ソーシャル系webサービスのデータを用いた社会科学 資料
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ソーシャル系Webサービスの データを用いた社会科学
2016 July 15
CyberAgent, Inc. All Rights Reserved
株式会社サイバーエージェント技術本部 秋葉原ラボ
高野雅典
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高野 雅典●Amebaのデータ分析関連もろもろ
その前はシステムエンジニア(前職SIer)、フロントエンドエンジニア(CA)
学生時代の専門は 複雑系・人工生命。博士(情報科学)
●Twitter: @mtknnktm●秋葉原ラボ: https://www.cyberagent.co.jp/techinfo/labo/research_list/
●著書/活動論文: M. Takano, K. Wada, and I. Fukuda,
"Reciprocal Altruism-based Cooperation in a Social Network Game", New Generation Computing, 3, 2016.
論文: M. Takano, K. Wada, and I. Fukuda, "Environmentally Driven Migration in a Social Network Game", Scientific Reports, 5, 12481; doi: 10.1038/srep12481 (2015).
翻訳: "RとRubyによるデータ解析入門", オライリー・ジャパン
2
タイトル TITLE 会社概要
3,623名 (2016年4月末時点)
設立
1998年3月18日(サイバーの日)
事業内容
メディア事業・インターネット広告事業・ゲーム事業・投資育成事業
連結社員数
東京(渋谷/秋葉原ラボ)・大阪・福岡
オフィス
Vision
21世紀を代表する会社を創る3
タイトル TITLE事業内容
インターネット広告事業 メディア事業 ゲーム事業
広告代理事業
自社広告商品
(アドテク) など
など など5
メディアはすべてAmeba統括本部にて運営
一部ゲームについてはAmeba統括本部にて運営
タイトル TITLEAmeba統括本部管轄のサービス
※グループ会社である株式会社7gogoが運営
※グループ会社である 株式会社マッチングエージェントが運営 ※グループ会社である
株式会社ブックテーブルが運営
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アプリインストール
アプリ利用
離脱
普通のWebサービスのデータ分析
どのような属性の、どのような情報を見たユーザが、どのように振る舞うか?
個人に焦点
● 継続して利用するか? 離脱してしまうか?
● どの商品を購入するか? どの広告をクリックするか?
→ ソーシャルゲームや の分析も基本は同じ
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例えば: ユーザ数を増やすには?(ソシャゲの例)
ロジスティック回帰
logit(継続(1) or Not(0)) =
β1 攻撃回数 + β2 発言数 + β3 レベル + …
という式で説明できるように βx を求める分析モデル。
● 例えば、β2 が正であれば、発言数は継続に効き、負であれば離脱しやすく
なることを表す。
○ 発言回数が1回増えると継続確率は β2 倍(オッズ比)という意味
● 分析結果の使い方
○ 目標ユーザ数 N から逆算して、目標継続確率を求める
○ その目標継続確率を実現できる発言数を目標発言数とする
○ その目標発言数に向けた施策を検討
(UIの改善、コミュニケーションが必要なイベントなど)
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こういった分析はユーザ個人の属性や行動に焦点。
やソーシャルゲームは人と人が相互作用する社会。
個人に焦点を当てるだけでなく
関係性や
社会全体についても分析する必要性
Webサービスの社会の理解へ
ヒト・社会の現象の困難(対象によっては起きないものもある)
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観察: 不思議な現象の発見
観察や実験からパターンを発見
理論: 現象を説明可能なシンプルなモデルの構築
実験: シンプルな環境で再現・詳細を調査
ヒトや社会の行動を詳細に観察・記録するのは難しい
“実験室” のヒトは普段のヒトとは異なる
ヒト・社会の現象の困難(対象によっては起きないものもある)
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観察: 不思議な現象の発見
観察や実験からパターンを発見
理論: 現象を説明可能なシンプルなモデルの構築
実験: シンプルな環境で再現・詳細を調査
ヒトや社会の行動を詳細に観察・記録するのは難しい
“実験室” のヒトは普段のヒトとは異なる
Webサービスは詳細な記録が残り、ヒトが(比較的)自由に行動できる場所
進化ゲーム理論とは
• 個体間の相互作用をゲーム理論の利得行列で表現
• 各戦略(表現型)を持った個体の相互作用の結果、それぞれの個体数の比率がどう増減するか?という集団のマクロな状態を扱う力学系の理論体系
• 個体間相互作用に基づく生物進化の理論
※ よく似てるがゲーム理論とは前提や目的が大きく異る
進化ゲーム理論の例 タカハトゲーム
• 獲得したポイントの相対的な差に比例して多くの子孫を残せると考る
• ある生物集団に、タカ派とハト派という つの性質(戦略)が存在する場合、その集団のタカ派とハト派の比率はどうなるのか?
タカ派ハト派
ハト派
タカ派
• 個体の間にある資源• ハト同士だと分け合うのでそれぞれ• ハトとタカだとハトが争いを避けるので、タ
カが 、ハトが• タカ同士だと争って片方が資源を獲得する
ので、闘争のコスト を支払い、 を得るので平均
進化ゲーム理論の例 タカハトゲーム
• タカ派のポイント– 対ハト
– 対タカ
• ハト派のポイント– 対ハト
– 対タカ
0.5pt
タカ派が多い時 ハト派が多い時
• タカ派のポイント– 対ハト
– 対タカ
8.7pt• ハト派のポイント
– 対ハト
– 対タカ
進化ゲーム理論の例 タカハトゲーム
• タカ派のポイント– 対ハト
– 対タカ
• ハト派のポイント– 対ハト
– 対タカ
0.5pt
タカ派が多い時
ハト派の子孫が増加
ハト派が多い時
• タカ派のポイント– 対ハト
– 対タカ
8.7pt• ハト派のポイント
– 対ハト
– 対タカタカ派の子孫が増加
進化ゲーム理論の例 タカハトゲーム
• タカ派のポイント– 対ハト
– 対タカ
• ハト派のポイント– 対ハト
– 対タカ
0.5pt
タカ派が多い時
ハト派の子孫が増加
ハト派が多い時
• タカ派のポイント– 対ハト
– 対タカ
8.7pt• ハト派のポイント
– 対ハト
– 対タカタカ派の子孫が増加
最終的にタカ派とハト派のポイントが釣り合いの取れる個体数比率に収束し共存
進化ゲーム理論の前提(近似 現実を簡略化してる所)
• 利得は 次元の連続的な数値– 利得 残せる子孫の期待値
• 集団を構成する個体数は非常に多く、各個体の出会いはランダム– 個体数について微分可能
– 各戦略の利得は期待値で評価可能
– → 増減を微分方程式で解析(平均場近似)
• 初期値は推定できないので、主に十分な時間が経った後について分析– 平衡点に達する 周期的に変動する カオス的な挙動
など
進化ゲーム理論の前提(近似)の拡張• 相互作用の相手がランダム
→相互作用の局所性は無視(近似)しているということ
– 局所性を無視して説明できない現象について、局所性を導入したモデルで研究が進んでいる
• 格子ネットワークや複雑ネットワークでの相互作用
• 明示的なグループを作り、そのグループ間での移動や相互作用
進化ゲーム理論とソーシャルゲームの対応進化ゲーム理論の特徴 ソーシャルゲームの特徴
利得は 次元の連続的な数値ゲーム上での利益は 種類で定量的(イベントのポイントなど)
集団を構成する個体数は非常に多い 数万〜数十万
各個体の出会いはランダム(発展的研究では局所性あり)
各プレイヤーの出会いにはギルドやフレンドなどにより偏り
初期値は推定できないので、主に十分な時間が経った後について分析
ヒットゲームの寿命は 年以上。イベントだけでも 週間以上
進化だけでなく学習ダイナミクスも解析可プレイヤーは動的に自分に有利になるように戦略を学習
ここまでのまとめ• 進化ゲーム理論は
– 生物集団中における個体間相互作用に基づく複製(子孫増加 学習)を扱う理論体系
• ソーシャルゲームは
– 進化ゲーム理論の前提や特徴をある程度満たす
– プレイヤーの戦略の推移についてマクロな理論的なアプローチができるはず
• つまり、
– 進化ゲーム理論のテクニックによってプレイヤー間相互作用(≒ソーシャル)を分析し、サービスに活かすことができる
– 人の社会性に関する知見も得られる
協調行動とその課題• 人間をはじめとして多くの動物に見られる普遍的な現象
• しかし、協調的な個体は非協調的な個体と相互作用すると搾取されてしまうので、相互に協調している状態は不安定
• なぜ人や動物は協調するのか?進化生物学・社会科学では主要な課題の一つ
– 進化ゲーム理論による分析が盛んで、囚人のジレンマとゲームが良く使われる
裏切り協調
協調
裏切り
囚人のジレンマ
裏切り協調
協調
裏切り
ゲーム(チキンゲーム)
囚人のジレンマにおける進化ゲーム理論的解析
• 協調者のポイント– 対協調者
– 対裏切り者
• 裏切り者のポイント– 対協調者
– 対裏切り者
4.6pt
協調者が多い時 裏切り者が多い時
• 協調者のポイント– 対協調者
– 対裏切り者
• 裏切り者のポイント– 対協調者
– 対裏切り者
1.4pt
囚人のジレンマにおける進化ゲーム理論的解析
• 協調者のポイント– 対協調者
– 対裏切り者
• 裏切り者のポイント– 対協調者
– 対裏切り者
4.6pt
協調者が多い時
裏切り者の子孫が増加
裏切り者が多い時
• 協調者のポイント– 対協調者
– 対裏切り者
• 裏切り者のポイント– 対協調者
– 対裏切り者
1.4pt裏切り者の子孫が増加
囚人のジレンマにおける進化ゲーム理論的解析
• 協調者のポイント– 対協調者
– 対裏切り者
• 裏切り者のポイント– 対協調者
– 対裏切り者
4.6pt
協調者が多い時
裏切り者の子孫が増加
裏切り者が多い時
• 協調者のポイント– 対協調者
– 対裏切り者
• 裏切り者のポイント– 対協調者
– 対裏切り者
1.4pt裏切り者の子孫が増加
※ ゲームでは協調者と裏切り者は共存するが、基本的な問題点は同じ
どのような条件でも最終的には裏切り者のみに
進化ゲーム・協調行動研究の知見を分析に活かす
- ソーシャルゲームにおける環境応答移住 -
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Masanori Takano, Kazuya Wada, and Ichiro Fukuda, "Environmentally Driven Migration in a Social Network Game", Scientific Reports, 5, 12481; doi: 10.1038/srep12481 (2015).
マルチレベル選択まとめ
グループレベルに掛かる自然選択により、協調的なグループは増大
個人レベルに掛かる自然選択により、協調的なグループもいつかは非協調的なグループになる
協調的なグループがあったり非協調的なグループがあったり
といったグループの多様性を生み出す仕組みが必要
グループ間の多様性を生み出す仕組み
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環境応答移住
環境が悪い(非協調者グループ)とその環境を離れて別のところに
同グループ内では、協調個体は非協調個体より利得が低いので結果的に協調者が移住しやすい
ヒト(や動物)はマルチレベル選択において
環境応答移住戦略を取ることで協調するという行動を進化的に獲得してきた(かもし
れない)
マルチレベルに基づく協調行動の進化まとめ
環境の良し悪しに反応して所属するグループを変えることで、協調的なグループを維持するような振
る舞いは現代のヒトでも見られるはず
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ソーシャルゲームにおける協調行動
期間 〜イベント たすけて!マイヒーロー お花見編 (レイドタイプのイベント)対象 期間中、一度でもイベントに参加(攻撃)した 人以上のアクティブメンバーが所属するギルドに所属するプレイヤー
協調行動を定義するために焦点を当てるイベント
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①クエスト
プレイヤー
⑤通常x1.5のポイント獲得
⑥ランキング競争
同じギルドのメンバーなど
②レイドボスに遭遇 → 攻撃
③救援依頼
④救援(攻撃)
1位: 田中(12040pt)
2位: 山田(11010pt)
3位: 菊池(11005pt)
4位: 斎藤(9015pt)
・・・
ボスを攻撃してポイントを稼ぎランキング上位を目指すイベント
• 与えたダメージに比例してイベントポイント獲得• 攻撃回数は限られる(or 課金)ので効率のよいイベントポイント
稼ぎが重要
協調行動を定義するために焦点を当てる状況
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攻撃する 攻撃しない
攻撃する
攻撃しない
人でボスを倒している場合を考えると…
他の誰かが攻撃してくれることを待つチキン( )ゲームに似たジレンマを持つ
この状況で攻撃する行動を協調的行動として、プレイヤーの 協調行動 について調査する利得は有利さ( 円あたりに獲得したイベントポイント)と考える
レイドボスの が残り少しの場合
攻撃
遭遇したユーザや救援を依頼されたギルドメンバー
「攻撃力 残り 」なので、「攻撃力 ダメージ」。そのため 攻撃力より少ないイベントポイントを獲得。
協調行動定義のまとめ
• リーダーゲームに似た特殊な状況に焦点– 協調行動研究に使われる
– ゲーム中ではユーザは協調行動を含む様々な振る舞いをする
– 全ての協力行動を補足することは不可能
→ 一つの協力行動に焦点を当て、その頻度を、そのプレイヤーの協調度とした
分析結果 グループの分離と有利さ協調的なユーザが集まったギルドと非協調的なユーザが集まったギルド
という分離が発生
協調的なギルドのほうが有利(高利得)
協調ユーザがある程度居るギルド協調ユーザが全く居ないギルド
分析結果 互恵的利他主義?協調ギルドの協調ユーザの場合 協調ギルドの非協調ユーザの場合
協調ユーザ同士で相互に攻撃し合うが、非協調ユーザ相手には一方的に攻撃(助ける)のみ
協調ユーザ相手に攻撃してもらうのみ
分析結果 互恵的利他主義?協調ギルドの協調ユーザの場合 協調ギルドの非協調ユーザの場合
協調ユーザ同士で相互に攻撃し合うが、非協調ユーザ相手には一方的に攻撃(助ける)のみ
協調ユーザ相手に攻撃してもらうのみ
のはず…
協調ユーザ 非協調ユーザ
分析結果 互恵的利他主義?協調ギルドの協調ユーザの場合 協調ギルドの非協調ユーザの場合
協調ユーザ同士で相互に攻撃し合うが、非協調ユーザ相手には一方的に攻撃(助ける)のみ
協調ユーザ相手に攻撃してもらうのみ
のはず…
非協調ユーザのほうが有利であるはず
しかし、実際は協調ユーザのほうが有利だった
互恵的利他主義とか他の仕組みも働いていたのかも?
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まとめ
● 協調行動
○ ゲームにいい影響をもたらす
● 協調行動を促進するには
○ 協調ユーザと非協調ユーザが分離すること、
○ 協調ユーザがよりよい環境を求めてグループを移動
できること
が重要だということがわかった
● マルチレベル選択と移住だけでは説明できない現象も存
在(互恵的利他主義?)
進化ゲーム・協調行動研究の知見を分析に活かす
- ソーシャルゲームにおける直接互恵性 -
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Masanori Takano, Kazuya Wada, and Ichiro Fukuda, "Reciprocal Altruism-based Cooperation in a Social Network Game", New Generation Computing (in press).
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直接互恵性
● 後で見返りが期待できるならば,即座に自分の利益とならなくても,相手に対して協調的に振る舞う
● 一方で見返りが期待できない相手には協調的に振る舞わない
● 直接互恵性の実現には、長期的な社会関係と個体識別機能が必要 [長谷川, 2000]
● ソーシャルゲームはこの要件を満たす○ おそらくプレイヤーは互恵関係を築き、協調し合っている
● ただし、ヒトの実験では完全に固定的な関係において互恵関係の維持することは難しく [Grujić, 2012]、ある程度の頻度で相手を変える必要性が指摘 [Santos, 2006] [Rand, 2011]
どのようにして互恵関係は構築されたのか?
> 0> 0
< 0
協力されるほど コミュニケーションされるほど、協調しやすい→ 協調相手を選別して(非協調者を避けて)、 相互に協調したりコミュニケーションとるなどの相互作用によって構築
分析結果
※ 一般化線形回帰モデル(負の二項分布)と一般化線形混合モデル( 分布)の を比較し小さい方を採用
目的変数: プレイヤー から への 協調回数
プレイヤー j から i への協調回数 プレイヤー i から j 、j から i への
コミュニケーション回数
プレイヤー i・j の所属ギルドのアクティブメンバー数
自分→他者の協力回数に対する 他者→自分の協力回数と相互のコミュニケーションの頻度の影響を分析
一般化線形混合モデル(Poisson分布)※詳細
まとめ 互恵関係の構築 シグナリングとしての解釈• 協力行動
– 相手に利益を与え、自分にはコストがかかる信頼性の高いシグナル ́
• あいさつ(対象ゲームのコミュニケーション機能)
– 相手にも自分にも利益もコストもほとんどない信頼性の低いシグナル
「自分はあなたにとって協調者です」というシグナルを相互に送っていたことで、安定的な互恵的な協調関係を構築
信頼性の高いシグナルが成立していたにもかかわらず、信頼性の低いシグナルも成立→ このような低コスト低信頼性のシグナルは、ヒト・霊長類などで観測され
社会関係の構築に重要であることが示唆(視線、うわさ話、毛づくろいなど)など
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まとめ - サービスを良くするための分析として
● ソーシャル系Webサービスで起こっている現象を既存の社会科学
研究の中に位置づけ
○ 特にソーシャルゲームと進化ゲーム理論の類似性に着目し、
ソーシャルゲームの協調行動について分析
● 研究から得られた示唆と施策の方針
○ ポイント
■ 不公平感の解消
■ 初対面でのケア
■ 仲の良い関係の促進
良い社会関係構築のための示唆と方針1
◉ 不公平感の解消○ 不公平な関係は社会関係の解消につながる[環境応答移住の研究]
○ 基本的にヒトはお返しをちゃんとする傾向に有る[直接互恵の研究]
(互恵的である)
→ お返し行動やお礼をしやすい仕組み
◉ 例えば、○ 相手が無理して自分に利益のある行動をしてくれた場合の訴求や
それに対して相手にボーナスを送るなど
● お返し: 相手の利益になる行動。お礼: 自分にも相手にもほとんど利益も損もないあいさつのような的な行動
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良い社会関係構築のための示唆と方針2
◉ 新たな関係の構築○ ヒトは不公平な環境にある場合、その環境を離れて、新たな環境で社会関係
の構築を試みる [環境応答移住の研究]
○ 基本的にヒトは初対面で協調的に振る舞いやすい [直接互恵x初対面の研究(研究中)]
→ 新しい環境(社会関係)に馴染みやすい仕組み
◉ 例えば、○ その2者で初めての共同作業する場合に、消費コストが少ない・スコアボーナ
スが発性
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◉ 仲の良い(頻繁にやり取りする)関係の促進○ 仲良くなるほどコミュニケーション時間が長くなりやすければ、深く狭い関係になる[社
会関係構築の研究(研究中)]
○ ヒトは互恵的な協調関係(助け合い)によって効率よく利益を得る[直接互恵の研究]
→ 共同作業をするほど共同作業をしたくなる、しやすくなる仕組み
→ 助け合いが結果的には効率良い行動になる仕組み
◉ 例えば、○ ユーザ間の共同作業の回数に増えるほどボーナスが発生
■ ただし、長時間に及ぶとしがらみが強くなりすぎて、ユーザの負荷が高くなる可能性があるので、時間を限定したほうがいいかもしれない
良い社会関係構築のための示唆と方針3
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まとめ - ヒトや社会を理解する科学として
● ヒトの社会的行動の研究は実社会でデータが取りにくい
○ 制限された環境での行動実験、
○ シンプルな数理モデルでの研究が多い
● ソーシャル系Webサービスは、そういった環境よりも
○ ずっと自由な環境でヒトが振る舞っている
○ 秒単位の行動データが蓄積されている
→ 定量的に評価できてなかった仮説の検証
→ これまで見過ごされてきた新たな要因の発見