1

2010年１２月ジェトロ

ムンバイ事務所

飯田

康久

2

インドってど んな国？

その1●北部インド

デリーとハリヤナ州を中心に発

展。周辺は北部貧困州。日系企

業が最も集積。

●西部インドマハラシュトラ州、グジャラート

州が発展。良港と大都市、国内

主要企業を多く抱える経済的中

心。

●東部インド基本的に貧困州。毛派共産主

義勢力強い。一部に製鉄所。

●南部インドチェンナイ、バンガロールを中

心に発展。国内市場から遠く、輸

出拠点として機能。

3

●州別の最大人口は貧困州の

一つであるUP州。

●州別人口では南西部の諸州でまとまった人口。

●特にデリーとムンバイが大市場。インド国内物流の80％がデリームンバイ間と

される。

インドってど んな国？

その2

●一般的に都市別ではデリー、ムンバイ、バンガロール、チェンナイが大市場。

4

一人当たりGDP上位10州（2006）1USD=45.34INR

STATEPer Capita

(USD)

INDIA 1,030

ゴア州 2,029

デリー直轄州 1,678

ハリヤナ州 1,050

マハラシュトラ州 984

グジャラート州 950

パンジャーブ州 948

ヒマーチャルプラデッシュ州 934

ケララ州 824

タミルナードゥ州 790

カルナタカ州 789

インドってど んな国？

その３

GDP上位10都市（2006）1USD=45.34INR

CITYGDP

＜購買力平価＞

in Millions of USD

GDP

＜名目値＞

in Millions of USD

GDP

＜購買力平価＞

Per Capita in USD

GDP

＜名目値＞

Per Capita in USD

ムンバイ 209 73 6,462 2,265

デリー 167 58 5,309 1,860

コルカタ 162 58 6,489 2,274

バンガロール 69 29 7,397 2,592

チェンナイ 66 27 n.a. n.a.ハイデラバード 60 21 n.a. n.a.アーメダバード 59 20 6,426 2,252

プネー 30 10 6,652 2,331

スーラト 22 7 7,323 2,566

カンプール 22 6 5,347 1,874

州別GDP上位10州（2006）1USD=45.34INR

STATEGDP

(in Millions of USD)

INDIA 835,920

マハラシュトラ州 95,371

西ベンガル州 61,703

ウッタル・プラデッシュ州 52,060

アンドラ・プラデッシュ州 52,058

タミルナードゥ州 49,300

グジャラート州 47,481

カルナタカ州 37,657

ケララ州 29,276

チャッティースガル州 27,392

マディヤ・プラデッシュ州 26,154

5

総人口は約10億2,700万人。

複数の民族や言語が混ざった多様性国家、地域ごとに文化・習慣が異なる。都市部と農村部の差もいまだ大きく、経済格差も大きい。人口構成は若年層が多いピラミッド型構造であり、24歳以下が50％以上を占める。一人当たりGDPは2008年度で1,017USドル。

5

総人口 10億2,861万328人（2001年）

人口分布都市部：2億8,611万9,689人（28％）

農村部：7億4,249万639人（72％）

主な民族 アーリヤ人（北部）、ドラヴィダ人（南部）

公用語ヒンディー語

英語（準公用語）、その他政府認定21言語

宗教ヒンドゥー教、イスラム教

キリスト教、シーク教など

面積 328万7,263k㎡

地域区分28州と6つの連邦直轄地域を持つ

主には東西南北の４エリアに分割

GDP 約1兆725億USドル（2008年）

一人当たりGDP 1,017USドル（2008年）

■基礎データ

66.5 64.8 63.8

59.4 54.6

49.1 43.1

38.3 34.0

29.9 25.5

17.8 13.6

10.4 7.0 4.2 2.0 0.8 0.2 0.0 0.0

0 10 20 30 40 50 60 70 80

0-4

5-9

10-14

15-19

20-24

25-29

30-34

35-39

40-44

45-49

50-54

55-59

60-64

65-69

70-74

75-79

80-84

85-89

90-94

95-99

100+

61.3 59.3 58.3

54.6 50.2

45.3 39.7

35.2 31.4

27.7 23.9

17.4 13.9

11.3 7.9

4.7 2.3 0.9 0.2 0.0 0.0

0 10 20 30 40 50 60 70 80

■年代別人口構成(2005年)

出典:国連人口統計

男性 女性

出典:India Census, Marketing Whitebook 2009-2010, JETRO website等よりインフォブリッジ社作成

6

7

8

9

インドの消費市場は約3500億ドル（2015年に4150億ドルになる見込み）

その内約6割が食品・食品雑貨。

モダンリテール（組織化された小売業）のシェアは、４％（2012年に10%になる

見込み）ほとんどは、キラナと呼ばれるパパママストア。

（2006-07）

食品・食料雑貨 0.70%

飲料 3.10%

衣料品・

& 靴 18.50%

家具、服飾品 10.20%

ヘルスケア（医療機関以外） 2.10%

スポーツグッズ、エンターテイメント、本 16.00%

パーソナルケア 5.40%

宝石・時計 5.60%

トータルシェア 4.10%

出所：Technopak Advisors Pvt. Ltd.

モダンリテールのシェア（カテゴリー別）カテゴリー別シェア

(2006-07）

出所：Technopak Advisors Pvt. Ltd.

10

11

12

13

14

15

都市分布と都市の位置づけ都市分布と都市の位置づけ

• デリー／ムンバイなどの５大都市が人口規模、所得水準としては中心的なマーケットで

あるものの、Tier2, Tier3の一部都市（チャンディガル、ルディアナ等）については、平均

世帯年収がTier1を上回り、経済発展の波及がみられる。

15

■都市別人口と平均世帯年収

Delhi

Kolkata

MumbaiPune

400

350

300

250

200

150

100

50

0

Hyderabad

Chennai

Bangalore

Ahmedabad

Nagpur

Surat

Kanpur

Lucknow

Jaipur

JallandharChandigarh

Ludhiana

Fanidabad

AmntsarCombatore

Goa

0 2 4 6 8 10 12 14 16 18 20

Tier 1 Tier 2 Tier 3

出典：The Great Indian Middle Class NCAER

↑2000年平均世帯年収(単位：千ルピー）

2001年人口推計（単位：100万人）→

16

ニューデリー政治都市、日本人駐在員最大、トレンド発信、外食多い、

ノンベジタリアンも多いムンバイ金融・商業都市、富裕層最多、トレンド発信、ベジタリアン

が多いバンガロールIT都市、海外生活の経験のある人間が多い

チェンナイ製造業多い、日本人・韓国人増加中、タミル文化、ノンベジ

タリアンが多いコルカタ商業都市、親日派が多い

17Copyright-

JETRO

５大メトロチェンナイ（タミルナドゥ州）

ハイデラバード（アンドラ･プラデシュ州）

ナグプール（マハラシュトラ州）

コルカタ（西ベンガル州）

デリー（首都圏）

アーメダバード（グジャラート州）

スーラト（グジャラート

州）

ムンバイ（マハラシュトラ州）

バンガロール（カルナタカ州）

プネ（マハラシュトラ州）

主要都市間の距離

・デリー⇔ムンバイ1400km

・デリー⇔チェンナイ2100km

・デリー⇔コルカタ1400km

・ムンバイ⇔バンガロール1000km

・ムンバイ⇔コルカタ1990km

・チェンナイ⇔コルカタ1680km

・チェンナイ⇔バンガロール330km

分散する消費市場分散する消費市場

18

• インドの食品市場は1,820億USドル超（2008年

India Food Report (IBEF)）

• 食品製造業市場規模は約700億USドル（年率14%で伸長）

• 食品製造業は、以下の6カテゴリーに大きく分類される。

• Packaged food（加工食品）、Beverages（飲料）に関しては、企業参入率が80％

であり、Coca-cola、Pepsi-Coなど大手グローバル企業も参入してきている

出典: IBEF, September 2009

■食品製造業のセグメントと市場規模・伸長率

セグメント生産規模・金額

(2007–08)推定伸長率

（年）企業参入率

Dairy products（乳製品） 626億7,000万USドル 15% 15%

Fruits and vegetables（野菜・果物） 233万トン 20% 48%

Meat and poultry（肉類） 1,300万USドル 10% 5%

Fisheries（魚介類） 640万トン 20% N/A

Packaged foods（加工食品） 20億USドル 8% 80%

Beverages（飲料） 1億5,500万USドル 27% 77%

18

19

ベジマーク、ノンベジマーク

６０％ルール輸入時点で消費期限の有効期限が、もともとの消費期限の60%以上

残っていなければならない

グルタミン酸ナトリウムを含む場合This pack contains monosodium glucomate. Not suitable for children below 12 months

（この製品はグルタミン酸ナトリウムを含みます。12か月以下のお子様

には推奨できません。）

20

カレー主食 北：小麦 南：米ベジタリアンオイリースパイシーフレッシュへのこだわりハイティーの習慣ファーストフードがポピュラーに健康志向の高まり新しい食材、食習慣の受容

21

22

12億の人口

長期的な経済成長予測

若い人口構成

増大する中間層

底堅い内需

日本製品へのポジティブなイメージ

その一方で、

小売市場への参入規制

未発達なインフラ

広大な国土に分散する消費地

多民族、他言語、他宗教

日本と異なる消費パターン

不足する日本製品の情報

2050年に世界第 3位の経済大国に なると期待される。 可能性は大きい。

難しい市場。リスクも高い。

23

低価格の実現

インド人に訴求する味

インド人に訴求するパッケージ

プロモーション

インポーターとの信頼関係

24

即席味噌汁 顆粒 焼うどん おにぎりせんべい 焼そば 即席味噌汁 豆腐

343 個 146 個 140 個 135 個 111 個

24

現地小売価格：20MRP

（38円）

現地小売価格：225MRP

（433円）現地小売価格：175MRP

（337円）

現地小売価格：450MRP

（865円）現地小売価格：270MRP

（519円）

ショップで売上が良かったものも安い（手頃な）価格のものが多い。

現地生産FTAの活用を視野

サイズの少量化

既存製品の組み合わせ

25

0Rs.

1500Rs.

0個 20個 40個 60個 80個 100個 120個

みそ製品

スナック

麺類

海苔・梅干し

その他即席食品

ジュース

緑茶

デザート調味料類

ジャム

豆腐

シーフード

安価で数多く売れたもの

高価で販売個数が少なかったもの

価格の割に販売個数が少なかったもの

・スナック、麺類、みそ製品がよく売れた。・ジャム、ジュースはインドに類似品があり売れなかった。

⇒差別化できなかった・安価にも関わらず緑茶、海苔・梅干などの伝統的日本食が

味的に受け入れられず売れなかった。

25

26

• インド人になじみのある味・インド風へのアレンジ–

薄い味より強めの味（甘い、スパイシー）、醤油味、強い酸

味は控えめに–

ベジタリアン対応

• インド向けの新たなレシピの開発–

麺であればインドのスパイス・調味料を使ったレシピ、味

噌であればインドの食材と合わせたレシピ、などを開発し、 商品とともに紹介

–

調理済み食品であっても、一緒に添える食べ物などの工夫（例：ぜんざいにアイスクリーム、緑茶に砂糖（アジアでは一般的）

等）

27

『味がしない』

『もっとＳＰＩＣＹにすべき』

『ベジタリアンなので日本食のメニューを見ても何を選んだらいいか

分からない』

『日本料理はインド人にとって新しい料理』

（ジェトロモニタリング調査のコメント）

27

◆好まれる味：甘い、塩味がしっかりしているなど『はっきりした味』◆好まれない味：酸味、味が薄い、Spicyでない

◆好まれる食感：軟らかい、クリスピー◆好まれない食感：べたつく

28

商品名等の英文表記

–

日本語ではインド人のアイキャッチはできない

• 調理方法・食べ方の記載

–

調理時間、材料等を記載、材料はインドで入手できるものがあれば優

先して記載

–

食べ方の提案（例：お勧めのソース、他の食材との組み合わせなど）を

記載

価格を抑える＋お試しサイズの少量パッケージの開発

–

ミドル層にも入手しやすい金額・サイズを実現

中身が見える・分かるパッケージ・表示の採用

–

インド人にとってなじみのない食材は、中身が見える・分かる工夫が必

要（例：透明で中身が見える、完成品・使い方がビジュアル的にわかる

イラストなどの採用、等）

29

30

サプライヤーが主導するマーケットなので、プロモーションによる周知活動は非常に重要。ヤクルトもTVのコマー

シャルにボリウッド女優を起用し成功。

日本食レストラン、フードフェスティバルなどによる試食デモンストレーション

モール・ハイパーマーケットなど大規模モダンリテールでのプロモーション

テレビ番組、新聞、雑誌などマスメディアを利用した日本食の紹介

社交クラブにおける日本食の紹介・デモンストレーション

31

インポーターの役割が非常に重要なので、信頼のおける企業と 提携することが大事。

（インポーター選定のポイント）インド全土にネットワークを有している重要拠点に自社社員を配置している主要モダンリテールの他、キラナにもネットワークがある数字をきちんと報告するプロモーションの提案を自らしてくる

（インポーターとの付き合いのポイント）言われたことを鵜呑みにしない。任せきりにしない。徹底的に交

渉する。インドの事情について理解し、多少寛容になる。食事を する。日本に呼ぶ。

32

酒造メーカーが、インドのインポーターと契約。

味噌メーカーが、インド人用にベジタリアン対応のインスタント味噌汁を開発。近々、ムンバイ中心にインドマーケットに投入する予定。

調味料メーカーが、ジェトロの「輸出有望案件発掘支援事業」の対象に選ばれ、継続的にインド市場進出を検討。

33

ローソンがインド進出を検討（NNA報道より）

ヤクルトレディー ムンバイでも販売開始ムンバイの高級輸入食材スーパー（Nature Basket)でパックの寿司販売開始新しいトライデントホテル（BKC）に寿司カウンター

明治製菓の「ハローパンダ」（シンガポールからの輸入）が売れ行き好調。インド最大のリテールチェーン「BIGBAZAAR」がジェトロと組んで、日本ブランドのFMCG（加工食品含む）の試験販売を実施。（2010年11月から12月）

34

事業内容：インド主要4都市（ニューデリー、ムンバイ、バンガロール、チェンナイ）にて、日本ブランドのFMCG（低価格の消費者向け

製品）の試験販売を実施し、消費者モニタリング調査を行う。期間：2010年11月25日から12月末

提携スーパー：BIGBAZAAR参加企業想定：15社（ASEANで製造している日系メーカー）

製品数：60製品（1社あたり4SKU）

スーパーマーケット内外における消費者のモニタリング調査（店頭インタビュー、グループインタビュー等）

上記調査および販売結果をレポートにまとめて公表および参加各社にフィードバック（各商品につき100件程度の現地反応を収集

予定）。

http://www.jetro.go.jp/world/asia/in/events/20100712932-event

35

ご静聴ありがとうございました。

ジェトロ

ムンバイ事務所

飯田

康久

Yasuhisa_Iida@jetro.go.jp