見積りとプロジェクト管理のための実績データ集 -...

40
一般財団法人 経済調査会 経済調査研究所 ソフトウェア開発データリポジトリの分析2015 見積りとプロジェクト管理のための実績データ集 経済調査研究所 研究レポート2016 - 分析結果の利用ガイド -

Upload: others

Post on 03-Jun-2020

1 views

Category:

Documents


0 download

TRANSCRIPT

Page 1: 見積りとプロジェクト管理のための実績データ集 - …...本書の利用について 本書は,経済調査会発行「ソフトウェア開発データリポジトリの分析

一般財団法人 経済調査会 経済調査研究所

ソフトウェア開発データリポジトリの分析2015見積りとプロジェクト管理のための実績データ集

経済調査研究所 研究レポート2016

- 分析結果の利用ガイド -

Page 2: 見積りとプロジェクト管理のための実績データ集 - …...本書の利用について 本書は,経済調査会発行「ソフトウェア開発データリポジトリの分析

1 調査の概要 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 1

2 分析の概要 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 3

2.1 分析対象項目一覧 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 3

2.2 データ抽出にあたっての基本ルール ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 4

2.3 集計・分析の方針 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 5

3 統計用語について ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 6

4 分析結果の見方 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 8

4.1 工数と工期に関する分析 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 8

4.2 規模と工数に関する分析 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 10

4.3 規模に関する分析 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 13

4.4 生産性に関する分析 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 14

4.5 開発工程別工数・技術者別工数に関する分析 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 19

4.6 信頼性に関する分析 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 22

4.7 見積と実績に関する分析 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 25

4.8 開発価格に関する分析 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 27

5 分析結果の適用例 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 29

参考資料:国内ソフトウェア開発データ分析結果公表3組織の調査内容比較 ・・・・・・・・・・ 34

目  次

  鵜澤 仁著 B5変型判 240⾴ 定価3,600円(税込)

Page 3: 見積りとプロジェクト管理のための実績データ集 - …...本書の利用について 本書は,経済調査会発行「ソフトウェア開発データリポジトリの分析

 本書の利用について 本書は,経済調査会発行「ソフトウェア開発データリポジトリの分析 2015年版」を利用される方のために,主要な分析結果を抜粋し統計データの見方などをコンパクトにまとめ,利用ガイドとして作成したものです。 「ソフトウェア開発データリポジトリの分析 2015年版」は,以下のURLからダウンロードが可能です。

http://www.zai-keicho.or.jp/pdf/software_metrics/ERA_Repository_Report_download.html

1.調査の概要

1.1 調査対象組織

1.2 調査の方法

1.3 調査票の構成と概要 調査票の構成と概要は,以下のとおりです。

調査票Ⅰ 調査先組織の概要に関する調査

調査票Ⅱ 調査先組織におけるソフトウェア開発規模計測手法と生産性等に関する調査

 一般財団法人経済調査会(以下,当会)は,ソフトウェア開発に関するさまざまな実態について研究し,その成果を公表することを目的として「ソフトウェア開発に関する調査」を実施しています。  「ソフトウェア開発データリポジトリの分析2015」は,2001年度~2012年度に実施した「ソフトウェア開発に関する調査」で収集した蓄積データを集計・分析した結果をとりまとめたものです。 同調査は当会の他に日本ファンクションポイントユーザ会(JFPUG),国立大学奈良先端科学技術大学院大学の3者の共同調査として実施しています。

 調査対象組織は,日本ファンクションポイントユーザ会(JFPUG)に加盟している企業を中心とした全国の情報処理サービス企業で,大企業から中小企業まで幅広い層を対象としています。直近の10年間では,毎年500~600社程度の企業にご協力をお願いしています。

 調査の方法は書面調査です。調査対象組織に対して書面による調査票を発送し,郵送により回収しています。2006年度からは希望者に対し電子媒体の調査票(パスワード設定したMS-Excelファイル)を用意し,Eメールによる回収も行っています。

一般財団法人経済調査会

調 票 調 先組織 け ウ 開発規模計測手法 産性等 関す 調

調査票Ⅲ 調査先組織における個別のソフトウェア開発事例に関する調査(複数回答可)

1.4 調査票回収数 各年度の調査票の回収数は,以下のとおりです。

2001年度 2002年度 2003年度 2004年度 2005年度 2006年度

172 107 102 99 98 110

144 105 102 94 93 104

366 206 212 194 146 153

2007年度 2008年度 2009年度 2010年度 2011年度 2012年度 計

120 88 85 89 56 49 1,175

114 87 80 82 52 49 1,106

163 119 134 125 85 70 1,973

1.5 集計・分析対象開発事例数

2001年度 2002年度 2003年度 2004年度 2005年度 2006年度

324 199 208 188 130 137

2007年度 2008年度 2009年度 2010年度 2011年度 2012年度 計

157 112 129 118 81 70 1,853調査票Ⅲ(件)

※ 毎年調査項目に何らかの変更があるため,開発事例(調査票Ⅲ)は前年度と同一事例についても記入可として調査を行いました。

調査票Ⅲ(件)

調査票Ⅲ(件)

 重複を除いた各年度の開発事例数(調査票Ⅲの回収数)は,以下のとおりです。344社 1,853事例を収集しています。

調査票Ⅱ(社)

調査票Ⅲ(件)

調査票Ⅰ(社)

調査票Ⅱ(社)

調査票Ⅰ(社)

一般財団法人経済調査会

Page 4: 見積りとプロジェクト管理のための実績データ集 - …...本書の利用について 本書は,経済調査会発行「ソフトウェア開発データリポジトリの分析

1.6 調査対象事例の前提条件 調査対象事例の前提条件は,以下のとおりです。

1.7 調査の流れ 調査の流れ(プロセス)は,以下のとおりです。

(4) 調査時点で過去2~3年以内に契約された案件を対象としました。

(5) 「新規開発」と「改造開発」を対象としました。ここでいう「新規開発」とは,システムの再構築やダ  ウンサイジングによるソフトウェア開発も含まれます。

(6) ソフトウェアの機能規模計測手法は,IFPUG法の事例を中心に調査を行いました。

(1) 調査対象事例(プロジェクト)の受発注者間の契約形態は請負契約としました。

(2) パッケージソフトウェア(ERPパッケージなど)を利用したソフトウェア開発は対象外としました。

(3) 一部を除いて実行環境ではなく,開発環境を対象としました。

実施計画

調査票の配布

データ精査

調査票の回収

データ分析

※共同調査先との調査項目検討を含みま

す。

※データの機密が保持できる環境で作業を

行っています。

一般財団法人経済調査会

※2005年度以降の回収データについては,データの信頼性を向上させることを目的として

確認が必要と思われるものについてEメールなどによる確認作業を実施しています。

データ分析

成果物作成

データ提供者へ成果物配布

成果物一般公表 ※データ提供者への成果物配布と時間差を

設けて公表しています。

一般財団法人経済調査会

Page 5: 見積りとプロジェクト管理のための実績データ集 - …...本書の利用について 本書は,経済調査会発行「ソフトウェア開発データリポジトリの分析

2.分析の概要

2.1 分析対象項目一覧

規模 基本測定量 FP規模[FP] (見積)FP規模

(実績)FP規模

FP規模(ILF)

FP規模(EIF)

FP規模(EI)

FP規模(EO)

FP規模(EQ)

SLOC規模[KLOC]

画面数[本]

帳票数[本]

ファイル数[本]バッチプログラム数[本]

工期 基本測定量 開発工期[月] (見積)開発工期

(実績)開発工期

工数 基本測定量 開発工数[人月] 開発5工程の開発工数 (見積)開発工数

(実績)開発工数

基本設計Aの工数

基本設計Bの工数

詳細設計の工数

PG設計製造の工数

結合テストの工数

最大開発要員数[人]

導出測定量 工数密度[人月/FP] 1FPあたりの開発工数を表す

工程別工数密度[人月/FP] 1FPあたりの開発工程別工数を表す

工程別工数密度[人月/FP]

基本設計Aの工数密度 = 工程別開発工数[人月] ÷ FP規模[FP]

基本設計Bの工数密度

詳細設計の工数密度

PG設計製造の工数密度

結合テストの工数密度

月あたり開発工数[人月/月] 月あたりの開発工数を表す

月あたり開発工数[人月/月]

= 開発工数[人月] ÷ 開発工期[月]

最大開発要員数規模比[人/FP] 1FPあたりの最大開発要員数を表す

最大開発要員数規模比[人/FP]

= 最大開発要員数[人] ÷ FP規模[FP]

コスト 基本測定量 開発価格[百万円]

導出測定量 FP単価[万円/FP] 1FPあたりの開発価格を表す

FP単価[万円/FP]

= 開発価格[百万円] ÷ FP規模[FP] × 100

人月単価[万円/人月] 1人月あたりの開発価格を表す

人月単価[万円/人月]

= 開発価格[百万円] ÷ 開発工数[人月] × 100

品質 基本測定量 欠陥数[件] 総合テスト(ベンダ確認)工程の欠陥数

発生不具合件数[件] (納品後3ヶ月以内の)発生不具合件数

レビュー時間[時間] 設計レビューのレビュー時間[時間]

コードレビューのレビュー時間[時間]

テストレビューのレビュー時間[時間]

レビュー指摘件数[件] 設計レビューの指摘件数[件]

コードレビューの指摘件数[件]

テストレビューの指摘件数[件]

FP規模(データファンクション)

FP規模(トランザクションファンクション)

カテゴリメトリクス

区分メトリクス メトリクスの説明

フェーズによる区分

構成要素による区分

工程による区分

総合テスト(ベンダ確認)の工数

工程による区分

総合テスト(ベンダ確認)の工数密度

一般財団法人経済調査会

Page 6: 見積りとプロジェクト管理のための実績データ集 - …...本書の利用について 本書は,経済調査会発行「ソフトウェア開発データリポジトリの分析

品質 導出測定量 FP発生不具合密度[件/1,000FP] 1,000FPあたりの発生不具合件数(納品後3ヶ月以内)を表す

FP発生不具合密度[件/1,000FP]

= 発生不具合件数[件] ÷ FP規模[FP] × 1,000

SLOC発生不具合密度[件/KLOC] 1,000LOCあたりの発生不具合件数(納品後3ヶ月以内)を表す

SLOC発生不具合密度[件/KLOC]

= 発生不具合件数[件] ÷ SLOC規模[KLOC]

生産性 導出測定量 FP生産性[FP/人月] 1人月あたりの開発したソフトウェア規模[FP]を表す

FP生産性[FP/人月]

= FP規模[FP] ÷ 開発工数[人月]

SLOC生産性[KLOC/人月] 1人月あたりの開発したソフトウェア規模[KLOC]を表す

SLOC生産性[KLOC/人月]

= SLOC規模[KLOC] ÷ 開発工数[人月]

2.2 データ抽出にあたっての基本ルール

(1) 分析対象の開発工程範囲

  工数,工期に関わる項目(生産性,開発価格を含む)の分析を行う場合は,条件を揃えるため,下記の開発工

 程範囲を対象とました(開発5工程と呼ぶ)。

※ 2007年度以降の開発工程範囲は,2.7 調査項目の詳細(1) を参照のこと。

※ 2001~2006年度の「基本設計」と2007~2012年度の「基本設計A+基本設計B」の範囲はほぼ同じである。

  上記によらない工程を分析の対象範囲とする場合は,工程の範囲を明示しました。

(2) ファンクションポイント(FP)の計測手法

  ファンクションポイント(FP)による規模値(FP規模)を用いた分析では,IFPUG法,IFPUG法をベースとする

 機能規模計測法(上流工程などにおける簡易的な適用を含む)およびNESMA概算法を,「IFPUG法類」として分析

 を行いました。

(3) FP規模

  FP規模を用いた分析の場合,規模値は基本的に未調整ファンクションポイントを採用しました。

(4) 開発言語

  開発言語は,単一の開発言語または機能量比率が50%を超える言語を主開発言語として分析を行いました。

(5) 開発技術者区分

  開発技術者区分(職種)は,下図のとおり2005年度以前と2006年度以降で名称が異なりますが,役割はほぼ同

 じです。職種別参画比率を算出する場合は,2006年度以降のものを対象としました。

(6) 欠陥数・不具合件数

  欠陥数は,総合テスト(ベンダ確認)工程で確認された欠陥(原因)の数としました。不具合件数は,システ

 ムの納品後3ヵ月以内で発生した不具合(事象)数としました。

 2006~2012年度 の種種名称

プロジェクトマネージャ

システムエンジニア1

システムエンジニア2

プログラマ

結合テスト総合テスト(ベンダ確認)

※ 2001~2006年度の「ソフトウェアテスト+システムテスト」と2007~2012年度の「結合テスト+総合テスト(ベンダ確認)」を比較すると2007~2012年度の範囲がやや狭くなる。

 2001~2005年度 の職種名称

システムエンジニア1

システムエンジニア2

システムエンジニア3

プログラマ

 2007~2012年度 の工程名称

基本設計A 基本設計B 詳細設計プログラム設計製造

メトリクスの説明フェーズによる

区分

 2001~2006年度 の工程名称

基本設計 詳細設計プログラム設計製造

ソフトウェアテスト

システムテスト

カテゴリメトリクス

区分メトリクス

一般財団法人経済調査会

Page 7: 見積りとプロジェクト管理のための実績データ集 - …...本書の利用について 本書は,経済調査会発行「ソフトウェア開発データリポジトリの分析

2.3 集計・分析の方針

(1) 2項目間などの分析 (第5章~第12章)

・2項目間などのデータ分析については,基本統計量,散布図,箱ひげ図,ヒストグラムによって分析結果を表示

 しました。箱ひげ図は5件以上のものを表示しました。

(2) 基本分析(回帰分析) (第5章~第12章)

・2項目間の相関をみる場合は,分析対象データ全体をカバーする散布図(全体散布図)を表示しました。全体散

 布図のデータ値域が大きい場合は,部分を拡大する部分散布図を別に表示しました。また,必要に応じて,対数

 軸表示の散布図も表示しました。

・回帰式の表示はデータ件数が30以上,決定係数R2=0.4以上を基準値としました。・散布図作成において決定係数が基準値を超えないなど,二つのデータ間に強い相関関係や傾向が見いだせない場

 合でも,事実として散布図を表示しました。

(3) 層別分析 (第5章~第12章)

・層別分析を行った場合は,基本的に層別された分析対象データ全体をカバーする散布図(層別全体散布図)を表

 示しました。多くの場合,データ値域が大きいので,層別の対比をみるため対数軸表示としました。

・必要に応じて,層間の違いを明確にするために,層ごとの箱ひげ図を表示し,統計的有意差を確認しました。

(4) 外れ値の扱い

・基本的に外れ値の排除は行わないこととしましたが,2項目間の回帰分析で,回帰式(回帰曲線)が外れ値の影

 響が大きいと判断されるものについては,外れ値を除く絞込み処理を行いました。その場合,絞込み処理したデ

 ータをもとに分析を行い,回帰式を算出しました。また,データの絞込み条件を記述しました。

(5) 相関の強さ表現など

 本分析では,相関の強さを以下の基準で表現しています。

決定係数R2 ≧ 0.9 相関係数R ≧ ±0.95 非常に強い相関

決定係数R2 ≧ 0.7 相関係数R ≧ ±0.84 強い相関

決定係数R2 ≧ 0.5 相関係数R ≧ ±0.71 やや強い相関

決定係数R2 ≧ 0.25 相関係数R ≧ ±0.5 やや弱い相関

決定係数R2 ≧ 0.04 相関係数R ≧ ±0.2 非常に弱い相関

決定係数R2 < 0.04 相関係数R < ±0.2 相関はみられない

決定係数区分 相関係数区分 相関の強さ表現

一般財団法人経済調査会

Page 8: 見積りとプロジェクト管理のための実績データ集 - …...本書の利用について 本書は,経済調査会発行「ソフトウェア開発データリポジトリの分析

3.統計用語について

(1) 基本統計量

  数量データの項目(工数,工期,規模など)は基本統計量でデータの集合の特色や傾向が把握できます。「ソ

 フトウェア開発データリポジトリの分析」では,以下の基本統計量を示しています。

  ・最小値:データの集合の中で最も小さな値。

  ・25%値:データの集合を小さいものから大きいものへ順番に並べた時,第1四分位(25%の位置)の値。

  ・中央値:データの集合を小さいものから大きいものへ順番に並べた時,中央(50%の位置)の値。データの

       集合の中に飛びぬけて外れた値が含まれている場合は,平均値より中央値の方が代表値としてふさ

       わしいことがある。

  ・平均値:データの集合の算術平均値。

  ・75%値:データの集合を小さいものから大きいものへ順番に並べた時,第3四分位(75%の位置)の値。

       25%値から75%値までにデータの集合の50%が含まれている。

  ・最大値:データの集合の中で最も大きな値。

  ・標準偏差:分散(偏差※を2乗した値の平均値)の平方根のこと。標準偏差の値が大きいと、データの集合の        ばらつきの度合いが大きいことを示す。

  ・変動係数:標準偏差を平均値で割ったもの。相対的なばらつきの度合いを表し,異なるデータの集合のばら

        つきの度合いの比較ができる。

   ※偏差:データの集合のなかで,あるデータの数値と平均値との差のこと。

【基本統計量の例】

表5-2-1-1 工数と工期(新規開発)の基本統計量

実績工数[人月]

実績工期[月]

※上表をみると,実績工数の変動係数 ÷ 実績工期の変動係数 = 3.379 であることから,工数のばらつきの度合

 いは工期の 3倍以上であることが判ります。

※ソフトウェア開発の工数,工期,規模などのデータの多くは,値の分布が小さいほうに偏る傾向があります。例

 えば,上表の実績工数の中央値 36.0 と平均値 107.3 は値が大きく異なります。しかし, 実績工数の対数値を

 とり,その分布をみてみると正規分布に近いものなります。このような場合には集合の代表値としては,平均値

よりも中央値がふさわしいと考えられます(下図参照)

1,113 0.8 5.0 8.0 10.0 0.72512.0

最大 標準偏差 変動係数

96.0 4,250 262.8 2.450107.3

平均 75%

80.0 7.2

件数 最小 25% 中央

1,113 0.4 13.0 36.0

一般財団法人経済調査会

 よりも中央値がふさわしいと考えられます(下図参照)。

※log は常用対数とした。

(2) 回帰分析

  2項目間のデータ分析については,散布図を示し,データ件数が30以上で,決定係数R2=0.4以上である分析 結果を基準に回帰式を示しました。

  ・回帰分析:分析の対象となる目的変数Y を1つの説明変数X または複数の説明変数X1,X2,・・・,Xpで

        説明し予測を行うための分析。どの程度説明力があるかは,決定係数で表す。

        回帰式にはいくつかモデル式があるが,線形モデル Y = aX + b の場合,係数a,bを推定する

        ことである。

050100150200250300350400450

頻度

実績開発工数(人月)

開発工数ヒストグラム N=1113

平均値 107.3

中央値 36

0

50

100

150

200

頻度

log(実績開発工数)

log(開発工数)ヒストグラム N=1113

中央値 1.556 ≒ 平均値 1.554

一般財団法人経済調査会

Page 9: 見積りとプロジェクト管理のための実績データ集 - …...本書の利用について 本書は,経済調査会発行「ソフトウェア開発データリポジトリの分析

  ・回帰式(線形モデル):回帰分析で使われる最も基本的なモデルは 2つの変数XとYの関係を直線式で表す線

              形回帰式である。

        回帰式(線形モデル) Y = aX + b

【回帰式(線形モデル)の例】

      (開発価格)=1.0295 ×(工数) + 2.5462 [単位:百万円]

  ・回帰式(累乗モデル):ソフトウェア開発のプロジェクトデータの集合は,2つの変数XとYの関係が曲線的

              である場合が多く,回帰式として累乗モデルのあてはまりが良い。「ソフトウェア

              開発データリポジトリの分析」でも大部分は累乗モデルの回帰式で分析結果を示し

              ている。

        回帰式(累乗モデル) Y = aXb

【回帰式(累乗モデル)の例】

      (開発工数)=0.0676 ×(FP規模) 1.0229 [単位:人月] (IFPUG法類<計測ルール準拠>)

  ・決定係数R2:回帰分析で解析された内容がどの程度の説明力があるかを示す値。寄与率とも呼ばれ,0から1         までの値をとり,1に近いほど説明力がある。

(3) データ分布の視覚化

  ・箱ひげ図:データ(観測値,実測値)の分布の様相を視覚的にとらえやすく表すために工夫された図。

        箱と上下のひげで構成されており,箱の中に引かれた横線がその分布の中央値を表し,箱の下辺

        と上辺がそれぞれ第一四分位数,第三四分位数を表している。上下のひげの端が,箱の長さ(上

        辺と下辺の距離)の1.5倍を超えない範囲での最大値,最小値を表す。

40

50

60

70

80

90

100

生産性

FP/人月

[]

第3四分位数(75パーセンタイル値)

最大値(外れ値を除く)

箱ひげ図の見本

外れ値

一般財団法人経済調査会

  ・予測区間:ある確率で、個々のサンプル値が存在すると考えられる区間のこと。すなわち,75%予測区間

        とは,説明変数Xのデータx に対して,目的変数Yのデータy が75%の確率で存在する範囲を示す

        ものである。予測区間の幅が小さいほど,説明変数による目的変数の予測精度が高いと考えるこ

        とができる。

A B C D

0

10

20

30

40

50

カテゴリ

FP生産性

FP

[

第2四分位数<中央値>(50パーセンタイル値)

第1四分位数(25パーセンタイル値)

第3四分位数(75パーセンタイル値)

最小値(外れ値を除く)

最大値(外れ値を除く)外れ値

予測区間の見本<工数と工期(新規開発)の予測区間>

0

5

10

15

20

25

30

35

40

45

50

0 200 400 600 800 1,000 1,200 1,400 1,600

工数[人月]

工期

[月]

50%予測区間(上)

50%予測区間(下)

75%予測区間(下)

75%予測区間(上)

一般財団法人経済調査会

Page 10: 見積りとプロジェクト管理のための実績データ集 - …...本書の利用について 本書は,経済調査会発行「ソフトウェア開発データリポジトリの分析

4.分析結果の見方

 この章では,「ソフトウェア開発データリポジトリの分析」2015年版(以下「リポジトリの分析」)の各章の主な分析結果の見方について解説します。

4.1 工数と工期に関する分析

・工数と工期の間には,やや強い相関がみられる。

・各プロジェクトの特性によりばらつきはあるが,工期は工数の概ね3乗根に比例する傾向がみられる。

 上記の回帰式は開発工数の見積りから開発工期(納期)を決定する際の参考指標です。開発工期は発注者側の意

向が強く反映されます。また,下の散布図をみてわかるとおり,工数と工期の関係は,データのばらつきも大きい

です。しかし,「リポジトリの分析」5.2.5月あたり開発工数と失敗の割合 で示すとおり,工数に対する工期が極

端に短い場合,失敗プロジェクトとなる割合が高くなります。

 開発規模に対して,短い工期で開発することが求められる場合でも,下図を参照し,工期を分析結果の75%予測

区間下限値までとするなどの利用方法が考えられます。

 発注者の意向により工数に対する工期は大きなばらつきがあるので,該当するプロジェクトの状況を見極めて利

用することが大事です。

図5-2-1-4 工数と工期(新規開発)の予測区間

 開発工期 = 2.5829 × 開発工数0.3202

 (新規開発)

 開発工期 = 1.9109 × 開発工数0.3642

 (改造開発)

分析から得られた指標

30

35

40

45

50

75%予測区間上限

50%予測区間上限200人月で14ヵ月の工期は平均的

200人月で24ヵ月の工期はゆとりがある

一般財団法人経済調査会

 工数と工期の関係は業種により異なる傾向がみられます。次頁の散布図で示すとおり,情報通信業,金融・保険

業,サービス業は,他の適用業種と比較して,工数の増加にともなう工期の増加割合が低い傾向があります。

y = 2.5829x0.3202

R² = 0.5286

0

5

10

15

20

25

30

35

0 100 200 300 400 500 600 700 800 900 1,000 1,100 1,200 1,300 1,400

実績

工期

[月]

実績工数[人月]

50%予測区間上限

回帰曲線

50%予測区間下限

75%予測区間下限

200人月で14ヵ月の工期は平均的

200人月で8ヵ月の工期は厳しい

一般財団法人経済調査会

Page 11: 見積りとプロジェクト管理のための実績データ集 - …...本書の利用について 本書は,経済調査会発行「ソフトウェア開発データリポジトリの分析

図5-2-3-1 適用業種ごとの工数と工期(新規開発) 対数表示

0.1

1

10

100

0.1 1 10 100 1000 10000

実績

工期

[月]

実績工数[人月]

建設業 34件

0.1

1

10

100

0.1 1 10 100 1000 10000

実績

工期

[月]

実績工数[人月]

製造業 274件

0.1

1

10

100

0.1 1 10 100 1000 10000

実績

工期

[月]

実績工数[人月]

電気・ガス・熱供給・水道業 65件

0.1

1

10

100

0.1 1 10 100 1000 10000

実績

工期

[月]

実績工数[人月]

情報通信業 62件

規模が大きくなると納期の

要求が厳しい傾向がある

100 100

一般財団法人経済調査会

0.1

1

10

100

0.1 1 10 100 1000 10000

実績

工期

[月]

実績工数[人月]

流通業 208件

0.1

1

10

100

0.1 1 10 100 1000 10000

実績

工期

[月]

実績工数[人月]

金融・保険業 139件

規模が大きくなると納期の

要求が厳しい傾向がある

0.1

1

10

100

0.1 1 10 100 1000 10000

実績

工期

[月]

実績工数[人月]

サービス業 126件

規模が大きくなると納期の

要求が厳しい傾向がある

0.1

1

10

100

0.1 1 10 100 1000 10000

実績

工期

[月]

実績工数[人月]

公務 141件

一般財団法人経済調査会

Page 12: 見積りとプロジェクト管理のための実績データ集 - …...本書の利用について 本書は,経済調査会発行「ソフトウェア開発データリポジトリの分析

4.2 規模と工数に関する分析

(1) FP規模と工数に関する分析

・FP規模と工数の間には,強い相関がみられる。

・回帰式の指数が1.0072,1.125 と 1 に近く,FP規模と工数は直線的な関係になっている。

 上記の回帰式はFP規模から開発工数を見積る際の参考指標です。開発工数の見積りはコスト見積りにも直結する

のでプロジェクトの成否に大きく影響します。FP規模と工数の間には強い相関がみられ,工数に対するFP規模の説

明力は7割強(新規開発の決定係数R2=0.7168)です。しかし,それは残りの3割弱がFP規模で説明できない非機能要件によって工数が決まるということでもあります。そのため,開発工数を見積る際には想定されるリスクを考慮

する必要があります。

 プロジェクトの特性によりFP規模と工数の関係は異なるので,類似の事例を参照することが大事です。

図6-1-2-5 FP規模と工数(新規開発・データ絞込み処理後) 対数表示

図6-4-1-2 FP規模と工数(新規開発・データ絞込み処理後)の予測区間 対数表示

分析から得られた指標 (工数)=0.0613×(FP規模)

1.0072 (新規開発・計測手法混在)

 (工数)=0.036×(FP規模)1.125

(改造開発・計測手法混在)

y = 0.0613x1.0072

R² = 0.7168

100

1,000 

10,000 

数[人

月]

予測区間75%上限

予測区間50%上限

予測区間50%下限

予測区間75%下限

累乗 (回帰曲線)

1000FPで150人月は生産性が低い

一般財団法人経済調査会

※2つの散布図を合わせて作図した。

 FP規模と工数の関係は適用業種により異なる傾向がみられます。

 次頁の散布図で示すとおり,製造業のデータは散布図の下方よりに分布しており,FP規模の大小にかかわらず,

FP生産性が高い傾向がみられます。

 一方,金融・保険業のデータは,散布図の上方よりに分布しており,FP規模の大小にかかわらず,FP生産性が低

い傾向がみられます。

 また,電気・ガス・熱供給・水道業の回帰曲線は,全体の回帰曲線よりも傾きが急になっており,FP規模が大き

くなるにつれFP生産性が低くなる傾向がみられます。

10 

100 

10 100 1,000 10,000

実績

工数[人

実績FP規模

累乗 (回帰曲線)

1000FPで60人月は生産性が平均的

1000FPで20人月は生産性が高い

一般財団法人経済調査会

Page 13: 見積りとプロジェクト管理のための実績データ集 - …...本書の利用について 本書は,経済調査会発行「ソフトウェア開発データリポジトリの分析

図6-1-10-1 適用業種ごとのFP規模と工数(新規開発) 対数表示

0.1

1

10

100

1000

10000

1 10 100 1000 10000 100000

実績

工数

[人月

]

実績FP規模

建設業 15件

0.1

1

10

100

1000

10000

1 10 100 1000 10000 100000

実績

工数

[人月

]

実績FP規模

製造業 108件

FP規模にかかわ

らずFP生産性が

高い傾向がある

0.1

1

10

100

1000

10000

1 10 100 1000 10000 100000

実績

工数

[人月

]

実績FP規模

電気・ガス・熱供給・水道業 50件

FP規模が大きく

なるにつれFP生

産性が低くなる

傾向がある

0.1

1

10

100

1000

10000

1 10 100 1000 10000 100000

実績

工数

人[月

]

実績FP規模

情報通信業 24件

1000

10000

1000

10000

FP規模にかかわ

らずFP生産性が

一般財団法人経済調査会

0.1

1

10

100

1000

1 10 100 1000 10000 100000

実績

工数

[人月

]

実績FP規模

流通業 71件

0.1

1

10

100

1000

1 10 100 1000 10000 100000

実績

工数

[人月

]

実績FP規模

金融・保険業 72件

FP規模にかかわ

らずFP生産性が

低い傾向がある

0.1

1

10

100

1000

10000

1 10 100 1000 10000 100000

実績

工数

[人月

]

実績FP規模

サービス業 48件

0.1

1

10

100

1000

10000

1 10 100 1000 10000 100000

実績

工数

[人月

]

実績FP規模

公務 60件

一般財団法人経済調査会

Page 14: 見積りとプロジェクト管理のための実績データ集 - …...本書の利用について 本書は,経済調査会発行「ソフトウェア開発データリポジトリの分析

(2) SLOC規模と工数に関する分析

・SLOC規模と工数の間には,強い相関がみられる。

・SLOC規模と工数の関係は,FP規模と工数の関係と比較すると相関係数,決定係数ともにやや低い。

 上記の回帰式は想定されるSLOC規模から開発工数を見積る際の参考指標です。

 SLOCは類似の事例から規模を想定することになるので,想定したSLOC規模が過少または過大であった場合は見積

り開発工数の振れ幅も大きくなります。

 また,FP規模と同様,プロジェクトの特性によりSLOC規模と工数の関係は傾向が異なるので,類似の事例のSLOC

生産性を参照することが大事です。

図6-2-2-4 SLOC規模と工数(新規開発・データ絞込み処理後) 対数表示

図6-4-1-6 SLOC規模と工数(新規開発・データ絞込み処理後)の予測区間 対数表示

分析から得られた指標 (工数)=2.097×(SLOC規模)

0.8355 (新規開発)

 (工数)=3.1151×(SLOC規模)0.7518

(改造開発)

y = 2.097x0.8355

R² = 0.7048

100 

1,000 

10,000 

実績

工数[人

月]

予測区間75%上限

予測区間50%上限

予測区間50%下限

予測区間75%下限

累乗 (回帰曲線)

100 KLOCで100人月は生産性が平

100 KLOCで200人月は生産性が低い

一般財団法人経済調査会

※2つの散布図を合わせて作図した。

10 

1 10 100 1,000 10,000

実績

実績SLOC規模[KLOC]

100 KLOCで100人月は生産性が平

均的

100 KLOCで50人月は生産性が高い

一般財団法人経済調査会

Page 15: 見積りとプロジェクト管理のための実績データ集 - …...本書の利用について 本書は,経済調査会発行「ソフトウェア開発データリポジトリの分析

4.3 規模に関する分析

・データファンクションとFP規模(手法混在・新規開発)の間には,強い相関がみられる。

・トランザクションファンクションとFP規模(手法混在・新規開発)の間には,非常に強い相関がみられる。

・画面数とトランザクションファンクション(IFPUG法類・新規開発)の間には,強い相関がみられる。

・ファイル数とデータファンクション(IFPUG法類・新規開発)の間には,強い相関がみられる。

・新規開発のFP規模(NESMA概算法)とFP規模(IFPUG法)の間には,非常に強い相関がみられる。

 上記の回帰式はFP規模を概算見積りする際の参考指標です。例えば,画面数,ファイル数が予測できれば,おお

よそのFP規模を見積りすることが可能です。 

 また,FP規模はNESMA概算法で計測した値とIFPUG法で計測した値は非常に強い相関(相関係数R=0.996,決定係

数R2=0.992)があります。そのため,開発早期で必要な画面や帳票の件数が決まっている程度の要件の確定度でも計測可能なNESMA概算法は,IFPUG法の代用として十分に適用できます。

図7-1-17-1 NESMA概算法計測値とIFPUG法計測値(新規開発) 対数表示

分析から得られた指標

 (FP規模)= 5.0002 × (データファンクション)0.9021

(新規開発)

 (FP規模)= 2.9616 × (トランザクションファンクション)0.9034

(新規開発)

 (トランザクションファンクション)= 18.469 × (画面数)0.8708

(新規開発)

 (データファンクション)= 12.472 × (ファイル数)0.829

(新規開発)

 (FP規模<IFPUG法>)= 0.9767 × (FP規模<NESMA概算法>)1.013

(新規開発)

1,000

10,000

100,000

FP

UG

法)

一般財団法人経済調査会

 なお,FP法のファンクション型の構成比率はFP規模ごとに異なる傾向があります(下図参照)。

図7-1-22-5 FP規模ごとのファンクション型の比率の平均値(新規開発・手法混在)

y = 0.9767x1.013

R² = 0.992

1

10

100

1,000

1 10 100 1,000 10,000 100,000

FP

規模

(IFP

UG

FP規模(NESMA概算法)

30.7 

28.7 

27.6 

28.3 

12.2 

9.5 

7.2 

4.1 

24.0 

24.0 

24.7 

31.8 

17.9 

20.0 

21.6 

17.3 

15.1 

17.8 

19.0 

18.5 

0% 10% 20% 30% 40% 50% 60% 70% 80% 90% 100%

FP規模300未満

FP規模300以上

1,000未満

FP規模1,000以上

3,000未満

FP規模3,000以上

ILF

EIF

EI

EO

EQ

一般財団法人経済調査会

Page 16: 見積りとプロジェクト管理のための実績データ集 - …...本書の利用について 本書は,経済調査会発行「ソフトウェア開発データリポジトリの分析

4.4 生産性に関する分析

(1) FP生産性に関する分析

・FP規模ごとにFP生産性を比較すると,FP規模3,000以上のばらつきが大きい(新規開発)。

・IFPUG法類で絞り込んだデータでは,FP規模が大きくなるとFP生産性低くなる傾向がみられます(新規開発)。

 上記の値はFP生産性( 1人月あたり開発できるFP規模)の参考指標です。ただし,FP生産性はプロジェクトの特

性によって傾向が異なるので,FP生産性の分析結果を利用する場合はその点を考慮する必要があります。また,同

一条件のFP発生不具合密度の値を参照し,品質とのトレードオフを意識しておくことも必要です。

図8-1-2-2 FP規模ごとのFP生産性(新規開発)の箱ひげ図

分析から得られた指標

 FP生産性 中央値 = 12.4 FP/人月 (改造開発・全規模・計測手法混在)

 FP生産性 中央値 = 15.2 FP/人月 (新規開発・全規模・計測手法混在)

未満C1_FP300 未満C2_FP1000 未満C3_FP3000 以上C4_FP3000

0

20

40

60

80

100

実績 規模FP

生産

性人

月F

P[F

P/

]

3000FP以上のFP生産性のばらつきが大きい

一般財団法人経済調査会

図8-1-4-2 FP規模ごとのFP生産性(新規開発・IFPUG法類)の箱ひげ図

実績 規模FP

未満C1_FP300 未満C2_FP1000 未満C3_FP3000 以上C4_FP3000

0

20

40

60

80

100

実績 規模FP

生産

性人

月F

P[F

P/

]

FP規模が大きくなるとFP生産性は低くなる

一般財団法人経済調査会

Page 17: 見積りとプロジェクト管理のための実績データ集 - …...本書の利用について 本書は,経済調査会発行「ソフトウェア開発データリポジトリの分析

 FP生産性は適用業種により異なる傾向がみられます。以下の箱ひげ図で示すとおり,中央値で比較すると製造業

が最も高く,電気・ガス・熱供給・水道業と金融・保険業は低い傾向があります。

図8-1-8-1 適用業種ごとのFP生産性(新規開発)の箱ひげ図 プロジェクト件数470

建設業C1_ 製造業C2_ 電気・ガス・熱供給・水道業C3_ 情報通信業C4_

0

20

40

60

80

100

適用業種

生産

性人

月F

P[F

P/

]

40

60

80

100

生産

性人

月F

P[F

P/

]

製造業のFP生産性は高い電気・ガス・熱供給・水道業のFP生産性

は低い

金融・保険業のFP生産性は低い

一般財団法人経済調査会

サーバOSごとのFP生産性(中央値)を比較すると,Windowsサーバが最も高い傾向があります。

図8-1-10-2 サーバOSごとのFP生産性(新規開発)の箱ひげ図 拡大図(図8-1-10-1の外れ値除く)

流通業C5_ 金融・保険業C6_ サービス業C7_ 公務C8_

0

20

40

適用業種

生産

FP

C1_UNIX C2_Linux サーバC3_Windows

0

10

20

30

40

50

60

70

システム構成

生産

性人

月F

P[F

P/

]

WindowsサーバのFP生産性は高い

一般財団法人経済調査会

Page 18: 見積りとプロジェクト管理のための実績データ集 - …...本書の利用について 本書は,経済調査会発行「ソフトウェア開発データリポジトリの分析

 FP生産性は開発言語により異なる傾向がみられます。以下の箱ひげ図で示すとおり,中央値で比較すると

ASP.NET,MS-ACCESS,VB.NETは,FP生産性が高い傾向があります。

図8-1-11-1 主開発言語ごとのFP生産性(新規開発)の箱ひげ図 プロジェクト件数295件

C1_ASP.NET C2_C ( 含む)C3_C++ VC++ C4_COBOL

0

20

40

60

80

100

主開発言語

生産

性人

月F

P[F

P/

]

20

40

60

80

100

生産

性人

月F

P[F

P/

]

ASP.NETのFP生産性は高い

MS‐ACCESSのFP生産性は高い VB.NETのFP生産性は高い

一般財団法人経済調査会

 また,次頁の散布図で示すとおり,FP生産性は生産性変動要因により異なる傾向がみられます。

・機能性の要求が高い場合は生産性が低くなる傾向がある。

・信頼性の要求が高い場合は生産性が低くなる傾向がある。

・開発スケジュールが想定より短縮された場合は生産性が低くなる傾向がある。

・発注要件が不明確・不安定な場合は生産性が低くなる傾向がある。

C5_Java C6_MS-ACCESS C7_VB C8_VB.NET

0

20

主開発言語

生F

P

一般財団法人経済調査会

Page 19: 見積りとプロジェクト管理のための実績データ集 - …...本書の利用について 本書は,経済調査会発行「ソフトウェア開発データリポジトリの分析

図8-1-17-1 機能性要求ごとのFP生産性(新規開発)の箱ひげ図 プロジェクト件数440

図8-1-18-1 信頼性要求ごとのFP生産性(新規開発)の箱ひげ図 プロジェクト件数438

機能性要求度合いが高いC1_ 機能性要求度合いが平均的C2_ 機能性要求度合いが低いC3_

0

20

40

60

80

100

機能性要求度合い

生産

性人

月F

P[F

P/

]

20

40

60

80

100

生産

性人

月F

P[F

P/

]

機能性要求度合いが高いと

FP生産性は低い

信頼性要求度合いが高いと

FP生産性は低い

一般財団法人経済調査会

図8-1-19-1 開発スケジュール要求ごとのFP生産性(新規開発)の箱ひげ図 プロジェクト件数440

信頼性要求度合いが高いC1_ 信頼性要求度合いが平均的C2_ 信頼性要求度合いが低いC3_

0

20

信頼性要求度合い

想定より短縮されたC1_ 想定どおりだったC2_ 想定より許容されたC3_

0

20

40

60

80

100

開発スケジュール要求

生産

性人

月F

P[F

P/

]

開発スケジュール要求が想

定より短縮されるとFP生産

性は低い

一般財団法人経済調査会

Page 20: 見積りとプロジェクト管理のための実績データ集 - …...本書の利用について 本書は,経済調査会発行「ソフトウェア開発データリポジトリの分析

(2) SLOC生産性に関する分析

 上記の値はSLOC生産性の参考指標です。ただし,プロジェクト計画時のSLOC規模は類似システムからの推測値で

あり,SLOC規模の想定が外れた場合は工数見積りなどのかい離が大きくなるので注意する必要があります。

 SLOC生産性 中央値 = 1.02 KLOC/人月 (新規開発・全規模)

 SLOC生産性 中央値 = 0.81 KLOC/人月 (改造開発・全規模)

図8 2 2 2 SLOC規模ごとのSLOC生産性(新規開発)の箱ひげ図

分析から得られた指標

図8-1-20-1 発注要件の明確度・安定度ごとのFP生産性(新規開発)の箱ひげ図 プロジェクト件数440

発注要件が不明確・不安定C1_ 発注要件が明確で安定C2_ 発注要件が非常に明確で安定C3_

0

20

40

60

80

100

発注要件の明確度・安定度

生産

性人

月F

P[F

P/

]

発注要件が不明確・不安定

だとFP生産性は低い

一般財団法人経済調査会

図8-2-2-2 SLOC規模ごとのSLOC生産性(新規開発)の箱ひげ図

未満C1_30KLOC 未満C2_100KLOC 未満C3_300KLOC 以上C4_300KLOC

0

2

4

6

8

10

実績 規模SLOC [KLOC]

生産性

人月

SL

OC

[KL

OC

/]

一般財団法人経済調査会

Page 21: 見積りとプロジェクト管理のための実績データ集 - …...本書の利用について 本書は,経済調査会発行「ソフトウェア開発データリポジトリの分析

4.5 開発工程別工数・技術者別工数に関する分析

(1) 開発工程別工数比率と技術者参画比率

[単位:%]

[単位:%]

・新規開発に比べ改造開発はPG設計製造以降の工程比率が高い傾向がある

 上記の値は開発工程別工数比率(開発工程比率)・技術者参画比率の参考指標です。ただし,プロジェクトの特

性によって,開発工程比率・技術者参画比率の傾向は異なるので,開発工程比率の参考指標を利用する場合はその

点を考慮する必要があります。

表9-1-1-1 FP規模ごとの開発工程比率の平均値(新規開発・全体) をグラフ化

表9-1-2-1 FP規模ごとの開発工程比率の平均値(改造開発・全体) をグラフ化

新規開発・全規模の平均値 12.5 33.6 23.7 30.2

改造開発・全規模の平均値 14.2 33.7 20.3 31.8

13.0

技術者参画比率プロジェクト

マネージャ(PM)システムエンジニア

1(SE1)システムエンジニア

2(SE2)プログラマ

(PG)

改造開発・全規模の平均値 9.0 12.5 15.0 35.4

結合テスト総合テスト(ベン

ダ確認)

新規開発・全規模の平均値 9.1

分析から得られた指標

開発工程比率 基本設計A 基本設計B 詳細設計

12.6 18.1 33.9

PG設計製造

14.9 11.4

15.1

9.1 12.6 18.1 33.9 14.9 11.4

0% 10% 20% 30% 40% 50% 60% 70% 80% 90% 100%

新規開発

基本設計A

基本設計B

一般財団法人経済調査会

表9-1-3-1 FP規模ごとの開発技術者の参画比率の平均値(新規開発・全体) をグラフ化

表9-1-4-1 FP規模ごとの開発技術者の参画比率の平均値(改造開発・全体) をグラフ化

9.1

9

12.6

12.5

18.1

15

33.9

35.4

14.9

15.1

11.4

13

新規開発

改造開発

基本設計A

基本設計B

詳細設計

PG設計製造

結合テスト

総合テスト(ベンダ確認)

9.1

9

12.6

12.5

18.1

15

33.9

35.4

0% 10% 20% 30% 40% 50% 60% 70% 80% 90% 100%

新規開発

改造開発

プロジェクトマネージャ

システムエンジニア1

システムエンジニア2

プログラマ

一般財団法人経済調査会

Page 22: 見積りとプロジェクト管理のための実績データ集 - …...本書の利用について 本書は,経済調査会発行「ソフトウェア開発データリポジトリの分析

(2) 開発工程別工数密度

[単位:人月/FP]

・開発規模が大きくなると,テスト工程の工数密度(FP規模あたりの工程別工数)のばらつきが大きくなる傾向

がある。

 上記の値は開発工程別工数密度の参考指標です。ただし,プロジェクトの特性によって,開発工程別工数密度の

傾向は異なるので,開発工程別工数密度の参考指標を利用する場合はその点を考慮する必要があります。

結合テスト工程別工数密度 基本設計A 基本設計B 詳細設計 PG設計製造

0.0236

0.0202 0.0078 0.0058

改造開発・全規模の中央値 0.0060 0.0086 0.0120 0.0110 0.0081

分析から得られた指標

図9-2-1-3 開発工程別工数密度(新規開発,FP規模300未満)の箱ひげ図 プロジェクト件数15

総合テスト(ベンダ確認)

新規開発・全規模の中央値 0.0056 0.0073 0.0119

0.01

0.02

0.03

0.04

0.05

0.06

0.07

0.08

0.09

0.10

工数

密度

人月

[/F

P]

一般財団法人経済調査会

図9-2-1-4 開発工程別工数密度(新規開発,FP規模300以上 1,000未満)の箱ひげ図 プロジェクト件数42

基本設計C1_ A 基本設計C2_ B 詳細設計C3_ 設計製造C4_PG 結合テストC5_ 総合テスト(ベンダ確認)C6_

0.00

0.01

0.02

開発工程

基本設計C1_ A 基本設計C2_ B 詳細設計C3_ 設計製造C4_PG 結合テストC5_ 総合テスト(ベンダ確認)C6_

0.00

0.01

0.02

0.03

0.04

0.05

0.06

0.07

0.08

0.09

0.10

開発工程

工数

密度

人月

[/F

P]

一般財団法人経済調査会

Page 23: 見積りとプロジェクト管理のための実績データ集 - …...本書の利用について 本書は,経済調査会発行「ソフトウェア開発データリポジトリの分析

図9-2-1-5 開発工程別工数密度(新規開発,FP規模1,000以上 3,000未満)の箱ひげ図 プロジェクト件数26

図9-2-1-6 開発工程別工数密度(新規開発,FP規模3,000以上)の箱ひげ図 プロジェクト件数19

基本設計C1_ A 基本設計C2_ B 詳細設計C3_ 設計製造C4_PG 結合テストC5_ 総合テスト(ベンダ確認)C6_

0.00

0.01

0.02

0.03

0.04

0.05

0.06

0.07

0.08

0.09

0.10

開発工程

工数

密度

人月

[/F

P]

0.03

0.04

0.05

0.06

0.07

0.08

0.09

0.10

工数

密度

人月

[/F

P]

テスト工程の工数密度のばらつきが大きい

一般財団法人経済調査会

基本設計C1_ A 基本設計C2_ B 詳細設計C3_ 設計製造C4_PG 結合テストC5_ 総合テスト(ベンダ確認)C6_

0.00

0.01

0.02

0.03

0.04

開発工程

工数

一般財団法人経済調査会

Page 24: 見積りとプロジェクト管理のための実績データ集 - …...本書の利用について 本書は,経済調査会発行「ソフトウェア開発データリポジトリの分析

4.6 信頼性に関する分析

(1) FP規模と発生不具合件数に関する分析

・FP発生不具合密度は,FP規模が大きくなるに伴い値が小さくなる傾向がある。

 上記の値はFP発生不具合密度の参考指標です。ただし,プロジェクトの特性によって,FP発生不具合密度の傾向

は異なるので,FP発生不具合密度の参考指標を利用する場合はその点を考慮する必要があります。

図10-1-2-3 FP発生不具合密度(新規開発)のヒストグラム

分析から得られた指標

 FP発生不具合密度 中央値 = 5.9 件/1,000FP (新規開発・全規模)

 FP発生不具合密度 中央値 = 4.0 件/1,000FP (改造開発・全規模)

図10-1-3-2 FP規模ごとのFP発生不具合密度(新規開発)の箱ひげ図 拡大図

50.76%

74.24%

0%

10%

20%

30%

40%

50%

60%

70%

80%

90%

100%

0

10

20

30

40

50

60

0 ~2 ~4 ~6 ~8 ~10 ~12 ~14 ~16 ~18 ~20 20超

プロ

ジェ

クト

件数

FP発生不具合密度[件/1000FP]

100

一般財団法人経済調査会

未満C1_300FP 未満C2_1,000FP 未満C3_3,000FP 以上C4_3,000FP

0

20

40

60

80

100

実績 規模FP

発生

不具

合密

度件

FP

[/1

00

0F

P]

一般財団法人経済調査会

Page 25: 見積りとプロジェクト管理のための実績データ集 - …...本書の利用について 本書は,経済調査会発行「ソフトウェア開発データリポジトリの分析

 適用業種のFP発生不具合密度(中央値)を比較すると,金融・保険業が最も低く,次いで電気・ガス・熱供給・

水道業と公務が低くなります。

図10-1-9-1 適用業種ごとのFP発生不具合密度(新規開発)の箱ひげ図 プロジェクト件数264

建設業C1_ 製造業C2_ 電気・ガス・熱供給・水道業C3_ 情報通信業C4_

0

20

40

60

80

100

適用業種

発生

不具

合密

度件

FP

[/1

000F

P]

0

20

40

60

80

100

発生

不具

合密

度件

FP

[/1

000F

P]

3.2件/1000 FPと発生不具合密度が最も低い

5.0件/1000 FPと発生不具合密度が低い

5.0件/1000 FPと発生不具合密度が低い

一般財団法人経済調査会

 開発スケジュール要求の度合いでFP発生不具合密度(中央値)を比較すると,スケジュールが想定通りのケース

が最も低くなります。

 図10-1-18-2 開発スケジュール要求ごとのFP発生不具合密度(新規開発)の箱ひげ図 拡大図

流通業C5_ 金融・保険業C6_ サービス業C7_ 公務C8_

0

20

適用業種

発F

P

開発スケジュールが想定より短縮されたC1_ 開発スケジュールが想定どおりだったC2_ 開発スケジュールが想定より許容されたC3_

0

10

20

30

開発スケジュール要求

発生

不具

合密

度件

FP

[/1

000FP

]

想定どおりの開発スケジュールだと発生不

具合密度が低くなる

一般財団法人経済調査会

Page 26: 見積りとプロジェクト管理のための実績データ集 - …...本書の利用について 本書は,経済調査会発行「ソフトウェア開発データリポジトリの分析

 プロジェクト管理者の経験・能力の区分でFP発生不具合密度を比較すると,中・大規模プロジェクトの経験があ

る管理者のプロジェクトは不具合発生割合が低い傾向があります。

図10-1-21-2 プロジェクト管理者の経験・能力ごとのFP発生不具合密度(新規開発)の箱ひげ図 拡大図

(2) SLOC規模と発生不具合件数に関する分析

分析から得られた指標

 SLOC発生不具合密度 中央値 = 0.4 件/KLOC (新規開発)

 SLOC発生不具合密度 中央値 = 1.0 件/KLOC (改造開発)

プロジェクト管理者の経験が少ないC1_ 管理者は小中規模プロジェクトの経験ありC2_ 管理者は中大規模プロジェクトの経験ありC3_

0

10

20

30

40

プロジェクト管理者の経験・能力

発生

不具

合密

度件

FP

[/1

000

FP

] プロジェクト管理者に中・大規模プロジェクト

の経験があると発生不具合密度が低くなる

一般財団法人経済調査会

 上記の値はSLOC発生不具合密度の参考指標です。ただし,プロジェクトの特性によって,SLOC発生不具合密度の

傾向は異なるので,SLOC発生不具合密度の参考指標を利用する場合はその点を考慮する必要があります。

図10-2-2-3 SLOC発生不具合密度(新規開発)のヒストグラム

0%

10%

20%

30%

40%

50%

60%

70%

80%

90%

100%

0

5

10

15

20

25

30

0 ~0.2 ~0.4 ~0.6 ~0.8 ~0.10 ~0.12 ~0.14 ~0.16 ~0.18 ~0.20 0.2超

プロ

ジェ

クト

件数

SLOC発生不具合密度[件/KLOC]

一般財団法人経済調査会

Page 27: 見積りとプロジェクト管理のための実績データ集 - …...本書の利用について 本書は,経済調査会発行「ソフトウェア開発データリポジトリの分析

4.7 見積と実績に関する分析

(1) FP規模の見積と実績

・新規開発,基本設計着手前のFP計測結果は,最終的な規模に比べ小さくなる傾向がある。

 上記の値は計測時点別のFP規模見積超過率の参考指標です。ただし,プロジェクトの特性によって,FP規模見積

超過率の傾向は異なるので,FP規模見積超過率の参考指標を利用する場合はその点を考慮する必要があります。

 特に,新規開発で基本設計着手前の資料に基づいて計測(見積り)したFP規模は,大きく増加する傾向があるの

で注意が必要です。

図11-1-1-3 FP規模の見積超過率(新規開発)のヒストグラム

分析から得られた指標

 FP規模見積超過率 平均値 = 23.2 % (新規・基本設計着手前)

 FP規模見積超過率 平均値 = 1.4 % (改造・基本設計完了後)

 FP規模見積超過率 平均値 = 7.1 % (新規・基本設計完了後)

 FP規模見積超過率 平均値 = 1.1 % (改造・基本設計着手前)

0

20

40

60

80

プロ

ジェ

クト

件数

FP規模の見積超過率基本設計着手前 基本設計完了後

一般財団法人経済調査会

(2) 開発工数の見積と実績

・発注要件の明確度・安定度が低いほど,工数の見積超過率20%以上の割合が大きくなる傾向がみられる。

 上記の値は開発工数の見積超過率の参考指標です。ただし,プロジェクトの特性によって,開発工数の見積超過

率の傾向は異なるので,開発工数の見積超過率の参考指標を利用する場合はその点を考慮する必要があります。

分析から得られた指標

 開発工数見積超過率 平均値 = 5.6 % (改造開発)

図11-2-1-3 工数の見積超過率(全開発事例)のヒストグラム

 開発工数見積超過率 平均値 = 16.1 % (新規開発)

FP規模の見積超過率基本設計着手前 基本設計完了後

0

100

200

300

400

500

~-40% ~-20% ~0% ~20% ~40% ~60% ~80% ~100% ~120% 120%超

プロ

ジェ

クト

件数

開発工数の見積超過率新規開発 改造開発

一般財団法人経済調査会

Page 28: 見積りとプロジェクト管理のための実績データ集 - …...本書の利用について 本書は,経済調査会発行「ソフトウェア開発データリポジトリの分析

(3) 開発工期の見積と実績

・発注要件の明確度・安定度が低いほど,工期の見積超過率20%以上の割合が大きくなる傾向がみられる。

 上記の値は開発工期の見積超過率の参考指標です。ただし,プロジェクトの特性によって,開発工期の見積超過

率の傾向は異なるので 開発工期の見積超過率の参考指標を利用する場合はその点を考慮する必要があります

分析から得られた指標

 開発工期見積超過率 平均値 = 10.0 % (新規開発)

 開発工期見積超過率 平均値 = 7.1 % (改造開発)

図11-2-3-3 発注要件の明確度・安定度ごとの工数の見積超過率20%以上の割合(新規開発)

43.0%

25.1%

15.0%

10.5% 11.8%

0%

10%

20%

30%

40%

50%

発注要件が全体的に不明確・不安定だと工数

の見積超過率が20%以上となることが多い

一般財団法人経済調査会

率の傾向は異なるので,開発工期の見積超過率の参考指標を利用する場合はその点を考慮する必要があります。

図11-3-3-4 発注要件の明確度・安定度ごとの工期遅延度20%以上の割合(新規開発)

19.6%

4.8%3.4%

1.8%0.0%

0%

10%

20%

30%

発注要件が全体的に不明確・不安定だと工期

の見積超過率が20%以上となることが多い

一般財団法人経済調査会

Page 29: 見積りとプロジェクト管理のための実績データ集 - …...本書の利用について 本書は,経済調査会発行「ソフトウェア開発データリポジトリの分析

4.8 開発価格に関する分析

(1) FP規模あたりの開発価格

・FP規模と開発価格の間には,やや強い相関がみられる。

 上記の式は開発価格を見積る際の参考指標です。ただし,プロジェクトの特性によって,FP規模あたりの開発価

格の傾向は異なり,全てのプロジェクトに適用できるものではないので注意する必要があります。

 特に,社会的影響度が大きく,また,信頼性要求が高いシステムは,FP規模あたりの開発価格は割高になる傾向

があります。

分析から得られた指標

 開発価格 = 0.3037 × FP規模0.8094

 [百万円]

 FP規模あたり開発価格 中央値 = 9.8 [万円/FP]

図12-1-3 FP規模と開発価格(全開発事例・データ絞込み処理後)

y = 0.3037x0.8094

R² = 0.6089

0

300

600

900

1,200

1,500

0 2,000 4,000 6,000 8,000 10,000 12,000 14,000 16,000 18,000 20,000

開発

価格

[百

万円

]

実績FP規模

新規開発

改造開発

一般財団法人経済調査会

図12-1-4 FP規模あたりの開発価格(全開発事例・絞込み処理後)のヒストグラム

0 2,000 4,000 6,000 8,000 10,000 12,000 14,000 16,000 18,000 20,000

実績FP規模

0

5

10

15

20

25

30

~5 ~10 ~15 ~20 ~25 ~30 30超

プロ

ジェ

クト

件数

FP規模あたりの開発価格[万円/FP]

一般財団法人経済調査会

Page 30: 見積りとプロジェクト管理のための実績データ集 - …...本書の利用について 本書は,経済調査会発行「ソフトウェア開発データリポジトリの分析

(2) 開発工数あたりの開発価格

・開発工数と開発価格の間には,非常に強い相関がみられる。

 上記の式は開発価格を見積る際の参考指標です。ただし,プロジェクトの特性によって,開発工数あたりの開発

価格の傾向は異なり,全てのプロジェクトに適用できるものではないので注意する必要があります。

 特に,社会的影響度が大きく,また,信頼性要求が高いシステムは,開発工数あたりの開発価格は割高になる傾

向があります。

 開発工数あたり開発価格 中央値 = 102.9 [万円/人月]

図12-3-3 工数と開発価格(全開発事例・データ絞込み処理後)

分析から得られた指標

 開発価格 = 1.0295 × 開発工数 + 2.5462 [百万円]

y = 1.0295x + 2.5462

R² = 0.9621

0

200

400

600

800

1,000

1,200

1,400

1,600

0 200 400 600 800 1,000 1,200 1,400 1,600

開発

価格

[百

万円

]

実積工数[人月]

新規開発

改造開発

一般財団法人経済調査会

図12-3-4 工数あたりの開発価格(全開発事例・絞込み処理後)のヒストグラム

実積工数[人月]

0

5

10

15

20

25

30

35

~40 ~60 ~80 ~100 ~120 ~140 ~160 ~180 180超

プロ

ジェ

クト

件数

工数あたりの開発価格[万円/人月]

一般財団法人経済調査会

Page 31: 見積りとプロジェクト管理のための実績データ集 - …...本書の利用について 本書は,経済調査会発行「ソフトウェア開発データリポジトリの分析

5.分析結果の適用例

 この章では,分析結果の適用例を示します。適用例は分析結果の利用方法をわかりやすくするために単純化したものです。実際のプロジェクトでは,システム構成,開発言語,ツールの使用状況,セキュリティなど様々な要素の影響を考慮する必要があります。

FP規模から開発工数を見積る

ソフトウェア規模 1,000FP に対し以下の式を適用します。

図6-1-2-5・図6-4-1-2 FP規模と工数(新規開発・データ絞込み処理後) 対数表示(予測区間)

1 0072

流通業の業務系システムの新規開発(再構築)です。要件定義書からFP(NESMA概算法)が計測でき,計測結果は1,000FP でした。工数を見積り,工期を決定します。

 (工数)=0.0613×(FP規模)1.0072

(新規開発・計測手法混在)参考とする指標(図6-1-2-5)

適用例1

y = 0.0613x1.0072

R² = 0.7168

10 

100 

1,000 

10,000 

10 100 1,000 10,000

実績

工数[人

月]

実績FP規模

予測区間75%上限

予測区間50%上限

予測区間50%下限

予測区間75%下限

累乗 (回帰曲線)

1000FPなので64.5人月と見積る

ステップ1

一般財団法人経済調査会

(工数) = 0.0613 × 1,0001.0072 = 64.426 ≒ 64.5 人月

開発工数から開発工期を見積る

ステップ1で得られた開発工数 64.5人月 に対し以下の式を適用します。

(工期) = 2.5829 × 64.50.3202 = 9.807 ≒ 10 ヵ月

図5-2-1-4 工数と工期(新規開発)の予測区間

参考とする指標(図5-2-1-4)  (工期) = 2.5829 × (工数)

0.3202 (新規開発)

y = 2.5829x0.3202

R² = 0.5286

0

5

10

15

20

25

30

35

40

45

50

0 100 200 300 400 500 600 700 800 900 1,000 1,100 1,200 1,300 1,400

実績

工期

[月]

実績工数[人月]

64.5人月なので工期を10ヵ月とする

75%予測区間上限

50%予測区間上限

回帰曲線(累乗)

50%予測区間下限

75%予測区間下限

ステップ2

一般財団法人経済調査会

Page 32: 見積りとプロジェクト管理のための実績データ集 - …...本書の利用について 本書は,経済調査会発行「ソフトウェア開発データリポジトリの分析

SLOC規模から標準の開発工数を見積る

ソフトウェア規模 50KLOC に対し以下の式を適用します。

図6-2-3-4・図6-4-1-8 SLOC規模と工数(改造開発・データ絞込み処理後) 対数表示(予測区間)

(標準工数) = 3.1151 × 500.7518 = 58.987 ≒ 60 人月

開発 数から標準的な 期を見積り 短納期 リ クを確認する

適用例2

情報通信業の業務系システムの機能追加(改造開発)です。前年の改造開発と類似しており,要件が比較的明らかです。業務の都合から短納期が求められ,前年の改造開発が 8ヶ月の工期のところ,今回の案件は 6ヶ月の工期となりました。前年の改造開発のSLOCは 50KLOC で,今回のシステムも同規模と見込まれます。このシステムの工数を見積ります。

参考とする指標(図6-2-3-4)  (工数)=3.1151×(SLOC規模)

0.7518 (改造開発)

y = 3.1151x0.7518

R² = 0.6183

10 

100 

1,000 

10,000 

1 10 100 1,000 10,000

実績

工数[人

月]

実績SLOC規模[KLOC]

予測区間75%上限

予測区間50%上限

予測区間50%下限

予測区間75%下限

累乗 (回帰曲線)

50 KLOCの場合の標準的な

開発工数は約60人月

ステップ1

ステップ2

一般財団法人経済調査会

開発工数から標準的な工期を見積り,短納期のリスクを確認する

ステップ1で得られた開発工数 60人月 に対し以下の式を適用します。

(標準工期) = 1.9287 × 600.3616 = 8.477 ≒ 8.5 ヵ月

※標準工期 8.5ヵ月に対し 6ヵ月は納期要求が厳しい

参考とする指標(図5-3-1-3)  (工期) = 1.9287 × (開発工数)

0.3616 (改造開発)

図5-3-1-3 工数と工期(改造開発)の予測区間

y = 1.9287x0.3616

R² = 0.6144

0

5

10

15

20

25

30

35

40

0 100 200 300 400 500 600 700 800

実績

工期

[月]

実績工数[人月]

75%予測区間下限

50%予測区間下限

75%予測区間上限

50%予測区間上限

回帰曲線(累乗)

60人月で6ヶ月の工期は50%

予測区間の下限値

ステップ2

一般財団法人経済調査会

Page 33: 見積りとプロジェクト管理のための実績データ集 - …...本書の利用について 本書は,経済調査会発行「ソフトウェア開発データリポジトリの分析

開発条件を踏まえて開発工数を見積る

今回の開発の条件は,前年の類似業務で経験はあるものの,要件すべてを把握できている訳ではなく納期の要求が厳しいことがあります。このリスクを考慮する場合には,開発工数を多めに見積ったほうがよいでしょう。 50%予測区間の上限値を採用する場合は100人月程度となります。

図6-2-3-4・図6-4-1-8 SLOC規模と工数(改造開発・データ絞込み処理後) 対数表示(予測区間)

開発ベンダの見積値(計測値)

適用例3

金融業の基幹システムの一部を再構築します。信頼性の要求度合いが高いシステムで,納品後の重大な不具合は許されません。ソフトウェア要件定義が完了しており,その文書をもとに開発ベンダに見積をとりました。開発ベンダのFP(IFPUG法)を根拠とした見積書のFP内訳,工程別工数の妥当性をチェックします。

y = 3.1151x0.7518

R² = 0.6183

10 

100 

1,000 

10,000 

1 10 100 1,000 10,000

実績

工数[人

月]

実績SLOC規模[KLOC]

予測区間75%上限

予測区間50%上限

予測区間50%下限

予測区間75%下限

累乗 (回帰曲線)

50 KLOCの場合の標準工数

は約60人月だが,リスクを

考慮し100人月と見積る

ステップ3

一般財団法人経済調査会

開発ベンダの見積値(計測値)

FP規模 = 5,000FP(IFPUG法・未調整FP)(内訳)

開発工数 = 450人月(内訳)

FP値のチェック

統計データと比較したFP値のタイプ別比率チェックとIFPUG法計測ルールに準拠しているかのチェックを行います。

18.0% 100.0%FP型比率 28.2% 4.6% 32.0% 17.2%

2341件あたりFP値(上)

と基準値(下)<IFPUG法・未調整>

7.50 5.23 3.92 4.91 3.85

7以上 15以下 5以上 10以下 3以上 6以下 4以上 7以下 3以上 6以下

FP型別件数(件) 188 44 408 175

合計FP型別内訳(FP) 1,410 230 1,600 860 900 5,000

ILF EIF EI EO EQ

合計

工程別内訳(人月) 50 70 140 100 90 450

基本設計B 詳細設計 PG設計製造 結合テスト 総合テスト(ベンダ確認)

900 5,000FP型別件数(件) 188 44 408 175 234FP型別内訳(FP) 1,410 230 1,600 860

ILF EIF EI EO EQ 合計

ステップ1

一般財団法人経済調査会

Page 34: 見積りとプロジェクト管理のための実績データ集 - …...本書の利用について 本書は,経済調査会発行「ソフトウェア開発データリポジトリの分析

①統計データと比較したFP値のタイプ別比率チェック

FP値のタイプ別比率は,統計データ(図7-1-23-5のFP規模3,000以上)の値と近いものです。

②タイプ別1件あたりFP値と基準値とのチェック

タイプ別1件あたりFP値は,すべて基準値の範囲に収まっています。問題がありません。

工程別工数密度のチェック

統計データと比較するために,開発ベンダの見積書の工程別工数密度のチェックを行います。

90 450工程別工数密度

(人月/FP)0.0100 0.0140 0.0280 0.0200 0.0180

工程別内訳(人月) 50 70 140 100

図7-1-23-5 FP規模ごとのファンクション型の比率の平均値(新規開発・IFPUG法類)

基本設計B 詳細設計 PG設計製造 結合テスト 総合テスト(ベンダ確認)

合計

29.7 

28.7 

27.3 

29.8 

11.5 

8.3 

7.0 

3.7 

24.7 

24.8 

25.5 

31.7 

18.7 

18.8 

21.3 

16.9 

15.4 

19.4 

18.8 

17.9 

0% 10% 20% 30% 40% 50% 60% 70% 80% 90% 100%

FP規模300未満

FP規模300以上

1,000未満

FP規模1,000以上

3,000未満

FP規模3,000以上

ILF

EIF

EI

EO

EQ

ステップ2

一般財団法人経済調査会

図9-2-1-6 開発工程別工数密度(新規開発,FP規模3,000以上)の箱ひげ図 プロジェクト件数19

工程別工数密度は,統計データ(図9-2-1-6)と比較してほぼ中央値+25%の範囲内に収まっています。ただし,全工程とも工数密度は中央値と比較して高くなっています。特にテスト工程はより高くなっています。信頼性の要求度合いが高いため生産性が低くなっていると考えられますが,ベンダへの確認が必要な点です。

基本設計C1_ A 基本設計C2_ B 詳細設計C3_ 設計製造C4_PG 結合テストC5_ 総合テスト(ベンダ確認)C6_

0.00

0.01

0.02

0.03

0.04

0.05

0.06

0.07

0.08

0.09

0.10

開発工程

工数

密度

人月

[/F

P]

一般財団法人経済調査会

Page 35: 見積りとプロジェクト管理のための実績データ集 - …...本書の利用について 本書は,経済調査会発行「ソフトウェア開発データリポジトリの分析

FP生産性をチェックする

FP生産性を計算します。FP規模: 5,000FP,開発工数: 450人月(基本設計B~総合テスト(ベンダ確認)) なのでFP生産性 = 5,000FP ÷ 450人月 = 11.1FP/人月 になります。ただし,「リポジトリの分析」は基本設計A~総合テスト(ベンダ確認)の開発工数でFP生産性を分析しているので単

純比較はできません。

11.1FP/人月は上記の箱ひげ図の「信頼性要求度合いが高い」の中央値と近い値であり,単純比較はできないもののベンダの見積り(FP規模と開発工数)は妥当であると判断することができます。仮に,基本設計Aの工数が基本設計Bと同じ50人月とすると,合計工数は500人月となり,FP生産性は 5000FP ÷ 50人月 = 10FP/人月 で,グラフの「信頼性要求度合いが高い」の中央値とほぼ同じとなります。

図8-1-18-1 信頼性要求ごとのFP生産性(新規開発)の箱ひげ図 プロジェクト件数438

適用例4適用例3のシステム開発において,目標不具合密度(納品後3ヶ月での発生不具合数)が 3件/1000FPと定められました。実際に発生したのは軽微な不具合が5件でした。不具合の発生度合いを一般的なシステムと比較してみます。

信頼性要求度合いが高いC1_ 信頼性要求度合いが平均的C2_ 信頼性要求度合いが低いC3_

0

20

40

60

80

100

信頼性要求度合い

生産

性人

月F

P[F

P/

]

ステップ3

一般財団法人経済調査会

FP発生不具合密度の算出

FP発生不具合密度を算出します。

FP発生不具合密度 = 5件 ÷ 5,000FP × 1,000 = 1 (件/1000FP)

FP発生不具合密度のチェック

FP発生不具合密度をチェックします。

FP発生不具合密度は,目標不具合密度を下回っています。また,統計データ(図10-1-3-2)の25%値を下回っています。発生不具合数の観点では一般的なシステムに比べ品質が高いといえます。

図10-1-3-2 FP規模ごとの発生不具合密度(新規開発)の箱ひげ図 拡大図

未満C1_300FP 未満C2_1,000FP 未満C3_3,000FP 以上C4_3,000FP

0

20

40

60

80

100

実績 規模FP

発生

不具

合密

度件

FP

[/1

000FP

]

ステップ1

ステップ2

一般財団法人経済調査会

Page 36: 見積りとプロジェクト管理のための実績データ集 - …...本書の利用について 本書は,経済調査会発行「ソフトウェア開発データリポジトリの分析

参考

資料

 国

内ソ

フト

ウェ

ア開

発デ

ータ

分析

結果

公表

3組

織の

調査

内容

比較

特徴

開発

プロ

ジェ

クト

デー

タ数

(年度

は調

査年

度ま

たは

完了

年度

)

開発

プロ

ジェ

クト

種別

社数

:344社

(H

13~

H24年

度)

プロ

ジェ

クト

数:1853件

経済

調査

会 デ

ータ

リポ

ジト

リの

分析

2015

主に

受注

企業

を対

象と

して

調査

。JFP

UG

企業

が多

い。

累積

デー

タを

使っ

て分

析。

規模

はFP

が中

心。

新規

開発

(再構

築、

ダウ

ンサ

イジン

グ含

) 81.9

%改

造開

発 

  

  

  

18.1

%

IPA

/SEC

ータ

白書

2014-2015

大手

ベン

ダー

29社

がデ

ータ

提供

。累

積デ

ータ

を使

って

分析

新規

開発

51.2

%改

良開

発(改

修・保

守及

び拡

張) 43.5

%

JU

AS ソフトウ

ェアメトリ

ックス

調査

2014年

主に

ユー

ザー

企業

を対

象と

して

調査

。累

積デ

ータ

を使

って

分析

。開

発コ

スト

500万

円以

上を

対象

新規

開発

49.1

%改

修・再

開発

5

0.9

%

社数

:?

プロ

ジェ

クト

数:1076件

(年

度別

の内

訳な

し)

再開

発(白

書で

は分

析対

象外

) 5

.3%

社数

:29社

(調

査H

16~

H25年

度)

プロ

ジェ

クト

数:3541件

(完

成年

度不

明デー

タ含

む)

平成

25年

度平

成24年

度平

成23年

度平

成22年

度平

成21年

度平

成20年

度平

成19年

度平

成18年

度平

成17年

度平

成16年

度平

成15年

度平

成14年

度平

成13年

度平

成12年

度平

成11年

度平

成10年

度平

成9年

度平

成8年

平成

25年

度平

成24年

度平

成23年

度平

成22年

度平

成21年

度平

成20年

度平

成19年

度平

成18年

度平

成17年

度平

成16年

度平

成15年

度平

成14年

度平

成13年

度平

成12年

度平

成11年

度平

成10年

度平

成9年

度平

成8年

  

  

  

  

  

  

件 

  

  

  

  

  

  件

  

 ※

年度

はP

J完

了年

度SLC

P2007 (プロ

セス

)アクティヒ

゙ティ

(企画

)シス

テム

化計

画の

立案

(開発

)シス

テム

要件

定義

(開発

)ソフトウ

ェア要

件定

義(開

発)シ

ステム

方式

設計

(開発

)ソフトウ

ェア方

式設

計(開

発)ソ

フトウ

ェア詳

細設

計(開

発)ソ

フトウ

ェアコー

ド作

成及

びテス

ト(開

発)ソ

フトウ

ェア結

合(開

発)シ

ステム

結合

(開発

)ソフトウ

ェア適

格性

確認

テス

ト(開

発)シ

ステム

適格

性確

認テス

ト(開

発)ソ

フトウ

ェア導

入支

援(開

発)ソ

フトウ

ェア受

け入

れ支

援(運

用プ

ロセ

ス)

生 産 性 等 分 析 対 象 工 程 ( 網 掛 部 )

基本

設計

B

詳細

設計

プロ

グラ

ム設

計・製

造結

合テ

スト

総合

テス

ト(ベ

ンダ

確認

基本

設計

A

結合

テス

総合

テス

ト(ベ

ンダ

確認

基本

設計

詳細

設計

製作

要件

定義

実装

ベン

ダー

内テ

スト

ユー

ザ確

認テ

スト

設計

フォ

ロー

(運

用)

0100

200

300

400

0

100

200

300

400

Page 37: 見積りとプロジェクト管理のための実績データ集 - …...本書の利用について 本書は,経済調査会発行「ソフトウェア開発データリポジトリの分析

参考

資料

 国

内ソ

フト

ウェ

ア開

発デ

ータ

分析

結果

公表

3組

織の

調査

内容

比較

経済

調査

会 デ

ータ

リポ

ジト

リの

分析

2015

IPA

/SEC

ータ

白書

2014-2015

JU

AS ソフトウ

ェアメトリ

ックス

調査

2014年

中央

値:011.0

月(全

体)

中央

値: 0

7.8

月(全

体)

中央

値: 0

7.0

月(全

体)

平均

値:013.2

月(全

体)

平均

値: 0

9.4

月(全

体)

平均

値: 0

8.7

月(全

体)

中央

値:072.7

人月

(全

体)

中央

値: 3

2.0

人月

(全

体)

中央

値:039.0

人月

(全

体)

平均

値:217.8

人月

(全

体)

平均

値: 9

7.2

人月

(全

体)

平均

値:152.4

人月

(全

体)

中央

値:087.0

KLO

C(全

体)

中央

値:070.0

KLO

C(全

体)

中央

値:042.5

KLO

C(全

体)

平均

値:292.8

KLO

C(全

体)

平均

値:190.4

KLO

C(全

体)

平均

値:174.2

KLO

C(全

体)

中央

値:1,2

91 F

P(全

体)

中央

値:0

,700 F

P(全

体)

中央

値:0

,508 F

P(全

体)

平均

値:3,0

51 F

P(全

体)

平均

値:1,4

75 F

P(全

体)

平均

値:1,0

99 F

P(全

体)

中央

値:06,7

55 万

円(全

体)

中央

値:04,4

00 万

円(全

体・適

正価

格)

平均

値:30,4

08 万

円(全

体)

平均

値:11,6

00 万

円(全

体・適

正価

格)

※デ

ータ

は新

規開

発の

み※

デー

タ白

書2012-2013の

値365件

  

  

  

  

  

  

 

件693件

  

  

  

  

  

  

 

件1270件

  

  

  

  

  

  

 

開発

工期

開発

工数

(デ

ータ

白書

は160h

/月

で換

算)

開発

規模

(SLO

C)

開発

規模

(FP

)の

分布

開発

規模

(FP

開発

費用

(万

円)

(適

正価

格は

開発

企業

が適

正と

考え

る価

格)

0

20

40

60

80

100

120

140

~200

~400

~600

~800

~1000

~1200

~1400

~1600

~1800

~2000

~2200

~2400

~2600

~2800

~3000

3000超

FP規模

0

50

100

150

200

250

~100

~300

~500

~700

~900

~1100

~1300

~1500

~1700

~1900

~2100

~2300

2400超

FP規模

0

20

40

60

80

100

200未

満400未

1,0

00未

2,0

00未

4000未

FP規模

400FP

未満

20.8

%

400FP

以下

35.4

% 4

00FP

以下

44.3

%1,0

00FP

未満

24.4

%1,0

00FP

以下

29.1

%1,0

00FP

以下

29.0

%2,0

00FP

未満

20.0

%2,0

00FP

以下

17.0

%2,0

00FP

以下

14.3

%2,0

00FP

以上

34.8

%2,0

00FP

超18.5

%2,0

00FP

超12.4

%汎

用機

021.2

%メ

イン

フレ

ーム

シス

テム

006.1

%メ

イン

フレ

ーム

008.4

%C

/S

026.6

%C

/S

シス

テム

043.4

%2

階層

C/S

022.2

%シ

ステ

ム構

成W

EB

068.2

%W

eb系

シス

テム

043.0

%3

階層

C/S

019.5

%(シ

ステ

ムア

ーキ

テク

チャ

)そ

の他

006.9

%そ

の他

007.5

%イントラ

ネット/

インター

ネット

037.3

% 

計122.8

%(複

数回

答)

  計

100.0

%そ

の他

012.5

% 

計100%(第

1回

答の

比率

①Jav

a①

Jav

a①

Jav

a②

CO

BO

L②

VB

②V

B開

発言

語③

PL/SQ

L③

CO

BO

L③

CO

BO

L(使

用頻

度順

)④

C④

VB

.NET

④C

⑤V

B⑤

C++

⑤P

L/SQ

L⑥

HTM

L⑥

C⑥

C++

Ora

cle

055.2

%O

racle

059.1

%O

racle

049.8

%SQ

L S

erve

r014.3

%SQ

L S

erv

er

016.5

%SQ

L S

erv

er

009.2

%そ

の他

045.5

%そ

の他

024.4

%そ

の他

041.0

% 

計115.0

%(複

数回

答)

  計

100.0

% 

計100%

(第

1回

答の

比率

デー

タベ

ース

(第

1回

答~

第5

回答

の計

)(主

開発

言語

)※

使用

比率

50%

超の

もの

(第

1回

答~

第3

回答

の計

3000超

4,0

00未

満4,0

00超

Page 38: 見積りとプロジェクト管理のための実績データ集 - …...本書の利用について 本書は,経済調査会発行「ソフトウェア開発データリポジトリの分析

参考

資料

 国

内ソ

フト

ウェ

ア開

発デ

ータ

分析

結果

公表

3組

織の

調査

内容

比較

経済

調査

会 デ

ータ

リポ

ジト

リの

分析

2015

IPA

/SEC

ータ

白書

2014-2015

JU

AS ソフトウ

ェアメトリ

ックス

調査

2014年

ウォ

ータ

ーフ

ォー

ル088.3

%ウ

ォー

ター

フォ

ール

082.8

%ウ

ォー

ター

フォ

ール

096.6

%繰

り返

し型

プロ

セス

005.3

%繰

り返

し型

プロ

セス

015.2

%繰

り返

し型

プロ

セス

002.3

%そ

の他

006.5

%そ

の他

002.1

%そ

の他

001.1

% 

計100.0

% 

計100.0

% 

計100.0

%構

造化

048.6

%構

造化

分析

設計

045.7

%D

OA

015.0

%D

OA

014.7

%オ

ブジ

ェク

ト指

向034.3

%オ

ブジ

ェク

ト指

向分

析設

計021.8

%そ

の他

002.1

%そ

の他

017.8

% 

計100.0

% 

計100.0

%IF

PU

G047.6

%IF

PU

G法

060.6

%IF

PU

G034.1

%SP

R008.4

%N

ESM

A概

算法

028.2

%SP

R021.0

%N

ESM

A概

算010.6

%N

ESM

A試

算法

002.1

%N

ESM

A概

算010.9

%N

ESM

A試

算001.4

%自

社オ

リジ

ナル

021.1

%そ

の他

034.0

%自

社基

準024.4

%そ

の他

006.3

% 

計100.0

%そ

の他

007.6

% 

計(複

数回

答)

  計

100.0

%※

H21~

H24年

度調

査の

結果

中央

値:046.0

件中

央値

: 3

9.0

件(全

体)

平均

値:114.4

件平

均値

: 8

1.0

件(全

体)

中央

値: 1

1.0

件中

央値

: 1

3.0

件(全

体)

平均

値: 3

7.7

件平

均値

: 4

1.5

件(全

体)

中央

値:044.0

件中

央値

: 3

1.0

件(全

体)

平均

値:234.5

件平

均値

: 9

0.4

件(全

体)

値新

規値

新規

値新

帳票

ファ

イル

プロ

セス

モデ

開発

技法

FP

計測

手法

画面

中央

値: 0

.9 K

LO

C/人

月(新

規、

WF)

中央

値: 1

.02 K

LO

C/人

月(新

規)

中央

値: 0

.90 K

LO

C/人

月(新

規、

主開

発言

語G

)平

均値

: 1

.8 K

LO

C/人

月(新

規、

WF)

平均

値: 2

.12 K

LO

C/人

月(新

規)

平均

値: 1

.25 K

LO

C/人

月(新

規、

主開

発言

語G

)中

央値

: 1

1.6

1 F

P/人

月(W

F、

IFP

UG

法)

中央

値: 1

5.2

FP

/人

月(新

規、

手法

混在

)中

央値

: 1

5.7

6 F

P/人

月(新

規、

手法

混在

)平

均値

: 1

5.6

3 F

P/人

月(W

F、

IFP

UG

法)

平均

値: 2

2.5

FP

/人

月(新

規、

手法

混在

)平

均値

: 2

2.9

3 F

P/人

月(新

規、

手法

混在

)中

央値

: 1

6.8

FP

/人

月(新

規、

手法

混在

)中

央値

: 1

0.8

8 F

P/人

月(新

規、

IFP

UG

)平

均値

: 1

9.2

FP

/人

月(新

規、

手法

混在

)平

均値

: 1

6.6

4 F

P/人

月(新

規、

IFP

UG

)中

央値

: 1

5.4

FP

/人

月(新

規、

手法

混在

)中

央値

: 0

7.5

2 F

P/人

月(新

規、

IFP

UG

)平

均値

: 1

9.0

FP

/人

月(新

規、

手法

混在

)平

均値

: 0

9.1

2 F

P/人

月(新

規、

IFP

UG

)中

央値

: 1

3.4

FP

/人

月(新

規、

手法

混在

)中

央値

: 1

3.1

2 F

P/人

月(新

規、

IFP

UG

)平

均値

: 1

7.9

FP

/人

月(新

規、

手法

混在

)平

均値

: 2

3.0

4 F

P/人

月(新

規、

IFP

UG

)中

央値

: 1

7.7

FP

/人

月(新

規、

手法

混在

)中

央値

: 1

6.0

FP

/人

月(新

規、

IFP

UG

)平

均値

: 2

5.2

FP

/人

月(新

規、

手法

混在

)平

均値

: 2

1.2

8 F

P/人

月(新

規、

IFP

UG

言 語 別 F P 生 産 性

C CO

BO

L

Jav

a

VB

FP

生産

性(デ

ータ

白書

は160h

/月

で換

算)

SLO

C生

産性

(デ

ータ

白書

は160h

/月

で換

算)

Page 39: 見積りとプロジェクト管理のための実績データ集 - …...本書の利用について 本書は,経済調査会発行「ソフトウェア開発データリポジトリの分析

禁無断転載

ソフトウェア開発データリポジトリの分析2015

― 分析結果の利用ガイド ―

非売品

平成28年4月15日

一般財団法人経済調査会 経済調査研究所 調査研究部 第二調査研究室

〒105-0004 東京都港区新橋6-17-15 菱進御成門ビル

TEL (03)5777-8212

FAX(03)5777-8227

Page 40: 見積りとプロジェクト管理のための実績データ集 - …...本書の利用について 本書は,経済調査会発行「ソフトウェア開発データリポジトリの分析