国際競争力の高いスノーリゾート形成に向けた投資環境整備の課題と方向性について

(今までの議論の整理と仮説)

株式会社 地域経済活性化支援機構Regional Economy Vitalization Corporation of Japan（REVIC）

執行役員・マネージングディレクター 大田原 博亮

令和2年3月5日

資料５

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本日のAgenda

０．本検討会の議論の前提（確認）

１．スノーリゾートを取り巻くマクロ環境1-1．顧客マーケットの環境1-2．スノーリゾートに対する投資家の目線(調達マーケット・カネ)

２．国際競争力の高いスノーリゾートの成功事例(事業者の視点)

３．一般的なスノーリゾートの収益構造

４．スノーリゾートが抱える課題4-1．観光庁によるアンケートからの整理4-2．スノーリゾートが抱える一般的な経営課題(整理)4-3．スノーリゾートが抱える投資環境の課題(整理)

５．投資環境課題の解決の方向性(仮説)

６．投資環境整備のステップ(案)

2

０．本検討会の議論の前提（確認）・本検討会の議論の前提は以下の通りと考える。

日本全国のスノーリゾート

地域

コンテンツ

索道

ベースタウン

国際競争力の高いスノーリゾート

調達マーケット 顧客マーケット

モノ

ヒト

カネ

調達

対価支払

提供

価値支払

国内客

インバウンド

地域

コンテンツ

索道

ベースタウン

地域

コンテンツ

索道

ベースタウン

地域

コンテンツ

索道

ベースタウン

地域

コンテンツ

索道

ベースタウン

地域

コンテンツ

索道

ベースタウン

地域

コンテンツ

索道

ベースタウン

地域

コンテンツ

索道

ベースタウン

地域

コンテンツ

索道

ベースタウン

地域

コンテンツ

索道

ベースタウン

事業体

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０．本検討会の議論の前提（確認）・本検討会の議論の前提は以下の通りと考える。

日本全国のスノーリゾート

地域

コンテンツ

索道

ベースタウン

調達マーケット 顧客マーケット

モノ

ヒト

カネ

調達

対価支払

提供

価値支払

国内客

インバウンド

地域

コンテンツ

索道

ベースタウン

地域

コンテンツ

索道

ベースタウン

地域

コンテンツ

索道

ベースタウン

地域

コンテンツ

索道

ベースタウン

地域

コンテンツ

索道

ベースタウン

地域

コンテンツ

索道

ベースタウン

地域

コンテンツ

索道

ベースタウン

地域

コンテンツ

索道

ベースタウン

地域

コンテンツ

索道

ベースタウン

事業体

議論の前提①

全てのスノーリゾートを対象にした議論ではなく、国際競争力の高いスノーリゾート形成に向けての議論であること

議論の前提②

顧客・調達マーケットのマクロ環境を睨みつつ、特にカネ(投融資)を担う人たちにとって、どのようなスノーリゾートの投資環境を整備するべきかの議論であること

国際競争力の高いスノーリゾート

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1-1．マクロ環境：顧客マーケットの環境①

・訪日外国人スキー客は2013年より数年来増加傾向となっている。

※観光庁提出資料より抜粋

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1-1．マクロ環境：顧客マーケットの環境②

・訪日旅行者の内、スキーリゾートへのアウトバウンド国の上位である中国、ドイツ、英国の旅行者の「次回したいこと」にもスキー・スノーボードの割合が高く、スノーリゾートにおけるインバウンド観光客の市場は今後も伸びしろが大きい市場であると考えられる。

※観光庁提出資料より抜粋

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1-1．マクロ環境：スノーリゾートに対する投資家の目線

本日、ジョーンズ ラング ラサール株式会社 沢柳執行役員から発表されたものをご参考

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２．国際競争力の高いスノーリゾートの成功事例(事業者の視点)①スキー場・ベースタウン一体の魅力化/ニセコ

※委員提出資料より抜粋

・倶知安町/ニセコにおいては、スキー場とベースタウンが一体となって滞在環境の整備を実施することで、スノーリゾートとしての魅力を高めることに成功している

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２．国際競争力の高いスノーリゾートの成功事例(事業者の視点) ②組織化した発信・集客/Hakuba Valley

※委員提出資料より抜粋

・Hakuba Valleyおいては、エリアスキー場一体となって一つのブランドとしての発信/集客及びインフラ整備を行うことで、インバウンド観光客獲得に成功している

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２．国際競争力の高いスノーリゾートの成功事例(事業者の視点) ③民間視点による効率的な運営/野沢温泉村

※委員提出資料より抜粋

・野沢温泉村においては、索道運営会社の民営化による効率的な運営を行うことで、スノーリゾートとしての収益化/魅力化を行っている

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２．国際競争力の高いスノーリゾートの成功事例(事業者の視点) ④海外での成功事例

本日、日本ケーブル株式会社様から発表されたものをご参考

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３．一般的なスノーリゾートにおける収益構造

・一般的なスキー場(索道会社)は、単体では収益性の低い索道(リフト/ゴンドラ)を活用しながら、スノーコンテンツと一体となって収益を上げていく産業。

・特に索道資産は、投資規模に比して収益性が低いがスノーリゾートの収益化には不可欠

・ベースタウンの開発はスノーリゾートの魅力化/活性化には不可欠であるが、大規模な設備投資が必要であり、外部投資を含めた投資環境の整備が必要

(遊ぶ)

(移動する)

(泊まる/食べる/買う 等)

索道会社は①と②を

併せて収益化

スノーリゾート

①スノーコンテンツ

②索道(リフト/ゴンドラ)

③ベースタウン

デスティネーションとしての価値

収益源 収益性 設備投資額

◎(メイン目的地)

・入場料・飲食/物販・レンタル・スクール

高い下2つに比べると小さい

▲(移動手段)

・リフト券低いが、

①の収益化には不可欠

大きい

〇(サブ目的地)

・宿泊・飲食/物販・レンタル・スクール

高い大きい

投資規模はスキー場規模(≒輸送能力)

に比例

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4-1．スノーリゾートが抱える課題：観光庁によるアンケートからの整理

本日、観光庁様から発表されたものをご参考

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4-2．スノーリゾートが抱える課題：一般的な経営課題(整理)

一般的なスノーリゾートでは、

小規模事業者が多数存在していることによる、非効率な事業体構造

団体客が大挙押し寄せた過去の成功体験から脱却できない経営者が多い(マネジメント能力の不足)

オールシーズン楽しめるコンテンツの造成(特にグリーン季において目玉となる集客コンテンツ)

設備老朽化による大規模なリニューアル投資の必要 が大きな経営課題となっている

(遊ぶ)

(移動する)

(泊まる/食べる/買う 等)

索道会社は①と②を

併せて収益化

スノーリゾート

①スノーコンテンツ

②索道(リフト/ゴンドラ)

③ベースタウン

所有/運営主体

エリアの事業体構造

経営資源

モノ カネヒト

索道会社

・一つのスキーエリアに複数の小規模事業者が存在していることが多く、非効率な事業構造

・グリーンシーズンのコンテンツ不足

・公的インフラと見なされスクール等附帯事業に制限

・少雪対策等リスク対応の設備不足

・索道設備の老朽化が顕著

・負債/不採算資産を抱えている事業者が多い

・個別事業者での集客・発信には資金的に限界

・過去のスキーブームの成功体験(団体客等)から脱却できない経営者が多い(マネジメント能力の不足)

・少子高齢化による担い手不足

個別店舗運営事業者

・エリアに多数の小規模事業者が存在し、非効率な事業構造

・設備の老朽化が顕著

・インバウンド集客に向けた設備投資の必要性

・負債/不採算資産を抱えている事業者が多い

・個別事業者での集客・発信には資金的に限界

・団体思考から脱却できない経営者が多い(マネジメント能力不足)

・少子高齢化による担い手不足

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4-3．スノーリゾートが抱える課題：スノーリゾートの投資環境課題(整理)

所有/運営主体

①投資受け皿：複数の小規模事業者が存在し、どこに投資していいか分からない(投資受け皿がない)

②経営者：マネジメント能力が不足している経営者はリスクが高く、投資をためらう

③収益事業：附帯事業に制限があり、投資利回りが低い、または見えにくい

④投資額：設備の老朽化が顕著でリニューアル投資額の規模が大きい

⑤投資の足かせ：負債/不採算資産を抱えている場合投資検討の足枷となる(リスクを抱えてしまう)

索道会社

①スノーコン

テンツ

②索道

個別店舗

運営事業者

エリアの事業体構造

経営資源

モノ カネヒト

・一つのスキーエリアに複数の小規模事業者が存在していることが多く、非効率な事業構造

・グリーンシーズンのコンテンツ不足

・スクール等の附帯事業に制限

・少雪対策等リスク対応の設備不足

・索道設備の老朽化が顕著

・負債/不採算資産を抱えている事業者が多い

・個別事業者での集客・発信には資金的に限界

・過去のスキーブームの成功体験(団体客等)から脱却できない経営者が多い(マネジメント能力の不足)・少子高齢化による担い手不足

・エリアに多数の小規模事業者が存在し、非効率な事業構造

・設備の老朽化が顕著

・インバウンド集客に向けた設備投資の必要性

・負債/不採算資産を抱えている事業者が多い

・個別事業者での集客・発信には資金的に限界

・団体思考から脱却できない経営者が多い(マネジメント能力不足)

・少子高齢化による担い手不足

③ベースタウン

①投資受け皿：複数の小規模事業者が存在し、どこに投資していいか分からない(投資受け皿がない)

②経営者：マネジメント能力が不足している経営者はリスクが高く、投資をためらう

③収益事業(下記④と同様)

④投資額：老朽化しリニューアルが必要だが一軒一軒が小規模なため大口の投資家には魅力が低い

⑤投資の足かせ：負債/不採算資産を抱えている場合投資検討の足枷となる(リスクを抱えてしまう)

インバウンド観光客の市場は、今後も伸びしろが大きい市場

顧客マーケット環境

投資魅力は充分ある

一般的な経営課題(前ページ)

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(遊ぶ)

(移動する)

(泊まる/食べる/買う 等)

索道会社は①と②を

併せて収益化

スノーリゾート

①スノーコンテンツ

②索道(リフト/ゴンドラ)

③ベースタウン

５．投資環境課題の解決の方向性：①資本施策(仮説)

※不動産保有会社設立(所有と運営の分離)によるメリット・資産を経営から分けることで、不動産投資(資産保有会社)と企業投資(運営事業者への投資)の整理ができ、投資家のリスク・リターンが明確化・ベースタウン事業者の参入障壁を下げ、事業承継を円滑化

運営

＜After＞

所有

不動産保有/管理会社

(公的SPC)

地域No1の索道会社

(一山一社化)

個別店舗運営事業者

所有と運営の分離

(資本の分離)

効率的な運営に向けた資本統合

＜Before＞

Ｃ索道会社

小規模資産の統合

・索道事業者の資本統合と、ベースタウン事業者の小規模資産の統合及び所有と運営の分離(資本の分離)という、資本に関わる施策を推進することで、投資の受け皿を作り、規模の経済で収益性を向上させる。

どちらも地域をまとめていくことが鍵

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５．投資環境課題の解決の方向性：②着地整備・誘客組織化(仮説)

観光客

(遊ぶ)

(移動する)

(泊まる/食べる/買う 等)

索道会社は①と②を

併せて収益化

スノーリゾート

①スノーコンテンツ

②索道(リフト/ゴンドラ)

③ベースタウン

運営所有

不動産保有/管理会社

(公的SPC)

地域No1の索道会社

(一山一社化)

個別店舗運営事業者

行政体

商工会

金融機関

交通事業者

観光事業者

地域団体

省庁

索道会社とベースタウンとが一体となった組織的/面的な着地整備・誘客を行うことで、海外の競合するスノーリゾートに負けない投資対象としてのスノーリゾートの魅力を造成

・資本に関わる施策と並行して、スノーリゾート全体の着地整備・誘客の組織化(DMO)を進めていくことで、投資対象のスノーリゾートの魅力を造成。①資本施策も、②着地整備・誘客組織化も、地域をまとめていくことが鍵。

誘客スノーリゾート

全体の着地整備と誘客のための組織化

(DMO)

地域をまとめていくことが鍵

索道会社が軸となり

ベースタウンとの

密な連携が必要

着地整備

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着地整備・誘客のための強固な組織化(DMO)

６．投資環境整備のステップ (案)

活性化に向けた投資の実行

世界水準のスノーリゾート形成に向けた、投資環境整備は、STEP１(地ならし)：地域一体感の醸成STEP２(整備) ：投資促進に向けた環境の整備 というSTEPで進めていくことが必要と考えられる

(遊ぶ)

(移動する)

(泊まる/食べる/買う 等)

索道会社は①と②を

併せて収益化

スノーリゾート

①スノーコンテンツ

②索道(リフト/ゴンドラ)

③ベースタウン

・小規模索道会社の資本統合(株主構成/経営体制の構築が鍵)

・効率的な経営/運営体制の構築

STEP２(整備)

投資促進に向けた環境の整備

・不動産保有/管理会社設立(ベースタウン投資への受け皿整備)

【地域一体感の醸成策】

・エリア一体のマスタープラン策定

・エリア共通施策(共通リフト券・周遊バス等)の企画・実行

・上記のための地域連携協議会の設立

STEP1(地ならし)

投資環境整備のための地域一体感の醸成

解決の方向性を進めていく(地域をまとめていく)ためには多大な労力とコストがかかるため、公的な支援も必要

資本施策

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官民公金の主要プレイヤーにおいて、観光活性化のキーパーソンを特定、信頼関係を構築し、キーパーソンとの関係性を軸に地域のコンセンサスを形成しながらDMCを設立、着地整備・誘客を実行推進している。

【REVIC事例】地域コンセンサス形成による観光まちづくり株式会社(DMC)設立

・キーパーソンの特定(誰に)

・全体目標(ビジョン・ゴール等)の再確認(総論)

・着地整備企画・収支計画の明確化(各論)

・責任の明確化(主体)

を個々のキーパーソンに一つ一つ理解を得ながら

地域コンセンサスを形成し、

地域を引っ張る会社体設立し着地整備・誘客を実行推進している

地域コンセンサスの形成・合意

民（個人事業・株式会社） 公(第三セクター・公益法人・宗教法人等)観光施設・飲食・物販・宿泊等

資金供給金(地銀・信金・信組等)

観光まちづくり株式会社(DMC)設立

自治体(官) 観光協会

キーパーソン

※志賀高原創生公社有田まちづくり公社 等

REVIC観光活性化ファンド

地域一体感を醸成しながら着地整備・誘客を実行推進中