源開発に対しての必要な行政のサポートや関係機関の役割等が明らかになれば、(f)

政策形成機能にもつながる。

(f)政策形成機能

狭義には、市町村による地域に必要な政策の立案・実施につなげる機能。広義には、市町村以外の関係

機関等による各種の事業等の実施につなげることまでを含む機能。

具体的には、(d)地域課題発見機能で発見された地域課題の解決に向けて、優先順位や利用可能な地

域資源等を検討して、解決のための政策等を立案したり、(c)地域包括支援ネットワーク構築機能や(e)

地域づくり・資源開発機能を十分に発揮するための施策等を立案する。

(エ)介護支援専門員として、地域ケア会議の活用

(a)地域の特性を理解する。

(b)ケアマネジメントの倫理等の原則に基づく分析を行う。

(c)類似事例の情報提供や、関わりの中での成功体験の蓄積を行う。

(d)個別レベル、日常生活圏域内レベル、日常生活圏域を超えたレベルなどの構成があり、地域ケア会議

の実践例などを活用する。

(e)地域アセスメントを行い、市町村へ提言も行う。

(オ)地域ケア会議の運営

(a)会議の事前準備

(ⅰ)会議の目的の明確化

(ⅱ)会議の参加者の召集と選定

(ⅲ)キーパーソンとの打ち合わせ

153

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介護支援専門員専門研修課程Ⅱ

6 各科目のガイドライン

(ⅳ)課題解決・支援の方向性

(ⅴ)課題配布資料の準備

(b)会議開催・進行

(ⅰ)事例概要の報告

(ⅱ)事実確認

(ⅲ)事例概要の共有化

(ⅳ)課題の検討

(ⅴ)支援方針の確認

(ⅵ)まとめ

(c)会議終了

(ⅰ)支援内容・取り組みの検証

(ⅱ)新たなニーズの発見

(ⅲ)参加者の役割分担

(ⅳ)モニタリング

(ⅴ)次回会議への備え

(d)地域ケア会議の課題

(ⅰ)会議の進行要領

(ⅱ)介護支援専門員の質の向上

(ⅲ)互助力・地域力の再評価

(ⅳ)個人情報の保護

(e)高齢者の心身の健康や権利が侵害されている事例

(f)保険者からみてサービス提供内容に課題がある事例

(g)既存会議の活用

(ⅰ)事例検討会の手法を充実させ、地域課題発見の視点も入れる

(ⅱ)処遇困難事例の検討に、様々な立場からの知恵やノウハウを集結させながら解決に向かう視点を取

り入れる。

(ⅲ)地域関係機関との連絡会議に、地域課題の共有や好事例の共有を入れる。

(ⅳ)センター長会議等で、区市町村職員との地域課題の共有を行う

(ⅴ)利用者本人や家族の希望や生活機能などに基づいて、住み慣れた地域で暮らし続けることができる

ための支援となっているか。

(4)地域包括ケアシステムにおいての社会資源

①地域包括ケアシステムの諸主体

(ア)地域すべての住民

(イ)利用者

(ウ)介護者(家族)

(エ)地域、住民組織

(オ)地域包括支援センター

(カ)市町村

(キ)都道府県

(ク)国

(ケ)介護事業者

(コ)民間企業

154

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介護支援専門員専門研修課程Ⅱ

6 各科目のガイドライン

(5)社会資源の把握と活用

①社会資源とは

社会資源とは、社会的要求の充足や問題解決のために利用することが出来る制度、施設、人、物、資金、情報

など、人的・物的の総称である。

②社会資源を活用する目的

(ア)生活基盤を整える(経済、住居、生活用具など)

(イ)健康を保つ(予防、治療、機能訓練、健康維持など)

(ウ)日常の生活行動を支える(歩行、排せつ、入浴、食事、整理整頓、買い物など)

(エ)家族を支える(介護相談、仕事と介護の両立支援、介護の代替・休養など)

(オ)他者との交流を深める(コミュニケーション手段、外出手段、対人関係など)

(カ)社会参加をする(教育、就労、趣味活動、旅行、社会的活動など)

(キ)安全・安心して暮らす(緊急通報システム、安否確認、安全装置、金銭管理など)

(ク)権利を守る(権利擁護、成年後見制度、苦情処理窓口など)

③社会資源を活用する視点

(ア)その人が望む生活に向けた視点

(イ)望む生活を実現するために必要な社会資源の活用の視点

(ウ)虐待や支援困難ケースへの対応策への活用

(エ)地域包括ケアシステムの5つの視点の確認と振り返り

(a)医療との連携強化

(b)介護サービスの充実強化

(c)予防の推進

(d)見守り、配食、買い物など、多様な生活支援サービスの確保や権利擁護など

(e)高齢期になっても住み続けることのできる高齢者住まいの整備

【項目のポイント】

・どのような生活を送りたいかという利用者と家族の意思を確認し、その意思を尊重した社会資源の

活用を援助することが大切。利用者の自己決定を助けるという姿勢で、その人に必要な社会資源を

結びつけることを伝える。

5.科目のポイント

(1)介護保険制度の現状や課題について最新の資料を用い講義を行う。

(2)地域包括ケアシステムの構築に向け介護支援専門員に求められている役割、目指す姿について説明する。

(3)地域ケア会議の目的や機能を整理して、介護支援専門員として地域ケア会議に参加できるようする。

(4)介護保険制度の現状について、統計的データや介護保険事業計画等を示し、地域の実情に合った講義

を行う。

(5)介護保険制度の改正の状況や地域包括ケアシステムの構築に向けた現状の取組及び介護支援専門員

の課題に関する講義を行う。

(6)「介護保険情報」等の介護保険に関する情報を積極的に収集できるようにする。

155

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介護支援専門員専門研修課程Ⅱ

6 各科目のガイドライン

6.講義・演習の展開例 (240 分)

下記の時間数は正味の時間数であり、適宜休憩を挟んで展開すること。

構成 時間 内容 修得目標

導入 10 分

○本科目の目的、修得目標を確認

・アイスブレイク

・研修記録シートを用いてそれぞれの目標を確認

講義 60 分

(1)介護保険制度等の改正の内容

○介護保険制度の現状と課題(現時点での最新情報)

(2)地域の社会資源を活用したマネジメント

●理解を深めるミニワーク

①②

講義 40 分

(3)介護支援専門員の果たすべき役割

○地域ケア会議

●理解を深めるミニワーク

講義 120 分

(4)地域包括ケアシステムにおいての社会資源

○地域包括ケアシステムの諸主体

(5)社会資源の把握と活用

○社会資源とは

○社会資源を活用する目的

○社会資源を活用する視点

●理解を深めるミニワーク

④⑤

振り返り 10 分 ○本科目全体を振り返り、ポイントについて講義

<参考文献>○地域包括ケアシステムを構築するための制度論等に関する調査研究事業報告書

地域包括ケア研究会、2014○日常生活圏域ニーズ調査の実施及び第6期介護保険事業計画の策定準備について

厚生労働省地域包括支援センター業務マニュアル○認知症対策等総合支援事業の実施について

老発 0606 第1号 2011(平成 23)年6月6日・老発 0405 号 第 14 号 2012(平成 24)年4月5日

156

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介護支援専門員専門研修課程Ⅱ

6 各科目のガイドライン

1.目的

リハビリテーションや福祉用具等の活用事例を用いて演習等を行うことにより、リハビリテーションや福祉用具等

の活用に係る知識及び効果的なケアマネジメント手法を修得する。

また、演習等で得られたリハビリテーションや福祉用具等の活用に係る示唆、留意点等を踏まえ、他の事例に

対応することができる知識・技術を修得する。

2.内容

・各自が担当しているリハビリテーションや福祉用具等を組み入れた居宅サービス計画等を持ち寄り、事例に関

して分析した内容の発表、意見交換等を通じて、適切なアセスメントを行う際の留意点や居宅サービス計画等

の作成における留意点を理解、再確認する。それらの留意点や必要に応じ根拠となる各種統計データを活用

する等により、別の類似の事例等にも広く対応することができる知識・技術を修得する。

・リハビリテーションや福祉用具等を活用するに当たって重要となる関連知識や歯科医師、リハビリテーション専

門職等との連携方法等に関する講義を行う。

・リハビリテーションや福祉用具等の活用を検討するに当たり、効果的なものとなるようインフォーマルサービスを

含めた地域の社会資源を活用したケアマネジメントの展開に関する講義を行う。

3.関連科目と修得目標

(1)関連科目 研修体系において、本科目に関連性の高い科目は以下の通りである。

実務研修⑮-2 ケアマネジメントの展開「脳血管疾患に関する事例」

⑮-4 ケアマネジメントの展開「筋骨格系疾患及び廃用症候群に関する事例」

専門研修課程Ⅰ⑥-1~7 ケアマネジメント演習

⑥-1 リハビリテーション及び福祉用具の活用に関する事例

専門研修課程Ⅱ

主任介護支援専門員

研修

⑦ケアマネジメントに必要な医療との連携及び多職種協働の実現

⑨個別事例を通じた介護支援専門員への指導・支援の展開

主任介護支援専門員

更新研修

②-1主任介護支援専門員としての実践の振り返りと指導・支援の実践

「リハビリテーション及び福祉用具の活用に関する事例」

②-1 ケアマネジメントにおける実践事例の研究及び発表

「リハビリテーション及び福祉用具の活用に関する事例」

講義・演習

4時間

157

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介護支援専門員専門研修課程Ⅱ

6 各科目のガイドライン

(2)修得目標

修得目標修得分野 対応する研修内容

※次項の番号に対応しています知識 技術 態度

①リハビリテ―ション(口腔リハビリテーションを含

む)福祉用具を組み入れた居宅サービス計画等の

実践事例について意見交換を通して分析し、評価

できる。

● ● ● (1)

②分析し、評価した内容を受講者間で共有し、アセ

スメントや居宅サービス計画等の作成における留

意点を判断できる。

● ● ● (1)(4)

③各種統計データを活用する等により、別の類似の事

例等への応用を実施できる。● ● ● (1)

④地域の各種統計データを必要に応じて活用するこ

とにより、他の事例へも応用できる。● ● ● (1)

⑤リハビリテーション(口腔リハビリテーションを含

む)や福祉用具等に関する関連知識や歯科医師・

リハビリテーション専門職・福祉用具専門相談員

等との連携方法への応用を実施できる。

● ● ● (2)

⑥リハビリテーションや福祉用具等の地域の社会資

源(インフォーマルサービス等)を活用したケア

マネジメントを実施できる。

● ● ● (3)(4)

158

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介護支援専門員専門研修課程Ⅱ

6 各科目のガイドライン

4.内容 修得目標を踏まえ、本科目で研修すべき主な内容は以下の通りである。

(1)基本的な知識の内容

①リハビリテーションや福祉用具等を活用するための関連知識

(ア)疾患・障害別のリハビリテーションと生活支援の実際について事例を用いて解説する。・脳卒中モデルに

おける医療機関との連携

・病棟と実生活では人的、物理的環境が異なり、退院後に日常生活活動の自立度は変化することが多い。こ

のため、退院直後からの生活機能の変化を見越した対応が必要である。

・廃用症候群モデルにおける早期リハビリテーションは重要性である。

・風邪をひいて臥床する、気分の落ち込みで外出を控えることなどがきっかけで閉じこもりがちになり、廃用症

候群や閉じこもり症候群を生じることがある。早期に対応することの重要性とともに、適切な対応により廃用

症候群や閉じこもり症候群の予防や改善する可能性があることを示す。

・慢性進行性疾患(関節リウマチ、パーキンソン病等)の生活支援とリハビリテーションの実際

・疾患の管理に医療機関との連携が大切である。

・日内変動等の状態像の変化に留意して、居宅サービス計画を立案する必要があり、利用者の生活に対す

る様々な工夫に配慮することが大切である。

・急性進行性疾患(筋萎縮性側索硬化症、がん末期等)の生活支援とリハビリテーションの実際を学ぶ。

・症状の進行により急激に生活活動の低下をきたす。短期間でのモニタリングが必要で、タイミングよく居宅サ

ービス計画を変更することが大切である。

②福祉用具、住宅改修を活用するための視点

・廃用症候群及び誤用症候群を防ぐ

・過度な福祉用具の利用による廃用症候群、自分で行う機会を奪うことへの注意喚起

・福祉用具が身体に合っていないことによる誤用症候への注意喚起

・リスクマネジメントのための福祉用具における事故情報の活用

・消費者庁、独立行政法人製品評価技術基盤機構が公表する福祉用具に係る事故情報を用いて、福祉用具

の安全な使用について解説する。

日本福祉用具・生活支援用具協会(JASPA) http://www.jaspa.gr.jp/index.html

・質の高い福祉用具サービスとするための福祉用具の価格情報の活用

・公益財団法人テクノエイド協会が運営する福祉用具情報システム(TAIS)の介護保険福祉用具の貸与価格

情報を利用し、貸与しようとする福祉用具の価格の適正性を判断する。

・福祉用具を安全に、安心して使用するためのチェックポイント

・姿勢が不安定になる、あるいは姿勢が崩れないか

・足部や肘等の身体の一部が福祉用具、設備、家具などにぶつからないか

・臀部、手指等の身体の一部が、福祉用具、設備等の物と物の間に挟まらないか

・自立支援のための福祉用具、住宅改修の活用

159

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介護支援専門員専門研修課程Ⅱ

6 各科目のガイドライン

(2)医師、リハビリテーション専門職等との連携

①医師との連携

・生活上の障害の原因となる疾患の治療・管理などを担う医師から、生活上の障害の予後予測、禁忌事項の

確認。

・通院、訪問診療・往診の目的・頻度とともに、看護、理学療法、作業療法、言語聴覚療法を実施している場合

は、その必要性及び効果の確認。

②歯科医師との連携

・誤嚥性肺炎の予防・口腔ケア・8020運動における歯の重要性・食べることの大切さなど歯科医師との連携の

重要性の確認。

③リハビリテーション専門職(理学療法士、作業療法士、言語聴覚士)との連携

・それぞれの療法の内容と効果を確認する。とくに理学療法では日常生活活動の基礎となる運動器の機能向

上、作業療法では日常生活動作、家事動作等の自立の支援、言語聴覚療法では、失語症等のコミュニケーシ

ョン能力の向上、口腔器の機能向上のための支援の実際について、実際の事例を通じて内容と効果を示す。

・福祉用具の適応について理学療法士、作業療法士に確認する。

・リハビリテーション専門職と多職種との連携と役割分担についても確認する。とくに利用者のできる動作と援

助すべき動作について、介護福祉士等との連携についての重要性を示す。

④福祉用具専門相談員との連携

・より効果的な福祉用具サービスを提供するため、福祉用具の新しい製品、機能についての情報を、福祉用

具専門相談員から得る。

・福祉用具貸与サービスは、利用者や介護者等の状況の変化に応じて福祉用具を交換・追加できることが特

徴である。このため、支援スタッフは福祉用具の利用状況をモニタリングし、状況の変化について福祉用具専

門相談員に連絡することが大切である。

・福祉用具専門相談員の質を確認する方法の一つである「研修受講状況」については、一般社団法人全国福

祉用具専門相談員協会がホームページで公開している情報システム(福祉用具専門相談員の研修ポイント

制度)を活用する。

(3)インフォーマルサービスを含めた地域社会資源を活用したケアマネジメントの展開

①スポーツ施設の利用による運動や社会参加の機会の確保

・県、市町村等の助成するスポーツ施設の活用、スポーツプログラムへの参加。

・民間のスポーツ施設の利用、スポーツプログラムへの参加。

②市町村社会福祉協議会等が提供するボランティア活動への参加

・ボランティア活動に参加することで、活動性の向上を図る。

・自治会活動、地域の交流会等への参加を促す。

③介護保険、障害者総合支援法等の公的給付対象となっていない福祉用具の活用

・介護実習普及センターの展示、相談機能により福祉用具の情報を得る。

・福祉機器展、展示会、福祉用具説明会等で、情報を得る。

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介護支援専門員専門研修課程Ⅱ

6 各科目のガイドライン

(4)ケアマネジメントの各プロセスにおける留意点

①インテーク

・特に機能障害や身体障害が目に見えた利用者が多いため、相談面接時の身体的な配慮を必要とする。

②アセスメント

(ア)治療中で改善が見込めるのか、あるいは進行性の疾患であるのかによって居宅サービス計画の目標や実

施期間の設定が異なるため、生活障害の原因である疾患(脳血管障害、進行性疾患、筋骨格系疾患等)、経

過について把握する。

(イ)脳卒中等で入院加療中の利用者では、医学的禁忌事項、病棟で実際にしている日常生活活動の自立度

について確認し、屋外・屋内移動、入浴、排せつ等での福祉用具の利用状況を把握する。

(ウ)慢性に進行する疾患(パーキンソン病、関節リウマチ等)では、利用者や家族の生活上の障害へのこれま

での対応を丁寧に聞き取り、生活障害の全体像を把握する。

③居宅サービス計画原案作成

(ア)脳血管障害は、60~70歳代の発症が多く、加齢に伴う機能の低下が生活機能に大きく関与する。社会参

加の機会を確保し、廃用症候群を生じないような生活スタイルの確立が必要。

(イ)症状に日内変動があるパーキンソン病や関節リウマチ等の疾患に対しては、症状の変動に配慮した居宅

サービス計画を立案する。

(ウ)急激に進行する疾患(筋委縮性側索硬化症、がん末期等)では、自立を支援するための福祉用具を積極

的に活用する。最期までコミュニケーション手段を確保し、自己表現が可能になる。

④サービス担当者会議

(ア)失語症、注意障害、記憶障害といった高次脳機能障害は、運動麻痺とは異なり、目に見えない障害であ

るので、リハビリテーション専門職に障害像を確認することが大切である。

(イ)脊髄損傷は、損傷の部位や程度によって、姿勢の保持や食事・整容などの動作も一人ひとり異なるため、

リハビリテーション専門職からの情報収集を怠らないようにする。

(ウ)進行性疾患では、医師等から生活上の障害の予後予測を確認する。

⑤サービス提供や介入

・道具や電子機器の使用等様々な機器の活用が、個別に展開されることを踏まえ、役割や使用説明責任にお

いて専門性を重視することが望ましいことを提示する。

⑥モニタリング・再評価

(ア)急性発症タイプ(脳血管障害等)においては、退院後の実生活において、生活機能が変化することに留

意してモニタリングの計画を立案する。

(イ)筋委縮性側索硬化症、がん末期等では症状の進行により急激に生活活動の低下をきたすため、短期間

でのモニタリングが必要である。

⑦終結・フォローアップ

・当事者として心身状況や身体状況が改善したら、障がい受容が困難な利用者への勇気づけや役割を持つこ

とも考えられることを提示する。

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6 各科目のガイドライン

5.科目のポイント

(1)リハビリテーション専門職と職務内容について理解を促す。

・医療機関、訪問リハビリテーション、通所リハビリテーション、老健施設等の理学療法士、作業療法士、言語聴

覚士の内容と効果的な活用について、慢性進行性疾患、廃用症候群を生じている事例を用いて説明する。

(2)福祉用具、住宅改修等の住環境整備の重要性、効果について確認する。

・福祉用具、住宅改修の目的(効果)について実際の事例を示して具体的に解説する。

162

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6 各科目のガイドライン

6.講義・演習の展開例 (240 分)

下記の時間数は正味の時間数であり、適宜休憩を挟んで展開すること。

構成 時間 内容 修得目標

導入 10 分

○本科目の目的、修得目標を確認

・アイスブレイク

・研修記録シートを用いてそれぞれの目標を確認

講義 70 分

(1)基本的な知識の内容

○リハビリテーションや福祉用具等を活用するための関連知識

(2)医師、リハビリテーション専門職等との連携

○医師との連携

○歯科医師との連携

○リハビリテーション専門職(理学療法士、作業療法士、言語聴覚士)

との連携

○福祉用具専門相談員との連携

(3)インフォーマルサービスを含めた地域社会資源を活用したケアマ

ネジメントの展開

○スポーツ施設の利用による運動や社会参加の機会の確保

○市町村社会福祉協議会等が提供するボランティア活動への参加

○介護保険、障害者総合支援法等の公的給付対象となっていない福

祉用具の活用

●理解を深めるミニワーク

①②③

④⑤⑥

演習 20 分

(4)ケアマネジメントの各プロセスにおける留意点

○事例概要説明

●事例の読み込み

②⑥

演習 80 分

(4)ケアマネジメントの各プロセスにおける留意点

●事例の情報収集と課題分析

(類似の事例にも対応できるよう課題を一般化する)

●社会資源の活用

②⑥

演習 40 分(4)ケアマネジメントの各プロセスにおける留意点

●発表②⑥

総評と

振り返り20 分

○総評

○本科目全体を振り返り、ポイントについて講義する

<参考文献・引用文献>○日本福祉用具・生活支援用具協会(JASPA) http://www.jaspa.gr.jp/index.html

http://kensyu-point.zfssk.com/http://www.techno-aids.or.jp/TaisCodeSearch.php

○全国介護保険担当課長会議資料 平成 14 年 6月 4日 福祉用具・住宅改修の普及及び活用促進について

163

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介護支援専門員専門研修課程Ⅱ

6 各科目のガイドライン

1.目的

看護サービスの活用が必要な事例を用いて講義・演習を行うことにより、看護サービスの活用に係る知識及び

効果的なケアマネジメント手法を修得する。また、演習等で得られた看護サービスの活用に係る示唆、留意点等

を踏まえ、他の事例にも対応することができる知識・技術を修得する。

2.内容

・各自が担当している看護サービスを組み入れた居宅サービス計画等を持ち寄り、事例に関して分析した内容の

発表、意見交換等を通じて、適切なアセスメントを行う際の留意点や居宅サービス計画等の作成における留意

点を理解、再確認する。それらの留意点や必要に応じ根拠となる各種統計データを活用する等により、別の類

似の事例等にも広く対応することができる知識・技術を修得する。

・看取り等を含む看護サービスを活用するに当たって重要となる各種知識や医師、看護師等との連携方法に関

する講義を行う。

・看取り等を含む看護サービスを検討するに当たり、効果的なものとなるようインフォーマルサービスも含めた地域

の社会資源を活用したケアマネジメントの展開に関する講義を行う。

3.関連科目と修得目標

(1)関連科目 研修体系において、本科目に関連性の高い科目は以下の通りである。

実務研修 ⑮-5 ケアマネジメントの展開「看取りに関する事例」

専門研修課程Ⅰ ⑥-2 ケアマネジメント演習「看取り等における看護サービスの活用にかかる事例」

専門研修課程Ⅱ

主任介護支援専門員

研修③ターミナルケア

主任介護支援専門員

更新研修

②-2主任介護支援専門員としての実践の振り返りと指導・支援の実践

「看取り等における看護サービスの活用に関する事例」

②-2 ケアマネジメントにおける実践事例の研究及び発表

「看取り等における看護サービスの活用に関する事例」

講義・演習

4時間

164

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介護支援専門員専門研修課程Ⅱ

6 各科目のガイドライン

(2)修得目標

修得目標修得分野 対応する研修内容

※次項の番号に対応しています知識 技術 態度

①看護サービスを組み入れた居宅サービス計

画等の実践事例について意見交換を通して

分析し評価できる。

● ● ● (2)(4)(5)

②分析し評価した内容を受講者間で共有し、ア

セスメントや居宅サービス計画等の作成に

おける留意点を判断できる。

● ● ● (7)

③各種統計データを活用する等により、別の類

似の事例等への応用ができる。● ● ● (1)

④地域の各種統計データを必要に応じて活用

することにより、他の事例へも応用できる● ● ● (1)

⑤看取り等を含む看護サービスを活用するに

あたって各種知識や医師、看護師等との連携

方法への応用ができる。

● ● ● (3)

⑥看取り等を含む看護サービスの地域の社会

資源(インフォーマルサービス等)を活用し

たケアマネジメントを実施できる。

● ● ● (6)(7)

165

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介護支援専門員専門研修課程Ⅱ

6 各科目のガイドライン

4.内容 修得目標を踏まえ、本科目で研修すべき主な内容は以下の通りである。

(1)看取りを取り巻く動向

①在宅医療に関するニーズ調査

在宅医療に関するニーズ調査について終末期医療に関する調査(各年)によると、自宅で療養して、必要にな

れば医療機関等を利用したいと回答した者の割合を合わせると、60%以上の国民が「自宅で療養したい」と回答

している。また要介護状態になっても、自宅や子供・親族の家での介護を希望する人が 4 割を超えた。住み慣れ

た環境でできるだけ長く過ごせるよう、また望む人は自宅での看取りも選択肢になるよう、在宅医療を推進してい

く必要がある、としている。

注;調査対象及び客体は、全国の区市町村に居住する満20歳以上の男女から5,000人を層化二段無作為抽

出法により抽出・150 国勢調査区の住民基本台帳から客体を無作為に抽出したもの

②死亡数・死亡率について

・平成 23年の死亡数・死亡率(人口 10万対)を死因順位別にみると、第 1位は悪性新生物で 35万 7185人、

283.1、第 2位は心疾患19万 4761人、154.4、第 3位は肺炎12万 4652人、98.8、第 4位は脳血管疾患で、

12 万 3784 人、98.1 となっている。

・主な死因の年次推移をみると、悪性新生物は、一貫して上昇を続け、昭和56年以降死因順位第1位となり、

平成 23 年の全死亡者に占める割合は 28.5%となっている。全死亡者のおよそ 3.5 人に 1 人は悪性新生物

で死亡したことになる。

・心疾患は、昭和 60 年に脳血管疾患にかわり第 2 位となり、その後も死亡数・死亡率ともに上昇傾向であった

が、平成 21 年に減少した。平成 22年から再び上昇し、平成 23年の全死亡者に占める割合は 15.5%となっ

ている。

・肺炎は昭和 50 年に不慮の事故にかわって第 4 位となり、上昇と低下を繰り返しながら上昇傾向を示してきた

が、平成23年は脳血管疾患にかわり第3位となり、平成23年の全死亡者に占める割合は9.9%となっている。

・脳血管疾患は、昭和 26年に結核にかわって第 1位となったが、昭和 45年をピークに低下しはじめ、昭和56

年には悪性新生物にかわり第 2 位となった。昭和 60 年には心疾患にかわって第 3 位となり、その後も死亡

数・死亡率ともに低下傾向であったが、平成 23 年には、肺炎にかわり第 4 位となり、全死亡者に占める割合

は 9.9%となっている。

③訪問看護の利用

各年「患者調査」によると、退院後、在宅療養に移行し、訪問診療または訪問看護を利用した患者の在院日数

を経年変化で見ると、10 年で約 20 日間短縮しており、すべての退院患者の在院日数よりも短縮率が高い。そこ

からも、今後は在院日数短縮に向けて、訪問看護導入の上、急性期病院から直接、在宅へというケースが増え

てくる。

④訪問看護の利用状況と自宅死亡の割合

・県別高齢者人口千人当たりの訪問看護利用者数は地域特性や状況により格差がある。

・高齢者の訪問看護利用者数が多い都道府県では、在宅で死亡する者の割合が高い傾向がある。

老人保健健康増進等事業「訪問看護事業所の基盤強化に関する調査研究事業」平成 22 年

・訪問看護指示書を受けている医療機関数は平均 26.8 件だった。

166

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介護支援専門員専門研修課程Ⅱ

6 各科目のガイドライン

⑤訪問看護の連携先

老人保健健康増進等事業「訪問看護事業所の基盤強化に関する調査研究事業」平成 22 年では、

・居宅サービス計画書を受け取っている居宅介護支援事業所は平均 17.3 件だった。

・訪問看護に関し、直接の報酬につながらない相談の頻度について、「頻繁に」と「たまに」の合計でみると、介

護支援専門員からは 96.7%、医師からは 77%、他機関の看護師からは 64.6%だった。

・報酬なしの相談は、訪問看護師は医療・介護の連携拠点としての機能を果たしている。

訪問看護を取り巻く動向、人口動向等をみても、ますます介護支援専門員は訪問看護との連携を図る必要が

出てくる。在宅での支援において医療との調整を図る介護支援専門員の役割は大きい。

⑥看取りの対象

リン(J.Lym)らは、高齢者の死に至る経過に次の三つのパターンがあることを示した。

・がん:死亡の数週間前に全身の機能が急激に悪化するパターン

・慢性疾患(臓器障害(心臓・肺など)):急性増悪と緩解を繰り返し、徐々に 2~5 年で悪化するパターン(経過の

後半になると治療して改善するかどうかの予測は困難)

・老衰や認知症:5 年以上にわたり徐々に機能が低下するパターン

⑦看取りの場所

・死亡数・死亡率

・21 世紀は、総死亡数が増加する「多死の時代」といわれ、超高齢化社会においてその看取りをどこで迎える

かは大きな問題となっている

・高齢者住宅を含む居住の場や特別養護老人ホームなど、医療機関以外の場所での看取りが含まれる。

・グループホームや特定施設入居者介護(有料老人ホ一ム)、ケアハウスなどに、医療保険を用いた訪問看護

が適用されるようになった。

・今後、多様な居住の場での在宅ケアと看取りの充実がいっそう重要になる。

(2)在宅看取りについて

(ア)条件

・利用者その家族が「家で過ごしたい、家で過ごさせてやりたい」という意思があること。

・医療チームの体制(往診・訪問診療、訪問看護など)が整っていること。

・介護力(介護職の支援を含む)が整っていること 。

・24 時間体制のケアができること。

・病院(ホスピス等)との連携ができること。

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介護支援専門員専門研修課程Ⅱ

6 各科目のガイドライン

(3)社会資源について

①医療保険・介護保険等

・介護保険制度の利用の過程の中で、訪問看護での末期癌のケア(再発・予後不良など)、癌以外の疾患の急

性増悪による看取りのケアなど、医療保険が適用されるものがある。保険の適用の組み合わせなど制度の理

解をしたうえで、看取りのケアマネジメントしていくことが必要である。

②訪問看護師との協働・連携

・訪問看護師と看取りの支援開始後も継続的にこまやかなアセスメントと評価をする。

・全体的な視点(ICF)からアセスメントし、訪問看護との情報交換により、さまざまな側面からアプローチをする

・QOL を向上させるケアの為に社会資源活用を考慮し取り入れてみる。

・治療における予想される副作用や急変に対して観察を行い、徴候があれば直ちに医師に報告し、対処の指

示を仰ぐようルートを確保し訪問看護師と確認する。

・できるだけ予防的に対処し、苦痛や不安を生じないようにすることが重要である。

③多職種との連携

利用者や家族は様々な思いを抱えながら看取りの時期を迎える。看取りの時期に入っても、気持ちは揺れ動

くことがある。利用者や家族の思いを聞き支えていくには、多職種の連携が大きな支えとなっていく。その事

を自覚し、多職種との連携を図ることが大切になる。

・訪問介護・福祉用具貸与・訪問入浴・通所介護などさまざまなサービスと連携し、チームづくりが必要となる。

・医療との関連で、訪問薬剤師や医療機器の担当者などにも、在宅で接することもある。

・24 時間体制の在宅療養支援診療所の医師は在宅の看取りには必ず必要とされるため、病院から退院時に

は地域の医師と連携し、訪問診療や往診に対応してもらえるように確認しておく必要がある。

・この緊急体制が整わず、往診が望めない病院の医師のみが主治医の場合には、亡くなった際に死亡診断書

を書いてもらえずに検死となり、つらい思いをすることもあるので注意が必要である。

・必要によっては調剤薬局また訪問薬剤管理指導を組み入れる。

・苦痛や不安除去・緩和の方法を多職種とともに検討する。

・医療処置や治療の副作用症状、自覚症状などを観察できるよう多職種との役割を明確にしておく。

・痛みや不安を緩和させるため、マッサージ、タッチング、音楽療法、散歩など、リラクゼーションできる方法を

併用するための支援を居宅サービス計画へ組み入れる。

④他の社会資源の活用

・看取りにおいて、医療的なサポートだけでは、利用者・家族の支援は難しいこともある。QOL を高めるために

も、様々なインフォーマルサポート・サービスと共に社会資源の活用が必要である。活用における詳細につい

ては、「専門研修課程Ⅱ②-6社会資源の活用に向けた関係機関との連携に関する事例」の章を参照のこと。

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介護支援専門員専門研修課程Ⅱ

6 各科目のガイドライン

(4)疼痛緩和について

・看取りにおいて必要とされる援助は、癌末期の場合は特に、症状緩和のための疼痛コントロールであり、医

師や薬剤師等との協働で行う必要がある。癌患者だけではなく、他の疾患においても症状が悪化した場合に

は、もちろん何らかの痛みの緩和ケアが必要となる。

・看取りの利用者・家族にとって、不快や苦痛を伴う症状の中でも、特に疼痛が十分にコントロールされること

が、在宅療養を安心して継続するための条件となる。

・疼痛コントロールは、WHO方式癌疼痛治療法指針(1986 年)に基づいて行うことで、70~90%の痛みが緩和さ

れるといわれている。

・在宅で一般に実施可能な疼痛緩和の方法は、薬剤の投与である。

・WHO3 段階除痛ラダーでは、非オピオイド、弱オピオイド、強オピオイドと、疼痛の程度に応じた鎮痛薬の段

階的使用方法を提示している。モルヒネ塩酸塩、強オピオイド鎮痛薬の代表である。

※トータルペインの理解

・癌末期の利用者の疼痛はトータルペインと呼ばれ、身体的のみならず、さまざまな要因が絡み合っている。

十分なアセスメントが必要である。上記で述べているが、癌末期に限らず、看取りの時期では様々な痛みが

伴う。その場合にも全体的な捉えとしてのアセスメントが必要となる。

・ただし、在宅では、心理的・社会的な部分で寝たきりであっても、家族の一員としての役割が果たせて、心理

的にも落ち着き、ひいては霊的スピリチュアルな意味での、自分がそこに在ることの意義を見いだすことがで

き、その全体的な統合で、身体的な苦痛・不安も軽減されることがある。

(5)ケアについて

①必要なケアの視点

・疼痛治療の原理原則を十分に理解する。

・訪問看護師との連携により、疼痛治療の効果を最大限に有効に使用できるよう調整する。

・副作用を最小限にするために、使用前に十分に医療職との共通認識、調整をはかり居宅サービス計画に反

映させ、利用者が家族とともに実践できるよう支援する。

・薬物の取り扱い等についても薬剤師等の導入の必要性を理解する。

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介護支援専門員専門研修課程Ⅱ

6 各科目のガイドライン

(6)地域の社会資源を活用したケアマネジメントについて

①家族へのケア

・看取りの時期にある利用者を抱えた家族は、ことに癌患者の場合は不安を抱えている。

・家族の思いに耳を傾けること、家族が安心して介護できるように、家族が一生懸命できていることを支持する

事が重要である。

・家族の思いと利用者本人の思いがずれる場合もあり、調整が必要な場合もある。

・反対に、家族の意見に同調しすぎて、利用者の状態が無視されることもある。

・看取りの時期にある利用者と家族は、時間の余裕がなく、これらの状況が生じた場合に修正が不可能な場合

がある。

・家族といってもさまざまで、今まであまり介護に参加しなかった遠くにいる家族がキーパーソンであることもあ

り、後で混乱を生じたりすることがある。

・家族よりも近い存在の友人・知人がいる場合もある。

・様々な情報を考慮して利用者と家族に決定してもらう。

・支援体制を提示し、状況を把握し安心して決定できるよう支援していくことが大切になる。

・利用者のそれまで生きてきた過程での関係性が色濃く反映するため、把握に努める。

・看取りの時期だからこそ、今までとは違った家族模様が展開される。

・家族との関係がアセスメントには必要となってくることを理解する。

・秘密保持と、利用者にとっての権利擁護が必要となる場面は、調整役として重要であることを指導する。

・ケアの中心はあくまでも、その中心にいる利用者とその家族であり、家族も同じように不安や緊張や悲嘆の中

にあり、ケアの対象として接していく必要がある。

②遺族へのケアについて

・亡くなった後の遺族へのケアは、現在は医療保険・介護保険の適用とはなっていない。

・遺族の中には、身体症状として胃潰瘍を起こしたり、血圧の変動があったり、またうつ状態に陥ったりと、家族

を失った喪失の悲しみから立ち直れない状態になる人もいる。利用者の死亡後の遺族のケアが必要な場合

は十分モニタリングして遺族の心情の理解を図る事が重要である。

・介護支援専門員は共に遺族をフォローし、当事者組織の集まり(遺族会等)を紹介したりすることも重要となる。

・治療や介護に関する清算やその他各種手続きについても情報提供し、対応する事が必要である。

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介護支援専門員専門研修課程Ⅱ

6 各科目のガイドライン

(7)ケアマネジメントの各プロセスにおける留意点

①インテーク

<利用者・家族>

・告知をうけているかどうか、死について利用者、家族の受けとめ

・告知されている場合は、どのような死を迎えたいかの意向

・告知されていない場合の家族の意向、利用者への説明

<医療者との情報共有>

・入院中の経過、治療、看護、考えられるリスクと状態変化

・今後の通院先、フォローアップ先・・・緊急時の連絡先

②アセスメント

(ア)様々な健康状態の把握

・病気の状況(悪性新生物、心疾患、脳疾患、肺炎、腎不全、糖尿病ほか)・痛み(強さ・場所・種類・痛みの日

常生活への影響)・呼吸状態(呼吸数・呼吸パターン・呼吸困難感・咳)・循環機能(体温・脈拍数・脈のリズム・

血圧・浮腫)・全身倦怠感・水分バランス(水分摂取量・嘔吐・下痢) ・栄養状態(食欲・経口摂取量・食べたい

食べ物 ・口腔内の状態(口内炎・苦答・乾燥)・睡眠時間等

(イ)参加の意志や環境因子についての重要事項

・死までにやりたいことは何か等・やりたいことが実現できる支援体制があるか等

・家族を含め周囲の者が終末期だと理解しているか

・死までの支援体制が整えられているか

・家族のつらさを支援する体制があるか

・経済面はどうか

・公的・私的サービス,制度・政策はどうか

・利用者が死をどのようにとらえているか

・精神的な痛みについて(死への恐れ・人生の後悔・人間関係の悩み・生きる意味の喪失)等

【項目のポイント】

・安定期から看取りまでの過程、経過を念頭に置きながら、利用者と家族の心理的状況を意識してお

く必要性を説明する。

・利用者の死の迎え方の希望を尊重し、家族や重要他者とケアチームが意思決定のプロセスを共有する

・利用者本人の希望や意思を確認し、十分な情報提供に基づく自己決定を尊重し関係者間で合意形成

するプロセスが重要である。

・利用者は自己表明しないことも多く、家族の意向がより重視されるなどの課題があることを指摘し

ておく。

③居宅サービス計画原案作成

・今後予想されるリスクを医療者側から整理してもらい、居宅サービス計画に反映させる。

・悪化時、急変時の連絡ルートを明確にしておく。

・悪化時、急変時の症状の出現や対処について専門的見地からの情報を居宅サービス計画に記載してお

く。。

・利用者、家族にとってはつらい事実であっても、その状況を踏まえて、協力体制をあらかじめ確認しておく。

・家族1人ひとりが過去に何を体験し、お互いがどのような考えをもって生きてきたかを知り居宅サービス計画

に反映させる。

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介護支援専門員専門研修課程Ⅱ

6 各科目のガイドライン

・主介護者だけではなく、幼いこどもも含めた家族介護全体の生活の変化とストレスを知り、チームで統一した

支援方針を立てる。

・家族の関係性から身体的な痛みが増強することを知り、支援する役割分担を作成する。

・より良い家族の関係性の中で生活が継続できるよう、必要なサービスを導入し、のちの療養方針を利用者、

家族の同意を得ながら調整する。

・不安なく最期を看取ることができるようサービス調整を図り役割分担、支援する。

④サービス担当者会議

・現状の理解をできるだけ事前に行い、利用者や家族の意志が理解されるようにおこなう。

・特に医療的見地から、家族やサービス事業者が支援する際のポイントを整理し、安心して支援できるようにする。

⑤サービス提供や介入

・急変時に不安が大きくなるので、連絡先を共有しておく。

・チームとして決まった方針に則って活動できるよう、方針を明確にする。

・ケアや日々の状況をチーム全体が確認閲覧できる記録などの方法を提案し、専門職に報告すべき事柄は速

やかに報告する体制への協力を求める。

⑥モニタリング・評価について

・ターミナル期における介護支援専門員の役割は、「利用者の人生の最期に、苦痛を軽減し、安心感をもって

もらう」ことである。

・ターミナルケアは、多職種と協働のなかで、利用者がいつ亡くなっても混乱がないよう、緊張感のあるなかで

進められていくことを理解できるようにする。

・介護支援専門員自身が利用者・家族の不安や悲しみを一人で抱え込んでしまうことがある。自分が経験した

支援内容を意見交換し、分かち合える場として、一人で燃え尽きてしまわないよう、同僚や先輩、管理者な

どと話し合うことが必要となる。

・ケースカンファレンスを開催し振り返ることもひとつの方法である。

⑦終結・フォローアップについて

・人の死は、実にさまざまな思いを家族のなかに残す。それを考え、よりよい別れができるよう、個々に合わせ

た援助が必要となってくる。遺族へねぎらいの言葉をかけ、助言者ではなく悲しみを共有する、よき聞き手に

なることに留意する。とくに、生前の利用者との関係、看取りの問題に関して遺族が罪悪感をもたないように配

慮する。

・ターミナルケアにかかわった専門職チーム全員で、遺族のために、遺族と利用者の生前のさまざまなことを共

有する事もある。いつでも支援する姿勢があることを遺族に伝えることもひとつの支援であることを伝える。

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介護支援専門員専門研修課程Ⅱ

6 各科目のガイドライン

5.科目のポイント

・各自が担当している看護サービスを組み入れた居宅サービス計画等を持ち寄り、事例に関して分析した内

容の発表、意見交換等を通じて、適切なアセスメントを行う際の留意点や居宅サービス計画等の作成におけ

る留意点を理解、再確認できるよう、事例からデータと比較し持ち寄り事例を分析できるよう示唆する。

・それらの留意点や必要に応じ根拠となる各種統計データを活用する等により、持ち寄った事例が一般的な

看取りの留意点と同じ所はどこか、個別性のつよい所はどこかを明らかにすることで、別の類似の事例等にも

広く対応することができるようにする。関わった看取り事例から、現象を読み取れる力をつけていく。

・かかわりはじめの時期に、家族が介護役割をどのように担い、どのような看取り方を希望するのか、介護に対

する希望や期待度を確認する。期待度に応じたケアを行い、介護負担の軽減に努めるとともに、死別の準備

ができるようなかかわりが必要となることを押さえる。

・医師、看護師等との連携方法を振り返ることで、看取り等を含む看護サービスの活用方法を理解していける

よう結びつけていく。

・持ち寄った事例から、看取り等を含む看護サービスの検討により、効果的なものとなるようインフォーマルサ

ービスも含めた地域の社会資源の必要性を理解できるよう説明していく。また看護サービスを活用したケアマ

ネジメントの展開が理解できるよう指導していく。

・各自が担当している看護サービスを組み入れた居宅サービス計画等を持ち寄り、事例に関して分析した内

容の発表、意見交換等を通じて、適切なアセスメントを行う際の留意点や居宅サービス計画等の作成におけ

る留意点を理解、再確認できるよう、事例からデータと比較し持ち寄り事例を分析できるよう示唆する。

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介護支援専門員専門研修課程Ⅱ

6 各科目のガイドライン

6.講義・演習の展開例 (240 分)

下記の時間数は正味の時間数であり、適宜休憩を挟んで展開すること。

構成 時間 内容 修得目標

導入 10 分

○本科目の目的、修得目標を確認

・アイスブレイク

・研修記録シートを用いてそれぞれの目標を確認

講義 30 分

(1)看取りを取り巻く動向

○在宅医療に関するニーズ

○死亡数・死亡率について

○訪問看護の利用

○訪問看護の利用状況と自宅死亡の割合

○訪問看護の連携先

○看取りの対象

○看取りの場所

・提示事例をもとに、データと対比させながら、時代の変化、今後必要と

される看取りを説明し、適切なアセスメントを行う際の留意点や居宅サー

ビス計画等の作成における留意点を再確認していく。

(2)在宅看取りについて

(3)社会資源について

○医療保険・介護保険等

○訪問看護師との協働・連携

○多職種との連携

○他の社会資源の活用

(4)疼痛緩和について

(5)ケアについて

○必要なケアの視点

(6)地域の社会資源を活用したケアマネジメントについて

○家族へのケア

○遺族へのケアについて

●理解を深めるミニワーク

①③④

⑤⑥

演習 40 分

(7)ケアマネジメントの各プロセスにおける留意点

●個人ワーク

各自が担当している看護サービスを組み入れた居宅サービス計画等を

持ち寄り、講義でのデータを参照し、またテキストから、持ち寄り事例に

関して分析する。

項目

・在宅可能性の要素(在宅生活の意思、介護力、連携等)

・アセスメントは十分か(医療情報等)

・ニーズを解決する支援内容か(チーム編成は妥当か)

②⑥

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介護支援専門員専門研修課程Ⅱ

6 各科目のガイドライン

地域の社会資源の活用

・在宅生活に移行するにあたり連携は十分か

演習 140 分

(2)ケアマネジメントの各プロセスにおける留意点

●グループワーク

一人 20 分、6-7 名グループ

分析した結果を事例の説明とともに、プレゼンテーションしていく

10 分発表、10 分意見交換

②⑥

振り返り 20 分 ○本科目全体を振り返り、ポイントについて講義

<参考文献>○老人保健健康増進等事業「訪問看護事業所の基盤強化に関する調査研究事業」2010(平成 22)年

175

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介護支援専門員専門研修課程Ⅱ

6 各科目のガイドライン

1.目的

認知症に関する事例を用いて講義・演習を行うことにより、認知症に関する知識及び認知症の要介護者等に

有効なサービスを活用したケアマネジメント手法を修得する。また、演習等で得られた認知症の要介護者等に対

して有効なサービスの活用に係る示唆、留意点等を踏まえ、他の事例にも対応することができる知識・技術を修

得する。

2.内容

・各自が担当している認知症である要介護者等の居宅サービス計画等を持ち寄り、事例に関して分析した内容

の発表、意見交換等を通じて、適切なアセスメントを行う際の留意点や居宅サービス計画等の作成における留

意点を理解、再確認する。それらの留意点や必要に応じ根拠となる各種統計データを活用する等により、別の

類似の事例等にも広く対応することができる知識・技術を修得する。

・認知症の要介護者等及び家族を支援するに当たり重要となる各種知識及び医療職をはじめとする多職種や地

域住民との連携方法に関する講義を行う。

・認知症である要介護者等を検討するに当たり、効果的なものとなるようインフォーマルサービスも含めた地域の

社会資源を活用したケアマネジメントの展開に関する講義を行う。

3.関連科目と修得目標

(1)関連科目 研修体系において、本科目に関連性の高い科目は以下の通りである。

実務研修 ⑮-3 ケアマネジメントの展開「認知症に関する事例」

専門研修課程Ⅰ ⑥-3 ケアマネジメント演習「認知症に関する事例」

専門研修課程Ⅱ

主任介護支援専門員

研修⑨個別事例を通じた介護支援専門員への指導・支援の展開

主任介護支援専門員

更新研修

②-3主任介護支援専門員としての実践の振り返りと指導・支援の実践

「認知症に関する事例」

②-3 ケアマネジメントにおける実践事例の研究及び発表

「認知症に関する事例」

講義・演習

4時間

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介護支援専門員専門研修課程Ⅱ

6 各科目のガイドライン

(2)修得目標

修得目標修得分野 対応する研修内容

※次項の番号に対応しています知識 技術 態度

①認知症である要介護者等の居宅サービス計画等

の実践事例について意見交換を通して分析し評

価できる。

● ● ● (1)

②分析し評価した内容を受講者間で共有し、アセ

スメントや居宅サービス計画等の作成における

留意点を判断できる。

● ● ● (2)(4)

③各種統計データを活用する等により、別の類似の

事例等への応用を実施できる。● ● ● (1)

④地域の各種統計データを必要に応じて活用する

ことにより、他の事例へも応用できる。● ● ● (3)

⑤医療職をはじめとする多職種や、地域住民との連

携方法への応用を実施できる。● ● ● (3)

⑥地域の社会資源(インフォーマルサービス等)

を活用したケアマネジメントを実施できる。● ● ● (4)

177

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介護支援専門員専門研修課程Ⅱ

6 各科目のガイドライン

4.内容 修得目標を踏まえ、本科目で研修すべき主な内容は以下の通りである。

(1)認知症に関する基本的理解

①認知症の基礎知識の確認

・介護現場で多くみられる認知症には、アルツハイマー型認知症、血管性認知症、レビー小体型認知症、前

頭側頭型認知症などがあり、その疾患の特徴を説明する。

・認知症の中核症状、行動・心理症状の特性を理解する。

・専門研修課程Ⅰやそれ以降の実務経験でも一定程度学習している内容である。しかし、介護現場では認知

症の利用者が増えている現状があり、その基本的知識の重要性を伝える。

②認知症の原因疾患以外の疾患の影響

・慢性疾患による影響を伝える。

・体調の不調(脱水、不眠、便秘など)が、行動に影響を与える事を説明する。合わせて持つ疾患や体調不良

が、行動に影響を与える事を伝える。

③利用者本人、家族の意向の確認

・認知症であっても、利用者本人の意向を引き出す努力をする。

・家族の意向を確認する。

・利用者、家族の意向に沿った目標になっているか確認する。

・利用者本人の意思確認において、日常的な会話が出来る場合は必ず利用者に尋ねる事を伝える。勝手にわ

からないと決めつける事はおこなわない。家族の意向を伺う際は、介護をしている家族に確認をすることが重

要である。

④家族の介護状況の把握及び支援方法

・認知症の場合、その家族の介護負担を軽減する視点を持つことが重要である。

・家族の介護状況を適切に把握し、身体的、精神的負担を軽減する方法を一緒に検討する。

【項目のポイント】

・家族は第2の対象者である。利用者だけでなく、家族の状況も確認する。また、逆に家族の訴えだ

けを取り上げないようにする。

⑤認知症の適切なアセスメントと地域の社会資源を活用したケアマネジメント

(ア)適切なアセスメントの視点

・認知症のアセスメントはチームアプローチで行い、多職種協働で情報収集及び分析する事を説明する。

・BPSDについては、表面的な現象に目を奪われて問題対処だけを検討するのではなく、原因と背景を把握

して利用者本人に一番適切な方法を選択しているか検討する。

・BPSDに対するケアの基本的な方針を全員で共有しているか、確認することが必要である。また、認知症ケ

アは多職種協働で進めるものであるとの基本認識をしっかりと理解してもらう。

(イ)地域の社会資源の活用

・様々な状況等を勘案した、実践しうる複数の対応策が示せる。

・認知症の利用者を支援するためには、公的介護保険サービス以外に多様な地域のインフォーマルサービス

が必要である。生活支援サービス、地域の見守り体制、認知症サポーター、徘徊高齢者SOSネットワークとい

うような地域の力を活かしたケアマネジメントができる。

178

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介護支援専門員専門研修課程Ⅱ

6 各科目のガイドライン

【項目のポイント】

・介護支援専門員は、事例を活用して、さまざまな社会資源の具体的な活用方法を示すことが必要で

ある。

(2) ケアマネジメントの各プロセスにおける留意点

①インテーク

・相談内容の確認及び主介護者とキーパーソンの確認

・信頼関係を樹立

・コミュニケーションの工夫や家族、キーパーソンの同席等の留意

②アセスメント

・適切なアセスメントを行い、身体状況、精神的状況、利用者の意向の確認や利用者の思いを明らかにするこ

とが出来る。

・収集、整理した情報を分析しニーズを抽出する際は、センター方式やひもときシートなどを活用し、課題整理

総括表等で整理する。

③居宅サービス計画原案作成

・利用者の自立支援・家族の介護負担の軽減

・公的介護保険サービスやインフォーマルサービスの活用

・優先順位のつけ方

・チームアプローチ

④サービス担当者会議

・利用者の意向の確認、家族の介護負担の軽減、対応方法の明確化・共有

・地域の社会資源の活用に関する多専門職の意見聴取

⑤サービスの提供や介入

・個別サービス計画の確認、具体的サービス内容の確認、なじみの関係、適切な環境作り

⑥モニタリング

・利用者の生活状況、家族の介護状況・サービス提供状況の確認

・修正の必要性

⑦評価

・短期目標の到達状況、利用者の生活状況の確認

・認知症に伴う行動や精神不安の軽減が図れているか確認

179

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介護支援専門員専門研修課程Ⅱ

6 各科目のガイドライン

(3)個別支援を取り巻く環境

①多職種協働

・地域ケア会議等の活用

介護支援専門員、地域包括支援センター職員、行政、かかりつけ医、サービス提供事業所、友人・知人

②地域づくり

・地域生活を支える医療サービス、地域生活を支える介護サービス

・地域において認知症の正しい理解の促進

・見守りネットワーク体制の構築、ボランティアなど

(4)事例による展開

※前項(1)~(3)の内容を踏まえて事例を用いて展開する

5.科目のポイント

(1)全体的な科目のポイント

・各自が担当している認知症である要介護者等の事例を持ち寄り、お互いに内容を分析し、意見交換等を通

じてアセスメントや居宅サービス計画等の留意点を再確認する。

・演習に当たっては、課題整理総括表等や評価表等を活用し、課題分析を通じたニーズの抽出やモニタリン

グ時の評価における考え方の理解につなげる。

・認知症の要介護者等及び家族を支援するに当たり、重要となる各種知識及び医療職をはじめとする多職種

や地域住民との連携方法を確認する。

(2)演習時のポイント

・専門研修Ⅱの受講者は、すでに事業所内で指導的な立場で従事し、経験を積んできたと考えられる。情報

収集の視点を説明する能力を確認する。

・演習で得られた示唆や留意点から、他の事例にも対応できるようにする。

・演習で利用する素材の例

相談記録、基本情報、アセスメント、居宅サービス計画、支援経過

担当者会議録 等

180

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介護支援専門員専門研修課程Ⅱ

6 各科目のガイドライン

6.講義・演習の展開例 (240 分)

下記の時間数は正味の時間数であり、適宜休憩を挟んで展開すること。

構成 時間 内容 修得目標

導入 10 分

○本科目の目的、修得目標を確認

・アイスブレイク

・研修記録シートを用いてそれぞれの目標を確認

講義 50 分

(1)認知症に関する基本的理解

○認知症の基礎知識の確認

○認知症の原因疾患以外の疾患の影響について

○利用者本人、家族の意向の確認

○家族の介護状況の把握及び支援方法

○認知症の適切なアセスメントと地域の社会資源を活用したケアマネ

ジメント

●理解を深めるミニワーク

①③

講義 40 分(2)ケアマネジメントの各プロセスにおける留意点

●理解を深めるミニワーク②

演習 10 分(4)事例による展開

●演習の目的、手順の説明

演習 120 分

(4)事例による展開

●各持ち寄り事例についての検討

・事例における情報の収集と分析、利用者の能力の把握の共有化

・課題抽出のポイントの理解

・地域の社会資源を検討

・認知症ケアにおける医療連携をはじめとする多職種協働のポイント

の理解

(3)個別支援を取り巻く環境

○多職種協働

○地域づくり

●普遍化に関するグループワーク

・グループ内での意見交換

・グループ発表

②⑤⑥

講義 10 分 ○本科目全体を振り返り、ポイントについて講義

<参考文献>

○山口晴保編著、佐土根郎・松沼記代・山上哲也著「認知症の正しい理解と包括的医療・ケアのポイン

ト第 2 版」共同医書出版社、2010

181

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介護支援専門員専門研修課程Ⅱ

6 各科目のガイドライン

1.目的

入退院時等における医療との連携に関する事例を用いて講義・演習を行うことにより、医療との連携に必要な

知識及び医療との連携を踏まえた効果的なケアマネジメント手法を修得する。

また、演習等で得られた入退院時等における医療との連携に係る示唆、留意点等を踏まえ、他の事例にも対

応することができる知識・技術を修得する。

2.内容

・各自が担当している入退院時等におけるケースの居宅サービス計画等を持ち寄り、事例に関して分析した内容

の発表、意見交換等を通じて、適切なアセスメントを行う際の留意点や居宅サービス計画等の作成における留

意点を理解、再確認する。それらの留意点や必要に応じ根拠となる各種統計データを活用する等により、別の

類似の事例等にも広く対応することができる知識・技術について講義を行う。

・家族に対する支援に当たり重要となる各種知識や関係機関、地域住民をはじめとする多職種との連携方法に

関する講義を行う。

・家族支援が必要なケースを検討するに当たり、効果的なものとなるようインフォーマルサービスも含めた地域の

社会資源を活用したケアマネジメントの展開に関する講義を行う。

3.関連科目と修得目標

(1)関連科目 研修体系において、本科目に関連性の高い科目は以下の通りである。

実務研修⑦-1~5 ケアマネジメントに必要な基礎知識及び技術

⑮-1~6 ケアマネジメントの展開

専門研修課程Ⅰ⑤ケアマネジメントに必要な医療との連携及び多職種協働の実践

⑥-4 ケアマネジメントの演習「入退院時における医療との連携に関する事例」

専門研修課程Ⅱ ②-1~7 ケアマネジメントにおける実践事例の研究及び発表

主任介護支援専門員

研修⑦ケアマネジメントに必要な医療との連携及び多職種協働の実現

主任介護支援専門員

更新研修

②-1~7 主任介護支援専門員としての実践の振り返りと指導・支援の実践、

②-4主任介護支援専門員としての実践の振り返りと指導・支援の実践

「入退院時等における医療との連携に関する事例」

②-4 ケアマネジメントにおける実践事例の研究及び発表

「入退院時等における医療との連携に関する事例」

講義・演習

4時間

182

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介護支援専門員専門研修課程Ⅱ

6 各科目のガイドライン

(2)修得目標

修得目標修得分野 対応する研修内容

※次項の番号に対応しています知識 技術 態度

①入退院時におけるケースの居宅サービス計

画等の実践事例について意見交換を通して

分析し評価できる。

● ● ● (1)

②分析し評価した内容を受講者間で共有し、ア

セスメントや居宅サービス計画等の作成に

おける留意点を判断できる。

● ● ● (2)

③各種統計データを活用する等により、別の類

似の事例等への応用ができる。● ● ● (1)

④地域の各種統計データを必要に応じて活用

することにより、他の事例へも応用できる。● ● ● (1)

⑤医療職をはじめとする多職種との連携方法

への応用ができる。● ● ● (1)

⑥地域の社会資源(インフォーマルサービス

等)を活用したケアマネジメントを実施でき

る。

● ● ● (2)

183

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介護支援専門員専門研修課程Ⅱ

6 各科目のガイドライン

4.内容 修得目標を踏まえ、本科目で研修すべき主な内容は以下の通りである。

(1)知識の修得・基本理解

①入院から退院までの、場面に応じた連携

(ア)入院時の連携

・利用者や家族又は病院から入院したという一報がスムーズに入っているか確認する

・入院先の医療機関の機能や特徴、医療連携の窓口を、速やかに確認する。

・医療機関の連携担当窓口を確認し、入院までの経緯を説明する。

・入院先の医療機関が必要とする情報を確認し、情報提供をする。

・連携担当窓口(例:地域医療連携室や医療福祉相談室等)に出向き、今後の連携について相談する。

(イ)入院中の連携

・連携担当窓口(例:地域医療連携室や医療福祉相談室等)に出向き、リアルタイムに情報共有ができる。

・医療機関に確認した情報を、家族に対して再確認をすることができる。

・医療職と連携し、退院準備に向けて必要な情報を収集することができる(医師、看護師、リハビリ職、管理栄

養士、薬剤師、MSW、医療事務等)。

・利用者・家族の状況を確認し、特に家族の心境や状況の変化に配慮しながら、居宅サービス計画の作成準

備をすることができる。

・入院中の情報について、利用者家族の了解を得て、在宅主治医や関係機関に状況報告をすることができ

る。

・病状変化等がある場合、速やかにMSWや病棟看護師に状況確認をすることができる。

・今後の退院に向けた動きを踏まえ、退院前カンファレンスに参加する。場合により、開催を要望する。

(ウ)退院に向けた連携

・退院後の居宅サービス計画作成を視野に入れて、積極的に退院前カンファレンスに参加できる。

・退院前カンファレンスの目的を理解できる。

・退院前カンファレンスにおいて介護支援専門員が担う役割や立ち位置を理解している。

・退院後の在宅生活を予測しながら、病院側に必要な情報提供をすることができる。

・介護者の状況や環境整備の状況等について、病院側に情報提供をすることができる。

・退院後、病院側はどのような立ち位置で在宅チームと関わるか、確認することができる

・利用者の病状変化の可能性を踏まえ、緊急時の対応や役割分担等の確認ができる。

・退院後の居宅サービス計画に、どの専門職種を位置付ける必要があるか判断することができる

・優先的に対応すべき事項について、具体的に居宅サービス計画に反映することができる。

・医療ニーズを抱えた状態で退院する場合には、特に居宅療養管理指導との連携の必要性があるか確認す

ることができる。

・診療情報提供書と看護サマリーを必要に応じて依頼することができる。

・診療情報提供書と看護サマリーの取り扱い方法について理解している。

・退院前カンファレンスの内容を、居宅サービス計画に反映することができる。

・居宅療養管理指導(医師・薬剤師・歯科医師・管理栄養士)の視点から、連携や必要性の理解も深める事

で、より専門的視点に立った取り組みができる事を提示する。

184

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介護支援専門員専門研修課程Ⅱ

6 各科目のガイドライン

(2) ケアマネジメントの各プロセスにおける留意点

・医療機関の専門的取組に関して介護支援専門員がどのようにかかわったか、事例を通して展開する。

・医療機関における書類等に関して、どのようなものがあるかまたそれを介護支援専門員の情報収集としてど

のように扱うかの過程を提示する。

5.科目のポイント

・複数の対応策を検討し、その中から最適なものを選択する視点をもつ必要性がわかる。

・多様な保健・医療・福祉サービス、社会資源を組み込んだ居宅サービス計画を示すことができる。

・退院後、どのような生活に戻れるかをイメージし、見立てることができる。

・医療機関から得た情報を、ケアマネジメントに活かすことができる。

・退院後のリスクマネジメントを踏まえ、医療機関との連携の継続を意識できる。

・退院後の状況変化に対応できる体制を整えることができる。

・退院後の住み替えや住環境の整備についても検討を協働して行う事を提示することができる。

185

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介護支援専門員専門研修課程Ⅱ

6 各科目のガイドライン

6.講義・演習の展開例 (240 分)

下記の時間数は正味の時間数であり、適宜休憩を挟んで展開すること。

構成 時間 内容 修得目標

導入 20 分

○本科目の目的、修得目標を確認

・アイスブレイク

・研修記録シートを用いてそれぞれの目標を確認

講義 50 分

(1)知識の修得・基本理解

○入院から退院までの、場面に応じた連携

・特に、適切なアセスメントを行う際の留意点や、居宅サービス計画

等の作成における留意点を再確認する。

・実践事例の積み上げの上に、ケアマネジメントの質向上がある。別

の類似の事例等にも対応できる力をつけていくために、各種統計

データの活用等も有効であることを学ぶ。

●理解を深めるミニワーク

①③

④⑤

講義・演習 90 分

(2)ケアマネジメントの各プロセスにおける留意点

●各自の事例を持ちより発表。

・医療との連携において工夫した点、うまくいった点、うまくいかなか

った点などを明らかにし、自己分析をしたうえで、自分の弱点や苦

手意識、不足している視点等を振り返る。

②⑥

講義・演習 60 分

(2)ケアマネジメントの各プロセスにおける留意点

●共通事例を用いた検証・普遍化

・必要な医療系サービスの提案・導入ができる事例を活用し、退院

前の医療機関との連携や、退院後の医療系サービスを含めた多職

種との連携方法の視点を学ぶ。

【ミニワーク(40分)】

①退院前の医療機関との連携方法

②退院後の医療系サービスを含めた多職種との連携方法

③インフォーマル、フォーマルサービスを含めた、社会資源の活用

をしたケアマネジメントの展開ポイント等

医療機関と繋がり続けるために、介護支援専門員ができる工夫を検

討する。

②⑥

振り返り 20 分

○各自発表

・演習で何に気付くことができたかの確認

・自分の地域で、明日からできる医療との連携の取組を考える。

○本科目全体を振り返り、ポイントについて講義

【参考文献追加】

○川越正平 在宅医療バイブル 日本医事新報社、2014

○岡田晋吾/田城孝雄 スーパー総合医「地域医療連携・多職種連携」 中山書店、2015

186

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介護支援専門員専門研修課程Ⅱ

6 各科目のガイドライン

1.目的

家族への支援の視点が特に必要な事例を用いて講義・演習を行うことにより、家族の支援の視点も踏まえた効

果的なケアマネジメント手法を修得する。

また、演習等で得られた家族への支援に係る示唆、留意点等を踏まえ、他の事例にも対応することができる知

識・技術を修得する。

2.内容

・各自が担当している家族支援が特に必要なケースの居宅サービス計画等を持ち寄り、事例に関して分析した

内容の発表、意見交換等を通じて、適切なアセスメントを行う際の留意点や居宅サービス計画等の作成におけ

る留意点を理解、再確認する。それらの留意点や必要に応じ根拠となる各種統計データ等の活用等により、別

の類似の事例等にも広く対応することができる知識・技術を修得する。

・家族に対する支援に当たり重要となる各種知識や関係機関、地域住民をはじめとする多職種との連携方法に

関する講義を行う。

・家族支援が必要なケースを検討するに当たり、効果的なものとなるようインフォーマルサービスも含めた地域の

社会資源を活用したケアマネジメントの展開に関する講義を行う。

3.関連科目と修得目標

(1)関連科目 研修体系において、本科目に関連性の高い科目は以下の通りである。

実務研修 ⑦-1 ケアマネジメントに必要な基礎知識及び技術「受付及び相談並びに契約」

専門研修課程Ⅰ ⑥-5 ケアマネジメント演習「家族への支援の視点が必要な事例」

専門研修課程Ⅱ

主任介護支援専門員

研修⑨個別事例を通じた介護支援専門員への指導・支援の展開

主任介護支援専門員

更新研修

②-5主任介護支援専門員としての実践の振り返りと指導・支援の実践

「家族への支援の視点が必要な事例」

②-5 ケアマネジメントにおける実践事例の研究及び発表

「家族への支援の視点が必要な事例」

講義・演習

4時間

187

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介護支援専門員専門研修課程Ⅱ

6 各科目のガイドライン

(2)修得目標

修得目標修得分野 対応する研修内容

※次項の番号に対応しています知識 技術 態度

①家族支援が特に必要なケースの居宅サービ

ス計画等の実践事例について意見交換を通

して分析し評価できる。

● ● ● (1)

②分析し評価した内容を受講者間で共有し、ア

セスメントや居宅サービス計画等の作成に

おける留意点を判断できる。

● ● ● (2)

③各種統計データを活用する等により、別の類

似の事例等への応用ができる。● ● ● (1)

④地域の各種統計データ必要に応じて活用す

ることにより、他の事例へも応用できる。● ● ● (1)

⑤家族に対する支援にあたり、重要となる各種

知識や関係機関、地域住民をはじめとする多

職種との連携方法への応用ができる。

● ● ● (1)(3)

⑥地域の社会資源(インフォーマルサービス

等)を活用したケアマネジメントを実施でき

る。

● ● ● (2)

4.内容 修得目標を踏まえ、本科目で研修すべき主な内容は以下の通りである。

(1)家族への支援に関する知識の修得・基本理解

①家族観と家族の歴史・価値

・自己の体験に基づく家族とケースを支援する対象としての家族についての理解

・家族の歴史と価値の形成、家族独自の心情・規範・規則等が在宅介護に与える影響に関する理解

②家族システム論的アプローチの紹介

・1940 年代、ベルタランフィーによって提唱された一般システム理論と 1950 代に誕生した家族療法

・システムと家族システム

・一般システム理論

・家族システムの3つの視点(発達の視点、構造の視点、機能の視点)

・関係性を示す構造(全体性・境界・階層性)

・過程を示す制御(資源・恒常性・フィードバック)

・円環的因果関係、非累積性

③役割構造と勢力構造

・役割期待、役割認知、役割規定、役割遂行

・グループの勢力構造と決定権、規範的・経済的・個人的・認知的資源の活用

188

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介護支援専門員専門研修課程Ⅱ

6 各科目のガイドライン

④家族コミュニケーションの紹介

・ワツラヴィックらによる家族コミュニケーションの原則

・佐藤著の「健康な家族に見られるコミュニケーションの枠組み」

・モーテンセンの5つのコミュニケーションネットワーク

⑤家族を支援するために有効なさまざまなサービスや機関

介護支援専門員は、家族を支援するための地域のサービスを把握し、必要に応じて家族に紹介し、居宅サー

ビス計画に位置づけるなどする。

・日本ケアラー連盟・家族介護者の会(地域)

・家族介護支援プログラム(地域)

・家族介護者の会の立ち上げ支援(地域)

・家族介護者の会の運営支援(地域)

・介護者のための臨床心理士による相談(地域)

⑥家族介護支援に関する調査研究等の紹介

・全国国民健康保険診療施設協議会「家族介護者の実態と支援方策に関する調査研究事業」等

(2)ケアマネジメントの各プロセスにおける留意点

①インテーク

・相談に来ることができない、来ない家族(地域包括支援センター、アウトリーチ)

・語られない家族の内情、背景があることへの気づきと洞察

②アセスメント

・家族の健康・精神・社会とのつながりの状態

家族の健康・精神・社会とのつながりの状態(健康状態、セルフケア能力、価値観、就労・子育ての有無、24

時間の生活状況等)

※仕事と介護の両立の支援を行うためには、育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉

に関する法律の理解が必要

・家族関係と家族システムの構造、役割、日常生活維持能力、力関係、家族周期、家族コミュニケーション

・家族の潜在的な力

・アセスメント情報の限界と変化を続ける家族のアセスメントの視点

・家族環境システムの視点からのアセスメント

・仮説を前提とした居宅サービス計画作成への準備

③居宅サービス計画原案作成

・利用者の自立

・家族の負担のかかる介護や時間帯への配慮

・家族の価値観や家族の関係性への配慮

・家族以外のシステムの活用

189

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介護支援専門員専門研修課程Ⅱ

6 各科目のガイドライン

④サービス担当者会議

・多職種からみた家族像、家族アセスメントとニーズの確認

・多職種(担当者)と家族の関係性のアセスメントと多職種を資源とした活用

・必要な資源と家族のつなぎ

・必要な資源だが足りない資源の確認

⑤サービスの提供や介入

(ア)家族への働きかけ(介入)

・家族を労う・家族の不安や悩みを話し解決する態度

・対象となる家族へのアプローチ・家族のエンパワメント・家族のレジリエンス

・パートナーシップと交渉・家族と利用者の情緒的結びつきを支える・必要な資源と家族をつなぐ

⑥モニタリング

・家族の負担感、介護への意欲の度合

・家族の健康・精神・社会とのつながりの状態

家族の健康・精神・社会とのつながりの状態(健康状態、セルフケア能力、価値観、就労・子育ての有無、24

時間の生活状況等)

・サービス利用による家族の生活の状況、達成度や負担感

・サービス利用に伴う家族の相互作用の変化

⑦終結・フォローアップ

・自立したのち、予防的な観点での生活の提案

・施設へ入所した後、家族の介護への振り返り

・亡くなった後の遺族へのお悔やみと労い、悲嘆の程度と立ち直りの見込みの確認

・必要に応じて、関係機関に繋いだり、インフォーマルサポートを紹介し、引き続き家族が支援を受けられるよう

な支援

(3)地域包括ケアシステムへの展開

・現在、地域に存在する家族を支援しうるサービスの洗い出しと他の介護支援専門員との共有

・利用者や家族の社会との繋がりについて、アセスメントにおける課題の確認

・ケアマネジメントの各プロセスにおける地域とのつながりの再構築や新たなつなぎ役としての介護支援専門員と

しての役割や課題の分析

・公的制度で充足されない一般化されうるニーズの共有と解決策の検討

190

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介護支援専門員専門研修課程Ⅱ

6 各科目のガイドライン

5.科目のポイント

(1)知識・技術の基本的理解

介護力にとどまらず、家族をアセスメントするツールを知り、家族のアセスメント力を高めることができる。また家

族との面接においては、語られない内情や背景に着目して支援することや、介護支援専門員だけでなく、家族

支援を行うさまざまな機関やインフォーマルサポートを活用できる。

(2)実践的に活用する上での留意点

家族の支援は介護支援専門員の相談援助に関する技術が問われる。実務研修で学習した「相談援助の専門

職としての基本姿勢及び相談援助技術の基礎」「受付及び相談並びに契約」の諸技術を高度なレベルで実践で

きる力が求められる。また、家族の支援を介護支援専門員だけで行うことは実質的には不可能であり、多職種が

みた家族のアセスメントを把握するほか、具体的な支援については、地域にある家族の支援を行う諸機関やイン

フォーマルサポートの資源を把握しておくことが必要性である。

191

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介護支援専門員専門研修課程Ⅱ

6 各科目のガイドライン

6.講義・演習の展開例 (240 分)

下記の時間数は正味の時間数であり、適宜休憩を挟んで展開すること。

構成 時間 内容 修得目標

導入 10 分

○本科目の目的、修得目標を確認

・アイスブレイク

・研修記録シートを用いてそれぞれの目標を確認

講義 60 分

(1)家族への支援に関する知識の修得・基本理解

○家族観と家族の歴史・価値

○家族システム論的アプローチの紹介

○役割構造と勢力構造

○家族コミュニケーションの紹介

○家族を支援するために有効なさまざまなサービスや機関

○家族介護支援に関する調査研究等の紹介

●理解を深めるミニワーク

①③

④⑤

演習 60 分

(2)ケアマネジメントの各プロセスにおける留意点

○演習の目的、手順の説明

●持参した事例に関する分析

●持ち寄り事例の分析結果に関するグループ内での説明

②⑥

演習 70 分

(2)ケアマネジメントの各プロセスにおける留意点

●演習事例の読み込みと一般化される課題の抽出

●グループ内での課題の意見交換と複数の解決策の提示

・既存、未整備のインフォーマルサービスを含む

●発表

②⑥

講義 20 分

(2)ケアマネジメントの各プロセスにおける留意点

○各発表を踏まえ、講師による事例の課題の解説

(3)地域包括ケアシステムへの展開

○まとめ

②⑤⑥

振り返り 20 分 ○本科目全体を振り返り、ポイントについて講義

<参考文献>○日本ケアラー連盟(http://carersjapan.com/)○鈴木和子「家族を理解するための諸理論-家族システム理論」.家族看護学-理論と実践,第3版.日本看護協会.2006

○森岡清美、望月嵩「新しい家族社会学 四訂版」培風館.1997○澤田いずみ「看護者の家族間とパートナーシップ」,家族看護4(1).2007○Friedman MM,Bowden VR,Jones EG:Family Nursing:Research,Tehory,&Practice,5th ed,Prentice Hall.2003○佐藤悦子「家庭内コミュニケーション」頸草書房.1996○全国国民健康保険診療施設協議会「家族介護者の実態と支援方策に関する調査研究事業

192

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介護支援専門員専門研修課程Ⅱ

6 各科目のガイドライン

1.目的

社会資源の活用に向けた関係機関との連携に関する事例を用いて講義・演習を行うことにより、利用者が活用

することができる制度に関する知識及び関係機関等との連携を踏まえた効果的なケアマネジメント手法を修得す

る。また、演習等で得られた社会資源の活用に向けた関係機関との連携に係る示唆、留意点等を踏まえ、他の

事例にも対応することができる知識・技術を修得する。

2.内容

・各自が担当している、他の制度(生活保護制度、成年後見制度等)を活用している事例、インフォーマルサービ

スを提供する事業者との連携が必要な事例等の居宅サービス計画等を持ち寄り、事例に関して分析した内容

の発表、意見交換等を通じて、適切なアセスメントを行う際の留意点や居宅サービス計画等の作成における留

意点を理解、再確認する。それらの留意点や必要に応じ根拠となる各種統計データを活用する等により、別の

類似の事例等にも広く対応することができる知識・技術を修得する。

・他の制度を活用するに当たり重要となる各種知識や関係機関、多職種との連携方法に関する講義を行う。

・他の制度を活用するケースを検討するに当たり、効果的なものとなるようインフォーマルサービスも含めた地域

の社会資源を活用したケアマネジメントの展開に関する講義を行う。

3.関連科目と修得目標

(1)関連科目 研修体系において、本科目に関連性の高い科目は以下の通りである。

実務研修 ⑨地域包括ケアシステム及び社会資源

専門研修課程Ⅰ⑥-6 ケアマネジメント演習

「社会資源の活用に向けた関係機関との連携に関する事例」

専門研修課程Ⅱ

主任介護支援専門員

研修⑥地域援助技術

主任介護支援専門員

更新研修

②-6主任介護支援専門員としての実践の振り返りと指導・支援の実践

「社会資源の活用に向けた関係機関との連携に関する事例」

②-6 ケアマネジメントにおける実践事例の研究及び発表

「社会資源の活用に向けた関係機関との連携に関する事例」

講義・演習

4時間

193

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介護支援専門員専門研修課程Ⅱ

6 各科目のガイドライン

(2)修得目標

修得目標修得分野 対応する研修内容

※次項の番号に対応しています知識 技術 態度

①他の制度(生活保護制度、成年後見制度等)

を活用している事例、インフォーマルサービ

スを提供する事業者との連携が必要な事例

等の居宅サービス計画等について意見交換

を通して分析し評価できる。

● ● ● (1)

②分析し評価した内容を受講者間で共有し、ア

セスメントや居宅サービス計画等の作成に

おける留意点を再確認できる。

● ● ● (2)(4)

③各種統計データを活用する等により、別の類

似の事例等に応用することができる。● ● ● (2)

④地域の各種統計データを必要に応じて活用

することにより、他の事例へも応用できる。● ● ● (2)

⑤他の制度を活用するにあたり重要となる各

種知識や関係機関、多職種との連携方法に応

用できる。

● ● ● (3)(5)

⑥地域の社会資源(インフォーマルサービス

等)を活用したケアマネジメントを実践でき

る。

● ● ● (4)

4.内容 修得目標を踏まえ、本科目で研修すべき主な内容は以下の通りである。

(1)社会資源について再確認

①多職種との連携および協働

(ア)その人らしい生活を実現するための連携

(イ)多角的な視点

(ウ)共通した目標に向けて円滑なコミュニケーション

(エ)地域関係者との協働

(オ)支援困難ケースへの対応

(カ)チームアプローチ

【項目のポイント】

・利用者が利用できる制度に関する知識及び関係機関の役割が説明でき、活用できる。状況が悪化し

ないための連携や協働(チーム編成)についての方法が理解できる。

194

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介護支援専門員専門研修課程Ⅱ

6 各科目のガイドライン

(2)事例研究

(ア)事例研究の意義

(a)支援困難事例及び地域課題からサンプルを抽出し、特徴や変化、対応策へのプロセスを検討し、今後

に活かすこと。

(b)スーパービジョンとしての役割

(イ)事例研究の枠組みと役割の理解

司会、事例提供者、記録、参加者、スーパーバイザー、ファシリテーターそれぞれの役割の実践

(ウ)事例研究の展開(一般化へ)

(a)事例の提示、共有化、研究テーマの決定、論点の明確化、論点の検討、まとめ

(エ)提出事例の個人情報の取り扱い

(a)個人が特定されないよう配慮する

(b)事例提出の同意(利用者、家族等)

(オ)エコマップ、ジェノグラムの活用

(3)地域ケア会議の活用

①地域ケア会議の目的

(ア)地域包括ケアシステムの5つの枠組み研修科目である「介護保険制度及び地域包括ケアシステムの今後

の展開」参照

(イ)多職種協働による地域包括支援ネットワークの構築

(ウ)個別ケースの支援内容の検討に通じた地域の介護支援専門員の法の理念に基づいた高齢者の自立支

援に資するケアマネジメントの支援

(エ)高齢者の実態把握や課題解決のための地域包括支援ネットワークの構築

(オ)個別ケースの課題分析等を行うことによる地域課題の把握

②地域ケア会議の機能についての理解

③さまざまな事例への連携先と活用機関

(ア)連携機関先

(a)フォーマル

(ⅰ)警察

(ⅲ)保健所

(ⅴ)病院、病院関係者

(ⅶ)法テラス

(ⅸ)地域の介護サービス事業所

(居宅介護支援事業所、相談支援事業

者)

(ⅺ)地域活動支援センター

(ⅱ)消防署

(ⅳ)福祉事務所、担当ワーカー

(ⅵ)行政

(ⅷ)保護施設、女性相談所

(緊急時への対応での措置)

(ⅹ)地域包括支援センター

在宅介護支援センター

(b)インフォーマル

(ⅰ)町会長、民生委員

(ⅲ)地域の消防団

(ⅴ)商店会

(ⅱ)地域の駐在所

(ⅳ)地域住民

(ⅵ)タクシー

195

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介護支援専門員専門研修課程Ⅱ

6 各科目のガイドライン

(ⅶ)NPO

(ⅸ)学校(小、中、高)

(ⅺ)認知症カフェ、サロン

(xiii)徘徊模擬訓練

(一人歩き者への対策訓練等)

(ⅷ)ボランティア団体

(ⅹ)市民センター、市民館等

(ⅻ)認知症サポーター養成講座

(キャラバンメイト)

(xⅳ)宗教関係

(イ)制度の活用

(a)生活保護制

(b)成年後見人制度

(c)生活困窮者支援制度

(d)障害者総合支援法

(e)日常生活支援事業

(f)老人福祉法

(g)その他社会保障制度(雇用保険、傷害保険、年金保険)

(h)刑事罰と民事的訴訟の視点

(ウ)市町村介護事業計画、市町村地域福祉計画、市町村老人福祉計画

(エ)高齢者特有の疾患との関連性

(a)糖尿病、認知症、うつ、脳出血、生活習慣等

(b)廃用性症候群

(c)若年性認知症

これらの疾病の身体状況や精神状況により虐待や支援困難ケースへ移行しやすい

(オ)個人情報の取り扱い

(a)誓約書

(b)事例提出の同意(本人、家族等)

(c)個人が特定されないよう配慮する

(4)ケアマネジメントプロセスの各プロセスの留意点

①インテーク

(ア)地域資源の把握(利用者が生活している地域の特徴や地域包括支援センターとの連携等)

(イ)必要な資源の把握

(ウ)利用者及び家族の関係性、地域との関係性

(エ)活用できる地域での活動(地域での見守り体制や地域活動の状況等)

②アセスメント

(ア)地域(町会)行事への参加、老人クラブなど地域独自の活動への参加、家族との会話、コミュニケーション

特に参加の内容は、地域資源と密着した関係性があるので、慎重に取り扱う事が必要。

(イ)地域(町会)活動、老人クラブなど地域独自の活動での役割、回覧板、孫や子どもの面倒を見る。

(ウ)利用者のストレングス、家族のストレングスの情報収集も必要。

(エ)出来ないこと、出来ること、やれること、やらないこと、やれるけど援助者がしてしまっていること、してもらっ

ていることなど。

(オ)現状の状態だけではなく、介護状態となる前の情報(どのように生活してきたのか、趣味や性格など)を現

状の状態との変化も情報収集をする。

(カ)事例の場合、病気や状況悪化になる前の日常生活はどのような状況だったか、家族との関係性、地域と

196

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介護支援専門員専門研修課程Ⅱ

6 各科目のガイドライン

の関わりなどの情報を得ることも重要。

(キ)地域の中の一人の個人という捉え方と、個人からみた地域の関わりという観点から一人の社会人としてど

のような生活を送ることができるのか、(活動・参加)今後の予後予測ができる。

③居宅サービス計画原案作成

(ア)フォーマルサービスのみの設定にせず、インフォーマルサービスの活用を設定する。

(イ)他の制度(生活保護制度、成年後見人制度等)の活用の検討も視野に入れて作成する。

(ウ)インフォーマルサービスも含めた地域の社会資源の活用を設定する。

(エ)町内会長、民生委員との連携(見守り体制含む)の設定。

④サービス担当者会議

(ア)利用者の意向確認、家族の介護負担および出来る支援の確認、対応方法の明確化・共有、インフォーマ

ルサービスの活用と確認。

(イ)インフォーマルサービスを含めた社会資源の活用にむけた関係機関との連携の確認。

(ウ)他制度(生活保護制度、成年後見人制度等)の担当者との連携の確認。

⑤サービス提供や介入

(ア)個別サービス計画の確認、具体的サービス内容の確認、なじみの関係、適切な環境作り

(イ)インフォーマルサービスを含めた地域の社会貢献の活用の展開

(ウ)他制度の導入

⑥モニタリング・再評価

(ア)利用者の状況の変化、家族の介護状況、サービス提供の満足度、サービス提供の適正、修正の必要性

(イ)インフォーマルサービスを含めた地域の社会資源の活用を展開した結果の評価及び必要な資源の確認

(ウ)短期目標の到達状況、本人の生活状況及び心身機能状態の確認、利用者主体の選択と決定、虐待の

可能性

⑦終結・フォローアップ

(ア)安定した生活の継続への提案

(イ)施設入所した場合の利用者支援と家族支援

(ウ)死亡した場合の原因についての振り返りと家族への支援

(エ)地域資源の開発への支援

(オ)虐待に至った経過の検証および家族支援

【項目のポイント】

・課題整理総括表等を活用し、根拠あるサービス介入ができる。

197

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介護支援専門員専門研修課程Ⅱ

6 各科目のガイドライン

(5)地域包括ケアシステムへの展開(必要な社会資源の開発、提案ができる)

①地域ケア会議の活用、個別課題から地域課題の抽出

②介護支援専門員からの提案

③医療・福祉・保健のコーディネートへの介入

④地域包括支援センターとの連携

5.科目のポイント

(1)全般的な科目のポイント

・社会資源の振り返り、各関連法律、地域資源の講義を行った上で演習を展開する。

・演習に当たっては、事例からサンプルを抽出し、対応策の検討を行い一般化し、類似した事例への対応が

できるような支援方法を検討する。

・さまざまなケースの事例を用いる。

(2)演習時のポイント

(ア)専門研修課程Ⅱの受講者は、実務研修、専門研修課程Ⅰ終了後、継続的な学習および指導的な立場

の先輩介護支援専門員や主任介護支援専門員がいる環境の中で従事し、また後輩への指導を行いながら

経験を積んできたと考えられる。

(イ)社会資源の情報についてもケアマネジメントの実践から知識として得られることも多いが、フォーマルサー

ビス重視傾向になり、インフォーマルサービスを見落としがちになっている。そのため、さまざまなケースへの

対応をフォーマルサービスで補おうとし、無理なケアマネジメント展開となっていることがある。

(ウ)ICFの視点をもとに社会資源をどのように活用し展開していくのか多角的な視点への転換ができるような

演習方法を展開する。

(エ)社会資源の活用展開・開発への提案

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介護支援専門員専門研修課程Ⅱ

6 各科目のガイドライン

6.講義・演習の展開例 (240 分)

下記の時間数は正味の時間数であり、適宜休憩を挟んで展開すること。

構成 時間 内容 修得目標

導入 10 分

○本科目の目的、修得目標を確認

・アイスブレイク

・研修記録シートを用いてそれぞれの目標を確認

講義 40 分

(1)社会資源について再確認

○多職種との連携および協働

(2)地域ケア会議の活用

○地域ケア会議の目的

○地域ケア会議の機能についての理解

○さまざまな事例への連携先と活用機関

①⑤

演習 90 分

(4)ケアマネジメントプロセスの各プロセスの留意点

●事例を深めるための質疑を行う

●整理した事例からいくつかの課題を抽出する

●抽出した課題から検討する課題を選出

●課題を検討(インフォーマル、他制度も含め多角的視点で)

●検討しなかった課題への対応策

●提供された事例と検討課題との統合性も含めたまとめをする

(2)事例研究

○事例研究方法(目的、意味、進め方、ルール等)

○社会資源の活用する上での視点

●チームアプローチ実践について

(5)地域包括ケアシステムへの展開(必要な社会資源の開発、提案が

できる)

●地域ケア会議の活用、個別課題から地域課題の抽出

●介護支援専門員からの提案

●医療・福祉・保健のコーディネートへの介入

●地域包括支援センターとの連携

②③④

⑤⑥

演習 60 分

(2)事例研究

●事例発表

・持ち寄り事例の提出及び事例説明

●事例の共有化(個人作業&グループ作業)

●論点の明確化(個人作業&グループ作業)

●論点の検討

●まとめ

・事例から社会資源に関わる検討課題を明確化(カテゴリー)する。

・さまざまな地域で活用できる社会資源の活用方法についての検討

が出来る。

②③④

199

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介護支援専門員専門研修課程Ⅱ

6 各科目のガイドライン

・グループ内での役割を理解する。(ファシリテーター、司会、参加

者、タイムキーパー等)

講義 30 分○振り返り

○まとめ

振り返り 10 分 ○本科目全体を振り返り、ポイントについて講義

<参考文献>○「援助を深めるための事例研究の方法~対人援助のためのケースカンファレンス」岩間伸之著○介護支援専門員必携テキスト①「ケアマネジメントとそれを担う介護支援専門員の倫理・事例研究及び事例指導方法論・サービス展開におけるリスクマネジメント」 日本介護支援専門員協会 2009

○「ケア会議の技術」野中猛・高室成幸・上原久著○「地域ケア会議運営マニュアル」平成 25 年 3月 一般社団法人 長寿社会開発センター○発達障害情報・支援センター等 http://www.rehab.go.jp/ddis/○ICF の理解と活用~人が「生きること」「生きることの困難(障害)」をどうとらえるか 上田敏著

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介護支援専門員専門研修課程Ⅱ

6 各科目のガイドライン

1.目的

状態に応じた多様なサービス(地域密着型サービス、施設サービス等)の活用に関する事例を用いて講義・演

習を行うことにより、介護保険で提供される地域密着型サービス等の活用に係る知識及びケアマネジメントの手

法を修得する。

2.内容

・各自が担当している地域密着型サービス等の多様なサービスを活用している事例等の居宅サービス計画等を

持ち寄り、事例に関して分析した内容の発表、意見交換等を通じて、適切なアセスメントを行う際の留意点や

居宅サービス計画等の作成における留意点を理解、再確認する。それらの留意点や必要に応じ根拠となる各

種統計データを活用する等により、別の類似の事例等にも広く対応することができる知識・技術を修得する。

・状態に応じて多様なサービスを活用するに当たり重要となる各種知識や関係機関・介護サービス事業者との連

携方法に関する講義を行う。

・状態に応じて多様なサービスを活用するに当たり、効果的なものとなるようインフォーマルサービスも含めた地

域資源を活用したケアマネジメントの展開に関する講義を行う。

3.関連科目と修得目標

(1)関連科目 研修体系において、本科目に関連性の高い科目は以下の通りである。

実務研修

専門研修課程Ⅰ

⑥-7 ケアマネジメントにおける実践事例の研究及び発表

「状態に応じた多様なサービス(地域密着型サービスや施設サービス等)の活用に関す

る事例」

専門研修課程Ⅱ

主任介護支援専門員

研修

主任介護支援専門員

更新研修

②-7主任介護支援専門員としての実践の振り返りと指導・支援の実践

「状態に応じた多様なサービス(地域密着型サービスや施設サービス等)の活用に関す

る事例」

②-7 ケアマネジメントにおける実践事例の研究及び発表

「状態に応じた多様なサービス(地域密着型サービスや施設

サービス等)の活用に関する事例」

講義・演習

4時間

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介護支援専門員専門研修課程Ⅱ

6 各科目のガイドライン

(2)修得目標

修得目標修得分野 対応する研修内容

※次項の番号に対応しています知識 技術 態度

①地域密着型サービス等の多様なサービスを

活用している事例等の居宅サービス計画等

について意見交換を通して分析し評価でき

る。

● ● ● (1)

②分析し評価した内容を受講者間で共有し、ア

セスメントや居宅サービス計画等の作成に

おける留意点を判断できる。

● ● ● (3)

③各種統計データを活用する等により、別の類

似の事例等への応用ができる。● ● ● (1)

④地域の各種統計データを必要に応じて活用

することにより、他の事例へも応用できる。● ● ● (2)

⑤状態に応じて多様なサービスを活用するに

あたり重要となる各種知識や関係機関・介護

サービス事業者との連携方法への応用がで

きる。

● ● ● (2)

⑥地域の社会資源(インフォーマルサービス

等)を活用したケアマネジメントを実施でき

る。

● ● ● (3)

202

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介護支援専門員専門研修課程Ⅱ

6 各科目のガイドライン

4.内容 修得目標を踏まえ、本科目で研修すべき主な内容は以下の通りである。

(1)知識の修得・基本理解

①多様なサービス(地域密着型サービスや施設サービス等)の再確認

(ア)施設サービス

(a)介護保険施設

・介護老人福祉施設(特別養護老人ホーム)

・介護老人保健施設(老人保健施設)

・介護療養型医療施設(療養病床など)

(イ)地域密着型サービス

(a)定期巡回・随時対応型訪問介護看護

(b)夜間対応型訪問介護

(c)地域密着型通所介護

(d)認知症対応型通所介護・介護予防認知症対応型通所介護

(e)小規模多機能型居宅介護施設・介護予防小規模多機能型居宅介護

(f)看護小規模多機能型居宅介護

(g)認知症対応型共同生活介護・介護予防認知症対応型共同生活介護

(h)地域密着型介護老人福祉施設入所者生活介護

(i)複合型サービス(看護小規模多機能型居宅介護)

(ウ)居宅サービス

(a)訪問介護

(b)訪問入浴介護

(c)訪問看護

(d)訪問リハビリテーション

(e)居宅療養管理指導

(f)通所介護

(g)通所リハビリテーション

(h)短期入所生活介護

(i)短期入所療養介護

(j)特定施設入居者生活介護

(k)福祉用具貸与

(l)福祉用具購入

(エ)その他支援(サービス)

(a)フォーマル

・居宅介護(ホームヘルプ)

・福祉用具の給付または貸与

・入浴サービス

・給食サービス

・紙おむつなどの支給

・理美容サービス

・ふとん乾燥・丸洗いサービス

・緊急通報システム

・福祉電話(電話の貸与と安否確認)

203

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介護支援専門員専門研修課程Ⅱ

6 各科目のガイドライン

など

(b)インフォーマル

・老人クラブ・女性部

・老人福祉センター

・教養講座・スポーツ教室

・囲碁・将棋クラブ、ダンスサークルなど趣味に関すること

・市民センターの活動

・認知症カフェ

・認知症の人の家族のつどい

など

【項目のポイント】

・状態に応じたサービスを選択するには、サービスによる特徴や期待できる効果を理解することが重

要であることから、施設サービスや地域密着型サービスを中心とした各サービスの特徴を再確認す

ると共に、多くのサービスや支援の中から効果的な支援を選択することができることが大切である。

社会資源については、研修科目「社会資源の活用に向けた関係機関との連携に関する事例」を参照

する。

(2)関係機関・介護サービス事業者との連携

①居宅介護支援事業所との連携

・小規模多機能型居宅介護の利用に伴う介護支援専門員の交替

②医療機関との連携

・入院、退院に伴う医療機関担当者との連携

③介護保険施設との連携

・入所、退所に伴う施設介護支援専門員と居宅介護支援専門員、小規模多機能型居宅介護における介護支

援専門員との連携

④居宅サービス事業所との連携

⑤定期巡回・随時対応型訪問介護看護における訪問介護事業所及び訪問看護事業所との連携

・一体型、連携型における地域の訪問看護事業所との連携

⑥介護保険以外のサービス、支援との連携

⑦関係機関との連携

・保険者、保健所、認知症初期集中支援チーム等との連携

204

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介護支援専門員専門研修課程Ⅱ

6 各科目のガイドライン

⑧地域の連携

(a)運営推進会議

・利用者

・利用者の家族

・地域住民の代表者(町内会役員、民生委員、老人クラブの代表等)

・該当サービス事業所が所在する市町村の職員

・地域包括支援センター職員

・当該サービスについて知見を有する方

(b)介護医療連携推進会議

・利用者

・利用者の家族

・地域住民の代表者(町内会役員、民生委員、老人クラブの代表等)

・地域の医療関係者

・定期巡回・随時対応型訪問介護看護事業所が所在する市町村の職員

・地域包括支援センター職員

・当該サービスについて知見を有する方

205

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介護支援専門員専門研修課程Ⅱ

6 各科目のガイドライン

【項目のポイント】

・多様なサービスを活用する上で、連携するにあたっての留意点やポイント、連携する関係機関や連

携について検討する会議の役割について確認する。

(3)ケアマネジメントプロセスの各プロセスの留意点

①インテーク

(ア)地域資源の把握(地域密着型サービス、介護保険施設等の整備状況)

(イ)緊急性、切迫性の確認

(ウ)医療における支援の優先の必要性の確認(治療、手術、入院等)

(エ)利用者における受給資格等の確認

②アセスメント

(ア)利用者の状態像の把握

・医療依存度が高い

・認知症

・家族の支援が困難

・虐待を受けている、もしくは虐待が疑われる

・課題が複数ある

など

(イ)多職種によるアセスメント

・定期巡回・随時対応型訪問介護看護における看護職員による

・状態像に応じた多職種による

・関係機関の専門職による

③居宅サービス計画原案作成

・利用者における課題に対する支援の方法

・利用者の課題に対する解決を可能とするサービス

・地域における社会資源の活用

・複数の支援の必要性

・多様なサービス活用による複数の対応策

・環境が変わる中での生活の継続性(居宅から施設、施設から居宅、施設から他の施設)

④サービス担当者会議

・インフォーマルサービスを含めた社会資源の活用にむけた関係機関との連携の確認

・関係機関やサービス担当者との連携の確認

・居宅サービスによる対応が困難となった場合の施設との連携

・関係機関やサービス事業者、地域住民等がチームとなり、利用者の社会参加の機会が作られるための検討

・状態や状況の変化に伴う早期発見、柔軟な対応ができる体制作り

206

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介護支援専門員専門研修課程Ⅱ

6 各科目のガイドライン

⑤サービス提供や介入

・個別サービス計画の連動性の確認、社会参加の機会つくり

・なじみの関係による社会参加の機会つくりと利用者の意欲向上へのアプローチ

・関わる支援者達による目標の共有と一体的な支援

⑥モニタリング・再評価

・支援を受けることによる利用者の変化とその対応

・支援の内容や量、頻度の検証

・状態変化に臨機応変に対応できるための状況把握

・新たな課題への早期発見

・他の支援による効果的な支援の可能性の検討

・利用者・家族の満足度の把握

⑦終結・フォローアップ

(ア)生活の継続への提案(施設、居宅共に)

(イ)入院入所・退院退所に伴う利用者支援と家族支援、関係機関との連携

(ウ)地域資源課題の把握と地域において不足している社会資源の開発への提案

(エ)看取りの際の利用者、家族への支援

5.科目のポイント

・多様なサービスの活用を学ぶ科目であるが、介護保険におけるサービスだけでなく、フォーマル、インフォー

マルといった多くの社会資源から支援を検討する。

・多様なサービスの活用においては、複数の支援による課題の解決の効果も検討する。

・24 時間・365 日の切れ目のないサービス等の活用により、利用者の自己実現に向けた支援を行う。

・地域社会との関係の継続性や地域との支えありといった視点を持ち、住み慣れた環境における生活の継続

の視点が大切である。

・月額報酬のサービスや施設サービスのように給付管理が伴わないサービスであっても、介護保険の理念であ

る自立支援の視点を踏まえ、常に支援の必要性や過不足ない支援となるように適宜、居宅サービス計画を変

更する。

・居宅と施設や施設間同士のといった環境の変化に伴う連携のポイントや関係機関、サービス事業者との連携

の方法とサービスの特性に応じた留意点について理解する。

・施設サービスの場合、課題の解決だけでなく、在宅復帰の可能性を検討すると共に、在宅生活をする上での

課題の検討も必要である。

207

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介護支援専門員専門研修課程Ⅱ

6 各科目のガイドライン

6.講義・演習の展開例 (240 分)

下記の時間数は正味の時間数であり、適宜休憩を挟んで展開すること。

構成 時間 内容 修得目標

導入 10 分

○本科目の目的、修得目標を確認

・アイスブレイク

・研修記録シートを用いてそれぞれの目標を確認

講義 60 分

(1)知識の修得・基本理解

○多様なサービス(地域密着型サービスや施設サービス等)の再確認

(2)関係機関・介護サービス事業者との連携

○居宅介護支援事業所との連携

○医療機関との連携

○介護保険施設との連携

○居宅サービス事業所との連携

○定期巡回・随時対応型訪問介護看護における訪問介護事業所及び

訪問看護事業所との連携

○介護保険以外のサービス、支援との連携

○関係機関との連携

○地域の連携

●理解を深めるミニワーク

①③

④⑤

演習 120 分

(3)ケアマネジメントプロセスの各プロセスの留意点

○演習の目的、手順の説明

●事例発表

・持ち寄り事例の説明

●事例検討

・検討する事例の共有化(事例の理解を深めるための質疑応答)

・事例における課題の明確化及び共有

・事例における課題の検討(要因・原因)

・事例における地域課題の検討

・事例における支援による改善の見通しの検討

・課題に対する社会資源を含めた多様な支援策の検討

・支援を担う関係機関や介護サービス事業者との連携方法

・多様なサービスの活用によるケアマネジメントプロセスの留意点

・検討の結果の再確認と残された課題への対応策

●グループによる事例の検討結果の発表

②⑥

演習 30 分

(3)ケアマネジメントプロセスの各プロセスの留意点

○事例発表を踏まえ、講師による事例について解説

○状態像に応じた多様なサービスの活用の必要性について解説

(普遍化された課題について等)

○地域の社会資源を活用しつつ、多様な支援の検討の必要性につい

②⑥

208

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介護支援専門員専門研修課程Ⅱ

6 各科目のガイドライン

て解説

○地域包括ケアシステムにおける支援の展開について講義

まとめ

講義 20 分 ○本科目全体を振り返り、ポイントについて講義

209

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介護支援専門員専門研修課程Ⅱ

6 各科目のガイドライン

MEMO

210

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専門研修課程Ⅰ研修記録シート(学習の振り返り)

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研修記録シート1(目標)

研修名: 専門Ⅰ

1.受講前

受講者記入欄 :受講目標(研修後にどのような行動ができるようになりたいか)を記載してください。

管理者記入欄 :受講者に研修で学んでほしいこと・期待することを記載してください。

2.受講後(3カ月後程度)

:受講成果(目標の達成と実践への活用の状況)の自己評価を記載してください。

管理者記入欄 受講成果(受講者の目標の達成と実践への活用状況)を記載してください。

入力日 役職

この事前提出シートは、研修受講前に「受講者」と「管理者」が受講に当たっての目標を共有するためのものです。研修に期待すること、目標、成果等を記入してください。赤枠内を入力してください。

氏名

番号

日程

入力日

会場

入力日

入力日

※受講目標は受講者と管理者で相談して決めてください。

※管理者欄は、受講者が管理者本人、または、実務に就いていない等の理由により、記入できない場合、地域の主任介護支援専門員に相談して記入をお願いします。

※「受講後」の欄は、実務に就かない方は、未就労である旨を記載の上ご提出いただき、就労後にご活用ください。

記入者氏名

所属先及び役職記入者氏名

所属先及び役職

受講者記入欄

役職

211

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研修記録シート2(評価)

1 1 ~

2 2 ~

1

2

③自己のケアマネジメントプロセスの客観的な評価結果に基づき、今後の学習課題の設定を行うことができる。

受講前受講直後

自己のケアマネジメントプロセスの客観的な評価を行うことができる。

ケアマネジメントプロセスの中で得意不得意を認識し活動の修正を行うことができる。

この振り返りシートは、科目の受講前後で各自の理解度を把握し、受講中の学習効果の向上と、受講後の学習のポイントを焦点化し、継続的な資質向上に役立てるものです。本科目を学習した時点で感じた事を書き留め、今後の学習方針や課題への取り組みを考える際に見返してみましょう。

研修名:

科目名:

記入日(入力日)

実践評価

(3ヶ月後)

備 考

受講日 時間

会場

項 目

※研修は自己評価とし、4段階評価で、数字が大きいほど高評価、数字が小さいほど低評価として記入してください。【選択肢】 4. できる 3. 概ねできる 2. ほとんどできない 1. 全くできない

専門研修Ⅰ

番号

氏名

①ケアマネジメントにおける実践の振り返り及び課題の設定

212

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研修記録シート2(評価)

1 1 ~

2 2 ~

1

2

記入日(入力日)

介護保険制度等の改正の内容とその理由について説明することができる。

地域包括ケアシステムの構築にむけた現状及び展開における課題について説明できる。

利用者の家族も含めた社会資源について説明できる。

利用者ニーズに応じた多様な社会資源(インフォーマルサービス等)の活用について説明できる。

個別支援における地域ケアチームの一員としての役割について説明できる。

地域包括ケアシステムの構築にむけて介護支援専門員の果たすべき役割について説明できる。

実践評価

(3ヶ月後)

備 考

専門研修Ⅰ

この振り返りシートは、科目の受講前後で各自の理解度を把握し、受講中の学習効果の向上と、受講後の学習のポイントを焦点化し、継続的な資質向上に役立てるものです。本科目を学習した時点で感じた事を書き留め、今後の学習方針や課題への取り組みを考える際に見返してみましょう。

研修名:

科目名:

受講日

②介護保険制度及び地域包括ケアシステムの現状

項 目

時間

受講直後

※研修は自己評価とし、4段階評価で、数字が大きいほど高評価、数字が小さいほど低評価として記入してください。【選択肢】 4. できる 3. 概ねできる 2. ほとんどできない 1. 全くできない

番号

氏名

会場

受講前

213

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研修記録シート2(評価)

1 1 ~

2 2 ~

1

2

⑥保険者を含む多職種との連携の必要性と、その活用における留意点を述べることができる。

個別事例に基づいて地域づくりや資源開発などに至る一連のプロセスについて説明できる。

地域ケア会議における介護支援専門員の役割と、その活用における留意点を述べることができる。

対人個別援助技術、地域援助技術の概念・機能・目的について説明できる。(※以下、対人個別援助技術、地域援助技術とする)

項 目 受講前受講直後

実践評価

(3ヶ月後)

記入日(入力日)

会場 番号

対人個別援助技術に必要な知識・技術について説明できる。

地域援助技術の展開技法について説明できる。

この振り返りシートは、科目の受講前後で各自の理解度を把握し、受講中の学習効果の向上と、受講後の学習のポイントを焦点化し、継続的な資質向上に役立てるものです。本科目を学習した時点で感じた事を書き留め、今後の学習方針や課題への取り組みを考える際に見返してみましょう。

研修名:専門研修Ⅰ

科目名:③対人個別援助技術及び地域援助技術

受講日 時間 氏名

※研修は自己評価とし、4段階評価で、数字が大きいほど高評価、数字が小さいほど低評価として記入してください。【選択肢】 4. できる 3. 概ねできる 2. ほとんどできない 1. 全くできない

備 考

214

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研修記録シート2(評価)

1 1 ~

2 2 ~

1

2

倫理的葛藤に対するチームアプローチについて説明できる。

高齢者の尊厳を守るための制度(成年後見制度・高齢者虐待防止法等)について説明できる。

会場 番号

ケアマネジメントプロセスにおいて生じやすい倫理的課題とその対応における留意点について説明できる。

ケアマネジメンを実践する上での介護支援専門員としての倫理原則について説明できる。

項 目 受講前受講直後

実践評価

(3ヶ月後)

備 考

記入日(入力日)

この振り返りシートは、科目の受講前後で各自の理解度を把握し、受講中の学習効果の向上と、受講後の学習のポイントを焦点化し、継続的な資質向上に役立てるものです。本科目を学習した時点で感じた事を書き留め、今後の学習方針や課題への取り組みを考える際に見返してみましょう。

研修名:専門研修Ⅰ

科目名:④ケアマネジメントの実践における倫理

受講日 時間

※研修は自己評価とし、4段階評価で、数字が大きいほど高評価、数字が小さいほど低評価として記入してください。【選択肢】 4. できる 3. 概ねできる 2. ほとんどできない 1. 全くできない

氏名

215

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研修記録シート2(評価)

1 1 ~

2 2 ~

1

2

※研修は自己評価とし、4段階評価で、数字が大きいほど高評価、数字が小さいほど低評価として記入してください。【選択肢】 4. できる 3. 概ねできる 2. ほとんどできない 1. 全くできない

地域ケア会議での効果的な協働の手法を説明できる。

記入日(入力日)

個別支援における医療の関わりについて説明できる。

医療機関や多職種に情報を提供する際の留意点について説明できる。

医療機関や多職種から情報を収集する際の留意点について説明できる。

サービス担当者会議では役割を持って多職種との効果的な意見交換を実施できる。

項 目

番号

実践評価

(3ヶ月後)

受講日 時間 氏名

備 考受講前受講直後

会場

この振り返りシートは、科目の受講前後で各自の理解度を把握し、受講中の学習効果の向上と、受講後の学習のポイントを焦点化し、継続的な資質向上に役立てるものです。本科目を学習した時点で感じた事を書き留め、今後の学習方針や課題への取り組みを考える際に見返してみましょう。

研修名:専門研修Ⅰ

科目名:⑤ケアマネジメントに必要な医療との連携及び多職種協働の実践

216

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研修記録シート2(評価)

1 1 ~

2 2 ~

1

2

リハビリテーション(口腔リハビリテーションを含む)や福祉用具に関する基礎知識について説明できる。

リハビリテーション(口腔リハビリテーションを含む)や福祉用具の連携についての方法について説明できる

備 考受講直後

リハビリテーション(口腔リハビリテーションを含む)や福祉用具の利用者効果について説明できる。

リハビリテーション(口腔リハビリテーションを含む)や福祉用具の活用について、アセスメントを実施できる。

リハビリテーション(口腔リハビリテーションを含む)や福祉用具を使用する利用者に関して、複数の活用方法の提案を実施できる。

この振り返りシートは、科目の受講前後で各自の理解度を把握し、受講中の学習効果の向上と、受講後の学習のポイントを焦点化し、継続的な資質向上に役立てるものです。本科目を学習した時点で感じた事を書き留め、今後の学習方針や課題への取り組みを考える際に見返してみましょう。

研修名:専門研修Ⅰ

科目名:⑥-1ケアマネジメントの演習「リハビリテーション及び福祉用具の活用に関する事例」

実践評価

(3ヶ月後)

受講日 時間

項 目 受講前

記入日(入力日)

※研修は自己評価とし、4段階評価で、数字が大きいほど高評価、数字が小さいほど低評価として記入してください。【選択肢】 4. できる 3. 概ねできる 2. ほとんどできない 1. 全くできない

氏名

会場 番号

217

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研修記録シート2(評価)

1 1 ~

2 2 ~

1

2

この振り返りシートは、科目の受講前後で各自の理解度を把握し、受講中の学習効果の向上と、受講後の学習のポイントを焦点化し、継続的な資質向上に役立てるものです。本科目を学習した時点で感じた事を書き留め、今後の学習方針や課題への取り組みを考える際に見返してみましょう。

研修名:専門研修Ⅰ

科目名:⑥-2ケアマネジメントの演習「看取り等における看護サービスの活用に関する事例」

時間 氏名

会場 番号

受講日

項 目 受講前受講直後

実践評価

(3ヶ月後)

備 考

訪問看護に関する基礎知識について説明できる。

記入日(入力日)

訪問看護を通して連携についての理解や効果的な活用を実施できる。

看取り等における看護サービスの活用方法について説明できる。

看取り等について、多様な提案を実施できる。

看取り等において利用者の気持ちの変化に応じたケアマネジメントを実施できる。

看取り等における地域の社会資源(インフォーマルサービス等)を活用したケアマネジメントを実施できる。

※研修は自己評価とし、4段階評価で、数字が大きいほど高評価、数字が小さいほど低評価として記入してください。【選択肢】 4. できる 3. 概ねできる 2. ほとんどできない 1. 全くできない

218

Page 243: 介護支援専門員専門研修 ガイドライン - mhlw · 2018-06-19 · 1 ガイドライン作成の背景 (3)本ガイドラインの位置付け 介護支援専門員の資質向上については、これまで、必要な知識・技能の修得を目的とし、都道府県が実施主体

研修記録シート2(評価)

1 1 ~

2 2 ~

1

2

この振り返りシートは、科目の受講前後で各自の理解度を把握し、受講中の学習効果の向上と、受講後の学習のポイントを焦点化し、継続的な資質向上に役立てるものです。本科目を学習した時点で感じた事を書き留め、今後の学習方針や課題への取り組みを考える際に見返してみましょう。

研修名:専門研修Ⅰ

科目名:⑥-3ケアマネジメントの演習「認知症に関する事例」

時間 氏名

会場 番号

受講日

項 目 受講前受講直後

実践評価

(3ヶ月後)

備 考

認知症や精神疾患に関する医学的・心理的基礎知識について説明できる。

記入日(入力日)

認知症施策に関わる多職種連携について説明できる。

認知症等の状況に応じた対応方法の提案を実施できる。

認知症等の利用者だけでなく、家族が地域での生活を継続できるように支援するケアマネジメントを実施できる。

個別の認知症状等に合わせて地域の社会資源(インフォーマルサービス等)の活用を実施できる。

認知症等について、複数の対応策の提案を実施できる。

※研修は自己評価とし、4段階評価で、数字が大きいほど高評価、数字が小さいほど低評価として記入してください。【選択肢】 4. できる 3. 概ねできる 2. ほとんどできない 1. 全くできない

219

Page 244: 介護支援専門員専門研修 ガイドライン - mhlw · 2018-06-19 · 1 ガイドライン作成の背景 (3)本ガイドラインの位置付け 介護支援専門員の資質向上については、これまで、必要な知識・技能の修得を目的とし、都道府県が実施主体

研修記録シート2(評価)

1 1 ~

2 2 ~

1

2

この振り返りシートは、科目の受講前後で各自の理解度を把握し、受講中の学習効果の向上と、受講後の学習のポイントを焦点化し、継続的な資質向上に役立てるものです。本科目を学習した時点で感じた事を書き留め、今後の学習方針や課題への取り組みを考える際に見返してみましょう。

研修名:専門研修Ⅰ

科目名:⑥-4ケアマネジメントの演習「入退院時等における医療との連携に関する事例」

受講日 時間 氏名

会場 番号

項 目 受講前受講直後

実践評価

(3ヶ月後)

備 考

記入日(入力日)

医療機関との連携方法に関しての様々な方法について説明できる。

高齢者に多い疾患の特徴とその対処法について説明できる。

高齢者の入退院時等に関する多様な背景を理解し、ケアマネジメントを実施できる。

高齢者の感染症の知識とその予防法について説明できる。

入退院時等の医療との連携について、複数の対応策の提案を実施できる。

入退院時等に必要な利用者のアセスメントを理解し工夫を実施できる。

※研修は自己評価とし、4段階評価で、数字が大きいほど高評価、数字が小さいほど低評価として記入してください。【選択肢】 4. できる 3. 概ねできる 2. ほとんどできない 1. 全くできない

入退院時に合わせた地域の社会資源の活用を実施できる。

220

Page 245: 介護支援専門員専門研修 ガイドライン - mhlw · 2018-06-19 · 1 ガイドライン作成の背景 (3)本ガイドラインの位置付け 介護支援専門員の資質向上については、これまで、必要な知識・技能の修得を目的とし、都道府県が実施主体

研修記録シート2(評価)

1 1 ~

2 2 ~

1

2

この振り返りシートは、科目の受講前後で各自の理解度を把握し、受講中の学習効果の向上と、受講後の学習のポイントを焦点化し、継続的な資質向上に役立てるものです。本科目を学習した時点で感じた事を書き留め、今後の学習方針や課題への取り組みを考える際に見返してみましょう。

研修名:専門研修Ⅰ

科目名:⑥-5ケアマネジメントの演習「家族への支援の視点が必要な事例」

時間 氏名

会場 番号

受講日

項 目 受講前受講直後

実践評価

(3ヶ月後)

備 考

記入日(入力日)

家族支援に有効な社会資源について説明できる。

家族関係に配慮しながら利用者支援の工夫を実施できる。

家族の健康状態や介護に対する思いを理解し利用者支援を実施できる。

家族関係や家族状況に合わせて、多数の社会資源(インフォーマルサービス等)の提案を実施できる。

家族の社会的状況も配慮しながらケアマネジメントを実施できる。

※研修は自己評価とし、4段階評価で、数字が大きいほど高評価、数字が小さいほど低評価として記入してください。【選択肢】 4. できる 3. 概ねできる 2. ほとんどできない 1. 全くできない

221

Page 246: 介護支援専門員専門研修 ガイドライン - mhlw · 2018-06-19 · 1 ガイドライン作成の背景 (3)本ガイドラインの位置付け 介護支援専門員の資質向上については、これまで、必要な知識・技能の修得を目的とし、都道府県が実施主体

研修記録シート2(評価)

1 1 ~

2 2 ~

1

2

この振り返りシートは、科目の受講前後で各自の理解度を把握し、受講中の学習効果の向上と、受講後の学習のポイントを焦点化し、継続的な資質向上に役立てるものです。本科目を学習した時点で感じた事を書き留め、今後の学習方針や課題への取り組みを考える際に見返してみましょう。

研修名:専門研修Ⅰ

科目名:⑥-6ケアマネジメントの演習「社会資源の活用に向けた関係機関との連携に関する事例」

時間 氏名

会場 番号

受講日

項 目 受講前受講直後

実践評価

(3ヶ月後)

備 考

記入日(入力日)

生活保護制度、障がい者施策、成年後見制度等の制度等、いずれかの制度を活用した事例を用いてチームケアの必要性を述べることができる。

生活保護制度、障がい者施策、成年後見制度等の制度と介護保険制度の関係について説明ができる。

多数の社会資源の活用を必要とする具体的事例を挙げることができる。

生活保護制度、障がい者施策、成年後見制度等の制度と介護保険制度の活用内容について説明できる。

虐待事例、他制度活用事例、インフォーマルサービスの連携が必要な事例等に対してアセスメントのポイントを解釈した最大限の社会資源の活用を実施できる。

インフォーマルサービスとの関係や個人情報保護についての対応について説明できる。

※研修は自己評価とし、4段階評価で、数字が大きいほど高評価、数字が小さいほど低評価として記入してください。【選択肢】 4. できる 3. 概ねできる 2. ほとんどできない 1. 全くできない

222

Page 247: 介護支援専門員専門研修 ガイドライン - mhlw · 2018-06-19 · 1 ガイドライン作成の背景 (3)本ガイドラインの位置付け 介護支援専門員の資質向上については、これまで、必要な知識・技能の修得を目的とし、都道府県が実施主体

研修記録シート2(評価)

1 1 ~

2 2 ~

1

2

この振り返りシートは、科目の受講前後で各自の理解度を把握し、受講中の学習効果の向上と、受講後の学習のポイントを焦点化し、継続的な資質向上に役立てるものです。本科目を学習した時点で感じた事を書き留め、今後の学習方針や課題への取り組みを考える際に見返してみましょう。

研修名:専門研修Ⅰ

科目名:⑥-7ケアマネジメントの演習「状態に応じた多様なサービス(地域密着型サービスや施設サービス等)の活用に関する事例」

受講日 時間 氏名

会場 番号

項 目 受講前受講直後

実践評価

(3ヶ月後)

備 考

記入日(入力日)

上記①、②のサービスを活用する際の重要な視点・連携方法について説明できる。

定期巡回・随時対応型訪問介護看護の意義と効果について説明できる。

施設サービス等の特徴と利用する際の留意点等を説明できる。

小規模多機能型居宅介護、複合型サービスの意義と効果について説明できる。

状態に応じた多様なサービスについて、複数の対応策の提案を実施できる。

地域の多様な社会資源(インフォーマルサービス等)を活用したケアマネジメントについて説明できる。

※研修は自己評価とし、4段階評価で、数字が大きいほど高評価、数字が小さいほど低評価として記入してください。【選択肢】 4. できる 3. 概ねできる 2. ほとんどできない 1. 全くできない

223

Page 248: 介護支援専門員専門研修 ガイドライン - mhlw · 2018-06-19 · 1 ガイドライン作成の背景 (3)本ガイドラインの位置付け 介護支援専門員の資質向上については、これまで、必要な知識・技能の修得を目的とし、都道府県が実施主体

研修記録シート2(評価)

1 1 ~

2 2 ~

1

2

生涯学習を意識して自己学習の計画の立案を実施できる。

自己評価と他者評価の必要性について説明できる。

教える為の考え方・内容・方法(コーチング・スーパービジョン等)の意義について説明できる。

備 考

※研修は自己評価とし、4段階評価で、数字が大きいほど高評価、数字が小さいほど低評価として記入してください。

個人学習や実践活動を促進するために指導を受けることができる。

自らが指導を受ける態度に配慮できる。

実践評価

(3ヶ月後)

項 目 受講前

記入日(入力日)

この振り返りシートは、科目の受講前後で各自の理解度を把握し、受講中の学習効果の向上と、受講後の学習のポイントを焦点化し、継続的な資質向上に役立てるものです。本科目を学習した時点で感じた事を書き留め、今後の学習方針や課題への取り組みを考える際に見返してみましょう。

研修名:専門研修Ⅰ

科目名:⑦個人での学習及び介護支援専門員相互間の学習

受講直後

氏名

会場 番号

受講日

【選択肢】 4. できる 3. 概ねできる 2. ほとんどできない 1. 全くできない

時間

224

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研修記録シート2(評価)

1 1 ~

2 2 ~

1

2

学習内容や個人としての振り返りを実施できる。

地域での学習活動の振り返りを実施できる。

継続した自己研鑽の意義について説明できる。

研修受講者間での意見交換により今後の学習課題を判断できる。

研修受講者間でのネットワークの構築を実施できる。

※研修は自己評価とし、4段階評価で、数字が大きいほど高評価、数字が小さいほど低評価として記入してください。

受講日 時間

会場 番号

受講直後

指導する側と受ける側の姿勢について説明できる。

記入日(入力日)

備 考項 目 受講前

【選択肢】 4. できる 3. 概ねできる 2. ほとんどできない 1. 全くできない

この振り返りシートは、科目の受講前後で各自の理解度を把握し、受講中の学習効果の向上と、受講後の学習のポイントを焦点化し、継続的な資質向上に役立てるものです。本科目を学習した時点で感じた事を書き留め、今後の学習方針や課題への取り組みを考える際に見返してみましょう。

研修名:専門研修Ⅰ

科目名:⑧研修全体を振り返っての意見交換、講評及びネットワーク作り

実践評価

(3ヶ月後)

氏名

225

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研修記録シート3(振り返り)

1 1 ~

2 2 ~

1

2

本科目に関連して、あなたが更に学んでいく必要があると考えることは何ですか

その他、この科目で感じたことは何ですか

項 目 内容

あなたのケアマネジメント実践を高めるために得たことは何ですか

得たことを実践でどのように活かせそうですか

氏名

会場 番号

この振り返りシートは、科目の受講前後で各自の理解度を把握し、受講中の学習効果の向上と、受講後の学習のポイントを焦点化し、継続的な資質向上に役立てるものです。本科目を学習した時点で感じた事を書き留め、今後の学習方針や課題への取り組みを考える際に見返してみましょう。

研修名:専門研修Ⅰ

科目名:①ケアマネジメントにおける実践の振り返り及び課題の設定

受講日 時間

226

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研修記録シート3(振り返り)

1 1 ~

2 2 ~

1

2

本科目に関連して、あなたが更に学んでいく必要があると考えることは何ですか

その他、この科目で感じたことは何ですか

項 目 内容

あなたのケアマネジメント実践を高めるために得たことは何ですか

得たことを実践でどのように活かせそうですか

氏名

会場 番号

この振り返りシートは、科目の受講前後で各自の理解度を把握し、受講中の学習効果の向上と、受講後の学習のポイントを焦点化し、継続的な資質向上に役立てるものです。本科目を学習した時点で感じた事を書き留め、今後の学習方針や課題への取り組みを考える際に見返してみましょう。

研修名:専門研修Ⅰ

科目名:②介護保険制度及び地域包括ケアシステムの現状

受講日 時間

227

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研修記録シート3(振り返り)

1 1 ~

2 2 ~

1

2

受講日 時間

この振り返りシートは、科目の受講前後で各自の理解度を把握し、受講中の学習効果の向上と、受講後の学習のポイントを焦点化し、継続的な資質向上に役立てるものです。本科目を学習した時点で感じた事を書き留め、今後の学習方針や課題への取り組みを考える際に見返してみましょう。

研修名:専門研修Ⅰ

科目名:③対人個別援助技術及び地域援助技術

会場 番号

氏名

本科目に関連して、あなたが更に学んでいく必要があると考えることは何ですか

その他、この科目で感じたことは何ですか

項 目 内容

あなたのケアマネジメント実践を高めるために得たことは何ですか

得たことを実践でどのように活かせそうですか

228

Page 253: 介護支援専門員専門研修 ガイドライン - mhlw · 2018-06-19 · 1 ガイドライン作成の背景 (3)本ガイドラインの位置付け 介護支援専門員の資質向上については、これまで、必要な知識・技能の修得を目的とし、都道府県が実施主体

研修記録シート3(振り返り)

1 1 ~

2 2 ~

1

2

受講日 時間

この振り返りシートは、科目の受講前後で各自の理解度を把握し、受講中の学習効果の向上と、受講後の学習のポイントを焦点化し、継続的な資質向上に役立てるものです。本科目を学習した時点で感じた事を書き留め、今後の学習方針や課題への取り組みを考える際に見返してみましょう。

研修名:専門研修Ⅰ

科目名:④ケアマネジメントの実践における倫理

会場 番号

氏名

本科目に関連して、あなたが更に学んでいく必要があると考えることは何ですか

その他、この科目で感じたことは何ですか

項 目 内容

あなたのケアマネジメント実践を高めるために得たことは何ですか

得たことを実践でどのように活かせそうですか

229

Page 254: 介護支援専門員専門研修 ガイドライン - mhlw · 2018-06-19 · 1 ガイドライン作成の背景 (3)本ガイドラインの位置付け 介護支援専門員の資質向上については、これまで、必要な知識・技能の修得を目的とし、都道府県が実施主体

研修記録シート3(振り返り)

1 1 ~

2 2 ~

1

2

受講日 時間

この振り返りシートは、科目の受講前後で各自の理解度を把握し、受講中の学習効果の向上と、受講後の学習のポイントを焦点化し、継続的な資質向上に役立てるものです。本科目を学習した時点で感じた事を書き留め、今後の学習方針や課題への取り組みを考える際に見返してみましょう。

研修名:専門研修Ⅰ

科目名:⑤ケアマネジメントに必要な医療との連携及び多職種協働の実践

会場 番号

氏名

本科目に関連して、あなたが更に学んでいく必要があると考えることは何ですか

その他、この科目で感じたことは何ですか

項 目 内容

あなたのケアマネジメント実践を高めるために得たことは何ですか

得たことを実践でどのように活かせそうですか

230

Page 255: 介護支援専門員専門研修 ガイドライン - mhlw · 2018-06-19 · 1 ガイドライン作成の背景 (3)本ガイドラインの位置付け 介護支援専門員の資質向上については、これまで、必要な知識・技能の修得を目的とし、都道府県が実施主体

研修記録シート3(振り返り)

1 1 ~

2 2 ~

1

2

受講日 時間

この振り返りシートは、科目の受講前後で各自の理解度を把握し、受講中の学習効果の向上と、受講後の学習のポイントを焦点化し、継続的な資質向上に役立てるものです。本科目を学習した時点で感じた事を書き留め、今後の学習方針や課題への取り組みを考える際に見返してみましょう。

研修名:専門研修Ⅰ

科目名:⑥-1ケアマネジメントの演習「リハビリテーション及び福祉用具の活用に関する事例」

会場 番号

氏名

本科目に関連して、あなたが更に学んでいく必要があると考えることは何ですか

その他、この科目で感じたことは何ですか

項 目 内容

あなたのケアマネジメント実践を高めるために得たことは何ですか

得たことを実践でどのように活かせそうですか

231

Page 256: 介護支援専門員専門研修 ガイドライン - mhlw · 2018-06-19 · 1 ガイドライン作成の背景 (3)本ガイドラインの位置付け 介護支援専門員の資質向上については、これまで、必要な知識・技能の修得を目的とし、都道府県が実施主体

研修記録シート3(振り返り)

1 1 ~

2 2 ~

1

2

この振り返りシートは、科目の受講前後で各自の理解度を把握し、受講中の学習効果の向上と、受講後の学習のポイントを焦点化し、継続的な資質向上に役立てるものです。本科目を学習した時点で感じた事を書き留め、今後の学習方針や課題への取り組みを考える際に見返してみましょう。

研修名:専門研修Ⅰ

科目名:⑥-2ケアマネジメントの演習「看取り等における看護サービスの活用に関する事例」

受講日 時間 氏名

会場 番号

本科目に関連して、あなたが更に学んでいく必要があると考えることは何ですか

その他、この科目で感じたことは何ですか

項 目 内容

あなたのケアマネジメント実践を高めるために得たことは何ですか

得たことを実践でどのように活かせそうですか

232

Page 257: 介護支援専門員専門研修 ガイドライン - mhlw · 2018-06-19 · 1 ガイドライン作成の背景 (3)本ガイドラインの位置付け 介護支援専門員の資質向上については、これまで、必要な知識・技能の修得を目的とし、都道府県が実施主体

研修記録シート3(振り返り)

1 1 ~

2 2 ~

1

2

この振り返りシートは、科目の受講前後で各自の理解度を把握し、受講中の学習効果の向上と、受講後の学習のポイントを焦点化し、継続的な資質向上に役立てるものです。本科目を学習した時点で感じた事を書き留め、今後の学習方針や課題への取り組みを考える際に見返してみましょう。

研修名:専門研修Ⅰ

科目名:⑥-3ケアマネジメントの演習「認知症に関する事例」

受講日 時間 氏名

会場 番号

本科目に関連して、あなたが更に学んでいく必要があると考えることは何ですか

その他、この科目で感じたことは何ですか

項 目 内容

あなたのケアマネジメント実践を高めるために得たことは何ですか

得たことを実践でどのように活かせそうですか

233

Page 258: 介護支援専門員専門研修 ガイドライン - mhlw · 2018-06-19 · 1 ガイドライン作成の背景 (3)本ガイドラインの位置付け 介護支援専門員の資質向上については、これまで、必要な知識・技能の修得を目的とし、都道府県が実施主体

研修記録シート3(振り返り)

1 1 ~

2 2 ~

1

2

この振り返りシートは、科目の受講前後で各自の理解度を把握し、受講中の学習効果の向上と、受講後の学習のポイントを焦点化し、継続的な資質向上に役立てるものです。本科目を学習した時点で感じた事を書き留め、今後の学習方針や課題への取り組みを考える際に見返してみましょう。

研修名:専門研修Ⅰ

科目名:⑥-4ケアマネジメントの演習「入退院時等における医療との連携に関する事例」

受講日 時間 氏名

会場 番号

本科目に関連して、あなたが更に学んでいく必要があると考えることは何ですか

その他、この科目で感じたことは何ですか

項 目 内容

あなたのケアマネジメント実践を高めるために得たことは何ですか

得たことを実践でどのように活かせそうですか

234

Page 259: 介護支援専門員専門研修 ガイドライン - mhlw · 2018-06-19 · 1 ガイドライン作成の背景 (3)本ガイドラインの位置付け 介護支援専門員の資質向上については、これまで、必要な知識・技能の修得を目的とし、都道府県が実施主体

研修記録シート3(振り返り)

1 1 ~

2 2 ~

1

2

この振り返りシートは、科目の受講前後で各自の理解度を把握し、受講中の学習効果の向上と、受講後の学習のポイントを焦点化し、継続的な資質向上に役立てるものです。本科目を学習した時点で感じた事を書き留め、今後の学習方針や課題への取り組みを考える際に見返してみましょう。

研修名:専門研修Ⅰ

科目名:⑥-5ケアマネジメントの演習「家族への支援の視点が必要な事例」

受講日 時間 氏名

会場 番号

本科目に関連して、あなたが更に学んでいく必要があると考えることは何ですか

その他、この科目で感じたことは何ですか

項 目 内容

あなたのケアマネジメント実践を高めるために得たことは何ですか

得たことを実践でどのように活かせそうですか

235

Page 260: 介護支援専門員専門研修 ガイドライン - mhlw · 2018-06-19 · 1 ガイドライン作成の背景 (3)本ガイドラインの位置付け 介護支援専門員の資質向上については、これまで、必要な知識・技能の修得を目的とし、都道府県が実施主体

研修記録シート3(振り返り)

1 1 ~

2 2 ~

1

2

この振り返りシートは、科目の受講前後で各自の理解度を把握し、受講中の学習効果の向上と、受講後の学習のポイントを焦点化し、継続的な資質向上に役立てるものです。本科目を学習した時点で感じた事を書き留め、今後の学習方針や課題への取り組みを考える際に見返してみましょう。

研修名:専門研修Ⅰ

科目名:⑥-6ケアマネジメントの演習「社会資源の活用に向けた関係機関との連携に関する事例」

受講日 時間 氏名

会場 番号

本科目に関連して、あなたが更に学んでいく必要があると考えることは何ですか

その他、この科目で感じたことは何ですか

項 目 内容

あなたのケアマネジメント実践を高めるために得たことは何ですか

得たことを実践でどのように活かせそうですか

236

Page 261: 介護支援専門員専門研修 ガイドライン - mhlw · 2018-06-19 · 1 ガイドライン作成の背景 (3)本ガイドラインの位置付け 介護支援専門員の資質向上については、これまで、必要な知識・技能の修得を目的とし、都道府県が実施主体

研修記録シート3(振り返り)

1 1 ~

2 2 ~

1

2

この振り返りシートは、科目の受講前後で各自の理解度を把握し、受講中の学習効果の向上と、受講後の学習のポイントを焦点化し、継続的な資質向上に役立てるものです。本科目を学習した時点で感じた事を書き留め、今後の学習方針や課題への取り組みを考える際に見返してみましょう。

研修名:専門研修Ⅰ

科目名:⑥-7ケアマネジメントの演習「状態に応じた多様なサービス(地域密着型サービスや施設サービス等)の活用に関する事例」

受講日 時間 氏名

会場 番号

本科目に関連して、あなたが更に学んでいく必要があると考えることは何ですか

その他、この科目で感じたことは何ですか

項 目 内容

あなたのケアマネジメント実践を高めるために得たことは何ですか

得たことを実践でどのように活かせそうですか

237

Page 262: 介護支援専門員専門研修 ガイドライン - mhlw · 2018-06-19 · 1 ガイドライン作成の背景 (3)本ガイドラインの位置付け 介護支援専門員の資質向上については、これまで、必要な知識・技能の修得を目的とし、都道府県が実施主体

研修記録シート3(振り返り)

1 1 ~

2 2 ~

1

2

受講日 時間

この振り返りシートは、科目の受講前後で各自の理解度を把握し、受講中の学習効果の向上と、受講後の学習のポイントを焦点化し、継続的な資質向上に役立てるものです。本科目を学習した時点で感じた事を書き留め、今後の学習方針や課題への取り組みを考える際に見返してみましょう。

研修名:専門研修Ⅰ

科目名:⑦個人での学習及び介護支援専門員相互間の学習

会場 番号

氏名

本科目に関連して、あなたが更に学んでいく必要があると考えることは何ですか

その他、この科目で感じたことは何ですか

項 目 内容

あなたのケアマネジメント実践を高めるために得たことは何ですか

得たことを実践でどのように活かせそうですか

238

Page 263: 介護支援専門員専門研修 ガイドライン - mhlw · 2018-06-19 · 1 ガイドライン作成の背景 (3)本ガイドラインの位置付け 介護支援専門員の資質向上については、これまで、必要な知識・技能の修得を目的とし、都道府県が実施主体

研修記録シート3(振り返り)

1 1 ~

2 2 ~

1

2

受講日 時間

この振り返りシートは、科目の受講前後で各自の理解度を把握し、受講中の学習効果の向上と、受講後の学習のポイントを焦点化し、継続的な資質向上に役立てるものです。本科目を学習した時点で感じた事を書き留め、今後の学習方針や課題への取り組みを考える際に見返してみましょう。

研修名:専門研修Ⅰ

科目名:⑧研修全体を振り返っての意見交換、講評及びネットワーク作り

会場 番号

氏名

本科目に関連して、あなたが更に学んでいく必要があると考えることは何ですか

その他、この科目で感じたことは何ですか

項 目 内容

あなたのケアマネジメント実践を高めるために得たことは何ですか

得たことを実践でどのように活かせそうですか

239

Page 264: 介護支援専門員専門研修 ガイドライン - mhlw · 2018-06-19 · 1 ガイドライン作成の背景 (3)本ガイドラインの位置付け 介護支援専門員の資質向上については、これまで、必要な知識・技能の修得を目的とし、都道府県が実施主体

MEMO

240

Page 265: 介護支援専門員専門研修 ガイドライン - mhlw · 2018-06-19 · 1 ガイドライン作成の背景 (3)本ガイドラインの位置付け 介護支援専門員の資質向上については、これまで、必要な知識・技能の修得を目的とし、都道府県が実施主体

研修記録シート(学習の振り返り)

専門研修課程Ⅱ

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Page 267: 介護支援専門員専門研修 ガイドライン - mhlw · 2018-06-19 · 1 ガイドライン作成の背景 (3)本ガイドラインの位置付け 介護支援専門員の資質向上については、これまで、必要な知識・技能の修得を目的とし、都道府県が実施主体

研修記録シート1(目標)

研修名: 専門Ⅱ

1.受講前

受講者記入欄 :受講目標(研修後にどのような行動ができるようになりたいか)を記載してください。

管理者記入欄 :受講者に研修で学んでほしいこと・期待することを記載してください。

2.受講後(3カ月後程度)

:受講成果(目標の達成と実践への活用の状況)の自己評価を記載してください。

管理者記入欄 受講成果(受講者の目標の達成と実践への活用状況)を記載してください。

※管理者欄は、受講者が管理者本人、または、実務に就いていない等の理由により、記入できない場合、地域の主任介護支援専門員に相談して記入をお願いします。

※「受講後」の欄は、実務に就かない方は、未就労である旨を記載の上ご提出いただき、就労後にご活用ください。

記入者氏名

所属先及び役職記入者氏名

所属先及び役職

受講者記入欄

役職

入力日

入力日

※受講目標は受講者と管理者で相談して決めてください。

入力日

会場

入力日 役職

この事前提出シートは、研修受講前に「受講者」と「管理者」が受講に当たっての目標を共有するためのものです。研修に期待すること、目標、成果等を記入してください。赤枠内を入力してください。

氏名

番号

日程

241

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研修記録シート2(評価)

1 1 ~

2 2 ~

1

2

※研修は自己評価とし、4段階評価で、数字が大きいほど高評価、数字が小さいほど低評価として記入してください。【選択肢】 4. できる 3. 概ねできる 2. ほとんどできない 1. 全くできない

項 目 受講前

記入日(入力日)

実践評価

(3ヶ月後)

備 考

専門研修Ⅱ

番号

氏名

①介護保険制度及び地域包括ケアシステムの今後の展開

時間

会場

この振り返りシートは、科目の受講前後で各自の理解度を把握し、受講中の学習効果の向上と、受講後の学習のポイントを焦点化し、継続的な資質向上に役立てるものです。本科目を学習した時点で感じた事を書き留め、今後の学習方針や課題への取り組みを考える際に見返してみましょう。

研修名:

科目名:

受講日

受講直後

介護保険制度等の改正の内容とその理由について説明することができる。

地域の社会資源を活用したケアマネジメントを実施できる。

介護保険制度の中での課題解決のために新たな社会資源と関連付けた対応を実施できる。

地域包括ケアシステムの構築に向けた現状の取り組みや課題の解決のために介護支援専門員として具体的な行動を実施できる。

地域包括ケアシステムの構築に向けて地域課題の解決における介護支援専門員が果たすべき役割を具体的に実施できる。

242

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研修記録シート2(評価)

1 1 ~

2 2 ~

1

2

※研修は自己評価とし、4段階評価で、数字が大きいほど高評価、数字が小さいほど低評価として記入してください。【選択肢】 4. できる 3. 概ねできる 2. ほとんどできない 1. 全くできない

会場 番号

項 目

この振り返りシートは、科目の受講前後で各自の理解度を把握し、受講中の学習効果の向上と、受講後の学習のポイントを焦点化し、継続的な資質向上に役立てるものです。本科目を学習した時点で感じた事を書き留め、今後の学習方針や課題への取り組みを考える際に見返してみましょう。

研修名:

科目名:

受講日 氏名

②-1ケアマネジメントにおける実践事例の研究及び発表「リハビリテーション及び福祉用具の活用に関する事例」

備 考

専門研修Ⅱ

時間

受講前受講直後

実践評価

(3ヶ月後)

リハビリテーション(口腔リハビリテーションを含む)や福祉用具等に関する関連知識や歯科医師・リハビリテーション専門職・福祉用具専門相談員等との連携方法への応用を実施できる。

記入日(入力日)

リハビリテ―ション(口腔リハビリテーションを含む)福祉用具を組み入れた居宅サービス計画等の実践事例について意見交換を通して分析し、評価できる。

分析し、評価した内容を受講者間で共有し、アセスメントや居宅サービス計画等の作成における留意点を判断できる。

リハビリテーションや福祉用具等の地域の社会資源(インフォーマルサービス等)を活用したケアマネジメントを実施できる。

各種統計データを活用する等により、別の類似の事例等への応用を実施できる。

地域の各種統計データを必要に応じて活用することにより、他の事例へも応用できる。

243

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研修記録シート2(評価)

1 1 ~

2 2 ~

1

2

※研修は自己評価とし、4段階評価で、数字が大きいほど高評価、数字が小さいほど低評価として記入してください。【選択肢】 4. できる 3. 概ねできる 2. ほとんどできない 1. 全くできない

備 考

看護サービスを組み入れた居宅サービス計画等の実践事例について意見交換を通して分析し評価できる。

項 目

番号

受講前

この振り返りシートは、科目の受講前後で各自の理解度を把握し、受講中の学習効果の向上と、受講後の学習のポイントを焦点化し、継続的な資質向上に役立てるものです。本科目を学習した時点で感じた事を書き留め、今後の学習方針や課題への取り組みを考える際に見返してみましょう。

研修名:専門研修Ⅱ

科目名:②-2ケアマネジメントにおける実践事例の研究及び発表「看取り等における看護サービスの活用に関する事例」

受講日 時間 氏名

会場

看取り等を含む看護サービスの地域の社会資源(インフォーマルサービス等)を活用したケアマネジメントを実施できる。

分析し評価した内容を受講者間で共有し、アセスメントや居宅サービス計画等の作成における留意点を判断できる。

各種統計データを活用する等により、別の類似の事例等への応用を実施できる。

受講直後

実践評価

(3ヶ月後)

記入日(入力日)

地域の各種統計データを必要に応じて活用することにより、他の事例へも応用できる

看取り等を含む看護サービスを活用するにあたって各種知識や医師、看護師等との連携方法への応用を実施できる。

244

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研修記録シート2(評価)

1 1 ~

2 2 ~

1

2

※研修は自己評価とし、4段階評価で、数字が大きいほど高評価、数字が小さいほど低評価として記入してください。【選択肢】 4. できる 3. 概ねできる 2. ほとんどできない 1. 全くできない

氏名

この振り返りシートは、科目の受講前後で各自の理解度を把握し、受講中の学習効果の向上と、受講後の学習のポイントを焦点化し、継続的な資質向上に役立てるものです。本科目を学習した時点で感じた事を書き留め、今後の学習方針や課題への取り組みを考える際に見返してみましょう。

研修名:専門研修Ⅱ

科目名:②-3ケアマネジメントにおける実践事例の研究及び発表「認知症に関する事例」

受講日 時間

記入日(入力日)

分析し評価した内容を受講者間で共有し、アセスメントや居宅サービス計画等の作成における留意点を判断できる。

認知症である要介護者等の居宅サービス計画等の実践事例について意見交換を通して分析し評価できる。

項 目 受講前受講直後

実践評価

(3ヶ月後)

備 考

会場 番号

各種統計データを活用する等により、別の類似の事例等への応用を実施できる。

地域の各種統計データを必要に応じて活用することにより、他の事例へも応用できる。

医療職をはじめとする多職種や、地域住民との連携方法への応用を実施できる。

地域の社会資源(インフォーマルサービス等)を活用したケアマネジメントを実施できる。

245

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研修記録シート2(評価)

1 1 ~

2 2 ~

1

2

【選択肢】 4. できる 3. 概ねできる 2. ほとんどできない 1. 全くできない

時間

※研修は自己評価とし、4段階評価で、数字が大きいほど高評価、数字が小さいほど低評価として記入してください。

会場

この振り返りシートは、科目の受講前後で各自の理解度を把握し、受講中の学習効果の向上と、受講後の学習のポイントを焦点化し、継続的な資質向上に役立てるものです。本科目を学習した時点で感じた事を書き留め、今後の学習方針や課題への取り組みを考える際に見返してみましょう。

研修名:専門研修Ⅱ

科目名:②-4ケアマネジメントにおける実践事例の研究及び発表「入退院時等における医療との連携に関する事例」

受講日 氏名

備 考

番号

項 目 受講前受講直後

実践評価

(3ヶ月後)

記入日(入力日)

入退院時におけるケースの居宅サービス計画等の実践事例について意見交換を通して分析し評価できる。

分析し評価した内容を受講者間で共有し、アセスメントや居宅サービス計画等の作成における留意点を判断できる。

各種統計データを活用する等により、別の類似の事例等への応用を実施できる。

地域の各種統計データを必要に応じて活用することにより、他の事例へも応用できる。

医療職をはじめとする多職種との連携方法への応用を実施できる。

地域の社会資源(インフォーマルサービス等)を活用したケアマネジメントを実施できる。

246

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研修記録シート2(評価)

1 1 ~

2 2 ~

1

2

受講直後

【選択肢】 4. できる 3. 概ねできる 2. ほとんどできない 1. 全くできない

地域の社会資源(インフォーマルサービス等)を活用したケアマネジメントを実施できる。

番号会場

受講日 時間

この振り返りシートは、科目の受講前後で各自の理解度を把握し、受講中の学習効果の向上と、受講後の学習のポイントを焦点化し、継続的な資質向上に役立てるものです。本科目を学習した時点で感じた事を書き留め、今後の学習方針や課題への取り組みを考える際に見返してみましょう。

研修名:専門研修Ⅱ

科目名:②-5ケアマネジメントにおける実践事例の研究及び発表「家族への支援の視点が必要な事例」

氏名

家族支援が特に必要なケースの居宅サービス計画等の実践事例について意見交換を通して分析し評価できる。

分析し評価した内容を受講者間で共有し、アセスメントや居宅サービス計画等の作成における留意点を判断できる。

実践評価

(3ヶ月後)

項 目 受講前

記入日(入力日)

※研修は自己評価とし、4段階評価で、数字が大きいほど高評価、数字が小さいほど低評価として記入してください。

備 考

各種統計データを活用する等により、別の類似の事例等への応用を実施できる。

地域の各種統計データ必要に応じて活用することにより、他の事例へも応用できる。

家族に対する支援にあたり、重要となる各種知識や関係機関、地域住民をはじめとする多職種との連携方法への応用を実施できる。

247

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研修記録シート2(評価)

1 1 ~

2 2 ~

1

2

※研修は自己評価とし、4段階評価で、数字が大きいほど高評価、数字が小さいほど低評価として記入してください。【選択肢】 4. できる 3. 概ねできる 2. ほとんどできない 1. 全くできない

会場 番号

受講日

分析し評価した内容を受講者間で共有し、アセスメントや居宅サービス計画等の作成における留意点を再確認できる。

氏名時間

受講前

記入日(入力日)

他の制度(生活保護制度、成年後見制度等)を活用している事例、インフォーマルサービスを提供する事業者との連携が必要な事例等の居宅サービス計画等について意見交換を通して分析し評価できる。

受講直後

この振り返りシートは、科目の受講前後で各自の理解度を把握し、受講中の学習効果の向上と、受講後の学習のポイントを焦点化し、継続的な資質向上に役立てるものです。本科目を学習した時点で感じた事を書き留め、今後の学習方針や課題への取り組みを考える際に見返してみましょう。

研修名:専門研修Ⅱ

科目名:②-6ケアマネジメントにおける実践事例の研究及び発表「社会資源の活用に向けた関係機関との連携に関する事例」

項 目実践評価

(3ヶ月後)

備 考

各種統計データを活用する等により、別の類似の事例等に応用することができる。

他の制度を活用するにあたり重要となる各種知識や関係機関、多職種との連携方法に応用できる。

地域の社会資源(インフォーマルサービス等)を活用したケアマネジメントを実践できる。

地域の各種統計データを必要に応じて活用することにより、他の事例へも応用できる。

248

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研修記録シート2(評価)

1 1 ~

2 2 ~

1

2

【選択肢】 4. できる 3. 概ねできる 2. ほとんどできない 1. 全くできない

この振り返りシートは、科目の受講前後で各自の理解度を把握し、受講中の学習効果の向上と、受講後の学習のポイントを焦点化し、継続的な資質向上に役立てるものです。本科目を学習した時点で感じた事を書き留め、今後の学習方針や課題への取り組みを考える際に見返してみましょう。

研修名:専門研修Ⅱ

科目名:②-7ケアマネジメントにおける実践事例の研究及び発表「状態に応じた多様なサービス(地域密着型サービスや施設サービス等)の活用に関する事例」

番号会場

受講直後

実践評価

(3ヶ月後)

備 考

受講日 時間 氏名

項 目 受講前

分析し評価した内容を受講者間で共有し、アセスメントや居宅サービス計画等の作成における留意点を判断できる。

記入日(入力日)

地域密着型サービス等の多様なサービスを活用している事例等の居宅サービス計画等について意見交換を通して分析し評価できる。

状態に応じて多様なサービスを活用するにあたり重要となる各種知識や関係機関・介護サービス事業者との連携方法への応用を実施できる。

各種統計データを活用する等により、別の類似の事例等への応用を実施できる。

地域の各種統計データを必要に応じて活用することにより、他の事例へも応用できる。

地域の社会資源(インフォーマルサービス等)を活用したケアマネジメントを実施できる。

※研修は自己評価とし、4段階評価で、数字が大きいほど高評価、数字が小さいほど低評価として記入してください。

249

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研修記録シート3(振り返り)

1 1 ~

2 2 ~

1

2

この振り返りシートは、科目の受講前後で各自の理解度を把握し、受講中の学習効果の向上と、受講後の学習のポイントを焦点化し、継続的な資質向上に役立てるものです。本科目を学習した時点で感じた事を書き留め、今後の学習方針や課題への取り組みを考える際に見返してみましょう。

研修名:専門研修Ⅱ

科目名:①介護保険制度及び地域包括ケアシステムの今後の展開

受講日 時間 氏名

会場 番号

本科目に関連して、あなたが更に学んでいく必要があると考えることは何ですか

その他、この科目で感じたことは何ですか

項 目 内容

あなたのケアマネジメント実践を高めるために得たことは何ですか

得たことを実践でどのように活かせそうですか

250

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研修記録シート3(振り返り)

1 1 ~

2 2 ~

1

2

この振り返りシートは、科目の受講前後で各自の理解度を把握し、受講中の学習効果の向上と、受講後の学習のポイントを焦点化し、継続的な資質向上に役立てるものです。本科目を学習した時点で感じた事を書き留め、今後の学習方針や課題への取り組みを考える際に見返してみましょう。

研修名:専門研修Ⅱ

科目名:②-1ケアマネジメントにおける実践事例の研究及び発表「リハビリテーション及び福祉用具の活用に関する事例」

受講日 時間 氏名

会場 番号

本科目に関連して、あなたが更に学んでいく必要があると考えることは何ですか

その他、この科目で感じたことは何ですか

項 目 内容

あなたのケアマネジメント実践を高めるために得たことは何ですか

得たことを実践でどのように活かせそうですか

251

Page 278: 介護支援専門員専門研修 ガイドライン - mhlw · 2018-06-19 · 1 ガイドライン作成の背景 (3)本ガイドラインの位置付け 介護支援専門員の資質向上については、これまで、必要な知識・技能の修得を目的とし、都道府県が実施主体

研修記録シート3(振り返り)

1 1 ~

2 2 ~

1

2

本科目に関連して、あなたが更に学んでいく必要があると考えることは何ですか

その他、この科目で感じたことは何ですか

項 目 内容

あなたのケアマネジメント実践を高めるために得たことは何ですか

得たことを実践でどのように活かせそうですか

会場 番号

氏名受講日 時間

この振り返りシートは、科目の受講前後で各自の理解度を把握し、受講中の学習効果の向上と、受講後の学習のポイントを焦点化し、継続的な資質向上に役立てるものです。本科目を学習した時点で感じた事を書き留め、今後の学習方針や課題への取り組みを考える際に見返してみましょう。

研修名:専門研修Ⅱ

科目名:②-2ケアマネジメントにおける実践事例の研究及び発表「看取り等における看護サービスの活用に関する事例」

252

Page 279: 介護支援専門員専門研修 ガイドライン - mhlw · 2018-06-19 · 1 ガイドライン作成の背景 (3)本ガイドラインの位置付け 介護支援専門員の資質向上については、これまで、必要な知識・技能の修得を目的とし、都道府県が実施主体

研修記録シート3(振り返り)

1 1 ~

2 2 ~

1

2

本科目に関連して、あなたが更に学んでいく必要があると考えることは何ですか

その他、この科目で感じたことは何ですか

項 目 内容

あなたのケアマネジメント実践を高めるために得たことは何ですか

得たことを実践でどのように活かせそうですか

会場 番号

氏名受講日 時間

この振り返りシートは、科目の受講前後で各自の理解度を把握し、受講中の学習効果の向上と、受講後の学習のポイントを焦点化し、継続的な資質向上に役立てるものです。本科目を学習した時点で感じた事を書き留め、今後の学習方針や課題への取り組みを考える際に見返してみましょう。

研修名:専門研修Ⅱ

科目名:②-3ケアマネジメントにおける実践事例の研究及び発表「認知症に関する事例」

253

Page 280: 介護支援専門員専門研修 ガイドライン - mhlw · 2018-06-19 · 1 ガイドライン作成の背景 (3)本ガイドラインの位置付け 介護支援専門員の資質向上については、これまで、必要な知識・技能の修得を目的とし、都道府県が実施主体

研修記録シート3(振り返り)

1 1 ~

2 2 ~

1

2

本科目に関連して、あなたが更に学んでいく必要があると考えることは何ですか

その他、この科目で感じたことは何ですか

項 目 内容

あなたのケアマネジメント実践を高めるために得たことは何ですか

得たことを実践でどのように活かせそうですか

会場 番号

氏名受講日 時間

この振り返りシートは、科目の受講前後で各自の理解度を把握し、受講中の学習効果の向上と、受講後の学習のポイントを焦点化し、継続的な資質向上に役立てるものです。本科目を学習した時点で感じた事を書き留め、今後の学習方針や課題への取り組みを考える際に見返してみましょう。

研修名:専門研修Ⅱ

科目名:②-4ケアマネジメントにおける実践事例の研究及び発表「入退院時等における医療との連携に関する事例」

254

Page 281: 介護支援専門員専門研修 ガイドライン - mhlw · 2018-06-19 · 1 ガイドライン作成の背景 (3)本ガイドラインの位置付け 介護支援専門員の資質向上については、これまで、必要な知識・技能の修得を目的とし、都道府県が実施主体

研修記録シート3(振り返り)

1 1 ~

2 2 ~

1

2

本科目に関連して、あなたが更に学んでいく必要があると考えることは何ですか

その他、この科目で感じたことは何ですか

項 目 内容

あなたのケアマネジメント実践を高めるために得たことは何ですか

得たことを実践でどのように活かせそうですか

会場 番号

氏名受講日 時間

この振り返りシートは、科目の受講前後で各自の理解度を把握し、受講中の学習効果の向上と、受講後の学習のポイントを焦点化し、継続的な資質向上に役立てるものです。本科目を学習した時点で感じた事を書き留め、今後の学習方針や課題への取り組みを考える際に見返してみましょう。

研修名:専門研修Ⅱ

科目名:②-5ケアマネジメントにおける実践事例の研究及び発表「家族への支援の視点が必要な事例」

255

Page 282: 介護支援専門員専門研修 ガイドライン - mhlw · 2018-06-19 · 1 ガイドライン作成の背景 (3)本ガイドラインの位置付け 介護支援専門員の資質向上については、これまで、必要な知識・技能の修得を目的とし、都道府県が実施主体

研修記録シート3(振り返り)

1 1 ~

2 2 ~

1

2

本科目に関連して、あなたが更に学んでいく必要があると考えることは何ですか

その他、この科目で感じたことは何ですか

項 目 内容

あなたのケアマネジメント実践を高めるために得たことは何ですか

得たことを実践でどのように活かせそうですか

会場 番号

氏名受講日 時間

この振り返りシートは、科目の受講前後で各自の理解度を把握し、受講中の学習効果の向上と、受講後の学習のポイントを焦点化し、継続的な資質向上に役立てるものです。本科目を学習した時点で感じた事を書き留め、今後の学習方針や課題への取り組みを考える際に見返してみましょう。

研修名:専門研修Ⅱ

科目名:②-6ケアマネジメントにおける実践事例の研究及び発表「社会資源の活用に向けた関係機関との連携に関する事例」

256

Page 283: 介護支援専門員専門研修 ガイドライン - mhlw · 2018-06-19 · 1 ガイドライン作成の背景 (3)本ガイドラインの位置付け 介護支援専門員の資質向上については、これまで、必要な知識・技能の修得を目的とし、都道府県が実施主体

研修記録シート3(振り返り)

1 1 ~

2 2 ~

1

2

本科目に関連して、あなたが更に学んでいく必要があると考えることは何ですか

その他、この科目で感じたことは何ですか

項 目 内容

あなたのケアマネジメント実践を高めるために得たことは何ですか

得たことを実践でどのように活かせそうですか

会場 番号

氏名受講日 時間

この振り返りシートは、科目の受講前後で各自の理解度を把握し、受講中の学習効果の向上と、受講後の学習のポイントを焦点化し、継続的な資質向上に役立てるものです。本科目を学習した時点で感じた事を書き留め、今後の学習方針や課題への取り組みを考える際に見返してみましょう。

研修名:専門研修Ⅱ

科目名:②-7ケアマネジメントにおける実践事例の研究及び発表「状態に応じた多様なサービス(地域密着型サービスや施設サービス等)の活用に関する事例」

257

Page 284: 介護支援専門員専門研修 ガイドライン - mhlw · 2018-06-19 · 1 ガイドライン作成の背景 (3)本ガイドラインの位置付け 介護支援専門員の資質向上については、これまで、必要な知識・技能の修得を目的とし、都道府県が実施主体

MEMO

258

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01

参考資料

Page 286: 介護支援専門員専門研修 ガイドライン - mhlw · 2018-06-19 · 1 ガイドライン作成の背景 (3)本ガイドラインの位置付け 介護支援専門員の資質向上については、これまで、必要な知識・技能の修得を目的とし、都道府県が実施主体
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「介護支援専門員資質向上事業の実施について」 の一部改正の概要

1.主任介護支援専門員更新研修のポイント

○ 研修カリキュラム等の見直しにあたっての基本的な考え方

主任介護支援専門員には、介護支援専門員に対するスーパーバイズ、地域包

括ケアシステムを実現するために必要な情報の収集・発信、事業所や職種間の

調整といった役割が求められている。このような役割を果たすことをより一層

進めることが重要であり、その資質の向上を図っていくことが必要である。

そのため、主任介護支援専門員が継続的に知識・技術等の向上に努めている

かを確認し、また、自らの実践に足りないものを認識し、更なる資質向上を図

ることが重要であるとし、更新制を導入し、更新時における新たに研修を創設

することとした。

○ 新たな主任介護支援専門員更新研修カリキュラムの内容については別紙1

のとおりとする。

2.研修カリキュラム等の見直しの背景とそれに伴う要綱改正の背景

○ 「介護支援専門員の資質向上と今後のあり方に関する検討会(以下、「検討

会」という。)」を行い、平成25年1月に中間とりまとめを行ったところで

ある。

○ 検討会においては、介護支援専門員に係る研修制度について、研修カリキュ

ラムを見直すことにより研修内容の充実を図るべきとされた。

○ そこで、検討会で提言された内容等を踏まえ、平成18年度から実施されて

いる介護支援専門員に係る研修のカリキュラムや実施方法を見直すこととし

た。

○ 「介護支援専門員実務研修」、「介護支援専門員実務従事者基礎研修」、「介

護支援専門員専門(更新)研修」、「主任介護支援専門員研修」の4つの研修

については、平成26年7月4日老発0704第2号本職通知により、通知を

行ったところであり、今般、新たに導入することとした「主任介護支援専門員

更新研修」について研修カリキュラム等の検討を行った。

3.平成26年7月4日老発0704第2号本職通知にて通知した研修の変更

○ 平成26年7月4日老発0704第2号本職通知にて通知している「介護支

援専門員実務研修」、「介護支援専門員専門研修」、「主任介護支援専門員研

修」については、別紙2のとおり変更した。

259

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○ 地域包括ケアシステムの中で、医療職をはじめとする多職種と連携・協働しながら、利用者の尊厳を旨とした自立支援に資するケアマネジメントを実践できる専門職を養成するため、介護支援専門員に係る研修制度を見直す。

○ 入口の研修である介護支援専門員実務研修を充実するため、任意の研修となっている介護支援専門員実務従事者基礎研修を介護支援専門員実務研修に統合。

○ 主任介護支援専門員に更新制を導入し、更新時の研修として更新研修を創設。○ 専門職として修得すべき知識、技術を確認するため、各研修修了時に修了評価を実施。

実務研修

(87時間)

専門研修課程Ⅰ

(56時間)

専門研修課程Ⅱ

(32時間)

主任介護支援専門員研修

(70時間)

創設

実務研修

(44時間)

実務従事者基礎研修

(33時間)

専門研修課程Ⅰ

(33時間)

専門研修課程Ⅱ

(20時間)

主任介護支援専門員研修

(64時間)

実務従事者が対象

主任介護支援専門員更新

研修

(46時間)

合格

合格

実務従事者が対象

研修制度の見直し(平成28年度の研修※から)

統合

任意研修

更 新 研 修

(※) 実務研修等は平成28年度の介護支援専門員実務研修受講試験の合格発表の日から、専門研修等は平成28年4月1日から施行。

介護支援専門員(ケアマネジャー)の研修制度の見直し

※赤枠が今回の改正部分

更 新 研 修

(注) 今回の主任更新研修以外の研修については、告示(平成26年6月2日)及び局長通知(平成26年7月4日)にて改正済。

別紙1

260

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主任介護支援専門員研修の見直しについて

研修課目 時間

講義

主任介護支援専門員の役割と視点 5

ケアマネジメントとそれを担う介護支援専門員の倫理 3

ターミナルケア 3

人事・経営管理 3

サービス展開におけるリスクマネジメント 3

地域援助技術(コミュニティソーシャルワーク) 3

対人援助者監督指導(スーパービジョン) 6

事例研究及び事例指導方法 5

演習

地域援助技術 3

対人援助者監督指導 12

事例研究及び事例指導方法 18

合計 64

研修課目 時間

講義

主任介護支援専門員の役割と視点 5

ケアマネジメントの実践における倫理的な課題に対する支援 2

ターミナルケア 3

人材育成及び業務管理 3

運営管理におけるリスクマネジメント 3

講義・演習

地域援助技術 6

ケアマネジメントに必要な医療との連携及び多職種協働の実現(新)

対人援助者監督指導 18

個別事例を通じた介護支援専門員に対する指導・支援の展開 24

合計 70

研修課目 時間

講義介護保険制度及び地域包括ケアシステムの動向(新) 4

講義・演習

主任介護支援専門員としての実践の振り返りと指導及び支援の実践(新)

リハビリテーション及び福祉用具活用に関する事例 6

看取り等における看護サービスの活用に関する事例 6

認知症に関する事例 6

入退院時等における医療との連携に関する事例 6

家族への支援の視点が必要な事例 6

社会資源の活用に向けた関係機関との連携に関する事例 6

状態に応じた多様なサービス(地域密着型サービスや施設サービス等)の活用に関する事例

合計 46

別紙1

主任介護支援専門員更新研修として創設

261

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【変更点】

○別紙 介護支援専門員資質向上事業実施要綱

3 事業内容

追加:(6)主任介護支援専門員更新研修(別添6)

4 事業実施上の留意点

(7) 追加:なお、3の(5)及び(6)の研修修了者に交付する修了証明

書(以下「主任介護支援専門員研修修了証明書」という。)に

ついては、主任介護支援専門員研修修了証明書の有効期間を設

けることとし、その期間は5年とする。

5 研修の費用

旧:本事業の実施に要する経費については、別に定めるところにより補助

する。

→新:本事業は、地域医療介護総合確保基金を充てて実施する事業のうち、

介護従事者の確保に関する事業として実施することが可能である。

○別添1 介護支援専門員実務研修実施要綱

(2)研修内容

科 目 内 容

新 旧

利用者、多くの

種類の専門職

等への説明及

び合意

利用者及びその家族、利用者

を支援するサービスの担当者

等の多職種に対する説明の意

義・目的を理解するための講

義を行う。

利用者及びその家族、利用者

を支援するサービスの担当者

等の多職種に対する説明の意

義・目的を理解する為の講義

を行う。

別紙2

262

Page 291: 介護支援専門員専門研修 ガイドライン - mhlw · 2018-06-19 · 1 ガイドライン作成の背景 (3)本ガイドラインの位置付け 介護支援専門員の資質向上については、これまで、必要な知識・技能の修得を目的とし、都道府県が実施主体

○別添2 介護支援専門員専門研修実施要綱

(2) 研修内容

ア 専門研修課程Ⅰ

イ 専門研修課程Ⅱ

○別添5 主任介護支援専門員研修実施要綱

2 対象者

③ 旧:施行規則第140条の66第2号ハ

→新:施行規則第140条の66第1号イの(3)

科 目 内 容

新 旧

ケアマネジメ

ントの演習

・リハビリテー

ション及び福

祉用具の活用

に関する事例

リハビリテーション(口腔リ

ハビリテーションを含む。)や

福祉用具等に関する基礎知識

の向上と活用に当たっての基

本的な視点に関する講義を行

う。

リハビリテーション(口腔リ

ハビリテーションを含む。)や

福祉用具に関する基礎知識の

向上と活用に当たっての基本

的な視点に関する講義を行う。

リハビリテーションや福祉用

具等の活用に関する事例を用

いて、適切なアセスメントを

行う際の重要なポイントや地

域の社会資源を活用したケア

マネジメントを実践する知

識・技術を修得する。

リハビリテーションや福祉用

具の活用に関する事例を用い

て、適切なアセスメントを行

う際の重要なポイントや地域

の社会資源を活用したケアマ

ネジメントを実践する知識・

技術を修得する。

科 目 内 容

新 旧

ケアマネジメ

ントにおける

実践事例の研

究及び発表

・認知症に関す

る事例

認知症である要介護者等の支

援方法を検討するに当たり、

効果的なものとなるようイン

フォーマルサービスも含めた

地域の社会資源を活用したケ

アマネジメントの展開に関す

る講義を行う。

認知症である要介護者等を検

討するに当たり、効果的なも

のとなるようインフォーマル

サービスも含めた地域の社会

資源を活用したケアマネジメ

ントの展開に関する講義を行

う。

263

Page 292: 介護支援専門員専門研修 ガイドライン - mhlw · 2018-06-19 · 1 ガイドライン作成の背景 (3)本ガイドラインの位置付け 介護支援専門員の資質向上については、これまで、必要な知識・技能の修得を目的とし、都道府県が実施主体

老発0212 第1号

平成27年2月12日

各都道府県知事 殿

厚生労働省老健局長

( 公 印 省 略 )

「介護支援専門員資質向上事業の実施について」の一部改正について

介護支援専門員の実務研修等の研修実施については、「介護支援専門員資質向上事業の実

施について」(平成26年7月4日付け老発0704第2号厚生労働省老健局長通知)にお

いて、介護支援専門員及び主任介護支援専門員に係る各研修の実施方法等の見直しを行っ

たところである。

主任介護支援専門員については、地域包括ケアの推進など、求められる役割がこれまで

以上に大きくなることが見込まれ、実践を通じた能力向上を担保する必要がある。そのた

め、主任介護支援専門員が継続的に知識・技術等の向上に努めているかを確認し、また、

自らの実践に足りないものを認識し、更なる資質向上を図ることが重要であることから、

介護保険法施行規則(平成11年厚生省令第36号)及び介護保険法施行令第37条の1

5第2項に規定する厚生労働大臣が定める基準(平成18年厚生労働省告示第265号)

の一部改正を行い、主任介護支援専門員更新研修を導入したところであり、主な改正内容

は下記のとおりである。

これを踏まえ、今般、「介護支援専門員資質向上事業実施要綱」の一部を別紙のとおり改

め、平成28年4月1日より適用することとしたので、その取り扱いに遺漏なきようお願

いする。

1 主任介護支援専門員更新研修を5年を超えない期間ごとに受ける。

2 主任介護支援専門員更新研修を修了したものは、介護支援専門員更新研修を修

了したものとする。

264

Page 293: 介護支援専門員専門研修 ガイドライン - mhlw · 2018-06-19 · 1 ガイドライン作成の背景 (3)本ガイドラインの位置付け 介護支援専門員の資質向上については、これまで、必要な知識・技能の修得を目的とし、都道府県が実施主体

(別紙)

介護支援専門員資質向上事業実施要綱

1 目的

要介護者等ができる限り住み慣れた地域で、最期まで尊厳をもって自分らしい自立し

た日常生活を送るためには、医療・介護・予防・住まい・生活支援といった多様なサー

ビスが一体的に提供されるとともに、医療職をはじめとする多職種と連携・協働しなが

ら要介護者等を支援できるよう、適切にケアマネジメントを行うことが重要である。そ

の中核的な役割を担う介護支援専門員について、その養成段階で行われる介護支援専門

員実務研修や現任者を対象とした研修等を体系的に実施することにより、介護保険制度

の基本理念である利用者本位、自立支援、公正中立等の理念を徹底し、専門職としての

専門性の向上を図ることにより、利用者の自立支援に資する適切なケアマネジメントの

実現に資することを目的とする。

また、主任介護支援専門員については、地域包括ケアシステムの構築に向けて、地域

課題の把握から社会資源の開発等の地域づくりや地域の介護支援専門員の人材育成等の

役割を果たすことができる専門職の養成を図ることを目的とする。

2 実施主体

実施主体は、都道府県又は都道府県知事の指定した研修実施機関(以下「都道府県

等」という。)とする。

3 事業内容

本事業の事業内容は以下のとおりとする。

(1)介護支援専門員実務研修(別添1)

(2)介護支援専門員専門研修(別添2)

(3)介護支援専門員再研修 (別添3)

(4)介護支援専門員更新研修(別添4)

(5)主任介護支援専門員研修(別添5)

(6)主任介護支援専門員更新研修(別添6)

4 事業実施上の留意点

265

Page 294: 介護支援専門員専門研修 ガイドライン - mhlw · 2018-06-19 · 1 ガイドライン作成の背景 (3)本ガイドラインの位置付け 介護支援専門員の資質向上については、これまで、必要な知識・技能の修得を目的とし、都道府県が実施主体

(1)各研修の実施に当たっては、施行規則及び施行規則に基づく告示のほか、別添の研

修実施要綱により行うものとする。

(2)一の研修日程の分割については、各都道府県の実情に即して適宜分割して行うもの

とする。

特に、現任の介護支援専門員を対象としている研修については、研修開催日程、研

修開催期間、研修定員等の規模等の設定に当たっては、選択的な受講が可能となるよ

う各講義を個別に開講したり、開講日(曜日)、時間等についても工夫をする等、各都

道府県の実情に応じて受講者が受講しやすいよう適宜配慮をすること。

また、やむを得ない事情により研修の一部を受講できない者に対しては、適切な方

法による代替措置をとることができるものとする。

(3)受講者の負担や各都道府県の実情に応じて、各研修における講義の一部又は全部を

通信学習とすることができるものとする。なお、通信学習を実施する場合には、適切

な教材及び適切な方法により、指導及び評価を行うこと。

(4)各研修事業の実施主体である都道府県等は、介護支援専門員が行う業務を常に念頭

におき、介護支援専門員がその業務を行う上で効果的な研修となるよう、その内容や

実施方法等について留意しなければならない。

(5)各研修事業の実施主体である都道府県等は、各研修の実施に当たっては、他の研修

の研修内容とも相互に連携を図り、受講者の業務の習熟度に応じて必要な知識を修得

するために体系的な研修内容となるよう配慮しなければならない。

(6)本事業で行う研修のうち、次のア、イの各々の研修については、研修科目が同一で

あることから、研修開催日程、研修場所、研修定員等の規模等の設定に当たっては、

適切な研修が行われるよう配慮することを前提に、同一の日程等で行うことは差し支

えない。

ア 別添1「介護支援専門員実務研修実施要綱」に基づく介護支援専門員実務研修(一

部科目)、別添3「介護支援専門員再研修実施要綱」に基づく介護支援専門員再研修

及び別添4「介護支援専門員更新研修実施要綱」の3の(2)に基づく実務未経験

者に対する介護支援専門員更新研修

イ 別添2「介護支援専門員専門研修実施要綱」に基づく介護支援専門員専門研修及

び別添4「介護支援専門員更新研修実施要綱」の3の(3)に基づく実務経験者に

対する介護支援専門員更新研修

(7)都道府県知事又は指定研修実施機関の長は、研修修了者に対し、修了証明書を交付

するとともに、研修修了者について、修了証明書番号、修了年月日、氏名、生年月日

266

Page 295: 介護支援専門員専門研修 ガイドライン - mhlw · 2018-06-19 · 1 ガイドライン作成の背景 (3)本ガイドラインの位置付け 介護支援専門員の資質向上については、これまで、必要な知識・技能の修得を目的とし、都道府県が実施主体

等必要事項を記載した名簿を作成し、管理する。

なお、3の(5)及び(6)の研修修了者に交付する修了証明書(以下「主任介護

支援専門員研修修了証明書」という。)については、主任介護支援専門員研修修了証明

書の有効期間を設けることとし、その期間は5年とする。

5 研修の費用

本事業は、地域医療介護総合確保基金を充てて実施する事業のうち、介護従事者の確

保に関する事業として実施することが可能である。

ただし、本研修に使用する教材等に係る実費相当分、研修会場までの受講者の旅費及

び宿泊費については、受講者が負担するものとする。

6 研修実施機関の指定に係る留意事項

(1)研修実施機関の指定に係る要件

都道府県知事は、介護保険法(平成9年法律第123号。以下「法」という。)、介

護保険法施行令(平成10年政令第412号)及び施行規則で定める要件の他、以下

についても適切に行われるよう指導すること。

・ 講師、会場等の研修体制及び事務処理体制の確保

・ 会計帳簿、決算書類等の整備及び適正な経理処理

・ 研修修了者名簿等の継続的な管理

なお、研修実施機関の指定を行うに当たっては、研修の円滑な実施の観点から、保

健、医療、福祉の主要な関係団体の意向を十分踏まえた上で調整を行うこと。

(2)研修実施機関に係る要件

研修実施機関は、法及び施行規則に定める要件の他、以下についても適切に行うこ

と。

① 研修事業を継続的に毎年一回以上実施すること。

② 研修受講者に研修内容等を明示するため、少なくとも次に掲げる事項を明ら

かにした規程を定めること。

・ 開講目的

・ 研修事業の名称

・ 実施場所

・ 研修期間

・ 研修科目

267

Page 296: 介護支援専門員専門研修 ガイドライン - mhlw · 2018-06-19 · 1 ガイドライン作成の背景 (3)本ガイドラインの位置付け 介護支援専門員の資質向上については、これまで、必要な知識・技能の修得を目的とし、都道府県が実施主体

・ 講師氏名

・ 研修修了の認定方法

・ 受講資格

・ 受講手続き

・ 受講料等

③ 研修の出席状況等研修受講者に関する状況を確実に把握し保存すること。

④ 事業運営上知り得た研修受講者に係る秘密の保持については、厳格に行うこ

と。

⑤ 演習等において知り得た個人の秘密の保持について、厳格に行うとともに、

研修受講者が十分に留意するよう指導すること。

268

Page 297: 介護支援専門員専門研修 ガイドライン - mhlw · 2018-06-19 · 1 ガイドライン作成の背景 (3)本ガイドラインの位置付け 介護支援専門員の資質向上については、これまで、必要な知識・技能の修得を目的とし、都道府県が実施主体

(別添1)

介護支援専門員実務研修実施要綱

1 目的

介護支援専門員として利用者の自立支援に資するケアマネジメントに関する必要な知

識及び技能を修得し、地域包括ケアシステムの中で医療との連携をはじめとする多職種

協働を実践できる介護支援専門員の養成を図ることを目的とする。

2 対象者

法第69条の2第1項に規定する介護支援専門員実務研修受講試験に合格した者とす

る。

3 実施方法及び研修課程

(1)基本的な考え方

介護支援専門員は、法第7条第5項において、「要介護者又は要支援者(以下「要

介護者等」という。)からの相談に応じ、及び要介護者等がその心身の状況等に応じ

適切な居宅サービス、地域密着型サービス、施設サービス、介護予防サービス又は地

域密着型介護予防サービスを利用できるよう市町村、居宅サービス事業を行う者、地

域密着型サービス事業を行う者、介護保険施設、介護予防サービス事業を行う者、地

域密着型介護予防サービス事業を行う者等との連絡調整等を行う者であって、要介護

者等が自立した日常生活を営むのに必要な援助に関する専門的知識及び技術を有する

ものとして第69条の7第1項の介護支援専門員証の交付を受けたもの」とされ、そ

の養成課程である介護支援専門員実務研修(以下「実務研修」という。)は、施行規

則第113条の4第1項において、「介護支援専門員として必要な専門的知識及び技

術を修得させることを目的とし」て、同条第2項において、「居宅サービス計画、施

設サービス計画及び介護予防サービス計画に関する専門的知識及び技術の修得に係る

ものをその主たる内容」とすると定められているところである。

したがって、実務研修の内容は、利用者の自立支援を図るために、アセスメントの

重要性を認識し、居宅サービス計画、施設サービス計画及び介護予防サービス計画の

作成、サービスの利用、モニタリングの実施等のいわゆる「ケアマネジメント」の過

程に沿った各段階で必要な視点や手法を修得するとともに、地域包括ケアシステムの

中で医療との連携をはじめとする多職種協働の手法を修得できるものでなければなら

ない。

(2)研修内容

実務研修で行うべき科目については、「厚生労働大臣が定める介護支援専門員等に

係る研修の基準」(平成18年厚生労働省告示第218号)第1号に規定されている

ところであるが、科目、目的、内容及び時間数については以下のとおりであり、合計

87時間以上とする。

科 目 目 的 内 容 時間数

【 前 期 】

○介護保険制度の理

念・現状及びケアマ

介護保険制度の理念

等を理解するととも

・介護保険制度の基本理念を理解し、介護保険制度

における利用者の尊厳の保持、自立支援に資する

講義3時間

269

Page 298: 介護支援専門員専門研修 ガイドライン - mhlw · 2018-06-19 · 1 ガイドライン作成の背景 (3)本ガイドラインの位置付け 介護支援専門員の資質向上については、これまで、必要な知識・技能の修得を目的とし、都道府県が実施主体

ネジメント に、地域包括ケアシス

テムの構築に向けた取

組の現状を理解する。

また、介護保険制度

における利用者の尊厳

の保持及び自立支援に

資するケアマネジメン

トの役割を理解し、地

域包括ケアシステムに

おける介護支援専門員

の役割を認識する。

ケアマネジメントの役割、ケアマネジメントを担

う介護支援専門員に求められる機能や役割に関す

る講義を行う。

・介護保険制度の現状と地域包括ケアシステムが求

められる背景とその考え方、構築に向けた取組状

況に関する講義を行う。

・介護サービスの利用手続き(要介護認定等に関す

る基本的な視点と概要)、居宅サービス計画等の

作成、保険給付及び給付管理等の仕組みといった

一連の関係性についての講義を行う。

○自立支援のための

ケアマネジメントの

基本

利用者の尊厳の保持

及び自立支援に資する

ケアマネジメントの視

点を理解する。

また、利用者が住み

慣れた地域で主体的な

生活を送ることができ

るように支援すること

の重要性を理解すると

ともに、在宅生活を支

援する上で、家族に対

する支援の重要性を理

解する。

・ケアマネジメントの成り立ちや機能について理解

するとともに、指定居宅介護支援等の事業の人員

及び運営に関する基準に基づいて、介護支援専門

員としての責務及び業務を理解し、ケアマネジメ

ントの中心的な役割を担う立場であることを認識

するための講義を行う。

・利用者が住み慣れた地域で、最期まで尊厳をもっ

て自分らしい生活を送ることができるよう、自立

支援のためのケアマネジメントを実践する上で必

要な視点を理解する。

・インフォーマルサービスも活用したケアマネジメ

ントを理解する。

・利用者を支援する上で、家族を取り巻く環境に留

意し、家族に対する支援の重要性や目的を理解す

る。

・介護予防支援や、介護予防・日常生活支援総合事

業におけるケアマネジメントにおいても、基本的

な考え方やプロセスは同様であることから、これ

らも含めた形での講義を行う。

講義及び演

習6時間

○相談援助の専門職

としての基本姿勢及

び相談援助技術の基

ケアマネジメントに

おける相談援助の専門

性を理解し、直接援助

職から相談援助職への

視座の転換を行う。

また、利用者のニー

ズを把握する上で、利

用者を多面的に捉える

視点の必要性を理解

し、利用者の自立支援

に向けた相談援助技術

を修得する。

・直接援助を行う職種と相談援助を行う職種の各々

の役割や視点の違いを認識することにより、相談

援助の職種における専門性を理解する為の講義を

行う。

・相談援助を行う上での留意点として、感情移入す

ることなく自己を客観視することの重要性とその

ための方法等に関する講義を行う。

・利用者のニーズを把握する上で、利用者を多面的

に捉える視点(身体的・心理的状況、生活環境、社

会参加状況等)について理解する。

・相談援助に係る基本的な技法を理解する。

講義及び演

習4時間

270

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○人格の尊重及び権

利擁護並びに介護支

援専門員の倫理

人権と尊厳を支える

専門職に求められる姿

勢を認識する。

また、介護支援専門

員としての職業倫理を

理解するとともに、日

常業務で直面する倫理

的課題等を認識する。

・介護支援専門員が備えるべき、利用者本位、自立

支援、公正中立、権利擁護、守秘義務、利用者の

ニーズの代弁等の倫理に関する講義を行う。

・人権の概念、利用者の尊厳の保持、介護支援専門

員の倫理綱領、倫理原則、成年後見制度等に関す

る講義を行う。

・ケアマネジメントの実践において直面しやすい倫

理的な課題とその課題に向き合うことの重要性を

理解するための講義を行う。

講義2時間

○利用者、多くの種

類の専門職等への説

明及び合意

利用者及びその家族

に対する適切な説明と

合意形成の手法を修得

する。

また、サービス担当

者会議、地域ケア会議

等様々な場面において

も説明と合意が得られ

る技術を修得する。

・利用者及びその家族、利用者を支援するサービス

の担当者等の多職種に対する説明の意義・目的を

理解するための講義を行う。

・サービス担当者会議や地域ケア会議等における場

面ごとに求められる説明の意味・目的を理解する

とともに説明の技法(話の構成、姿勢、スピード、

言葉の選択等)を修得する。

・説明から利用者の合意に向かうまでのプロセスの

重要性とポイントを理解するとともに、多職種協

働における説明責任を理解する。

講義及び演

習2時間

○ケアマネジメント

のプロセス

ケアマネジメントプ

ロセスの全体像を理解

する。

・ケアマネジメントプロセスの構成と流れを理解す

るとともに、各プロセスにおける意義・目的に関

する講義を行う。

・ケアマネジメントプロセスにおける各プロセスの

相互の関係についての講義を行う。

講義2時間

○ケアマネジメント

に必要な基礎知識及

び技術

・受付及び相談並び

に契約

受付及び初期面接相

談(インテーク)、契約

の各場面で求められる

実践的な技術を修得す

る。

・受付及び初期面接相談(インテーク)の場面にお

ける相談援助の視点と技術を修得するとともに、

利用者及びその家族との信頼関係の構築の重要性

について講義を行う。

・契約は重要事項の説明を経た法律行為であること

から、利用者が主体となる契約の意義とそれを保

障するための仕組み(苦情申し立て、権利擁護等)

についての講義を行う。

・契約に関する制度上の位置付けや留意事項に関す

る講義を行う。

講義及び演

習1時間

・アセスメント及び

ニーズの把握の方法

利用者及びその家族

並びに多職種からの情

報収集とその分析を通

じて、介護支援専門員

としての専門的な判断

の根拠を説明できる技

術を修得する。

また、アセスメント

・アセスメントからニーズを導き出すまでの思考過

程の全体像に関する講義を行う。

・アセスメントにおける情報収集の項目の内容、目

的、主治医意見書の記載内容を理解するとともに、

情報収集の方法・技術を修得する。

・収集した情報を的確に分析することにより、課題

の明確化、改善及び悪化の可能性などを導き出せ

ることを理解する。

講義及び演

習6時間

271

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において収集した情報

から、専門職としてニ

ーズを導くための技術

を修得する。

・利用者の生活全体を捉える視点の重要性を理解す

るとともに、利用者の生活の現況から生活機能(W

HO国際生活機能分類による)と背景を把握し、

理解する視点を修得する。

・課題整理総括表等を用いてADLやIADL等の

状況から利用者が抱える課題を明確化し、状態の

維持改善及び悪化の可能性の判断と予測を立て、

適切なニーズを導くための技術を修得する。

・居宅サービス計画

等の作成

ニーズを踏まえた目

標の設定と目標を実現

するための居宅サービ

ス計画等の作成技術を

修得する。

また、居宅サービス

計画等と訪問介護計画

等の個別のサービス計

画との連動の重要性を

理解する。

・利用者及び家族の生活に対する意向及び総合的な

援助の方針を記載するに当たっての留意点に関す

る講義を行う。

・アセスメントから導いたニーズを解決するための

視点と達成するための目標の関係についての講義

を行う。

・インフォーマルサービスも含めた社会資源の種類

及び内容を理解するとともに、インフォーマルサ

ービスの活用も含めた居宅サービス計画等を作成

する方法を理解する。

・保健医療サービス利用時の主治医等からの意見収

集、リハビリテーション専門職からの意見収集な

ど、多職種との連携に当たっての留意点に関する

講義を行う。

・訪問介護計画等の個別サービスの計画は、居宅サ

ービス計画に記載したニーズや目標に基づいて作

成され、利用者を支援するサービス提供につなが

っていくものであることから、居宅サービス計画

との連動の重要性を理解するとともに、個別サー

ビスの計画につながる目標の立て方等を修得す

る。

講義及び演

習4時間

・サービス担当者会

議の意義及び進め方

多職種とのアセスメ

ント結果の共有や、居

宅サービス計画等の原

案に対する専門的見地

からの意見収集の意義

を理解し、会議の開催

に係る具体的な方法を

修得する。

・会議を開催するに当たり、事前の準備や開催当日

の準備など、必要な業務を理解するとともに、会

議の進行の手法等に関する講義を行う。

・サービス担当者会議は、利用者及び家族並びにサ

ービス担当者も含めて、利用者を支援していくた

めの方向性を定める場であることから、介護支援

専門員によるアセスメントの結果を共有すること

の重要性を理解する。

・会議での意識の共有に当たり、居宅サービス計画

と訪問介護計画等の個別サービス計画との内容の

整合性を確認することの重要性を理解する。

・複数のサービスを利用する場合には、各サービス

の個別サービス計画ごとの内容を確認することの

重要性を理解する。

講義及び演

習4時間

272

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・新規ケース、更新ケース、要介護状態等の区分変

更ケースごとのサービス担当者会議における検討

の留意点についての講義を行う。

・モニタリング及び

評価

ケアマネジメントプ

ロセスにおけるモニタ

リングの意義・目的や、

多職種との連携による

サービス実施の効果を

検証することの重要性

を理解する。

・利用者及びその家族、サービス担当者等との継続

的な連絡や、居宅を訪問し利用者と面接すること

の意味を理解するための講義を行う。

・モニタリングにおける視点や手法、状況の変化へ

の対応を理解する。

・評価表等を活用し目標に対する各サービスの達成

度(効果)の検証の必要性と評価手法を修得する。

・居宅サービス計画の再作成を行う方法と技術につ

いての講義を行う。

・モニタリングにおける多職種との役割分担と連携

の重要性を理解する。

・モニタリング結果の記録作成の意味と、記録に当

たっての留意点を理解するための講義を行う。

講義及び演

習4時間

○介護支援専門員に

求められるマネジメ

ント(チームマネジ

メント)

多職種に対する理

解・尊重に基づいてチ

ームを組成し、円滑に

機能させるための基本

的な技術を修得する。

・利用者及びその家族の支援に際し、チームアプロ

ーチの意義を理解するとともに、介護支援専門員

には、ケアのマネジメントだけでなく、チームの

マネジメントも求められることを認識するための

講義を行う。

・チームアプローチに際し、チームを組成する各職

種の専門性と各々に求められる役割を理解すると

ともに、チームにおける介護支援専門員の役割を

理解し、チーム運営において想定される課題や対

応策を含め、チームを円滑に機能させるために必

要な知識・技術を修得する。

講義及び演

習2時間

○地域包括ケアシス

テム及び社会資源

地域包括ケアの理念

を踏まえ、地域包括ケ

アを推進していくに当

たり介護支援専門員に

求められる役割を理解

する。

また、利用者を支援

する上で知っておくべ

き各種制度や地域の社

会資源の重要性を理解

する。

・地域包括ケアシステムの構築が求められる背景及

び地域包括ケアシステムが目指す姿についての講

義を行う。

・地域包括ケアシステムを構築していく中で介護支

援専門員に求められる役割(自立支援に資するケ

アマネジメント、インフォーマルサービスを含め

た社会資源の活用、多職種や地域包括支援センタ

ー等との連携、不足している地域資源の提案等)

に関する講義を行う。

・地域包括ケアを実現していくためのケアマネジメ

ントを行う上で、必要な保健・医療・福祉サービ

スに関する講義を行う。

・地域包括ケアシステムの構築に関して、地域の現

状、課題、目指す方向性、社会資源の整備状況等

を把握する事が大切であることから介護保険事業

計画、地域ケア会議の重要性や内容に関する講義

講義3時間

273

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を行う。

・生活保護制度、障害施策、老人福祉施策、地域ケ

ア会議などの概要について理解するとともに、関

連する機関やボランティア等との連携・協力・ネ

ットワークの構築についての講義を行う。

○ケアマネジメント

に必要な医療との連

携及び多職種協働の

意義

医療との連携や多職

種協働の意義を踏ま

え、具体的な連携の場

面で必要となる基本的

な知識や連携の手法を

修得する。

・医療との連携に当たって早い段階から連携の重要

性を理解し、利用者の医療に係る情報や状態の改

善可能性に係る意見等を把握しておく必要がある

ことから、医療機関や医療職からの情報収集の方

法等についての講義を行う。

・医療との連携に当たっての留意点を理解するとと

もに、介護支援専門員から医療機関や医療職への

情報提供の方法及び内容(生活状況、サービスの

利用状況等)に関する講義を行う。

・地域における、在宅医療・介護の連携を推進する

役割を担っている機関の概要に関する講義を行

う。

・多職種協働の意義を理解するとともに、多職種間

で情報を共有することの重要性を理解し、情報共

有に当たり個人情報を取り扱う上での利用者やそ

の家族の同意の必要性についての講義を行う。

講義3時間

○ケアマネジメント

に係る法令等の理解

法令を遵守し、介護

支援専門員の業務を適

切に遂行できるよう、

介護保険制度に係る法

令等を正しく理解す

る。

・介護保険法、介護保険法施行令、介護保険法施行

規則、厚生労働省告示、居宅サービス等の運営基

準、居宅介護支援等の運営基準に関しその位置付

けや業務との関連を俯瞰する講義を行う。(特に、

介護支援専門員及びケアマネジメントに関する部

分の規定について、業務と関連づけて理解する。)

・事業所の指定取消や介護支援専門員の登録消除な

どの不適切事例を参考に、ケアマネジメントを実

践する上での法令遵守(コンプライアンス)の重

要性を認識するための講義を行う。

・介護報酬に係る関係告示や通知等の概要について

の講義を行う。

講義2時間

○実習オリエンテー

ション

研修における実習の

位置付けと目的、実施

方法を理解し、効果的

な実習に結びつける。

・実習は、ケアマネジメントの実践現場を通して様

々なことを学ぶことができる機会であるととも

に、これまでの講義や演習を通じて身につけた知

識・技術を試行する機会でもあり、効果的な実習

となるよう、実習の目的についての講義を行う。

・実習の流れや実習時の心構えなどに関する講義を

行う。(実習を通じて、地域ごとの社会資源等の

状況や現場での倫理的課題などについても意識を

向けるよう認識する。)

講義1時間

○ケアマネジメント 実習現場でのケアマ ・実習に当たっては、利用者への居宅訪問を行い、

274

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の基礎技術に関する

実習

ネジメントプロセスの

経験を通じて、実践に

当たっての留意点や今

後の学習課題等を認識

する。

アセスメントの実施、居宅サービス計画の作成、

サービス担当者会議の準備・同席、モニタリング

の実施、給付管理業務の方法など一連のケアマネ

ジメントプロセスの実習を行う。

【 後 期 】

○実習振り返り 実習を通して得られ

た気付きや課題を客観

的に振り返り、発表す

ることを通じて今後の

学習課題を認識する。

・実習で行ったアセスメントや居宅サービス計画の

作成など、一連のケアマネジメントプロセスの実

践事例を発表することにより、実習を通じて感じ

た気付きや不足している知識・技術といった課

題、現場で生じうる倫理的な課題を共有する。

・受講者間で共有した課題や実習に関する講師から

の総評を踏まえて、今後、専門職として身につけ

ていくべき知識・技術についての学習課題を認識

する講義を行う。

講義及び演

習3時間

○ケアマネジメント

の展開

・基礎理解

ケアマネジメントは

高齢者の生理、心理、

生活環境などの構造的

な理解に基づいて行わ

れる必要があることを

理解する。

・ケアマネジメントを実践する上で必要な高齢者の

生理、高齢者やその家族の心理、住環境や同居者

の有無などそれぞれの要素と要素の関係性の重要

性に関する講義を行う。

・それらの関係性を踏まえたアセスメント、課題分

析の視点、居宅サービス計画等への具体的な展開

方法など、支援に当たってのポイントを理解する。

・高齢者本人が望む生活の実現のための意思決定の

支援方法について修得する。

・高齢者の代表的な疾患や症候群別のケアマネジメ

ントを学ぶことの有効性について理解する。

講義及び演

習3時間

・脳血管疾患に関す

る事例

脳血管疾患の特性や

療養上の留意点、起こ

りやすい課題を踏まえ

た支援に当たってのポ

イントを理解する。

・脳血管疾患の分類、症状、後遺症、生活障害の程

度と身体機能の関係、廃用症候群との関係性につ

いての講義を行う。

・脳血管疾患における療養上の留意点や起こりやす

い課題についての講義を行う。

・脳血管疾患の要介護者等に対するリハビリテーシ

ョンや福祉用具、住宅改修の効果的な活用に関す

る講義を行う。

・リハビリテーションや福祉用具等、それらを活用

する際の医療職をはじめとする多職種との連携・

協働に当たってのポイントを理解する。

・脳血管疾患の事例におけるアセスメント、課題分

析の視点、居宅サービス計画等の作成、サービス

担当者会議における情報共有に当たっての留意

点、モニタリングでの視点を理解する。

講義及び演

習5時間

・認知症に関する事

認知症の特性や療養

上の留意点、起こりや

・認知症の器質的障害種類別の原因、症状、改善可

能性、症状の進行並びに薬物療法の有効性、留意

講義及び演

習5時間

275

Page 304: 介護支援専門員専門研修 ガイドライン - mhlw · 2018-06-19 · 1 ガイドライン作成の背景 (3)本ガイドラインの位置付け 介護支援専門員の資質向上については、これまで、必要な知識・技能の修得を目的とし、都道府県が実施主体

すい課題を踏まえた支

援に当たってのポイン

トを理解する。

点及び副作用について理解する。

・認知症における療養上の留意点、倫理的な対応及

び起こりやすい課題に関する講義を行う。

・認知症ケアにおける医療職をはじめとする多職種

との連携・協働に当たってのポイントを理解す

る。

・認知症の事例におけるアセスメントや課題分析の

視点、居宅サービス計画等の作成、サービス担当

者会議における情報共有に当たっての留意点及び

モニタリングでの視点について理解する。

・独居で認知症の要介護者等に対するアプローチの

視点や方法を理解する。

・認知症の要介護者と同居している家族に対する支

援や地域への配慮と協働の視点を持ったケアマネ

ジメントの具体的な方法を修得する。

・認知症に伴う行動・心理症状(BPSD)に対するア

プローチの視点及びケアの手法を理解する。

・筋骨格系疾患及び

廃用症候群に関する

事例

筋骨格系疾患及び廃

用症候群の特性や療養

上の留意点、起こりや

すい課題を踏まえた支

援に当たってのポイン

トを理解する。

・筋骨格系疾患の種類、原因、症状、生活をする上

での障害及び予防・改善方法や、廃用症候群の原

因、生活をする上での障害及び予防・改善方法に

関する講義を行う。

・筋骨格系疾患や廃用症候群における療養上の留意

点や起こりやすい課題に関する講義を行う。

・筋骨格系疾患や廃用症候群の要介護者等に対する

リハビリテーションや福祉用具、住宅改修の効果

的な活用方法等についての講義を行う。

・リハビリテーション、福祉用具などを活用する際

の医療職をはじめとする多職種との連携・協働に

当たってのポイントを理解する。

・筋骨格系疾患や廃用症候群の事例におけるアセス

メント、課題分析の視点、居宅サービス計画等の

作成、サービス担当者会議における情報共有に当

たっての留意点及びモニタリングでの視点につい

て理解する。

講義及び演

習5時間

・内臓の機能不全(糖

尿病、高血圧、脂質

異常症、心疾患、呼

吸器疾患、腎臓病、

肝臓病等)に関する

事例

内臓の機能不全に係

る各疾患・症候群(糖尿

病、高血圧、脂質異常

症、心疾患、呼吸器疾

患、腎臓病、肝臓病等)

の特性や療養上の留意

点、起こりやすい課題

を踏まえた支援に当た

ってのポイントを理解

する。

・内臓の機能不全に係る各疾患・症候群(糖尿病、高

血圧、脂質異常症、心疾患、呼吸器疾患、腎臓病、

肝臓病等)の原因や症状、症状の進行、生活障害の

程度と身体機能の関係についての講義を行う。

・疾患相互の影響、高齢者の生理(生活上の留意点)

との関係、療養上の留意点及び起こりやすい課題

に関する講義を行う。

・医療職をはじめとする多職種との連携・協働に当

たってのポイントを理解する。

・内臓の機能不全に係る疾患・症候群を有する方に

講義及び演

習5時間

276

Page 305: 介護支援専門員専門研修 ガイドライン - mhlw · 2018-06-19 · 1 ガイドライン作成の背景 (3)本ガイドラインの位置付け 介護支援専門員の資質向上については、これまで、必要な知識・技能の修得を目的とし、都道府県が実施主体

対するアセスメント、課題分析の視点、居宅サー

ビス計画等の作成、サービス担当者会議における

情報共有に当たっての留意点及びモニタリングで

の視点を理解する。

・各疾患・症候群における生活習慣を改善する為の

アプローチの方法(本人の動機付け、家族の理解

の促進等)を修得する。

・看取りに関する事

看取りにおける留意

点や起こりやすい課題

を踏まえた支援に当た

ってのポイントを理解

する。

・看取りのケースについて支援を行う際における介

護支援専門員の役割や適切な姿勢についての講義

を行う。

・看取りに関連する各種サービス等の活用方法や、

医療職をはじめとする多職種との連携・協働を効

果的に行うためのポイントを理解する。

・看取りに向けた利用者及びその家族との段階的な

関わりの変化(生活動作の負担や痛みの軽減、主

治医との連携や多職種協働、急変時の基本的な対

応等)を認識する。

・看取りのケースにおいて、在宅生活の支援を行う

際の起こりやすい課題を理解し、アセスメント、

課題分析の視点、居宅サービス計画等の作成、サ

ービス担当者会議における情報共有に当たっての

留意点及びモニタリングでの視点について理解す

る。

講義及び演

習5時間

○アセスメント及び

居宅サービス計画等

作成の総合演習

研修全体での学びを

踏まえ、アセスメント

から居宅サービス計画

等の作成からモニタリ

ングまでを一貫して行

い、ケアマネジメント

プロセスについて更な

る理解を深める。

・これまでの研修の中で修得した知識・技術を確認

するため、事例に即したアセスメント、ニーズの

把握、居宅サービス計画等の作成及びモニタリン

グを一貫して行うことにより、ケアマネジメント

プロセスの理解を深めるとともに、理解が不足し

ているものがないか自己評価を行う。

・作成した居宅サービス計画等を原案として、サー

ビス担当者会議の演習を行う。

講義及び演

習5時間

○研修全体を振り返

っての意見交換、講

評及びネットワーク

作り

研修全体を通じた振

り返りを行うことで、

今後の学習課題を認識

し、自己研鑽の意欲を

高める。

また、研修受講者間

でのネットワークの構

築を図る。

・研修全体の振り返りを行うに当たって、グループ

又は全体で意見交換を行い、専門的助言を含めて、

研修における学習の成果や今後の学習課題への意

識付けのための講義を行う。

・現場で生じうる課題への対応や共同で研修する機

会を作るため、研修受講者間においてネットワー

クの構築を図る。

講義及び演

習2時間

4 研修実施上の留意点

(1)研修実施方法

277

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ア 研修の全体構成

ケアマネジメントに必要な基礎知識及び技術における「アセスメント及びニーズ

の把握の方法」、「モニタリング及び評価」、ケアマネジメントの展開における「脳

血管疾患に関する事例」、「認知症に関する事例」、「筋骨格系疾患及び廃用症候

群に関する事例」、「内臓の機能不全(糖尿病、高血圧、脂質異常症、心疾患、呼

吸器疾患、腎臓病、肝臓病等)に関する事例」、「看取りに関する事例」及び「ア

セスメント及び居宅サービス計画等作成の総合演習」について、アセスメントから

ニーズを把握する過程及びモニタリングでの評価に関する知識・技術についての講

義・演習を行うに当たっては、別途通知する「課題整理総括表」及び「評価表」等

を活用し行うものとする。

なお、演習を行うに当たっては、受講者が積極的に演習に参加するよう小規模な

班編制により実施することとし、班編制に当たっては保健、医療、福祉の各職種の

均衡に配慮すること。

イ 実習における留意点

実習先としては、特定事業所加算を取得している事業所のような指導体制が整っ

ている事業所で行うことが適切であり、主任介護支援専門員が配置されている事業

所に協力してもらうことが適当である。

実習に当たっては、一つの事例だけではなく、複数の事例についてケアマネジメ

ントプロセスを経験することが効果的であり、アセスメントからモニタリングまで

の一連のケアマネジメントプロセス(同行等による利用者の居宅訪問、サービス担

当者会議開催のための準備や当該会議への同席も含む)を経験することが適当であ

る。なお、実習期間中にサービス担当者会議が開催される機会がなく、会議に同席

できなかった場合には、実習先の指導者によって、サービス担当者会議の準備や会

議当日の議事進行の方法等を説明することにより理解を促すこと。

実習においては、事前に実習に係る対象者等の同意を得るとともに、特に対象者

の安全の確保や知り得た秘密の厳守について万全を期すよう受講者に周知徹底す

ること。

(2)講師

講師については、原則アからキまでのとおりとする。

なお、相当の知見を有する者とは、

① 施行規則第113条の2第1項第1号に規定する資格を有する実務経験が長い主

任介護支援専門員

② 地域包括支援センターにおいて介護支援専門員に対し相談・支援に従事している

③ 大学教員又は法人内において研修の責任者として指導に従事している者

④ その他上記に準ずる者

とする。

ア 「介護保険制度の理念・現状及びケアマネジメント」及び「ケアマネジメントに

係る法令等の理解」の講師については、原則として、介護保険制度について相当の

知見を有する者又は都道府県職員を充てること。

イ 「自立支援のためのケアマネジメントの基本」、「相談援助の専門職として基本

姿勢及び相談援助技術の基礎」、「ケアマネジメントのプロセス」、ケアマネジメ

ントに必要な基礎知識及び技術における「受付及び相談並びに契約」、「アセスメ

ント及びニーズの把握の方法」、「居宅サービス計画等の作成」、「サービス担当

278

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者会議の意義及び進め方」及び「モニタリング及び評価」並びにケアマネジメント

の展開における「基礎理解」及び「アセスメント及び居宅サービス計画等作成の総

合演習」の講師については、ケアマネジメントについて相当の知見を有する者を充

てること。

ウ 「人格の尊重及び権利擁護並びに介護支援専門員の倫理」、「利用者、多くの種

類の専門職等への説明及び合意」及び「実習振り返り」の講師については、原則と

して、相当の実務経験のある現任の介護支援専門員を充てること。

エ 「介護支援専門員に求められるマネジメント(チームマネジメント)」の講師に

ついては、介護支援専門員に関するチームマネジメントについて相当の知見を有す

る者を充てること。

オ 「地域包括ケアシステム及び社会資源」の講師については、地域包括ケアシステ

ムについて相当の知見を有する者又は都道府県職員を充てること。

カ 「ケアマネジメントに必要な医療との連携及び多職種協働の意義」の講師につい

ては、在宅介護に知見のある医療関係者又は病院等において医療連携業務に従事し

ている者を充てること。

キ ケアマネジメントの展開における「脳血管疾患に関する事例」、「認知症に関す

る事例」、「筋骨格系疾患及び廃用症候群に関する事例」、「内臓の機能不全(糖

尿病、高血圧、脂質異常症、心疾患、呼吸器疾患、腎臓病、肝臓病等)に関する事

例」及び「看取りに関する事例」の講師については、医師又は医療関係職種の基礎

資格を有する介護支援専門員又は各事例に関し相当の知見を有する者を充てるこ

と。

(3)修了評価

研修の実施に当たっては、各科目における到達目標を達成しているかについて修

了評価を実施すること。

(4)その他留意点

ア 介護支援専門員実務研修修了者とは、実務研修の全科目を受講した受講者とする。

なお、受講者がやむを得ない事情により、実務研修の一部又は全部を受講できな

かった場合には、別途実施する実務研修の際に当該未受講の科目を受講することと

して差し支えない。この場合、当該受講者から試験受験地の都道府県に申し出るこ

とにより、他の都道府県で受講することを認めるなど、都道府県間で連携の上、受

講者の便宜を図るものとする。

イ 実務研修の研修受講地については、当該試験受験地の都道府県であるが、当該試

験合格後の勤務地等の異動に伴い、必ずしも試験受験地と研修受講地を同一とする

考え方では合理的でない場合が想定される。このような場合には、当該受講者から

試験受験地の都道府県宛て「研修受講地変更願」を提出させ、やむを得ないと認め

られるときは、希望する研修受講地の都道府県と連携の上、受講者の便宜を図るも

のとする。

279

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(別添2)

介護支援専門員専門研修実施要綱

1 目的

現任の介護支援専門員に対して、一定の実務経験をもとに、必要に応じた専門知識

及び技能の修得を図ることにより、その専門性を高め、多様な疾病や生活状況に応じ

て、医療との連携や多職種協働を図りながらケアマネジメントを実践できる知識・技

術を修得し、もって介護支援専門員の資質向上を図ることを目的とする。

2 対象者

ア 専門研修課程Ⅰ

専門研修課程Ⅰの研修対象者は、原則として、介護支援専門員としての実務に従

事している者であって、就業後6か月以上の者とする。

なお、介護支援専門員として、効果的にその専門性を高めるためには早期に受講す

ることが適当であり、就業後3年以内に受講することが望ましい。

イ 専門研修課程Ⅱ

専門研修課程Ⅱの研修対象者は、原則として、介護支援専門員としての実務に従

事している者であって、専門研修課程Ⅰを修了している就業後3年以上の者とする。

3 実施方法等

(1)実施に当たっての基本的な考え方

個々の介護支援専門員の経験・知識等を考慮し、介護支援専門員専門研修の研修

課程を専門研修課程Ⅰ及び専門研修課程Ⅱに区分し、それぞれ介護支援専門員の習

熟度に応じて実施すること。

また、介護支援専門員が実際に直面している問題を把握し、実際のサービスや施

策の状況、介護支援専門員の状況を踏まえた研修内容とすること。

なお、本研修は、介護支援専門員実務研修から連続する一連の研修体系の中に位

置付けられるものであり、それぞれ対象となる現任の介護支援専門員の全員が受講

することが望ましい。また、専門研修課程Ⅱは、1回の受講で修了するものではな

く、一定の期間ごとに、技術の再確認及び向上のために繰り返し受講することが望

ましい。

(2)研修内容

ア 専門研修課程Ⅰ

専門研修課程Ⅰについて、科目、目的、内容及び時間数については以下のとおり

であり、合計56時間以上とする。

科 目 目 的 内 容 時間数

○ケアマネジメント

における実践の振り

返り及び課題の設定

介護支援専門員とし

ての実践の振り返りを

通じて、ケアマネジメ

ントプロセスを再確認

した上で、専門職とし

ての自らの課題を理解

する。

・各自の実践を省みる事により、ケアマネ

ジメントプロセスにおける各項目の持つ

意味と重要性に関して再確認し課題等を

認識するための講義を行う。

・専門職としての知識・技術を高めていく

上での克服すべき課題等を認識する講義

を行う。

講義及び演

習12時間

280

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・振り返りに当たっては、担当事例を活用

することとし、担当事例におけるケアマ

ネジメントの視点(アセスメントの結果

から課題(ニーズ)を導き出すまでの考

え方、当該課題(ニーズ)に対するサービ

スの選定理由等)を発表し、他の受講者と

の意見交換を通じて、自分自身の技量にお

ける課題を認識・理解する。

○介護保険制度及び

地域包括ケアシステ

ムの現状

介護保険制度の最新

の動向や地域包括ケア

システムの構築に向け

た現状の取組を理解し

た上で、今後の地域包

括ケアシステムの展開

における介護支援専門

員としての関わりを理

解する。

また、地域包括ケア

システムの中で、利用

者及びその家族を支援

していくに当たって、

関連する制度等を理解

する。

・介護保険制度の改正等の状況や地域包括

ケアシステムの構築に向けた現状の取組

及び課題に関する講義を行う。

・地域包括ケアシステムの構築に向けて、

介護支援専門員が果たすべき役割に関す

る講義を行う。

・利用者が、住み慣れた地域で自立した生

活を継続するためには、利用者だけでな

くその家族を支援するという視点も必要

であることから、利用者の家族も含めた

支援に関連する各種制度や社会資源に関

する講義を行う。

・フォーマルだけでなくインフォーマルな

社会資源との連携やそれらの活用と働き

かけに関する講義を行う。

講義3時間

○対人個別援助技術

及び地域援助技術

対人個別援助技術

(ソーシャルケースワ

ーク)と地域援助技術

(コミュニティソーシ

ャルワーク)の違いと

役割を理解する。

・対人個別援助技術(ソーシャルケースワ

ーク)の考え方と地域援助技術(コミュ

ニティソーシャルワーク)の概念・機能・

目的に関する講義を行う。

・対人個別援助技術(ソーシャルケースワ

ーク)に必要な知識・技術及び地域援助

技術(コミュニティソーシャルワーク)

の展開技法についての講義を行う。

・個別事例の支援から地域課題の把握、課

題の共有、課題解決に向けた地域づくり

や資源開発などに至る一連のプロセスに

関する講義を行う。

・実際に取り組む場である地域ケア会議の

意義や機能及び一連のプロセスの中にお

ける介護支援専門員としての役割に関す

る講義を行う。

・個別事例の支援や地域課題の把握から解

決に向け、保険者を含む多職種連携の意

義やネットワーク作りの視点と方法に関

する講義を行う。

講義3時間

281

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○ケアマネジメント

の実践における倫理

ケアマネジメントを

実践する上で感じた倫

理的な課題を踏まえ、

チームで対応していく

際のチームアプローチ

の方法及び高齢者の権

利を擁護する上で必要

な制度等を理解する。

・ケアマネジメントを実践する上での介護

支援専門員としての倫理原則(利用者本

位、自立支援、人権の尊重、公正中立等)

に関する講義を行う。

・ケアマネジメントを実践する上で生じう

る具体的な倫理的課題に対する心構えや

対応方法についての講義を行う。

・利用者の人権と倫理に配慮した意思決定

のプロセスに関する講義を行う。

・倫理的な課題に対するチームアプローチ

の重要性を認識し、その手法に関する講

義を行う。

・成年後見制度や高齢者虐待防止法等、高

齢者の尊厳や権利擁護に関する講義を行

う。

講義2時間

○ケアマネジメント

に必要な医療との連

携及び多職種協働の

実践

実践を通じて感じた

医療との連携や多職種

協働に関する課題を踏

まえ、今後の実践に向

けて必要な知識・技術

を理解する。

・ケアマネジメントを実践する上で必要な

疾病や医療との連携、多職種協働の必要

性・重要性を再確認するための講義を行

う。

・これまでの実践を省みて課題を認識し、

医療との連携や多職種協働を実践してい

くための課題解決の方法に関する講義を

行う。

・介護支援専門員から医療機関や多職種に

情報を提供する際の留意点及び、医療機

関や多職種から情報を収集する際の留意

点についての講義を行う。

・サービス担当者会議や地域ケア会議にお

ける多職種との効果的な協働の手法に関

する講義を行う。

講義4時間

○ケアマネジメント

の演習

・リハビリテーション

及び福祉用具の活用

に関する事例

リハビリテーション

や福祉用具等の活用が

有効な事例を用いて講

義・演習を行うことに

より、リハビリテーシ

ョンや福祉用具等の活

用に係る知識及びケア

マネジメント手法を修

得する。

・リハビリテーション(口腔リハビリテー

ションを含む。)や福祉用具等に関する基

礎知識の向上と活用に当たっての基本的

な視点に関する講義を行う。

・リハビリテーション専門職並びに福祉用

具専門相談員等との連携方法等に関する

講義を行う。

・リハビリテーションや福祉用具等の活用に

関する事例を用いて、適切なアセスメン

トを行う際の重要なポイントや地域の社

会資源を活用したケアマネジメントを実

践する知識・技術を修得する。

・1つの事例について様々な状況等を勘案

講義及び演

習4時間

282

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した、実践しうる複数の対応策(居宅サ

ービス計画の作成)が検討できるよう、

必要な知識・技術を修得する。

・看取り等における看

護サービスの活用に

関する事例

看護サービスの活用

が必要な事例を用いて

講義・演習を行うこと

により、看護サービス

の活用に係る知識及び

ケアマネジメント手法

を修得する。

・看護サービスに関する基礎知識の向上と

活用に当たっての基本的な視点に関する

講義を行う。

・訪問看護計画との関連付けや看護職との

連携方法等に関する講義を行う。

・看取り等における看護サービスの活用に

関する事例を用いて、適切なアセスメン

トを行う際の重要なポイントや地域の社

会資源を活用したケアマネジメントを実

践する知識・技術を修得する。

・1つの事例について様々な状況等を勘案

した、実践しうる複数の対応策(居宅サ

ービス計画の作成)が検討できるよう、

必要な知識・技術を修得する。

講義及び演

習4時間

・認知症に関する事例 認知症に関する事例

を用いて講義・演習を

行うことにより、認知

症に関する知識及び認

知症の要介護者等に有

効なサービスを活用し

たケアマネジメント手

法を修得する。

・認知症や精神疾患に関する医学的・心理

的基礎知識の向上と認知症施策に関わる

多職種との連携方法等に関する講義を行

う。

・認知症等の特質性を踏まえた早期の対応

方法や家族も含めた支援方法などを修得

するとともに、地域で生活を継続してい

くための支援を行う上で必要な視点を理

解する。

・認知症に関する事例を用いて、認知症に

鑑みた適切なアセスメントを行う際の重

要なポイントや、地域の社会資源を活用

したケアマネジメントを実践する知識・

技術を修得する。

・1つの事例について様々な状況等を勘案

した、実践しうる複数の対応策(居宅サ

ービス計画の作成)が検討できるよう、

必要な知識・技術を修得する。

講義及び演

習4時間

・入退院時等における

医療との連携に関す

る事例

入退院時等における

医療との連携に関する

事例を用いて講義・演

習を行うことにより、

医療との連携に必要な

知識及び医療との連携

を踏まえたケアマネジ

メント手法を修得す

・高齢者に多い疾病の特徴とその対処法、

感染予防に関する講義を行う。

・医療職(特に主治医)や医療機関との連携

方法等に関する講義を行う。

・入退院時等における医療との連携に関す

る事例を用いて、適切なアセスメントを

行う際の重要なポイントや、社会資源を

最大限に活用したケアマネジメントを実

講義及び演

習4時間

283

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る。 践する知識・技術を修得する。

・1つの事例について様々な状況等を勘案

した、実践しうる複数の対応策(居宅サ

ービス計画の作成)が検討できるよう、

必要な知識・技術を修得する。

・家族への支援の視点

が必要な事例

家族への支援の視点

が必要な事例を用いて

講義・演習を行うこと

により、家族への支援

の視点も踏まえたケア

マネジメント手法を修

得する。

・単なるレスパイトだけでなく今後の介護

に対する不安や利用者、家族同士の軋轢

への介入など家族支援における基本的な

視点に関する講義を行う。

・関係行政機関等との連携方法、家族支援

に有効な制度等についての講義を行う。

・障害等のある家族や働きながら介護を担

う家族に対する支援が必要な事例などを

用いて、適切なアセスメントを行う際の

重要なポイントや、地域の社会資源を最

大限に活用したケアマネジメントを実践

する知識・技術を修得する。

・1つの事例について様々な状況等を勘案

した、実践しうる複数の対応策(居宅サ

ービス計画の作成)が検討できるよう、

必要な知識・技術を修得する。

講義及び演

習4時間

・社会資源の活用に向

けた関係機関との連

携に関する事例

社会資源の活用に向

けた関係機関との連携

に関する事例を用いて

講義・演習を行うこと

により、利用者が活用

しうる制度に関する知

識及び関係機関等との

連携を踏まえたケアマ

ネジメント手法を修得

する。

・生活保護制度、障害者施策、成年後見制度

などの他法他施策に関する制度の知識

やインフォーマルサービスの活用に係る

視点に関する講義を行う。

・虐待が発生している事例、他の制度(生活

保護制度、成年後見制度等)を活用してい

る事例、インフォーマルサービスを提供す

る事業者との連携が必要な事例等を用い

て、適切なアセスメントを行う際の重要な

ポイントや、地域の社会資源を最大限に活

用したケアマネジメントを実践する知

識・技術を修得する。

・1つの事例について様々な状況等を勘案

した、実践しうる複数の対応策(居宅サ

ービス計画の作成)が検討できるよう、

必要な知識・技術を修得する。

講義及び演

習4時間

・状態に応じた多様な

サービス(地域密着型

サービス、施設サービ

ス等)の活用に関する

事例

状態に応じた多様な

サービス(地域密着型

サービス、施設サービ

ス等)の活用に関する

事例を用いて講義・演

習を行うことにより、

・定期巡回・随時対応型訪問介護看護や複

合型サービスなど新しく導入されたサー

ビス及び小規模多機能型居宅介護の意

義・効果に関する講義を行う。

・これらのサービスを活用する際の視点の

重要性や連携方法等についての講義を行

講義及び演

習4時間

284

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介護保険で提供される

地域密着型サービス等

の活用に係る知識及び

ケアマネジメントの手

法を修得する。

う。

・状態に応じた多様なサービス(地域密着

型サービス、施設サービス等)の活用に

関する事例を用いて、適切なアセスメン

トを行う際の重要なポイントや、地域の

社会資源を最大限に活用したケアマネジ

メントを実践する知識・技術を修得する。

・1つの事例について様々な状況等を勘案

した、実践しうる複数の対応策(居宅サ

ービス計画、施設サービス計画の作成)

が検討できるよう、必要な知識・技術を

修得する。

・その他、施設サービス等を活用する際の

留意点等について理解する。

○個人での学習及び

介護支援専門員相互

間の学習

指導・支援、コーチ

ング、スーパービジョ

ン等の違いを踏まえ、

自らがそれらを受ける

際の心構えや、専門職

として不断に自己研鑽

を行うことの重要性を

理解する。

・個人で専門性を高めていく際に必要な視

点、手法に関する講義を行う。

・指導・支援、コーチング、スーパービジョ

ン等の基本的な考え方、内容、方法を理解

するとともに、これらを受ける側と行う側

双方に求められる姿勢に関する講義を行

う。

・個人で研鑽する場合と介護支援専門員間

相互で研鑽する場合に求められる内容や

手法とその関係性についての講義を行う。

・専門職として継続した自己研鑽を行うこ

との必要性・重要性について講義を行う。

講義2時間

○研修全体を振り返

っての意見交換、講評

及びネットワーク作

研修全体を通じた振

り返りを行うことで、

今後の学習課題を認識

し、自己研鑽の意欲を

高める。

また、研修受講者間

でのネットワークの構

築を図る。

・研修全体の振り返りを行うに当たって、

グループ又は全体で意見交換を行い、専

門的助言を含めて、研修における学習の

成果や今後の学習課題への意識付けのた

めの講評を行う。

・現場で生じうる課題への対応や共同で研

修する機会を作るため、研修受講者間に

おいてネットワークの構築を図る。

講義及び演

習2時間

イ 専門研修課程Ⅱ

専門研修課程Ⅱについて、科目、目的、内容及び時間数については以下のとおり

であり、合計32時間以上とする。

科 目 目 的 内 容 時間数

○介護保険制度及び

地域包括ケアシステ

ムの今後の展開

介護保険制度の最新

の動向や地域包括ケア

システムの構築に向け

た現状の取組を理解し

・介護保険制度の改正等の最新状況や地域

包括ケアシステムの構築に向けた現状の

取組及び課題についての講義を行う。

・地域包括ケアシステムの構築に向けて、

講義4時間

285

Page 314: 介護支援専門員専門研修 ガイドライン - mhlw · 2018-06-19 · 1 ガイドライン作成の背景 (3)本ガイドラインの位置付け 介護支援専門員の資質向上については、これまで、必要な知識・技能の修得を目的とし、都道府県が実施主体

た上で、今後の地域包

括ケアシステムの展開

における介護支援専門

員としての関わりを理

解する。

また、地域包括ケア

システムの中で、利用

者及びその家族を支援

していくに当たって、

関連する制度等を理解

する。

介護支援専門員が果たすべき役割に関す

る講義を行う。

・利用者やその家族を支援する上で関連す

る最新の制度、動向及び社会資源に関す

る講義を行う。

・介護保険制度や介護支援専門員を取り巻

く状況など現状で課題となっている事項

に関する講義を行う。

○ケアマネジメント

における実践事例の

研究及び発表

・リハビリテーション

及び福祉用具の活用

に関する事例

リハビリテーション

や福祉用具等の活用事

例を用いて演習等を行

うことにより、リハビ

リテーションや福祉用

具等の活用に係る知識

及び効果的なケアマネ

ジメント手法を修得す

る。

また、演習等で得ら

れたリハビリテーショ

ンや福祉用具等の活用

に係る示唆、留意点等

を踏まえ、他の事例に

も対応することができ

る知識・技術を修得す

る。

・各自が担当しているリハビリテーション

や福祉用具等を組み入れた居宅サービス

計画等を持ち寄り、事例に関して分析し

た内容の発表、意見交換等を通じて、適

切なアセスメントを行う際の留意点や居

宅サービス計画等の作成における留意点

を理解、再確認する。それらの留意点や

必要に応じ根拠となる各種統計データを

活用する等により、別の類似の事例等に

も広く対応することができる知識・技術

を修得する。

・リハビリテーションや福祉用具等を活用

するに当たって重要となる関連知識や歯

科医師、リハビリテーション専門職等と

の連携方法に関する講義を行う。

・リハビリテーションや福祉用具等の活用

を検討するに当たり、効果的なものとな

るようインフォーマルサービスも含めた

地域の社会資源を活用したケアマネジメ

ントの展開に関する講義を行う。

講義及び演

習4時間

・看取り等における看

護サービスの活用に

関する事例

看護サービスの活用

が必要な事例を用いて

講義・演習を行うこと

により、看護サービス

の活用に係る知識及び

効果的なケアマネジメ

ント手法を修得する。

また、演習等で得ら

れた看護サービスの活

用に係る示唆、留意点

等を踏まえ、他の事例

にも対応することがで

・各自が担当している看護サービスを組み

入れた居宅サービス計画等を持ち寄り、

事例に関して分析した内容の発表、意見

交換等を通じて、適切なアセスメントを

行う際の留意点や居宅サービス計画等の

作成における留意点を理解、再確認する。

それらの留意点や必要に応じ根拠となる

各種統計データを活用する等により、別

の類似の事例等にも広く対応することが

できる知識・技術を修得する。

・看取り等を含む看護サービスを活用する

に当たって重要となる各種知識や医師、

講義及び演

習4時間

286

Page 315: 介護支援専門員専門研修 ガイドライン - mhlw · 2018-06-19 · 1 ガイドライン作成の背景 (3)本ガイドラインの位置付け 介護支援専門員の資質向上については、これまで、必要な知識・技能の修得を目的とし、都道府県が実施主体

きる知識・技術を修得

する。

看護師等との連携方法に関する講義を行

う。

・看取り等を含む看護サービスを検討する

に当たり、効果的なものとなるようイン

フォーマルサービスも含めた地域の社会

資源を活用したケアマネジメントの展開

に関する講義を行う。

・認知症に関する事例 認知症に関する事例

を用いて講義・演習を

行うことにより、認知

症に関する知識及び認

知症の要介護者等に有

効なサービスを活用し

た効果的なケアマネジ

メント手法を修得す

る。

また、演習等で得ら

れた認知症の要介護者

等に対して有効なサー

ビスの活用に係る示

唆、留意点等を踏まえ、

他の事例にも対応する

ことができる知識・技

術を修得する。

・各自が担当している認知症である要介護

者等の居宅サービス計画等を持ち寄り、

事例に関して分析した内容の発表、意見

交換等を通じて、適切なアセスメントを

行う際の留意点や居宅サービス計画等の

作成における留意点を理解、再確認する。

それらの留意点や必要に応じ根拠となる

各種統計データを活用する等により、別

の類似の事例等にも広く対応することが

できる知識・技術を修得する。

・認知症の要介護者等及び家族を支援する

に当たり重要となる各種知識及び医療職

をはじめとする多職種や地域住民との連

携方法に関する講義を行う。

・認知症である要介護者等の支援方法を検討

するに当たり、効果的なものとなるようイ

ンフォーマルサービスも含めた地域の社

会資源を活用したケアマネジメントの展

開に関する講義を行う。

講義及び演

習4時間

・入退院時等における

医療との連携に関す

る事例

入退院時等における

医療との連携に関する

事例を用いて講義・演

習を行うことにより、

医療との連携に必要な

知識及び医療との連携

を踏まえた効果的なケ

アマネジメント手法を

修得する。

また、演習等で得ら

れた入退院時等におけ

る医療との連携に係る

示唆、留意点等を踏ま

え、他の事例にも対応

することができる知

識・技術を修得する。

・各自が担当している入退院時等における

ケースの居宅サービス計画等を持ち寄り、

事例に関して分析した内容の発表、意見

交換等を通じて、適切なアセスメントを

行う際の留意点や居宅サービス計画等の

作成における留意点を理解、再確認する。

それらの留意点や必要に応じ根拠となる

各種統計データを活用する等により、別

の類似の事例等にも広く対応することが

できる知識・技術を修得する。

・入退院時等の支援に当たり重要となる各

種知識や医療職をはじめとする多職種と

の連携方法に関する講義を行う。

・入退院時のケースを検討するに当たり、

効果的なものとなるようインフォーマル

サービスも含めた地域の社会資源を活用

したケアマネジメントの展開に関する講

講義及び演

習4時間

287

Page 316: 介護支援専門員専門研修 ガイドライン - mhlw · 2018-06-19 · 1 ガイドライン作成の背景 (3)本ガイドラインの位置付け 介護支援専門員の資質向上については、これまで、必要な知識・技能の修得を目的とし、都道府県が実施主体

義を行う。

・家族への支援の視点

が必要な事例

家族への支援の視点

が特に必要な事例を用

いて講義・演習を行う

ことにより、家族への

支援の視点も踏まえた

効果的なケアマネジメ

ント手法を修得する。

また、演習等で得ら

れた家族への支援に係

る示唆、留意点等を踏

まえ、他の事例にも対

応することができる知

識・技術を修得する。

・各自が担当している家族支援が特に必要

なケースの居宅サービス計画等を持ち寄

り、事例に関して分析した内容の発表、

意見交換等を通じて、適切なアセスメン

トを行う際の留意点や居宅サービス計画

等の作成における留意点を理解、再確認

する。それらの留意点や必要に応じ根拠

となる各種統計データを活用する等によ

り、別の類似の事例等にも広く対応する

ことができる知識・技術を修得する。

・家族に対する支援に当たり重要となる各

種知識や関係機関、地域住民をはじめと

する多職種との連携方法に関する講義を

行う。

・家族支援が必要なケースを検討するに当

たり、効果的なものとなるようインフォ

ーマルサービスも含めた地域の社会資源

を活用したケアマネジメントの展開に関

する講義を行う。

講義及び演

習4時間

・社会資源の活用に向

けた関係機関との連

携に関する事例

社会資源の活用に向

けた関係機関との連携

に関する事例を用いて

講義・演習を行うこと

により、利用者が活用

することができる制度

に関する知識及び関係

機関等との連携を踏ま

えた効果的なケアマネ

ジメント手法を修得す

る。

また、演習等で得ら

れた社会資源の活用に

向けた関係機関との連

携に係る示唆、留意点

等を踏まえ、他の事例

にも対応することがで

きる知識・技術を修得

する。

・各自が担当している、他の制度(生活保護

制度、成年後見制度等)を活用している事

例、インフォーマルサービスを提供する事

業者との連携が必要な事例等の居宅サー

ビス計画等を持ち寄り、事例に関して分析

した内容の発表、意見交換等を通じて、適

切なアセスメントを行う際の留意点や居

宅サービス計画等の作成における留意点

を理解、再確認する。それらの留意点や必

要に応じ根拠となる各種統計データを活

用する等により、別の類似の事例等にも広

く対応することができる知識・技術を修得

する。

・他の制度を活用するに当たり重要となる

各種知識や関係機関、多職種との連携方

法に関する講義を行う。

・他の制度を活用するケースを検討するに

当たり、効果的なものとなるようインフ

ォーマルサービスも含めた地域の社会資

源を活用したケアマネジメントの展開に

関する講義を行う。

講義及び演

習4時間

・状態に応じた多様

なサービス(地域密着

状態に応じた多様な

サービス(地域密着型

・各自が担当している地域密着型サービス

等の多様なサービスを活用している事例

講義及び演

習4時間

288

Page 317: 介護支援専門員専門研修 ガイドライン - mhlw · 2018-06-19 · 1 ガイドライン作成の背景 (3)本ガイドラインの位置付け 介護支援専門員の資質向上については、これまで、必要な知識・技能の修得を目的とし、都道府県が実施主体

型サービス、施設サー

ビス等)の活用に関す

る事例

サービス、施設サービ

ス等)の活用に関する

事例を用いて講義・演

習を行うことにより、

介護保険で提供される

地域密着型サービス等

の活用に係る知識及び

ケアマネジメントの手

法を修得する。

等の居宅サービス計画等を持ち寄り、事

例に関して分析した内容の発表、意見交

換等を通じて、適切なアセスメントを行

う際の留意点や居宅サービス計画等の作

成における留意点を理解、再確認する。

それらの留意点や必要に応じ根拠となる

各種統計データを活用する等により、別

の類似の事例等にも広く対応することが

できる知識・技術を修得する。

・状態に応じて多様なサービスを活用する

に当たり重要となる各種知識や関係機

関・介護サービス事業者との連携方法に関

する講義を行う。

・状態に応じて多様なサービスを活用する

に当たり、効果的なものとなるようイン

フォーマルサービスも含めた地域の社会

資源を活用したケアマネジメントの展開

に関する講義を行う。

4 実施上の留意点等

(1)ケアマネジメントの演習及びケアマネジメントにおける実践事例の研究及び発表に

係る科目について、アセスメントからニーズを把握する過程及びモニタリングでの

評価に関する知識・技術についての講義・演習を行うに当たっては、別途通知する

「課題整理総括表」及び「評価表」等を活用し行うものとする。また、看護、認知

症、リハビリテーション、福祉用具等に関する基本的な知識を講義した上で演習を

展開すること。

なお、演習を行うに当たっては、受講者が積極的に演習に参加するよう小規模な班

編制により実施することとし、班編制に当たっては保健、医療、福祉の各職種の均

衡に配慮すること。

(2)ケアマネジメントにおける実践事例の研究及び発表においては、基本的に各受講者

が担当している事例を持ち寄ることとするが、科目に適合する事例を担当していな

いことも考えられるため、研修実施機関においては事例を用意しておくこと。

(3)講師

講師については、原則ア及びイのとおりとする。

なお、相当の知見を有する者とは、

ⅰ 施行規則第113条の2第1項第1号に規定する資格を有する実務経験が長い主

任介護支援専門員

ⅱ 地域包括支援センターにおいて介護支援専門員に対する相談・支援に従事してい

る者

ⅲ 大学教員又は法人内において研修の責任者として指導に従事している者

ⅳ その他上記に準ずる者

とする。

但し、対人個別援助技術及び地域援助技術の科目に関しては、ⅰの資格を社会福祉

士に、ⅱの介護支援専門員を地域活動と読み替える。

289

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ア 専門研修課程Ⅰ

① 「ケアマネジメントにおける実践の振り返り及び課題の設定」及び「ケアマネ

ジメントの実践における倫理」の講師については、相当の実務経験のある現任の

主任介護支援専門員を充てること。

② 「介護保険制度及び地域包括ケアシステムの現状」の講師については、介護保

険制度について相当の知見を有する者又は都道府県職員を充てること。

③ 「対人個別援助技術及び地域援助技術」の講師については、当該研修科目に関

して相当の知見を有する者を充てること。

④ 「ケアマネジメントに必要な医療との連携及び多職種協働の実践」の講師につ

いては、在宅介護に知見のある医療関係者又は病院等において医療連携業務に従

事している者を充てること。

⑤ ケアマネジメントの演習に係る項目については、相当の実務経験のある現任

の主任介護支援専門員又は法人内において研修の責任者として指導に従事して

いる者又は在宅介護に知見のある医療関係者を充てること。

⑥ 「個人での学習及び介護支援専門員相互間の学習」の講師については、相当の

実務経験のある主任介護支援専門員を充てること。

イ 専門研修課程Ⅱ

① 「介護保険制度及び地域包括ケアシステムの今後の展開」の講師については、

介護保険制度について相当の知見を有する者又は都道府県職員を充てること。

② 「ケアマネジメントにおける実践事例の研究及び発表」に係る科目の講師につ

いては、相当の実務経験のある現任の主任介護支援専門員又は法人内において研

修の責任者として指導に従事している者又は在宅介護に知見のある医療関係者

を当てること。

(4)修了評価

研修の実施にあたっては、各科目における到達目標を達成しているかについて修了

評価を実施すること。

(5)その他留意点

当該研修の研修受講地については、原則として介護支援専門員の登録を行っている

都道府県とする。なお、受講者がやむを得ない事情により、専門研修の一部又は全部

を受講できなかった場合には、別途実施する専門研修の際に当該未受講の科目を受講

することとして差し支えない。この場合、当該受講者から登録地の都道府県に申し出

ることにより、他の都道府県で受講することを認めるなど、都道府県間で連携の上、

受講者の便宜を図るものとする。

290

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(別添3)

介護支援専門員再研修実施要綱

1 目的

介護支援専門員として実務に就いていない者又は実務から離れている者が実務に就

く際に、介護支援専門員としての必要な知識及び技能を再修得することを目的とする。

2 対象者

次のいずれかに該当する者とする。

① 介護支援専門員として都道府県知事の登録を受けた者であり、登録後5年以上実

務に従事したことがない者又は実務経験はあるがその後5年以上実務に従事してい

ない者で、今後、新たに介護支援専門員証の交付を受けようとする者

② 実務経験はあるが、その後実務に従事する予定がないとして更新を行わなかった

者等で、実務経験後5年を経過する前に再度実務に従事するため介護支援専門員証

の交付を受けようとする者

また、介護支援専門員実務研修修了後、相当の期間を経過した者についても、本

研修の対象者とすることができる。

3 実施方法等

(1)実施に当たっての基本的な考え方

一定期間、介護支援専門員の実務に就いていない者については、実務から離れて

相当の時間が経過していることから、直近の介護保険制度等を理解するとともに、

地域包括ケアシステムの中で医療との連携をはじめとする多職種協働を図りながら

行うケアマネジメントについて、再度必要な視点や手法を修得する。

(2)研修内容

介護支援専門員再研修で行うべき科目については、「厚生労働大臣が定める介護

支援専門員等に係る研修の基準」(平成18年厚生労働省告示第218号)第2号

に規定されているところであるが、科目、目的、内容及び時間数については以下の

とおりであり、合計54時間以上とする。

科 目 目 的 内 容 時間数

○介護保険制度の

理念・現状及びケ

アマネジメント

介護保険制度の理

念等を理解するとと

もに、地域包括ケアシ

ステムの構築に向け

た取組の現状を理解

する。

また、介護保険制度

における利用者の尊

厳の保持及び自立支

援に資するケアマネ

ジメントの役割を理

解し、地域包括ケアシ

ステムにおける介護

・介護保険制度の基本理念を理解し、介護保険

制度における利用者の尊厳の保持、自立支援

に資するケアマネジメントの役割、ケアマネ

ジメントを担う介護支援専門員に求められる

機能や役割に関する講義を行う。

・介護保険制度の現状と地域包括ケアシステ

ムが求められる背景とその考え方、構築に向

けた取組状況に関する講義を行う。

・介護サービスの利用手続き(要介護認定等に

関する基本的な視点と概要)、居宅サービス

計画等の作成、保険給付及び給付管理等の仕

組みといった一連の関係性についての講義を

行う。

講義3時間

291

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支援専門員の役割を

認識する。

○自立支援のため

のケアマネジメン

トの基本

利用者の尊厳の保

持及び自立支援に資

するケアマネジメン

トの視点を理解する。

また、利用者が住み

慣れた地域で主体的

な生活を送ることが

できるように支援す

ることの重要性を理

解するとともに、在宅

生活を支援する上で、

家族に対する支援の

重要性を理解する。

・ケアマネジメントの成り立ちや機能につい

て理解するとともに、指定居宅介護支援等

の事業の人員及び運営に関する基準に基づ

いて、介護支援専門員としての責務及び業

務を理解し、ケアマネジメントの中心的な

役割を担う立場であることを認識するため

の講義を行う。

・利用者が住み慣れた地域で、最期まで尊厳を

もって自分らしい生活を送ることができるよ

う、自立支援のためのケアマネジメントを実

践する上で必要な視点を理解する。

・インフォーマルサービスも活用したケアマ

ネジメントを理解する。

・利用者を支援する上で、家族を取り巻く環境

に留意し、家族に対する支援の重要性や目的

を理解する。

・介護予防支援や、介護予防・日常生活支援総

合事業におけるケアマネジメントにおいて

も、基本的な考え方やプロセスは同様である

ことから、これらも含めた形での講義を行う。

講義及び演

習6時間

○人格の尊重及び

権利擁護並びに介

護支援専門員の倫

人権と尊厳を支え

る専門職に求められ

る姿勢を認識する。

また、介護支援専門

員としての職業倫理

を理解するとともに、

日常業務で直面する

倫理的課題等を認識

する。

・介護支援専門員が備えるべき、利用者本位、

自立支援、公正中立、権利擁護、守秘義務、

利用者のニーズの代弁等の倫理に関する講

義を行う。

・人権の概念、利用者の尊厳の保持、介護支援

専門員の倫理綱領、倫理原則、成年後見制度

等に関する講義を行う。

・ケアマネジメントの実践において直面しや

すい倫理的な課題とその課題に向き合うこ

との重要性を理解するための講義を行う。

講義2時間

○介護支援専門員

に求められるマネ

ジメント(チーム

マネジメント)

多職種に対する理

解・尊重に基づいてチ

ームを組成し、円滑に

機能させるための基

本的な技術を修得す

る。

・利用者及びその家族の支援に際し、チームア

プローチの意義を理解するとともに、介護支

援専門員には、ケアのマネジメントだけでな

く、チームのマネジメントも求められること

を認識するための講義を行う。

・チームアプローチに際し、チームを組成する

各職種の専門性と各々に求められる役割を理

解するとともに、チームにおける介護支援専

門員の役割を理解し、チーム運営において想

定される課題や対応策を含め、チームを円滑

に機能させるために必要な知識・技術を修得

講義及び演

習2時間

292

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する。

○地域包括ケアシ

ステム及び社会資

地域包括ケアの理

念を踏まえ、地域包括

ケアを推進していく

に当たり介護支援専

門員に求められる役

割を理解する。

また、利用者を支援

する上で知っておく

べき各種制度や地域

の社会資源の重要性

を理解する。

・地域包括ケアシステムの構築が求められる

背景及び地域包括ケアシステムが目指す姿

についての講義を行う。

・地域包括ケアシステムを構築していく中で

介護支援専門員に求められる役割(自立支援

に資するケアマネジメント、インフォーマル

サービスを含めた社会資源の活用、多職種や

地域包括支援センター等との連携、不足して

いる地域資源の提案等)に関する講義を行う。

・地域包括ケアを実現していくためのケアマ

ネジメントを行う上で、必要な保健・医療・

福祉サービスに関する講義を行う。

・地域包括ケアシステムの構築に関して、地域

の現状、課題、目指す方向性、社会資源の整

備状況等を把握する事が大切であることから

介護保険事業計画、地域ケア会議の重要性や

内容に関する講義を行う。

・生活保護制度、障害施策、老人福祉施策、地

域ケア会議などの概要について理解するとと

もに、関連する機関やボランティア等との連

携・協力・ネットワークの構築についての講

義を行う。

講義3時間

○ケアマネジメン

トに必要な医療と

の連携及び多職種

協働の意義

医療との連携や多

職種協働の意義を踏

まえ、具体的な連携の

場面で必要となる基

本的な知識や連携の

手法を修得する。

・医療との連携に当たって早い段階から連携

の重要性を理解し、利用者の医療に係る情

報や状態の改善可能性に係る意見等を把握

しておく必要があることから、医療機関や

医療職からの情報収集の方法等についての

講義を行う。

・医療との連携に当たっての留意点を理解す

るとともに、介護支援専門員から医療機関

や医療職への情報提供の方法及び内容(生

活状況、サービスの利用状況等)に関する講

義を行う。

・地域における、在宅医療・介護の連携を推進

する役割を担っている機関の概要に関する講

義を行う。

・多職種協働の意義を理解するとともに、多職

種間で情報を共有することの重要性を理解

し、情報共有に当たり個人情報を取り扱う上

での利用者やその家族の同意の必要性につい

ての講義を行う。

講義3時間

○ケアマネジメン 法令を遵守し、介護 ・介護保険法、介護保険法施行令、介護保険法 講義2時間

293

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トに係る法令等の

理解

支援専門員の業務を

適切に遂行できるよ

う、介護保険制度に係

る法令等を正しく理

解する。

施行規則、厚生労働省告示、居宅サービス等

の運営基準、居宅介護支援等の運営基準に関

しその位置付けや業務との関連を俯瞰する講

義を行う。(特に、介護支援専門員及びケア

マネジメントに関する部分の規定について、

業務と関連づけて理解する。)

・事業所の指定取消や介護支援専門員の登録

消除などの不適切事例を参考に、ケアマネ

ジメントを実践する上での法令遵守(コン

プライアンス)の重要性を認識する為の講

義を行う。

・介護報酬に係る関係告示や通知等の概要に

ついての講義を行う。

○ケアマネジメン

トの展開

・基礎理解

ケアマネジメント

は高齢者の生理、心

理、生活環境などの構

造的な理解に基づい

て行われる必要があ

ることを理解する。

・ケアマネジメントを実践する上で必要な高

齢者の生理、高齢者やその家族の心理、住環

境や同居者の有無などそれぞれの要素と要素

の関係性の重要性に関する講義を行う。

・それらの関係性を踏まえたアセスメント、課

題分析の視点、居宅サービス計画等への具体

的な展開方法など、支援に当たってのポイン

トを理解する。

・高齢者本人が望む生活の実現のための意思

決定の支援方法について修得する。

・高齢者の代表的な疾患や症候群別のケアマ

ネジメントを学ぶことの有効性について理

解する。

講義及び演

習3時間

・脳血管疾患に関

する事例

脳血管疾患の特性

や療養上の留意点、起

こりやすい課題を踏

まえた支援に当たっ

てのポイントを理解

する。

・脳血管疾患の分類、症状、後遺症、生活障害

の程度と身体機能の関係、廃用症候群との関

係性についての講義を行う。

・脳血管疾患における療養上の留意点や起こ

りやすい課題についての講義を行う。

・脳血管疾患の要介護者等に対するリハビリ

テーションや福祉用具、住宅改修の効果的

な活用に関する講義を行う。

・リハビリテーションや福祉用具等、それらを

活用する際の医療職をはじめとする多職種と

の連携・協働に当たってのポイントを理解す

る。

・脳血管疾患の事例におけるアセスメント、課

題分析の視点、居宅サービス計画等の作成、

サービス担当者会議における情報共有に当た

っての留意点、モニタリングでの視点を理解

する。

講義及び演

習5時間

294

Page 323: 介護支援専門員専門研修 ガイドライン - mhlw · 2018-06-19 · 1 ガイドライン作成の背景 (3)本ガイドラインの位置付け 介護支援専門員の資質向上については、これまで、必要な知識・技能の修得を目的とし、都道府県が実施主体

・認知症に関する

事例

認知症の特性や療

養上の留意点、起こり

やすい課題を踏まえ

た支援に当たっての

ポイントを理解する。

・認知症の器質的障害種類別の原因、症状、改

善可能性、症状の進行並びに薬物療法の有効

性、留意点及び副作用について理解する。

・認知症における療養上の留意点、倫理的な対

応及び起こりやすい課題に関する講義を行

う。

・認知症ケアにおける医療職をはじめとする

多職種との連携・協働に当たってのポイン

トを理解する。

・認知症の事例におけるアセスメントや課題

分析の視点、居宅サービス計画等の作成、サ

ービス担当者会議における情報共有に当たっ

ての留意点及びモニタリングでの視点につい

て理解する。

・独居で認知症の要介護者等に対するアプロ

ーチの視点や方法を理解する。

・認知症の要介護者と同居している家族に対

する支援や地域への配慮と協働の視点を持

ったケアマネジメントの具体的な方法を修

得する。

・認知症に伴う行動・心理症状(BPSD)に対す

るアプローチの視点及びケアの手法を理解す

る。

講義及び演

習5時間

・筋骨格系疾患及

び廃用症候群に関

する事例

筋骨格系疾患及び

廃用症候群の特性や

療養上の留意点、起こ

りやすい課題を踏ま

えた支援に当たって

のポイントを理解す

る。

・筋骨格系疾患の種類、原因、症状、生活をす

る上での障害及び予防・改善方法や、廃用症

候群の原因、生活をする上での障害及び予

防・改善方法に関する講義を行う。

・筋骨格系疾患や廃用症候群における療養上

の留意点や起こりやすい課題に関する講義

を行う。

・筋骨格系疾患や廃用症候群の要介護者等に

対するリハビリテーションや福祉用具、住

宅改修の効果的な活用方法等についての講

義を行う。

・リハビリテーション、福祉用具などを活用す

る際の医療職をはじめとする多職種との連

携・協働に当たってのポイントを理解する。

・筋骨格系疾患や廃用症候群の事例における

アセスメント、課題分析の視点、居宅サービ

ス計画等の作成、サービス担当者会議におけ

る情報共有に当たっての留意点及びモニタリ

ングでの視点について理解する。

講義及び演

習5時間

・内臓の機能不全

(糖尿病、高血圧、

内臓の機能不全に

係る各疾患・症候群

・内臓の機能不全に係る各疾患・症候群(糖尿

病、高血圧、脂質異常症、心疾患、呼吸器疾

講義及び演

習5時間

295

Page 324: 介護支援専門員専門研修 ガイドライン - mhlw · 2018-06-19 · 1 ガイドライン作成の背景 (3)本ガイドラインの位置付け 介護支援専門員の資質向上については、これまで、必要な知識・技能の修得を目的とし、都道府県が実施主体

脂質異常症、心疾

患、呼吸器疾患、

腎臓病、肝臓病等)

に関する事例

(糖尿病、高血圧、脂

質異常症、心疾患、呼

吸器疾患、腎臓病、肝

臓病等)の特性や療養

上の留意点、起こりや

すい課題を踏まえた

支援に当たってのポ

イントを理解する。

患、腎臓病、肝臓病等)の原因や症状、症状の

進行、生活障害の程度と身体機能の関係につ

いての講義を行う。

・疾患相互の影響、高齢者の生理(生活上の留

意点)との関係、療養上の留意点及び起こり

やすい課題に関する講義を行う。

・医療職をはじめとする多職種との連携・協働

に当たってのポイントを理解する。

・内臓の機能不全に係る疾患・症候群を有する

方に対するアセスメント、課題分析の視点、

居宅サービス計画等の作成、サービス担当者

会議における情報共有に当たっての留意点及

びモニタリングでの視点を理解する。

・各疾患・症候群における生活習慣を改善する

ためのアプローチの方法(本人の動機付

け、家族の理解の促進等)を修得する。

・看取りに関する

事例

看取りにおける留

意点や起こりやすい

課題を踏まえた支援

に当たってのポイン

トを理解する。

・看取りのケースについて支援を行う際にお

ける介護支援専門員の役割や適切な姿勢に

ついての講義を行う。

・看取りに関連する各種サービス等の活用方

法や、医療職をはじめとする多職種との連

携・協働を効果的に行う為のポイントを理

解する。

・看取りに向けた利用者及びその家族との段

階的な関わりの変化(生活動作の負担や痛

みの軽減、主治医との連携や多職種協働、急

変時の基本的な対応等)を認識する。

・看取りのケースにおいて、在宅生活の支援を

行う際の起こりやすい課題を理解し、アセス

メント、課題分析の視点、居宅サービス計画

等の作成、サービス担当者会議における情報

共有に当たっての留意点及びモニタリングで

の視点について理解する。

講義及び演

習5時間

○アセスメント及

び居宅サービス計

画等作成の総合演

研修全体での学び

を踏まえ、アセスメン

トから居宅サービス

計画等の作成からモ

ニタリングまでを一

貫して行い、ケアマネ

ジメントプロセスに

ついて更なる理解を

深める。

・これまでの研修の中で修得した知識・技術を

確認するため、事例に即したアセスメント、

ニーズの把握、居宅サービス計画等の作成及

びモニタリングを一貫して行うことにより、

ケアマネジメントプロセスの理解を深めると

ともに、理解が不足しているものがないか自

己評価を行う。

・作成した居宅サービス計画等を原案として、

サービス担当者会議の演習を行う。

講義及び演

習5時間

296

Page 325: 介護支援専門員専門研修 ガイドライン - mhlw · 2018-06-19 · 1 ガイドライン作成の背景 (3)本ガイドラインの位置付け 介護支援専門員の資質向上については、これまで、必要な知識・技能の修得を目的とし、都道府県が実施主体

4 実施上の留意点等

(1)ケアマネジメントの展開における「脳血管疾患に関する事例」、「認知症に関する

事例」、「筋骨格系疾患及び廃用症候群に関する事例」、「内臓の機能不全(糖尿病、

高血圧、脂質異常症、心疾患、呼吸器疾患、腎臓病、肝臓病等)に関する事例」及び

「看取りに関する事例」並びに「アセスメント及び居宅サービス計画等作成の総合演

習」について、アセスメントからニーズを把握する過程及びモニタリングでの評価に

関する知識・技術についての講義・演習を行うに当たっては、別途通知する「課題整

理総括表」及び「評価表」等を活用し行うものとする。

なお、演習を行うに当たっては、受講者が積極的に演習に参加するよう小規模な班

編制により実施することとし、班編制に当たっては保健、医療、福祉の各職種の均衡

に配慮すること。

(2)講師

講師については、原則アからキまでのとおりとする。

なお、相当の知見を有する者とは、

① 施行規則第113条の2第1項第1号に規定する資格を有する実務経験が長い主

任介護支援専門員

② 地域包括支援センターにおいて介護支援専門員に対する相談・支援に従事してい

る者

③ 大学教員又は法人内において研修の責任者として指導に従事している者

④ その他上記に準ずる者

とする。

ア 「介護保険制度の理念・現状及びケアマネジメント」及び「ケアマネジメントに

係る法令等の理解」の講師については、原則として、介護保険制度について相当の

知見を有する者又は都道府県職員を充てること。

イ 「自立支援のためのケアマネジメントの基本」並びにケアマネジメントの展開に

おける「基礎理解」及び「アセスメント及び居宅サービス計画等作成の総合演習」

の講師については、ケアマネジメントについて相当の知見を有する者する者を充て

ること。

ウ 「人格の尊重及び権利擁護並びに介護支援専門員の倫理」の講師については、原

則として、相当の実務経験のある現任の介護支援専門員を充てること。

エ 「介護支援専門員に求められるマネジメント(チームマネジメント)」の講師に

ついては、介護支援専門員に関するチームマネジメントについて相当の知見を有す

る者を充てること。

オ 「地域包括ケアシステム及び社会資源」の講師については、地域包括ケアシステ

ムについて相当の知見を有する者又は都道府県職員を充てること。

カ 「ケアマネジメントに必要な医療との連携及び多職種協働の意義」の講師につい

ては、在宅介護に知見のある医療関係者又は病院等において医療連携業務に従事し

ている者を充てること。

キ ケアマネジメントの展開における「脳血管疾患に関する事例」、「認知症に関す

る事例」、「筋骨格系疾患及び廃用症候群に関する事例」、「内臓の機能不全(糖

尿病、高血圧、脂質異常症、心疾患、呼吸器疾患、腎臓病、肝臓病等)に関する事

例」及び「看取りに関する事例」の講師については、医師又は医療関係職種の基礎

資格を有する介護支援専門員又は各事例に関し相当の知見を有する者を充てるこ

と。

297

Page 326: 介護支援専門員専門研修 ガイドライン - mhlw · 2018-06-19 · 1 ガイドライン作成の背景 (3)本ガイドラインの位置付け 介護支援専門員の資質向上については、これまで、必要な知識・技能の修得を目的とし、都道府県が実施主体

(3)修了評価

研修の実施に当たっては、各科目における到達目標を達成しているかについて修了

評価を実施すること。

(4)その他留意点

当該研修の研修受講地については、原則として介護支援専門員の登録を行っている

都道府県とする。なお、受講者がやむを得ない事情により、再研修の一部又は全部を

受講できなかった場合には、別途実施する再研修の際に当該未受講の科目を受講する

こととして差し支えない。この場合、当該受講者から登録地の都道府県に申し出るこ

とにより、他の都道府県で受講することを認めるなど、都道府県間で連携の上、受講

者の便宜を図るものとする。

298

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(別添4)

介護支援専門員更新研修実施要綱

1 目的

介護支援専門員証に有効期限が付され、更新時に研修の受講を課すことにより、定

期的な研修受講の機会を確保し、介護支援専門員として必要な専門知識及び技術の修

得を図ることにより、専門職としての能力の保持・向上を図ることを目的とする。

2 対象者

研修対象者は、次のいずれかに該当するものであって、介護支援専門員証の有効期

間がおおむね1年以内に満了する者とする。

① 介護支援専門員証の交付を受けてから、その有効期間が満了するまでに介護支援

専門員として実務に従事した経験を有しない者(以下「実務未経験者」という。)

② 介護支援専門員証の有効期間中に、介護支援専門員として実務に従事している者

又は従事していた経験を有する者(以下「実務経験者」という。)

3 実施方法等

(1)実施に当たっての基本的な考え方

介護支援専門員として実務経験がない者と実務に従事している者又はその経験を

有する者がそれぞれ有する経験・知識等の差異を考慮し、介護支援専門員更新研修

(以下「更新研修」という。)の研修課程を実務未経験者に対する研修と実務経験

者に対する研修に区分して実施すること。

(2)実務未経験者に対する更新研修内容

実務未経験者に対する更新研修で行うべき科目については、「厚生労働大臣が定

める介護支援専門員等に係る研修の基準」(平成18年厚生労働省告示第218号)

第2号に規定されているところであるが、科目、目的、内容及び時間数については、

別添3「介護支援専門員再研修実施要綱」3(2)「研修内容」と同様であり、合

計54時間以上とする。

(3)実務経験者に対する更新研修内容

実務経験者に対する更新研修で行うべき科目については、「厚生労働大臣が定め

る介護支援専門員等に係る研修の基準」第3号に規定されているところであるが、

科目、目的、内容及び時間数については、別添2「介護支援専門員専門研修実施要

綱」3(2)「研修内容」と同様である。

なお、実務経験者として初めての更新研修は、専門研修課程Ⅰ及び専門研修課程

Ⅱと同内容であり、合計88時間以上とする。また、実務経験者としての更新研修

が2回目以降の者に対する更新研修は、専門研修課程Ⅱと同内容であり、合計32

時間以上とする。

4 修了評価

研修の実施に当たっては、各科目における到達目標を達成しているかについて修了

評価を実施すること。

5 実施上の留意点等

299

Page 328: 介護支援専門員専門研修 ガイドライン - mhlw · 2018-06-19 · 1 ガイドライン作成の背景 (3)本ガイドラインの位置付け 介護支援専門員の資質向上については、これまで、必要な知識・技能の修得を目的とし、都道府県が実施主体

(1)介護支援専門員証の有効期間中に、別添2「介護支援専門員専門研修実施要綱」に

基づく研修を修了している者については、法第69条の8第2項ただし書きの規定に

基づき、実務経験者に対する更新研修のうち、介護支援専門員専門研修で履修した科

目と同内容の科目を免除することができる。

(2)当該研修の研修受講地については、原則として介護支援専門員としての登録を行っ

ている都道府県とする。なお、受講者がやむを得ない事情により、更新研修の一部又

は全部を受講できなかった場合には、別途実施する更新研修の際に当該未受講の科目

を受講することとして差し支えない。この場合、当該受講者から登録地の都道府県に

申し出ることにより、他の都道府県で受講することを認めるなど、都道府県間で連携

の上、受講者の便宜を図るものとする。

300

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(別添5)

主任介護支援専門員研修実施要綱

1 目的

介護保険サービスや他の保健・医療・福祉サービスを提供する者との連絡調整、他

の介護支援専門員に対する助言・指導などケアマネジメントが適切かつ円滑に提供さ

れるために必要な業務に関する知識及び技術を修得するとともに、地域包括ケアシス

テムの構築に向けた地域づくりを実践できる主任介護支援専門員の養成を図ることを

目的とする。

2 対象者

介護支援専門員の業務に関し十分な知識と経験を有する介護支援専門員とする。

具体的には、主任介護支援専門員としての役割を果たすことができる者を養成する

観点から、居宅サービス計画等を提出させることにより、研修実施機関において内容

を確認し、利用者の自立支援に資するケアマネジメントが実践できていると認められ

る者のうち、以下の①から④のいずれかに該当し、かつ、(別添2)「介護支援専門員

専門研修実施要綱」に基づく専門研修課程Ⅰ及び専門研修課程Ⅱ又は(別添4)「介

護支援専門員更新研修実施要綱」の3の(3)に基づく実務経験者に対する介護支援

専門員更新研修を修了した者とする。

① 専任の介護支援専門員として従事した期間が通算して5年(60ヶ月)以上であ

る者(ただし、管理者との兼務は期間として算定できるものとする。)

② 「ケアマネジメントリーダー活動等支援事業の実施及び推進について」(平成14

年4月24日老発第0424003号厚生労働省老健局長通知)に基づくケアマネ

ジメントリーダー養成研修を修了した者又は日本ケアマネジメント学会が認定する

認定ケアマネジャーであって、専任の介護支援専門員として従事した期間が通算し

て3年(36ヶ月)以上である者(ただし、管理者との兼務は期間として算定でき

るものとする。)

③ 施行規則第140条の66第1号イの(3)に規定する主任介護支援専門員に準ず

る者として、現に地域包括支援センターに配置されている者

④ その他、介護支援専門員の業務に関し十分な知識と経験を有する者であり、都道府

県が適当と認める者

また、受講対象者の選定に当たっては、特に質の高い研修を実施する観点から、

上記の要件以外に、都道府県において実情に応じた受講要件を設定することは差し

支えないものとする。

3 実施方法等

(1)実施に当たっての基本的な考え方

主任介護支援専門員研修は、他の介護支援専門員に適切な指導・助言、さらに事

業所における人材育成及び業務管理を行うことができ、また、地域包括ケアシステ

ムを構築していくために必要な情報の収集・発信、事業所・職種間の調整を行うこ

とにより地域課題を把握し、地域に必要な社会資源の開発やネットワークの構築な

ど、個別支援を通じた地域づくりを行うことができる者を養成するための研修であ

ることから、適切なケアマネジメントを実践できていることを前提とし、介護支援

301

Page 330: 介護支援専門員専門研修 ガイドライン - mhlw · 2018-06-19 · 1 ガイドライン作成の背景 (3)本ガイドラインの位置付け 介護支援専門員の資質向上については、これまで、必要な知識・技能の修得を目的とし、都道府県が実施主体

専門員が実際に直面している問題や地域包括ケアシステムを構築していく上での課

題を把握することにより、本研修の修了者が、主任介護支援専門員として役割を果

たすことができるよう、効果的な研修内容とすること。

(2)研修内容

主任介護支援専門員研修で行うべき科目については、「介護保険法施行令第37条

の15第2項に規定する厚生労働大臣が定める基準」(平成18年厚生労働省告示

第265号)に規定されているところであるが、その科目、目的、内容及び時間数

については以下のとおりであり、合計70時間以上とする。

科 目 目 的 内 容 時間数

○主任介護支援専門

員の役割と視点

地域包括ケアシステ

ムの構築や地域包括ケ

アを実現するケアマネ

ジメントを展開するに

当たり、主任介護支援

専門員が果たすべき役

割を認識するととも

に、その役割を担う上

で必要な視点、知識及

び技術を修得する。

・地域包括支援センター、居宅介護支援事

業所等における主任介護支援専門員の役

割(地域や事業所の介護支援専門員に対

する個別支援、地域や事業所における人

材育成の実施、多職種等とのネットワー

クづくりや社会資源の開発などの地域づ

くり及びセルフケア・セルフマネジメン

トに関する地域住民の意識づくり)につ

いて講義を行う。

・介護支援専門員に対する指導・支援の視

点及び地域包括ケアシステムの構築に当

たっての地域づくりに関する講義を行

う。

・事業所におけるケアマネジメントと地域

包括ケアシステムにおいて求められるケ

アマネジメントの違いに関する講義を行

う。

・介護保険制度や利用者支援に係る周辺制

度について、最新の制度改正等の動向に

関する講義を行う。

講義5時間

○ケアマネジメント

(居宅介護支援、施設

における施設サービ

ス計画の作成、サービ

スの利用援助及び施

設サービス計画の実

施状況の把握並びに

介護予防支援をいう。

以下同じ。)の実践に

おける倫理的な課題

に対する支援

介護支援専門員が直

面しやすい倫理的課題

に対し、どのような姿

勢で対応すべきかにつ

いて指導・支援する技

術を修得する。

・介護支援専門員倫理綱領の意義・内容を

再確認し、介護支援専門員が備えるべき

倫理を実践例を交えて講義を行う。

・ケアマネジメントを行う際に直面する倫

理的課題と対応方法について講義を行

う。

・個別支援において生じた倫理面の課題に

対する指導・支援方法について講義を行

う。

講義2時間

○ターミナルケア ターミナルケアに関

する現状・課題、介護

支援専門員が関わる際

・ターミナルケアの基本を理解し、居宅及

び施設におけるターミナルケアの課題や

必要な視点について講義を行う。

講義3時間

302

Page 331: 介護支援専門員専門研修 ガイドライン - mhlw · 2018-06-19 · 1 ガイドライン作成の背景 (3)本ガイドラインの位置付け 介護支援専門員の資質向上については、これまで、必要な知識・技能の修得を目的とし、都道府県が実施主体

に必要な視点・支援の

技術及び支援に当たっ

ての指導方法を習得す

る。

・利用者及びその家族等に対する介護支援

専門員としての適切な支援方法について

講義を行う。

・ターミナルケアで必要な看護サービス等

を活用する際の視点や医療職をはじめと

する多職種との連携方法・協働のポイン

トについて講義を行う。

○人材育成及び業務

管理

質の高いマネジメン

トを提供し、事業所の

適正な運営等を図るた

めの「人事管理」「経

営管理」に関する知識

の修得及び「人材育成」

「業務管理」の手法を

修得する。

・地域や事業所内における介護支援専門員

の人材育成に関する留意事項、効果的な

取組及び方法(研修計画の作成、OJT と O

ff-JT、事例検討会等)について講義を

行う。

・地域において人材育成を行うに当たって

必要なネットワークの構築方法に関する

講義を行う。

・事業所内における介護支援専門員に対す

る業務管理の意義・方法及び課題と対応

策について講義を行う。

講義3時間

○運営管理における

リスクマネジメント

ケアマネジメントを

実践する上で発生する

リスクに対して、組織

や地域として対応する

仕組みの構築に必要な

知識・技術を修得する。

・ヒヤリハットの事例に基づき、ケアマネ

ジメントを行う上で発生しうるリスクの

予測とその評価の手法について講義を行

う。

・地域や事業所におけるリスク軽減に向け

た仕組みや体制の構築の手法について講

義を行う。

・介護支援専門員に課せられている秘密保

持義務の規定を再確認し、個人情報の取

扱に係るリスクと関連制度について講義

を行う。

・自然災害が発生した場合の対応に関する

基本的な考え方や方法、対応体制の構築

に向けて必要な知識や方法について講義

を行う。

講義3時間

○地域援助技術 地域において、地域

援助技術(コミュニテ

ィソーシャルワーク)

の実践が進むよう地域

づくりの重要性と主任

介護支援専門員の役割

を理解するとともに、

地域課題の把握方法、

地域づくりに向けた具

体的な取組内容等に係

・地域づくりの意義と手法及び地域課題を

把握するための情報の入手・活用の方法

について講義を行う。

・地域課題の解決に向けた関係者によるネ

ットワークの機能や構築方法について講

義を行う。

・地域援助技術(コミュニティソーシャル

ワーク)に関する介護支援専門員に対す

る指導・支援方法を修得する。

・地域ケア会議等を通じて把握した地域課

講義及び演

習6時間

303

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る必要な知識・技術を

修得する。

題を解決するための地域援助技術(コミ

ュニティソーシャルワーク)の展開につ

いて、基本的な考え方や方法を修得する。

○ケアマネジメント

に必要な医療との連

携及び多職種協働の

実現

地域において、医療

との連携や多職種協働

が進むよう、他の介護

支援専門員や多職種に

対する働きかけ、連

携・協働の仕組みづく

りに必要な知識・技術

を修得する。

・医療職をはじめとした多職種との協働に

おける工夫と留意点など成功例と失敗例

を参考にして連携・協働の仕組みづくり

の重要性を理解する。

・地域ケア会議が有している機能と、当該

会議を効果的に開催するための運営方法

に関する講義を行う。

・行政との連携・協働に当たっての留意点

に関する講義を行う。

・多職種協働において関わりが強い他法他

施策(障害者総合支援法、生活困窮者自

立支援法等)の概要と他法他施策を活用

する際の関係機関等との連携・協働に当

たっての留意点に関する講義を行う。

・日常的な実践における医療職をはじめと

した多職種協働に関する介護支援専門員

への指導・支援方法を修得する。

講義及び演

習6時間

○対人援助者監督指

対人援助者監督指導

(スーパービジョン)

の機能(管理や教育、

支援)を理解し、実践

できる知識・技術を修

得するとともに、スー

パーバイザーとして主

任介護支援専門員に求

められる姿勢を理解す

る。

・対人援助者監督指導(スーパービジョン)

の内容と方法に関する講義を行う。

・対人援助者監督指導(スーパービジョン)

の効果、介護支援専門員に対して対人援

助者監督指導(スーパービジョン)を行

う際の留意点及びスーパーバイザーとし

ての主任介護支援専門員の心構えと視点

を理解する。

・個人対人援助者監督指導(個人スーパー

ビジョン)と集団対人援助者監督指導(グ

ループスーパービジョン)の方法等を修

得する。

講義及び演

習18時間

○個別事例を通じた

介護支援専門員に対

する指導・支援の展開

介護支援専門員に対

する指導・支援におけ

る様々な方法と関わり

方について、その具体

的方法や留意点を理解

するとともに、事例研

究の実践的な展開方法

を修得する。

・個々の事例に対する介護支援専門員のケ

アマネジメントについて、主任介護支援

専門員として指導・支援を行う際の様々

な方法(コーチング、ティーチング等)

を修得するとともに、指導・支援を行う

際の様々な場面における関わり方を理解

する。

・指導・支援に当たっての留意点を踏まえ

つつ、事例検討・事例研究における指導・

支援の実践的な展開方法(会議の設定

と準備、介護支援専門員との関係構築、

講義及び演

習24時間

304

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傾聴、承認、指導・支援の具体的な展開

及びまとめと振り返り)を修得する。

4 実施上の留意点

(1)講師

講師については、原則アからエまでのとおりとする。

ア 「主任介護支援専門員の役割と視点」、「人材育成及び業務管理」、「運営管理

におけるリスクマネジメント」、「地域援助技術」、「対人援助者監督指導」及び

「個別事例を通じた介護支援専門員に対する指導・支援の展開」の講師については、

相当の実務経験のある主任介護支援専門員、大学教員又は法人内における研修の責

任者として指導に従事している者を充てること。

イ 「ケアマネジメントの実践における倫理的な課題に対する支援」の講師について

は、相当の実務経験のある現任の主任介護支援専門員を充てること。

ウ 「ターミナルケア」の講師については、ターミナルケアに関し知見のある医療関

係者又は病院等において医療連携業務に従事している者を充てること。

エ 「ケアマネジメントに必要な医療との連携及び多職種協働の実現」の講師につい

ては、在宅介護に知見のある医療関係者又は病院等において医療連携業務に従事し

ている者を充てること。

(2)修了評価

研修の実施に当たっては、各科目における到達目標を達成しているかについて修了

評価を実施すること。

(3)その他留意点

当該研修の研修受講地については、原則として介護支援専門員としての登録を行っ

ている都道府県とする。なお、受講者がやむを得ない事情により、主任介護支援専門

員研修の一部又は全部を受講できなかった場合には、別途実施する主任介護支援専門

員研修の際に当該未受講の科目を受講することとして差し支えない。この場合、当該

受講者から登録地の都道府県に申し出ることにより、他の都道府県で受講することを

認めるなど、都道府県間で連携の上、受講者の便宜を図るものとする。

305

Page 334: 介護支援専門員専門研修 ガイドライン - mhlw · 2018-06-19 · 1 ガイドライン作成の背景 (3)本ガイドラインの位置付け 介護支援専門員の資質向上については、これまで、必要な知識・技能の修得を目的とし、都道府県が実施主体

(別添6)

主任介護支援専門員更新研修実施要綱

1 目的

主任介護支援専門員に対して、主任介護支援専門員研修修了証明書の有効期限の更

新時に併せて、研修の受講を課すことにより、継続的な資質向上を図るための定期的

な研修受講の機会を確保し、主任介護支援専門員の役割を果たして行くために必要な

能力の保持・向上を図ることを目的とする。

2 対象者

研修対象者は、次の①から⑤までのいずれかに該当するものであって、主任介護支援

専門員研修修了証明書の有効期間がおおむね2年以内に満了する者とする。

なお、特に質の高い研修を実施する観点から、上記の要件以外に、都道府県におい

て実情に応じた受講要件を設定することは差し支えないものとする。

①介護支援専門員に係る研修の企画、講師やファシリテーターの経験がある者

②地域包括支援センターや職能団体等が開催する法定外の研修等に年4回以上参加

した者

③日本ケアマネジメント学会が開催する研究大会等において、演題発表等の経験があ

る者

④日本ケアマネジメント学会が認定する認定ケアマネジャー

⑤主任介護支援専門員の業務に十分な知識と経験を有する者であり、都道府県が適当

と認める者

3 実施方法等

(1)実施に当たっての基本的な考え方

主任介護支援専門員としての役割を果たすには、多職種との連携や介護支援専門

員に対する助言・指導や地域での活動等の実務を通じて、主任介護支援専門員とし

て必要な知識・技術等を高めていくことが必要不可欠であり、地域包括ケアシステ

ムの構築や地域包括ケアの推進など、主任介護支援専門員に求められる役割がこれ

まで以上に大きくなることが見込まれることを踏まえると、実践を通じた能力向上

を担保する必要があることから、継続的な知識・技術等の向上を図るとともに、実

践の振り返りにより、更なる資質向上を図る研修内容とする。

(2)研修内容

主任介護支援専門員更新研修で行うべき科目については、「介護保険法施行令第3

7条の15第2項に規定する厚生労働大臣が定める基準」(平成18年厚生労働省

告示第265号)第2号により、規定されているところであるが、その科目、目的、

内容及び時間数については以下のとおりであり、合計46時間以上とする。

科 目 目 的 内 容 時間数

○介護保険制度及び

地域包括ケアシステ

ムの動向

介護保険制度の最新

の動向を踏まえ、地域

包括ケアシステムの構

築に向けた現状の取組

と課題を理解し、主任

・介護保険制度の最新の動向や地域包括ケ

アシステムの構築に向けた取組や課題、

地域包括ケアシステムの構築における介

護支援専門員及び主任介護支援専門員の

役割について講義を行う。

講義4時間

306

Page 335: 介護支援専門員専門研修 ガイドライン - mhlw · 2018-06-19 · 1 ガイドライン作成の背景 (3)本ガイドラインの位置付け 介護支援専門員の資質向上については、これまで、必要な知識・技能の修得を目的とし、都道府県が実施主体

介護支援専門員として

果たすべき役割を再認

識する。

・利用者やその家族を支援する上で関連す

る最新の制度、動向及び社会資源の活用

並びに関係機関等との連携やネットワー

ク構築に関する講義を行う。

・介護保険制度並びに介護支援専門員を取

り巻く状況など現状で課題となっている

事項を踏まえた、介護支援専門員に対す

る指導、支援に関する講義を行う。

○主任介護支援専門

員としての実践の振

り返りと指導及び支

援の実践

・リハビリテーション

及び福祉用具の活用

に関する事例

リハビリテーション

や福祉用具等の活用事

例を用いて主任介護支

援専門員としての実践

の振り返りを行うこと

により、リハビリテー

ションや福祉用具等の

活用に係る実践上の課

題や不足している視点

を認識し分析する手法

を深める。

また、分析結果を踏

まえた資質向上に必要

な取組と実践における

改善策を講じることが

できる知識・技術を修

得する。

・各自が担当しているリハビリテーション

や福祉用具等の活用に関する主任介護支

援専門員としての実践事例について振り

返り、意見交換等を通じて、課題や不足

している視点を認識し分析する。分析に

必要な根拠を明確にすることにより改善

策を講じ、資質向上に向けた介護支援専

門員に対する指導及び支援を実践するこ

とができる知識・技術を修得する。

・リハビリテーションや福祉用具等の活用

をするに当たって重要となる医師やリハ

ビリテーション専門職等との連携方法等

ネットワークづくりの実践について、課

題や不足している視点を認識し分析する

手法及び改善指導に関する講義を行う。

・リハビリテーションや福祉用具等の活用

を検討するに当たり、効果的なものとな

るようインフォーマルサービスも含めた

地域の社会資源を活用したケアマネジメ

ントの実践において、社会資源の開発な

ど地域づくりの視点を含め、課題や不足

している視点を認識し分析する手法及び

改善指導に関する講義を行う。

講義及び演

習6時間

・看取り等における看

護サービスの活用に

関する事例

看護サービスの活用

が必要な事例を用いて

主任介護支援専門員と

しての実践の振り返り

を行うことにより、看

護サービスの活用に係

る実践上の課題や不足

している視点を認識し

分析する手法を深め

る。

また、分析結果を踏

まえた資質向上に必要

・各自が担当している看護サービスの活用

に関する主任介護支援専門員としての実

践事例について振り返り、意見交換等を

通じて、課題や不足している視点を認識

し分析する。分析に必要な根拠を明確に

することにより改善策を講じ、資質向上

に向けた介護支援専門員に対する指導及

び支援を実践することができる知識・技

術を修得する。

・看取り等を含む看護サービスを活用する

に当たって重要となる医師や看護師等と

の連携方法等ネットワークづくりの実践

講義及び演

習6時間

307

Page 336: 介護支援専門員専門研修 ガイドライン - mhlw · 2018-06-19 · 1 ガイドライン作成の背景 (3)本ガイドラインの位置付け 介護支援専門員の資質向上については、これまで、必要な知識・技能の修得を目的とし、都道府県が実施主体

な取組を実践における

改善策を講じることが

できる知識・技術を修

得する。

について、課題や不足している視点を認

識し分析する手法及び改善指導に関する

講義を行う。

・看取り等を含む看護サービスの活用を検

討するに当たり、効果的なものとなるよ

うインフォーマルサービスも含めた地域

の社会資源を活用したケアマネジメント

の実践において、社会資源の開発など地

域づくりの視点を含め、課題や不足して

いる視点を認識し分析する手法及び改善

指導に関する講義を行う。

・認知症に関する事例 認知症に関する事例

を用いて主任介護支援

専門員としての実践の

振り返りを行うことに

より、認知症の要介護

者等に関する実践上の

課題や不足している視

点を認識し分析する手

法を深める。

また、分析結果を踏

まえた資質向上に必要

な取組と実践における

改善策を講じることが

できる知識・技術を修

得する。

・各自が担当している認知症ケースに関す

る主任介護支援専門員としての実践事例

について振り返り、意見交換等を通じて、

課題や不足している視点を認識し分析す

る。分析に必要な根拠を明確にすること

により改善策を講じ、資質向上に向けた

介護支援専門員に対する指導及び支援を

実践することができる知識・技能を修得

する。

・認知症の要介護者等及び家族を支援する

に当たり重要となる医療職をはじめとす

る多職種や地域住民との連携方法等ネッ

トワークづくりの実践について、課題や

不足している視点を認識し分析する手法

及び改善指導に関する講義を行う。

・認知症である要介護者等の支援方法を検

討するに当たり、効果的なものとなるよ

うインフォーマルサービスも含めた地域

の社会資源を活用したケアマネジメント

の実践において、社会資源の開発など地

域づくりの視点を含め、課題や不足して

いる視点を認識し分析する手法及び改善

指導に関する講義を行う。

講義及び演

習6時間

・入退院時等における

医療との連携に関す

る事例

入退院時等における

医療との連携に関する

事例を用いて主任介護

支援専門員としての実

践の振り返りを行うこ

とにより、医療との連

携に関する実践上の課

題や不足している視点

を認識し分析する手法

・各自が担当している入退院時等における

医療との連携に関する主任介護支援専門

員としての実践事例について振り返り、

意見交換等を通じて、課題や不足してい

る視点を認識し分析する。分析に必要な

根拠を明確にすることにより改善策を講

じ、資質向上に向けた介護支援専門員に

対する指導及び支援を実践することがで

きる知識・技能を修得する。

講義及び演

習6時間

308

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を深める。

また、分析結果を踏

まえた資質向上に必要

な取組と実践における

改善策を講じることが

できる知識・技術を修

得する。

・入退院時等において重要となる医療職を

はじめとする多職種との連携方法等ネッ

トワークづくりの実践について、課題や

不足している視点を認識し分析する手法

及び改善指導に関する講義を行う。

・入退院時における支援を検討するに当た

り、効果的なものになるようインフォー

マルサービスも含めた地域の社会資源を

活用したケアマネジメントの実践におい

て、社会資源の開発など地域づくりの視

点を含め、課題や不足している視点を認

識し分析する手法及び改善指導に関する

講義を行う。

・家族への支援の視点

が必要な事例

家族への支援の視点

が特に必要な事例を用

いて主任介護支援専門

員としての実践の振り

返りを行うことによ

り、家族への支援の視

点も踏まえた実践上の

課題や不足している視

点等を認識し分析する

手法を深める。

また、分析結果を踏

まえた資質向上に必要

な取組と実践における

改善策を講じることが

できる知識・技術を修

得する。

・各自が担当している家族支援が特に必要

なケースに関する主任介護支援専門員と

しての実践事例について振り返り、意見

交換等を通じて、課題や不足している視

点を認識し分析する。分析に必要な根拠

を明確にすることにより改善策を講じ、

資質向上に向けた介護支援専門員に対す

る指導及び支援を実践することができる

知識・技能を修得する。

・家族に対する支援に当たり重要となる関

係機関や地域住民をはじめとする多職種

との連携方法等ネットワークづくりの実

践について、課題や不足している視点を

認識し分析する手法及び改善指導に関す

る講義を行う。

・家族支援が必要なケースを検討するに当

たり、インフォーマルサービスも含めた

地域の社会資源を活用したケアマネジメ

ントの実践において、社会資源の開発な

ど地域づくりの視点を含め、課題や不足

している視点を認識し分析する手法及び

改善指導に関する講義を行う。

講義及び演

習6時間

・社会資源の活用に向

けた関係機関との連

携に関する事例

社会資源の活用に向

けた関係機関との連携

に関する事例を用いて

主任介護支援専門員と

しての実践の振り返り

を行うことにより、利

用者が活用することが

できる制度に関する知

・各自が担当している他の制度(生活保護

制度、成年後見制度等)を活用している

主任介護支援専門員としての実践事例に

ついて振り返り、意見交換等を通じて、

課題や不足している視点を認識し分析す

る。分析に必要な根拠を明確にすること

により改善策を講じ、資質向上に向けた

介護支援専門員に対する指導及び支援を

講義及び演

習6時間

309

Page 338: 介護支援専門員専門研修 ガイドライン - mhlw · 2018-06-19 · 1 ガイドライン作成の背景 (3)本ガイドラインの位置付け 介護支援専門員の資質向上については、これまで、必要な知識・技能の修得を目的とし、都道府県が実施主体

識及び関係機関等との

連携に係る実践上の課

題や不足している視点

等を認識し分析する手

法を深める。

また、分析結果を踏

まえた資質向上に必要

な取組と実践における

改善策を講じることが

できる知識・技術を修

得する。

実践することができる知識・技能を修得

する。

・他の制度を活用するに当たり重要となる

関係機関や多職種との連携方法等ネット

ワークづくりの実践について、課題や不

足している視点を認識し分析する手法及

び改善指導に関する講義を行う。

・他の制度を活用するに当たり、効果的な

ものとなるようインフォーマルサービス

も含めた地域の社会資源を活用したケア

マネジメントの実践において、社会資源

の開発など地域づくりの視点を含め、課

題や不足している視点を認識し分析する

手法及び改善指導に関する講義を行う。

・状態に応じた多様な

サービス(地域密着型

サービス、施設サービ

ス等)の活用に関する

事例

状態に応じた多様な

サービス(地域密着型

サービス、施設サービ

ス等)の活用に関する

事例を用いて主任介護

支援専門員としての実

践の振り返りを行うこ

とにより、多様なサー

ビスの活用に係る実践

上の課題や不足してい

る視点を認識し分析す

る手法を深める。

また、分析結果を踏

まえた資質向上に必要

な取組と実践における

改善策を講じることが

できる知識・技術を修

得する。

・各自が担当している地域密着型サービス

等の多様なサービスを活用している主任

介護支援専門員としての実践事例につい

て振り返り、意見交換等を通じて、課題

や不足している視点を認識し分析する。

分析に必要な根拠を明確にすることによ

り改善策を講じ、資質向上に向けた介護

支援専門員に対する指導及び支援を実践

することができる知識・技能を修得する。

・状態に応じて多様なサービスを活用する

に当たり重要となる関係機関や介護サー

ビス事業者との連携方法等ネットワーク

づくりの実践について、課題や不足して

いる視点を認識し分析する手法及び改善

指導に関する講義を行う。

・状態に応じて多様なサービスを活用する

に当たり、効果的なものとなるようイン

フォーマルサービスも含めた地域の社会

資源を活用したケアマネジメントの実践

において、社会資源の開発など地域づく

りの視点を含め、課題や不足している視

点を認識し分析する手法及び改善指導に

関する講義を行う。

講義及び演

習6時間

4 実施上の留意点

(1)主任介護支援専門員としての実践の振り返りと指導及び支援の実践に係る科目につ

いて、アセスメントからニーズを把握する過程及びモニタリングでの評価に関する知

識・技術についての講義・演習を行うに当たっては、別途通知する「課題整理総括表」

及び「評価表」等を活用し行うものとする。また、各自の実践方法を共有するととも

に、自らの実践において不足している視点を認識することにより、今後の活用の改善

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につながるよう演習を展開すること。

なお、演習を行うに当たっては、受講者が積極的に演習に参加するよう小規模な班

編制により実施することとし、班編制に当たっては保健、医療、福祉の各職種の均衡

に配慮すること。

(2)主任介護支援専門員としての実践の振り返りと指導及び支援の実践においては、基

本的に各受講者が担当している事例を持ち寄ることとするが、科目に適合する事例を

担当していないことも考えられるため、研修実施機関においては事例を用意しておく

こと。

(3)講師

講師については、原則ア及びイのとおりとする。

なお、相当の知見を有する者とは、

①国家資格を有する実務経験が長い主任介護支援専門員

②地域包括支援センターにおいて介護支援専門員に対し相談・支援に従事している

③大学教員又は法人内において研修の責任者として指導に従事している者

④その他上記に準ずるもの

とする。

ア 「介護保険制度及び地域包括ケアシステムの動向」の講師については、介護保険

制度について相当の知見を有する者又は都道府県職員を充てること。

イ 主任介護支援専門員としての実践の振り返りと指導及び支援の実践に係る科目の

講師については、相当の実務経験のある主任介護支援専門員又は大学教員、法人内

において研修の責任者として指導に従事している者を充てること。

(4)修了評価

研修の実施に当たっては、各科目における到達目標を達成しているかについて修了

評価を実施すること。

(5)その他留意点

ア 当該研修の研修受講地については、原則として介護支援専門員の登録を行ってい

る都道府県とする。なお、受講者がやむを得ない事情により、主任介護支援専門員

更新研修の一部又は全部を受講できなかった場合には、別途実施する主任介護支援

専門員研修の際に当該未受講の課程を受講することとして差し支えない。この場

合、当該受講者から登録地の都道府県に申し出ることにより、他の都道府県で受講

することを認めるなど、都道府県間で連携の上、受講者の便宜を図るものとする。

イ 当該研修の修了者は、施行規則第113条の18に規定する更新研修を受けた者

とみなされることから、「介護支援専門員更新研修」の受講については免除する。

また、当該研修の修了者の介護支援専門員証については、主任介護支援専門員研

修修了証明書の有効期間に置き換えて交付するものとする。

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01

委員名簿

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平成 26 年度 介護支援専門員研修改善事業

研修向上委員会 委員名簿

1.研修向上委員会

栗田 主一 地方独立行政法人 東京都健康長寿医療センター 研究部長

石黒 秀喜 一般財団法人 長寿社会開発センター 審議役

岡田 進一 大阪市立大学大学院 生活科学研究科総合福祉科学コース 教授

榊 美智子 東京都 福祉保健局 高齢社会対策部 介護保険課長

繁田 雅弘 首都大学東京 副学長

白澤 政和 一般社団法人 日本ケアマネジメント学会 理事長

鈴木 邦彦 公益社団法人 日本医師会

鷲見 よしみ 一般社団法人 日本介護支援専門員協会 会長

中 恵美 公益社団法人 日本社会福祉士会

中村 健治 北海道社会福祉協議会 生活困窮者自立支援担当部長

沼田 美幸 公益社団法人 日本看護協会 医療政策部 部長

◎前沢 政次 一般社団法人 日本プライマリ・ケア連合学会 名誉理事長

八田 冷子 鹿児島県 保健福祉部 介護福祉課 参事

※50 音順、◎委員長

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平成 26 年度 介護支援専門員研修改善事業

研修向上委員会 委員名簿

2.ワーキンググループ

石山 麗子 東京海上日動ベターライフサービス株式会社

営業部 シニアケアマネジャー博士

伊藤 重夫 多摩市 健康福祉部 高齢支援課 課長

岡田 進一 大阪市立大学大学院 生活科学研究科 総合福祉学科コース 教授

奥田 亜由子 日本福祉大学 社会福祉学部 非常勤講師

落久保 裕之 医療法人裕心会 落久保外科 循環器科クリニック 院長

川越 正平 医療法人財団 千葉健愛会 理事長

國光 登志子 特定非営利活動法人 日本地域福祉研究所 主任研究員・理事

齊藤 眞樹 医療法人社団仁生会 西堀病院 企画室・地域包括支援部 次長

○助川 未枝保 一般社団法人日本介護支援専門員協会 常任理事

髙岡 里佳 医療法人財団緑秀会 田無病院 医療福祉連携部 部長

橘 康彦 山口市中央地域包括支援センター センター長

●福田 弘子 公益社団法人 大阪介護支援専門員協会

研修センター部長兼事務局次長

●松川 竜也 NPO法人神奈川県介護支援専門員協会 副理事長

主任介護支援専門員

◎水上 直彦 一般社団法人 日本介護支援専門員協会 副会長

南川 幸範 三笠市社会福祉協議会 社協ケアプラン相談センター

主任介護支援専門員

村岡 真由美 社団法人慈恵会 青森市地域包括支援センターのぎわ 所長

●村田 雄二 NPO法人静岡県介護支援専門員協会 会長

社会福祉法人駿河会ラポーレ駿河居宅介護支援事業所 管理者

渡邉 慎一 社会福祉法人横浜市リハビリテーション事業団

横浜市総合リハビリテーションセンター医療部 担当部長

※50 音順、◎座長、○副座長、●主査

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