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拓磨シリーズ TAKUMA このメモは投資判断の参考となる情報の提供を目的としたもので、投資勧誘を目的として作成したものではありません。このメモに記載されている内容は、信頼できる と考えられる情報に基づいて作成されていますが、当社はその正確性・完全性を保証するものではありません。また、ここに記載された内容・意見は当該説明会時、 ならびに/あるいは取材時における判断であり、今後、事前の連絡なしに変更されることもあります。 投資に際しての最終決定は投資家の皆様ご自身の判断と責任に おいてなされるようお願いいたします。 Copyright © 2018 Trias Corporation All rights reserved. | 1 元気な日本を応援する企業リサーチプラットフォーム 2018 8 2 株式会社アウトソーシング(以下「OS 社」または「OS グループ」)の 2018 12 月期(以下「18/12 月期」) 1 四半期(以下「1Q」)の決算発表を受け、 株式会社トリアスは代表締役会長兼社長の土井春彦氏に 取材を行いましたので、決算と取材の概要をご案内いたします。 2018 12 月期 1 四半期 連結決算の概要 18/12 月期 1Q における事業環境は、為替レートが 2017 年末の 112.67 /US ドルから 3 23 日には 104.72 /US ドルの高値を付ける円高になったものの、国内経済は安定基調を維持した。有効求人倍率 1974 年以降で最も高い 1.59 倍となり、失業率は現在の景気拡大期で最低に迫るわずか 2.5%と、労 働市場のひっ迫が続いた(【グラフ 1】を参照のこと)。持続する労働市場のひっ迫状況は、顧客と契約単価 の引き上げ交渉をする上で支援材料となる。 グラフ 1過去 44 年間で最もひっ迫した日本の労働市場(1980 年代のバブル期を超える) 出所:独立行政法人労働政策研究・研修機構(JILPT)、厚生労働省「一般職業紹介状況」および総務省「労働力調査」 2.1 2.8 2.5 1.76 1.4 0.47 1.5 1.59 0.00 0.30 0.60 0.90 1.20 1.50 1.80 0.0 1.0 2.0 3.0 4.0 5.0 6.0 失業率(左軸) 有効求人倍率(右軸) 10̶ 42427 東証 1 部 株式会社アウトソーシング 2018 12 月期第 1 四半期決算 フォローアップインタビュー概要

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このメモは投資判断の参考となる情報の提供を目的としたもので、投資勧誘を目的として作成したものではありません。このメモに記載されている内容は、信頼できる

と考えられる情報に基づいて作成されていますが、当社はその正確性・完全性を保証するものではありません。また、ここに記載された内容・意見は当該説明会時、

ならびに/あるいは取材時における判断であり、今後、事前の連絡なしに変更されることもあります。 投資に際しての 終決定は投資家の皆様ご自身の判断と責任に

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元気な日本を応援する企業リサーチプラットフォーム 2018 年 8 月 2 日

株式会社アウトソーシング(以下「OS 社」または「OS グループ」)の 2018 年 12 月期(以下「18/12 月期」)

第 1 四半期(以下「1Q」)の決算発表を受け、 株式会社トリアスは代表締役会長兼社長の土井春彦氏に

取材を行いましたので、決算と取材の概要をご案内いたします。

2018 年 12 月期 第 1 四半期 連結決算の概要

18/12 月期 1Q における事業環境は、為替レートが 2017 年末の 112.67 円/US ドルから 3 月 23 日には

104.72 円/US ドルの高値を付ける円高になったものの、国内経済は安定基調を維持した。有効求人倍率

が 1974 年以降で も高い 1.59 倍となり、失業率は現在の景気拡大期で 低に迫るわずか 2.5%と、労

働市場のひっ迫が続いた(【グラフ1】を参照のこと)。持続する労働市場のひっ迫状況は、顧客と契約単価

の引き上げ交渉をする上で支援材料となる。

グラフ 1: 過去 44 年間で もひっ迫した日本の労働市場(1980 年代のバブル期を超える)

出所:独立行政法人労働政策研究・研修機構(JILPT)、厚生労働省「一般職業紹介状況」および総務省「労働力調査」

2.1

2.82.5

1.76

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5.0

6.0

失業率(左軸) 有効求人倍率(右軸)

10月 ̶ 4月

2427

東証 1 部

株式会社アウトソーシング

2018 年 12 月期第 1 四半期決算 フォローアップインタビュー概要

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元気な日本を応援する企業リサーチプラットフォーム 2018 年 8 月 2 日

2018 年 1Q の経済産業省「産業活動指数」によると、建設業活動指数、鉱工業生産指数および第 3 次産

業(サービス産業)活動指数の 3 項目は、2017 年 4Q にわずかに低下したものの、2017 年 1Q に比べて

高い状態が続いている(【グラフ 2】と P.3【表 1】を参照のこと)。P.3【表 1】に見られるとおり、このことは

OS グループの事業に関連するサブセクター指数の大半についても言え、国内経済の人材サービス需要

には引き続き安定した需要が見込める。

これら 2 つの要因に加えて、「2018 年問題」が日本における収益成長をけん引するもう 1 つの要因である。

いわゆる「2018 年問題」は、過去 5 年間における日本の労働関連法の改正がもたらした直接的な結果で

ある。まず、2013 年 4 月施行の改正労働契約法では、雇用主に対して、有期雇用契約社員が 5 年にわた

り、継続して勤務した後、本人が希望する場合は、無期雇用契約の正社員へ転換するよう求めている。

2018 年 4 月、同法が施行されてから 5 年になるため、有期雇用契約社員(期間社員)を直接雇用してきた

メーカーは正社員への転換を迫られるリスクに直面しており、派遣社員を活用する需要が急速に高まって

いる。

さらに、2015 年 9 月に施行した改正労働者派遣法は、派遣サービス業者が採用する有期雇用契約社員

の利用を同一の職場で 大 3 年に制限している。ところが、派遣サービス業者が派遣する正社員の利用

はこの規制の適用外となっており、後述するとおり、OS グループの PEO スキームへの需要が拡大してい

る。さらに、同改正法は派遣サービス業者への規制を強化しており、以前の届出制が認可制に変わり、教

育研修の提供や雇用の安定化への取り組みを求めるなど、経営資源に対する負担を課した結果、多くの

零細派遣サービス業者の淘汰が進み、IT 技術者の需給に影響が出ることとなった。後述のとおり、OS グ

ループの KEN スクールを活用した独自のスキームにより、このニーズに対処している。

グラフ 2: 全産業活動指数(2010 年=100)

出所:経済産業省

105.2

94.0

96.0

98.0

100.0

102.0

104.0

106.0

108.0

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このメモは投資判断の参考となる情報の提供を目的としたもので、投資勧誘を目的として作成したものではありません。このメモに記載されている内容は、信頼できる

と考えられる情報に基づいて作成されていますが、当社はその正確性・完全性を保証するものではありません。また、ここに記載された内容・意見は当該説明会時、

ならびに/あるいは取材時における判断であり、今後、事前の連絡なしに変更されることもあります。 投資に際しての 終決定は投資家の皆様ご自身の判断と責任に

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元気な日本を応援する企業リサーチプラットフォーム 2018 年 8 月 2 日

表 1: 全産業活動指数の四半期推移

出所: 経済産業省のデータをもとにトリアスにて作成

こういった法制の変化はあるものの、18/12 月期 1Q の連結売上収益は、前年同期比 25.8%増の

63,198 百万円となった(P.4【表 2】を参照のこと)。売上収益の前年同期に対する増分 12,960 百万円のう

ち、日本における事業の増分が 10,791 百万円(前年同期比 46.6%増)(P.4【表 3】を参照のこと)であっ

た。これは、現在の好調な事業環境を反映するとともに、アメリカンエンジニアコーポレイション(以下「AEC

社」)の連結子会社化がフル寄与していることによる。

募集媒体を必要としない PEO スキームの好調により、一人当たりの採用費が低下したことが寄与して、売

上総利益は前年同期比 31.1%増、売上総利益率は 18.6%から 19.4%へと上昇した。同スキームでは、メ

ーカーが直接雇用した期間社員をグループの株式会社 PEO(以下「PEO 社」)の正社員として受け入れ、

会員顧客メーカーに派遣するが、PEO 社が正社員として採用することに伴うリスクを考慮した契約単価が

実現できている。同様に、未経験者をエンジニアにするべく訓練するグループの KEN スクールを利用した

スキームも、一人当たりの採用費の低減に貢献している。

売上収益が大きく伸長した結果、販管費率は引き続き 15.9%から 15.7%へと低下した。営業利益は、前

年同期比44.3%増加して 2,050百万円となった。売上高総利益率が 0.8ポイント、IFRSによる販管費率

季節調整済指数 (2010年 = 100) ウェイト 2017/1Q 2017/2Q 2017/3Q 2017/4Q 2018/1Q

全産業活動指数 100.00 103.7 105.0 104.9 105.6 105.2

前四半期比 (%) 0.1 1.3 -0.1 0.7 -0.4• 建設業活動指数 5.77 112.8 118.3 116.3 115.1 114.7

前四半期比 (%) 1.5 4.9 -1.7 -1.0 -0.3• 鉱工業生産指数 20.78 100.0 101.8 102.3 103.9 102.5

前四半期比 (%) 0.2 1.8 0.5 1.6 -1.3• 第3次産業活動指数 73.45 104.0 104.8 104.8 105.3 105.2

前四半期比 (%) -0.1 0.8 0.0 0.5 -0.1

[OSグループ関連セクター] 2017/1Q 2017/2Q 2017/3Q 2017/4Q 2018/1Q

建設業• 民間・建築非住宅 133.1 137.1 137.3 137.2 139.1

鉱工業• 電子部品・デバイス工業 104.7 107.4 108.1 108.6 109.4• 集積回路 99.4 107.3 110.2 117.9 115.2• 電気機械工業 101.5 101.7 103.0 105.8 103.0• 輸送機械工業 102.2 105.5 106.0 108.3 105.2• 自動車部品 104.4 108.4 109.1 114.3 111.6• 化学工業(含.医薬品) 102.9 105.6 107.3 107.4 106.7• 建築用金属製品 100.9 101.4 101.8 101.4 98.3• 食料品・たばこ工業 97.4 97.6 96.0 96.0 97.5

第3次(サービス)産業• 通信業 119.3 119.7 120.1 120.9 121.3• ソフトウェアプロダクト 124.4 132.5 137.9 131.3 128.6• インターネット附随サービス業 147.6 151.2 159.0 158.3 157.5• 機械設計業 129.5 126.2 128.1 129.7 135.0• 学習塾 107.7 107.5 107.8 108.1 109.0

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このメモは投資判断の参考となる情報の提供を目的としたもので、投資勧誘を目的として作成したものではありません。このメモに記載されている内容は、信頼できる

と考えられる情報に基づいて作成されていますが、当社はその正確性・完全性を保証するものではありません。また、ここに記載された内容・意見は当該説明会時、

ならびに/あるいは取材時における判断であり、今後、事前の連絡なしに変更されることもあります。 投資に際しての 終決定は投資家の皆様ご自身の判断と責任に

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元気な日本を応援する企業リサーチプラットフォーム 2018 年 8 月 2 日

が 0.2 ポイント改善したにもかかわらず、買収企業の被支配持分に対する金融債務負担の取り扱いに伴

い、その他の収入と経費のバランスが多少悪化したため、営業利益率の改善は、2.8%から 3.2%への

0.4 ポイントにとどまった。親会社の所有者に帰属する四半期利益は、収入と費用のバランスが改善し、実

効税率が改善したことを反映して、前年同期比で 118.0%増となる 1,186 百万円 となった。

2018 年4月17日付Triasメモのトピック「18/12 月期の M&A 再開を前に、これまでの M&A をレビュー」

の冒頭で触れたとおり、17/12月期は、グループ全体のコーポレートガバナンスの強化など、次の大きな

飛躍を前に、近年行ってきた大型買収の足固めを行う年として位置づけられる。17/12 月期の大きな成果

は、中期経営計画の目標を上回って業績が順調に推移したことだ。結果、OS 社は当初想定より 1 年前倒

しの 18/12 月期に M&A を再開し、業績の上振れ分を今後の成長に向けて先行投資する意向だ。

表 2: 2018 年 12 月期 第 1 四半期 連結業績サマリ(IFRS)

出所:会社開示資料をもとにトリアスにて作成 / 注:記載金額の表示単位未満の端数については、端数を四捨五入して表示。

表 3: 2018 年 12 月期 第 1 四半期 地域別連結売上収益

出所:会社開示資料をもとにトリアスにて作成

(百万円)

1Q 1Q

実績 実績 増減額 増減率

売上収益 50,238 63,198 12,960 25.8%

売上原価 40,895 50,948 10,053 24.6%

売上総利益 9,343 12,250 2,907 31.1%

総利益率 18.6% 19.4% - +0.8pp

販売管理費 8,009 9,922 1,913 23.9%

販管費率 15.9% 15.7% - - 0.2pp

営業利益 1,422 2,050 628 44.3%

営業利益率 2.8% 3.2% - +0.4pp

税引前利益 1,239 1,935 696 56.2%

税引前利益率 2.5% 3.1% - +0.6pp

四半期利益 714 1,311 597 83.6%

544 1,186 642 118.0%

親会社所有者帰属四半期利益率 1.1% 1.9% - +0.8pp

親会社の所有者に帰属する四半期利益

17/12月期 18/12月期

前年同期比

(百万円) 前年同期比

増減額 増減率

連結売上収益合計 63,198 100.0% 12,960 25.8%

• 日本 33,926 53.7% 10,791 46.6%

• アジア(除く、日本) 4,716 7.5% 484 11.4%

• オセアニア 9,149 14.5% 464 5.3%

• 欧州 14,057 22.2% 1,135 8.8%

• 南⽶ 1,350 2.1% 86 6.8%

売上収益 構成比

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このメモは投資判断の参考となる情報の提供を目的としたもので、投資勧誘を目的として作成したものではありません。このメモに記載されている内容は、信頼できる

と考えられる情報に基づいて作成されていますが、当社はその正確性・完全性を保証するものではありません。また、ここに記載された内容・意見は当該説明会時、

ならびに/あるいは取材時における判断であり、今後、事前の連絡なしに変更されることもあります。 投資に際しての 終決定は投資家の皆様ご自身の判断と責任に

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元気な日本を応援する企業リサーチプラットフォーム 2018 年 8 月 2 日

【表 4】にあるとおり、18/12 月期 1Q 末の連結財政状態計算書における主なポイントは、流動負債と非流

動負債がともに増加し、負債合計が 6,203 百万円増加し、比率が 78.5%から 80.5%へと上昇した一方、

自己資本比率が 21.5%から 19.2%へと低下したことだ。また、親会社の所有者に帰属する四半期利益

1,186 百万円、17/12 月期の期末配当金 1,937 百万円の支払を反映し、利益剰余金が若干減少した。

特筆事項としては、2018 年 6 月 15 日、OS 社はオランダの OTTO Holding B.V. (以下「OTTO グルー

プ」)の株式(議決権の 56.0%)の取得に使用した短期つなぎ融資を長期融資に置き換え、財政状態を強

化し安定化させる目的で、8,800 百万円のシンジケートローンを通じた負債による資金調達を行った(ユー

ロ建てと日本円建が半々)。

表 4: 2018 年 12 月期 第 1 四半期末 連結財政状態計算書サマリ

(百万円)

実績 構成比 実績 構成比 増減額 増減要因

流動資産 59,312 47.6% 62,626 48.6% 3,314

現金及び現金同等物 19,108 15.3% 18,686 14.5% △ 422

営業債権及びその他の債権 34,390 27.6% 32,959 25.6% △ 1,431

非流動資産 65,333 52.4% 66,152 51.4% 819

有形固定資産 6,922 5.6% 7,055 5.5% 133

のれん 39,239 31.5% 40,205 31.2% 966 子会社株式の取得により増加

無形資産 10,936 8.8% 10,323 8.0% △ 613

その他の金融資産 3,137 2.5% 3,050 2.4% △ 87

資産合計 124,645 100.0% 128,778 100.0% 4,133

流動負債 51,594 41.4% 54,457 42.3% 2,863

営業債務及びその他の債務 23,758 19.1% 25,324 19.7% 1,566

社債及び借入金 14,354 11.5% 17,788 13.8% 3,434 事業資金等の為の借入により増加

未払法人所得税等 4,659 3.7% 2,163 1.7% △ 2,496

非流動負債 46,294 37.1% 49,634 38.5% 3,340

社債及び借入金 33,727 27.1% 37,185 28.9% 3,458

負債合計 97,888 78.5% 104,091 80.8% 6,203

資本金 7,131 5.7% 7,138 5.5% 7

資本剰余金 8,843 7.1% 8,850 6.9% 7

自己株式 △ 0 -0.0% △ 0 -0.0% -

利益剰余金 14,057 11.3% 13,333 10.4% △ 724 親会社の所有者に帰属する四半期利益及び期末配当金の支払い等を反映

24,958 20.0% 23,081 17.9% △ 1,877

非支配持分 1,799 1.5% 1,606 1.3% △ 193

資本合計 26,757 21.5% 24,687 19.2% △ 2,070

負債及び資本合計 124,645 100.0% 128,778 100.0% 4,133

親会社の所有者に帰属する持分合計

17/12月期末 18/12月1Q期末

出所:会社開示資料をもとにトリアスにて作成

注:記載金額の表示単位未満の端数については、端数を四捨五入して表示しております。

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このメモは投資判断の参考となる情報の提供を目的としたもので、投資勧誘を目的として作成したものではありません。このメモに記載されている内容は、信頼できる

と考えられる情報に基づいて作成されていますが、当社はその正確性・完全性を保証するものではありません。また、ここに記載された内容・意見は当該説明会時、

ならびに/あるいは取材時における判断であり、今後、事前の連絡なしに変更されることもあります。 投資に際しての 終決定は投資家の皆様ご自身の判断と責任に

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元気な日本を応援する企業リサーチプラットフォーム 2018 年 8 月 2 日

次に、18/12 月期から採用した新報告分類を用いた事業セグメント別の業績推移を見てみたい(【表 5】を

参照のこと)。18/12 月期から、国内管理系アウトソーシング事業と国内人材紹介事業を国内製造系アウト

ソーシング事業に統合したが、これは提供するサービスの大半が製造業向けであるためだ。

表 5: 2018 年 12 月期 第 1 四半期 新セグメント別 IFRS 連結業績実績

出所:会社開示資料をもとにトリアスにて作成

注:記載金額の表示単位未満の端数については、端数を四捨五入して表示しております。

また、顧客の業種区分でみたセグメント毎の売上収益の内訳に関する補足情報の開示に、18/12 月期か

ら海外セグメントが含まれるようになった。このため、主要 5 セグメントに関し、主な動向と戦略的重点項目

をまとめるとともに、各セグメントの売上収益の業種別内訳を表に示す。

(百万円) 17/12月期 1Q 18/12月期 1Q

実績 実績 増減額/人 増減率

売上収益 11,279 15,359 4,080 36.2%

営業利益 583 986 403 69.1%

調整前営業利益率 5.2% 6.4% - -

期末外勤社員数(人) 6,286 9,474 3,188 50.7%

売上収益 10,909 13,848 2,939 26.9%

営業利益 655 1,368 713 108.7%

調整前営業利益率 6.0% 9.9% - -

期末外勤社員数(人) 9,480 11,050 1,570 16.6%

期末委託管理人数(人) 3,381 5,554 2,173 64.3%

人材紹介人数(人) 834 818 △ 16 -1.9%

売上収益 823 4,574 3,751 455.9%

営業利益 △ 5 356 361 -

調整前営業利益率 -0.6% 7.8% - -

期末外勤社員数(人) 1,762 2,890 1,128 64.0%

売上収益 6,491 7,329 838 12.9%

営業利益 164 309 145 87.8%

調整前営業利益率 2.5% 4.2% - -

期末外勤社員数(人) 1,893 2,091 198 10.5%

売上収益 20,612 21,943 1,331 6.5%

海外製造系及び 営業利益 929 380 △ 549 -59.1%

サービス系事業 調整前営業利益率 4.5% 1.7% - -

期末外勤社員数(人) 31,953 32,281 328 1.0%

売上収益 124 145 21 17.2%

営業利益 8 19 11 153.2%

調整前営業利益率 6.5% 13.1% - -

期末外勤社員数(人) 4 3 △ 1 -25.0%

調整額 営業利益 △ 912 △ 1,368 △ 456 -

売上収益 50,238 63,198 12,960 25.8%

合計 営業利益 1,422 2,050 628 44.3%

営業利益率 2.8% 3.2% - -

国内サービス系アウトソーシング事業

海外技術系事業

その他事業

国内技術系アウトソーシング事業

国内製造系アウトソーシング事業

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このメモは投資判断の参考となる情報の提供を目的としたもので、投資勧誘を目的として作成したものではありません。このメモに記載されている内容は、信頼できる

と考えられる情報に基づいて作成されていますが、当社はその正確性・完全性を保証するものではありません。また、ここに記載された内容・意見は当該説明会時、

ならびに/あるいは取材時における判断であり、今後、事前の連絡なしに変更されることもあります。 投資に際しての 終決定は投資家の皆様ご自身の判断と責任に

おいてなされるようお願いいたします。

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<国内技術系アウトソーシング事業>

売上収益 15,359 百万円(前年同期比 36.2%増)、営業利益 986 百万円(同 69.1%増)、営業利益

率 6.4%(同 1.2 ポイント上昇)。

慢性的な技術者不足が、輸送用機器関係や電気機器関係といった伝統的な業種のみならず、これら

の業種と異なるサイクルを持つ IT 関係や建設・プラント関係においても、高い成長率をけん引。

採用の難しさに取り組む手段には、以下が含まれる。すなわち、① KEN スクールにて未経験者を技

術者に育成するスキーム(1Q 計画 350 人に対して実績 362 人、18/12 月期計画 1,500 人)、②新

卒採用の拡大(2017 年 4 月実績 550 人、2018 年 4 月実績 1,026 人、2019 年 4 月計画 1,500 人)、

および③改正労働者派遣法による規制強化のため、派遣サービス業者が淘汰されたことで解雇され

た技術者の受け入れ(1Q 計画 150 人、実績 205 人、18/12 月期計画 650 人)。

新規採用者は 4 月(2Q)に入社し、5 月末までに研修を終え、6 月から配属される。実際の採用者数

が計画を上回っているため、研修費用が当初予算を上回って推移しているが、下半期には大きく貢

献してくると予想。

出所:会社開示資料をもとにトリアスにて作成

<国内製造系アウトソーシング事業>

売上収益 13,848 百万円(前年同期比 26.9%増)、営業利益 1,368 百万円(同 108.7%増)、営業利

益率 9.9%(同 3.9 ポイント上昇)。

差別化が利いた高付加価値な PEO スキームを背景に、売上総利益/売上総利益率と営業利益/営

業利益率は製造派遣業界で 高水準となり、契約単価は業界 高のようだ。

PEO スキームに加えて、主としてアジア諸国からの外国人技能実習生によるスキームを監理団体を

通じてメーカーに提供(技能実習生は母国での 4 ヶ月間の研修期間を経て、3 年から 5 年の技能実

習のために来日。母国に帰国後、希望に応じ従業員として採用へ)。

委託管理人数:17/12 月期 1Q 末 3,381 人、18/12 月期 1Q 末 5,554 人、18/12 月期末計画 7,989

18/12月期 1Q 業種別売上収益(百万円) 売上収益 構成比

国内技術系アウトソーシング事業 15,359 24.3%

電気機器関係 3,056 4.8%

輸送用機器関係 3,927 6.2%

化学・薬品関係 579 0.9%

IT関係 4,739 7.5%

建設・プラント関係 1,960 3.1%

その他 1,098 1.8%

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人。

17/12 月期まで、当セグメントには未配賦の本社機能費用が計上され、営業利益率が抑えられてきた

が、18/12 月期からこれを別途計上。

出所:会社開示資料をもとにトリアスにて作成

<国内サービス系アウトソーシング事業>

売上収益 4,574 百万円(前年同期比 455.9%増)、営業利益 356 百万円(同黒字化)、営業利益率

7.8%(同黒字化)。

1Q は、AEC 社を 2017 年 4 月から連結子会社化したことがフル寄与。

案件の入札に必要な履行保証保険(履行ボンド)確保に関する OS 社の支援を背景に、米軍施設の

建造物や設備の改修・保全の受注が増加し、米軍施設内の福利厚生施設などへの派遣事業の展開

が全国 20 ヶ所以上に拡大。

2018 年 6 月に成立した働き方改革法に一部含まれる「同一労働同一賃金」原則のもと、時給上昇の

可能性があるため、コンビニエンスストア事業の立ち上げには、新たな方法による設計が必要。

出所:会社開示資料をもとにトリアスにて作成

18/12月期 1Q 業種別売上収益(百万円) 売上収益 構成比

国内製造系アウトソーシング事業 13,848 21.9%

電気機器関係 4,626 7.3%

輸送用機器関係 5,340 8.5%

化学・薬品関係 1,203 1.9%

金属・建材関係 966 1.5%

⾷品関係 410 0.6%

その他 1,303 2.1%

18/12月期 1Q 業種別売上収益(百万円) 売上収益 構成比

国内サービス系アウトソーシング事業 4,574 7.2%

小売関係 400 0.6%

公共関係 3,637 5.8%

その他 537 0.8%

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<海外技術系事業>

売上収益 7,329 百万円(前年同期比 12.9%増)、営業利益 309 百万円(同 87.8%増)、営業利益率

4.2%(同 1.7 ポイント上昇)。

当セグメントの過半は、自社開発システムを活用した中央政府と地方自治体からの様々な受託業務

で安定的に成長。

当セグメントのグループ企業は、主に欧州とオーストラリアに所在。

政府関連事業で構成される事業ポートフォリオの成長分野があることで、景気変動による景気悪化に

耐えうる OS グループの能力が向上。

公共事業に加えて、IT 技術者と金融のプロに対する需要の増大が、売上収益全体の成長に寄与。

出所:会社開示資料をもとにトリアスにて作成

<海外製造系及びサービス系アウトソーシング事業>

売上収益 21,943 百万円(前年同期比 6.5%増)、営業利益 380 百万円(同 59.1%減)、営業利益率

1.7%(同 2.8 ポイント低下)。

製造系アウトソーシング事業が、欧州、アジア、オーストラリアおよび南米の全地域で拡大。景気の影

響を受けにくい政府系機関向け人材サービス、公的業務の BPO や給与代行サービスを含むサービ

ス系アウトソーシング事業も前年同期比で拡大。

労働者保護を狙いとして 2018 年 1 月に施行されたドイツの改正派遣法により、新たに買収したグル

ープの子会社 Orizon Holding GmbH(以下「Orizon グループ」) の登録スタッフ数の一時的減少と

大幅なコスト上昇に見舞われた。1Q に営業利益が急落したが、一過性の要因であったため、2 月以

18/12月期 1Q 業種別売上収益(百万円) 売上収益 構成比

海外技術系事業 7,329 11.6%

電気機器関係 47 0.1%

輸送用機器関係 67 0.1%

化学・薬品関係 128 0.2%

IT関係 841 1.3%

金属・建材関係 55 0.1%

建設・プラント関係 71 0.1%

食品関係 2 0.0%

小売関係 345 0.6%

公共関係 3,865 6.1%

金融関係 1,149 1.8%

その他 759 1.2%

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と考えられる情報に基づいて作成されていますが、当社はその正確性・完全性を保証するものではありません。また、ここに記載された内容・意見は当該説明会時、

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降は上昇トレンドに回復。

景気変動の影響を受けにくい公共事業の拡大に加え、グローバル規模で国境を越えた人材流動化

構造を確立することが戦略的に重要。この点については、トピックで後述。

出所:会社開示資料をもとにトリアスにて作成

2018 年 12 月期 連結業績予想のサマリ

2018 年 2 月、OS 社は 17/12 月期の決算説明において、18/12 月期の期初業績予想に関して、短期的利

益の 大化を追求するだけであれば、現在の事業環境と既存の事業ポートフォリオで 18/12 月期の営業

利益 16,000 百万円(前期比 40.8%増)は達成可能であり、改定後の中期経営計画目標を上回ると説明

した。

一方で、経営陣は、売上収益と EBITDA の実績が改定中期経営計画で開示した目標を上回るとともに、

海外の新規連結子会社におけるグループガバナンスの導入スピードとその度合いが想定以上に進展して

いるため、当初の想定より 1 年早い 18/12 月期から戦略的 M&A を再開する可能性を示唆している。改

定中期経営計画の目標から上振れた経営資源を新規取得の原資とする。

このため、18/12 月期の営業利益予想の 13,800 百万円(前期比 21.5%増)は、保守的であるというより、

中期経営計画目標を達成することが 低限のコミットメントレベルであることを意味しているとのことだ。

OS 社は、18/12 月期の営業利益予想に M&A に伴うデュー・デリジェンス費用 2,000 百万円を織り込ん

でいる。M&A 交渉はオール・オア・ナッシング、すなわち、現在進行中の交渉が成立する保証がないため、

この予想には新規取得に伴う売上収益等はさほど含まれていない。したがって、仮にこれらが成立すると、

売上収益と営業利益が現在の会社予想を上回る可能性がある。3 月 30 日に発表されたオランダ OTTO

グループの株式取得は、18/12 月期の業績予想に含まれていない。また、今回の取材の中で、M&A のデ

18/12月期 1Q 業種別売上収益(百万円) 売上収益 構成比

海外製造系及びサービス系事業 21,943 34.7%

電気機器関係 5,350 8.5%

輸送用機器関係 3,661 5.8%

化学・薬品関係 798 1.3%

IT関係 810 1.3%

金属・建材関係 353 0.5%

建設・プラント関係 395 0.6%

食品関係 534 0.8%

小売関係 2,077 3.3%

公共関係 5,602 8.9%

金融関係 599 0.9%

その他 1,764 2.8%

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このメモは投資判断の参考となる情報の提供を目的としたもので、投資勧誘を目的として作成したものではありません。このメモに記載されている内容は、信頼できる

と考えられる情報に基づいて作成されていますが、当社はその正確性・完全性を保証するものではありません。また、ここに記載された内容・意見は当該説明会時、

ならびに/あるいは取材時における判断であり、今後、事前の連絡なしに変更されることもあります。 投資に際しての 終決定は投資家の皆様ご自身の判断と責任に

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ュー・デリジェンスのために予算化した 2,000 百万円全額を使わない可能性が示唆され、その場合も利益

の上振れにつながるだろう。

表 6: 2018 年 12 月期 連結業績予想(IFRS)

※18/12 月期 2Q の予想数値は上半期予想数値から 1Q 実績を差し引いて算出

出所: 会社開示資料をもとにトリアスにて作成

OS 社が開示した四半期別業績予想によれば(「2018 年 12 月期第 1 四半期決算説明資料」の 22 ページ

を参照のこと)、好調だった 1Q 実績は売上収益予想を 2,598 百万円上回り、営業利益予想を 400 百万円

上回った。ドイツの派遣法改正に起因する一過性の要因により 、予想を 132 百万円下回った海外製造

系及びサービス系事業の営業利益は別として、他のすべてのセグメントは予想を大きく上回った。1Q の営

業利益が 400 百万円上回った結果、1Q の前年同期比は 44.3%増となったが、2Q は期初予想通りに着

地した場合 19.6%減となる(【表 6】を参照のこと)。OS 社によると、2Q に関して留意すべきは、予想以上

に増加した新卒採用を受け、研修費用も予想を上回る点に加え、5 月初頭に OTTO グループ の取得が

完了(株式譲渡)したことで、2Q に一部連結が行なわれる点とのことだ。

(百万円) 17/12月期

1Q 実績 2Q 実績 上半期 実績 下半期 実績 通期 実績

売上収益 50,238 55,573 105,811 124,361 230,172

営業利益 1,422 2,052 3,474 7,886 11,360

営業利益率 2.8% 3.7% 3.3% 6.3% 4.9%

税引前利益 1,239 1,836 3,075 7,320 10,395

税引前利益率 2.5% 3.3% 2.9% 5.9% 4.5%

当期利益 714 1,026 1,740 5,189 6,929

親会社の所有者に 544 846 1,390 4,790 6,180

帰属する当期利益

親会社所有者帰属利益率 1.1% 1.5% 1.3% 3.9% 2.7%

(百万円) 18/12月期

1Q 実績 2Q 予想※ 上半期 予想 下半期 予想 通期 予想

売上収益 63,198 66,802 130,000 160,000 290,000

前年同期比 25.8% 20.2% 22.9% 28.7% 26.0%

営業利益 2,050 1,650 3,700 10,100 13,800

営業利益率 3.2% 2.5% 2.8% 6.3% 4.8%

前年同期比 44.3% -19.6% 6.5% 28.1% 21.5%

税引前利益 1,935 1,265 3,200 9,600 12,800

税引前利益率 3.1% 1.9% 2.5% 6.0% 4.4%

前年同期比 56.2% -31.1% 4.1% 31.1% 23.1%

当期利益 1,311 389 1,700 6,900 8,600

親会社の所有者に 1,186 △ 86 1,100 5,800 6,900

帰属する当期利益

親会社所有者帰属利益率 1.9% -0.1% 0.8% 3.6% 2.4%

前年同期比 118.0% 赤字 -20.9% 21.1% 11.7%

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上半期の予想に基づく 18/12 月期 1Q の達成率 55.4%(17/12 月期 1Q は 40.9%)を考慮すると、上半

期の予想に対して業績が上振れる可能性が高まった。その理由として、KEN スクールを活用した未経験

者の研修スキームを通じた国内技術系アウトソーシング事業の採用が好調に進んでいること、派遣業界

で淘汰された業者からの人材を取り込んでいること、そして予想を上回る新卒採用が下半期からプラスの

効果を持つことなどが挙げられる。ドイツでの一過性の問題が終わり、Orizon グループ の業績が回復し、

下半期以降は OTTO グループとのシナジー効果が期待できる。3Q 以降は、OTTO グループ の連結子

会社化がフル寄与するとともに、M&A のデュー・デリジェンス費用として織り込んだ全額を使わないことに

よる利益の上振れも見込まれる。

トピック:グローバル規模での国境を越える人材流動化サービスの概要

ここでは、23/12 月期に売上収益 1 兆円企業の実現を目指すという OS グループの長期ビジョンを達成す

るための重要な成長戦略の一つ、国境を越え、グローバル規模で流動化を実現する人材サービスのプラ

ットフォーム構築について考察したい。

世界金融危機がもたらした厳しい事業環境から大きく回復した 10/12 月期を振り返ると、売上高の 100%

が国内向け、その 95.2%を製造系アウトソーシング事業が占めていた。OS 社の主要顧客メーカーの多く

は、「超円高」を特徴とする事業環境や、日本の構造的人口問題による国内経済の潜在成長力の低下と

いう課題に直面し、生産拠点を海外移管する動きに拍車がかかっていた。さらに、「メイド・イン・ジャパン」

の高い付加価値が強みであった分野の中でも、家電などの業種では、韓国や中国との競合が強まり、日

本メーカーが徐々に市場シェアを落としていた。

経営陣は、①生産拠点の海外移管は一過性ではなく、②「メイド・イン・ジャパン」を象徴した既存の国内顧

客メーカーは勝ち組と負け組に分かれる、という新たなパラダイムを迎えており、過去の事業モデルではも

はや持続的成長を支えることはできないという現実を受け入れた。そのうえで、世界人口が 70 億人から

100 億人に拡大することがもたらす事業機会をとらえ、アジアの新興市場経済という新たな領域へ進出す

ることを熟考・決定した。(IT 関係や建設・プラント関係に移行することで)日本国内、そして製造系への依

存度を下げ、多様化に取り組むことが急務であった。新規事業における多様化戦略、成長戦略について

は、2018 年 4 月 17 日付 2017 年 12 月期決算に関する Trias メモのトピック「18/12 月期の M&A

再開を前に、これまでの M&A をレビュー」を参照されたい。

東アジア、東南アジア、南アジアをまたがる人材ネットワークを創出するための 初の動きは、主要な既存

国内顧客メーカーの海外生産拠点への移行に伴うもので、同地域における日本の関連企業からの需要を

対象としていた。経営陣は、現地企業の需要を取り込むことも、持続的な成長のために極めて重要である

と認識していた。各国に関するデュー・デリジェンスの過程において、経営陣には重要な発見があった。す

なわち、製造拠点や技術インフラが整っていない新興国経済で労働力を調達し、生産や技術の進化がも

たらす高度成長により労働需給がひっ迫している経済圏へそれらの労働力を供給することに高い可能性

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元気な日本を応援する企業リサーチプラットフォーム 2018 年 8 月 2 日

があることに気づいたのである。当時、経営陣は、タイ、ベトナム、マレーシア、インドネシアに供給する労

働力の調達拠点として、ミャンマー、ラオス、カンボジアを挙げていた。

このトピックでは、国境を越え、グローバル規模で流動化を実現する人材サービスのプラットフォーム構築

に必要な構成要素について、2 つの実例を取り上げる。1 つ目は、OS グループの子会社で、主にアジアの

新興市場からの技能実習生の受入れサポートを行う株式会社 ORJ(以下「ORJ 社」)。2 つ目が、直近に

実施したオランダ OTTO グループの株式取得(子会社化)。同グループは、EU 圏で国境を越えた人材サ

ービスを提供する業界大手である。

<技能実習生スキーム>

法務省の入国管理局および厚生労働省の人材開発統括官の主管により、「外国人の技能実習の適正な

実施及び技能実習生の保護に関する法律」(技能実習法)が 2016 年 11 月 28 日に公布され、2017 年 11

月1日に施行された。日本政府によるこの公的制度は、日本に来て日本企業・組織での技能実習(期間が

長 3 年から 長 5 年に変更)を受けた優良な人材に、帰国後、現地企業で習得技能を活かしてもらうた

めのガイドラインとなっている。この法改正により、実習生の保護体制の強化、優良な監理団体等におけ

る受入れ人数枠の拡大、監理団体の許可制導入などが実現した。関連する問題を減らし、政府が保証す

る制度の盤石性強化が目的である。

技能実習制度の受入れ機関別タイプ(型)には、以下のとおり、2 方式がある(P.14【図 1】、P.14【図 2】を参

照のこと)。

①企業単独型:日本の企業等(実習実施者)が海外の現地法人、合弁企業や取引先企業の職員を受け

入れて技能実習を実施する方式

②団体監理型:事業協同組合や商工会等の営利を目的としない団体(監理団体)が技能実習生を受け入

れ、傘下の企業等(実習実施者)で技能実習を実施する方式

2016 年末実績では、企業単独型の受入れが 3.6%、団体監理型の受入れが 96.4%(技能実習での在留

者数ベース)であった。

P.15【図 3】から分かるように、第 1 号技能実習生から第 2 号技能実習、もしくは第 2 号技能実習から第 3

号技能実習へそれぞれ移行するには、技能実習生本人が機能評価試験(2 号への移行の場合は学科と

実技)に合格している必要がある。また、第 2 号技能実習もしくは第 3 号技能実習に移行が可能な職種・

作業(移行対象職種・作業)は主務省令で定められている。監理団体型で技能実習生を受け入れるには、

外国人技能実習機構に対して監理団体の許可申請(初めて受け入れる場合)と技能実習計画の認定申

請を、入国管理局に対して在留資格認定証明書交付申請を、順に行う必要がある。

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と考えられる情報に基づいて作成されていますが、当社はその正確性・完全性を保証するものではありません。また、ここに記載された内容・意見は当該説明会時、

ならびに/あるいは取材時における判断であり、今後、事前の連絡なしに変更されることもあります。 投資に際しての 終決定は投資家の皆様ご自身の判断と責任に

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図 1: 企業単独型

出所:公益財団法人 国際研修協力機構

図 2: 団体監理型

出所:公益財団法人 国際研修協力機構

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図 3: 技能実習生の入国から帰国までの流れ

出所:公益財団法人 国際研修協力機構

表 7: 技能実習移行対象職種・作業

出所:公益財団法人 国際研修協力機構

職種 作業

❶ 農業関係、漁業関係 4 15

❷ 建設関係 22 33

❸ 食料品製造関係 9 14

❹ 繊維・衣服関係 13 22

❺ 機械・金属関係 15 29

❻ その他 (介護事業等) 14 26

合計 77 139

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表 8: 二国間取決め締結がなされた送出し国

出所:公益財団法人 国際研修協力機構

ORJ 社は、旧セグメントでは国内管理系アウトソーシング事業に分類されていたが、18/12 月期より国内

製造系アウトソーシング事業に統合された。厳しい社会批判を浴びた派遣切りや偽装請負など、雇用を取

り巻く環境が目まぐるしく変化した 2009 年問題直前の 2008 年 10 月に同社は設立された。今回の労働契

約法の改正により、メーカー直接雇用の期間社員から派遣社員の活用に切り替える動きが広がり、人材

紹介や社員の管理系業務の請負(ハウジングや人事サポートを含む)が減少した。しかし、財務パートで

述べたように、技能実習生の委託管理人数は大きく伸びている。OSグループでは、独自のPEOスキーム

に加え、期間社員に代わる選択肢として、監理団体を通じた技能実習生の活用を提案している。

表 9: ORJ が提供する技能実習生へのサポート

出所:株式会社 ORJ HP

インド 2018年2月 2017年10月インドネシア 2010年3月ウズベキスタン 2012年5月カンボジア 2017年12月 2017年7月スリランカ 2010年5月 2018年2月タイ 2010年3月中国 2010年4月ネパール 2010年2月バングラデシュ 2018年3月 2018年1月フィリピン 2011年6月 2017年11月ベトナム 2017年9月 2017年6月ペルー 2010年4月ミャンマー 2013年3月モンゴル 2010年7月 2017年12月ラオス 2018年5月 2017年12月

R/D調印日 二国間取決め締結国名

フェーズ サービス内容

出発前 ► 現地面接のサポート・実習生決定► 書類準備のサポート

入国 ► 空港への出迎え► 寮手配・備品準備

配属後 ► 生活サポート► 緊急時・トラブル発生時の対応► 日本語教育・試験対策

帰国後 ► 就職支援

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<国境を越える人材流動化プラットフォーム構築>

OS 社は 2018 年 3 月 30 日付の取締役会において、OTTO グループの発行済み株式の 56%を取得する

ことを決議したと発表した。プレスリリースの「取得の目的」として、OS 社は、現在の技術系および製造系

を中心とした日本の国内人材サービス市場の好調は、労働関連法改正や自動車業界で今後数年以内に

発表予定の EV(電気自動車)/PHV(プラグインハイブリッドカー)の新モデルの設計・開発など、一過性の

需要に支えられており、日本市場において、単に人材の積み上げが売上の成長に繋がるというビジネスモ

デルはもはや持続可能ではないと言及している。目新しいことが述べられている訳ではないが、引き続き

事業ポートフォリオの多角化が緊急の優先事項であり、組織的かつ体系的に成長戦略を実行するという

経営陣の強い信念が表れている。

プレスリリースでは、世界人口が 70 億人から 100 億人へと増加することが予想される中で、中期的成長

機会についても言及し、労働力や技術力を必要とする国と、それらが潤沢過ぎる国の需給キャップが、国

境を越えた人材流動化ネットワークの構築により、大きな事業の可能性をもたらすと強調している。また、

アジアにおいて、OS グループが労働力の潤沢な国の労働者を教育し、労働力需要の旺盛な国に対して、

国境を越えて流動化させる事業が好調であることも述べられている。

オランダ OTTO Work Force B.V. (以下「OTTO Work Force 社」)は 2000 年に設立され(1997 年の OS

社設立の 3 年後)、EU の原則である人、物、資本、サービスの移動の自由を背景に、国境を越えた雇用

サービス等においてヨーロッパで 大級の人材サービス会社となった。人材派遣業界では、オランダでは

業界 8 位、ポーランドでは同 6 位の売上規模を誇る同社は、中東欧 EU 諸国の採用ネットワークからオラ

ンダとドイツを中心とした先進国市場へ労働力を供給する。また、労働協約を締結しているウクライナやモ

ルドヴァなどからポーランドへも労働力活用の流れを作っている。

OTTO グループはドイツ、ポーランド、ブルガリア、チェコ、ハンガリー、スロバキア、ウクライナ、モルドヴァ、

ルーマニア、リトアニア、ラトビア、オランダに 50 以上の支社ネットワークを擁し、ヨーロッパ全体で約 2 万

人のフレックス社員(派遣社員)を有しているという。プレスリリースによると、同グループの 18/12 月期の

売上高予想は 330 百万~350 百万ユーロである。

OS グループは、2017 年 1 月の Orizon グループ買収により、ドイツ市場へ進出した。Orizon グループは

ドイツで8位の人材派遣会社であり、特に機械業界、航空業界、医療業界向けの人材派遣に強みを持つ。

Orizon グループは中堅企業向けに幅広い顧客基盤を有しており、ドイツ南部を中心に広範なネットワーク

を構築している。近年においては、 新鋭の IT 技術を駆使した組織の効率化を図っており、同業他社と比

較しても収益性が高い。

国境を越えての人材の流動化を推進する OTTO グループ経営陣の共通のビジョンに加えて、OS グルー

プは同グループ約40社とOrizonグループとのシナジーを期待している。OTTOグループの決算は、2Q(4

月~6 月)から連結される予定であり、2 月に発表された 18/12 月期の期初予想には織り込まれていない。

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OS 社は、8 月初めの 18/12 月期 2Q の決算発表時に、通期決算への影響についての見解を開示する予

定である。

表 10: OTTO グループの連結決算概要

(千ユーロ) 参考 (百万円※

)15/12月期 16/12月期 17/12月期 15/12月期 16/12月期 17/12月期

未監査 未監査

総資産 64,614 71,673 82,718 8,211 9,107 10,511

純資産 6,457 8,721 13,046 820 1,108 1,658

自己資本比率 10.0% 12.2% 15.8% 10.0% 12.2% 15.8%

売上高 244,831 262,027 281,999 31,111 33,296 35,834

前年同期比 - 7.0% 7.6% - 7.0% 7.6%

営業利益 4,646 8,284 13,118 590 1,053 1,667

売上高営業利益率 1.9% 3.2% 4.7% 1.9% 3.2% 4.7%

税引前当期純利益 3,978 7,691 13,290 505 977 1,689

当期純利益 2,890 6,272 9,898 367 797 1,258 ※欧州中央銀行データを元に算出した 3 年平均レート、1 ユーロ=127.07 円で換算

出所:会社開示資料をもとにトリアスにて作成

表 11: Orizon グループの連結決算概要

(千ユーロ) 参考 (百万円※)15/12月期 16/12月期 17/12月期 15/12月期 16/12月期 17/12月期

未監査 未監査

総資産 308,833 308,602 308,407 41,618 41,587 41,561

純資産 46,934 47,112 47,117 6,325 6,349 6,349

自己資本比率 15.2% 15.3% 15.3% 15.2% 15.3% 15.3%

売上高 245,818 247,698 265,815 33,126 33,380 35,821

前年同期比 - 0.8% 7.3% - 0.8% 7.3%

営業利益 6,293 7,585 12,457 848 1,022 1,679

売上高営業利益率 2.6% 3.1% 4.7% 2.6% 3.1% 4.7%

税引前当期純利益 2,079 3,023 4,392 280 407 592

当期純利益 75 625 1,828 10 84 246 ※:欧州中央銀行データを元に算出した 3 年平均レート、1 ユーロ=134.76 円で換算

出所:会社開示資料をもとにトリアスにて作成

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出所:2018 年 3 月 30 日付 OTTO Work Force のリリース

OS グループは、中期経営計画および長期ビジョンのもと、製造とは異なるサイクルの分野や景気の影響

を受けにくい分野でのアウトソーシング事業をグローバルに展開することによって、継続的に成長する「強

靭なグループ」になるという明確な目標を据え、 終的には製造系事業の売上構成比 10%以下を目指し

ている。

更に OS グループは、23/12 月期には売上収益 1 兆円、そして人材サービス企業で世界 No.1 を目指して

いる。国境を越えた人材流動化のプラットフォームはまだ構築段階ではあるが、【図 4】にあるとおり、OS

グループによる取り組みが、長期的目標達成に向かって順調に進捗していることがわかる。

図 4: 国境を超える人材流動化のグローバル展開

出所:会社開示資料をもとにトリアスにて作成

オランダ (OTTO グループ) 人材派遣大手、中東欧EU諸国

の採用ネットワークから主にオ

ランダ・ドイツへ国をまたいで人

材サービスを提供

写真左から

OTTO グループ CEO の Frank van Gool ⽒、

OS グループ CEO の⼟井春彦⽒、

OTTO Work Force 社 Operational Director の

Karolina Swoboda ⽒

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ご参考

連結主要指標

連結業績の推移

株価チャートと RSI

発行済株式数(株) 2017.12月 101,968,000 資産合計(百万円) 2017.12月 124,645

うち自己株式数(株) 2017.12月 490 親会社の所有者に帰属する持分合計(百万円) 2017.12月 24,958

時価総額(百万円) 2018.8.1 240,746 有利子負債(百万円) 2017.12月 50,347

一株当親会社所有者帰属持分(円) 2017.12月 244.76 親会社所有者帰属持分比率(%) 2017.12月 20.0

ROE(%) 2017.12月 37.8 有利子負債比率(%) 2017.12月 201.7

ROA(%) 2017.12月 5.7 フリーキャッシュフロー(百万円) 2017.12月 1,634

PER(倍)18/12月期予想ベース 2018.8.1 219.0 注:

PCFR(倍)17/12月期実績ベース 2018.8.1 27.8

PBR(倍)17/12月期実績ベース 2018.8.1 9.6

株価(円) 2018.8.1 2,361  

単元株数(株) 2018.8.1 100

日々平均出来高(株) 2018.8.1 1,367,833  

注: 記載金額の表示単位未満の端数については、端数を四捨五入して表示しております。

日々平均出来高: 17/8/1~18/8/1の平均

有利子負債比率=有利子負債/親会社の所有者に帰属する持分合計

フリーキャッシュフロー(FCF)=営業CF+投資CF

※ 有利子負債には割賦未払金(1年以内)を含む

ROE=親会社の所有者に帰属する当期利益/親会社の所有者に帰属する持分合計(期中平均)

ROA=親会社の所有者に帰属する当期利益/資産合計(期中平均)

PCFR=時価総額/(親会社の所有者に帰属する当期利益+減価償却費)

(※)

連結 (百万円)

日本会計基準 売上高 営業利益 経常利益 -親会社株主に帰属する

当期純利益 1株益(円) 1株配(円)

2014年12月期 59,421 2,010 2,197 - 1,317 17.96 7.00

2015年12月期 80,860 3,125 3,225 - 1,810 22.03 7.00

2016年12月期 134,482 3,737 3,380 - 664 7.62 8.40

IFRS 売上収益 営業利益 税引前利益 当期利益

親会社の所有者に

帰属する当期利益 1株益(円) 1株配(円)

2017年12月期 230,172 11,360 10,395 6,929 6,180 62.53 19.00

予2018年12月期上半期 130,000 3,700 3,200 1,700 1,100 10.78 -

予2018年12月期 290,000 13,800 12,800 8,600 6,900 67.66 21.00

注1: 2018年12月期予想は、2018年2月14日発表の会社予想

注2: 記載金額の表示単位未満の端数については、端数を四捨五入して表示しております。

注3: 2017年10月1日付で行われた1株につき5株の株式分割に伴い、1株益および1株配は当該株式分割を考慮した金額となっております。

0

500

1,000

1,500

2,000

2,500

株価終値 1ヶ月移動平均 3ヶ月移動平均 RSI 14日移動平均 (右目盛)(円)

出所: Bloomberg L.P.のデータをもとに(株)トリアスにて作成注: RSI(Relative Strength Index)とは株価の「買われ過ぎ度」や「売られ過ぎ度」を指数で表したもの

一般的にRSIが70を超えると高値圏、30以下では安値圏に位置していると言われているRSI= N日間の値上がり幅平均÷(N日間の値上がり幅平均+N日間の値下がり幅平均)x100

30

RSI

70