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オラクルのコンテンツ管理ソリューション Web サイト制作・運用の刷新 コストレス、プロフィットを生みだす Web サイト制作、運用に必要な視点と CMS

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望ましいWebサイト管理へ刷新した事例 情報の一貫性とタイムリー性の確保、ブランド統一とコスト削減を実現 ・グローバルで統一された製品情報やメッセージを発信するWebサイト。 ・日本市場の状況に合った付加価値を、Webマーケティングで訴求するWebサイト。 ・そもそも、上記の2つのWebサイトの目的や特性を考慮し、最適な投資や管理のありかたを見定めたうえで Webサイトの維持運用を行うべきではないか。

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オラクルのコンテンツ管理ソリューション

Web サイト制作・運用の刷新 コストレス、プロフィットを生みだす Web サイト制作、運用に必要な視点とCMS

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望ましい Web サイト管理へ刷新した事例

情報の一貫性とタイムリー性の確保、

ブランド統一とコスト削減を実現

第1部 【 日本オラクルがWebサイト管理にかかえていたジレンマ 】

2006年新春、日本オラクルのマーケティング本部でWebサイトの管理担当を務める伊東は悩んでいました。 日本オラクルのWebサイト www.oracle.co.jpを、このまま日本オラクル独自で管理運用し続けるべきか? 毎年億単位の運用費を投じながら、それが「本質を欠いた投資ではないのか」という疑問を拭いきれずにいたのです。 伊東のいう「本質」とは; ・ グローバルで統一された製品情報やメッセージを発信するWebサイト。 ・ 日本市場の状況に合った付加価値を、Webマーケティングで訴求するWebサイト。 ・ そもそも、上記の2つのWebサイトの目的や特性を考慮し、 適な投資や管理のありかたを見定めたうえで

Webサイトの維持運用を行うべきではないか。

ここに、西暦2000年と2001年当時の米国オラクルコー

ポレーションの Web サイトwww.oracle.com のトップペ

ージがあります。

西暦 2000 年当時の日本オラクルの Web サイト

www.oracle.co.jp のトップページです。先の 2 つとはデ

ザインが大きく異なっています。左側にそろえられたメ

ニューは日本オラクルが独自に区分した情報へのナビゲ

ーションです。米国オラクルコーポレーションのメニュ

ーに習ったものではありません。そもそも2000年当時の

www.oracle.comには、左側にメニューはありませんでし

た。

2000年のwww.oracle.com

2000年のwww.oracle.co.jp 西暦 2000 年前後、Web サイトは企業のもつ情報を、

市場に発信するための重要なチャネルインフラストラ

クチャとして整備され、発展する過渡期にありました。

同じ企業グループでも、グループ内のそれぞれの企業

が、それぞれの目的や嗜好で Web サイトをデザイン

2001年のwww.oracle.com

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し情報を発信する傾向がありました。日本オラクルも、

当時東証1部へ上場したこともあり、日本での活動や

日本市場へのメッセージを強く押し出す傾向にありま

した。 しかし、この傾向を長く続けるとことは、オラクルコ

ーポレーション、日本オラクルの両社はもとより、日

本市場にとっても好ましくない状況を引き起こしてし

まうことになります。 西暦2004年、米国オラクルコーポレーションは、「す

べてのインダストリ領域において、すべてのソフトウ

ェア領域において#1 になる」という2010年ビジョン

のもと買収戦略を実行し始めました。 買収された製品には日本でも多くの顧客が使用してい

るものも多く、既存の顧客はもちろん、その製品の導

入を検討していた企業にとっては、「オラクルは買収し

た製品をいったいどうするのか?」、「買収された製品

は日本ではどのように扱われるのか?」という不安を

持たれることも少なくありませんでした。 「オラクルは今後どんな会社、ビジネスを目指すの

か?」、 日本市場全体がこのような疑問を抱いていた

と言っても過言ではないでしょう。 そのような市場の不安や疑問に対して、同時かつ広範

囲に答える1つの手段が Web サイトです。しかし米

国オラクルコーポレーションの Web サイト、日本オ

ラクルの Web サイトが同じメッセージを発信してい

たとしても、その表現方法が違うことにより市場への

重要性の伝わり方が違ってしまいます。 同じ企業であっても、その戦略を統一して伝えること

ができていない。そのため市場は疑問や不安を解消で

きない。そのような Web サイトの運用は本当に適切

なのでしょうか? これこそが、伊東が抱えていた悩みです。 いま、日本オラクルの例だけに限らず、様々な企業

Webサイトにおいて、本質を欠いた投資、または好ま

しくない状況のままの運用がおこなわれているようで

す。 多国籍、グローバル、国内全国展開、企業グループ、

多角的事業体、これらのキーワードのいずれかに貴社

があてはまり、かつ個々に Web サイトが維持管理さ

れているようであれば、Webサイトに対して「本質を

欠いた投資」がなされていないか真剣に調査をすべき

です。貴社が市場のことを真剣に考えておられるので

あれば。

米PeopleSoft 買収直後のメッセージを伝える www.oracle.com (2005年1月当時)

Oracle Applicationsの戦略を伝える 2005年3月当時のwww.oracle.com

Oracle Applicationsの戦略を伝える 2005年3月当時のwww.oracle.co.jp

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【 グローバルに統合されたWebサイトに統合された日本オラクルのWebサイト 】

日本オラクル 米国オラクルコーポレーション

中国オラクル ロシアオラクル

持運営していました。この豊富な国内リソースのおか

げで、国内市場に対して「日本オラクルのメッセージ」

をとどけることができていました。

2008年1月、日本オラクルのWebサイトは刷新され

ました。実は、日本オラクルの Web サイトが刷新で

きた理由は、それまで日本オラクルが独自に維持運営

していたwww.oracle.co.jp を、米国オラクルコーポレ

ーションが維持運営する www.oracle.com( 以下

O.com )へ統合させたからです。 製品情報は O.com の情報に付加的情報を加えて準オ

リジナル情報として発信していました。製品の情報と

キャンペーン情報を混在させ、ユーザーをキャンペー

ンへと誘導する仕組みを実行していました。国内のパ

ートナーへは、データベースとアプリケーションサー

バーを中心とした情報やソリューション、キャンペー

ン情報を提供していました。このサイトを参照するこ

とで、いま日本オラクルで もホットな話題や情報を

得ることができるようになっていました。

O.com は96カ国へオラクルのビジョン、メッセージ、

製品やサービスに関する情報の発信、ブログやコミュ

ニティ活動が行われるサイトです。O.comはシングル

インスタンス(1つの実行環境)で運用されています。

このシングルインスタンス上に 96 カ国すべてのサイ

トが集められています。上記に並んだ4つの Web サ

イトは、そのデザインが統一されていることはもちろ

ん、掲載されている情報は各国語に翻訳されているこ

とを除き、すべてが同一です。

年間数憶円を投じても、日本オラクルが独自に Webサイトを維持運営する価値が、ここにあったように思

われます。 従来日本オラクルは、国内にサーバーハードウェア、

アクセス量に対応できる帯域を備えたネットワーク回

線などのインフラに加え、Webサイトディレクタ、デ

ザイナ、コンテンツコーディネータ、コンテンツ制作

者など、多くのリソースをもちwww.oracle.co.jpを維

しかし、2004年から始まったオラクルの買収戦略に伴

い、オラクルの製品ポートフォリオは急速に、急激に

変わりはじめました。従来のデータベースにとどまら

ず、買収した PeopleSoft、Siebel Systems などを筆

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【 コーポレートサイトとキャンペーンサイト 】 頭としたビジネスアプリケーション製品、Oblix や

Times Tenなどのテクノロジー製品は、日本でも早急

にオラクル製品として市場浸透を図る必要が生じてき

ました。 データベースやアプリケーションサーバーの情報を中

心とし、日本オラクル独自のメッセージを発信する場

であったwww.orac.e.co.jp は、オラクルコーポレーシ

ョンの戦略やメッセージ、買収した膨大な製品の情報

を、早急に日本市場へ発信する場へと変化する必要に

迫られました。そこで www.oracle.co.jp を O.com に

限りなく模倣した時期もありました。 すると、これまでとは逆に「日本オラクルが、どの製

品を主力としているのかがわからない」という市場の

声や「販売促進上のキャンペーン施策がタイムリーに

実施できない」、「日本市場にあわせた課題・問題提起

とソリューションの訴求が後手にまわってしまう」な

どの社内的な問題が引き起こされ始めました。

コーポレートサイトの重要な点は以下の5点です。

創業からこれまで日本市場をだけをみてきた日本オラ

クルの Web サイトに起こった問題は、以下の 5 つの

役割をバランスよく担う Web サイトへの変革を迫る

機会となったのです。 1. グローバルで統一された、オラクルの戦略とメッ

セージを日本市場に届ける 2. 多様化する製品の情報を正確に、タイムリーに、

日本市場に届ける 3. 日本市場や顧客の課題・問題を把握し、それに対

するソリューションを提起する 4. 日本市場で提供するサービスや活動、様々な付加

価値を日本市場に届ける 5. Webチャネルを利用した営業案件(マーケティン

グリード)の創出

・ グローバルの視点 ・ メッセージが統一されている ・ 情報を提供に徹し、事実の伝達を重視 ・ 配信タイムラグを 小限におさえる ・ スケーラビリティの確保

特に、更新にかかる効率性を追求し情報配信のタイム

ラグを 小限にすること、サイトが拡大することに備

えたスケーラビリティを確保しておくことが重要です。 逆に、キャンペーンサイトは Web チャネルによるリ

ードと売上生成を目的とした Web サイトと定義し、

以下の3点を重要視しました。 ・ 日本国内の視点で、市場や顧客を重視 ・ 課題とそれに対するソリューション提起 ・ リード生成と売上生成

効率性の追求と、スケーラビリティの確保を必要とす

るコーポレートサイトを、日本オラクルで独自に維持

運用することを考えると、リソースもコストもこれま

で以上に必要となります。つまりコーポレートサイト

は「コスト」、しかしキャンペーンサイトは、日本オラ

クルの売上を向上させるものと位置づけると「プロフ

ィット」となります。

5つの要素のうち、1,と2は 「グローバルで統一され

た製品情報やメッセージを発信する」、すなわち

O.comと同様の情報をもったWebサイトであること、

3~5 は、「日本市場の状況に合った付加価値を、Webを通して訴求または提供する」、すなわち日本オラクル

独自の視点や戦略が入った Web サイトで発信される

べきものであると、マーケティング部の伊東は分析し

ました。

これまでのwww.oracle.co.jpは「コスト」と「プロフ

ィット」が混在した平屋建ての住宅。これからは、「コ

スト」と「プロフィット」に分かれた2世帯住宅にす

べきであると表現するとわかりやすいでしょう。 つまり、日本オラクルでは性格の異なる 2 つの Webサイトを維持運用する必要があることが判明したので

す。伊東は、前者を「コーポレートサイト」、後者を「キ

ャンペーンサイト」と定義しました。

この分析を通じて、日本オラクルの www.oracle.co.jpは、コーポレートサイトとしての役割はO.comへ統合

し、日本オラクルでは、キャンペーンサイトとしての

役割のみを維持管理するとの決断がなされたのです。

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【 Webサイト構造の統一の重要性 】 少し概念的な話になります。 Webサイト構築のコンサルタントとして有名な、ジェ

シー・ジェームズ・ギャレット(Jesse James Garrett)氏1は、著書The Elements of User Experienceで「Webサイトを構築するうえで検討するべき要素は5つ。そ

れらの要素は階層構造になっている」と唱えています。

下の図は、氏の図解を日本語に訳して引用したもので

す。

Surface

Skeleton

Structure

Scope

Strategy

Concrete

Abstract

faceビジュアルデザイン

ナビゲーションデザイン、情報デザイン

ucture情報アーキテクチャ

コンテンツ要件、機能要件

rategyサイトの目的、ユーザーニーズ

Sur

Skeleton

Str

Scope

St

The Elements of User Experience より

これら 5 つの要素のうち、「Web サイトの目的

(Strategy)」、「何を見せるかというコンテンツ要件

(Scope)」、「ビジュアルデザイン(Surface)」は、た

いていの場合、Webサイトを構築する過程の中で、自

然とまたは意識して決められていきます。 しかし、得てして定義されずに Web サイト構築が進

んでしまいがちなのが、「情報アーキテクチャ

(Structure)」と「ナビゲーションデザイン、情報デ

ザイン(Skeleton)」という2つの要素です。 実は、「情報アーキテクチャ(Structure)」と「ナビゲ

ーションデザイン、情報デザイン(Skeleton)」こそ

が、Webサイト全体の構造を決め、ユーザビリティを

決定づける重要な要素です。 ・Surface(ビジュアルデザイン)

- テキスト、グラフィック要素、ナビゲーション用 のパーツのビジュアル

・Skeleton(ナビゲーションデザイン、情報デザイン)

- 情報アーキテクチャを通じて、ユーザーの動作を 促すインターフェース要素の設計

1ユーザーエクスペリエンスデザインのコンサルティ

ングAdaptive Path会社の創業者。 http://blog.jjg.net/

・Structure(情報アーキテクチャ) - コンテンツへの直感的なアクセスを促すような情

報空間の構造的設計 ・Scope(コンテンツ要件)

- ユーザーの需要を満たすために必要とされるコン テンツ要素の定義

・Strategy(サイトの目的)

- ビジネス上の目標、クリエイティブ上の目的の定 義

- サイトを利用するユーザーのニーズ調査やサイ コグラフィック的要因から定義される、ユーザー

にとってのサイトの目的

上記の「Structure」、「Skeleton」をしっかりと定義す

ることで Web サイトの構造を統一することができ、

グローバルWebサイトに必要な、 ・正確な情報を ・タイムリーに ・多くの言語で 提供する体制をつくることができるようになります。

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Body text(本文エリア)が多言語に翻訳して掲載する

部分です。右枠エリアは、各国で制作したコラテラル

やデモ動画などを各国の独自裁量で掲載できる部分で

す。

【 コーポレートサイトとしてのO.comの優れた点 】 O.com では前述の「Structure」と「Skeleton」の統

一がとられています。さらに O.com の場合

「Structure」はWebサイトの構造だけでなく、情報

の構造についての統一もとられていました。 こうしたテンプレートを、本社と各国のマーケティン

グ部門とで合意して必要なルールを守っていくことで、

Webサイトの構造や情報の構造が正しい形で維持 情報の構造の統一とは、具体的には以下を指していま

す。 できるようになります。 ・ 情報の分類方法の統一 ・ ナビゲーション、メニュー項目の統一 情報の構造を統一することによって、結果的にシステ

ム面でもメリットが得られています。言語が違っても

Web サイトのディレクトリ構造は統一させることが

できるので、更新作業は非常に効率的です。また、次

ページで紹介する翻訳作業の効率化のために導入して

いるシステムと Web サイトとの連携も容易になって

います。

・ リンク構造の統一

オラクルは全体としてはグローバル企業であっても、

国によって製品ごとの売上構成比は異なります。 たとえばグローバルでみるとデータベースとミドルウ

ェアと業務アプリケーションの売上比率はそれぞれ三

分するくらいの規模になってきていますが、日本では

データベースが大きな比率を占めています。日本市場

だけに注目して Web サイトを運用すると、データベ

ース関連の情報量を増やし、掲載や更新の優先度をあ

げることになりがちです。その結果、各製品の戦略的

位置づけやメッセージが本社の意向とは異なったもの

になってしまう恐れがあります。 ひいては、オラクルという会社が作りあげようとして

いるブランドイメージも国ごとに異なったものになっ

てしまいます。それをさけるために、米国オラクルコ

ーポレーション(本社)が決めたブランド戦略、製品

の位置づけ、分類などを徹底して守らせる必要があり

ます。これが情報の構造を統一させる背景です。

情 赤枠の部分が Cクランプ部分(本社管轄部分)

報の構造統一のためのO.comのテンプレート

情報の構造を統一する具体的な方法は、テンプレート

による管理で行っています。テンプレートのHeader、Footer、Global Navigation、Left NavigationのC型

の部分(Cクランプと呼んでいます)はオラクルコー

ポレーション(本社)しかメンテナンスできません。

基本的に、本社でつくったものをそのまま使いカスタ

マイズ変更は許されません。 実際には、各国において若干のテンプレートのカスタ

マイズが必要となる場合があります。しかし、そのよ

うな場合でも、Cクランプの部分は本社しかカスタマ

イズに必要な作業を行えません。こうすることにより、

たとえば日本語の部分にはどのようなカスタマイズが

発生しているのか、その理由はどういうビジネス上の

理由があるのかを本社が把握できることになります。

本社が変更の状況や理由を把握しておくことは、実は

非常に重要なことなのです。

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【 高効率とスケーラビリティを備えたオラクルのグローバルサイト O.comの維持運営構造 】

中央のマルチサイト管理、クリエイティブ管理のサーバーが、O.comの96カ国対応を可能にしている

Web サイトの構造と情報の構造の統一が行われている

O.com では、英語を各国語に翻訳するための作業の効率を

高めるシステムが導入してあります。それが翻訳サーバー

です。翻訳に関わる業務はアウトソースされており、翻訳

サーバーもアウトソース先の企業が保有するものです。 まず、オラクルコーポレーションのWeb担当が、コンテン

ツ管理サーバーへ情報を登録することで自動的に英語版の

HTMLページができあがります。次に翻訳サーバーへ英語

ページのHTMLファイルが転送されます。翻訳サーバーは、

このHTMLからテンプレートにしたがってBody text部分

のテキストだけを翻訳の対象として抽出します。 翻訳作業は、 初に機械による翻訳が行われ、その後専門

家による修正が加えられます。専門家による修正結果は翻

訳辞書に反映されます。翻訳辞書は主に機械翻訳時に参照

されるものですが、専門家による修正結果の反映が繰り返

されることで、辞書としての精度が上がり、機械翻訳の精

度を向上します。翻訳辞書の精度が高くなることで、専門

家が手動で修正を加える作業は減少し、その結果、翻訳に

かかるアウトソース費用の削減につながる効果が得られま

す。

また、この翻訳辞書は、アウトソース先の企業の資産では

なく、オラクルの資産であり、アウトソース先に貸与する

形態となっています。オラクルの資産にしておくことによ

り、翻訳アウトソース先の選定に柔軟性を持たせることが

できます。アウトソース先を変更しても翻訳の精度を下げ

ることがありませんし、同時に複数のアウトソース先へ翻

訳作業を委託する形態をとることができます。

実際、言語によってはオラクルコーポレーションが多言語

翻訳会社をまとめて雇って翻訳する言語もあれば、日本や

中国のように各国の翻訳会社に翻訳を委託しているケース

もあります。

翻訳サーバー上で翻訳の完了処理がなされると、コンテン

ツ管理サーバーに自動的に翻訳済みのテキストデータが戻

り、テンプレートに流し込まれて日本語ページができあが

ります。このとき、日本語ページは英語ページの URL に

「lang/jp」が追加された形で自動的にできあがり、正しい

ディレクトリに配置されます。 一連の流れはWebサイトの構造が統一されているから可能

になっています。リンク先URL の修正など、HTML の修

正作業が必要な場合も、定型的なディレクトリ構造になっ

ていますので、容易に行うことができます。 このコンテンツ管理サーバーは、現在 Oracle Universal Content Management(Oracle UCM)に移行中です。

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【 O.comの維持運営体制 】

日本オラクルの Web サイトを O.com へ統合したことによ

り、日本で所有していたサーバーハードウェアなどのイン

フラに加え、Web ディレクタ、デザイナ、コンテンツコー

ディネータ、コンテンツ制作者など、コンテンツ制作に関

わる多くのリソースが削減されました。 グローバルでの基本的なディレクションはオラクルコーポ

レーション(本社)で決められ通達されます。テンプレー

トのカスタマイズの必要な部分、その理由は本社が把握し、

対応してくれます。日本オラクルが市場に伝えるべき、日

本オラクル固有のメッセージや情報は、各国が自由にカス

タマイズできる領域を用いて掲載します。 現在日本オラクルに在籍する日本オラクルのコーポレート

サイト担当者は 1 名です。ではこの 1 名で、本当に日本オ

ラクルの顔となるコーポレートサイトを維持運用できるの

でしょうか? すべての言語で、グローバルに、Web サイトをタイムリー

に更新する体制をつくろうとすると、国によって売上規模

が違うために十分なマーケティング予算(翻訳や各国自由

領域の更新予算)を確保できない国もでてきます。マーケ

ティング予算の違いからの足並みがそろわないと、結果的

にO.comが果たすべき、グローバルなコーポレートサイト

兼各国のコーポレートサイトである役割を維持更新する体

制が崩れてしまいます。

そこで、オラクルでは、すべての国のサイトをサポートす

るWebプロダクションチームをインドにある「Marketing Shared Service Center」においています。 このWebプロダクションチームは、たとえば、リンク先の

修正などの作業、各国固有の情報を配信したい場合の制作

などの作業をすべて一手に引き受けてくれる。日本では、

イベント・セミナーページで頻繁に更新される情報を、サ

イトに反映させる作業にこのチームの力を借りています。

Web プロダクションチームのメンバーは、すべての言語を

読み書きできるわけではありませんが、作業を依頼する側、

たとえば日本の担当者が「この情報はこの階層にこのテン

プレートを用いて」、「このテキストはこの部分に」などの

ように、O.com の統一されたWeb サイト構造と情報の構造

を守って作業依頼を行うことによって、日本語やロシア語

がわからなくても文字列のコピー&ペーストによって作業

できます。

逆に、すべての言語のサイトを一手に引き受けているため、

制作担当者としてサイトの構成については完全に把握でき

ているため、作業も非常に効率的であり、ノウハウの転用

も容易なチーム体制になっています。

【 日本オラクルのコーポレートサイトの刷新 】

冒頭で紹介したマーケティング本部の伊東が、日本オラク

ルのコーポレートサイトをO.comへ統合すると決断するま

で、約1年半を要しました。

しかし、いざO.comへの移行プロジェクトを開始してから

は、半年ほどの期間で約 1,500 ページのコンテンツの移行

を終えています。

サイト構造やディレクトリ構造はグローバルで統一され、

情報の構造はグローバルの定めたページテンプレートで管

理され、その中の情報は、オラクルコーポレーションの担

当者が作成した英語の情報を忠実に翻訳したものであり、

情報の正確性、グローバル統一性が確保されています。移

行後に運用を初めてみると、英語の情報が掲載されてから

日本語の情報掲載までの時間が短縮されただけでなく、コ

ストについてもそれまでの投資額の半分以下の費用、実際

には翻訳コストの負担のみ(この額も翻訳辞書の精度向上

で減少するとの試算済み)で、コーポレートサイトを維持

運用することができるようになりました。

また、O.com統合後、Googleなどの検索エンジンからのア

クセスが増えるという効果がありました。これは、

www.oracle.co.jp よりも www.oracle.com のほうがサイト

の規模が大きく評価されるため、検索サイトで上位にラン

クされる率が高くなるためです。 コーポレートサイトが本来持たなければならない、「統一し

たブランドイメージや製品メッセージの配信を効率的かつ

スケーラブルに行う」という役割は、グローバルサイトと

して統合運用することにより、十分に果たされるようにな

りました。

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第2部 【 キャンペーンサイトをいかにコストレスで運営するか 】

第 1 部では、日本オラクルのWeb サイトは、コーポレートサイトとしてとのキャンペーンサイトの 2 つの役割を備えてお

り、そのうちのコーポレートサイトとしての役割を O.com へ統合したと紹介しました。第 2 部では、日本オラクルのキャ

ンペーンサイトについて紹介します。

人の文化、こだわ

というものが流れているようです。

用するうえでも

とも大切なこととはなんでしょうか?

よってのばらつきが生ま

るケースが多く見られます。

分はしっかりと定義、統一すること

重要なのです。

イトであれば、顧客のコンタクト情報を収集するための

日本オラクルでは様々な製品やソリューションのキャンペーンサイトを運営しています

【 プロフィットのつもりがコストに? 】 その根底には、ものづくりに長けた日本

しかし、キャンペーンサイトを構築し、運

現在日本オラクルでは、多数のキャンペーンサイトを独自

に運用しています。

キャンペーンサイトは、日本の市場や顧客のもつローカル

な課題や問題意識をとりあげ、またそれに対するソリュー

ションを提示する必要があるとの観点から、グローバルに

統合させた日本オラクルのコーポレートサイトとは別に、

www.oracle.co.jp/campaign/ で運用されています。

キャンペーンサイトは、それぞれ性格の異なる製品や商品

の販促を目的とするため、それぞれのサイトが独自の目的

で制作されるケースや、担当者に

日本オラクルのキャンペーンサイトには、単に製品やソリ

ューションの認知度(Awareness)の向上を目的としたも

のと、興味関心に基づいた実際の購買行動につながる顧客

の創出(Lead Generation)を目的としたもの、の2種類が

あります。

実は、キャンペーンサイトにおいても、第1部で紹介した ジェシー・ジェームズ・ギャレット(Jesse James Garrett)氏の唱える、「Webサイトを構築するうえで検

討するべき要素 Surface、Skeleton、Structure、Scope、Strategy 」をしっかりと意識し、どのキャンペーンサイ

トでも統一すべき部

いずれのサイトも、欧米のサイトのように大量の文章を読

ませるだけの乾燥したサイト作りではなく、日本人の感性

に訴えるためのビジュアルな画像、動画を多用しています。

またキャンペーンサイトの作りも非常に繊細で、細部にわ

たって細かい配慮がなされています。

たとえば、Lead Generation を目的とするキャンペーン

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アンケートや顧客情報管理の仕組みは、Structure や

keletonを統一しておくことが重要です。

なり、サイトごとに個別の費用がか

ってしまいます。

報のコンテンツ

柔軟に組み合わせることができます。

果の高いコンテンツの流用や転用が可能

なるのです。

トを「コスト」要因に変えてしまう一番の原因です。

ーンサ

トを3分類くらいに大別することができます。

ツールを選ぶ際には、以下

点がポイントになります。

ンである Surface を頻繁に更新する

または現在要しているコストを圧縮する

効果が高い

のツールととらえて選択肢に組み入れてみることが重要

日本オラクルが、Structure と Skeleton、よび Surface を広告代理店が制作し、運用、更新を行っ

らサイトにかかるコストを差し引

た収益率を計算すると、思わしくない結果を招いている

まにかAwarenessを目的としたキ

ンペーンサイトに模様替えしてしまっていたという事態

さに、「プロフィット」のつもりが、「コスト」になって

は、オラクル自

が導入している自社製品 Oracle Universal Content

2 億円をマーケティ

グプロモーション費にまわして映画に関連するグッズな

さにキャンペーンサイトがプロフィットを生みだす構造

実現したケースです。

S キャンペーンサイトごとに異なったStructure やSkeletonをもつことは、サイトのデザイン費、構築費、維持・改修

費などが個別に必要に

Scope として定義されるコンテンツも同様です。異なる製

品や商品に関するコンテンツであっても、一定のフレーム

ワークを用いて管理をしておけば、商品情

単体商品の紹介だけでなく、複数商品の組み合わせを提案

できれば、顧客への訴求効果の向上や、認知度の高い製品

がもう一方の認知度を上げるブランド相乗効果も生まれま

す。目に見える効

特に高い費用をかけて制作した画像などのクリエイティブ

が、転用や再利用をされずに捨てられてしまう現状は、「プ

ロフィット」を生むために制作したはずのキャンペーンサ

Awareness(認知度向上)、Lead Generation(顧客創出)、

Mass Marketing(マスマーケティング)などStrategyの

区分、その区分ごとの、サイトの構造である Structure や

サイト内でのユーザーの行動に導線を作りだすSkeletonを

定義し、同じ区分や定義にあてはまるキャンペーンサイト

ごとにわけていきます。こうすることにより、たとえば、

独自路線で構築、維持、運用していた10のキャンペ

Strategy、Scope、Structure、Skeletonを定義し、キャン

ペーンサイトをStrategyやStructureなどで区分し分類し

たら、それらのキャンペーンサイトを1つの作業環境で構

築、または更新できて、運用管理ができるツールを選択す

ることが重要になります。その

・ 複数のStructureやSkeletonをデザインし管理できる ・ ビジュアルデザイ

のに使いやすい ・ 1 つのキャンペーンサイトにかかるコストを 小限に

してくれる。

ここでは、ツールという表現をしましたが、キャンペーン

サイト構築、運用の製品を導入する以外に、広告代理店も1

です。 これまで、日本オラクルは、キャンペーンサイトのための

ツールとして広告代理店を選択してきました。Strategyと、

Scope の一部を

てきました。 しかし、Structure やSkeleton に対する考え方、レビュー

が甘く、かつ Scope に関しての共有がうまく図れないビジ

ネス構造であったため、多くのキャンペーンサイトはサイ

トからのプロフィットか

ことが判明しました。 また、Lead Generation を目的としたキャンペーンサイト

が、Skeleton のデザインの不備や、Surface に凝ったつく

りに偏ったため、いつの

も見うけられました。 ま

しまったキャンペーンサイトでした。 そのような課題を抱えた日本オラクルのキャンペーンサイ

ト維持運用にソリューションを提示したの

Management(Oracle UCM)でした。 Oracle Universal Content Managementは、北米の大手映

画配給会社のキャンペーンサイトに採用され年間40の新規

Webサイトの構築、運用をこなしつつ、年間2憶円のコス

ト削減を実現。この顧客は、削減した

どを売り上げ、利益をあげました。 ま

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【Oracle UCM : マルチサイト管理とCMS】

Awareness、Lead Generation など、キャンペーンサイト

の目的が決まると、マーケティング部門があらかじめ定義

したサイト構造(Structure)とデザイン(Skeleton)が割り当

てられ、キャンペーンマネージメント部により該当キャン

ペーンに用いる領域がSite Studio Designerで作られます。

具体的な訴求内容は、専門知識を持つ部門の担当者がWordを用いて原稿を作成します。原稿はOracle UCMへ登録さ

れると、自動的にHTML に変換されSkeleton へ配置され

ます。

複数のキャンペーンサイトを一括管理

サイト内で使用する画像などのクリエイティブは、広告代

理店を通じて制作されたものがOracle UCMに登録されて

おり、これを選ぶだけです。

Oracle UCMは、複数のサイト(マルチサイト)の一括管

理と、サイトで使われるコンテンツの一元管理を可能にし

ます。また画像の自動変換を行うディジタルアセット管理

の機能も併せて備えています。

•••

••

••••

サイト構成の作成・編集

各サイト共通部品の利用

ビジネスユーザーへの権限割当

コンテンツの作成・更新・投稿

コンテンツの承認・否認

主な役割

インフラ構築・管理

ワークフロー構築・管理

サイトの作成

各サイト共通部品の作成・編集(テンプレート、ナビゲーション等)

選択イメージ貼り付け部分

種別メタデータ

使用可否メタデータ

Oracle UCM

マーケティング本部マーケティング本部全キャンペーンサイト一元的管理

キャンペーンマネージメント部キャンペーンマネージメント部キャンペーン単位のサイト管理

各専門担当各専門担当

キャンペーンサイトに重要な Structure、Skeleton をビジ

ュアルに定義、管理できる Site Studio Manager、Site Studio Designerを利用することで、キャンペーンサイト の構造統一や、Skeleton であるデザインを共通化、類似化

することができます。キャンペーンサイトどうしで

Skeleton の共通領域をもつことで、ブランドガバナンスや

コーポレートガバナンスの効いたサイトを持つことができ

ます。 コンテンツの作成、更新

Oracle UCMの利用によりマーケティング本部でディレク

ションがとられ、キャンペーンマネージメント部で進行管

理を行い、各専門担当者がコンテンツを直接投稿、サイト

への反映ができるようになりました。

サイト内のページの作成や、画像などの選択もブラウザで

行うことができます。

これまで、広告代理店に任せきりとなっていたキャンペー

ンサイトの制作と運用。サイトの更新に代理店との打ち合

わせ、コンテンツの制作依頼、原稿おこしから、HTML化、

レビューと数週間を要するサイトの更新、運営が、現在で

は数日も要しないほどスピーディーに、かつ驚くほどのコ

スト削減が可能になりました。 プロフィットを生みだすためのキャンペーンサイト。市場

やサイト訪問者の反応の微妙な変化をとらえ、即対応を図

るためには「スピード」が鍵となります。Structure、Skeleton を統一し、Surface を作る使いやすいツールと、

自動化でスピードを実現し、さらに広告代理店に任せた場

合のコストから、大幅にコスト削減ができることにより、

本当の意味でプロフィットを生みだすキャンペーンサイト

が実現できているのです。

Page 13: Webサイト制作・運用の刷新 - コストレス、プロフィットを生みだす Webサイト制作、運用に必要な視点とCMS

Webコンテンツ管理(WCM)

コラム

電子メール

SOA, Custom Apps

Protect

Integrity

文書の物理的な配布

システム統合

File Servers

物理文書

MS Share point

ERP, Portal

文書の管理規律

Compliance

Historical

Active Transactional

文書の長期保存

文書を伴う日常の業務 大量、高速な電子化

オラクルはコンテンツ管理における6つの分野へ製品を提供

Site Studio ManagerWebWebサイトの階層

サイトの構成管理

ブラウザから構成管理が可能

構造、コンテンツ領域の編集等

マルチサイト管理 (複数Webサイトの一元管理)

電子メール通知機能を伴うワークフロー

テンプレートベースのページ

3階層の管理アプローチ

Word、PPT等からHTML、XML等への自動変換

フラグメント(部品)によるコンテンツの再利用

コンテンツ公開のスケジューリング

マルチサイト管理 (複数Webサイトの一元管理)

電子メール通知機能を伴うワークフロー

テンプレートベースのページ

3階層の管理アプローチ

Word、PPT等からHTML、XML等への自動変換

フラグメント(部品)によるコンテンツの再利用

コンテンツ公開のスケジューリング

日本語サイト

英語サイト

中国語サイト

マルチサイト管理マルチサイト管理

33階層の管理アプローチ階層の管理アプローチ

IT部門(インフラ管理、サイト作成)

マネージャ層(サイト構成の変更)

コンテンツ作成部門

Site Studio Designer

サイト構築のためのクライアント・ツール

Webページ作成、サイト構成管理

ザイン、HTML編集

ョン等の共通部品)利用

ibutorでの編集領域作成

Web新規

サイトデ

フラグメント(ナビゲーシ

Contr

Site Studio Contributor

ブラウザからHTMLコンテンツを編集するツール

エディタにて編集

等Officeツールを起動し編集することも可能

WebWysiwigWord

Oracle Universal Content Management について

オラクルは、ドキュメントがビジネスを牽引する部門や企業のプ

ラットフォームとして「Oracle ECM」で総称される製を提供して

います。その中で中核を成すのは、「Oracle Universal Content Management (以下UCM)」です。

UCMは、米オラクルが2006年12月にM&A戦略により買収

した米Stellent Inc.の製品を、オラクルデータベース、Java と

の親和性を高め、2007 年 4 月から市場に提供している製品で

す。米Stellent Inc.は Procter & Gamble、Merrill Lynch、

ING、Vodafone、Emerson などの一流企業をはじめ世界

4,700 社以上に及ぶ導入実績を有していました。

UCM は、ドキュメント管理、Web コンテンツ管理、ディジタル

資産管理、有期間管理、ワークフローやコラボレーションなどの

機能を提供するとともに、Oracle ECM の他の製品と連携し、ド

キュメントの記録管理、ドキュメント配布管理、ガバナンス・リス

ク・法令順守などに対応するさまざまなソリューションを実現し

ます

Page 14: Webサイト制作・運用の刷新 - コストレス、プロフィットを生みだす Webサイト制作、運用に必要な視点とCMS

付 録 オラクル ING RENAULT FORMULA One (F1)チームと

共に勝利の方式を提示 2007年10月 熾烈な戦いを強いられる F1 産業界では、レーシングカーに

関する情報は絶対に外に漏れてはならない極秘情報であり、

チームにとっては情報を機密に共有する環境が必須です。

2007年、ING ルノーF1チームは情報の機密性と保全性を確

実にするためのOracle ECM製品を採用したと発表しました。 2007 年 6 月 13 日 ING ルノーF1 チームは、欧州のジャー

ナリストに対してイギリスの工場見学ツアーを実施しました。

工場見学の後は、オラクルと ING ルノーF1 チームによる共

同記者会見が行われ、ING ルノーF1 チーム内のドキュメン

ト管理と共有および知的財産の保護に関する取り組みを紹介

しました。 オラクルと出会うまで、ING ルノーF1 チームはドキュメン

ト管理のあり方に「戦略」というものを欠いていました。 例えば、ドキュメントは電子メールの中、共有ドライブの中、

様々なアプリケーションの中に散在して格納されていました。

つまり、このような管理では、情報は見つけられずに失われ

てしまうか、不用意に複製されることを意味します。このよ

うな方法でドキュメントが管理されると情報を横断的に探し

出す手段すら失ってしまいます。 Oracle Universal Content Managementでドキュメント管

理のインフラストラクチャを構築することで、すべてのアプ

リケーションとドキュメントが安全に、かつ単一リポジトリ

だけで管理されるようになりました。シンプルでありながら

高度な検索機能により 10 万以上のドキュメントから瞬時に

必要なドキュメントへたどり着くことができるようにもなり

ました。これは、ドキュメントの再作成という無駄な行為を

劇的に減少させる効果ももたらします。 ルノーF1チームは解決しなければならない課題を、もうひと

つ抱えていました。それは、知的財産と技術知識が、会社を

辞めた社員や契約者、またはサプライヤーを通して、競合す

るチームに流れてしまうことを防ぐ、つまり、 高機密ドキ

ュメントを安全に守る手段の確立です。 「今、レーシングカーのデザインオフィスと空気力学チーム

の双方は、機密情報が危険にさらされることがなくなり、安

心して研究に打ち込むことができています。その裏には、チ

ームのすべてのユーザーがアクセス権を集中管理されており、

ドキュメントがネットワークや管理環境の外に保存されても、

ドキュメントへのアクセス権を剥奪することができるからで

す。レーシングカーに関するすべての技術仕様書を含むドキ

ュメント『The Bible(聖書)』は、今や、地球の向こう側にい

るチームとも共有され、リモートからアクセスすることがで

きます。メールは密封され、限れた関係者だけが開封できま

す。 例えば、機密メールが、受取人として認められていない

人に転送されてもそれを開くことができないようにすること

はもちろん、そのような規律違反が内部で発生していること

を知る術を我々はもっているのです。」 Oracle Information Rights Managementによって守られる

セキュリティは、機密的ドキュメントの作成、変更、複製、

副次利用(コピー&ペースト)、印刷に関わる制御まで幅が広い。 ING ルノーF1 チームの IS プロジェクトマネージャー

Alexandre Rigal 氏はドキュメント管理の重要性を力説しま

す。 「我々F1チームは、わずかなデータの違いが『勝つ』か『負

けるか』の明暗を分ける、そのような情報に過度に依存した

組織です。すべての適切な情報へ適切にアクセスする手段を

チームに提供し、残された Formula One World Championship における我々の目標に対して、チームがより

効率的に、効果的でいられるようにするのが必要不可欠なこ

とです。オラクルの ECM は、企業全体レベルに展開できる

ドキュメント管理のプラットフォームを提供してくれる。 オフィスにいるスタッフ、離れた場所にいる作業スタッフ、ピ

ットクルースタッフに対して 10 万以上にも 及ぶドキュメン

トへの適切なアクセスを可能にしてくれる。また、我々は、

レーシングカーのデザインや知的所有権を含むドキュメント

をOracle Information Rights Managementで『シール(密

封)』することで、認可されたスタッフだけがそれらを扱うこ

とができる環境を手に入れました。我々は、オラクルのECMプラットフォー ムが、我々がこの産業でリーダーであり続け

ることを助けてくれていると確信しています。」 情報が効率的に安全に管理され、地球のあらゆる場所、工場

から、ピットから効率的に、安心して情報を入手できる。

Oracle Universal Content Management と Information Rights Managementが配備され、F1 ドライバー、コンスト

ラクターチャンピョンは、安心してレースに臨むことができ

ているのです。