bloch-sulzberger症候群における組織学的色素失調の成立機序drmtl.org/data/092090951.pdfし,2年後同門下のsulzberger^'がこれを詳細に記載し...

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日皮会誌:92 C 9), 951-964, 1982 (昭57) Bloch-Sulzberger症候群における組織学的色素失調の成立機序 -とくにSchwann細胞の関与についての電顕的観察一 長尾 貞紀 薗田紀江子 飯島 Bloch-Sulzberger症候群の3例を組織学的色素失調 (i・p.h-)の成立機序,すなわちmelanosomeの表皮か ら真皮への滴落の方法について電顕的に検索した.そ の結果真皮にはmelanophageに混在してmelanosome complexをもつSchwann細胞(S.C・)がみられた. こうしたS,C・は表皮基底層にも存在していた.この melanosome complexを構成するmelanosomeは表皮 melanocyteおよびkerationcyteにみられるものと同様 の形態を示していた.本症におけるこれら所見の意義に ついて,文献的に特にS.C・の貪喰能とmelanin産生 能について考察した結果,自験例にみられたS.C・内の melanosoraeはs.c.が産生したものではなく, s.c.が 表皮melanocyte由来のmelanosomeを貪喰することに よって現われたものと考えられた.さらにこれらの所 見をi・P.h・の概念にあてはめて考察した結果,表皮の melanosomeは表皮へ侵入したS.C・にとりこまれ,そ のS.C・を通じて真皮へ送られると結論した. このほか,表皮に存在しているmelanophage表皮内 遊離melanosome, dyskeratoticcell,colloid小体などが みられた.これらについてもi・P,h・の成立機序に関連 して考察し,これらもその成立に寄与するものであるこ とを述べた. Bloch-Sulzberger症候群は1926年Bloch≫が「未だ記 福島県立医科大学皮膚科学講座(主任 飯島 進教 授) Sadanori Nagao, Kieko Sonoda and Suscmu lijima: Electronmicroscopy of Bloch-Sulzberger's synd- rome ―With special reference to the role of Schwann cells in the incontinentia pigmentia histologica 昭和57年4月27日受理 別刷請求先:(〒960)福島市杉妻町4-45 福島 県立医科大学皮膚科学講座 長尾貞紀 載せられざる色素異常症」として2歳女児の症例を報告 し,2年後同門下のSulzberger^'がこれを詳細に記載し たことにはじまる.本症はincontinentia pigmenti とも 言われ,本邦では色素失調症とも訳されており,組織学 的色素失調をきたす代表的な疾患である. 本症は皮疹の経過から4つの時期にわけられている. 本症を特徴づける皮疹は第3期の縞馬模様の色素沈着で あるが,これに先立って紅斑・水庖(第1期)および 犯状・苔癖状皮疹(第2期)を生ずること,ならびにこ の色素沈着は徐々に消槌する(第4期)ことはよく知ら れており,組織学的にも第1期は水庖形成,第2期は dyskeratotic cell の出現,第3期には色素失調をみる ことも周知のことである.各期の臨床像および組織像に ついては多くの報告l)-7)があり,また電顕像についても Schauraburg-Lever & Lever''のものをはじめとしてい くつか報告されている9)゜14) われわれも本症の第3期の2例および第2期の1例を その組織学的色素失調がいかにして成立するかという点 を中心に電顕的に検索した結果, Schwann細胞,遊離 melanosome, dyskeratoticcell などについてなお補足す べき事項があると思われるので,本症における組織学的 色素失調の成立機序を中心に,とくにSchwann細胞の 関与についてここに報告したい. 症例の報告 症例1(図1):生後2ヵ月,女児.生下時より躯幹 ・四肢に色素沈着があり,これは徐々に淡くなっている という.初診時,躯幹・四肢に線状・渦巻状・網状に配 列した,やや陥凹した小斑状の灰色の色素沈着がある. 本症例の初診時に22歳である母親には躯幹その他に帯状 の色素沈着と一部に脱色斑があり,同症と診断された. この母親には生後より半年間「くさっぽ」(湿潤性皮疹 の意か)があったという. 症例2:生後H日,女児,生下時左前腕・左側腹に紅 斑・小水庖があり,次いで左下肢にも生じていた.これ らは徐々に色素沈着に移行しているという.初診時躯

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  • 日皮会誌:92 C 9), 951-964, 1982 (昭57)

    Bloch-Sulzberger症候群における組織学的色素失調の成立機序

    -とくにSchwann細胞の関与についての電顕的観察一

       長尾 貞紀  薗田紀江子  飯島  進

              要  旨

     Bloch-Sulzberger症候群の3例を組織学的色素失調

    (i・p.h-)の成立機序,すなわちmelanosomeの表皮か

    ら真皮への滴落の方法について電顕的に検索した.そ

    の結果真皮にはmelanophageに混在してmelanosome

    complexをもつSchwann細胞(S.C・)がみられた.

    こうしたS,C・は表皮基底層にも存在していた.この

    melanosome complexを構成するmelanosomeは表皮

    melanocyteおよびkerationcyteにみられるものと同様

    の形態を示していた.本症におけるこれら所見の意義に

    ついて,文献的に特にS.C・の貪喰能とmelanin産生

    能について考察した結果,自験例にみられたS.C・内の

    melanosoraeはs.c.が産生したものではなく, s.c.が

    表皮melanocyte由来のmelanosomeを貪喰することに

    よって現われたものと考えられた.さらにこれらの所

    見をi・P.h・の概念にあてはめて考察した結果,表皮の

    melanosomeは表皮へ侵入したS.C・にとりこまれ,そ

    のS.C・を通じて真皮へ送られると結論した.

     このほか,表皮に存在しているmelanophage表皮内

    遊離melanosome, dyskeratoticcell, colloid小体などが

    みられた.これらについてもi・P,h・の成立機序に関連

    して考察し,これらもその成立に寄与するものであるこ

    とを述べた.

              緒  言

    Bloch-Sulzberger症候群は1926年Bloch≫が「未だ記

    福島県立医科大学皮膚科学講座(主任 飯島 進教

     授)

    Sadanori Nagao, Kieko Sonoda and Suscmu lijima:

     Electronmicroscopy of Bloch-Sulzberger's synd-

     rome ―With special reference to the role of

     Schwann cells in the incontinentia pigmentia

     histologica

    昭和57年4月27日受理

    別刷請求先:(〒960)福島市杉妻町4-45 福島

     県立医科大学皮膚科学講座 長尾貞紀

    載せられざる色素異常症」として2歳女児の症例を報告

    し,2年後同門下のSulzberger^'がこれを詳細に記載し

    たことにはじまる.本症はincontinentia pigmenti とも

    言われ,本邦では色素失調症とも訳されており,組織学

    的色素失調をきたす代表的な疾患である.

     本症は皮疹の経過から4つの時期にわけられている.

    本症を特徴づける皮疹は第3期の縞馬模様の色素沈着で

    あるが,これに先立って紅斑・水庖(第1期)および

    犯状・苔癖状皮疹(第2期)を生ずること,ならびにこ

    の色素沈着は徐々に消槌する(第4期)ことはよく知ら

    れており,組織学的にも第1期は水庖形成,第2期は

    dyskeratotic cell の出現,第3期には色素失調をみる

    ことも周知のことである.各期の臨床像および組織像に

    ついては多くの報告l)-7)があり,また電顕像についても

    Schauraburg-Lever & Lever''のものをはじめとしてい

    くつか報告されている9)゜14)

     われわれも本症の第3期の2例および第2期の1例を

    その組織学的色素失調がいかにして成立するかという点

    を中心に電顕的に検索した結果, Schwann細胞,遊離

    melanosome, dyskeratoticcell などについてなお補足す

    べき事項があると思われるので,本症における組織学的

    色素失調の成立機序を中心に,とくにSchwann細胞の

    関与についてここに報告したい.

              症例の報告

     症例1(図1):生後2ヵ月,女児.生下時より躯幹

    ・四肢に色素沈着があり,これは徐々に淡くなっている

    という.初診時,躯幹・四肢に線状・渦巻状・網状に配

    列した,やや陥凹した小斑状の灰色の色素沈着がある.

    本症例の初診時に22歳である母親には躯幹その他に帯状

    の色素沈着と一部に脱色斑があり,同症と診断された.

    この母親には生後より半年間「くさっぽ」(湿潤性皮疹

    の意か)があったという.

     症例2:生後H日,女児,生下時左前腕・左側腹に紅

    斑・小水庖があり,次いで左下肢にも生じていた.これ

    らは徐々に色素沈着に移行しているという.初診時躯

  • 952 長尾 貞紀ほか

    幹・四肢に線状ないし帯状,一部小斑状の暗褐色の色素

    沈着がある.一部に小葉状の落屑を伴う.母に同症はな

    1ヽ.

     症例3(図2):生後2ヵ月,女児,生後3日日に躯

    幹・四肢の褐色の皮疹に気づいた.初診時躯幹・四肢に

    点状の紅斑と赤色丘疹が線状および網状に配列し,集合

    して隔合し,一部比贅状を呈している,下腿では丘疹と

    小水庖様皮疹が集族している.家族に同症はない.

              材料と方法

     症例1は躯幹の色素沈着(第3期)から,症例2は左

    大腿の色素沈着(第3期)から,症例3は右下腿の丘疹

     (第2期)より局麻下に生検材料を採取した.一部をホ

    ルマリン固定・パラフ4ソ包埋し,HE染色を施して観

    察した.他の一部をオルミウム酸固定・エタノール脱水

     ・エポン包埋し,その超薄切片を酢酸ウラソ・クェソ酸

    鉛で染色して日立HS-8型電子顕微鏡で観察した.

               結  果

     光顕所見:症例1と2はほぼ同様の所見を示し,第3

    例はこれらとは異なっていた.

     症例1(図3)と2:表皮はほぼ正常である.一部の

    keratinocyteに核周囲浮腫・細胞質浮腫を認める.海綿

    状態・基底層の液状変性はほとんどない.真皮上層に,

    主に血管周囲性にmelanophageが散在している.炎症

    性細胞浸潤はほとんどない.

     症例3(図4):表皮はやや肥厚し,一部に表皮突起

    の延長がある.表皮内にはkeratinocyteとほぼ同じ大き

    さの,淡紅色に染めだされる楕円形ないし不整多角形の

    dyskeratotic cellが多数みられ,これらは孤立したりあ

    るいは2~3個から10数個不規則に融合して不整の星芒

    状を呈している.乳頭および真皮上層には小円形細胞を

    はじめとする炎症性細胞浸潤があり,このため表皮・真

    皮境界部は不明瞭となっている.基底層の液状変性は著

    明ではない.乳頭層の細胞浸潤のなかにmelanophage

    が混在している.好酸球の浸潤はない.

     電顕所見:光顕所見から示唆されるごとく,3例とも

    に真皮にmelanophageが認められた(図5)けれども,

    その他の点においては症例1と2はほぼ同様の所見を呈

    し,症例3はこれらと異なっていた.

     症例1と2:これら2症例の観察から得られた所見の

    うち本稿の中心となるものはSchwann細胞の変化であ

    るので,まずこれについて述べ,次いで表皮の一般的変

    化について述べるSchwann細胞(以下S.C・と略記す

    る)について:S.C・ないしその突起は真皮のみならず表

    皮内にも頻繁に認められた(図6~13).表皮内に存在

    するS.C・はaxonをつつみこんでおり,細胞間隙を走

    行しkeratinocyteおよびmelanocyteに接近していた.

    表皮内および真皮内のS.C・はしばしばme lanosomeを

    含んでいた(図6~11).このtnelanosomeはmelano-

    some complexを形成し,個々のものは500×200nmま

    でで,フットボール状ないし長楕円形を呈し,表皮の

    melanocyteおよびkeratinocvteにみられるものと同様

    の形態を示していた.また個々のmelanosomeは充分に

    melaninの沈着したstageⅣのものが多かった. s.c・

    内には発育段階を示す個々のmelanosomeはみられな

    かった.表皮の一般的変化について:細胞間隙は拡大し

    ており ぐ図6~8, 12), desmosomeは減少していた

     (図6, 12).まれに遊離melanosomeがみられた(図

    6 ). Melanocyte (図12~14)には種々の発育段階を示

    す個々のmelanosmoeがみられ,正常よりやや少量もっ

    もの(図12)からやや多目にもつもの(図13)があり,

    またmelanosome complexをもつpigment blockade

    melanocyte (図14)がみられた.

     症例3.表皮内には,光顕所見と一致して,多くの

    dyskeratoticcell がみられた,これらの細胞には2種類

    あって,1つはそのtonofibrilが高電子密度の太い束

    となっているもの(図15),他はそのtonofibrilが粗に

    なり各tonofilamentが識別できかつ電子密度が低くな

    っているもの(図16)がみられた.いずれの細胞でもそ

    の核質は淡くなり,核膜は断裂・不明瞭となっていた.

    これらの細胞内にはme lanosomeがみられた(図15).

    真皮内にcolloid小体が認められたが,このなかに

    melanosomeは認められなかった(図17). Melanophage

    は真皮のみならず表皮内にjも認められた(図18).この

    ほか表皮内には部分的に種々の程度の細胞間隙の拡大,

    核周囲浮腫などの細胞内外の浮腫性変化があった.

     3例とも時にmononucJear cell(図12, 18}が表皮

    内にみられ,またmononuclear cell, melanophageが

    basal lamina の断裂部を通じて表皮と真皮の両域に位置

    していることもあった.こうした細胞か表皮・真皮境界

    部を通過しているようにみえる部分をのぞいて3例とも

    basal lamina に著変なく,連続しておりWong'>および

    Ishibashiら14)が記したようなgaps (断裂部)はなく,

    またリール黒皮症15)16)にみられるような高度に多層化し

    たbasal laminaはなかった.

               考  按

     自験例のBloch-Sulzberger症候群(以下B.-S.S.と

  • Bloch-Sulzbergerもll限俳の電圃i像

    図1 症例1,2ヵ月女児Bloch-Sulzberger症候

     群.第3期.

    図3 症例1の組織像.真皮にmelanophageを認

     める.表皮はほぼ正常である(H.E.染色)

    略記する)3例のうち,症例Iと2は色素沈着期(第3

    期)であり,症例3は叱贅状苔癖期(第2期)である.

    光顕的に3例ともに真皮にmelanophageを認めたこ

    と,症例1と2の表皮に著変なく,症例3にdyskeratotic

    cellを多数認めたことは一般にいわれている本症の特徴

    的所見である.

     自験例の電顕的検索においては3例とも真皮にme la-

    nophageを認め,第3例ではdyskeratotic cellが認めら

    れた点は光顕的所見から当然推察されることである.し

    953

    図2 症例3,生後11日女児Bloch-Sulzberger症

     候群.第2期.

    図4 症例3の組織像.表皮にdyskeratotic cell

     (矢印)かある.真皮に小円形細胞の浸潤とmela-

     nophageを認める(H.E.染色)

    かし症例1と2においては真皮のみならず表皮内にしば

    しばSchwann細胞(S.C・),ないしその突起がみられた

    こと,さらにこれらの細胞内にmelanosomeがみられた

    ことは光顕的には確認されなかった所見である.

     以下に,1)表皮内におけるS.C・の存在について,

    2) S.C・内のmelanosomeの由来について, 3) B-

    s.s.における組織学的色素失調(incontinentia pigmenti

    histologica,以下i・p.h.と略記する)の成立に際しての

    s.c.の関与について,最後に, 4) B.―S.S.における

  • 954

    図5

     E:

    驚 ,

    長尾 八紀ほか

    ゛i

     j4ご

    圖圖隨朧雛謳朧言謬絲圈1詣鑑直漂轍圖圖目圖謬瞑‰綴■'^::^''mり≒.,・t。.あ. χ ト 謳

    真皮のmelanophage (P), Stage IV melanosomeからなる多くのmelanosome complex をもっている.

    endothel (症例2,×8,600)

    図6 表皮基底層.表皮内にaxon(A)をつつむSchwann細胞(S)がある.表皮のbasal lamina とSch-

     wann細胞のそれとは矢印の部分で連続しているSchwann細胞はmelanosome complex (C)を含んでい

     る.細胞間隙は拡大し,遊離melanosome (F)を認める(症例2,×13,500)

  • Bloch-Sulzberger JAiit'ti群の電顕像 955

     1謳諭岬‾yJ■囃|

    図7 表皮内を走行するSchwann細胞の突起Cs).これは図右端の太い矢印から左端の太い矢印まで表皮内

    を走行している.この突起は2個のmelanosome comPlex(C)をもつ.細い矢印はbasallamina を示す.

    K: keratinocyte,D: 真皮(症例1,×6,700)

    図8 表皮内のSchwann細胞の突起(S). Schwann細胞はaxon(A)をつつみ,また1個のmelanosome

     complex (C)をふくんでいる.このmelanosome complex内のmelanosomeは約500nmx200nmまで

     のstage IVのものであり,表皮のkeratinocyte (K)内にあるmelanosomeおよびmelanocyte内のもの

     (図13)と同様の形態を示している.D:真皮(症例2,×16,000)

    i・P.h・の成立機序を示唆するS.C・以外の要素について

    考察を加えたい.

     1. 表皮内の神経終末について

     正常ヒト表皮に遊離神経終末が電顕的にみられること

    はきわめて稀なこととされている17)18)しかし次にのべ

    る病的皮膚においてはaxonのまま,あるいはaxonを

    つつんだS.C・の突起が表皮内に存在することがあるこ

    とが報告されている.

     Schaumburpr-Lever & Lever*'はB.-S.S.にNagao

    &Hjima15)はリール黒皮症において表皮内神経を認め

    た.これらの表皮内神経にはmelanosorae complexが

    含まれており,彼らはS.C・がmelanosomeを貪喰し

    i・p.h・に寄与すると考えた.漆畑ら13)もB.-S.S.に表皮

    内神経をみている.一方Hashimoto"'およびMorohashi

    ら20)21)はhalo nevus"', vitiligo^"', Vogt-Koyanagi's

    syndrome^"', incontinentia pigmenti achromians (lto)

    20)21)の脱色斑内に表皮内神経を認め,これらの神経終末

    は表皮においても,また真皮側からもmelanocyteに近

  • 956 長尾 貞紀ほか

    図9 表皮直下のSchwann細胞(S). これはaxon (A)のほかにmela-

     nosome complexを7個含んでいる.K: keratinocyteC症例2,×15,000)

    |・引0 図9の拡人図.Me】ano-

     some complex 内のmelano-

     someは衣皮内にみられるも

     のとほぼ同様の形態を示して

     いる.(症例2,×23,400)

    図11 真皮内のSchwann細胞Axonおよびmelanosome complexを含んでいる.(症例1,×21,000)

  • Bloch-Sulzberger症候群の電顕像 957

    図12 表皮基底層.細胞間隙(I)は拡大し, desmosomeは減少しているBasal lamina(細い矢印)に著変

     を認めない.表皮内にSchwann細胞の突起(太い欠印)があるMononuclear cell(N)が衣皮内に浸潤し

     ている.M: melanocyte (症例2,×4,600)

    接することが多いと述べ,脱色斑における神経終末との

    間に何らかの関係が,とくにmelanocyteの変性と再

    生に関係があるらしいと推測したKumakiriら22)23)は

    UVを照射した正常人皮膚およびPUVAをうけた乾癖

    皮疹部皮膚の表皮内に神経終末を認め,このうちある神

    経終末はmelanocyteに接しており,これら神経終末は

    melanocyteおよびkeratinocyteの再生に関与するらし

    いと推測した.

     自験例の症例Iと2ではaxonをつつんだs.c.が表

    皮内に頻繁に認められた.しかし,これらの表皮内神経

    が特にmelanocyteにのみ接近しているということはな

    かった.

     このように神経終末が表皮内に侵入する現象は先天性

    疾患・後天性疾患を問わず,また色素沈着・色素脱失

    にかかわらずにみられるものであり,このうち少くとも

    B.-S.S・およびリール黒皮症では表皮・真皮境界部の炎

    症に伴うものであるということができる.

     2. Schwann細胞およびSchwann細胞様細胞に

    存在するmelanosomeの由来について

     S.C・内のmelanosomeを電顕的に認めたのはMishima

    24)の報告をはじめとする.彼は膏色は斑および複合母斑

    内にS.C・をみ,これが母斑細胞由来のmelanosomeを

    含んでいることを示した.彼はs.c.がmelanosomeを

    産生したのではなく,近隣の母斑細胞からmelanosome

    を貪喰したとみなした.

     その後ヒト iris"', B.-S.S."'リール黒皮症15),PUVA

    をうけた乾癖皮膚23)にもmelanosomeを含んだS,C・な

    いしその突起が記載されるようになった.これらの材

    料ではs.c.内のmelanosorae はすべて melanosome

    complexの形であって,個々の発育段階のmelanosome

    は認められていない. Schauraburg-Lever & Lever"',浜

    田ら"\ Nagao & Iijima")はそれぞれB.-S.S・およ

    びリール黒皮症においてみられるS.C・内のmelanosome

    はs.c.が貪喰したものとみなしている.

     S.C・の貪喰能については, s.c・は癩菌を消化するこ

    と26),india ink">をとりこむことによっても示されてい

    る.

     一方Garcia&Szabo28)はソロモソ島原住民の正常皮

    膚の真皮にmelanosome complexを含むS.C・を認め

    た.そしてmelanosome complexはme]anin産生能

  • 958 長尾 貞紀ほか

    図13 Melanocyte (M).個々のmelanosomeは種々の発育段階を示し,その数は正常よりもやや多いようで

     ある.このmelanocyteの直下にSchwann細胞の突起がみられるがbasal lamina (矢印)がその間に認め

     られる.(症例1,×15,000)

    図14 Pigment blockade melanocyte(M).このmelanocyte内には個々の発育段階のmelanosome (矢印)

     のほか大きなmelanosome complex (C)をもっている.(症例2,×10,000)

  • Bloch-Sulzberger症候群の電顕像

    図15 表皮内dyskeratotic cell.その核(N)および核膜は電子密度が低くなりtono fibril

     (T)は密に束となって電子密度は高い.この細胞にmelanosome (矢印)が含まれている.

     (症例3,×6,800)

    図16 表皮内dyskeratotic cell. Tonofibril(T)は粗になって,個々のtonofilamentは識

     別できる.クロマチン(N)および核膜(矢印)は電子密度が低くなり,不明瞭となって

     いる.(症例3,×12,800)

    959

  • 960 長尼 貞紀ほか

    図18 表皮内のmelanophage (P). Gblgi装置(矢印)がよく発達しmelanosome com-

     Plex(C)を含んでいる.K: keratinocyte.N: mononuclear cell.(症例3,×8,800)

  • Bloch-Sulzberger症候群の電顕像

    のある細胞にも存在することがあること,および次にの

    べる腫瘍性S.C・ないしS.C・様細胞はmelanin産生

    能があるという事柄から正常皮膚におけるs.c.にも

    melanin産生能があり得ると推測した.

     S.C・由来の腫瘍,あるいはS.C・様細胞から成る腫

    瘍は時にmelaninを含むことかある29)-3&)これらは

    pigmented tieuro fibroma, tnelanotic Schwannomaなど

    として記載されている.はじめこれらの腫瘍は光顕的手

    技によってのみ検索されたので,腫瘍内にあるmelanin

    をもつ細胞はmelaninを産生したS.C・か,それを

    貪喰したs.c.かmelanocyteないし母斑細胞か,

    あるいはchromatophoreであるか確かではなかった.

    その後Mandybur"'はmelanotic nerve sheath tumor

    を, Andeison & Robertson"'はme la�n containing

    neurofibromaを, Jureckaら38)は母斑細胞性母斑の神経

    線維腫様構造を電顕的に検索し,腫瘍性のS.C・内に多

    くの発育段階のmelanosomeを認めて腫瘍性S.C・は

    melanin産生能があることを電顕的に示した.実験的に

    はNakai & Rappaport"りまDMBAを用いて hamster

    にcellular blue nevus ないしneurofibromaとされる神

    経由来の腫瘍を作り,このなかにS.C・の特徴をもっ

    たmelanin産生細胞を認めて, s.c.がmelanin産生

    能を持つようになることを示した.またSpenceら4°)は

    ethylnitrosoureaをLong-Evans rat に用いてメラニンを

    含むmalignant nerve sheath tumorを作り,これを培養

    してmelanin産生能とS.C・の形態の両者をもつ細胞を

    認めて,腫瘍性S.C・はmelanin産生能があることを示

    した.

     以上の文献的考察から一般的に言えることは正常の形

    態を示すS.C・にmelanin産生能はなく,腫瘍性S.C・

    ないしS.C一様細胞にはmelanin産生能があると言え

    るようである. Nakai & Rappaport">およびJurecka

    ら38)によるとs.c.が腫瘍性になると正常のS.C・と異

    なってaxonをつつみこまなくなる傾向があるという.

     ひるがえって自験例のB.-S.S・にみられたS.C・に

    ついて考察すれば,光顕的にみてs.c.の腫瘍性増殖は

    なく,電顕的にみてもS.C・はaxonをつつみこんで明

    瞭なmesaxonを形成して正常の形態を示しており,こ

    れらのs.c.は決して腫瘍性ではない.またS.C・内

    のmelanosomeはmelanin産生能を示唆する個々の発

    育段階のものではなくtnelatiosome complexの形を

    呈している.さらにこれらのmelanosomeは表皮内の

    melanocyteおよびkeratinocyteにみられるstageⅢ~

    961

    IVのmelanosome と同様の形態を示しているものであ

    ってmelanoma細胞にしば七ばみられる大小の強い

    ちがい41)はなく,また主として類円形願粒状構造を示す

    母斑細胞由来のmelanosonle42),あるいは蒙古斑・伊藤

    母斑等に存在する真皮melanocyteが作るやや大型の

    melanosome">とも異たっている.これらのことから,

    自験例にみられたS,C・内のmelanosomeはS・C・によ

    って作られたものではなく, s.c・が表皮に存在していた

    melanosome即ち表皮melanocyte由来のmelanosome

    を貪喰することによって現われたものとみなすことがで

    きる.

     さらに次に述べるごとく,こうした表皮由来のmela-

    nosomeを含むs.c.は表皮と真皮の両域にみられたの

    で, s.c・は表皮内においてmelanosomeを貪喰しこれ

    を真皮へ輸送したものと考えると,これはB.-S.S・の

    特徴的所見であるi・P.h・の概念(元来表皮にあるべき

    melaninが真皮に適落して蓄積する)によく一致する.

     3. Bloch-Sulzberger症候群における組織学的色素

    失調の成立に際してのSchwann細胞の関与について

     まずB.-S.S・におけるi.p.h・の成立機序について

    文献的に考察してみたい. Sulzberger^りま基底細胞の

    melanin透過性の異常を想定し,この表皮mela�nの大

    部分が真皮へ流出すると考えた. Wong"は電顕的検索

    によってbasal laminaの断裂部から真皮へ伸びている

    “melanocyteの突起”をみ,この突起を通じてmelano-

    someが真皮へ直接送られると考えた. Guerrier'^'も同

    様の機序を考えている. Schaumburg-Lever & Lever*'は

    macrophageの関与と5.C.の関与の2つの機序を想定

    した.はじめのものはmacrophageがmelanosomeをも

    つ表皮内のdyskeratotic cellをraelanosomeとともに

    貪喰してその後真皮へ帰還することにより melanosome

    が真皮へ運搬される機序である.もう1つは表皮に侵

    入したs.c.がmelanosomeを貪喰することによって

    i・p.h・に寄与することである.

     自験例においては,表皮の浮腫性変化を示す細胞間の

    拡大(図6~8, 12),遊離melanosomeの存在(図

    6),表皮と真皮の両域には表皮melanocyte由来の

    melanosomeから成るmelanosome complexをもつs.c.

     (図6~11)を認めた点から,われわれはS.C・の関与

    するi・p.h.の機序を次のように考えた.

     B.-S.S・においては何らかの原因で表皮・真皮境界

    部に炎症がおこる.このため表皮に浮腫性変化が生じ,

    表皮細胞が変性・崩壊する.この結果melanosomeが

  • 962 長尾 貞紀ほか

    細胞間隙に遊離し,あるいはSulzberger''の推察する

    ごとく表皮細胞の細胞膜にmelanosomeの透過性異常

    が生じてmelanosomeが細胞間隙に遊離する.同時に

    s.c.が表皮に侵入する.表皮に侵入したS.C・は遊離

    melanosomeを貪喰し,次いでS・C・がその突起を通じ

    て貪喰したmelanosotneを真皮へ輸送する.いいかえれ

    ば,遊離melanosomeは表皮に侵入したs.c.によって

    貪喰され,次いでそのS.C・によって真皮へ送られると

    いうことになり,これはi.p.h・の概念に矛盾しない.

     I・p.h・におけるS.C・の関与についてはSchaumburg-

    Lever & Lever"がB.-S.S・に, Nagao & Iijima'"は

    リール黒皮症において簡単に記載している.しかし両者

    ともにs.c.のmelanin産生能については考察していな

    い.またSchaumburg-Lever & Lever"はmelanosome

    はmelanocyteからS.C・に直接(direct)送られると推

    察しているが,これを示す図はなく,我々もこれを積極

    的に支持する所見はなかった.我列まむしろS.C・は細

    胞間隙に遊離したmelanosomeをとり込むと考えたい.

     I・p,h・の成立機序を示唆する所見はs.c.の関与以外

    にも断片的ながらいくつか認められた.これらについて

    は次項に述べる.

     4. Bloch-Sulzberger症候群の組織学的色素失調の

    成立におけるSchwann細胞以外の要素について

     自験例3例の電顕的検索においてはこれまで述べた

    S.C・および遊離melanosomeのほかに,とくに症例3

    においては表皮内melanophage. melanosome を含んだ

    表皮内dyskeratotic cell, 真皮内colloid小体がみられ

    た.これらは一見無関係のようにみえるけれども,これ

    らを以下に述べるi・P.h・の4つの機序にあてはめて考え

    るとすべてi・p.h・に関与している所見といえる.

     I・p.h・はB.-S.S.のみならず,リール黒皮症, lupus

    erythematosus,斑状amyloidosis,特発性多発性斑状色素

    沈着症,汗孔角化症などに,おいても高頻度に認められ

    る.我々はこれらの疾患を電顕的に検索した結果,表皮

    のmelanosomeが真皮へ滴落する機序には4つの方法が

    あることを示してきたls)“)-49).本稿に報告したものは

    その一部である.

     我々が考えるi・p.h.の機序は, 1) macrophageの関

    与, 2) S.C.の関与,3)同質液の関与, 4) dysker-

    atotic cellないしcolloid小体の関与である.1)は

    macrophageが真皮から表皮へ侵入し,遊離melanosome

    を貪食して表皮内melanophageとなり,その後真皮へ

    帰還することによりmelanosomeが真皮へ運ばれる機序

    である1s).2)については上述した3)は表皮細胞の間隙

    に遊離したmelanosomeが間質液によって運搬され,

    basal laminaの裂隙を通って真皮へ滴落する機序であ

    る.4)はkeratinocyteが変性してdyskeratotic cell と

    なり,これがcolloid小体となって真皮へ滴落する時に

    melanosomeも同時に運ばれる機序であるKeratinocyte

    がdyskeratotic cell となり真皮へ滴落してcolloid小休

    となることはapoptosjs"'として知られている現象であ

    る.最近Masu & Seiji">はcolloid小体の関与する

    i・p.h・の機序を固定薬疹においてみている.

     本稿に記したB-S. S.では表皮内にmelanophageを

    認めたことは,1)を示唆するものである.表皮内遊離

    melanosomeの存在は1), 2)および3)を示唆するもので

    ある,また症例3においては表皮内にdyskeratotic cell

    を認め,かつ真皮にcolloid小体(本例ではmelano-

    someを含んではいなかったか)を認めたことは4)の機

    序を示唆するものである.

     Wong9≒よ真皮内に遊離状態のmelanosome complex

    を記載しIshibashiら14)も表皮および真皮内に遊離状態

    のmelanosome-complexをみている.この所見を我々が

    考える3)の機序にあてはめて考えると,間質液によって

    melanosomeは真皮へ運搬されるとみなしても矛盾はな

    い.

     先に述べたSchaumburg-Lever & Lever'*が記載した

    dyskeratotic cellとmelanosomeの両者をとり込んだ

    macrophageや, Wong'>のいうmelanocyteの突起はみ

    られなかった.

     このほかi・P.h・の成立機序としてpigment blockade

    melanocyteが真皮へ滴落するという考えが小幡5り)

    Bowen病などの観察によって提唱された.しかしその後

    これが表皮・真皮境界部を通過し,真皮へ滴落する所見

    は未だ報告されていないようである.自験例においても

    表皮基底層にpigment blockade melanocyte をみたが,

    これか上行して体外に排出されるものか,あるいは下行

    してi・P.h・に関与するか不明であった.

     自験例では,3例とも真皮にmelanophageが存在し

    ていたけれどもraelanosomeをもつ表皮および真皮内

    のS.C・は症例1と2にみられ,症例3にはなかった.

    またdyskeratotic cellは症例3に非常に多くみられたが

    症例1と2にはなかった.これらの違いは本症の時期の

    差によるものであろう.

     以上B.-S.S.におけるi・p.h.の成立機序について述

    べたが,このうち我々が得た所見から最も整然としてい

  • Bloch-Sulzberger症候群の電顕像

    ると思われたものはs.c.の関与するものである.その

    他のものは断片的な所見しか得られなかった.しかしこ

    こに主として述べたS.C・の関与のみで真皮における多

    量のmelanophageの出現を説明することは困難である.

                               文

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    963

    この点については今後の検討に待ちたい.

     稿を終えるにあたり技術的な協力を頂きました大沼時

    夫氏に感謝します.

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      会誌,78 : 669―704, 昭亀

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