4.土質・地質調査の計画、実施および結果の評価

62
1 土土 土土土土土土土 土土土土土 4. 土土 土土土土土土土 土土土土土 4. 土土土土土 土土土土土 4.1 4.1 土土土土土土土土土土土土 土土土土土土土土土土土土

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4.土質・地質調査の計画、実施および結果の評価. 4.1  エラー事例の技術的な分析. コード. エラーの内容. 事例数. A. 計画段階エラー (調査の計画段階のエラー). 5. B. 調査実施段階エラー (調査実施中のエラー). 14. C. 技術的判断エラー (調査結果を解釈する段階のエラー  設計に用いる段階を含む). 21. D. その他 (エラーが発生した段階が明確でな  いエラーや改善策が明確にできな  いエラーなど). 3. 合 計. 43. 土質・地質調査のエラー内容別の事例数. 対象構造物等. 事例数. 道路盛土. - PowerPoint PPT Presentation

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Page 1: 4.土質・地質調査の計画、実施および結果の評価

1

4.土質・地質調査の計画、4.土質・地質調査の計画、実施および結果の評価実施および結果の評価

4.14.1 エラー事例の技術的な分 エラー事例の技術的な分析析

Page 2: 4.土質・地質調査の計画、実施および結果の評価

2

 

 

土質・地質調査のエラー内容別の事例数土質・地質調査のエラー内容別の事例数コード エラーの内容 事例数

A 計画段階エラー(調査の計画段階のエラー)

5

B 調査実施段階エラー(調査実施中のエラー)

14

C技術的判断エラー(調査結果を解釈する段階のエラー  設計に用いる段階を含む)

21

Dその他(エラーが発生した段階が明確でな  いエラーや改善策が明確にできな  いエラーなど)

3

合 計 43

Page 3: 4.土質・地質調査の計画、実施および結果の評価

3

土質・地質調査の構造物別の事例数 土質・地質調査の構造物別の事例数

注)その他は「盛土造成」「土留め」「配合試験」「単位系」に関するエラー事例である

対象構造物等 事例数道路盛土 5道路切土 5トンネル 4

橋梁基礎(土質) 1012

橋梁基礎(岩盤)   2

上下水道 3河川・港湾・砂防 8

その他 6合 計 43

Page 4: 4.土質・地質調査の計画、実施および結果の評価

4

調査不足に関する事項調査不足に関する事項     調 査 不 足

調査 計画 段階(発注者が計画立案)

調査受注者

⇒調査計画の照査追加調査の 提案

発注者のパートナーとしての責務

調査 実施 段階

調査実施中に把握できた事項から新たな課題の抽出

発注者に追加調査の 提案発注者のパートナーとしての責務

調査不足の解消

発注者に追加調査が受け入れられない場合    ex.) ⇒発注者の状況により対応 予算不足・調査時の用地問題 施工時の確認調査として提案  対応がとれない場合には発注者との協議の上、設計条件等に明記する  (誰も不明なこと、不都合なことを放置しようとは考えない)

Page 5: 4.土質・地質調査の計画、実施および結果の評価

5

「D:その他」の事例の想像図「D:その他」の事例の想像図

地表面 盛土橋台

橋脚

中間支持層

過圧密粘土

支持層

過圧密粘土は、橋の増加荷重を考慮しても過圧密領域にある上図のような構造で施工した結果、橋台で 1.7cm 、橋脚で 1.4cmの沈下が発生した

深度 50m 付近

深度 40m 付近

深度 20m 付近

Page 6: 4.土質・地質調査の計画、実施および結果の評価

6

4.24.2 エラー事例とその改善策エラー事例とその改善策

4.2.14.2.1 調査計画段階のエラー調査計画段階のエラー

-詳細地盤調査位置の選定エラ--詳細地盤調査位置の選定エラ-

4.24.2 エラー事例とその改善策エラー事例とその改善策

4.2.14.2.1 調査計画段階のエラー調査計画段階のエラー

-詳細地盤調査位置の選定エラ--詳細地盤調査位置の選定エラ-

Page 7: 4.土質・地質調査の計画、実施および結果の評価

7

【業務の概要】【業務の概要】

 橋梁基礎設計で影響度の高い、液状化強度設定するための詳細な地盤調査業務

(凍結サンプリング~室内液状化強度試験)

【業務の概要】【業務の概要】

 橋梁基礎設計で影響度の高い、液状化強度設定するための詳細な地盤調査業務

(凍結サンプリング~室内液状化強度試験)

【エラーの内容】【エラーの内容】

・既往地盤調査結果のみから調査位置を選定した。

・しかし、調査目的である沖積砂質土の大半が埋 土であることが、調査のほぼ終了時点に判明し たという、調査地点の選定エラ-。

【エラーの内容】【エラーの内容】

・既往地盤調査結果のみから調査位置を選定した。

・しかし、調査目的である沖積砂質土の大半が埋 土であることが、調査のほぼ終了時点に判明し たという、調査地点の選定エラ-。

Page 8: 4.土質・地質調査の計画、実施および結果の評価

8

 ;実際は埋立て土であった ;実際は埋立て土であった部分部分 ;実際は埋立て土であった ;実際は埋立て土であった部分部分

   液状化対象層液状化対象層(沖積砂質土(沖積砂質土層)層)

AcAc

AsAs

DgDg

DsDs

DsDsDcDc

DcDc

BB

AcAc

DsDs

AsAs

調査地点の地層構成調査地点の地層構成調査地点の地層構成調査地点の地層構成

Page 9: 4.土質・地質調査の計画、実施および結果の評価

9

液状化強度試験の整理液状化強度試験の整理液状化強度試験の整理液状化強度試験の整理 

0

0.1

0.2

0.3

0.4

0.5

0.6

0.7

0.8

0 20 40 60 80 100 120

( )既往データ(当該地点 沖積 )( )既往データ(当該地点 洪積 )

1既往データ(他地域 )2既往データ(他地域 )3既往データ(他地域 )

今回沖積土

 R

繰返し

三軸強

度比

L× σ

v'

  G換算せん断剛性1=G

0 σ/

v'  (MN/m2)

FC 10%> のデータ

10%礫分> のデータ

0

0.1

0.2

0.3

0.4

0.5

0.6

0.7

0.8

0 20 40 60 80 100 120

今回埋立土

沖積地盤用埋立土用

当該ルートでの埋立土の範囲

埋立土用沖積地盤用

当初データ追加を想定した範囲

Page 10: 4.土質・地質調査の計画、実施および結果の評価

10

基礎への影響検討結果基礎への影響検討結果基礎への影響検討結果基礎への影響検討結果

 

設定式 「道示」埋立土層 0 0

砂質土層 2/3 1/3

11.4m× 8.4m× 3.5m 14.4m× 8.4m× 3.5m

杭配置図( m単位:)

土質定数の低減係数

DE

フー チンク 寸゙法

杭本数(場所打ち杭

φ 1200 L=38m、 )

4@ 3 . 0=12. 0 1. 2

14. 4

1.2

1.2

2@3.

0=6.

0

8.4

1. 2 4@ 3 . 0=12. 0 1. 2

14. 4

1.2

1.2

2@3.

0=6.

0

8.4

1. 2

1.2

1.2

2@3.

0=6.

0

8.4

1. 2 3@3. 0=9 . 0 1. 2

11. 4

1.2

1.2

2@3.

0=6.

0

8.4

1. 2 3@3. 0=9 . 0 1. 2

11. 4

5 ×列 3列 (千鳥配置) 計14本4 ×列 3列 計12本

2/3 1/3

0                02/3             1/3

11 .4m ×8 .4m ×3 .5m  14 .4m ×8 .4m ×3 .5m4列 ×3列 計12本    5列 ×3列(千鳥配置)                  計14本

Page 11: 4.土質・地質調査の計画、実施および結果の評価

11

【エラーの原因分析と改善策】

・調査位置が臨海部であり、地形の変遷の可能性 が十分にあり得ることに気づかなかった

・その確認調査のための情報収集方法を知らなかっ た、知っていたが情報収集を怠った

→問題認識や情報入手方法やその活用に対する知 識の無さ

・古地形図は全国レベルで整備されている(入手 も簡単)

・地形図、地質図、防災情報は序々にデジタル化 されつつある(情報公開との絡みもある) 

【エラーの原因分析と改善策】

・調査位置が臨海部であり、地形の変遷の可能性 が十分にあり得ることに気づかなかった

・その確認調査のための情報収集方法を知らなかっ た、知っていたが情報収集を怠った

→問題認識や情報入手方法やその活用に対する知 識の無さ

・古地形図は全国レベルで整備されている(入手 も簡単)

・地形図、地質図、防災情報は序々にデジタル化 されつつある(情報公開との絡みもある) 

Page 12: 4.土質・地質調査の計画、実施および結果の評価

12

調査位置の調査位置の地形の変遷地形の変遷調査位置の調査位置の地形の変遷地形の変遷

 

H.11発行 

今回調査位置 

 

既存調査位置 

H.11H.11発発行行H.11H.11発発行行

 

S.47発行 

貯木場 

貯木場

 

今回調査位置 

 

S.47S.47発行発行S.47S.47発行発行

 

T.12発行 

今回調査位置 

 

T.12T.12発行発行T.12T.12発行発行

 

S.23発行 

今回調査位置 

 

S.23S.23発行発行S.23S.23発行発行

;既存調査位置;既存調査位置;既存調査位置;既存調査位置

今回調査位置今回調査位置今回調査位置今回調査位置 今回調査位置今回調査位置今回調査位置今回調査位置

今回調査位置今回調査位置今回調査位置今回調査位置 今回調査位置今回調査位置今回調査位置今回調査位置

貯木場貯木場

貯木場

貯木場

Page 13: 4.土質・地質調査の計画、実施および結果の評価

13

地形・地盤図の例(微地形分類図)地形・地盤図の例(微地形分類図)地形・地盤図の例(微地形分類図)地形・地盤図の例(微地形分類図) 

国土地理院発行「土地利用図」より抜粋および加筆  国土地理院発行「土地利用図」より抜粋および加筆  国土地理院発行「土地利用図」より抜粋および加筆  国土地理院発行「土地利用図」より抜粋および加筆 

Page 14: 4.土質・地質調査の計画、実施および結果の評価

14

 防災情報の例(活断層、地震履歴)  防災情報の例(活断層、地震履歴)  防災情報の例(活断層、地震履歴)  防災情報の例(活断層、地震履歴)

※1 活断層データは、活断層研究会:「新編日本の活断層」、東京大学出版会( 1991 )((有)ジオデータサプライによる数値データ)による。

※2地震データは、日本気象協会:「気象庁震源データ」( 1996)による。 

 

    5≦ M<6     6≦ M<7     7≦ M<8     8≦ M 

I t emFi l e:   af d20y. i t m

Pal et t e:   af d. pal

1/ 20 ( )万 資料表記載あり

LF:陸上活断層CF:伏在活断層SF:海底活断層MC:海底活撓曲EF:地震断層AX:活背斜軸SX:活向斜軸HJ :補助線

LF:陸上活断層CF:伏在活断層SF:海底活断層MC:海底活撓曲EF:地震断層AX:活背斜軸SX:活向斜軸HJ :補助線

上諏訪断層群  延長 16km 

確実度Ⅰ  活動度 B 

Page 15: 4.土質・地質調査の計画、実施および結果の評価

15

 防災情報の例(液状化履歴)  防災情報の例(液状化履歴)  防災情報の例(液状化履歴)  防災情報の例(液状化履歴)

 ※ 液状化履歴データは、若松加寿江:「日本の地盤液状化履歴 ※ 液状化履歴データは、若松加寿江:「日本の地盤液状化履歴図」、     東海大学出版会(図」、     東海大学出版会( 19911991 )による。 )による。  ※ 液状化履歴データは、若松加寿江:「日本の地盤液状化履歴 ※ 液状化履歴データは、若松加寿江:「日本の地盤液状化履歴図」、     東海大学出版会(図」、     東海大学出版会( 19911991 )による。 )による。 

  液状化履歴 関東地震 

西埼玉地震 

千葉県東方沖地震 etc    : 

関東大地震  1923(大正 12)9.1 

千葉県東方沖  1987(昭和 62)12.17 西埼玉地震  1931(昭和 6)9.21 

Page 16: 4.土質・地質調査の計画、実施および結果の評価

16

44 .. 22 .. 2 調査実施段階エラー2 調査実施段階エラー

(1) 道路盛土計画時の(1) 道路盛土計画時の        湧水対策の不足        湧水対策の不足

Page 17: 4.土質・地質調査の計画、実施および結果の評価

17

この事例の概要とエラーの内容この事例の概要とエラーの内容【概 要】 ・ トンネルとトンネルの間の谷を埋めた盛土 ・ 谷は盛土計画部付近でボトルネック状を呈する ・ 谷上方は集水地形で谷底に湧水が見られる ・ 盛土材料はトンネル掘削ズリ(花崗岩類のマサ土)を流用 ・ 豪雨時の水の影響で、表層崩壊と地すべり性の変位が発生【エラーの内容】 ・ 豪雨時の湧水の盛土に与える影響についての想定の甘さ   → 豪雨時に盛土内の水位が上昇し崩壊に至る ・ 盛土材(マサ土)の材料特性に関する認識不足   → 盛土内の浸透水により細粒分が流失し、パイピングが     発生して崩壊に至る

Page 18: 4.土質・地質調査の計画、実施および結果の評価

18

 対象箇所の地形的特徴 対象箇所の地形的特徴 ・ 盛土計画箇所はボトルネック状の谷 ・ 盛土計画箇所はボトルネック状の谷 ・ 谷の上方は凹状の集水地形 ・ 谷の上方は凹状の集水地形 > 水が集まりやすい

トンネル

トンネル

盛土

Page 19: 4.土質・地質調査の計画、実施および結果の評価

19

記号 地層名

盛土層

崖錐堆積物

花崗岩強風化部

風化部

崩壊・変状箇所想定模式断面崩壊・変状箇所想定模式断面図図

変状としては、表層崩壊的なものと地すべり性の挙動とが確認された。

Bs

dt

Gdm

wGd

Bs

dt

Gdm

wGd

地すべり性変位線表層崩壊線

Page 20: 4.土質・地質調査の計画、実施および結果の評価

20

  エラーの原因分析エラーの原因分析 ・ 盛土地点のみで地盤を評価し、周囲が集水地形であること

を見落とした。また、谷底の湧水について気にとめなかった。   → 豪雨時の盛土内の水位の上昇が崩壊の最大要因

 ・ マサ土の材料特性について認識せず、盛土内の排水層を設けなかった

   → 盛土内の浸透水により細粒分が流失し、盛土全体に     緩みが生じて表層崩壊を起こした

 ・ 盛土地盤の表層に軟弱な粘性土が分布するが、盛土の  底面に排水施設を設けなかった   → 粘性土に関する認識も甘く、盛土と旧地盤との境界で     地すべりが発生   

Page 21: 4.土質・地質調査の計画、実施および結果の評価

21

エラーに対する改善策エラーに対する改善策 ・ 周辺地形に対する認識と対応    盛土の計画段階では、地形地質踏査によって周辺の地

形    状況・水の問題等を的確に把握する。    調査手法 : 地形地質踏査

 ・ 盛土地盤の湧水対策    盛土の不安定化の大きな要因の一つは「水」。    盛土計画段階では、この水の分布状況や降雨時の水位    変動を把握する必要がある。    調査手法 : 調査ボーリング・地下水検層・電気探査な

 ・ 盛土材料の特性の把握と対応    盛土に用いる材料の特性を的確把握する。    調査手法 : 室内土質試験(物理試験・材料試験)

Page 22: 4.土質・地質調査の計画、実施および結果の評価

22

盛土排水の分類(参考)盛土排水の分類(参考)

排水

盛 土 安 定 のた め の 排 水

施工の円滑化を図るための排水

表面水を対象とするもの

盛土内への浸透水を対象とするもの

準備排水工事中排水隣接地排水

路面排水

のり面排水

隣接地からの地表水の排水

盛土内の排水

のり面地下排水

切盛り境部の排水

基礎地盤の排水

構造物裏込めの排水

Page 23: 4.土質・地質調査の計画、実施および結果の評価

23

対策工の実施状況模式断面図対策工の実施状況模式断面図

Bs

dt

Gdm

wGd

地下排水工

小段排水路工

ふとん籠工

水抜ボーリング

・ 表面付近の水の処理 : 排水路工・地下排水工 ・ 表面付近の水の処理 : 排水路工・地下排水工  ・ 盛土内部の水の処理 : 水抜きボーリング ・ 盛土内部の水の処理 : 水抜きボーリング ・ 盛土のり面侵食防止 : ふとん籠工 ・ 盛土のり面侵食防止 : ふとん籠工

Page 24: 4.土質・地質調査の計画、実施および結果の評価

24

  44 ..22 ..2 調査実施段階エ2 調査実施段階エラーラー(2)山岳トンネル坑口部の(2)山岳トンネル坑口部の  地すべり崩壊に対する調査  地すべり崩壊に対する調査不足不足Point

 ・トンネル坑口斜面における不安定要因の見落とし

 ・トンネル掘進によるゆるみ域の進展を想定した評価の欠如

Page 25: 4.土質・地質調査の計画、実施および結果の評価

25

【概 【概 要】要】 片押しで施工されてきた山岳トンネル。 出口側坑口の貫通間際に、坑口部上部斜面において大規模な地すべ

り崩壊が発生した。 原因は、トンネル掘進によるゆるみ域の進展が潜在的なすべり面に

おける強度低下を誘発したこと。

Page 26: 4.土質・地質調査の計画、実施および結果の評価

26

【エラーの内容】【エラーの内容】トンネル施工に先立つ事前の地質調

査において、地すべり・斜面崩壊を前提とした調査が行われていなかった。

事前の調査では、トンネル本体の地山区分 ( 地質・岩質 ) および地下水状況 ( トンネル湧水 ) を中心に調査が計画・実施されていた。

Page 27: 4.土質・地質調査の計画、実施および結果の評価

27

【エラー発生原因の分析】【エラー発生原因の分析】

[ 斜面上の不安定要因 ] 坑口斜面上部には複数の段差地形 ( 旧滑落崖 ) が馬蹄

形を呈し、崖錐堆積物が分布する。 斜面下部は河川侵食を受けている。

原因原因 1. 1. 坑口斜面における不安定要因の見落と坑口斜面における不安定要因の見落としし

[事前の地質調査 ] 地すべり 斜面崩壊を前提とした地質調査を実施しな・かった。

Page 28: 4.土質・地質調査の計画、実施および結果の評価

28

地すべりの地形的特長地すべりの地形的特長表-1 地すべり型による地形図および写真判読のポイント

(『道路土工-のり面工・斜面安定工指針』, (社 )日本道路協会 p.112 より )

Page 29: 4.土質・地質調査の計画、実施および結果の評価

29

【エラー発生原因の分析】【エラー発生原因の分析】原因原因 2. 2. トンネル施工を想定した評価の欠如トンネル施工を想定した評価の欠如

  トンネル坑口では、事前の地質調査の段階でさほど不安定性トンネル坑口では、事前の地質調査の段階でさほど不安定性が認められないような斜面においても、斜面下部の坑口部の施が認められないような斜面においても、斜面下部の坑口部の施工工 ((切土切土 )) およびトンネル掘削による地中のゆるみ域の進展などおよびトンネル掘削による地中のゆるみ域の進展などによって不安定化する。によって不安定化する。

比較的安定した斜面 不安定化した斜面

トンネル掘削によるゆるみ域

(a) トンネル施工前             (b) トンネル施工後図-2 トンネル掘削による斜面の不安定化

Page 30: 4.土質・地質調査の計画、実施および結果の評価

30

類似したエラー事類似したエラー事例例山岳トンネル坑口上部の地すべり面の評価エラー山岳トンネル坑口上部の地すべり面の評価エラー

坑口斜面において地すべり対策工 (アンカー工 ) を施工。

アンカー工が効果を発揮しなかったため、追加施工を実施。

※当初施工したアンカー定着部はトンネル掘削によるゆるみ域に含まれてしまった。

※トンネル掘削後の再調査によって、想定すべり面を再設定。

Page 31: 4.土質・地質調査の計画、実施および結果の評価

31

現地踏査 ( 概査 ) 地形判読 (空中写真判読 ) 資料調査

【改善策・対応策】【改善策・対応策】[[ 計画段階計画段階 ]] :問題点の回避:問題点の回避

 計画地点に予想される地形・地質学的問題点を抽出 計画地点に予想される地形・地質学的問題点を抽出し、ルート選定に反映させる。し、ルート選定に反映させる。

計画段階の調査計画段階の調査

エラー防止およびコスト縮減につなエラー防止およびコスト縮減につながるがる

参考資料参考資料『道路事業における地質・土質調査『道路事業における地質・土質調査計画の立て方計画の立て方 ((案案 ))』』 ,,平成平成 1313年年 1212月月 ,(,(社社 ))建設コンサルタンツ協会建設コンサルタンツ協会

Page 32: 4.土質・地質調査の計画、実施および結果の評価

32

周辺地域および類似した地形・地質・岩質における事例の収集

円弧すべり・ FEM解析などの数値解析手法による検討 ( トンネル掘削によるゆるみ域の影響を評価する )

[[ 詳細調査段階詳細調査段階 ]] :問題点への対応:問題点への対応トンネル坑口部における地すべり・斜面崩壊の評価方トンネル坑口部における地すべり・斜面崩壊の評価方法法

【改善策・対応【改善策・対応策】策】

Page 33: 4.土質・地質調査の計画、実施および結果の評価

33

4.2.34.2.3 技術的判断エ 技術的判断エラー ラー 4.2.34.2.3 技術的判断エ 技術的判断エラー ラー 

((11) ) 橋梁基礎設計における沖積粘性土層の橋梁基礎設計における沖積粘性土層の  設計用地盤定数(強度・変形特性)  設計用地盤定数(強度・変形特性)のの

         設定エラー 設定エラー 

Page 34: 4.土質・地質調査の計画、実施および結果の評価

34

【概要】【概要】

【エラーの内容】【エラーの内容】

橋梁基礎の設計、特に保有水平耐力法で重要となる、地盤の強度・変形特性の設計用定数値を合理的に設定すること

・沖積粘性土の一般的な土質工学的特性が考慮されて   いない。・サンプリングに伴う試料の乱れや試験方法の精度など   に着目した、試験結果の吟味・評価が不十分で ある。・単に、設計上安全側であるとの判断から定数が設定さ れている。

Page 35: 4.土質・地質調査の計画、実施および結果の評価

35

物理特性の整理結果物理特性の整理結果物理特性の整理結果物理特性の整理結果

-25

-20

-15

-10

-5

00 20 40 60 80 100

 FC %細粒分含有率 ( )T.P.m

標高(

< >埋土

< >粘土

< >砂

-25

-20

-15

-10

-5

01 1.4 1.8 2.2

 ρ湿潤密度t

g/cm( 3)

T.P.m

標高

()

< >埋土

< >粘土

< >砂

-25

-20

-15

-10

-5

010-410-310-210-1100 101

 D平均粒径50

mm( )

T.P.m

標高

()

< >粘土

< >砂

< >埋土

-25

-20

-15

-10

-5

00 20 40 60 80 100

 FC %細粒分含有率 ( )T.P.m

標高(

< >埋土

< >粘土

< >砂

-25

-20

-15

-10

-5

01 1.4 1.8 2.2

 ρ湿潤密度t

g/cm( 3)

T.P.m

標高

()

< >埋土

< >粘土

< >砂

-25

-20

-15

-10

-5

010-410-310-210-1100 101

 D平均粒径50

mm( )

T.P.m

標高

()

< >粘土

< >砂

< >埋土

;設定値;設定値 ;除外データ;除外データ

砂分多い砂分多い

砂分多い砂分多い

砂分多い砂分多い

Page 36: 4.土質・地質調査の計画、実施および結果の評価

36

強度・変形特性の整理(初期設定)強度・変形特性の整理(初期設定)強度・変形特性の整理(初期設定)強度・変形特性の整理(初期設定)

砂分多い砂分多い 砂分砂分多い多い

砂分砂分多い多い

‐‐2525

‐‐2020

‐‐1515

‐‐1010

‐‐55

0000 2020 4040 6060 8080100100

細粒分含有率細粒分含有率 FCFC(( %%))標高(

標高(T.P.m

T.P.m))

‐‐2525

‐‐2020

‐‐1515

‐‐1010

‐‐55

0000 1010 2020 3030 4040 5050EE5050,, EmEm(( kgf/kgf/cmcm22))

標高(

標高(T.P.m

T.P.m))

‐‐2525

‐‐2020

‐‐1515

‐‐1010

‐‐55

0000 0.20.20.40.4 0.60.60.80.81.01.0CC(( kgf/cmkgf/cm22))

標高(

標高(T.P.m

T.P.m))

〈埋土〉〈埋土〉

〈砂〉〈砂〉

〈粘土〉〈粘土〉

〈埋土〉〈埋土〉

〈砂〉〈砂〉

〈粘土〉〈粘土〉

〈埋土〉〈埋土〉

〈砂〉〈砂〉

〈粘土〉〈粘土〉

;孔内水平載荷;孔内水平載荷;一軸 ;一軸  E50E50

;三軸;三軸;直接せん断;直接せん断;一軸;一軸 qu/2qu/2

Page 37: 4.土質・地質調査の計画、実施および結果の評価

37

【エラーの原因分析と改善策】【エラーの原因分析と改善策】【エラーの原因分析と改善策】【エラーの原因分析と改善策】

・沖積粘性土の土質工学的性質とは →一般的には正規圧密であり、力学特性は深度方向   に増加する・試料の乱れの程度は採取深度や試験方法で異なる。①サンプリングも乱れの程度は深度によらず一定か      → 深いほど乱れやすいのが一般

②その影響程度は一軸試験と三軸試験で同一か      → 一軸の方が大きく表れやすいのが一般

③それは何を見れば確認できるか      → 応力~ひずみ関係

Page 38: 4.土質・地質調査の計画、実施および結果の評価

38

サンプリングに伴う乱れの影響あり→明確なピークが現れない破壊ひずみ εf大(TP-15m以深 )圧縮応力σ(kgf/cm2) 圧縮応力σ(kgf/cm2)

εfεf

圧縮ひずみ圧縮ひずみ ε(%)ε(%)圧縮ひずみ圧縮ひずみ ε(%)ε(%)

■一軸圧縮試験での応力-ひずみ曲線■一軸圧縮試験での応力-ひずみ曲線サンプリングに伴う乱れの影響なし→明確なピークの出現破壊ひずみ εf 小(TP-15m以浅 )

εfεf

採取試料の乱れが与える影響採取試料の乱れが与える影響採取試料の乱れが与える影響採取試料の乱れが与える影響

Page 39: 4.土質・地質調査の計画、実施および結果の評価

39

砂分多い砂分多い 砂分砂分多い多い

砂分砂分多い多い

‐‐2525

‐‐2020

‐‐1515

‐‐1010

‐‐55

0000 2020 4040 6060 8080100100

細粒分含有率細粒分含有率 FCFC(( %%))

標高(

標高(T.P.m

T.P.m))

‐‐2525

‐‐2020

‐‐1515

‐‐1010

‐‐55

0000 1010 2020 3030 4040 5050EE5050,, EmEm(( kgf/kgf/cmcm22))

標高(

標高(T.P.m

T.P.m))‐‐2525

‐‐2020

‐‐1515

‐‐1010

‐‐55

0000 0.20.20.40.4 0.60.60.80.81.01.0CC(( kgf/cmkgf/cm22))

標高(

標高(T.P.m

T.P.m))

〈埋土〉〈埋土〉

〈砂〉〈砂〉

〈粘土〉〈粘土〉

〈埋土〉〈埋土〉

〈砂〉〈砂〉

〈粘土〉〈粘土〉

〈埋土〉〈埋土〉

〈砂〉〈砂〉

〈粘土〉〈粘土〉

試料の試料の乱れ乱れ

試料の試料の乱れ乱れ

;孔内水平載荷;孔内水平載荷;一軸 ;一軸  E50E50

;三軸;三軸;直接せん断;直接せん断;一軸;一軸 qu/2qu/2

;設定値;設定値 ;除外データ;除外データ

暫定設定

本設定本設定暫定設定

強度・変形特性の整理(最終設定)強度・変形特性の整理(最終設定)強度・変形特性の整理(最終設定)強度・変形特性の整理(最終設定)

Page 40: 4.土質・地質調査の計画、実施および結果の評価

40

4.2.34.2.3 技術的判断エラー 技術的判断エラー

 ( ( 22) 河川掘削・築堤における) 河川掘削・築堤における        地盤評価エラー        地盤評価エラー

Page 41: 4.土質・地質調査の計画、実施および結果の評価

41

[工事実施前のモデ[工事実施前のモデル]ル]

工事の概要・新規河道を掘削する・掘削土を安定化処理し築堤する

地下水位

砂層が挟在する

Page 42: 4.土質・地質調査の計画、実施および結果の評価

42

[工事実施後のモデ[工事実施後のモデル]ル]

①掘削盤で盤ぶくれが発生した②盛土施工中に斜面崩壊が生じた

Page 43: 4.土質・地質調査の計画、実施および結果の評価

43

[エラー発生原因の分[エラー発生原因の分析]析]

軟弱な粘性土の掘削時の異常事例

※ 河川土工マニュアル(掘削時の留意点)参照

①   盤ぶくれ(ボイリング)の誘発   適切な地下水の評価エラー

②  掘削後の応力開放による強度低下   を評価しなかったこと。

調査不足又は、土質分布の判断エラー

設計定数の評価エラー

Page 44: 4.土質・地質調査の計画、実施および結果の評価

44

[改善策][改善策]

②土質試験(調査)と設計定数(設計)の相互関係

土質分布の判断エラー地層判断の不確実性(連続性、層厚の評価など)を踏まえた上で適切な地盤モデルを設定する。

設計定数の評価エラー

地盤材料の特性は、試験方法や時間的な経過によっても異なる。構造物の重要度等含め総合的な判断により設計値を評価する。

①施工条件(施工時期、施工スピード等)を勘案し、 適切な条件での正確な土質試験を実施する。

Page 45: 4.土質・地質調査の計画、実施および結果の評価

45

ここに Ta :最小掘削残し厚さ(m)      α  : α= 1.0とする     ρw :地下水の密度(t/m3)      ρs :土の密度(t /m3)     h  :被圧水頭 (m)       

砂層が連続する場合の盤ぶくれの検討

As

α=Ta

hρsρw・Ta α=

Page 46: 4.土質・地質調査の計画、実施および結果の評価

46

粘性土地盤掘削時のせん断強度低下粘性土地盤掘削時のせん断強度低下

※ 掘削土の長期安定問題              

Page 47: 4.土質・地質調査の計画、実施および結果の評価

47

4.2.34.2.3   技術的判断エラー技術的判断エラー

((33) )  砂防ダム基礎砂防ダム基礎 (( 断層破砕帯断層破砕帯部部 )  )  

               の地盤条件判断エラーの地盤条件判断エラー

Page 48: 4.土質・地質調査の計画、実施および結果の評価

48

【業務の概要】【業務の概要】小規模 (堤高7m ) な砂防ダムの調査・設計業務

【エラーの内容】【エラーの内容】・基礎的な地質情報の収集を実施せず大規模

な断層破砕帯を見逃す・調査結果による地盤強度を基に通常の重力

式砂防ダムを計画し、基礎の施工中に掘削のり面に地すべりが発生

・地すべりが発生した結果、計画した砂防ダム形式では施工が困難となり、計画をまったく別形式に変更。

Page 49: 4.土質・地質調査の計画、実施および結果の評価

49

砂防ダム計画地点の平面図砂防ダム計画地点の平面図大規模な地質構造大規模な地質構造は地形図や地質調は地形図や地質調査所発行の地質図査所発行の地質図等の調査により把等の調査により把握可能握可能

多少熟練した技術多少熟練した技術者が付近の平面図者が付近の平面図を見るだけでも図を見るだけでも図に示すような断層に示すような断層破砕帯の存在を推破砕帯の存在を推定可能な場合あり定可能な場合あり

Page 50: 4.土質・地質調査の計画、実施および結果の評価

50

砂防ダム計画地点の拡大図砂防ダム計画地点の拡大図エラー発生後のエラー発生後の調査で砂防ダム調査で砂防ダム基礎のほぼ全面基礎のほぼ全面に渡って断層破に渡って断層破砕部が分布砕部が分布

崩壊土砂は、下崩壊土砂は、下流の民家や県道流の民家や県道にまで及ぶ恐れにまで及ぶ恐れありあり

Page 51: 4.土質・地質調査の計画、実施および結果の評価

51

地すべり発生個所の地質断面地すべり発生個所の地質断面エラー発生前エラー発生前は図の左端のは図の左端のボーリングのボーリングのみ実施み実施

地すべり発生地すべり発生時点でそれ以時点でそれ以上の掘削が不上の掘削が不可能となり、可能となり、押え盛土の機押え盛土の機能を持ったダ能を持ったダム形式に変更ム形式に変更して施工して施工

Page 52: 4.土質・地質調査の計画、実施および結果の評価

52

【エラー原因の分析】【エラー原因の分析】

・基礎的な地質情報の収集を怠る・ボーリング調査のみを実施、他の手法の提案や実施を怠たる

・特殊な地質状況であるのに、近傍の調査結果を流用し正確な地質状況を把握していない

・断層による破砕部を、崖錐堆積層や風化により劣化した岩盤と判断。その結果著しく劣化が速い岩石であること見逃す 

Page 53: 4.土質・地質調査の計画、実施および結果の評価

53

【改善策】【改善策】・構造物の大小に関わらず,基礎的な地盤に関・構造物の大小に関わらず,基礎的な地盤に関

する情報収集が重要する情報収集が重要・調査実施段階では、構造物の計画地点のみで・調査実施段階では、構造物の計画地点のみで

なく、周辺の状況を把握するなく、周辺の状況を把握する・・設計施工者に岩石の性質についての留意事項設計施工者に岩石の性質についての留意事項

を、正確に伝達するを、正確に伝達する・地質調査の限界点を示し、疑問や問題点があ・地質調査の限界点を示し、疑問や問題点があ

る場合には、追加調査の必要性を明示するる場合には、追加調査の必要性を明示する・施工時に調査担当者や設計担当者が基礎地盤

のチェックを行なう

Page 54: 4.土質・地質調査の計画、実施および結果の評価

54

4.3 4.3 エラーの特徴と留意エラーの特徴と留意点 点 4.3 4.3 エラーの特徴と留意エラーの特徴と留意点 点

Page 55: 4.土質・地質調査の計画、実施および結果の評価

55

土質・地質に関するエラー事例の分析土質・地質に関するエラー事例の分析土質・地質に関するエラー事例の分析土質・地質に関するエラー事例の分析

  

調査不足により建設を行った結果、調査不足により建設を行った結果、不具合が工事中に発覚したもの不具合が工事中に発覚したもの

土質・地質の評価が不十分で容易な土質・地質の評価が不十分で容易な判断(調査等も不十分)により設計を判断(調査等も不十分)により設計を進めた結果、最終段階の設計や工事進めた結果、最終段階の設計や工事中に不具合が生じたもの中に不具合が生じたもの

・単純ミス(岩盤評価、単位系)・単純ミス(岩盤評価、単位系)

・調査~設計間での情報伝達不足によるもの・調査~設計間での情報伝達不足によるもの

  

調査不足により建設を行った結果、調査不足により建設を行った結果、不具合が工事中に発覚したもの不具合が工事中に発覚したもの

土質・地質の評価が不十分で容易な土質・地質の評価が不十分で容易な判断(調査等も不十分)により設計を判断(調査等も不十分)により設計を進めた結果、最終段階の設計や工事進めた結果、最終段階の設計や工事中に不具合が生じたもの中に不具合が生じたもの

・単純ミス(岩盤評価、単位系)・単純ミス(岩盤評価、単位系)

・調査~設計間での情報伝達不足によるもの・調査~設計間での情報伝達不足によるもの

事例数事例数

55

1414

2121

33

4343

事例数事例数

55

1414

2121

33

4343

エラーの内容エラーの内容

計画段階エ計画段階エラーラー

調査実施段階調査実施段階エラーエラー

技術的判断技術的判断エラーエラー

その他その他

合計合計

エラーの内容エラーの内容

計画段階エ計画段階エラーラー

調査実施段階調査実施段階エラーエラー

技術的判断技術的判断エラーエラー

その他その他

合計合計

コーコードド

AA

BB

CC

DD

コーコードド

AA

BB

CC

DD

地形・地質に関する認識・評地形・地質に関する認識・評価の価の不足によるもの不足によるもの

地形・地質に関する認識・評地形・地質に関する認識・評価の価の不足によるもの不足によるもの

内容の詳細内容の詳細内容の詳細内容の詳細

Page 56: 4.土質・地質調査の計画、実施および結果の評価

56

・調査不足や調査時点の判断ミスが設計中の不・調査不足や調査時点の判断ミスが設計中の不具合や工事中の事故として現れて、初めてエラ具合や工事中の事故として現れて、初めてエラ-として発覚することが多い。-として発覚することが多い。・逆にエラ-として認識されず、結果として過・逆にエラ-として認識されず、結果として過大設計となっている事例もある(これも本当は大設計となっている事例もある(これも本当はエラ-である)。 エラ-である)。 

  建設コスト増大に大きく影響する建設コスト増大に大きく影響する

土質・地質に関するエラ-の特徴土質・地質に関するエラ-の特徴土質・地質に関するエラ-の特徴土質・地質に関するエラ-の特徴

Page 57: 4.土質・地質調査の計画、実施および結果の評価

57

・設計技術者は、土質・地質に関する認識・知・設計技術者は、土質・地質に関する認識・知識を高める。識を高める。

・土質・地質技術者は、構造物設計の目的・内・土質・地質技術者は、構造物設計の目的・内容(地盤調査の精度)や地盤評価の設計への感容(地盤調査の精度)や地盤評価の設計への感度を十分認識する。度を十分認識する。

・設計技術者、土質・地質技術者、発注者の三・設計技術者、土質・地質技術者、発注者の三者の連携・協動(コミュニケーション) 。者の連携・協動(コミュニケーション) 。

エラー低減・防止のためにエラー低減・防止のためにエラー低減・防止のためにエラー低減・防止のために

Page 58: 4.土質・地質調査の計画、実施および結果の評価

58

【道路計画・設計・施工・維持管【道路計画・設計・施工・維持管理】理】

【道路計画・設計・施工・維持管【道路計画・設計・施工・維持管理】理】

【土質・地質調査の流【土質・地質調査の流れ】れ】

【土質・地質調査の流【土質・地質調査の流れ】れ】

道路事業の 道路事業の 基本的な流れ基本的な流れ道路事業の 道路事業の 基本的な流れ基本的な流れ

①①概略調査概略調査①①概略調査概略調査

②②予備調査予備調査②②予備調査予備調査

③③詳細調査詳細調査③③詳細調査詳細調査

④④補足調査補足調査④④補足調査補足調査

⑤⑤施工段階調査施工段階調査⑤⑤施工段階調査施工段階調査

⑥⑥維持管理調査維持管理調査⑥⑥維持管理調査維持管理調査

路線選定のための路線選定のための広範囲で大局的な広範囲で大局的な調査調査

構造形式、施工法検討構造形式、施工法検討のための全般的な調のための全般的な調査査

細部構造検討および細部構造検討および施工法決定のための施工法決定のための密度の濃い調査密度の濃い調査

整備計画整備計画整備計画整備計画

道路基本計画道路基本計画道路基本計画道路基本計画

道路概略設計道路概略設計道路概略設計道路概略設計

ルート決定・事業化ルート決定・事業化ルート決定・事業化ルート決定・事業化

道路事業設計道路事業設計道路事業設計道路事業設計

・各構造物予備設計・各構造物予備設計

・道路中心線決定・道路中心線決定

・各構造物予備設計・各構造物予備設計

・道路中心線決定・道路中心線決定

各構造物詳細設計各構造物詳細設計各構造物詳細設計各構造物詳細設計

工事設計・積算工事設計・積算工事設計・積算工事設計・積算

工事施工工事施工工事施工工事施工

供用供用供用供用

維持管理維持管理維持管理維持管理

整備計画整備計画段階段階

基本計画基本計画段階段階

事業計画事業計画段階段階

施工・維施工・維持管理段持管理段階階

Page 59: 4.土質・地質調査の計画、実施および結果の評価

59

河川事業の 河川事業の 基本的な流れ基本的な流れ河川事業の 河川事業の 基本的な流れ基本的な流れ

〈事業決定〉〈事業決定〉

〈用地決定〉〈用地決定〉

〈詳細図面〉〈詳細図面〉

【河川計画・設計・施工・維持【河川計画・設計・施工・維持管理】管理】【河川計画・設計・施工・維持【河川計画・設計・施工・維持管理】管理】 【土質・地質調査の流【土質・地質調査の流

れ】れ】【土質・地質調査の流【土質・地質調査の流れ】れ】

整備計画整備計画整備計画整備計画

予備設計予備設計予備設計予備設計

最適案の抽出最適案の抽出最適案の抽出最適案の抽出

設計条件・設計方針設計条件・設計方針設計条件・設計方針設計条件・設計方針

概略設計(概略設計( oror基本設計)基本設計)概略設計(概略設計( oror基本設計)基本設計)

詳細設計詳細設計詳細設計詳細設計

積算積算積算積算

工事施工工事施工工事施工工事施工

供用供用供用供用

維持管理維持管理維持管理維持管理

①①予備調査予備調査①①予備調査予備調査

②②本調査本調査②②本調査本調査

③③追加調査追加調査③③追加調査追加調査

④④施工管理調査施工管理調査④④施工管理調査施工管理調査

⑤⑤維持管理調査維持管理調査⑤⑤維持管理調査維持管理調査

整備計画整備計画段階段階

基本計画基本計画段階段階

事業計画事業計画段階段階

施工・維施工・維持管理段持管理段階階

Page 60: 4.土質・地質調査の計画、実施および結果の評価

60

約約 250m250m

基盤面基盤面掘進用(l=掘進用(l= 28m28m ),), PSPS 検層検層サンプリング用(l=サンプリング用(l= 17m17m ))掘進用(l=掘進用(l= 28m28m ),), PSPS 検層検層サンプリング用(l=サンプリング用(l= 17m17m ))

掘進用(l=掘進用(l= 42m42m ),), PSPS 検層検層サンプリング用(l=サンプリング用(l= 23m23m ))掘進用(l=掘進用(l= 42m42m ),), PSPS 検層検層サンプリング用(l=サンプリング用(l= 23m23m )) 掘進用(l=掘進用(l= 45m45m ),), PSPS 検層検層掘進用(l=掘進用(l= 45m45m ),), PSPS 検層検層

詳細地盤調査の計画立案の例 詳細地盤調査の計画立案の例

A2A2盛土盛土

A1A1盛土盛土

Page 61: 4.土質・地質調査の計画、実施および結果の評価

61

① 対象橋梁:5本の既往調査Borが存在        しかし、建設前で詳細な地盤物性が不明

詳細詳細地盤調査実施地盤調査実施のの方針方針詳細詳細地盤調査実施地盤調査実施のの方針方針

④ 基礎設計では ...  震度法    :基礎上部 (表層から 10m程度 )の地盤の変形特性(E )   保有水平耐力法:変形特性に加え、強度特性 (c、 φ)    

② 橋台背面は盛土  →橋台部周辺地盤はその影響により地盤物性が変化していると考えられる

③ 表層 20mまでは、極めて軟弱な腐植土と砂 (礫も混入 )の互層からなる沖積層  →盛土による圧密沈下や地震時の液状化とそれに伴う側方流動発生の程度    

⑤ 橋梁の耐震設計では…  橋梁全体系の動的挙動把握が重要  :上・下部~基礎~地盤を一体としたモデルによる動的解析を実施

基礎補強設計において問題

精度良く設定のための調査・試験を実施

重要な地盤定数

表層から基盤面までの動的変形特性 (S波速度 )が必要

Page 62: 4.土質・地質調査の計画、実施および結果の評価

62

想定柱状図と試験深度想定柱状図と試験深度想定柱状図と試験深度想定柱状図と試験深度

GL-17m ま では別孔にて採取

GL-17m ま では別孔にて採取