感染症流行のシミュレーションsirモデルの特徴 長所! • 計算が高速!!...
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感染症流行のシミュレーション
荻田 武史
概要
• 感染症流行のシミュレーションについて学ぶ。 • 感染症の広がりを数理モデル化し、コン
ピュータを用いてシミュレーションする。
• たとえば、事前に被害を予測することで、ワクチン配給の優先順位付けに役立てることができる。
感染症の数理モデル
基本的なモデル • SIRモデル • SEIRモデル • MASモデル
SIRモデル
• 最も基本的な数理モデル Suscep-ble (無免疫者) Infected (発症者) Recovered (回復者) の頭文字を取っている。
S
I
R
感染 回復
無免疫者
発症者
回復者 (免疫獲得)
SIRモデルを表す常微分方程式
dS(t)
dt= �bS(t)I(t)
dI(t)
dt= bS(t)I(t) � gI(t)
dR(t)
dt= gI(t)
b :感染率, g :回復率
SIRモデルの特徴
長所 • 計算が高速 短所 • 詳細な設定ができない → パラメータの数が少ないため
演習1
1. SIRモデルについて、MATLABでプログラムを作成し、ode45で解いてみよう(捕食・被食関係のシミュレーションを参考にしよう) – 初期値は、たとえば以下のように与える。 S = 99, I = 1, R = 0 – 感染率や回復率も適当に与える。 b = 0.2, g = 0.1
2. プログラムがうまく動いたら、初期値Sの値やb, gの値をそれぞれ変化させてみよう。
SEIRモデル
SIRモデルにExposed (感染しているが 発症していない者) を追加したモデル
S
I R
発症
回復
無免疫者 感染者
回復者 (免疫獲得)
E 感染
発症者
SEIRモデルを表す常微分方程式 dS(t)
dt= �bS(t)I(t)
dE(t)
dt= bS(t)I(t) � aE(t)
dI(t)
dt= aE(t) � gI(t)
dR(t)
dt= gI(t)
a :発症率, b :感染率, g :回復率
SEIRモデルの特徴
長所 • 計算が高速 • SIRモデルよりは詳細な設定が可能 短所 • MAS(後述)よりは精密でない
演習2
1. SEIRモデルについて、SIRモデルと同様に、MATLABでプログラムを作成し、ode45で解いてみよう。
2. プログラムがうまく動いたら、初期値Sの値やa, b, gの値をそれぞれ変化させてみよう。
MAS (Mul- Agent Simula-on)
• コンピュータ上に仮想の都市を設計 • その中でエージェント(仮想の住人)を動作さ
せることによりシミュレーションを行う方法 • SIRやSEIRなどの数理モデルとは違う
MASの特徴
長所 • 詳細な設定が可能 短所 • 規模によっては計算に時間がかかる場合が
ある