Ⅴ.判定基準値及び判定と指導一般財団法人...

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Ⅴ.判定基準値及び判定と指導 1. 身体計測 判定基準値 検査判定 検査名 2.肥 BMI 24.9以下 25.0~27.4 27.5~29.9 30.0以上 体重(kg)/身長(m) 2 体脂肪率(%) 24.9 25.0~29.9 30.0~34.9 35.0以上 男性に限る 体脂肪率計による 14.0 13.9以下※ 体脂肪率(%) 29.9 30.0~34.9 35.0~39.9 40.0以上 女性に限る 体脂肪率計による 17.0 16.9以下※ 3.や BMI 18.5以上 体重(kg)/身長(m) 18.4~17.0 16.9以下 2 ※ただし、2.肥満判定における体脂肪率負のB判定は肥満判定に含めず、肥満判定を1ランク軽くする場合があります。 ※ただし、2.肥満E判定は総合判定でC判定とする場合があります。 ※メタボリックシンドローム設定条件はウエスト周囲条件に加え脂質異常、高血圧、高血糖のいずれかの内2項目以上該当者となります(1-D)。腹囲の みが基準値を超えている場合については個人通知にのみ次のコメントが打たれます。 "腹囲が基準値(男性85cm女性90cm)を超えています。食生活に注意し適度な運動を行って下さい" 1-A.肥満分類と原因 BMI日本肥満学会 WHO基準 肥満の原因 18.5未満 低体重 Under weight 1.過食 18.5以上25.0未満 普通体重 Normal range 2.偏食 25.0以上30.0未満 肥 満(1度) Preobese 3.インスリン過剰分泌 30.0以上35.0未満 肥 満(2度) Obese classⅠ 4.運動不足(体動不足) 35.0以上40.0未満 肥 満(3度) Obese classⅡ 5.熱産生障害 40.0以上 肥 満(4度) Obese classⅢ 6.遺伝(摂食抑制因子レプチン異常) ※BMI=体重(kg)/身長(m) 2 1-B.肥満症の診断 1.BMI25.0以上で高血圧、脂質異常症、糖尿病などの合併症が認められるもの。 2.CT検査などにより内臓脂肪型肥満(100cm 2 以上)が認められるもの。 1-C.肥満指導内容 カロリー 医師管理下における男性1600kcal/日、女性1400kcal/日程度のカロリー制限。 食事指導 ゆっくり食べる及び朝食欠食、どか食い、夜遅くの過食等の偏食改善を指導。 運動指導 毎日合計60分程度の運動指導。(一日一万歩4~5km、週に20~30kmの歩行等) その他 重症肥満(BMI 35以上)に対する外科療法及び薬物療法。 一般財団法人 神奈川県労働衛生福祉協会

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Page 1: Ⅴ.判定基準値及び判定と指導一般財団法人 神奈川県労働衛生福祉協会.眼圧検査 判定基準値 検査判定検査名 ABCE P 9.眼 圧 眼圧(mmHg) 20以下

Ⅴ.判定基準値及び判定と指導

1. 身体計測 判定基準値

検査判定 検 査 名 A B C E P

2.肥 満 B M I 24.9以下 25.0~27.4 27.5~29.9 30.0以上

体重(kg)/身長(m)2

体脂肪率(%) 24.9 25.0~29.9 30.0~34.9 35.0以上

男性に限る

体脂肪率計による 14.0 13.9以下※

体脂肪率(%) 29.9 30.0~34.9 35.0~39.9 40.0以上

女性に限る

体脂肪率計による 17.0 16.9以下※

3.や せ B M I 18.5以上

体重(kg)/身長(m) 18.4~17.0 16.9以下2

※ただし、2.肥満判定における体脂肪率負のB判定は肥満判定に含めず、肥満判定を1ランク軽くする場合があります。

※ただし、2.肥満E判定は総合判定でC判定とする場合があります。

※メタボリックシンドローム設定条件はウエスト周囲条件に加え脂質異常、高血圧、高血糖のいずれかの内2項目以上該当者となります(1-D)。腹囲の

みが基準値を超えている場合については個人通知にのみ次のコメントが打たれます。

"腹囲が基準値(男性85cm女性90cm)を超えています。食生活に注意し適度な運動を行って下さい"

1-A.肥満分類と原因

BMI※ 日本肥満学会 WHO基準 肥満の原因

18.5未満 低 体 重 Under weight 1.過食

18.5以上25.0未満 普通体重 Normal range 2.偏食

25.0以上30.0未満 肥 満(1度) Preobese 3.インスリン過剰分泌

30.0以上35.0未満 肥 満(2度) Obese classⅠ 4.運動不足(体動不足)

35.0以上40.0未満 肥 満(3度) Obese classⅡ 5.熱産生障害

40.0以上 肥 満(4度) Obese classⅢ 6.遺伝(摂食抑制因子レプチン異常)

※BMI=体重(kg)/身長(m)2

1-B.肥満症の診断

1.BMI25.0以上で高血圧、脂質異常症、糖尿病などの合併症が認められるもの。

2.CT検査などにより内臓脂肪型肥満(100cm2以上)が認められるもの。

1-C.肥満指導内容

指 導 内 容

カロリー 医師管理下における男性1600kcal/日、女性1400kcal/日程度のカロリー制限。

食事指導 ゆっくり食べる及び朝食欠食、どか食い、夜遅くの過食等の偏食改善を指導。

運動指導 毎日合計60分程度の運動指導。(一日一万歩4~5km、週に20~30kmの歩行等)

そ の 他 重症肥満(BMI 35以上)に対する外科療法及び薬物療法。

一般財団法人 神奈川県労働衛生福祉協会

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1-D.メタボリックシンドロームの診断基準

内臓脂肪(腹腔内脂肪)蓄積

腹囲(ウエスト周囲径) 男性85cm以上女性90cm以上

(内臓脂肪面積 男女とも100㎠以上に相当)

高中性脂肪 150mg/dl以上かつ/または

低HDLコレステロール 40mg/dl未満男女とも

収縮期血圧 130mmHg以上かつ/または

拡張期血圧 85mmHg以上

空腹時高血糖 110mg/dl以上HbA1c 6.0%以上

食後10時間以上は血糖食後10時間未満はHbA1cでチェック

腹囲に加え、上記3項目の該当リスクのうち

2項目以上 :基準該当

1項目 :予備群該当

0項目 :非該当

項目不足 :判定不能

*CTスキャンなどで内臓脂肪量測定を行うことが望ま

しい。

*腹囲(ウエスト周囲径)は立位、軽呼気時、臍レベルで

測定する。脂肪蓄積が著明で臍が下方に偏位している

場合は肋骨下縁と前上腸骨棘の中点の高さで測定す

る。

*メタボリックシンドロームと診断された場合、糖負荷

試験が薦められるが診断には必須ではない。

*高TG血症、低HDL-C血症、高血圧、糖尿病に対

する薬剤治療を受けている場合は、それぞれの項目に

含める。

*糖尿病、高コレステロール血症の存在はメタボリック

シンドロームの診断から除外されない。

メタボリックシンドローム診断基準検討委員会

厚生労働省保険局 「特定健康診査・特定保健指導の円滑な実施に向けた

手引き」

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2. 聴力検査 判定基準値

検査判定 検 査 名 A B C E P

5.1000Hz 1000Hz(dB) 30以下 31以上

オージオメータ

1000Hz 所見なし 所見あり

スクリーニング

6.4000Hz 4000Hz(dB) 40以下 41以上

雇い入れを除く

オージオメータ

4000Hz(dB) 30以下 31以上

雇い入れに限る

オージオメータ

4000Hz 所見なし 所見あり

スクリーニング

7.会 話 会 話 法 所見なし 所見あり

8.計 算 3分法(dB) 30以下 31以上

オージオメータ

4分法(dB) 30以下 31以上

オージオメータ

6分法(dB) 30以下 31以上

オージオメータ

■オージオメータによる計算式(当協会では平成18年度より通常3分法により判定されています)

500Hzの可聴音= a 1000Hzの可聴音= b 2000Hzの可聴音= c 4000Hzの可聴音= d としたとき

a + b + c3分法= ※3分法は労働安全衛生法「騒音業務」で推奨されています。

3

a + 2b + c4分法=

4

a + 2b + 2c + d6分法=

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2-A.日本耳鼻咽喉科学会「聴力検査結果に基づく管理区分」

聴力レベルで管理する場合、3分法平均聴力レベル及

び4000Hzの聴力レベルのいずれでも基準を超えている場

合は、越えている区分で措置を講じて下さい。また、騒

音性難聴は通常左右差がほとんど認められないのが特徴

です。しかし、騒音暴露に左右差がある場合、あるいは

左右の耳の音響受傷性の違いがある場合に左右差が認め

られる場合があります。騒音性難聴で左右差がある場合

は、各耳の評価を基に悪い方の耳の評価によって区分を

決め、措置を講じて下さい。

聴力レベル区 分 措 置

高 音 域 会話音域

30dB未満 30dB未満 健 常 者 一般的聴力管理

30dB以上 要観察者 第Ⅱ管理区分に区分された場所等においても防具保

50dB未満 (前駆期の症状が認められる方) 護具の使用を励行、そのほか必要な措置を講ずる。

50dB以上 30dB以上 要観察者

40dB未満 (軽度の聴力低下が認められる方)

40dB以上 要管理者 防音保護具の使用の励行、騒音作業時間の短縮、配

(中等度以上の聴力低下が認められる方) 置転換、そのほか必要な措置を講ずる。

備考1 高音域の聴力レベルは、4000Hzについての聴力レベルによる。

備考2 会話音域の聴力レベルは、3分法平均聴力レベルによる。

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.眼圧検査 判定基準値

検査判定 検 査 名 A B C E P

9.眼 圧 眼圧(mmHg) 20以下 21以上

非接触型眼圧計

3-A.緑内障の診断

眼圧は絶えず変動しているため、一回の測定では異常

か否かは判断が難しいです。眼圧が正常でも緑内障のみ

られる場合が多く、全緑内障の過半数を占めるといわれ

ています。

眼底検査では乳頭陥凹拡大、乳頭の変形、乳頭線状出

血、視神経線維層欠損などが緑内障を疑わせる所見であ

り、専門的な精密検査が必要です。

眼圧測定は健康診断として不可欠な検査とはいえませ

ん。

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4.胸部検査(喀痰・肺機能) 判定基準値

検査判定 検 査 名 A B C E P

13.喀 痰 喀痰細胞診 区分B 区分C 区分D 区分E

肺癌学会判定

喀痰細胞診 クラスⅡ Ⅲ~Ⅲa Ⅲb~Ⅳ Ⅴ~

Papanicolaou分類 クラスⅠ

14.肺機能 %肺活量(%)

オートスパイロ 80.0以上 79.9~70.0 69.9以下

一秒率(%)

オートスパイロ 70.0以上 69.9~60.0 59.9~50.0 49.9以下

※ただし、13.喀痰細胞診判定におけるA区分(検体不適)及び判定不能は、喀痰細胞診判定をF(要再検)としています。また、Papanicolaou分類の説明

は婦人科検査の子宮頸部細胞診を参照して下さい。

※じん肺を除く通常の%肺活量においては日本呼吸器学会肺生理専門委員会推奨の式により予測肺活量を算出しています。

肺癌学会の喀痰細胞診分類

A区分:喀痰中に組織球を認めない

B区分:正常上皮細胞のみ、基底細胞増生、軽度異型扁平上皮細胞、繊毛円柱上皮細胞

C区分:中等度の異型扁平上皮細胞、核の増大や濃染を伴う円柱上皮細胞

D区分:高度(境界)異型扁平上皮細胞、または悪性腫瘍の疑いある細胞を認める

E区分:悪性腫瘍細胞を認める

Baldwinと日本呼吸器学会の予測肺活量の式

%肺活量(%)=(実測肺活量/予測肺活量)×100

■Baldwinの予測肺活量の式(成人) 注)身長の単位は(cm)です。

男性 予測肺活量()={(27.63-0.112×年齢)×身長}/1000

女性 予測肺活量()={(21.78-0.101×年齢)×身長}/1000

■日本呼吸器学会の予測肺活量の式(成人) 注)身長の単位は(cm)です。

男性 予測肺活量()=0.045×身長-0.023×年齢-2.258

女性 予測肺活量()=0.032×身長-0.018×年齢-1.178

1秒率 拘束性 正 常

70%

混合性 閉塞性

80% %肺活量0

換気機能分類

※当協会では、平成18年度よりじん肺を除く肺機能検査の予測肺活量は日本呼吸器学会での計算式を使用しています。

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5.血圧測定 判定基準値

検査判定 検 査 名 A B C D P

16.高血圧 収縮期血圧(mmHg) 139以下 140~149 150~159 160~239 240以上

※1

※2 座位上腕

拡張期血圧(mmHg) 89以下 90~94 95~99 100~129 130以上

座位上腕

17.低血圧 収縮期血圧(mmHg)

※1

※2 座位上腕 100以上 99~80 79以下

拡張期血圧(mmHg)

座位上腕 50以上 49~40 39以下

※1ただし、16.高血圧の収縮期血圧と17.低血圧の拡張期血圧の両者が有所見の場合は、両者の高い判定を高血圧判定とします。

※2血圧二回測定時は、安静時として二回目の測定値を血圧判定に使用しています。

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6.電解質 判定基準値

検査判定 検 査 名 A B C E P

24.電解質 Na(mEq/l) 145 146~148 149以上~

電極法 135 134~132 131以下

K (mEq/l) 5.0 5.1~5.5 5.6以上~

電極法 3.5 3.4~3.0 2.9以下

Cl(mEq/l) 108 109~112 113以上~

電極法 98 97~94 93以下

Ca(mg/dl) 10.0 10.1~10.9 11.0以上~

電極法 8.2 8.1~7.5 7.4以下

P(mg/dl) 4.5 4.6~5.0 5.1以上~

電極法 2.5 2.4~2.0 1.9以下

Mg(mg/dl) 2.6 2.7~2.9 3.0以上~

比色法 1.7 1.6~1.3 1.2以下

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7.脂質代謝 判定基準値

検査判定 検 査 名 A B C E P

26.高脂血 総コレ(mg/dl) 219以下 220~239 240~279 280以上※1 男性に限る

酵素法

総コレ(mg/dl) 219以下 220~239 240~279 280以上45歳未満女性限る

酵素法

総コレ(mg/dl) 239以下 240~259 260~299 300以上45歳以上女性限る

酵素法

中性脂肪(mg/dl) 149以下 150~199 200~399 400~399 1000以上空腹時に限る※2

酵素法

中性脂肪(mg/dl) 199以下 200~229 230~399 400~399 1000以上随時に限る ※2

酵素法

27.低脂血 総コレ(mg/dl)

酵素法 150以上 149~120 119~100 99以下

中性脂肪(mg/dl)

酵素法 50以上 49~30 29以下

28.善 玉 HDL(mg/dl) 79 80~109 110~119 120以上男性に限る

直接法 40 39~35 34~30 29以下

HDL(mg/dl) 89 90~109 110~129 130以上女性に限る

直接法 40 39~35 34~30 29以下

29.悪 玉 LDL(mg/dl) 139 140~160 161~179 180以上~

酵素的測定法 70 69以下

※1ただし、妊娠中期から後期にかけて26.高脂血判定は、1ランクから2ランク下げて判定する場合があります。

※2食後3時間までを随時とし、食後4時間以上の場合を空腹時として判定します。

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8.糖代謝 判定基準値

検査判定 検 査 名 A B C E P

31.血 糖 血 糖(mg/dl) 109 110~125 126~349 350以上

空腹時

ヘキソキナーゼ法 60 59~50 49~40 39以下

血 糖(mg/dl) 139 140~199 200~349 350以上

食後2~3時間

ヘキソキナーゼ法 60 59~50 49~40 39以下

血 糖(mg/dl) 159 160~199 200~349 350以上

食後1時間

ヘキソキナーゼ法 60 59~50 49~40 39以下

32.HbA1c HbA1c(%) 5.9 6.0~6.2 6.3~6.4 6.5~10.4 10.5以上

(NGSP)

ラテックス凝集法 4.6 4.5~4.3 4.2以下

HbA1c(%) 5.5 5.6~5.8 5.9~6.0 6.1~9.9 10.0以上

(JDS) ※1

ラテックス凝集法 4.3 4.2~4.0 3.9以下

33.尿 糖 尿糖定性 (-) (1+)以上※2

試験紙法(JCCLS)

※1 HbA1c(JDS)値については、平成26年4月1日より国際基準値 HbA1c(NGSP値)のみになりますので、

過去データのご参考に掲載しております。

※2 ただし、31.血糖及び32.HbA1cに対する検査の実施がなく、33.尿糖の有所見は尿糖判定をE(要精検)としています。

8-A.糖尿病の分類

1.1型糖尿病 膵β細胞の機能脱落、絶対的インスリン欠乏

2.2型糖尿病 末梢組織のインスリン抵抗性増大、

(成人糖尿病の95%) インスリン分泌不足(初期高インスリン血症)

3.その他特定の型 遺伝性、膵疾患、感染、ストレス、内分泌疾患、ステロイド

4.妊娠糖尿病 妊娠時糖尿、過熟児

8-B.糖尿病診断基準(病期分類)

1.糖尿病型 空腹時血糖126mg/dl以上または負荷二時間値血糖200mg/dl以上

あるいは随時血糖200mg/dl以上 HbA1c6.1%以上

2.境界型 正常型、糖尿病型のいずれにも該当しないもの

3.耐糖能低下 空腹時血糖110~125mg/dl及び負荷二時間値血糖140~199mg/dl

4.正常型 空腹時血糖110mg/dl未満及び負荷二時間値血糖140mg/dl未満

※血糖値とHbA1cの同時測定を推奨。

※血糖値とHbA1c値の両方が基準を上回れば、糖尿病と診断できる。

※血糖値のみ、もしくはHbA1cのみ異常値の場合は、別日に検査した二回以上の異常値により診断する。ただしHbA1cの反復検査のみ

では糖尿病と診断できない。

※血糖値が異常で、典型的症状、糖尿病性網膜症がある場合には、一回の異常値により判定可能。

※高度肥満症、糖尿病家系は判定に関して重視する。

※胃切除、吸収亢進、過食等により一過性過血糖(負荷血糖一時間値のみ上昇等)となることがある。

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8-C.糖尿病判定区分

A B C D

空腹時血糖(mg/dl) 110未満 - 110~125 126以上

負荷二時間値血糖 140未満 140~159 160~199 200以上

HbA1c(%) 5.6未満 5.6~5.8 5.9~6.0 6.1以上

糖尿病の臨床診断のフローチャート(平成24年4月1日施行) 日本糖尿病学会

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9.肝機能検査 判定基準値

検査判定 検 査 名 A B C E P

35.肝機能 AST(GOT)(U/l) 40 41~44 45~79 80~499 500以上~

UV法(JSCC) 10 9以下

ALT(GPT)(U/l) 45 46~59 60~89 90~499 500以上~

UV法(JSCC) 5 4以下

γ-GT(γ-GTP)(U/l) 49以下 50~99 100~199 200~499 500以上

男性に限る ※1

比色法(JSCC)

γ-GT(γ-GTP)(U/l) 45以下 46~69 70~99 100~499 500以上

女性に限る ※1

比色法(JSCC)

▲ ZTT(U) 12.0 12.1~15.0 15.1~20.0 20.1以上~

比濁法 2.3 2.2~1.0 0.9以下

▲ TTT(U) 6.5 6.6~7.9 8.0~10.0 10.1以上~

比濁法 0.5 0.4以下

▲ LDH(U/l) 245 246~279 280~349 350以上~

UV法(JSCC) 120 119以下

▲ LAP(U/l) ※2 78 79~100 101~120 121以上~

比色法 30 29以下

▲ ChE(U/l) 495 496~579 580~649 650以上

男性に限る

UV法(JSCC) 245 244~180 179以下

▲ ChE(U/l) 452 453~529 530~599 600以上

女性に限る

UV法(JSCC) 198 197~140 139以下

総蛋白(g/dl) 8.2 8.3~8.4 8.5~8.9 9.0以上~

比色法 6.5 6.4~6.3 6.2~6.0 5.9以下

A/G比 2.00 2.01以上~

比色法 1.30 1.29~1.20 1.19~1.00 0.99以下

▲ ALP(U/l) ※2 350 351~399 400~499 500以上~

比色法(JSCC) 105 104~50 49以下

▲ 総ビリルビン 1.0 1.1~1.5 1.6~2.9 3.0以上

(mg/dl)

比色法 0.2 0.1以下

※1ただし、γ-GTの基準値は非飲酒群に対する専用の基準値設定を現在検討中です。

※2ただし、妊娠中期から後期にかけて判定を、1ランクから2ランク下げて判定する場合があります。

注)検査名の前に▲印のあるものは、健康診断として不可欠な検査ではなく省略してもよい。

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9-A.肝機能検査

検 査 名 分 類 ( )内評価 特 徴

AST(GOT) 逸脱酵素 肝疾患の診断、経過観察には有力な指標となる。その他ウイルス感染、薬物中毒、筋疾

(肝細胞障害) 患などで上昇し、心筋梗塞の早期診断にも用いられている。

ALT(GPT)

LDH すべての臓器に含まれ、特異性は低い。肝の他、肺、腎、心筋、皮膚疾患でも上昇する。

軽度の上昇は喫煙、湿疹などでみられる。著明な上昇は悪性腫瘍、白血病、溶血性貧血

などを疑う。

ALP 胆道酵素 膵・胆道疾患、薬物中毒、骨疾患で上昇し、軽度の上昇は閉経後の女性、バセドー病な

(胆汁うっ滞) どでもみられる。骨由来による上昇か否かはアイソザイムの定量で判定する。原因不明

のALP上昇も時にある。

LAP 胆石・胆のう炎の他、慢性肝炎、脂肪肝、ことにアルコール中毒では上昇していること

が多い。

γ-GT アルコール性肝障害、肝内胆管の閉塞などの時は著明に上昇する。急性アルコール中毒

では禁酒により2~3週間で正常に戻る。

ChE 酵素合成 慢性肝炎、肝硬変では血清アルブミンの低下と平行して低下し、重症度と比例する。ま

(肝実質機能量) た、脂肪肝では上昇する。

総ビリルビン ビリルビン代謝 溶血性黄疸では、間接ビリルビンが高値となり、胆石など胆汁うっ滞型の閉塞性黄疸で

(黄疸) は直接ビリルビンが高値となる。軽度の上昇が無症状で持続するものは先天性体質性黄

直接ビリルビン 疸のことがよくある。

A/G比 血清蛋白 肝実質障害ではアルブミンは低下し、慢性炎症、膠原病などでは免疫グロブリン(Ig)が

(肝実質障害) 増加する。免疫グロブリンはIgA、IgM、IgG、IgEなどに分けられる。

ZTT 膠質反応 ZTTはIgGとIgMに相当し、慢性肝炎、慢性感染症、甲状腺炎、肺線維症などで

(血清蛋白異常) 上昇する。また、TTT、IgMは感染発病初期に高くなる。

TTT

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10.膵機能検査 判定基準値

検査判定 検 査 名 A B C E P

36.膵機能 ▲ アミラーゼ(U/l) 134 135~175 176~220 221以上~

酵素法(JSCC) 39 38以下

注)検査名の前に▲印のあるものは、健康診断として不可欠な検査ではなく省略してもよい。

10-A.膵機能検査

検 査 名 分 類 ( )内評価 特 徴

ア ミ ラ ー ゼ 逸脱酵素 血中アミラーゼには膵型(P)と唾液腺型(S)があり、S型は唾液腺異常、腎機能低下時、

(血 清) (アミラーゼ活性) 腹部手術後、肺・肝疾患でも上昇することが多く、また、原因不明の高アミラーゼ血症

も健康人でみられることがある。膵疾患によるか否かは、アイソザイムの分析が必要で

ある。

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11.腎機能検査 判定基準値

検査判定 検 査 名 A B C E P

37.腎機能 クレアチニン(mg/dl) 1.09 1.10~1.29 1.30~1.99 2.00以上

男性に限る

酵素法 0.65 0.64以下

クレアチニン(mg/dl) 0.82 0.83~0.99 1.00~1.99 2.00以上

女性に限る

酵素法 0.46 0.45以下

▲ 尿素窒素(mg/dl) 20.0 20.1~25.0 25.1~30.0 30.1以上~

比色法 8.0 7.9以下

38.尿 酸 尿 酸(mg/dl) 6.9 7.0~7.9 8.0~8.9 9.0以上

男性に限る

酵素法 3.5 3.4以下

尿 酸(mg/dl) 6.0 6.1~6.9 7.0~7.9 8.0以上

女性に限る

酵素法 2.6 2.5以下

注)検査名の前に▲印のあるものは、健康診断として不可欠な検査ではなく省略してもよい。

11-A.腎機能検査

検 査 名 分 類 ( )内評価 特 徴

尿素窒素 血中尿性分 尿素は蛋白質の 終代謝産物であるアミノ酸から肝と腎で合成され腎より排せつされる。

(腎排せつ機能) 腎機能障害ではその血中濃度が上昇するが、腎以外の原因として脱水、飢餓、絶食、加

齢などでも上昇がみられる。

クレアチニン 筋肉内のエネルギー産生酵素ATPから生じ、腎から尿中に排せつされる。その血中濃

(血 中) 度は筋肉量に比例して常に一定で、食事や蛋白質摂取の影響を受けないため、 も良く

腎機能を表す指標とされる。

尿 酸 (尿酸代謝) 食物中の核酸代謝産物プリン体から肝で産生され、腎から排せつされる。肥満、運動、

過食、アルコール過飲などで上昇し、痛風発作、腎結石、腎機能低下、動脈硬化の誘因

となる。遺伝性に高い家系もある。また、腎機能低下時にも上昇する。

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12.血液一般 判定基準値

検査判定 検 査 名 A B C E P

40.貧 血 赤血球数(万/μl) ※1ただし、40.貧血判定はMCVを同時に算出し、判定の参考とします。

MCV=(Ht/RBC)×1000

男性に限る 425以上 424~400 399~360 359以下

赤血球数(万/μl)

女性に限る 376以上 375~350 349~300 299以下

血色素量(g/dl)

男性に限る 13.6以上 13.5~12.8 12.7~11.5 11.4~5.0 4.9以下

血色素量(g/dl)

女性に限る 11.5以上 11.4~11.0 10.9~10.0 9.9~5.0 4.9以下

ヘマトクリット(%)

男性に限る 40.4以上 40.3~38.0 37.9~35.0 34.9以下

ヘマトクリット(%)

女性に限る 34.3以上 34.2~32.5 32.4~30.0 29.9以下

血清鉄(μg/dl) 210 211以上

男性に限る

比色法 60 59以下

血清鉄(μg/dl) 170 171以上

女性に限る

比色法 50 49以下

41.多 血 赤血球数(万/μl) 577以下 578~599 600~649 650以上

男性に限る

赤血球数(万/μl) 516以下 517~529 530~549 550以上

女性に限る

血色素量(g/dl) 17.0以下 17.1~17.9 18.0~18.9 19.0以上

男性に限る

血色素量(g/dl) 15.0以下 15.1~15.9 16.0~17.9 18.0以上

女性に限る

ヘマトクリット(%) 51.9以下 52.0~52.9 53.0~54.9 55.0以上

男性に限る ※2ただし、41.多血判定の男性はヘマトクリット値の判定を優先としています。

ヘマトクリット(%) 45.2以下 45.3~48.0 48.1~52.0 52.1以上

女性に限る ※2ただし、41.多血判定の女性はヘマトクリット値の判定を優先としています。

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12.血液一般 判定基準値

検査判定 検 査 名 A B C E P

42.白血球 白血球数(/μl) 9700 9701~9999 10000~11999 12000~19999 20000以上~

3500 3499~3000 2999~2500 2499~1500 1499以下

43.血小板 血小板数(万/μl) 37.9 38.0~39.9 40.0~49.9 50.0~99.9 100.0以上~

14.0 13.9~12.0 11.9~10.0 9.9~ 3.0 2.9以下

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13.尿検査 判定基準値

検査判定 検 査 名 A B C E P

46.尿蛋白 尿蛋白 (-) (+) ()以上

試験紙法(JCCLS)

47.尿潜血 尿潜血 (-) (+) ()以上

試験紙法(JCCLS)

49.尿沈渣 赤血球数 ~4/HPF 5~/HPF

白血球数 ~4/HPF 5~/HPF

扁平上皮 ~4/HPF 5~19/HPF 20~99/HPF 100~/HPF

硝子円柱 ~9/WF 10~/WF

顆粒円柱 0/WF 1~/WF

細菌 (-) (+)

※1 生化学検査(腎機能)の実施がない場合は、46.尿蛋白判定と47.尿潜血判定の有所見をE判定(要精検)としています。また、自覚症状の肉眼的血尿を

潜血陽性と同時に認めた場合に47.尿潜血判定の陽性をE判定(要精検)とする場合があります。

※2 沈渣無機成分シュウ酸カルシウム、リン酸塩、尿酸結晶、炭酸カルシウムはA判定(異常なし)としています。

※3 過去3年間、蛋白や潜血が各々について陽性が続いている場合、医師の判断のもと判定ランクが変動する場合があります。

※4 生理だった場合は、46.尿蛋白判定と47.尿潜血判定と49.尿沈渣判定の有所見をF判定(要再検)とし、所見を検尿不適としてます。

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14.肝炎ウイルス検査 判定基準値

検査判定 検 査 名 A B C E P

51.B 型 HBs抗原 (-) (+)

RIA固相法

HBs抗原 8倍未満 8倍以上 4096以上

PA法

HBs抗体 (-) (+)

RIA固相法

HBs抗体 8倍未満 8倍以上

PHA法

52.C 型 HCV抗体 (-) (+)

(3rd)

IRMA(RIA固相法)

※ただし、51.B型判定において抗原・抗体検査の両者を実施した場合、抗体のみの有所見はA(異常なし)としています。

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15.血清学検査 判定基準値

検査判定 検 査 名 A B C E P

55.リウマチ ASO(IU/ml) 244以下 245~299 300~399 400以上

ラテックス免疫比濁法

ASK 1280倍以下 1281倍以上

PA法

RF(リウマチ因子)定量 15以下 16~31 32~63 64以上

(U/ml)

免疫比濁法

CRP(mg/dl) 0.30以下 0.31~0.99 1.00~4.99 5.00以上

ラテックス凝集法

56.STS TPHA法(定性) (-) (+)

ラテックス凝集法

TPHA法(定量) 80倍未満 80倍以上

ラテックス凝集法

RPR法(定性) (-) (+)

ラテックス凝集法

RPR法(定量) 1倍未満 1倍以上

ラテックス凝集法

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16.甲状腺検査 判定基準値

検査判定 検 査 名 A B C E P

59.ホルモン FT3(ng/dl) 4.1 4.2~4.5 4.6~5.0 5.1以上~

CLIA法 2.2 2.1~2.0 1.9以下

FT4(ng/dl) 1.9 2.0~2.2 2.3~2.5 2.6以上~

CLIA法 0.8 0.7~0.6 0.5以下

TSH(μIU/ml) 4.0 4.1~4.2 4.3~4.5 4.6以上~

CLIA法 0.4 0.3~0.2 0.1以下

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17.胃部検査 判定基準値

検査判定 検 査 名 A B C E P

64.P G ペプシノーゲン判定 陰 性 陽 性

ラテックス凝集法

※ただし、ペプシノーゲン判定は以下を参照して下さい。

PGⅠ値とPGⅡ値(PGⅠ/Ⅱ比)によるペプシノーゲン判定表

PG判定 PGⅠ値(ng/ml) 複合条件 PGⅠ/Ⅱ比

陽 性 70以下 かつ 3以下

※上記に該当しない場合には「陰性」としています。

人は年齢を重ねると、体力や皮膚の弾力が低下するなど老化現象が起こるように、胃の粘膜にも萎縮の変化が起こっ

ています。

ペプシノーゲン検査はこの萎縮の変化を調べる検査です。しかし胃粘膜の老化に伴い潰瘍や胃がんになる確率が高く

なると言われていることから、検査で陽性となった方は胃内視鏡検査を、陰性の方は胃X線検査を受けるようお勧めし

ています。

ヘリコバクター・ピロリ抗体

ヘリコバクター・ピロリ抗体価検査とは、胃がヘリコバクター・ピロリ菌に感染していないかを調べる検査です。

ヘリコバクター・ピロリ菌は胃酸の分泌や胃粘膜の免疫能の働きが不十分な幼少期(4~5歳)頃までに感染すると考

えられています。

感染すると、胃粘膜を覆っている粘膜層の中に潜り込み、粘膜の表面に付着したり、細胞の間に入り込んで増殖し、

胃粘膜に障害を与えます。胃炎や胃・十二指腸潰瘍の重要な原因となっていることが明らかになっています。

検査名判定 検査名 A B C E P

H・ピロリ菌 ヘリコバクター・ピロリ (-) (+)

IgG抗体 10.0U/ml未満 10.0U/ml以上

ABC健診

胃潰瘍・十二指腸潰瘍の主な原因と考えられているヘリコバクター・ピロリ菌の抗体と胃粘膜萎縮(老化)マーカー

のペプシノーゲン検査とを組み合わせて、胃の健康度をABCDの4群に分類する健診です。これにより個人の胃がん

になるリスクを知ることが出来ます。リスクの高い人から胃がんを早期に発見できるとともに、リスクの低い人は検査

間隔を延ばせるというメリットがあります。

このABCD分類を用いて胃の健康度に応じた健診間隔を設定し、効率的に健診を行ないます。

ヘリコバクター・ピロリ菌

ABC分類(-) (+)

(-) A群 B群ペプシノーゲン検査

(+) C群 D群

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リスク

低 A群:健康な胃粘膜。胃粘膜萎縮の可能性は非常に低い。

B群:少し弱った胃です。胃潰瘍・十二指腸潰瘍に注意。

C群:弱った胃です。内視鏡による定期的な検査が必要。

高 D群:かなり弱った胃です。毎年の内視鏡検査をお勧めします。

<ABC健診に適さない方>

・胃の病気の治療中の方

・胃切除後の方

・胃酸を抑える薬を服用中の方

・腎不全の方

・ヘリコバクター・ピロリ菌の除菌治療を受けた方

これらに該当する方は医療機関にご確認、ご相談下さい。

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18.大腸検査(便潜血) 判定基準値

検査判定 検 査 名 A B C E P

66.便潜血 便潜血反応 (-) (+)

ラテックス凝集法

※二回法の便潜血反応の一方が陽性であった場合には、もう一方が陰性であっても陽性として判定する。

平成20年4月1日から『がん予防重点健康教育及び

がん検診実施のための指針』(厚生労働省健康局長健発

第0331058号 平成20年3月31日)が適用と

なり、大腸がん検診において『要精検』とされた方につ

いての精密検査は下記のようになっています。

①大腸がん検診の実施に当っては、精密検査の実施体制

が整っていることが不可欠であり、精密検査の第一選択

は、全大腸内視鏡検査とする。

②精密検査を全大腸内視鏡検査で行なうことが困難な場

合においては、S状結腸内視鏡検査と注腸エックス線検

査(二重造影法)の併用による精密検査を実施するもの

とする。

③当協会では指針に添って実施の方針ですが、経過措置

として精密検査をバリウムによる注腸X線検査やCT検

査を実施します。

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19.腫瘍マーカー 判定基準値

検査判定 検 査 名 A B C E P

70.腫瘍-M CEA(ng/ml) 5.0以下 5.1以上

CLIA法

αFP(定量)(ng/ml) 10.0以下 10.1以上

CLIA法

CA15-3(U/ml) 27以下 28以上

CLIA法

CA19-9(U/ml) 37以下 38以上

CLIA法

CA125(U/ml) 35以下 36以上

CLIA法

フェリチン(ng/ml) 282.0 282.1以上

男性に限る~

ラテックス凝集法 21.0 20.9以下

フェリチン(ng/ml) 157.0 157.1以上

女性に限る

ラテックス凝集法 5.0 4.9以下

サイトケラチン19フラ(ng/ml) 3.5以下 3.6以上

(CYFRA)

IRMA(RIA固相法)

ProGRP(pg/ml) 45.9以下 46.0以上

EIA法

TPA(pg/ml) 70以下 71以上

IRMA(RIA固相法)

※平成21年度よりαFP(定性)は受託中止となりました。代替項目としてαFP(定量)となります。

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20.前立腺検査 判定基準値

検査判定 検 査 名 A B C E P

81.前立腺 前立腺特異抗原 4.0以下 4.1以上

腫瘍マーカー PSA-タンデム(ng/ml)

(PSA等) ※ CLEIA法

γセミノプロテイン 4.0以下 4.1以上

(ng/ml)

EIA法

PAP(U/l) 2.9以下 3.0以上

前立腺酸フォスファターゼ

UV法

ACP(U/l) 14.0 14.1以上

酸フォスファターゼ

UV法 5.9 5.8以下

※ただし、81.前立腺腫瘍マーカーには、判定分類上酵素反応(PAP・ACP)も含んでいます。また、すべての検査は男性に限ります。

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21.筋骨格検査 判定基準値

検査判定 検 査 名 A B C E P

94.骨 粗 スティフネス値(ST)

※ 男性に限る

超音波法 84.0以上 83.9~74.0 73.9以下

スティフネス値(ST)

女性に限る

超音波法 79.0以上 78.9~70.0 69.9以下

95.筋骨格 CPK(U/l) 230 231~550 551~1000 1001以上

男性に限る

UV法(JSCC) 50 49以下

CPK(U/l) 210 211~500 501~1000 1001以上

女性に限る

UV法(JSCC) 50 49以下

※94.骨粗鬆症判定のスティフネス値の設定は、若年成人平均値に対してC区分で約90%、E区分で約80%に相当します。