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第3学年3組 技術・家庭科(家庭分野)学習指導案 指導者 加賀恵子 学習のくくり「育てられている時代に育つことを学ぶ-発達する幼児・発達する自分」(15時間) 3年間の「学習のくくり」の構想図

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第3学年3組 技術・家庭科(家庭分野)学習指導案

指導者 加賀恵子

1 学習のくくり「育てられている時代に育つことを学ぶ-発達する幼児・発達する自分」(15時間)

2 3年間の「学習のくくり」の構想図

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3 学習構想 (1)学習のくくり「育てられている時代に育つことを学ぶ-発達する幼児・発達する自分」について 家庭科は,子どもたちが人間の誕生から死までを見通し,自分はどう生きていくのかを過去から現

在,未来までを展望して考えることができる教科である。その際には,自分自身の自立はもちろんのこと,他の人との関係をどのように築いていくのかという共生の視点が重要となる。しかし,産業構造の変化により家族の形態は多様化し,少子化が進行している。人と人とのかかわり方や家庭生活や地域のあり方も変化しており,その特徴として人間関係の希薄さが指摘されている。中学生を取り巻く人的環境も,限られた場所で限られた世代の人々とのかかわりになりがちで,幼児はもちろんのこと,

保護者や祖父母以外の異世代に接することは稀である。 そこで,本学習のくくりでは,「発達してきた自分,今の自分,そしてこれからも発達していく自分」

を縦軸に,「幼児や家族・地域の人々という異世代とのかかわり」を横軸にとり,育てられている時代にある中学生が,育つことを学ぶ場とした。言い換えれば,異世代である幼児の発達の学習を介して,発達過程の中にある自分を対象化してみることで,他者とのかかわりの中で発達してきた自分に自信をもつことができる自己肯定感を育むとともに,「これからの自分や異世代を育て,かかわる力を養う

こと」をねらいとした。この学びにおいては,生涯にわたって平等で対等な関係を築く人権の視点を欠くことはできない。家族の個別化,児童福祉や高齢者福祉,ジェンダー,ノーマライゼーション,南北問題などの現代社会の問題を切り口として,自分の生活や自分と他者との関係性や社会のあり方を見つめ,とらえなおす学習としたい。これらのことが,将来,自分がどのようによりよく豊かに生きていくのかを考える出発点となればと考えた。本学習のくくり終了時には,次のような生徒の姿を期待している。

そのために,本題材を以下のように構想した。 ガイダンスにおいて,絵本を見たり,人の一生の区分(ライフステージ)図を完成させたりしなが

ら,幼児期と青年期の人生における位置と特徴をつかませるとともに,人は生涯発達していくものであることに気づかせる。また,今後の学習への見通しをもたせることで,これからの学びへの期待感

や必要感を高めさせる。 つかむ学習では,発達してきた自分を振り返るユニットとこれから発達していく自分を展望するユ

ニットにより構成した。 まず,今まで自分が育んできた幼児観をイメージマップによって認識させたのち,1人の幼児に中

学生のペアという組み合わせで 2回の保育園訪問を行う。1回目の保育園訪問では,幼児とよりよいかかわり方をしようと工夫する中で,自分の抱いていた幼児観と実際の幼児の姿との共通性や違いに

気づかせ,幼児の心身の発達や生活の特徴,遊びの意義について考えさせたい。また,ペアの中学生と幼児とのかかわりを,その言葉かけや表情などに注目して観察記録に記すことで,個性豊かな幼児と適切にかかわるための話しかけ方や接し方がわかり,2回目の訪問時に工夫して実践することにつなげさせたい。最終的に幼児という異世代とのかかわりの中で,発達してきた自分に気づかせたい。 次に,身近な生活の課題と地域や社会の課題のつながりについての生徒の認識を深めさせながら,

浜松市の子どもや子育てを取り巻く現状と課題,改善策について,友達や子育て情報センターや浜松

市次世代育成課の職員とともに考えることで,よりよい豊かな社会づくりにかかわるための能力(シティズンシップ)を育みたい。さらに,子どもの育ちを支える社会のつながりと自分の位置を認識させたのち,ミニ追究としてチャイルドビジョンを使って幼児の視線で地域を見つめることを通して幼児が安全に育つことのできる環境を考えさせ,浜松市への提言へとつなげたい。このことにより,子どもから大人への移行期にある中学生にも,よりよい豊かな社会の実現に貢献できることがあることを実感させたいと考える。

追究する学習では,子育て支援NPO,男女共同参画NPO,助産師,乳児とその保護者など,多様な他者や価値観と出会わせる場の設定を行い,自分の今までの育ちや生活,他者との関係や社会のあり方を見つめさせる場の設定を行う。自分が将来どのようによりよく豊かに生きていくのかのテーマに迫らせたい。 つなげる学習においては,今まで身につけてきた知識や認識をもとに,よりよい豊かな生き方を追

究して得られた新たな視点から,幼児が育つ環境としての家族・地域・社会に関する現代的な課題に

ついて,ディベートを行う。自分の学びに自信をもつとともに,他者の学びから新たな見方や考え方を引き出し,他者とともによりよい豊かな生き方について考えようとする姿に期待している。

幼児の発達や自分の発達と家族とのかかわりに関心をもち,自分や家族や社会のあり方を見 つめ,よりよい豊かな生き方について考えようとする生徒

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(2)学習の構想表 は集団で行う一連の活動,☆は「学びひたる」場面

学習内容 言語事項 生活主体としてのものの見方や考え方,技能および知識・理解 実践的態度

ガイダンス(

1)

○自己目標の設定

人の一生の区分(ライフステージ)図を完成さ

せたり,絵本「Love you forever」の読み聞か

せを聞いたりすることで,人は生涯発達してい

くものであることに気づき,これからの学びの

自己目標を設定する。

人間発達 ライフステージ 胎児期・乳児期・ 幼児期・児童期・ 青年期・壮年期・

高齢期

・人の一生を見通しながら,ライフステージの特徴を表にまとめ

ることができる。 ・人の一生を見通す中で,幼児期と青年期(中学生)の位置をつかむことができる。

幼児とのかかわりと発達(6)

○今まで育んできた幼児観をイメージマップに

まとめたのち,保育園訪問で一緒に幼児とかか

わるペアの育んできた幼児観を確認する。

○保育園訪問の流れを,昨年度の先輩たちのかか

わりの様子を写した写真をもとに確認する。

幼児観

・自分なりの幼児に対するイメージをマップに記入することで,

今まで育んできた幼児観を認識する。さらに,ペアの中学生の

幼児観を確認することで,幼児に対するさまざまな見方や考え

方があることを説明することができる。

・次回の保育園訪問における自分なりの課題をもつことができる

・生活の自立に必要な

基礎的知識と取り

組もうとする。

・自分の生活や社会を

様々な視点から見

直し,これからの生

活をより豊かにし

ていこうとする。

・自己と社会とのつな

がりを考えること

を通して,自分の生

活や社会をより豊

かにしようと,工夫

して考えたり行動

したりしていこう

とする。

○1回目の保育園訪問で,幼児とよりよいかかわ

り方をしようと工夫するとともに,ペアと幼児

とのかかわりを観察記録に記す。

・幼児の言動や表情に注目しながら,よりよいかかわり方をしよ

うと工夫することができる。

・ペアの中学生と幼児とのかかわりをその言葉かけや表情に注目

して観察記録に記すことで,幼児と適切にかかわるための話し

かけ方や接し方に気づき,説明することができる。

☆幼児とかかわったことでペアが獲得した幼児

に対するそれぞれの見方や考え方をすり合わ

せて,新たな幼児観を紡ぎだす。

身体の発育 運動機能 ことば 喃語・1語文・2 語文 基本的生活習慣 社会的生活習慣 情緒,社会性 自我,自己主張 第一次反抗期 遊びのもつ意義 人とかかわる力

社会的生活習慣

・保育園訪問により,新たな幼児観を紡ぎだすことができる。

○実際にかかわった幼児の姿について交流する

ことで,幼児の心身の発達や生活の特徴につい

て考える。

・幼児の心身の発達や生活の特徴を説明することができる。

○2回目の保育園訪問で,幼児を発達の主体とと

らえて共感的にかかわる。

・幼児の心身の発達の特徴を確認しながら,幼児と肯定的に共感

的にかかわることができる。

○2回の保育園訪問でのかかわりをもとに,幼児

の遊びを発達の視点から見つめることで,幼児

にとっての遊びの意義を考える。

・幼児にとっての遊びの意義について説明することができる。

○幼児とのかかわりや発達の特徴などを振り返

りながら,発達してきた自分を対象化して見る

・幼児の発達の特徴をまとめながら,発達してきた自分を対象化

して見ることができる。

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(11)

幼児が育つ環境としての家庭や家族関係をとりまくもの(5)

○「幼児が育つよい環境」を絵に表したり,江戸・

明治・昭和時代の家族形態やシンガポール・台

湾・USAなどの家族形態の資料にふれたりする

ことで,自分の子ども観や家族観を見つめる。

子ども観

家族観

・自分なりの「幼児が育つよい環境」に対するイメージをマップ

に記入することで,今まで育んできた子ども観や家族観を認識

することができる。さらに,「幼児が育つよい環境」に対するさ

まざまな見方や考え方があることを説明することができる。

☆浜松市の子どもや子育てを取り巻く現状と課

題について,子育て情報センターや浜松市次世

代育成課の方とともに考える。(本時4/5)

家庭や家族の基

本的な機能

家庭生活と地域

とのかかわり

・自分の成長や生活が,家族や地域の人々に支えられてきたこと

に気づき,説明することができる。

・これまでの学びの知識や理解をもとに,これからの生活を展望

して,家庭生活や幼児の生活をよりよくするための改善の方法

や豊かにするための工夫を考え,説明することができる。

○チャイルドビジョンを利用して,幼児の視線で

家庭や地域を見つめ,幼児が安全に育つことの

できる環境を考え,浜松市への提言をレポート

にまとめる。

社会的生活習慣 ・幼児の心身の発達の特徴や災害や事故への備えなどを考えなが

ら,幼児の視線で家庭や地域を見つめることができる。

・幼児をとりまく環境としての自分を認識し,幼児が安全で快適

に育つことのできる環境づくりについて気づいたことを,社会

に発信することができる。

○共通テーマ「幼児の発達や自分の発達を,家族や社会のつながりから見直して課題を発見し,よりよい豊かな生き方を考えよう。」をもとに,これまでの学習

を振り返って追究する学習での個人テーマを設定する。

《個人テーマの設定で期待される生徒の姿》

・幼児の発達や自分の発達を,家族や社会のつながりから見直して,自分なりのこだわりをもった個人テーマを設定しようとしている。

【個人テーマの例】

・個別化する家族の中で進行する人間関係の希薄化が,子どもの発達に及ぼす影響を探り,子どもと家族が大切にされる社会のあり方を考えよう

・自分らしい生き方,人間らしい生活が大切にされる社会づくり-子どもの権利条約と女子差別撤廃条約から考えよう

・少子高齢化社会の抱える課題を,個人・家族の発達と社会福祉という視点で見つめよう など

追究する学習

(2)

《追究活動で期待される生徒の姿》

・協同学習者という視点から,互いの追究課題を把握し,自分の課題に関係する情報はもちろん,友達の課題に関係する情報についても交換し合い,追究の内

容や方向性についてのアドバイスを積極的に行っている。

・資料(書籍・新聞・ITなど)や,子育て支援NPO,男女共同参画NPO,助産師,乳児とその保護者の方などとかかわりをもちながら,追究に必要な情

報を収集している。 など

つなげる学習

(1)

《交流活動・振り返りの記述・振り返りの記述の交流で期待される生徒の姿》

・個人や家族の発達と福祉に関する現代的な課題について追究する中で,立場を変え,見方を変えて,よりよい豊かな生き方を追究して得られた新たな視点か

ら,ディベートで発言している。

・追究の中から得られた新たな課題を,自分の生活の中で改善していけること,社会全体が取り組まなければならないことに分けて認識している。

・自分の見方や考え方を認められて,自分の学びに自信をもつと同時に,他者の学びから新たな見方や考え方を引き出し,伝えている。 など

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4 本時の学習について

(1)学習目標の明確化

学習指導要領では「家庭と家族関係に関する学習」のねらいを,「家庭や家族の基本的な機能や家庭

生活と地域とのかかわりを理解するとともに,これからの自分と家族について考えることを通して,家

族関係をよりよくする方法を具体的に考えることができるようにする」こととしている。そこで,本題

材では,家庭と家族関係に関する学習を5時間扱いのユニットとし,個人や家族の生活の営みにかかわ

る生活認識や実践力を育み,これをベースに,他者と協力してよりよい社会を創りあげようとする意欲

と能力をもった生活者となりうる生徒の育成をめざして授業を展開する。

目標分析によって導き出されたユニットの学習目標は,以下に示す通りである。

①(A2:生活の科学的認識)の基礎となる用語を理解することができる。

②家庭や家族の基本的な機能の理解,家族の立場や役割の理解,家庭生活と地域とのかかわりの理解

③家族関係をよりよくするための方法について考え,説明することができる。自分の成長や家庭生活

が地域に支えられ,相互に関連して成り立っていることを説明できる。

④自分の成長や家族・家庭,幼児の発達と生活についての知識や理解をもとに,これからの生活を展

望して,家庭生活や幼児の生活をよりよくするための改善の方法や豊かにするための工夫を考え,

説明することができる。(本時)

⑤人の発達や家族,家庭生活に関心をもち,家庭生活や幼児の生活をさらによりよくするために実践

した結果を,他者や環境,持続可能な社会の構築などとの関係から評価・改善することができる。

本時に至るまでに,生徒に「子どもが育つよい環境」についてさまざまな視点から考えさせるため,

以下のような学習を積み上げさせてきた。

まず,生徒には祖父母と父母への子育てインタビューを夏休みの課題とした。祖父母が幼児期の父母

を,父母が幼児期の自分を育てていた時代の社会状況を把握したのちに,子育て期を振り返ってのイン

タビューを行うようにさせた。このことにより「子どもが育つ環境」について考えることを生徒の身近

に引き寄せるとともに,①②の力をつけさせながら家族が社会的な存在であることを実感させた。

次に,江戸・明治・昭和時代の家族やシンガポール・台湾・アメリカなどの家族の資料にふれさせたり,

デンマークの子育て支援についてのVTRを試聴させたりすることで,多様な家族と出会わせた。この

ことにより,②の認識を深めさせた。

さらに,子どもが育つ環境やこれをとりまく現状の問題や課題を認識させるためには,②の理解を促

しながら生涯にわたって平等で対等な関係を築く人権の視点をもたせることは欠かせないと考え,子ど

もの権利条約,男女雇用機会均等法や男女共同参画社会基本法,ワーク・ライフ・バランスなどの基本

的な事項を概説した。その後,興味関心に応じて子育てにかかわる新聞記事を選択して要約させ,その

課題を把握させた。その際,家族の個別化,児童福祉や高齢者福祉,ジェンダーなどの現代社会の問題

を俯瞰させるようにした。今までに身につけてきた①②の力を発揮して,それらの課題の解決策につい

て考えることで,③の力を身につけさせることをねらった。

最後に,浜松市在住という設定で,子育て中の夫婦の仮想モデルが抱える問題を提示した。生徒は,

今までの学びの中で身につけてきた①②③の力をもとに「子どもが育つ良い環境」に対する価値観が芽

生えている。この価値観の同じ者同士でグループをつくらせ,仮想モデルが抱える課題の背景にあるも

のと,これを解決するために必要な事柄を対比しながら,グループとしての主張をレポートにまとめさ

せた。その際,生徒には,浜松市が「子どもが育つよい環境」になるための社会づくりに貢献するため

に,子育て情報センターや浜松市次世代育成課の職員に,夫婦が抱える課題の改善や解決の方法を説明

しなければならないという切実感をもたせた。

本時は,子育て情報センターや浜松市次世代育成課の職員とともに,自分たちが考えた課題の改善策

をよりよいものにしようと工夫して考える場面である。子育ての行政に関わる職員や社会的サポートに

携わる職員とともによりよい改善策を考えるためには,仮想モデルが抱える課題を,家族や社会の状況,

家族関係などを批判的に認識して分析すること,自分たちの提案に対する友達や職員の意見をヒヤリン

グすること,他者の提案や意見を参考にしながらよりよいものにするために工夫して考えることなどが

必要とされる。このような学習活動を通して,上記④の目標に迫っていきたいと考える。

このユニットの学習を通して,育てられている時代にある中学生自身も幼児をとりまく環境であるこ

とを生徒に認識させ,生活実践の課題である幼児が安全で快適に育つことのできる環境づくりに貢献す

ることにつなげていきたい。

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(2)本時の目標

・自分の成長や家族・家庭,幼児の発達と生活についての知識や理解をもとに,これからの生活を展

望して,家庭生活や幼児の生活をよりよくするための改善の方法や豊かにするための工夫を考え,

説明することができる。 (工夫・創造)

(3)学習過程

ゴシックは,マルチ能力の視点からの支援

●生 徒 の 活 動 ※期待する生徒の表れ ○支援 ・評価

●浜松市在住の仮想モデルの夫婦が抱える問題とそれぞれのグループが重きを置く価値について

確認する。 ●学習課題を確認する。

●グループごとに改善策を発表する。 ●他のグループの発表を批判的に聴き,新たに気づいた視点や自分たちのグループに取り入れたい点についてメモをする。

●他のグループの改善策について,疑問に感じた点について質問をする。

●グループごとに,自分たちの改善策をよりよいものにするために話し合う。

●話し合いの中で新たに発見したことや感想をワークシートに記入する。

●新たな発見や感じたことの発表を聴く。

●本時の学習の振り返りを,学習計画表の「気づきのメモ欄」に記入をする。

○それぞれのグループが「子どもが育つよい環境」の何に価値を置いているのかを確認し,共有化

を図る。

○子育て支援センターや浜松市次世代育成課の職員を紹介する。

○他のグループの発表を聴きながら,新たに気づいた視点や疑問に感じた点は,色ペンを使用して資料に書き込むよう指示する。 (視覚)

○反対意見や批判的な意見ではなく,理解が不十分な点についての意味の確認にとどめさせる。

○話し合いには子育て支援センターや市役所の職員も同席し,必要に応じてアドバイスをいただくようにする。

○人権や家族の多様性などの理解が不十分な生徒やグループには,今までのワークシートや資料などを見返すよう促す。 (内省)

○自分たちの提案をうまくまとめられないグループには,自分たちの改善策と他のグループの改善策の共通点や相違点を比べてみたり,他のグ

ループの提案を取り入れたりするよう助言する。 (論理,対人)

○子育て中の夫婦の視点に偏って話し合いが行われているグループには,自分たちが幼児だった頃のことを思い出してみるよう促す。 (内省)

○子どもが育つ環境のつながりを整理して図など

に表し構造化してみるよう促す。(視覚,博物) ○自分や家族をとりまく課題は,一見関係性がないようでも,複雑に絡み合っている。育てられている時代にある中学生自身も幼児をとりまく環境であることを認識させたうえで,次時は「幼児の発達や自分の発達を,家族や社会のつながりから見直して,課題を発見しよりよい豊かな生き方を考えよう。」の共通テーマに向けた追究に取り組むことを伝える。

・本時の目標に対して,※印のような生徒の表れが見られたか。

浜松市が「子どもが育つよい環境」になるために考えた改善策を,今までの経験を振り返ったり

他のグループの提案から得られた新たな視点を取り入れたりしながらよりよいものにしよう。

(論理,対人,内省,博物)

※家族への子育てインタビューや家族の多様

性,人権など,今までのワークシートを見返

しながら,説明している。 (内省)

※自分たちの改善策と他のグループの改善策

を比較してその違いをまとめたり,提案や意

見を取り入れたりしながら,説明している。

(論理,対人)

※自分が幼児だった頃に感じたことを振り返

ながら,子どもの視点で改善策を説明してい

る。 (内省)

※子どもや夫婦をとりまく環境を図にまとめ

ながら説明している。 (視覚,博物)