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ジョン・フィリップス www.tintri.com テクニカルホワイトペーパー Tintri による仮想化の管理 Tintri VMstore , SnapVM , CloneVM および ReplicateVM により、 仮想マシンとアプリケーションの高速化を推進 Zero Management Storage

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ジョン・フィリップス 著

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テクニカルホワイトペーパー

Tintriによる仮想化の管理Tintri VMstore™, SnapVM™, CloneVM™ および ReplicateVM™により、

仮想マシンとアプリケーションの高速化を推進

Zero Management Storage

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目次

読者の対象  ……………………………………………………………………………………………………………  1

はじめに   ………………………………………………………………………………………………………………  1

VMスナップショット概要  ………………………………………………………………………………………………  2

スナップショットの基礎知識  …………………………………………………………………………………………  2

スナップショットとデータ  ……………………………………………………………………………………………  3

VMのスナップショットを作成  …………………………………………………………………………………………  5

もう1つのスナップショット  ……………………………………………………………………………………………  6

何をスナップショットするか  …………………………………………………………………………………………  7

ハードウェアベースのスナップショットをどのように定義しているか?  …………………………………………  7

仮想化の導入  …………………………………………………………………………………………………………  7

Tintri VMstore概要 ………………………………………………………………………………………………………  10

Tintri VMstoreスナップショット  ……………………………………………………………………………………  10

Tintri VMstoreによるVMクローニング  ……………………………………………………………………………  11

一般的なVMクローニングのシナリオ  ………………………………………………………………………………  13

vSphere のTintri VAAIプロバイダ  …………………………………………………………………………………  14

Tintri ReplicateVM  …………………………………………………………………………………………………  15

レプリケーションパスの構成  …………………………………………………………………………………………  15

パス単位のスロットル設定  ……………………………………………………………………………………………  16

スナップショットによるレプリケーション  ……………………………………………………………………………  16

VM単位のレプリケーションを実現  …………………………………………………………………………………  17

ReplicateVMの設定をカスタマイズ  ………………………………………………………………………………  18

VMごとに更新  …………………………………………………………………………………………………………  19

レプリケーション速度と効率性  ………………………………………………………………………………………  19

ReplicateVMでのリモートクローニング  ……………………………………………………………………………  21

アプリケーション  ………………………………………………………………………………………………………  22

まとめ  ……………………………………………………………………………………………………………………  23

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読者の対象

本書は、仮想化環境、および仮想マシン(VM)に適用される、ストレージ、スナップショット、クローニングおよびレプリケーションの理解促進を目的としています。読者は仮想化、ネットワークおよびストレージの基礎と概要を理解することができます。高度な知識を有する技術系読者は、Tintri VMstoreのスナップショット、クローニングおよびレプリケーションの実行および一般的な仮想アプリケーションに対する適用性やその利用用途を学ぶことができます。

はじめに

オープンシステムにおけるスナップショットが登場して数十年が経過しました。スナップショットは「標準機能」であるとともに、バックアップ、リカバリー、データ保護および災害復旧における最初のステップとなっています。現在、アプリケーションおよびデータ管理フレームワークは、スナップショット技術を中心に構築され、完全なエコシステムが形成されています。1990年代初頭、スナップショットは、ユーザーデータファイルやドキュメントデータに対する迅速なリカバリーポイントの提供から使われ始めました。オペレーティングシステム(OS)、データベースおよびメッセージアプリケーションと徐々に統合されることで多様な形でスナップショットを提供し、斬新なデータ保護および災害復旧ソリューションを実現してきました。

しかし、いまやスナップショットは単なる「優れた付加機能」というだけではありません。ストリーミングバックアップはTier-2あるいはTier-3のデータ保護アプリケーションによって実行されるようになり、直接ストリーミングバックアップをサポートしていない企業アプリケーションが数多く存在するのです1。

スナップショットは、仮想インフラストラクチャの柔軟性と効率性を支えるために、領域の効率化、VMのクローン作成、迅速な導入シナリオとバックアップおよびデータ保護アプリケーションのためのチェックポイントを提供する中心的な役割を担います。

仮想デスクトップインフラストラクチャ(VDI)およびエンドユーザーコンピューティング(EUC)スナップショットは、仮想マシンとアプリケーションを構成するマスターイメージを維持し、管理者がOSイメージやその設定を定義、事前テストおよび確認作業を可能にします。そして、これらを集中的に導入、管理および更新することができます。

サーバーおよびアプリケーションの仮想化• スナップショットをVDIおよびEUC環境と同様に活用することに加え、仮想化されたサーバーアプリケーションの多くは、重要なデータを含み、世界中のユーザーに必要不可欠なサービスを提供するミッション・クリティカルなTier-1アプリケーションです。

本書はスナップショットおよび仮想化環境下でこれらのアプリケーションをサポートするスナップショットの役割を解説します。 1 Microsoft 社のExchangeチームは2009年にストリーミングバックアップのサポート終了を表明しました。VSSスナップショットのフレームワークが全てのバックアップ動作の基本となります。Exchange2010からは、ストリーミングバックアップのためのAPIはExchange SDKに含まれていません。http://msdn.microsoft.com/en-us/

library/dd877018(EXCHG.140).aspx.

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VMスナップショット概要

スナップショットの基礎知識IT業界における「スナップショット」を示すために用いられる一般的な例えは、カメラのシャッターボタンが押された際のイメージ(写真)を撮影するスナップショットです。私たちのケースでは、イメージは写真ではなく、スナップショット時点でのVMや構成ファイルの状態のことを指します。

図1:個々のVMは固有かつ多数の要素から構成されている

図2:VMのスナップショットのスケジュールおよび一般的な用途

VMのスナップショットを作成すると、スナップショットを取得した時点の正確なVMおよびアプリケーションデータにアクセスできる世代管理が可能となります。

スナップショットは、VMスナップショットの取得時点にさかのぼって、VMおよびそのアプリケーション·データを復元するのに使用できます。これにより、VMスナップショットと同じ領域を持つ、容量的に効率化された新しいVMを迅速かつ容易に作成することができます。残りのセクションでは、データセンター間のデータ保護およびVMのリカバリー要件を満たすために、新しいVMの作成からサーバーおよびデスクトップ仮想化に至るまで、スナップショットがどのように機能するのかを詳しく説明します。

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スナップショットとデータ

図3:Tintri VMstore上の仮想ディスクに対するアプリケーションからのデータフロー

データブロックへの格納フロー               各ブロックはVMのファイル内に格納されたデータを含んでいます。(図1)

ファイルは、アプリケーションまたはユーザー自身の操作によって保存されます。VM内での実際の動きは、ファイルのデータがVMのファイルシステム内で1つ以上のブロックとして格納されます。つまり、仮想環境上において、ブロックはVMの仮想ハードディスクファイルもしくはVMDKファイルなどの仮想ディスクに格納されるということになります。これらの仮想ディスクはTintri VMstore上にあるため、ファイルの変更を保存する際に発生する書き込みはTintri VMstoreに存在する仮想ディスクに対して行われます。

Tintri VMstoreは、フラッシュストレージベースのファイルシステム上に格納された仮想ディスクに関するすべての変更を追跡するとともに、管理者による設定に基づいたスケジュールに従って、スナップショットを保持します。

もう1つのスナップショット建設中の建物において、年間を通じた現場の活動と、連日の進行状況の記録撮影を一時的に止めることを想像してみてください。写真は時間の経過とともに、そこに至るまでの建物や場所の変化を反映するでしょう。そこには、人、設備および一時的な建物が行き交う様子がうかがえます。それぞれのカメラのスナップショットはユニークで、施工中の異なる時点を記録することでしょう。

VMのスナップショット取得を考えてみましょうでは、写真撮影ではなく、VMのスナップショットに話を進めます。ここでは、“Win8-VM1” という仮定のVMを用いて以下のシナリオを考えます。• Win8-VM1の最初のスナップショットを12:15pm作成• 次のスナップショットを15分後の12:30pmに作成

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スナップショット領域の効率化図4では、「Snap-1」、「Snap-2」という名前のスナップショットが、Block2およびBlock3の両方に対するポインターを持っていることに注目してください。

図4: ‘Win8-VM1’スナップショットの基本的なブロックポインタ

Snap-2を作成するだけのためにBlock2とBlock3のコピーを追加で作成するのは非効率です。その代わりに、Snap-2は、Snap-1のように、既存のBlock2とBlock3へのポインターを記録します。

例:スプレッドシートを開き、セルの値に変更を加え、12:20の時点でデータを保存したケースにおけるSnap-1とSnap-2を想像してください。Block1にある変更以前のセルの値はSnap-1により確実に保護され、書き換えられた新しいセルの値がBlock4にあることがわかるでしょう。

図4においてSnap-2はBlock1へのポインターを含んでいないことに注意しましょう。なぜでしょうか。その理由は2つあります。• データの修正は、Block1を介さず、新しいブロックに書き込みます。Tintriファイルシステムはこの技術によってスナップショットが作成したブロックに対し迅速にポインターを記録することができ、I/O性能を高速化します。

• Block1に格納されている古い値はSnap-2とは関連していません。従って、Snap-2はBlock1に対するリンクは持たず、12:15にキャプチャされた前バージョンのVMやスプレッドシートはSnap-1を通じて利用可能のままとなります。

この例では、12:15に取得されたBlock1~ 3で構成されるSnap-1と12;30に取得されたBlock2~ 7で構成されるSnap-2の2つのスナップショットによるHDメガネを通じて、Win8-VM1を参照することになります。

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VMのスナップショットを作成VMのスナップショットの作成は、できるだけ迅速かつ効率的、包括的にすべての関連ファイルのスナップを同時に取ることで実現します。まず、その作成方法は、2つの一般的なアプローチがあることをご理解ください。

• Crash-consistent:VMのゲストOSおよびそのアプリケーションとの特別な連携を行わずにスナップショットを作成します。

• VM-consistent:vSphere ESX / ESXiなどのハイパーバイザーやゲストOSと連携した上でスナップショットを作成します。

管理者はCrash-consistentおよびVM-consistentの2つのスナップショットのどちらも同じように利用することができますが、Crash-consistentのスナップショット内でキャプチャされたVMの状態は不確定であると考えられます。これは不正確あるいは使用不可能を意味するものではなく、VMが「そのままの状態」でキャプチャされただけのことです。

Crash-consistentスナップショットをより理解するには

VM-consistentスナップショットの詳細VMがアクティブに機能している場合、実行中のアプリケーションはサーバーのメモリ内にデータを持ちます。この時点ではまだ仮想ディスクに書き込まれていません。VM-consistentのスナップショットはそのスナップショットを作成する際、VMのメモリ上のアプリケーションデータを仮想ディスクに書き込むために、VMゲストOS内のソフトウェア(以下を参照)を利用します。結果として、仮想マシンはそのメモリ上のデータを仮想ディスクにコミットした上で、VMのスナップショットを作成します。それゆえ「VM-consistent」と呼ぶのです。

vSphere環境下では、各VMのゲストOS内にインストールされたVMware Tools TMにより、ハイパーバイザーは、Microsoft Volume Shadow Copy Services (VSS) for Windowsに関連付けられている静止 / 解放操作などのゲストOS特有の機能をVM上で使用することができます。事前定義済みスクリプトによるVM整合性のための操作も、LinuxゲストVM用のVMware Toolsによって行われる動作の一部です。

Microsoft Exchange、Microsoft SQL Serverなどのアプリケーション用として、それぞれ固有のコンポーネント(VSS)も用意されており、特別な機能やサードパーティー製ツールとの連携を提供しています。これらのコンポーネントはバックアップやデータ保護、データ管理オペレーション等を促進させるVMware Toolsと協調して機能します。アプリケーションは様々なタイプのものがありますが、アプリケーション固有のコンポーネントは高度なデータベースおよびサーバー VMに必要なVM-consistentのスナップショットにおいて重要な役割を果たします。

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ソフトウェアおよびハードウェアスナップショットの違いソフトウェアベースのスナップショットはvSphere ESXiなどのハイパーバイザーソフトウェア上で実行されます。ハードウェアベースのスナップショットは、ダイレクトアタッチストレージ(DAS)あるいはJBODのストレージの基本機能に加え、より機能性を拡張したストレージシステムで実装されている機能です。

VMごとの、ソフトウェアベースのスナップショットvSphereにビルトインされたスナップショットのようなソフトウェアベースのスナップショットは、通常ハイパーバイザーソフトウェアで実装されています。ソフトウェアスナップショットもVM単位のもので、使いやすいものとなっています。VMware vSphere ESX / ESXiスナップショットは、VMのスナップショットを管理・追跡するために、関連する一連の仮想ハードディスクファイルあるいは「スナップショットチェーン」を生成します。ソフトウェアスナップショットは、VMのディスクチェーンに関連する非常に大きなI/Oを発生させるため、実際には限られた範囲での使用になります。フラッシュやSSDのような高速ドライブを利用した場合、これらの領域がディスクチェーンのスナップショットファイルのために消費されるため、深刻なコスト増につながります。VMware社は、VMあたり3つ程度のソフトウェアスナップショットに抑えることをベストプラクティスとして推奨しており、大きなパフォーマンスの複雑化要因を避けるために、過去24 ~ 72時間を超えてスナップショットを使ったり保持したりしないようにすべきです。

ハードウェアベースのスナップショット一般的にストレージベースのスナップショットは、ホストサーバーのリソースの解放と、ハイパーバイザーのホストサーバーがストレージに対してスナップショットを作成することによる管理負荷を軽減するという特長があります。

ハードウェアベースのスナップショットをどのように定義しているか?

ハードウェアベースのスナップショットはソフトウェアベースのスナップショットより高速ですが、反面、その使用は必ずしも容易ではありません。従来の共有ストレージシステムは、フラッシュやSDDドライブを採用しているものでさえ、専用ソフトウェアやプラグインによってVM単位のスナップショットをシミュレートできるにすぎません。残念なことに、基盤となるハードウェアの導入や管理の複雑さ、制限から逃れることはできないのです。

Tintri VMstoreは、VMが格納されているストレージの状態に対してスナップショットを取るのではなく、実際にVMに対してスナップショットを作成する唯一のストレージアプライアンスです。この2つのアプローチは対象的ですが、仮想化ストレージプラットフォームの取得および導入コストから管理性、TCOに至るまでのライフサイクル全体で、これらの選択があなたの組織にどのような影響を与えるかをしっかりと理解しなければなりません。

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何をスナップショットするか仮想化が主流の技術となる以前から長きにわたり、ストレージシステムが提供する高度なスナップショットを利用することができました。ハードウェアベースのスナップショットはソフトウェアベースのスナップショットのパフォーマンスの制限を超えられるようにストレージベンダーによって仮想化にも適用されました。しかし、従来型ハードウェアによるスナップショットの優れた適応性が重要とされる一方で、それぞれのストレージ技術に依存する課題や制限も同じように引き継がれてしまいます。

ハードウェアベースのスナップショットは何をキャプチャするのか?「それぞれのハードウェアに依存します」というのが答えです。基本的には、汎用ストレージおよびSANシステムの設計思想は、「ハードウェアとして動くこと」であり、物理サーバーやPCのように振る舞うことです。

図5:仮想化適用前の「ベアメタル」物理サーバーを使用したスナップショット

仮想化が適用される以前において、ハードウェアスナップショットは、物理的サーバーやそのアプリケーションに適していました。サーバーやアプリケーションの迅速なリカバリーが可能なため、スナップショットの取得回数はより多くなりました。

仮想化の導入ハイパーバイザーサーバーソフトウェアは「ベアメタル」、つまり、物理的サーバーハードウェア上で動作します。代表的なハイパーバイザーはVMware vSphere(ESX / ESXi)や Microsoft Hyper-V、そしてCitrix XenServerが挙げられますが、本書では、VMware vSphereにフォーカスします。

従来の共有ストレージと比較的新しいESXiのバージョンを利用すると、SANテクノロジーと機能拡張されたVMFSによって、これまでにない巨大なデータストアを構築することが可能となります。しかし、データストアとしてLUNを使用するハードウェアベースのスナップショットを活用する場合、データストア全体とそこに含まれるすべてのVMを含むスナップショットを作成しなければならないことというトレードオフが発生します。従って、次のトレードオフを選ばなければなりません。

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• ストレージシステムの操作を通じてVM毎に一つずつデータストアを割り当て、非常に多くのデータストアをプロビジョニングし、VM毎に(より正確にはVMを含むデータストアの)スナップショットを生成

• 管理をシンプルにするために少数のデータストアで複数のVMを配置し、VM単位のスナップショットの忠実性を犠牲に

さらにこれは、LUNまたはターゲットキュー深度、プロトコル、スイッチファブリックなどの要因により、SAN環境下でLUNごとにVMや仮想ディスクを制限することにつながります。このようなストレージに起因する制限はVMおよびアプリケーション管理に影響を与えます。そして、Software-Defined Data Centerにおいて、このような制限事項は増々受け入れ難くなってきています。

図6:物理サーバー用に設計されたスナップショットは仮想化に最適ではない

LUNあるいはボリュームのスナップショットは、どのVMが関連するかかにかかわらずVMのすべてをキャプチャします。スナップショットはVMだけでなく、LUNやボリューム、その他のストレージシステムユニットのものにも関連付けされます。結果として、従来型ストレージを用いた場合、複雑なストレージ構成からは逃れられないのです。

物理ハードウェアから仮想化へのパラダイムシフトは古いストレージ技術を無駄に引き伸ばしてきました。新しく市場に登場したフラッシュベースの製品は、これまで長く扱われてきた共有ストレージの設計上におけるこれらの限界をより顕在化させます。その枠に入らないTintri VMstoreだけがVM-awareである、つまり、VMのことを理解した上で動作するのです。

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個々のVMスナップショットを対象とするために多数のデータストアをプロビジョニング

     

図7:VMごとのスナップショットを可能にする、データストアのプロビジョニング

後付では価値はない従来のストレージを用いる場合、個々のVMスナップショットを実現するためには、まず、VMを管理する方法に合わせてストレージを構成する必要があります。その後、これに従ってVMを強制的に配置します。柔軟性のない従来型ストレージはSoftware-Defined Data Centerと相反するものです。このことは敏捷性およびリソースの有効活用という仮想化固有の利益は大きく制限され、ストレージおよび仮想化管理者への不当な圧力を生み出します。

Tintri VMstoreは、フラッシュ(SSD)や仮想化環境に特化した仮想化専用ストレージアプライアンスです。各Tintri VMstoreは、様々な面で個々のVMに対応するよう設計されたデータストアとして動作します。この革新的なアプローチは、仮想化とこれらのストレージプラットフォームやスナップショットとの間のギャップを減少させることができます。このことは、従来のストレージベンダーが必要にせまられて開発・サポートしてきたボルトオンソフトウェアやプラグインを大きく凌駕するものです。

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Tintri VMstore概要

新しく登場したフラッシュストレージも含めた従来の共有ストレージシステムは、20年以上も前から使われ続けているものと同様の複雑さやストレージ中心の管理パラダイムに未だ苦しんでいます。Tintri VMstoreはラックに設置した数分後にはVMから利用可能になります。仮想化に特化して開発されたTintri VMstoreの独自の機能は、VM稼働環境をあらゆる面で大きく改善します。

Tintri VMstoreは、実行中のVMと従来のドキュメントやイメージファイルを区別できない従来のストレージシステムと一線を画します。Tintri VMstoreだけがVMをVMとして認識することができます。また、Tintri VMstoreだけが唯一、各VMの重要な詳細情報を本質的に理解することができ、VMや仮想ディスクをI/Oオペレーションごとに識別することができるのです。本質的なVMとしての認識やVM単位での正確なスナップショットとクローニング、レプリケーションはTintri VMstore独自の機能です。

SnapVM, CloneVM, およびReplicateVMといったTintri VMstoreの機能は、3Uサイズの1台のTintri VMstoreアプライアンス上で1,000台のVMにおいて、なんら制限なく個々のVM単位で保護や管理およびレプリケーションを可能にします。ReplicateVMは、高速なローカルネットワーク(LAN)または広域ネットワーク(WAN)専用回線上でVMごとのレプリケーションを可能にします。Tintri VMstoreの概要について詳しく知りたい方は、Tintriのウェブサイトに掲載されているVMstore概要資料をぜひご覧ください。http://go.tintri.com/vmstore-whitepaper

Tintri VMstoreスナップショットTintri VMstoreに組み込まれたスナップショットとクローン作成機能は、管理者が自身のVMを配置しなければならないLUNやボリュームなどのストレージユニットに適用されるのではなく、直接VMに適用されます。

Tintri VMstoreはスナップショットに関してソフトウェアベースとハードウェアベースの両方の良いところを併せ持っています。それはVMごとに取得可能であること、実行速度、効率性および消費電力の面においてです。

図8:Tintri VMstoreは、従来型ストレージシステムで必要とされていた導入、構成および管理の複雑性を排除する一方で、正確なVMごとのスナップショット、クローニングおよびレプリケーションを特徴としています。

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Tintri VMstoreによるVMクローニング

クローニングという用語は同一のVMのコピーを作成することを意味しますが、それは全体像ではありません。

指定されたスナップショットからのクローンは同じ起点を共有しますが、一度作成されたそれぞれのVMは、自身のアイデンティティを持って独立したVMとして動作します。

図9:選択されたスナップショットからクローニングすることで新しいVMを作成

上記の簡素化された例では、VM4のスナップショット「S4」からのクローニングプロセスはインベントリに示される10のVMのうち6つ(右上)をクローンしています。新しいVMは、手動あるいは自動によるいずれかの手段を通じ、自身の名前、IPアドレス、ソフトウェアライセンス等を以って、最初のブート時にカスタマイズすることができます。この種の操作は仮想デスクトップ環境(VDI)のVMとサーバーのVMの両方に適用することができます。

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質問: 「クローニングによって新しいVMを作成した場合、クローニングはどのようにリカバリーも可能にするのでしょか?」

データや設定情報などを持った、論理的なオブジェクトとしてのVMを考えます。同じように例えるなら、貝殻は貝を含みます。この例での「貝殻」とはVMware VMであり、「貝」とはWindows、LinuxなどのゲストOSとそのアプリケーションやデータを意味します。Tintri VMstoreでVMをクローニングする場合、管理者は常にスナップショット内のVMと同様のデータを含む新しいVMを作成することができます。

図10:スナップショットからVMをクローニング          

上記の例では、スチュー(Stu)のVMで問題が発生した場合、対象となる古いVMを削除し、新しいVMをVMのスナップショットから作成(左下)し、これに以前と同じVMの名前を設定すれば、業務に復帰することができます。これは簡単なリストアまたはリカバリーの一例です。注:この場合、スナップショットから複数のVMを戻せても、スチューにとって便利であるとは考えにくいです。

次に、同様の設定を持つ多数のVMを作成するための始点に用いるVMのゴールドイメージを用意することを考えます。その後、クローニングを通じて新しいVMを作成するための基礎として用いるスナップショットを作成します。これにより、共通の構成や設定を持つVMを追加的に導入する場合、個別にVMを設定・導入するよりも作業が非常に容易となります。

ここでの内容を理解するために最も注目すべき点は下記のとおりです。• スナップショットを作成する直前のVMの状態が、スナップショットに何が取り込まれるのかを決定• クローニング時は、VMスナップショット内でキャプチャされた時点での状態を始点のベースとして活用• クローニング後に何を行うかは、vCenterインベントリに追加され、電源投入する新しいVMをどのように活用したいかによって決まる

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一般的なVMクローニングのシナリオTintri VMstoreは非常に素早くクローニングを行うことができます。Tintri VMstoreは、高いアクティビティのスパイクを伴う数百のサーバー VMを同時に起動するといった迅速なサーバー導入シナリオや、VMware Horizon ViewあるいはCitrix XenDesktopと共に数百あるいは数千の仮想デスクトッププールやカタログを展開するようなケースに効果的です。

VMクローニングが用いられる一般的なアプリケーションのリストの一部は下記のとおりです。

• VMware Horizon Viewデスクトッププールの作成• XenDesktopカタログの作成• ウェブサイトや、ソフトウェアおよびデータベースの開発・テスト環境といった動的な環境• スナップショットからMicrosoft Exchange、Microsoft SQL Server、OracleデータベースまたはSAPといったサーバー VMのリカバリー

• 稼働中VMに影響を与えることなく、VMのスナップショットが作成された時点のデータへのアクセスを提供するデータ復元シナリオ

• vCenterのクローンを既に使用、あるいは使用を検討している環境

図9でハイライトされている金色のVMスナップショット「S4」は、特別なものではありません。実際にはどのVMのどのスナップショットを選択しても、クローニングのベースとして使用できます。Tintri VMstoreがコマンドごとに一度に作成できる新しいVMの数は、1~ 500の範囲となります。

図11:Tintri UIを利用し1~ 500のクローンを作成          Tintri VMstore UI上からVMのクローンを行う際は、既存のスナップショットからクローンを作成、あるいは「Clone(クローン)」ボタンを押した時点でTintri VMstoreが自動でスナップショットを作成し、そこからクローンを作成することができます。

Tintri VMstoreがVMのクローニングに関する情報をvCenterから取得できるように、管理者はvCenterのカスタマイズ仕様の機能を使用することができます。それにより、VMの登録と展開先として特定のvSphereクラスタあるいは仮想ホスト(ESX / ESXiのサーバー)を選択することが可能です。また、Tintri VMstoreはクローニングされたVMをすぐに使用できるように、vCenterのインベントリへ自動的に追加します。

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vSphere のTintri VAAIプロバイダ各vSphereサーバーにインストールされたTintri VAAI(vStorage API for Array Integration)プラグインは、vCenter内のすべてのVMがTintri VMstoreの高速で強力かつ、領域を効率化するクローニング機能の活用を可能にします。

vSphereクライアントを用いて、管理者はVMを右クリックし「Clone VM(VMのクローン作成)」を選択することで、VMのクローンウィザードを開始できます。vSphereはTintri VAAIプロバイダを利用し、Tintri VMstore にクローニング処理を託します。

VAAIの動作vSphereがVMのクローン作成要求を受け取ると、vSphere はVMのデータストアを確認し、データストアがハードウェアアクセラレーションをサポートするかを確認します。各vSphereサーバーにおけるTintriプロバイダプラグインはvSphereとTintri VMstore間で機能します。その後、vSphereはクローニング処理をTintri VMstoreに委託し、Tintri VMstoreはクローニングの完了をVAAI経由でvSphereに通知します。

図12:VMware vSphereクライアントでデータストアを表示

VMの設定を自動化するためWindows PowerShellおよびVMware PowerCLIを使用vSphereがvSphereクライアント、PowerCLI、またはvSphere API経由のコマンドを認識してデータストアを管理するのと同じように、Tintri VMstoreは、Tintri VAAIプロバイダを利用することで、PowerShell/ PowerCLI、またはvSphere APIの呼び出しなどの方法からVMのクローニングを実行することができます。

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Tintri ReplicateVM

Tintri OSリリース2.0に搭載されたTintri ReplicateVMは、単一または複数のデータセンター上におけるスナップショットやTintri VMstoreのクローニング機能を拡張します。ReplicateVMはクローニングと同じく、レプリケーションの方法として特定時点でのVMスナップショットを用います。例えば、15分ごとのスナップショットを作るスケジュールが設定されていれば、それにあわせてレプリケーションが設定されます。つまり、レプリケーションで保護されたVMにとって、スナップショットスケジュールおよびレプリケーションスケジュールは同様のものです。

レプリケーションパスの構成Tintri VMstoreはシステムごとに16のパスをサポートしています。Tintri VMstoreシステム間のレプリケーションパスを設定するのはとても簡単です。

• レプリケーション先のTintri VMstoreへのネットワークのパスを指定(図13)• VMを右クリックし、VMの「Protect(保護)」オプションを選択(図15)• 個々のVMに対して、3種類のスケジュールまでを指定(図17)• 「Protect by replicating snapshots(スナップショットを複製で保護)」のチェックボックスをチェック(図16、17)

図13:Tintri VMstore間のReplicateVMのパスやオプションを設定

パスのホスト名とIPアドレスを指定することに加え、管理者がレプリケーションキーを設定する必要があります。レプリケーションキーは暗号のような文字列を使うこともできますし、覚えやすく、簡単に入力できるようなキーのほうがより容易である場合もあるでしょう。管理者は自身の組織で何が最も機能するかを決定することができます。

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パス単位のスロットル設定ReplicateVMパス仕様はTintri VMstoreデバイス間でのローカルおよびレプリケーション先のネットワークパスを指定するだけにとどまらず、オプション定義された各パス上におけるスナップショットデータの転送速度の最大値を毎秒メガバイト(MBps)単位で規制することができます。

スループットのスロットルにより、管理者は営業時間中ならびに営業時間外にレプリケーションが使用する帯域幅の利用を規制し、期待通りに運用することが可能となります。これは、異なる場所やタイムゾーンにおけるデータセンター間のWAN専用回線を用いてデータをレプリケーションする際に特に有益です。

スナップショットによるレプリケーションシステムのデフォルトのスナップショットスケジュールによって、ReplicateVMにおけるVM単位のレプリケーションを実行することはありません。ただし、レプリケーションのためにVMを選択した場合、レプリケーション用にシステムのデフォルトのスナップショットスケジュールを継承して使用する(図16)、または各VM用に個々のスケジュールを作成することができます(図17)。

デフォルトのスナップショットスケジュールの定義システム上のすべてのVMのデフォルトスケジュールを設定するには、図14のように、Tintri VMstore上の「Settings(設定)」メニューにアクセスし、「Snapshots(スナップショット)」タブを選択してください。

図14:システム全体のVMのスナップショットのデフォルトスケジュール設定

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VM単位のレプリケーションを実現

図15:Tintri VMstore UIの「Protect」項目へのアクセス

レプリケーションを構成するVMを選択し、Tintri VMstoreのスナップショットスケジュール(時、日、週)に従ってVMのスナップショットを作成することで、レプリケーションによる保護が可能です。

「Protect(保護)」メニューを選択し、VMの保護設定画面を開きます。「Use system default(システムのデフォルトを使用する)」のチェックボックスの設定がデフォルトでチェックされ、デフォルトのスナップショットスケジュールと一致していることがわかります(図14と図16)。

図16:VMごとのベースにレプリケーションを選択可能

上記のように、「Protect by replicating snapshots(スナップショットをレプリケーションで保護)」オプションを有効にすることで、Tintri VMstoreは重複排除と圧縮を行った上でスナップショットを転送し、VMを保護します(図20)。

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ReplicateVMの設定をカスタマイズスナップショットおよびレプリケーションの設定は、VM毎に構成可能です。図17では、「Use system default(システムのデフォルトを使用する)」チェックボックスをオフにした場合に各VMが使用できる追加のオプションについて説明しています。

図17:時、日、および週のスナップショットスケジュールを用いたVMのスナップショット保護をさらにカスタマイズ

図17のオプションはTintri VMstore上のどのVMに対しても適用することができます。ストレージの専門家でないとわからないような項目がないのは、それらを省略しているからではありません。Tintri VMstoreはその管理をわかりやすいものにし、VMとそれらのアプリケーションやサービスの管理に専念することを可能にします。

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VMごとに更新新しいスナップショットが作成されると、ReplicateVMはその更新データの転送を開始します。つまり、ReplicateVM はTintri VMstoreの各VMのスケジュールで作成されたスナップショットだけではなく、管理操作(図18)によって作成されたスナップショットもVMのレプリケーション先のVMstoreに転送し、更新します。

図18:マニュアルスナップショットの作成

レプリケーション速度と効率性レプリケーションが設定されたVMの場合、その差分データの転送は重複排除とデータ圧縮が行われ、最適なパフォーマンスと高いネットワーク効率によって高速な転送速度により実行されます。

管理者は、直感的なUIと統合されたVM単位のグラフィカルな画面を通じて、各VMのレプリケーションパフォーマンスをReplicateVMのグラフによって管理できます。

VMのReplicateVMグラフは、VMの豊富なドロップダウンリストを選択することでTintri UIから簡単にアクセスできます(図19)。ReplicateVMグラフは、各VMのレプリケーション元とレプリケーション先の両方のTintri VMstoreシステムで表示可能です。管理者は個々のVMおよび全体のレプリケーションステータスの進行状況やスループットをわかりやすく確認できます。

図19:VM単位のReplicateVMグラフ

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論理スループットvs.ネットワークスループット論理スループットは重複排除およびデータ圧縮適用前の「完全な状態での」サイズを表しています。ネットワークスループットは、実際に転送された、Mbps単位で測定されたデータ量を表します。重複排除とデータ圧縮は、ReplicateVMの機能です。

   

図20: 重複排除・圧縮適用前のVMの論理スループットおよびネットワークのレプリケーションスループット

Tip:図13のように、Tintri VMstoreアプライアンス間で構成される各パスのためのスロットル値は、業務時間内とそれ以外の時間帯におけるそれぞれのピーク値をレプリケーションスループット上限(MBps単位)として設定することに注意してください。

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ReplicateVMでのリモートクローニング本書の「Tintri VMstoreによるVMのクローニング」セクションに記載されているクローニングオプションに加え、ReplicateVMはTintri VMstoreのクローニング機能を拡張し、下記のような新しく柔軟なオプションを提供します。

• 単一のTintri VMstoreから単一のTintri VMstore、多数のTintri VMstoreから単一のTintri VMstore、あるいは双方向のトポロジーでVMをレプリケーション

• リストアあるいは新規作成におけるクローニングは、ローカル(レプリケーション元)での実行だけでなく、リモート(レプリケーション先)のVMstore上での実行もサポートされています。また、リモートクローニングと呼ばれる形態もサポートされます。

    図21:VMのクローニングにおいてローカルあるいはリモートのTintri VMstoreを指定

管理者はリモートクローニング機能により、ReplicateVM構成のレプリケーション先として設定されているVMstoreに対して、Snapshotをベースに新しいVMを作成できます。そして、仮想化環境の管理者は、例えばvSphereクライアントのデータストアブラウザを使用してTintri VMstoreをブラウズし、リモートVMstore上の新しいVMをvCenterインベントリに追加します。リモートクローニングは多数のアプリケーションに強力なリモート管理機能を提供します。

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アプリケーションReplicateVMは多くのアプリケーションに多くの利便性をもたらします。下記はTintriのお客様が利用されているReplicateVMとTintri VMstoreがテスト、またはサポート済みのアプリケーションの例です。

• VMware Horizon View(VDI)• Citrix XenDesktop(VDI)• Microsoft SQL Server 2005(HAのデータベースモニタリングを含む)• Microsoft SQL Server 2008/R2(HAのデータベースモニタリングを含む)• Microsoft SQL Server 2012 (HAのAlwaysOn 可用性グループを含む)• Microsoft Exchange Server 2010 (HAのAlwaysOn 可用性グループを含む)• Microsoft Exchange Server 2013 (HAのAlwaysOn 可用性グループを含む)• UnixおよびWindowsにおけるSAP ERP環境• エンジニアリングおよび地球物理学的アプリケーション • テスト、開発環境およびQA のためのプラットフォーム• 会計アプリケーション • プライベートクラウドおよびホスティングプロバイダ• ビジネスインテリジェンスおよびレポーティングアプリケーション

ReplicateVMは、業務に不可欠な資産やミッションクリティカルなデータセットをレプリケーションするための強力な機能を提供します。これには、サーバーの仮想化やデスクトップ仮想化環境で使用されるコアVMとアプリケーションイメージの保護、各所に分散したデータセンター内の複数のシステム上でそれらのアプリケーションやイメージのスナップショットをレプリケーションすることに留まりません。

お客様の全ての仮想化アプリケーションや資産に関連したデータ保護の目的を達成するために、いかにTintri VMstoreがお役に立つかをさらに詳しくお聞きになりたい場合は、ぜひTintri社にお問い合わせください。

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まとめ

スナップショットはデータ保護、リカバリー、およびクローニングをサポートしています。従来のストレージシステムはVM環境への適用レベルが貧弱で、極めて複雑であり、Software-Defined Data Centerの考え方に適合できません。Tintri VMstoreのスナップショットスケジュールは、システム全体のデフォルトだけでなく、VMごとに、時、日、週の単位で設定することが可能です。Tintri VMstoreはCrash-consistentおよびVM-consistentスナップショットの両方をサポートしています。システムデフォルトとVM単位に設定されるそれぞれのスナップショットスケジュールの設定は、それぞれのスナップショットにおける一貫性のための設定をサポートしています。スナップショットおよびクローンはデータブロックを共有し、容量とパフォーマンスを大きく効率化しています。クローニング動作はスナップショットをその起点としており、そこから新しいVMを作成します。VMスナップショットによって得られたVMの状態をベースとして、新しいVMのクローンを作成します。クローニングによって作成されたVMは、親スナップショット内のVMと同じ設定で構成される新しいVMとして以前のVMを置き換えることができるため、リカバリーにも適用することが可能です。Tintri VMstoreは複数のvCenterインスタンスをサポートしています。Tintri VMstoreはvCenterと統合することによって、vCenterインスタンスに関連付けられているvSphereクラスタやスタンドアロンのESX / ESXiホストを検出します。クローニングにおいて、管理者は新しく作成されたVMの登録対象となるvSphereクラスタおよびスタンドアロンのESX / ESXiサーバーを選択することができます。Tintri VMstoreは大量の新しいVMクローンを瞬時に作成することができます。Tintri VMstore UIは、一度の操作で1~ 500のVMクローンを作成することをサポートし、新しいVMをvCenterに自動的に登録し、管理を容易にします。

Tintri VMstoreリリース2.0はTintri ReplicateVMを通じ、Tintri独自の仕組みである「VM単位で管理する」機能をさらに発展させる強力な新機能を含んでいます。ReplicateVMは従来のストレージ·システムが持つ複雑性を解消し、かつてないレベルでVMのデータ保護を実現します。ReplicateVMによる差分データの更新は、新しいスナップショットが作成されるタイミングで行われます。同じデータセンター内またはリモートのデータセンターに設置されたTintri VMstoreアプライアンスの間でレプリケーションパスを構成することは簡単です。Tintri VMstoreアプライアンスは、単一のTintri VMstoreから単一のTintri VMstore、多数のTintri VMstoreから単一のTintri VMstore、あるいは双方向構成で、すべての機能を同時に実行することができます。重複排除とデータ圧縮は高速LANおよびWAN上で、Tintri VMstoreシステム間の効率的なデータ転送を確実に実現します。スループットを制限したい場合は、各パス構成におけるスロットル値を設定することで調整できます。リモートクローニングはReplicateVMの構成を用いて、レプリケーション先のVMstore上にVMのクローンを作成することをサポートします。ReplicateVMは、数多くの仮想化環境や仮想化されたエンタープライズアプリケーションに幅広く適用することが可能です。