実習1: mega6...

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実習1: MEGA6 のダウンロードとインストール MEGA Web サイトは http://www.megasoftware.net/(下図)。正式には、左側の[Windows]ボタンをクリックし、名 前とメールアドレスを入力して[Submit Request]をクリックすると、ダウンロード用のアドレスがメールで送られる。 実習2: 配列データのダウンロードとアライメント 例題データ (data)Actin gene coding region 1.配列データのダウンロード (1) MEGA のメインメニュー[Alignment] – [Query Databanks] を選択する。

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Page 1: 実習1: MEGA6 のダウンロードとインストールcse.naro.affrc.go.jp/minaka/cladist/KoichiroTamura...(5) [Input Sequence Label] ダイアログボックス(右図)が表示されるので、以下のように選択する。

実習1: MEGA6 のダウンロードとインストール

MEGAのWebサイトは http://www.megasoftware.net/(下図)。正式には、左側の[Windows]ボタンをクリックし、名

前とメールアドレスを入力して[Submit Request]をクリックすると、ダウンロード用のアドレスがメールで送られる。

実習2: 配列データのダウンロードとアライメント 例題データ (data): Actin gene coding region 1.配列データのダウンロード

(1) MEGA のメインメニュー[Alignment] – [Query Databanks] を選択する。

Page 2: 実習1: MEGA6 のダウンロードとインストールcse.naro.affrc.go.jp/minaka/cladist/KoichiroTamura...(5) [Input Sequence Label] ダイアログボックス(右図)が表示されるので、以下のように選択する。

(2) Accession number を入力し、[Search] ボタンをクリックする。

(3) 遺伝子全長(1374bp)の配列データが表示される。「CDS」のリンクをクリックすると(①)、CDS の部分だけマークさ

れる(②)。右下の「GenBank」をクリックすれば、タンパク質コード領域(1134bp)の配列だけが表示される(③)。ス

クロールして配列データを確認する。

※CDS (coding sequence)をクリックしないと、イントロンを含むものと含まないものが混在し、アライメントに支障が出る

ので注意する。

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(4) [Add to Alignment] ボタンをクリックする。

(5) [Input Sequence Label] ダイアログボックス(右図)が表示されるので、以下のように選択する。

1.「First word」は種名である「Homo sapiens」を選択する。

2. 「Second word」は遺伝子名である「ACTA1」を選択する。

3. 今回は 「Use Initial for Genus Name」 のチェックを外す。

(6) 同じ要領で以下のデータを全て Alignment Explorer にダウンロードする。(スペースで区切って、複数の番号をク

エリにすれば、一度に検索できる。)

gi:5016087: Homo sapiens, actin, alpha 1, skeletal muscle gi:16359157: Homo sapiens, actin, beta gi:11038618: Homo sapiens, actin, gamma 1 gi:11038625: Homo sapiens, actin, gamma 2, smooth muscle, enteric gi:4501882: Homo sapiens, actin, alpha 2, smooth muscle, aorta gi:15928833: Mus musculus, actin, alpha 1, skeletal muscle gi:23271068: Mus musculus, actin, gamma, cytoplasmic gi:28277650: Danio rerio, actin, alpha 1, skeletal muscle gi:3044209: Danio rerio. beta-actin gi:1552221: Oryzias latipes, mRNA for muscle actin gi:3336983: Oryzias latipes, mRNA for cytoplasmic actin gi:156772: Drosophila melanogaster, actin gene, complete cds, locus 88F gi:156758: Drosophila melanogaster, actin gene, complete cds, locus 5C gi:170985: Yeast (Saccharomyces cerevisiae) actin gene gi:2588915: Pneumocystis carinii mRNA for actin

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gi:1049306: Arabidopsis thaliana actin-2 gi:30409355: Oryza sativa gi:6934187: Vigna radiata actin

2.配列データのアライメント

(1) 「Translated Protein Sequences」タブをクリックし、アミノ酸配列を表示する。

(2) 「Ctrl+A」で全配列の全領域を選択し、ClustalW(W)ボタンをクリックし、表示される「ClustalW Parameters」ダイア

ログボックスの「OK」ボタンをクリックし、アライメントを行う。

この条件(デフォルト設定)で得られるアライメントの N 末端領域(開始コドンのすぐ下流)のアライメント精度は通

常よくない。アライメントの精度は DNA 配列でも確認してみよう。

(3) アライメントの最上行(灰色)をドラグし、最初の 10 アミノ酸座だけ選択、アライメントしてみる。

(4) 同じ領域について、「Gap Opening Penalty」(Pairwise と Multiple の 2 箇所)を「1」にしてアライメントしてみる。

※理想的には領域毎に適切な「Gap penalty」値を用いてアライメントを行うのがよい。

※構造・機能ドメインのような領域を区別するための情報がある場合、積極的に利用するとよい。

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(5) 「DNA Sequences」タブをクリックし、DNA 酸配列に戻した後、「Save Session」でデータフ ァイルを保存する。

実習3:分子系統樹の作成

1.近隣結合法による系統樹の作成とブートストラップ・テスト

(1) 作成したアライメントファイルを開き、[Data] – [Phylogenetic Analysis] をクリックする。

(2) メインメニュから [Phylogeny]-[Construct/Test Neighbor-Joining Tree] をクリックする。

(3) 「Analysis Preferences」で以下のように設定し、DNA 塩基配列(下図左)、タンパク質アミノ酸配列(下図右)のそ

れぞれ場合について系統樹を作成してみる。配列間の距離は、取りあえず p-distance (proportion of different

sites)を用いる(一般的には多重置換を補正する他の方法の方がよい)。

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(4) [Compute] をクリックすれば系統樹が作成され、Tree Explorer に表示される(下図)。

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(5) Tree Explorer を使って系統樹の形を整える。まず、植物(Arabidopsis、Oryza、Vigna)より、菌類(Saccharomyces、

Pneumocystis)の方が動物に近縁なので、系統樹の根(root)の位置を変え、植物が外群(outgroup)になるように

する。

root が付くべき、植物に至る枝をクリックして選択する。(Click on the branch leading to plants.)

ボタンをクリックして root の位置を変更し、同様に、 や を使ってクラスターの順番を整える。

系統樹全体の大きさ、線の太さ、フォントなどは、 をクリックして[Options] ダイアログを表示させ、設定する。

(6) ブートストラップ法によって、系統樹の安定性を検定してみる。「Analysis Preferences」の[Test of Phylogeny] で

「Bootstrap method」を選択する。

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(7) Tree Explorer では、 をクリックすると系統樹全体の書式を整えることができる。枝の太さを 2 pt にしてみよう。

さらに、特定のクラスターを選択し、 をクリックすると、選択されたクラスターの属性を設定することができる。脊

椎動物の細胞骨格型のクラスターを青、筋肉型を赤で着色してみよう。

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2.最尤法による系統樹の推定

(1) メインメニュから [Models]-[Find Best DNA/Protein Models] をクリックする。

(2) Analysis Preferences の [Substitution Type] で「Amino acid」を選択する。

以下のような結果が出るはず。すなわち、LG+G モデルが最適であると考えられる。

(3) メインメニュから [Phylogeny]-[Construct/Test Maximum Likelihood Tree] をクリックする。

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(4)「Analysis Preferences」で以下のように “Best Model” に設定し、系統樹を作成してみる。

(5)得られた最尤系統樹。

※この場合、生物学的には、上の NJ 系統樹の方が妥当な樹形となる。

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3.RelTimeによる分岐時間推定

(1)ここでは細胞骨格型のアクチン遺伝子のみを用い、種間の分岐年代推定を行ってみる。脊椎動物には paralog が

複数あるので、以下のように Sequence Data Explorer を使って beta actin のみをチェックする。

(2)次に最尤法で系統樹を推定する。モデルは LG+G を用いる。

(3)Tree Explorer の RelTime のボタン をクリックする。

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(4)今回のデータは、進化速度の一定性が乏しく、サイト数も小さいので誤差は求めない。「No」を選択する。

(5)ヒトと酵母の分岐年代を入植するので「Yes」を選択する。

(6)「New」をクリックする。

(7)Taxon A に Homo sapiens、Taxon B に Saccharomyces cerevisiae を選択し、Min および Max Divergence Time に

1216(Time Tree of Life より)を入力し、[Save Change]→[Compute]の順にクリックする([Compute]の前に[New]

をクリックすれば、他の Min、Max Divergence Time を追加入力することができる)。

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(8)以下のような Time Tree に変換される。Human-Drosophila、Saccharomyces- Pneumocystis の分岐年代は「Time

Tree of Life 」 ( http://www.timetree.org/ ) で示されるものに非常に近い値であるが、 Human-Danio 、

Oryza-Arabidopsis は実際よりも大きな値となっている。これは、進化速度の系統間差が大きいことと、基準となる

分岐年代(Human-Yeast: 1216 MYA)が古い年代であるためと思われる(多重置換の補正が十分でないと、古

い分岐年代を起点とすると新しい分岐年代は古め、新しい分岐年代を起点とすると古い分岐年代は新しめにバ

イアスして推定される)。