中村物産 有限会社

（ 木造方杖方式用 ）

設設 計計 ママ ニニ ュュ アア ルル

施施 工工 ママ ニニ ュュ アア ルル

- 1 -

マゼランを用いた耐震補強工法

設計マニュアル

１．総則

１）本設計マニュアルは、財団法人日本建築防災協会「木造住宅の耐震診断

と補強方法」に示される一般診断法および精密診断法 (保有耐力診断法)に1準拠する。

〔解説〕

年、木造住宅の 初の耐震診断法として 「木造住宅の耐震精密診1979 、

断と補強方法」が財団法人日本建築防災協会より発行されました。その後

いく度かの改訂を経ながらも、この診断法は実際にはほとんど使われてい

ませんでしたが、 年の兵庫県南部地震(阪神・淡路大震災)を契機に1995見直され、また使われるようになってきました。

2004この流れを受け また建築基準法の改正 品確法の制定をふまえて、 、 、

年に新たに改訂されたものが、本文にある「木造住宅の耐震診断と補強方

法」です。またこの診断法は、木造住宅の耐震診断法として、耐震改修促

進法に基づく耐震診断等の指針と同等のものと位置づけられています。

「木造住宅の耐震診断と補強方法」では、耐震補強等の必要性の判定を

目的とした「一般診断法」と、より詳細な情報に基づいて補強の必要性の

終的な診断を行うことを目的とした「精密診断法」の 種が用意され、2さらに精密診断法は根拠とする構造計算の手法によって 種に分けられて4います(解説表 )。そして補強については、耐震補強計画を前述の診断法1によって再診断することでその効果を評価します。

マゼランを用いた耐震補強工法は、一般診断法と、精密診断法のうちの

保有耐力診断法に対応しており、また同診断法で用いる耐震要素の耐力や

剛性に準拠したパラメータを本設計マニュアルで示しています。

解説表 「木造住宅の耐震診断と補強方法」に示される診断法の種類1マゼランを用いた耐震補強工法

「誰でもできるわが家の耐震診断」 －

「一般診断法」 対応

①保有耐力診断法(精密診断法 ) 対応1②保有水平耐力計算による方法(精密診断法 ) －2

「精密診断法」③限界耐力計算による方法(精密診断法 ) －2④時刻歴応答計算による方法(精密診断法 ) －2

- 2 -

２）本設計マニュアルに基づく耐震補強設計は、所定の講習を受講した建築

士が行う。

〔解説〕

本設計マニュアルを用いて、実際の耐震設計補強設計を執り行う設計者

の資格要件を定めています。

設計者は、一級建築士、二級建築士、または木造建築士であり、かつ、

中村物産有限会社の取り決めるところによる講習を受講した者に限られま

す。講習は、講習会または個別指導のかたちで、中村物産有限会社が実施

します。

２．適用範囲

本設計マニュアルの対象は、木造建物のうち、在来軸組構法および伝統的

構法の建物とし、階数は 階建てまでとする。混構造の建物については、立3面的な混構造に限り、その木造部分は適用範囲に含めるが、木造以外の部分

は適用範囲外とする。平面的な混構造は適用範囲外とする。

〔解説〕

本設計マニュアルの適用範囲は、財団法人日本建築防災協会発行「木造

住宅の耐震診断と補強方法」の一般診断法および精密診断法 保有耐力診1断法の適用範囲に準拠していますが、同診断法が一般の木造建築全体に対

象を広げているのに対し 「マゼランを用いた耐震補強工法」は、 階建、 3てまでの木造在来軸組構法および木造伝統的構法の建物に対象を制限して

います。したがって、枠組壁工法、丸太組構法、建築基準法旧第 条も38しくは型式適合認定によるプレハブ工法の建物は適用範囲外となります。

混構造については、建物の木造部分が純木造と同様な構造システムを有

するものに限って適用範囲に含めます。水平力に対して、木造部分と非木

造部分が応力を分担し合ったり、あるいは非木造部分に水平耐力を依存し

たりする場合は、適用対象としません。適用範囲に含まれている「立面的

な混構造」とは、例えば 階が鉄筋コンクリート造、 階が木造といった1 2建物を指しており、層単位で見たときに純木造である階のみが対象となる

ことを意味しています。

- 3 -

３．本工法の主旨

本工法は、木造軸組の架構内の、柱の頂部や脚部にマゼランを取り付け、

その箇所を半剛接状態とすることによって、柱そのものの曲げ耐力を発揮さ

せ、水平力に対する抵抗要素とするものである。

〔解説〕

本工法では、柱と横架材(土台、はり、桁、胴差し等)の仕口部に、両者

を繋ぐかたちでマゼランを緊結します。これにより、柱－横架材接合部に

回転剛性を与え、軸組のラーメン効果によって水平耐力を補強するもので

す。

、建築基準法施行令第 条の の二の「方づえ」に類似するものですが46 2接合部の扱い方が異なるため、建築基準法上の「方づえ」として用いるこ

とはできません。

また本工法は、施工が簡易で、特に居住中の建物を耐震補強する場合、

改修範囲や期日を短縮できるのが特長となっています。

- 4 -

４．マゼランの種類および取り付け方

１）本工法に用いるマゼランには、 タイプ、 タイプ、 タイプの 種類T A B 3があり、適宜選択して使用することができる。

12 100２）マゼランは、柱と横架材の仕口の隅部に密着させ、径 ㎜、長さ

㎜～ ㎜のラグスクリューボルトで軸組と緊結する。150

〔解説〕

マゼランは、板ばねと発泡樹脂(発泡ポリプロピレン)とで構成された耐

T A B 3 T震補強具で、 タイプ、 タイプ、 タイプの つの形状があります。

A Bタイプは冷間で製造されるばね鋼が用いられていますが、 タイプと

タイプの板ばねは熱間製造のばね鋼が共通に用いられており、寸法のみが

異なります。

解説図 ～解説図 にマゼラン各タイプの諸元と基本的な取り付け図を1 3示します。

マゼラン各タイプは、寸法の小さい順に、 タイプ( ㎜)、 タイプT 350 A( ㎜)、 タイプ( ㎜)となっており、寸法の大きなもののほうが補535 B 790強効果も大きくなります。しかし、取り付け箇所の寸法制約や、柱の太さ

の制限によって、取り付けられない場合があるため、 タイプから都合の3よいものを選択して設計します。

解説図 ～解説図 のように、柱と横架材(土台、はり、桁、胴差し等)1 3の仕口の隅部にマゼランを密着させ、ラグスクリューボルトで軸組と緊結

します。 タイプのみ 本、 タイプと タイプは 本のラグスクリューB 4 A T 2。 、「 」ボルトを使用します 具体的な施工の手順については 施工マニュアル

を参照してください。

マゼランを取り付けた軸組に外力がかかったとき、ラグスクリューボル

12 100トには引き抜き応力、せん断応力が生じます。通常は径 ㎜、長さ

㎜のラグスクリューボルトを使用しますが、マゼランの種類、取り付け方、

あるいは柱の太さの組み合わせによっては、ラグスクリューボルトの許容

応力以上のせん断や引き抜きが生じる場合があります。このような場合、

より長いラグスクリューボルトを用います( ㎜まで)。各組み合わせの150ラグスクリューボルトの仕様は、本設計マニュアルに記載してありますの

で注意してください。

- 5 -

辺長さ ㎜350取り付け穴位置 ㎜330厚さ ㎜60

ばね鋼板厚 ㎜3JIS G 4802 SK5Mばね鋼鋼種

ばね長さ ㎜、 ㎜510 590金属部重量 ㎏1.4

樹脂部材質 発泡ポリプロピレン発泡倍率 三角形部： 倍20

楕円形部： 倍30145g樹脂部重量

解説図 マゼラン タイプ1 T

辺長さ ㎜535取り付け穴位置 ㎜515厚さ ㎜50

ばね鋼板厚 ㎜5JIS G 4801 SUP9ばね鋼鋼種

ばね長さ ㎜、 ㎜798 690金属部重量 ㎏3.0

樹脂部材質 発泡ポリプロピレン発泡倍率 三角形部： 倍20

楕円形部： 倍30265g樹脂部重量

解説図 マゼラン タイプ2 A

- 6 -

4 9また、マゼランの各種取り合い部の取り付け詳細を解説図 ～解説図

に示します。

辺長さ ㎜790取り付け穴位置 ㎜、 ㎜700 760厚さ ㎜50

ばね鋼板厚 ㎜5JIS G 4801 SUP9ばね鋼鋼種

ばね長さ ㎜、 ㎜1,188 960金属部重量 ㎏4.2

樹脂部材質 発泡ポリプロピレン発泡倍率 三角形部： 倍20

楕円形部： 倍30515g樹脂部重量

解説図 マゼラン タイプ3 B

- 7 -

解説図 アンカーボルト取り合い部4 解説図 筋かいプレート取り合い部5

解説図 筋かいボックス金物取り合い部6 解説図 合板張り耐力壁取り合い部7

マゼラン(Ａタイプ)

- 8 -

３） 箇所の仕口部に取り付けられるマゼランの個数は、 個に限る。1 1

〔解説〕

1 1柱と横架材の仕口部 箇所につき、取り付けられるマゼランの個数は

個です。 箇所に 個以上のマゼランを取り付けてはなりません。1 210 2つまり、解説図 に示すような、柱を挟んだ抱き合わせの取り付け、

、個以上並列の取り付け、建物隅部等の柱への平面上 字形の取り付けはLすべて禁止されます。

これは、柱と横架材の拘束効果が強くなりすぎると、柱の負担する曲げ

モーメントが過大になって、柱の折損の恐れが大きくなるためです。

抱き合わせ 並列 平面上 字形L

解説図 箇所に 個以上のマゼランの取り付け禁止10 1 2

解説図 ホールダウン金物取り合い部8 解説図 インナープレート取り合い部9

- 9 -

４）柱に面外ずれがある箇所には、マゼランを取り付けてはならない。

〔解説〕

解説図 に示すような箇所に、マゼランを取り付けることはできません。5柱の面外ずれとは、地震や施工不良等により、柱が横架材面外に飛び出

している状態を示しています。この箇所にマゼランを取り付けるためには

柱を正常な位置に戻さなければなりませんが、耐震改修の施工過程で異常

が発見され補修が不可能な場合には、取り付けを中止するとともに、耐震

補強設計の変更が必要になります。

５） 階柱と土台の仕口部にマゼランを取り付ける場合、土台の直下には基1礎の立ち上がりがなければならない。また、当該土台は、アンカーボルト等

により基礎と適切に緊結されていなければならない。

６）スパン中に横架材の継手がある場合、継手に近い側の仕口部には、マゼ

ランを取り付けてはならない。ただし、土台を除く。

〔解説〕

マゼランを用いた耐震補強工法は、軸組のラーメン効果によって水平耐

力を得る工法です。したがって、横架材が曲げモーメントを伝達できない

場合、その効果は期待できません。横架材に継手があると、曲げ耐力は大

幅( 割以下と言われています)に低下します。2マゼランの取り付けられた仕口部から見て、スパンの 以内の範囲に1/2

横架材の継手のあるような取り付け方をしてはなりません。横架材継手が

柱直上の場合は、もともとピン仕口と想定しているため、マゼランの取り

付けは差し支えありませんが、この場合、横架材のせいの差異等によるマ

ゼラン発泡部の切り欠きは一切してはなりません。

解説図 柱の面外ずれのある11箇所への取り付け禁止

- 10 -

７）マゼランを取り付ける横架材の寸法は、スパンにより、次の表 の寸法1以上なければならない。または、同等以上の曲げ剛性を有するものとしなけ

ればならない。ただし、土台を除く。

表 マゼランを取り付ける横架材の最低寸法1

［ ］スパン(柱間長さ) 幅［ ］ せいmm mm

910 90 90㎜以下

1,820 100 120㎜以下

2,730 100 180㎜以下

3,640 100 240㎜以下

〔解説〕

前項６）で示したように、横架材が曲げモーメントを伝達できることが、

マゼランを用いた軸組が耐力および剛性を発揮できる条件となっています。

このあと６．で示す軸組の基準耐力および基準剛性は、表 に掲げる横架1材寸法を仮定して算出していますので、この寸法を満たしている必要があ

ります。なお、この寸法は、一般的な横架材寸法より若干細いものを仮定

していますので、通常の住宅であれば、制限に触れることは稀であると考

えられます 。。

横架材寸法がこれに満たない場合は、マゼランの取り付けを中止するか、

横架材の補強ないし取り替えを行って、必要な曲げ剛性を確保する必要が

あります。また、表 の数値は、曲げヤング係数 ［ ］のスギ1 7,000 N/mm2

材を前提としたものですので、横架材がベイマツ等のヤング係数の高い材

料であれば、寸法が小さくても所定の曲げ剛性を確保できます。

スパン中の継手近傍 マゼランに付く 柱直上の継手は可への取り付け禁止 横架材長さの確保 (切り欠き禁止)

解説図 横架材の継手位置によるマゼランの取り付け制限禁止12

- 11 -

８）建物の 方向、 方向それぞれに取り付けるマゼランの向きは、なるX Yべく左右均等になるよう配慮する。

〔解説〕

水平力に対するマゼランの挙動は、マゼランが開く方向、閉じる方向と、

向きによってかなり相違があります。しかし本工法では、マゼランの構造

性能を決定する上で、各方向の性能を平均して性能値を算出しています。

したがって、建物の 方向または 方向の構面上に取り付けられるマゼX Yランの向きが偏っていると、性能値通りの性能が発揮できなくなります。

マゼランの向きは、左右なるべく均等になるようにします。 本の柱に2挟まれる つのフレーム内に、同タイプのマゼランを 個または 個対称1 2 4に取り付けるのが も望ましい配置法です。

これは、片筋かいの向きを極力均等に配置するのと全く同じ考え方です。

９）マゼランは、軸組の面内からはみ出して取り付けてはならない。

〔解説〕

マゼランは、原則的に、柱および横架材の中心線上に取り付けます。し

かし、筋かいやアンカーボルト等の障害物があって、中心線上に取り付け

られない場合があります。この場合、中心線からずらして取り付けること

もやむを得ませんが、軸組の外面合わせ、内面合わせを限度とし、面内か

解説図 なるべく左右均等に配置する13

- 12 -

ら一切はみ出してはなりません。

解説図 はみ出しの禁止14

- 13 -

５．マゼランによる耐震補強設計の原則

財団法人日本建築防災協会発行「木造住宅の耐震診断と補強方法」に基づ

く耐震補強の手段として、マゼランを用いることができる。

この際、マゼランを取り付けた柱 本当たりが、耐力要素としての単位と1なる。

また、同診断法における各種の低減係数は、実情に応じて適用する。この

際 「柱接合部による低減係数 」(一般診断法)および「柱接合部による壁、 fC 1 12の耐力低減係数 (精密診断法 )の適用に当たっては 柱接合部を平成」 、f

年建設省告示第 号に適合する仕様に補強することとする。1460

〔解説〕

「マゼランを用いた耐震補強工法」は、財団法人日本建築防災協会発行

に基づく耐震補強の手段として使用します。

マゼランは、柱頭接合部に取り付ける場合、柱脚接合部に取り付ける場

合、柱頭接合部と柱脚接合部の両方に取り付ける場合がありますが、マゼ

ランを取り付けた柱そのものが耐力要素の単位となるため、壁長すなわち

柱間隔は関係ありません。一般に木造住宅の耐力要素は、壁長 を有するl耐力壁の量(倍率または耐力×壁長)となりますが 本設計法では 壁 (×、 「 」

長さ)ではなく「柱」(×本数)によって耐力算定を行います。

「木造住宅の耐震診断と補強方法」には、各種の低減係数が設定されて

います。これらは、補修、補強の結果を含めて、建物の実情に応じて適用

します。低減係数の一覧を解説表 に示します。2

解説表 低減係数の適用について2低減係数 適用のしかた

一般診断法 柱接合部による低減係数 必要な補強を施した上、そのまま適用する。ただfし補強は「接合部Ⅰ」の条件を必ず満たすようにする。

耐力要素の配置等による低減係数 必要な補強を施した上、そのまま適用する。E劣化度による低減係数 必要な補強を施した上、そのまま適用する。D

1 K K =1.0精密診断法 開口部低減係数 マゼランを用いた軸組の部分については、0 0

とする。既存耐力壁の部分については、そのまま適用する。

柱接合部による壁の耐力低減係数 必要な補強を施した上、そのまま適用する。ただCfし補強は 「平 建告 号に適合する仕様」、 12 1460を必ず満たすようにする。

木製筋かいの接合仕様による低減係数 必要な補強を施した上、そのまま適用する。

壁の劣化低減係数 必要な補強を施した上、そのまま適用する。Cdw柱の劣化低減係数 必要な補強を施した上、そのまま適用する。Cdc剛性率による低減係数 必要な補強を施した上、そのまま適用する。Fs偏心率と床の仕様による低減係数 必要な補強を施した上、そのまま適用する。Fe

建物の劣化部分については、十分に補修、補強することが原則ですが、

- 14 -

既存建物の耐震補強の際、部位によっては、それができない場合がありま

す。ただし、マゼランを取り付ける柱の接合部については、現行の建築基

準法に適合するように補強することを、必須の条件としています。すなわ

ち、一般診断法の「柱接合部による低減係数 」および精密診断法の「柱fC 12接合部による壁の耐力低減係数 の適用に当たっては 接合部を平成」 、f

年建設省告示第 号に適合する仕様に補強することが、マゼラン使用1460の条件です。したがって、同低減係数は、基礎の仕様の低減のみとなりま

す。

６．一般診断法への適用

１）マゼランの取り付けられた柱 本につき、表 に示す耐力を有する(方1 2法 、方法 共通)。1 2

表 マゼランの取り付けられた柱 本当たりの耐力2 1

マゼランの設置箇所 柱の小径 マゼランの種類 基準耐力［ ］kN

90 T 0.10柱頭または柱脚に設置 ㎜以上 タイプ

A 0.12タイプ

B 0.14タイプ

100 T 0.14㎜以上 タイプ

A 0.16タイプ

B 0.19タイプ

90 T 0.28柱頭および柱脚に設置 ㎜以上 タイプ(上下同タイプ)

A 0.36タイプ

B 0.52タイプ

100 T 0.39㎜以上 タイプ

A 0.49タイプ

B 0.71タイプ

ただし、柱の小径が ㎜以上なければ、マゼランを取り付けてはならな90い。

また、既存の耐力壁のある箇所に重ねて取り付ける場合は、壁長 当た1mりの耐力が を超えてはならない。9.8kN/m

〔解説〕

表 は、マゼランの取り付けられた柱 本当たりの耐力［ ］です。2 1 kNタイプ、 タイプ、 タイプが混在して差し支えありませんが、それT A B

ぞれの本数を積算して「壁の耐力 」に相当する耐力を求めます。PW表の数値は、柱の曲げおよび折損を考慮したものとなっているため、そ

の根拠となっている柱径 ㎜× ㎜より太いものである必要があります。90 90

- 15 -

筋かいや面材等、既存の耐力壁がある箇所にマゼランを重ねて取り付け

られる場合がありますが、それにより剛性が高くなりすぎると、軸組が損

壊する恐れがあります。既存耐力壁とマゼランの耐力の重ね合わせは可能

ですが、壁長 当たりに換算した耐力が (倍率 相当)を超える1m 9.8kN/m 5場合にはマゼランを取り付けてはなりません。特に、もとの耐力壁の剛性

が高い場合には注意が必要です。

２）マゼランの取り付けられた「垂れ壁付き独立柱」 本につき、表 に示1 3す耐力を有する(方法 )。2

表 マゼランの取り付けられた「垂れ壁付き独立柱」 本当たりの耐力3 1

柱の小径 マゼランの種類 樹種 基準耐力［ ］ ラグスクリュー仕様kN

150 180 T J1 0.30㎜以上 ㎜未満 タイプ

J2 0.30

㎜以上J3 0.30 120

A J1 0.35タイプ

㎜以上J2 0.35 120

㎜以上J3 0.35 130

B J1 0.52タイプ

J2 0.52

㎜以上J3 0.52 120

㎜以上 ㎜未満 タイプ ㎜以上180 240 T J1 0.36 110

㎜以上J2 0.36 120

㎜以上J3 0.35 130

タイプ ㎜以上A J1 0.41 120

㎜以上J2 0.40 130

㎜以上J3 0.35 130

B J1 0.58タイプ

㎜以上× 本J2 0.58 110 2

㎜以上× 本J3 0.58 130 2

㎜以上 タイプ ㎜以上240 T J1 0.37 110

㎜以上J2 0.37 120

㎜以上J3 0.35 130

タイプ ㎜以上A J1 0.46 130

㎜以上J2 0.40 130

㎜以上J3 0.35 130

タイプ ㎜以上× 本B J1 0.61 110 2

㎜以上× 本J2 0.61 120 2

㎜以上× 本J3 0.59 130 2

- 16 -

「垂れ壁」を除去してマゼランを取り付ける場合、もとの垂れ壁が有して

いた耐力は加算してはならない。

〔解説〕

「方法 」において、垂れ壁付き独立柱の耐力を算定し 「その他の耐2 、

震要素の耐力 」を求める際に用いるのが表 の数値です。P 3e

この場合、柱小径は 低 ㎜で、また柱頭部への取り付けのみを考慮150しています。

柱が太くなると、ラグスクリューボルトの引き抜き応力も大きくなりま

す。これに伴い、通常の径 ㎜、長さ ㎜のラグスクリューでは耐力12 100が不足する場合があるため、 ㎜を限度に、より長いラグスクリューを150用いなければなりません。そのために必要な仕様を併せて記載しています。

ラグスクリューの許容引き抜き耐力、許容せん断耐力は樹種によって異な

るため、基準耐力も変わってきます。柱および横架材の、ランクが低い方

の樹種の欄の基準耐力を用います。

表 中の 樹種、 樹種、 樹種の内容を、解説表 に示します。3 J1 J2 J3 3

解説表 柱および横架材の樹種グループ3グループ 基準比重 対応する樹種

ベイマツ、クロマツ、アカマツ、カラマツ、ツガJ1 0.42ベイヒ、ベイツガ、ヒバ、ヒノキ、モミJ2 0.37トドマツ、エゾマツ、ベニマツ、スプルース、スギ、ベイスギJ3 0.32

垂れ壁(土壁等)があった箇所にマゼランを取り付けるに当たっては、も

との垂れ壁を除去しなければならない場合があります。このとき、耐震診

断でカウントした垂れ壁の耐力は、マゼランと加算することはできません。

一般に、垂れ壁の耐力は、マゼランの耐力に比較してかなり大きいので、

敢えて垂れ壁を除去することは、構造耐力上不利になります。

- 17 -

７．精密診断法 への適用1

１）マゼランの取り付けられた柱 本につき、表 に示す耐力および剛性を1 4有する(方法 、方法 共通)。1 2

表 マゼランの取り付けられた柱 本当たりの耐力および剛性4 1

［ ］マゼランの設置箇所 柱の小径 マゼランの種類 基準耐力［ ］ 基準剛性kN kN/rad.

90 T 0.10 15柱頭または柱脚に設置 ㎜以上 タイプ

A 0.12 15タイプ

B 0.14 25タイプ

100 T 0.14 20㎜以上 タイプ

A 0.16 25タイプ

B 0.19 35タイプ

90 T 0.28 65柱頭および柱脚に設置 ㎜以上 タイプ(上下同タイプ)

A 0.36 85タイプ

B 0.52 155タイプ

100 T 0.39 80㎜以上 タイプ

A 0.49 105タイプ

B 0.71 180タイプ

ただし、柱の小径が ㎜以上なければ、マゼランを取り付けてはならな90い。

また、既存の耐力壁のある箇所に重ねて取り付ける場合は、壁長 当た1mりの耐力が を超えてはならない。14kN/m

〔解説〕

耐力については、一般診断法の表 と同じです。基準耐力を累加して耐2力 を算出します。精密診断法 では、無開口壁と有開口壁が区別されQ 1d

ていますが、マゼランにより補強された軸組は、一種のラーメンとして評

価されますので、 (低減なし)として、実際の開口の有無にかかわらK =1.00

ず無開口壁として扱います。

また精密診断法 では、剛性率や偏心率による耐力の低減がかかってき1ます。この際、表 中の基準剛性の値を積算し、軸組の剛性を求めます。4

1 5 7２ マゼランの取り付けられた 垂れ壁付き独立柱 本につき 表 ～表） 「 」 、

に示す耐力および剛性を有する(方法 )。2

表 垂れ壁付き独立柱 本当たりの耐力および剛性 柱スギの場合5 1

柱の小径 マゼランの種類 基準耐力［ ] 基準剛性 ラグスクリュー仕様kN kN/rad.［ ］

90 100 T 0.10 15㎜以上 ㎜未満 タイプ

- 18 -

A 0.12 15タイプ

B 0.14 25タイプ

100 120 T 0.14 20㎜以上 ㎜未満 タイプ

A 0.16 25タイプ

B 0.19 35タイプ

120 150 T 0.21 30㎜以上 ㎜未満 タイプ

A 0.25 40タイプ

B 0.34 55タイプ

㎜以上 ㎜未満 タイプ ㎜以上150 180 T 0.30 45 120

タイプ ㎜以上A 0.35 55 130

タイプ ㎜以上× 本B 0.52 80 120 2

㎜以上 ㎜未満 タイプ ㎜以上180 240 T 0.35 55 130

タイプ ㎜以上A 0.35 65 130

タイプ ㎜以上× 本B 0.58 100 130 2

㎜以上 タイプ ㎜以上240 T 0.35 65 130

タイプ ㎜以上A 0.35 70 130

タイプ ㎜以上× 本B 0.59 115 130 2

表 垂れ壁付き独立柱 本当たりの耐力および剛性 柱ヒノキの場合6 1

柱の小径 マゼランの種類 基準耐力［ ] 基準剛性 ラグスクリュー仕様kN kN/rad.［ ］

90 100 T 0.12 15㎜以上 ㎜未満 タイプ

A 0.14 20タイプ

B 0.17 30タイプ

100 120 T 0.16 25㎜以上 ㎜未満 タイプ

A 0.19 30タイプ

B 0.23 40タイプ

120 150 T 0.24 35㎜以上 ㎜未満 タイプ

A 0.28 40タイプ

B 0.40 60タイプ

㎜以上 ㎜未満 タイプ ㎜以上150 180 T 0.33 50 110

タイプ ㎜以上A 0.37 60 120

タイプ ㎜以上× 本B 0.56 90 110 2

㎜以上 ㎜未満 タイプ ㎜以上180 240 T 0.36 60 120

タイプ ㎜以上A 0.40 65 130

タイプ ㎜以上× 本B 0.59 105 110 2

㎜以上 タイプ ㎜以上240 T 0.37 65 120

タイプ ㎜以上A 0.40 75 130

タイプ ㎜以上× 本B 0.61 115 120 2

表 垂れ壁付き独立柱 本当たりの耐力および剛性 柱ケヤキの場合7 1

柱の小径 マゼランの種類 基準耐力［ ] 基準剛性 ラグスクリュー仕様kN kN/rad.［ ］

- 19 -

90 100 T 0.11 15㎜以上 ㎜未満 タイプ

A 0.13 20タイプ

B 0.17 25タイプ

100 120 T 0.15 20㎜以上 ㎜未満 タイプ

A 0.17 25タイプ

B 0.24 35タイプ

120 150 T 0.23 35㎜以上 ㎜未満 タイプ

A 0.26 40タイプ

B 0.37 60タイプ

150 180 T 0.32 50㎜以上 ㎜未満 タイプ

タイプ ㎜以上A 0.36 55 110

B 0.54 85タイプ

㎜以上 ㎜未満 タイプ ㎜以上180 240 T 0.36 55 110

タイプ ㎜以上A 0.42 65 120

B 0.59 100タイプ

㎜以上 タイプ ㎜以上240 T 0.37 65 120

タイプ ㎜以上A 0.46 70 130

タイプ ㎜以上× 本B 0.61 115 110 2

「垂れ壁」を除去してマゼランを取り付ける場合、もとの垂れ壁が有して

いた耐力は加算してはならない。

〔解説〕

精密診断法 の「方法 」では、垂れ壁付き独立柱の耐力 を算定し1 2 Qcますが、柱の樹種により用いる数値が異なってきます。

表 がスギ、表 がヒノキ、表 がケヤキの場合ですが、それぞれの材5 6 7料強度およびヤング係数の相違により若干の数値の差異があります。

また、ラグスクリューボルトの引き抜きにより、ボルト長さの制限のあ

る場合があります。特記なき場合は、径 ㎜、長さ ㎜以上のラグス12 100クリューボルトを、 タイプと タイプでは 本、 タイプでは 本用いT A 2 B 4ることを意味しています。

- 20 -

マゼランを用いた耐震補強工法

施工マニュアル

１．総則

「マゼラン」は既設木造建物を補強することを目的とし、独自に開発し

た施工法および品質管理手法を用いたマゼランの標準的な施工方法を示す。

１）本施工マニュアルは、マゼランを取り付ける場合の標準的な施工に

ついて規定するものとする。

２）マゼランは、要求される品質を確保するため、施工マニュアルに基

づき十分な施工管理の元で取り付け、施工しなければならない。

３）本施工マニュアルは、財団法人日本建築防災協会発行「木造住宅の

耐震診断と補強方法」に準拠する。

４）マゼランを取り付ける仕口は、接合金物等でガタ、スリップ対策を

行うことが必要である。

５）マゼランの性能は、ラグスクリューボルト(コーチスクリューボル

ト)の接合耐力に依存する部分が大きい したがって 使用するラグス。 、

クリューボルトは、設計において検討、決定された仕様、規格のもの

を使用しなければならない。

２．適用範囲

（１）適用範囲

本工法を施工するにあたっては、マゼラン設計・施工技術者養成

講習会を受講した建築士、及び社団法人日本建築構造技術者協会が

認定した建築構造士が建物の調査診断を行い、建築物の適性を事前

に調査し、それ等の情報から必要耐力を検討し、影響を与えるおそ

れが認められる時は適用しない。

（２）建物の適性に関する検討

本工法の施工に当たっては、財団法人日本建築防災協会発行「木

造住宅の耐震診断と補強方法 に準拠した建物の調査診断(一般診断」

法または精密診断法 )を実施し、必要耐力を検討したうえ、影響1を与える恐れが認められる場合は適用しない。

（３）マゼランの保護

マゼランは、壁体内に取り付ける場合は特別な保護は必要ないが、

紫外線に暴露される場合は紫外線に対する保護が必要である。

- 21 -

３．取り付け禁止事項

（１）取り付け禁止物件

在来木造軸組構法、伝統的構法以外の建物は取り付け対象外とす

る。混構造の場合は前記構法の部分についてのみ取り付け対象とす

る。

（２）取り付け禁止箇所

財団法人日本建築防災協会発行「木造住宅の耐震診断と補強方

法」に準拠して、必要に応じてマゼランを設置し構造材の補強を行

う。ただし、構造材に以下の劣化等を発見した場合は取り付け禁止

とする。その場で補修が不可能な場合には、耐震補強設計に戻って

やり直す必要がある。

①柱に面外ずれがある箇所

②シロアリ等の被害がある箇所

（３）取り付け制限

マゼランの取り付け方については 設計マニュアル によって以、「 」

下のような制限が加えられている。設計図書上、これに抵触するよ

うな取り付け方の指示がある場合、設計者への確認を要する。

詳しくは「設計マニュアル」を参照のこと。

① 箇所の仕口に取り付けられるマゼランの個数は、 個に限る。1 1② 階柱と土台の仕口部にマゼランを取り付ける場合、土台の直1

下には基礎の立ち上がりがなければならない。また、当該土台

は、アンカーボルト等により基礎と適切に緊結されていなけれ

ばならない。

③スパン中に横架材の継手がある場合、継手に近い側の仕口部に

は、マゼランを取り付けてはならない。ただし、土台を除く。

図 柱の面外ずれ1

スパン中の継手近傍 マゼランに付く 柱直上の継手は可への取り付け禁止 横架材長さの確保 (切り欠き禁止)

図 横架材の継手位置によるマゼランの取り付け制限禁止2

- 22 -

1④マゼランを取り付ける横架材の寸法は スパンにより 次の表、 、

の寸法以上なければならない。または、同等以上の曲げ剛性を

有するものとしなければならない。ただし、土台を除く。

表 マゼランを取り付ける横架材の最低寸法1

スパン(柱間長さ) 幅 せい［ ］ ［ ］mm mm

910 90 90㎜以下

1,820 100 120㎜以下

2,730 100 180㎜以下

3,640 100 240㎜以下

⑤建物の 方向、 方向それぞれに取り付けるマゼランの向きX Yは、なるべく左右均等になるよう配慮する。

４．請負者の自主的施工範囲に関する施工の取扱い

工事請負契約書によって請負者が自主的に施工できる範囲については、

原則として請負者の責任において実施するものである。ただし、マゼラン

取り付け工事は、マゼランの施工要領および品質管理にしたがって施工し、

間接的に関係する工事の品質を良好に確保しなければならない。

図 なるべく左右均等に配置する3

- 24 -

辺長さ ㎜350取り付け穴位置 ㎜330厚さ ㎜60

ばね鋼板厚 ㎜3JIS G 4802 SK5Mばね鋼鋼種

ばね長さ ㎜、 ㎜510 590金属部重量 ㎏1.4

樹脂部材質 発泡ポリプロピレン発泡倍率 三角形部： 倍20

楕円形部： 倍30145g樹脂部重量

図 マゼラン タイプ5 T

辺長さ ㎜535取り付け穴位置 ㎜515厚さ ㎜50

ばね鋼板厚 ㎜5JIS G 4801 SUP9ばね鋼鋼種

ばね長さ ㎜、 ㎜798 690金属部重量 ㎏3.0

樹脂部材質 発泡ポリプロピレン発泡倍率 三角形部： 倍20

楕円形部： 倍30265g樹脂部重量

図 マゼラン タイプ6 A

- 25 -

辺長さ ㎜790取り付け穴位置 ㎜、 ㎜700 760厚さ ㎜50

ばね鋼板厚 ㎜5JIS G 4801 SUP9ばね鋼鋼種

ばね長さ ㎜、 ㎜1,188 960金属部重量 ㎏4.2

樹脂部材質 発泡ポリプロピレン発泡倍率 三角形部： 倍20

楕円形部： 倍30515g樹脂部重量

図 マゼラン タイプ7 B

図 取り付け概念図8

- 26 -

図 アンカーボルト取り合い部9 図 筋かいプレート取り合い部10

図 筋かいボックス金物取り合い部11 図 合板張り耐力壁取り合い部12

マゼラン(Ａタイプ)

- 27 -

マゼランの取り付け工事の標準的な手順について、以下に記述する。

（１）墨出し

取り付け位置を決定する。

柱および横架材(土台、はり、桁、胴差し等)の中心線上に取り付

けることが好ましいが、筋かいやアンカーボルト等の障害物がある

場合はその限りでない。ただし、軸組の外面合わせ、内面合わせを

限度とし、面内から一切はみ出してはならない。

取り付けのラグスクリューの中心位置の墨出しを行う。位置は、接

合部の角より、マゼラン各タイプによって表 の寸法となる。2

図 ホールダウン金物取り合い部13 図 インナープレート取り合い部14

図 はみ出しの禁止15

- 28 -

表 ラグスクリューの取り付け位置(接合部の角よりの寸法)2マゼランの種類 ラグスクリュー本数 ラグスクリュー位置

タイプ 上下 本ずつ 本 ㎜T 1 2 330タイプ 上下 本ずつ 本 ㎜A 1 2 515タイプ 上下 本ずつ 本 ㎜、 ㎜B 2 4 1,188 960

（２）先孔あけ

ラグスクリューの先孔をあける。

使用するラグスクリューは、径 ㎜、長さ ㎜～ ㎜とす12 100 150る。通常は長さ ㎜のものを用いるが 「垂れ壁付き独立柱」で100 、

柱径が太い場合には、より長いラグスクリューが必要となる場合が

あるので、設計図書にしたがう。

ラグスクリューの先孔をあける。

2ラグスクリューには胴部(ねじのない部分)とねじ部があるため、

種類のドリルを用いて、まず胴部の先孔をあけ、次にねじ部の先孔

をあける。先孔の径と深さは表 にしたがう。3

表 ラグスクリューの先孔のドリル径と深さ(ラグスクリュー径 ㎜)3 12ドリル径 先孔深さ

胴部先孔 ㎜ 胴部の長さ12ねじ部先孔 ㎜ ねじ部の長さ以上6

（３）取り付け

マゼランの粘着テープの保護紙を剥がし、取り付け面と樹脂面が

密着するように、取り付け位置に貼り付ける。

取り付け位置にアンカーボルトや羽子板金物等の突起物がある場

合、発泡樹脂に食い込ませて密着を確保する。やむを得ない場合、

鋸あるいはカッターナイフで発泡樹脂を切り欠いてもよいが、切り

欠き量は樹脂全体の 以内とする。ただし、突起物とマゼラン10%の金属部が接触してはならない。

（４）ラグスクリューの締め付け

先孔にしたがい、ラグスクリューを挿入し締め付けを行う。電動

インパクトレンチ等を用いる場合、 後まで締め付けるとねじ木部

の破損の恐れがあるので、深さ ～ ㎜を残し、 後は手締めする。2 3

（５）紫外線からの保護

マゼランが暴露される場合は、保護カバーを取り付ける。

（６）記録

- 29 -

取り付け記録写真を 部作成し、 部を建築主、 部を販売店に2 1 1提出する。

（７）火気に対する注意

施工中並びに施工箇所に火気を近付けないように注意する。

７．受け入れと保管

マゼランは、工事現場に運送業者によって直接搬入される。

（１）受け入れ

使用するマゼランの受け入れ時、施工業者は以下の項目を確認す

る。

①搬入品の内容(種類、個数、寸法)

②搬入期日と時刻

搬入経路、荷降ろし場所および保管場所、受入れ作業は、マゼラ

ンの品質確保を目的とし、事前に(株) 代理店および施工業者のJSP現場責任者間にて打ち合わせを行う。

（２）保管および取り扱い

１）一般事項

保管および取り扱いに当たっては、消防法、労働安全衛生法等、

関連法規にしたがい安全を確保するとともに、品質確保のため以下

の項目を厳守する。

２）保管場所と養生

指定の場所にまとめ、風雨に曝されぬよう全体をシートで養生し、

ロープでしっかりと固定する。もしくは室内に保管する。

３）保管注意事項

①火気、石油類を近付けない。

②仮置きの場合でも平滑な場所とし、雨水等が滞留しないように

嵩上げしておく。

中村物産 有限会社

〒982-0024

仙台市太白区砂押南町１－４誠和ビル２F

Tel : 022-308-5250

Fax : 022-308-5218

http://www.nakamurajishin.com