第4章 食の安全と消費者の信頼の確保 ·...

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「食」と「農」についての理解を深めるための取組 (食と農に関する消費者の関心の高まり) 平成 25 年(2013)年度は、冷凍食品に対する農薬混入事件やノロウイルスによる集団食 中毒の発生など、食品安全に対する消費者の信頼を揺るがす事案がありました。 また、平成 262014)年1月に内閣府が行った「消費者行政の推進に関する世論調査」 では、「食中毒事故や食品添加物の問題などの食品の安全性」についてが 81.7%の消費者が 関心があると回答し、様々な消費者問題のうちで最も高い状況にあります。 これら食品安全を含む「食の安全」に関して、消費者の理解を深めるために、北海道農政 事務所では道内6つの地域センターとともに、行政機関や様々な団体等と連携し「食」と「農」 に関する情報の受発信や疑問解消に向けた様々な取組を推進しています。 (消費者セミナーの開催) 北海道農政事務所では、食品安全に関する知識と理解を深めていただくため、札幌市のほ か、苫小牧市、浦河町、北見市、旭川市、釧路市、帯広市で、「消費者セミナー」を計 14 開催しました。消費者セミナーでは、主に大学教授や食品関連事業者による講演と参加者と の質疑応答を通じて積極的な情報提供を行いました(表2-23)。 開催月日 開催地 テーマ 参加者 7 24 札幌市 食品安全に関する基本的な考え方 19 8 20 札幌市 フードチェーンアプローチ 18 9 27 札幌市 食品衛生管理手法 25 10 7 苫小牧市 食品安全の基礎知識 22 10 8 浦河町 食品安全の基礎知識 30 10 23 北見市 食品安全の基礎知識 105 10 24 札幌市 GAPの普及と取組事例 25 11 21 札幌市 農薬低減の取組 15 12 11 札幌市 食品添加物の役割と安全性 30 1 30 札幌市 低温物流と鮮度管理への取組 41 2 27 札幌市 食品安全への取組(ISO22000) 39 3 4 旭川市 食品衛生管理手法 44 3 13 釧路市 農薬の低減の取組 38 3 18 帯広市 ノロウイルスによる食中毒を防ごう 30 2-23 平成 252013)年度消費者セミナーの開催状況 第4章 食の安全と消費者の信頼の確保 - 99 -

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Page 1: 第4章 食の安全と消費者の信頼の確保 · 年(2013)年度は、冷凍食品に対する農薬混入事件やノロウイルスによる集団食 中毒の発生など、食品安全に対する消費者の信頼を揺るがす事案がありました。

1 「食」と「農」についての理解を深めるための取組

(食と農に関する消費者の関心の高まり)

平成 25 年(2013)年度は、冷凍食品に対する農薬混入事件やノロウイルスによる集団食

中毒の発生など、食品安全に対する消費者の信頼を揺るがす事案がありました。

また、平成 26(2014)年1月に内閣府が行った「消費者行政の推進に関する世論調査」

では、「食中毒事故や食品添加物の問題などの食品の安全性」についてが 81.7%の消費者が

関心があると回答し、様々な消費者問題のうちで最も高い状況にあります。

これら食品安全を含む「食の安全」に関して、消費者の理解を深めるために、北海道農政

事務所では道内6つの地域センターとともに、行政機関や様々な団体等と連携し「食」と「農」

に関する情報の受発信や疑問解消に向けた様々な取組を推進しています。

(消費者セミナーの開催)

北海道農政事務所では、食品安全に関する知識と理解を深めていただくため、札幌市のほ

か、苫小牧市、浦河町、北見市、旭川市、釧路市、帯広市で、「消費者セミナー」を計 14回

開催しました。消費者セミナーでは、主に大学教授や食品関連事業者による講演と参加者と

の質疑応答を通じて積極的な情報提供を行いました(表2-23)。

開催月日 開催地 テーマ 参加者

7 月 24日 札幌市 食品安全に関する基本的な考え方 19 人

8 月 20日 札幌市 フードチェーンアプローチ 18 人

9 月 27日 札幌市 食品衛生管理手法 25 人

10 月 7日 苫小牧市 食品安全の基礎知識 22 人

10 月 8日 浦河町 食品安全の基礎知識 30 人

10月 23日 北見市 食品安全の基礎知識 105人

10月 24日 札幌市 GAPの普及と取組事例 25 人

11月 21日 札幌市 農薬低減の取組 15 人

12月 11日 札幌市 食品添加物の役割と安全性 30 人

1 月 30日 札幌市 低温物流と鮮度管理への取組 41 人

2 月 27日 札幌市 食品安全への取組(ISO22000) 39 人

3 月 4 日 旭川市 食品衛生管理手法 44 人

3 月 13日 釧路市 農薬の低減の取組 38 人

3 月 18日 帯広市 ノロウイルスによる食中毒を防ごう 30 人

表 2-23 平成 25(2013)年度消費者セミナーの開催状況

第4章 食の安全と消費者の信頼の確保

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Page 2: 第4章 食の安全と消費者の信頼の確保 · 年(2013)年度は、冷凍食品に対する農薬混入事件やノロウイルスによる集団食 中毒の発生など、食品安全に対する消費者の信頼を揺るがす事案がありました。

(消費者からの相談の受付け)

北海道農政事務所は、食生活や農政に関

する消費者からの相談を受け付けています

(消費者相談専用ダイヤル 011-642-5474)。

平成 25(2013)年度に寄せられた消費者

相談件数は 112件となっており、相談内容

では、「安全・衛生」についての問合わせが

最も多く寄せられました(図2-41)。

相談者別でみると、消費者等が6割以上

を占めていますが、学生、相談業務関係者、

企業団体など、各方面からも問合せがあり

ました。

さらに、相談内容では、食品の安全性に

関することはもとより、農林水産業を巡る

情勢や健康的な食生活に関することなど、

幅広いものとなっています。

(消費者への情報発信)

北海道農政事務所は、「消費者コーナー」を庁舎の

2階ロビーに設置し、パネルや食事バランスガイド

のフードモデルの展示を行っているほか、道内各地

で消費者団体等が行うイベントに展示ブースを設け、

農林水産行政に関する消費者への情報発信を行って

います。

消費者

65% 学生

4%

相談業務

関係者11%

企業・団

体6%

その他

14% 安全・衛

39%

資料請求

2% 制度・基

6%

表示

5%

品質等

11%

生産・流

通等 4%

その他

32%

平成25年度

(2013)

112件

(100%)

外径:相談内容別割合

内径:相談者別割合

資料:北海道農政事務所作成

消費者コーナーの様子

図 2-41 相談受付状況

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Page 3: 第4章 食の安全と消費者の信頼の確保 · 年(2013)年度は、冷凍食品に対する農薬混入事件やノロウイルスによる集団食 中毒の発生など、食品安全に対する消費者の信頼を揺るがす事案がありました。

平成 25(2013)年9月、北海道農政事務所は、札幌

市で、「食品はどのように安全に作られるの?~食品衛

生管理手法~」と題してセミナーを開催し、株式会社

キュー・アンド・シー認証・監査部長松原伸二氏から

食品衛生管理のシステムである「HACCP(ハサップ)」

について講演が行われました。

HACCP とは、原材料の受入から最終製品までの各工

程ごとに、微生物による汚染、金属の混入などの危害

を予測した上で、危害の防止につながる特に重要な工

程を継続的に監視・記録することにより、製品の安全

性を確保する工程管理のシステムをいい、これまでの品質管理の手法である抜取検査に比べて、

より効果的に安全性に問題のある製品の出荷を防止できるとされています。講演では HACCP の

解説に加え、施設設備や従業員の衛生管理など、HACCPの基礎となる一般的衛生管理プログラム

の重要性について具体的事例を交えて説明されました。

北海道農政事務所苫小牧地域センターでは、6月の

「食育月間」にあたり、消費者等の食育に対する理

解を深め、食育推進活動への積極的な参加を促し、

一層の充実と定着を図るため、伊達市経済環境部商

工観光課、伊達観光物産公社のご協力を得て移動消

費者コーナー(平成 25(2013)年 6 月 14 日~6 月

18日の 5日間)を開催しました。この開催期間中に

はシニア野菜ソムリエ萬谷利久子氏を講師に迎え、

食育セミナー「野菜&果物の酵素で体をナチュラル

に!」を開催したほか、パソコンによる食育クイズ

の実施、食育関係等 DVD の上映、食事バランスガイド立体コマの展示、食事バランスガイド等のパネル展示、パンフレットの配布等を行い、バ

ランスの良い食生活や食料自給率の向上、国産米粉や日本食の推進等を PRしました。

参加された皆さんからは、セミナーは大変ためになったとの声が寄せられたほか、展示等

にも健康面等から関心が示されました。

食と農についての理解を深める取組

消費者セミナー「食を学ぼう!なるほど講座」

講演する松原氏

移動消費者コーナー

会場の様子

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2 JAS法に基づく食品表示の適正化の推進

(食品表示の巡回調査)

北海道農政事務所の表示担当職員「食品表示Gメン」は、小売店舗等を巡回し、販売され

ている生鮮食品、加工食品、有機農産物等を対象に JAS法に基づく表示状況等の調査を行っ

ています。

食品表示巡回調査の結果によると、北海道における不適正表示については、店舗における

表示確認体制の不備に起因するものがあり、食品表示のさらなる適正化の推進に向けては、

表示状況の調査に加えて、事業者への継続した啓発活動が重要となっています。

(食品表示 110番による情報の受付)

北海道農政事務所では、「食品表示 110 番」を設置し、広く北海道内の消費者や事業者等

からの食品の不適正な表示等に関する情報を受け付けています(食品表示 110 番ダイヤル

011-642-5490)(図2-42)。

なお、巡回調査や食品表示 110番情報による調査の結果、不適正表示を確認した場合には、

指示・公表することを基本とし、常習性が無く過失による一時的なものであることが明らか

であって、かつ、改善方策等を講じている場合は、指導を行うこととしており、平成 22(2010)

年度から指導件数等を公表(平成 24(2012)年度 17件)しています。

資料:北海道農政事務所作成

(北海道食の安全及び食品表示監視等に関する協議会)

北海道農政事務所では、北海道庁関係部局、保健所、警察等の食品関係行政機関との連携

強化を図るため、「北海道食の安全及び食品表示監視等に関する協議会」を設置しています。

北海道段階では毎月1回定期的に本協議会を開催し、道内 11 地域においても、四半期に1

回、地区協議会を開催し、関係者間の情報共有に努めています。

図 2-42 食品表示 110 番受付件数の推移(北海道)

1,518 1,551 1,546

1,412 1,408 1,349

1,424 1,346 1,308 1,305

124 100 173

98 96

0

400

800

1,200

1,600

平成21年度

(2009)

22

(2010)

23

(2011)

24

(2012)

25

(2013)

相談合計

うち問合せ

うち情報提供

件 件

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(食品表示制度の普及・啓発)

食品表示の適正化に向けては、事業者、消費者等への制度の周知が重要となっています。

このため、北海道農政事務所では、食品事業者に対する普及啓発は、「食品事業者表示適

正化技術講座」において実施しており、平成 25(2013)年度は、道内 10会場で開催しまし

た。

このほか、消費者グループをはじめ各種団体等が主催する「食品表示制度の説明会」等へ

の講師派遣(25 回)や各種イベントへの出展等を実施しました。

食品表示は、消費者が食品の内容を理解し商品を選

択していく上で判断の前提となることから、食品表示

の適正化を図っていくことは極めて重要です。

農林水産省では、食品表示が消費者から信頼される

よう食品表示の適正化を推進する事業者の自主的な取

組を推進しているところです。

このため、適正な食品表示を行う上での留意事項等

について学んでいただくことを目的として、北海道農

政事務所は、平成 21(2009)年度から食品事業者(製

造業者、流通(小売・卸・輸入)業者)を対象とした

「食品事業者表示適正化技術講座」を実施しています。

平成 25(2013)年度における北海道での開催状況は、9月から 11月までの間に 10 箇所(会

場)で「日本の食品表示制度の概要」、「食品表示の適正化に向けた改善のチェックポイント」、

「食品表示の適正な実施に向けた取組の重要性」を主な内容として開催しました。

札幌市での開催は、11月7日に北海道立道民活動センター(かでる2・7)において、製造

業者向け講座と流通業者向け講座の2部構成で開催し、両講座合わせて 130名の事業者の方に

参加をいただきました。

札幌会場の様子

平成 25(2013)年 10 月5~6日、アクセスさっぽ

ろ(札幌市)において、子どもたちが仮想の街で、職

業体験や生活体験をとおして、働くことの楽しさや大

変さを、身をもって経験するイベント、こどものまち

「ミニさっぽろ 2013」が開催されました。

北海道農政事務所は、「厳しくチェック!食品表示

Gメン」というプログラムを行い、約 200 名の子ども

たちに食品表示監視業務を体験してもらいました。

プログラムでは、食品表示の基礎を学んだ子どもたち

が、「食品表示Gメン」として店舗をまわり、陳列さ

れている商品の表示漏れや誤表示を発見し、店主に注

意し改善するよう指導すると、給与に見立てた擬似通貨が支払われます。

JAS法に基づく食品表示の監視・指導業務を子どもたちに体験してもらうことで、当事務所の

業務が消費者の信頼確保につながっていることや、農林水産行政の役割や重要性を、子どもた

ちを通じてその家族にも伝えることができました。

プログラムに参加する小学生の様子

食品事業者表示適正化技術講座の開催(札幌会場)

食品表示Gメンの体験プログラム

食品表示制度の普及・啓発に向けた取組

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3 トレーサビリティの推進

(牛トレーサビリティ制度の概要)

BSE のまん延防止措置の的確な実施を図るため、牛を個体識別番号により一元管理する

とともに、生産から流通・消費の各段階において個体識別番号を正確に伝達することによ

り、消費者に対して牛の個体識別情報を提供しています。

国内で生まれたすべての牛や、国内で飼養される輸入牛には、10桁の個体識別番号が印

字された耳標が装着され、その個体識別番号によって、その牛の性別や種別(黒毛和種な

ど)に加え、出生から、と畜・死亡までの異動履歴や飼養地等の情報が管理されます。

牛がと畜され牛肉となってからは、流通していく過程で取引に関わる販売業者などによ

り、個体識別番号が表示されることとなります。また、購入した牛肉に表示されている個

体識別番号をもとに、消費者においてもインターネットを利用し生産履歴を調べることが

できます。

(制度の信頼の確保に向けて)

北海道農政事務所では、牛トレーサビリティ制度の信頼確保のため、牛の生産段階にお

いては、道内約 10,000 戸〔畜産統計:平成 25(2013)年2月1日現在〕の牛の管理者を

対象に、立入検査等を実施し、耳標の装着や出生等の各種届出が適切に行われるよう指導

を行っています。 また、牛肉の流通段階においても、食肉販売事業者や焼肉店等の特定料理提供業者を対

象に立入検査等を実施し、業者等が備付けている仕入れ・販売の相手先等が記載された帳

簿により、表示されている個体識別番号が適正であるかを確認しています。また、小売店

等で販売されている牛肉の一部を検査機関に送り、と畜直後の枝肉から採取したサンプル

と DNA 照合による鑑定を行っています(図2-43)。

図 2-43 個体識別番号の表示例

耳標の装着状況の確認

国産牛

JP 10000

20018

26. 4. 7 26. 4

資料:北海道農政事務所作成

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(米トレーサビリティ法に基づく制度の概要と普及啓発、監視・指導)

米及び米加工品の取引記録等の作成・保存や産地情報の伝達を義務付ける「米穀等の取引

等に係る情報の記録及び産地情報の伝達に関する法律」(米トレーサビリティ法)が、平成

22(2010)年 10月に一部施行されました。

この法律では、万一、食品事故等が発生した場合に、その流通ルートの特定と速やかな回

収が図られるように、米の生産者、流通業者、製造業者、販売業者、外食業者等に対して取

引記録の作成・保存を義務付けています。

また、平成 23(2011)年7月からは、米及び米加工品を他の事業者に販売する場合に、

伝票や商品の包装等に産地情報を記載し、最終的に包装等への表示や店頭掲示等により消費

者が産地を知り得るように伝達することが義務付けられました(図2-44)。

このため、平成 25(2013)年度、北海道農政事務所では、制度の普及啓発を目的に、米の

生産者、米・米加工品を取扱う事業者、消費者に対して、北海道内各地での制度説明会にお

いて、各業界団体へのポスター、チラシの配布等を実施してきました(延べ取組件数:290

件)。特に制度説明会は、14 回開催して延べ 790 人の参加があり、制度内容の周知を行い

ました。

また、北海道農政事務所では、米トレーサビリティ法に基づく取引記録の作成・保存及び

産地情報の伝達が適正に行われているか確認するため、米飯を提供する外食事業者等に対し

て、巡回立入検査を実施しています。

資料:北海道農政事務所作成

図 2-44 米トレーサビリティ法の概要等

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(米穀の適正流通の確保の取組)

国民の主食である米の適正流通を確保するため、「主要食糧の需給及び価格の安定に関す

る法律の一部を改正する法律」(改正食糧法)が平成 22(2010)年4月に施行されました。

また、改正食糧法に基づく「米穀の出荷販売事業者が遵守すべき事項」において、新規需

要米(米粉用米、飼料用米等)、加工用米等の米については、定められた用途以外の使用が

禁止されています。

このため、その流通を監視することが重要となっており、北海道農政事務所では、これら

米穀等を取り扱う事業者に対し、巡回立入検査を実施しています。

4 その他の食の安全に関する取組

(農薬の適正使用に向けた取組)

農薬の適正使用の推進及び農産物の安全性の向上に関する施策を実施する上で必要とな

る基礎資料を得るため、生産段階における農作物への農薬の使用実態調査を行い、不適正

な使用事例については関係機関と連携を図りながら、使用者に対して是正するよう指導を

行っています。 また、農薬を使用する機会が多い6月から8月にかけて「農薬危害防止運動」を実施し、

生産者に対しては、①ラベルに記載されている使用方法の確認、②農薬使用時の事故防止、

③農薬の適切な保管、販売店に対しては無登録農薬の疑いがある資材を販売しない、など

について、周知を行っています。 (飼料の安全確保に向けた取組)

食品流通改善点検指導事業の一環として、畜産物及び水産物の安全性を確保するため、

道内の乳用牛及び肉用牛の生産者段階における飼料の使用状況や養殖されているサケ科魚

類(やまめ、ぎんざけ)を対象に水産用医薬品及び養殖水産動物飼料の使用や保管状況に

ついて調査を行っています。 また、ペットの健康保護を目的として平成 21(2009)年6月から施行された「愛がん動

物用飼料の安全性の確保に関する法律」(ペットフード安全法)に基づき、ペットフード

の製造業者等から提出された届出書の受付業務のほか、卸売業者を対象に立入検査を実施

し、設定された成分規格や製造方法、表示基準に適合していることの確認をしています。

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