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大野 雄高 ピーポッドヘテロ接合量子効果デバイスの創製 名古屋大学 大学院工学研究科 助手

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Page 1: ピーポッドヘテロ接合量子効果デバイスの創製 ピーポットFETの典型的な輸送特性を図3(a)に示す。赤色の線はTi2@C80ピーポットFET,青色

大野 雄高

ピーポッドヘテロ接合量子効果デバイスの創製

名古屋大学 大学院工学研究科 助手

Page 2: ピーポッドヘテロ接合量子効果デバイスの創製 ピーポットFETの典型的な輸送特性を図3(a)に示す。赤色の線はTi2@C80ピーポットFET,青色

さきがけ研究

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ピーポッドヘテロ接合量子効果デバイスの創製 大野雄高

研究のねらい

カーボンナノチューブはその内側に様々な分子を内包することにより伝導特性を自在に変化さ

せる。フラーレンを内包したカーボンナノチューブは“ピーポッド”(サヤエンドウ: 図1)と呼ばれ,

その構造的な面白さのみならず,ナノチューブとフラーレンの間で電子軌道の混成が生じることか

らナノチューブのエネルギーバンド構造が変化することが予想され[1],エレクトロニクスの観点か

らも興味深い。これを利用すれば,ナノチューブの軸方向にポテンシャル障壁や井戸構造を形成

でき,量子効果を利用した機能デバイスへの展開が期待できる。

本研究では,まず,ピーポッドを用いた電界効果型トランジスタ(FET)の作製技術を構築し,そ

の伝導特性を明らかにする。また,これまでに,フラーレンを内包したピーポッドにおいては,空の

ナノチューブに比べてバンドギャップが減少することを示唆する結果[2]が得られている。量子構造

形成のためにはピーポッドのバンドギャップを見積もることが重要な課題である。しかしながら,ピ

ーポッドのみならずナノチューブにおいても FET の動作機構など未知な部分が多く,ナノチューブ

FET の動作解析技術・評価技術を確立することも必須である。ピーポッド FET において得られた両

極性伝導特性に基づき,ショットキ障壁制御 FET 動作モデルを提案するとともに,FET 特性から電

極との界面を解析する手法を確立している。この電極界面の解析を発展させ,ピーポッドのバンド

ギャップを見積もることを可能とするとともに,ナノチューブ FET の伝導型(p/n)制御を着想・実現し

ている。

一方,半導体量子構造において電子構造を理解

するうえで光学的手法も有効である。半導体カーボン

ナノチューブも直接遷移型半導体であり,最近,ナノ

チューブからの発光が報告され,光物性の研究が競

って行われ始めた。ピーポッドやナノチューブの新た

な評価法を確立するため,さらには新奇な光電子デ

バイスの可能性を探るため,ナノチューブの発光特

性を理解することも課題である。強い発光が得られる

空中に架橋したナノチューブのフォトルミネッセンス解

析を行うとともに,ナノチューブの光電子デバイス応

用について検討し,単一ナノチューブによる光誘起電

流を観測するとともに,単一ナノチューブの発光の電

界制御を実現している。

研究成果

1.ピーポッド FET の試作と特性解析

ピーポッドに内包されるフラーレン種としては,C60 や C70 などに加え,金属原子を内包した

Gd@C82, Ti2@C80 などが存在し,内包するフラーレン種によりピーポッドの伝導特性が異なることが

期待できる。まず,さまざまな種類のピーポッドについて,微細電極を形成した基板に散布するこ

とでピーポッド FET を試作し,その特性を調べた。

試作したピーポッド FET の模式図を図 2(a)に示す。酸化膜付きの Si 基板に電子線リソグラフィ

とフォトリソグラフィによりソース・ドレイン電極を形成した後,ピーポッドを分散した有機溶媒をスピ

ンコートすることにより素子を作製した。なお,低抵抗 Si 基板をバックゲート電極として用いている。

図 2(b)は作製したピーポッド FET のチップの写真と原子間力顕微鏡像である。約 2.5 mm 角のチッ

プに 50-100 個程度のデバイスが作製される。ソース・ドレイン電極は電子線リソグラフィにより電

極間隔 400 nm で形成されている。なお,このようにピーポッドを基板上に分散する素子作製方法

では,歩留まりが低く,バンドル状のピーポッドも多いが,後述のように,本研究では Si 基板上に

ピーポッドを直接合成する方法を実現している。

3 nm

1 nm

3 nm

1 nm

図1 Gd@C82 を内包した単層カーボン

ナノチューブ“ピーポッド”の TEM 像.

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ピーポット FET の典型的な輸送特性を図 3(a)に示す。赤色の線は Ti2@C80 ピーポット FET,青色

の線は通常のナノチューブ FET の特性である。測定は 23 K で行った。通常のナノチューブ FET は,

負のゲート電圧(VGS)を印加することによりホール電流が増加する p 型伝導特性を示すのに対し,

Ti2@C80 ピーポッド FET ではホール電流だけでなく,正の VGS を印加することにより電子電流も得ら

れ,両極性伝導特性を示した。このような両極性伝導特性は,図 3(b)のエネルギーバンド図に示

すように,キャリアが電極界面で形成されるショットキ障壁を介してチャネルに注入されていること

を示している。この場合,FET の電流はショットキ障壁で制御され,VGS を負に印加した場合,ソー

ス電極付近でショットキ障壁が薄くなり,ホールがトンネル注入される。逆に正の VGS を印加した場

合は,ドレイン電極から電子が注入される。チャネルのバンドギャップが小さい場合,ショットキ障

壁は電子とホールの両方に対して小さく,両極性伝導が起こりやすい。

このように両極性伝導が起こる機構を考えると,ドレイン電流(ID)が流れないオフ領域のゲート

電圧幅はバンドギャップを反映すると考えられる。様々な種類のピーポッドFETについてオフ領域

の電圧幅を調べた結果を図4にまとめる。金属内包フラーレンのピーポッドにおいては,内包する

金属からの電荷移動の数に従ってオフ領域の電圧幅が小さくなる傾向が見出された。この結果は

内包するフラーレンの種類によりバンドギャップが異なることを示しているばかりでなく,金属内包

フラーレンの電荷移動数に着目すれば,ナノチューブのバンドギャップを自在に変化させられる可

能性を示している。また,Ce2@C80やGd2@C92のピーポッドにおいては,オフ領域はほとんど消失し,

200K以上ではVGS依存性を示さず,金属的な伝導特性を示した。バンドギャップが熱エネルギー

(17 meV)程度に小さくなっていることを示唆している。

金属内包フラーレンによるバンドギャップの減少は,

Gd@C82ピーポッドのscanning tunneling spectroscopyによ

って示されているが[3],本研究では電荷移動量に従って

バンドギャップが減少することが示されている。これまで

に,理論的研究により,ナノチューブとフラーレンの電子

軌道の混成によって,フラーレン由来の準位がナノチュー

ブのバンドギャップ内に形成されること[1],および金属内

包フラーレンピーポッドの系において,フラーレンからナノ

チューブへの電荷移動が存在することが報告されている

[4]ことから,電荷移動数とバンドギャップに相関があるこ

とは想像できる。なお,バンドギャップの値を評価すること

(a) (b)

図 2 (a)ピーポッド FET の模式図と(b)チップの写真と AFM 像.

(a) (b)

図 3 (a) Ti2@C80 ピーポッド FET と単層ナノチューブ FET の ID-VGS 特性.(b) 両極性伝導機構.

図 4 オフ領域のゲート電圧幅と内

包金属からの電荷移動の関係.

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が重要であるが,印加したVGSのほとんどはゲート絶縁膜にかかり,実効的にナノチューブにかか

る電圧は,ゲート絶縁膜の厚さが100 nmの場合,1%程度であるため,転送特性のオフ領域の電

圧幅からバンドギャップを求めることは困難である。後に述べるが,バンドギャップを求めるために

は電極界面特性を調べる必要がある。

2.Si 基板上へのピーポッドの直接合成

ピーポッド FET を作製する場合,これまでは,予め基板上に形成したソース・ドレイン電極上に

ピーポッドを分散する方法を用いていた。この方法では,FET の歩留まりが非常に低く,ピーポッド

FET の特性を詳細に理解し,新たなピーポッドデバイスを実現するためには,信頼性の高い素子

作製技術を開発することが重要である。ここでは,SiO2/Si 基板上にピーポッドを直接合成すること

を可能とするとともに,ラマン散乱分光により評価したことについて述べる。

手順は以下の通りである。まず,ナノチューブを成長するために必要な触媒金属を SiO2/Si 基

板上に堆積し,熱 CVD 法により単層ナノチューブを成長する。続いて,ナノチューブを開端するた

めに大気中で加熱酸化を行った後,フラーレンを気相法により内包させる。本研究では,C60 と

Gd@C82ピーポッドについて実験を行い,TEM とラマン散乱分光法により合成したピーポッドの評価

を行った。

まず,TEM 観察やラマン散乱分光解析に十分な量のピーポッドを得るため,ディップコート法に

より基板全面に Co と Mo の混合触媒を堆積し,アルコール CVD 法によりナノチューブの合成を行

った。図5は合成した単層ナノチューブのラマン散乱スペクトルとSEM像である。ナノチューブの品

質の目安である G バンドと D バンドの強度比は約 40 と大きく,高品質なナノチューブが成長され

ている。

フラーレンを内包させる前に,ナノチューブの先端の開口が必要である。通常はレーザ蒸発法

により合成されたナノチューブを高純度化する過程において,加熱した H2O2 で還流することにより

開口されるが,本試料では,液体による開口処理は,ナノチューブが基板から剥離するため,使

用できない。大気中で加熱酸化することにより開口する技術を検討し,ラマン散乱分光により酸化

状況をモニタすることで,470°C が最適な処理温度であることを見出した。この結果は,基板から

図 5 Si 基板上に成長されたナノチューブの

SEM 像とラマン散乱スペクトル.

図 6 Si 基板上に直接合成された C60ピーポッド

と Gd@C82 ピーポッドの TEM 像.

図 7 ラマンスペクトル. 図 8 RBM ピークの変化の直径依存性.

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剥離したナノチューブに対して行った熱重量解析の結果と一致している。

開口したナノチューブへのフラーレンの内包は気相法により行った。まず,ナノチューブを成長

した基板とともにフラーレンをガラスアンプルに入れ,真空引きを行う。その後,アンプルを封じ,

500°C において 48 h 加熱した。図 6 は合成された C60 ピーポッドと Gd@C82 ピーポッドの TEM 像で

ある。ともに一次元的に配列したフラーレンが内包されていることが確認できる。なお,開口処理

温度が 450°C 以上のサンプルにおいてフラーレンの内包が確認できた。

図7は Si 基板上に合成した C60 ピーポッドと Gd@C82 ピーポッドの低波数領域のラマン散乱スペ

クトルである。励起波長は 515 nm と 740 nm である。観測されたピークはナノチューブの径方向の

伸縮モード(Radial breathing mode; RBM)であり,ナノチューブの直径や径方向の歪により波数が

異なる。フラーレンを内包していない単層ナノチューブ(SWNT)と比較すると,いくつかのピークで

フラーレンを内包することにより波数が変化していることがわかる。図 8 に RBM ピークの変化をナ

ノチューブの直径 (= 248/ωRBM)に対してプロットした。C60 については 1.28 nm 以上,Gd@C82 につ

いては 1.43 nm 以上の直径のナノチューブにおいてピークの変化が見られることから,フラーレン

を内包できるナノチューブの最小直径がわかる。なお,C60 と C80 の直径はそれぞれ 0.71 nm と

0.83nm であり,ナノチューブにフラーレンを内包するためには,フラーレンの直径より 0.5-0.6 nm

ほど直径の大きいナノチューブが必要であることがわかる。これは,フラーレン内包によるナノチュ

ーブ全系のエネルギーの変化を計算した報告[1]とよく一致している。

3.Si 基板上に直接合成したピーポッドを用いた FET の作製と特性解析

前述の Si 基板上にピーポッドを直接合成する技術を応用してピーポッド FET の作製を行うとと

もに,FET 特性の温度依存性からピーポッドのバンドギャップを見積もる手法を提案する。

図 9 は FET の作製手順である。まず,SiO2/Si 基板上にリソグラフィにより触媒を配置し,ナノチ

ューブの成長・開口を行った後,フラーレンを内包させる。最後に,電極を形成することで FET が

完成する。作製した Gd@C82 ピーポッド FET の SEM 像と ID-VGS 特性を図 10 に示す。1 本のピーポ

ッドが電極間を架橋している。ID-VGS 特性においては,Gd@C82 を内包しなかった通常のナノチュー

ブ FET は p 型特性を示したが,Gd@C82 を内包したピーポッドの FET では両極性伝導が得られて

いる。

FET 特性からバンドギャップを評価する手法を提案する。前述のように,FET の ID が電極とピー

ポッドの接合で形成されるショットキ障壁によって制御されていることに着目すると,ID の温度依存

性を測定することで,ショットキ障壁の高さを求めることが可能である。バンドギャップは電子に対

する障壁の高さとホールに対するショットキ障壁の高さの和として求められる。図 11(a)は Gd@C82

ピーポッド FET の n 型伝導領域における ID の温度依存性である。横軸は 1000/T,縦軸は ID の対

図 9 ピーポッドの Si 基板上への直接合成と

FET の作製.

図10 Gd@C82ピーポッドのSEM像とID-VGS特性.

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数でプロットされており,いわゆるアレニウスプロットである。100K 以下の低温領域においては,IDは温度に依存せずほぼ一定である。これは主な電流成分はショットキ障壁をトンネルする電流で

あることを意味する。一方,100K 以上においては,IDは温度上昇に伴い増加しており,この温度領

域においては熱電界放出による電流が支配的であることがわかる。アレニウスプロットの傾きは

実効的な障壁の高さを表すが,VGSによりその傾きが変化していることに注目する。図 11(b)に n 型

伝導領域および p 型伝導領域において測定された実効的な障壁の高さを VGS の関数として示す。

VGS を十分にオンの状態に印加した場合,障壁の高さは約 30 meV と小さい値である。これに対し,

FET のしきい値付近では障壁の高さが約 50 meV 程度まで増加している。

図 12(a)はオン状態におけるピーポッド/電極界面付近のエネルギーバンド模式図である。この

VGS においては,ショットキ障壁の厚さはゲート電界によって薄くなっており,電子は熱電界電子放

出によりピーポッドに注入される。したがって,実効的な障壁の高さはショットキ障壁の高さより小

さくなる。これに対し,図 12(b)のように VGS がしきい値電圧付近にバイアスされたときは,ショットキ

障壁の厚さが増加し,トンネル電流成分が抑制される。この場合,測定される障壁の高さは真の

ショットキ障壁の高さに近づく。このデバイスにおいて,ショットキ障壁の高さは電子およびホール

に対して,ともに約50 meVであった。したがって,このGd@C82ピーポッドのバンドギャップは約100

meV と見積もることができる。この値は Scanning tunneling spectroscopy の結果[3]とほぼ一致す

る。なお,このようなショットキ障壁の高さを求める方法はピーポッド FET に限らず,通常のナノチ

ューブ FET にも適応可能であり,ナノチューブ/電極界面の特性を調べる上でも有効である。

4.ナノチューブ FET における電極界面特性解析と伝導特性制御

ピーポッド FET において得られた両極性伝導特性から,FET 動作が電極との接合で形成される

ショットキ障壁よって行われることを明らかにした。このショットキ障壁 FET 動作モデルに基づき,

電極材料の仕事関数に着目してナノチューブ FET の特性を制御するという着想を得た。様々な電

極材料を用いてナノチューブ FET を作製し,電極材料の仕事関数と FET 特性の相関を見出してい

る。また,ショットキ障壁型 FET においては,電極界面の特性を詳細に理解することが重要である

が,FET 特性の温度依存性から電極界面のエネルギー構造を明らかにしている。

電極の材料としては,Pd (仕事関数:φPd = 5.1 eV),Ti (φTi = 4.4 eV), Mg (φMg = 3.7 eV),Ca (φCa

= 2.8 eV)を用いた。なお,カーボンナノチューブの仕事関数は 4.8 eV である。図 13 は作製したナノ

チューブ FET の ID-VGS 特性である。Pd 電極 FET と Ti 電極 FET においては,VGS を負側に印加す

るとIDは増加し,逆にVGSを正側に印加するとIDはほぼ0となり,典型的なp型伝導特性を示した。

これに対し,Ca 電極 FET では,正側の VGS で ID が増加し,n 型伝導特性が得られている。また,

Mg 電極 FET においては,VGS によって p 型あるいは n 型の電流成分が現れ,両極性伝導を示し

た。

これらの振舞いは,電極のフェルミエネルギー(EF)とナノチューブのバンドとの関係により説明で

きる。Pd 電極の場合は仕事関数が大きく,EFはナノチューブの価電子帯端(EV)に近い。したがって,

負の VGS を印加するとホールが注入される。逆に,VGS を正側に印加した場合は,電子に対してバ

ンドギャップ程度の大きなショットキ障壁が存在し,電子は注入されない。一方,Ca 電極の場合は

(a) (b)

図 11 (a)ID の温度依存性と(b)実効的な障壁高さの VGS 依存性. 図 12 ソース電極近傍の

バンド図.

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仕事関数が小さく,電極の EF はナノチューブの伝導帯端付近(EC)に位置するため,電子が注入さ

れ,n 型特性を示す。Mg 電極においては,EF はナノチューブのミッドギャップ付近に存在し,電子・

ホールともに僅かだが注入できる。ナノチューブ FET の特性を制御するためには,仕事関数に注

目して電極材料を選ぶことが重要である。

電極界面の特性を調べるために,前節と同様な方法で,ID の温度依存性からショットキ障壁の

高さを調べた。例えば,Ca 電極 FET においては,200K 以下ではトンネル電流が支配的であった

が,200K 以上においては温度の上昇に従って ID 増加しており,熱電界放出による電流成分が観

測された。ID のアレニウスプロットから障壁の高さを求め,しきい値付近の VGS = 6 V において 180

mV 程度の障壁が存在していた。

Ca や Mg の仕事関数はφCa = 2.8 eV あるいはφMg = 3.7 eV であり,単層ナノチューブの仕事関数

4.8 eV より 1-2 eV も小さい。したがって,単純な Mott-Schottky モデルによりこれらの金属とナノ

チューブの接合を考えた場合,金属の EF はナノチューブの EC より高くなり,電子に対して障壁は

存在しないはずである。しかしながら,Ca 電極の EF はナノチューブの EC より,少なくとも 180 meV

ほど低い位置にある。また,Mg電極の場合は両極性伝導を示したことから,EFはナノチューブのミ

ッドギャップ付近に位置すると考えられる。ナノチューブ FET においては,電極の仕事関数により

伝導特性が変化するものの,仕事関数はショットキ障壁の高さに直接的には反映されていない。

このことから,図 14 に示すように,電極/ナノチューブ界面にダイポールが存在し,界面において

急峻なポテンシャル降下が起こっていると考えられる。

半導体と金属の界面特性を表す指標として,金属の仕事関数φM の変化に対するショットキ障壁

の高さφBn の変化で定義される S 値(≡ dφBn/dφM)がよく用いられる。前述の結果をもとにカーボンナ

ノチューブにおいて S 値を概算すると 0.3 – 0.5 となる。Si や Ge などの元素半導体の場合,特別な

表面処理をしなければ S 値は 0.05-0.1 と小さく,フェルミレベルピンニングが生じるため,デバイス

特性は電極の仕事関数をほとんど反映しない。これに対し,ナノチューブの S 値は比較的大きな

値を示し,フェルミレベルはピンニングされていない。おそらく,ナノチューブが筒状の構造を持ち,

ダングリングボンドのない系であることを反映していると思われ,ナノチューブの特徴のひとつと言

える。

5.ナノチューブの光電子機能素子への展開

半導体カーボンナノチューブは直接遷移型の半導体であり,その電子構造を理解するうえで光

学的手法が有効な手段となりうる。本研究では,強い発光が得られる空中に架橋したナノチュー

ブについて,フォトルミネッセンス(PL)解析を行うとともに,新奇な光電子デバイス応用の可能性

を探るため,FET 構造に架橋ナノチューブを設置し,1 本のナノチューブからの発光を得るとともに

電界による発光の制御を実現している。

半導体ナノチューブを発光させるためには,キャリアが隣接しているナノチューブに移動して再

結合することを避けるため,ナノチューブのバンドルを解いて孤立させなければならない。ナノチュ

ーブを孤立化させる方法として,界面活性剤を用いてミセル化する方法や,Si 基板などに形成さ

れた微細構造上に架橋成長させる方法などが提案されている。なお,後で述べるように,孤立状

図 13 様々な電極材料のナノチューブ FET の

ID-VGS 特性.

図 14 界面ダイポール

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態においても,基板に接している場合が PL の観測はできていない。デバイス応用のためには架

橋ナノチューブ構造を用いる必要がある。

はじめに,グレーティングを形成した石英基板上に成長した架橋ナノチューブについて,フォト

ルミネッセンス測定を行い,ナノチューブからの発光を確認するとともに,界面活性剤で孤立化し

たミセル化ナノチューブと比較を行った。その結果,ナノチューブの周囲の環境により,励起子遷

移エネルギーが変化することを示すとともに,その変化がナノチューブの螺旋度に依存しているこ

とを明らかにした。これは,キャリア間相互作用(励起子結合と電子間反発)に寄与する電気力線

がナノチューブの外部を通過するため,外部の誘電率によりキャリア間相互作用のエネルギーが

変化していると考えられる。実際に,架橋構造ナノチューブをもつサンプルを種々の有機溶媒に浸

潤し,意図的に誘電率を変化させたところ,誘電率の増大に伴って,励起子遷移エネルギーが低

エネルギー側にシフトしたことからも裏付けられる。

次に,架橋ナノチューブを FET 構造に配置し,電界が PL スペクトルに及ぼす影響を調べるとと

もに,バイアス印加時のキャリアの振舞いを明らかにした。図 15 は架橋ナノチューブをチャネルと

するナノチューブ FET の(a)模式図と(b)SEM 像である。作製手順としては,まず,反応性イオンエッ

チングにより Si 基板に溝を形成した後,その両脇に触媒をパターニングし,最後にナノチューブの

CVD 成長を行う。このとき,溝を架橋して成長したナノチューブがチャネルとなる。なお,架橋成長

したナノチューブはその後の電極形成プロセスに耐えないため,触媒として用いた金属膜を電極

として使用している。この素子構造では,ゲート動作はソース・ドレイン電極付近で行うことが可能

である。

PL 測定は対物レンズを用いて,励起レーザを 1 μm 程度に絞って行った。これにより,1 本のナ

ノチューブの発光を観測することが可能であるとともに,ある程度の分解能で空間分布を測定でき

る。図 15(c)は架橋した 1 本のナノチューブに沿って励起レーザを走査し,PL の空間分布を調べた

結果である。ナノチューブの発光は,基板の SiO2 に接触した部分からは得られず,架橋した部分

のみで観測された。現在のところ,基板との接触によるフォトルミネッセンスの減衰の原因は明ら

かでないが,基板との界面に非発光の再結合中心が形成されていると推測している。ナノチュー

図 15 架橋構造ナノチューブの(a)模式図と(b)SEM 像.

(c)1 本のナノチューブからの発光の軸方向分布.挿入図は PL スペクトル.

図 16 (a) ゲートバイアスによる PL 強度の変調(電気/光変換)

(b) レーザ照射による光誘起電流(光/電気変換)

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ブを光電子デバイスに応用する場合,架橋構造などのように周囲との相互作用の少ないデバイス

構造を構築することが重要である。また,挿入図に示すように,室温にもかかわらず 12 meV とい

う細い発光線が得られており,ナノチューブが良質な一次元構造を持つことを示唆している。

ゲートバイアスによる PL スペクトルの変化を調べたところ,発光エネルギーの変化は観測され

なかったものの,発光強度が変調された。本デバイス構造において,キャリア濃度は光生成・再結

合のみならず,電極による注入・引抜きにも依存する。ゲートバイアスにより,ナノチューブからの

発光強度の制御が実現できている。一方,これまでにナノチューブFETに光照射を行うことで光誘

起電流を観測している。1 本のナノチューブを用いて光信号から電気信号へ(図 16(a)),電気信号

から光信号へ(図 16(b))と,光―電気相互変換を実現している。

ドレインバイアスを印加すると,図 17 に示すように,電圧の上昇とともに発光強度は単調に減

衰した。これは,挿入図に示すように,光励起された電子とホールが,電界によりそれぞれドレイ

ンとソースに引抜かれることに起因すると考えられる。この場合,発光強度は再結合寿命τr と電極

への走行時間τt との大小関係で決まる。例えば,ドレイン電界が小さく走行時間τt が長い場合,光

励起されたキャリアはナノチューブ内に留まり,τr 程度の時間で再結合発光するため,発光強度

は変化しない。一方,ドレイン電界が大きくなると,キャリア速度 v が上昇し,走行時間τt (~l/2v, l:チャネル長)は短くなる。その結果,キャリアは再結合する前に電極に引き抜かれ,発光強度は減

衰する。

このような機構を考えると,ドレイン電界による発光強度の減衰からキャリア速度 v と再結合寿

命τr との関係を求めることが可能である。詳細は割愛するが,結果としては,図 18 のように,キャ

リア速度と再結合寿命の積 vτr がドレイン電界 F の関数として求められる。ドレイン電界とともに vτr

は増加し,電界が~4 kV/cm 程度になると,vτr は飽和する傾向を示した。この飽和は,キャリア速

度 v の飽和に関係していると考えられる。励起強度相関法により時間分解 PL 解析を行ったところ,

ナノチューブにおける再結合寿命τr は~10 ps のオーダであり,飽和速度は 107 cm/s 程度と見積も

られる。この飽和速度は光学フォノン散乱を仮定して計算された値とオーダーで一致している。

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S. Kishimoto and T. Mizutani: Appl. Phys. Lett. 81 (2002) 4067.

[3] J. Lee, H. Kim, S.-J. Kahng, G. Kim, Y.-W. Son, J. Ihm, H. Kato, Z. W. Wang, T. Okazaki and H.

Shinohara: Nature (London) 415 (2002) 1005.

[4] Y. Cho, S. Han, G. Kim, H. Lee and J. Ihm: Phys. Rev. Lett. 90 (2003) 106402

今後の展開

ピーポッドの魅力は内包するフラーレンの種類によりバンドギャップが異なることを利用して,ナ

ノチューブのバンドエンジニアリングが可能なことである。実際に,Ce2@C80 を内包したピーポッド

図 17 発光強度のドレイン電圧依存性. 図 18 vτr のドレイン電界依存性.

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さきがけ研究

53

はバンドギャップが非常に小さくなるため,Ce2@C80 ピーポッド FET は室温においては VGS 依存性

を示さず,実質的に金属的ナノチューブのみが得られていることになる。例えば,これは LSI の配

線等に応用することが考えられる。次のステップとしては,1 本のナノチューブの中で内包するフラ

ーレンの種類を変えた“ヘテロ接合”(異種接合)を形成し,キャリアを閉じ込める量子井戸構造,

あるいはトンネル障壁構造を形成することが考えられるが,どのように制御するか,どのように観

察するか,アイデアが必要である。

本研究では,ピーポッドのベースとなるナノチューブについても,FET の電極界面解析,光物性

と光電子デバイス応用,成長技術など,広く研究を行った。その中から,いくつかの研究シーズが

出ている。例えば,FET の電極界面の理解から,電極材料の仕事関数によってナノチューブに電

子注入とホール注入を行うことが可能であり,例えば発光ダイオードなどへの展開が期待できる。

光物性に関しては,現在,最も進展の速い研究テーマのひとつであるが,キャリア緩和メカニズム

やナノチューブごとの特性のばらつきなど,まだ十分に理解されていない部分も多く,1 本のナノチ

ューブごとについて時間分解 PL 解析などを行いたい。このような基礎物性も興味深いが,これを

如何に利用するかを考えることも重要と思われる。外部環境により発光波長が変化することを利

用して,例えば,生体分子の反応を分子レベルで検出するセンサーなどへの展開が考えられる。

また,本研究では,1 本のナノチューブによって光信号と電気信号の相互変換が可能であることを

示しており,ナノチューブはナノスケールの光・電子融合デバイスとしての可能性をもつ。最近,半

導体量子構造からの単一光子放出現象が量子通信の分野で注目を集めているが,カーボンナノ

チューブはカイラリティによっては光通信の波長帯(1.3 μm 帯や 1.55 μm 帯)で発光が可能であると

ともに,比較的良質な量子構造を持っており,このような分野への展開も興味深い。

研究成果リスト

(1)論文(原著論文)発表

1. Y. Ohno, S. Iwasaki, Y. Murakami, S. Kishimoto, S. Maruyama, and T. Mizutani,

“Chirality-dependent environmental effect in photoluminescence of single-walled carbon

nanotubes” Phys. Rev. B 73, 235427 (2006)

2. H. Shimauchi, Y. Ohno, S. Kishimoto, and T. Mizutani, “Suppression of hysteresis in

carbon nanotube field-effect transistors: Effect of contamination induced by device

fabrication process” Jpn. J. Appl. Phys. 45, 5501 (2006)

3. H. Ohnaka, Y. Kojima, S. Kishimoto, Y. Ohno, and T. Mizutani, “Fabrication of carbon

nanotube field effect transistors using plasma-enhanced chemical vapor deposition

grown nanotubes” Jpn. J. Appl. Phys. 45, 5485 (2006)

4. Y. Nosho, Y. Ohno, S. Kishimoto, and T. Mizutani, “Relation between conduction property

and work function of contact metal in carbon nanotube field-effect transistors”

Nanotechnology 17, 3412 (2006)

5. Y. Ohno, T. Shimada, S. Kishimoto, S. Maruyama, and T. Mizutani, “Carrier transport

property in single-walled carbon nanotubes studied by photoluminescence spectroscopy”

J. Physics: Conf. Series 38, 5 (2006)

6. Y. Ohno, S. Kishimoto, and T. Mizutani, “Photoluminescence of single-walled carbon

nanotubes in field-effect transistors” Nanotechnology 17, 549 (2006)

7. Y. Kurokawa, Y. Ohno, T. Shimada, M. Ishida, S. Kishimoto, T. Okazaki, H. Shinohara, and

T. Mizutani, “Fabrication and characterization of peapod field-effect transistors using

peapods synthesized directly on Si substrate” Jpn. J. Appl. Phys. 44, L1341 (2005)

8. T. Mizutani and Y. Ohno, “Fabrication and characterization of carbon nanotube FETs”

Proc. SPIE Int. Soc. Opt. Eng. 5732, 28, (2005). (Invited paper)

9. Y. Ohno, S. Kishimoto, and T. Mizutani, “Photoresponse of carbon nanotube field-effect

transistors” Jpn. J. Appl. Phys. 44, 1592 (2005)

10. Y. Nosho, Y. Ohno, S. Kishimoto, and T. Mizutani, “n-type carbon nanotube field-effect

transistors fabricated by using Ca contact electrodes” Appl. Phys. Lett. 86, 073105

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(2005)

11. Y. Ohno, Y. Kurokawa, S. Kishimoto, T. Mizutani, T. Shimada, M. Ishida, T. Okazaki, H.

Shinohara, Y. Murakami, S. Maruyama, A. Sakai, and K. Hiraga, “Synthesis of carbon

nanotube peapods directly on Si substrates,” Appl. Phys. Lett. 86, 023109 (2005)

12. T. Shimada,Y. Ohno, K. Suenaga,T. Okazaki, S. Kishimoto, T. Mizutani, R. Taniguchi, H.

Kato, B. Cao, T. Sugai, H. Shinohara, “Tunable Field-Effect Transisitor Device with

Metallofullerene Nanopeapods,” Jpn. J. Appl. Phys. 44, 469 (2005)

13. Y. Kurokawa, Y. Ohno, S. Kishimoto, T. Okazaki, H. Shinohara, and T. Mizutani,

“Fabrication Technique for Carbon Nanotube Single Electron Transistors Using Focused

Ion Beam” Jpn. J. Appl. Phys. 43, 5669 (2004)

(2)特許出願

研究期間累積件数:4 件

発 明 者:大野雄高,水谷孝

発明の名称:カーボンナノチューブ発光素子

出 願 人:名古屋大学

公開番号(公開日):特開 2005-332991 (2005/12/2)

出願番号(出願日):特願 2004-150233 (2004/5/20)

発 明 者:大野雄高,水谷孝,能生陽介,岸本茂

発明の名称:カーボンナノチューブ FET

出 願 人:名古屋大学

公開番号(公開日):特開 2005-322836 (2005/11/17)

出願番号(出願日):特願 2004-141177 (2004/5/11)

発 明 者:大野雄高,水谷孝,篠原久典,岡崎俊也,嶋田行志

発明の名称:ピーポッド構造およびそれを用いた量子効果素子およびその製造方法

出 願 人:名古屋大学

公開番号(公開日):WO 2005/078803 A1 (2005/8/25), 台湾特許公開:200528393

(2005/9/1)

出願番号(出願日):特願 2004-040891 (2004/2/18), PCT/JP2004/003615 (2004/3/18),

台湾特許出願 No. 93108466 (2004/3/29)

他出願中 1 件

(3)その他の成果

主要な学会発表(招待講演)

1. Yutaka Ohno, “Environmental effects on excitonic transition energies of carbon

nanotubes” Workshop on Nanotube Optics & Nanospectroscopy, June 4-7, 2007, Ottawa,

Canada

2. 大野雄高,“CNT デバイスの基礎と応用”,国際固体素子・材料コンファレンス

(SSDM2005) ショートコース講演 2005 年 9 月 12 日

3. 大野雄高,“カーボンナノチューブの光電子デバイス応用” 応用物理学会関西支部セミ

ナー,2006 年 12 月 22 日,大阪大学

4. 大野雄高,“カーボンナノチューブ FET の現状と将来” 物理学会シンポジウム,2006 年 3

月 29 日,愛媛大学

5. 大野雄高,“カーボンナノチューブデバイスにおける電極/ナノチューブ界面の特性” 日本

学術振興会 未踏・ナノデバイステクノロジー第151委員会,2005 年 2 月 4 日,高知

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さきがけ研究

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6. 大野雄高,“カーボンナノチューブデバイスの伝導特性制御”,JST カーボンナノチューブ

合同研究会,2004 年 10 月 6 日,伊東

7. 大野雄高,水谷孝,“カーボンナノチューブトランジスタ” 電気関係学会東海支部連合大

会シンポジウム,2003 年 10 月 2 日,名古屋大学

著書・解説

1. 大野雄高,能生陽介,水谷孝,“カーボンナノチューブトランジスタにおける電極界面の特

性” 表面科学,2007 (印刷中)

2. 大野雄高,丸山茂夫,水谷孝,“カーボンナノチューブのフォトルミネッセンス” ナノ学会

会報 4, 67 (2006)

3. 大野雄高,“カーボンナノチューブの光誘起電流分光とフォトルミネッセンス分光 ―光学

的手法によるナノチューブ FET の動作解析―” 光技術コンタクト 44, 152 (2006)

4. 大野雄高,化学フロンティア ナノカーボンの新展開(編集 篠原久典),4章 「金属内包

フラーレン・ピーポッドのデバイス応用」

5. 大野雄高 “カーボンナノチューブのトランジスタ応用” ニューダイアモンド 21, 18 (2005)

6. 大野雄高,嶋田行志,岸本茂,岡崎俊也,篠原久典,水谷孝,“カーボンナノチューブトラ

ンジスタの可能性” ナノ学会会報 2, 17 (2003)