日本体育・スポーツ経営学会 研究集会プレゼン(まとめ含む)
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2013.10.19日本体育・スポーツ経営学会研究集会
体育・スポーツ経営研究の方法論をめぐる課題について
高岡敦史
(岡山大学)
はじめに
共同研究の実践に向けて 第44回研究集会で残された課題(参照:会報62号)
「スポーツ政策経営」学の可能性
将来のあるべき社会を想定して指標化する未来学が可能か?
政策を評価するのか?現場での問題を取り扱うのか?
スポーツ政策に対する経営学的アプローチとは?
観るスポーツからみたスポーツ経営研究の課題
「スポーツが文化として根付くこと」を目指した観るスポーツ研究とは?
そのための研究領域とは? -観戦者の享受能力研究
スポーツツーリズム研究の可能性
スポーツツーリズムの定義
効果検証研究が必要
共同研究の方法と成果について
ケースエビデンスの個別的蓄積から学会としての体系化が必要
個別に研究する個人と,組織としての学会との関係性の検討が必要
共同研究の実践に対するモチベーションの喚起が必要
研究対象
研究の方向性
研究方法
研究方法
研究の方向性
研究方法
研究の方向性
共同研究体制の構築
共同研究への動機付け
知の体系化
共同研究の方法論方法論
はじめに
共同研究の実践に向けて 第44回研究集会で残された課題
研究対象
研究の方向性
研究方法
共同研究体制の構築
共同研究への動機付け
知の体系化
×
方法論
問題提起
体育・スポーツ経営学の研究方法テキストを
学会を挙げて書くと
研究対象研究の方向性 研究方法
「社会全体がスポーツをめぐるマネジメントに大きな関心を寄せるようになってきたことは,スポーツの持つ文化的,経済的可能性が評価されているとみることもでき,大変喜ばしいことです.(中略)
多くの関心が寄せられ研究の必要性が増しているからこそ,調査方法といった技術的な問題を始め,この領域における研究の意義や研究者の立ち位置など,研究方法に関する基本的な議論の必要性を感じます.」(柳沢,2008)
問題提起
体育・スポーツ経営学の研究方法テキストを
学会を挙げて書くとしたら・・・ 冒頭に書かれるべきこと
体育・スポーツ経営学研究は何のために行われるのか?
体育・スポーツ経営学が蓄積する知の価値(機能)に関する問い
→ 経営学は現場に対してどう機能する(「役立つ」)のか?
体育・スポーツ経営学は何を研究対象にするのか?
多様な研究対象から収集される多様な知の体系化に関する問い
→ 経営領域的分化を超えてどう知を体系化するか?
→ 研究領域の設定の仕方とは?
研究の進め方に関する章で書かれるべきこと
蓄積すべき知はどのように収集すればよいか?
研究方法の違いを超えた知の体系化に関する問い
研究対象
研究の方向性
研究方法
問題目に見えている問題
– 学問としての目的の多様化経営・組織現象の理解
→ 現象の因果的・構造的説明,理論体系の構築 : 説明するだけの学?
経営・組織の問題解決→ 現場の問題解決要請への回答 : 知の体系化を目指さない技術
論?
何のために研究をするのか?– 経営領域的な専門分化
学校体育,地域スポーツ,公共スポーツ施設,商業スポーツ施設,職場スポーツ,プロ・競技スポーツ,スペクテイタースポーツ
何を研究対象にするのか?知の体系化はどうなされるのか?
– 方法の二分化(二項対立?)統計学的・量的方法 : 研究者視点からのマクロ的認識解釈学的・質的方法 : 当事者視点からのミクロ的認識
どのような方法で知を蓄積する
研究対象
研究の方向性
研究方法
問題隠れている問題
何のために研究をするのか?– 学問の存立に関する信念対立
体育・スポーツ経営学は何のために存在するのか?
スポーツの(ための)経営 ⇔ スポーツによる経営
– 学問としての目的の違い
産出・蓄積する知は現場に対してどういう価値を持つべきか?
何を研究対象にするのか?– 研究トピックの拡散と領域的専門化
「私は〇〇を専門とする研究者」
どのような方法で知を蓄積するか?– 認識論的な対立
体育・スポーツ経営学の科学性とは?
問題隠れている問題
何のために研究をするのか?– 学問の存立に関する信念対立
清水‐原田誌上シンポ(2008):経済・経営学部の人材養成と体育・スポーツ系学部のそれとはどう違うのかという問いに対する回答
– 学問としての目的の違い
実践性の度合い : 実践理論(清水,1993)‐事務的研究(原田,2010)
(スポーツの文化化という)原点に立ち帰る必要がある(柳沢,2013)
何を研究対象にするのか?– 研究トピックの拡散と領域的専門化
従来の研究の延長線上で,研究関心が拡散している(柳沢,2008)
どのような方法で知を蓄積するか?– 認識論的な対立
社会科学における方法論議と方法併用の試行(高岡,2010)
この後のグループワークで議論していただきたいこと
何のために研究をするのか?
– 学問の存立に関する信念対立
– 学問としての目的の違い
「役に立つ」研究は,どのような知を生み出すものか? 「役立つ」研究とは?
それはどのような知か?
何を研究対象にするのか?
– 研究トピックの拡散と領域的専門化
体育・スポーツ経営学の学問体系をどう構築するか? 体育・スポーツ経営学の「役割分担(=分科構成)」とは?
研究方法の違いを乗り越えるには?本学会の人的資源はごくわずかです・・・.
信念対立に終わらず,資源を有効活用する道を探したいと思います.
研究方法テキストの序章の内容
研究方法テキストの全体の章立て
運動生活者 経営組織性別 障がい 発達 営利-非営利 ・・・
する
みる
支える
人(組織)
モノ
金
貢献する対象の高さ軸 情報
事業
研究対象の平面
議論のまとめ:「役に立つ」ということと研究対象の構造化(案)
参考文献
• 原田宗彦・清水紀宏(2008)体育・スポーツマネジメント教育の基本問題.体育・スポーツ経営学研究22:3-8
• 原田宗彦(2010)基調講演:スポーツマネジメントを科学する.スポーツマネジメント研究2(1):97-106
• 日本体育・スポーツ経営学会(2013)会報62:4-9
• 清水紀宏(1993)体育経営学の性格.体育・スポーツ経営学研究10(1):7-28
• 高岡敦史(2010)体育・スポーツ経営研究の方法試論-定量的方法と定性的方法の相互補完的併用の試み-.体育経営管理論集2:11-22
• 柳沢和雄(2008)巻頭文.日本体育・スポーツ経営学会会報52:1
• 柳沢和雄(2013)巻頭文.日本体育・スポーツ経営学会会報62:1-2