勝てる フォーメーション2015年4月、これまでのグローバルビジ...

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デジタル・アドバタイジング・コンソーシアム株式会社 http://www.dac.co.jp/ 勝てる フォーメーション デジタルの未来を拓く Business Report 2015

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Page 1: 勝てる フォーメーション2015年4月、これまでのグローバルビジ ネス推進室を、新たに「グローバルビジ ネス本部」とし、海外子会社や拠点を統括

デジタル・アドバタイジング・コンソーシアム株式会社 http://www.dac.co.jp/

勝てるフォーメーションデジタルの未来を拓く

Business Report 2015

Page 2: 勝てる フォーメーション2015年4月、これまでのグローバルビジ ネス推進室を、新たに「グローバルビジ ネス本部」とし、海外子会社や拠点を統括

AAd FormatTTechnology

動画広告やネイティブ広告のビジネス基盤を固める

日本初の記事内動画広告ネットワーク

商品「DACプレミアムインリードビデオ

アドネットワーク」の提供開始、インター

ネットコンテンツが 活 用できるテレビ

“スマートテレビ”での動画広告配信ノウ

ハウをもつ米YuMe社との提携など、

2014年には動画広告の基盤整備を進

めた。また、ネイティブ広告領域での他社

との協業も加速している。

広告ビジネスを支える技術開発力

広告の運用効率を向上させながら、広告

収益の安定化と新しい広告フォーマットへ

の対応を可能にする統合プラットフォーム

「FlexOne®」やLINEビジネスコネクト

に対応した「DialogOne」を2014年に

開発。2015年3月には「広告の露出機会

を効率的に増大させる広告配信システム

に関する特許」を取得した。確かな技術

開発力がDACのビジネスを支えている。

DA

C T

OP

ICS

DA

C T

OP

ICS

DAC Business Report 0102 DAC Business Report

ほど、動画を使った広告展開が盛んに

なった年だった。YouTube

などの動画

メディアだけではなく、ショートムー

ビーやライブ配信による動画コミュニ

ティサービスや、テレビ局のネットでの

番組配信など、ネット上の動画コンテン

ツサービスが活況を呈し、それにとも

なって、動画を活用した広告も大幅に増

加した。「ユーチューバー」と呼ばれる

動画クリエイターや、そのチャンネルを

複数束ねたMCN(マルチチャンネル

ネットワーク)もメディアで注目され始

め、ニュースなどの記事コンテンツペー

ジの中で動画広告を表示する「インリー

ドビデオ広告」などの新しい手法も盛

んになっている。この流れは今後ますま

す加速しそうだ。

 

ネイティブ広告と呼ばれるフォー

マットが注目を集めるようになったの

も、この一年ほどの間の大きなトピッ

クである。「ネイティブ」という名称は、

ウェブサイトの記事やコンテンツと広

告が“自然に”一体化していることから

つけられたもの。このフォーマットの

最大の利点は、ユーザーが記事を読ん

だり、コンテンツを楽しんだりする一

連の能動的行為の中で広告を体験して

もらえる、という点にある。雑誌や新聞

のタイアップ企画に近い広告から、検

索と連動した広告、ECサイトの商品

リストに表示するタイプの広告まで、

表現方法はさまざまだ。

 

日本でインターネット広告がスター

トしてから18年あまり。2014年、つ

いにインターネット広告費は1兆円を

突破した。日本の総広告費に占める割合

は、およそ6分の1にまで達している。

 

その躍進を支えているのが、新しい広

告フォーマットやテクノロジーである。

2014年は動画広告元年といわれる

Business Report 2015

INDEX

DAC TOPICS

Key person discussion

勝てるフォーメーションー デジタルの未来を拓く ー

Lively scene

“勝てるフォーメーション”を支える力

TOP message

「30年先の未来」を見通してつくったCIそこに込められた思いとビジョン

業績概況

会社概要/株式状況

01

05

11

15

19

21

インターネット広告ビジネス

最新動向

日進月歩の勢いで進化を続ける

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P DPrize DataA GApplication Global

日本IR協議会選定の「IR優良企業奨励賞」を受賞

2014年11月、一般社団法人日本IR協議

会が選定する第19回「IR優良企業賞」に

おいて、DACはIR優良企業奨励賞を受賞。

経営トップが自ら経営戦略を説明するなど

IRを重視している姿勢や、事業環境の

変動が激しい中での安定した情報開示、

積極的なIR活動などが評価され、応募

企業261社の中から選出された。

広告取引におけるデータ活用が本格化

広告配信にデータを活用するためのDMP

(データ・マネジメント・プラットフォーム)

「AudienceOne®」のデータ量(UB

/ ユ ニ ー クブ ラ ウ ザ )が 4 億 U B を

突破した。さまざまな外部のプレイヤー

との連携を進め、ビッグデータを分析・

活用しながら広告主のマーケティング

課題を解決する。

グループ発のアプリが国内外で人気を集める

連結子会社のユナイテッドが提供する

アプリ「CocoPPa(ココッパ)」は、2015年

6月現在で、全世界での累計ダウンロード

数が4,000万DLを突破。「CocoPPa

Play」などの関連アプリもユーザーを増や

している。ほかに、ユーザー参加型のアイド

ル応援アプリ「CHEERZ(チアーズ)」も国

内外で人気を集めている。

グローバルビジネス本部を新設海外のビジネスを強化する

2015年4月、これまでのグローバルビジ

ネス推進室を、新たに「グローバルビジ

ネス本部」とし、海外子会社や拠点を統括

する体制を本格的に整えた。中国の北京

DAC、東南アジアのDACアジア、DAC

ニューヨークオフィスなど各国の拠点を

束ね、海外におけるビジネスの一層の

強化を目指す(詳しくは13ページ参照)。

DA

C T

OP

ICS

DA

C T

OP

ICS

2004 年 DAC 入社。ネット広告の効果検証などの取り組みを社内で牽引。最新のサービスやテクノロジーを活用した広告ビジネスの研究開発を推進する。共著書に『ネット広告ハンドブック』(日本能率協会マネジメントセンター)などがある。

まっている。また、DMP(データ・マネ

ジメント・プラットフォーム)を用い

て、さまざまなマーケティングデータ

を一元管理し、ユーザーの嗜好性や行動

を分析することで、広告配信やCRM、

自社のサービス、商品開発などあらゆ

るマーケティング施策ができるように

なるなど、アドテクノロジーが実現す

る領域は拡大の一途にある。

 

インターネット広告ビジネスは、日

進月歩の勢いで進化し続けている。常

に最新の技術、手法、モデルを取り入

れながら、広告主企業と生活者にデジ

タルの確かな価値を届けていくこと。

それがこの世界でトップランナーとし

て飛躍し続けるための条件だ。その取

り組みに終わりはない。

 

2014年8月には、インターネット

広告推進協議会(JIAA)において「ネ

イティブアド研究会」の活動が開始され、

ネイティブ広告の市場整備を目指し、運

用のガイドラインを策定・公開した。

 

広告メディアとして、依然、強い勢い

を誇っているのが、全世界に5億人を超

えるユーザーを抱えるLINEに代表

されるメッセージングサービスだ。ユー

ザーの母数が巨大であるばかりでなく、

ユーザーと企業との1対1のコミュニ

ケーションが実現できるということも

あって、数多くの企業が重要なマーケ

ティングメディアに位置づけている。最

近では、公式アカウントの各種機能を企

業向けにAPI(アプリケーション・プ

ログラミング・インターフェイス)で提

供し、カスタマイズして活用できるサー

ビスもスタートしている。

 

一方、アドテクノロジーの面では、生

活者のデータを活用しながら、プラッ

トフォーム上で広告枠や広告商品の取

引を自動で行うプログラマティックと

呼ばれる分野の進化がより一層進んで

いる。この技術を使った代表的な手法

が、オークション型の広告自動取引「リ

アル・タイム・ビッディング(RTB)」

だが、最近では、これまで“手売り”で取

引されていた純広告などをシステム上

で自動取引する「プログラマティックダ

イレクト」といった手法への期待も高

DAC Business Report 0304 DAC Business Report

プロダクト開発本部広告技術研究室長

永松範之

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DAC Business Report 0506 DAC Business Report

株式会社博報堂アイ・スタジオ代表取締役社長

平林誠一1985年、博報堂入社。デジタル領域のクリエイティブ専門会社として 2 0 0 0 年 に 設 立さ れた博報堂アイ・スタジオに移り、2003年に取締役に就任。2011年より現職。

株式会社アイレップ代表取締役社長CEO

紺野俊介EDSジャパン(現日本ヒューレット・パッカード)を経て、2003年にアイレップ入社。リスティング広告運用の体系化や、SEO(検索エンジン最適化)の手法の確立などを手がける。2009年より現職。

ユナイテッド株式会社代表取締役社長COO

金子陽三リーマン・ブラザーズ証券会社、VCドレーパー・フィッシャー・ジャーベットソン、アップステアーズ代表取締役などを経て、ユナイテッドの前身の会社の取締役に就任。2012年より現職。

デジタル・アドバタイジング・コンソーシアム株式会社取締役 常務執行役員COO

島田雅也1990年、博報堂入社。2000年に当社に入社し、2006年に取締役に就任。戦略統括本部長や営業本部長を経て、2014年より現職。

市場は極めて小規模でした。その

後、インターネットが爆発的に普

及していく中で、デジタル技術は

人々にとって欠かすことのできな

いインフラとなりました。デジタ

ル技術があらゆる領域に広がりつ

つある社会。それを私たちは「デ

ジタル社会」と呼んでいるわけで

すが、まずはそれぞれの立場から

デジタル社会の現状を見る視点と、

そこにおける各社の役割について、

考えを聞かせてください。

紺野 

広告のフォーマットやデバ

イスが多様化していることと、デ

ジタル技術の進化が加速している

こと。その2点に私は着目してい

ます。アイレップが得意とする運

用型広告は、広告主と生活者とを

結びつける方法を最適化した広告

といえます。その最適化のあり方

は、フォーマット、デバイス、技

術が進化していく中で、常に変化

していくものです。環境の変化に

合わせて、新しいやり方にチャレ

ンジし続けていくことが私たちア

イレップの重要な役割である。そ

う考えています。

金子 

Google

、Apple

、Amazon

Facebook

、Twitter

など、グロー

バルにサービスを展開するプラッ

トフォーマーの影響力が年々大き

くなっていると感じています。ユ

ナイテッドはスマートフォンに

デジタル社会の

「いま」を見る視点

島田 

DACがスタートした19

96年当時、日本のインターネッ

ト広告市場、デジタルビジネスの

Key persondiscussion

M e d i a(メディア)

生活者へのサービス提供

D A S(Divers i f ied Advert i s ing Serv ice)

テクノロジー、クリエイティブ、ソリューションの提供

A g e n t(エージェント)

媒体社、広告会社との取引

勝てるフォーメーションデジタルの未来を拓く

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タ、情報といった資産を組み合わ

せる体制を整備して、より大きな

シナジーを生み出すことが必要に

なるのではないでしょうか。

島田 

それぞれの企業が独自に取

り組む部分と、グループ共通の資

産として活用・強化していく部分

の両立が、より一層求められます。

環境変化の中で、これまでの形に

縛られることなく、グループとし

てのパワーを発揮できる戦略や行

動がとても重要になってくるのだ

従来の制作を超える「超制作」、従

来の広告を超える「超広告」を志

向していかなければならない。そ

う考えています。

個々の実力を磨きながら

最適なフォーメーションを追求

島田 

この15年ほどの間にさまざ

まな関連企業が誕生し、我々がD

ACグループと呼ぶ企業群が形成

されてきました。現在では、連結

ますが、これらが普及したことで、

デジタルはいよいよ水や空気のよ

うに「あって当たり前」のものに

なりつつあります。デジタルとア

ナログ、あるいはリアルとバー

チャルといった区分けや、広告、

販促、販売といった異なるビジネ

ス領域が、デジタルという傘のも

とで混然一体になりつつあるのが

現在なのだと思います。私たち博

報堂アイ・スタジオは、これまで

主に広告クリエイティブを手がけ

てきましたが、これからの時代は、

しながら、技術開発などの部分で

グループ内の連携を進めていくこ

とがより重要になると思います。

紺野 

同感です。これまでも、案

件ごとに企業間で協力し合ったり、

セミナーを共同開催したりするな

どしてグループシナジーを発揮す

ることはできていたと思います。

また、相互に社員の出向を行うこ

とで、人材の交流も図ってきまし

た。今後は、これまで個々の会社

が個別に蓄積してきた技術、デー

フォーカスしたビジネスを主に展

開しているわけですが、スマート

フォン向けのアプリや広告サービ

スを提供していく中で、それらの

プラットフォーマーとどのような

関係をつくり、ユーザーやビジネス

パートナーに向けた価値をどのよ

うに最大化していくか。それが目

下の課題の一つですね。

平林 

スマートデバイス、ソー

シャルネットワーク、クラウド

サービス。この3つをまとめて、

私は「スマソークラ」と呼んでい

と思います。

平林 

私は、新しいトライアルが

柔軟にできることが、このグルー

プの大きな強みであると考えてい

ます。新たな広告フォーマットや

クライアントからの新たなニーズ

が次々に生まれてくる中で、顧客

価値、ユーザー価値を最大化する

ために、これまでになかった協業

の形やユニットをフレキシブルに

つくることができる。その強みを

今後も大切にしていきたいですね。

紺野 

グループ各社の業務内容が

変化したり、業務領域が拡大した

りする中で、企業間に業務の重複

が生じている面もあります。今後

は、グループ全体を俯瞰するよう

な視点をもちながら、組織全体の

最適化を図っていくことも求めら

れると思います。

の総社員数は約2000人に上り

ます。このグループの力を最大化

していくにはどのようなフォー

メーションをとっていくべきだと

考えていますか。

金子 

ここにいる4社を含む各グ

ループ企業がそれぞれの領域でビ

ジネスの成果を上げることで、日

本のインターネット広告業界の拡

大と発展に寄与してきたのは確か

だと思います。これからは、個社

の業績向上をこれまで同様に追求

DAC Business Report 0708 DAC Business Report

各社の資産を組み合わせ柔軟な変化対応力を

Key persondiscussion

技術環境変化

競争環境変化

市場環境変化

スマートデバイス、クラウドサービスの

普及など

グループの総合力で

変化に対応

グローバルに展開するプラットフォーマーの

影響力など

IoT(インターネット・オブ・シングス)の広がりなど

DACグループ

勝てるフォーメーションづくりが重要

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金子 

グループが持っているポテ

ンシャルという点で見れば、イン

ターネット広告やデジタルビジネ

スのかなりの領域をカバーできて

いますよね。そのポテンシャルを

グループ全体でより効率的に生か

していくための体制づくりにチャ

レンジすることが重要なのだと思

います。

島田 

そのようなポテンシャルが発

揮された例として、中国でのビジネ

ス展開が挙げられます。中国では、

デジタル技術の普及と経済成長が

DAC Business Report 0910 DAC Business Report

デジタル社会にあらゆる角度からアプローチできるそれが DACグループの大きな強み

DACグループ 連結子会社

Key persondiscussion

リス ティング 広 告 を 中 心 とし た 運 用 型 広 告 、S E O 、コン テ ンツマーケティング 、W e b 解 析 などのデジタルマーケティング 事 業

スマートフォンアプリ事業、アドテク事業を展開

インターネット広告領域全般における企画制作、システム開発、CRM事業

インターネット広告取引のプラットフォームサービスの提供

インターネット広告におけるスケジュール管理、送稿、掲載確認などの進行管理業務

オウンドメディアのソーシャル化プラットフォーム「GIGYA」およびソーシャルメディアの活用支援サービスを提供

ス マ ートフォンアプリケ ーション のメディア 事 業 と広 告 プ ラットフォーム事業

中国におけるインターネット広告事業

東 南 アジア 地 域 に お ける、インター ネット広 告 の 戦 略 立 案 、事 業開発、市場リサーチ、グループ各社のアジア進出の支援

東南アジア地域における、統合デジタルマーケティングソリューションなどの提供

株式会社アイレップ

ユナイテッド株式会社

株式会社博報堂アイ・スタジオ

株式会社プラットフォーム・ワン

株式会社アド・プロ

株式会社トーチライト

株式会社Bumblebee

北京迪愛慈広告有限公司(北京DAC)

DAC ASIA PTE. LTD.(DACアジア)

I-DAC PTE.LTD.( i -dac)

“エコシステム”を

円滑に循環させる

島田 

デジタル社会の展望と、そ

こで私たちが果たしうる役割につ

いても意見を聞かせてください。

平林 

ここ数年で、IoT(イン

ターネット・オブ・シングス)が

いよいよ現実味を帯びてきました。

IoTとはあらゆるものがイン

ターネットにつながるということ

であり、それはすなわちあらゆる

ものが広告メディアになり、販売

チャネルになりうるということで

す。これまでデジタル広告といえ

ば「液晶の中のビジネス」でした

が、今後、私たちが勝負をする

マーケットは液晶を飛び出して、

あらゆるところに展開していくこ

とになります。そうなったときに、

クリエイティブの力、テクノロ

ジーの力がこれまで以上に試され

ることになるし、グループの

フォーメーションの力もより大切

になるのではないでしょうか。

金子 

90年代後半以降、デジタル

技術は考えられないくらいの進化

を遂げてきましたが、この流れは

まだまだ続くと考えています。そ

れがどのような進化となるかを見

通すことは難しいし、生活にどの

ような変化をもたらすかも未知数

だと思います。しかし、わからな

同時に進んでおり、インターネット

広告ビジネスのプレイヤーに非常

に幅広い機能やサービスが求めら

れる状況があります。その中で我々

は、北京DAC、北京アイレップ、

北京i-studio

の現地3法人の連携

によって、そのニーズに応えること

ができている。これが可能な企業グ

ループは、かなり限定されていると

思います。このような経験は、日本

国内はもとより、ASEANなどの

新市場でも今後生かされていくは

ずです。

いからこそチャンスがあるともい

えます。大きな変化の中でその都

度ビジネスチャンスをつかんでい

くことが重要だし、変化に追いつ

くだけでなく、変化を自ら起こし、

世の中を牽引していくような存在

でありたい。そう考えています。

紺野 

かつて、マスメディアとデ

ジタルメディアの間には一線が引

かれていましたが、あらゆるメ

ディアがデジタル化していく中

で、デジタルがマスメディアを包

含する時代になりつつあります。

そのような時代にあって、デジタ

ルマーケティングの長い経験をも

つDACグループが担える役割

は、今後ますます大きくなってい

くと思います。デジタル社会に

トータルな価値を提供していける

グループ、日本を代表するような

デジタルマーケティンググループ

になることを目標にしていきたい

と思っています。

島田 

デジタル社会は一種のエコシ

ステムです。一般の生活者は常に安

くて便利なデジタルサービスを求め

ているし、広告主や媒体社は、デジ

タルを活用した生活者とのコミュニ

ケーションの可能性をさらに追求し

たいと考えています。そのエコシス

テムをより円滑に循環させること

が、デジタル社会全体の発展につな

がるのだと思います。DACグルー

プの強みは、そのエコシステムにあ

らゆる角度からアプローチできる機

能や技術や人材を持っている点にあ

ります。デジタルのエコシステムを

活性化できるエキスパートとして最

大限の力を発揮できるよう、タイミ

ングや環境をとらえて、いつでも柔

軟に「勝てるフォーメーション」へ

と組み替えていけるグループの

あり方を今後さらに強めていき

たいですね。

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DAC Business Report 1112 DAC Business Report

D A C の ビジ ネ ス は 、若 手 の 社 員 によって 支 えら れ てい る 。

各 部 門 の ビジ ネ ス を 中 心 で 担う若 手 社 員 た ち に

担 当 業 務 や 仕 事 に か け る 思 い に つ い て 語ってもらった 。

“技 術 の D A C ”を支えるプロダクト開 発 のプロ

媒体 社 向 け の さまざ ま なソリュー

ションを 束 ね るプラットフォ ー ム

「FlexOne®」。“技術のDAC”を

象徴するこの商品の開発責任者を務めるのが

黒 田 英 二 だ。媒 体 社、広 告 主 の 双 方 に 向き

合う立ち位置でそれぞれのニーズをくみ取り、

最適な広告展開を技術的に支える役割を担う。

「最新のテクノロジーを追求しつつ、お客さま

の立場に立ったソリューションを提供すること

で、信頼関係を築いています」と話す。

動 画 広 告 の 方 法 論を確 立していきた い

本格的な普及元年といわれる動画広

告。中本大介は、そのセールスを担

当する部 門を 率 いる。「 動 画 広 告

は、媒体社の収益を向上させ、広告主のメッ

セージを豊かにする力がある」と話す。動画コ

ンテンツ内で動 画 広 告を 表 示する「インスト

リー ム」や、ニュ ー スな ど の 記 事 コンテンツ

ページの中で動画広告を表示する「インリード

ビデオ」など手法が多様化する分野だ。「効果

測定を含めた動画広告の方法論を確立するこ

とがこれからの目標です」。

業 務を支えるシステムをカスタムメイドで構 築する

入社 以 来、テクノロジー サー ビスの

営業、運用、開発を経験。現在は、

大手総合広告会社の業務システム

開発を担当している鈴木幸絵。「変化し続ける

市場や業務内容に合わせて、柔軟性とスピー

ドを重視した開発を行い、インターネット広告

に携わる私たちだからできることをしたい」と

話す。システムに“完成”はない。改善を加え

ながら、ユーザーがより使いやすい機能や仕

組みを日々追求し続けている。

Lively scene

“勝てるフォーメーション”を

支える力

プロダクト開発本部シニアマネージャーFlexOne開発部マネージャー

黒田英二

広告効果を上げるだけでなく、生活者の心を捉

える広告表現を支える技術を提供していくこと。

それが私たちの役割です。

テクノロジーサービス本部システム開発部

鈴木幸絵

新しい技術をどんどん取り入れて、お客さまの

ビジネスの拡大に貢献できる優れた製品をこれ

からもつくっていきたいと思います。

メディアサービス本部メディアセールス局 第四メディア部マネージャー

中本大介

チャンスを逃さないよう、挑戦し続けていき

たいと考えています。自分のレベルを上げて、

貢献できる領域を増やしていきたいですね。

■ プロダクト開 発 ■

■ 動 画 広 告 ■

■ 受 託 開 発 ■

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USA

SoutheastAsia

China

DAC Business Report 1314 DAC Business Report

「世界で一番変化が激しい市場」で成長を続けるために

 2005年の設立以来、北京、上海を中心にインターネット広告ビジネスを展

開してきました。中国の主要都市では、この1、2年ほどでデジタル環境が世界

基準に達しつつあり、日本の水準を超えるサービスも登場しています。この「世

界で一番変化が激しい市場」でビジネスを成長させていくには、DACの技術

力やグループ力を駆使し、競合を超えるサービスやソリューションを提供して

いかなければなりません。これまで、市場の成長に合わせて業績を拡大させて

きましたが、設立10年を経て、いよいよ急角度の成長を目指すべき段階に

入ったと考えています。向こう5年間が勝負の時期となるでしょう。

東南アジアのインターネット広告市場でシェア拡大を目指す

 現在、シンガポール、マレーシア、タイ、インドネシアのASEAN4カ国に拠点

を構えてビジネスの拡大を進めています。一口にASEANといっても、国によっ

てデジタル環境は大きく異なります。私が働くインドネシアのインターネットの

普及率は3割から4割程度で、広告市場におけるインターネット広告の割合も

まだまだ小さいのが現状です。その分、これからの成長に大いに期待できる市

場でもあります。各国で現地のビジネスパートナーとの戦略的協業を進めなが

ら、中長期的には東南アジア全体のインターネット広告市場の1割のシェアを

まずは獲得すること。それがi-dacの現在の目標です。

i - d a cインドネシア

北京 D A C中国

取締役

松井喬介総経理

奥貞 広

DACは、日本で最もアドテクノロジーに秀でた

会 社 だと考えています。その 強 みを海 外でも

どんどん生かしていきたいですね。

グローバルビジネス本部長

菅沼道彦

会社にとって有益なものを見極める目を持ち、

会社の業績に貢献できるよう、これからもスキ

ルを磨いていきたいと思います。

グローバルビジネス本部グローバルアライアンス戦略部

荒川五香

グロー バ ルビジネス本 部 設 立海 外 展 開 は 新 た な 段 階 へ

D A Cグループのグローバルビジネ

スは2015年、新 たなステージに

入った。この4月、世界各国の拠点

を一元的にマネジメントする「グローバルビジ

ネス本部」が発足。統合的な海外戦略を推進

する体制が本格的にスタートした。

「この新たな体制のもとで、今後、一体的かつ効

率的なグローバル展開が加速していくことにな

ります」。そう話すのは、初代本部長に抜擢され

た菅沼道彦だ。2006年のDAC入社以来、一

貫してグローバルの仕事に携わってきた。

「プレッシャーの大きなポジションですが、国内

外のいろいろな仲間やお客さまと仕事ができ

る恵まれた立場であると捉えています。スピー

ドと柔軟性をもって、どんどん新しいビジネス

領域を開拓していきたいですね」。

 DACグループが現在拠点を構えるのは、中

国、東南アジア、米国の3地域である。中国で

は北京DAC、北京アイレップ、北京i-studio

が三位一体となってビジネスを行っている。東

南アジアでは、DACアジアが 全体のビジネス

を統括し、i-dacが各国で具体的な事業を展

開する体制を整備している。一方、最新のデジ

タル技術や広告技術の調達先と位置づけられ

ているのが米国だ。

 現在、米国をはじめとして、ヨーロッパ、ロシ

ア、イスラエルなどからのいわば「輸入業務」

を担当しているのが、グローバルアライアンス

戦略部の荒川五香である。

「海外の最先端をいくビジネスや技術を調査・

研究し、自社商品の品質向上や最先端企業と

の提携などを進めるのが私の部署の役割で

す。一種の“デジタル商社”の機能を持つセク

ションといえますね」。

 広告配信、広告フォーマット、トラッキング、

デー タマネジメントな ど、アドテクノロジー の

各領域に精通する専門家が社内にいるのが

DACの大きな強みであると荒川は言う。

「そのノウハウや知見を生かして、これからも

最適なパートナーやソリューションを海外に見

出していきたいと考えています」。

 グロー バルビジネス本 部 の 長 期 的 な 目 標

は、グループ全体の売上に占める海外比率を

高め、DACグループを真のグローバル企業に

育てていくことだ。

Lively scene

China●北京DAC(北京、上海)

●北京i-studio(北京、上海)

●長春アド・プロ(長春、大連)

●北京アイレップ(北京)

Southeast Asia●DACアジア(シンガポール)

●i-dac(シンガポール、マレーシア、タイ、インドネシア)

●Innity(マレーシア、シンガポール、インドネシア、 タイ、ベトナム、フィリピン、中国、香港、台湾)

●PT DATA ARTS XPERIENCE(インドネシア)

●PT.DIGITAL MARKETING INDONESIA (インドネシア)*アイレップの子会社

●MOORE ONLINE DEVELOPMENT SOLUTIONS CORPORATION(ベトナム) *アイレップの子会社

USA●DACニューヨークオフィス

■ グロー バ ル ■

Page 9: 勝てる フォーメーション2015年4月、これまでのグローバルビジ ネス推進室を、新たに「グローバルビジ ネス本部」とし、海外子会社や拠点を統括

デジタルが社会全体を

つなごうとしている

矢嶋 

2011年にCI(コーポ

レートアイデンティティ)を一新

するプロジェクトをスタートさせ

ようと考えたとき、「永井さんにこ

のプロジェクトに並走してもらお

う」と思いました。新しいCIは、

未来のDACを担う若い社員たち

にぜひとも考えてほしかった。ボ

トムアップで新しいビジョンをつ

くり出すことにこそ意味があると

思ったからです。しかし、そのため

には強力な伴走者がいる。そう考

えてすぐに頭に浮かんだのが、永

井さんの名前でした。

永井 「現場の社員にDACの未

来を自分のこととして考えてほし

い」と矢嶋さんはおっしゃってい

ましたよね。しかし、プロジェクト

が始まった頃は、発想のジャンプ

ができず、あまり大きなビジョン

は出てきませんでした。「もっと

広い視野でアイデアを出していき

ましょう」とメンバーの皆さんに

ご提案したのをおぼえています。

矢嶋 

ええ。確かに最初は近視眼

的なアイデアばかりでした。「30年

先のことを見通して考えようよ」

と私からもメンバーたちに伝え

て、それから徐々に発想が広がっ

ていきました。結局、スローガンが

決まるまで、半年かかりました。

永井 

その後、そのスローガンの

エッセンスを生かしたステートメ

ントをつくり、最後にロゴマーク

をつくりました。最終的に、足掛け

1年という長いプロジェクトに

なってしまいましたね。

矢嶋 

でも、時間をかけただけのも

のが出来上がったと思います。特

に、最近になってこのスローガンと

ステートメントの価値はますます

高まっているなと。新CI後の3年

で社会全体がいよいよデジタル化

してきて、IoT(インターネッ

ト・オブ・シングス)という言葉も

しばしば耳にするようになりまし

た。スマートフォンの普及が一気に

進んだのも、ここ数年のことです。

広告やインターネットビジネスと

いう領域を超えて、まさにデジタル

が社会全体をつなごうとしている。

このスローガンとステートメント

は、そのような現状を極めて的確に

表現しています。永井さんにお願い

して本当によかったです。

永井 

ロゴマークは、確か4、5案

をご提案した中から選んでいただ

きました。

矢嶋 

私も含め、現在のロゴマーク

の案の支持者が最初から一番多

かったですよね。力強くて、勢いの

あるいいデザインだと思いました。

永井 

デジタルが社会全体にビル

DAC Business Report 1516 DAC Business Report

TOP message

「30年先の未来」を 見通してつくったCIそこに込められ た思いとビジョン

2012年10月、DACはCIを一新。CIを手がけたHAKUHODO DESIGNの永井一史氏とDACの矢嶋弘毅が語り合った。

矢嶋弘毅永井一史デジタル・アドバタイジング・コンソーシアム株式会社代表取締役社長CEO

一橋大学社会学部卒業後、1984年に博報堂入社。研究開発部門、マーケティング部門などで研究調査や広告戦略プランニングに携わる。1996年、DAC設立と同時に代表取締役社長就任。2001年、ナスダック・ジャパン(現JASDAQ)に上場。博報堂DYメディアパートナーズ、アイレップ、ユナイテッドをはじめとするグループ企業などの取締役のほか、インターネット広告推進協議会(JIAA)副理事長、新経済連盟幹事なども務める。

株式会社HAKUHODO DESIGN代表取締役社長

多摩美術大学美術学部卒業後、1985年に博報堂入社。2003年、デザインによるブランディングを行う

HAKUHODO DESIGNを設立。数々の企業の商品、ビジョン、

コミュニケーション、プロジェクトなどのデザインを幅広く手がけている。

社会的課題の解決に取り組む「+designプロジェクト」を主宰するなど、

ソーシャル領域での活動も多い。多摩美術大学美術学部統合デザイン学科の教授も務める。

K A Z U F U M I N A G A I H I R O TA K E YA J I M A

Page 10: 勝てる フォーメーション2015年4月、これまでのグローバルビジ ネス推進室を、新たに「グローバルビジ ネス本部」とし、海外子会社や拠点を統括

デジタルの力によって、

世界は驚くべき速さで変化し、

多様化し続けています。

デジタルは、仕事のスタイルを変え、

ビジネスの仕組みを変え、

さらに社会のあり方までも

大きく変えようとしています。

これからも、誰もが夢見たことや、

誰も思いもつかなかったものが

デジタルを通じて、

一つずつ現実となっていくでしょう。

私たちDACの使命。

それは、このデジタル社会の未来に、

活力を与えること。

これからのデジタル社会をよりアクティブにし、

デジタルの更なる可能性を

切り拓いていくことです。

実現するのは、

ネットビジネスの先駆者として培った経験と、

デジタルエキスパートとしての知見が生み出す、

未来を見据えた創造性ある提案力。

そして、それを裏づける技術力。

また、日々変化するデジタル社会に

対応できるフレキシビリティもDACの強みです。

私たちは約束します。

まだ見ぬ人と人、

企業と企業がデジタルを通じてめぐり逢い、

共に新しい夢を描ける社会をつくっていくことを。

すべての人が、デジタルで

新しい幸せを見つけられるように。

のメッセージを「どう伝えるか」と

いう点は、新しい技術、新しいメ

ディア、新しいデバイスが続々と

登場することによって、どんどん

刷新されていくでしょう。

 

例えば、いわゆるビッグデータを

集積し、解析する技術はある。では、

そのデータをどう有効に活用する

か。そこがこれからの大きなチャレ

ンジとなります。そのようなチャレ

ンジに、永井さんのようなクリエイ

ティブのプロフェッショナルにも

関わってほしいと考えています。テ

クノロジーとクリエイティブをう

まく組み合わせれば、「何をどう伝

えるか」の可能性はぐっと広がるに

違いありません。

永井 

合理的なデータと感性に訴

えるクリエイティブは、一見相反す

るもののように見えますが、「伝え

る」という点において融合できる。

そう考えると、わくわくします。

矢嶋 

デジタルには効率性を高め

るだけでなく、生活を豊かにした

り、人々の感性に刺激を与えたりす

る力もある。そこには無限の可能性

があります。その可能性を私たちは

絶えず追求しなければならない。守

りに入った瞬間に市場から追い出

されてしまう。そのくらいの意気込

みをもって、これからも挑戦し続け

たいと思っています。

DAC Business Report 1718 DAC Business Report

は、日々進化を続けています。今

後、広告においてもインターネッ

トビジネスにおいても、新しい領

域がどんどん切り拓かれていくは

ずです。その絶えざる変化の中で、

私たちDACはどのような本質を

保つべきか。その問いに対する答

えは、「自ら変化し続ける能力を持

つこと」だと私は考えています。

永井 「変われる能力」を変わらず

持ち続ける、ということですね。

矢嶋 

ええ。その力がないイン

ターネットビジネスのプレイヤー

はこれまでも次々に淘汰されてき

たし、これからも淘汰されていく

でしょう。

永井 

一方で、食事をして、睡眠

をとって、仕事をして、という

人々の基本的な生活は変わって

いないし、感情や感覚も、おそら

く1000年以上前から変わっ

ていないと私は思います。人間が

もつそのような普遍性と、絶え間

なく変化していくデジタルの技

術。その両方を踏まえて新しいア

イデアを生み出していくことが、

私たちには求められているのだ

と思います。

矢嶋 

広告の根源にあるのは「何

を伝えるか」ということです。その

本質的なメッセージを考え抜く行

為が重要なのは、これからの時代

も変わらないでしょうね。一方、そ

トインされていこうとするこの時

代には、どんなデザインがふさわ

しいか。そんなことを考えながら、

時間をかけて案を練りました。デ

ジタルは特別なものではなくなり

つつあるが、一方でデジタルなら

ではのスピード感やスマートさ、

パワフルさというものもある。そ

のバランスを考えた結果がこのデ

ザインです。

矢嶋 

未来に向けて伸びていくイ

メージを、たいへん上手に表現し

ていただいたと思います。イベン

トなどでも、このロゴはすごく目

立つんですよ(笑)。

「変われる能力」を

変わらず持ち続ける

永井 

DACはこれからもデジタ

ル革命の担い手であり続ける

─。

それが現在のCIが表現している

一つの本質であると私は考えて

います。スティーブ・ジョブズは、

生前、「デジタル革命は、向こう

100年間は続くだろう」と語った

といいます。つまり、20世紀末に始

まったデジタル革命は、現在もまだ

初期段階にすぎないということで

す。デジタルがもつ可能性は、おそ

らく私たちの想像を絶するような

ものなのだと思います。

矢嶋 

そうですね。デジタル技術

DACはこれからもデジタル革命の担い手であり続ける

TOP message

Page 11: 勝てる フォーメーション2015年4月、これまでのグローバルビジ ネス推進室を、新たに「グローバルビジ ネス本部」とし、海外子会社や拠点を統括

5年間の主要財務データ

【 2014年度の業績 】

 2014年度のインターネット広告市場は、前年度に引き続き

広 告 市 場 全 体 の 伸びを上 回る成 長が 続き、1兆519 億 円と

総広告費の17.1%を占める規模となりました。特に、データを

活用した広告配信が浸透し、運用型広告は大きく増加しました。

また、PC、スマートデバイスともにブランディングを目的とし

た動画広告やリッチ広告の活用が本格化しました。メッセージ

ングサービス、キュレーションメディアなどの新しいメディアの

成 長 や 、ネイティブ 広 告をはじめとした 新しい 広 告 手 法 の

広がりもあり、スマートデバイス市場は引き続き成長しました。

 このような環境の下、DACグループは、主力のディスプレイ

広告において媒体社との協業により、新たな広告フォーマット

の開発・標準化を進めるなど市場の活性化を図り、また運用

型広告やスマートデバイス広告など成長分野の売上拡大に

努めてまいりました。

 その結果、2014年度の業績は、売上高1,174億円(前年比

12%増)、営業利益22.4億円(同13%増)、経常利益25.1億円

(同25%増)と、増収増益を達成いたしました。なお、前年度

第2四半期に関係会社株式の売却による特別利益を計上した

ことから、当期純利益は前年比マイナスの10.5億円となって

おります。

【 配当方針 】

 当社は、株主の皆様に対する利益還元を充実させることを

経営の重要課題と認識しており、中長期的な企業価値の向上

を目指し、資金需要の状況、業績の動向等を総合的に勘案しな

がら、安定した配当を継続的に実施したいと考えております。

 配当については、年1回(期末配当)を基本方針としており、

2015年3月期(第18期)の期末剰余金の配当は、前期より2円

増配の1株当たり8円といたしました。

主要指標推移

■売上高

(単位 : 百万円)

0

20,000

40,000

60,000

80,000

100,000

120,000

0

500

1,000

1,500

2,000

2,500

3,000

(単位 : 百万円)

■営業利益/オペレーティング・マージン

0

3,500

3,000

2,500

2,000

1,500

1,000

500

(単位 : 百万円)

■経常利益

(単位 : 百万円)

■当期純利益/ROE

0

2

4

6

8

(単位 : 円)

■1株当たり配当金※2

0

25

20

15

10

5

(単位 : %)

0

20

15

10

5

0

2,500

2,000

1,500

1,000

500

(単位 : %)

2010年度(16ヵ月)※1

2011年度 2012年度 2013年度 2014年度

2010年度(16ヵ月)※1

2011年度 2012年度 2013年度 2014年度

2010年度(16ヵ月)※1

2011年度 2012年度 2013年度 2014年度 2010年度(16ヵ月)※1

2011年度 2012年度 2013年度 2014年度

2010年度(16ヵ月)※1

2011年度 2012年度 2013年度 2014年度

百万円売上高 117,463

百万円経常利益 2,518百万円

営業利益

オペレーティング・マージン 13.72,246

百万円

当期純利益

ROE 7.31,050

円1株当たり配当金 8

20,000

15,000

10,000

5,000

0

30

20

10

0(単位 : 百万円) (単位 : %)

■売上総利益/売上総利益率2010年度(16ヵ月)※1

2011年度 2012年度 2013年度 2014年度

百万円

売上総利益

売上総利益率 14.016,400

※1 2010年度は、決算期変更に伴い2009年12月1日から2011年3月31日までの16カ月間の変則決算となっております。※2 2013年4月1日付で普通株式1株につき100株の株式分割を行っております。2012年度以前につきましては、当該株式分割が行われたと仮定して、配当金を記載しております。

DAC Business Report 1920 DAC Business Report

業績概況

※1 2010年度は、決算期変更に伴い2009年12月1日から2011年3月31日までの16カ月間の変則決算となっています。※2 オペレーティング・マージンは、売上総利益に対する営業利益の比率を表示しています。※3 2013年4月1日付で普通株式1株につき100株の株式分割を行っております。2012年度以前につきましては、連結会計年度の期首に当該株式分割が行われたと仮定して、

1株当たり当期純利益を算定しています。※4 2013年4月1日付で普通株式1株につき100株の株式分割を行っております。2012年度以前につきましては、当該株式分割が行われたと仮定して、配当金を記載しております。

2010年度 2011年度 2012年度 2013年度 2014年度

会計年度(百万円)

売上高 77,943 82,785 96,319 105,335 117,463売上総利益 12,304 11,783 14,188 14,392 16,400販売費及び一般管理費 9,396 9,548 12,530 12,411 14,153営業利益 2,908 2,234 1,658 1,980 2,246経常利益 3,018 2,295 1,704 2,017 2,518当期純利益 1,745 1,369 804 2,022 1,050

会計年度末(百万円)

純資産 12,792 16,453 16,472 20,045 22,998総資産 24,107 31,545 31,344 37,499 43,897

1株当たり(円)

当期純利益※3 33.18 27.27 16.57 41.66 21.64配当金※4 7 6 6 6 8

比率(%)

売上総利益率 15.8 14.2 14.7 13.7 14.0オペレーティング・マージン※2 23.6 19.0 11.7 13.8 13.7自己資本比率 45.3 34.1 36.0 35.7 34.7ROE 17.4 12.6 7.3 16.4 7.3

※1

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社   名

設 立

資 本 金

所 在 地

役 職 員 数

事 業 内 容

デジタル・アドバタイジング・コンソーシアム株式会社

1996年12月2日

4,031百万円

【東京本社】〒150-6033東京都渋谷区恵比寿四丁目20番3号 YGPタワー33FTEL: 03-5449-6300 FAX: 03-5449-6301

【関西支社】〒530-0003大阪府大阪市北区堂島一丁目2番5号 堂北ダイビル6FTEL: 06-4797-9223 FAX: 06-4797-9224

【中部支社】〒460-0008愛知県名古屋市中区栄三丁目4番15号 鏡栄ビル4FTEL: 052-249-3340 FAX: 052-249-3341

【九州支社】〒810-0073福岡県福岡市中央区舞鶴一丁目1番3号 リクルート天神ビル5FTEL: 092-406-3351 FAX: 092-406-3361

【ニューヨークオフィス】C/O ARCtangent. Inc.55 Broad Street 18th Floor New York,NY 10004-2501 USA

単体:319名 連結:1,986名(役員、臨時雇用者、出向者を含む)

○インターネット等デジタルネットワーク上の広告スペースの購入、販売○インターネット等デジタルネットワークを利用した広告、マーケティング プロモーション、PR活動の企画、運営、コンサルテーション○インターネット等デジタルネットワーク上の広告に関する効果の調査受託○インターネット等デジタルネットワークを利用した広告に関する情報提供 サービス及び研究開発、情報システムの販売 ほか

取 締 役

監 査 役

代表取締役社長執行役員CEO

取締役常務執行役員COO

取締役常務執行役員CMO

取締役常務執行役員CFO

取締役執行役員DACアジア担当

取締役執行役員CRO

取締役

取締役

取締役

社外取締役

社外監査役(常勤)

監査役

社外監査役

矢 嶋 弘 毅

島 田 雅 也

徳 久 昭 彦

大 塔 達 也

寺 井 久 春

高 梨 秀 一

野 沢 直 樹

三 神 正 樹

五十嵐真人

渡 部 恒 弘

進 藤 一 馬

西 岡 正 紀

水 上   洋

●証券コード : 4281 ●上場証券取引所 : 東京証券取引所(JASDAQ) ●単元株式数 : 100株

●事業年度 : 4月1日~翌年3月31日 ●期末配当金受領株主確定日 : 3月31日 ●定時株主総会 : 毎年6月

●株主名簿管理人、特別口座の口座管理機関 : 三菱UFJ信託銀行株式会社

●同連絡先 : 三菱UFJ信託銀行株式会社 証券代行部 〒137-8081 東京都江東区東砂七丁目10番11号 TEL.0120-232-711(通話料無料)

●公告の方法 : 電子公告により行う公告掲載URL http://www.dac.co.jp/ (ただし、電子公告によることができない事故、そのほかのやむを得ない事由が生じたときには、日本経済新聞に公告いたします)

■株式情報

【ご注意】

1. 株主様の住所変更、買取請求その他各種お手続きにつきましては、原則、口座を開設されている口座管理機関(証券会社等)で承ることとなっております。口座を開設されている証券会社等にお問合せください。株主名簿管理人(三菱UFJ信託銀行)ではお取り扱いできませんのでご注意ください。

2. 特別口座に記録された株式に関する各種お手続きにつきましては、三菱UFJ信託銀行が口座管理機関となっておりますので、上記特別口座の口座管理機関(三菱UFJ信託銀行)にお問合せください。なお、三菱UFJ信託銀行全国各支店にてもお取次ぎいたします。

3. 未受領の配当金につきましては、三菱UFJ信託銀行本支店でお支払いいたします。

会社概要

株式状況

〈所有株主別の株式数構成比〉

その他の法人55.9%

自己名義株式等

9.1%

個人その他23.2%

金融機関

8.1%

外国法人等

3.7%

発行可能株式総数発行済株式総数株主数

90,000,000株53,442,300株

10,009名

■株式の状況 (2015年3月31日時点)

〈大株主〉

株主名 持株数(株) 議決権比率(%)

株式会社博報堂DYメディアパートナーズ 23,269,500 47.9

株式会社博報堂 4,500,000 9.3

日本トラスティ・サービス信託銀行株式会社(信託口) 1,317,400 2.7

株式会社東急エージェンシー 1,000,000 2.1

日本マスタートラスト信託銀行株式会社(信託口) 549,900 1.1

楽天証券株式会社 430,600 0.9

株式会社SBI証券 417,500 0.9

MORGAN STANLEY & CO. LLC 415,234 0.9

DAC Business Report 2122 DAC Business Report

連結子会社 ● アイレップ● ユナイテッド● 博報堂アイ・スタジオ● プラットフォーム・ワン● アド・プロ● トーチライト● Bumblebee● 北京迪愛慈広告有限公司(北京 DAC)● DAC ASIA PTE.LTD.(DAC アジア)● I-DAC PTE.LTD.(i-dac)

持 分 法 適 用関 連 会 社

そ の 他 の 主 な出 資 会 社

● メンバーズ● スパイスボックス● アドイノベーション● デジタルブティック● livepass● Innity Corporation Berhad(イニティ)

● デジタルカタパルト● データスタジアム● ビデオリサーチインタラクティブ● BrandXing● オウチーノ● ボルテージ● mediba● ゆめみ

● ココア● ALBERT ● インフォバーン● Origami● データセクション● Yummy Japan● ZEDO,Inc.● IPONWEB Holdings Limited

会社概要(2015年3月31日時点) 役員一覧(2015年6月24日時点) グループ企業