◎  事業仕分けからの分析    (ごみ焼却施設と大都市交通 )

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◎ 事事事事事事事事事事 事事事事事事事事事事事事 ○ 事事事事事事事事事 ○ 事事事事事事事事 事事事事事事事事 ~~ 事事

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資料7. ◎  事業仕分けからの分析    (ごみ焼却施設と大都市交通 ). ○ ごみ焼却施設の分析 ○大都市交通の分析~地下鉄を中心に~. ごみ焼却施設の分析. ※ 本分析は、大都市制度のあり方検討 PT として調査分析して取りまと  めたものであり、大阪府として、その実現可能性の検証や関係団体・  機関との調整を終えたものではない。また、当然のことながら、  現行制度に基づく執行などを否定するものでもない。. 2. (データ分析) ○ 大阪府の 1 人 1 日当たりのごみ排出量は、全国水準を 200g/ 人日近く上回っている。 - PowerPoint PPT Presentation

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◎  事業仕分けからの分析   (ごみ焼却施設と大都市交通)

○ ごみ焼却施設の分析○ 大都市交通の分析~地下鉄を中心に~

資料7

ごみ焼却施設の分析

2

※ 本分析は、大都市制度のあり方検討 PT として調査分析して取りまと めたものであり、大阪府として、その実現可能性の検証や関係団体・ 機関との調整を終えたものではない。また、当然のことながら、 現行制度に基づく執行などを否定するものでもない。

(データ分析)

 ○ 大阪府の 1 人 1 日当たりのごみ排出量は、全国水準を 200g/ 人日近く上回っている。 ○ 大阪市の 1 人 1 日当たりのごみ排出量も、東京23区・横浜市・名古屋市に比べて 500g/ 人日程度   上回っている。 ○ 大阪府のリサイクル率は徐々に改善されているが、東京都、神奈川県、愛知県の1/2程度で   ある。 ○ ごみ焼却処理量に比べてごみ焼却施設に余裕があり、今後ごみ排出量が下がれば、更新しな  くてもよいごみ焼却施設の増加が見込まれる。 

(今後の方向性)

 ○ ごみ排出量を抑制しリサイクルを進めていけば、ごみ焼却施設が現状より少なくても対応できる。    老朽施設の更新が不要になるため建設や維持管理にかかるコストを削減できるだけでなく、跡地   を売却するなど有効活用することによって、府民に利益還元することができる。【戦略構想仮説】

 ○ ごみ焼却施設の削減に当たっては、収集経路・効率等の地理的条件や周辺環境等への影響など    の立地条件等を踏まえ、市町村域を越えた水平連携も含め総合的な検討を行い、いくつかの課題を  克服し、効果を検証しつつ、実行に移していく必要がある。 

3

分析の手順

 (1) 大阪府・大阪市の 1 人 1 日当たりのごみ排出量を、全国や他都県・政令市と比較する。

 (2) 大阪府のリサイクルの状況を、東京都、神奈川県、愛知県と比較する。

 (3) 大阪府のごみ焼却施設能力と処理量の関係、ごみ焼却施設の現状を抑える。

 (4) 課題認識と検討の方向

 (5) ごみ焼却施設の最適化と更新コスト抑制効果を試算する。

 (6) 実行に当たって検証が必要な課題

 

4

     1 大阪府のごみの状況     1 大阪府のごみの状況○  大阪府では、ごみの総排出量は平成 8 年の 4,656 千 t をピークに徐々に減少している。○  同様に、ごみ焼却処理量も平成 8 年の 4,137 千 t をピークに徐々に減少している。○  平成 19 年時点で、ごみ排出総量 4,072 千tのうち 88.7% に当たる 3,611 千 t が焼却処理されている。

(出展) 大阪府の一般廃棄物(平成 21 年 7 月版)より 5

焼却処理量3,611

4,137

2,240

埋立資源化他

排出総量4,656

4,072

2,789

0

1,000

2,000

3,000

4,000

5,000

50 昭和 55 60 3   平成 8 13 14 15 16 17 18 19

(千 t )

大阪府のごみの状況

 2  2  11 人人 11 日当たりごみ排出量の推移(大阪府と全国の比較) 日当たりごみ排出量の推移(大阪府と全国の比較) 

○   大阪府の1人1日当たりのごみ排出量は、全国平均と同じく漸減傾向にあり、平成 20年度では 1,201g /人日まで    減少している。○   しかし、大阪府は全国水準を約 200g/人日近く上回る水準にある。

6(出展) 環境省の廃棄物処理技術情報DB「日本の廃棄物処理」より

1人1日あたりのごみ排出量の推移

1,451

1,2831,201

大阪府

1,1731,089 1,033

全国

0

1,000

2,000

10平成 年度 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20

g/人日

   3   3 11人人 11日当たり日当たりごみ排出量の比較の比較  (東京23区、横浜市、名古屋市、大阪市の  (東京23区、横浜市、名古屋市、大阪市の比較)比較)

○ 大阪市の、 1 人 1 日当たりごみ排出量は徐々に減少しているが、東京 23 区、横浜市、名古屋市に比べて いまだ 500g/ 人日程度多い。

7

1 人1日当たりごみ排出量 ( g / 人日 )

(出展) 環境省の廃棄物処理技術情報DB「日本の廃棄物処理」より

  平成10年度 平成15年度 平成19年度東京23区 1,440 1,346 1,231

横浜市 1,370 1,311 996

名古屋市 1,387 1,189 1,129

大阪市 2,053 1,850 1,687

1人1日当たりごみ排出量の推移

東京23区

横浜市名古屋市

大阪市

0

500

1,000

1,500

2,000

2,500

平成10年度 平成15年度 平成19年度

g/人日

リサイクル率(東京都、神奈川県、愛知県、大阪府)(%)

     4 リサイクルの状況     4 リサイクルの状況 (東京都、神奈川県、愛知県、大阪府)(東京都、神奈川県、愛知県、大阪府)

○  大阪府のリサイクル率は徐々に改善されているが、この10年間で東京都、神奈川県、愛知県との差は、むしろ 開き気味である。平成20年度では、これら都県の1/2程度である。

8(出展) 環境省の廃棄物処理技術情報DB「日本の廃棄物処理」より※  リサイクル率 = (直接資源化量+中間処理後再生利用量+集団回収量)/(ごみの総処理量+集団回収量)×100

    リサイクル率(%)  ※  平成10年度 平成15年度 平成20年度東京都 12.3  17.8  23.2 

神奈川県 12.8  16.1  24.9 

愛知県 12.4  20.2  22.9 

大阪府 7.3 9.5 11.5

東京都

神奈川県

愛知県

大阪府

0.0

5.0

10.0

15.0

20.0

25.0

10平成 年度 15平成 年度 20平成 年度

   5 ごみ焼却施設能力と処理量の関係   5 ごみ焼却施設能力と処理量の関係

○ 大阪府は、他府県に比べて能力使用率が悪いとはいえないが、焼却処理量が減少しているにもかかわらず、 平成 10 年当時の焼却処理能力がそのまま維持されていると言える。

9(出展) 環境省の廃棄物処理技術情報DB「日本の廃棄物処理」より

※  能力使用率=年間焼却処理量/年間焼却処理能力(=1日当たり焼却処理能力 x年間日数)

焼却処理量 (千 t/ 年換算)  平成10年度 平成15年度 平成20年度 東京都 4,211 3,809 3,577

 神奈川県 3,069 3,127 2,358

 愛知県 2,164 2,096 1,974

 大阪府 3,927 3,837 3,237

焼却処理能力  ( 千 t/ 年換算 )

  平成10年度 平成15年度 平成20年度 東京都 7,236 6,831 6,353

 神奈川県 5,928 5,929 4,822

 愛知県 3,510 3,812 4,091

 大阪府 5,855 6,238 5,832

能力使用率 ※

東京都

神奈川県

愛知県

大阪府

45%

50%

55%

60%

65%

70%

10平成 年度 15平成 年度 20平成 年度

(施設数)

10

 竣工年 S42-S47   S48-S52   S53-S57   S58-S62   S63-H4   H5-H9   H10-H14   H15-H19   計 大阪市 1 1 2 0 2  2  1  1  10

 大阪市以外 1 6 4 7 8  6  4  1  37

 府域計 2 7 6 7 10 8 5 2 47

   6 大阪府内のごみ焼却施設の竣工時期   6 大阪府内のごみ焼却施設の竣工時期○  大阪府内には47のごみ焼却施設があり、昭和63年から平成4年をピークに竣工されている。○  40年以上前に竣工された施設(※)も稼動しており、施設の更新に伴う費用の発生が予測される。○  逆に、リサイクルを促進する施策によって、他府県・都市並みにごみ処理量を減らすことができれば、こうした  老朽施設の更新費用の発生を抑制することができる。

<大阪府内の全47ごみ焼却施設の竣工年数別一覧表>

(出展) 大阪府の一般廃棄物(平成 21 年 7 月版)より

大阪市

大阪市以外の市町村

0

2

4

6

8

10

12

S42- S47  S48- S52  S53- S57  S58- S62  S63-H4  H5-H9  H10-H14  H15-H19 

40年以上前

大阪府内の全47ごみ焼却施設の竣工時期(※)ごみ焼却施設の耐用年数・従来は一般的に20年程度・ 現在は長寿命化の流れにあるが、 環境省の長寿命化計画資料でも 35年をイメージしている。

   ◇ 課題認識と検討の方向   ◇ 課題認識と検討の方向

ごみ排出量は減少しつつあるが、依然として膨大である。限られた予算を効率的に使用するために、コスト削減に向けた取り組みが必要である。

他府県並みに、ごみ排出量を抑制しリサイクルを進めていけば老朽化したごみ焼却施設の更新が不要になり建設コストを削減できる。

  次ページで試算する。

11

      〔試算〕   〔試算〕 ごみ焼却施設の最適化ごみ焼却施設の最適化

12(出展) 大阪市一般廃棄物計画( H22.3 )、大阪府の一般廃棄物(平成 21 年 7 月版)より

○  大阪市の 1 人 1 日当たりごみ排出量を、東京23区、横浜市、名古屋市の平均水準(平成 19年度ベースで大阪市の 66 %相当)まで抑制すると3施設相当分のごみ焼却施設が余剰になる。○   大阪府の 1人 1日当たりごみ排出量を、東京都、神奈川県、愛知県の平均水準(平成 19年度ベースで大阪市の 85%   相当) )まで抑制すると7施設相当分のごみ焼却施設が余剰になる。また、ごみ排出量の最も少ない神奈川県水準    (平成 19年度ベースで大阪市の 80%相当)まで抑制すると9施設相当分のごみ焼却施設が余剰になる。

1 大阪市と3大都市の比較(平成 19 年度)

1 人 1 日当たりのごみ排出量の目標水準   適正なごみ焼却施設数 余剰施設数

3都市( 23 区、横浜市、名古屋市)の平均水準

1,119 g /人日(大阪市1 , 687g/日の66

%) 

7施設(大阪市10施設 × 66

%) 3施設

2 大阪府と3都県の比較(平成 19 年度)

1 人 1 日当たりのごみ排出量の目標水準   適正なごみ焼却施設数 余剰施設数

3都府県(東京都、神奈川県、愛知県)の平均水準

1,085 g /人日(大阪府1 , 283g/日の85

%)  40施設  

(府内47施設 × 85%) 7施設

3都府県中、最もごみ排出量の少ない神奈川県の水準

1,030 g /人日(大阪府1 , 283g/日の80

%)  38施設  

(府内47施設 × 80%) 9施設

13

 〔試算〕 〔試算〕 ごみ焼却施設の更新コスト抑制効果ごみ焼却施設の更新コスト抑制効果

<ごみ焼却施設更新コスト抑制効果> ごみ焼却施設1施設当たりの建築費を標準建築費65.5億円(※)で試算すれば、余剰能力相当の施設更新をしないとき、それぞれ次のコスト抑制効果が期待できる。

○  大阪市で余剰とされるごみ焼却3施設を更新しない場合、 196.5億円の施設更新コスト抑制効果額がある。○  大阪府内で余剰とされるごみ焼却施設数が 7 施設の場合 458.5億円、また余剰とされる施設数が9施設の場合   589.5億円の施設更新コスト抑制効果額がある。

(出展) (※)平成 18年 2月 22  日 大阪府市町村合併推進審議会(第3回)資料より

1 大阪市と3大都市の比較(平成 19 年度)

ごみ焼却施設数の削減数 標準建築費 施設更新コスト抑制効果額

3施設 ☆ ×  65.5億円  = 196.5億円

2 大阪府と3都県の比較(平成 19 年度)

ごみ焼却施設数の削減数 標準建築費 施設更新コスト抑制効果額

7施設 ☆ ×  65.5億円  = 458.5億円

9施設 ☆ ×  65.5億円  = 589.5億円

☆ 前ページ試算より

14

実行に当たって検証が必要な課題実行に当たって検証が必要な課題

<課題>   1. リサイクル推進施策の具体化と、それによるごみ処理量の削減効果の検証  2. リサイクル推進のための建設・維持管理コストの検証

 3. 運搬収集体制やコストを考慮し、更新しないごみ焼却処理施設の特定

 4. 跡地の有効活用方策や売却益の見込みの精査

○  前記の試算は、あくまでも概括的な試算であり、ごみ処理焼却施設の削減に当たっては、収集経路・効率等の  地理的条件や周辺環境等への影響などの立地条件等を踏まえ、市町村域を越えた水平連携も含め総合的な検討  を行い、いくつかの課題を克服し、効果を検証しつつ、実行に移していく必要がある。

<メリット>    (1) 590億円のごみ処理焼却施設更新コスト抑制効果  (2) ごみ処理焼却施設の維持管理コストの負担軽減効果  (3) ごみ処理焼却施設の跡地有効活用または跡地売却益

大都市交通の分析

~ 地下鉄を中心に ~

※ 本分析は、大都市制度のあり方検討 PT として調査分析して取りま とめたものであり、大阪府として、その実現可能性の検証や関係団体・   機関との調整を終えたものではない。また、当然のことながら、 現行制度に基づく執行などを否定するものではない。

【鉄道の状況】 就業者・通学者の交通手段(三大都市比較)【鉄道の状況】 就業者・通学者の交通手段(三大都市比較)

446

324

642

0

100

200

300

400

500

600

700

800

900

市内 市外府内 市外府外

その他自転車車・バイク乗合バス鉄道

鉄道利用者141万人=77%

1778

2504

538

0

500

1000

1500

2000

2500

3000

特別区内 区外都内 区外都外

鉄道利用者482万人=86%

237

79

251

0

100

200

300

400

500

600

市内 市外県内 市外県外

鉄道利用者56万人=52%

 東京特別区では、都区部の面積割合が大きいこともあり、「特別区の外から通う東京都民」の比率は小さいが、逆 に「東京都外から通う他県民」の数が非常に多い。また、全体として鉄道利用者の割合が高い。 大阪市の場合、「大阪市内に通う大阪市民」と「大阪市外から通う他県民」の数がほぼ同数で、「大阪市外から通う 大阪府民」の割合が最も高い。また東京に比べて鉄道利用者の割合が少ない。

(千人)(千人) (千人)

16

※  出典:平成17年国勢調査(市内自営業者の数は含まれない。)

東京特別区内 名古屋市内 大阪市内

市内の電車通勤は61 %

凡例  <面積> 総営業キロ ÷ 都道府県可住地面積 <人口> 総営業キロ ÷ 都道府県総人口

0.760.82

0.51

0.83

0.32

1.08

0.96

0.54

0

0.2

0.4

0.6

0.8

1

1.2

面積 人口

東京 横浜 名古屋 大阪

208 390 116

334 530 89

405 300 40

374 407 279

0 200 400 600 800 1000 1200

大阪

愛知

神奈川

東京

JR 私鉄 地下鉄

(1060㌔)

 都道府県でみると、大阪府は4都府県中、鉄道営業キロが最も短い(714㎞)。

 都市部で見ると、大阪市は面積が狭いために面積あたりの営業キロ、人口当たりの営業キロの割合はともに比較  的高い。

都府県別の鉄道営業キロ

都府県別の鉄道営業キロ

(㎞)

※  地域交通年間より(H17.3.31現在)

(746㌔)

(953㌔)

(714㌔)

96 312 92

81 344 83

110 229 32

144 364 258

0 200 400 600 800

大阪

愛知

神奈川

東京都道府県別の鉄道駅数

都道府県別の鉄道駅数

(766駅)

(371駅)

(508駅)

(500駅)

17

都市部におけるインフラ状況都市部におけるインフラ状況(面積と人口に占める総営業キロ)(面積と人口に占める総営業キロ)

(1平方キロあたり) (1人あたり)

(駅)

【鉄道の状況】 施設・設備(インフラ)の状況【鉄道の状況】 施設・設備(インフラ)の状況

東京圏

混雑率(%)

輸送力

輸送人員

大阪圏名古屋圏

 三大都市圏(※)で大阪圏のみ、「輸送力」、「輸送人員」、「混雑率」がともに低下している。

 各都市圏とも、H15年を境に各指標が比較的安定するが、大阪圏の場合「輸送力」が落ちているのに、「混雑率」  が減少するという特異な現象が起きており、人の移動そのものが縮小していると考えられる。

【鉄道の状況】 三大都市圏鉄道の輸送力・輸送人員・混雑率 【鉄道の状況】 三大都市圏鉄道の輸送力・輸送人員・混雑率 (指数の推移)(指数の推移)

※  輸送力と輸送人員の数値は「昭和50年を100」としたときの指標  三大都市圏とは、国交省が統計上指定している主要路線の特定区間。東京31区間、名古屋8区間、大阪20区間。 18

0

500

1,000

1,500

2,000

2,500

3,000

3,500

40 50 60 7 12 15 16 17 180

200

400

600

800

1,000

40 50 60 7 12 15 16 17 18

0

2,000

4,000

6,000

8,000

10,000

40 50 60 7 12 15 16 17 18

JR私鉄地下鉄高速計

【鉄道の状況】 主要都市における鉄道の輸送人員の推移【鉄道の状況】 主要都市における鉄道の輸送人員の推移

 主要都市別の鉄道輸送人員をみると、特別区や名古屋市が着実に増えているのに対し、大阪市の輸送人員は平  成7年をピークに下降している。

(単位:百万人)<東京23区内> <名古屋市内> <大阪市内>

19

(出典) 都市交通年報 平成20年度版

鉄道全体

私鉄

JR

地下鉄

(データから言えること)◇ 主要都市と比べると大阪市のみ輸送人員が減少しており、昼間人口の減少と連動するとともに、   輸送ポテンシャルの低下が見られる。

◇ 市営地下鉄の収益性や財務体質は極めて良好であり、事業として十分成り立つ優良企業。  一方で、乗車効率が低い、職員数が多いなど、効率性には改善の余地が認められる。

◇ 一路線(御堂筋線)への依存度が他都市に比べて非常に高く、戦略的な路線展開が出来ていない  可能性がある。

◇ 当面は人件費削減などの業務改革を積極的に進め、将来的には「基盤交通の整備」として一定の  役割を終えた地下鉄事業については、民間の効率的な経営に委ね、都市の成長に寄与する都市  交通の戦略的な事業展開が望まれる。

(今後の方向性)◎  職員数の削減や人件費の抑制、民間への監理委託等のアウトソーシングを積極的に進めるなど、  さらに効率性を高め、収益性を向上させることが可能であると考えられる。

◎  慢性的な赤字公営企業であるバス事業とは切り離し、高い収益性を都市交通の戦略的基盤整備  に有効的に投資していくことが求められる。

◎  都市交通圏は京阪神の広がりを持つなか、私鉄との連携や市域外への戦略的な展開が図られて  いないなど、都市の発展に寄与できていない。中長期的には広域自治体への移行あるいは民営化  により、都市の成長を牽引する有力なツールとして活用することが望まれる。

20

地下鉄の分析結果地下鉄の分析結果

21

【現状】 インフラの状況 【現状】 インフラの状況 ~「面積あたり」と「人口あたり」比較(特別区及び政令市内)~~「面積あたり」と「人口あたり」比較(特別区及び政令市内)~

 面積あたりのインフラ状況は、可住地面積が狭いこともあって充足度は高い。

 人口あたりでは、営業キロ、駅数は特別区と名古屋市の中間に位置するが、車両数は最も多い。

0.58

0.55

0.58

0.24

0.31

0.28

0.6

0.46

0.49

0 0.5 1

車両数

駅数

営業キロ

特別区名古屋市大阪市

面積あたり(可住地面積)面積あたり(可住地面積) 人口あたり(昼間人口)人口あたり(昼間人口)

0.36

0.34

0.36

0.35

0.44

0.41

0.33

0.25

0.27

0 0.5

車両数

駅数

営業キロ

特別区名古屋市大阪市

(出典) インフラは「地方公営企業年鑑(H20)」から      面積・人口は総務省HPから

都市名営業収益(百万)

運輸収益(百万円)

1 日平均輸送人員(千人)

営業キロ(㎞)

1日平均走行キロ

(㎞)路線数 駅数

平均在籍車両数 従業員数

東京メトロ 346,224 297,624 6,361 195.1 756,318 9 179 2,665 8,070

東京都営 133,960 123,735 2,337 109.0 317,671 4 106 1,086 3,481

横浜市営 36,830 35,835 542 53.4 90,573 2 40 282 763

名古屋市営 76,177 70,049 1,171 89.1 182,762 6 96 762 2,481

大阪市営 152,847 144,700 2,301 129.9 314,627 8 123 1,280 5,453

22

【現状】 基礎データ(運輸成績等)の比較【現状】 基礎データ(運輸成績等)の比較

出典:東京メトロは同社の「有価証券報告書(H20)」より。    その他は地方公営企業年鑑(平成20年決算)    ※ 営業収益には敬老無料パス分の「繰入金」を含む(前ページは分けて表記)      路線数にはニュートラムのようないわゆる「新交通システム」は含まない

1,436

81

301

11 103

0

500

1,000

1,500

総収益

124

150

247

245

407

523

0

500

1,000

1,500

総費用+純利益

人件費繰入金

補助金その他

営業収益

特別利益

運賃収入

営業 外収益

運賃収入だけで全体の86%

 総収益は約1,663億円で、大半(86%)を運賃収入で賄っており、毎年270億円前後の利益を生みだしている。  ※ 公費投入の約114億円(補助金+繰入金)がなくても十分な黒字経営。

【現状】 大阪市営地下鉄の収支内訳 ~H20年度決算より~

(億円)

公費投入は7%に留ま

営業 外費用

特別損失

純利益

減価償却費

営業費用

フェスティバルゲート等の売却に伴う特別損失でH 20 年度の特殊要因

特損がなければ毎年270億円近い利益を計上

する優良企業

23

人件費は31%

(出典) 「地方公営企業年鑑(H20)」総収益:1,663億円総収益:1,663億円

92

97.3

92.4

86

94.7

80 90 100

 運輸成績からみた収益性は東京の2事業者(メトロ・都営)に次いで高く、特に営業収益に占める運輸収入の割合   が高いなど、鉄道事業だけで十分に経営が成り立つ収益構造となっている。 一方で乗車効率をはじめ、他都市と比べて効率性が劣っており改善の余地が見られる。

営業キロあたり 運輸収入 営業 収入に占める運輸収入の割合

(%)

一車両あたり運輸収入

【収益性】 運輸成績による分析 (他都市比較)【収益性】 運輸成績による分析 (他都市比較)

24

786

671

1135

1525

1114

0 500 1000 1500

大阪

名古屋

横浜

東京都

メトロ

営業キロあたり輸送人員 乗車効率職員一人当たり輸送人員

311.5

418.4

401.2

386.6

0 200 400 600

(千円)

13.1

10.1

21.4

32.6

17.7

0 20 40

大阪

名古屋

横浜

東京都

メトロ

172.3

259.4

245

154.1

0 100 200 300

35.1

38.1

42

32.9

0 25 50

(千円)

3位

3位

2位

3位

4位

4位

(人) (人) (%)

(出典) 「地方公営企業年鑑(H20)」

※  乗車効率=乗車密度 ÷ 平均定員  乗車密度=年間延人キロ ÷ 年間走行キロ

16.7

19.5

11.8

6.8

0 10 20

44.9

51.3

34

31.8

0 20 40 60

124.8

115.2

119.4

132

134

50 100 150

102.2

94.8

110.4

124.2

120.4

50 100

大阪

名古屋

横浜

東京

メトロ

(単位:%)

25

【収益性】 財務状況による分析《上段PL・下段BS》 (他都市比較)【収益性】 財務状況による分析《上段PL・下段BS》 (他都市比較)

4位

4位

経常収益に占める公費割合(※)

運輸収益に占める企業債償還元金

 PL財務分析:東京メトロに次いで高い収益性を持ち、公費(補助金+繰入金)の投入率が最も低い。

 BS財務分析:東京メトロを含めても財務体質が最も良い(資産が十分に活かされていない可能性がある)。

2位

1位

※  公費割合  =経常経費/補助金+繰入金

経常収支比率 営業 収支比率

87.5

153.1

291

55.6

25.2

0 200 400

11.1

28.7

27.7

33.2

47.7

0 20 40 60

大阪

名古屋

横浜

東京

メトロ

1位

1位

自己資本比率 流動比率

(出典) 「地方公営企業年鑑(H20)」

1,244

- 4,746

1,322

- 4,636

1,340

- 4,433

317

- 2,393

330

- 2,426

368

- 2,447

818

- 3,185

826

- 3,204

368

- 3,186

1,537

- 691

1,567

- 466

1,557

- 342

-5000

-4000

-3000

-2000

-1000

0

1000

2000

東京都営 横浜市営 名古屋市営 大阪市営

【収益性】 収支状況の推移 (他都市比較)【収益性】 収支状況の推移 (他都市比較)

 大阪市は高い人口密度や経済地盤に支えられ、東京と比べても収益性は高く、21年度の決算では累積欠損額  が解消されるなど、優良な経営体質と言える。 (※ 東京メトロは累積欠損がなく、平成20年度決算の営業収益は 3,462億円にのぼる。)

(億円)

営業 収益営業 収益

累積欠損累積欠損

H18 H19 H20

26

(出典) 「地方公営企業年鑑(H20)」

0

20

40

60

80

- 200

- 100

0

100

200

300

400

【収益性】 路線別の「収支状況」と「輸送人員」 (他都市比較)【収益性】 路線別の「収支状況」と「輸送人員」 (他都市比較)

平均値ライン

経常収支(H20)

経常収支(H20)

キロあたり輸送人員(H20)

キロあたり輸送人員(H20)

東京メトロ 東京都営 名古屋市営 大阪市営

御堂筋の黒字が他路線をカバー

(億円)

(人)

27

最大と最小の格差が最も大きい

 大阪市営地下鉄は、御堂筋線への依存度が極めて高く、営業収益(353億円)、輸送人員(60人/キロ)ともに  突出している。また、輸送人員では「多い路線」と「少ない路線」の格差が大きい。

 御堂筋線、堺筋線、中央線など、相互乗入をしている路線は黒字化している。

(出典) 経常収支は各事業者のHPより作成 輸送人員は「都市交通年報(H20)」

銀座

東西

大江戸

三田

半蔵門

有楽町

新宿

御堂筋

丸ノ内

千代田

東山

上飯田

桜通

名城・名港

日比谷

南北

鶴舞

四ツ橋

堺筋

谷町

中央

千日前

長堀鶴見緑地

今里筋浅

※  横浜市営は路線数が少ない  (2路線)ため、省略した。

大江戸

三田

新宿

御堂筋東

上飯田 桜

名城・名港 鶴

四ツ橋

堺筋

谷町

中央

千日前

長堀鶴見緑地 今里筋浅

【効率性】 「監理委託」と「再雇用・嘱託」の取組み (他都市比較)【効率性】 「監理委託」と「再雇用・嘱託」の取組み (他都市比較)

47

28 2244 10 10

22

2

12 1357 16 21

11183 17

0%

20%

40%

60%

80%

100%

札幌 横浜 福岡 東京 神戸 京都 大阪 名古屋 仙台

直営駅委託駅

21.5%

18.3%15.8% 14.9%

4.5% 3.9% 3.1% 2.2%0.0%

0%

5%

10%

15%

20%

25%

京都 名古屋 福岡 神戸 仙台 東京 横浜 札幌 大阪

 駅業務の管理委託状況では、委託を実施していない名古屋と仙台を除けば、大阪市営の委託率は最も低い。

 再雇用・嘱託の制度を導入していないのは大阪市営のみ。

駅業務の委託状況

再雇用・嘱託の状況

(数字は駅数)

28

(出典) 公営の数値は「地方公営企業年鑑(H 20 )」より      私鉄の数値は関西私 鉄4社(近鉄・南海・阪神・京阪)の決算書( 「有価証券報告書(H 20 )」 )より平均を算出。

  ※  平均年間給与は、公営・私鉄ともに期末勤勉手当(賞与)及び諸手当(基準外賃金)を含む額。

【効率性】 私鉄と公営地下鉄の比較 《職員数と平均年収》

 私鉄、大阪市営地下鉄、公営地下鉄平均を比較すると、営業キロ当たりの職員数では大阪市が突出して多く、  平均年収でも公営平均を若干下回るものの、民間との差は約127万円となっており、効率化の余地が残されて  いると思われる。 

29

25.4

44.6

26.1

0

25

50

営業キロあたり職員数

627

754763

500

600

700

800

平均年収

私鉄平均

大阪市営

公営平均

差19.2差19.2人人 差127万差127万

円円

営業キロあたり 職員数 平均年間給与(人) (万円)

平均年齢41歳

平均年齢43歳

平均年齢41歳

15

33

7

5

8

22

5

0%

25%

50%

75%

100%

東京 名古屋 大阪

接続なし乗換え相互乗入

【利便性】 路線の効果的な展開 (他都市比較)【利便性】 路線の効果的な展開 (他都市比較)

 地下鉄の各路線の両端における接続状況を見ると、大阪市営は相互乗入の導入率が最も低く、まったく接続の 無い路線が多いなど、他の鉄道事業者との連携ができておらず、「人の流れ」を十分に取り込めていない。

・ 環状路線である「都営大江戸線 」及び「名古屋市営名城線 」は路線数にカウントしていない・ 路線に「支線」がある場合、その端はカウントしていない・ 東京メトロの「小竹向原駅」及び都営の「泉岳寺駅」でも相互乗入しているが、両端ではないのでカウントしていない。

路線両端の接続数と接続率路線両端の接続数と接続率

19%

31%

50%

8%

29%

63%

※  「対面乗換え」は地下鉄のみの比較   (東京の数値は「東京メトロ」+「都営地下鉄」)   「複々線区関数」は私鉄も含めた全区間の比較

12路線24端 5路線10端 8路線16端

30

1

8

1

0 5 10

大阪

名古屋

東京

2

18

7

0 10 20

大阪

名古屋

東京

対面乗換え駅数

複々線区間数

大国町駅

(駅)

(区間)

128

146162

170 171 172180 183 186 191

0

50

100

150

200

250

メトロ 東京 名古屋 福岡 大阪 札幌 横浜 京都 神戸 仙台

【利便性】 一人当たり料金単価《平均単価順》 (他都市比較)【利便性】 一人当たり料金単価《平均単価順》 (他都市比較)

 大阪市営地下鉄の料金単価は、全体の平均額とほぼ同額の171円で比較事業体中、5番目。 しかし、路線数の多い(=スケールメリットが働く)三大都市交通圏では、最も高い料金設定。

全体料金の平均(169

円)

<三大都市交通圏>31

(出典) 「都市交通年報(H20)」

100

150

200

250

300

350

400

1区 2区 3区 4区 5区

200

230

270

310

360

170210

260

160

190

230

270

300

(円)

32

【地下鉄・利便性】 区間運賃の比較(大阪市と都区部)【地下鉄・利便性】 区間運賃の比較(大阪市と都区部)

 大阪市営地下鉄は、都営地下鉄や東京メトロに比べ、「初乗り運賃」が高く、キロ当たり単価では、大阪市営は都営 の約1.6倍、東京メトロの約2.5倍となっている。

0

10

20

30

40

50

60

70

67

大阪市営

東京都営

東京メトロ

大阪市営

東京都営

東京メトロ

4333

2116 14

23

17 15 13

27

1712 10

8

1区 2区 3区 4区 5区

(円)区間別料金区間別料金 キロあたり運賃キロあたり運賃