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痛み止めの薬を お使いになる患者様へ ~オピオイド製剤(医療用麻薬)について~ 監修 日本大学医学部附属板橋病院 緩和ケアチーム 緩和ケア委員会

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痛み止めの薬をお使いになる患者様へ

~オピオイド製剤(医療用麻薬)について~

監修 日本大学医学部附属板橋病院 緩和ケアチーム

緩和ケア委員会

痛みは見えない症状なので、まわりの人には

あなたの痛みが分からない場合が多いのです。

痛みを我慢すると、眠れなくなったり、食欲が

なくなったり、不安になったりします。

眠れない

食欲がない

好きなことができない不安になる

痛みを我慢すると

-1-

痛みは我慢しないで下さい!

我慢せずに担当医、看護師、薬剤師に相談し

て下さい。

痛みを取り除くことにより、食欲がわいてくる、

夜ぐっすりと眠れるようになる、散歩や読書など

自分のしたいことができるようになります。

-2-

1. 長く続く痛み毎日、決められた時間にお薬を飲みましょう

痛みに対して効き目が長く続くように工夫された薬を定期的に使用する事で、痛みをおさえます。

飲み忘れに気がついたときは、すぐに1回分を飲んで下さい。その後の飲み方については、医師や看護師、薬剤師に相談して下さい。患者さんの状態によっては、飲み薬ではなく、貼る薬や坐薬の場合もあります。

痛みには2種類の痛みがあります。

アンペック坐剤

MSコンチン錠 パシーフカプセルオキシコンチン錠

フェントステープ デュロテップMTパッチ

-3-

2. 突然起こる痛み

飲んですぐ効くお薬を服用します

服用(使用)後、10分程度で効果が出できます。

突然の痛みや、痛くなりそうな時に服用して下さい。

1時間あければ、何回でも使えます。

突然起こる痛みは我慢しないで下さい。

痛みを我慢しないで、薬を使うことが大切です。

痛みの評価をするのは、あなた自身です。

アンペック坐剤オキノーム散オプソ内服液

-4-

●医療用麻薬は、正しく使用すれば麻薬中毒にはなりません。

●医療用麻薬は、長い間飲んでも効かなくなることはありません。また、治療により痛みが和らげば量を減らしたり中止することもできます。

●お子様の手の届かないところに保管して下さい。

●医療用麻薬は、痛みの強さや身体の状態にあわせて、最も適した薬を少量から使います。

強い痛みにはオピオイド製剤(医療用麻薬)が用いられます。

●医療用麻薬は、勝手にやめたり、服用量を変えたりしないで下さい。不眠や不安等の症状がでます。

●医療用麻薬は、治療の初期段階から使う薬で、怖い薬ではありません。

●医療用麻薬は、処方された本人以外は使用しないで下さい。

吐き気

吐き気の強さはさまざまですが、多くの方は

服用後1~2週間すると自然に消えていきます。

それまでの間は、吐き気をおさえる薬を使い

予防します。

-6-

薬を服用すると吐き気、便秘、眠気がしばしばおこりますが、副作用を軽減させる薬や次のような工夫をすれば予防ができます。

食事は少量ずつ食べる。

食べたい物を食べる。

新鮮な空気の入れ替えをする。

楽な服装にする。

好きな音楽を聴く。

工夫

便秘

医療用麻薬には、痛みを取り除く作用のほか

に、腸の動きを鈍くする作用がありますので、

ほとんどの患者さんが便秘を起こします。

便秘が続くと、食欲が低下したり、吐き気が出

ることがありますので、普通の便通になるよう

に下剤の服用量を調節して、排便コントロール

します。

-7-

お腹をマッサージする。

十分に水分を補給する。

ストレスを感じさせない生活を心がける。

無理のない範囲で身体を動かす。

バランスのとれた食事を心がける。

工夫

眠気

医療用麻薬の飲み始めや、飲む量が増えたとき

に起こることがありますが、体が薬に慣れてくる

と眠気はなくなります。

また、痛くて眠れない日が続き、寝不足の場合、

薬の作用によって痛みが取れ、眠気を感じる

こともあります。

その他

吐き気、便秘、眠気以外にも、かゆみやめま

いなどの副作用があらわれることがあります。

その他、気になることがありましたら、医師や

看護師、薬剤師にご相談ください。

軽い運動や、散歩をしましょう。

温かい飲み物などで気分転換しましょう。

工夫

-8-

-9-

☆どこが痛みますか?

☆どんな時に痛みますか?

☆どのくらいの痛みですか?

(評価法を利用して教えて下さい)

☆どのように痛みますか?

(重苦しい、ずきずき、きりきり等)

☆どのような時に痛みが強まりますか?

☆どうすると楽になりますか?

<医療者が患者様から教えてほしいこと>

痛みはあなたにしか分かりません!

痛みを自分で評価し、医師や薬剤師、看護師に上手に伝えて下さい。

視覚的評価スケール:VAS(Visual Analog Scale)

現在感じている痛みがどの表情に近いかを選択する方法です。

痛みを「0:痛みなし」から「10:これまで経験した一番強い痛み」までの11段階として、数字を選択する方法です。

100mmの直線を示し、その左端を「痛みはない」状態、右端を

「これまで経験した一番強い痛み」状態として、現在感じている痛みが直線上のどの位置にあるかを示す方法です。

表情評価スケール:FRS(Face Rating Scale)

数値評価スケール:NRS(Numeric Rating Scale)

☆痛みの評価表☆

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日本大学医学部附属板橋病院

緩和ケア支援室

平成23年2月作成