11 3 12...冊子 松下エコシステムズグループ の環境・社会活動の姿勢や...

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松下エコシステムズグループ SUSTAINABILITY REPORT 環境・社会報告書 2007

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  • 松下エコシステムズグループ

    S U S T A I N A B I L I T Y R E P O R T

    環 境・社 会 報 告 書 2007

    1 2

    4

    3

    8 9 10

    5 6

    11

    127

    表 紙

    本報告書は、古紙含有率100%、白色度85%の再生紙を使用しています。石油資源保護とVOC(揮発性有機化合物)の発生を減らすために、植物性の大豆インキを使っています。また、印刷はISO14001認証取得工場で行っています。

    2007年9月発行

    Printed on 100% recycled paper

    表紙メッセージ

    松下エコシステムズグループは、この美しい地球を未来に残すために何ができるかを、将来の主役である子どもたちとともに考えていくことを目的に「環境絵画コンクール」を行っています。

        最優秀作品/「みんなでエコ活動」 小学5年 旭 健児さん

    絵にこめた思い/いろいろなマークの意味をよく理解して、みんなが毎日の生活の中でエコ活動にとりくめたらいいと思った。

    「G&ET(Global & Environmental Technology)」は、松下エコシステムズグループが環

    境技術でグローバルに貢献することを表現したスローガンです。地球上で起きている環境

    の変化は想像以上に深刻です。私たちが得意とする空気・水・土の浄化技術と経験は、これ

    らの問題解決に大きな可能性を持っていると考えています。また、海外の深刻な環境問題

    にも当社グループの技術と経験を活かした製品・システムで貢献していきます。

    優秀作品/「輝く地球!」 小学6年 玉井 治希さん絵にこめた思い/美しい自然にはあちこちが光り輝く。夜になると月明かりで海もまた光る。きれいな空気がそうしてくれる。

    優秀作品/「浜をきれいに」 小学5年 黒田 和秀さん絵にこめた思い/浜のゴミを拾って環境に良い事をする活動をかきました。

    優秀作品/「ぼくの大好きな生きもの」 小学2年 牧嶋 友典さん絵にこめた思い/ぼくはカブトムシや蝶などの虫やとかげやザリガニなど、小さな生きものが大好きです。こんな生きもののすむ自然を大切にしていきたいです。

    1. 佳作/「自然のクーラー」 小学4年 荒田 雅子さん

    4. 佳作/「お部屋の中をぐるっとみたら電気をたくさん 使っていたよ」 小学2年 花岡 真亜珠さん

    10. 佳作/「未来へ」 小学4年 今井 静華さん

    3. 佳作/「アオウミガメの産卵」 小学6年 小野 萌夏さん

    9. 佳作/「おひさまにこにこ」 小学2年 鷲谷 紀香さん

    7. 佳作/「ストップ! 地球温暖化」 小学4年 渋井 優佳さん

    12. 環境賞/「クリーンなエネルギー」 小学6年 倉富 亮さん

    8. 佳作/「家族みんなで入ろうおふろ」 小学4年 今崎 円さん

    11. 環境賞/「町がきれいになる」 小学3年 久納 錬さん

    5. 佳作/「ぼくとトマト」 小学2年 佐藤 颯さん

    6. 佳作/「エアコンなしの楽しい夏」 小学2年 増田 琴瀬さん

    2. 佳作/「おともだち」 小学1年 浅井 シナさん

  • 冊子松下エコシステムズグループの環境・社会活動の姿勢や基本的な考え方を伝えるメッセージ

    ウェブサイト具体的な事例や定量的成果を伝えるデータファイル

    ウェブサイトでの情報開示本報告書の情報を補完して、環境に関する詳細な情報を当社ホームページに掲載していますの

    で、ご覧ください。

    松下エコシステムズ 環境経営報告書ウェブサイト

    http://panasonic.co.jp/mesc/environment/

    ビジョン

    0201 松下エコシステムズグループ 環境・社会報告書2007

    グローバル企業の実現環境技術立社の確立

    MISSION

    VISION

    PLAN 中期計画グリーンプラン2010

    ビジョン

    経営理念(松下グループ綱領)

    ミッション

    CONTENTS

    編集方針■本報告書は、松下エコシステムズグループの目指す方向性および2006年度の環境・社会に

    関する主な活動成果をご紹介しています。

    対象範囲対象期間:2006年度(2006年 4月~ 2007年 3月)

    対象組織:松下エコシステムズ株式会社と国内・海外主要関係会社(主要データについて)

    ●松下エコシステムズ(株)

    ●松下環境空調エンジニアリング(株)

    ●大阪松下エコシステムズ(株)

    ●湘南松下エコシステムズ(株)

    ●小矢部松下エコシステムズ(株)※

    ●松下エコシステムズ共栄(株)

    ●(株)ベンテック

    ●松下ナベック(株)

    ●松下エコウェル(株)

    ●パナソニックエコシステムズ香港(株)

    ●パナソニックエコシステムズ広東(有)

    ●パナソニックエコシステムズ広東(有)北京分公司

    ●パナソニックエコシステムズタイ(株)

    ※ 2006年度より、小矢部松下エコシステムズ(株)が対象範囲に加わりました。

    参考にしたガイドライン●環境省「環境報告書ガイドライン 2003年度版」

    ●グローバル・リポーティング・イニシアティブ(GRI)

    「サステナビリティ・リポーティング・ガイドライン 2002」

    松下エコシステムズグループ環境・社会報告書2007

    産業人タルノ本分ニ徹シ

    社会生活ノ改善ト向上ヲ図リ

    世界文化ノ進展ニ

    寄与センコトヲ期ス

    松下エコシステムズグループは、会社は「社会の公器」であ

    ることを自覚し、世界のお客様のために下記の4つの使命を果

    たしていきます。

    ●空気・水・土の浄化技術で社会に貢献します

    ●環境に配慮した安全・安心な商品でお役に立ちます

    ●従業員・関係先・地域とともに成長・発展します

    ●真摯で公正な「スーパー正直」の事業運営を行います

    経営理念 「松下グループ綱領」

    私たちのミッション

    ビジョン

    「環境技術で社会生活の改善と向上を図り、地球環境と共存

    できる社会づくりに貢献します」

    G&ET

    ビジョン実現に向け、G&ET(Global & Environmental Tech-

    nology)というスローガンを掲げています。このスローガンは、

    私たちがビジョンを実現するために必要と考える、以下の2つ

    のことを表現したものです。

    私たちのビジョン

    2006年度から、「収益を伴った着実な成長」を積み重ねてい

    き、2009年にグローバルエクセレントへの挑戦権を獲得するこ

    とを目指しています。その実現のポイントは「海外事業」と「環

    境分野」で、海外の大きな市場・伸びる市場と、これから高成

    長が見込まれる環境分野の省エネ・浄化事業を強化します。

    新・中期計画「GP3計画」

    02 ビジョン

    トップメッセージ

    社内ワークショップ

    環境経営の実践

    環境報告サマリー

    社会性報告サマリー

    CSRマネジメント体制

    会社概要

    03

    05

    09

    13

    15

    17

    目標と実績08

    18

  • 冊子松下エコシステムズグループの環境・社会活動の姿勢や基本的な考え方を伝えるメッセージ

    ウェブサイト具体的な事例や定量的成果を伝えるデータファイル

    ウェブサイトでの情報開示本報告書の情報を補完して、環境に関する詳細な情報を当社ホームページに掲載していますの

    で、ご覧ください。

    松下エコシステムズ 環境経営報告書ウェブサイト

    http://panasonic.co.jp/mesc/environment/

    ビジョン

    0201 松下エコシステムズグループ 環境・社会報告書2007

    グローバル企業の実現環境技術立社の確立

    MISSION

    VISION

    PLAN 中期計画グリーンプラン2010

    ビジョン

    経営理念(松下グループ綱領)

    ミッション

    CONTENTS

    編集方針■本報告書は、松下エコシステムズグループの目指す方向性および2006年度の環境・社会に

    関する主な活動成果をご紹介しています。

    対象範囲対象期間:2006年度(2006年 4月~ 2007年 3月)

    対象組織:松下エコシステムズ株式会社と国内・海外主要関係会社(主要データについて)

    ●松下エコシステムズ(株)

    ●松下環境空調エンジニアリング(株)

    ●大阪松下エコシステムズ(株)

    ●湘南松下エコシステムズ(株)

    ●小矢部松下エコシステムズ(株)※

    ●松下エコシステムズ共栄(株)

    ●(株)ベンテック

    ●松下ナベック(株)

    ●松下エコウェル(株)

    ●パナソニックエコシステムズ香港(株)

    ●パナソニックエコシステムズ広東(有)

    ●パナソニックエコシステムズ広東(有)北京分公司

    ●パナソニックエコシステムズタイ(株)

    ※ 2006年度より、小矢部松下エコシステムズ(株)が対象範囲に加わりました。

    参考にしたガイドライン●環境省「環境報告書ガイドライン 2003年度版」

    ●グローバル・リポーティング・イニシアティブ(GRI)

    「サステナビリティ・リポーティング・ガイドライン 2002」

    松下エコシステムズグループ環境・社会報告書2007

    産業人タルノ本分ニ徹シ

    社会生活ノ改善ト向上ヲ図リ

    世界文化ノ進展ニ

    寄与センコトヲ期ス

    松下エコシステムズグループは、会社は「社会の公器」であ

    ることを自覚し、世界のお客様のために下記の4つの使命を果

    たしていきます。

    ●空気・水・土の浄化技術で社会に貢献します

    ●環境に配慮した安全・安心な商品でお役に立ちます

    ●従業員・関係先・地域とともに成長・発展します

    ●真摯で公正な「スーパー正直」の事業運営を行います

    経営理念 「松下グループ綱領」

    私たちのミッション

    ビジョン

    「環境技術で社会生活の改善と向上を図り、地球環境と共存

    できる社会づくりに貢献します」

    G&ET

    ビジョン実現に向け、G&ET(Global & Environmental Tech-

    nology)というスローガンを掲げています。このスローガンは、

    私たちがビジョンを実現するために必要と考える、以下の2つ

    のことを表現したものです。

    私たちのビジョン

    2006年度から、「収益を伴った着実な成長」を積み重ねてい

    き、2009年にグローバルエクセレントへの挑戦権を獲得するこ

    とを目指しています。その実現のポイントは「海外事業」と「環

    境分野」で、海外の大きな市場・伸びる市場と、これから高成

    長が見込まれる環境分野の省エネ・浄化事業を強化します。

    新・中期計画「GP3計画」

    02 ビジョン

    トップメッセージ

    社内ワークショップ

    環境経営の実践

    環境報告サマリー

    社会性報告サマリー

    CSRマネジメント体制

    会社概要

    03

    05

    09

    13

    15

    17

    目標と実績08

    18

  • 040403 松下エコシステムズグループ 環境・社会報告書2007松下エコシステムズグループ 環境・社会報告書2007

    トップメッセージ

    環境技術で持続可能な社会を築いていくことが私たちの「社会的責任」です

    松下エコシステムズ株式会社 代表取締役社長

    長期的な視点でのグランドデザインが必要最近、地球温暖化のニュースを目にしない日はありません。ア

    メリカには巨大なハリケーンがいくつも襲来し、オーストラリア

    では深刻な干ばつが続くなど、気候変動は確実に進んでいること

    がわかります。

    2007年6月に開かれたハイリゲンダムサミットで、日本は「2050

    年までに、世界全体の温室効果ガス排出量を半減する」という長

    期目標「美しい星」を提案し、各国からの合意を得ました。今後、

    地球温暖化防止への取り組みは、国際的にますます重要な課題と

    なります。「2050年までに半減」を達成するため、企業として、当

    社では長期的な視点でグランドデザインを描き、中期の目標を明

    示するとともに、従業員一人ひとりが日々の仕事に地道に取り組

    んでいきます。

    昨年、「2030年に松下エコシステムズができること」をテーマ

    に社内ワークショップを開催し、従業員が自社の課題や使命につ

    いて討論しました。今年は、直近の未来にテーマを絞り、2015年

    に向けた商品開発や事業の未来戦略について、従業員が熱く議論

    を交わしています。内容については、本報告書でご紹介いたします。

    「モノづくり」と「人づくり」の2つを軸に当社はモノづくりの強化に向けて、生産拠点を春日井工場に集結

    しており、新しい工場が2007年度末に本格稼動する予定です。私

    は今後、春日井工場を日本のモデル工場にしたいと考えています。

    モデルという意味は、商品はもちろん、生産工程、人づくり、すべて

    を含めて、工場まるごとがモデルになるということです。国内だけ

    でなく海外でも、春日井工場がモデルになっていくでしょう。松下グ

    ループではこれまでも、「モノをつくる前に人をつくる」という考え

    方が根付いていますが、今回、春日井工場のリニューアルを機に、

    モノづくりの現場に人づくりをよりきちんと組み入れ、「モノづくり」

    と「人づくり」の両軸で取り組んでいきます。春日井工場の生産現

    場は高く評価されており、他企業からも見学に来られています。春

    日井工場が、人づくりも含め世界のモデルとなるモノづくりの場と

    なることを目指します。

    当社は海外でも幅広く事業を展開していますが、グローバルな

    視点からも、「人づくり」は重要です。特に、主要な海外拠点である

    中国では、日本で当たり前のことがまだまだできていないのが現状

    です。まずは、「ごみをきちんと分別して捨てる」といった当たり前

    のことから、ひとつずつていねいに伝えていき、現地の社員と協力

    しながら、環境教育を進めていきます。

    「部分最適」ではなく「全体最適」を考えて人の教育とともに、海外工場におけるエネルギー効率を上げるこ

    とも重要課題のひとつです。中国のエネルギー効率は、日本の約

    10分の1。中国のCO2排出量が世界最大になった今、早急に手を打

    たねばならない問題でもあります。ここで鍵になるのは、イノベーショ

    ンだと考えます。世界全体の目標は、CO2の半減です。10%や20%

    を削減するならば、「努力しよう」と考えますが、半減しようとすれば、

    画期的なイノベーションを起こすしかありません。代替材料への切り

    替えやエネルギー革新など、さまざまなイノベーションに取り組み、

    海外でのエネルギー効率の向上に努めていきます。

    ただし、イノベーションと言っても、付け焼刃的な対策では意味

    がありません。たとえば最近、代替エネルギーとしてバイオエタノー

    ルが注目されていますが、食料をエネルギーとして使ってしまった

    ことで、食料不足により食品が高騰するなど、別の問題が起こって

    います。「短期的に有効だから」という近視眼的な考えではなく、長

    期的に見て、全体最適を考えなければなりません。

    ひとつの良い事例として、2007年3月、松下電器産業のマレーシ

    アにおける工場省エネ事業が、CDM(クリーン開発メカニズム)と

    して国連に承認されました。これは、2004年より松下電器産業が進

    めてきた、マレーシアにおける10工場での省エネルギー対策が評

    価されたことによるものです。当社でも今後、こういった形で、中

    国にもクリーンファクトリーを広げていきたいと考えています。

    地球環境とともに、人の心も美しく少し前にホスピスで、60過ぎの末期がんの女性の方から、とても

    素敵な言葉をいただきました。それは、「人間は、お金をいっぱい持っ

    ていても、死ぬ時は何も持っていけない。あなたはまだ若いんだか

    ら、お金ではなく、『ありがとうのポイント』を心に貯めるといいわ。

    いいことをして、人から『ありがとう』と言われたら、ありがとうのポ

    イントが心にひとつ貯まるのよ」というもの。いたく感動し、ぜひ、

    この考え方を環境問題にも取り入れたいと思いました。自己中心的

    な人が増えているから自然のバランスが崩れるのであって、他人や

    自然への思いやりを持ち、「ありがとう」と心から言える人ばかりに

    なれば、環境問題も解決に向かうのではないでしょうか。自然に対

    して謙虚な姿勢を持つことが何より大切です。

    日本が提唱する「美しい国」は、自然はもちろんのこと、人の心

    が美しいことが前提です。当社でも、「ありがとう」と普段から言え

    る人を増やしていき、美しい心を持った人たちの輪を世界に広げて

    いきたいと考えています。

    (2007年7月6日 インタビュー実施/インタビュアー 株式会社クレアン 薗田 綾子氏)

  • 040403 松下エコシステムズグループ 環境・社会報告書2007松下エコシステムズグループ 環境・社会報告書2007

    トップメッセージ

    環境技術で持続可能な社会を築いていくことが私たちの「社会的責任」です

    松下エコシステムズ株式会社 代表取締役社長

    長期的な視点でのグランドデザインが必要最近、地球温暖化のニュースを目にしない日はありません。ア

    メリカには巨大なハリケーンがいくつも襲来し、オーストラリア

    では深刻な干ばつが続くなど、気候変動は確実に進んでいること

    がわかります。

    2007年6月に開かれたハイリゲンダムサミットで、日本は「2050

    年までに、世界全体の温室効果ガス排出量を半減する」という長

    期目標「美しい星」を提案し、各国からの合意を得ました。今後、

    地球温暖化防止への取り組みは、国際的にますます重要な課題と

    なります。「2050年までに半減」を達成するため、企業として、当

    社では長期的な視点でグランドデザインを描き、中期の目標を明

    示するとともに、従業員一人ひとりが日々の仕事に地道に取り組

    んでいきます。

    昨年、「2030年に松下エコシステムズができること」をテーマ

    に社内ワークショップを開催し、従業員が自社の課題や使命につ

    いて討論しました。今年は、直近の未来にテーマを絞り、2015年

    に向けた商品開発や事業の未来戦略について、従業員が熱く議論

    を交わしています。内容については、本報告書でご紹介いたします。

    「モノづくり」と「人づくり」の2つを軸に当社はモノづくりの強化に向けて、生産拠点を春日井工場に集結

    しており、新しい工場が2007年度末に本格稼動する予定です。私

    は今後、春日井工場を日本のモデル工場にしたいと考えています。

    モデルという意味は、商品はもちろん、生産工程、人づくり、すべて

    を含めて、工場まるごとがモデルになるということです。国内だけ

    でなく海外でも、春日井工場がモデルになっていくでしょう。松下グ

    ループではこれまでも、「モノをつくる前に人をつくる」という考え

    方が根付いていますが、今回、春日井工場のリニューアルを機に、

    モノづくりの現場に人づくりをよりきちんと組み入れ、「モノづくり」

    と「人づくり」の両軸で取り組んでいきます。春日井工場の生産現

    場は高く評価されており、他企業からも見学に来られています。春

    日井工場が、人づくりも含め世界のモデルとなるモノづくりの場と

    なることを目指します。

    当社は海外でも幅広く事業を展開していますが、グローバルな

    視点からも、「人づくり」は重要です。特に、主要な海外拠点である

    中国では、日本で当たり前のことがまだまだできていないのが現状

    です。まずは、「ごみをきちんと分別して捨てる」といった当たり前

    のことから、ひとつずつていねいに伝えていき、現地の社員と協力

    しながら、環境教育を進めていきます。

    「部分最適」ではなく「全体最適」を考えて人の教育とともに、海外工場におけるエネルギー効率を上げるこ

    とも重要課題のひとつです。中国のエネルギー効率は、日本の約

    10分の1。中国のCO2排出量が世界最大になった今、早急に手を打

    たねばならない問題でもあります。ここで鍵になるのは、イノベーショ

    ンだと考えます。世界全体の目標は、CO2の半減です。10%や20%

    を削減するならば、「努力しよう」と考えますが、半減しようとすれば、

    画期的なイノベーションを起こすしかありません。代替材料への切り

    替えやエネルギー革新など、さまざまなイノベーションに取り組み、

    海外でのエネルギー効率の向上に努めていきます。

    ただし、イノベーションと言っても、付け焼刃的な対策では意味

    がありません。たとえば最近、代替エネルギーとしてバイオエタノー

    ルが注目されていますが、食料をエネルギーとして使ってしまった

    ことで、食料不足により食品が高騰するなど、別の問題が起こって

    います。「短期的に有効だから」という近視眼的な考えではなく、長

    期的に見て、全体最適を考えなければなりません。

    ひとつの良い事例として、2007年3月、松下電器産業のマレーシ

    アにおける工場省エネ事業が、CDM(クリーン開発メカニズム)と

    して国連に承認されました。これは、2004年より松下電器産業が進

    めてきた、マレーシアにおける10工場での省エネルギー対策が評

    価されたことによるものです。当社でも今後、こういった形で、中

    国にもクリーンファクトリーを広げていきたいと考えています。

    地球環境とともに、人の心も美しく少し前にホスピスで、60過ぎの末期がんの女性の方から、とても

    素敵な言葉をいただきました。それは、「人間は、お金をいっぱい持っ

    ていても、死ぬ時は何も持っていけない。あなたはまだ若いんだか

    ら、お金ではなく、『ありがとうのポイント』を心に貯めるといいわ。

    いいことをして、人から『ありがとう』と言われたら、ありがとうのポ

    イントが心にひとつ貯まるのよ」というもの。いたく感動し、ぜひ、

    この考え方を環境問題にも取り入れたいと思いました。自己中心的

    な人が増えているから自然のバランスが崩れるのであって、他人や

    自然への思いやりを持ち、「ありがとう」と心から言える人ばかりに

    なれば、環境問題も解決に向かうのではないでしょうか。自然に対

    して謙虚な姿勢を持つことが何より大切です。

    日本が提唱する「美しい国」は、自然はもちろんのこと、人の心

    が美しいことが前提です。当社でも、「ありがとう」と普段から言え

    る人を増やしていき、美しい心を持った人たちの輪を世界に広げて

    いきたいと考えています。

    (2007年7月6日 インタビュー実施/インタビュアー 株式会社クレアン 薗田 綾子氏)

  • 0605 松下エコシステムズグループ 環境・社会報告書2007

    社内ワークショップ

    2015年に自社を取り巻く経営環境はCSRの課題からどのように変化をしているか。その変

    化を予測することで、リスクを回避し、市場のニーズをとらえ、チャンスに変えることができる

    かどうかが、今後の当社の経営に大きく影響します。

    法規制がますます強化される一方で、排出権取引や再生可能エネルギーなどの温暖化対策

    ビジネスが加速すると予想される。また、日本においては少子・高齢社会などが労働環境にも

    影響し、技術の継承なども大いに懸念されるなどの意見が出ました。

    ワークショップを開催するにあたり、一般の方から事前に「“空気”をテーマに、松下エコシ

    ステムズにこんな商品をつくってほしい」というアイデアを募集しました。参加者は、その中か

    ら「自分たちが使ってみたい」と思う商品を選び、では実際にその商品にはどのような機能が

    あれば良いか、またどのような場面で使われるかなどを議論しました。

    これは、持続可能な社会に必要とされる製品を作るためには、イノベーションの発想が不可

    欠だとの考えから、プロダクトアウトの発想から抜け出し、マーケットインへ発想の転換を参加

    者に促すことを目的としたものです。

    “空気”というテーマから、空気の持っている機能を考え、そこにどのような付加価値がある

    か、へと議論が発展していきました。「空気で体を洗えないか、そうしたら病院や介護施設、あ

    るいは被災地で大いに役立つのではないか」といった意見や、「当社には蓄熱の技術はあるか

    ら、これをうまく利用して夏のエネルギーを冬に使えないか」といったものもありました。

    STEP2.で未来の商品について話し合いましたが、ではそれを2015年までに実現するため

    に、自分たちは何をする必要があるのかを明確にしていく必要があります。

    議論するにあたっては、経営資源の要素である「ヒト(人材育成・活用)」「モノ(技術開発)」

    「カネ(資金)」「情報」の観点から議論を行いました。

    チームに分かれて話し合いましたが、出てきた内容には共通のものがかなり多く、「大きな

    グランドデザインを描く」「具体的な目標設定」から「さらに専門性を高める人材育成」「組織

    横断的な体制」「社内外との連携」といった意見があがりました。

    これをもとにして、自らのアクションプランへとつなげていければと考えています。

    事業の未来戦略について議論

    第2回社内ワークショップ

    2015年に向けて松下エコシステムズグループは具体的に何をしていくのか社会の変化が加速する中で、松下エコシステムズグループは事業を通じて何ができるだろうか? そのためには、何が必要なのか?昨年度のワークショップの内容をふまえた上で、未来の商品イメージをもとに、2015年までに具体的に何をしていかなければならないのかを話し合いました。

    ワークショップを終えて

    製造力強化センター

    高橋 和雄

    今回が2回目の参加となります。“空気”という

    テーマで2015年の商品企画を行い、議論してい

    く中で、まだまだ当社にもできることがあるとい

    うことを再認識しました。仕事だけでなく、日常

    生活の中でも持続可能な社会をイメージし続け

    ることが、実現するための第1歩です。日常会話

    の中で持続可能な社会について話をするように

    なれば、少し光が見えてくるのではないでしょうか。

    ワークショップを終え、普段の意識、会話、判断

    基準を変えていきたいと思います。

    [全  体]・グランドデザインを描くことが重要・具体的な目標設定・熱意を持ったリーダーの存在・新製品やサービスはすぐに成功するものではないので、忍耐強さが必要

    [人材育成]・専門分野(要素技術)の積極採用と育成・すべての社員が世界に通用する専門性を身につける教育・上司が思い切って部下に任せる

    [人材活用]・手を挙げて、やりたい人がやれる環境・松下グループ全体での人材交流・スキルの多面的評価・組織横断的なプロジェクト

    [技術開発]・コンセプトの明確化・産学の連携をさらに強化・企業間の積極的なコラボレーション

    [資  金]・長期的な視点を持った株主を増やす・ある程度のリスクを伴った将来への長期的投資

    [情報システム]・オープンソースの活用

    [そ の 他]・ビジネスモデルをサービサイジングに転換

    住宅環境ビジネスユニット

    藤井 聡

    普段あまり考えたことのない、10年・20年先

    を見据えた企業のあるべき姿を話し合うことが

    でき、大変有意義であるとともに、今動き出さな

    ければ、10年・20年後に間に合わない、という時

    間軸を認識しました。漠然とした環境問題の不安

    を背負った近未来をただ待つのではなく、「自分

    たちの力で何かできないか」と、目的・目標を持

    って動き出すことが重要であると感じました。

    経営企画グループ

    三根 佳奈子

    2015年までに、私たちが暮らす地球環境はさ

    らに悪化していることが予測されるなかで、「い

    かに少ないエネルギーで、より良い環境をつくり

    だすことができるか」というところが議論の焦点

    になりました。このような課題について、部門を

    越えて意見を交換することができたことは、今後

    仕事をしていく上での貴重な体験となりました。

    良い商品・サービスで社会へ貢献していくために

    も、継続的にこのような取り組みをしていくこと

    が必要だと感じました。

    ■主な意見

    CSR課題から将来の変化を予測

    STEP

    1

    STEP

    2未来の商品を企画

    STEP

    3

    ワークショップの概要

    参加者:各職能・階層から幅広い年代の男女12名が参加。

    実施方法:2グループに分かれてディスカッション

  • 0605 松下エコシステムズグループ 環境・社会報告書2007

    社内ワークショップ

    2015年に自社を取り巻く経営環境はCSRの課題からどのように変化をしているか。その変

    化を予測することで、リスクを回避し、市場のニーズをとらえ、チャンスに変えることができる

    かどうかが、今後の当社の経営に大きく影響します。

    法規制がますます強化される一方で、排出権取引や再生可能エネルギーなどの温暖化対策

    ビジネスが加速すると予想される。また、日本においては少子・高齢社会などが労働環境にも

    影響し、技術の継承なども大いに懸念されるなどの意見が出ました。

    ワークショップを開催するにあたり、一般の方から事前に「“空気”をテーマに、松下エコシ

    ステムズにこんな商品をつくってほしい」というアイデアを募集しました。参加者は、その中か

    ら「自分たちが使ってみたい」と思う商品を選び、では実際にその商品にはどのような機能が

    あれば良いか、またどのような場面で使われるかなどを議論しました。

    これは、持続可能な社会に必要とされる製品を作るためには、イノベーションの発想が不可

    欠だとの考えから、プロダクトアウトの発想から抜け出し、マーケットインへ発想の転換を参加

    者に促すことを目的としたものです。

    “空気”というテーマから、空気の持っている機能を考え、そこにどのような付加価値がある

    か、へと議論が発展していきました。「空気で体を洗えないか、そうしたら病院や介護施設、あ

    るいは被災地で大いに役立つのではないか」といった意見や、「当社には蓄熱の技術はあるか

    ら、これをうまく利用して夏のエネルギーを冬に使えないか」といったものもありました。

    STEP2.で未来の商品について話し合いましたが、ではそれを2015年までに実現するため

    に、自分たちは何をする必要があるのかを明確にしていく必要があります。

    議論するにあたっては、経営資源の要素である「ヒト(人材育成・活用)」「モノ(技術開発)」

    「カネ(資金)」「情報」の観点から議論を行いました。

    チームに分かれて話し合いましたが、出てきた内容には共通のものがかなり多く、「大きな

    グランドデザインを描く」「具体的な目標設定」から「さらに専門性を高める人材育成」「組織

    横断的な体制」「社内外との連携」といった意見があがりました。

    これをもとにして、自らのアクションプランへとつなげていければと考えています。

    事業の未来戦略について議論

    第2回社内ワークショップ

    2015年に向けて松下エコシステムズグループは具体的に何をしていくのか社会の変化が加速する中で、松下エコシステムズグループは事業を通じて何ができるだろうか? そのためには、何が必要なのか?昨年度のワークショップの内容をふまえた上で、未来の商品イメージをもとに、2015年までに具体的に何をしていかなければならないのかを話し合いました。

    ワークショップを終えて

    製造力強化センター

    高橋 和雄

    今回が2回目の参加となります。“空気”という

    テーマで2015年の商品企画を行い、議論してい

    く中で、まだまだ当社にもできることがあるとい

    うことを再認識しました。仕事だけでなく、日常

    生活の中でも持続可能な社会をイメージし続け

    ることが、実現するための第1歩です。日常会話

    の中で持続可能な社会について話をするように

    なれば、少し光が見えてくるのではないでしょうか。

    ワークショップを終え、普段の意識、会話、判断

    基準を変えていきたいと思います。

    [全  体]・グランドデザインを描くことが重要・具体的な目標設定・熱意を持ったリーダーの存在・新製品やサービスはすぐに成功するものではないので、忍耐強さが必要

    [人材育成]・専門分野(要素技術)の積極採用と育成・すべての社員が世界に通用する専門性を身につける教育・上司が思い切って部下に任せる

    [人材活用]・手を挙げて、やりたい人がやれる環境・松下グループ全体での人材交流・スキルの多面的評価・組織横断的なプロジェクト

    [技術開発]・コンセプトの明確化・産学の連携をさらに強化・企業間の積極的なコラボレーション

    [資  金]・長期的な視点を持った株主を増やす・ある程度のリスクを伴った将来への長期的投資

    [情報システム]・オープンソースの活用

    [そ の 他]・ビジネスモデルをサービサイジングに転換

    住宅環境ビジネスユニット

    藤井 聡

    普段あまり考えたことのない、10年・20年先

    を見据えた企業のあるべき姿を話し合うことが

    でき、大変有意義であるとともに、今動き出さな

    ければ、10年・20年後に間に合わない、という時

    間軸を認識しました。漠然とした環境問題の不安

    を背負った近未来をただ待つのではなく、「自分

    たちの力で何かできないか」と、目的・目標を持

    って動き出すことが重要であると感じました。

    経営企画グループ

    三根 佳奈子

    2015年までに、私たちが暮らす地球環境はさ

    らに悪化していることが予測されるなかで、「い

    かに少ないエネルギーで、より良い環境をつくり

    だすことができるか」というところが議論の焦点

    になりました。このような課題について、部門を

    越えて意見を交換することができたことは、今後

    仕事をしていく上での貴重な体験となりました。

    良い商品・サービスで社会へ貢献していくために

    も、継続的にこのような取り組みをしていくこと

    が必要だと感じました。

    ■主な意見

    CSR課題から将来の変化を予測

    STEP

    1

    STEP

    2未来の商品を企画

    STEP

    3

    ワークショップの概要

    参加者:各職能・階層から幅広い年代の男女12名が参加。

    実施方法:2グループに分かれてディスカッション

  • 社内ワークショップ 目標と実績

    08松下エコシステムズグループ 環境・社会報告書200707

    ■2006年度の目標と実績

    ●グリーンプロダクツ開発製品77%以上

     ・ダントツGP2機種開発

    ●製品有害物質不使用の取り組み

    ●塩ビ樹脂の使用量削減3%(05年度比)

    ●グリーンプロダクツ開発率87%

     ・ダントツGP2機種開発(パイプファン、除湿機)

    ●代替化設計完了。適用延長機種は個別フォロー

    ●塩ビ樹脂使用量削減6.3%(=13t)(05年度比)

     

    グリーンプロダクツの

    新たな挑戦

    ・製品開発

     地球温暖化防止

     化学物質

     3R設計

    ●CO2排出量32.0%削減(90年度比)(国内)

    ●発生量省エネルギー削減率3.5%

    ●重点削減物質の排出移動量2%削減(05年度比)

    ●廃棄物発生量2%削減(前年度比)

    ●リサイクル率99%以上(国内)

    ●水使用量 削減率2.5%(前年度比)

    ●CO2排出量38.4%削減(90年度比)(国内)

    ●発生量省エネルギー削減率10.6%削減

     (国内5.0%削減 海外15.0%削減)

    ●重点削減物質排出移動量16%削減(05年度比)

     (国内5.7%削減 海外17.6%削減)

    ●廃棄物発生量5.2%削減(前年度比)

     (国内8.1%削減 海外2.1%削減)

    ●リサイクル率99.5%(国内)

    ●水使用量 削減率9.3%(前年度比)

     (国内2.5%削減 海外14.7%削減)

    クリーンファクトリーの

    新たな挑戦

    ・地球温暖化防止

    ・化学物質

    ・廃棄物と有価発生物

    ・水

    製品リサイクルの強化 ●欧州リサイクル指令対応に向けた施策の方向付け ●WEEEに対応

    環境・エネルギー事業の取り組み ●事業活動への支援 ●各種展示会参画

     ・エコプロダクツ2006(12月)環境展(10月)

    ●低公害車の導入率60% ●環境配慮車両の導入率※1 75%(24台)販売・物流のグリーン化 ・省資源化

    ・地球温暖化防止

    ●環境経営報告書の継続発行と進化

    ●工場敷地の緑化推進

    ●LE(地球を愛する市民)活動の展開

    LEファミリーの拡大:全従業員世帯数の100%登録

    ●環境経営報告書の継続発行

    ●各サイトで実施

    ●全従業員の45%(655人)

    環境コミュニケーション ・情報発信

    ・地域貢献

    ・企業市民活動

    ●グローバル全社の環境推進体制の強化

     (全階層・部門ごとの環境教育カリキュラムの構築)

    ●環境負荷削減結果の業務評価への反映

    ●環境会計の推進

    ●環境パフォーマンスシステムの構築

    ●eラーニングなどによる一般教育実施

    ●環境業績評価100点

    ●費用1,068百万円 効果467百万円

    環境経営と人づくり ・組織体制

    ・人材の育成

    ・経営評価制度

    項目

    自己評価区分 ○目標達成 △目標の80%以上 ×目標の80%未満

    2006年度目標 2006年実績 自己評価

    ■新グリーンプラン2010(基本目標) 2006年2月に策定したグローバル目標

    項目 2006年度目標指標 2010年度目標

    新たな暮らし価値 2.8家まるごとファクター※1 温暖化防止ファクター(90年度比)

    資源ファクター(90年度比)

    5

    1.9 3

    グリーンプロダクツ 77%以上グリーンプロダクツ開発率 90%以上

    クリーンファクトリー 58%以上クリーンファクトリー認定率 90%以上

    ×

    ※1 環境配慮型車両は松下エコシステムズ(株)、松下ナベック(株)、(株)ベンテックの集計

    ※1 家庭全体で使用される機器・設備群の総計

    常務取締役

    寺井 春夫

    常務取締役

    三村 雄次郎

    2000年から2007年まで中国の工場で社長を務める中、この7年間で中国の環境に対する認

    識も変わりつつありますが、一方では汚染が深刻になってくるのを目の当たりにしてきました。今

    後もますます経済発展が予想されるので、多くのエネルギーや資源の消費は避けられないでしょ

    う。そうした中、私たち松下エコシステムズグループは、中国をはじめとした海外での環境対策、

    グリーンプロダクツの創出とクリーンファクトリーによる環境負荷低減の両面をさらに加速してい

    かなければならないと考えています。

    また、ワークショップで出てきたアイデアはまだまだ荒削りの部分も多いのですが、可能性を

    秘めた良いアイデアがたくさんあると感じました。その芽を摘んでしまわないように、社内で定

    期的に議論していこうと思います。また、「グランドデザインを描くことが必要」という意見が出て

    いましたが、確かに長期の方向性を示すロードマップを敷くのは私たち担当役員の役目でもあり

    ます。社員に対しては、すぐに成果を求めたりするのではなく長い目で見て、まずはこういう機会

    を増やしていくことから始めたいと思います。

    製造・品質・環境担当役員からのコメント

    技術担当役員からのコメント

    私たち技術者の使命は、「製品を通じて、環境をより良くすること」だと考えています。製品が

    環境保全に寄与するものであれば、その製品が売れれば売れるほど、社会にも地球にも貢献で

    きるからです。個人ができることには限界がありますが、たとえば5%の省エネルギー製品を開

    発し社会に広く提供できれば、はるかに影響力は大きいのです。技術者はそれを実現できる立場

    だということをもっと意識する必要があります。

    今回のワークショップでもユニークなアイデアが多く出ていましたが、私が昔からやりたいと思

    っていることのひとつに、光合成の機能をもった製品をつくれないか、たとえば空気清浄機にそ

    の機能を付けられないかというアイデアがあります。もちろん、本来は自然に任せるのが一番良

    いのでしょうが、技術にはそのスピードを早めることができる利点があります。グローバルに差し

    迫った今の状況においては技術の果たす役割は重要と言えます。こうした一見不可能なことでも、

    思い続けることで技術革新が生まれてきたという今までの歴史を考えれば、松下エコシステムズ

    グループにおいても挑戦し続ける企業風土を私たちがつくっていかなければなりません。「モノ

    をつくる前に、人をつくる」という原点に立ち返り、チャレンジ精神を失わずに、むしろ「出る杭」

    をどんどん育てるような人づくりをこれからも行っていきたいと思います。

  • 社内ワークショップ 目標と実績

    08松下エコシステムズグループ 環境・社会報告書200707

    ■2006年度の目標と実績

    ●グリーンプロダクツ開発製品77%以上

     ・ダントツGP2機種開発

    ●製品有害物質不使用の取り組み

    ●塩ビ樹脂の使用量削減3%(05年度比)

    ●グリーンプロダクツ開発率87%

     ・ダントツGP2機種開発(パイプファン、除湿機)

    ●代替化設計完了。適用延長機種は個別フォロー

    ●塩ビ樹脂使用量削減6.3%(=13t)(05年度比)

     

    グリーンプロダクツの

    新たな挑戦

    ・製品開発

     地球温暖化防止

     化学物質

     3R設計

    ●CO2排出量32.0%削減(90年度比)(国内)

    ●発生量省エネルギー削減率3.5%

    ●重点削減物質の排出移動量2%削減(05年度比)

    ●廃棄物発生量2%削減(前年度比)

    ●リサイクル率99%以上(国内)

    ●水使用量 削減率2.5%(前年度比)

    ●CO2排出量38.4%削減(90年度比)(国内)

    ●発生量省エネルギー削減率10.6%削減

     (国内5.0%削減 海外15.0%削減)

    ●重点削減物質排出移動量16%削減(05年度比)

     (国内5.7%削減 海外17.6%削減)

    ●廃棄物発生量5.2%削減(前年度比)

     (国内8.1%削減 海外2.1%削減)

    ●リサイクル率99.5%(国内)

    ●水使用量 削減率9.3%(前年度比)

     (国内2.5%削減 海外14.7%削減)

    クリーンファクトリーの

    新たな挑戦

    ・地球温暖化防止

    ・化学物質

    ・廃棄物と有価発生物

    ・水

    製品リサイクルの強化 ●欧州リサイクル指令対応に向けた施策の方向付け ●WEEEに対応

    環境・エネルギー事業の取り組み ●事業活動への支援 ●各種展示会参画

     ・エコプロダクツ2006(12月)環境展(10月)

    ●低公害車の導入率60% ●環境配慮車両の導入率※1 75%(24台)販売・物流のグリーン化 ・省資源化

    ・地球温暖化防止

    ●環境経営報告書の継続発行と進化

    ●工場敷地の緑化推進

    ●LE(地球を愛する市民)活動の展開

    LEファミリーの拡大:全従業員世帯数の100%登録

    ●環境経営報告書の継続発行

    ●各サイトで実施

    ●全従業員の45%(655人)

    環境コミュニケーション ・情報発信

    ・地域貢献

    ・企業市民活動

    ●グローバル全社の環境推進体制の強化

     (全階層・部門ごとの環境教育カリキュラムの構築)

    ●環境負荷削減結果の業務評価への反映

    ●環境会計の推進

    ●環境パフォーマンスシステムの構築

    ●eラーニングなどによる一般教育実施

    ●環境業績評価100点

    ●費用1,068百万円 効果467百万円

    環境経営と人づくり ・組織体制

    ・人材の育成

    ・経営評価制度

    項目

    自己評価区分 ○目標達成 △目標の80%以上 ×目標の80%未満

    2006年度目標 2006年実績 自己評価

    ■新グリーンプラン2010(基本目標) 2006年2月に策定したグローバル目標

    項目 2006年度目標指標 2010年度目標

    新たな暮らし価値 2.8家まるごとファクター※1 温暖化防止ファクター(90年度比)

    資源ファクター(90年度比)

    5

    1.9 3

    グリーンプロダクツ 77%以上グリーンプロダクツ開発率 90%以上

    クリーンファクトリー 58%以上クリーンファクトリー認定率 90%以上

    ×

    ※1 環境配慮型車両は松下エコシステムズ(株)、松下ナベック(株)、(株)ベンテックの集計

    ※1 家庭全体で使用される機器・設備群の総計

    常務取締役

    寺井 春夫

    常務取締役

    三村 雄次郎

    2000年から2007年まで中国の工場で社長を務める中、この7年間で中国の環境に対する認

    識も変わりつつありますが、一方では汚染が深刻になってくるのを目の当たりにしてきました。今

    後もますます経済発展が予想されるので、多くのエネルギーや資源の消費は避けられないでしょ

    う。そうした中、私たち松下エコシステムズグループは、中国をはじめとした海外での環境対策、

    グリーンプロダクツの創出とクリーンファクトリーによる環境負荷低減の両面をさらに加速してい

    かなければならないと考えています。

    また、ワークショップで出てきたアイデアはまだまだ荒削りの部分も多いのですが、可能性を

    秘めた良いアイデアがたくさんあると感じました。その芽を摘んでしまわないように、社内で定

    期的に議論していこうと思います。また、「グランドデザインを描くことが必要」という意見が出て

    いましたが、確かに長期の方向性を示すロードマップを敷くのは私たち担当役員の役目でもあり

    ます。社員に対しては、すぐに成果を求めたりするのではなく長い目で見て、まずはこういう機会

    を増やしていくことから始めたいと思います。

    製造・品質・環境担当役員からのコメント

    技術担当役員からのコメント

    私たち技術者の使命は、「製品を通じて、環境をより良くすること」だと考えています。製品が

    環境保全に寄与するものであれば、その製品が売れれば売れるほど、社会にも地球にも貢献で

    きるからです。個人ができることには限界がありますが、たとえば5%の省エネルギー製品を開

    発し社会に広く提供できれば、はるかに影響力は大きいのです。技術者はそれを実現できる立場

    だということをもっと意識する必要があります。

    今回のワークショップでもユニークなアイデアが多く出ていましたが、私が昔からやりたいと思

    っていることのひとつに、光合成の機能をもった製品をつくれないか、たとえば空気清浄機にそ

    の機能を付けられないかというアイデアがあります。もちろん、本来は自然に任せるのが一番良

    いのでしょうが、技術にはそのスピードを早めることができる利点があります。グローバルに差し

    迫った今の状況においては技術の果たす役割は重要と言えます。こうした一見不可能なことでも、

    思い続けることで技術革新が生まれてきたという今までの歴史を考えれば、松下エコシステムズ

    グループにおいても挑戦し続ける企業風土を私たちがつくっていかなければなりません。「モノ

    をつくる前に、人をつくる」という原点に立ち返り、チャレンジ精神を失わずに、むしろ「出る杭」

    をどんどん育てるような人づくりをこれからも行っていきたいと思います。

  • 1009 松下エコシステムズグループ 環境・社会報告書2007

    環境経営の実践

    GP

    LECF

    GP

    LECF

    被覆電線くず 廃プリント基板

    認 定 項 目

    松下グループの必須基準

    クリーンファクトリー(CF)認定工場

    ●継続的な環境負荷低減取組 ●特徴あるCF活動の展開

    地球温暖化防止

    廃棄物削減

    化学物質排出抑制

    水資源有効活用   外部表彰 など

    ISO14001の認証取得

    0

    10,000 (トン-CO2)

    2006年度実績 効果予測

    建築構造における断熱性アップ9,415

    8,617

    換気を主体とした空調システム導入

    ライフライン一元化

    省エネ機器の採用(照明、電気器具他)

    399

    139

    83

    177

    ■グリーンプロダクツ認定基準 ■クリーンファクトリー認定制度

    環境効率の飛躍的な進歩

    持続可能な社会へ新トレンドを創る商品

    業界No.1の環境性能を実現した製品

    下記独自基準を1項目以上クリア

    必須項目:特定6化学物質の不使用

    環境効率を向上した製品

    温暖化防止効率※1

    資源効率※2

    塩化ビニール樹脂の不使用

    ※1 温暖化防止効率=製品寿命×製品機能/ライフサイクルでの温室効果ガス排出量 ※2 資源効率=製品寿命×製品機能/ライフサイクルでの循環しない資源量

    スーパーGP

    ダントツGP(スーパーGP創出の基盤)

    グリーンプロダクツ(GP)

    ’90 ’95 ’00 ’05 ’10(年度)

    0

    1.0

    1.5

    2.0

    2.5

    3.0

    3.5(w)

    1991年HQモータ化

    1990年基準値

    2003年HPモータ化

    2007年PHQモータ化

    春日井新工場

    (1990年度比 38%削減)

    環境配慮型モノづくり工場を実現するため、2006年4月より春

    日井工場のリニューアル工事を行っており、すでに一部が稼動し

    ています。ここでは、春日井新工場に施されたさまざまな環境配

    慮の一端についてご紹介します。

    屋根や外壁には、断熱性にすぐれた部材を使用しており、建築構

    造における断熱効果を高めることで、空調の使用を抑えることがで

    きます。これにより、年間で約177トンのCO2削減を見込んでいます。

    また、空調システムは換気を主体にしたものを導入しており、当社が

    得意とするバリアゾーンシステムやシーリングファンの活用、温度

    差冷水システムなどが取り込まれ、年間約139トンのCO2を削減でき

    ます。こうしたさまざまな省エネシステムの導入により、春日井新工

    場全体でこれまでに比べ、年間約8.5%のCO2を削減できる予定です。

    また、廃棄物削減にあたっては、これまで埋め立て廃棄してい

    た部品を有価物として再利用する取り組みを進めています。被覆

    電線くずは被覆部分と銅線を分離して再利用、廃プリント基板は

    利用可能なものを選別して再資源化するなど、分別を徹底してお

    り、この結果、春日井工場の埋め立てゴミはゼロとなりました。

    これらの取り組みにより、2006年度、春日井工場はクリーンフ

    ァクトリーに認定されました。

    当社の製品は、家電製品から環境システムまで多岐にわたります。

    製品の設計から廃棄にいたる全ライフサイクルのなかでCO2排出量

    が多いのは使用段階で、特に家電製品では90%以上を占めている

    ことから、製品使用時の省エネルギーに重点的に取り組んでいます。

    なかでもパイプファンは、省エネ製品のトップランナーと位置付け、

    モデルチェンジのたびに省電力化に取り組んできました。

    シックハウス症候群の軽減策として建築基準法が改正され、パイ

    プファンによる換気システムが新築戸建住宅の8割に普及するよう

    になりました。これにより、パイプファンは各住宅に複数台設置され、

    24時間連続で運転されることから、使用時の電力を大幅に削減す

    る必要がありました。

    そこで、当社は2006年度に給気形パイプファン[FY-08PS8VD]を

    開発しました。これは、自社開発のハーフピッチ巻線型コンデンサ

    モータと低回転・高静圧タイプのプロペラファンを採用したパイプ

    ファンで、消費電力を当社の従来品に比べ最大45%削減し、業界

    No.1の省エネ性能を実現しました。

    また、2007年4月のモデルチェンジの際には、パイプファンに省

    電力・長寿命のPHQモータを搭載し、消費電力を1990年比で38%

    削減しました。さらに、モータの直径を当社の従来品に比べ24%小

    さくしたことで、パイプファン全体のサイズダウンを図り、省資源化

    も実現しました。これにより、給気形パイプファンは、2006年度「ダ

    ントツGP」に認定されました。「ダントツGP」にはこのほか、ハイブ

    リッド除湿機も認定を受けています。

    松下グループでは、全工場における環境保全活動のレベル

    アップとパフォーマンスを向上させるため、一定基準をクリ

    アした工場を「クリーンファクトリー(CF)」として社内認定

    しています。2005年度から認定を開始し、2010年度には松下

    グループの90%以上の工場がクリーンファクトリーとなるこ

    とを目指しています。

    松下グループでは、省エネ・省資源・クリーンテクノロジーに

    配慮し、業界トップレベルの環境性能を持つ商品を「グリーンプ

    ロダクツ(GP)」と呼んでいます。さらに、業界No.1の環境性

    能を実現した商品を「ダントツGP」、持続可能な社会の実現に

    向けて新たなトレンドを創る商品を「スーパーGP」と位置付け、

    その創出を目指し製品の開発を行うことを目的としています。

    グリーンプロダクツの考え方 クリーンファクトリー認定制度

    ■環境配慮による省エネ効果

    ■パイプファンの消費電力の推移

    クリーンファクトリー(CF)

    事業活動を通じて環境保護に貢献する

    グリーンプロダクツ(GP)

    製品を通じて環境保護に貢献する

    地球に配慮した商品の創出を目指して

    ―業界NO.1(2006年度)の省エネ型パイプファン

    モノづくりをする現場は環境に配慮

    ―春日井新工場での環境配慮

    給気形パイプファン[FY-08PS8VD]

  • 1009 松下エコシステムズグループ 環境・社会報告書2007

    環境経営の実践

    GP

    LECF

    GP

    LECF

    被覆電線くず 廃プリント基板

    認 定 項 目

    松下グループの必須基準

    クリーンファクトリー(CF)認定工場

    ●継続的な環境負荷低減取組 ●特徴あるCF活動の展開

    地球温暖化防止

    廃棄物削減

    化学物質排出抑制

    水資源有効活用   外部表彰 など

    ISO14001の認証取得

    0

    10,000 (トン-CO2)

    2006年度実績 効果予測

    建築構造における断熱性アップ9,415

    8,617

    換気を主体とした空調システム導入

    ライフライン一元化

    省エネ機器の採用(照明、電気器具他)

    399

    139

    83

    177

    ■グリーンプロダクツ認定基準 ■クリーンファクトリー認定制度

    環境効率の飛躍的な進歩

    持続可能な社会へ新トレンドを創る商品

    業界No.1の環境性能を実現した製品

    下記独自基準を1項目以上クリア

    必須項目:特定6化学物質の不使用

    環境効率を向上した製品

    温暖化防止効率※1

    資源効率※2

    塩化ビニール樹脂の不使用

    ※1 温暖化防止効率=製品寿命×製品機能/ライフサイクルでの温室効果ガス排出量 ※2 資源効率=製品寿命×製品機能/ライフサイクルでの循環しない資源量

    スーパーGP

    ダントツGP(スーパーGP創出の基盤)

    グリーンプロダクツ(GP)

    ’90 ’95 ’00 ’05 ’10(年度)

    0

    1.0

    1.5

    2.0

    2.5

    3.0

    3.5(w)

    1991年HQモータ化

    1990年基準値

    2003年HPモータ化

    2007年PHQモータ化

    春日井新工場

    (1990年度比 38%削減)

    環境配慮型モノづくり工場を実現するため、2006年4月より春

    日井工場のリニューアル工事を行っており、すでに一部が稼動し

    ています。ここでは、春日井新工場に施されたさまざまな環境配

    慮の一端についてご紹介します。

    屋根や外壁には、断熱性にすぐれた部材を使用しており、建築構

    造における断熱効果を高めることで、空調の使用を抑えることがで

    きます。これにより、年間で約177トンのCO2削減を見込んでいます。

    また、空調システムは換気を主体にしたものを導入しており、当社が

    得意とするバリアゾーンシステムやシーリングファンの活用、温度

    差冷水システムなどが取り込まれ、年間約139トンのCO2を削減でき

    ます。こうしたさまざまな省エネシステムの導入により、春日井新工

    場全体でこれまでに比べ、年間約8.5%のCO2を削減できる予定です。

    また、廃棄物削減にあたっては、これまで埋め立て廃棄してい

    た部品を有価物として再利用する取り組みを進めています。被覆

    電線くずは被覆部分と銅線を分離して再利用、廃プリント基板は

    利用可能なものを選別して再資源化するなど、分別を徹底してお

    り、この結果、春日井工場の埋め立てゴミはゼロとなりました。

    これらの取り組みにより、2006年度、春日井工場はクリーンフ

    ァクトリーに認定されました。

    当社の製品は、家電製品から環境システムまで多岐にわたります。

    製品の設計から廃棄にいたる全ライフサイクルのなかでCO2排出量

    が多いのは使用段階で、特に家電製品では90%以上を占めている

    ことから、製品使用時の省エネルギーに重点的に取り組んでいます。

    なかでもパイプファンは、省エネ製品のトップランナーと位置付け、

    モデルチェンジのたびに省電力化に取り組んできました。

    シックハウス症候群の軽減策として建築基準法が改正され、パイ

    プファンによる換気システムが新築戸建住宅の8割に普及するよう

    になりました。これにより、パイプファンは各住宅に複数台設置され、

    24時間連続で運転されることから、使用時の電力を大幅に削減す

    る必要がありました。

    そこで、当社は2006年度に給気形パイプファン[FY-08PS8VD]を

    開発しました。これは、自社開発のハーフピッチ巻線型コンデンサ

    モータと低回転・高静圧タイプのプロペラファンを採用したパイプ

    ファンで、消費電力を当社の従来品に比べ最大45%削減し、業界

    No.1の省エネ性能を実現しました。

    また、2007年4月のモデルチェンジの際には、パイプファンに省

    電力・長寿命のPHQモータを搭載し、消費電力を1990年比で38%

    削減しました。さらに、モータの直径を当社の従来品に比べ24%小

    さくしたことで、パイプファン全体のサイズダウンを図り、省資源化

    も実現しました。これにより、給気形パイプファンは、2006年度「ダ

    ントツGP」に認定されました。「ダントツGP」にはこのほか、ハイブ

    リッド除湿機も認定を受けています。

    松下グループでは、全工場における環境保全活動のレベル

    アップとパフォーマンスを向上させるため、一定基準をクリ

    アした工場を「クリーンファクトリー(CF)」として社内認定

    しています。2005年度から認定を開始し、2010年度には松下

    グループの90%以上の工場がクリーンファクトリーとなるこ

    とを目指しています。

    松下グループでは、省エネ・省資源・クリーンテクノロジーに

    配慮し、業界トップレベルの環境性能を持つ商品を「グリーンプ

    ロダクツ(GP)」と呼んでいます。さらに、業界No.1の環境性

    能を実現した商品を「ダントツGP」、持続可能な社会の実現に

    向けて新たなトレンドを創る商品を「スーパーGP」と位置付け、

    その創出を目指し製品の開発を行うことを目的としています。

    グリーンプロダクツの考え方 クリーンファクトリー認定制度

    ■環境配慮による省エネ効果

    ■パイプファンの消費電力の推移

    クリーンファクトリー(CF)

    事業活動を通じて環境保護に貢献する

    グリーンプロダクツ(GP)

    製品を通じて環境保護に貢献する

    地球に配慮した商品の創出を目指して

    ―業界NO.1(2006年度)の省エネ型パイプファン

    モノづくりをする現場は環境に配慮

    ―春日井新工場での環境配慮

    給気形パイプファン[FY-08PS8VD]

  • 1211 松下エコシステムズグループ 環境・社会報告書2007

    環境経営の実践

    LE

    GP

    CF

    ■地球を愛する市民活動が目指すもの

    個人の意識、行動、ライフスタイルを変え、企業や社会を変えること

    従業員と家族への啓発と活動支援

    社会人として環境ボランティア活動への

    積極的な参加

    企業人として環境先進企業としての

    取り組み

    家庭人としてエコライフの実践

    松下エコシステムズグループでは、従業員と家族が、家庭や地

    域で環境活動を行う「地球を愛する市民活動」(Love the Earth=

    LE活動)を推進するなど、積極的に社会との環境コミュニケーシ

    ョンに取り組んでいます。ここでは、「環境絵画コンクール」につ

    いてご紹介します。

    「環境絵画コンクール」は、将来を担う子どもたちの環境意識啓

    発を目的に、2006年から全国の小学生を対象に実施している取

    り組みです。初めての開催となった2006年は、「こんな地球環境

    でくらしたい」「だいすきな自然環境」をテーマに、全国から205

    点の作品が集まりました。子どもたちの描いた、川や森、虫や動

    物など身近な自然に寄せる思いなどが込められた絵とメッセージ

    からは、地球を守りたいという強い思いが伝わってきました。

    205点の作品から、環境教育関係者、児童画指導者、当社関係

    者などにより厳正に審査し選出された優秀作品は、パナソニック

    センター東京などで展示されました。

    当社は今後も、一人ひとりの環境意識を高め、一人でも多くの

    人が環境に配慮した行動を起こせるよう、この活動を継続してい

    きます。

    2006年11月に完成した北京新工場では、さまざまな環境配慮を

    行っています。たとえば、工場内の空調システムは、当社が開発し

    たバリアゾーンシステムを合計40台採用し、快適性の向上と省エ

    ネルギーを同時に実現しています。また、照明機器は最新の省エネ

    商品を採用するなどにより、対策を行わない場合に比べ、年間約

    98トン-CO2の削減を実現しています。

    また、工場から出る廃棄物の処理量を削減するため、できる限り

    資材を回収利用しています。段ボールや梱包材は外部業者に回収

    利用してもらっているほか、廃棄油については処理会社に処理を委

    託した後、再利用しています。

    水の使用量についても、水漏れ検査や部門別の使用量を分析す

    ることなどにより、水の使用量を約4分の1にまで減らすことができ

    ました。

    工場全体において環境に配慮した設備を導入しているほか、工

    場で働く従業員も環境意識が高く、日々の業務の中で各自が環境

    活動を実践しています。

    北京工場では、毎月最終出勤日を「ノースモーキングデー」と位置

    づけており、各喫煙室にポスターを貼るなどして、従業員に禁煙を呼

    びかけています。また、毎年6月5日(世界環境デー)と9月22日(世

    界ノーマイカーデー)を「ノーマイカーデー」としており、この2日間、

    従業員は自家用車を使わず公共交通機関を使って通勤しています。

    パナソニックエコシステムズ広東では、2002年3月、社員によ

    るボランティアグループを結成し、植樹活動や老人ホームへの慰

    問、独居老人のサポート、公共施設の清掃など、多岐にわたる社

    会貢献活動を行っています。

    ボランティアグループの大きな目標は、自分の価値を高め、心

    からの愛で社会に貢献すること。「困ったときはボランティアに

    頼り、時間があったらボランティアをしよう」がグループのスロ

    ーガンです。活動の基本原則は、「自由参加」「背伸びをしない」「と

    にかく実行」「途中で放棄しない」の4つを掲げ、この考え方が参

    加のしやすさにもつながり、結成以来、延べ381人の社員が活動

    に参加し、現在も115人の社員がボランティアとして活動してい

    ます。この活動を発展させるため、今後は中堅ボランティア人材

    の育成にも積極的に取り組んでいきます。

    松下エコシステムズグループは、松下グループの環境ドメイ

    ンを担う企業として、「全社員がLEファミリー!」という目標を掲

    げています。環境家計簿、エコバッグ、環境ボランティア、ノー

    マイカー通勤、自転車(徒歩)通勤、チームマイナス6%活動の

    うち、いずれかを選び、従業員自らが主体的に取り組んでいます。

    LE(地球を愛する市民活動)とは

    北京新工場における環境経営 パナソニックエコシステムズ広東での社会貢献活動

    子どもたちに地球の大切さを伝えたい―環境絵画コンクール

    グローバルに環境・社会活動を実践松下エコシステムズグループでは、「環境技術立社の確立」と「グローバル企業の実現」を掲げて事業を展開しているため、海外においても

    環境経営や社会貢献活動を積極的に実施しています。ここでは、2006年度に完成した北京新工場および広東工場における取り組みをご紹介し

    ます。

    環境経営の実践 地球を愛する市民活動(LE)/環境コミュニケーション

    従業員を通じて環境保護に貢献する

    環境絵画コンクールの優秀作品を社内に展示

    ボランティアグループによる老人ホームの慰問

    植樹活動

    北京新工場

    第1回環境絵画コンクール 最優秀作品「地球をダメにしない!!」

    絵にこめた思い「ぼくにとってきもちのいいことが鳥たちの住みかをなくしてしまう。ぼくにとってうれしいことがくじらを悲しませてしまう。ぼくにとって便利なことが草原をさばくにかえていく。そうやって地球がだめになってしまうのかなぁ。」

  • 1211 松下エコシステムズグループ 環境・社会報告書2007

    環境経営の実践

    LE

    GP

    CF

    ■地球を愛する市民活動が目指すもの

    個人の意識、行動、ライフスタイルを変え、企業や社会を変えること

    従業員と家族への啓発と活動支援

    社会人として環境ボランティア活動への

    積極的な参加

    企業人として環境先進企業としての

    取り組み

    家庭人としてエコライフの実践

    松下エコシステムズグループでは、従業員と家族が、家庭や地

    域で環境活動を行う「地球を愛する市民活動」(Love the Earth=

    LE活動)を推進するなど、積極的に社会との環境コミュニケーシ

    ョンに取り組んでいます。ここでは、「環境絵画コンクール」につ

    いてご紹介します。

    「環境絵画コンクール」は、将来を担う子どもたちの環境意識啓

    発を目的に、2006年から全国の小学生を対象に実施している取

    り組みです。初めての開催となった2006年は、「こんな地球環境

    でくらしたい」「だいすきな自然環境」をテーマに、全国から205

    点の作品が集まりました。子どもたちの描いた、川や森、虫や動

    物など身近な自然に寄せる思いなどが込められた絵とメッセージ

    からは、地球を守りたいという強い思いが伝わってきました。

    205点の作品から、環境教育関係者、児童画指導者、当社関係

    者などにより厳正に審査し選出された優秀作品は、パナソニック

    センター東京などで展示されました。

    当社は今後も、一人ひとりの環境意識を高め、一人でも多くの

    人が環境に配慮した行動を起こせるよう、この活動を継続してい

    きます。

    2006年11月に完成した北京新工場では、さまざまな環境配慮を

    行っています。たとえば、工場内の空調システムは、当社が開発し

    たバリアゾーンシステムを合計40台採用し、快適性の向上と省エ

    ネルギーを同時に実現しています。また、照明機器は最新の省エネ

    商品を採用するなどにより、対策を行わない場合に比べ、年間約

    98トン-CO2の削減を実現しています。

    また、工場から出る廃棄物の処理量を削減するため、できる限り

    資材を回収利用しています。段ボールや梱包材は外部業者に回収

    利用してもらっているほか、廃棄油については処理会社に処理を委

    託した後、再利用しています。

    水の使用量についても、水漏れ検査や部門別の使用量を分析す

    ることなどにより、水の使用量を約4分の1にまで減らすことができ

    ました。

    工場全体において環境に配慮した設備を導入しているほか、工

    場で働く従業員も環境意識が高く、日々の業務の中で各自が環境

    活動を実践しています。

    北京工場では、毎月最終出勤日を「ノースモーキングデー」と位置

    づけており、各喫煙室にポスターを貼るなどして、従業員に禁煙を呼

    びかけています。また、毎年6月5日(世界環境デー)と9月22日(世

    界ノーマイカーデー)を「ノーマイカーデー」としており、この2日間、

    従業員は自家用車を使わず公共交通機関を使って通勤しています。

    パナソニックエコシステムズ広東では、2002年3月、社員によ

    るボランティアグループを結成し、植樹活動や老人ホームへの慰

    問、独居老人のサポート、公共施設の清掃など、多岐にわたる社

    会貢献活動を行っています。

    ボランティアグループの大きな目標は、自分の価値を高め、心

    からの愛で社会に貢献すること。「困ったときはボランティアに

    頼り、時間があったらボランティアをしよう」がグループのスロ

    ーガンです。活動の基本原則は、「自由参加」「背伸びをしない」「と

    にかく実行」「途中で放棄しない」の4つを掲げ、この考え方が参

    加のしやすさにもつながり、結成以来、延べ381人の社員が活動

    に参加し、現在も115人の社員がボランティアとして活動してい

    ます。この活動を発展させるため、今後は中堅ボランティア人材

    の育成にも積極的に取り組んでいきます。

    松下エコシステムズグループは、松下グループの環境ドメイ

    ンを担う企業として、「全社員がLEファミリー!」という目標を掲

    げています。環境家計簿、エコバッグ、環境ボランティア、ノー

    マイカー通勤、自転車(徒歩)通勤、チームマイナス6%活動の

    うち、いずれかを選び、従業員自らが主体的に取り組んでいます。

    LE(地球を愛する市民活動)とは

    北京新工場における環境経営 パナソニックエコシステムズ広東での社会貢献活動

    子どもたちに地球の大切さを伝えたい―環境絵画コンクール

    グローバルに環境・社会活動を実践松下エコシステムズグループでは、「環境技術立社の確立」と「グローバル企業の実現」を掲げて事業を展開しているため、海外においても

    環境経営や社会貢献活動を積極的に実施しています。ここでは、2006年度に完成した北京新工場および広東工場における取り組みをご紹介し

    ます。

    環境経営の実践 地球を愛する市民活動(LE)/環境コミュニケーション

    従業員を通じて環境保護に貢献する

    環境絵画コンクールの優秀作品を社内に展示

    ボランティアグループによる老人ホームの慰問

    植樹活動

    北京新工場

    第1回環境絵画コンクール 最優秀作品「地球をダメにしない!!」

    絵にこめた思い「ぼくにとってきもちのいいことが鳥たちの住みかをなくしてしまう。ぼくにとってうれしいことがくじらを悲しませてしまう。ぼくにとって便利なことが草原をさばくにかえていく。そうやって地球がだめになってしまうのかなぁ。」

  • 環境報告サマリー

    4658

    71

    0

    20

    40

    60

    80

    100(%)90

    87

    03 04 05 10(目標)

    (年度)06

    0

    5

    10

    15

    20

    25(千トン-CO2)

    90 03 04 06 (年度)05

    22.1

    14.0 14.0 14.3 13.6

    投資額:205百万円(137百万円)

    費用額:1,068百万円(592百万円)環境保全コスト

    467百万円(356百万円)企業内経済効果

    2006年度の水使用量は、417千m3、前年

    度比で9.3%削減(グローバル)となり、目標

    の2.5%削減を達成しました。これは、中水

    の利用や水道設備等の点検による漏水対策

    を施し、水使用の効率化を徹底したことによ

    るものです。

    ( )内は2005年度実績

    グリーンプロダクツ(GP) クリーンファクトリー(CF)

    CO2排出量

    省エネルギー削減率※

    GP開発率 87%(目標 77%)

    製品の化学物質削減活動

    ダントツGP認定商品

    国内 1990年度比 38%削減(目標 32%削減)

    国内 2005年度比 5.7%削減(目標 2%削減)

    海外 2005年度比 17.6%削減(目標 2%削減)

    グローバル 前年度比 10.6%削減(目標 3.5%)

    13.6千トン-CO2(前年度比 0.7千トン-CO2排出削減)

    廃棄物ゼロエミッション※を国内で6年連続達成

    2006年度のGP開発率は87%となり、目標

    の77%を達成することができました。また、段

    階的にライフサイクルアセスメント(LCA)およ

    びファクターの考えを取り入れて開発すること

    により、GP開発レベルが向上しています。

    石綿対策

    当社では、松下グループの方針に基づき、

    2005年9月に全社石綿対策委員会を設置し、

    多面的なリスク対応を進めています。春日井

    工場・小矢部工場では、建屋の一部に吹き付

    け石綿が使用されていました。すでに封じ込

    め処置はされていましたが、使用中の一部を

    除き、2006年度までに撤去工事を完了しまし

    た。残りの箇所は、2008年度の解体工事と同

    時に撤去する予定です。あわせて、定期健康

    診断において全員の胸部X線の直接撮影を行

    い、健康障害のないことを確認しました。

    生産設備・実験装置では、石綿を樹脂に練

    りこんだパッキンなどが使用されているケー

    スがあります。そういったケースについてはリ

    ストを作成し、定期点検にあわせて交換を進

    めており、2008年度中の交換完了を目指して

    います。

    環境配慮型車両の導入

    当社では、2002年度から自社車両へのエコカー

    の導入を推進してきましたが、2005年1月に「パナソ

    ニック躍進エコカー計画」を策定し、エコカーの基準

    を政府公用車と同等以上にレベルアップさせています。

    環境�