品川アジャイル第7回読書会

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第7回 Chapter 6 : Overcoming Resistance 2012/10/30(Tue) 19:30- @ThinkPark Tower Succeeding with Agile 読書会 (品川アジャイル)

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Mike Cohn さんの著書『Succeeding with Agile』の読書会である「品川アジャイル」の第7回のスライドです。テーマは、第6章の "Overcoming Resistance" です。

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Page 1: 品川アジャイル第7回読書会

第7回Chapter 6 : Overcoming Resistance

2012/10/30(Tue) 19:30-@ThinkPark Tower

Succeeding with Agile読書会

(品川アジャイル)

Page 2: 品川アジャイル第7回読書会

1. 当読書会のこれまでの経緯

2. 第6章の概要

3. 抵抗の事前予測と予防

4. 変化についてコミュニケートする方法

5. 個人がなぜ/どのように抵抗するのか

6. 抵抗をどう考えるべきか

Agenda

Page 3: 品川アジャイル第7回読書会

1.当読書会のこれまでの経緯

Page 4: 品川アジャイル第7回読書会

発端:アジャイルを英語で学びたい!

Agile Japan 2012(2012/03/16)の懇親会の帰りに

かわぐちさんを捕まえてこの旨をお伝えしたところ…

この本で読書会やりましょう!

次の日には Facebook グループができていました

Page 5: 品川アジャイル第7回読書会

元々は翻訳・出版が目的です

なので今まで表に出てきませんでした。

\アッカリーン/

Page 6: 品川アジャイル第7回読書会

過去の実績

月イチで1章というペースで開催しています。

開催日時 場所 内容

2012/04/16(月) ソニーモバイル様 第1章:Why Becoming Agile Is Hard (But Worth It)

2012/05/14(月) ソニーモバイル様第2章:ADAPTing to Scrum・最初の Awareness で時間を取りすぎる orz

2012/06/11(月) ThinkPark Tower 第2章:ADAPTing to Scrum・Desire-Transfer をカバー

2012/07/19(木) ThinkPark Tower 第3章:Patterns for Adopting Scrum

2012/08/23(木) ThinkPark Tower 第4章:Iterating Toward Agility

2012/09/11(火) ThinkPark Tower 第5章:Your First Projects

Page 7: 品川アジャイル第7回読書会

2.第6章の概要

Page 8: 品川アジャイル第7回読書会

変化には2つの側面がある

by Paul Lawrence(Harvard Business Review, 1969)

技術的側面 仕事のやり方を物理的に変えること

社会的側面それまで構築してきた組織のルール・関係を変えること

Page 9: 品川アジャイル第7回読書会

社会的側面について考えよう!

アジャイル/スクラムの導入は、まさに社会的側面の変化を要求するものです。

でも、つい技術的側面だけからアプローチしてないですか?

Page 10: 品川アジャイル第7回読書会

個人の抵抗をどう扱えばよいか?

アジャイル/スクラムの導入に際して、個人レベルでの抵抗は避けられません。

次の3つのテーマについて考えます。1. 抵抗の事前予測と予防

2. 変化についてコミュニケートする方法

適切な人に適切なメッセージを発してもらうことの必要性を確認します

3. 個人がなせ・どのように抵抗するのか

抵抗する人のパターンを識別し、適切な対応策を考えます

Page 11: 品川アジャイル第7回読書会

3.抵抗の事前予測と予防

Page 12: 品川アジャイル第7回読書会

変化には必ず抵抗が起こる!

特にスクラムへの移行時の影響は大きい。● 責任の増大

● 報告対象の変更

● 組織の権限のシフト

● 期待値の変化

組織内の個人の間に勝者と敗者が生まれてしまう。

Page 13: 品川アジャイル第7回読書会

立場によって抵抗の理由は違う

1. マネージャ層が抵抗する一番の原因は、権限と

権威を失うことへの恐怖である2. 従業員が抵抗する一番の原因は、認識・自覚の

欠如である

by Creasy & Hiatt (2007)

Page 14: 品川アジャイル第7回読書会

waterfallacy と agile phobia

waterfallacy waterfall が好きな人。

長いこと waterfal をやりすぎて、アジャイルを誤解していることが多い。

agile phobia アジャイルに恐怖ないし嫌悪を感じている人。主に変化への不確実性を嫌う。

★この両者は分けて考えた方が良い。

Page 15: 品川アジャイル第7回読書会

どこで抵抗が起きるか?

1. スクラムへ移行した場合、何かを失う人はいない

か?2. 変化へ抵抗するために連携しそうな人たちはい

ないか?

これが分かれば、抵抗を予防する手段も分かる。

Page 16: 品川アジャイル第7回読書会

変化に対する性向による人の分類

● メインで抵抗するのは Conserver

● Pragmatist も、両者を均等に見ているため、抵抗者になる恐

れあり

タイプ 説明 割合

Conservers いわゆる現状維持派。事前の入念な計画、詳細化・規律を好む。

25%

Pragmatists どちらとも折り合いつけられる現実派。組織構造よりも結果に興味あり。チーム志向。 50%

Originators リスクをとって現状を変えることに意欲を感じる人たち。ベンチャー気質。 25%

Page 17: 品川アジャイル第7回読書会

4.変化についてコミュニケートする方法

Page 18: 品川アジャイル第7回読書会

人は一回言われたくらいでは変化できない

繰り返し色々な人から話を聞くことで、初めて腑に落ちて変化することができる。だからこそ、同じメッセージを何回も、また色々な人から伝える必要がある。

次の2者からのメッセージが有効1. リーダ

2. 同等の人

Page 19: 品川アジャイル第7回読書会

リーダからのメッセージ

従業員には以下のような性向がある。

(by Hiatt, 2006)

1. 何故変化が必要なのかを上司から聞きたい。

2. 変化がどう影響するのかを、直属の上司から個

人的に聞きたい。

3. 他のメッセージは、同等の人から聞きたい。

Page 20: 品川アジャイル第7回読書会

同等の人からのメッセージ

同等の人から話を聞く機会を増やすことは有効。

(by MIT Sloan Management Report)

1. 特に不確定期は、上司よりも同等の人からの影

響の方が大きくなる。(チームミーティングが有

効)

2. 複数の上司よりも、一人の同等の人の言うことの

方が効果はある。

Page 21: 品川アジャイル第7回読書会

5.個人がなぜ/どのように抵抗するのか

Page 22: 品川アジャイル第7回読書会

抵抗には why と how の2つの側面がある

1. why

a. 現状維持を好む

b. スクラムを嫌う

2. how

a. 積極的に抵抗してくる(反論をするなど)

b. 消極的に抵抗してくる(やるやる言ってやらないなど)

Page 23: 品川アジャイル第7回読書会

4象限に表わしてみると

diehard

follower

saboteur

skeptic

積極的な抵抗

消極的な抵抗

スクラムを嫌う

現状維持を好む

Page 24: 品川アジャイル第7回読書会

Skepticsスクラムの効果に疑問を感じていて、

一つ一つ反論してくる人。

● 抵抗ではなく反論なので passive。

● 「今までのやり方とは違うけれども取り敢えず

やってみよう!」という人は含まない。

Page 25: 品川アジャイル第7回読書会

Saboteurskeptic と非常に似ているが、旧来の方法(大量のド

キュメントを書くなど)を堂々とやるなどして、より積

極的にスクラムに反対・抵抗してくる人。

● スクラムが嫌いというところがポイント。

Page 26: 品川アジャイル第7回読書会

Diehard現状維持を好み、積極的に抵抗してくる人。

● ミドル・シニア層のマネージャが多いので、リソー

スという補給路を絶ってスクラムへの移行を阻む

といった態度で抵抗してくる。

● Katherine の場合、プロジェクトの最初からはテス

ターを送り込まないなどの形で抵抗した。

Page 27: 品川アジャイル第7回読書会

Follower表面的に従っているフリをして、変化が失敗して元

の状態に戻るのを待っている人。

● スクラムに反論するが、「スクラムはxxの場合にう

まくいくのか?」と質問してくる skeptics とは異な

り、「スクラムはxxの場合にうまく機能しない悪い

アイデアだ」という形で反論してくる。

● 消極的かつあまり活動的ではない。

Page 28: 品川アジャイル第7回読書会

6.抵抗をどう考えるべきか

Page 29: 品川アジャイル第7回読書会

抵抗は有効なシグナル

抵抗者を、解決すべき問題と認識するのではなく、理解すべき対象と考えるべき。

Paul Lawrence ● 抵抗は、必ずしも克服すべきものと思う必要はない。

● 間違っていることを示すシグナルだと考えた方が良い。

● 体内の機能不全があった時に、それを「痛み」として教えてくれる

ことと同じ。● 抵抗があった場合は、問題が何なのかを注意深く聞くこと。

★いきなり解決策を提示するようなことはしない方が良い。