成年年齢引下げに伴う 若年者への消費者教育につい...

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消費者庁 消費者教育・地方協力課 消費者教育推進室 政策企画専門職 久保 美奈海 成年年齢引下げに伴う 若年者への消費者教育について 消費者ホットライン188イメージキャラクター イヤヤン 平成30年度 仙台市消費者教育推進地域協議会

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Page 1: 成年年齢引下げに伴う 若年者への消費者教育につい …...消費者庁消費者教育・地方協力課 消費者教育推進室政策企画専門職 久保美奈海

消費者庁 消費者教育・地方協力課消費者教育推進室 政策企画専門職

久保 美奈海

成年年齢引下げに伴う

若年者への消費者教育について

消費者ホットライン188イメージキャラクター イヤヤン

平成30年度 仙台市消費者教育推進地域協議会

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民法改正による成年年齢引下げ

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成年年齢とは何か

民法の一部を改正する法律(平成30年6月公布)により,成年年齢は18歳に

○ 一人で有効な契約をすることができる年齢○ 父母の親権に服することがなくなる年齢

・ 未成年者は,お小遣いの範囲で買い物をするといった場合以外は,父母の同意を得ずに契約をすることができない・ 父母の同意のない契約は,取り消すことができる(未成年者取消権)・ 父母は,未成年者の保護,監督や教育をする義務があり,未成年者の財産は 父母が管理する

● 成年年齢の意義

現在はいずれも20歳

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民法改正による成年年齢引下げ

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いつから?

○ 民法の一部を改正する法律の施行日(実際に制度が変わる日)

2022年4月1日から

○2002年4月2日生まれ~2004年4月1日生まれまでの方(現在の中学3年生と高校1年生)

○2004年4月2日生まれ以降の方(現在の中学2年生)

● 法律の施行日

● いつから成年になるの?

2022年4月1日から成年

18歳の誕生日から成年3

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成年年齢を引き下げる理由

○ 憲法改正国民投票の投票権や選挙権は,既に18歳から○ 国政に関わる重要事項について判断能力があるとして大人扱いするのであれば,契約などの日常生活に関しても大人扱いするべき

○ 未成年者である間は,父母の同意がない限り,就職や進学といった進路を自分の意思のみでは決められない○ 少子高齢化が急速に進む中,自分の判断で決められる範囲を広げることで,若者が,責任をもって社会に参加できるようになる

○ 海外では18歳成年が主流

● 参政権との関係

● 若者の自己決定権の尊重

● 海外の状況

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成年年齢引下げに対応した消費者政策

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民法の成年年齢の引下げに対応した消費者被害の拡大防止等のための施策

消費者契約法における取消権

不実告知 断定的判断の提供 不利益事実の不告知 不退去 退去妨害 過量契約

社会生活上の経験不足の不当な利用・不安をあおる告知・恋愛感情等に乗じた人間関係の濫用

事業者の一定の不当な勧誘行為があった場合については契約の取消しを認めることで対応

法改正事項の一つとして対応※一定の年齢を要件とするものではない

20歳18歳

民法の未成年者取消権

(消費者の年齢)

事業者の行為の不当性の有無に関わらず取消しの対象となる

成年年齢の引下げ引下げで取消権が無くなる

消費者教育の充実 消費生活相談窓口の充実・周知制度整備等対応した施策

消費者庁としては、成年年齢の引下げに際し、次の対応に取り組む。○ 若年者の自立を支援する消費者教育の充実○ 社会生活上の経験の不足する若年者の被害事例を念頭に置き、消費者契約法の取消権追加などの制度整備等○ 消費生活相談窓口の充実及び消費者ホットライン188の周知

【第196回国会における安倍内閣総理大臣施政方針演説(平成30年1月22日)抜粋】(安全と安心の確保) 成人年齢を18歳に引き下げる中で、消費者契約法を改正し、若者などを狙った悪質商法の被害を防ぎます。

消費者庁

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消費生活相談窓口の充実・周知制度整備等

○教材の開発、手法の高度化・消費者庁で平成28年度に作成した高校生向け消費者教育教材について、全国の学校教育現場での活用を推進

(平成29年度は、徳島県内の全高校で教材を活用した授業を実施)

・アクティブ・ラーニングの視点からの手法等(参加型授業、模擬体験)を用いた消費者教育により、

実践的な知識の習得を推進

○実務経験者の学校教育現場での活用・実務経験者(消費生活相談員、弁護士、司法書士等)を外部講師として学校教育現場で活用することを推進

(連携の推進のため、消費者教育コーディネーターの育成・配置の促進に向けた支援)

○教員の教育・研修・大学の教員養成課程、現職教員研修、教員免許更新講習等において、消費者教育に関する取組を推進

○大学、専門学校等と消費生活センターの連携・大学、専門学校等と地元の消費生活センターとの連携を支援し、被害事例に関する情報共有や出前講座等を実施

○消費者教育推進の体制整備・地方公共団体における「消費者教育推進計画」の策定【47都道府県、18政令市策定済】

及び「消費者教育推進地域協議会」の設置【46都道府県、18政令市設置済】を推進

消費者教育の充実 ~消費者の自立を支援~

○消費者契約法の改正・社会生活上の経験不足を不当に利用した勧誘行為に対して取消権を追加

・事業者の努力義務として個々の消費者の知識及び経験を考慮した上で

必要な情報を提供することを明示 (参考資料参照)

○特定商取引法施行規則の改正・若年成人の知識・判断力等の不足に乗じて契約を締結させる行為が

行政処分の対象となることを明確化

○特定商取引法に違反した事業者に対する厳正な法執行・地方公共団体の法執行体制強化の支援 等

消費者教育教材「社会への扉」

「社会への扉」教師用解説書

具体的施策

○消費生活相談窓口の充実

・地方公共団体における消費生活センターの整備

人口5万人以上の全市町で設置【30道府県済】人口5万人未満の市町村50%以上で設置【19道府県済】

○消費者ホットライン188※の周知※ 最寄りの消費生活センターや消費生活相談窓口などにつながり、相談を受付。

・消費者ホットライン188、消費生活センターの存在と役割について、積極的な広報

消費者庁「若年者への消費者教育の推進に関するアクションプログラム」に基づき、関係省庁が連携して推進

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大人になるために必要な消費者教育とは?

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学校における消費者教育の充実

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○若年者への消費者教育の推進

関係省庁(消費者庁、文部科学省、法務省、金融庁)が緊密に連携し、2018年度から2020年度までを集中強化期間として、以下の取組を推進

成年年齢の引下げを見据え(※)、若年者の消費者被害の防止・救済のため、また自立した消費者の育成のため、若年者への実践的な消費者教育の推進は喫緊の課題※成年年齢を引き下げる民法の改正は、平成30年6月13日可決、同月20日公布(平成34年4月施行予定)

⇒2020年度までには、・全ての都道府県の全高校で「社会への扉」を活用した授業が実施されること・全都道府県に消費者教育コーディネーターが配置されること を目指す

社会経済情勢等を踏まえて重点的に取り組むことが求められる喫緊の課題として、若年者への消費者教育を「当面の重点事項」に位置付け

「消費者教育の推進に関する基本的な方針」(平成30年3月20日変更の閣議決定)

「若年者への消費者教育の推進に関するアクションプログラム」

(平成30年2月20日 若年者への消費者教育の推進に関する4省庁関係局長連絡会議決定)

○ 高等学校等における消費者教育の推進・ 学習指導要領の徹底 ・ 消費者教育教材の開発、手法の高度化・ 実務経験者の学校教育現場での活用 ・ 教員の養成・研修

○ 大学等における消費者教育の推進・ 大学等と消費生活センターとの連携等に関する情報提供等の実施・ 大学等と消費生活センターとの連携支援・出前講座の実施・ 大学における講義実施等を通じた正しい金融知識の普及

○ その他・ 都道府県・政令指定都市における消費者教育推進計画・消費者教育推進地域協議会の策定・設置

・ 大学等及び社会教育における消費者教育の指針の見直し○ 関係省庁で緊密に連携した上記取組の推進、フォローアップ

民法の未成年者取消権

事業者の行為の不当性の有無に関わらず取消しの対象となる

成年年齢の引下げ引下げで取消権が無くなる

消費者教育の充実 消費生活相談窓口の充実・周知

対応した施策

(消費者の年齢)

制度整備等

18歳 20歳

主体的に判断し、責任を持って行動する能力を育む必要

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(参考)「若年者への消費者教育の推進に関するアクションプログラム」における目標

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8

25

47 47

2017年度 2018年度 2019年度 2020年度 2021年度

目標:すべての都道府県で全高校で実施

都道府県数

集中強化期間

・徳島県での実証結果について情報共有(活用手法等)

・消費者教育教材「社会への扉」の提供

・「社会への扉」を活用した授業を実施する教員向けの研修の実施、講師派遣

・関係省庁(金融庁、法務省、文部科学省)との連携

「社会への扉」を活用した授業の実施⇒実践的な能力を身に付ける

徳島県内の全高校で

「社会への扉」を活用した授業を実施(全56校/約6900人)

目標:すべての都道府県で配置

16都道府県で配置済み(2017年4月1日現在)

都道府県数

16 17

30

47 47

2017年度 2018年度 2019年度 2020年度 2021年度

・国民生活センターによる研修を活用した育成

・消費者行政強化交付金を活用した育成・配置の促進

集中強化期間

消費者教育コーディネーターの育成・配置⇒学校教育現場における外部講師の活用(実務経験者の有する知識や経験を有効活用)

※消費者教育コーディネーターとは、消費者教育を担う多様な関係者や場をつなぐため、間に立って調整をする役割を担う者。

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実践的な指導力を身に付けさせるための教育内容の充実

①成年年齢引下げに係る事項の「必修領域」での取扱い

②講座開設数の増加③国民生活センターなど新たな主体による講座開設

①研修開設数の増加②地域の消費者行政担当部局が実施する教員研修の法定研修等への位置付け

③教員研修用動画配信④学校長等に対する啓発

教員の指導力向上が喫緊の課題

改訂の動きに対応して大学の教職課程等も充実が必要(消費者教育に係る授業科目を開設していない大学:公民科約60%、家庭科約30%〔注1〕)

現職教員教職課程履修者(教員養成段階)

○ 若年者の消費者教育分科会取りまとめ(平成30年6月29日公表)

都道府県教育委員会等

免許状更新講習(10年ごとに免許状の更新が必要)

教職課程

教員研修

教員育成協議会(注2)を活用した連携(消費者行政担当部局の参画)

消費者教育コーディネーター①養成研修等②配置に係る財政支援

(注2) 教員育成協議会とは、教育公務員特例法第22条の5に規定する、校長及び教員としての資質の向上に関する指標の策定に関する協議等を行う場である。

教員の指導力向上のための提言と具体的方策

大 学

成年年齢を引き下げる改正民法の成立

(平成34年4月1日施行予定)

学習指導要領では、公民科、家庭科等で消費者教育(改訂ごとに内容も充実)

(提言1)

教職課程における消費者教育の内容の充実

(提言2)

①有機的に連携した継続的な体制の構築

②講座開設数の増加及び内容充実

(提言3)外部人材等の活用及び育成

消費者教育推進会議 若年者への消費者教育の推進に関するアクションプログラム(平成30年2月20日若年者への消費者教育の推進に関する4省庁関係局長連絡会議決定)「2⑴④ 教員の養成・研修」に対応する検討結果

(注1) (消費者庁調べ)平成26年度から平成28年度の間で教員を輩出した大学に対して、教科に関する科目における、消費者教育に係る授業科目の開設の有無について調査した結果による。

弁護士、消費生活相談員などの外部人材

外部人材の紹介と調整消費者教育の担い手

人材バンク

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地域における消費者教育の充実

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消費者教育は、生涯を通じ、幼児期から高齢期までの各段階に応じて体系的に行うべき

学校教育の場に身を置く世代以外の層に対しても、消費者教育の機会が提供されることが重要

しかし、そのような場や機会を設けることは容易ではない

全ての消費者に対して教育を受ける機会が提供されるためには、地域における消費者教育の充実が図られ、

様々な機会を捉えて消費者教育が実施されることが必要

連携・協働するとともに、他の主体の活動を踏まえた効果的な消費者教育を推進

消費者教育推進地域協議会を結節点として、地域の多様な主体間のネットワーク化

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若者の消費生活相談の現状

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若年者の消費生活相談の状況 ①(年齢別相談件数)

※契約当事者の年齢別相談件数(相談者が親等の場合を含む)

(注)PIO-NET(パイオネット:全国消費生活情報ネットワークシステム)(国民生活センターと全国の消費生活センター等をオンラインネットワークで結び、消費生活に関する相談情報を蓄積しているデータベース)による。2018年6月30日までの登録分。

各年代 17~24歳

1,337

22,703

78,906

113,110

143,986

127,891

143,924

121,043

68,516

104,773

0 20,000 40,000 60,000 80,000 100,000 120,000 140,000 160,000

10歳未満

10歳代

20歳代

30歳代

40歳代

50歳代

60歳代

70歳代

80歳以上

無回答(未入力)

(件)

2013-2017年度平均相談件数

2,522

4,854

5,685

10,070

7,535

7,627

7,071

6,881

0 2,000 4,000 6,000 8,000 10,000 12,000

17

18

19

20

21

22

23

24

(件)

(歳)

2013-2017年度平均相談件数

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若年者の消費生活相談の特徴

・インターネット関連どの年齢でもアダルト情報サイトが上位

・新生活に入り多く起こるトラブル賃貸アパート、光ファイバー、テレビ放送サービス

・キレイになりたい(美と健康)脱毛エステ、痩身エステ、他の健康食品

・収入を得たい(稼ぎたい)、儲けたい他の内職・副業

・借金フリーローン・サラ金 (20歳~)

消費者の問題

経験不足(情報量・交渉力・

思慮の不足)

事業者の問題

説明不足強引な勧誘問題表示高価格料金安全性の欠如

原因

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若年者の消費生活相談の状況 ②(2017年度商品・サービスの内容)

※黄色はインターネット利用関連、緑は新生活がきっかけになるもの、赤字は成人になって上位15位に登場したもの(注)2018年6月30日までのPIO-NET登録分。

18歳 19歳 20歳 21歳 22歳商品・サービス名 % 商品・サービス名 % 商品・サービス名 % 商品・サービス名 % 商品・サービス名 %

1 テレビ放送サービス(全般) 7.7デジタルコンテンツ(全般) 6.5デジタルコンテンツ(全般) 5.7デジタルコンテンツ(全般) 5.4賃貸アパート 7.3

2 アダルト情報サイト 7.2アダルト情報サイト 5.9アダルト情報サイト 4.5脱毛エステ 5.3脱毛エステ 6.3

3 他の健康食品 6.1他の健康食品 4.6脱毛エステ 4.4賃貸アパート 4.4デジタルコンテンツ(全般) 5.5

4 デジタルコンテンツ(全般) 5.6ビジネス教室 4.2賃貸アパート 4.2出会い系サイト 4.3出会い系サイト 3.8

5 賃貸アパート 3.9テレビ放送サービス(全般) 4.1他のデジタルコンテンツ 3.7商品一般 3.7フリーローン・サラ金 3.6

6 ビジネス教室 2.9出会い系サイト 3.5出会い系サイト 3.5他のデジタルコンテンツ 3.7商品一般 3.5

7 商品一般 2.7賃貸アパート 3.4他の健康食品 3.4アダルト情報サイト 3.5アダルト情報サイト 3.1

8 出会い系サイト 2.4他のデジタルコンテンツ 3.1商品一般 3.3フリーローン・サラ金 3.3他のデジタルコンテンツ 3.0

9 他のデジタルコンテンツ 2.3商品一般 2.9フリーローン・サラ金 2.3他の健康食品 3.1他の健康食品 2.6

10 新聞 2.0脱毛剤 2.2他の内職・副業 2.3他の内職・副業 2.5他の内職・副業 2.3

11 自動車運転教習所 1.9脱毛エステ 1.9普通・小型自動車 1.9光ファイバー 2.0モバイルデータ通信 2.0

12 脱毛剤 1.8光ファイバー 1.9光ファイバー 1.9普通・小型自動車 1.8光ファイバー 1.9

13 衛星テレビ放送 1.6普通・小型自動車 1.6テレビ放送サービス(全般) 1.7モバイルデータ通信 1.8普通・小型自動車 1.7

14 酵素食品 1.4コンサート 1.5モバイルデータ通信 1.7携帯電話サービス 1.5携帯電話サービス 1.6

15 オンラインゲーム 1.4貸衣装 1.3役務その他サービス 1.3痩身エステ 1.3テレビ放送サービス(全般) 1.4

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消費者白書より 商品やサービスを選ぶときの知識・情報入手先

図表出典:平成29年版消費者白書

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消費者白書より SNSで見た情報がきっかけで商品の購入又はサービスの利用をした経験

図表出典:平成29年版消費者白書

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若者に多い消費者トラブル ① ~新生活(就職・進学)~

◆賃貸アパート・契約時 不動産業者との仲介契約・・・仲介手数料

貸主(大家)との賃貸借契約

契約書、重要事項説明書

(更新料、賃料、共益費、敷金、礼金、禁止事項、修繕、解約、原状回復)

暮らしの拠点としての環境等の確認

・退去時

◆自動車

標準約款、 標準注文書、 自動車の登録、 改造・架装・修理、 自動車の引渡し

原状回復、通常損耗、敷金返還

中古車を二つの店舗で見たところ、一方は10万円安く、バッテリーも新品に交換してく

れるというので、その店舗と契約した。初めての自動車購入であったが、納車時の説明は

省かれ、簡単なチェックで引き渡しを受けた。その後、ドアのゆがみ、シガーソケットの

故障、タイヤのひび割れ等に気づいた。解約したい。

(契約金額:200万円)(20歳代・男性・給与生活者)

(平成27年度埼玉県消費生活相談年報から抜粋)

参考:国土交通省「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」

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消費者白書より マルチ取引に関する相談

図表出典:平成29年版消費者白書

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若者に多い消費者トラブル ②

◆マルチ商法

・行政処分事例 (2018年2月20日) 消費者庁http://www.no-trouble.go.jp/pdf/20180220ac01.pdf若者をターゲットに、友人や先輩、SNSの知人などから「紹介したいバイトがあるんだけど」などと、連絡をし、カフェなどで、「楽して稼ぎたくない?」、「儲かっている、めちゃいいよ。」、「月々2万1600円払っても黒字になる。」等と言うとともに、「みんな借りているから借りてきて」等と告げて学生ローンで借⾦をさせて契約させる連鎖販売取引(いわゆる「マルチ商法」)の消費者トラブル

・扱われる商品等・・・健康食品、化粧品、学習教材、投資を指南するDVDなど様々

・小売利益よりも人を組織に加入させて得るリクルートマージンが大きいものは、いずれ組織が破たんする

可能性が高く、危険なものが多い

・最近の傾向・・・初めのうちはマルチ商法であることを告げない、SNSがきっかけとなることもある

・若者の被害の特徴・・・狭い範囲でトラブルが多発、借金を勧めたり強要

・加害者にもなり得る

●「いわゆるマルチ商法」・・・特定商取引法では連鎖販売取引として規制個人を販売員として勧誘し、さらにその個人に次の販売員を勧誘させる形で、販売組織を

連鎖的に拡大して行う商品やサービスの販売

◎対処法・・・クーリング・オフ(20日間)、中途解約、商品(条件あり)の解約、取消し

◎典型的な勧誘ワード

いい話がある、儲かる話がある、いいバイトがある、新しいビジネス、起業の勉強、合法的なビジネス、

ネットワークビジネス、MLM、ねずみ講とは違う、すぐに元がとれる、すごい人を紹介する、

尊敬(リスペクト)できる人、人脈をつくる、月収 万円も夢じゃない、充実感

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図表出典:平成29年版消費者白書

消費者白書より エステティックサービスに関する相談

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・インターネット上にあふれる情報・・・簡単、キャンペーン価格

・エステ感覚の施術もあるが、医療行為である・・・危害の発生

・自由診療による高価格料金

・継続的な施術に関して前払い方式の場合もある。←脱毛等「○回コース」

若者に多い消費者トラブル ③

◆エステティックサービス (脱毛、美顔(フェイシャル)、痩身)

特定商取引法政令の改正・・・脱毛等、エステと同様に期間が1月を超え、金額が5万円を超える以下の施術のうち、特定の方法によるものについては特定商取引法に定める特定継続的役務提供として規制(平成29年12月1日施行後の契約)→脱毛、にきび・ほくろ等の除去、歯のホワイトニングなど5種類(上記青字)・・・クーリング・オフ、中途解約等

◎典型的な勧誘トーク無料体験、キャンペーン、今なら○○円、今だけ、キレイになるまでやり放題、期限なし、回数制限なし、リバウンドしない、○○肌、毒素を出す、今から始めないと・・・、将来・・・

・予定より高額を勧められ契約・・・高価格料金 ・次々に勧誘される・・・追加のコース、関連商品・中途解約の申出に難色、解約処理が遅い ・効果が感じられない ・予約がとれない・施術による危害 ・倒産

●「いわゆるエステティックサービス」・・・特定商取引法では特定継続的役務提供として規制エステティックサービスのうち、期間が1月を超え、金額が5万円を超えるものが該当

◎対処法・・・クーリング・オフ(8日間)、中途解約(解約料上限あり、関連商品も対象)、取消し

特定継続的役務提供自ら店舗に出向いて契約

した場合も適用

(脱毛、にきび・しみ・そばかす・ほくろ等の除去、皮膚のしわ・たるみの軽減、脂肪の溶解、歯のホワイトニング、二重瞼、腋臭、豊胸、脂肪吸引、包茎等)

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◆美容医療

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若年者の消費生活相談事例 ①

相談事例2相談事例1

○デート商法(アクセサリー、23歳、女性)男性から突然電話がかかってきて、その

男性と話を続けているうちに好きになってしまった。男性から呼び出されるままに宝石を展示

してある場所に出向き、そこで長時間拘束され、約100万円もするダイヤを勧められた。なかなか返事をしないでいると、上司を呼んできて一緒になって買うように説得され「買ってくれたら君とずっと一緒にいる」と言われた。その後も何度か呼び出され、男性のこと

が好きなので買いたいと悩んでいる。

○タレント志望を利用した養成教室(タレント養成教室、25歳、女性)インターネットで見つけた芸能事務所の

オーディションを申し込んだ。1次試験の書類審査、2次試験の実技審

査、3次試験の面接を受けて合格した。

事務所とのマネジメント契約書に署名し、同じグループの芸能スクールに通うよう言われ、推薦書を渡され同じビルのスクールに出向いたところ、入学金約45万円と月謝約35,000円をすぐに払ってほしいと言われた。高額で躊躇すると月約15,000円の60回分

割払いを提案され、「このくらいの意気込みがないと芸能界では生き残れない」と強く言われた。

減額できないかお願いしたが、「そんなことでは芸能活動などできない」と高圧的な態度で言われ怖くなり、了承してしまった。

若年者の消費生活相談の状況として以下のような手口が見られる。(若年者の経験不足等につけ込むもの、20歳になるのを待って勧誘するもの等)

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若年者の消費生活相談事例②

○親しい人間関係の利用(学習用教材、20歳、女性)

未成年の時、大学のサークルの先輩から、成人したらお金を増やすいい話を説明してあげると言われていた。

20歳になった後先輩から電話があり、「勝つ

方が多い」と言われ、投資学習用教材を紹介され、先輩もやっているのなら大丈夫だろうと思い契約した。

消費者金融から借り入れをして支払ったが、親と話し解約することにした。

相談事例4相談事例3

○紹介販売(投資商品、20歳、男性)

20 歳の誕生日が来たら契約できると友人に言われていて、20 歳になった2日後に喫茶店で友人とA氏に会うことになった。

「仮想通貨で儲けることができる。そのためには100 万円が必要」と言われ、「お金がない」と断ったが、「消費者金融で100 万円を借りればよい」と言われた。

また、借りるために学生ではなく居酒屋で働いていることにするよう言われた。その後、A氏が実際に居酒屋で働いている友人に電話をかけ、消費者金融から問い合わせがあった際、私がそこで働いていると答えるよう依頼した。そのうえで、消費者金融から100 万円を

借りるよう促され、無人機で尋ねられた時の答え方も教わり、100 万円を借りた後、A

氏に手渡し契約書面に署名した。しかし、名刺も書面もA氏が持っていってしまっているので、手元には何の書類も残っていない。 27

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「社会への扉」活用のポイント

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【目的】 成年年齢の引下げが議論されていることも踏まえ、高等学校段階までに、契約に関する基本的な考え方や契約に伴う責任を理解するとともに、身近な契約等を通じて、社会において消費者として主体的に判断し責任を持って行動できるような能力を育む。

社会への扉

契約や消費者トラブル等が身近な暮らしの中に存在することに気付かせる。

○ 高校生向け消費者教育教材「社会への扉」

P.1~2導入

生徒用教材

契約について理解しよう!

消費者が主役の社会へお金について理解しよう!

暮らしの安全について理解しよう!

-12のクイズで学ぶ自立した消費者-

グループ学習にも活用できるワーク

を掲載

ワーク3 なぜ、法律では上のような取引に関してクーリング・オフ制度を定めているのだろうか。

高校生にも身近なインターネットショッピングの注意事項を具体的に掲載

消費生活センターについて知ろう!

あなたの行動が社会を変える!

・クレジットカードの仕組み、多重債務、将来の詐欺的投資被害を防ぐための注意を掲載

・暮らしに潜む危険の例を紹介し、安全に配慮した行動、再発防止のための行動がとれる消費者になることを促進

・「高校生が消費生活センターに相談したら」という設定のマンガで紹介

・消費者トラブルにあった際に行動することが、消費者市民社会の実現につながることを紹介

教師用解説書

消費生活に関する12のクイズを掲載

生徒用教材に関わる学習指導要領の項目等を示す表

●生徒用教材各ページ

の解説

●教師として知っておきた

い若年者を取り巻く消費

生活に関する情報●生徒用教材の「ワーク」

「発展」、「プラスα問題」

の考え方

公民科、家庭科の指導案例とワークシート例(ワークシート実物大はウェブサイト掲載)

消費者教育の必要性についてのメッセージ

・消費者教育を実践している

教師・弁護士・消費生活相談員

P.3~11

キャッチセールスのイメージ

消費者庁 社会への扉 • 検索

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消費生活分野に関して「公民」、「家庭」の教科書の記述の充実

実践的な消費者教育が

喫緊の課題

①自分の名前で契約できる

②消費生活センターを活用できる

③消費者の行動が社会を変えるこ

とに気付く

【目的】 成年年齢の引下げを踏まえ、

高等学校段階までに、

・契約に関する基本的な考え方や

・契約に伴う責任を理解するとともに、

・身近な契約等を通じて、社会において

消費者として主体的に判断し責任を

持って行動できるような能力を育む。

○生徒用教材「社会への扉」 (全11ページ)

内容の厳選

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●効果的な活用方法と関係する学習指導要領の項目 (P.1~2)

本教材を活用を想定した「公民科」、「家庭科」、「情報科」における「生徒用教

材に関わる学習指導要領の項目等」(表2)を掲載

●生徒用教材の解説(P.7~17)

●生徒用教材に関連した詳しい情報(P.18~20)・・・知識の守備範囲の拡大

●ワーク、発展、プラスα問題の考え方(P.21~22)

*「ワーク1~11」・・・グループ学習、調べ学習で活用。考え方のヒントも掲載*「発展1~3」、「プラスα問題」・・・余裕があれば活用

○教師用解説書(全30ページ)•指導者による「社会への扉」を•カスタマイズした活用が有効

指導する際のマニュアル+指導者の方々にも実践的に役立つ

消費生活に関する考え方、知識。

生徒自らが考え、話し合って発表したり手を動かす作業をすることで、

「自分のこと」として捉えることにより、学習の定着を図る。

•●授業展開例 (公民科、家庭科)(P.23~30)

•●消費者教育の資料作成等で役立つウェブサイト (P.32) 31

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○「社会への扉」の内容とポイント

✓高校生が普段暮らす街の風景を配して、契約や消費者トラブル等が身近な暮らしの中に存在することに気付かせる。・・・

✓三者択一による12のクイズを考えることで、基本的な知識の理解の習得と確認・・・

クイズ・・・契約の基本から始まり、ゴールは「自立した消費者」

①消費生活(買い物)に関係した「契約」の基本的知識を理解する。②支払いに関係した「お金」に関して、基本的知識を理解する。③「安全・安心な暮らし」のための基本的な対処法を理解する。④消費生活センターを知り、消費者トラブルにあったら相談できる。⑤消費者の声を消費生活センターや企業に伝える行動は、安全で安心な暮らしの実現、より良い社会に変える第一歩であることを理解する。

消費者が主役の社会へ (P1~2 見開きページ)

「自分のこと」

選択肢自体が解答を考えるヒント

(「現代社会」からの視点)

【活用例】①導入として、 ②学習後の確認として、 ③学習内容に合わせたQ&Aを取り上げて

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1.契約をする (消費者としての契約)

・生まれたときから生涯、消費者であり続ける

・消費生活(その典型は買い物)の基本的ルール⇒契約単純な契約から、年齢とともに複雑な契約へ

契約について理解しよう!(P.3)

成立

消費者と事業者とがお互いに契約内容について合意

ワーク1・契約をする場合、どこから、どのような情報を収集して商品やサービスを選択すればよいか。・契約をすることで消費者と事業者には、それぞれどのような権利と義務が発生するだろうか。

例) ①プリンを買う ②アパートを借りる

消費者事業者

代金の支払い

双方が合意した内容

商品・サービスの提供

〔関連語句〕

・契約書・ハンコ・署名・約款

意思の合致

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契約について理解しよう!(P.4)

3.契約をやめる -未成年者取消し

社会経験の少ない未成年者が一人で契約をすると不利益をこうむる危険がある

⇒未成年者を保護するために、未成年者が法定代理人の同意を得ずに契約した場合、契約を取り消すことができる。

◆取消しの方法・法的には形式は問わないが、証拠を残すためには書面で通知することが望ましい。

本人からの通知、法定代理人からの通知(親権は共同行使が原則であり両親の連名で通知)◆取消しの効果

・契約は初めからなかったことになる・受け取った商品等は現状(現存利益)のまま返品する・・・商品を使ってしまった場合はどうか・商品の返品にかかる費用は消費者が負担◎成人になるのを待って契約させるケースがある

◆未成年者が契約当事者である相談

・法定代理人の承諾がない契約・法定代理人のうち父または母のみの承諾による契約

・法定代理人の承諾があると詐称した契約

・法定代理人が承諾している契約【未成年者が契約をしがちな

商品・サービス】化粧品、健康食品、エステ、自動車、内職・副業(マルチ(まがい)商法)、美容医療

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4.契約をやめる -クーリング・オフ

契約について理解しよう!(P.5)

原則・・・契約は守らなければならない

(ワーク3)なぜ、法律ではこれらの取引に関してクーリング・オフ制度を定めているのだろうか。

*「社会への扉」では若者が被害に遭いやすい赤字の販売方法について検討

◆クーリング・オフの方法・書面(はがき等)で通知 (コピーをして保管、特定記録郵便)・発信主義

◆クーリング・オフの効果・消費者が支払った金額は全額返金される。・消耗品(健康食品、化粧品等)は返品不可。・返品にかかる送料は事業者が負担。・工事の契約・・・施工が終了していても代金を支払う義務はなく、元に戻してくださいと言うことも可能。

消費者トラブルになりやすい取引については、契約をやめることができる特別な制度としてクーリング・オフがある(特定商取引法)

◆特定商取引法によるクーリング・オフができる販売方法と期間訪問販売(キャッチセールス、アポイントメントセールスを含む)(8日)電話勧誘販売(8日)特定継続的役務提供(8日)連鎖販売取引(20日)業務提供誘引販売取引(20日)訪問購入(8日)

理由は不要法定書面(契約書)受領日より起算

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契約について理解しよう!(P.5)

事業者の不当な勧誘により契約したときは、消費者はその契約を取り消すことができる。

◆不実告知の例事故車ではないと口頭で確認して中古車を購入したが、後日整備に出したら事故車だと分かった。

◆退去妨害の例「終バスに間に合わなくなるから帰りたい」と言って席を立とうとしたが、販売員がドアの前に立ちふさがり帰れなかった。

◆民事ルールであり、悪質な事業者を規制する(業務停止命令、罰金等)ルールではない。

・行政による規制緩和・・・自由競争の促進 ←公正な取引を確保するための新たなルール

・消費者から、不当な勧誘により締結した契約の取消しを求めることができるルール

◆不当な勧誘・不実告知・過量契約 (新設 H29 ・6・3施行)

・断定的判断の提供・不利益事実の不告知・不退去・退去妨害

プラスα 消費者契約法による契約の取消し ←全ての消費者契約を対象

消費者契約法は、消費者と事業者との間

の情報の量・質、交渉力の〇〇に着目した

ルール

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【参考】契約の成立と解消

消費者(買います) 事業者(売ります)契約の成立

(意思の合致)

完全履行 債務不履行

契約解除*1

損害賠償

無効な契約条項消費者に一方的に不利益な内容の条項(消費者契約法)

クーリングオフ *1訪問販売等

取り消し *1未成年者 (民法)詐欺、強迫(民法)不実告知、退去妨害等(消費者契約法)

代金を払う 品物を渡す

*1 品物を返し、払った代金は返してもらう

中途解約特定継続的役務提供 *2連鎖販売取引

(特定商取引法)

*2 エステティック、語学教室家庭教師、学習塾パソコン教室、美容医療結婚相手紹介サービス

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お金について理解しよう!(P.7~8)

ワーク4①カードのメリット・デメリット②カードで購入した商品は、カード会社への支払いが完了するまでは誰のものか。

③クレジットカードの普及は、消費生活にどのような影響をもたらすか。

1 お金を支払う

◆リボルビング払い・リボ払いの宣伝・・・「ポイント〇倍」、「後からリボ」・毎月の支払額が一定・・・無理なく返済しやすい・残金がなくなるまで手数料を加算して返済・支払いの状況(残高)が分かり難い・リボ払い専用カード、自動的にリボ払い設定のカード

クレジットカードの仕組み(基本)

〔関連語句〕

・様々な支払い方法

プリペイドカード(電子マネーを含む)、デビットカード

・スマートフォンの分割払い(クレジット) 38

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お金について理解しよう!(P.7~8)

複雑化するクレジットカードの仕組み・・・どこでも決済できる利便性

決済代行業者が入り、

5者間契約の場合もある

トラブルが発生した場合、誰がどこに何を言うことができか?

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2 お金を借りる

◆金融機関からお金を借りる

⇒利息をつけて返済

●20万円を年利17%で借りた場合の1か月の利息

20万円×0.17÷12=2,833円

●毎月5,000円ずつ返済

1回目の返済〔7月〕 5000-2833=2167

内訳 2,167円が元金返済に充当

2,833円が利息の返済に充当

⇒残元金 20万円-2,167円=197,833円

この計算を繰り返していく。

●実際の計算は金融機関のHPの返済シミュレーションの活用す

ることもできるが、具体の計算を行ってみることが大事

●1か月後に返済をすれば、利息は2,833円

●長期間の返済

毎月の返済が容易

返済総額が高額になる

3 将来のためのお金

◆金融商品を選ぶ際のポイント

⇒自分がどの程度までの損失に耐えられるか

(リスク許容度)を知る。

◆様々な金融商品

●金融商品取引法

契約締結前と締結時に書面交付義務

金融商品取引業者・・・登録制

●無登録の海外業者との取引のトラブル

●仮想通貨

平成29年4月 改正資金決済法施行

仮想通貨交換業者・・・登録制 金融庁の監督下

借りた金額(元金)×年利(金利)×借入期間

ライフステージにおける経済計画

話題性のある事柄に関連した詐欺的儲け話に注意!

お金について理解しよう!(P.8~9)

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消費者

消費生活相談員(全国に3,434人)

相談

188(消費者ホットライン)

内閣総理大臣(消費者庁)

消費生活センター等

※消費生活センターは全国830箇所相談窓口は全国958窓口(2017年4月1日現在)

助言

他機関紹介

(独)国民生活センター

事業者

年間登録件数:約93.7万件(2017年度)

解決 不調

自主交渉による解決のための必要な情報・

方法等の助言 より適切な相談機関がある場合等

あっせん

重大事故情報

直ちに報告

情報提供・支援

収集・分析・提供

行政処分、法律・条例の制定・改正等

パイオ ネット

PIO-NET

関係省庁

(聞き取り内容)・相談者に関する情報・当事者に関する情報・相談内容

情報入力

※ ※PIO-NET:国民生活センターと消

費生活センター等をオンラインネットワークで結んだ「全国消費生活ネットワークシステム」(PracticalLiving Information OnlineNetwork System)。消費者から消

費生活センター等に寄せられた相談情報が登録されている。

消費生活センター等における消費生活相談のしくみ

消費生活センターについて知ろう! (P.10)

あなたの行動が社会を変える! (P.11)

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消費者ホットライン「188」

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消費生活相談の現場から ①消費生活センターの役割と対応の流れ

消費生活センター⇒消費者(相談者)の支援

●消費生活センター・・・消費者安全法に基づき、都道府県には必置、市区町村は努力義務

●住民サービスの一環・・・簡易迅速、無料

●相談内容

・消費生活に関する相談(消費者トラブル、生活知識、買い物相談等幅広い)

●対応・・・自主交渉助言、あっせん、他機関紹介

・相談者の状況に応じた支援・・・若年者の場合は支援が必要なことが多い

・自主交渉助言のメリットとデメリット

●状況の把握(事実確認)

・相談者が経緯を記した申出書面を作成←具体的な事実の把握(法律用語は不要)

・特定商取引法等、消費者法に抵触する可能性のある問題点について、法的根拠を前提

に事業者と解決へ向けた話し合いのお手伝いをする(あっせん)。・・・複数回、(長期間のことも)

●法的な判断は行わない(あっせん成立/不調)。不調の場合・・・ADR、訴訟の場合も

例 (独立行政法人)国民生活センター紛争解決委員会

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消費生活相談の現場から ②若年の相談者の状況

●契約の基本的自覚が低い(契約書、その他関係資料、商品の管理状況等)

●支払い「額」のイメージがつかめない・・・生活費に対する実感がない

●取引(ビジネス)、経済(景気変動、相場等)の基本的知識の不足

●葉書の出し方等、基本的な知識・経験の不足

●主な情報収集源はインターネット・・検索結果が不適切な情報で被害が拡大する場合もある

●無防備・・・SNS等で安易に自分の情報を発信し、それがきっかけで勧誘を受ける。

●大人(親)の忠告よりも、少し年長の先輩格のトークに弱い

一方で、「頼れるのは親」という若者、子どもと一緒に解決へ向かう親がいる(親子で来所相談)

●様々な親の反応・・・問題点への誤った認識、自力救済的行動、親が完済して解決

●マルチ商法・・・仲間意識(叱咤激励)、つながりたい、自分もできるという錯覚、儲けたい

●「お金を返してくれる」ことのみを重視・・・「お金が戻るなら相談する」

自ら相談、自ら書面通知、自ら意思表示することにより、解決できたことへの自信⇒大きく成長親子で消費生活について考え、学ぶ機会

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• http://www.caa.go.jp/future/project/project_003/

○消費者教育教材「社会への扉」の徳島県における活用事例集消費者行政新未来創造オフィスのプロジェクトとして、徳島県内の全ての高等学校等56校で、

「社会への扉」を配付し、同教材を活用した授業を実施(平成29年度)。

20校(全日制、定時制、特別支援学校、高等専門学校)について、各先生が試行錯誤や工夫の上、実施された授業例を広く全国に紹介することが目的。

「社会への扉」の活用方法は、それぞれの学校で異なり、多種多様。本事例集は活用方法の一例を示したもの。

《各授業の内容を紹介【事例1~20】》・各授業の形式や流れなどを指導案のような形で紹介・「社会への扉」の活用箇所や活用のタイミングを紹介・授業実施者、授業を受けた生徒のコメントを紹介

・家庭科で活用した事例(事例1~10)・公民科で活用した事例(事例11~13)・総合的な学習の時間で活用した事例(事例14)・ホームルーム活動で活用した事例(事例15~16)・外部講師による出前授業で活用した事例(事例17)・特別支援学校で活用した事例(事例18~20)

1事例1~20

《「社会への扉」の内容順に沿って活用事例を紹介【事例A~E】》・板書や写真、イラストなどを交えて、授業における「社会への扉」のアレンジ例を紹介

「消費者が主役の社会へ(P.1~2)」の活用事例(事例A)「契約について理解しよう! (P.3~6) 」の活用事例(事例B)「お金について理解しよう! (P.7~9) 」の活用事例(事例C)「消費生活センターについて知ろう! (P.10) 」の活用事例(事例D)「あなたの行動が社会を変える! (P.11) 」の活用事例(事例E)

2事例A~E

《ワークシート【参考資料】》・各授業で使用したワークシートを紹介・本事例集のほか、消費者庁のホームページ上にワード、エクセルなどのダウンロードできる形式で掲載

・18種類のワークシートを紹介(P.1~39)3ワークシート

消費者庁 社会への扉 検索

http://www.caa.go.jp/future/project/project_003/

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平成29年度に実施された「「社会への扉」を活用したデモンストレーション授業」http://www.pref.tokushima.lg.jp/ippannokata/kurashi/shohiseikatsu/5007327/(徳島県ウェブサイト)http://youtu.be/dAtpNUDhSZI (「徳島県チャンネル」youtube動画)

平成29年度に実施された「「社会への扉」を活用した授業実践報告会」http://www.caa.go.jp/future/project/project_003/ttps://youtu.be/nYAGBk_TAU8(「徳島県チャンネル」youtube動画)

独立行政法人教職員支援機構が提供する研修教材の一つとして、「社会への扉」の内容や活用方法の例について、20分程度にまとめた動画が掲載されています。ぜひ御活用ください。http://www.nits.go.jp/materials/intramural/042.html(校内研修シリーズNo42「社会への扉」を活用した授業展開)

平成30年度教員を対象にした消費者教育講座(主催:独立行政法人国民生活センター)日時:平成30年11月30日(金)(申込締切)11月16日(金)会場:国民生活センター東京事務所(東京都港区高輪3-13-22〔JR品川駅から徒歩5分〕)詳細:http://www.kokusen.go.jp/seminar/info.html

○社会への扉関連ウェブサイト

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