2020/4/21

1

腎臓の疾患・奇形および形成異常

単腎、馬蹄腎、嚢胞腎（vs 水腎症）、腎異形成

・循環障害

貧血性梗塞、乳頭壊死、DIC、点状出血（豚熱など）

・変性疾患

急性尿細管壊死（虚血性／中毒性）、アミロイド症

痛風（主にトリ）、シュウ酸腎症（中毒／代謝性）

・炎症性疾患

糸球体腎炎、間質性腎炎、腎盂腎炎

・腫瘍

腎細胞癌、腎芽腫、移行上皮（尿路上皮）癌

嚢胞腎

ネコで多発性嚢胞腎は、常染色体優性（顕性）遺伝とされ、PKD1およびPKD2の変異が関連する。

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2

多発性嚢胞腎

水腎症

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3

DICによる点状出血

DICによる点状出血

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4

貧血性梗塞（ウシ、ブタ）

貧血性梗塞（イヌ）

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5

腎乳頭壊死（ウシ）

腎乳頭壊死（ウシ）

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糸球体腎炎の分類・メサンギウム増殖性糸球体腎炎

メサンギウム細胞の増殖を特徴とする。

・管内増殖性糸球体腎炎

血管内皮・メサンギウム細胞腫大、白血球浸潤。

・管外増殖性糸球体腎炎（動物では不明確）

足細胞腫大、ボーマン嚢の半月形成。

・膜性糸球体腎炎

免疫複合物の沈着による基底膜肥厚。

・膜性増殖性糸球体腎炎

基底膜肥厚とメサンギウム細胞の増殖。

・糸球体硬化症（硬化性腎症）

ほとんどの糸球体の硬化（コラーゲン線維増加）。

阪大腎病理カンファレンスより引用http://www.med.osaka-u.ac.jp/pub/kid/ourpc/program/ourpc5.html

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正常糸球体（ネコ）PAS

膜性糸球体腎炎（イヌ）

PAS染色で基底膜の肥厚PAM染色でスパイクの形成が認められる。

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メサンギウム増殖性GN（豚） 管内増殖性GN（豚）

膜性増殖性糸球体腎炎（イヌ）PAS

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糸球体硬化（ネコ）PAS

尿細管および間質の疾患・変性疾患

急性尿細管壊死（虚血性／中毒性）、アミロイド症

痛風（主にトリ）、シュウ酸腎症（中毒／代謝性）

・炎症性疾患

間質性腎炎（上行性・下向性）、腎盂腎炎（上行性）

・腫瘍

腎細胞癌、腎芽腫、移行上皮（尿路上皮）癌

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痛風結節

シュウ酸腎症

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11

硝酸塩中毒（ウシ）

腎盂結石

アミロイド症

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アミロイド症のヨード反応

細菌性（化膿性）腎炎/下向性腎炎

2020/4/21

13

非化膿性間質性腎炎（レプトスピラ症）ＨＥ染色（上）レバジチ染色（下）

慢性間質性腎炎

2020/4/21

14

萎縮腎／末期腎

尿道結石／膀胱結石

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尿道結石／膀胱結石（肥育牛）

Department of Veterinary Pathology

1. 上皮性腫瘍・腺腫・癌（腎腺癌、移行上皮癌、扁平上皮癌、

未分化癌）・オンコサイトーマ(膨大細胞腫）

2. 胎子性腫瘍・腎芽腫（胎子性腎腫）・若齢犬の胸腰部脊髄腫瘍（腎芽腫）

3. 間葉系腫瘍・脈管組織性腫瘍（血管腫、血管肉腫）・線維組織性腫瘍（線維腫、腎間質細胞腫瘍）

4. 転移性腫瘍・リンパ腫・血管肉腫・癌

5. 腫瘍様病変・先天異常・過誤腫・毛細血管拡張症・肉芽腫・嚢胞（孤在性嚢胞、

多発性嚢胞）

6. 腎盂および尿管の腫瘍・上皮性腫瘍・移行上皮癌・乳頭腫・間葉系腫瘍・血管腫

動物の腎臓腫瘍の分類

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Department of Veterinary Pathology

・11歳齢 去勢♂、猫・健康診断時に発見

腎腺癌

Department of Veterinary Pathology

・多くは膨張性に発育・球状で被膜外に突出

腎腺癌

2020/4/21

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Department of Veterinary Pathology

・娘結節の形成・腎盂や後腹膜への浸潤

腎腺癌

Department of Veterinary Pathology

腎腺癌

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Department of Veterinary Pathology

腎線維腫

Department of Veterinary Pathology

腎線維腫

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リンパ腫

猫伝染性腹膜炎（FIP）

Department of Veterinary Pathology

1. 上皮性腫瘍・乳頭腫・腺腫・癌（移行上皮癌、扁平上皮癌、

腺癌、未分化癌）

2. 間葉系腫瘍・骨格筋性腫瘍（横紋筋肉腫、ブドウ状横紋筋肉腫）・平滑筋性腫瘍（平滑筋腫、平滑筋肉腫）・脈管組織性腫瘍（血管腫、血管肉腫）・線維組織性腫瘍（線維腫、線維肉腫）

3. 続発性腫瘍・リンパ腫

4. 腫瘍様病変・ポリープ性膀胱炎・ポリープ性好酸性膀胱炎・ポリープ・化生・腺様化生（腺性膀胱炎）・扁平上皮化生・ブルン細胞巣

動物の膀胱腫瘍の分類

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Department of Veterinary Pathology

膀胱移行上皮乳頭腫

Department of Veterinary Pathology

粘膜に貼りついて腫瘤が形成

膀胱移行上皮癌（尿路上皮癌）

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21

Department of Veterinary Pathology

膀胱移行上皮癌 VS 前立腺癌 ?

Department of Veterinary Pathology

ポリープ病変

・表層は過形成性の粘膜に覆われる・粘膜直下にブルン巣（Brunn’s nests）形成

過形成

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Department of Veterinary Pathology

生殖器系

卵巣腫瘍と精巣腫瘍の分類由来 卵巣 精巣 備考

胚細胞性Germinal

奇形腫（成熟・未分化）

未分化胚細胞腫 精上皮腫

性索間質性Sex-cord stromal

顆粒膜細胞腫 セルトリ細胞腫 エストロゲン産生腫瘍

莢膜細胞腫

黄体腫

精巣間細胞腫（ライディッヒ細胞腫）

混合腫瘍Mixed tumor

胚細胞・性索間質混合腫瘍

表層上皮性surface epithelial

乳頭状腺癌(漿液性／粘液性）

中皮腫

その他 卵巣網腺癌 精巣網腺癌

陰嚢血管腫陰嚢肥満細胞腫

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卵巣の奇形腫

精細管を構成する細胞

精上皮細胞

精巣間細胞ライディッヒ細胞

（アンドロゲン産生）

セルトリ細胞（エストロゲン産生）

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精上皮腫（セミノーマ）ウシ

精巣腫瘍の組織分類

精上皮腫Seminoma

セルトリ細胞腫 精巣間細胞腫ライディッヒ細胞腫

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25

顆粒膜細胞腫（ウシ）

顆粒膜細胞腫（ウシ）

2020/4/21

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副生殖腺の疾患雄生副生殖腺

・前立腺の疾患

単腎、馬蹄腎、嚢胞腎（水腎症）、腎異形成

・循環障害

貧血性梗塞、乳頭壊死、DIC、点状出血（豚熱など）

雌性副生殖腺

・炎症性疾患

糸球体腎炎、間質性腎炎、腎盂腎炎

・腫瘍

腎細胞癌、腎芽腫、移行上皮（尿路上皮）癌

前立腺肥大／化膿性膀胱炎

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子宮蓄膿症/化膿性内膜炎＋内膜過形成

乳房炎

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伴侶動物でその発生に性ホルモンの関与が示唆される腫瘍群

（１）雌性ホルモン

イヌ：乳腺腫瘍、子宮内膜腺腫瘍、子宮平滑筋腫瘍、

膣線維腫、

ネコ：乳腺腫瘍

ウサギ：乳腺腫瘍、子宮内膜腺腫瘍、子宮平滑筋腫瘍

（２）雄性ホルモン

イヌ：前立腺癌、肛門周囲腺腫瘍、皮脂腺系腫瘍

ホルモンと腫瘍発生

1E

1A 1B

1C 1D

1F

2A

2C

2B

イヌの肛門周囲腺腫瘍の組織像とアンドロジェン受容体発現

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生理活性物質（ホルモン等）を分泌する腫瘍

（１）内分泌系組織の腫瘍

下垂体腫瘍（イヌ）

・ACTH産生腫瘍 → 副腎皮質腫瘍（フェレット） ：クッシング

上皮小体腫瘍（原発性上皮小体機能亢進：高カルシウム血症）

甲状腺濾胞腫瘍（ネコ、イヌ： バセドウ病）

膵島腫瘍（イヌ、フェレット）

・Insulin産生腫瘍 → 低血糖性昏睡、大脳皮質壊死

（２）生殖器系腫瘍

♀：顆粒膜細胞腫瘍（エストロジェン）

♂：セルトリ細胞腫瘍（エストロジェン）、間細胞腫瘍（アンドロジェン）

（３）その他

腎細胞癌（エリスロポイエチン） ：二次性多血症

肛門嚢アポクリン腺癌、リンパ腫（一部）： 上皮小体ホルモン活性

肥満細胞腫（ヒスタミン）：消化管潰瘍、ヒスタミンショック

カルチノイド・神経内分泌細胞腫瘍