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52 6.上海市における固体廃棄物の発生と処理の現状および課題 6.1 ごみの分類 中国においては、固体廃棄物全体を明確に分類した区分は定められていないが、大分する と「都市ごみ」と「工業固体廃棄物」に分けられる。 都市ごみの分類については、1996 年 1 月 12 付で中華人民共和国建設部が「都市ごみの発 生源の分類とごみの排出」を制定し、この中で、排出源別のごみの分類を規定している。こ の「都市ごみ」の分類の中には、住民の生活ごみをはじめ、商店等から発生する事業系一般 廃棄物(日本の表現)や医療廃棄物、建築現場で発生する建築ごみなどもこの分類に含まれ る。 「工業固体廃棄物」は有害性の「危険廃棄物」と「一般工業固体廃棄物」に分けられる。 危険廃棄物に関しては、1998 年 1 月 4 日、国家環境保護総局、公安部等から「国家危険 廃棄物リスト」が公布されて規定されている。当初は 47 種類であったが、現在は 49 種類に 増えている。感染性の医療廃棄物等は、この危険廃棄物にも規定されている。 一般工業固体廃棄物に関しては、危険廃棄物が規定される以前からそのリストがあった が、その中から危険廃棄物がリストから外され、その後分類名称の変更などを経て、現在一 応の分類表が存在する(後掲)。一般工業固体廃棄物は埋め立て処分されることが多いが、 含有する有害物質の程度(溶出基準)によって第Ⅰ類、第Ⅱ類に区分される。この区分の詳 細に関しては第 6 章 3 節で詳述した。 また、上記の分類とは別に近年「電子廃棄物」という分類(定義)が使われ、ほとんどす べての電気製品、PC、携帯電話などの使用済み製品はこの分類に入れられている。「電子 廃棄物」の公式の定義としては、国家機関科技標準司の 2006-08-14 付通達「廃棄家電・電 子製品汚染防止技術政策」の中で規定した「家庭用電気器具・電子製品」の定義、すなわ ち“本技術政策に言う家庭用電気器具とは家庭用電気器具及び類似用途の製品を指し、テ レビ、冷蔵庫、エアコン、洗濯機、掃除機などを含む。電子製品とは情報技術(IT)及び 通信製品、事務設備を指し、コンピューター、プリンター、ファックス、コピー、電話な どを含む。 ”と理解してよいと考えられる。 上記の固体廃棄物の分類をまとめて図表 6.1-1 に示す。 廃棄物の分類とは別に、ある物が廃棄物か否かを判定するのは非常に難しい場合があり、 中国ではこの判定基準として下記のガイドラインを策定している: 国家環境保護総局公告 2006 年第 11 号「固体廃棄物識別ガイドライン」

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Page 1: 00 表紙目次 METI...合計 28401 30077 11805 35026 21223 398 961780 予測の結果から、2007 年に上海市の家庭系各種電子廃棄物の発生量は約1,100 万台で、

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6.上海市における固体廃棄物の発生と処理の現状および課題

6.1 ごみの分類

中国においては、固体廃棄物全体を明確に分類した区分は定められていないが、大分する

と「都市ごみ」と「工業固体廃棄物」に分けられる。

都市ごみの分類については、1996 年 1 月 12 付で中華人民共和国建設部が「都市ごみの発

生源の分類とごみの排出」を制定し、この中で、排出源別のごみの分類を規定している。こ

の「都市ごみ」の分類の中には、住民の生活ごみをはじめ、商店等から発生する事業系一般

廃棄物(日本の表現)や医療廃棄物、建築現場で発生する建築ごみなどもこの分類に含まれ

る。

「工業固体廃棄物」は有害性の「危険廃棄物」と「一般工業固体廃棄物」に分けられる。

危険廃棄物に関しては、1998 年 1 月 4 日、国家環境保護総局、公安部等から「国家危険

廃棄物リスト」が公布されて規定されている。当初は 47 種類であったが、現在は 49 種類に

増えている。感染性の医療廃棄物等は、この危険廃棄物にも規定されている。

一般工業固体廃棄物に関しては、危険廃棄物が規定される以前からそのリストがあった

が、その中から危険廃棄物がリストから外され、その後分類名称の変更などを経て、現在一

応の分類表が存在する(後掲)。一般工業固体廃棄物は埋め立て処分されることが多いが、

含有する有害物質の程度(溶出基準)によって第Ⅰ類、第Ⅱ類に区分される。この区分の詳

細に関しては第 6 章 3節で詳述した。

また、上記の分類とは別に近年「電子廃棄物」という分類(定義)が使われ、ほとんどす

べての電気製品、PC、携帯電話などの使用済み製品はこの分類に入れられている。「電子

廃棄物」の公式の定義としては、国家機関科技標準司の 2006-08-14 付通達「廃棄家電・電

子製品汚染防止技術政策」の中で規定した「家庭用電気器具・電子製品」の定義、すなわ

ち“本技術政策に言う家庭用電気器具とは家庭用電気器具及び類似用途の製品を指し、テ

レビ、冷蔵庫、エアコン、洗濯機、掃除機などを含む。電子製品とは情報技術(IT)及び

通信製品、事務設備を指し、コンピューター、プリンター、ファックス、コピー、電話な

どを含む。”と理解してよいと考えられる。

上記の固体廃棄物の分類をまとめて図表 6.1-1 に示す。

廃棄物の分類とは別に、ある物が廃棄物か否かを判定するのは非常に難しい場合があり、

中国ではこの判定基準として下記のガイドラインを策定している:

国家環境保護総局公告 2006 年第 11 号「固体廃棄物識別ガイドライン」

Page 2: 00 表紙目次 METI...合計 28401 30077 11805 35026 21223 398 961780 予測の結果から、2007 年に上海市の家庭系各種電子廃棄物の発生量は約1,100 万台で、

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図表 6.1-1 固体廃棄物の分類名称

ごみの分類名称 説 明

都市ごみ

生活ごみ: 住民の生活活動の中で,居住地から発生するごみ

清掃ごみ 都市の道路,橋梁,トンネル,広場,公園及びその他社会に公開

した露天公共場から発生するごみ

商業ごみ 都市の各種類型の商業企業及び,都市のその他業種が経営す

る商業的或は専門サービス網(例えば郵便局,食料品店,野菜

市場,飲食店,石炭供給店など)から発生するごみ。

工業部門のごみ 都市の各種類型の工業企業が非生産と非動力供給過程で発生

するごみ。

事業部門のごみ 都市の各級政府,事業行政部門,社会団体,金融保険,科学設

計,学校,外地の市駐在機構及び,放送テレビなどの部門から

発生するごみ。

交通運輸のごみ 都市公共交通,旅客貨物輸送,交通輸送に関連する駅及び郵政

通信など交通機関の停留場,中継輸送,車両保守管理が設置す

る場所から発生するごみ。

建築ごみ 都市の新規建設,拡張,改装,構築物の修築などの施工現場か

ら発生するごみ。

医療衛生ごみ 都市の各種病院,衛生予防ステーション,患者の休養,禽獣の

予防治療,医学研究,及び生物製品などの部門から発生する

ごみ。

その他ごみ 上述以外のその他の場所(例えば葬儀場)或は自然現象(例

えば氷雪)によって発生したごみ。

工業固体廃棄物

一般工業固体廃棄物 「一般工業固体廃棄物リスト(別紙)」によって定義された廃

棄物。埋め立て処分を行う場合は、その有する有害性の大小に

よって第Ⅰ類と第Ⅱ類に区分される。この区分の内容に関し

ては本報告書第 6 章 3節を参照。

危険廃棄物 「国家危険廃棄物リスト」によって定義された廃棄物

電子廃棄物

使用済みの「家庭用電気器具・電子製品」

家庭用電気器具とは家庭用電気器具及び類似用途の製品を指

し、TV、冷蔵庫、エアコン、洗濯機、掃除機などを含む。

電子製品とは情報技術(IT)及び通信製品、事務設備を指し、

PC、プリンター、ファックス、コピー、電話などを含む。

Page 3: 00 表紙目次 METI...合計 28401 30077 11805 35026 21223 398 961780 予測の結果から、2007 年に上海市の家庭系各種電子廃棄物の発生量は約1,100 万台で、

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6.2 電子廃棄物の発生と処理の状況

6.2.1上海における電子廃棄物発生量予測(その1)

1) 家庭系電子廃棄物発生量予測(第 11 次五ヶ年計画期)

1990 年から 2005 年までの電子廃棄物発生量の推計結果、既存のデータ及び変化の趨勢

を直線回帰分析し、それで得られた公式に基づいて、上海市の「第 11 次五ヶ年計画」期に

おける電子廃棄物の発生量を予測することができる。 図表 6.2-1 上海の「第 11 次五ヵ年計画」期における電子廃棄物発生量予測(単位:万台)

テレビ 冷蔵庫 洗濯機 エアコン パソコン 携帯 合計

2006 114 51 47 69 83 352 1012

2007 118 52 48 76 87 381 1069

2008 122 53 49 84 98 431 1161

2009 126 54 50 91 108 481 1253

2010 130 55 51 99 118 531 1345

合計 608 265 246 419 492 2157 5840

図表 6.2-2 上海の「第 11 次五ヶ年計画」期における電子廃棄物発生量予測(単位:トン)

テレビ 冷蔵庫 洗濯機 エアコン パソコン 携帯 合計

2006 28401 30077 11805 35026 21223 398 169800

2007 29401 30685 12047 38895 23909 458 181078

2008 30401 31293 12288 42765 26595 518 192356

2009 31401 31901 12530 46634 29281 578 203634

2010 32401 32508 12771 50504 31966 637 214912

合計 28401 30077 11805 35026 21223 398 961780

予測の結果から、2007 年に上海市の家庭系各種電子廃棄物の発生量は約 1,100 万台で、

重量にして約 18 万トンであることが明らかになった。内訳は冷蔵庫 52 万台、洗濯機 48 万

台、家庭用エアコン 76 万台、パソコン 89 万台、携帯電話 381 万台である。 予測の検証: 『上海統計年鑑 2007』掲載の 2006 年における住民百世帯当りの耐久消費財と住民戸籍

数のデータに基づいて、2006 年の電子廃棄物の発生状況を計算することができる。計算結

果と予測結果を比較して見ると(図表 6.2-3)、その差は小さく予測結果が基本的に信頼で

きることが分かる。

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図表 6.2-3 予測結果と計算結果の比較(2006 年)

2006 テレビ 冷蔵庫 洗濯機 エアコン パソコン 携帯 合計

計算結果(万件) 128 59 55 79 96 368 1020

予測結果(万件) 114 51 47 72 83 352 1012

計算結果(トン) 32012 34534 13796 40099 25984 441 170464

予測結果(トン) 28401 30077 11805 35026 21223 398 169800

図表 6.2-4 1990~2010 年までの上海市における電子廃棄物の変化の趨勢 縦軸(左):上海市電子廃棄物発生量(トン) 縦軸(右):上海市電子廃棄物発生量(万台)

図表 6.2-4 から以下のことが見て取れる。即ち、1990~2010 年までの間、特に今世紀に

入って以降、家庭系電子廃棄物の発生量が急激に増加し、ますます無視のできない問題と

なっている。2010 年には家庭系各種電子廃棄物が 1,400 万台、重量にして約 21 万トンに

なると推測され、「第 11 次五ヶ年計画」期における家庭系各種電子廃棄物発生量は累計で

約 6,000 万台、重量で約 100 万トンに上る。 2) 機関・事業体系電子廃棄物の発生量予測

(1) 機関・事業体系の電子廃棄物 機関・事業体系電子廃棄物は主にパソコン、プリンター、スキャナー、プロジェクター

--■-- 台数(万台)

--●-- 重量(トン)

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などである。機関・事業体系電子廃棄物の総量について、機関・事業体従業員数に基づい

て推計が行われた。 現在上海の公務員数は 19 万 6,700 人、専門技術者は 33 万 3,300 人で、計 53 万人である。

パソコンの保有量は約 53 万台であり、1 台の使用年数を 5 年として計算すると、一年間に

廃棄されるパソコンが 10 万 6,000 台、重量にして約 2,900 トンになる。プリンター、コピ

ー機、ファックス等の一人当りの保有量は比較的少ないが、それでも一年間の廃棄量は約 5万台、重量で約 200 トンに上る。 企業・事業体系の廃棄パソコン、プリンター、コピー機、スキャナー、プロジェクター

等については、企業・事業体系が国有体制であるという理由から、大部分が固定資産とし

て保管され相応な処理や処分が行われていない。 (2) 教育機関系からの電子廃棄物発生量 教育系統で毎年廃棄されるパソコンは 7 万 7,000 台、重量で 2,100 トン。2005 年時点で、

上海市の専任教員数は 12 万 400 人、高等教育機関の在校生数は 44 万 2,600 人である。

パソコンを教員が一人 1 台、高等教育機関の学生の 60%が保有していると仮定して計算

すると、上海市教育系統のパソコン保有台数は 34 万台となる。パソコンの平均寿命を 5年として計算すると、毎年廃棄されるパソコンは 7 万 7,000 台、重量で約 2,100 トンに

なる。 以上の機関・事業体系と教育機関系の二つの系統を合わせると、パソコン、プリンター等

電子廃棄物の発生量は毎年約 5,200 トンになる。

3) 工業企業系の電子廃棄物発生量予測

(1) 上海のネットカフェで毎年廃棄されるパソコンは約 5 万台、重量で約 1,400 トンである。

上海にはおよそ 1,500 のネットカフェがある。これらネットカフェには大小さまざまな規模

があるが、各ネットカフェがパソコン 100 台を保有しているとして計算すると、上海のネ

ットカフェには 15 万台のパソコンがあることになる。3 年で更新すると仮定すると、毎年

廃棄するパソコンは 5 万台に上り、パソコン 1 台の重量を 27kg で計算すると、廃棄量は重

量で 1,350 トンとなる。 (2) 企業従業員が毎年廃棄するパソコンは 16 万台、重量で約 6,000 トンである。上海の企

業数は多く、各種企業の生産状況もそれぞれ異なる。さらに発生する電子廃棄物の状況や処

理方法(例えば、多くの委託加工企業は発生した電子廃棄物を輸出して税の還付を受ける)

も企業によって違いが大きい。そのため予測はそう簡単なことではない。 本予測において、現在の上海における従業員数に基づいて推計したのは廃棄パソコン数だ

けである。2005 年における上海の従業員数は 863 万 3,200 人であるが、機関・事業体の従

業員 53 万人を差し引くと約 813 万 3,200 人になる。10 人で 1 台パソコンを保有している

として計算すると、上海における工業企業系のパソコン保有数は 80 万台になる。パソコン

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使用年数を 5 年と仮定して計算すると、毎年廃棄されるパソコンは 16 万台で、重量にして

約 6,000 トンである。工業企業系電子廃棄物のほとんどは中古パソコン市場に流れている。 以上のネットカフェと企業従業員が廃棄するパソコンを合わせると、工業企業系全体で

21 万台、重量にして約 7,400 トンになる。 6.2.2上海における電子廃棄物発生量予測(その2)

上海大学の銭教授(浦東新区政策顧問)がまとめた電子廃棄物発生量予測において、主要な

電気機器*に関して小売量と平均的な買い替え寿命から廃棄物となる数量を予測している。

*パソコン、移動電話、カラーTV、洗濯機、家庭用エアコン、冷蔵庫、カメラ、ビデオ

カメラ、電子レンジ、温水シャワー、レンジフード

以下にその内容を記す。

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図表 6.2-5 上海市における主要電子製品の小売量(1990~2005)

パソコン 移動電話 カラーTV 洗濯機 家庭用エアコン 冷蔵庫 カメラ ビデオカメラ 電子レンジ 温水シャワー レンジフード 年

(台) (万台) (万台) (万台) (万台) (万台) (万台) (万台) (万台) (万台) (万台)

1990 23.04 13.73 1.12 16.18 13.43

1991 26.67 15.57 2.34 18.57 11.19

1992 26.25 15.6 4.59 19.16 12.73 14.04 8.63

1993 35.58 19.44 9.68 22.39 16.36 0.58 6.47 24.42 11.96

1994 34.33 20.73 19.48 24.06 16.55 0.78 16.5 24.66 11.59

1995 37.6 27.92 33.93 27.32 23.35 0.95 23.19 28.38 17.36

1996 3903 36.12 24.66 39.11 26.45 21.42 0.99 29.63 26.18 15.59

1997 12564 49.03 28.81 39.7 27.48 21.52 1.17 35.76 26.78 15.97

1998 37279 60.87 35.21 40.87 32.41 19.49 1.63 34.94 21.72 16.85

1999 76529 13.67 71.65 34.17 37.27 30 20.98 1.48 30.5 20.52 15.41

2000 127854 27.41 80.69 33.75 42.1 33.75 25.12 1.73 31.71 21.55 17.35

2001 158134 40.73 88.43 38.05 43.78 35.46 28.52 2.36 33.53 21.81 17.76

2002 170344 61.66 99.78 44.61 54.97 41.14 30.14 3.02 45.93 24.28 20.59

2003 184665 130.43 111.96 51.17 80.76 47.48 32.21 4.08 55.98 31.38 23.43

2004 199267 165.96 117.79 56.12 108.37 52.54 34.64 5.11 60.21 35.21 27.62

2005 220551 186.47 127.49 64.58 120 58.42 37.33 5.99 66.25 40.54 34.83

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図表 6.2-6 電子製品の小売量に基づき推計した上海市における電子廃棄物発生量(1998~2010)

パソコン 携帯 エアコン 冷蔵庫 洗濯機 テレビ カメラ ビデオカメラ 電子レンジ レンジフード 合計 年

万台 t 万台 t 万

台t 万

台 t 万台

t 万台

t 万台

t 万台

t 万台

t 万台

t 万台 t

1998 16 9546 23 5760 39 15306

1999 19 10956 14 3433 27 6668 59 21056

2000 1 571 19 11304 16 3893 26 6563 1 2 9 863 71 23195

2001 2 350 2 1193 22 13210 16 3900 36 8895 13 27 1 2 12 1196 104 28774

2002 5 1121 21 25 5 2341 24 14195 19 4860 34 8583 11 22 1 3 12 1159 132 32310

2003 11 2367 36 43 10 4937 27 16119 21 5183 38 9400 13 25 1 3 17 1736 173 39813

2004 15 3275 68 82 20 9935 26 15606 28 6980 36 9030 16 33 1 4 6 65 16 1559 232 46567

2005 17 3700 119 142 34 17304 27 16213 25 6165 49 12258 17 33 2 5 17 165 16 1597 321 57583

2006 18 3600 124 148 39 19946 32 19122 29 7203 61 15218 23 47 1 4 23 232 17 1685 368 67204

2007 20 3917 185 222 40 20247 30 17700 35 8803 72 17913 21 43 2 5 30 296 15 1541 450 70686

2008 22 4367 204 245 41 20844 34 19913 34 8543 81 20173 22 43 2 7 36 358 17 1735 493 76226

2009 25 4924 233 279 37 19008 35 20921 34 8438 88 22108 19 39 3 9 35 349 18 1776 528 77850

2010 27 5371 262 314 42 21471 41 24273 38 9513 100 24945 21 42 4 12 31 305 21 2059 586 88305

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6.2.3 電子廃棄物の発生量に関する主な結論

1)2007 年における上海の家庭系各種電子廃棄物の発生予測量は約 450 万台である。その

内、テレビが 72 万台、冷蔵庫 30 万台、洗濯機 35 万台、エアコン 40 万台、家庭用パソコ

ン 20 万台、携帯 185 万台で、これら主要な電子廃棄物の合計は 450 万台に上る。 重量に換算すると、2010 年における上海の家庭系各種電子廃棄物の発生予測量は約 7 万

1 千トンである。その内、テレビが 1.8 万トン、冷蔵庫 1.8 万トン、洗濯機 8,800 トン、エ

アコン 2.0 万トン、パソコン 3,900 トン、携帯 222 トンである。 2)機関・事業体系で毎年発生するパソコン、プリンター等の電子廃棄物は約 5,200 トンで

ある。 3)工業企業系で毎年廃棄されるパソコンは約 21 万台、重量にして約 7,400 トンである。 4)2002 年から 2006 年の 5 年間の電子廃棄物の平均増加率は 7.6%である。 5)2007 年の家庭系電子廃棄物及び機関・事業体系と工業企業系のパソコン廃棄物の総量

は約 8 万 3,000 トンである。各発生源の割合をパソコンを例に取って見ると、家庭系が

84.5%、機関・事業体系が 6.2%、工業企業系が 8.9%である。 6.2.4 電子廃棄物の収集と処理状況

概況 現在中国では国家的事業として電子廃棄物の収集と適正処理、資源化を進めようとして

いるが、まだ第一段階である収集システムが構築されていない状況である。不要になった家

電、その他電子・電気製品は市内に昔から存在する廃品引き取り業者に買い付けられ、そ

の後低収入家庭や農村に転売されている。また、再利用価値のなくなった電子廃棄物でも、

それを回収後解体し、転売可能な部品を取り出したり、あるいは故障部品を入れ替えるなど

して再び市場に流れ込んでいる。これらの過程で、不適正な解体処理が行われ、不法投棄や

環境汚染を引き起こしてきた。これらの電子廃棄物は、 終的にはより大規模な解体処理事

業者に集積し、処理されてきた。 浙江省台州と広東省汕頭市の貴屿鎮は中国の も大きい 2 つの電子廃棄物の集積地であ

る。これらの集積地では、電子廃棄物を解体して銅やアルミなどの金属資源を回収して販売

している。台州では、4 万人が廃棄電子と電気製品の解体回収事業に従事し、年間解体量は

200 数万トンに達している(2005)。2003 年に 80 数万トンの銅、35 万トンのアルミニウム、

140 万トンの廃棄鋼を回収したという調査結果がある。これらの処理回収事業においては、

過去には不適正な解体処理によって深刻な環境汚染を引き起こしていたが、現在台州市の

関係政府部門および国家関係部門の指導によって、環境汚染は改善している。2004 年に国家

環境保護総局は台州 20 数社の企業を第 7 類金属廃棄物を定点加工利用企業として承認して

いる。

国家および地方政府の指導 国家機関「科技標準司」は 2006 年 8 月 14 日、「廃棄家電・電子製品汚染防止技術政策」

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61

を制定し、電子廃棄物に関し三化(減量化、資源化、無害化)の原則を打ち出した。2007年 9 月 7 日には、国家環境保護総局は『電子廃棄物環境汚染防止管理規則』を制定し、2008年2月1日より施行した。本法律では、電子廃棄物を危険廃棄物と認識し、その処理方法の

原則や処理事業者の許可制、さらには罰則まで規程して、本格的に電子廃棄物の適正処理と

資源化に向けて動き出した。 上海市の状況 上海市では早くから電子廃棄物の収集と許可事業者による集中的適正処理を目指して取

り組んできた。2007 年 4 月から「電子廃棄物回収の 3 段階ネットワーク体系」の準備を開

始した。3 段階ネットワークとは、全市に既に存在する廃品回収所を 1 つ目の段階とし、各

業界の支所を 2 つ目の段階とし、各区県の支所を 3 つ目の段階とする 3 段階ネットワーク

を指す。この 3 段階のネットワーク体系を 3 年から 5 年で完成させ、各区にいずれも 1 ヶ

所の回収所を設けるという計画が動き出している。現在、上海市における電子廃棄物許可

事業者は 5 社存在しその事業を拡大しようとしているが、まだ廃棄物が集まってくる仕組が

出来ておらず、民間から大量に発生する電子廃棄物は、まだこれらの企業には集まっていな

い。上海市や浦東新区政府は、まず政府機関や公共機関で発生するPCなどの電子廃棄物を

これらの企業に集めるところからはじめようとしている。 上海市内の電子廃棄物処理許可企業は下記の 5 社である。 上海電子廃棄物交投中心有限公司(宝山) 上海新金橋工業廃棄物管理有限公司(浦東) 上海三井鑫雲貴稀金属循環利用有限公司 偉翔環保科技発展(上海)有限公司 上海市固体廃物処置中心(嘉定)

浦東新区、金橋輸出加工区は循環経済発展計画(エコタウン計画)の目玉として上海新金

橋工業廃棄物管理有限公司における電子廃棄物の処理・資源化事業を拡大しようとしてい

るところである。表 6.2-6 に上海新金橋工業廃棄物管理有限公司の現在の事業概要を示す。

図表 6.2-7 上海新金橋工業廃棄物管理有限公司の事業概要と将来計画 設立経緯: 2000 年 2 月に上海金橋集団有限会社の投資により創立。産業廃棄物の収集、輸送、貯蔵、

処理、更に循環利用を行う総合的環境保護企業。浦東新区の模範的企業を目指す。 ①電子廃棄物解体部門 パソコン、プリンタ、ハードディスク,デジタルカメラなどの解

体を行い、資源リサイクル可能なものを選別回収し、販売してい

る。危険廃棄物は 終処分場に運ばれる。 ②廃電子基板処理部門 廃電子基板処理の年間理能力は 1500 トン。乾式法、多層組合式

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62

タービンで粉砕解離する。微粉化技術や分離技術を利用、基板を

金属粉と非金属粉に分離する技術は独自開発した。分離された銅

と貴金属など粉を金属精錬場の原料にして、ガラス繊維と樹脂な

どの非金属粉は建材工場の繊維強化材料として使っている。 ③廃CRT総合処理部

門 廃 CRT 処理ラインは年処理能力が 5 万台であるが、現在、10万台までにアップする計画という。その際、年間再生ガラス 925トン、再生金属 825 トン、再生プラスチック 750 トンを回収す

る計画である。 因みに、現在の設備投資額は約 100 万元で広東

省のメーカーと共同開発した。 ④廃棄カートリッジ処

理部門 物理的な全自動化方法でカートリッジを粉砕、磁選、空気洗浄し、

鉄、アルミニウム、プラスチックとトナーになる。このシステム

の処理能力は 500 トン/年。鉄、アルミニウム、プラスチックは

生産の原料にして、インクは適正処理される。尚、この処理設備

は同社が独自に開発したもので、国家実用新型特許を獲得した。 6.3 工業固体廃棄物の発生と処理の状況 6.3.1上海市の一般工業固体廃棄物等の発生の現状

2006 年、上海市の一般工業固体廃棄物発生量は 2063.19 万 t で、2005 年比で 5.07%増

えた。総合利用量は 1953.11 万 t、総合利用のこれまでの保管量は 0.0052 万 t で、総合利

用率は 94.66%であった。 2007 年、上海市の工業固体廃棄物発生量は 2165.4 万 t で(45.4 万 t の工業危険廃棄物

を含む)、2006 年比で 4.9%増加した。総合利用量は 2040.1 万 t、総合利用率は 94.2%(図

表 6.3-1)で、2006 年と基本的に同じレベルであった。発生する工業固体廃棄物は主に、

精錬滓、石炭灰、燃え殻、脱硫石膏、ぼた等(図表 6.3-2)である。工業固体廃棄物発生量

の上位 5 位までの工業企業を図表 6.3-3 に示した。

図表 6.3-1 上海市工業固体廃棄物の発生と利用情況(2007) 工業固体廃棄物 単位 数量 発生量 万トン 2165.4

総合利用量 万トン 2040.1

処置量 万トン 106.4

貯蔵量 万トン 20.2

不法排放量 万トン 0.2

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63

図表 6.3-2 上海市主要工業固体廃棄物発生量(2007) 精錬滓 石炭灰 燃え殻 脱硫石膏 ぼた等 総発生量(万トン) 845.2 517.6 125.5 7.4 1.1

発生比率(%) 39.0 23.9 5.8 0.3 0.1

総合利用量(万トン) 845.0 485.7 97.3 7.4 1.1

総合利用率(%) 99.9 93.8 77.5 100 100

図表 6.3-3 上海市の主要工業固体廃棄物発生企業(2007、上位5位) 単位:千トン

工業固体

廃棄物発

生量

内 訳 /

危険廃棄

物発生量

内 訳 /

製錬廃渣

の発生量

内 訳 /

石炭灰の

発生量

内 訳 /

燃え殻の

発生量

内 訳 /

選鉱くず

の発生量

内 訳 /

ぼたの発

生量

内 訳 /

その他廃

棄物の発

生量

鉄鋼会社A 9566 19 6632 307 - - - 2607

鉄鋼会社B 2046 1.6 1512 - - - - 533

熱電供給会社C 770 - - 692 77 - - -

電力会社D 615 - - 615 - - - -

電力会社E 602 - - 602 - - - -

計 13598 21 8143 2217 77 - - 3140

6.3.2 浦東新区の一般工業固体廃棄物等の発生の現状

「第 10 次5ヵ年計画」の期間、浦東新区の工業固体廃棄物の総量は増加し、年平均伸び

率は 10%以上を維持した。浦東新区の一般工業固体廃棄物は主に石炭灰、石炭燃え殻、有

機排水汚泥、黒色金属(鉄・マンガン・クロムをさし,鋼鉄など鉄を主とした合金)、工業容

器、発泡プラスチックなどである。 その中で石炭灰は 107 万トン、石炭の燃え殻 23.2 万トンで、それぞれ一般工業固体廃棄物

総量の 50%、11%を占める。 一般工業固体廃棄物は主に発電および、石油加工、コークス製造業、化学繊維制造業、交

通運輸設備制造業などから発生している。

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64

図表 6.3-4 浦東新区の一般工業固体廃棄物発生量、工業 GDP 増加状況

6.3.3 工業固体廃棄物の処理の現状

2007 年、中国共産党上海市委員会、市政府は第十一次五カ年計画の環境計画で定められ

た目標に基づいて、固体廃棄物の「減量化、資源化、無害化」の原則を堅持しつつ、「上海

市第三回環境保護三年行動計画」を根拠として全面的に固体廃棄物環境管理制度を実行し

た。また、固体廃棄物の利用と処理の環境インフラ建設を推進して、固体廃棄物汚染防除

の段階的な環境管理目標を達成した。この結果、都市生活系廃棄物の無害化処理率は 78.4%に達し、工業固体廃棄物の資源化利用率は 94.2%に達し、工業危険廃棄物と医療廃棄物の

安全な処理が実現した。しかし、上海市の固体廃棄物全般の環境汚染防除に関しては、た

とえば都市の生活系廃棄物や工業固体廃棄物の無害化処理の環境インフラ能力がまだ十分

とはいえない。また新たに電子廃棄物、商品の過剰包装、使い捨て消費財といった廃棄物

が増加しているという新しい問題があり、環境保護業務の課題となっている。上海市とし

ては、これらの課題の解決に向けて様々な努力をおこなっているところである。 工業固体廃棄物の貯蔵および埋め立て処分を行う際の基準として、国家環境保護総局は

下記の標準を定めている。 中華人民共和国国家標準「一般工業固体廃物貯存、処置場汚染控制標準」 GB 18599-2001、Standard for pollution control on the storage and disposal site

for general industrial solid wastes 2001-12-28 発布 2002-07-01 実施 国家環境保護総局 発布

本標準によると「一般工業固体廃棄物」とは《国家危険廃棄物リスト》に該当しないも

の、また国家規定の GB5085 の鑑別標準(腐食性、急性毒性、浸出毒性)および GB5086(浸

出毒性浸出方法)および GB/T 15555 鑑別方法(浸出毒性測定方法)によって、危険特性

を有しない工業固体廃棄物のことを言う。また、一般工業固体廃棄物は次の二種類に区分さ

れ、それぞれの廃棄物種類に対応した処分場に埋め立て処分することになっている。

0

500

1000

1500

2000

2500

3000

3500

4000

4500

5000

2001年 2002年 2003年 2004年 2005年 2006年

0

50

100

150

200

250

(億元) (万ton)

工業GDP(億元)

一般工業固形廃棄物発生量(万ton)

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65

第Ⅰ種類の一般工業固体廃棄物: GB5086 規定の方法によって溶出試験を行い、すべての汚染物質が GB8978 で規定す

る排出基準値を上回っておらず、且つ PH が 6~9 範囲にある一般工業固体廃棄物のこ

と言う。 第Ⅱ種類の一般工業固体廃棄物:

GB5086 規定の方法によって溶出試験を行い、汚染物質が一つでも GB8978 で規定す

る排出基準値を上回っているか、または PH が 6~9 範囲外にある一般工業固体廃棄物

のこと言う。 一般工業固体廃棄物の貯蔵と処理場の類型

貯蔵と処理場はⅠとⅡのタイプに区分する。 第 1 類の一般工業固体廃棄物の貯蔵と処理場は、略称Ⅰ類の処分場とする。 第Ⅱ類の一般工業固体廃棄物の貯蔵と処理場は、略称Ⅱ類の処分場とする。

6.3.4 一般工業固体廃棄物の分類

一般工業固体廃棄物の分類を図表 6.3-5 に示す。本分類表では、No.1~No.47 が欠番とな

っているが、これは危険廃棄物として指定されたため本分類表から抜けたものである。ただ

し、危険廃棄物はその後 No.48 と No.49 が追加された。

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66

図表 6.3-5 一般工業固体廃棄物の分類 コ ー

廃棄物の類別 説明(廃棄物の発生源) よく見られる成分又は廃棄

物についての説明

1~47 後に危険廃棄物として指定されたために欠番

48 窒素を含んだ有

機性廃棄物

有機化学製品、専用化学製品製造業、捺染業、化学肥

料製造業で生じる、窒素を含む有機性廃棄物

アミン類、アンモニア類、グ

アニジン類、ニトロ化合物、

窒素含有の複素環式化合物

49 硫黄を含んだ有

機性廃棄物

基本的な有機合成で生じる、硫黄を含む有機性廃棄物 チオール、チオエーテル硫

酸、チオフェノール、二硫化

物、硫化物等

51 カルシウムを含

んだ廃棄物

包括カーバイトかす、廃石、製紙汚泥、酸化カルシウ

ム等の廃棄物

52 フッ素化汚泥

53 赤泥 アルミニウム精製で生じる廃棄物

54 塩泥

55 金属酸化物廃棄

鉄、マグネシウム、アルミニウム等の金属酸化物の廃

棄物(アイロンマッドを含む)

56 無機廃水汚泥 無機汚染物質を含む廃水を処理した後に生じる汚泥

57 有機廃水汚泥 有機汚染物質を含む廃水を処理した後に生じる汚泥

58 動物残渣 動物(魚肉等)を加工した後の残りかす

59 穀物及び食品加

工の廃棄物

穀物と食品加工から生じる廃棄物(造酒業の酒、豆か

す、食品の缶詰製造業の皮、葉、茎等の残余物)

60 皮革廃棄物 皮革のなめし加工、皮革加工及びその製品の廃棄物

61 廃プラスチック プラスチックの生産、加工、使用で生じる廃棄物

62 廃ゴム ゴムの生産、加工、使用で生じる廃棄物。廃ゴムタイ

ヤ及びその破片を含む

63 漢方薬残渣 漢方薬の製造で生じる残渣類の廃棄物

71 石炭灰

72 燃え殻 又は石炭滓

73 高炉スラグ 製鉄、溶鉱溶銑炉で生じる廃かすを含む。

74 鉄鋼スラグ

75 ぼた

76 選鉱くず

81 製錬廃棄物 金属製錬の過程で生じる廃棄物。本リストですでにリ

ストアップされている鉄鋼スラグ、高炉スラグ及び非

鉄金属化合物を含む廃棄物は含まない。

82 非鉄金属廃棄物 各種非鉄金属、たとえば銅、アルミニウム、亜鉛、錫

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67

等の金属の機械加工で生じたくず、灰、切れ端等の廃

材のみを指す

83 鉱物性廃棄物 鋳造の型砂、金剛砂等の鉱物性廃棄物を含む

84 工業粉塵 各種の集塵装置で収集した工業粉塵を指す

85 黒色金属廃棄物

86 工業廃棄物

99 その他の廃棄物

6.3.5 工業廃棄物の処理、処分に関する課題

上海市における一般工業固体廃棄物の処理に関しては、現地では大きな問題にはなって

いない。問題は、一般工業廃棄物の中に、危険廃棄物が紛れ込んで処理されることであるが、

この点の数量的なデータは得られていない。また、有害性の少ない一般工業固体廃棄物の処

分場に関しては、今回調査の対象にしていなかったため、実際どの程度上記の基準が達成さ

れているかについては確実な情報は得られなかった。 6.4 危険廃棄物の発生と処理の情況

1) 上海市における危険廃棄物の発生量

2005 年までの上海市における危険廃棄物の発生量の推移を図 6.4-1 に示す。2005 年、上

海市の危険廃棄物の発生量は約 48.7 万トンあり、主な排出企業は 553 社で、それぞれ 39の業種に属する。発生量の上位 5 大業種はそれぞれ化学原料及び化学製品製造業、鉄金属

冶金及び圧延加工業、交通運輸設備製造業、石油加工及びコークス業、電子及び通信設備

製造業である。危険廃棄物は 33 種類があり、中には、廃酸、廃アルカリ、表面処理廃棄物、

精留残渣、廃鉱物油、焼却残渣、廃乳化液、亜鉛を含有する廃棄物など 8 種類の危険廃棄

物は発生総量の 82.6%を占める。発生企業の分布区域から見れば、「2 大ブロック」、即ち、

宝山区、嘉定区を主とする西北ブロックと閔行区、浦東新区を主とする東南ブロックにな

っている。「2 大ブロック」の危険廃棄物の発生量は全市発生量の 75%以上を占めている。

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68

図表 6.4-1 上海市の工業 GDP と危険廃棄物の発生量

2007 年、上海市の工業危険廃棄物発生量は 45.4 万 t、総合利用量は 30.9 万 t、保管量は

0.05 万 t、処理量は 14.6 万 t で、表 6.4-1 に示す通りであった。2007 年末の時点で、上海

市で危険廃棄物マニフェスト管理データベースに組み入れられている企業は 6109 社で、

2007 年の市内搬送量は 22.2 万 t に達し、省、市を越えた搬送量は 3.3 万 t であった。その

他は企業内部で自ら処理又は利用された。 上海市で、主な工業危険廃棄物の発生量が 5 位までの企業を図表 6.4-2 に示した。

図表 6.4-2 上海市における工業危険廃棄物発生量(2007)

工業固体廃棄物 数量(トン) 発生量 454288.6

処置量 146831.1

(うち 2409.2 トンは昨年発生量)

総合利用量 309414.2

貯蔵量 452.5

排放量(不法処置) 0

25

02000 4000 6000 8000

10000 12000 14000 16000

96 年

(億元)

0

10

20

30

40

50

60 (万トン)

工業GDP(億元)

工業危険廃棄物発生量(万トン)

00 年 01 年 02 年 03 年 04 年 05 年

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69

図表 6.4-3 上海市における上位5位企業の工業危険廃棄物発生量

2) 浦東新区における危険廃棄物の発生量

「第 10 次5ヵ年計画」の期間、浦東新区の危険廃棄物の総量は図表 6.4-3 のとおりである。

危険廃棄物の主要な発生源は 118 社、危険廃棄物発生量は工業固体廃棄物の総量の 3.8%を

占める。 危険廃棄物の種類は大雑把な類別で 25 種類であり、主に廃酸、廃鉱物油、有機溶剤廃棄物、

含亜鉛廃棄物、表面処理廃棄物、有機樹脂類の廃棄物、ごみの焼却の飛灰、医療の廃棄物

などである。 廃酸と廃鉱物油はそれぞれ 2.4 万トン、1.6 万トンに達する、それらの総計は危険廃棄物総

量の 62.8%に相当する。1%の危険廃棄物は市と省の外に違法に転送されて処理されたが、

残りは当市で安全に処理された。 外高橋石油化学地区、金橋輸出加工区と張江高科技園区の危険廃棄物はそれぞれ総量の

47.1%、15.5%、4.3%である。

図表 6.4-4 浦東新区危険廃棄物発生量

浦東新区の危険廃棄物の総量は上海市の危険廃棄物総量の 16%に達し、18 の区と県の中

で第3位に位置する。危険廃棄物の発生源は全部で 118 社であり、上海市全体の発生源会

社数の 21%を占める。上海市の 50 社の重点危険廃棄物発生源会社のうち 10 社が浦東新区

企業名称 危険廃棄物発生量 (トン)

化学工業 45113 化学工業 42869 鉄鋼業 30000 石炭化学工業 24458 鉄鋼業 19073 合計 161512

危険廃棄物発生量(万ton)

5.55.1 4.8

4.44.8

5.2

0

2

4

6

8

10

2001年 2002年 2003年 2004年 2005年 2006年

万ton

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70

の中にあり、1/5 を占める。

図表 6.4-5 浦東新区の主要な危険廃棄物

危険廃棄物 コード

危険廃棄物名称 発生量 (トン/年)

構成比率 %

HW8 廃鉱物油 25219 39.7%

HW18 焼却処理残渣 12647 19.9%

HW42 廃有機溶剤 3959.2 6.2%

HW17 表面処理廃棄物 3651.6 5.7%

HW34 廃酸 3071.7 4.8%

HW13 有機樹脂類廃棄物 2646.6 4.2%

HW12 染料・塗料廃棄物 1907.7 3.0%

HW22 銅を含む廃棄物 1761.9 2.8%

HW31 鉛を含む廃棄物 1530.8 2.4%

HW35 廃アルカリ 1346 2.1%

HW23 含亜鉛廃棄物 1227.5 1.9%

HW9 廃乳化液 1219.9 1.9%

HW2 医薬廃棄物 750.6 1.2%

危険廃棄物は主に廃鉱物油、廃棄の有機的な溶剤、表面処理廃棄物、廃酸、有機廃棄物

などがある。廃鉱物油と焼却残渣(飛灰)それぞれ 25219 トン、12647 トンに達し、それ

らの総計は危険廃棄物総量の 59.6%に達する。 3) 金橋輸出加工区の危険廃棄物発生量

金橋輸出加工区の 2006 年度の工業固体廃棄物の総量は 39327.6 トン、そのうち危険廃棄

物は 8432.2 トンである。

工業廃棄物の主要な種類は石炭燃え殻、黒色金属廃棄物と非鉄金属廃棄物、有機廃水汚泥、

含油汚泥、表面処理廃棄物、廃有機溶剤、染料と塗料廃棄物、銅を含むの廃棄物、廃鉱物

油、廃酸、廃アルカリなど。

4) 上海市における危険廃棄物の処理状況

2007 年末の時点で、上海市で危険廃棄物取扱許可証を所持している企業ならびに許可証

更新過程にある企業はあわせて 50 社*あり、その取扱い範囲には 32 種類の危険廃棄物が含

まれている。これらの企業は主に安全埋立、焼却処理、物理法による処理、物理化学処理

等の技術を使って廃溶剤の回収、重金属廃液の回収、感光材料廃物の回収、廃鉛酸電池、

危険廃棄物の焼却、安全な埋立、廃鉱物油及び油を含んだ汚泥の処理処分、各種危険廃棄

物包装物、容器の洗浄、電子類危険廃棄物の処分等に従事しており、年間の処理能力は 42

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71

万トンに達し、上海市工業危険廃棄物の処理ネットワークが基本的に形成されている。 以下、各種の危険廃棄物の処理状況を示す。有害性のある廃棄物に対してほぼ適正な処置

が行われている。また、資源回収に関しても経済的に可能なものはかなり進んでいるといえ

る。 *実際に有効に稼動しているのは13社程度(別途調査による)

図表 6.4-6 危険廃棄物の処理と資源回収の状況

処理と回収方式 処理および回収の対象危険廃棄物 (記号は危険廃棄物リストのコード番号)

HW11 精(蒸)留残渣 HW06 有機溶剤類廃棄物

HW12 染料、塗料廃棄物 HW39 フェノールを含む廃棄物

HW13 有機樹脂類廃棄物 HW04 農薬廃棄物

焼却処理

HW02 医療廃棄物 HW03 廃薬品、薬物

HW17 表面処理廃棄物 HW21 クロムを含む廃棄物 物理化学処理 HW09 廃乳化液 HW23 亜鉛を含む廃棄物

HW23 亜鉛を含む廃棄物 HW46 ニッケルを含む廃棄物 重金属回収 HW22 銅を含む廃棄物 HW47 バリウムを含む廃棄物

廃鉱物油処理回収 HW08 廃鉱物油

感光材料回収 HW16 感光材料廃棄物

HW41 廃ハロゲン化有機溶剤 HW40 エーテルを含む廃棄物 溶剤回収 HW42 廃有機溶剤

鉛酸蓄電池回収 HW31 鉛を含む廃棄物

HW18 焼却処理残渣 HW24 砒素を含む廃棄物

HW17 表面処理廃棄物 HW36 石綿廃棄物

HW21 クロムを含む廃棄物 HW25 セレンを含む廃棄物

HW33 無機シアン化合物廃棄物 HW26 カドミウムを含む廃棄物

安全埋め立て

HW27 アンチモンを含む廃棄物 HW07 熱処理シアンを含む廃棄物

6.5 生活ごみの発生と処理の状況 1) 収集量

2006 年、上海市全体で収集運搬された生活ゴミは 658.26 万トンで、1 日あたりの平均収

集運搬量は 1 万 8,034 トンに達し、昨年同期比で 5.8%増えた。上海市の人口は約 1800 万

人(戸籍人口)とされており、1 人当りの排出量は 1.0kg/日となる。収集された生活ごみ

は以下のような施設でそれぞれ処理された。

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72

図表 6.5-1 上海市全体における生活ごみ収集運搬量(2006)

処理施設 処理量

(万トン)

処理施設 処理量

(万トン)

浦東御橋ごみ焼却場 44.5 崇明埋立て場 6.59

江橋ごみ焼却場 66.7 嘉定総合処理場での処理 12.29

奉賢ごみ焼却場 2.75 回収利用 14.59

浦東美商でのコンポスト化 40.97 台所の生ゴミの単独処理 14.31

老港処分場第四期地衛生的埋立 177.94 浦東黎明埋め立て処分場 28.07

老港処分場第三期地埋立て 86.78 青浦趙屯への積み置き 12.56

松江埋立て場での衛生的埋立て 23.25 一時的積み置き 126.96

2) 収集方法 2006 年、上海市の都市市容・環境衛生部門は生活ごみの発生源からの分流、分別管理に

いっそう力を入れ、生活ごみ分別のカバー率が中心市街地で 65%を超え、ごみ焼却場のサ

ービス対象地域では 90%を超えた。2006 年 12 月までの時点で、分別収集を行っている住

宅街の数は 3,746 に達し、カバーされる世帯数は 400 万世帯に達した。この数値を基礎と

して、更にゴミの分別作業を推進するため、黄浦区紫華、栄福坊、桃源新村では、生活ご

みを時間別に分別して出す試験的試みが実施され、また、豫園地域では公共の場所におけ

るゴミ分別の試みが実施された。 上海市においては、生活ごみの収集は区が行い、収集の

費用は徴収していない。生活ごみの収集方式と各区毎の収集拠点数等を図表 6.5-2 に示す。

また、分別収集の状況と回収された資源ごみの数量を図表 6.5-3 に示す。 3) 事業系生活ごみ ホテルや商店街、工場などから出てくる事業系生活ごみも市が収集している。排出する商

店等は排出数量を申告するようになっている。ただ区単位で見ると申告すべき単位数と実

際に申告した単位数に大きな開きがあるところもあり、まだ一般生活ごみと区別がつかな

いところもあるように思われる。料金は徴収するようになっているようだが、ビルの貸主が

負担していたり、支払い方は様々である。 図表 6.5-4 に事業系生活ごみの収集状況を示す。これによると年間の排出総量は約 260

万トンに達している。

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図表 6.5-2 生活ごみ収集拠点のまとめ(2006) 単位:個 (出典:上海環境年間 2006) 圧縮式収集

ゴミ集積所 単独容器 管 道 取外し式容器 その他 収集方式 単位 収集拠点総数 座数 箱数 収集拠

集積所

容器なし 容器数 取外し

式容器

収集拠

数量 収集拠

数量 収集

拠点

数量 収集

拠点

数量 定時 訪問 その

黄浦区 1279 14 14 588 588 99 2236 1 195 597 72 94 1 1 409 409 664 603 12

盧湾区 541 21 21 432 432 40 1705 2 5 57 57 19 19 376 27 138

徐匯区 2231 18 47 1738 1738 57 16139 18 367 1623 51 51 27 27 30 30 1677 537 17

長寧区 1516 38 38 1223 1223 63 9595 117 450 91 91 47 47 1455 61

静安区 781 26 26 608 608 161 1569 89 194 31 31 26 26 218 18 545

普陀区 1023 88 88 881 881 599 1033 10 9 23 45 45 773 88 162

閘北区 1062 40 40 623 623 70 5358 2 20 54 118 331 331 1006 45 11

虹口区 1642 96 96 931 931 227 3631 98 174 933 158 182 1 1 281 281 1531 181 2

楊浦区 1573 56 56 1193 1193 200 1863 136 56 255 126 126 42 42 1327 163 83

閔行区 2900 62 62 2128 2128 83 16210 11 668 2965 6 6 4 8 28 28 2108 781 11

宝山区 2361 50 50 2095 2095 338 4665 85 257 61 62 68 68 2356 5

嘉定区 2887 3 3 1760 1760 5857 1122 1756 2 2 2870 9 8

浦東新区 4119 60 60 3607 3607 1927 7070 74 159 821 74 86 1 4 217 217 3538 541 40

金山区 263 1 1 247 247 1 1659 15 15 244 18 1

松江区 693 13 13 329 329 178 997 167 382 181 181 625 61 7

南匯区 1409 1402 1402 1236 1388 1 12 1094 183 132

奉賢区 623 9 9 541 541 299 1599 3 51 70 70 424 190 9

青浦区 1637 5 5 1264 1264 881 840 187 486 2 2 144 144 1441 195 1

崇明県 1272 1272 1272 4608 1272

合計 29812 600 629 22862 22862 6459 88022 348 3403 10830 783 906 34 41 1955 1955 24999 3706 1179

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図表 6.5-3 生活ごみの分別収集の状況と回収された資源ごみの数量(住民) (出典:上海環境年間 2006)

実数 分別収集実現数 単位

小区数(個) 住民世帯数(個) 小区数(個) 住民世帯数(個) 収集拠点数(個)

廃プラスチック

(t)

発泡スチロール

容器(万個)

廃紙

(t)

廃ガラス

(t)

廃電池重量

(t)

廃金属

(t)

黄浦区 112 178273 213 154074 439 0.26 127.72 0.22 184.04 3.64 0.19

盧湾区 125 120000 112 58000 219 1096.19 495.18 15387.26 824.24 1.81 2215.53

徐匯区 457 369619 349 284124 716 928.89 890.82 6286.73 731.09 8.99 1041.76

長寧区 412 216915 401 186405 549 1008.83 2991.49 6953.61 58.08 1.12 5213.32

静安区 110 105000 100 95054 585 0.00 2651.88 33.80 10.71 0.76 10.20

普陀区 348 315654 295 279502 353 2959.57 1693.62 6460.32 1173.04 0.51 2824.62

閘北区 293 267929 211 161940 356 305.00 344.00 45402.00 111.00 0.00 155.00

虹口区 319 151393 224 117806 589 275.92 196.56 448.80 365.03 0.00 0.00

楊浦区 495 444300 344 257700 597 16.00 376.00 34.00 34 0.00 7.00

閔行区 446 919885 243 377153 352 300.66 4272.26 240.12 184.53 6.42 75.52

宝山区 139 151018 90 106707 505 0.00 0.00 0.00 0.00 0.00 0.00

嘉定区 166 97912 128 74325 542 322.79 459.58 28.82 103.61 3.61 21.58

浦東新区 746 510973 680 463993 2340 568.00 5739.00 380.00 480.00 0.00 899.00

金山区 158 93816 837 0.00 1164.60 0.00 0.00 1.21 0.00

松江区 167 105909 121 78023 202 58.02 154.7 179.61 69.67 3.90 28.87

南匯区 95 35035 47 14380 71 0.00 316.54 0.00 0.00 0.28 0.00

奉賢区 22 48853 8 1350 2 0.00 185.00 0.00 0.24 4.90 0.00

青浦区 138 124498 114 73391 669 98.13 627.64 401.93 151.6 0.00 247.61

崇明県 46 30239 8 29239 0.00 0.00 0.00 0.00 4.23 0.00

合計 4636 4143405 3846 2906982 9923 7938.27 22686.49 82237.83 4480.73 41.38 12740.20

注:空欄は当年のデータ収集範囲に含まれていない。

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75

図表 6.5-4 事業系生活ごみの申告情況のまとめ(2006) 単位:個 (出典:上海環境年間 2006) 単位 申告数

すべき

実 際 の

申告数

機関 工場 ホテル 野 菜 市

娯 楽 施

商店街 その他 申 告 排

出 量

(t)

黄浦区 6490 6028 45 37 741 2 1537 3666 60743

盧湾区 4138 4138 228 61 905 2927 17 84315

徐匯区 1443 1417 38 491 148 220 128 240 152 182160

長寧区 5399 5036 16 108 728 26 21 2256 781 49589

静安区 1061 962 39 9 210 471 112 21 26280

普陀区 975 945 8 159 231 18 21 43 465 162951

閘北区 8288 922 158 3 675 98185

虹口区 1189 1086 84 100 128 565 101 14064

楊浦区 480 450 38 133 67 3 111 33 65 150015

閔行区 2447 2427 159 1800 84 58 46 56 224 364171

宝山区 1100 1020 42 675 39 5 84 98 77 36865

嘉定区 2680 2893 118 1850 650 83 738 57 113723

浦東新区 1621 2 159 501 2 9 9 939 128902

金山区 1787 1595 44 780 109 22 237 341 62 342370

松江区 760 577 45 302 38 4 21 11 156 198800

南匯区 2289 1489 77 380 103 25 46 778 80 210324

奉賢区 8800 2200 320 150 600 124 251 229 526 122467

青浦区 163964 164274 4677 37072 5088 16327 3141 2140 39696 154830

崇明県 700 516 166 232 45 7 8 35 23 194615

合計 213990 199596 6304 44501 10185 16926 7772 13596 43385 2605369

4) 生ごみの収集と処理

2006 年、上海市で生ゴミ発生の申告を行った組織は 7,700 に達した。申告率は 75%で、

申告総量は 674t/日であった。2006 年のうちに収集運搬された生ゴミはあわせて 14.51 万

トンで、昨年同期比で 22%増えた。29 社の生ゴミ収集企業が行政許可を受けているが、こ

れは上海市の収集運搬団体の 90%に当たる。生ゴミ収集運搬専用車両は 44 台、収集人員は

670 人に達した。廃油脂収集の行政許可を取得した取得第一期企業は 7 社に達し、基本的に

専門的収集運搬、規範的管理が実現している。処理能力も相応に向上しており、大型の生

ゴミ処理場 7 社が処理資格許可を取得し、処理場 2 社が拡張を行って、合計の処理能力は

昨年より 14%上昇し、800t/日に達した。廃食用油脂の処理場も基本的に完成し、試運転に

入った。その処理能力は 80/t に達している。処理技術の比較を積極的に行い、生ゴミを原

料とする飼料、肥料製品の基準制定業務も推進された。

Page 25: 00 表紙目次 METI...合計 28401 30077 11805 35026 21223 398 961780 予測の結果から、2007 年に上海市の家庭系各種電子廃棄物の発生量は約1,100 万台で、

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5) 白色汚染<発泡スチロール製容器やビニール袋(白色ゴミ)による汚染>対策強化 2006 年末の時点で、プラスチック製容器が計 2.8 億個回収処理され、915 トンの造粒が

行われた。市と区の 2 段階の管理を更に整え、インタラクティブネットワークに対する緊

急の処分を実施し、重点地域では特別取り締りをタイムリーに実施して、違法な販売等に

対する取り締まりに力を入れた。また、管理の範囲を拡大し、5 月 1 日からは、使い捨てプ

ラスチックトレーも使い捨てプラスチック製容器の管理範囲に加え、上海のトレー生産業

者、回収系統に対する管理は基本的に軌道に乗っている。