alで授業改善

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「アクティブ・ラーニング」で私たちの授業はどう変わるか

「アクティブ・ラーニング」( AL )で私たちの授業はどう変わるか

Ⅰ   AL の認知度や実施状況ってどれくらい? 

Ⅱ   AL の定義を確認する(算数科における)

Ⅲ   AL 研究でよく見るの問題点と改善点

Ⅳ   AL 型授業の学習活動(コンテンツ)例

Ⅴ  明日からできる  AL 化!

Ⅵ  ( AL 型)授業改善の視点

Ⅰ   AL の認知度や

 実施状況ってどれくらい?

実際 AL はどれくらい行われているものか

あなたが現在,「課題の発見・解決に向けた主体的・協同的な学び(「アクティブ・ラーニング」)を取り入れている教科等はどれですか。(複数回答可)

平成 25 年度 教員に対する調査結果(教育調査研究所)

上位 教科等 割合1 算数 52.2%2 総合的な学習の時間 51.9%3 社会 37.4%

基礎的・基本的な学習内容の活用を図る学習活動問題解決的な学習自主的,自発的な学習児童の興味・関心を生かした課題学習探究的な学習協同的な学習

Ⅱ   AL の定義を確認する

  (算数科における)

H24   8 月 能動的学修(アクティブ・ラーニング)への転換が必要…H26 11 月主体的・協働的に学ぶ学習 (いわゆる「アクティブ・ラーニング」)…H28   6 月 主体的・対話的で深い学びの実現     (「アクティブ・ラーニング」の視点からの 授業改善)

AL の言葉の扱いの変遷

H24   8 月 能動的学修(アクティブ・ラーニング)への転換が必要…

AL の言葉の扱いの変遷

学習活動による授業の AL 化

挙げられた具体例 ・ 発見学習 ・ 問題解決学習 ・体験学習 ・調査学習等    ・ グループ・ディスカッション ・ディベート     ・ グループ・ワーク 等

  AL の定義

一方向的な知識伝達型講義を聴くという(受動的)学習を乗り越える意味での、あらゆる能動的な学習のこと。能動的な学習には、書く・話す・ 発表する等の活動への関与と、そこで生じる認知プロセスの外化を伴う。 京都大学高等教育研究開発推進センター教授 溝上慎一

  AL の定義

一方向的な知識伝達型講義を聴くという(受動的)学習を乗り越える意味での、あらゆる能動的な学習のこと。能動的な学習には、書く・話す・ 発表する等の活動への関与と、そこで生じる認知プロセスの外化を伴う。 京都大学高等教育研究開発推進センター教授 溝上慎一

大学の授業改善(アクティブラーニング)

AL の定義

従来のような知識の伝達・注入を中心 とした授業から、教員と学生が意思疎通を図りつつ、一緒になって切磋琢磨し、相互 に刺激を与えながら知的に成長する場を創り、学生が主体的に問題を発見し解を見いだしていく能動的学修(アクティブ・ラーニング)への転換が必要である。平成 24 年 8 月 28 日中央教育審議会

AL の定義

従来のような知識の伝達・注入を中心 とした授業から、教員と学生が意思疎通を図りつつ、一緒になって切磋琢磨し、相互 に刺激を与えながら知的に成長する場を創り、学生が主体的に問題を発見し解を見いだしていく能動的学修(アクティブ・ラーニング)への転換が必要である。平成 24 年 8 月 28 日中央教育審議会

… 「何を教えるか」という知識の質や量の改善はもちろんのこと,「どのように学ぶか」という,学びの質や深まりを重視することが必要であり,課題の発見と解決に向けて主体的・協働的に学ぶ学習(いわゆる「アクティブ・ラーニング」)…平成 26 年 11 月 20 日中央教育審議会

AL の定義

… 「何を教えるか」という知識の質や量の改善はもちろんのこと,「どのように学ぶか」という,学びの質や深まりを重視することが必要であり,課題の発見と解決に向けて主体的・協働的に学ぶ学習(いわゆる「アクティブ・ラーニング」)…平成 26 年 11 月 20 日中央教育審議会

AL の定義

※  アクティブ・ラーニングの三つの視点ⅰ )習得・活用・探究という学習プロセスの中で、問題発見・    解決を念頭に置いた深い学びの過程が実現できているかどうか。 ⅱ )他者との協働や外界との相互作用を通じて、自らの考えを広 げ深める、対話的な学びの 過程が実現できているかどうか。 ⅲ )子供たちが見通しを持って粘り強く取り組み、自らの学習活 動を振り返って次につなげる、主体的な学びの過程が実現で  きているかどうか。

AL の定義

平成 27 年 8 月 26 日 企画特別部会「論点整理」 18ページ

※  アクティブ・ラーニングの三つの視点ⅰ )習得・活用・探究という学習プロセスの中で、問題発見・    解決を念頭に置いた深い学びの過程が実現できているかどうか。 ⅱ )他者との協働や外界との相互作用を通じて、自らの考えを広 げ深める、対話的な学びの過程が実現できているかどうか。 ⅲ )子供たちが見通しを持って粘り強く取り組み、自らの学習活 動を振り返って次につなげる、主体的な学びの過程が実現で  きているかどうか。

AL の定義

平成 27 年 8 月 26 日 企画特別部会「論点整理」 18ページ

算数科における AL「算数的(数学的)活動」と「算数科の AL 」

目的意識をもって主体的に取り組む 算数的活動

が有効に働いている授業操作活動学ぶ楽しさ

思考・判断・表現

算数科のAL 型授業

ただし,算数科の AL は「算数的活動」のみに限らない。教育課程の工夫

ICT の活用

教科横断的な学び

発問の工夫

そもそも どうしてアクティブ・ラーニングが必要なの?

こんな見解があります!

近い将来, 10人中  人は今と違う仕事をしている!アメリカ:ラリーペイジ( Google CEO )20 年以内に,今の仕事の   %は機械が行う。イギリス:マイケル・オズボーン( Oxford 大学)2011 年入学児童(今の小 6 )の就職先の  %は,現在ない職業。   アメリカ:キャシー・デビッドソン

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身に迫った話として

2024 年 大学入試に新指導要領による CBT を導入。先行実施として現行指導要領による CBT を 2020 年より導入。

CBT  =  Computer Based Tasting必要な知識や態度が、一定の基準に達しているかをコンピューターを使って客観的に評価すること

なぜアクティブラーニングが必要なのか

求められる人材の変化これまでの時代より多くの知識を蓄え蓄えた知識を安定的に再生できる「何を知っているか」

これからの時代様々な知識や情報を活用して目の前の問題を他者と共に試行錯誤しながら解決していくことができる「何ができるか」汎用的な資質・能力の育成

なぜアクティブラーニングが必要なのか

記憶したことを正確に再生問題が解決できる(問題はたいてい既知)

未知の問題を解決する

これまでの学び内容を学ぶ これからの学び

内容を学ぶ問題解決の方法を学ぶ

学びの変化 アクティブ・ラーニング

どのように学ぶか

Ⅲ   AL 研究によく見られる    問題点と改善点

学習活動の工夫   ・ ギャラリー・ウォーク  ・ ワールドカフェ方式  ・ ホワイトボードトーク  ・ ピア・インストラクション  ・ 思考ツールの活用  ・ 教科横断的な課題設定  ・ 自己評価場面の充実  ・ 問題解決型学習 

AL 型授業のための活動例

対話的主体的 深い学び

平成 24 年度~ 25 年度にやってみたこと

1 学習活動を重視して取り組む(例 ワールド・カフェ)。

2 既存の授業スタイルに,新たな方法をプラスして行う。

3 学習単元を選ばずに取り入れてみる。

4 目標(対応する評価)による判断をせず取り入れてみる。

第 1 回アンケート結果(平成 25 年 3 月)

算数は役に立つ

ワールドカフェは有効

交流することは大切1

2

3

4

A B C D

習熟度高い ⇔  低い

肯定的 ⇔ 否定的

子供の実感から見るメリット

「考えを共有できる・深まる」

「聞きやすいので,考えやすい」

「一緒なら解決できることがある」

「考えがまとまりやすい」

子供の実感から見る問題点 1「時間が無駄になっている」「挙手の方が早い」「同じ答えの時は 交流の意味がない」

子供の実感から見る問題点 1課題解決のための時間が

全然足りない!(考えを練る時間が足りない)

子供の実感から見る問題点 2「意見をもたずに交流に参加している」「基礎的なことが わからないと無意味」

子供の実感から見る問題点 2( AL による活動を重視しすぎると)

知識・技能の習得ができない人が多くなる。

⇒  交流の価値が下がる

子供の実感から見る問題点 3「人任せになっている」「交流の意図が

 わかっていない人がいる。」「必要感がない」

子供の実感から見る問題点 3活動が目的化してしまい,

交流の必要感が薄れ,

やらされ感が強くなる。

子どもの評価から見えた授業改善の視点

1 授業構成(特に自力追究)の再構成による  時間の生み出し 2 Fit する単元や目標(評価項目)の選定

3 成績上位層にとっても有用性を感じられる 交流方法の工夫

Ⅳ   AL 型授業の学習活動 (コンテンツ)例

子供に必要感があるかその形態で学ぶよさを味わっているか 発表する前に友達と練習したら上手に発表できたよみんなの話を聞くと考え方が増えるよ 友達に説明したら,考えがまとまるな 説明したことはよく覚えているよ

学習活動の工夫  (1)  ペア・グループ学習  ・ ギャラリー・ウォーク  ・ ワールドカフェ方式  ・ ホワイトボードトーク  ・ ピア・インストラクション

支援の方向性(平成 27 年度~)

対話的

Ⅴ  明日からできる   AL 化

算数科における一般的な問題解決型学習のイメージ問題と向き合う

解決の見通しを立てる

課題を把握する

課題提示

個人で問題を解決する

多様な解法を探す

答えの確かめをする

自力解決

答え・解法を発表する

発表を聞き比較する

よりよい方法を探る

集団解決

価値について共有する

適用問題に取り組む

本時の学びを振り返る

まとめ適用

子どもの主体性?

「別なやり方を考えましょう。」「見直しをしましょう。」そこに子供の必要感があるか?

算数科における一般的な問題解決型学習のイメージ問題と向き合う

解決の見通しを立てる

課題を把握する

課題提示

個人で問題を解決する

多様な解法を探す

答えの確かめをする

自力解決

答え・解法を発表する

発表を聞き比較する

よりよい方法を探る

集団解決

価値について共有する

適用問題に取り組む

本時の学びを振り返る

まとめ適用

対話的な学び?子どもの主体性?

「発表の仕方」「話型の定着」「聞く姿勢」などの形式のみが目的化していないか?比較するよさを感じているか?

算数科における一般的な問題解決型学習のイメージ問題と向き合う

解決の見通しを立てる

課題を把握する

課題提示

個人で問題を解決する

多様な解法を探す

答えの確かめをする

自力解決

答え・解法を発表する

発表を聞き比較する

よりよい方法を探る

集団解決

価値について共有する

適用問題に取り組む

本時の学びを振り返る

まとめ適用

深い学び?

たった 1 問の「問題」で「はかせ」探し?

対話的な学び?子どもの主体性?

全体交流学び合い 振り返り

「自力解決」 を 「自力追究」 として捉え直す

自力解決    

 自力追究 全体交流学び合い 振り返り

「自力追究」が貫かれていて「学び合い」や「全体交流」が,子どもの必要感や教師の判断により設定。(個人思考)

「自力解決」 を 「自力追究」 として捉え直す

学び合いや全体交流の途中で,自力追究が行われる。自力「解決」を待たずに,外化を伴った学び合いの中で思考を活性化させ,主体的に学んでいく。

3~5分程度 15分程度 7分程度 10分程度

時間の生み出し

 自力追究 全体交流学び合い 振り返り

「自力解決」 を 「自力追究」 として捉え直す

動機づけの重要性

T: この問題の答えは何でしょう。C1: ○○(誤答)だと思います。T: う~ん。他の考え方はありませんか?C2: △△(正答)だと思います。T:  そうです。~だから△△です。いいですか?C:いいです。

① 子どもが教師の評価待ちになっている。(受動的になっている)② 子ども同士での評価がないので,  教師と発表する子どもだけの活動になっている。  (「教師」と「発表する子ども」だけの学びになっている)③ 子どもの発表を教師が説明し直してしまっているので,  ますます子どもの発表を聞く必要感がなくなる。

もっと具体的な発問・応答の工夫 ①

T: この問題の答えは何でしょう。C1: ○○(誤答)だと思います。T: 他の考え方はありませんか?C2: △△(正答)だと思います。T:  他の考え方はありませんか?(繰り返す)T:  … ( 無くなった時に ) 。ではどの答えが良いと思いますか。

C3: △△だと思います。T:  そうですね。△△が正しいです。

もっと具体的な発問・応答の工夫 ②

T: この問題の答えは何でしょう。C1: ○○(誤答)だと思います。T:  みなさんはどう思いますか?C2  違うと思います。私は△△(正答)だと思います。T: 他の考え方はありませんか?(繰り返す)T:  … ( 無くなった時に ) 。ではどの答えが良いと思いますか。C3: △△だと思います。T:  なるほど,では△△が正しいという事でよいですか?C (複数): いいです。

もっと具体的な発問・応答の工夫 ③

T: この問題の答えは何でしょう。C1: ○○(誤答)だと思います。C 複数: (ざわつく)C2  私は C1 さんとは違っていて,△△(正答)だと思う。T: どうしてそう思ったの?本当にそうかな?C3:  だって□□を考えると,○○より△△の方が良いから。

C4: ○○はここが違うんじゃないかな?C (複数): なるほど~。T:  なるほど,では△△が正しいという事でよいですか?C : いいです。

子どものざわつきは,発表内容を聞いている証拠大事にしたいのは,教師の最後の発言「では△△が正しいという事でよいですか?」が本時の目標に即したものになっているか

もっと具体的な発問・応答の工夫 ④

算数の授業は( AL 型授業がちょうどいい)「考え方」の授業ばかりではない!「教えるべきは教え,考えさせるべきことは考えさせる」

もっと具体的な発問・応答の工夫

計算練習や公式の暗記はこれまで通りの教え方でよい!?

「教えるべきは教え,考えさせるべきことは考えさせる」もっと具体的な発問・応答の工夫

計算練習や公式の暗記はこれまで通りの教え方でよい!?

AL 型授業への改善は「 ( 教師の ) 教え」から「(子供の)学び」への視点の転換が大切!教える 考えさせ

「教えるべきは教え,考えさせるべきことは考えさせる」もっと具体的な発問・応答の工夫

それを覚えるとどんな「よいこと」があるのか理解している既習の知識・技能の組み合わせで解決できそうだという見通しをもっている

価値

期待

子供のさらなる「学び」を支えるために「教える」AL の視点からの授業改善

Ⅵ  ( AL 型)授業改善の   視点

( AL 型)授業改善の視点

Ⅰ  算数的活動の充実。授業構造の見直し(必須)を意識しながら,より AL 型の授業を作るのが大切。

Ⅱ  交流はその価値に触れていることが重要。それは低学年から積み重ねられていることが望ましい。

Ⅲ  思考・表現する場・時間・かかわりの保障。考える能力・表現する能力の育成。教科専門性の深化は不可欠。子ども中心( Child

Center )の授業改善子どもの思いや願いを大切にした授業 必要感・思考の流れ「教え」から「学び」へ

主体的対話的深い学び

   個別の知識や技能

(何を知っているか、何ができるか)思考力・判断力・表現力等教科等の本質に根ざした見方や考

え方等( 知っていること・できることをどう使うか )

学びに向かう力、人間性等情意、態度等に関わるもの(どのように社会・世界と関わりよりよい人生を送るか)

高学年

数量や図形などについての基礎的・基本的な概念や性質などを理解し,日常の事象を数理的に処理するための知識・技能を身に付けている。 問題解決に必要な数学的プロセスについて,主体的に取り組み,発展・統合などの数学的な処理を通して問題を解決することができる。

日常の事象を数理的に捉え,見通しをもち筋道を立てて考察する力を身に付けている。数量や図形の性質や計算の仕方などを見いだしたり,既習の内容と結びつけ,統合的に考えたり,そのことを基に発展的に考えたりする力を身に付けている。数学的な表現を用いて事象を簡潔・明瞭・的確に表したり,柔軟に表したりする力を身に付けている。

数学的な考え方や数理的な処理のよさに気付き,算数の学習を進んで生活や学習に活用しようとしている。抽象的に表現されたことを具体的に表現しようとしたり,具体的に表現されたことをより一般的に表現しようとしたりするなど,多面的に考えようとすることができる。

数学的な表現を用いて協働的に学ぶことのよさを実感しながら,問題解決することができる。数学的に表現・処理したことについて批判的に検討しようとしたりすることができる。

中学年

数量や図形などについての基礎的・基本的な概念や性質などを理解し,日常の事象を数理的に処理するための基礎的な知識・技能について身に付けている。 問題解決に必要な数学的プロセスについて,主体的に取り組み,問題を解決することができる。

日常の事象を数理的に捉え,結果を予想しながら考察する力を身に付けている。基礎的・基本的な数量や図形の性質や計算の仕方などを見いだしたり,既習の内容と結びつけて考えたりする力を身に付けている。数学的な表現を用いて表現する力を身に付けている。

数学的な考え方や数理的な処理のよさに気付き,算数の学習を進んで生活や学習に活用しようとしている。

数学的な表現を用いて協働的に問題解決することができる。数学的に表現・処理したことについて,多様な考えを比較しながら話し合ったりすることができる。

低学年

数量や図形などについての基礎的・基本的な概念や性質などを理解し,日常の事象を数理的に処理するための基礎的な知識・技能について身に付けている。 問題解決に必要な数学的プロセスについて体験し,そのよさについて実感している。

日常の事象を数理的に捉え,結果を想像しながら考察する力を身に付けている。数学的な表現もとに表現する力を身に付けている。

数学的な考え方や数理的な処理のよさを体験し,そのよさについて気づくことができる。 数学的に表現・処理したことについて評価し,改善に向けて話し合ったりすることのよさについて味わうことができる。

協働的に問題解決することを体験し,そのよさについて味わうことができる。

算数科で身に付けさせたい資質・能力 

できる!小学校・中学校で「アクティブ・ラーニング(参考webサイト) 

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