(1)食品等の取り扱に関するマニュアル -...

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食品取扱に関するマニュアル作成のポイント ○製造の各工程で担当者(責任者)を明記する。 ○各工程で作業方法や注意点を定める。 ○重要な工程については,個別にマニュアルを作成する。 ○事故や苦情時の原因把握のため,製造日報等の記録を保存する。 原材料受入マニュアル 仕入れ時に食品の品温,鮮度,異物,期限表示等を確認し,記録する。 原材料受入マニュアル(例) 責任者 担当者 分類 搬入場所 食品一般 青果物 原料冷蔵庫1 原料冷蔵庫2 右下段 原料冷凍庫 左下段 魚介類 (生食用) 原料冷蔵庫2 左下段 加工品 (冷凍) 原料冷凍庫 右上段 加工品 (冷蔵) 原料冷蔵庫3 左上段 加工品 (常温) 原料保管庫 容器包装 資材室 温度基準:なし 点検内容 温度基準:-15℃(冷凍品)以下 温度基準:4℃以下 作成年月日: 以下の項目を確認し,記録簿に記載する。 作業は前室で行い,納入業者を製造室に入れない。 ①発注伝票,納品伝票と見比べながら納入量を確認する。 ②冷蔵品,冷凍品は表面温度計で表面温度を測る。 ③包装等の破損,鮮度や品質の異常がないか確認する。 ④表示が適切か,期限切れがないか確認する。 ⑤いずれも問題がないことを確認し,保管庫へ搬送する。 <異常がある場合> ①表面温度が基準温度を超過した場合 ②包装等の破損,鮮度,品質の異常がある場合 ③期限切れの場合 異常がある食品は他の原材料と区別し,直ちに責任者に連絡する。 温度基準:4℃(冷蔵品)以下 食肉 温度基準:なし(常温保存) 温度基準:-15℃以下 温度基準:10℃以下 ①包装状態や品質に異常がないか。 異常があれば包装単位で返品する。 ②発注量と違いはないか。 ③伝票に納入業者,数量等を記入し,保存する。 - 13 -

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Page 1: (1)食品等の取り扱に関するマニュアル - Niigata...(1)食品等の取り扱に関するマニュアル 食品取扱に関するマニュアル作成のポイント

((11))食食品品等等のの取取りり扱扱にに関関すするるママニニュュアアルル

食品取扱に関するマニュアル作成のポイント

○製造の各工程で担当者(責任者)を明記する。

○各工程で作業方法や注意点を定める。

○重要な工程については,個別にマニュアルを作成する。

○事故や苦情時の原因把握のため,製造日報等の記録を保存する。

原材料受入マニュアル

仕入れ時に食品の品温,鮮度,異物,期限表示等を確認し,記録する。

原材料受入マニュアル(例)

責任者

担当者

分類 搬入場所

食品一般

青果物 原料冷蔵庫1

原料冷蔵庫2右下段

原料冷凍庫左下段

魚介類(生食用)

原料冷蔵庫2左下段

加工品(冷凍)

原料冷凍庫右上段

加工品(冷蔵)

原料冷蔵庫3左上段

加工品(常温)

原料保管庫

容器包装 資材室

温度基準:なし

点検内容

温度基準:-15℃(冷凍品)以下

温度基準:4℃以下

作成年月日:    年   月   日

以下の項目を確認し,記録簿に記載する。作業は前室で行い,納入業者を製造室に入れない。①発注伝票,納品伝票と見比べながら納入量を確認する。②冷蔵品,冷凍品は表面温度計で表面温度を測る。③包装等の破損,鮮度や品質の異常がないか確認する。④表示が適切か,期限切れがないか確認する。⑤いずれも問題がないことを確認し,保管庫へ搬送する。

<異常がある場合>①表面温度が基準温度を超過した場合②包装等の破損,鮮度,品質の異常がある場合③期限切れの場合

異常がある食品は他の原材料と区別し,直ちに責任者に連絡する。

温度基準:4℃(冷蔵品)以下

食肉

温度基準:なし(常温保存)

温度基準:-15℃以下

温度基準:10℃以下

①包装状態や品質に異常がないか。    ※ 異常があれば包装単位で返品する。②発注量と違いはないか。③伝票に納入業者,数量等を記入し,保存する。

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Page 2: (1)食品等の取り扱に関するマニュアル - Niigata...(1)食品等の取り扱に関するマニュアル 食品取扱に関するマニュアル作成のポイント

入荷

日納

入業

者原

材料

名製

造者

期限

ロッ

ト数

量品

質鮮

度異

物品

温対

応検

収者

原材

料入

荷記

  

  

 年

  

  

月 

  

  

担当

者責

任者

課長

- 14 -

Page 3: (1)食品等の取り扱に関するマニュアル - Niigata...(1)食品等の取り扱に関するマニュアル 食品取扱に関するマニュアル作成のポイント

原材料保管マニュアル

保管庫への搬入時には原材料の種類ごとに定められた保存する時のルール,保存場所,

保存温度(始業前,終業時の温度確認も)に従って搬入し,保存期間を過ぎたものは使用

しない。

原材料保管マニュアル(例)

責任者

担当者

温度 保存期間

15℃以下 入荷後3日

4℃以下消費期限

-1日

-15℃以下賞味期限

-7日

4℃以下 入荷後2日

-15℃以下賞味期限

-7日

10℃以下賞味期限

-3日

常温賞味期限

-3日

原料冷蔵庫2 右下段

加工品(常温),調味料等 原料保管庫

加工品(冷凍) 原料冷凍庫 右上段

加工品(冷蔵) 原料冷蔵庫3 左上段

食品 保存場所

食肉(冷凍) 原料冷凍庫 左下段

魚介類(生食) 原料冷蔵庫2 左下段

青果物原料冷蔵庫1 葉物:右上段  根菜:右下段 果物:左上段

食肉(冷蔵)

①未包装の食品はバットに移し,上にシートをかぶせる。②食品の見やすい所に入荷日,賞味(消費)期限,保存期間を記載する。③保管庫内は食品ごとに区画し,先入れ先だしを徹底する。 期限の近いものから手前になるように保管する。④入庫量,出庫量を記録簿に記載する。⑤保存期間の過ぎた原材料は使用しない。⑥1日3回(始業前,休憩後,就業時)に冷蔵庫,冷凍庫の温度を確認し,記録簿に記載する。

<異常がある場合>①保存期間の過ぎた原料は処分する。②保管庫内の温度に異常が発生した場合,責任者の指示を仰ぎ,対応を記録簿に記載する。 ・廃棄する。 ・他の冷蔵庫,冷凍庫で再冷却する。

保管時のルール

作成年月日:    年   月   日

- 15 -

Page 4: (1)食品等の取り扱に関するマニュアル - Niigata...(1)食品等の取り扱に関するマニュアル 食品取扱に関するマニュアル作成のポイント

課長 責任者 担当者

(     年  月)

時間 温度 確認者 時間 温度 確認者 時間 温度 確認者

1(月)

2(火)

3(水)

4(木)

5(金)

6(土)

7(日)

8(月)

9(火)

10(水)

11(木)

12(金)

13(土)

14(日)

15(月)

16(火)

17(水)

18(木)

19(金)

20(土)

21(日)

22(月)

23(火)

24(水)

25(木)

26(金)

27(土)

28(日)

29(月)

30(火)

31(水)

冷蔵庫・冷凍庫の温度管理記録

点検日①作業前 ②休憩後 ③終業時

担当者

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Page 5: (1)食品等の取り扱に関するマニュアル - Niigata...(1)食品等の取り扱に関するマニュアル 食品取扱に関するマニュアル作成のポイント

製造マニュアル

製造工程における具体的な作業手順を守る。注意事項等には特に注意し,作業にあたる。

製造マニュアル(例)

A B C小麦粉 1300g マーガリン 500g 牛乳 600ml

膨脹剤 50g 砂糖 500g

①ふるいにかける 卵 10個

【充分にかけること】 ①マーガリンをクリーム状にまで練る。

②砂糖を加え白くなるまで混ぜる。

③溶き卵を数回に分けて混ぜる。↓

混合↓

型入れ

焼成

放冷

包装

検品

ラベル貼

保管・出荷

計量

製品名

責任者

マフィン

①脱酸素剤を袋に入れる。②マフィンが冷えたことを確認し,袋に入れる。③異物等,外観を確認し,シーラーで密封する。【不良品は廃棄する】

①テストピース(Fe,Sus)を通し,金属検出器の動作を確認する。②金属検出器に商品を通し,時間,数量,異常等を記載する。【金属検出器で除外された場合】・検出器横のボックスに保管し,責任者に連絡する。・責任者は除外された商品について,3回金属検出器に通し直す。  1度もはじかれない場合は異常なしと判断する。  1度でも除外されれば,商品とせず,原因を究明する。③異物の有無,脱酸素剤の有無,包装不良を目視する。【不良品は包装から取り出し,再包装する】

①事前に表示ラベルを製造日報に貼り,表示を確認する。②商品に表示を貼付する。【貼付不良の商品は,横のボックスに保管し,表示を確認した後,貼り直す】

①製造ロット単位でケースに入れて保管する。②ケースの表面に製造日,賞味期限を記載する。

①BにA,Cを数回に分けて交互に入れて混ぜる。

①型に薄紙を敷く。②型に混合物を流し込む。

①オーブンを180℃に余熱する。②180℃になっていることを確認し,型をオーブンに入れる。③タイマーで25分セットする。④タイマー音を確認後,オーブンから取り出す。【加熱が不十分の場合,処分する】

①型から外す。②放冷ラックに入れ,扇風機を回して20分放冷する。【ラック中央のマフィンが室温程度に冷えたことを確認する】

特に重要な作業

- 17 -

Page 6: (1)食品等の取り扱に関するマニュアル - Niigata...(1)食品等の取り扱に関するマニュアル 食品取扱に関するマニュアル作成のポイント

課長

責任

者担

当者

計量

混合

型入

れ放

冷包

装検

品ラ

ベル

貼り

完成

・保

開始

終了

原材

料名

期限

使用

量放

冷時

間不

良品

不良

品賞

味期

限製

造量

小麦

粉分

個個

膨張

剤室

温不

良品

マーガリ

ン℃

砂糖

卵出

荷日

牛乳

  

  

  

 年

  

  

 月

  

  

 日

( 

  

  

賞味

期限

製 

 造

  

日 

 報

内容

製品

名マ

フィ

ンロ

ット

開始

時( 

  

  

 )℃

終了

時( 

  

  

 )℃

焼成

時間

( 

  

  

)分

焼成

個数

( 

  

  

)個

原料

出庫

時間 担

当者

焼成

オー

ブン

温度

表示

シー

ル添

付欄

規格

・容

備考

工程

- 18 -

Page 7: (1)食品等の取り扱に関するマニュアル - Niigata...(1)食品等の取り扱に関するマニュアル 食品取扱に関するマニュアル作成のポイント

課長

責任

者担

当者

( 

  

  

年 

 月

時間

温度

時間

温度

時間

温度

時間

温度

開始

加熱

(冷

却)記

終了

開始

終了

作業

日製

品名

加熱

冷却

担当

者責

任者

- 19 -

Page 8: (1)食品等の取り扱に関するマニュアル - Niigata...(1)食品等の取り扱に関するマニュアル 食品取扱に関するマニュアル作成のポイント

課長

責任

者担

当者

製造

日ロ

ット

製造

量計

量日

添加

物名

ロッ

ト使

用基

準基

準量

計量

食品

添加

物の

使用

記録

製品

製品

食品

添加

物担

当者

責任

者( 

月 

日)

- 20 -

Page 9: (1)食品等の取り扱に関するマニュアル - Niigata...(1)食品等の取り扱に関するマニュアル 食品取扱に関するマニュアル作成のポイント

課長

責任

者担

当者

( 

  

  

年 

 月

時間

Fe (

1.0

φ)

Sus

(1.5

φ)

時間

Fe (

1.0

φ)

Sus

(1.5

φ)

金属

検出

器の

記録

作業

日製

品動

作確

認備

考担

当者

責任

者( 

月 

日)

開始

時終

了時

- 21 -

Page 10: (1)食品等の取り扱に関するマニュアル - Niigata...(1)食品等の取り扱に関するマニュアル 食品取扱に関するマニュアル作成のポイント

課長

責任

者担

当者

外観

異物

印字

期限

表示

責任

者( 

月 

日)

実施

者( 

  

  

年 

 月

検品

・表

示点

検記

実施

日製

品名

ロッ

ト確

認事

項対

- 22 -

Page 11: (1)食品等の取り扱に関するマニュアル - Niigata...(1)食品等の取り扱に関するマニュアル 食品取扱に関するマニュアル作成のポイント

課長

責任

者担

当者

( 

  

  

年 

 月

出荷

日出

荷先

期限

ロッ

ト数

量備

考担

当者

責任

出荷

記録

製品

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Page 12: (1)食品等の取り扱に関するマニュアル - Niigata...(1)食品等の取り扱に関するマニュアル 食品取扱に関するマニュアル作成のポイント

使用水の管理マニュアル

製造にはどんな「水」を使用しているか把握していますか? 井戸水や貯水槽の汚染を

原因とする食中毒が発生することもあるので,製造に使用する水の汚染を防止することは

非常に重要です。

この場合の「製造」には漬物の脱塩や大豆の洗浄・浸漬,食品が直接触れる器具の洗浄

も含まれます。

水道水以外の水や貯水槽を使用する場合には,年1回以上水質検査を実施し,もし水質

基準に適合しない場合は直ちに使用を中止するほか,下に定める事項を守らなければなり

ません。

○水道水以外の水(井戸水等)

・常に汚染防止の措置を行い,殺菌装置の作動及び薬剤等の使用量を確認する。

○貯水槽

・定期的に清掃・点検し,清潔に保つ。

その他,水道水を使用する場合であっても,色や臭いなどの状態を確認するようにしま

しょう。

使用水の管理に関するマニュアル作成のポイント

○使用する水の種類(水道水・井戸水・貯水槽など)によって点検項目を定める。

○点検項目によって,点検頻度を定める。

○異常時の対応について定める。

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Page 13: (1)食品等の取り扱に関するマニュアル - Niigata...(1)食品等の取り扱に関するマニュアル 食品取扱に関するマニュアル作成のポイント

使用水の管理マニュアル(例)

実施時期

責任者

担当者

項目

日常点検

実施時期

責任者

担当者

項目

滅菌装置

貯水槽

実施時期

責任者

担当者

項目

水質検査

貯水槽

異常時は直ちに使用を中止し,責任者に報告する。

①貯水槽,蓋,配管にひび割れや破損がないか②貯水槽の通気管の防虫網に破損がないか③貯水槽内に汚れ,異物がないか④貯水槽周辺に汚水の漏れがないか

手順・方法等

場所:煮釜横の給水口(地下水)

①登録検査機関△(電話:987-6543)に連絡し,採水を依頼する。②検査項目は一般細菌,大腸菌群,理化学12項目とする。③検査結果はファイルに保存する。④異常時は直ちに使用を中止し,保健所に報告する。

①清掃業者◆(電話:555-3333)に清掃を依頼する。②貯水槽内部の点検,清掃,水質検査の結果について,異常がないことを確認し,保存する。

手順・方法等

場所:煮釜横の給水口(地下水)

①透明なコップに水を汲み,目視で色,濁りを点検する。②飲んで味,臭いの異常を確認する。③残留塩素濃度を測定する。④異常時は,直ちに使用を中止し,責任者に報告する。

手順・方法等

異常時は直ちに使用を中止し,責任者に報告する。

①水を流しながら,ポンプが正常に作動するか確認する。②殺菌剤のタンクに汚れがないか点検する。③殺菌剤の残量が設定量より多いことを確認する。④殺菌剤を保管場所から運び,補充する。

年1回(6月)

月1回(第2土曜)

毎日,作業開始前

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課長 責任者 担当者

(     年  月)

実施日 点検者点検時間

色 濁り 臭い 味残留塩素(ppm)

殺菌装置

貯水槽 担当者 備考

1(月)

2(火)

3(水)

4(木)

5(金)

6(土)

7(日)

8(月)

9(火)

10(水)

11(木)

12(金)

13(土)

14(日)

15(月)

16(火)

17(水)

18(木)

19(金)

20(土)

21(日)

22(月)

23(火)

24(水)

25(木)

26(金)

27(土)

28(日)

29(月)

30(火)

31(水)

使用水管理記録

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