《 資 料 編...南白亀川 河川 3,1502001-2002不明 一宮川 河川 32,0002001-2002養浜...

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29/59《 資 料 編 》

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Page 1: 《 資 料 編...南白亀川 河川 3,1502001-2002不明 一宮川 河川 32,0002001-2002養浜 太東漁港 漁港 5,0001989-1999沖捨て、養浜 (合計) 101,600 m3/year

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《 資 料 編 》

Page 2: 《 資 料 編...南白亀川 河川 3,1502001-2002不明 一宮川 河川 32,0002001-2002養浜 太東漁港 漁港 5,0001989-1999沖捨て、養浜 (合計) 101,600 m3/year

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<資料1-1:夷隅川は九十九里浜の土砂供給源か?>

夷隅川河口を含む和泉浦海岸は

九十九里浜と同一漂砂系であり、夷

隅川は九十九里浜への重要な土砂

供給源であったことが、既往研究に

よって明らかにされています。

例えば「砂村・堀川(1971)」は、

沿岸の地質性状や地形図、粒度分布、

重鉱物含有、河口砂州形状等から、

塩田川(大原漁港)までの範囲が同

一漂砂系であり、かつて和泉浦付近

の砂鉄も九十九里に流入していた

ことを示しています(右図)。さら

に、九十九里平野に流入する河川は

海岸線付近にあるような砂礫を出

しておらず、土砂供給源ではないと

しています。

また、「星上ら(2005)」は、地質

性状や地形図、空中写真分析等から、

九十九里浜の土砂供給源の南限が

大原漁港であることを示しており、

「宇多ら(2000)」が示した地質年代スケールの地形変化から求めた九十九里南端部からの土砂

供給量(14 万 m3/年)に対し、太東崎の海食崖から生産される土砂量(3.7 万 m3/年)の割合

が小さく、海食崖以外の土砂供給源があったことを示唆しています。

<参考文献>

・ 堀川清司・砂村継夫:千葉県九十九里海岸における漂砂の卓越方向に関する研究,海岸工学論文集,第 18

巻,pp.417-422,1971.

・ 宇多高明・高田 修・星上幸良・芹沢真澄・三波俊郎・古池 鋼:九十九里海岸における地質年代スケ-ルの沿岸漂砂

量の推定, 海岸工学論文集, 第 47 巻, pp. 686-690, 2000.

・ 星上幸良・宇多高明・野志保仁・小澤宏樹:九十九里浜の形成にかかわる土砂供給源に関する一考察,海洋開発論文集,

第 22 巻,pp.403-408,2005.

0 5km

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<資料1-2:防波堤建設による沿岸漂砂の阻止>:飯岡漁港の整備

※京葉測量(株)撮影

<防波堤建設による沿岸漂砂の阻止>:太東漁港の整備

:土砂が供給される方向 ※京葉測量(株)撮影

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<資料1-3:水溶性ガス採掘に伴う地盤沈下による汀線後退>

海岸中央付近の海浜勾配は 1:30~50 勾配程度で、60cm 地盤沈下した箇所では、見かけ上

の汀線後退量は 18~30m となります。

※ 地盤沈下が顕在化した 1960 年代後半には観測が開始されていなかったため、初期の沈下量

は不明です。

※ 下図のように、1973 年の地盤沈下防止協定締結以降、ガス採取料は一定となっていますが、

かん水揚水量に対する地下への還元量は、およそ2割程度です。

-60

-50

-40

-30

-20

-10

0

10

20

-20 -10 0 10 20

1968ー20051969ー20051971ー20051972ー20051974ー2005

沈下量(cm)

太東漁港からの沿岸距離 (km)

一宮川

太東漁港

片貝漁港

栗山川

新堀川

新川

堀川

南白亀川

真亀川

総沈下量の沿岸方向分布(1968、1974~2005年の変化)

南九十九里沿岸

-60

-50

-40

-30

-20

-10

0

10

20

-20 -10 0 10 20

1968ー20051969ー20051971ー20051972ー20051974ー2005

沈下量(cm)

太東漁港からの沿岸距離 (km)

一宮川

太東漁港

片貝漁港

栗山川

新堀川

新川

堀川

南白亀川

真亀川

総沈下量の沿岸方向分布(1968、1974~2005年の変化)

南九十九里沿岸

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<資料1-4:保安林整備や土地利用、護岸整備等の沿岸開発に伴う砂浜幅の狭小化>

※「木村ら(2002)」より引用

※護岸に直接波が当たる場所では、漂砂の

速度が速まり、より留まりにくくなります。

※「実務者のための養浜マニュアル」より引用

※ 「星上ら(2005)」より作成

一宮海岸付近の空中写真の比較

a)1947 年

b)2003 年

自然砂丘の人工化のプロセス

(a) 自然状態 植生帯天然砂丘(a) 自然状態 植生帯天然砂丘

(b) 保安林の前進 植生帯

保安林

(b) 保安林の前進 植生帯

保安林

(e) 消波堤の建設 消波堤(e) 消波堤の建設 消波堤

(c) 土堤の建設 土堤

侵食(汀線後退)

(c) 土堤の建設 土堤

侵食(汀線後退)

(d) 直立護岸の建設直立護岸

侵食(汀線固定)

越波(d) 直立護岸の建設直立護岸

侵食(汀線固定)

越波

-200

-100

0

100

200

300

400

500

600

700

0 10 20 30 40 50

沿岸方向距離(km)

汀線変化量(m)

↑太東漁港

↑一宮川

↑片貝漁港

↑飯岡漁港

↑南白亀川

↑堀川

↑真亀川

↑木戸川

↑新川

↑目名川

↑栗山川漁港

→ 南側北側 ←

(基準年 :1948)

 砂浜幅 (1948年当時)     1948年基準の 1948年基準の汀線変化量    保安林海側縁線の変化量 1970 1970 1990 1990 2002 2002

海岸侵食による変化量:最大100m

土地利用の前進による砂浜の喪失:最大400m

1947年頃の砂浜幅:600m以上

砂浜消失要因土地利用の前進: 7~8割!侵食による汀線後退: 1~2割

汀線の位置と土地利用の変化

-200

-100

0

100

200

300

400

500

600

700

0 10 20 30 40 50

沿岸方向距離(km)

汀線変化量(m)

↑太東漁港

↑一宮川

↑片貝漁港

↑飯岡漁港

↑南白亀川

↑堀川

↑真亀川

↑木戸川

↑新川

↑目名川

↑栗山川漁港

→ 南側北側 ←

(基準年 :1948)

 砂浜幅 (1948年当時)     1948年基準の 1948年基準の汀線変化量    保安林海側縁線の変化量 1970 1970 1990 1990 2002 2002

海岸侵食による変化量:最大100m

土地利用の前進による砂浜の喪失:最大400m

1947年頃の砂浜幅:600m以上

砂浜消失要因土地利用の前進: 7~8割!侵食による汀線後退: 1~2割

汀線の位置と土地利用の変化

1948 年当時

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<資料1-5:漁港防波堤整備に伴う波の遮蔽域への土砂吸い込み>

※防波堤延伸により、海岸線の方向が変化しています。

※「実務者のための養浜マニュ

アル」より引

片貝漁港の変遷 ※京葉測量(株)撮影

(c) 2000

(d) 2007

(b) 1995

(a) 1990

波の遮蔽域形成による侵食の段階分類

第1段階 入射波

汀線

海岸護岸

第1段階 入射波

汀線

海岸護岸

海岸護岸

第3段階

汀線

入射波

被災区間海岸護岸

第3段階

汀線

入射波

被災区間

被災海岸護岸

第2段階

汀線

入射波

侵食

被災海岸護岸

第2段階

汀線

入射波

侵食

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<資料1-6:漁港、河口等での浚渫土砂の沖捨てや系外への持ち出し>

※「実務者のための養浜マニュアル」より引用

※ 九十九里浜の土砂量は限られており、浚渫土砂を沖捨て(十分に深い海域に投入)すると海岸線

には戻らないため、相対的な土砂の損失となります。

※ 九十九里沿岸の漁港、河川等では、浚渫土砂を経年的に沖捨てや陸上での利用に持ち出した経緯

があります。

箇所名 種別浚渫実績

(m3/year)平均集計年 適用(近年の状況)

飯岡漁港 漁港 12,000 1989-1999 沖捨て

栗山川漁港 漁港 21,000 1989-1999 現在は下手にリサイクル

栗山川 河川 2,000 2001-2002 後背地盛土

片貝漁港 漁港 25,000 1989-1999 沖捨て

堀川 河川 1,450 2001-2002 不明

南白亀川 河川 3,150 2001-2002 不明

一宮川 河川 32,000 2001-2002 養浜

太東漁港 漁港 5,000 1989-1999 沖捨て、養浜

(合計) 101,600 m3/year

「千葉東沿岸海岸保全基本計画(資料編),H15.8,千葉県,p.資.3-4」より作成