video journal(ビデオジャーナル) - 2016年7月号
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● 昭和 43 年 3 月 1 日創刊 ● 毎月 15 日発行●【発行所】株式会社伸樹社 ●【発行人】立石伸雄● 〒 160-0006 東京都新宿区舟町 4-4-101● TEL.03-3353-9508 ● FAX.03-3357-4846● 年間購読料 10,800 円(税込)・一部 980 円(税込)● http://www.videojournal.co.jp ● [email protected] 2 0 1 6
Vol.1314July
◆ INDEX ◆
◎ 1 面:池上通信機、「放送映像機器内覧会 2016-Ikegami Broadcast Equipment-」を開催◎ 2 面:ソニー、「2016 映像制作機器 新商品内見会」を開催◎ 4 面:パナソニック、「After NAB 2016 新製品発表会」を開催◎ 6 面:宏哉の Next-Gadget; 〜ミニマムパッケージにおける照明機材◎ 8 面:岡英史の ViewFinder 〜ビデオカメラバック thinkTANKphoto Video Workhorse 25 ◎ 9 面:熊籔智の Director's Cut 〜 AG-DVX200 レビュー
各社が内覧会を開催〜 NAB 出展製品プラスαを紹介
池上通信機は 6 月 16 日、17 日の両日、東京駅近くのビジョンセンター東京で「放送映像機器内覧会 2016-Ikegami Broadcast Equipment-」を開催した。会期中は同社の最新の放送映像機器が展示されたほか、セミナーも開催された。 以下、今回の展示会で注目の 3 つの新製品を中心に紹介していく。
■ 4K/HD ポータルブルカメラシステム「UHK-430」
「UHK-430」は 2/3 型 4K3CMOS 3 板式システムカメラ。池上の次世代カメラシリーズ “UNICAM XE” の
最初のラインナップとして誕生したカメラだ。同カメラは 4K/HD マルチフォーマットシステムカメラで既存の HD レンズも使用可能(放送用 HDカメラで主流となっている B4 マウントを採用)。使い慣れた HD カメラと同様の運用で 4K の映像制作ができるのも魅力だ。また、センサユニットとメインユニットが分離する構造になっているため、オプションの延長アダプタ(2017 年リリース予定)を装着することにより延長運用も可能。
「CCU-430」 は UHK-430 の カ メ ラコントロールユニット。4K、HD の信号に対応している。カメラ間の伝送
4 月の NAB 以降、After NAB という位置づけで各メーカーが国内各地で展示会を開催した。展示内容としては NAB Show に来られなかった業界関係者向けに NAB で出展した新製品の紹介、またプラスαとして、国内に向けての訴求ということで国内向けのシステム等の展示に加えて 4K、HDR、IP まわりの技術的なセミナーも活発におこなわれた。今号では、6 月に都内で開催された池上通信機、ソニー、パナソニックの展示会について順次レポートする。
路は 40Gbps の超広帯域を確保され、R:G:B 4:4:4 の 4K 非圧縮信号伝送を実現。ビューファインダは用途に合わせて選択可能な 3 機種を新たにラインアップ。「SE-U430」は高倍率の大型レンズや大型のビューファインダを取付けてライブカメラと同等の運用を可能にするシステムエクスパンダ。
■ 31 型 4K UHD LCD カラーモニタ「HQLM-3120W」
「HQLM-3120W」 は、31.1 型UHD、高コントラスト(1450:1)、
池上通信機、「放送映像機器内覧会 2016-Ikegami Broadcast Equipment-」を開催
(2面に続く→)
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VIDEO JOURNAL July 2016 | VOL.1314 |(2)REPORT
テクノイケガミの安田氏(左)と池上通信機の秋山氏
2016 年 8 月発売予定のオプティカルディスク・アーカイブドライブユニット「ODS-D280U」。
広視野角(上下左右 178°)、色再現性に優れた IPS 液晶パネル(LED バックライト搭載)を採用した 31 型 4K UHD LCD カラーモニタ。今年の秋頃の出荷を目指しているという。
■超高感度マルチパーパス 3MOS HDTV カメラ「HDL-F3000」 「HDL-F3000」の特長は「超高感度・超軽量・超小型」。最低被写体照度 0.0068lx 以下(フレーム蓄積を使用時は、0.000057 ルクス)で一般的な HD カメラと比較すると夜間での撮影映像は驚くほど鮮明な映像を撮影することができる。もちろん、昼間や照明下で通常の HD 撮影も可能だ。また、画像鮮明機能により、霧の除去、逆光補正が可能で厳しい条件下でも鮮明な画像を撮影することができる。カメラヘッドは奥行き 80mm、約 1kgと小型軽量で小型ジンバルに搭載の場
合でも、長尺レンズ用に十分なスペースを確保することが可能だ。
展示会と併催してプレゼンテーション / セミナーがなされた。「池上通信機の 4K 製品展望~内覧会展示機器と今後~」では、同社のマーケティング本部 副本部長 秋山浩志氏が同社の4K 製品についての展望、HDR への取り組み、VoIP への対応状況、今回展示の新製品の特徴等を説明した。 続いて登壇したテクノイケガミのカスタマーサービス統括本部 安田統括部長は同社の取組みについて以下のように紹介した。
「我々、テクノイケガミは池上通信機のグループとして製品の納入からアフターサービスまで一貫してお客様に提供してご満足頂ける体制を整えようとしています。そのなかの取り組みとして、本日は 3 点ご説明させて頂きます」
安田氏発表の 3 点は以下の通り。
1. コンシェルジュ型サービスへの転換SNIPER 型から CONCIERGE 型サービスへの転換1)修理から保守サポートへ転換する。2) 保 守 契 約 の 締 結 に よ り、CONCIERGE 型サービスで顧客の設備のライフタイム価値の最大化を図る。
2. 顧客に提供する製品の「ライフタイム価値の最大化」を目指す1)DB 設備によるサービスの質の向上と作業の効率化2)サービス部門の強化により、CX
(Customer eXperience 顧客体験)の向上を図る。
3.「生産技術の向上と伝承」を実現する。(クオリティーイノベーションの推進、強化)
1)技術を継承しながら改善を進める。2)システム機器の保守業務と修理業務の品種拡張。
「データベースはお客様のカルテだと思っております。こちらを社内の共通情報として活用しまして、人間の医療でも言われておりますように “ 治療から予防医学 ” というようなコンセプトで我々もサービスに取り組みたいと思っております」(安田氏)
ソニーは 6 月 16、17 日の両日、ソニー本社ビル 2 階 大会議場において「2016 映像制作機器 新商品内見会」を開催した。今回の内見会では 4月の NAB で出展された機材やシステムから新商品を中心として紹介された。主な展示内容は以下の通り。 「Live HDR 制作」では HD/SDR 制作と 4K/HDR 制作を両立させるワークフローの紹介。4K/HD 対応システムカメラ「HDC-4300」は HD で 8倍の高精細なスーパースロー映像も可能。対応するベースバンド・プロセッサ ー ユ ニ ッ ト「BPU-4500/4000」新バージョンとの組み合わせで Live HDR に対応する。 「カメラスタジオ」では前述した
「HDC-4300」をはじめとした同社の新製品カメラ群の紹介。 「S-Log 制作ワークフロー」では、RAW Viewer(※ Sony RAW ファイルを処理できるビューア アプリケー
ション)の新バージョンを参考出品。新バージョンでは AXS-R7 で新たに収録可能となる X-OCN フォーマットをサポート、撮影素材に対し、HDRの各種 EOTF を適用、プレビューが可能になるなどが紹介された。 「Media Backbone」はコンテンツのインジェスト、編集、配信、アーカイブといった作業を一括運用することで、業務を効率よく向上。Media Backbone 報道ソリューション(ワイヤレス取材、報道収録システム、報道素材管理編集、スタジオサブ送出システム)が紹介された。 パナソニックと共同開発の業務用次世代光ディスク「アーカイバル・ディスク」。オプティカルディスク・アーカイブ第 2 世代では、11 枚のアーカイバル・ディスクをコンパクトなカートリッジにおさめ、可搬型で 3.3TBの大容量記録メディアとして運用することができる。この第 2 世代の新
製品(右写真)が 8 月に発売予定だ。アーカイバル・ディスクの保存寿命はHDD が 5 年、テープが 30 年に対して 100 年に達する。また保存環境への特性に関してもテープ(LTO)と比較して温湿度への変化の耐性が光ディスクが温度:-10℃~ 55℃、湿度:3%~ 90%、テープ(LTO)が温度:16℃~ 35℃、湿度:20%~ 80%と優位性がある点などが説明された。 モ ニ タ ー 関 連 で は 会 場 中 央 に
「PVM-X550」が設置され、注目を集めた。同モニターは 4K(3840x2160)の有機 EL パネルを搭載した 55 型 業務用 4K 有機 EL モニター。HDR 表示対応し、4 分割表示した映像ごとに個別の設定ができる新機能「Quad View 表示」を搭載している。 その他、ハンディ、大判、ショルーダー各種のカムコーダーのハンズオンや放送機器導入支援の為のファイナンスプログラム等の紹介も見られた。 また、セミナーも併催された。「4K LIVE-HDR の事例紹介と今後の展開 /放送局における HDR の制作状況」で
は、ソニー機材を用いて HDR 映像を制作している放送局が最新の事例やノウハウを講演。HDC-4300 によるLIVE HDR 映像制作について 2016 ソニーオープン・イン・ハワイの事例を紹介した。「IP Live Production System が提供する新たな付加価値と展開」では、IP ならではの新たな付加価値や事例、標準化の進展などを説明。また NMI を活用した伝送サービスに取り組んでいる実際の事例を紹介した。「オプティカルディスク・アーカイブ第 2 世代と広がるワークフロー」では、新技術の解説と大容量メディアを活用した新しいワークフローを提案した。
ソニー、「2016 映像制作機器 新商品内見会」を開催