紘斉流 健康いちばん 9号(2012年5月)

墨絵:松本紘斉 6 1 6 vol.9 2012.5 梅研究会 検索 http://www.umekenkyuukai.org/ 2012年5月1日発行 2011年7月25日創刊 梅の学術研究・梅知識の普及 発行 財団法人梅研究会 発行人 松本紘斉 梅家族継続版1978年4月創刊~2011年9月vol.379まで

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梅の学術研究・梅知識の普及でおなじみの財団法人梅研究会 理事長・松本紘斉がお送りする紘斉流健康法を毎月お届けします。第9号は6月が「梅の月」であることにちなみ、「梅博士・紘斉先生の梅仕事」で梅肉エキスや梅干の作り方を大特集しています。

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Page 1: 紘斉流 健康いちばん 9号(2012年5月)

墨絵:松本紘斉

梅博士・紘斉先生の梅仕事

特集

6月1日は梅の日・梅肉エキスの日、6月は梅仕事の月です

梅の良さを知ろう!

梅の良さを取り入れよう!

梅の良さを広めよう!

梅の日の3つのスローガン

人間の体は食べものが形を変えたものです

vol.92012.5

梅研究会 検索http://www.umekenkyuukai.org/

2012年5月1日発行2011年7月25日創刊

梅の学術研究・梅知識の普及発行 財団法人梅研究会

発行人 松本紘斉

梅家族継続版1978年4月創刊~2011年9月vol.379まで

Page 2: 紘斉流 健康いちばん 9号(2012年5月)

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紘斉流

しそ梅干作り

【材料・用意するもの】

塩漬けにした梅1

kg、ちりめん赤

じそ(茎つき)400

g、低のう塩20 g、

ボウル

【つくり方】

①赤じそは茎つきのまま洗い、逆さ

につるして陰干しし、完全に乾か

します。葉だけをとり、ボウルに

入れて塩を少々ふり入れます。

②赤じそがしんなりしたら、軽くも

みます。指の間からにごった紫色

の汁(アク)がにじみ出てきたら、

アク汁を捨てます。

③さらに塩をふり入れてもみ、汁を

しっかりしぼり出します。

④③で出た汁を塩漬けした梅の容器

に入れます。③と④の手順を4〜

5回繰り返し、十分に汁をもみ出

します。

⑤赤じその葉を梅の実の上に広げま

す。落としぶた、重し、ガーゼを

とり、紙の覆いだけかぶせて冷暗

所で保存します。

⑥土用干しをします。土用の頃、1

粒ずつスノコやザルに広げて干し

ます。1日1回裏返します。

【3日3晩の土用干しの方法】

①晴れた日に3日間、梅の実を容器

から一粒一粒ていねいにとり出し、

ザルやスノコに広げて、朝から夕

方まで天日に干し、夜は梅酢に戻

します(3日間連続でなくてもよ

いので、晴れた日に行います)。

②次の3日間は、夜に梅の実を容器

からとり出して夜露にあて、朝、

梅酢に戻します。これで3日(陽

干し)と3晩(夜干し)の土用干し

になります。

③3日と3晩、合計6日の土用干し

をすることで、やわらかくてまろ

やかな、すっぱい梅干に仕上がり

ます。

洗って陰干しした赤じその葉だけをボウルに

入れ、塩を少々ふり入れる

赤じそがしんなりしたら、軽くもむ。指の間

からにごった紫色の汁(アク)がにじみ出てきたら、アク汁を捨てる

さらに塩をふり入れてもみ、汁をしっかりし

ぼり出す1. 2. 3.

③で出た汁を塩漬けした梅の容器に入れる。

③と④を4~ 5回繰り返し、十分に汁をもみ出す

赤じその葉を梅の実の上に広げ、落としぶた、

重し、ガーゼをとり、紙の覆いだけかぶせて冷暗所で保存する

土用の頃に土用干しをする。1粒ずつスノコ

やザルに広げて干す。1日1回裏返す

4. 5. 6.

Page 3: 紘斉流 健康いちばん 9号(2012年5月)

4

紘斉流

白梅干作り

【材料・用意するもの】

半分くらい黄色く熟した梅の実1

kg、

低のう塩(から煎りして冷ます)

150

g、梅酢または焼酎、雌松(赤松)

の新芽2〜3本(松の先に軽くふれ

てチクッとしないものが雌松。な

ければ不要)、竹串、ザル、ボウル、

霧吹き、殺菌した陶製の容器、落と

しぶた、重し1.5〜2

kg、ガーゼ(ハ

ンカチ大)2枚

【つくり方】

①梅の実は洗って、水に半日ほどつ

けてアクを抜きます。よく熟した

実は1〜2時間で構いません。

②竹串でヘタをとりヘタ部分を下に

してザルにあげ、水気を切ります。

③乾いたふきんで十分に水気をとり、

ボウルに少しずつ入れて、霧吹き

で梅酢を吹きかけます。

④から煎りした低のう塩を、梅の実

にまんべんなくまぶします。

⑤焼酎で消毒した陶製の容器に梅の

実を並べ、塩をまぶします。これ

を何度か繰り返します。残った塩

もすべて入れます。

⑥洗ってよく乾かした雌松を置き、

梅が外気にふれないよう梅酢か焼

酎で湿らせたガーゼをかぶせます。

⑦落としぶたをして重しをのせ、和

紙か新聞紙などで全体を覆い、冷

暗所で保存します。

⑧3〜4日後に中を見て、梅酢があ

がっていなければ重しを増やし、

梅酢を盃1〜2杯かけます。梅が

完全に梅酢につかっていれば、カ

ビが生える心配はありません。土

用の頃まで待ち、土用干しをして

出来上がりです。容器に入れて冷

暗所などで保存してください。

【ポイント】

 

雌松を入れると、梅の酸味に松の

渋みが加わり、味に丸みが出ます。

洗って水につけてアク抜きした梅のヘタをと

り、ヘタ部分を下にしてザルにあげ、水気をきる

洗ってよく乾かした雌松を梅の上に置き、梅

が外気にふれないように梅酢か焼酎で湿らせたガーゼをかぶせる

乾いたふきんで水気をふきとり、ボウルに少

しずつ入れ、霧吹きで梅酢をしっかり吹きかける

落としぶたをして重しをのせ、和紙か新聞紙

などで全体を覆い、冷暗所で保存する

から煎りした塩を梅にまぶし、消毒した陶製

の容器に梅を並べ、塩をまぶす。これを何度か繰り返し、残った塩もすべて入れる

3~4日後に中を見て梅酢が上がっていなけれ

ば重しを増やし、梅酢を1~2杯かける。土用頃まで待ち、土用干しをして出来上がり

1.

4.

2.

5.

3.

6.

Page 4: 紘斉流 健康いちばん 9号(2012年5月)

3

2.

5.

8.

3.

6.

竹串でヘタをとる

しぼった果汁をゆきひらに入れて中火にかけ、煮立ったら弱火にし、かき混ぜながら煮詰める

糸を引く程度のかたさになったら、温かいうちに容器に移し、自然に冷ます

梅割り器で青梅の実を割り、種をとる

しばらくするとアクが鍋の内側につくので、ぬれたしゃもじで、ていねいにすくいとる

ジューサーを使用しない場合は、おろし器(陶製またはガラス製のもの)で青梅をすりおろし、もめんの袋にすりおろした青梅を入れて、汁をしぼり出す

1.青梅は洗って水気をふきとる

4.果肉をジューサーにかける

7.さらにかき混ぜながら煮詰め、泡だらけになったところで火を止め、粗熱をとる

Page 5: 紘斉流 健康いちばん 9号(2012年5月)

2

 

今年もみずみずしい青梅が店先に

出回る季節となりました。待ちに

待った梅仕事の季節です。

 

梅仕事というのは、ご自分で梅肉

エキスをつくったり、梅干を漬けた

り、梅酒や梅ジャムをつくったりす

ることで、松本紘斉の造語です。

 

梅仕事ができるのは1年のなかで

もこの時期しかありません。

 

財団法人梅研究会では、6月1日

を「梅の日・梅肉エキスの日」、6

月を「梅仕事の月」と制定していま

す。そして、梅の日の3つのスロー

ガン、「梅の良さを知ろう! 梅の

良さをとり入れよう! 梅の良さを

広めよう!」を掲げ、広く梅の普及

に努めています。

 

自然の恵みである梅の実をふんだ

んに使って、梅仕事を始めてみませ

んか。手づくりの喜びと、梅の味を

存分に味わってください。そして、

みなさまの健康な体づくりに、ぜひ

お役立てください!

6月1日は梅の日・

梅肉エキスの日です

紘斉流

簡単ラクラク

梅肉エキス作り

梅 仕 事梅 博 士 ・ 紘 斉 先 生 の

【材料・用意するもの】

青梅4〜5

kg、竹串、ボウル、ジュー

サー、ゆきひら(陶製または耐熱ガ

ラス製の鍋)、しゃもじ(木べら) 

*梅は有機酸が多く、金属を腐食さ

せます。梅肉エキスづくりには、陶

製あるいはガラス製の道具や容器を

使用しましょう。

【つくり方】

①青梅は洗って水気をとります。

②竹串でヘタをとります。

③梅割り器で青梅の実を割り、種を

とります。

④果肉をジューサーにかけます。

⑤しぼった果汁をゆきひらに入れて

中火にかけ、煮立ったら弱火にし、

かき混ぜながら煮詰めます。

⑥しばらくするとアクが鍋の内側に

つきます。ぬれたしゃもじで、て

いねいにすくいとります。

⑦さらにかき混ぜながら煮詰め、泡

だらけになったところで火を止め、

粗熱をとります。

⑧糸を引く程度のかたさになったら、

温かいうちに容器に移し、自然に

冷まします。

【ポイント】

 

アクをていねいにとると、苦味や

渋味がとれ、澄んだ黒色の梅肉エキ

スが出来上がります。

 

火を止めるときは、梅肉エキスが

少しやわらかすぎるぐらいに止める

のがポイントです。やわらかいよう

に感じても、冷めるときに水分や空

気が抜けていき、ちょうどよいかた

さになります。

【ヒント】

 

ジューサーを使用しない場合は、

おろし器(陶製またはガラス製のも

の)で青梅をすりおろし、もめんの

袋にすりおろした青梅を入れて、汁

をしぼり出します。

ume shigoto

Page 6: 紘斉流 健康いちばん 9号(2012年5月)

墨絵:松本紘斉

梅博士・紘斉先生の梅仕事

特集

6月1日は梅の日・梅肉エキスの日、6月は梅仕事の月です

梅の良さを知ろう!

梅の良さを取り入れよう!

梅の良さを広めよう!

梅の日の3つのスローガン

人間の体は食べものが形を変えたものです

vol.92012.5

梅研究会 検索http://www.umekenkyuukai.org/

2012年5月1日発行2011年7月25日創刊

梅の学術研究・梅知識の普及発行 財団法人梅研究会

発行人 松本紘斉

梅家族継続版1978年4月創刊~2011年9月vol.379まで