Ⅰ-1.産業クラスター活動の推進 · 2018-01-10 · 4...

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4 Ⅰ-1.産業クラスター活動の推進 <背景・目的> これまで取り組んできた産業クラスタープロジェクトは、産学官のネットワーク形成、地域発イノベーシ ョンの創出など、多大な成果を上げています。 今後は、産業クラスター政策の一層の効果向上を目指し、2010年度に行った産業クラスター政策の 再構築を踏まえ、地域が主導する地域振興のための地域主導型クラスターの形成を支援するととも に、地域の将来を担う成長産業分野の取組を重点的に支援し、先導的・モデル的クラスターの形成を 推進します。 <2013年度のアクション> 県域を越える広域的連携事業のうち、産業クラスター政策の手法により地域主導で行う方が政策効 果が高い地域主導型クラスターについては、企業立地促進法を活用して自治体との共創により支援 を行います。 国際競争力確保等の観点から、全国的視野で推進していく必要がある先導的・モデル的クラスターの 形成に向けて以下のプロジェクトを積極的に展開します。 ・中国地域・先進環境対応車クラスタープロジェクト ・太陽電池等関連産業クラスタープロジェクト ・ものづくり技術の医療関連分野への横展開プロジェクト 産業集積の形成、発展を支える基盤作りに向けて、従来、産業クラスター活動との連携体制を構築し てきた金融機関ネットワークの強化等、広域的な地域ネットワークの構築を図るとともに、それらを通 じた政策ツールの利活用を促進します。 主な関連施策:地域新産業戦略推進事業、成長産業・企業立地促進等事業費補助金 担当課室:参事官(産学官連携・産業クラスター担当)、参事官(電子・情報産業担当) ②先導的クラスター ・先導的・モデル的な分野で、我が国の 国際競争力確保のため、全国的な視野 から形成を推進していく必要があるクラス ターは国が主導。 ①地域主導型クラスター ・地域独自で取り組むクラスターの他、広域で取り 組むものについては、企業立地促進法などの施策 で国がサポートしていくケースも。 産業クラスタープロジェクトをより強化するため、企業立地促進法を活用して自治体 との共創による広域的連携事業を推進するとともに、先導的・モデル的クラスターの 形成に向けて、先進環境対応車・太陽電池産業創出等のプロジェクトを積極的に展 開します。 地域との共創による産業クラスター政策の再構築

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Page 1: Ⅰ-1.産業クラスター活動の推進 · 2018-01-10 · 4 Ⅰ-1.産業クラスター活動の推進 <背景・目的> これまで取り組んできた産業クラスタープロジェクトは、産学官のネットワーク形成、地域発イノベーシ

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Ⅰ-1.産業クラスター活動の推進

<背景・目的>

○ これまで取り組んできた産業クラスタープロジェクトは、産学官のネットワーク形成、地域発イノベーシ

ョンの創出など、多大な成果を上げています。

○ 今後は、産業クラスター政策の一層の効果向上を目指し、2010年度に行った産業クラスター政策の

再構築を踏まえ、地域が主導する地域振興のための地域主導型クラスターの形成を支援するととも

に、地域の将来を担う成長産業分野の取組を重点的に支援し、先導的・モデル的クラスターの形成を

推進します。

<2013年度のアクション>

◇ 県域を越える広域的連携事業のうち、産業クラスター政策の手法により地域主導で行う方が政策効

果が高い地域主導型クラスターについては、企業立地促進法を活用して自治体との共創により支援

を行います。

◇ 国際競争力確保等の観点から、全国的視野で推進していく必要がある先導的・モデル的クラスターの

形成に向けて以下のプロジェクトを積極的に展開します。

・中国地域・先進環境対応車クラスタープロジェクト

・太陽電池等関連産業クラスタープロジェクト

・ものづくり技術の医療関連分野への横展開プロジェクト

◇ 産業集積の形成、発展を支える基盤作りに向けて、従来、産業クラスター活動との連携体制を構築し

てきた金融機関ネットワークの強化等、広域的な地域ネットワークの構築を図るとともに、それらを通

じた政策ツールの利活用を促進します。

主な関連施策:地域新産業戦略推進事業、成長産業・企業立地促進等事業費補助金 担当課室:参事官(産学官連携・産業クラスター担当)、参事官(電子・情報産業担当)

②先導的クラスター ・先導的・モデル的な分野で、我が国の国際競争力確保のため、全国的な視野から形成を推進していく必要があるクラスターは国が主導。

①地域主導型クラスター

・地域独自で取り組むクラスターの他、広域で取り組むものについては、企業立地促進法などの施策で国がサポートしていくケースも。

産業クラスタープロジェクトをより強化するため、企業立地促進法を活用して自治体

との共創による広域的連携事業を推進するとともに、先導的・モデル的クラスターの

形成に向けて、先進環境対応車・太陽電池産業創出等のプロジェクトを積極的に展

開します。

地域との共創による産業クラスター政策の再構築

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-中国地域・先進環境対応車クラスタープロジェクト- (※)KP2020「1(1)中国地域・先進環境対応車クラスタープロジェクト」

<背景・目的>

○ 自動車は、中国地域の付加価値創出の泉源として重要な産業分野です。

○ 自動車市場にあっては、先進国での環境・安全・快適をキーワードとするニーズの高度化と、先進国

と新興国での需要拡大による世界50億人市場に対応した事業展開が必要であり、中国地域の企

業がこれらの潮流を捉え、果敢な事業展開を支援することが必要です。

<2013年度のアクション>

◇ 「中国地域・先進環境対応車クラスタープロジェクト」として中国地域の基盤技術系の集積という強み

を活かしつつ、課題であるカーエレクトロニクス化への対応強化、自動車分野と関連分野との融合を

進めることで進化する自動車技術への対応を図っていきます。また、これまでの取り組みにより形成

された産学官のネットワークを活用し、地域一体型のプロジェクトとして取り組んでいきます。

・九州地域との連携強化に向けた関係者会議

・広域ネットワークを活用した自動車分野と関連分野との融合

(中国地域・九州地域の産学官連携に向けた技術開発ポテンシャル調査及び技術開発プロジェクトの推進)

・技術ニーズ・シーズプラットフォーム構築(ニーズ・シーズの広域的な整理等)

・医工連携分野による「人に優しい車」の部材開発支援

~ひろしま医工連携・先進医療イノベーション拠点との有機的連携~

・ビジネスマッチング(九州地域との合同展示商談会)

・先進環境対応車技術に対応する人材育成

・ビジネス構築に向けた海外市場調査

・海外クラスターとの交流促進

主な関連施策:地域新産業戦略推進事業、成長産業・企業立地促進等事業費補助金 担当課室:参事官(産学官連携・産業クラスター担当)

燃費向上

電動化

軽量化

低コスト化

モジュール化

安全・快適

ニーズの高度化1.安全・快適2.環境負荷の低減3.リーズナブルな価格

関連分野の融合

技術開発

経営基盤強化

人材育成

誘致(企業・研究者)

評価機器整備 エレクトロニクス化

次世代自動車の産業集積

将来の自動車産業の方向性と中国地域の将来像

技術経営

販路拡大(国内・海外)

大学・公設試との連携

産学官連携拠点

域外との連携

自治体との連携

ロボット・テクノロジー

素材 エネルギー

省エネ空調システム シート

ハイパーソニック

遮音・制振システム

インパネ

【地域の自動車部品ポテンシャル】

地域には車室内関連部品・システムの集積が高いため、それら部品を統合した車室内全体を考慮した開発を行う

内装材

情報通信・ITS

ソフトウェア

エレクトロニクス人間工学

先端的な技術領域での水準を高め、経営基盤を強化し、世界でも有数の強靱な競争

力を擁する産業集積の形成を目指します。

(※)KP2020:「ど真ん中!中国地域経済活性化プロジェクト2020」

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-太陽電池等関連産業クラスタープロジェクト- KP2020「1(2)太陽電池関連産業クラスタープロジェクト」

<背景・目的>

○ 中国地域には、半導体関連企業、工作機械メーカー、素材メーカー、次世代型太陽電池の研究拠点

等の集積が見られ、また、独自技術を用いて、既に業界で高いシェアを誇っている企業も存在してい

ます。

○ これらの企業等の最適な連携は、事業化による地域経済の発展とともに、次世代太陽電池産業に代

表される我が国の電子デバイス関連産業の飛躍的な発展をもたらす可能性を有しています。

○ 当局では、中国地域内外の産学官による研究開発、事業化・市場化、人材育成を推進するため、平

成21年9月に「中国地域太陽電池フォーラム」を設立し、平成22年度より、各種具体的な支援を行っ

ているところです。

○ 今後の展開としては、2020年を目途に、中国地域を、次世代太陽電池関連部素材・装置等の世界

的な供給基地として認識を得られるレベルまで成長させていきます。

<2013年度のアクション>

◇ 引き続き産学官ネットワークの強化・拡充を行うとともに、部材・製造装置メーカーが、世界的に優位

にある我が国の新素材の特性をいかした次世代電子デバイス等の印刷製造技術等の実用化など、

新たな付加価値を創造する個別具体的な取組を重点的に支援します。また、当地域だけでは不十分

な地域リソースを補うため九州地域や近畿地域などの周辺地域との連携強化を図ります。

◇ 具体的には、「中国地域太陽電池フォーラム」を母体として、研究開発連携支援事業、事業化・市場化

支援事業、人材育成支援事業の3つの切り口から各種事業に取り組みます。

・研究開発連携支援:コーディネート活動、研究会・交流会の運営等

・事業化・市場化支援:ビジジネスマッチングの実施、大規模国際展示会への出展、金融機関とのマッ

チングの実施等

・人材育成支援:大学に開設された太陽電池関連講座の運営支援等

◇ また、電子デバイス関連産業の競争力強化に向けて、今後成長が期待できるパワー半導体や有機

EL等の次世代電子デバイス分野におけるアプリケーション市場の開拓等を支援します。 主な関連施策:地域新産業戦略推進事業 担当課室:参事官(電子・情報産業担当)

部素材・電子デバイス製造分野の集積を活かし、国際競争力ある次世代太陽電池等

関連の部素材・装置の供給基地を目指します。

<PV EXPO2013(国際太陽電池展)出展> 2013 年 2月 27日~3月 1日に東京ビックサイトで開催された同展示会に会員企業とともに出展。3日間で約250件のコンタクトがあった。

<産学官ビジネスマッチング交流会開催> 2012 年 12 月 11 日に広島国際会議場で開催。17の企業及び大学等が出展するとともに、次世代太陽電池展望セミナーも同時開催。

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Ⅰ-2.ものづくり基盤技術産業の強化と「オンリーワン・

ナンバーワン企業」の創出 KP2020「1(3)『オンリーワン・ナンバーワン企業』元気拡大プロジェクト」

<背景・目的>

○ 中国地域には、自動車、電機等の基幹産業に対して、優れた基盤技術(鋳造・鍛造・メッキ等)で競争

力を下支えする中小企業群が集積するとともに、高い市場シェアを有する「オンリーワン企業」・「ナン

バーワン企業」が多数存在しています。

○ 大企業・中堅企業等の海外への生産拠点の移転が進むなど、今後国内における受注量の減少が懸

念される一方で、ものづくり産業の東アジアとの生産連携は拡大しており、これは東アジア等の成長

による需要を取り込んでいくチャンスでもあります。

<2013年度のアクション>

◇ 新産業・新事業の創出に貢献しうる技術シーズをもとに、産学官連携によるものづくり川上・川下産業

及び地場産業・伝統的産業の事業化に直結する実用化技術開発や実証・性能評価事業を支援しま

す。また、地域の研究機関等の強固なネットワークを活かし、多様な研究開発資源の相互活用を促進

して企業の技術課題を解決します。

◇ 「中小企業のものづくり基盤技術の高度化に関する法律」(中小ものづくり高度化法)に基づき、川下産

業のニーズを踏まえた研究開発支援により中小企業の持つ優れたものづくり基盤技術の高度化及び

技術開発成果の事業化への取組を支援します。

◇ グローバル展開を図る上でのオンリーワン技術獲得や技術流出防止等を目指す中小企業の連携体

が行う試作品開発とその販路開拓の取組を支援します。

◇ 新連携支援、地域資源の活用、金融機関との連携等による総合的なハンズオン支援を行います。

◇ JAPAN ブランド事業の活用や「中小企業海外展開支援会議」の構成機関であるジェトロ・中小企業基盤

整備機構等の支援機関によるハンズオン支援により、地域中小企業の海外展開を図ります。

◇ 企業立地促進法を活用した自治体の産業クラスター形成に向けた広域的連携事業を支援します。

◇ 地域企業が求める人材や次代を担う人材の育成及び確保を支援します。

主な関連施策:ものづくり中小企業・小規模事業者試作開発等支援補助金、地域新産業創出基盤強化事業、ものづくり中小企業連携支援

事業、中小企業・小規模事業者人材対策事業 担当課室:地域経済課、参事官(産学官連携・産業クラスター担当)、次世代産業課、産業人材政策課

施策活用事例:平成20~22年度戦略的基盤技術高度化支援事業

【環境・コスト低減に対応した光輝性アルミニウム合金鋳物製造技術の開発】

事業管理機関:財団法人岡山県産業振興財団

共同研究体:光軽金属工業(株)、(株)サーテック永田

岡山県立大学、岡山県工業技術センター

技術開発支援、人材育成等により基幹産業を支える基盤技術産業の技術高度化や

伝統産業・地場産業の新たな展開を図ることにより、オンリーワン・ナンバーワン企業

の輩出を図ります。

めっきフリー光輝性アルミホイールのカラーリング

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Ⅰ-3.地域企業の競争力強化に向けたITソリューション

供給力の向上支援 KP2020「1(4)Ruby拠点化プロジェクト」

<背景・目的>

○ これまで「IT経営応援隊」を中心に地域の中堅・中小企業のIT活用支援を行ってきましたが、更なる地

域の中小企業のIT利活用による戦略的経営が重要です。

○ 我が国の情報サービス産業では、政府調達などの大規模なプロジェクトは少数の大企業がその多く

を受注し、98%を占める中小ITベンダに分散させて発注する多重下請構造となっています。

○ 一方で、地域ITベンダの中には、中小企業や自治体向けクラウドコンピューティングなど新たなITサー

ビス供給形態の変化をうまく捉えた新たなITソリューションや開発性が高い日本発プログラム言語

「Ruby(ルビー)」を使用したITソリューションの開発事例も見受けられるようになりました。

○ 経済環境が厳しい中、IT・データ活用による競争力強化を目指す中国地域企業にとって、大手・首都

圏ITベンダでは対応が困難なきめ細やかなITソリューション提案の期待が高まっています。

○ このため、地域ITベンダによる新たなITソリューションの企画力・提案力の向上に向けた企業自らや

地域が行うイノベーション活動を支援します。

○ また、自動車、携帯電話、産業機器等が高性能化し、組込みソフトウェアの重要性が高まる中、中国

地域の組込み技術の高度化によるものづくり企業の競争力強化を図ります。

<2013年度のアクション>

◇ 中国地域のIT産業の競争力強化を図るため、地域ユーザー企業とのコミュニケーションを深め、

「Ruby」やクラウドコンピューティング等の活用やデジタルデータ利活用によるITソリューションの企画・

提案力向上の実現に向けて、地域・企業自らのイノベーション活動を引き続き支援するとともに、企

画・提案力向上につながる先進ビジネス事例の情報発信等を行います。

◇ また、組込みシステムの信頼性・安全性の実現に向けて、高度化・複雑化する組込みシステムに対応

できる実効的な人材育成の在り方を検討するとともに、ものづくり産業、組込み関連産業双方の品質

説明力向上を目指し、最新情報や必要技術の情報発信等を行います。 主な関連施策:特許調査事業 担当課室:参事官(電子・情報産業担当)

地域企業に対する IT ソリューションの企画・提案力の向上に向けた地域ITベンダのイノベーションを促進します。

<ちゅうごく地域組込みシステムフォーラム研究会>

組込みシステムと知財をテーマに研究会を3回開催。毎回

異なる産業分野からの最新のトピックス紹介も併せて実

施し、延べ 68 名が参加。

<CCBNET.全体会議>

クラウドコンピューティング等ITの利活用による新たなビジ

ネスモデルの創出を考える会議を2回開催し、延べ 98 名が参加。

また、全体会議の下部にテーマ別研究会を4つ設置し、広島、岡

山にて延べ 13 回、173 名が参加。

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Ⅰ-4.ものづくり分野を中心とする人材育成の推進 KP2020「1(3)「オンリーワン・ナンバーワン企業」元気拡大プロジェクト」 KP2020「1(5)新結合による産学官連携の推進プロジェクト」

<背景・目的>

○ 産業界では、コスト制約志向が強まる中、人材育成に関する投資が抑制されているため、多様な能力

を持つ人材を育成する新たな形での人材マネジメントが十分に行われてきたとは言えない状況にあり

ます。

○ 人材育成・活用についてはグローバルな視点が不可欠となっています。また、少子化の進展、社会の

価値観の多様化等により従来の教育で対応できない部分が増大しています。

○ 中国地域の人材育成に係る横断的方策を進めるとともに、ものづくりの中核たる人材、グローバル化

に対応した人材、更にはものづくり企業の次代を担う若年層の人材の育成支援を行うことが必要で

す。

<2013年度のアクション>

◇ 次代を担う人材の育成・確保を、産学官連携により教育界と産業界がシームレスに連携できる環境整

備を支援します。

◇ 地域企業の人材確保・定着及び新規の創業を促す取り組みを支援します。

◇ 地域企業人材の高度化(経営・管理人材育成、ものづくり現場人材育成等)に係る横断的方策の展開

を支援します。

◇ 地域企業の競争力確保に資する企業OB人材の活用を支援します。

◇ 企業活動のグローバル化に対応した人材育成・確保のための取り組みを支援します。

◇ 地域企業等にとって効果的な人材育成・確保がなされるための啓発活動を実施します。 主な関連施策:貿易投資促進事業、ものづくり小規模事業者等人材育成事業、中小企業・小規模事業者人材対策事業、伝統的工芸品産業

支援補助金、成長産業・企業立地促進等事業費補助金 等 担当課室:産業人材政策課、地域経済課、産業振興課、国際課

中国地域の特性に根ざしたものづくり分野を中心に質の高い人材の育成・確保を図ります。

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Ⅰ-5.産学金官連携による地域発イノベーションの促進 KP2020「1(5)新結合による産学官連携の推進プロジェクト」

<背景・目的>

○ 地域発イノベーションによる新事業・新産業創出のためには、これまでの産学官連携推進体制に金融

機関を加えた産学金官による連携体制を形成するとともに、成功事例の輩出のための仕組み・システ

ムを地域に根付かせる必要があります。また、中国地域産学官コラボレーション会議では、産学官連

携活動の重点取り組みテーマとして策定した“新結合プラン”(平成22年度から平成24年度まで)に

基づき活動してきたところです。

○ 産学官連携活動の各機能(共同研究、人材育成、技術移転、ベンチャー創出等)に着目した施策が減

少していく中、各機関は活動資源の淘汰を強いられています。このような中、産学官連携を新事業創

出のための機能として定着させるために、中国地域産学官コラボレーション会議において新たな重点

取り組みテーマを策定・推進し、地域内外に発信力・求心力を有する、産学金官連携による活動を進

める必要があります。また、産学金官連携活動を促進するため、地域の産学金官連携の課題・目標

意識の共有、広域的あるいは複数機関の連携による広域的産学金官連携活動の実施・PR 等に積極

的に取り組みます。

<2013年度のアクション>

◇ 複数機関の連携による産学金官連携の新たな取り組みテーマや国の基本方針に沿った取組の企画・

PR

・「中国地域産学官コラボレーション会議」において新たな重点取り組みテーマの策定及び推進

・「中国地域産学官コラボレーション会議」参画機関の拡充(金融機関など)

・複数大学等の連携による交流の場(インテレクチャル・カフェ広島)などの開催

・中小企業向け知財総合支援窓口の設置等知的財産活用の新たな施策等を踏まえた新たな知財活

用促進の仕組み作りのための地域内外機関との連携の推進

・大学・高専等の「キャンパスベンチャーグランプリ中国」の支援

・先端イノベーション拠点の拠点形成のフォローを実施するほか、地域産学官協同研究拠点(JST拠

点)の活用促進のための情報発信

・複数大学等が実施する連携活動への積極的な関与

主な関連施策: ものづくり中小企業連携支援事業、ベンチャー企業への実用化助成事業、産学連携評価モデル・拠点モデル実証事業 担当課室:参事官(産学官連携・産業クラスター担当)、特許室

[地域イノベーション創出 2012 in しまね]

(平成 24 年 9 月 13 日<松江市>) [地域産学官共同研究拠点等]

「中国地域産学官コラボレーション会議」(85機関)参画機関の拡充(金融機関など)

を図り、産学官連携活動の新たな重点取組テーマを策定・推進するとともに、広域的

あるいは複数機関による産学金官連携活動を推進し、新事業・新産業の創出や基幹

産業の競争力強化を図ります。

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Ⅰ-6.知的財産の取得・活用の推進 KP2020「1(5)新結合による産学官連携の推進プロジェクト」

<背景・目的>

○ 中小企業等は、資金・人材等を知的財産権の取得・活用に十分に取り組めてないことなど多くの課題

を有していることから、引き続き企業経営戦略の中の一手段として知財戦略(取得・活用)を積極的に推

し進める環境を整備します。

<2013年度のアクション>

◇ 各県に設置した「知財総合支援窓口」において、アイデア段階から事業展開までの知財に関する課題

等を一元的に受け付け、専門家や支援機関と共同してその場で解決を図るワンストップサービスを引

き続き提供します。

◇ 知的財産権取得の推進及び戦略的な活用を行うためのセミナー等を自治体と連携して開催し、中小

企業等の知財への関心度の向上や活用意欲の増進を図ります。

◇ 地域団体商標取得者の活動状況を把握し、新たな事業展開の方策を検討・支援します。

◇ 中小企業のグローバル化に伴い、外国出願補助金の活用や海外展開における知財戦略面での支援

を促進します。 主な関連施策:特許等取得活用支援事業、地域中小企業知的財産戦略支援事業費補助金 担当課室:特許室

特許等取得活用支援事業(知財総合支援窓口)の概要

中小企業の知財活用支援の中核として都道府県ごとに中小企業の知財の課題等を一元的に受け入れる「知財総合支援窓口」を設置し、様々な専門家・支援機関等と共同でワンストップサービスを提供することにより、地域・中小企業等の知財活用・新規事業化を支援。

解決支援

中小企業等

知財の課題

・中小企業等の利便性が高い場所に窓口(知財総合支援窓口)を開設 ・ワンストップサービスの提供(窓口支援担当者の配置、知財専門家の活用・共同支援等)

・地域の中小企業支援機関との連携 ・知財活用が不十分な中小企業等を発掘し知財活用を促進

・その他必要業務の実施(事業周知、支援後フォローアップ、支援実績の評価等) ・事業の実施体制、管理体制構築、設備等の確保 等

実施事業者に求める必要な機能

経済産業局

(委託)

その場で解決

知財総合支援窓口

窓口支援担当

弁理士Navi弁護士

知財ネット

知財支援人材データベース

知財専門家

各支援人材データベースを活用した知財専門家の活用

知財・経営・技術の知識、専門家を活用する高い能力を有する者

・中小企業等の知財ニーズ発掘・外部専門家チームによる支援※必要に応じて訪問支援

・自社の技術力を事業に活用したい→特許等の制度説明を通じて知財を認識

・研究開発の成果を適切に保護したい→特許等権利化すべきかノウハウ管理すべきか助言

・特許出願の明細書を作成したので見てほしい→明細書の記載内容について助言

・自社技術が海外で模倣されているので対処したい→海外の制度概要・手続方法を説明

・事業モデルを踏まえ効果的に特許取得したい→外部専門家チームによる支援を実施

中小企業支援機関

(中小機構・JETRO・商工会・商工会議所・金融機関等)

中小企業経営に知財が効果的に活用されるよう中小企業支援機関と連携して対応

連携

中小企業等に対し知財の取得・活用の重要性について普及活動を行うとともに、地域

団体商標取得者のフォローアップ、地域における知財活動の強化を図ります。

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Ⅰ-7.コンビナートの競争力強化 KP2020「1(6)次世代型コンビナート形成プロジェクト」

<背景・目的>

○ コンビナートの生産活動は、雇用や地域企業へのアウトソーシングなど地域経済に大きな影響を及ぼして

います。

○ 海外における石油精製・石油化学が連携した新鋭製油所の建設や、安価な原料を利用した石油化学プラ

ントの新増設など、競争力のあるプラントの立ちあげにより、国内のコンビナートを取り巻く環境は厳しくな

ることが想定されることから、企業間連携等による効率化への対応が必要となります。

○ 国内プラントでは競争力の低い汎用製品の生産減少が予想されることから、これに代わる高度部材開発

等新事業への切れ目のない事業展開が必要となります。

○ このため、企業の枠を超えた連携による、エネルギーの安定供給の確保や生産活動の合理化等の取り組

みを推進し、国際競争力の強化を図るとともに、コンビナート地区のメリットを生かした新たな事業への展

開による高付加価値産業群の形成を図ります。

<2013年度のアクション>

◇ 中国地域の石油化学コンビナート地区の企業間連携による原料の有効活用、中間品やエネルギーの相互

融通を進め、エネルギーセキュリティーの確保、コスト削減と付加価値生産性の向上による競争力強化を

図るとともに、温室効果ガス削減などの環境・エネルギー問題への対応を、新たな交流の企画・実施など

により支援します。

◇ 「水島コンビナート国際競争力強化ビジョン」「次世代周南コンビナート形成基本戦略」の具現化に向けた

活動(総合特区への取り組みを含む)を支援します。

◇ 製造現場の高度な運転や安全に関連する中核人材を育成するため開設された「山陽人材育成講座」を支

援します。

◇ 経済情勢やコンビナート企業の状況変化に応じ、新事業分野への展開を支援します。

主な関連施策: コンビナート連携石油安定供給対策事業費補助金、エネルギー使用合理化事業者支援補助金事業 担当課室: エネルギー対策課

石油化学コンビナート企業の連携等によるコスト削減、生産性向上、高付加価値化、環境・

エネルギー問題への対応など基盤強化の取り組みにより、コンビナートの国際競争力強化

を図ります。

平成24年度コンビナート懇談会(山口県周南市) 【山陽人材育成講座】

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Ⅰ-8.産業集積の活性化の推進 KP2020「1(1)中国地域・先進環境対応車クラスタープロジェクト」 KP2020「1(3)『オンリーワン・ナンバーワン企業』元気拡大プロジェクト」 KP2020「2(3)健康・長寿を応援する地域づくりプロジェクト」

<背景・目的>

○ 人口の減少、国際競争の激化等の制約を克服し、イノベーション(技術革新、事業革新など)や地域

経済の活性化により持続的な経済成長を目指す必要があります。

○ 地域経済の持続的・自立的発展には、企業立地や事業高度化を通じた地域における産業集積の形

成・活性化が必要です。

○ また、将来の大きな成長が見込まれる低炭素型産業の国内集積を高め、国内雇用の創出につなげる

ことも重要です。

○ さらに、東日本大震災を契機として、産業の空洞化が加速するおそれがあり国内への立地促進が喫

緊の課題としてあげられます。

<2013年度のアクション>

◇ 国として成長・戦略分野と位置づけている業種の集積を図るため、「企業立地の促進等による地域に

おける産業集積の形成及び活性化に関する法律」に基づき、人材養成や施設整備等を支援すること

で、地域経済の自立的発展の基盤を強化します。

◇ 各種補助スキームの活用により、工業用水道の整備を行う地域や産業集積に資する施設整備を広

域で行う地域を支援します。また、産業の競争力強化・空洞化防止に向け、円高やエネルギー制約の

克服に資する最新設備・生産技術等を導入するための設備投資を支援します。

◇ 当局に設置した、企業立地の相談対応・情報提供を行う「工場立地相談窓口」の活用や関係省庁との

連携を通じて、企業立地に関する問題にワンストップで対応します。 主な関連施策:成長産業・企業立地促進等事業費補助金、成長産業・地域企業立地促進等施設整備費補助金、政府系金融機関による

低利融資制度、工業用水道事業費補助金、円高・エネルギー制約対策のための先端設備等投資促進事業 担当課室:産業振興課

企業立地や事業高度化等による産業集積の形成・活性化を推進するため、企業活

動を支える人材の養成、産業集積に資する施設の整備及び円高やエネルギー制約

の克服に資する生産設備の投資等を支援し、地域経済の自立的発展の環境整備を

図ります。