x線天文グループ - · • 観測データの解析か、装置の基礎開発 •...
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X線天文グループ(松本研究室)
2019/01/22 林田 清
夏合宿@奈良ほしのくに2018/07/18
ちなみに2017年は
夏合宿@西はりま天文台2017/07/19
これは何座?
写真:MPE提供
同じ星座です
写真:MPE提供
可視光 X線
オリオン座
月
シリウス
100
104
108
1012
1016
1020
1024
1028
1032
1036
10-12 10-10 10-8 10-6 10-4 10-2 100
Blackbody Radiation
T=30KT=300KT=3000KT=30000KT=3x10^6KT=3x10^8K
Brig
htne
ss W
/m2 /s
tr/s/
m
Wavelength(m)
X線天体物理学=“熱い”宇宙の探求
*)全ての天体が黒体輻射を出しているわけではないですが、、、
波長(m) X線
可視光線
赤外線 電波紫外線
(X線天文学)
X線の空にうつっている大半がブラックホール
Illustration: NASA/CXC/M.Weiss
Illustration: NASA/CXC/M.Weiss
ブラックホールの”想像図”
2006/01/15~17
2010/07/26~27 2010/08/30~31 2011/01/29~30
NGC4945銀河の新ブラックホール候補発見(2014卒研 by 久留飛)
白:NGC 4945中心核
緑:新X線源
2010/07/9~112010/07/4~52005/08/22~23
NGC 4945中心核
新X線源半径:約1.1kpc
詳しい解析により新たなブラックホール候補天体と結論
超新星残骸のX線観測300年前に爆発した超新星の残骸Cas Aの例
→爆発物(=星の中身)の元素組成の測定、爆発の異方性の発見
Chandra衛星による観測NASA/GSFC/U.Hwang et al.
X線エネルギー(keV)
MgNe
Fe
SiS
OAr
Ca
Ni
1
X線強
度(c
ount
s/se
c/ke
V)
2 5 10
Cr
すざく衛星による観測Yan et al., 2013
X線スペクトル
約4000万度のプラズマからの放射各元素の特性X線が観測されている
全エネルギー範囲 Si
Ca Fe
X線イメージ
銀河団
A1689銀河団 X-ray: NASA/CXC/MIT/E.-H Peng et al; Optical: NASA/STScI
210万光年
可視光のイメージ数100の銀河の集団
X線のイメージ全体を包む数千万度の高温ガス
210万光年
高温ガスを束縛するためにはその約5-10倍の質量の物質が必要→暗黒物質(銀河の質量は高温ガスの数分の1)
宇宙からのX線は地球大気で吸収されてしまう→人工衛星に検出器を搭載し観測することが必要
Hakucho(1979)
Tenma(1983)
ASCA(1993)
Ginga(1987)
すざく (2005-2015)
国際宇宙ステーション日本実験棟”きぼう”
写真はJAXA提供
(Astro-H) Hitomi (2016)打ち上げ 2016/2/17観測開始 2016/3/1通信途絶 2016/3/26復旧断念 2016/4/28
MAXI (2009-)
2018年 X線分光撮像衛星(XRISM)プロジェクト発足
2021年度打ち上げを目指して開発開始!搭載観測装置は2台、1台はNASA中心、1台は阪大中心
ペルセウス銀河団他の観測Nature論文2編を含む10編以上の論文
搭載装置を自分らの手で開発(設計、試作、試験、較正)阪大X線グループが開発したX線CCDカメラ: すざくXIS, MAXI SSC, Hitomi SXIそしてXRISM SXIも
阪大 京大 ISAS/JAXA
TKSC/JAXATKSC/JAXA
阪大
阪大
Spring8
阪大
TKSC/JAXA
KEK-PF
新発明の原理によるX線干渉計MIXIMの開発
•
MIXIMはX線撮像器として視力200の世界記録達成Cf Hitomi衛星は分光能力は50倍だが視力は0.7米Chandra衛星は(長さは5倍、装置価格は1万倍?で)視力120微小ピクセルを生かしX線偏光測定にも成功(位置分解能は他の方式の数10倍)
基礎開発の例
X線ビーム格子
CMOS検出器(2.5µmピクセル)
距離 𝑧𝑧
SPring8 BL20B2 における実験Ex=12.4keV𝑑𝑑=9.6µm,𝑧𝑧=184cm
0.3"
𝑑𝑑=4.8µm,𝑧𝑧=46cm
0.6"
3本の柱 2018年度は 典型的な研究スタイル
基礎開発 MIXIM干渉計CMOS偏光計FORCEミラ-
スタッフ+院生、B4の<数人のチーム。他の研究機関
(場合によっては天文分野外)とも協力。将来の衛星搭載、応用を目指して試行錯誤。B4の手づくりで世界最高性能の装置を開発したこともあり。
衛星開発
XRISM>数100人規模、>5年の国際プロジェクト。 JAXA, NASA, ESA,国内外の大学、さらに、宇宙機開発メーカーとの共同作業。 スタッフ、院生中心にB4も補助。スケジュール厳守!Failure is Not an Option!
観測&データ解析
SUZAKU, HitomiMAXI, NuSTARChandra, XMM,Swift, Fermi
個人、あるいはスタッフ+院生、B4の<数人のチーム。
外国、他の波長帯(近い将来重力波も)と共同で観測・解析することも多い。対象は彗星、惑星から最遠方のGRBまで様々。天体の種類、解析の視点で独自性を発揮。
SXIチーム(の一部)
Hitomiチームの約1/3 ?
パリつくば
みんなで開発して各自の大発見を
3-4年後
参考卒研タイトル• 2017 朝倉一統 微小ピクセル検出器を用いたX線偏光検出性能のGeant4 による評価
• 2017 泉智大 すざく衛星によるスーパーバブルN44のX線観測
• 2017 中田諒 銀河面のNuSTAR硬X線天体のすざく衛星によるフォローアップ観測
• 2016 猿楽直樹 X線天文衛星「すざく」による大質量X線連星 IGR J16318-4848 の観測
• 2016 古市拓巳 “2型活動銀河核NGC4945のX線スペクトル時間変動
• 2016 山崎留歌 反射鏡を使用しない高解像度X線撮像法の検討
• 2015 池山優樹 XMM-Newtonによる大マゼラン雲内超新星残骸0540-69.3の分光観測
• 2015 Huang Rouchen “New Type AGN”のX線スペクトル~時間変動とホスト銀河の吸収
• 2015 孕石友太 シンチレータ用光検出器としてのMPPCの利用
• 2015 米山友景 単独中性子星からのX線高エネルギー超過成分の発見
• 2014 五十嵐宣孝 マイクロレンジングイベントとX線源の照合による孤立ブラックホールの探査
• 2014 田中沙季 活動銀河核(AGN)のX線長期変動の観測
• 2013 井出舜一郎 PolariS搭載用X線偏光計のためのBe散乱体の性能評価
• 2013 桂川美穂 若い超新星残骸のガス運動非対称性
• 2013 久留飛寛之 NGC4945中心核近傍のブラックホール候補天体の発見
• 2012 井上翔太 衛星搭載CCDカメラの高速低雑音信号処理用アナログASICの開発
• 2012 Kim Juyong 放射光を利用したPolariS X線偏光計の性能評価
• 2012 谷間祐一郎 X線天文衛星「すざく」を用いた地球大気のX線蛍光分析
• 2012 横路修正 X線から求める中性子星の半径
• 2011 定本真明 PolariS衛星搭載用X線散乱撮像偏光計プロトモデルの開発II • 2010 出口和弘 PolariS衛星搭載用X線散乱撮像偏光計プロトモデルの開発(1)• 2010 上司文善 PolariS衛星搭載用X線散乱撮像偏光計プロトモデルの開発(2)
観測データ解析 基礎開発実験
X線グループのメンバー、進路など• 教授:松本浩典、 准教授:林田清、 助教:野田博文
• 秘書:澤本茂美
• D1: 米山友景(学振)
• M2:岩垣純一、岡崎貴樹、花坂剛史、古市拓巳
• M1:朝倉一統、中田 諒、井出峻太郎、周度玲
• B4: 石倉彩美、服部圭吾
• B4の9割は進学。他大学、他分野に行く人もいる。
• Mの就職先はメーカー(電気、宇宙、半導体、通信)、SE、ソフト会社、教員など。Dに進学する割合はおよそ1/4。
• D院生のほぼ全員が学振DC1/DC2を取得(現在のD1、昨年度卒業のD3も)。
• Dの就職先は、メーカー、ソフト会社、国内外の研究所。PDあるいはメーカーを経てHitomiの仕事を一緒にした人も多い。
X線グループに4年生で所属すると• 入門セミナー(Linux PCの使い方入門、衛星データの解析練習入門セミナー)を受講
• 1週間に1回の研究室ミーティングに参加
• 1週間に1回の本読み(赤外天文、宇宙進化と合同)に参加
• 卒研テーマは、希望をきいて相談の上決定(6月頃)
• 観測データの解析か、装置の基礎開発
• 夏合宿(7月頃@公共天文台)でそれまでに勉強したことを中間発表
• 10月から(基本的に各自のペースで)研究本番
• 1月末に宇宙地球全体の卒研発表会
• 飲み会しばしば、秋には遠足
• 天文、宇宙物理の知識、実験・解析・PC・英語のスキルは最初
は不要です。研究室で何かを習得してください。得られるものはあるはずです。
• 熱い心で熱い宇宙の探求を!