平成 29 年度 化学物質安全対策 (フロン排出抑制法 …...3 図3...

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平成 29 年度 化学物質安全対策 (フロン排出抑制法関係調査) 報 告 書 平成30年 3月 9日

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Page 1: 平成 29 年度 化学物質安全対策 (フロン排出抑制法 …...3 図3 モントリオール議定書改正の内容と日本への影響 (出典:産業構造審議会

平成 29年度 化学物質安全対策

(フロン排出抑制法関係調査)

報 告 書

平成30年 3月 9日

Page 2: 平成 29 年度 化学物質安全対策 (フロン排出抑制法 …...3 図3 モントリオール議定書改正の内容と日本への影響 (出典:産業構造審議会

目 次

序章 調査の背景・目的 ............................................................................................... 1

第1章 フロン類製造業者等に関する調査 ....................................................................... 7

1.1 フロン類製造業者等に関する調査 ...................................................................... 7

1.2 フロン類製造業者等製造量実態調査 .................................................................. 8

1.3 HFC ガスの代替準備等状況 ............................................................................. 13

1.3.1 HFC ガスの代替準備等の状況 .................................................................. 13

1.3.2 高圧ガス保安法施行令の一部を改正する政令 ............................................. 21

第2章 指定製品製造業者等に関する調査..................................................................... 23

2.1 指定製品製造業者調査 ................................................................................... 23

2.1.1 指定製品製造業者調査の結果 .................................................................. 24

2.1.2 指定製品における HFC ガス転換現状と今後見通し ....................................... 25

2.2 指定製品の冷媒転換候補となる製品の上市状況 .................................................. 28

2.2.1 家庭用エアコンディショナーの冷媒転換候補となる製品の上市状況 .................. 28

2.2.2 店舗・オフィス用エアコンディショナーの冷媒転換候補となる製品の上市状況 ...... 31

2.2.3 コンデンシングユニットの冷媒転換候補となる製品の上市状況 ......................... 46

2.2.4 中央方式冷凍冷蔵機器の転換候補となる製品の上市状況 ............................. 50

2.2.5 硬質ウレタンフォームを用いた断熱材原液の転換候補となる製品の上市状況 ..... 52

2.2.6 専ら噴射剤のみを充填した噴霧器用ガスの転換候補となる製品の上市状況 ....... 55

2.2.7 業務用エアコンディショナーの冷媒転換候補となる製品の上市状況 .................. 56

2.2.8 ターボ冷凍機の冷媒転換候補となる製品の上市状況 ..................................... 56

第3章 国際動向調査 ................................................................................................. 59

3.1 世界の HFC ガス排出に関するデータ比較 .......................................................... 59

3.2 国際的な HFC 冷媒の動向調査のまとめ ............................................................. 64

3.3 欧州における動向調査 .................................................................................... 66

3.4 欧米のスーパーマーケットの冷媒転換状況 .......................................................... 87

3.5 米国 SNAP の最新冷媒情報 ............................................................................. 92

付録 .................................................................................................................... 101

付録1:冷媒等リスト一覧 ......................................................................................... 101

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序章 調査の背景・目的

冷凍冷蔵空調機器などの冷媒に使われてきたフロン類は、かつてオゾン層破壊への影響

が指摘されたことから、世界各国はモントリオール議定書に沿って削減を進め、代替フロン

(以下 HFC)へと転換を行った。しかし、HFC は地球温暖化効果係数(GWP)が CO2等

よりはるかに高く、生産、充填、廃棄時の漏えいに加え、冷凍冷蔵空調機器分野を中心に、

使用時の機器からの漏えいが増加していることが判明したこともあって、地球温暖化防止

の観点から世界規模の規制強化の動きが始まっている。

日本ではフロン回収・破壊法の改正法が平成 26 年(2014 年)6 月に公布され、平成 27

年(2015 年)4 月より「フロン類の使用の合理化及び管理の適正化に関する法律(以下「フ

ロン排出抑制法」という)」が施行されている。

図 1 HFC(ハイドロフルオロカーボン)問題の背景

新たなフロン排出抑制法に基づく対策は、フロン類の製造から廃棄までのライフサイク

ルの各段階における 4 つの対策(フロン類及びフロン類使用製品の製造、特定製品の管理、

フロン類の充塡・回収・再生・破壊)を通じて排出抑制対策を講ずる制度となっており、ま

た、国は、フロン排出抑制法に基づく事業者の取組の進捗状況を含む、フロン排出抑制法の

施行状況について定期的に調査及び評価し、その内容を公表することとなっている。

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このため、当該調査事業において、フロン類の製造業者等の判断の基準及び指定製品に関

する製造業者等を規定するための判断基準に関わる事業者等(製造及び輸入)の実態を継続

して調査し、また、指定製品に関する技術動向を把握するための情報を収集する。

図 2 フロン排出抑制法の概要

(出典:フロン排出抑制法・第一種特定製品の管理者等に関する運用の手引き 2015.3 環境省、経済産業省)

また、平成 28 年(2016 年)10 月モントリオール議定書キガリ改正において、新たな削

減対象物質に HFC を加え、先進国においては 2036 年に 85%削減を行うことが決定され

た。

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3

図 3 モントリオール議定書改正の内容と日本への影響

(出典:産業構造審議会 製造産業分科会 化学物質政策小委員会フロン類等対策WG(第 9 回)、2016.12)

本調査は、フロン排出抑制法による排出削減対策のうち「フロン類及びフロン類使用製品

の製造」という上流部分に係る排出抑制対策を講ずる(図 2(1)、(2)に対応)ことに資

する調査である。

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図 4 2016年までの代替フロン等4ガスの要因別排出量の推移

※回収は廃棄時回収量の合計値。

(出典:産業構造審議会 製造産業分科会 化学物質政策小委員会フロン類等対策 WG(第 12 回)資料 3-1、2017.12)

本実態調査の範囲は、フロン類排出量の要因別においては上図の“製造”段階部分に相当

する製造量・輸入量の把握になる。排出量削減についてはこれまで寄与してきた分野である

ともいえる。フロン類排出の上流部分であり、それらの流通量、製品としてのストック量を

把握することは、フロン類全体としての削減に向けて意義がある。

この分野では、フロン類の製造・使用の分野毎に各業界団体が毎年、取りまとめている排

出量の自主的取組がある。産業構造審議会の化学物質政策小委員会フロン類等対策 WG で

1 年に一回提示される“分野ごとの行動計画に基づく取組の進捗状況(個表)”において大

気排出量と自主的な排出抑制対策が報告されている。記載された大気排出量データをまと

めた年次経過は以下の図 5、図 6 や表 2 になる。

本調査の範囲に対応する該当分野は、HFC 等製造、発泡・断熱材、エアゾール等、冷凍

空調機器である。それら 4 つの分野における製造量を把握することである。

それら 4 分野での 2016 年排出量は、対前年比で増えており、排出量全体の 8 割以上を占

める冷凍空調機器の分野は、対前年比で 11%増加している点などに注意を払って調査した。

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(出典:産業構造審議会 製造産業分科会 化学物質政策小委員会フロン類等対策 WG(第 12 回)資料 3-2、2017.12)

図 5 2016年までの代替フロン等4ガスの排出量の推移

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図 6 HFC 等 4ガス 分野別排出量(1995~2016年度)

(出典:産業構造審議会 製造産業分科会 化学物質政策小委員会フロン類等対策 WG(第 12 回)資料 3-2、2017.12)

表 2 2016年(暦年)における HFC 等 4ガス分野別排出量と前年比増減

(出典:産業構造審議会 製造産業分科会 化学物質政策小委員会フロン類等対策 WG(第 12 回)資料 3-2、2017.12)

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第1章 フロン類製造業者等に関する調査

1.1 フロン類製造業者等に関する調査

フロン排出抑制法において、制度の周知及びフロン類の製造・輸入実績の把握等を目的

に、「フロン類製造業者等(以下、ガス製造業者という。)」について、調査を実施した。

経済産業省オゾン層保護等推進室に蓄積されている事業者情報をベースに、日本フルオ

ロカーボン協会、同協会加盟事業者、日本化学品輸出入協会、HFC 類の個別名 HFC-

134a、HFC-152a、HFC-32、R-404A、R-407C、R-410A 等のキーワードを用いてのイン

ターネットの一般検索機能を活用した情報収集等により、フロン類の製造・輸入があると

見込まれた事業者の調査を実施した。

本年度調査において対象とする HFC 類は、下表にあるモントリオール議定書改定(キガ

リ改正)において対象とされた HFC18 種とした。

(出典:産業構造審議会 製造産業分科会 化学物質政策小委員会 フロン類等対策ワーキンググループ、

中央環境審議会 地球環境部会 フロン類等対策小委員会 合同会議(第 5 回)‐資料 2 キガリ改

正を踏まえた新たな代替フロン規制の基本的事項等について、2017.4.11 より抜粋)

※フロン排出抑制法は、京都議定書の対象物質となっている HFC を規制対象としている。フロン排出抑

制法では、上記 18 種以外に、HFC-161(GWP:12)を加えた計 19 種が規制対象となっているが、

HFC-161 は可燃性物質であって世界的に需要量が少なく、キガリ改正では対象とされていない。

経済産業省オゾン層保護等推進室からの情報を基本に、フロン類の製造・輸入があると

見込まれた事業者より HFC の製造・輸入に関するアンケート調査を実施した。その総括表

として、以下の表を示す。

表 1.1 フロン類の製造業者等の総括表

( ):輸入業者数

区分 調査実施の 全体

備 考

うち、報告対象事業者

フロン類製造業者 等 103社 15社(13社) 国内製造業者を網羅した。

輸入業者もほぼ網羅した。

※1:本調査において把握された事業者数である。

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1.2 フロン類製造業者等製造量実態調査

現在把握しているフロン類の製造業者等(国内製造業者及び輸入業者)及び今後製造等

を行う可能性のある事業者について、2011 年~2017 年の HFC ガス種毎の製造等の実績

(有姿トン)について調査を行った。

本調査の主旨は、平成 28 年(2016 年)10 月モントリオール議定書キガリ改正に基づい

たものである。

平成 28 年(2016 年)10 月モントリオール議定書のキガリ改正では、新たな削減対象物

質に HFC を加え、先進国は 2011~2013 年の平均を基準として 2036 年に 85%削減を行う

ことが決定された。

図 1.1 モントリオール議定書改正の内容と日本への影響

(出典:産業構造審議会 製造産業分科会 化学物質政策小委員会フロン類等対策WG(第 9 回)、2016.12)

キガリ改正により日本の HFC の生産・消費の規制が新たに必要となることが産業構造審

議会 製造産業分科会 化学物質政策小委員会フロン類等対策 WG で 2016 年 12 月に示され

た。

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図 1.2 日本のフロン類対策とキガリ改正

(出典:産業構造審議会 製造産業分科会 化学物質政策小委員会フロン類等対策WG(第 9 回)、2016.12)

HFC の今後の生産・消費の規制(割当)が新たに必要になることを踏まえての事前調査

である。将来、HFC は製造数量枠の許可制、輸出入管理という規制に向けた動きがあるこ

とが想定され、制度導入後に法に基づき行う調査(正式調査)の事前調査という位置付け

となる。

調査の概要を下表に示す。

表 1.3 HFC 製造量等に関する調査の概要

1. アンケート調査名:「HFC 製造量等に関する調査」

2. アンケート対象事業者と対象内容:

・現在フロン類の製造等を行っている事業者(国内製造業者及び輸入業者)

・対象期間:2011 年~2017 年の7年間 (暦年ベース)

・対象 HFC ガス :モントリオール議定書キガリ改正の対象 HFC(ガス種別)18 種

R-134, R-134a, R-143, R-245fa, R-365mfc, R-227ea, R-236cb, R-236ea,

R-236fa, R-245ca, R-43-10mee, R-32, R-125, R-143a, R-41, R-152,

R-152a, R-23 とそれらの混合媒体

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3. 調査実施期間:2017 年 9 月 5 日~2017 年 11 月 10 日

(2017 年に製造等を行う事業者については 2018 年 2 月まで)

4. アンケート送付資料類:

1:HFC 製造量等に関する調査の実施について(経済産業省)

2:HFC 製造量等に関する調査報告ご依頼

3:秘密保持に関する差入書

4:HFC 製造量等の記入に際しての注意事項等及びデータ報告方法

5:記入用データシート(提出用)

6:調査除外希望の提出様式

フロン類の製造業者等(国内製造業者及び輸入業者)及び今後製造を行う可能性のある事

業者について、過去 6 年間(2011 年~2016 年)の実績量と本年(2017 年)の見込み量、実績

量についてガス種毎の製造等の実績について調査を行った。

対象としたフロン類の製造業者

-----経済産業省からの提供リスト事業者 93 事業者及びさらに探した事業者 10 事

業者の合計 103 事業者

調査方法-----上記のアンケート資料を郵送にて送付、

回答は FAX、郵送、メールの選択制とした。

〇回答状況

アンケート送付事業者数 103 事業者

回答事業者 102 事業者

※ 1 事業者は宛先不明で未着。

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◯回答種別

HFC の製造あるいは輸入販売量は 1t(有姿 t)以上である 27 事業者

HFC の製造あるいは輸入販売量は 1t(有姿 t)未満である 10 事業者

今後 HFC の輸入販売を行う可能性がある 2 事業者

リストからの除去を希望(現在 HFC の製造あるいは輸入販売を行っていない)*1 61 事業者

リストからの除去を希望(今後 HFC の製造あるいは輸入販売を行なわない)*2 56 事業者

※:*1 と*2 は重複事業者あり。

◯CO2換算の集計結果

1)HFC 類出荷相当量(消費量)を含む総合表

HFC 類出荷相当量(消費量)を含む総合表を以下に示す。

(単位:万 CO2-t)

2011年 2012年 2013年 2014年 2015年 2016年 2017年

国内製造量 4,891 4,384 3,982 3,693 3,928 3,727 3,882

うち原料用途 597 742 762 859 837 844 724

輸入量 4,339 3,756 3,980 3,535 3,520 3,451 3,494

うち原料用途 19 36 26 45 25 43 44

輸出量 2,161 1,874 1,356 1,102 1,819 1,631 1,758

試験研究 0 0 0 0 0 0 0

生産量 4,295 3,641 3,220 2,834 3,091 2,883 3,158

消費量 6,453 5,487 5,818 5,222 4,766 4,660 4,850

※1:年は暦年ベース。

※2:2011年~2013年の消費量(出荷相当量)の平均値は 5,919 万 CO2-t と算定される。

上記を踏まえて、我が国の HFCの生産量・消費量の基準限度を推計する。

2011年~2013年の生産量・消費量実績の平均値(生産量 3,719万 CO2-t、消費量 5,919万

CO2-t)に、HCFCの基準値×15%分をそれぞれ算入すると、

我が国の HFCの基準限度は、生産量:4,963万 CO2-t、消費量:7,120万 CO2-t と推計さ

れる。

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※3:消費量は以下のフロン類出荷相当量の算定式(平成 27年 3月 31日の経済産業省告示第四十九号)

から算出している。

(出典:経産省、産業構造審議会 製造産業分科会 化学物質政策小委員会

フロン類等対策ワーキンググループ(第 6 回)、資料 1-1、2014.6)

※4:上記表には破壊量を表記せず。試験・研究用途は報告集計はほぼゼロであった。

※5:上記表の生産量=国内製造量-破壊量-原料用途。

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1.3 HFCガスの代替準備等状況

1.3.1 HFCガスの代替準備等の状況

(1)冷凍冷蔵空調機用の冷媒

<GWP 目標値:空調機器 750、コンデンシングユニット 1,500、中央方式 100>

今後の冷凍冷蔵空調機等のための HFC 代替ガスについて、先進諸国の冷媒等の開発メ

ーカーはそれぞれの機器機能の効率性を低下せずに、低 GWP でかつ不燃性に近い代替ガ

スを採用したいという難しい課題に向かって開発を進めている。

これまでの状況全般としては、1990 年代より先進諸国を中心にオゾン層を破壊する

CFCs や HCFCs に代わってエアコンディショナー(以下、エアコン)やチラー、冷蔵デ

ィスプレイケースの多くが R-407C、R-410A、R-134a、R-404A など HFC 冷媒を採用し

てきた。

主な冷凍冷凍空調機器用の冷媒は

エアコン ;⇒R-410A、R-407A、R-32

ターボ冷凍機、その他大型チラー ;⇒R-134a、R-245fa

小型のチラー ;⇒R-410A

冷凍冷蔵関連機器 ;⇒R-404A、アンモニア、CO2

が使用されてきた。

主に使用されている HFC ガスは温暖化係数が高いため、より GWP の低い HFC 代替ガ

スの開発が必要になっている。

例えば、R-410A は、HFC-32 と HFC-125 の 1 対 1 の混合冷媒として不燃性を有し、オ

ゾン層を破壊する R-22 の代替として 90 年代半ばに米国で初めて導入され、現在は日本や

欧州その他の地域でも冷凍空調機器の主流の冷媒となっている。 R-22 がモントリオール

議定書のもとで段階的に廃止になるに従い、R-410A は現在でも、世界の主要市場の一部

や途上国でも新たに導入されている。 日本では家庭用エアコンは 2018 年に店舗・オフィ

ス用エアコンは 2020 年に GWP が 750 以下の冷媒としなければならない(フロン排出抑

制法)、米国では R-410A が 2025 年にはチラー用途で SNAP リストから削除される、な

ど、R-410A 規制への動きが盛んになっている。

フロン排出抑制法の製品別区分を基準に冷媒等の主要な開発メーカーと開発商品の整理

を行うため、世界の主要な冷媒開発メーカーを 6 社を調査した。

これら 6 社は、欧州で開催された冷凍空調機器展 Chillventa2016 において、新規開発

中の冷媒を PR するセミナーをそれぞれ 30 分~1 時間程度、開催した。それぞれ聴衆者は

80~120 名程度であった。空調機器メーカー、メンテナンス会社などにとって、モントリ

オール議定書のキガリ改正による世界的な HFC の段階的削減の取り決めの直前であった

ため、重大な関心事となっていたと考えられる。欧州最大規模の冷凍・冷蔵、空調機器の

国際展示会 Chillventa は 2 年に一回の開催なので 2017 年は開催されず、2017 年はフラ

ンス最大の空調・冷凍機展示会 INTERCLIMA+ELEC2017 を調査したが、新規冷媒に関

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する冷媒開発メーカーの展示、セミナー開催はなく、AERMEC 社(イタリア)がスクリュ

ー式チラーに HFO-1234ze 冷媒を使用している製品展示が見られるだけであった。

他方、米国での冷凍空調機器展 AHRExpo2017 では、各社ブースにて展示を行っていた

(旭硝子は不参加)がセミナーを開催したのは、ケマーズ、ハネウェルに留まり、欧州に

対し代替冷媒の話題は盛り上がりに欠けていた。このため、AHRExpo2018 の調査は有意

義でないと判断し、調査の対象としなかった。

製品別に代替ガス準備状況をみる。

空調機器に関しては、GWP が 675 で微燃性の R-32 が代替ガスの現在の主流となって

いるが、GWP が 500~400 までの代替ガスが考えられている状況である。

ターボ冷凍機に関しては、機器メーカーがハネウェル社製の HFO-1234ze(E)(三菱重

工、トレインで採用決定)や断熱材ガスにも使用されている HFO-1233zd(E)の導入を進

めているが、旭硝子がターボ冷凍機で最高効率を生む新たな冷媒として、新たな不燃性の

ハイドロクロロフルオロオレフィンという塩素を含むがオゾン層破壊のない、二重結合を

持つ単一物質のフッ素化合物 HFO-1224yd(Z)を 2016 年に入り発表し、2017 年 10 月に

ASHRAE(米国暖房冷凍空調学会)の承認を取得した。同社はこの新冷媒を HFC-245fa を

はじめとした低圧系ターボ冷凍機用の次世代冷媒と位置付けている。

図 1.3 HCFO-1224yd(Z)の分子構造と特性

(※ここでは同社の表記 HFCO とした。ただし、本文中ではオレフィン類を HFO と表記。)

(出典:旭硝子技術資料、http://www.agc-chemicals.com/file.jsp?id=30034、2016 年 9 月)

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低圧ターボ機器では、ケマーズの XP30(R-514A)(組成 R-1336mzz(Z)/t-

DCE=74.7/25.3 で、B1(可燃性),GWP=2)が R-123、R-134a 使用のレトロフィットで

採用されている。

コンデンシングユニットに関しては、現在主に採用されている冷媒の GWP が 2,000 以

上であるため、ハネウェル、ケマーズ、ダイキン工業の順で GWP1,000~2,000 の冷媒を

発売している。最近ではアルケマ、メキシケムなどが GWP100~200 程度の製品を準備中

である。CO2冷媒のコンデンシングユニットは米国では殆ど普及していない。エネルギー

コストが劣ることが要因である。ウオルマートの導入などセンセーショナルな報道はあっ

ても、その後の実態については殆ど報じられていない。北欧では一定割合で CO2が使用さ

れているが、南欧では普及していない。

中央方式冷凍冷蔵機器に関しては、日本では NH3/CO2 の二元冷媒の冷凍機である前川

製作所のニュートン、CO2 冷媒の日本熱源システム(ドイツよりコンプレッサーや熱交換

器を輸入し、日本製の電装で製造)の冷凍機が販売されている。

(2)自動車用エアコン用の冷媒<GWP 目標値:150>

自動車用エアコンに関しては、ケマーズやハネウェルが開発した HFO-1234yf が微燃性

ながらも、日米欧の各ユーザー団体が認め、GWP の課題として決着している。なお、日

本では動きはないが、ドイツでは CO2カーエアコンを採用する動きもある。

欧州は HFO-1234yf への全面切り替えが完了し、米国は 50%程が HFO-1234yf へ切り

替えられた。2016 年末には全世界で 500 万台(600g/台)に搭載された。日本は 2017 年

後半のモデルから HFO-1234yf への切り替えが始まり、モデルの切り替えが年間 20%なの

で、年 20%の割合で進行していく予定である。日本の HFO-1234yf への移行が消極的なの

は、yf の価格が高いので、ギリギリまで HFC-134a を使用したいとの意向がある。

国内の HFO-1234yf 冷媒についてはユーザーへの供給やメンテナンス体制の整備が整い

つつある。

(3)硬質ウレタンフォームを用いた断熱材用の発泡剤

断熱材の発泡ガスについては、ハネウェルの HFO-1233zd(E)という GWP が1の代替ガ

スが市場を先行したが、ケマーズが HFO-1336mzz(Z)という GWP が 2 の代替ガスを

2017 年 12 月から日本市場に供給を開始した。HFO-1336mzz(Z)利用の断熱材の特長は断

熱性能の良さと性能の長期維持であり、また、現場発泡において異性体の E 体(沸点

7.5℃)を混合することにより低温時でも円滑に発泡でき良好な製品となることである。

これまで現場発泡ウレタンの JIS 規格は、断熱性能が低いもののノンフロンで環境性能

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の高い A 種(CO2)と高断熱性ではあるがフロンであることから環境性能の低い B 種に分か

れていたが、2015 年末の改正 JIS A9526.2015「建築物断熱用吹付け硬質ウレタンフォー

ム」では、A 種に新たにこれら不燃性の HFO を発泡剤に用いるウレタンフォームについて

の区分「A 種 1H」「A 種 2H」が追加された。H はハイグレード(高断熱性)を意味する。

表 1.4 JIS A9526(建築物断熱用吹付け硬質ウレタンフォーム)の改正内容

区分 記号 発泡ガ

ス 主な用途 熱伝導率(w/m・k)

A 種1 NF1 CO2 壁、屋根裏などの用途に適する非耐力

性吹付け硬質ウレタンフォーム原液

0.034 CO2 に

対し

HFO は

25%改善 A 種 1H NF1H HFO 0.026

A 種 2 NF2 CO2 冷凍倉庫などの用途に適する耐力性吹

付け硬質ウレタンフォーム原液

0.034 CO2 に

対し

HFO は

25%改善 A 種 2H NF2H HFO 0.026

A 種 3 NF3 CO2 壁などの充填断熱工法用途に可。低密

度非耐力性吹付硬質ウレタンフォーム 0.040

断 熱 性

B 種 FC HFC 耐力性吹付硬質ウレタンフォーム原液 0.026 断 熱 性

注1: HFO(ハイドロフルオロオレフィン)とは、HFO-1233zd(E)、HFO-1336mzz(Z)などをいう。

(出典:JIS 規格)

JIS に表記された HFO-1233zd(E)および HFO-1336mzz(Z)の基本的な物性を他の不燃発

泡剤と比較する。

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17

表 1.5 不燃性発泡剤区分と使用発泡ガス

区分

(記号)

A 種 1H、2H

(NF1H、NF2H)

A 種 1,2,3

(NF1,NF2,NF3)

B 種

(FC)

発泡ガスの

名称 HFO-1233zd(E)

HFO-

1336mzz(Z) CO2 HFC-245fa

分子式 C3HClF3 C4H2F6 CO2 C3H3F5

分子量 130.5 164 44 134

分子構造 CF3CH=CClH CF3CH=CHCF3 CO2 CF3CH2CHF2

沸点(℃) 19 33 -78.5 15

ODP 0 0 0 0

GWP(AR5) 1 2 1 858

VOC 規制 対象外 対象外 対象外 対象外

可燃性 不燃 不燃 不燃 不燃

安全(ppm) 800 500 (3~7%) 300

熱伝導率 (mW/m・

K)@25℃ 10 11 15 13

主な製造者

と製品名

ハネウェル

ソルスティス LBA

ケマーズ

フォーマセル 1100

(㈱旭リサーチセンターまとめ)

ケマーズによると、現場スプレー発泡、ボード、パネル材、電気冷蔵庫用途の置き換えの他、

パイプラインの断熱コートなど硬質ポリウレタンの全用途に対応できる発泡剤で、沸点が 33℃と

高いので夏場での取り扱いが容易であり、経時の断熱性能の低下が無いことを特長としている。

まずは同社工場から 2017 年後半より世界に出荷される予定。これらの HFO 製品が安定供給さ

れ、定着していくようになると低 GWP の課題は決着していく。

(4)専ら噴射剤のみを充塡した噴霧器用の噴射剤<GWP 目標値:10>

噴霧器用の代替ガスについてはハネウェルの HFO-1234ze が小さいが市場を形成し維持

している。不燃性を問わない使用分野では多くが DME ガス(可燃性)にシフトしてい

る。噴霧器用の HFC ガス HFC-134a については不燃性を必要とされるエッセンシャルユ

ース(フロン排出抑制法の範囲外)として一定規模の市場を形成している。

フロン排出抑制法の製品別を基準に冷媒等の主要な開発メーカーと開発商品を整理する

と、以下の表になる。

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18

表 1.6 代替ガス開発・準備状況のまとめ表

製品別 国内採用冷媒(GWP):

推定採用比率(2016年)

冷媒等の主要な開発メーカーと開発商品(カッコ内はGWP値,燃焼性)

備 考 ケマーズ Opteon

ハネウェル Solstice

アルケマ Forane

メキシケム 旭硝子

AMOLEA ダイキン工業

家庭用エアコンディショナー

R-410A(2090): 48%, R-32(675):52%

XL41 [R-454B] (467,A2L) XL55 [R-452B] (676,A2L)

L41[R447A] (572, A2L)

R459A [ARM-71] (461, A2L)

HPR1D (~400,A2L), HPR2A (~600,A2L)

HFO-1123(<1,

(A2L))

混合 (R-32、R-

1234yfと混合で使用)

370X (372,(A2L), 400X (406,(A2L), 370Y2 (373,(A2L) を準備

R-32(675,A2L)

R-32へ移行した。その次

世代冷媒が課題。

店舗・オフィス用エアコンディショナー

R-410A(2090):64% R-32(675) :36%

R-32へ移行中

業務用エアコンディショナー(パッケージエアコン)(法定冷凍能力3冷凍

トン以上)

R-410A(2090) :80%

R-32(675) :20%

R-410Aが業界団体のガ

イドラインにある。不燃

性を主とするが、コスト

や空間的制約のないも

のはR-32へ移行中。

ビル用マルチエアコンディショナー(VRF)

R-410A(2090) :100%

高圧ガス保安法の改正

によりR-32,R-1234yf,R-

1234ze冷媒が不活性ガス

扱いに緩和されたた

め、それらの今後の導

入も考えられる。

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ターボ冷凍機(中央方式エアコンディショナーのうち遠心式の圧縮機を用いる冷凍機)

R-134a(1430):83%

R-245fa(1030):17%

XP30 [R-514A] (2、B1)

HFO-1233zd(E)(<1,A1) HFO-1234ze(E) (<1,A2L)、

ARM42 (HFO-1234yf,

HFC-

134a,HFC-

152a

(77.5%wt/8.5%

wt/14%wt))

(<150, A2L)

yd(<1,A1)

※別名HCFO-1224yd(Z) 2018年から生産

特記:同製品分野で最高効率を謳う。

R245faの機器でレトロフィット可。

ターボ冷凍機メーカーは

HFO-1234ze、HFO-

1233zd(E)の

導入を開始。

高圧用ターボ冷凍機で

R1234ze(E)、低圧用ター

ボ冷凍機でR1233zd(E)及

びR-514Aが用意され

た。

コンデンシングユニット

R-404A(3920):48%、減少中。中低温

域で主流

R-410A(2090):40%、 増加中 R-134a(1430):8% R-407C(1774):2% R-744(CO2)(1):1%

XP40 [R-449A] (1,282,A1) XP44

[R-452A]

(1,945,A1)

R-463A

N40 [R-448A] (1,273,A1) (混合冷媒)

457A [ARM-20A] (139, A2L) ARM-25 (<150, A2L)

LTR4X (~1350,

不燃)、 LTR10 (~2100,

不燃), LTR11(<150,A2L)

R-407H (1,495,A1)

CO2は初期投資大だがラ

ンニングコスト(省エ

ネ)が課題。性能が改良

された新冷媒への期待

が大きい

中央方式冷凍冷蔵機器

現有設備はR-22もしくは再生R-22が主流。アンモニア/CO2系が一部、新設で有り。

XP10 [R-513A] (631.A1) (混合冷媒)

N40[R448A] (1,273, ,A1) (混合冷媒)

施設規模の大きいもの

はアンモニア/CO2系あ

るいはCO2にシフト中

自動車用エアコンディショナー

R-134a(1430):100% R-1234yf(1):0~0.1%

YF [HFO-1234yf]] (1,A2L)

yf [HFO-1234yf] (1,A2L)

HFO-1234yf

(ハネウェル

に供給)

HFO-1234yfは日米欧で供給・メンテナンス体制がほぼ整備される。 ダイムラーは冷媒に「R-1234yf」とCO2を並行導入(サンデン社品の導入)

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硬質ウレタンフォームを用いた断熱材(現場発泡用、住宅建材用に限る)

HFC-245fa(1030):45% HFC-365mfc(795):15% HFO-1233zd(E)(1):40%

フォーマセル1100 [HFO-1336mzz(Z)](2,A1) (2017年後半から国内販売予定)

LBA [HFO-1233zd(E)] (<1,A1)

Forane 1233zd

[HFO-1233zd(E)] (<1,A1)

セントラル硝子は2017年から

HFO-1233zd(E)をアルケマに供

給開始。

今後、扱いやすく高性

能というHFO-

1336mzz(Z)の供給力に期

待される

専ら噴射剤のみを充塡した噴霧器

HFC-134a(1430):0% (エッセンシャルユース除

く)

HFC-152a(124):30% HFO-1234ze(<1):少数 CO2(1):少数 DME(1):60%

ze [HFO-1234ze(E)] (<1,A2L)

HFO-1234ze(E)の使用は

コスト大 (2倍弱程度 )の

ため伸びていない。ま

た、エッセンシャルユー

スでR134aは存続

(㈱旭リサーチセンターまとめ) ※斜体字は開発、提供準備中、アンダーラインは現在主力とされるガス

注 1:製品別で濃灰色のセルは「フロン排出抑制法」による指定製品、薄灰色のセルは 2017 年 12 月の産構審フロン対策ワーキンググループにおいて指定製品への

追加が検討された。

注 2:情報とりまとめは 2018 年 2 月時点であり、備考欄は弊社分析によるコメントである。

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1.3.2 高圧ガス保安法施行令の⼀部を改正する政令

HFC 新冷媒の普及に向けて、平成 28 年 11 月 1 日付けで、⾼圧ガス保安関係法規が見

直され、高圧ガス保安法施行令の⼀部を改正する政令が出された。

地球温暖化係数が低い微燃性の新冷媒(HFO-1234yf、HFO-1234ze(E)、HFC-32)を「不

活性ガス」として整理し、高圧ガスとして利用する際に「許可」が必要な事項の⼀部を「届

出」とすることになった。届出には当該ガスの冷凍設備を設置する際に換気設備や警報装

置を設置すること等とされた。これにより、安全で環境負荷の小さい冷媒の普及が進むこ

とが期待される。

図 1.4 新冷媒の普及に向けた規制の見直し (出典:経済産業省「平成 28 年 11⽉1⽇に改正した⾼圧ガス保安関係法規について」

http://www.meti.go.jp/policy/safety_security/industrial_safety/sangyo/hipregas/files/kisei2 -10-2.pdf)

日本冷凍空調工業会から、GWP の低い冷媒を使う機器を市場に普及させていくための

方途として、①HFC-32、HFO-1234yf、HFO-1234ze(E)についてのユーザーの理解、②

CO2 冷媒の規制緩和、③CO2 冷蔵冷凍機器のコストダウン、④HC(炭化水素)冷媒の安

全基準、⑤混合冷媒への対応、が課題であることが提案されている。

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22

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第2章 指定製品製造業者等に関する調査

2.1 指定製品製造業者調査

フロン排出抑制法において、制度の周知及び指定製品の製造・輸入業者の実績把握等を

目的に、日本国内におけるフロン排出抑制法に関する指定製品製造業者等(国内製造業者

及び輸入業者)について調査を実施した。

以下の表に示す 7 つの指定製品の区分ごとに調査を行った。

表 2.1 指定製品に関する一覧表

区分 現在使用されている

主な冷媒 ( )内はGWP値

環境影響度(GWP値)の 目標値

目標年度

報告対 象事業者の裾きり基準

家庭用エアコンディショナー R-410A(2090)

HFC-32(675) 750 2018 8000台

店舗・オフィス用エアコンディショナー

(床置形や法定冷凍能力が3冷凍トン以上の

ものを除く。)

R-410A(2090) 750 2020 600台

自動車用エアコンディショナー

(乗用自動車(定員11人以上のものを除く)に搭載さ

れるものに限る。トラック、バスは含まない。)

HFC-134a(1430) 150 2023 4000台

コンデンシングユニット(蒸発器及び送

風機を一の筐体に納めた機器、半密閉スクロ

ール型)及び定置式冷凍冷蔵ユニット

(比較的小さい規模の冷蔵倉庫に設置して倉

庫内を冷凍及び冷蔵するためのものとして設

計された機器。蒸発器の蒸発温度の下限値が

-45℃未満のもの及び圧縮機の定格出力が

1.5kW以下のものを除く)

R-404A(3920)

R-410A(2090)

R-407C(1774)

CO2(1)

1500 2025 50台

中央方式冷凍冷蔵機器 (冷凍冷蔵の用に供するための間接膨張式の冷凍機であって、蒸発器出口における水、ブラインその他熱媒体(CO2等)の温度の下限値が-10℃未満のもののうち、有効容積が5万立方メートル以上の冷凍冷蔵倉庫(営業用及び自家用)の新築、改築又は増築に伴って当該倉庫向けに出荷されるものに限る)

主流はR-22(1810)*HCFC類

R-404A(3920)

アンモニア(〈1)

100 2019 1台

硬質ウレタンフォームを用いた断熱材 (現場発泡用であり、かつ住宅建材用に限

る。)

HFC-245fa(1030)

HFC-365mfc(795) 100 2020 30トン

専ら噴射剤のみを充塡した噴霧器(ダストブロワー、急速冷却スプレー) (HFC-134aでも不燃性を要する用途のもの

は除く。使用目的物質(香料、医薬、殺虫剤

等)を含むものは除く。)

HFC-134a(1430)

HFC-152a(124)

CO2(1)、DME(1)

10 2019 5000本

(出典:改正フロン法における指定製品の対象と指定製品製造業者等の判断の基準について中間とりまと

め、METI,http://www.env.go.jp/earth/furon/files/shitei_torimatome.pdf など)

Page 26: 平成 29 年度 化学物質安全対策 (フロン排出抑制法 …...3 図3 モントリオール議定書改正の内容と日本への影響 (出典:産業構造審議会

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2.1.1 指定製品製造業者調査の結果

上記のように経済産業省オゾン層保護等推進室からの情報を基本に、①家庭用エアコン

ディショナーの事業者情報では、事業者ヒアリングと日本冷凍空調工業会の統計データ、

市場調査会社の資料データ等を組合せて推計を行った。②店舗・オフィス用エアコンディ

ショナーの事業者情報では、事業者ヒアリングと日本冷凍空調工業会の統計データ、市場

調査会社の資料データ等を組合せて推計を行った。③自動車用エアコンディショナーの事

業者情報では、(一社)日本自動車工業会(自工会)、日本自動車輸入組合の統計データを

基本に集計を行った。④コンデンシングユニット及び定置式冷凍冷蔵ユニットの事業者情

報では、事業者ヒアリングと日本冷凍空調工業会の統計データ、市場調査会社の資料デー

タ等を組合せて推計を行った。⑤中央方式冷凍冷蔵機器の事業者情報では、事業者ヒアリ

ングと日本冷蔵倉庫協会ヒアリングを組合せて推計を行った。⑥硬質ウレタンフォームを

用いた断熱材の事業者情報では、日本ウレタン工業会ヒアリングと事業者ヒアリング等を

組合せて推計を行った。⑦専ら噴射剤のみを充塡した噴霧器の事業者情報では、想定事業

者リストを作成し、アンケート調査「フロン類の噴射剤のみを充塡した噴霧器の生産量・

輸入量調査」を実施し、それらの回答結果から推計を行った。その総括表として、以下の

表を示す。

表 2.2 フロン類の製造業者等の総括表

指定製品区分 調査実施の 全体

( ):輸入業者数

備 考 うち、報告対象

事業者

家庭用エアコンディショナー

11社(9社) 10社(8社) 当該製品の事業者を網羅した。

業務用エアコンディショナー

6社(6社) 6社(6社) 当該製品の事業者を網羅した。

自動車用エアコン 30社(27社) 18社(15社) 当該製品の事業者を網羅した。 (日本メーカー5事業者は輸入有)

コンデンシングユニット及び定置式冷凍冷蔵ユニット

12社(1社) 9社(1社) 当該製品の事業者を網羅した。 冷凍冷蔵ショーケースのユニットメーカー品(OEM品)については未調査。

中央方式冷凍冷蔵機器

7社(0社) 0社(0社) 新設が年に数件ほどに限られている。 フロン冷媒使用の方式では直接膨張の容積圧縮式の機器が主体である。

硬質ウレタンフォームを用いた断熱材

12社(11社) 11社(11社) 当該製品の事業者を網羅した(輸入業者含む)。

専ら噴射剤のみを充塡した噴霧器

15社(4社) 10社(4社)

当該製品の事業者をほぼ網羅した。小規模事業者で回答のない事業が残される。 代行製造・代行輸入事業者の存在がある。製造事業者と仕入事業者との重複可能性があるが、双方を指定事業者と判定。仕入事業者にも今後の意識高揚や対応が必須と考えられる。エッセンシャルユースとしてのHFC-134aの流通量は減っていないと思われる。

(㈱旭リサーチセンターまとめ)

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2.1.2 指定製品における HFCガス転換現状と今後見通し

フロン排出抑制法の指定製品における HFC ガスの冷媒等の転換現状と今後見通しにつ

いて、まとめ表を以下に作成した。

表 2.3 指定製品における転換現状と今後見通しのまとめ表

指定製品の区分

GWP値の目標値

目標年度

現在採用されている冷媒(GWP):現在採用比率(2016年)

低GWP化の方向性 (ヒアリング等からの要約)

家庭用エアコンディショナ

ー 750 2018

R-410A(2090):20~40%, R-

32(675):80~60% 大手は全新機種に

採用移行中

ほぼ全量がR-32に移行する。

店舗・オフィス用エアコンディショナー (床置形や法定冷

凍能力が3冷凍トン以上のものを

除く。)

750 2020 R-410A(2090):80~70%

R-32(675):20~30%

小型機種からR-32の導入が始まっている。 より大きな機器やビルマル(VRF)への採用には微燃性やゼネコンの了解等の壁あり。

自動車用エアコンディショナー (乗用自動車(定員11人以上のも

のを除く)に搭載されるものに限

る。トラック、バスは含まな

い。)

150 2023

R-134a(1430):100%

HFO-1234yf(1):0%

(HFO-1234yf は17年度開始準備

中)

2017年度出荷の新型車種よりHFO-1234yf(GWP=1)に自動車業界全体で転換開始し、2017年末時点で6500台程の国内向け出荷実績有り(自工会)。

コンデンシングユニット(蒸発器及び送風機を一の筐体に

納めた機器、半密閉スクロール

型)及び定置式冷凍冷蔵ユニット(比較的小さい規模の冷

蔵倉庫に設置して倉庫内を冷凍及

び冷蔵するためのものとして設計

された機器。蒸発器の蒸発温度の

下限値が-45℃未満のもの及び圧

縮機の定格出力が1.5kW以下のもの

を除く)

1500 2025

R-404A(3920):69%、減少中だが中

低温域では主流

R-410A(2090):29%、増加中

R-134a(1430):2%

R-744(CO2)(1):1%未満

R-407C(1774):僅少

R-744(CO2)機は300台程度導入済。コスト面から補助金なしでは導入進まないといわれている。新冷媒(二元系(CO2+HFC、HFO

系の新混合冷媒等)の採用検討も継続。R-410A、R-

407Cへの転換でよしとする機運も一部あるが、低温域製品ではR-404Aに対し新冷媒を採用しGWPを1500程度にしたい希望がある。

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中央方式冷凍冷蔵機器

(冷凍冷蔵の用に供するための間

接膨張式の冷凍機であって、蒸発

器出口における水、ブラインその

他熱媒体(CO2等)の温度の下限

値が-10℃未満のもののうち、

有効容積が5万立方メートル以上

の冷凍冷蔵倉庫(営業用及び自家

用)の新築、改築又は増築に伴っ

て当該倉庫向けに出荷されるもの

に限る)

100 2019

中央方式冷凍冷蔵機器=1事業所での中央冷凍監視方式の冷凍冷蔵用チリングユニット(直接膨張と間接膨張の両方含む)とみた場合、 R-404A(3920)またはR-410A(2090):20% R-717(アンモニア)(〈1)/CO2:75%前後

空気:5%前後 (日本冷蔵倉庫協会よりARC推測)

R-410A(2090):6割 R-134a(1430):1割 R-407C(1774):3割(出典:富士経済のチ

リングユニット)

【既設倉庫の7~8割は未だR-22を使用中(日本冷蔵倉庫協会)】

5万立方m以上の冷凍冷蔵倉庫(営業用)の営業用の新設・増設は年間数件程度。 アンモニア/CO2の二元式冷凍機の導入が主流。CO2単体機の導入が始まった。(導入には補助金制度継続が不可欠)。HFC冷媒系の新設・増設は見かけない。 極低温(-45℃以下)には空気冷凍機でのみ対応可との見解が一般的である。 R-22を使用している既設倉庫について、多くは建設後40年近く経過したこともあり、規制を機に廃業を考えている業者があるとの情報がある。

硬質ウレタンフォームを用いた断熱材(現場発泡用であり、

かつ住宅建材用に限る。)

100 2020

HFC-245fa(1030):45%

HFC-365mfc(795):15%

HFO-1233zd(E)(1):40%

HFO-1336mzz(Z)(2):

(ケマーズ(旧社名・デュポン)

0%だが、2017年12月販売開始)

HFO-1233zd(E)は施工性等に課題があり。業界はHFO-1336mzz(Z)に期待する。断熱性能向上のメリットがある。ただし、価格の大幅低下がないと、普及は難しい。業界全体でGWPを100以下にする目標がこれに左右される。

専ら噴射剤のみを充塡した噴霧器(ダストブロワー、急速冷却スプレー) (HFC-134aでも不燃性を要する用

途のものは除く。使用目的物質

(香料、医薬、殺虫剤等)を含む

ものは除く。)

10 2019

HFC-134a(1430):0%

(エッセンシャルユース除く)

HFC-152a(124):30%

HFO-1234ze(6):少数

CO2(1):少数

DME(1):60%

HFC-152aの製品は減少中。HFO-1234ze(E)の製品は高価であり増加なし。DME、CO2

等へ移行中で、不燃かつ低GWPのガスの方向性は定まっていない。

検討開始予定の製品 (指定製品外)

GWP値の目標値

目標年度

現在採用(あるいは採用が検討)されている冷媒(GWP)

低GWP化の方向性

業務用エアコンディショナ

ー(パッケージエアコン)

(法定冷凍能力3冷凍トン以上)

- -

R-32(675),

HFO-1234yf(1),

HFO-1234ze(E)(6)

エアコンに適応したR-32は高圧ガス保安法で特定不活性ガスとして取り扱うことになり(2016年11月~)、導入が進む可能性がある。

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27

ビル用マルチエアコンディショナー(VRF) - -

R-32(675),

HFO-1234yf(1),

HFO-1234ze(E)(6),

R-454B,R-452B,

AMOREA 379X

エアコンに適応したR32は高圧ガス保安法で特定不活性ガスとして取り扱うことになり(2016年11月~)、導入が進む可能性がある。 また、日立ジョンソン・コントロールズ空調がR-32、R-454B、R-452B、AMOREA 379Xをドロップイン評価試験をしている。

ターボ冷凍機 (中央方式エアコンディショナーのうち遠心式の圧縮機を用いる冷凍機)

- -

HFO-1234ze(E)(6)、

HFO-1233zd(E)(1)、

XP30[R-514A](2,B1)〔ケマーズ〕

HFO-1224yd(Z)(1)〔旭硝子〕

三菱重工業、トレインがHFO-1233zd(E)を導入、製品化し先導している。 HFO-1234ze(E)は微燃に対し、HFO-1233zd(E)、R-514A、HFO-

1224yd(Z)は不燃である。

(㈱旭リサーチセンターまとめ)

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28

2.2 指定製品の冷媒転換候補となる製品の上市状況調査

日本国内において上市されているノンフロン・低GWP冷媒を使用した製品情報につい

て、指定製品の区分ごと(指定製品の対象外になっている製品含む)に整理した。

指定製品・対象外製品 冷媒転換候補製品の状況

(a) 家庭用エアコンディショナー 転換製品有(HFC-32 への転換製品)

(b) 店舗・オフィス用エアコンディショナー 転換製品有(HFC-32 への転換製品)

(c) 自動車用エアコンディショナー

転換製品有(HFO-1234yfへの転換製品) トヨタレクサス LS(リース販売限定)、ホンダ

FCV クラリティーの 2 車種に搭載されるが、

自動車用エアコンディショナーの製品名は明

らかではない。

(d) コンデンシングユニット

(定置式冷凍冷蔵ユニット) 転換製品有(各種低 GWP の転換製品)

(e)中央方式冷凍冷蔵機器 転換製品有(各種低 GWP の転換製品)

(f) 硬質ウレタンフォームを用いた断熱材 転換製品有(各種低 GWP の転換製品)

(g) 専ら噴射剤のみを充塡した噴霧器 (ダストブロワー)

転換製品有(各種低 GWP の転換製品)

(h)ターボ冷凍機 転換製品有(各種低 GWP の転換製品)

(i)業務用エアコンディショナー (法定冷凍能力が3冷凍トン以上のもの)

低 GWP 製品上市なし

(j)VRF ビル用マルチ 低 GWP 製品上市なし

(k)設備用エアコン 低 GWP 製品上市なし

(m)スポットエアコン 低 GWP 製品上市なし

(n)ウィンドーエアコン 低 GWP 製品上市なし

※(h)~(n)は指定製品の対象外の製品

以下に指定製品(除く自動車用エアコンディショナー)とターボ冷凍機の冷媒転換候補

となる製品の上市状況を記す。

2.2.1 家庭用エアコンディショナーの冷媒転換候補となる製品の上市状況

国内で販売される家庭用エアコンディショナーに使用される冷媒の転換状況について各

社の 2017 年用製品カタログから調査を行った。その結果、長府製作所がまだ一部 R-410A

製品を掲載していたが、他のメーカーは全ての製品で R-32 を冷媒としていた。

(1)パナソニック(株) (商品名:エオリア)

型式 形名数 冷媒

(GWP)

冷房能力

(KW)

価格

(万円)

予想出荷台数

(万台)

CS-WX 6 4.0~9.0 オープン

CS-X 11 2.2~9.0 オープン

CS-SX 5 R-32 2.2~5.6 オープン

CX-EX 8 (675) 2.2~7.1 オープン 220

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29

CS-GX 6 2.2~5.6 オープン

CS-J 5 2.2~5.6 オープン

CS-UX 6 2.6~7.1 オープン

CS-TX 6 2.2~6.3 オープン

(2)ダイキン工業(株)

型式 形名数 冷媒

(GWP)

冷房能力

(KW)

価格

(万円)

予想出荷台数

(万台)

RX 10 2.2~9.0 35

AX 10 2.2~9.0 32

FX 8 R-32 2.2~7.1 27 190

CX 8 (675) 2.2~7.1 26

E 6 2.2~9.9 オープン

DX 5 2.5~8.7 ---

KX 3 2.2 28

(3)三菱電機(株) (商品名:霧ケ峰)

型式 形名数 冷媒

(GWP)

冷房能力

(KW)

価格

(万円)

予想出荷台数

(万台)

17FZ 6 4.0~9.0 オープン

17Z 12 2.2~9.0 オープン

16FL 6 2.8~7.1 オープン

17S 6 R-32 2.2~5.6 オープン 120

17X 8 (675) 2.2~7.1 オープン

17L 6 2.2~5.8 オープン

17GE 6 2.2~5.6 オープン

17FD 4 4.0~7.1 オープン

17ZD 6 2.5~7.1 オープン

17XD 7 2.2~6.3 オープン

(4)(株)日立製作所 (商品名;白くまくん)

型式 形名数 冷媒

(GWP)

冷房能力

(KW)

価格

(万円)

予想出荷台数

(万台)

X 11 2.2~9.0 オープン

E 8 2.2~7.1 オープン

W 8 R-32 2.2~7.1 オープン

D 5 (675) 2.2~5.6 オープン 95

EF 8 2.2~7.1 オープン

WF 5 2.2~4.0 オープン

XK 6 2.5~7.1 オープン

EK 4 2.5~5.6 オープン

(5)東芝ライフスタイル(株) (商品名:大清快)

型式 形名数 冷媒

(GWP)

冷房能力

(KW)

価格

(万円)

予想出荷台数

(万台)

C-DR 10 2.2~8.0 オープン

C-R 5 R-32 2.2~5.6 オープン 85

C-P 4 (675) 2.2~5.0 オープン

DRN 4 2.8~6.3 オープン

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30

(6)シャープ(株) (商品名:プラズマクラスターエアコン)

型式 形名数 冷媒

(GWP)

冷房能力

(KW)

価格

(万円)

予想出荷台数

(万台)

G-X 9 2.2~8.0 オープン

G-H 5 2.2~5.6 オープン

G-D 5 2.2~5.6 オープン

G-S 4 R-32 2.2~4.0 オープン 70

F-X 9 (675) 4.2~7.1 オープン

F-V 5 2.2~5.6 オープン

F-E 5 2.2~6.4 オープン

F-D 5 2.2~6.3 オープン

F-S 3 2.2~2.8 オープン

(7)(株)富士通ゼネラル (商品名:ノクリア)

型式 形名数 冷媒

(GWP)

冷房能力

(KW)

価格

(万円)

予想出荷台数

(万台)

X 8 2.2~8.0 オープン

Z 8 2.2~8.0 オープン

G 7 R-32 2.2~7.1 オープン 60

D 5 (675) 2.2~5.8 オープン

C 5 2.2~5.8 オープン

GN 5 2.2~5.8 オープン

(8)三菱重工業(株) (商品名:ビーバーエアコン)

型式 形名数 冷媒

(GWP)

冷房能力

(KW)

価格

(万円)

予想出荷台数

(万台)

SV 6 2.2~5.6 オープン

RV 5 2.2~4.0 オープン

TV 7 R-32 2.2~5.6 オープン 35

ST 6 (675) 2.2~5.6 オープン

RT 5 2.2~4.0 オープン

TT 7 2.2~5.6 オープン

耐塩害仕様 3 2.2~4.0 オープン

(9)(株)コロナ

型式 形名数 冷媒

(GWP)

冷房能力

(KW)

価格

(万円)

予想出荷台数

(万台)

W 6 R-32

(675)

2.2~5.6 オープン

N 4 2.2~4.0 オープン 25

冷房のみ 3 2.0~4.0 オープン

(10)(株)長府製作所 (商品名:CHOFU)

型式 形名数 冷媒

(GWP)

冷房能力

(KW)

価格

(万円)

予想出荷台数

(万台)

HVX 4 R-32 (675) 5.6~6.3 53~55 1

※価格は 18 畳用で、20 畳用は 61 万円

※本項の予想出荷台数は、旭リサーチセンター推定値

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31

2.2.2 店舗・オフィス用エアコンディショナーの冷媒転換候補となる製品の上市状況

(1)ダイキン工業

①Five-Star シリーズ

室内機区分 形式と形数 冷媒

(GWP)

冷房能力

(KW)

価格

(万円)

S ラウンド

フロー

シングル 9 形

3.6~14.0 73~145

ツイン 4 形 7.1~14.0 122~167

トリプル 1 形 14.0 190

エコ・ダブ

ルフロー

シングル

9 形

R-32

(675)

3.6~14.0 78~150

ツイン 5 形 7.1~14.0 130~202

トリプル

ワンダ風流

シングル 6 形

3.6~12.5 76~139

ツイン 4 形 7.1~14.0 127~176

トリプル 1 形 14.0 200

シングル

フロー

シングル 6 形

3.6~7.1 75~102

ツイン 4 形 7.1~14 124~171

トリプル 1 形 14.0 194

天井吊形

シングル 7 形

3.6~14.0 69~136

ツイン 4 形 7.1~14.0 112~156

トリプル1形 14.0 175

壁掛形

シングル 7 形

3.6~10.0 64~103

ツイン 4 形 7.1~14.0 103~148

トリプル 1 形 14.0 162

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32

ビルトイン

シングル 9 形

3.6~14.0 78~151

ツイン 4 形

R-32

(675)

7.1~14.0 130~174

トリプル 1 形 14.0 202

天井埋込ダ

クト形

標準タイプ

6 形

4.5~14.0 81~145

高静圧タイプ

6 形 4.5~14.0 83~147

床置形

シングル 7 形

4.5~14.0 79~141

ツイン 3 形 10.0~14.0 133~162

トリプル 1 形 14.0 186

暖房用

エアコン

シングル 2 形

7.1~12.5 102~139

ツイン 1 形 14.0 172

②Eco Zeas シリーズ

室内機区分 形式と形数 冷媒

(GWP)

冷房能力

(KW)

価格

(万円)

S ラウンド

フロー

シングル 9 形

3.6~14.0 67~131

ツイン 4 形 7.1~14.0 112~153

トリプル 1 形 14.0 174

エコ・ダブ

ルフロー

シングル 9 形

R-32

(675) 3.6~14.0 70~135

ダブル 4 形 7.1~14.0 117~152

トリプル 1 形 14.0 183

ワンダ風流

シングル

6 形

3.6~12.5

68~125

ツイン 4 形 7.1~14.0 127~176

トリプル 1 形 14.0 181

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33

シングルフ

ロー

シングル 6 形

3.6~7.1 67~91

ツイン 4 形 7.1~14.0 111~153

トリプル 1 形 14.0 174

天井吊形

シングル 9 形

3.6~14.0 61~122

ツイン 4 形 7.1~14.0 99~138

トリプル 1 形 14.0 155

壁掛形

シングル7形

3.6~10.0 58~93

ツイン 4 形 7.1~14.0 94~134

トリプル 1 形 14.0 148

ビルトイン

シングル 9 形

R-32

(675)

3.6~14.0 72~134

ツイン 4 形 7.1~14.0 121~160

トリプル 1 形 14.0 188

天井埋込ダ

クト形

標準タイプ 6

4.5~14.0 74~131

高静圧タイプ

6 形 4.5~14.0 76~133

床置形

シングル 7 形

4.5~25 72~127

ツイン 2 形 10~12.5 122~149

トリプル 1 形 14 172

暖房用

エアコン

シングル 2 形

7.1~12.5 93~126

ツイン 1 形 14.0 159

◎ダイキン工業の店舗・オフィス用エアコンディショナーの冷媒転換の割合

全形式数 HFC-32 使用の形式数 転換率

689 625 91 %

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34

(2)三菱電機

①スリム ZR シリーズ

室内機区分 形式と

形数

冷媒

(GWP)

冷房能力

(KW)

価格

(万円)

天井カセット

シングル

30 形

3.6~14.0 81~154

ツイン

10 形 7.1~14.0 140~189

トリプル

4 形 14.0 278

4 方向吹き出

コンパクト

タイプ

12 形

3.6~14.0 75~136

ツイン

5 形 7.1~14.0 115~158

トリプル

2 形 14.0 182

2 方向吹き出

シングル

30 形

R-32

(675) 3.6~14.0 76~174

ツイン

10 形 7.6~14.0 129~174

トリプル

4 形 14.0 204

1 方向吹き出

シングル

24 形

3.6~14.0 72~100

ツイン

10 形 7.1~14.0 122~171

トリプル

4 形 14.0 198

天井ビルトイ

ン形

シングル

13 形

3.6~14.0 73~143

ツイン

5 形 7.1~14.0 125~167

天井埋込形

11 形

4.5~14.0 81~141

ツイン

3 形 10.0~14.0 137~165

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35

天吊形

シングル

30 形

R-32

(675) 3.6~14.0 64~133

ツイン

10 形 7.1~14.0 108~153

トリプル

4 形 14.0 171

壁掛形

シングル

26 形

3.6~10.0 60~98

ツイン

10 形 7.1~14.0 101~145

トリプル

4 形 14.0 169

床置形

シングル

11 形

4.5~14.0 75~136

ツイン 3 形 10.0~14.0 126~155

トリプル

2 形 14.0 178

天吊厨房用

シングル

3 形

7.1~14.0 99~182

ツイン 1 形 7.1 99

②スリム ER シリーズ

室内機区分 形式と形数 冷媒

(GWP)

冷房能力

(KW)

価格

(万円)

天井カセット

4 方向吹き出

シングル

45 形

3.6~14.0 69~133

ツイン

15 形 7.1~14.0 116~158

トリプル 6

形 14.0 186

2 方向吹き出

シングル

30 形

R-32

(675) 3.6~14.0 73~138

ツイン 10

形 7.1~14.0 124~165

トリプル 4

形 14.0 195

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36

1 方向吹き出

シングル

24 形

3.6~14.0 69~94

ツイン 10

形 7.1~12.5 117~150

トリプル

4 形 14.0 189

天井ビルトイ

ン形

シングル

13 形

3.6~14.0 70~134

ツイン 5 形 7.1~12.5 119~159

天井埋込形

シングル

11 形

4.5~14.0 77~132

ツイン 3 形 10.0~14.0 132~156

天吊形

シングル

30 形

3.6~14.0 62~125

ツイン

10 形 7.1~14.0 102~144

トリプル

4 形 14.0 163

壁掛形

シングル

26 形

R-32

(675) 3.6~10.0 57~92

ツイン 10

形 7.1~14.0 96~138

トリプル

2 形 14.0 160

床置形

シングル

11 形

4.5~14.0 70~127

ツイン 3 形 10.0~14.0 121~146

トリプル

2 形 14.0 169

天吊厨房用

シングル

3 形

7.1~12.5 105~140

ツイン 1 形 14.0 173

〇三菱電機の店舗・オフィス用エアコンディショナーの冷媒転換の割合

全形式数 HFC-32 使用の形式数 転換率

660 562 85 %

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37

(3)東芝キャリア

①スーパーパワーゴールド

室内機区分 形式と

形数

冷媒

(GWP)

冷房能力

(KW)

価格

(万円)

天井カセッ

4 方向吹き

出し

シングル

5 形

R32

(675)

7.1~14.0 101~151

ツイン 2 形 12.5~14.0 165~176

天吊形

シングル

5 形

7.1~14.0 95~143

ツイン 2 形 12.5~14.0 153~165

壁掛形

シングル

2 形

7.1 94

ツイン 2 形 12.5~14.0 151~161

〇東芝キャリアの店舗・オフィス用エアコンディショナーの冷媒転換の割合

全形式数 HFC-32 使用の形式数 転換率

403 36 9 %

(4)日立アプライアンス

①省エネ達人プレミアムシリーズ

室内機区分 形式と

形数

冷媒

(GWP)

冷房能力

(KW)

価格

(万円)

てんかせ

4 方向

シングル

15 形

3.6~14.0 74~144

ツイン 5 形 7.1~14.0 124~167

トリプル 1

形 14.0 194

てんかせ

2 方向

シングル

15 形

R-32

(675) 3.6~14.0 68~136

ツイン 5 形 7.1~14.0 113~155

トリプル 1

形 14.0 176

Page 40: 平成 29 年度 化学物質安全対策 (フロン排出抑制法 …...3 図3 モントリオール議定書改正の内容と日本への影響 (出典:産業構造審議会

38

てんかせ

1 方向

シングル

12 形

3.6~14.0 68~94

ツイン 5 形 7.1~14.0 113~155

トリプル 1

形 14.0 177

てんつり

シングル

15 形

R-32

(675)

3.6~14.0 61~130

ツイン 5 形 7.1~14.0 100~148

トリプル 1

形 14.0 165

かべかけ

シングル

13 形

3.6~10.0 59~98

ツイン 5 形 7.1~14.0 97~144

トリプル 1

形 14.0 158

ビルト

イン

シングル

15 形

3.6~14.0 68~135

ツイン 5 形 7.1~14.0 113~154

トリプル 1

形 14.0 173

うめこみ

高静圧

シングル 13

4.0~14.0 69~129

ツイン 3 形 10.0~14.0 119~142

トリプル 1

形 14.0 162

うめこみ

中制圧

シングル

15 形 3.6~14.0 64~128

ツイン 3 形 7.1~14.0 105~142

トリプル 1

形 14.0 160

厨房

てんつり

シングル

3 形

7.1~12.5 97~133

ツイン 1 形 14.0 164

②省エネ達人シリーズ

室内機

区分

形式と

形数

冷媒

(GWP)

冷房能力

(KW)

価格

(万円)

Page 41: 平成 29 年度 化学物質安全対策 (フロン排出抑制法 …...3 図3 モントリオール議定書改正の内容と日本への影響 (出典:産業構造審議会

39

てんかせ

4 方向

シングル 15

R-32

(675)

3.6~14.0 65~126

ツイン 5 形 7.1~14.0 111~147

トリプル 1

形 14.0 173

てんかせ

2 方向

シングル

15 形

R-32

(675)

3.6~14.0 61~120

ツイン 5 形 7.1~14.0 102~139

トリプル 1

形 14.0 159

てんかせ

1 方向

シングル

12 形

3.6~14.0 60~84

ツイン 5 形 7.1~14.0 102~142

トリプル 1

形 14.0 161

てんつり

シングル

15 形

3.6~14.0 54~114

ツイン 5 形 7.1~14.0 89~31

トリプル 1

形 14.0 148

かべかけ

シングル

14 形

5.6~10.0 70~86

ツイン 5 形 7.1~14.0 86~128

トリプル 1

形 14.0 142

ビルトイン

シングル

15 形

3.6~14.0 68~135

ツイン 5 形 7.1~14.0 113~154

トリプル 1

形 14.0 173

てんうめ

高静圧

シングル

13 形

7.1~14.0 76~113

ツイン 3 形 10.0~14.0 106~127

トリプル 1

形 14.0 146

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40

てんうめ

中制圧

シングル 13

形 3.6~14.0 57~112

ツイン 3 形 7.1~14.0 95~125

トリプル 1

形 14.0 143

厨房

てんつり

シングル

3 形

7.1~12.5 86~118

ツイン 1 形 14.0 147

◎日立アプライアンスの店舗・オフィス用エアコンディショナーの冷媒転換の割合

全形式数 HFC-32 使用の形式数 転換率

838 302 36%

(1) パナソニック

①G-シリーズ

室内機区分 形式と

形数

冷媒

(GWP)

冷房能力

(KW)

価格

(万円)

4 方向天井

カセット

シングル

9 形

3.6~14.0 72~143

ツイン 4 形 7.1~14.0 122~165

トリプル 3

形 12.5~14.0 182~219

2 方向天井

カセット

シングル

7 形

R-32

(675) 4.5~14.0 83~146

ツイン 3 形 10.0~14.0 141~170

トリプル 1

形 14.0 196

高天井用 1 方

向カセット

シングル

3 形

4.5~7.1 80~90

ツイン 3 形 10.0~14.0 135~165

1 方向天井カ

セット

シングル

1 形

3.6 70

ツイン 1 形 7.1 118

天井吊形 シングル

9 形

3.6~14.0 64~134

Page 43: 平成 29 年度 化学物質安全対策 (フロン排出抑制法 …...3 図3 モントリオール議定書改正の内容と日本への影響 (出典:産業構造審議会

41

ツイン 4 形 7.1~14.0 106~150

トリプル 2

形 12.5~14.0 154~167

壁掛形

シングル

7 形

3.6~10.0 67~102

ツイン 4 形 7.1~14.0 113~151

トリプル 2

形 12.5~14.0 163~172

ビルトイン

シングル

7 形

R-32

(675)

4.5~14.0 86~150

ツイン 3 形 10.0~14.0 143~172

トリプル 1

形 14.0 205

ビルトイン

オールダクト

シングル 7

形 4.5~14.0 79~143

ツイン 3 形 10.0~14.0 133~162

トリプル 1

形 14 183

天井埋込ダク

ト形

シングル

9 形

3.6~14.0 67~136

ツイン 4 形 7.1~16.0 108~152

トリプル 2

形 12.5~14.0 155~170

床置形

シングル

7 形

4.5~14.0 77~139

ツイン 3 形 10.0~14.0 131~159

トリプル 1

形 14.0 183

天吊形

厨房用

シングル

6 形

7.1~14.0 100~150

ツイン 1 形 14.0 171

②H-シリーズ

室内機区分 形式と

形数

冷媒

(GWP)

冷房能力

(KW)

価格

(万円)

4 方向天井

カセット

シングル

9 形

R-32

(675)

3.6~14.0 68~130

ツイン 3 形 7.1~14.0 129~151

Page 44: 平成 29 年度 化学物質安全対策 (フロン排出抑制法 …...3 図3 モントリオール議定書改正の内容と日本への影響 (出典:産業構造審議会

42

2 方向天井

カセット

シングル

5 形

4.5~14.0 77~134

ツイン 3 形 10.0~14.0 132~157

高天井用 1 方

向カセット

シングル

4 形

4.5~7.1 74~90

ツイン 3 形 10.0~14.0 125~153

1 方向天井カ

セット

シングル

1 形

R-32

(675)

3.6 66

天井吊形

シングル

9 形

3.6~14.0 60~121

ツイン 3 形 10.0~14.0 114~137

壁掛形

シングル

7 形

3.6~10.0 63~92

ツイン 3 形 10.0~14.0 115~134

ビルトイン

シングル

5 形

4.5~14.0 80~139

ツイン 3 形 10.0~14.0 137~162

ビルトイン

オールダクト

シングル 7

形 4.5~14.0 73~130

ツイン 2 形 10.0~12.5 124~139

天井埋込ダク

ト形

シングル

9 形

3.6~16.0 63~124

ツイン 5 形 10.0~25.0 116~214

トリプル 1

形 20.0 198

床置形

シングル

5 形

4.5~14.0 71~126

ツイン 2 形 10.0~12.5 122~138

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43

天吊形

厨房用

シングル

4 形

7.1~12.5 93~129

ツイン 1 形 14.0 158

◎パナソニックの店舗・オフィス用エアコンディショナーの冷媒転換の割合

全形式数 HFC-32 使用の形式数 転換率

243 202 83%

※冷凍能力の大きいツイン及びトリプルの形式で R410A がまだ使用されている。

(2) 三菱重工

① Exceed Hyper シリーズ

室内機区分 形式と

形数

冷媒

(GWP)

冷房能力

(KW)

価格

(万円)

天井 4 方向

吹出し

シングル

9 形

3.6~14.0 71~142

ツイン

4 形 7.1~14.0 134~168

トリプル

1 形 14.0 193

天井 2 方向

吹出し

シングル

5 形

R-32

(675) 3.6~14.0 73~148

ツイン

3 形 7.1~14.0 128~176

トリプル

1 形 14.0 202

天井 1 方向

吹出し

シングル

4 形

3.6~7.1 70~93

ツイン

3 形 7.1~14.0 121~173

トリプル

1 形 14.0 194

天埋カセテ

リア

シングル

9 形

3.6~14.0 72~147

ツイン

4 形 7.1~14.0 126~172

トリプル 14.0 200

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44

1 形

高静圧

ダクト

シングル

7 形

4.5~14.0 80~146

ツイン

3 形 10.0~14.0 137~173

天井吊形

シングル

9 形

3.6~14.0 64~136

ツイン

4 形 7.1~14.0 109~155

トリプル

1 形 14.0 175

天井吊形

耐油形

シングル

2 形

7.1~12.5 100~137

ツイン

1 形 14.0 175

壁掛形

シングル

7 形

3.6~10.0 62~97

ツイン

4 形 7.1~14.0 106~152

トリプル

1 形 14.0 166

②Hyper シリーズ

室内機区分 形式と 形数

冷媒

(GWP) 冷房能力

(KW) 価格

(万円)

天井 4 方向吹出し

シングル 9 形

3.6~14.0 67~127

ツイン 4 形

7.1~14.0 116~153

トリプル 1 形

14.0 178

天井 2 方向吹出し

シングル 9 形

R-32 (675)

3.6~14.0 69~133

ツイン 4 形

7.1~14.0 120~161

トリプル 1 形

14.0 187

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45

天井 1 方向吹出し

シングル 6 形

3.6~7.1 65~91

ツイン 4 形

7.1~14.0 113~158

トリプル 1 形

14.0 180

天埋カセテリア

シングル 9 形

3.6~14.0 68~132

ツイン 4 形

7.1~14.0 118~157

トリプル 1 形

14.0 183

高静圧ダクト

シングル 7 形

4.5~14.0 74~131

ツイン 3 形

10.0~14.0

129~159

天井吊形

シングル 9 形

3.6~14.0 59~121

ツイン 4 形

7.1~14.0 101~141

トリプル 1 形

14.0 160

天井吊形 耐油形

シングル 2 形

7.1~12.5 91~124

ツイン 2 形

14.0 160

壁掛形

シングル 7 形

3.6~10.0 58~89

ツイン 4 形

7.1~14.0 98~138

トリプル 1 形

14.0 151

◎三菱重工の店舗・オフィス用エアコンディショナーの冷媒転換の割合

全形式数 HFC-32 使用の形式数 転換率

319 280 88 %

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47

2.2.3 コンデンシングユニットの冷媒転換候補となる製品の上市状況

(1)東芝キャリア

同社は 2017 年 1 月、屋外設置形 DC インバーター冷凍機で、新たに低 GWP 冷媒(R-

448A)に対応させた。

図 東芝キャリアの屋外設置形 DC インバーター冷凍機 TAM130AT-SV TAM200AT-SV/TAM350AT-SV

※既存配管そのままで入替可能

※1,500 以下の GWP(1,387)の冷媒 R-448A を使用した。

表 東芝キャリアのコンデンシングユニットの主な仕様

形式 TAM130AT-SV TAM200AT-SV TAM350AT-SV

用途 中低温用 中高温 中低温用 中高温 中低温用 中高温

冷媒 R404A R448 R407C R404A R448 R407C R404A R448 R407C

蒸発温

-45~-5 -40~-5 -10~10 -45~-5 -40~-5 -10~10 -45~-5 -40~-5 -10~10

法定冷凍能力(トン)

0.29 0.26 0.24 0.49 0.44 0.41 0.93 0.85 0.78

冷媒量

2.5kg 4.0kg 5.0kg

(2)日立アプライアンス

同社は 2017 年 7 月、新冷媒R448A を採用し、高効率スクロール圧縮機と過冷却器の

採用、凝縮器性能の向上で COP を向上させたスクロール冷凍機屋外設置型(空冷一体

型)を発売した。

図 日立アプライアンスのスクロール冷凍機 KX-T7AMV

表 日立アプライアンスのコンデンシングユニットの主な仕様

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*表示値は一般社団法人 日本冷凍空調工業会標準規格 コンデンシングユニット JRA 4019:2014 で測定した値。

(3)三菱重工サーマルシステムズ

自然冷媒 CO2を採用した業務用冷凍冷蔵コンデンシングユニット[HCCV1001]を開

発し、2017 年 4 月から販売を開始した。

1)HCCV1001 の特徴

スクロール圧縮機とロータリー圧縮機を組み合わせた二段圧縮機スクロータリーを採

用している。高圧力比に有利なスクロール圧縮機構を高段側に、低圧力比に有利なロー

タリー圧縮機構を低段側に配置している。中間圧部に気液分離器を設けたガスインジェ

クションを採用することにより、冷凍能力を確保するとともに全運転領域での高効率化

を実現している。

また、最大配管長を同能力のフロン冷媒採用機と同等の 100m とすることで、置き換

えを容易としている。

2)HCCV1001 の対象用途

・冷凍冷蔵倉庫向け

・スーパーマーケットなどの冷凍冷蔵食品陳列ケース向け

(4)パナソニック ES 産機システム

パナソニック ES 産機システム株式会社は、CO2冷媒採用ノンフロン冷凍機 新モ

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デル「搬送圧力コントロールタイプ」4 機種の受注を開始したことを発表している。

品 名 CO2 冷媒ノンフロン冷凍機(輸送圧力コントロールタイプ)

品 番 CR2001MVF CR1501MVF CR1001VF CR1000VMFS

呼称馬力 20 馬力 15 馬力 10 馬力 10 馬力

排熱噴出 トップフロー サイドフロー

用途 冷凍・冷蔵用 冷蔵専用

希望価格(税込) 795 万円 645 万円 435 万円 435 万円

重量 480kg 465kg 300kg 255kg

生産方式 受注生産 受注生産

※「搬送圧力コントロールタイプ」

冷凍サイクルの搬送圧力制御において、年間を通してショーケースの膨張弁前の圧力が一定にな

るように、外気温などから判断しながら、冷凍機側の搬送圧力を自動制御する技術

CR2001MVF CR1001VF CR1000VMFS

CR1501MVF

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50

(出所:同社同製品のカタログ)

(出所:同社同製品のカタログ)

なお、パナソニックは 2018 年度中に CO2冷媒を制御できるコントローラーと関連技

術を他社に有料で提供し、CO2冷媒を採用した店舗用の冷凍機や冷蔵・冷凍庫の製品化

を後押しすることを公表した(2018 年 2 月 21 日日刊工業新聞)。

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2.2.4 中央方式冷凍冷蔵機器の転換候補となる製品の上市状況

(1) 前川製作所

同社の「NewTon R」は F 級(-20℃~-40℃程度)冷蔵倉庫専用の自然冷媒冷凍機

として 2008 年 6 月から販売している。アンモニアで CO2を冷却する間接冷却方式を採用

し、新歯型スクリューローターで高度な加工精度を伴った新しい歯形の採用により内部リ

ークを少なくし、高効率と低騒音化を実現している。間接冷却方式のため、アンモニアを

機械室のみに閉じ込め、 アンモニアチャージ量を極限まで減らしている。

表 自然冷媒冷凍機「NewTon」冷蔵倉庫用機種の主な仕様

型番 NewTon R-3000 NewTon R-6000

冷凍能力* 94.7kW 189.4kW

冷媒 一次冷媒:アンモニア(R717) 二次冷媒:CO2(R744)

冷媒充填量(一次冷媒) 21kg 42kg(21kgx2 基)

圧縮機方式 半密閉式スクリュー二段圧縮機

圧縮機の法定冷凍能力 16.6 トン 33.2 トン

*:冷却水温度 32℃の場合

図 自然冷媒冷凍機「NewTon」のシステムイメージ(出所:同社同製品のカタログ)

図 自然冷媒冷凍機「NewTon」冷蔵倉庫用機種の導入事例

(出所:同社同製品のカタログ)

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また、前川製作所は 2018 年に⼩型設備「ニュートン CH」を発売する。⾷品、製氷の⼩さな⼯場がターゲットで、⼤型設備の必要な⼯場でも連結して使え、施設停⽌のリスクを分散できる。冷却の能⼒は従来機の半分に抑え、3割⼩さくした。「ニュートンCH」の冷却能⼒は 135kW、温度を-10℃~5℃程度に保つ⽤途を想定している。⻑さは28m、2m、⾼さ 2.2m、体積でみた⼤きさは、従来より3割⼩さい。重さは 3500kg で3割軽い。性能試験を進めており、価格はこれから決める。従来のニュートンCは1台2880 万円となっている(2018 年 1 月 19 日 日本経済新聞)。

(2) 日本熱源システム

同社は CO2冷凍機 スーパーグリーン冷凍・冷蔵倉庫凍結装置用(タイプ F)の 2 種を

2016 年 9 月より発売している。コンプレッサは GEA 社(Bock レシプロ圧縮機)、クーラ

ー(交換器)はギュントナー社(いずれも独)で、日本熱源システムが冷凍冷蔵機器として

組み合わせてシステムとしている。

表 CO2冷凍機 スーパーグリーン冷凍冷蔵機の主な仕様

型番 CO2 冷凍機 スーパーグリーン F-1

型 CO2 冷凍機 スーパーグリーン F-2

冷却能力 24.0kW 48.0kW

冷媒 CO2

室温/蒸発温度 -25℃/-32℃

圧縮機方式 半密閉型多気筒式

圧縮機の法定冷凍能力

9.54 トン 19.08 トン

(出所:同社同製品のカタログ)

図 CO2冷凍機 スーパーグリーン

(出所:同社同製品のカタログ)

なお、フロン排出抑制法では指定製品製造業者等(中央方式冷凍冷蔵機器)は以下を基

準としているため、これら機種の組み合わせシステムが指定製品の冷媒転換候補となる製

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品となる。

中央方式冷凍冷蔵機器(冷凍冷蔵の用に供するための間接膨張式の冷凍機であって、蒸発器出口における水、ブラインその他熱媒体(CO2 等)の温度の下限値が-10℃未満のもののうち、有効容積が 5

万立方m以上の冷凍冷蔵倉庫の新築、改築又は増築に伴って当該倉庫向けに出荷されるものに限る。)

※間接膨張式:熱交換器により一旦水又はブラインを冷却又は加熱し、その水又はブラインを循環させることにより空調や冷蔵等を行う方式のこと。

(出典:改正フロン法における指定製品の対象と指定製品製造業者等の判断の基準について

中間とりまとめ、METI,http://www.env.go.jp/earth/furon/files/shitei_torimatome.pdf)

2.2.5 硬質ウレタンフォームを用いた断熱材原液の転換候補となる製品の上市状況

(現場発泡用であり、かつ住宅建材用に限る)

現場発泡用原液メーカー各社が、既に転換発泡剤である HFO-1233zd 及び CO2の製品

ラインアップを終了しており、建物の発注会社からの要請に直ちに対応できる状態にあ

る。

(1)アキレス

商品名 品名 用途 発泡剤 JIS A 9526 GWP

アキレス

エアロン

R シリーズ

FR-FO 住宅建築用 HFO-1233zd A 種 1H 1

FR-NF 住宅建築用 CO2(超臨界) A 種 1 1

FR-AW 住宅建築用 水(CO2) A 種1 1

KH フォーム 木造住宅 水(CO2) A 種 3 1

(2)日清紡ケミカル

商品名 品名 用途 発泡剤 JIS A 9526 GWP

エアライト

フォーム

SF-100

住宅建築用 水(CO2)

A 種 3

1 SI-NFS(P) A 種 1

SG-900 HFO-1233zd A 種 1H

(3)積水ソフランウィズ

2017 年 7 月、積水化学が東洋ゴムから株を取得し子会社化している。

商品名 品名 用途 発泡剤 JIS A 9526 GWP

ソフラン-R

ウィズフォーム

NFS 住宅建築用 水(CO2) A 種 1

1 LSP 住宅建築用 HFO-1233zd A 種 1H

SP01 住宅建築用 水(CO2) A 種 3

(4) ダウ化工

商品名 品名 用途 発泡剤 JIS A 9526 GWP

スタイロスプレー

フォーム

R 住宅建築用 HFO-1233zd A 種 1H

1 B 鉄筋コンクリート

造建物用 HFO-1233zd

難燃 3 級

相当

C 冷凍・冷蔵倉庫 HFO-1233zd A 種 2H

(5) 日本パフテム

商品名 品名 用途 発泡剤 JIS A 9526 GWP

パフテム MOCO フォーム 木造住宅用 水(CO2) A 種 3 1

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54

(6)旭有機材

商品名 用途 発泡剤 JIS A 9526 GWP

ASP-NZ 住宅建築用 水(CO2) A 種 1

1 ゼロフロン ERX 住宅建築用 HFO-1233zd A 種 1H

ゼロフロンフィット 木造住宅用 水(CO2) A 種 3

(7)バスフイノアックポリウレタン

商品名 品名 用途 発泡剤 JIS A 9526 GWP

フォーム SL 木造住宅用 水(CO2) A 種 3

1

ライト エコ LC 住宅建築用 水(CO2) A 種 1

エコ EB 住宅建築用 HFO-1233zd A 種 1H

(8)倉敷紡績

商品名 品名 用途 発泡剤 JIS A 9526 GWP

クララ NF03S-AN 住宅建築用 水(CO2) A 種 1 1

フォーム NR04S 住宅建築用 HFO-1233zd A 種 1H

(9)日本アクア

商品名 品名 用途 発泡剤 JIS A 9526 GWP

アクア A 住宅建築用 水(CO2) A 種 1 1

フォーム NEO 住宅建築用 HFO-1233zd A 種 1H

(10)東邦化学工業

商品名 品名 用途 発泡剤 JIS A 9526 GWP

ハイセル SR-272 スプレー用 水(CO2) A 種 3 1

(11)エスケー化研

商品名 品名 用途 発泡剤 JIS A 9526 GWP

SK ノンフロンエコ 住宅建築用 水(CO2) A 種 1 1

(12)住化コベストロウレタン

商品名 品名 用途 発泡剤 JIS A 9526 GWP

Baymer 住宅建築用 水(CO2) A 種 3*2 1

※ウレタンフォーム工業会情報

(13)三菱ケミカル

商品名 品名 用途 発泡剤 JIS A 9526 GWP

ノバレタン 住宅建築用 水(CO2) A 種 1 1

※三菱樹脂は 2015 年をもって現場発泡ウレタン原液システムの生産・販売を終了した。

フォーム パフテムピュア FF 住宅建築用 水(CO2) A 種 1

パフテムピュアエース 住宅建築用 HFO-1233zd A 種 1H

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各社のノンフロン化製品のラインナップ状況を表にまとめて示す。.

表 ノンフロン化製品の会社ラインアップのまとめ

ウレタンフォーム原液業者 HFO-1233zd 水/CO2 CO2(超臨界)

アキレス株式会社 ○ ○ ○

旭有機材株式会社 ○ ○

倉敷紡績株式会社 ○ ○

株式会社ソフランウイズ ○ ○

日清紡ケミカル株式会社 ○ ○

ダウ化工株式会社 ○

日本アクア株式会社 ○ ○

日本パフテム株式会社 ○ ○

バスフイノアックポリウレタン株式会社 ○ ○

東邦化学工業株式会社 ○

エスケー化研株式会社 ○

住化コベストロウレタン株式会社 ○

ハンツマンジャパン株式会社 ○

三菱ケミカル株式会社 ○

○HFO-1233zd のメーカーであり、現在、現場発泡用原液に使用されている HFC-245fa

のメーカーであるハネウェルジャパンによると、既に約 50%が HFO-1233zd に転換さ

れたとのことである。

<参考情報>

2017/12/ 8(金) 吹付け硬質ウレタンフォーム「ノンフロン化宣言」

ウレタンフォーム工業会(東京都港区 会長:馬場紀生)は、法律で義務付けられた達成

期限 2020 年度(2021 年 3 月)を前倒しし、2019 年 3 月を目標に、住宅分野で使用され

る建築物断熱用吹付け硬質ウレタンフォームの発泡剤を全てノンフロン化することをここ

に宣言します。

今後はノンフロン製品をご採用頂きますよう、ご協力のほどお願い申し上げます。

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56

2.2.6 専ら噴射剤のみを充填した噴霧器用ガスの転換候補となる製品の上市状況

ダストブロワー、急速冷却スプレー用途で HFO-1234ze、その他ノンフロンを使用して

いる製品についてまとめた。

なお、HFO-1234ze のメーカーであるハネウェル社は次のように状況を述べている。

エアゾール用の HFO は HFO-1234ze しかない。目標年度の 2018 年に向けて、転換は

会社名 製品名 噴射剤 参考(現有 HFC 製品

噴射剤)

住鉱潤滑剤 スーパーエアダスター

スプレー(清掃用)300mL 386g HFO-1234ze

エア・ウォーター

・ゾル

エアダスターAHSze300

(特定不活性) 300mL 358g HFO-1234ze

エーゼット(AZ) エアダスターHFO-1234ze 180g HFO-1234ze HFC-152a

東邦金属工業 エアダスターze 468g HFO-1234ze

サンリライ

ダッシュブローze 450g HFO-1234ze

HFC-134a ダッシュブローUNI

HFO-1234ze(50)

HFC-134a(50)

エレコム

ダストブロワーAD-1234M

不燃性

HFO-1234ze+

HFC-134a HFC-152a

エアダスターECO DME+CO2

ホーザン(HOZAN) エアダスターZ-288 DME+CO2 HFC-134a、

コクヨ エアダスターEAS-CL-AS DME+CO2

ナカバヤシ Digio ノンフロンエアダスター DME+CO2

アズワン エアダスターCD-31ECO DME+CO2

エスコ エアーダストブロワー DME+CO2

ロアス ノンフロンエアブロワー DME+CO2

ヤマト エアシャワーノンフロン DME+CO2

サンワダイレクト エアダスターノンフロン DME+CO2

サンワサプライ エアダスターCD-31ECO DME+CO2

HFC-152a エアダスターCD-30ECO CO2

エンジニア ノンフロンエアダスターZC-35 CO2 HFC-134a 、 HFC-

152a

トラスコ中山 α クリーンダスターエコ」 DME HFC-152a

スリーボンド ノンフロンダストブロワー DME

フエルネット エアダスターFCN-JB DME

ミライセル エアダスターPRO DME

エヌ・ケイ・ケイ クリーンスコールノンフロン DME

タカマツヤ エアダスター DME

サンハヤト LP-QREI QRK560 LPG HFC-134a

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57

順調に進んでいると思っている。HFC-134a が不可欠とされる不燃用途について、不燃

用途といわれるダストブロアーの使用上の注意書きに、HFO-1234ze は微燃性なので、

“・・・特定不活性物質ですので、注意して使用してください”としているが、あまり

気にされず、結構使われている。不燃用途の不可欠性はかなり曖昧なものと感じてい

る。

価格は現状 R-134a の 2 倍弱であるが、需要が拡大すれば価格差は小さくなってい

く。

代表的な HFO-1234ze 使用のエアゾール缶の販売価格を以下の表にまとめた。

メーカー 商品名 内容量 価格

住鉱潤滑油 スーパーエアダスター 300mL 380g 2,570~3,128 円

エアウオーター エアダスターAHSze 300mL 358g 1,400~1,540 円

エレコム エアダスターAD1234M 200mL 1,320~4,210 円

(参考)東京マルイ ノンフロンガンパワー 250g 1,980 円

(参考)アース製薬 凍らすジェット 300ml 1,200~1,400 円

(参考)フマキラー 凍殺ジェット 300ml 736~1,200 円

※参考には殺虫成分を含まない噴射剤を示した。

(旭リサーチセンター調べ、2018 年 1 月)

2.2.7 業務用エアコンディショナーの冷媒転換候補となる製品の上市状況

業務用エアコンディショナー(パッケージエアコン)の冷媒転換候補となる製品の上市

状況については、平成 28 年 11 月に冷凍保安規則が改正され、R-32 など微燃性冷媒につ

いて、特定不活性ガスとして新たな位置付けがなされた。この結果、法定冷凍能力が 3 冷

凍トン以上 5 冷凍トン未満の機器については、不燃性冷媒と同様に高圧ガス保安法の適用

対象外となった。これを受け、業務用エアコンディショナー(パッケージエアコン)では

2018 年機種から R-32 を採用するメーカーが出てくると思われる。

業務用エアコンディショナー(パッケージエアコン)の 2017 年機種では R-32 の使用は

ない。

2.2.8 ターボ冷凍機の冷媒転換候補となる製品の上市状況

(1)三菱重工サーマルシステムズ

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「低 GWP 冷媒採用の次世代型大容量ターボ冷凍機「GART-ZE シリーズ」を開発

三菱重工サーマルシステムズ、小容量から大容量まで国内初のラインアップ」

三菱重工サーマルシステムズ株式会社は、地球温暖化係数(GWP)が 1 未満でオゾン

層も破壊しない環境負荷が極めて低い冷媒「HFO-1234ze(E)」を採用した次世代型タ

ーボ冷凍機の「GART-ZE シリーズ(固定速機)」および「GART-ZE I シリーズ(イ

ンバータ機)」を開発、2017 年 4 月から販売を開始した。この冷凍機は、冷凍能力 300

冷凍トンから 5,000 冷凍トンまで対応する。これにより、すでに販売している小容量ク

ラスの低 GWP 冷媒モデル「ETI-Z シリーズ」と併せ、国内メーカーで初めて低 GWP

冷媒モデルで 150 冷凍トンから 5,000 冷凍トンまでラインアップすることになった。

GART-ZE / ZE I シリーズは、2014 年の発売以来高い支持を得てきた GART(固定

速機) / GART-I(インバータ機)シリーズの高性能とコンパクト性を継承している。

HFO-1234ze(E)冷媒に適した圧縮機羽根車の翼形状や熱交換器に改良し、高性能・

環境性を追求するとともに、各構成機器の小型化・配置にも配慮して設置性を高めてい

る。固定速機 2,000 冷凍トンモデルの定格 COP は 6.4 で、世界トップクラスの省エネ性

を発揮する。

○価格 2,000 万から 1 億円とサイズおよび能力による。

○台数 日本の台数は 2016 年約 300 台で三菱重工は 50~70%のシェア

(2)トレイン・ジャパン

同社は 200~4,000 冷凍トンの全てのレンジにおいて、低 GWP の冷媒を採用したター

ボ冷凍機を取り揃え、日本でも発売している。

2014 年 11 月に世界で初めてノンフロン冷媒 R-1233zd(GWP:1)を採用した EcoWise

低圧ターボ冷凍機「E-シリーズターボ冷凍機」を発売、2015 年にはオゾン層保護・地球

温暖化防止大賞の経済産業大臣賞を受賞している。また、2017 年にはより小型向けの R-

514A(GWP=1.7)を採用した同機を発売した。

GART-ZE

冷媒;HFO-1234ze

ETI-Z

冷媒;HFO-1233zd

冷媒;HFO-1233zd

ETI-Z E ETI-Z TI-Z

ETI- ETI-Z

冷媒;HFO-1233zdZ

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図 EcoWise 低圧ターボ冷凍機「E-シリーズターボ冷凍機」(R-514A 採用)

(3)荏原冷熱システム

現在、同社の低圧タイプのターボ冷凍機では R-245fa を使用しているが、旭硝子の

AMOLEA R-1224yd(Z)を採用した、高効率な【RTBA 型ターボ冷凍機】を 2018 年 4

月から販売することを発表した(2018 年 2 月 13 日)。

型 式 :RTBA 型ターボ冷凍機

ラインアップ:774kW(220USRT[米冷凍トン])~4395kW(1250USRT[米冷凍ト

ン])

販売開始:2018 年 4 月予定

図 エバラ高効率ターボ冷凍機(RTBA 型)

(4)日立ジョンソンコントロールズ空調

同社は、HFO-1233zd 冷媒を採用した日立磁気軸受高効率インバータ成業ターボ冷凍機

を 2018 年夏発売予定であることを 2018 年 2 月の HVAC&R2018 展で発表した。

879~3,516kW(250~1,000USTR)の能力を持つ。

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第3章 国際動向調査

フロン排出抑制法における HFC ガス及び指定製品について、関連する冷凍冷蔵機器等

の国際的な動向調査を実施した。

3.1 世界のHFCガス排出に関するデータ比較

(1)日米欧のHFCガス排出量の年次推移

日本、米国、欧州の温室効果ガスインベントリ報告(NIR)からHFCガスの排出量の年次推移

を以下の図表に示す。主要地域における HFC 排出量(CO2t ベース)の推移から、以下の

ことがいえる。

・それぞれの主要地域で増加傾向が続くが、2015 年に EU が減少。

・2015 年の増加率は 1995 年比で米国 2.25 倍、EU2.47 倍、日本 1.55 倍である。

・主要 3 地域での 2015 年 HFC 排出量の米国:EU:日本比は 4.1:2.8:1 である。

(1995 年 HFC 排出量の比 2.9:1.7:1)

欧米と比較した場合、日本の HFC 大気排出抑制への貢献は大きい。

表 主要地域における HFC 排出量の推移 (単位: CO2equivalentGg;千 t)

1995 1998 1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006

米国 72,273 107,654 104,296 109,295 104,598 110,784 102,667 112,079 114,068 118,072

EU 43,751 60,510 52,183 53,305 52,622 56,395 63,176 67,070 73,422 77,827

日本 25,213 23,742 24,368 22,852 19,462 16,236 16,228 12,420 12,781 14,627

2007 2008 2009 2010 2011 2012 2013 2014 2015

米国 129,443 133,569 132,011 141,654 146,094 147,259 149,928 157,207 162,416

EU 84,013 91,264 94,441 102,494 104,937 108,233 110,511 112,997 107,936

日本 16,707 19,284 20,937 23,305 26,071 29,348 32,094 35,765 39,202

※数量は報告年次により過去年度分の変化もある。

(出典:UNFCCC2017 GHG Inventory Submission より)

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図 主要地域における HFC 排出量の推移 (出典:UNFCCC2017 GHG Inventory Submission より)

(2)日米欧の ODS代替分野での HFCガス用途別排出量の年次推移

日本、米国、欧州の温室効果ガスインベントリ報告(NIR)から ODS(オゾン層破壊物質)代替

分野での HFCガス用途別排出量の年次推移を以下の図表に示す。

表 米国における ODS代替分野での HFCガス用途別排出量の推移

(単位:CO2equivalentGg;千 t)

2005 2008 2009 2010 2011 2012 2014 2015

冷凍空調 107,803 101,726 104,937 97,613 103,865 128,167 139,241 144,864

フォーム 5,949 7,059 8,429 31,801 10,683 11,254 3,876 4,052

消火剤 213 377 418 454 484 516 817 862

噴射剤 9,360 3,804 8,429 6,380 6,640 6,797 7,831 7,951

合計 123,531 113,260 120,290 114,894 122,017 146,900 151,767 157,730

※1:2013 年はデータなし。

※2:2005~2012 年のフォームにはその他の HFC-134a 使用用途が含まれている。

(出典:UNFCCC2017 GHG Inventory Submission より)

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表 米国における ODS代替分野での HFCガス用途別排出量の推移

(出典:UNFCCC2017 GHG Inventory Submission より)

表 EUにおける ODS代替分野での HFCガス用途別排出量の推移

(単位:CO2equivalentGg;千 t)

2005 2008 2009 2010 2011 2012 2014 2015

冷凍空調 34,912 48,224 50,121 56,476 56,666 60,601 99,883 96,635

フォーム 2,827 2,717 2,535 2,112 3,302 2,367 2,908 2,915

消火剤 2,025 2,468 2,564 2,629 2,859 1,767 2,274 1,948

噴射剤 7,375 7,935 7,656 9,165 6,022 5,149 7,283 5,504

合 計 47,814 62,132 63,675 71,143 69,947 70,681 112,817 107,435

※:2013 年はデータなし。

(出典:UNFCCC2017 GHG Inventory Submission より)

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表 EUにおける ODS代替分野での HFCガス用途別排出量の推移

(出典:UNFCCC2017 GHG Inventory Submission より)

表 日本における ODS代替分野での HFCガス用途別排出量の推移

(単位:CO2equivalentGg;千 t)

2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011 2012 2013 2014 2015

冷凍空調 4,284 4,200 11,375 13,236 15,251 17,028 19,355 21,920 28,693 32,555 35,833

フォーム 347 300 316 286 290 290 294 294 2,229 2,372 2,483

消火剤 NE NE 6 6 6 6 6 7 8 9 9

噴射剤 1,573 1,056 849 889 809 640 608 534 489 503 540

合 計 6,328 5,686 12,712 14,564 16,449 18,128 20,354 22,832 31,516 35,544 38,974

※:NE は Not Estimated の意。

(出典:UNFCCC2017 GHG Inventory Submission より)

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表 日本における ODS代替分野での HFCガス用途別排出量の推移

(出典:UNFCCC2017 GHG Inventory Submission より)

主要国の温室効果ガスインベントリ報告(NIR)から ODS(オゾン層破壊物質)代替分野での

HFCガス用途別排出量の年次推移から、以下のことが指摘される。

米国

・2014、2015 年に冷凍空調分野での HFC 排出の伸びがある。

・噴霧材の比率が他の主要地域より多く、減少傾向にない。

EU

・2015 年に対前年比で全体で減少傾向があった。F-ガス規制の効果かどうか注目され

る。

・噴射剤用途の排出量が減っていないようにみえる。

日本

・2006 年を底にして増加中である。絶対量は欧米に比べ小さい。

・2013 年にフォーム、冷凍空調分野が不連続に増加した。

全体

・米欧日ともに冷凍空調用途での HFC ガスの排出割合が極めて高い(下表参照)。

よって、冷凍空調用途での排出量が全体量を支配している構造に変わりない。

表 主要地域における ODS 代替分野の冷凍空調用途での HFC 排出量比率の推移

(単位:%)

2005 2008 2009 2010 2011 2012 2013 2014 2015

米国 87 90 87 92 85 87 ― 92 92

欧州 73 78 79 79 81 86 ― 89 90

日本 68 91 93 94 95 96 92 92 92

・ただし、米欧では噴射剤からの排出比率が日本よりも多い。しかも、噴射剤からの排

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出量について、明らかな減少傾向はみられない。

3.2 国際的なHFC冷媒の動向調査のまとめ

欧米での HFC 冷媒について、欧州、米国の転換状況の概要を以下の表にまとめた。

表 3.1.1 欧米の HFC 冷媒転換状況のまとめ

調査テーマ 欧 州 米 国

冷媒転換の対応

F-ガス規制により、転換への活動は活発で、特に冷凍冷蔵空調の部品メーカーはさまざまな冷媒の評価を熱心に進めている。

転換ムードは感じられない。

微燃性冷媒に対する規制の状況

スペイン、イタリア、フランスで公共施設等に規制有。

SNAP で規制有。

転換に際し、気候的差異 はあるか

転換の差異(困難さ)はない。 転換はメーカーの動きから南欧から北欧へと進むと思われる。 北欧は自然冷媒志向が強い。

転換の差異(困難さ)はない。 技術的には、超臨界 CO2は、気温の関係で米国南部での展開は難しい。カスケードで使用する。

自然冷媒に関し、政策的なインセンティブはあるか

なしとの意見が多かった。 (オランダで一例あり)

特になし

規制の状況(対 CO2) なし なし

規制の状況 (対アンモニア)

イタリア、フランスで設備 上の規制有り。

カリフォルニア州とニューヨーク州で量規制有り。

(㈱旭リサーチセンターまとめ)

(2)冷凍冷蔵空調器用途別の冷媒転換状況

① 家庭用エアコンの HFC-32 への転換

欧州では、日本のメーカー3 社(ダイキン工業、パナソニック、富士通ゼネラル)が販

売している(三菱電機は 2017 年から販売)。

2016 年 10 月の Chillventa 2016 ではドイツの企業 1 社、 Hisense(中国海信)と

Gree(中国格力)社の HFC-32 使用のエアコンが展示していた。

2017 年 11 月の INTERCLIMA+ELEC2017 では HFC-32 導入の家庭用エアコン

を Air well(フランス)、パナソニック、富士通ゼネラル(仏企業の Atlantic 社ブー

ス)が展示していた。Air well では HFC-32 のウィンド形エアコンも展示していた。

米国の規制 SNAP では、ウィンド形エアコンで HFC-32 使用できるが、2017 年 1

月までのところ、ダイキン工業系列の 1 社のみでの販売となっている。

① 業務用エアコンの転換

ダイキン工業は小型の業務用エアコンに HFC-32 を使用しており、パナソニックも

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2017 年から展開し、2017 年 11 月の INTERCLIMA+ELEC2017 展示会で展示して

いた。

スペインの企業 2 社が R-449A と R-407F の機器を 2016 年 10 月の Chillventa

2016 で展示していた。

2017 年 11 月の INTERCLIMA+ELEC2017 では HFC-32 導入の業務用エアコン

のは Airwell(フランス)、パナソニック(6-4 KW 製品サイズ)が展示していた。

② コンデンシングユニット

2016 年 10 月の Chillventa 2016 ではドイツを中心に既存の冷媒の機器の展示が目

立ったが、イタリアの企業が R-448A と R-449A、イタリアの企業が R-449A、そし

てフランスの企業が R-449A の新冷媒を使用した機器を展示していた。同展で大手部

品メーカーのエメルソン も低 GWP 使用と表示していた。

③ ターボ型冷凍機の HFC-134a からの転換

大手冷凍機器メーカーが新冷媒を使用したチラーを 2016-2017 年の欧米各種展示

会で PR していた。今後 HFC-134a から、HFO-1234ze, HFO-1233zd へ転換が進む

ものと思われる。

表 3.1.2 欧米展示会等での主な大型チラーと使用冷媒のまとめ

メーカー コンプレッサータイプ 使用冷媒

Stulz(ドイツ) ターボ型 HFO-1234ze(E)

Climaveneta(イタリア) ターボ型 HFO-1234ze(E)

RC Group Spa (イタリア) ターボ型 HFO-1234ze(E)

Sinop (チェコ) ターボ型 HFO-1234ze(E)

スクリュー型 HFO-1234ze(E)

MTA (イタリア) スクリュー型 HFO-1234ze(E)

Trane (米国) ターボ型 HFO-1233zd(E)

スクリュー型 HFO-1234ze(E)

Carrier (米国) ターボ型 HFO-1233zd(E)

三菱重工業(日本) ターボ型 HFO-1233zd(E)

スクリュー型 HFO-1234ze(E)

Schneider (フランス) スクリュー型

(300-1000kw) HFO-1234ze(E)

AERMEC (イタリア) スクリュー型 HFO-1234ze(E)

(㈱旭リサーチセンター まとめ)

(3)自然冷媒の実用機器への市場投入実績

① アンモニア冷媒の市場展開

ドイツとスペインの企業が スクリュー型チラーで実績を持つ。

イタリアの企業----------- 化学工場(イタリア)、製氷機

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前川製作所(日本)--------- 食品工場、冷凍倉庫、船舶用冷凍機器、食肉倉庫

フランスの企業----------- 業務用冷凍機

② CO2 冷媒の市場展開

フランス、イタリア、スペインと南欧の企業が製品化に積極的である。

コンデンシングユニット---- フランス、イタリア、チェコ

※2017 年 11 月の INTERCLIMA+ELEC2017 では仏企業の Atlantic 社ブース

でコンデンシングユニット(三菱重工)を展示

スーパーマーケット------ イタリア、フランス、デンマーク、スペイン

工業用冷凍機 ------ イタリア、デンマーク、チェコ、ドイツ

製氷機 ------ イタリア、ドイツ、スペイン

③ R-290(プロパン)冷媒の市場展開

小型の機器で商品例がある。

ドイツ --------- ショーケース (充填量 100~148g)、小型製氷機

イタリア------- 小型冷凍機

チェコ---------- 飲料クーラー

3.3 欧州における動向調査

(a)INTERCLIMA+ELEC2017

フランス最大の空調・冷凍機関係の展示会が、2017 年 11 月 7 日(火)~10 日(金)パリで

開催された。INTERCLIMA+ELEC は、建築部門におけるマルチエネルギー、マルチテ

クノロジー分野(HVAC&冷凍、ホーム&建築管理システム)を反映、住居、産業、サービ

ス、地方自治体、病院、ホテル、レストラン、ショップ、流通ネットワークにおける

HVAC/冷蔵部門のあらゆる活動を集結したものである。

1.展示会概要

(1)日時 : 2017 年 11 月 7 日(火)~10 日(金)

(2)場所 :フランス/パリ Nord Villepinte Exhibition Centere

(3)開催頻度: 2年に 1 回

(4)取扱品目: 空調・暖房用材料/装置、冷蔵、衛生設備

(5)来場者数等:併設展と合わせ 30 万人余りと約 2,000 以上の出展が一同に会する

HVAC,建築業界では世界最大級の展示会で、2015 年の来場者の国籍

180 ヶ国に及んでいる。

(6)併設展: BATIMAT------建築材料、関連機器

IDEOBAIN----バス、トイレなどの水回り

2.展示内容

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全体的には、空調よりも暖房関係に多くの企業が出展していた。また、9 月にドイツ/

ベルリンでアジアの企業が出展する「アジア空調展」が開催されたことも影響してか、

中国及び韓国メーカーのエアコンの出展はなかった。空調機と冷蔵・冷凍機の出展製品

を紹介する。

(1) パナソニック

家庭用エアコン------冷媒として R32 使用

業務用エアコン----6-4 KW 製品には、冷媒として R32 を使用している。

12-14KW 製品では、R410A をまだ使用している。

いずれもインバーター付

コンデンシングユニット-----CO2 仕様機 ホテル&Retail 用途

※同社ブース会場内で報道向けに CO2 ユニットの発表会が行われていた。

(2) Schneider (フランスの大手電機メーカー。エネルギーマネジメントのスペシャリ

スト事業者。同社とパナソニックは、業務用空調設備とビルマネジメントシステム

の開発・営業に関し、提携を発表している(2016.10)。)

チラー(300-1000kw)を展示し、 冷媒として HFO-1234ze を使用していた。

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(3) Carrier (フランス)

冷凍機だが、新冷媒を使用したものはなく、R-134a と R-410A が使用されてい

た。

(4) Air well (フランス)

家庭用エアコン、および業務用エアコンに冷媒として R-32 を使用していた。

ウィンドータイプエアコンにも R-32 が使用されていた。

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(5) AERMEC (イタリア)

スクリュー式チラーに HFO-1234ze が使用されていた。

その他の冷凍機には、新製品表示があるものも含めて、冷媒は R-410A であった。

(6) Bosch (フランス)

家庭用エアコンの冷媒は R-410A が使用されている。

Page 73: 平成 29 年度 化学物質安全対策 (フロン排出抑制法 …...3 図3 モントリオール議定書改正の内容と日本への影響 (出典:産業構造審議会

71

(7) Atlantic (フランス)

製造メーカーではあるが、今回はビルディングシステムとして展示していた。

Atlantic には富士通ゼネラルが入り込んでいるとのことである(パナソニック談)

ビルディングシステムとして次の日本のメーカーの機器展示がされていた。

・家庭用エアコン(富士通ゼネラル)------冷媒 R-32

・VRF(富士通ゼネラル)------冷媒 R-410A

・コンデンシングユニット(三菱重工)------CO2 ユニット

<富士通ゼネラル> <三菱重工 CO2冷凍機>

(8) その他

出展企業 国名 機器 使用冷媒

MTA フランス 大型業務用空調機 R410A

Riello フランス 業務用空調機(新型) R410A

Polypoles フランス スポットエアコン 記載なし

Weltem 韓国 移動式エアコン R410A

Sabiana フランス エアコン 記載なし

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(b)EUREKA conference 2017 (11-12 December • Berlin, Germany)より

欧州の業界団体 EPEE(エネルギーと環境に関する欧州協力体)と EVIA(欧州換気産

業協会)が主催した国際コンファレンスが 2017 年 12 月 11、12 日にベルリンで行われ

た。

コンファレンスのテーマは「より良い生活と持続可能な HVAC(冷暖房と換気に関する)

技術」と題し、冷暖房、換気および冷却(HVAC-R)産業に関わる国際的な関連協会、ドイツ

政府、冷凍空調関連産業界の参加をはじめ、将来ビジョンの模索のためジェネレーション

Z 世代(1995〜2010 年の間に生まれた世代で主に学生)を加えた会合であった。

欧州では、「欧州のエネルギー使用の 5 割が冷蔵冷凍や冷房・暖房分野で使用されてい

る」という共通認識と問題意識の下、それら分野で使用される機器にまつわるセッション

が進められた。

冷媒に関し、以下の 2 つのセッションがあったので、ここで概要を記す。

1.コールドチェーン(低温流通体系)における冷蔵冷凍問題

・食料品のコールドチェーン(低温流通体系;「コールドチェーン」は生鮮食品などを産地

から消費者まで一貫して冷凍・冷蔵状態を保ち流通させる)における根本課題として、消

費者から見えない工程(Invisible)で食品の1/3が廃棄され、消費者から見える工程(Visible)

(小売り販売過程)で食品の 1/3 が廃棄され、それらが無駄になっている。

Page 75: 平成 29 年度 化学物質安全対策 (フロン排出抑制法 …...3 図3 モントリオール議定書改正の内容と日本への影響 (出典:産業構造審議会

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・食料品の輸送手段は空輸、陸路(列車や自動車)などがあり、品質保持や環境対策や損

失が少ないように努力されてきているが、これらの体系を標準化することは難しい。

・低 GWP 冷媒転換問題は、食料品のコールドチェーン(低温流通体系)における安全性

などの他の課題よりも難しい課題ではあるが、取り組みを進めている。

・食料品のコールドチェーン(低温流通体系)の流通体系自体の変革にも、取り組み中。

・高断熱の冷凍冷蔵の移動方法についてもローコストになるため、開発している。

・食料品流通での品質保全に関して、より厳しい国際規制の検討をしている。

Page 76: 平成 29 年度 化学物質安全対策 (フロン排出抑制法 …...3 図3 モントリオール議定書改正の内容と日本への影響 (出典:産業構造審議会

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・大きな流通用の冷蔵冷凍倉庫(典型例としておよそ 200m×100m×高さ 10m)では通

常アンモニア冷媒か CO2冷媒が使われる。

・冷蔵食品は毎日入れ替わるが、小売店での冷凍食品は 1 週間まで、店頭に置かれること

になる。

食料品のコールドチェーン(低温流通体系)の中で

・新たな冷凍圧縮機、新たな熱交換器、追加装置、既存設備の最適化、新たなシステム設

計、新たな冷媒が求められられている。

Page 77: 平成 29 年度 化学物質安全対策 (フロン排出抑制法 …...3 図3 モントリオール議定書改正の内容と日本への影響 (出典:産業構造審議会

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・食料品のコールドチェーン(低温流通体系)の中での冷媒開発・導入の時系列は上図の

ようであり、現在では HFC,HFO,自然冷媒のいずれかの利用になる。

コールドチェーン(低温流通体系)における冷蔵冷凍問題の結論

・EU では食料品のコールドチェーン(低温流通体系)は現代生活に必要不可欠なシステ

ムである。

・EU の都市化および繁栄のためには、食料品の低温流通体系のシステムの重要性は高ま

る方向である。

・新たな低温流通体系システムができなければ、食料廃棄物の増大、温暖化ガスの増大、

貧困化、病気拡大、社会不安を増大させてしまう。

・注目される冷媒転換問題は低温流通体系のシステム強化には(直接的には)繋がらない

ため、どのような基金に基づき、それらと同時に解決していくかが課題である。

Page 78: 平成 29 年度 化学物質安全対策 (フロン排出抑制法 …...3 図3 モントリオール議定書改正の内容と日本への影響 (出典:産業構造審議会

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2.建物は欧州の気候変動、省エネの決定的要因に

・建物はエネルギー(冷熱含む)を使用する基本的で重要なインフラであると同時に、変

化が最も遅い分野である。

・この分野で将来にわたり要求されることは強靭性と正しい修繕方法である。

・新たなエネルギー需給に関する技術は流通と建物の統合的に支持するものであろう。

・建物の特徴として、エネルギー(冷熱含む)需要の 40%を占めること、現在ある建物は

50 年までに少なくとも 9 割が残存すること、を認識しなければいけない。

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・ゼロエネルギービル(ZEB)という目標が 2020 年までにある。新たな効率的なエネル

ギー技術導入の促進が必要である。

・A2L(微燃性)冷媒を用いた新たな機器導入を同時に増やす必要性がある。

建物のエネルギー問題は以下のような結論になる。

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・建物のエネルギー(冷熱含む)需要の問題は、結局、欧州の気候変動、省エネの決定的

要因になるため、将来の社会像そのものの中で描かれるべきものである(よって、冷媒転

換の話だけで建物の問題を議論することはできない)。

(c)F ガス規制に対する欧州業界の戦略

EU の冷凍空調関連業界での冷凍空調機に関する最優先課題は以下の図のとおりであ

る。

図 EU での冷凍空調機に関する最優先課題 (出典:ASERCOM(欧州冷凍圧縮機製造者協会),2016.10)

方途として具体的には、次の4つの項目がキーポイントになる。

図 EU での冷凍空調機に関するキーポイント (出典:ASERCOM(欧州冷凍圧縮機製造者協会),2016.10)

なお、EPEE(European Partnership for Energy and the Environment:エネルギー

と環境に関する欧州協力体)は、業界目標として“Gapometer プロジェクト(需要と供給

規制の影響を

少なく

より政策的に

エネルギー

モントリオール議定書

(HFC 削減)

パリ協定

低 GWP 冷媒

Page 81: 平成 29 年度 化学物質安全対策 (フロン排出抑制法 …...3 図3 モントリオール議定書改正の内容と日本への影響 (出典:産業構造審議会

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のギャップ解消の道筋、の意)”を 2016 年 10 月に公表し、EU の冷凍空調機器からの

HFC 削減を目指している。

EPEE の公表文献として以下の 2 点がある。

Meeting the ambitions of F–Gas Regulation: The EPEE Gaspometer

-----Ray Gluckman (EPEE European Partnership for Energy and the

Environment)

(2016.10 Chillventa ASERCOM+EPEE シンポジウム発表 ppt資料)

Meeting the Challenges of the EU HFC Phase-Down

(EPEE Gapometer Project –Key Messages November 2017 冊子)

それらの内容概要を以下に記す。

<EPEE の Gapometer プロジェクト>

・EU の HFC 削減計画を理解し、監視するための多段階のプロジェクト

第一段階--- 削減計画の工程表(2015 年作成)

第二段階--- モニタリング(2016 年と 2017 年)

*アクション事項を評価するための市場調査

*目標値と実際の値とのギャップ(Gapometer)の検証

第三段階--- 2018 年は最初の削減目標年。短期的に取組の大幅な進捗がなけれ

ば、

2018 年の計画には大きな遅れが生じることになる。

第四段階--- 2021 年の削減目標も明確である。

<EPEE による EU の HFC 削減計画>

2015 年を基準年に 2030 年を最終ターゲット。基準年の 79%削減を最終目標とする。

図 EU の HFC ガスのフェイズダウン目標設定

Baseline does not include pre-charged imports –a further 22 MT CO2 (12%). From 2017, included in quota.

2030: Final target 38 MT CO2

- a cut of 79%

2015: Start point 183 MT CO2

Based on average EU HFC consumption 2009-2012

The EU HFC Phase down profile

Page 82: 平成 29 年度 化学物質安全対策 (フロン排出抑制法 …...3 図3 モントリオール議定書改正の内容と日本への影響 (出典:産業構造審議会

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(出典:EPEE(エネルギーと環境に関する欧州協力体)、Chillventa2016)

◯2030 年までの削減目標に対し、2018 年~2021 年は非常に挑戦的な年になる。

図 EU の HFC ガスのフェイズダウン挑戦の 2018~2021 年 (出典:EPEE(エネルギーと環境に関する欧州協力体)、Chillventa2016)

<EPEE の HFC 削減工程表を達成するための中心となるアクション事項>

22+

183 MT CO2

115 MT CO2

82 MT CO2

The challenges in 2018 and 2021IntermediateMilestones

60% cut-123 MT CO2

44% cut-90 MT CO2

This Roadmap illustrates one route to achieve

these challenging cuts

Page 83: 平成 29 年度 化学物質安全対策 (フロン排出抑制法 …...3 図3 モントリオール議定書改正の内容と日本への影響 (出典:産業構造審議会

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図 EU の HFC ガスのフェイズダウンの具体的方法 (出典:「Meeting the Challenges of the EU HFC Phase-Down」EPEE,2017.11)

https://www.epeeglobal.org/wp-content/uploads/2017-11-29-EEPEE-Gapometer-brochure-SCREEN.pdf

(1)新機種に対する事項

Page 84: 平成 29 年度 化学物質安全対策 (フロン排出抑制法 …...3 図3 モントリオール議定書改正の内容と日本への影響 (出典:産業構造審議会

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・空調機での低 GWP 代替品の使用

・ユーザーへの強力な啓発

・供給側へ低 GWP 代替品の強制力

・可燃性の低 GWP 代替品導入に対する訓練など

・建築コンサルや建設請負人への低 GWP 代替品の周知

(2)既存の機器に対する事項

・大型機器の漏洩防止

・低 GWP を使用するレトロフィット

・スーパーマーケットなどの業務用冷凍機器ユーザーへの上記の周知

(3)再生冷媒の使用

・廃棄機器、既存機器のレトロフィット品からの冷媒の回収

・高い GWP 冷媒の再生品の流通量を減らし、価格を上げる

・空調機器設置者や最終ユーザーへの啓発

・再生冷媒のサプライチェーンのインフラ構築

Page 85: 平成 29 年度 化学物質安全対策 (フロン排出抑制法 …...3 図3 モントリオール議定書改正の内容と日本への影響 (出典:産業構造審議会

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<EPEE の HFC 削減アクションの具体的な見通し>

図 EU の HFC ガスのフェイズダウン 2018~2021 年の削減見通し (出典:EPEE(エネルギーと環境に関する欧州協力体)、Chillventa2016)

<EPEE の HFC 削減アクション(製品マーケット別)>

図 EU の HFC ガスのフェイズダウン 2018~2021 年の削減見通し(市場別)

(出典:EPEE(エネルギーと環境に関する欧州協力体)、Chillventa2016)

Roadmap Scenario: Contributions from Core Actions

Cuts in MT CO2

NewEquipment

-36-64

Existing Equipment

-30

-39

Reclaimed Refrigerant

-24

-20

Cuts in MT CO2

Roadmap Scenario: Contributions from Main Market Sectors

-47

-15

-12

-51

-15

-15

-20

-14

Chillers

Transport

Commercial Refrigeration

Industrial Refrigeration

SACMobile AC

Non RAC

Page 86: 平成 29 年度 化学物質安全対策 (フロン排出抑制法 …...3 図3 モントリオール議定書改正の内容と日本への影響 (出典:産業構造審議会

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小売業における冷凍機器新設:

・新設では R-404A(HFC-143a/125/134a の wt% 52/44/4,GWP=3,920)、R-507A(HFC-143a/125 の

wt% 50/50,GWP=3,990)は避け、コスト、エネルギー効率、安全性を総合的に考慮し、CO2

冷媒や HFO 冷媒の超低 GWP 冷媒を使う。大型冷凍機器、小型冷凍機器では全ての条

件を満たすシステムが利用可能である。中型冷凍機器については間接膨張システムや単

一システムなど含め、急速にコストが改善しつつある。

ビル空調の新設:

・小型空調機器では微燃性の R-32 や同様の中間域 GWP 値の HFO/HFC ブレンド冷媒を

状況に応じて代替を検討する。大型空調機器(直膨)でも微燃性の R-32 や中間域

GWP 値の HFO/HFC ブレンド冷媒(R-452B(ケマーズ XL55:R-32/R-125/R-1234yf の wt%

67/7/26,GWP=676,A2L),R-454B(ケマーズ XL41: R-32/R-1234yf の wt%69.9/31.1,GWP=467,A2L))を

状況に応じて検討する。

業務用冷凍機器の新設:

・新設では R-404A(HFC-143a/125/134a の wt% 52/44/4,GWP=3,920)、R-507A(HFC-143a/125 の

wt% 50/50,GWP=3,990)は避ける。

・大型の業務用冷凍機器(直膨)ではアンモニア、CO2、炭化水素、HFO の検討。

・業務用チラーではアンモニアの検討。R-1234ze/yf,R-1233zd(アルケマ Forane1233zd

GWP<1,A1),R-516A(R1234yf/R134a/R152a の wt% 77.5/8.5/14.0,GWP=154,A2L)も可能になる見込み

がある。

・小型業務用冷凍機器(直膨)は中間域 GWP 値で不燃性冷媒である以下の製品群が可

能。

R-448A(ハネウェル R-32/125/1234yf/134a/1234ze(E)の wt%26/26/20/21/7,GWP=1,273,A1),

R-449A(ケマーズ),R-449B(アルケマ),R-407A(アルケマ),R-407F(ハネウェル),R-407H

(ダイキン),R-452A(ハネウェル)(いずれも HFC/HFO の混合冷媒で GWP が 1,000~2,000 程度,A1)

が可能。

その他に微燃性の HFO/HFC ブレンド冷媒も可能になる見込みがある。

冷凍空調機器設置事業者に対する新設冷凍空調機器の考え方:

・新設では R-404A(HFC-143a/125/134a の wt% 52/44/4,GWP=3,920)、R-507A(HFC-143a/125 の

wt% 50/50,GWP=3,990)は避け、最適な選択ができるようにする。

・小売り・業務用冷凍機器、水冷チラーでは超低 GWP 冷媒が可能。

・空調機器では R-32 のような中間域 GWP 値冷媒が可能。

EU の政府関係者に対する新設冷凍空調機器の考え方についての提言:

・使用者,エンドユーザーへの低 GWP 機器使用への啓発。

・EU 各政府機関は市場障壁を取り除く目的で、建築基準と冷凍安全基準を定期的に見直

す行動を取り、ステークホルダー(利害関係者)に定期的に GWP 低冷媒の利用可能性を

通知するべきである。

図 EU の HFC ガス排出削減のための市場別具体的方法(2017 年 11 月に新規に示されたもの)

(出典:「Meeting the Challenges of the EU HFC Phase-Down」EPEE,2017.11)

https://www.epeeglobal.org/wp-content/uploads/2017-11-29-EEPEE-Gapometer-brochure-SCREEN.pdf

Page 87: 平成 29 年度 化学物質安全対策 (フロン排出抑制法 …...3 図3 モントリオール議定書改正の内容と日本への影響 (出典:産業構造審議会

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The EPEE Gapometer は挑戦的な見通しであるが、実現可能性はある。しかし、多く

の分野の多数の関係者(冷媒製造者、機器製造者、設置業者、回収業者等)の協調的な努力

を必要とする。禁止期限があり、冷媒価格も上昇することも考えられるので早期のアク

ションが必要である。

<EPEE の HFC 削減アクション(具体的な推進例)>

(1)新装置では------- ・R-404 からの早期の転換

・小型エアコンでの R-410A から R-32 と HFC/HFO 品への転換

(2)既存設備では---- ・R-404A システムのレトロフィット

・大型業務用冷凍システムでの漏洩の防止への多大な努力

(3)再生品の利用---- ・2017~2025 年に冷媒再生品の大幅な利用

Page 88: 平成 29 年度 化学物質安全対策 (フロン排出抑制法 …...3 図3 モントリオール議定書改正の内容と日本への影響 (出典:産業構造審議会

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<小~中型のエアコンにおける低 GWP への推移とその構成の見通し>

図 EU の HFC ガスのフェイズダウン(小~中型のエアコン) (出典:EPEE(エネルギーと環境に関する欧州協力体)、Chillventa2016)

図 EU の HFC ガスのフェイズダウン(小~中型のエアコンの冷媒)

(出典:EPEE(エネルギーと環境に関する欧州協力体)、Chillventa2016)

NewEquipment

Average GWP of refrigerants in new small / medium split air-conditioning

GWP trend as market moves away from R-410A

Roadmap assumptions

NewEquipment

R-410A is phased out in new split air-conditioning

It is replaced with lower flammability refrigerants

% of total tonnes of refrigerant used in newsmall / medium split air-conditioning equipment

R-410A

R-407C

R-32 and

R-32 / HFO blends

Roadmap assumptions

Page 89: 平成 29 年度 化学物質安全対策 (フロン排出抑制法 …...3 図3 モントリオール議定書改正の内容と日本への影響 (出典:産業構造審議会

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<業務用冷凍機における低 GWP への推移とその構成の見通し>

図 EU の HFC ガスのフェイズダウン(業務用冷凍機) (出典:EPEE(エネルギーと環境に関する欧州協力体)、Chillventa2016)

図 EU の HFC ガスのフェイズダウン(業務用冷凍機の冷媒)

(出典:EPEE(エネルギーと環境に関する欧州協力体)、Chillventa2016)

NewEquipment

GWP trend as market moves away from R-404A

Average GWP of refrigerants in new commercial refrigeration

Roadmap assumptions

NewEquipment

% of total tonnes of refrigerant used in newcommercial refrigeration equipment

R-404A is quickly phased out in new commercial refrigeration equipment

It is replaced with a range of different low GWP alternatives

R-404A

CO2

Lower Flammability blends

R-134a

Non-flammable blends (GWP 1400 – 2100)

Roadmap assumptions

Page 90: 平成 29 年度 化学物質安全対策 (フロン排出抑制法 …...3 図3 モントリオール議定書改正の内容と日本への影響 (出典:産業構造審議会

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<EPEE の HFC 削減アクションによる冷媒漏洩の見通し>

2018 年までに業務用冷凍機の漏えい率を 10%以下にする目標。

図 EU の業務用冷凍機の冷媒漏えい率の改善 (出典:EPEE(エネルギーと環境に関する欧州協力体)、Chillventa2016)

<2018 年~2021 年の目標達成に立ちはだかる課題群>

(1)新装置では------- ・R-404A を使い続けてしまう

・微燃性(A2L)冷媒を使用することの不安

・主要マーケットでの製品や部品の不足

(2)既存設備では---- ・業務用機器での R-404A レトロフィットの転換が鈍い

・現在の漏洩率に対し不適切な改善

(3)再生品の使用では・冷媒回収と冷媒精製のインフラ不足

(4)その他として---- ・可燃性冷媒に関する限定的な安全基準と規制

・適切に訓練された設置及び補修に従事する技術者の不足

Leakage assumptions for 3 market sectorsExisting Equipment

By 2018 we need average leakage from

commercial refrigeration below 10%

Page 91: 平成 29 年度 化学物質安全対策 (フロン排出抑制法 …...3 図3 モントリオール議定書改正の内容と日本への影響 (出典:産業構造審議会

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3.4 欧米のスーパーマーケットの冷媒転換状況

1.市場動向

(1)世界の業務用冷凍・冷凍ショーケースの需要

世界の空調業界誌出版 JARN (Japan Air Conditioning, Heating & Refrigeration

News; 株式会社ジアン)の調査によると、2016 年の業務用冷凍・冷蔵ショーケース市場

が、米国で 782,000 台、欧州で 712,000 台、中国で 350,000 台に達したと推定してい

る。 一方、日本冷凍空調工業協会(JRAIA)は、冷凍・冷蔵ショーケースの日本市場規

模は 312,000 台以上と推定している。(JARN News September 25,2017)

このように欧米での業務用冷凍・冷蔵ショーケースの需要は日本の倍以上であり、現

在主に使用されている GWP の大きい R-404A(GWP;3780)からの冷媒の転換の方向に関

して注目するところである。

(2)各国の規制の状況

冷凍・冷蔵業界のビジネスにとって、冷媒規制の動向が事業に大きく影響するところ

である。各国の冷凍・冷蔵ショーケースを対象とした規制の状況は次のようになってい

る。

① 米国の規制(SNAP 規制)

末端用途 対象冷媒 規制開始時期

定置式 HFC-227ea、R-404A、R-407B、R-421B、R-422A、R-422C、R-422D、R-428A、R-434A、R-507A R404A

2020 年

冷凍食品加工 R-404A、R-407B、R-421B、R-422A、R-422C、R-422D、R-428A、R-434A、R-507A

2021 年

② EU(F-ガス規制)

対象機器 規制値(GWP 値) 規制開始時期

全密閉構造の業務用冷凍冷蔵庫 2500 2020/1/1

定置式冷凍冷蔵機器 2500 2020/1/1

欧米ともに、2020~2021 年に既存の R-404A の使用が禁止される。

(3)冷媒の開発状況

現在スーパーマーケットでは、HFC の R-404A の他、CO2 とアンモニアが機器の冷媒

として使用されている。以下、冷媒の転換状況について記載する。

(A) HFC 冷媒の開発状況

現在候補とされる冷媒は、ハネウェル社の Solstice(R)N40 (R-448A)とケマーズ社の

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OpteonXP(R-449A)で、ダイキンアメリカも R-407H で展開することを発表している。

ハネウェル・ジャパン及び三井・デュポンフロロケミカルから開発状況のヒアリング

したので、展開状況を記載する。

〇候補冷媒

候補冷媒 GWP 冷媒メーカー 組 成 日本市場動向

R-448A 1387 ハネウェル R32/125/1234yf/134a/1

234ze(26/26/20/21/7)

2017 年初頭からトラ

イアル中

R-449A 1397 ケマーズ R134a/125/1234yf/32

(25.2/24.3/27.3/23.2) 2019 年上市予定

R-407H 1495 ダイキン工業 R32/125/134a

(32.5/15/52.5) 2017 年 4 月販売開始

(a)ハネウェル社の展開状況

(ⅰ)発表資料から(2016 年 11 月 1 日)

・Solstice(R)(ソルスティス)N40(R-448A)は、スーパーマーケット冷凍冷蔵ショーケース

やコールドチェーン用途で、冷媒および高 GWP の R-404A 冷媒用既存冷凍冷蔵機器に

入替可能な新冷媒を開発した。

・R-404A 冷媒に比べ GWP(地球温暖化係数)が 65%低く、フロン排出抑制法(略称)が定め

る HFC(代替フロン)低減目標を満たす HFO ブレンド品である。

・スーパーマーケット実証試験にて R-404A 冷媒に比べエネルギー効率性を最大 15%向

上したことが得られた。

・冷凍冷蔵ショーケース、冷温倉庫やブラストフリーザー(急速冷凍機)などの中温(冷蔵)お

よび低温(冷凍)機器向け次世代冷媒である。

・ソルスティス N40(R-448A)の GWP は 1,387 で、R-404A の GWP3,922 に比べ 65%低

く、不燃で、オゾン層を一切破壊しない。

・ソルスティス N40(R-448A)は既存の R-404A 用機器にニアドロップイン(ほぼ換装可能

な)冷媒であることから、非常に低いコストで新冷媒への移行を可能になる。また、ソル

スティス N40 の取扱法は従来冷媒と同様であるため、使いやすさの点でもスムーズに

移行することができる。

・さらに、ソルスティス N40 は機器のエネルギー効率性、すなわち省エネ性を向上する。

(ⅱ) 米国スーパーマーケットでの実証試験結果

(https://www.atpress.ne.jp/releases/114906/img_114906_2.jpg)

・結果:R-404A に比べ消費電力量を平均 16%低減(年間平均外気温 13.3℃での実証結果)

できた。

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91

<試験条件>スーパーマーケット 1 店舗全系統での比較、R404A 仕様の既設別置型マル

チ接続ショーケース/スクロールコンプレッサー機へのレトロフィット(冷媒換装)。

冷凍機油は R404A と同様 POE(ポリオールエステル)油を使用し、膨張弁はソルステ

ィス N40 に合わせ最適調整した。

ソルスティス N40(R-448A)を採用した米国のスーパーマーケットチェーン『Lowe's

Market』、冷凍冷蔵機器担当者は、「ソルスティス N40 に冷媒を移行してから 18 ヶ月の

間、機器は問題なくスムーズに稼働しており、またエネルギー効率性は 5%以上改善した。

機器の調整はほぼわずかで済み、新店だけでなく店舗改装やレトロフィットにも対応する

ことができた。」とコメントしている。

表:米国スーパーマーケット実証試験、ソルスティス N40(R-448A)と現行冷媒(R-

404A)の電力消費量

(ⅲ) 各国での状況

世界的なスーパーマーケットチェーンの一つである Tesco が英国の 1,200 店で、R-404A

からハネウェル社の Solstice N40(R-448A)に 3 年間で転換することを発表している。その

うち 60 店は既に転換が終了している。

この様に Solstice N40(R-448A)は、R-404A の代替として、スーパーマーケット業界

で最も一般的に使用されている低 GWP 冷媒で、既に世界で 7,500 店以上のスーパーマー

ケットで採用されている。

さらに日本国内対応結果として、次の情報を得た。

日本各地と同様の気候条件を含む米国および欧州各地のスーパーマーケットにて実施

された実証試験では、ソルスティス N40(R-448A)は R-404A に比べエネルギー消費量を低

温(冷凍)では最大 3%、中温(冷蔵)では 5~15%低減することが確認されている。ソルステ

ィス N40 のより高い COP(成績係数、省エネ性)は、国内大手冷凍冷蔵機器メーカーによ

る性能評価でも実証されている。加えて、現在国内ではスーパーマーケット実店舗にソル

スティス N40(R-448A)を試験導入し、省エネ効果の検証を行っている。

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(b)ケマーズ社の展開状況

HFC 代替冷媒として、XP40(R-449A)が欧州はじめ世界中でレトロフィットで使用さ

れている。特に欧州では、R-22 のレトロフィットでも R-449A が使用されている。さらに

日本でも 2018 年には市場に出る。

実績としては、イオンの中国店舗で XP40 のレトロフィットにより、9.6%のコストダウ

ンが確認された。海外では、レトロフィットでの対応をどんどん進めている。中国では CFC

から一足飛びに XP40 などでのレトロフィットに進んでいる。日本でも A1 から A3 の HC

類へのレトロフィットは禁じているものの、同じ A1 への変換は問題ないとされている。

KHK(高圧ガス保安協会)でも、50 冷凍トン以上では地方自治体の許可が必要だが、

20~50 冷凍トンの機器は試運転が必要、20 冷凍トン未満は制限なしとしている。レトロ

フィットについて、日本と欧州・中国で対応が分かれているのは、欧州では圧縮機メーカ

ーが強く、レトロフィットを強力にサポートしているが、日本ではラックと圧縮機両方を

保有するメーカーが殆どで、レトロフィットのサポート体制がないためであろう。

2017 年 2,000 以上のスーパーマーケットで採用か、との情報もある。

(c)ダイキン工業の展開状況

ダイキンアメリカは、R-407H を米国で展開することを昨年発表した。R-404A と R-

507A の代替として、スーパーマーケット、食料品店を対象とする。R-407H は GWP1,495

で A1 ランクである。以下、ダイキン工業の発表記事を記載する。

ダイキン工業は、冷媒による環境への影響を軽減するため、従来の冷凍冷蔵機器に多く

使用されている R-404A より地球温暖化係数(GWP)が約 62%低い冷凍冷蔵機器用の新

冷媒『R-407H』を新たに発売した。

現在、店舗、倉庫、船舶などに設置される冷凍冷蔵機器には、一般的に R-404A が使わ

れている。フロン排出抑制法では、出荷される定置式冷凍冷蔵機器に用いる冷媒について、

2025 年には GWP1500 以下(製品区分・出荷台数による加重平均)になるように求めて

いる。また、欧州の F ガス規制では 2020 年以降に用途・機種別に GWP 上限値が設定さ

れ定置式冷凍冷蔵機器では GWP2500 以下に規制されいる。米国でも、2016 年から 2022

年末までに R-404A の使用が用途ごとに段階的に禁止される。

このような背景の中、GWP の高い冷媒に対する規制に対応し、安全性やエネルギー効

率においても優れ、さらに入手や転換が容易に行える新冷媒へのニーズが高まっている。

それらの市場ニーズに応えるため、R-404A より GWP が低い、オゾン破壊係数ゼロ、

かつ不燃の『R-407H』(GWP1495)を新たに開発したことを発表した。

『R-407H』は R-404A と比較し、GWP が約 62%低いことに加え、ほぼ同じ冷媒圧力

を持つ。また、冷媒の性能を示す冷凍能力と冷凍効率(COP)は、冷凍領域では同等、冷

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蔵領域では同等以上となることが複数の機器メーカー及び大学での評価にて確認されい

る。

【R-407H の分類について】

国際的な冷媒安全区分を行う米国暖房冷凍空調学会(ASHRAE)において R-404A と

同じ「低毒性・火炎伝播なし(区分 A1)」冷媒として分類されている。

(2017.3.8 ダイキン工業発表資料)

(B)R-744(CO2 冷媒)について

CO2 冷凍冷蔵は米国では殆ど普及していない。エネルギーコストが劣ることが要因であ

る。ウォルマートの導入などセンセーショナルな報道はあっても、その後の実態について

は殆ど報じられていない。北欧では一定割合で CO2 が使用されているが、南欧では普及

していない。

(C)R-717(アンモニア)

米国環境保護庁(EPA)は、食品小売業と共に、冷媒の排出を削減しオゾン層や気候変

動への影響低減を図る「グリーンチル・パートナーシップ」の取組を進めている。

グリーンチル参加企業は、アメリカ全土で計約 1 万 800 店舗を展開、同国スーパー業界

の約 29%を占め、冷媒の漏出防止や気候配慮型の冷媒への切替え、先進的な冷却技術の活

用に努めている。EPA は店舗ごとにグリーンチル認定を与えており、冷媒としてアンモニ

アを使用した店舗が今回の最優秀賞を受賞した。(EPA 発表日:2016.09.13)

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3.5 米国 SNAP の最新冷媒情報

環境保護局(EPA)文書:40 CFR Part 82

[EPA–HQ–OAR–2003–0118; FRL–9964–73– OAR] RIN 2060–AG12

オゾン層の保護:有用な新規物質代替施策(SNAP program)に関する決定 33

担当局:環境保護局(EPA)

施策:使用可物質の決定

要約:この決定は、環境保護局(EPA)の管轄する有用な新規物質代替施策(SNAP

program)における(使用可)登録物質リストを、拡張するものである。冷凍空調

分野及び金属溶剤分野について、使用することのできる物質を追加したものである。

施行日:この決定は、2017 年 7 月 21 より適用する。

参照事項:環境保護局(EPA)は、この決定を「大気に関する文書 A–91–42」の続きとし

て、文書文書番号 EPA–HQ–OAR–2003–0118 にまとめた。この文書の中の総て

の電子化された文書は、www.regulations.gov. の目次に記載されている。この目次

に記載されていても、企業秘密情報(CBI;Confidential Business Information)

や、法令によって公開が規制されている情報など、一部の情報については、公的に

入手できない。公的に入手できるものについては、電子情報としては、

www.regulations.gov. より、紙情報としては、EPA 文書課(住所:略)より、入手

できる。また、公文書図書室は、祝祭日を除く月曜から金曜日、8:30am~4:30 に

開かれている。公文書図書館の電話番号、大気課の電話番号は以下の通りである。

(略)

追加情報の連絡先:EPA の Gerald Wozniak 宛て、電話、E-メール、郵便にて。(電話番

号、E-メールアドレス、住所は省略) さらに、SNAP に関する当局の管理手法、

物質評価に関する基準については、SNAP 設立当初の規則設定基準、1994 年 3 月

18 日に連邦登録文書(59 FR 13044)を参照されたい。SNAP の下での勧告や規則、

オゾン層保護に係わる EPA の公表報告は、SNAP に関する部分を含め、EPA オゾ

ン層保護のウェブ・サイト www.epa.gov/ozone-layer-protection で、見ることが

できる。

補足情報:表の内容

Ⅰ.新たに使用可となった物質の一覧 A..冷凍空調空調分野 B.洗浄剤物質

Ⅱ.プログラム 612 項について

A.SNAP プログラムに対する法的要求事項とその権限

B.612 項を満たす EPA の規則

C.SNAP プログラムの規則の仕組み

D.SNAP プログラムに関する追加的情報

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付表 A:新たに使用可と決定された物質のまとめ

Ⅰ.新たに使用可となった物質の一覧

本章では、最近の EPA の決定で、冷凍空調分野と洗浄剤分野で使用可となったいくつ

かの物質を示す。

新規物質は、以下の通り

●HFC-134a;家庭用および小型商業用空調およびヒートポンプ(改造)

●HFE-7300(ハイドロフルオロエーテル);

非機械式熱交換機システム(新設および改造)

●R-407H;小売りの食品冷凍―遠隔操作の冷却装置(新設および改造)

●R-442A;小売りの食品冷凍―遠隔操作の冷却装置(新設および改造)

●R-448A;末端用途における複数機冷凍空調装置(新設および改造)

●R-449A;末端用途における複数機冷凍空調装置(新設および改造)

●R-449B;末端用途における複数機冷凍空調装置(新設および改造)

●R-452A;末端用途における複数機冷凍空調装置(新設および改造)

●R-452C;末端用途における複数機冷凍空調装置(新設および改造)

●R-453A;末端用途における複数機冷凍空調装置(新設および改造)

●R-458A;末端用途における複数機冷凍空調装置(新設および改造)

●R-513A;家庭用除湿機(新設および改造)

●HFE-7300;電子部品、金属、精密機器の洗浄

今回の EPA の調査では、上記の物質について、規定用途以外の展開は見送られてい

る。今回の用途および適用の記載で以て、それらの物質が他用途にもリストされること

の EPA の事前判断であることはない。本書において、ある限られた用途で、使用可と

された物質以外にもほぼ同等の危険性も持つ物質はあったが、記載された物質は、ある

一つの SNAP 基準、例えば毒性とか、大気に対する影響とか、において、より危険性

の低い数値を示していた。しかしながら、これらの代替物質が当該分野において実用的

と証明されてはいない。将来、当該用途もしくは相当する分野において、著しく危険性

の低い物質が現れたなら、現在登録されている物質であれ、今回登録された物質であ

れ、、EPA は、その登録状態改訂の可否の検討に入ることになる。

総ての産業用途について、オゾン層保護に関して使用可の総ての物質の一覧は、EPA

のオゾン層保護の WEB サイトの SNAP の章 www.epa.gov/snap/substitutes-sector. で入

手できる。“使用不可”、“より限定された用途で使用可”、“条件付きで使用可”の物質

の一覧は、40 CFR part 82, subpart G にて公開している。

以下は、それぞれの物質の詳細について論じている。付表 A は、それを纏めたもの

である。同表の中の“更なる情報”欄で述べていることは、単に追加的情報であって、

大気浄化法(Clean Air Act;CAA).の 612 項の要請に添うものではない。当該物質を

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使用するに際し、使用者が遵守すべき多くの事項があるが、“更なる情報”欄で述べて

いることは、その総てを含むものではない。大気浄化法(Clean Air Act;CAA).の 612

項のしたがって当該物質をする上で、“更なる情報”欄で述べていることを順守する必

要はないが、その記述のいくつかは、SNAP 以外の連邦法ないしは州法で規制もしく

は要請されている義務に言及している。多くの例では、ただ単に現在の工業基準、建築

基準に記載されている標準的な方法を述べている。これらの物質の使用に際して、EPA

はこの欄の記載に従うことを、強くお勧めする。この記載に従っていれば、現行の作業

標準から大きく外れることはないであろう。

本書に登録された物質や、本決定にいたる過程で参照された物質について、EPA に

寄せられた様々な意見は、www.regulations.gov. の EPA– HQ–OAR–2003–0118 に

見ることができる。

*以下に、A.冷凍空調分野 1. HFC-134a ~12. R-513A B.洗浄溶剤分野 1. HFE-

7300 の詳細が記載されているが、付表 A に記載されているので、省略する。

Ⅱ.プログラム 612 項について

A.SNAP プログラムに対する法的要求事項とその権限

大気浄化法(Clean Air Act;CAA).の 612 項は、EPA がオゾン層破壊物質の代替物質

を評価することを規定している。EPA は、それを実行するプログラムを、有用な新規

物質代替施策(Significant New Alternatives Policy ;SNAP プログラム)と名付け

た。

*以下に、612 項の条文、それを受けて B.612 項を満たす EPA の規則 C.SNAP プ

ログラムの規則の仕組み D.SNAP プログラムに関する追加的情報 が記載されている

が、省略する。

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付表 A:新たに“使用可”と決定された物質のまとめ

略号 AIHA;The American Industrial Hygiene Association (アメリカ衛生協会)

WEELs;Workplace Environmental Exposure Limits (職場環境での露出上限)

8-hr TWA;eight-hour time-weighted average (8 時間平均)

ACGIH;the American Conference of Governmental Industrial Hygienists (全米産業衛生士会議)

TLV;Threshold Limit Value (閾値限界)

AEL;Accetptable Environmental Level (許容環境限界)

用途 物質 認定 詳 細

冷凍倉庫

(新設、改造).

R-448A 使用可 R-448A の 100 年地球温暖化係数(GWP)が約 1,390 である。この物質は、HFC-32(デフロロメタン;CAS Reg. No. 75–10–5)、HFC-125(1,1,1,2,2-ペンタフルオロエタン;CAS Reg.

No. 354–33–6)、HFC-134a(1,1,1,2-テトラフルオロエタン;CAS Reg. No. 811–97–2)、HFO-1234yf(2,3,3,3-テトラフルオロプロピレン;CAS Reg. No. 754–12–1)、HFO-

1234ze(E), (トランス 1,3,3,3-テトラフルオロプロピレン;CAS Reg. No. 29118–24–9)の混合物である。

この混合物は不燃性である。

AIHA は、R-448A の WEELs を 890 ppm(8-hr TWA )と定めている。これは、HFC-32, HFC-

125,HFC-134a の 1,000 ppm、HFO-1234yf;の 500ppm、HFO-1234ze(E).の 800ppm から算出された。

冷凍倉庫

(新設、改造)

R-449A 使用可 R-449A の GWP は、約 1,400 である。この物質は、HFC-32(デフロロメタン;CAS Reg.

No. 75–10–5)、HFC-125(1,1,1,2,2-ペンタフルオロエタン;CAS Reg. No. 354–33–6)、HFC-

134a(1,1,1,2-テトラフルオロエタン;CAS Reg. No. 811–97–2)、HFO-1234yf(2,3,3,3-

テトラフルオロプロピレン;CAS Reg. No. 754–12–1)の混合物である。

この混合物は不燃性である。

AIHA は、R-449A の WEELs を、830 ppm と定めている。これは、HFC-32, HFC-125,

HFC-134a の 1,000 ppm、HFO-1234yf;の 500ppm から算出された。

冷凍倉庫

(新設、改造)

R-449B 使用可 R-449B の GWP は、約 1,410 である。この物質は、HFC-32(デフロロメタン;CAS Reg.

No. 75–10–5)、HFC-125(1,1,1,2,2-ペンタフルオロエタン;CAS Reg. No. 354–33–6)、HFC-

Page 100: 平成 29 年度 化学物質安全対策 (フロン排出抑制法 …...3 図3 モントリオール議定書改正の内容と日本への影響 (出典:産業構造審議会

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134a(1,1,1,2-テトラフルオロエタン;CAS Reg. No. 811–97–2)、HFO-1234yf(2,3,3,3-

テトラフルオロプロピレン;CAS Reg. No. 754–12–1)の混合物である。

この混合物は不燃性である。

AIHA は、R-449A の WEELs を、850 ppm と定めている。これは、HFC-32, HFC-125,

HFC-134a の 1,000 ppm、HFO-1234yf;の 500ppm から算出された。

冷凍倉庫

(新設、改造).

R-453A 使用可 R-453A の GWP は、約 1,770 である。この物質は、HFC-32(デフロロメタン;CAS Reg.

No. 75–10–5)、HFC-125(1,1,1,2,2-ペンタフルオロエタン;CAS Reg. No. 354–33–6)、HFC-

134a(1,1,1,2-テトラフルオロエタン;CAS Reg. No. 811–97–2)、HFC-227ea(1,1,1,2,3,3,3-

ヘプタフルオロプロパン;CAS Reg. No. 439–89–0)、R-600(ブタン;CAS Reg. No. 75–

28–5)、R-601a(イソペンタン;CAS Reg. No. 78–78–4)の混合物である。

この混合物は不燃性である。

AIHA は、HFC-32, HFC-125, HFC-134a,および HFC-227ea の WEELs について、1,000

ppm(8-hr TWA)としている。また、ACGIH は、R-600 の TLV を 1,000 ppm(8-hr TWA)、R-601 の TLV を 600 ppm(8-hr TWA)としている。生産者は R-453A の職場での AEL として、1000 ppm (8-hour TWA).を推奨している。

産業用工程冷却

(新設、改造)

R-448A 使用可 R-448A の GWP は、約 1,390 である。この物質は、HFC-32(デフロロメタン;CAS Reg.

No. 75–10–5)、HFC-125(1,1,1,2,2-ペンタフルオロエタン;CAS Reg. No. 354–33–6)、HFC-

134a(1,1,1,2-テトラフルオロエタン;CAS Reg. No. 811–97–2)、HFO-1234yf(2,3,3,3-

テトラフルオロプロピレン;CAS Reg. No. 754–12–1)、HFO-1234ze(E)(トランス 1,3,3,3-

テトラフルオロプロピレン;CAS Reg. No. 29118–24–9)の混合物である。

この混合物は不燃性である。

AIHA は、HFC-32, HFC-125, HFC-134a の WEELs を 1,000 ppm(8-hr TWA)、HFO-1234yf

の WEELs を 500ppm、HFO-1234ze(E)の WEELs を 800ppm としている。生産者は R-

448A の AEL として、890 ppm (8-hr TWA).を推奨している。

産業用工程冷却

(新設、改造)

R-449A 使用可 R-449A の GWP は、約 1,400 である。この物質は、HFC-32(デフロロメタン;CAS Reg.

No. 75–10–5)、HFC-125(1,1,1,2,2-ペンタフルオロエタン;CAS Reg. No. 354–33–6)、HFC-

134a(1,1,1,2-テトラフルオロエタン;CAS Reg. No. 811–97–2)、HFO-1234yf(2,3,3,3-

テトラフルオロプロピレン;CAS Reg. No. 754–12–1)の混合物である。

この混合物は不燃性である。

AIHA は、HFC-32, HFC-125, HFC-134a の WEELs を 1,000 ppm(8-hr TWA)、HFO-1234yf

の WEELs を 500ppm としている。生産者は R-449A の AEL として、830 ppm (8-hr

TWA).を推奨している。

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産業用工程冷却

(新設、改造)

R-449B 使用可 R-449B の GWP は、約 1,410 である。この物質は、HFC-32(デフロロメタン;CAS Reg.

No. 75–10–5)、HFC-125(1,1,1,2,2-ペンタフルオロエタン;CAS Reg. No. 354–33–6)、HFC-

134a(1,1,1,2-テトラフルオロエタン;CAS Reg. No. 811–97–2)、HFO-1234yf(2,3,3,3-

テトラフルオロプロピレン;CAS Reg. No. 754–12–1)の混合物である。

この混合物は不燃性である。

AIHA は、HFC-32, HFC-125, HFC-134a の WEELs を 1,000 ppm(8-hr TWA)、HFO-1234yf

の WEELs を 500ppm としている。生産者は R-449B の AEL として、850 ppm (8-hr

TWA).を推奨している。

産業用工程冷却

(新設、改造)

R-453A 使用可 R-453A の GWP は、約 1,770 である。この物質は、HFC-32(デフロロメタン;CAS Reg.

No. 75–10–5)、HFC-125(1,1,1,2,2-ペンタフルオロエタン;CAS Reg. No. 354–33–6)、HFC-

134a(1,1,1,2-テトラフルオロエタン;CAS Reg. No. 811–97–2)、HFC227ea(1,1,1,2,3,3,3-

ヘプタフルオロプロパン;CAS Reg. No. 439–89–0)、R-600(ブタン;CAS Reg. No. 75–

28–5)、R-601a(イソペンタン;CAS Reg. No. 78–78–4)の混合物である。

この混合物は不燃性である。

AIHA は、HFC-32, HFC-125, HFC-134a,および HFC-227ea の WEELs について、1,000

ppm(8-hr TWA)としている。また、ACGIH は、R-600 の TLV を 1,000 ppm(8-hr TWA)、R-601 の TLV を 600 ppm(8-hr TWA)としている。生産者は R-453A の職場での AEL として、1000 ppm (8-hour TWA).を推奨している。

産業用工程冷却

(新設、改造).

R-458A 使用可 R-458A の GWP は、約 1,650 である。この物質は、HFC-32(デフロロメタン;CAS Reg.

No. 75–10–5)、HFC-125(1,1,1,2,2-ペンタフルオロエタン;CAS Reg. No. 354–33–6)、HFC-

134a(1,1,1,2-テトラフルオロエタン;CAS Reg. No. 811–97–2)、HFC227ea(1,1,1,2,3,3,3-

ヘプタフルオロプロパン;CAS Reg. No. 439–89–0)、HFC-236fa(1,1,1,3,3,3-ヘキサフルオロプロパン;CAS Reg. No. 690–39–1)の混合物である。

この混合物は不燃性である。

AIHA は、HFC-32, HFC-125, HFC-134a,および HFC-227ea、HFC-236fa の WEELs を1,000 ppm(8-hr TWA)としている。

非機械式熱交換システム

(新設、改造)

HFE-7300 (1,1,1,2,2,3,4,

5,5,5- デ カ フロロ-3-メトキシ-4-トリフロ

ロメチールペンタン).

使用可 HFE-7300 (CAS Reg. No. 132182–92–4)のオゾン層破壊係数(ODP)は0、GWP は、約 310

である。

この混合物は不燃性である。

生産者は HFE-7300 の AEL を 100 ppm (8-hr TWA)としている。

この物質は、毒性物質制御法(Toxic Substance Control Act;TSCA)の section 5(a)(2) 新規重要使用規則(Significant New Use Rule ;SNUR) (40 CFR 721.10061)の適用を受ける。

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冷凍車両―冷凍されたトラックおよびトレラー

(新設、改造)

R-452A 使用可 R-452A の GWP は、約 2,140 である。この物質は、HFC-32(デフロロメタン;CAS Reg.

No. 75–10–5)、HFC-125(1,1,1,2,2-ペンタフルオロエタン;CAS Reg. No. 354–33–6)、HFC-

134a(1,1,1,2-テトラフルオロエタン;CAS Reg. No. 811–97–2)、HFO-1234yf(2,3,3,3-

テトラフルオロプロピレン;CAS Reg. No. 754–12–1)の混合物である。

この混合物は不燃性である。

AIHA は、HFC-32 and HFC-125 の WEELs を 1,000 ppm (8-hr TWA)、HFO-1234yf のWEELs を 500 ppm としている。生産者は R-452A の職場での AEL として、786 ppm

(8-hour TWA)を推奨している。

冷凍車両―冷凍されたトラックおよびトレラー

(新設、改造)

R-452C 使用可 R-452C の GWP は、約 2,220 である。。この物質は、HFC-32(デフロロメタン;CAS Reg.

No. 75–10–5)、HFC-125(1,1,1,2,2-ペンタフルオロエタン;CAS Reg. No. 354–33–6)、HFC-

134a(1,1,1,2-テトラフルオロエタン;CAS Reg. No. 811–97–2)、HFO-1234yf(2,3,3,3-

テトラフルオロプロピレン;CAS Reg. No. 754–12–1)の混合物である。

この混合物は不燃性である。

AIHA は、HFC-32 and HFC-125 の WEELs を 1,000 ppm (8-hr TWA)、HFO-1234yf のWEELs を 500 ppm としている。

居住用除湿機

(新設、改造)

R-513A 使用可 R-513A の GWP は約 630 である。この物質は、HFC-134a,(1,1,1,2 テトラフルオロエタン;CAS Reg. No. 811–97–2)と、HFO-1234yf(2,3,3,3-テトラフルオロプロピレン;CAS

Reg. No. 754–12–1)の混合物である。

この混合物は不燃性である。

AIHA は、HFC-134a の WEELs を 1,000 ppm (8-hr TWA)、HFO-1234yf の WEELs を 500

ppm としている。生産者は R-513A の職場での AEL として、653ppm (8-hour TWA)を推奨している。

家庭用および小型商業用空調機とヒートポンプ

(新設、改造)

HFC-134a 使用可

HFC-134a の GWP は、1,430 である。 HFC-134a は、1,1,1,2-テトラフルオロエタン;CAS

Reg. No. 811–97–2 である。

HFC-134a は、不燃性である。

AIHA は、HFC-134a の WEEL を 1,000 ppm (8-hr TWA) としている。

家庭用および小型商業用空調機とヒートポンプ

(新設、改造)

R-458A 使用可 R-458A の GWP は、約 1,650 である。この物質は、HFC-32(デフロロメタン;CAS Reg.

No. 75–10–5)、HFC-125(1,1,1,2,2-ペンタフルオロエタン;CAS Reg. No. 354–33–6)、HFC-

134a(1,1,1,2-テトラフルオロエタン;CAS Reg. No. 811–97–2)、HFC227ea(1,1,1,2,3,3,3-

ヘプタフルオロプロパン;CAS Reg. No. 439–89–0)、HFC-236fa(1,1,1,3,3,3-ヘキサフルオロプロパン;CAS Reg. No. 690–39–1)の混合物である。

この混合物は不燃性である。

Page 103: 平成 29 年度 化学物質安全対策 (フロン排出抑制法 …...3 図3 モントリオール議定書改正の内容と日本への影響 (出典:産業構造審議会

101

AIHA は、HFC-32, HFC-125, HFC-134a,および HFC-227ea、HFC-236fa の WEELs を1,000 ppm(8-hr TWA)としている。

小売り食品冷凍

―別置型冷却装置

(新設、改造)

R-407H 使用可 R-407H の GWP は、約 1,500 である。この物質は、HFC-134a(1,1,1,2-テトラフルオロエタン;CAS Reg. No. 811–97–2)、HFC-32(デフロロメタン;CAS Reg. No. 75–10–5)、HFC-125(1,1,1,2,2-ペンタフルオロエタン;CAS Reg. No. 354–33–6)の混合物である。

この混合物は不燃性である。

AIHA は、HFC-134a、HFC-32,HFC-125.の WEELs を 1,000 ppm (8-hr TWA)としている。生産者は R-407H の職場での AEL として、1,000ppm (8-hour TWA)を推奨している。

小売り食品冷凍

―別置型冷却装置

(新設、改造)

R-442A 使用可 R-442A の GWP は、約 1,890 である。この物質は、HFC-32(デフロロメタン;CAS Reg.

No. 75–10–5)、HFC-125(1,1,1,2,2-ペンタフルオロエタン;CAS Reg. No. 354–33–6)、HFC-

134a(1,1,1,2-テトラフルオロエタン;CAS Reg. No. 811–97–2)、HFC227ea(1,1,1,2,3,3,3-

ヘプタフルオロプロパン;CAS Reg. No. 439–89–0)、HFC-152a(1,1-デフロロエタン;CAS

Reg. No. 75–37–6)の混合物である。

この混合物は不燃性である。

AIHA は、HFC-32, HFC-125, HFC-134a,HFC-227ea、HFC-152 の WEELs について、1,000

ppm(8-hr TWA)としている。生産者は R-442A の職場での AEL として、1000 ppm (8-hour TWA).を推奨している。

小売り食品冷凍

―別置型冷却装置

(新設、改造)

R-452A 使用可 R-452A の GWP は、約 2,140 である。この物質は、HFC-32(デフロロメタン;CAS Reg.

No. 75–10–5)、HFC-125(1,1,1,2,2-ペンタフルオロエタン;CAS Reg. No. 354–33–6)、HFC-

134a(1,1,1,2-テトラフルオロエタン;CAS Reg. No. 811–97–2)、HFO-1234yf(2,3,3,3-

テトラフルオロプロピレン;CAS Reg. No. 754–12–1)の混合物である。

この混合物は不燃性である。

AIHA は、HFC-32 and HFC-125 の WEELs を 1,000 ppm (8-hr TWA)、HFO-1234yf のWEELs を 500 ppm としている。生産者は R-452A の職場での AEL として、786 ppm

(8-hour TWA)を推奨している。

小売り食品冷凍

―別置型冷却装置

(新設、改造)

R-452C 使用可 R-452C の GWP は、約 2,220 である。。この物質は、HFC-32(デフロロメタン;CAS Reg.

No. 75–10–5)、HFC-125(1,1,1,2,2-ペンタフルオロエタン;CAS Reg. No. 354–33–6)、HFC-

134a(1,1,1,2-テトラフルオロエタン;CAS Reg. No. 811–97–2)、HFO-1234yf(2,3,3,3-

テトラフルオロプロピレン;CAS Reg. No. 754–12–1)の混合物である。

この混合物は不燃性である。

AIHA は、HFC-32 and HFC-125 の WEELs を 1,000 ppm (8-hr TWA)、HFO-1234yf のWEELs を 500 ppm としている。

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102

小売り食品冷凍

―別置型冷却装置

(新設、改造)

R-453A 使用可 R-453A の GWP は、約 1,770 である。この物質は、HFC-32(デフロロメタン;CAS Reg.

No. 75–10–5)、HFC-125(1,1,1,2,2-ペンタフルオロエタン;CAS Reg. No. 354–33–6)、HFC-

134a(1,1,1,2-テトラフルオロエタン;CAS Reg. No. 811–97–2)、HFC227ea(1,1,1,2,3,3,3-

ヘプタフルオロプロパン;CAS Reg. No. 439–89–0)、R-600(ブタン;CAS Reg. No. 75–

28–5)、R-601a(イソペンタン;CAS Reg. No. 78–78–4)の混合物である。

この混合物は不燃性である。

AIHA は、HFC-32, HFC-125, HFC-134a,および HFC-227ea の WEELs について、1,000

ppm(8-hr TWA)としている。また、ACGIH は、R-600 の TLV を 1,000 ppm(8-hr TWA)、R-601 の TLV を 600 ppm(8-hr TWA)としている。生産者は R-453A の職場での AEL として、1000 ppm (8-hour TWA).を推奨している。

小売り食品冷凍

―別置型冷却装置

(新設、改造)

R-458A 使用可 R-458A の GWP は、約 1,650 である。この物質は、HFC-32(デフロロメタン;CAS Reg.

No. 75–10–5)、HFC-125(1,1,1,2,2-ペンタフルオロエタン;CAS Reg. No. 354–33–6)、HFC-

134a(1,1,1,2-テトラフルオロエタン;CAS Reg. No. 811–97–2)、HFC227ea(1,1,1,2,3,3,3-

ヘプタフルオロプロパン;CAS Reg. No. 439–89–0)、HFC-236fa(1,1,1,3,3,3-ヘキサフルオロプロパン;CAS Reg. No. 690–39–1)の混合物である。

この混合物は不燃性である。

AIHA は、HFC-32, HFC-125, HFC-134a,および HFC-227ea、HFC-236fa の WEELs を1,000 ppm(8-hr TWA)としている。

電子部品洗浄

金属洗浄

精密部品洗浄

HFE-7300 (1,1,1,2,2,3,4,

5,5,5- デ カ フ

ロロ-3-メトキシ-4-トリフロロメチールペ

ンタン)

使用可 HFE-7300 (CAS Reg. No. 132182–92–4)のオゾン層破壊係数(ODP)は0、GWP は、約 310

である。

この混合物は不燃性である。

生産者は HFE-7300 の AEL を 100 ppm (8-hr TWA)としている。

この物質は、毒性物質制御法(Toxic Substance Control Act;TSCA)の section 5(a)(2) 新規重要使用規則(Significant New Use Rule ;SNUR) (40 CFR 721.10061)の適用を受ける。

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103

付録

付録1:冷媒等リスト一覧

以下に冷媒等のリスト一覧を示す。

数値等は主に TEAP XXⅦ/4 TEAP Task Force Report(June 2016)に基づき、基本的に

AR4[IPCC 第 4 次報告書(2007)]に対応している。

(1)炭化水素他の冷媒等

※燃焼性とは ASHRAE34( 冷媒安全性分類規格)のこと .

:A 低毒性、B 毒性、1 不燃性、2L 微燃性、2 弱燃性、3 強燃性

冷媒番号 化学名 燃焼性 GWP

R-290 プロパン 3 3

R-600 ブタン 3 3

R-600a イソブタン 3 3

R-717 アンモニア 2L 0

R-718 水 1 0

R-744 二酸化炭素 1 1

R-1270 プロピレン 3 2

(2)HFO 系と HFC(単体)冷媒等

冷媒 燃焼性 GWP

HFO-1234yf 2L 4

HFO-1234ze(E) 2L 7

HFO-1233zd(E) 1 5

HFO-1336mzz(Z) 1 9

HFO-1123 * (1) <1

HCFO-1124yd(Z) * (1) <1

HFC-32 2L 675

HFC-125 1 3450

HFC-134a 1 1360

HFC-143a 2L 5080

HFC-152a 2 148

HFC-227ea 1 3140

HFC-236fa 1 8060

HFC-245fa B1 882 *産業総合研究所(日本)での測定値

(3)HFC 系混合冷媒等(HFO 系含む)

冷媒番号 成分 比率 燃焼性 GWP

R-401A R-22/152a/124 53/23/34 1 1130

R-401B R-22/152a/124 61/11/28 1 1220

R-401C R-22/152a/124 33/15/52 1 880

R-402A R-125/290/22 60/2/38 1 2690

R-402B R-125/290/22 38/2/60 1 2310

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104

R-403A R-290/22/218 5/75/20 1 3000

R-403B R-290/22/218 5/56/39 1 4310

R-404A R-143a/125/134a 52/44/4 1 3780

R-406A R-22/600a/142b 55/4/41 2 1800

R-407A R-32/125/134a 20/40/20 1 1730

R-407B R-32/125/134a 10/70/20 1 2700

R-407C R-32/125/134a 23/25/52 1 1650

R-407D R-32/125/134a 15/15/70 1 1500

R-407E R-32/125/134a 25/15/60 1 1300

R-407F R-32/125/134a 30/30/40 1 1825

R-407H R-32/125/134a 32.5/15/52.5 1 1495

ダイキン工業が 2017 年 3 月冷凍冷蔵機器用冷媒 R-404A の代替冷媒として、GWP が約 62%低い R-407H を発売開始。

R-408A R-125/143a/22 7/46/47 1 3400

R-409A R-22/124/142b 60/25/15 1 1500

R-409B R-22/124/142b 65/25/10 1 1500

R-410A R-32/125 50/50 1 2100

R-410B R-32/125 45/55 1 2200

R-411A R-1270/22/152a 1.5/87.5/11 2 1600

R-411B R-1270/22/152a 3/94/3 2 1700

R-412A R-22/218/142b 70/5/25 2 2220

R-413A R-218/134a/600a 9/88/3 2 1920

R-414A R-22/124/600a/142b 51/28.5/4/16.5 1 1400

R-414B R-22/124/600a/142b 50/39/1.5/9.5 1 1300

R-415A R-22/152a 82/18 2 1500

R-415B R-22/152a 25/75 2 560

R-416A R-134a/124/600 59/39.5/1.5 1 1000

R-417A R-125/134a/600 46.6/50.0/3.4 1 2230

R-417B R-125/134a/600 79/18.3/2.7 1 3000

R-417C R-125/134a/600 19.5/78.8/1.7 1 1700

R-418A R-290/22/152a 1.5/96/2.5 2 1700

R-419A R-125/134a/E170(DME:ジメチルエーテル) 77/19/4 2 2900

R-419B R-125/134a/E170(DME:ジメチルエーテル) 48.5/48/3.5 2 2300

R-420A R-134a/142b 88/12 1 1400

R-421A R-125/134a 58/42 1 2600

R-421B R-125/134a 85/15 1 3100

R-422A R-125/134a/600a 85.1/11.5/3.4 1 3100

R-422B R-125/134a/600a 55/42/3 1 2500

R-422C R-125/134a/600a 82/15/3 1 3000

R-422D R-125/134a/600a 65.1/31.5/3.4 1 2700

R-422E R-125/134a/600a 58/39.3/2.7 1 2500

R-423A R-134a/227ea 52.5/47.5 1 2200

R-424A R-125/134a/600a/600/601a 50.5/47/0.9/1/0.6 1 2400

R-425A R-32/134a/227ea 18.5/69.5/12 1 1500

R-426A R-125/134a/600/601a 5.1/93.0/1.3/0.6 1 1400

R-427A R-32/125/143a/134a 15/25/10/50 1 2200

R-428A R-125/143a/290/600a 77.5/20/0.6/1.9 1 3700

R-429A R-E170(DME)/152a/600a 60/10/30 3 21

R-430A R-152a/600a 76/24 3 120

R-431A R-290/152a 71/29 3 46

R-432A R-1270/E170(DME) 80/20 3 1.6

R-432B R-1270/E170(DME) 3 1~5

R-432C R-1270/E170(DME) 3 1~5

Page 107: 平成 29 年度 化学物質安全対策 (フロン排出抑制法 …...3 図3 モントリオール議定書改正の内容と日本への影響 (出典:産業構造審議会

105

R-433A R-1270/290 30/70 3 4

R-433B R-1270/290 5/95 3 4.8

R-433C R-1270/290 25/75 3 4.2

R-434A R-125/143a/134a/600a 63.2/18/16/2.8 1 3300

R-435A R-E170(DME)/152a 80/20 3 30

R-436A R-290/600a 56/44 3 12

R-436B R-290/600a 52/48 3 12

R-437A R-125/134a/600/601 19.5/78.5/1.4/0.6 1 1700

R-438A R-32/125/134a/600/600a 8.5/45/44.2/1.7/0.6 1 2200

R-439A R-32/125/600/ 50/47/3 2 2000

R-440A R-290/134a/152a 0.6/1.6/97.8 2 170

R-441A R-170/290/600a/600 3.1/54.8/6.0/36.1 3 5.6

R-442A R-32/125/134a/152a/227ea 31/31/30/3/5 1 1888

R-443A R-1270/290/600a 55/40/5 3 4

R-444A R-32/152a/1234ze(E) 12/5/83 2L 93

R-444B R-32/152a/1234ze(E) 41.5/48.5/10 2L 310

R-445A R-744/134a/1234ze(E) 6/9/85 2L 120

R-446A R-32/1234ze/600 68/29/3 2L 480

R-447A R-32/125/1234ze 68/3.5/28.5 2L 600

R-447B R-32/125/1234ze 68/8/24 2L 750

R-448A R-32/125/1234yf/134a/1234ze(E) 26/26/20/21/7 1 1387

ハネウェルが商標ソルスティス N40 として冷凍冷蔵ショーケース等の用途で発売、2016 年 11 月国内発売を開始。

R-449A R-134a/125/1234yf/32 26/25/25/24 1 1397

ケマーズが商標 OpteonXP40 として冷凍冷蔵ショーケース等の用途で発売、R-22 のレトロフィットでも使用。日本は 2018 年上市予定。

R-449B R-134a/125/1234yf/32 25.2/24.3/27.3/23.2 1 1412

R-449C R-134a/125/1234yf/32 29/20/31/20 1 1200

R-450A R-1234ze/134a 58/42 1 601

R-451A R-1234yf/134a 89.8/10.2 2L 140

R-451B R-1234yf/134a 88.8/11.2 2L 150

R-452A R-1234yf/32/125 30/11/59 1 2141

ケマーズが商標 OpteonXP44 として発売。

R-452B R-1234yf/32/125 26/67/7 2 710

R-453A R-32/125/134a/227ea/600/601a 20/20/53.8/5/0.6/0.6 1 1700

R-454A R-1234yf/32 65/35 2L 239

ダイキン工業の微燃性新冷媒で 2020 年に認可見込み(日刊工業新聞 2018.2.16 記事より)。R-407E からの容易な転換が可能。

R-454B R-1234yf/32 31.1/68.9 2L 466

R-454C R-1234yf/32 78.5/21.5 2L 148

R-455A R-32/1234yf/744 21.5/75.5/3 2L 145

ダイキン工業の微燃性新冷媒で 2020 年に認可見込み(日刊工業新聞 2018.2.16 記事より)

R-456A R-32/134a/1234ze(E) 6/45/49 1 650

R-457A R-32/1234yf/152a 18/70/12 2L 150

R-463A R-744/32/125/134a/1234yf 6/36/30/14 1494

三菱電機は 2018 年に R463 対応の低温機器用室外機を発売(R410A も利用可)(日刊工業新聞 2018.2.16 記事より)

組成は欧州のフルオロカーボン技術委員会(EFCTC)https://www.fluorocarbons.org/designation-safety-classification-refrigerants/

に依る。

R-500 R-12/152a 73.8/26.2 1 7600

R-501 R-22/12 75/25 1 3900

R-502 R-22/115 48.8/51.2 1 4600

R-503 R-23/13 40.1/59.9 1 13000

R-504 R-32/115 48.2/51.8 1 4100

R-507A R-143a/125 50/50 1 2210

Page 108: 平成 29 年度 化学物質安全対策 (フロン排出抑制法 …...3 図3 モントリオール議定書改正の内容と日本への影響 (出典:産業構造審議会

106

R-508A R-23/116 39/61 1 11940

R-508B R-23/116 46/54 1 11950

R-509A R-22/218 44/56 1 5560

R-510A R-E170/600a 88/12 3 3.3

R-511A R-290/152a 95/5 3 12

R-512A R-134a/152 5/95 2 210

R-513A R-1234yf/134a 56/44 1 631

ケマーズが商標 OpteonXP10 として海外で空調用レトロフィットで普及発売中。

R-513B R-1234yf/134a 58.5/41.5 1 596

R-514A R-1336mmz(Z)/ジクロロエチレン(t-DCE) 74.7/25.3 B1 1.7

ケマーズが商標 OpteonXP30 として R-123、R-134a 使用の低圧ターボ用レトロフィット用途で発売。

R-515A R-1234yf/227ea 88/12 1 380

(主な出典:TEAP XXⅦ/4 TEAP Task Force Report(June 2016))