大学の世界展開力強化事業 取組概要 千葉大学 ·...

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大学の世界展開力強化事業 取組概要 千葉大学 【構想の名称】(選定年度24年度(申請区分())) ツイン型学生派遣プログラム(ツインクル)。 【プログラムの目的・養成する人材像】 拠点リーダーとして活躍しうる,グローバルマインド持つ教員と,教育マインドを持つグローバル研究者。 【構想の概要】 実践的教育研究に取り組む院生と最先端科学研究に取り組む院生とのカップリングにより「人材開発型」の教育プログラム の構築を行う。バックグラウンドが異なる研究科院生・学部生のツイン型学生派遣による協働促進カリキュラムを作成するこ とで,ASEAN拠点大学での教育・研究活動による学位取得をも可能とする実践展開型授業プログラムを開発する。 質の保証を伴った大学間交流の枠組形成に向けた取組 ツインクルコンソーシアムの設立と連携大学の拡大 ツインクルプログラムにおける学生交流の充実を図るために,ツインクルコンソーシアム を設立し,連携大学とプログラム内容について協働的に改善を行った。また,ツインクル コンソーシアム連携大学を5カ国10大学から12大学に拡大した。 交流プログラムにおける学生のモビリティ 教育内容の可視化・成果の普及 http://www.twincle.jp/, https://www.facebook.com/twincle.educ?fref=ts 実験活動を取り入れた科学授業の様子〉 アクティブラーニングによる科学授業の開発 本学の理系・教育の学生がユニットを組み,彼らが,アカデミック・リンク・センター等を活用したアクティブラーニングにより, ASEANの児童・生徒向け科学教材・授業を開発した。理系および教育を専門とする教員をそれぞれ1名ずつ各学生ユニットに 割り当て,指導内容と指導方法の両観点から学生の授業づくりを指導する「Wメンター制」を確立した。 MOAの締結とツインクルプログラムにおける単位の相互認定 ツインクルプログラムの円滑な実施のために,連携大学とMOAの締結を行った。これに より,単位の相互認定方法の確認や本プログラム運営上の双方の役割を明確にした。 H24 H25 H26 H27 H28 学生の派遣 39 76 84 84 84 学生の受入 0 84 20 20 20 日本人学生の派遣 平成24年度はトライアルコース(2週間)のみ39名で実施した。平成25年度はプログラムを拡大し,トライアルコース59名, ショートコース(1ヶ月)14名,ロングコース(3ヶ月)3名の計76名を派遣した。平成25年度は,政治情勢によりタイ派遣を中止し たが,インドネシアを代替地として実施した。 外国人留学生の受入れ 平成25年度は,84名(91人月)の学生受入れを実施し た。平成26年度以降も,双方向ツインクルを実現するた めに,最大100人月に拡大して受入れを計画している。 日本人学生の派遣・留学生の受入を促進するための環境整備 千葉大学IECオフィス専任スタッフと特任助教による支援体制 ASEAN拠点大学に配置されている千葉大学IECオフィスの専任スタッフと連携し,現地でのサポート体制を強化した。学生派 遣期間は,特任助教がASEANにおいて,学生の教育および生活指導を実施し,安全の確保と支援の充実を図った。 ツインクルオフィスとInternational Support Desk (ISD)との連携によるツインクル学生交流の全学推進 留学生の生活面でのサポートを充実させるために,ツインクルオフィスと ISD が連携し,留学生の受入れに関する学内体制を構築した。 交流プログラムの内容、今後の開始に向けた準備状況 科学研究の教材化および授業実践を通じた国際交流 ユニットを組んだ本学学生が,ASEAN連携大学学生との協働を通じて,自らの研 究成果を基に授業を開発する。現地では,小・中・高・大の教員と児童・生徒・学生 と交流するとともに,学校で英語により科学授業を実施する。 “双方向”ツインクルの実施 ASEAN連携大学の学生が,日本の小・中・高校において,児童・生徒に向けて授業 実習や課題研究へのアドバイスを行う。この活動を通して,日本への理解を深めると ともに,若い世代同士の関係作りを促し,将来に渡るパートナーシップを形成する。 注)H24H25は実績、H26以降は計画 シラバスの公開,ホームページ・facebooktwitterによる活動内容についての情報発信と参加学生間の交流促進 本プログラムの修了要件およびシラバスを,印刷物およびホームページで公開しており,透明性を確保している。facebooktwitterにより活動内容について情報発信している。これらは,本学学生とASEAN連携大学学生の交流の場ともなっている。 2回ツインクル活動成果報告会〉 〈第3回ツインクルコンソーシアム会議・

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大学の世界展開力強化事業 取組概要 千葉大学

【構想の名称】(選定年度24年度(申請区分(Ⅱ))) ツイン型学生派遣プログラム(ツインクル)。 【プログラムの目的・養成する人材像】 拠点リーダーとして活躍しうる,グローバルマインド持つ教員と,教育マインドを持つグローバル研究者。 【構想の概要】 実践的教育研究に取り組む院生と最先端科学研究に取り組む院生とのカップリングにより「人材開発型」の教育プログラムの構築を行う。バックグラウンドが異なる研究科院生・学部生のツイン型学生派遣による協働促進カリキュラムを作成することで,ASEAN拠点大学での教育・研究活動による学位取得をも可能とする実践展開型授業プログラムを開発する。

■ 質の保証を伴った大学間交流の枠組形成に向けた取組 ○ ツインクルコンソーシアムの設立と連携大学の拡大 ツインクルプログラムにおける学生交流の充実を図るために,ツインクルコンソーシアムを設立し,連携大学とプログラム内容について協働的に改善を行った。また,ツインクルコンソーシアム連携大学を5カ国10大学から12大学に拡大した。

■ 交流プログラムにおける学生のモビリティ

■ 教育内容の可視化・成果の普及 http://www.twincle.jp/, https://www.facebook.com/twincle.educ?fref=ts

〈 実験活動を取り入れた科学授業の様子〉

○ アクティブラーニングによる科学授業の開発 本学の理系・教育の学生がユニットを組み,彼らが,アカデミック・リンク・センター等を活用したアクティブラーニングにより,ASEANの児童・生徒向け科学教材・授業を開発した。理系および教育を専門とする教員をそれぞれ1名ずつ各学生ユニットに割り当て,指導内容と指導方法の両観点から学生の授業づくりを指導する「Wメンター制」を確立した。

○ MOAの締結とツインクルプログラムにおける単位の相互認定 ツインクルプログラムの円滑な実施のために,連携大学とMOAの締結を行った。これにより,単位の相互認定方法の確認や本プログラム運営上の双方の役割を明確にした。

H24 H25 H26 H27 H28

学生の派遣 39 76 84 84 84

学生の受入 0 84 20 20 20

○ 日本人学生の派遣 平成24年度はトライアルコース(2週間)のみ39名で実施した。平成25年度はプログラムを拡大し,トライアルコース59名,ショートコース(1ヶ月)14名,ロングコース(3ヶ月)3名の計76名を派遣した。平成25年度は,政治情勢によりタイ派遣を中止したが,インドネシアを代替地として実施した。 ○ 外国人留学生の受入れ 平成25年度は,84名(91人月)の学生受入れを実施した。平成26年度以降も,双方向ツインクルを実現するために,最大100人月に拡大して受入れを計画している。

■ 日本人学生の派遣・留学生の受入を促進するための環境整備 ○ 千葉大学IECオフィス専任スタッフと特任助教による支援体制 ASEAN拠点大学に配置されている千葉大学IECオフィスの専任スタッフと連携し,現地でのサポート体制を強化した。学生派遣期間は,特任助教がASEANにおいて,学生の教育および生活指導を実施し,安全の確保と支援の充実を図った。 ○ ツインクルオフィスとInternational Support Desk (ISD)との連携によるツインクル学生交流の全学推進 留学生の生活面でのサポートを充実させるために,ツインクルオフィスとISDが連携し,留学生の受入れに関する学内体制を構築した。

■ 交流プログラムの内容、今後の開始に向けた準備状況 ○ 科学研究の教材化および授業実践を通じた国際交流 ユニットを組んだ本学学生が,ASEAN連携大学学生との協働を通じて,自らの研

究成果を基に授業を開発する。現地では,小・中・高・大の教員と児童・生徒・学生と交流するとともに,学校で英語により科学授業を実施する。 ○ “双方向”ツインクルの実施 ASEAN連携大学の学生が,日本の小・中・高校において,児童・生徒に向けて授業

実習や課題研究へのアドバイスを行う。この活動を通して,日本への理解を深めるとともに,若い世代同士の関係作りを促し,将来に渡るパートナーシップを形成する。

注)H24・H25は実績、H26以降は計画

○ シラバスの公開,ホームページ・facebook・twitterによる活動内容についての情報発信と参加学生間の交流促進 本プログラムの修了要件およびシラバスを,印刷物およびホームページで公開しており,透明性を確保している。facebookやtwitterにより活動内容について情報発信している。これらは,本学学生とASEAN連携大学学生の交流の場ともなっている。

第2回ツインクル活動成果報告会〉 〈第3回ツインクルコンソーシアム会議・

大学の世界展開力強化事業 取組概要 名古屋大学

【構想の名称】(選定年度24年度(申請区分(II)) ASEAN地域発展のための次世代国際協力リーダー養成プログラム 【プログラムの目的・養成する人材像】 グローバル化による経済環境や国際協力活動の変化に対応するため、開発援助とビジネスの間をつなぐ視点を備え、ASEAN地域と日本双方の経済・法・政治・社会・文化の共通理解をもった次世代国際協力リーダーを養成する。 【構想の概要】 名古屋大学とASEANの7大学がコンソーシアムを形成し、英語によるコースワークとフィールドワーク・インターンシップを組み合わせたカリキュラムを開発する。SEND該当者は日本語指導支援の他、日本の法制度や文化について紹介活動を行う。

■ 質の保証を伴った大学間交流の枠組形成に向けた取組 ○ 質保証に関する組織的整備 国連地域開発センター等からの外部評価委員を招聘し第2回評価・質保証委員会を開催。各加盟大学代表と単位互換、成績評価に関する議論・質疑応答を行った。

■ 交流プログラムにおける学生のモビリティ

■ 教育内容の可視化・成果の普及

〈 第2回評価・質保証委員会の様子(平成26年3月13日) 〉

写真

〈 2013年度学生フォーラムで発表中の学生〉

○ 質の高い教育体制 第2回評価・質保証委員会において単位認定、成績管理システムに加え、①語学力、②異文化理解活用力、③社会人基礎力、④コミュニケーション・プレゼンテーション能力の評価基準に関する議論を行った。②に関してはVALUE Rubric 方式を、③に関しては経済産業省の基準を採用し、更に、ASEAN各国の基準を取り入れた包括的な基準を策定することに関し合意を得た。

○ 単位の相互認定制度における情報収集および構築 長期派遣・受入学生の単位互換の相互認定は加盟大学との間でカリキュラムやシラバスの情報共有や、指導教員同士の交流により、平成25年度の留学生はほぼ単位認定が実現する見込み。成績評価については、UCTSに基づく成績の併記を加盟大学と調整中。

H24 H25 H26 H27 H28

学生の派遣 11 56 52 52 52

学生の受入 0 26 48 48 48

○ 日本人学生の派遣 平成25年度より学部生・大学院生、計56名を派遣し予定数を上回った。カンボジアにおけるField Workへの参加者が予想よりも増加した。SEND該当者は16名。 ○ 外国人留学生の受入れ 平成25年度は学部生・大学院生、予定数48名に対し26名を受入。

産学連携によるインターンシップの成果が加盟校間に共有され、平成26年度は受入数は大幅に増加する予定。 ■ 日本人学生の派遣・留学生の受入を促進するための環境整備 ○ 派遣前準備教育 平成21年度より英語新カリキュラム「Academic English」を設け、英語力強化に取り組んでいる。平成24、25年度短期派遣学生にはオリエンテーション、事前研修などを実施。さらに、名古屋大学の教育学習支援システム(NUCT)やインターネット上の

フリークラウドなどを利用し、情報や状況把握の共有化を実施中。危機管理を含めた出発、帰国までの支援体制を整備している。平成25年度末に開催された学生フォーラムに本プログラム参加学生が全員参加し、情報提供したため、平成26年度のプログラム参加予定者は増加傾向。 ○ 教育支援・宿舎等 演習等の授業にTAを配置し、留学生の特別な学習ニーズに対応するなど支援体制を整えている。この他、国際教育交流センターにアドバイジング部門が設置されている。また、新規渡日留学生用に約80戸分の宿舎を確保している。さらに、国内外のインターンシップ先(特に上記産業基盤におけるモノづくり企業)の開拓を本格的に実施している。

■ 交流プログラムの内容、今後の開始に向けた準備状況

○ 中部産業のモノづくりによる人材づくり 名古屋大学がアジア最大の産業基盤に立脚することを利用したモノづくりの拠点(トヨタ自動車、デンソー、DGM森精機、ブラザー工業等)におけるインターンシップの成果が報告され、その質の高さに平成26年度、加盟校3校が新規に参加を希望。 ○ SENDによる日本語教育支援・日本文化紹介活動 SEND短期派遣の経験者が長期派遣を希望する理想的なケースが出てきた。SEND長期派遣の経験者は、コースワークに加え、現地でのインターンシップに参加し成果を挙げた。また、現地語での会話も修得し、日本語、文化紹介活動に役立たせた。

注)H24、25は実績、H26以降は計画

○ 国際シンポジウムの開催およびウェブサイトでの公開 平成26年3月13日、第2回運営委員会後、学生フォーラムを開催し、本プログラムに参加した学生全員が留学体験をプレゼン

テーションした。その内容はコースワークに限らず慈善活動やインターンシップ、フィールドワークなど多岐にわたり、参加学生が予想以上に積極的に活動し、異文化理解、現地語の習得、さらにプレゼンテーション能力の向上など見るべき成果が出たことが文部科学省専門官、外部委員、加盟校代表、名大関係者の間で共有された。一方本プログラムの概容に関しては、ラジオ放送ホームページ, Annual Report 2013, Facebook 等により情報発信を強化している。

大学の世界展開力強化事業 取組概要 京都大学

【構想の名称】(選定年度24年度(申請区分(Ⅱ))) 「開かれたASEAN+6」による日本再発見―SENDを核とした国際連携人材育成 【プログラムの目的・養成する人材像】 グローバル化と混迷の時代に日本が進むべき道を見出すには、外部の視点から日本社会を見直すプロセスが不可欠である。従来型の知識集約型の専門家を超え、豊富な現地体験に裏打ちされたグローバルとローカルの複眼的知性と現地感覚を備え、新たな視角から「日本とアジアを再発見」して、その課題解決への提案と実践できる能力を有したリーダーを養成する。 【構想の概要】 人材養成のため、大学キャンパスでの知識集約型の専門家養成に留まらず、社会の現場で実践的な交流経験を積み、広い視野と具体的な実践能力を涵養する。特にSENDによりアジアの人々と共に「日本とアジアを再発見」することに力を入れる。連携基盤として京都大学アジア研究教育ユニットを24年12月に、京都アジア研究国際コンソーシアムを26年1月に設立した。

■ 質の保証を伴った大学間交流の枠組形成に向けた取組 1.学部から大学院博士課程までを含む段階的包括的国際連携モデルの実現 異文化交流教育・国際連携専門教育・国際連携研究指導の3段階に合わせたプログラムを海外大学との間で展開し、各段階に応じた質保証の方式の確立に取り組んでいる。

■ 交流プログラムにおける学生のモビリティ

■ 教育内容の可視化・成果の普及

〈 タイ・チュラロンコーン大学での学生交流〉

〈京都アジア研究国際コンソーシアム設立)

4.京都アジア研究国際コンソーシアムの設立 各国におけるアジア研究の連携組織として、京都アジア研究国際コンソーシアムKyoto International Consortium for Asian Studies(KICAS)をH26年1月に設立し、17大学の関係教員が賛同・参加し、教育連携にも取り組む。

3.共同学位の制度化に向けた取組 本学経営管理学院と台湾大学会計学大学院とが、修士課程の共同学位を制度化する協定を締結。他の学問領域においても、博士論文共同指導の制度化に向けた協議をおこなっている。

H24 H25 H26 H27 H28

学生の派遣 54 192 83 87 82

学生の受入 5 103 49 49 47

○ 日本人学生の派遣 H25年度は、のべ192名の学生を派遣し、シンガポール・タイ・フィリピン・台湾・韓国・中国・オーストラリア・アメリカ・ドイツの16大学で短期SENDを実施した。

○ 外国人留学生の受入れ のべ103名(異文化交流教育31名、国際連携専門教育37名、国際連携研究指導35名)の学生を受入れた。

■ 日本人学生の派遣・留学生の受入を促進するための環境整備 1.系統講義「京都で学ぶアジアと日本」の充実 「日本語・日本文化演習」や「東南アジア研究概論」「歴史認識」等の共通科目を含む系統講義を設け、派遣準備教育および留学生教育の充実をはかった。日本語・英語対照の系統講義紹介冊子を各学部の新入生・留学生を対象として重点的に配布し、多くの学生がアジア研究に関心を持てるよう取り組んだ。本系統講義所定の単位数を満たした場合は認定証を発行予定。 2.アジア研究教育ユニット支援室・外国人教員等によるサポート体制 本事業の派遣・受入学生のためにユニット支援室を設置し、日本人学生・留学生ともに不安感なくプログラムに参加できる体制を整備した。また外国人教員・外国で学位を取得した教員を雇用して、学生の海外派遣時のサポート体制を強化した。

■ 交流プログラムの内容、今後の開始に向けた準備状況 1 SEND準備教育の実施 SEND準備に特化した「日本語・日本文化演習」を開講し、日本人学生が自信をもって日本を教え、アジアを語れるようになるための条件を整備した。

3.国際連携研究指導の実施 博士課程においては、教員・学生の積極的な受入・派遣を進め、海外の大学との間で実質的な国際連携研究指導を開始した。

注)H24・H25は実績、H26以降は計画

・交流プログラム実施報告書の公開、国際連携専門教育の教科書作成 交流プログラムの実施報告をウェブ上で公開し、有効性の検証に役立てる。国際連携専門教育のために教科書の共同編集を実施し、成果を出版あるいは公開して、国内外での利用に供する。

2.単位の相互認定の拡大、単位互換制度化の協議 本学経済学研究科では、集中講義や単位相互認定を容易にするために準クォーター型セメスターを設け、単位互換制度化に向けた協議をASEAN地域の大学とすすめている。

2 国際連携専門教育の英語化と修士課程における単位の相互認定 単位相互認定のために、シンガポール国立大学・中国人民大学等の連携大学の学生を主たる対象として英語講義科目を多く設定するとともに、派遣された学生の海外取得単位を認定する範囲を、学部から大学院修士課程まで拡大した。

○ ショートターム交流(SENDプログラム導入部) 主に学部生を対象とし、平成24年、25年度には「コンフリクト・マネージメント」、「文化遺産と 文化的アイデンティティ」をテーマに①渡航前トレーニングプログラム(外国語・日本語教育支 援講座を含む)②提携校共同セミナー③現地高校等でのワークショップ④現地企業でのイン ターンシップを実施した。平成25年までの実績としてのべ64名の派遣及び35名の受入れを 実現した。平成26年度には「文化遺産と文化的アイデンティティ」を中心に「クールジャパン・ ポリシー」をテーマに加え実施している。また、平成26年3月に、提携校4校から学生を受入

れ、沖縄県において本学学生と一堂に会するプログラムを実施した。今までのバイラテラルな交流からマルチラテラルな交流を実施したことで、ASEANの多様性や日本文化への理解の深化促進につながった。

大学の世界展開力強化事業 取組概要 九州大学

【構想の名称】 (選定年度24年度(申請区分( Ⅱ )) スパイラル型協働教育モデル:リーガルマインドによる普遍性と多様性の均衡を目指して 【プログラムの目的・養成する人材像】 リーガルマインドを涵養することで、普遍的な原則を尊重すると同時に、ASEANの固有性・地域の多様性を理解し、地域を協調的発展に導く、日本とASEANの架け橋となるエキスパート人材を育成する。 【構想の概要】 シンガポール国立大学、マラヤ大学、チュラロンコン大学及びアテネオ・デ・マニラ大学をパートナーに、ショートターム交流、セメスター交流、 ダブルディグリープログラム及びインターンシッププログラムを有機的に組み込んだスパイラル型教育プログラム。

■ 質の保証を伴った大学間交流の枠組形成に向けた取組

■ 交流プログラムにおける学生のモビリティ

■ 教育内容の可視化・成果の普及

〈ショートターム派遣交流(マレーシア)〉

〈コーディネーションミーティング〉

○ 我国初のLL.M.の実績を基礎とした質保証の枠組みと協働体制 ・平成6年度に、我国初の英語のみで修士(法学)を取得できるLL.M.コース(現在は国際コース)は設置以来、これまで約400名の修了生を世界各地に輩出してきた。同LL.M.は国際標準の質保証を備えた法学教育を展開し、世界のトップロースクールとも単位互換制度を有している。 ・LL.M.コースの独自スキームを基礎とし、また全提携校におけるコーディネーションミーティン グを定期的に開催し、枠組共有や質の確保に努めている。

H24 H25 H26 H27 H28

学生の派遣 22 42 26 40 40

学生の受入 0 35 28 32 36

○ 外国人留学生の受入れ 提携大学のニーズや学年歴を考慮した質の高い学生交流プログラムを実施し、ワークショップや学生主導のヘリテージツアー等の活動を通じて、本学の学生と提携大学の学生の相互交流が活性化している。

■ 日本人学生の派遣・留学生の受入を促進するための環境整備 ○日本人学生の国際性・英語力向上 少人数での英語による講義、TOEFL受験の機会拡大、外国人留学生との交流強化により日本人学生の国際性を高める。

○全学組織としての外国人留学生受入体制 全学組織として留学生及び外国人教員等の生活面を支援する外国人留学生・研究者サポートセンターが設置されている。

■ 交流プログラムの内容、今後の開始に向けた準備状況

注)H24・H25は実績、H26以降は計画

○ HP・SNS等による情報発信 ( http://www.law.kyushu-u.ac.jp/sekaitenkai/) ホームページやSNSを通じて、イベント、および学内外のシンポジウム参加など本事業の取組や成果について広く周知している。 ○ 学生によるフォローアップセミナーの開催 各提携校における成果報告(H25マラヤ大学実施)、学内の低学年を対象とした体験発表会を実施し、成果の普及に努めている。

○ セメスター交流・インターンシッププログラム・ダブルディグリープログラム 主にショートターム交流を経験した高年次学生・大学院生を対象とし、学生に合わせたプログラム内容をカスタマイズしている。平成25年度は、シンガポール国立大学と双方向1名のセメスター交流を行い、派遣学生は現地において日本文化紹介の補助を行った。また、マラヤ大学との共同開発インターンシッププログラムとして、ハーグ国際私法会議香港支部へ、学生1名を長期派遣した。ダブルディグリープログラムに関しては、平成26年度以降の実施を目標に各提携校と準備を進めている。

○ 日本人学生の派遣 平成25年度において、42名の学生を派遣し、うちセメスター交流に1名、インターンシッププログラムに1名を長期派遣した。平成27年より実施されるGVプログラムの法学部・LL.M.一貫教育により➀学生の国際性・英語力向上➁ギャップターム利用による就職・就学上の障害回避が実現され、学生のモビリティが一層促進される予定である。平成25年3月にシンガポールとタイへ派遣した学生が、平成25年6月にカンボジアで開催された「国際世界遺産ユースフォーラム」の日本代表として選抜されるなど教育効果が可視化されつつある。

○ 外部評価委員会の設置 本事業の質向上を図るため、様々なバックグラウンドにおける著名な専門家で外部評価委員を構成し、本プログラムについて多角的な協議を実施した。

○ 支援専属スタッフの配置 本事業専属支援室を設置。渡航前~渡航後の学生への情報提供、準備、サポートを実施している。

大学の世界展開力強化事業 H25年度 取組概要 早稲田大学

【構想の名称】(選定年度24年度・申請区分(Ⅱ)) 「日本語教育学」総合学習プログラムを通じた重層的・循環的人材育成事業 【プログラムの目的・養成する人材像】 国内外の日本語学習者・学習ニーズの多様化に対応した教育プログラムを構築し、人物交流・人材循環を起こして多様な日本語学習者に対応できる日本語教育者および実践的日本語運用能力を身に付けて幅広い分野で活躍する人材を養成する。 【構想の概要】 日本語教育学を主専攻・副専攻とする学生に対して海外日本語教育実践の機会=海外実習を提供するとともに、海外教育機関の日本語学習者に対して実践的日本語教育を提供することを通じて双方向の学生交流を促進する。

■ 質の保証を伴った大学間交流の枠組形成に向けた取組 ○ 共同プログラム委員会の設置 早稲田大学と各交流相手大学との間に「共同プログラム委員会」を設置し、カリキュラム、参加学生のケア、事業評価について協議した。

■ 交流プログラムにおける学生のモビリティ

■ 教育内容の可視化・成果の普及

○ 共同評価委員会の設置 早稲田大学と全交流相手大学ならびに外部有識者が一同に会する「共同評価委員会」を設置し、各交流相手大学との取組を共有、評価することによって、プログラム内容や事業の改善を行なった。

H24 H25 H26 H27 H28

学生の派遣 19名 41名 70名 70名 70名

学生の受入 0名 56名 64名 64名 64名

○ 日本人学生の派遣 海外教育実践を組み込んだ大学院科目「日本語教育学実践研究(海外実習)」の受講生10名、全学共通副専攻「日本語教育学研究」に設置する「海外実習」を履修する学部生31名を、各交流相手大学それぞれに派遣した。

○ 外国人留学生の受入れ 各交流相手大学の日本語学習者を、本学の短期集中日本語プログラム(春、夏、秋コース)にて、合計56名受け入れ、実践的な日本語運用能力を養った。

■ 日本人学生の派遣・留学生の受入を促進するための環境整備

○ 交流相手大学の追加 各交流相手大学の日本語学科の規模等の事情により、本学からの学生派遣に関して、当初予定していた派遣人数を一部達成できなかった。本学学生の実習受入先の選択肢を広げるべく交流相手大学の追加を検討した。

■ 交流プログラムの内容、今後の開始に向けた準備状況 ○ 本学学生の海外派遣実習 本学にて日本語教育学を主(副)専攻する学生が、各交流相手大学に派遣され、現地の日本語授業にて教壇実習やTA業務を行なった。また書道や茶道など日本文化を紹介する文化交流活動を行なった。

注)H24・25は実績、H26以降は計画

○ ウェブサイトでの情報発信および国際的コンソーシアムでの成果公開 本構想参加大学の紹介、詳細なプログラム内容、参加した学生の体験レポート等をウェブサイトを通じて公開するとともに、早稲田大学が加盟する国際的コンソーシアムが開催する国際会議の場を通じて成果公開を図る。

○ 厳格な成績管理と単位相互認定 到達目標、成績評価方法等をシラバスを通じて事前に学生に公開するとともに、学生授業評価を取り入れた。また、学生交流を通じて取得する単位の相互認定を行なった。

○ 交流相手大学学生の本学での受入実習 日本語を海外で学ぶ学生に、「日本語実践科目」を提供した。また茶道体験や小旅行等、日本文化の体験や日本人学生との交流活動を行なった。

○ 来日前のサポートおよび来日後・帰国前のオリエンテーションの実施 受入学生に対して、渡日準備の支援から来日後の生活・学習支援のためのオリエンテーションの開催、帰国前には取得単位の認定等に係る手続き等に関するオリエンテーションを開催した。

<パジャジャラン大学での茶道体験の様子>