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2014 (平成26年) 9月 1日実施4年次試験(11受験)
試験科目: 泌尿器科
No. 1
次の記載で誤りはどれか。すべて選べ
(a) 陰茎海綿体の血液は貫通静脈を経て浅陰茎背静脈に潅流する(b) 会陰部には内陰部動静脈が分布する(c) 大動脈分岐部の前面には下腹神経が位置する(d) 脊髄損傷は反射性尿失禁の原因となる(e) 排尿筋圧は膀胱内圧と腹腔内圧の差である
解答: a
解説: a. 陰茎海綿体の血液は貫通静脈を経て深陰茎肺静脈に潅流しますb. 内腸骨動脈→内陰部動脈→会陰動脈と分枝するので悪くはないかと思います 会陰には会陰動脈だという人もいるか思いますのでお任せします
c. その通りです。交感神経で内尿道括約筋を支配しますd. 上位中枢と仙髄との間で連絡不全が起こり、尿意がないのに排尿筋の不随意収縮が起こり失禁します
e. 膀胱内圧≒排尿筋圧+腹腔内圧です
すべて選べでは半端な選択肢を絞りにくいので、先生方には判断の根拠が明確になるよう選択肢をもう
少し吟味してほしかったです
参考文献: レジュメ ネッター 病みえ 過去問
学 籍 番
号:
A11051 氏名: 鈴木英斗
2014 (平成26年) 9月1日 実施 4年次試験(11受験)
試験科目: 泌尿器科
No. 2
誤りをすべて選べ
a. 腰部斜切開は外腹斜筋、内腹斜筋、腹横筋の順である。b. 右副腎静脈は下大静脈に直接流入する。c. 経皮的腎穿刺術では、大腰筋、腸管、胸膜、肋骨を避け穿刺する。d. 左腎の腎門部付近には十二指腸が分布する。e. 両側副腎には、下横隔動脈の枝が分布する。
解答: ad
解説: a. × これは腹部斜切開b. ○c. ○d. × 右腎e. ○
参考文献: 10過去問
学 籍 番
号:
A11002 氏名: 浅田
201 4 (平成 26年) 9月 1日実施4年次試験(11受験)
試験科目: 泌尿器
N
o.3誤りをすべて選べ。
a 前立腺は男性生殖器の一部である。b 男性更年期障害(LDH症候群)は性ホルモン関連疾患である。c 上皮小体機能亢進症は尿路結石で発見されることが多い。
d 膀胱癌は男性に多く、膀胱炎は女性に多い。
e 高血圧を伴う高カリウム血症では副腎腫瘍を疑う。
解答: e
解説:
a ○ 前立腺、精巣、精巣上体
b ○ 先天異常、男性更年期障害
c ○ 上皮小体=副甲状腺のこと。副甲状腺ホルモン PTH過剰で骨吸収亢進→骨粗鬆症、高カルシウム血症→異
所性石灰化、腎結石など。腎結石などで発見されることが多い。
d ○ 病みえによると膀胱癌の好発は高齢男性、膀胱炎の好発は性的活動期の女性。
e × 副腎腫瘍にはクッシング症候群、原発性アルドステロン症、褐色細胞腫などがある。
・原発性アルドステロン症;アルドステロン↑→K排泄↑→低カリウム血症。RAA系亢進のため高血圧にな
る。
・クッシング症候群;コルチゾール↑→高血圧、糖尿病、免疫力低下など
・褐色細胞腫;アドレナリン↑→高血圧、脈が速い、頭痛、便秘、高血糖など
参考文献:
「泌尿器科領域とは」のレジュメ
学 籍 番
号:
A11088 氏名: 平林慧
201 4 (平成 26年)9月 1日実施4年次試験(11受験)
試験科目: 泌尿器
No. 4核医学検査で間違っているものはどれか。すべて選べ。
a 褐色細胞腫の診断には副腎皮質シンチグラフィが有用である。
b クッシング症候群の診断に使用する核種は 131I-アドステロールである。
c骨シンチグラフィは代謝性骨疾患の骨代謝状態の把握に有用である。
d前立腺癌骨転移の範囲は、骨シンチグラフィと単純撮影を組み合わせた EOD分類を用いる。
e131I-MIBG シンチグラフィは悪性褐色細胞腫の転移巣の診断に有用である。
解答: a,d
解説: a皮質ではなく、髄質
b○c○d 特に組み合わせているという記述はないので×e○
参考文献:
学 籍 番
号:
氏名:
201 4(平成 26年)9月 1日実施4年次試験(11受験)
試験科目: 泌尿器科
No. 5Bosniak 分類で誤っているものを全て選べ
a. 嚢胞性腎腫瘍の鑑別に用いられる
b. 4 段階に分類されている
c. MRIで診断する
d. カテゴリー Iは良性である
e. カテゴリー IVは造影効果がない
解答①: c, e
解 説
①:
嚢胞性腎腫瘤の鑑別には Bosniak分類が有用である。悪性の可能性がある程度分かり、無治療・経過
観察・手術などの方針を決定するのに有効。カテゴリー Iから IVの 4 段階。
I: 単房性、薄い嚢胞壁、内容物は水濃度
II: 2 つ以下の薄い隔壁、わずかな石灰化、3cm 以下の高吸収嚢胞
IIF: 3 つ以上の薄い隔壁、最小限の増強効果、3cm 以上の高吸収嚢胞
III: 隔壁不整、壁の厚い嚢胞、明瞭な増強効果、粗大な石灰化
IV: 嚢胞壁や隔壁から隆起あるいは浸潤する造影効果のある充実部分の存在
I, IIは良性、IIFは悪性の可能性は少なく経過観察 (Follow up)、III, IVが悪性として分類
腹部の X 線 CT 検査で測定し、画像より判断する。MRI は経過観察に用いられることがあるが、初期
診断では一般的ではない。
以上より、c, eが誤りと考えられる。
参考文献: 麦谷先生「泌尿器科総論(2)」のプリント、ネット
学 籍 番
号:
A11305 氏名: 山 智幸﨑
解答②: b,c,e追記:過去にも出題されている問題で、過去問の答えでは bも誤りとしていると思いますが、11の追試ではこの設
問は以下のように変更されていました。
No. 5Bosniak 分類で誤っているものを1つ選べ
a 嚢胞性腎腫瘍の鑑別に用いられる
b 4 段階に分類されている
c CTで診断する
d カテゴリー Iは良性である
e カテゴリー IVは造影効果がない
この場合、明らかに誤りであるのは eと考えられるので、bはやはり正解だといえます。カテゴリーⅡが二つに分
類されていて、
5 段階と思いたくなりますが、泌尿器科の先生たちとしては4段階と捉えてるのかなと思いました。
2014(平成2 6年)9月1日実施4年次試験(11受験)
試験科目: 泌尿器
No. 6
尿路結石について正しいものをすべて選べ。
a.上部尿路結石と下部尿路結石の比は、上部尿路結石が60%を占める。
b.尿路結石の男女比は1:2で、女性優位の疾患である。
c.CTは放射線透過性結石の診断に有用である。
d.上部尿路結石は男女ともCa(カルシウム)結石が90%を占める。
e.日本人の肥満率に比べて、結石患者の肥満率は低い。
解答: c,d
解説: a.× レジメの結石分析の表から計算すると、上部尿路結石が9割以上になる。病みえによると95%
b.× 男女比2.4:1で、男性優位
c.⚪ 授業のスライド「単純スライド」によると、X 線陰性結石も CTで同定可能となっているので正
解。
d.○e.× 日本人の肥満度と比べて欠席患者の肥満率は高い(レジメより)
参考文献: レジメ 尿路結石
病みえ
学 籍 番
号:
氏名:
2014(平成26年)9月1日実施4年次試験(11受験)
試験科目: 泌尿器科
No. 7
尿路結石症で誤っているのはどれか。すべて選べ。
(a) 女性の下部尿路結石は感染結石が多い。
(b) 男性結石患者では肥満で高尿酸尿症の頻度が高い。
(c) 上部尿路結石の年間罹患率は減少している。
(d) ESWLが侵襲的治療の約50%を占める。
(e) 中部尿管結石は腸骨に重なる部位の尿管にある。
解答①: c,d
解 説
①:
(a)○ 下部尿路結石は男性ではCa 結石が70%を占め、女性では感染結石が約半数を占める。
(b)○ 男性結石患者では肥満患者で高尿酸尿症、高 Ca尿症、高シュウ酸尿症の頻度が高い。
(c)× 2005年の年間罹患率は人口10万人対134人で、1965年と比較して約3倍、199
5年と比較しても約1,6倍増加している。
(d)× ESWL(TUL や PNLの併用を含む)が侵襲的治療の90%以上を占める。
(e)○ ネットより
参考文献: レジメ 「4年泌尿器講義 尿路結石」、ネット
学 籍 番
号:
A11007 氏名: 石川 駿
解 説
②:
a.レジュメにて「下部尿路結石は男性では Ca 結石が 70%、女性は感染結石が約半数を占める」と書
いてあるので正解。病みえP 246に男性と女性の尿路感染症の発生頻度の違いが書いてあるのでそち
らも参考に。
b.レジュメにて「男性結石患者では肥満患者で高尿酸尿症、高Ca尿症、高シュウ酸尿症の頻度が高
い」と書いてあるため正解。
c.レジュメにて「年間罹患率は人口百万人にたいして 1965年の 43.7、1995年の 80.9、2005年の134に増加している」とあるので誤り。この理由としては・食生活の欧米化・人口構成の高齢化・診
断技術(CT・エコー)の向上の三つがあげられる。
d.レジュメにて「ESWLが侵襲的治療の 90%以上を占める」と書いてあるので誤り。ESWLは体
外衝撃破砕術なので無侵襲かと思ったが、病みえP 243にて「低侵襲であるが無侵襲ではない」とあ
るので侵襲的治療のひとつとして考えられている。
e.日本泌尿器学会の区分で「上部尿管は腎盂尿管移行部から腸骨稜上縁まで、中部尿管は腸骨に重な
る部位、下部尿管は腸骨に重ならない遠位尿管で尿管膀胱移行部まで」と書いてあるので正解。
レジュメ、授業中でコメントは特になかった。
参考文献: ③④四年泌尿器講座(尿路結石) 麦谷先生
Minds 「腎尿管区分」 https://minds.jcqhc.or.jp/n/medical_user_main.php
学 籍 番
号:
A 11057 氏名:
201 4 (平成 26年) 9月 1日実施4年次試験(11受験)
試験科目: 泌尿器
No. 8
尿路結石の再発予防因子をすべて選べ
a)サイアザイド
b)玉露c)高尿酸尿
d)クエン酸
e)低クエン酸尿
解答①: a,d
解 説
①:
a) ○ →サイアザイドは尿中カルシウム排泄量を減少させることからカルシウム結石の再発予防に
有効
b) × →玉露に含まれるシュウ酸は尿路でカルシウムと結合すると結石となりやすい
シュウ酸:お茶や葉菜類などに多く含まれる
c) × d) ○ →クエン酸はシュウ酸カルシウム、リン酸カルシウムの結晶形成を抑制する
また、尿中pHを上昇させ酸性尿を改善する
e) × →クエン酸の尿中濃度が減少したら尿路で結晶ができやすい状態になる
参考文献: 授業レジュメ「尿路結石」(麦谷先生)
学 籍 番
号:
A11 氏名:
解 説
②:
結石再発予防についてまとめておく。
1. 飲水 一日尿量 2000ml 以上になるように水分摂取することが必要。食事以外に1日
2000ml 以上の飲水を指導。
2. シュウ酸 シュウ酸摂取は減らす。そのため、葉菜類の野菜(特にホウレンソウ)やお茶
類(玉露、抹茶、煎茶)の摂取は控える。茹でる、カルシウムと一緒に摂取することでリスクを
軽減できる。
3. プリン体 プリン体の最終産物は尿酸。そのため、高プリン食品の過剰摂取は血清尿酸値
を上昇させる。それが高尿酸尿や酸性尿を誘発するため、尿路結石の再発を促進させる。400mg/日を超えないように指導する。肉類、魚介類、干物は多めなので注意。
4. 塩分 塩分は尿細管でのカルシウムの再吸収を抑制するが、過剰摂取が尿中クエン酸排泄
量を減少させる。よって過剰摂取はリスク因子となるため適度な食塩摂取制限は有用。
5. カルシウム カルシウムは腸管内でシュウ酸と結合して難溶性の結晶を形成し、糞便中に
排泄される。そのため一定量(600~800mg/日)の摂取が必要。6. サイアザイド サイアザイドは尿中カルシウム排泄量を減少させるため再発予防に有効。
7. クエン酸 クエン酸はシュウ酸カルシウム、リン酸カルシウム結晶形成を抑制し、カルシ
ウム結石の再発予防に有用。尿中 pHの上昇もおきるため、尿酸結石、シスチン結石の再発予防に
も有効。
上記より a.サイアザイド、d.クエン酸摂取が再発予防因子と言える。
参考文献: 授業プリント(尿路結石)
学 籍 番
号:
A11058 氏名: 髙柳奈央
201 4(平成 26年) 9月 1日実施4年次試験(11受験)
試験科目: 泌尿器
No. 9
次のうち、水腎症の原因とならないものを 2 つ選べ
a.腎盂癌
b.腎硬化症
c.尿管結石
d.慢性糸球体腎炎
e.前立腺肥大症
解答: b、d
解説: 水腎症の原因となるものを以下に挙げる
・結石:腎結石、尿管結石、尿道結石
・癌:腎盂癌、尿管癌、膀胱癌、前立腺癌、陰茎癌
・炎症:尿路結核、尿管炎
・その他:尿管狭窄(先天性・後天性)、前立腺肥大症、尿道狭窄、膀胱尿管逆流症、神経因性膀胱、
腎出血での血塊による閉塞
・まれな病気:尿崩症、大静脈後尿管、馬蹄腎、高度の包茎、後腹膜線維症、尿管異所開口、尿管瘤
参考文献: レジュメ「腎後性腎不全・腎移植(1)」(石井先生)
学 籍 番
号:
氏名:
201 4 (平成 26年) 9月 1日実施11年次試験
試験科目: 泌尿器
N
o.
10
水腎症の治療で、まず行うべき手術はどれか。2 つ選べ。
a 尿管ステント留置術
b 腎盂瘻造設
c 尿管全摘切除術d 尿管切除術e 腎盂形成術
解答: a,b
解
説:
水腎症の治療
通過障害を改善するための最初の治療
① 腎盂瘻造設術
② 尿管ステント術
原因を取り除く治療
① 開腹手術
② 内視鏡手術
原疾患の治療が基本であるが、急性の水腎症である場合や、腎機能低下、尿路感染症が認められる
場合は早急に尿路を確保する必要がある。
水腎症になった時点で尿路通過障害があるし、レジュメの作り方的にもこの 2 つでいいかと思い
ます。
選択肢を覚えていなくてすいません。
参 考 文
献:
「腎後性腎不全・腎移植(1)」 病みえ vol.8 p243
学 籍 番
号:
A11010 氏名: 井田雄也
201 4 (平成26年) 9月1日実施4年次試験(11受験)
試験科目: 泌尿器科
No. 11
正しいものをすべて選べ。
a) 血液透析は毎日行わなければならない。
b) 血液透析にはシャント手術が必要である。
c) 腹膜透析は腹膜炎を起こしうる。
d) 腎臓移植前には水分補給を用いて行う。
e) 腎臓移植後には免疫抑制剤を飲む必要がない。
解答: b,c
解説: a) 血液透析は1回につき 4時間かかり、これを週 3回の頻度で行う。
b) 血液透析では大量の血液を取り出す必要があり、その経路として静脈と動脈を吻合させた、穿刺し
やすく血流の強い血管を用いる。この静脈と動脈を吻合する手術をシャント手術という。ちなみ
に、シャント手術を受けた側の手では重いものを持ってはならない。
c) 腹膜透析は腹膜を透析膜として使用するため、腹膜自体に重大な合併症を生じやすい。
d) 腎移植では多くの場合、術後すぐに尿が出る。手術後に患者が安静のまま水分と栄養の補給ができ
るように、手術の前に投薬および水分補給用の針または点滴用のチューブが手の甲に付けられる。
よって、水分補給を行うのは腎臓移植前ではなく後。
e) 拒絶反応の抑制のため、腎臓移植後もカルシニューリン阻害薬、代謝拮抗薬、ステロイド薬の3剤
を併用して長期投与を行う。
参考文献: 病みえ、TVのドキュメンタリー、ネット
学 籍 番
号:
A11061 氏名: 竹林寛史
201 2(平成 年) 9月 1日実施4年次試験(11受験)
試験科目: 泌尿器科
No. 12透析療法に導入される第一位の疾患
a. IgA腎症
b. 糸球体硬化症
c. 紫斑病性腎炎
d. 糖尿病性腎症
e. 膜性腎症
解答: d
解説: 数少ない解ける問題
透析導入の原因となる病気の第 1位は、糖尿病性腎症で、全体の 44.2%、第 2位は慢性糸球体腎炎で
20.4%、第 3位は腎硬化症で 11.7%
参考文献:
学 籍 番
号:
氏名:
201 4 (平成 25年) 9月 1日実施4年次試験(11受験)
試験科目: 泌尿器
No. 13腎移植後のウイルス感染症で特徴的なものはどれか。すべて選べ。
a.ノロウイルス b.インフルエンザウイルス c.サイトメガロウイルス d.ロタウイルス e.ヘルペスウイルス
解答: c,e
解説: 移植後4ヶ月間は合併症として感染症が多い。特に特徴的なのがサイトメガロウイルス (発症頻度は最
多)とヘルペスウイルス(帯状疱疹、口内炎)である。
先生がこれは出すって言ってました!ありがたや(*^^)v
参考文献: 授業プリント「腎後性腎不全・腎移植(1)」石井保夫先生
学 籍 番 A11013 氏名: いでさき
号:
201 4 (平成26年) 9月 1日実施4年次試験(11受験)
試験科目: 泌尿器
No. 14正しい選択肢を全て選べ
a. 膀胱における排尿筋にはムスカリン受容体が広く分布している
b. 尿道には α受容体が存在し、ノルアドレナリンは尿道を収縮させる。
c. 過活動膀胱の治療薬はコリン剤。
d. 膀胱の活動は尿閉を起こす。
e. 抗コリン薬の副作用は動悸である。
解答: ab
解 説
①:
a ○b ノルアドレナリンの刺激で尿道は収縮します。
c 抗コリン作動薬が使用されます。
d 膀胱が過活動になると、膀胱は収縮し、尿道は弛緩するので、尿がでやすくなり、蓄尿障害になり
ます。
e 動悸は β3刺激薬の副作用です。抗コリン作動薬の副作用は、口渇、乾き目、便秘です。
解 説
②:
a: 排尿筋にはムスカリン受容体が存在し、副交感神経の支配を受ける。排尿筋を収縮させる。
b: 尿道には α受容体が存在し、交感神経(下腹神経)の支配を受ける。尿道を収縮させる。交感神経
なので、ノルアドレナリン。
c: 過活動膀胱には抗コリン薬。
d: 膀胱の活動によって尿意切迫感、頻尿、切迫性尿失禁を起こす。
e: 抗コリン薬の副作用は口渇。
参考文献:
学 籍 番
号:
氏名:
2014 (平成 26 年) 9月 1日実施4年次試験(11受験)
試験科目: 泌尿器科
No.1
5
性器脱について正しいものをすべて選べ。
a.慢性的な便秘が原因となることもある。
b.排尿障害はきたすことは、稀である。
c.膀胱瘤は子宮脱と直腸瘤よりも頻度が多い。
d.出産歴がないと発生しない。
e.75歳以上の高齢者は手術適応にならない。
解答: a,c
解説: a.○ネットより
b.×排尿障害きたす。c.○60%が膀胱瘤で最も多い。
d.×
e.×75歳以上でも手術適応になるらしいです。
参考文献: レジュメ「排尿障害」、過去問、ネット
学 籍 番
号:
A11015,A11065 氏名: 今井、津幡
2014 (平成26年) 9月1日実施4年次試験(11受験)
試験科目: 泌尿器
No. 16
66歳の女性。頻尿と尿意切迫感を主訴に受診した。
1週間前から自宅近くの診療所で抗菌薬を投与されていたが改善しない。
尿所見:蛋白(±)、糖(-)。尿沈渣:RBC(1-4/hpf)、WBC(1-4/hpf)、細菌(-)。尿細胞診:classⅡ。腹部超音波検査で残尿を認めない。
次に行うべき対応として適切なものはどれか。
(a)より多く飲水の摂取を促す。
(b)抗菌薬の変更。
(c)抗不安薬の投与。(d)抗コリン薬の投与。
(e)β3遮断薬の投与。
解答: (e)
解説: 過活動膀胱の治療法の問題です。
第一選択は抗コリン薬。
参考文献: レジュメ、病見え
学 籍 番
号:
A11016 氏名: 岩瀬賢哉
201 4 (平成 26年) 9月 1日実施4年次試験(11受験)
試験科目: 泌尿器
No. 17正しい組み合わせを選べ。
a.前立腺肥大 prostatic hyperplasia
b.腎萎縮症 hydronephrosisc.多尿 anuriad.急性尿閉 acute incontinencee.精巣腫瘍 testicular cancer
解答: a,e
解説: b.水腎症c.無尿d.急性失禁
dでひっかかった人が多かったです。
この問題は過去問をやればできると思います。
参考文献:
学 籍 番
号:
A11017 氏名: 岩垂 隆諒
2014 (平成26年) 9月1日実施
4年次試験(11受験)
試験科目: 泌尿器
No.18
73歳の男性。約 1年前より、残尿感、続いて排尿困難、夜間頻尿が出現し、徐々に増悪するため泌尿器科
を初めて受診した。既往歴に特記すべきことはない。
以下の問 18~問 21に答えよ。この患者に対する初期評価として適切でないものはどれか。すべて選べ。
(a)PSA(b)骨盤MRI(c)検尿・尿沈渣
(d)IPSS(国際前立腺症状スコア)
(e)クレアチニン
(f)残尿検査
解答: b
解説: 前立腺肥大症に対する診断法
1.問診
IPSS、QOL スコア 、BPH-Ⅱ、併発他疾患、併用薬 ( 常用薬 )
2.前立腺触診(直腸診)
3.血液尿検査
PSA、BUN、Cr、一般血液検査、尿沈査
4.尿流動態検査
尿流測定、残尿測定、膀胱内圧測定、尿道内圧測定、Pressure Flow Study( 内圧・尿流検査 )
5.画像診断
排泄性尿路造影および排尿時膀胱尿道造影、超音波断層法(経腹的、経直腸的)
6.膀胱尿道鏡検査
他の年度の問題で選択肢に排尿日誌がある場合があります。これは授業プリントの 23番目のスライド
の前立腺肥大症の選択評価のひとつとして挙げられています。併せて確認しておくといいかもしれませ
ん。
参考文献: 前立腺肥大症の授業プリント・22番目のスライドより
学 籍 番
号:
A11018 氏名: 上田駿介
201 4 (平成 26 年)9 月 1 日実施
4年次試験(11受験)
試験科目: 泌尿器科
No. 19本症状を放置し進行した場合に生じる病態として適切でないものを 2 つ選べ。
a尿閉b腎機能の低下
c腹圧性尿失禁
d水腎症
e前立腺癌
f尿路結石
解答: c f
解説: BPHが進行することで、尿道閉塞による尿閉、尿閉塞による腎機能の低下、尿のうっ滞による水腎症、
膀胱に尿がたまることによる膀胱結石が発症します。
また、腹圧性尿失禁は発症せず、溢流性尿失禁が発症します。また、BPHから前立腺癌への移行はない
とネットにありました。
参考文献: 病みえ
学 籍 番
号:
A11019 氏名: 上林明日翔
2014(平成26年)9月1日実施4年次試験(11受験)
試験科目: 泌尿器科
No. 20前立腺の初期治療に用いられる薬剤はどれか。
A α遮断薬B 抗アンドロゲン薬
C 抗コリン剤+α遮断薬D 5α還元酵素阻害薬E α遮断薬+5α還元酵素
解答: A
解説: 前立腺肥大症の薬物療法について、授業レジメには
・ α遮断薬−推奨グレード A;タクロリムス、ナフトピジル、シロドシン
・ 抗アンドロゲン薬
−推奨グレード C1;クロルマジノン、アリルエストレール
・ 5 α還元酵素阻害薬(デュタステリド)推奨グレード A
と記載されており、病みえの前立腺肥大症の治療の部分には
「なかでも前立腺や膀胱頸部の平滑筋の収縮を抑制する α1受容体拮抗薬が第一選択となる。一方、抗ア
ンドロゲン薬は前立腺容積を縮小させるが即効性に乏しい。」
と記載されているので、Aでいいかなと思います。併用して治療を行ったほうが効果があるかもしれま
せんが、レジメや病みえで調べた範囲では載っていませんでした。
もし間違えがありましたら、修正をお願いします。
参考文献: 授業レジメ「前立腺肥大症」
学 籍 番
号:
氏名:
201 4 (平成 26年) 9月 1日実施4年次試験(11受験)
試験科目: 腎泌尿系・泌尿器科
No. 21
初期治療を施行したあと、夜間頻尿の症状が残った。次に行う項目として、最も適切なものはどれか。
1 排尿日誌
2
3 逆行性膀胱造影
4 膀胱鏡検査
5 尿浸透圧測定
解答: 1
解説: 排尿日誌とは、起床時から翌日の起床時までの1日の中で、排尿ごとの尿量をメジャーカップで測り、
それを記入していくというものである。
夜間頻尿には、尿量の増加に伴う夜間多尿によるものと、1回の尿量は少ないのに膀胱刺激や残尿感に
より頻尿になるものがあり、前者は糖尿病などで、後者は過活動膀胱や前立腺肥大症などで認められ
る。
今回の問題だと、前立腺肥大症の初期治療後に夜間頻尿の症状だけ残存したということは、夜間頻尿の
原因が別にある可能性がある。ゆえに、排尿日誌による尿量のチェックが必要だった。
ちなみに、5の尿浸透圧測定だが、これは多尿の鑑別(水利尿と溶質利尿)に用いられる。(病気が見
える vol.8 45ページ参照)
参考文献: 日本泌尿器科学会HP 「夜間、何度も排尿で起きる」
https://www.urol.or.jp/public/symptom/03.html
学 籍 番
号:
A12095 氏名: 増田大樹
2014 (平成 26年) 9月 1日実施4年次試験(11受験)
試験科目: 泌尿器
No. 22
肉眼的血尿がある場合の外来検査として適切なものはどれか。3つ選べ
a) 検尿・尿沈査
b) 腹部MRIc) 腹部超音波検査
d) 逆行性腎盂造影
e) 尿細胞診
解答: a,c,e
解 説
①:
(肉眼的 or顕微鏡的)血尿がある場合の外来検査
・検尿・尿沈査
・尿細胞診(尿中NMP22も併せて提出)
・腹部超音波検査
まず、これだけは最低やる!!そうです。
参考文献: 授業プリント「腎盂尿管癌の疫学・診断・治療」古瀬先生
学 籍 番
号:
A11072 氏名: 中村帆南美
解 説
②:
a. 検尿・尿沈渣は試験紙法→診察→尿沈渣という流れがあるらしく、糸球体の疾患なのか泌尿器的
疾患なのかを見極めるのに用いられてるみたいです。
b. まず行うか、というと微妙な気がします。しかもcの超音波が第一選択なので違うかな、と。
c. 非侵襲的で簡便に使えるので、腎・泌尿器科領域では第一選択の画像診断です。
d. 腎動脈造影検査は侵襲的なので行いません。
e. 尿細胞診は尿中の細胞を見て、腫瘍や炎症の有無を調べるために使います。
簡便で非侵襲なので○だと思います。ネットにも非常に有用性が高いと書いてありました。
参考文献: 過去問、病見え、ネット
学 籍 番
号:
A11022 氏名: 大川淳和
201 4 (平成 26 年) 9月 1日実施4年次試験(11受験)
試験科目: 泌尿器系
No.23次の文章について正しいものはどれか。すべて選べ。
(a) 日本人女性の 65歳以上の高齢者の割合は 25%以上である。
(b) 日本の腎癌発生は欧米と同様に高いが、他のアジア諸国では低い。
(c) アメリカ男性の癌死亡の 1位は前立腺癌、2位は肺癌である。
(d) 日本の前立腺癌発症は 2000年くらいから急激に上昇した。
(e) 日本を含めたアジア諸国の膀胱癌発生は欧米より少ない。
(f) 腎癌発生の男女比はほぼ 1:1である。
解答: a, d, e
解説: a:⚪ …2014年に 65歳以上の人口の占める割合が男女で 25.9%となり、女性だけでは 28.7%だそうです。
b:×…日本も他のアジア諸国と同様、腎癌の罹患率は全体の 2%程度と低いです。欧米はほとんどの
国で高い罹患率を示します。
c:×…1位が肺癌、2位が前立腺癌となっているようです。
d : ○ … グ ラ フ を 見 る と 確 か に 2000 年 辺 り か ら の 上 昇 度 合 い が 高 い で す 。
e:○…膀胱癌は欧米白人に多く、アジア諸国の人間は罹患率が低い傾向にあります。
f:×…腎癌発生の男女比はほぼ3:1で、男性に多いことが特徴です。
参考文献: 公衆衛生マニュアル 2014独立行政法人国立がん研究センターがん情報対策センターがん情報サービス
http://ganjoho.jp/professional/index.html及び同サイト内にある医療従事者向けグラフデータベース
泌尿器科レジュメ「腎癌(腎細胞癌)」「前立腺癌」「尿路上皮癌(膀胱癌)」大園先生
過去問通りなのに正答率が 0%のものもあるので復元するならちゃんとした解答を作れと大園教授は仰っていま
した(笑)。実際今まで頻出な問題でも解答がはっきりしていないものが多いのですが、何で調べても出てこないの
で素直に先人の歴史を鵜呑みにするか、無心で鉛筆を転がしましょう。
学 籍 番
号:
110 氏名: ガイドラインお兄さん
2014 (平成26年) 9月 1日実施4年次試験(11受験)
試験科目: 泌尿器科
No. 24
腎癌発生について正しいものはどれか。すべて選べ。
(a) 飲酒、高脂肪食、人工甘味料は発症のリスクファクターとして考えられる。
(b) Belini管癌は集合管から発生した腎癌である。
(c) VHL病で遺伝子異常があっても成人までに発症しなければ危険性は下がる。
(d) 常染色体優性多発性嚢胞腎による慢性腎不全の血液透析患者に腎癌が多い。
(e) 小児の腎に発生する腎芽腫は別名Wilms 腫瘍と呼ばれている。
解答: a,b
解説: 09No.29と 08No.28の問題を少しずつ変えた感じの問題。
例年は選択肢の組み合わせが与えられていましたが、今年はほとんどの問題がマルチプルチョイスにな
り、選択肢が少し変わっただけの問題でも、難しかった。
(a) ○ 腎癌患者の肥満、喫煙、高血圧、アルコール摂取などの生活習慣や、患者の職業及び環境因子
には注意を喚起させることを推奨される。これは、肥満が腎癌の発症リスクを最大で四倍上げ、喫煙、
高血圧が腎癌の発症リスクをあげるためである。(ガイドラインCQ1より)(b) ○ その通り。集合管が発生母地である癌。
(c) × 相対危険度は 100。VHL遺伝子は癌抑制遺伝子であり、損傷や欠損によって腎癌発生のリスク
を高める。(CQ1より)(d) × 血液透析→嚢胞腎→腎癌発生率↑の順に起こるため、順番がおかしい。(朝倉内科学 p1277)(e) × Wilm 腫瘍は小児に代表する悪性腫瘍であり、小児の腎腫瘍の 90%を占める(第 1位)が、小児に発症する『腎癌=Wilms 腫瘍』ではないので誤り。(ネットより)
追記:(e)についてですが、この記述は「小児に発症する腎癌を別名Wilms 腫瘍という。」という文章
で過去問でしばしば出題されていますが、今年は腎癌の部分が腎芽腫に変わっており、腎芽腫であれば
正解ですので、答えは⚪ だと思います。このように選択肢の一部を変更して出題することがあるの
で、反射で解かずに問題文をよく読むようにしましょう!
参考文献: 「腎細胞癌」(大園先生)のレジュメ
学 籍 番
号:
氏名:
201 4(平成 26年)9月 1日実施4年次試験(11受験)
試験科目: 泌尿器
No. 25
腎癌について正しいものはどれか。すべて選べ。
a. 偶発腎癌は増加しているが、長期予後は不良である。
b. 年齢別発生率は男女ともに 70歳代に最も多い。
c. 腫瘍血栓を有する腎癌の手術はリンパ節・遠隔転移があっても推奨される。
d. 転移巣に対するサイトカインの近接効果・長期予後は悪く推奨されない。
e. Bevacizumab、Niolumabなどの分子標的薬が国内で用いられている。
解答: b
解説: a. 増加しているが、偶発腎癌は症候腎癌に比べて予後良好。
b. ○c. 所属リンパ節転移や遠隔転移を認めない局所腎癌に対しては推奨される。
d. サイトカインである INF-αは、腎癌の転移巣に関して近接効果、非進行生存率、全生存率すべてに
有効である。エビデンスレベルは低いが IL-2も用いられている。
e. 2014年9月現在で国内で承認されている分子標的薬は、エベロリムス、スニチニブ、テムシロリ
ムス、ソラフエニブ、アクシチニブ、パソパ二ブらしいです。
「ええべロしたスニッチってむしろ空じゃなく地上でアクアとパッソ運転してる」っていうわけの
わからないゴロで覚えてました。
参考文献: 10の問24とほとんど同じ問題です。
学 籍 番
号:
A11075 氏名: 貫井淳
2014 (平成 26年) 9月 1日実施4年次試験(11受験)
試験科目: 泌尿器科
No. 26
腎盂尿管癌について正しいものを 2 つ選べ。a.サンゴ状結石の存在で、腎盂癌(特に扁平上皮癌)の発生があることがある。b.手術後に単腎となった場合、術後補助化学療法はできない。c.水腎症をきたし、腰痛の精査から発見される場合がある。d.肉眼的血尿が見られない場合でも尿細胞診はほぼ全例で陽性になる。e.進行癌に対して新しい化学療法が無く、分子標的薬の試用が検討されている。
解答:
解説:① a.○サンゴ状結石は腎盂を占拠している結石のこと。レジュメによると腎盂尿管癌の病因に腎結石があります。授業で強調していたのがタバコと鎮痛剤(フェナセチン)だったので見落としていました…泌尿器科診察マニュアルから引用されていた部分なので正しいと思います。
b.×腎盂尿管癌の治療の基本は腎尿管全摘除で、化学療法に関しては筋層浸潤性膀胱癌、転移性膀胱癌に用いられるレジメと同じものを用います。(腎盂尿管癌は両側に発生することはあまりないみたいなので摘除したら基本単腎になると思います。)膀胱癌では GC 療法や M-VACが行われているので単腎でも関係なく同じ治療が行われると思います。ちなみにレジュメによると adjuvant 療法(術後化学療法)の有無で有意差はないけど改善傾向は見られるそうです。
c.○水腎症の症状に側腹部や背部の痛みがあるので、腰痛で見つかることも十分考えられると思います。
d.×レジュメによると血尿は 80%以上の症例でみられるそうです。細胞診に関しては陽性であれば尿路上皮腫瘍の可能性が高くなりますがそれだけで確定診断にはならないので×。
e.×腎盂尿管癌の化学療法はGCとM-VAC。レジュメには他に書いてありませんでした。膀胱癌の治療をみても特に分子標的薬に関しては書いてなかったので違うと思います。
参考文献: 5/20 泌尿器科6 「腎盂尿管癌の疫学・診断・治療」 古瀬先生5/26 PBL 「浸潤性膀胱癌の治療」 大園先生病気が見える vol.8 腎・泌尿器
今回レジュメの細かいところからもでた気がするのでちゃんと見たほうがいいです。過去問見てたら何とかなるかもと思ったけど、マルチプルチョイスの問題がかなり増えたのでそれだと選択肢 1 つ変えられたら終わりでした。
学籍番号: A11076 氏名: 根本玲那
解説:
②
記憶があいまいです。もう一人やってくれているはず!そっちの方を参考にしてください。1、2、3
が、覚えられませんでした。去年の第25問をそのまま写してあります。聞かれた内容は大体同じだっ
た印象です。2,3の疾患名が違っていたかもしれません。
1~4) 10の方の解答を参照してください。
5)レジメに、『腎盂尿管がんの化学療法;浸潤性および転移性膀胱癌での海外でのエビデンスに基づ
き、腎盂尿管癌でも近年では、GC 療法が第一選択で用いられることが多くなった。GC 療法に抵抗性
となった後のレジメについては確立していない』とある。ゲムシタビン(G)=ピリミジンアナログ、
シスプラチン(C)=白金製剤は分子標的薬ではないし、新規の化学療法として(近年)確立してきて
いるので 5は間違いではないかと。
参考文献: 去年の第25問、レジメ
学 籍 番 氏名:
号:
2014 (平成26年) 9月1日実施4年次試験(11受験)
試験科目: 泌尿器
No. 27
腎盂尿管癌の手術治療に関する以下の記載の中で正しいのはどれか。2つ選べ。
・a 所属リンパ節郭清が予後を改善するというエビデンスがある。
・b 腎盂尿管全摘除術が標準術式に位置付けられている。
・c 腎盂尿管癌に対する経尿道的内視鏡切除術は、腎温存の観点からは有用な術式であり、病期の進んだ症
例にも適応がある。
・d 尿管癌に対しては尿管部分切除術が近年標準術式となり、腎臓を摘出しない場合が多くを占めるように
なってきた。
・e 腎尿管全摘除術はおおよそ30~40%の症例で膀胱癌再発を認める。
解答: b,e
解説: ・a リンパ節郭清が不完全だと逆に予後が悪くなる。また、完全郭清と郭清なしで生存率に差は見ら
れない。
・b ○
・c 内視鏡手術の適応は low gradeのものです。腎盂尿管癌多発傾向、易浸潤性、リンパ行性、血行
性転移をする予後不良な癌なので適応は厳格に判断する必要がある。
・d 全摘が標準です。・e ○
参考文献: 過去問、レジュメ、病気が見える
学 籍 番
号:
氏名:
201 4(平成 26年)9月 1日実施4年次試験(11受験)
試験科目: 泌尿器科
No. 28多発肺転移、リンパ節転移を伴う腎盂尿管癌に対する初回化学療法のレジメとして用いられるものはどれか。す
べて選べ。
(a)CF 療法(carboplatin + 5-FU)(b)CAP 療法(cisplatin + adriamycin + peoplemycin)(c)DC 療法(docetaxel + cisplatin)(d)GC 療法(gemcitabine + cisplatin)(e)MVAC 療法(methotrexate + vinblastine + adriamycin + cisplatin)
解答: d,e
解説: 腎盂尿管癌は尿路上皮癌であり、基本的には筋層浸潤性膀胱癌、転移性膀胱癌に対して用いられるレジ
メと同じものを用いる。
GC、MVAC 療法とも治療効果は同等であると報告されているが、有害事象は GC 療法の方が軽微であ
る。
参考文献: 授業プリント
学 籍 番
号:
A11028 氏名:
2014 (平成26年) 9月 1日実施4年次試験(11受験)
試験科目: 泌尿器科
No. 29
筋層非浸潤性膀胱がんの再発時のリスクの評価因子として正しいものはどれか。すべて選べ。
(a) 腫瘍径(腫瘍サイズ)
(b)腫瘍の再発部位
(c)腫瘍の個数
(d)筋層非浸潤性膀胱がんの既住
(e)尿中NMP-22(f)喫煙指数
解答: a,c,d
解説: プリントの三枚目。選択肢は違いますが過去問にも出てきている問題です。
再発時のリスクとして
① 腫瘍の数 2-7or ≧8② 腫瘍径≧3cm③ 既住歴≦1/yr or >1/yr④ 壁内深達度(T カテゴリー)≧T1⑤ CISの合併
⑥ Grade≧G2
が挙げられている。よって、a,c,dは○
e) NMP-22は BTA等とともに膀胱がんの尿中腫瘍マーカーであるが、偽陽性率が高く普及には至っ
ていない。
参考文献: 授業プリント「尿路上皮癌(膀胱がん)」
学 籍 番
号:
A11029 氏名:
2014(平成 年) 9月 1日実施4年次試験(11受験)
試験科目: 泌尿器科
No. 30筋層非浸潤性膀胱癌における 2nd TURBTについて正しいものを 2 つ選べ。
a.TURBT術後 1〜2週間に実施される
b.すべての筋層非浸潤性膀胱癌に推奨される
c.実施にあたって、腫瘍の数はあまり参考にしなくてよい
d.CISがみられたら推奨されない
e.施設間格差はあるものの、30%以上に病理で陽性所見がみられる
解答: cと d
解説: 過去問と同じ♪
参考文献:
学 籍 番
号:
氏名:
201 4(平成 26年) 9月 1日実施4年次試験(11受験)
試験科目: 泌尿器科
No. 31浸潤性膀胱癌に関する記載で正しいものを二つ選べ。
(a) 超高齢者の浸潤性膀胱癌では再発予防としてBCGの術直後 (24時間以内)注入並びに維持注入が推奨され
る。
(b) 浸潤性膀胱癌は筋層非浸潤性膀胱癌と比較して、高齢者に多い傾向があるため、低侵襲性治療が積極的に
行われている。
(c) 浸潤性膀胱癌に対する動注化学療法併用放射線療法など集学的治療の一環として放射線療法が併用される
場合がある。
(d) 膀胱全摘除術の尿路変向術で尿管S状結腸吻合術は術後のQOLが良いため、高齢者の多いわが国では今
後増加すると考えられる。
(e) 筋層浸潤性膀胱癌に対するネオアジュバント化学療法のエビデンスについて最終的な結論は得られておら
ず、国際的に追試されている。
解答: ,e
解説:
(a)× 毎年「高リスク非浸潤性膀胱癌では再発予防として…以下同じ」で出されていた問題。真っ先に×となるの
は、非浸潤性ではなく浸潤性としていること。浸潤性膀胱癌ではBCG注入は出てきません。非浸潤性と直しても、
超高齢者、術直後注入もおかしいと思います。
(b)○ 記載がないのでわからないが選択肢的に○
(c)○ レジュメのガイドライン【CQ6】で、筋層浸潤性膀胱がんの一部では、TURBT,化学療法、放射線療法の3
者併用による膀胱温存が可能であると書いてあるので○
(d)× 尿管S状結腸吻合術は、侵襲の大きな手術であり、体力の無い患者さんには不向きであり、合併症や再手術
などの頻度も多い。(ネット)
(e)× ネオアジュバンド法は有用性の証明はされている。有用性証明されても追試はされるはず!
参考文献:
学 籍 番
号:
A 11081 氏名:
2014 (平成26年) 9月1日実施4年次試験(11受験)
試験科目: 泌尿器科
No. 32
前立腺癌のラテント癌で正しい記載はどれか。2 つ選べ。
a)他疾患で死亡して死後剖検したときに前立腺癌と診断される。
b)ほとんどがT3 以上の症例だが、グリーソンスコアは低い。
c)前立腺肥大症を伴うことが多く、5α還元酵素阻害薬の推奨の根拠となる。
d)高齢者の頻度が高く、50歳以上で約20〜30%と方告されている。
e)前立腺(PSA)検診を推進するための根拠として重要視されている。
解答: a , d
解説: a. ○ ラテント癌とは、生前臨床的に前立腺癌の兆候が認められず、死後の剖検により初めて前立腺癌
の存在を確認した症例。
b. × ほとんどは臨床癌にならない。(TNM分類上臨床的にわかるのが T2からなので T3には進行し
ない)
c. × それぞれの発生における関係は不明、と書いてある。
d. ○
e. × 死後に見つかるので。
参考文献: 大園先生のレジュメ 「前立腺癌」
学 籍 番
号:
A11082 氏名: 早坂
201 4 (平成 26年) 09月 01日実施4年次試験(11受験)
試験科目: 泌尿器科
No. 33前立腺生検にて癌が検出された。病期診断のために行うべき検査として誤っているものはどれか。すべて選べ。
a. 胸腹部CTb. 経直腸的超音波検査(TRUS)c. 骨シンチグラム
d. 排泄尿路造影
e. 骨盤部MRIf. PSA
解答: b,d,f
解説: a:×
→病期診断において有用である。
胸腹部CTでは前立腺癌の広がりと転移の有無が分かる。
b:○
→精密検査において有用である。
TRUS(transrectal ultrasonography)では、前立腺癌は低エコー像(黒)として描出される。
c:×→病期診断において有用である。
前立腺癌は骨に転移しやすい癌であり、これを検出する検査として、骨シンチグラフィはもっとも有
用であり、一度に全身を調べることができる。
d:×→診断の流れにない。
排泄尿路造影は、静脈内に造影剤を注入し腎臓から尿中に排泄されることを利用して尿路を描出する
検査であり、正常であれば腎実質、腎盂・腎杯、尿管の機能・形態の評価や大まかな膀胱形態の評価
ができる。(『病気がみえる vol.8 腎・泌尿器』 P31より)
e:×→病期診断において有用である。
MRIによる画像診断は前立腺癌の治療方針を決めるうえで重要となる、病期を診断する方法の1つで
ある。
f:○
→検診や精密検査において有用である。
PSA(prostate specific antigen)は前立腺特異抗原で、ほとんどの前立腺癌細胞は PSA分泌能を持っており、癌が進展するにつれ、PSAは高値を示すようになる。
この問題では、前立腺癌における診断の流れの中で、病期診断として用いられるものが問われていま
す。
病期診断ではCT、MRI、骨シンチグラフィが用いられます。
参考文献: 『病気がみえる vol.8 腎・泌尿器』 第1版 P274
学 籍 番
号:
A11083 氏名: 林 暁利
201 4 (平成 26年) 9月 1日実施4年次試験(11受験)
試験科目: 泌尿器科
No.34精巣腫瘍について正しいものはどれか。2 つ選べ。
a.家族性発生が少ない腫瘍の代表である。
b.陰嚢内容の腫大で診断は容易だが、痛みを伴う場合は鑑別診断が必要である。
c.壮年期の精巣腫瘍は EDなどの機能障害を考慮する。(こんな感じの文章だったか自信ないです)
d.腫瘍の大きさが予後に影響するので、発見次第摘除が推奨される。
e.転移巣には後腹膜リンパ節と肺の検索が重要である。
解答: b,e
解説:
参考文献:
学 籍 番
号:
氏名:
2014 (平成26年) 9月1日実施4年次試験(11受験)
試験科目: 泌尿器科
No. 35
精巣腫瘍について正しいものはどれか。すべて選べ。
a.AFPは精巣上皮腫のみで上昇するため、術前の鑑別に有用である。
b.停留精巣は発生の危険因子である。
c.BEP 療法(ブレオマイシン+エンゼルタミド+シスプラチン)療法が有用である。
d.精巣上皮腫は放射線感受性が高いため病気Ⅰで推奨されている。
e.NSGCTでは可能な限り、まず転移巣の手術が推奨される。
解答: b,d
解説: a.× AFPは肝細胞癌等でも上昇する。
b.○c.× BFP 療法は、ブレオマイシン+エトポシド+シスプラチン
d.○ 精巣腫瘍診療ガイドライン【CQ7】e.× NSGCT(非セミノーマ精巣腫瘍)。まず高位精巣摘出術。(精巣腫瘍診療基本アルゴリズム)
参考文献:
学 籍 番
号:
A11035 氏名: 金子 信也