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Veritas InfoScale™ 7.0 仮想 化ガイド- Linux on ESXi 8 2015

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Veritas InfoScale™ 7.0 仮想化ガイド- Linux on ESXi

8 月 2015

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Veritas InfoScale™ 7.0 仮想化ガイドこの本で説明されているソフトウェアは使用許諾契約の下で提供され、同意条項に従う場合にのみ

使うことができます。

製品のバージョン: 7.0

マニュアルバージョン: 7.0 Rev 1

法的通知と登録商標

Copyright © 2015 Symantec Corporation. All rights reserved.

Symantec、Symantec ロゴ、Checkmark ロゴ、Veritas、Veritas ロゴ、CommandCentral、NetBackup、Enterprise Vault、LiveUpdate は、Symantec Corporation または同社の米国およびその他の国における関連会社の商標または登録商標です。 その他の会社名、製品名は各社の登録商標または商標です。

本書に記載の製品は、ライセンスに基づいて配布され、使用、コピー、配布、逆コンパイル、リバー

スエンジニアリングはそのライセンスによって制限されます。 本書のいかなる部分も、SymantecCorporation とそのライセンサーの書面による事前の許可なく、いかなる形式、方法であっても複製することはできません。

本書は「現状有姿のまま」提供され、商品性、特定目的への適合性、不侵害の黙示的な保証を含

む、すべての明示的または黙示的な条件、表明、保証は、この免責が法的に無効であるとみなされ

ないかぎり、免責されるものとします。 Symantec Corporation は、本書の供給、性能、使用に関係する付随的または間接的損害に対して責任を負わないものとします。 本書に記載の情報は、予告なく変更される場合があります。

ライセンス対象ソフトウェアと関連書類は、FAR 12.212 の規定によって商業用コンピュータソフトウェアとみなされ、場合に応じて、FAR 52.227-19「Commercial Computer Software - RestrictedRights」、DFARS 227.7202「Rights in Commercial Computer Software or Commercial ComputerSoftware Documentation」、その後継規制の規定により制限された権利の対象となります。米国政府によるライセンス対象ソフトウェアと関連書類の使用、修正、複製のリリース、実演、表示または開

示は、本使用許諾契約の条項に従ってのみ行われるものとします。

Symantec Corporation350 Ellis StreetMountain View, CA 94043

http://www.symantec.com

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テクニカルサポート

シマンテック社のテクニカルサポートは、サポートセンターを世界規模で運営しています。

テクニカルサポートの主な役割は、製品の特徴や機能に関する問い合わせに対応する

ことです。 テクニカルサポートグループは、オンラインのナレッジベースも作成しています。 テクニカルサポートグループは、社内の他の部門と連携して、適時ユーザーの質問に答えます。 たとえば、テクニカルサポートグループは製品技術部門およびシマンテックセキュリティレスポンスと協力して、アラートサービスやウイルス定義の更新を提供します。

シマンテック社が提供しているサポートには次のものが含まれます。

■ 組織の大きさに合わせて適切な量のサービスを選択可能な、さまざまなサポートオプ

ション

■ 迅速な対応と最新情報を提供する、電話および Web によるサポート

■ ソフトウェアアップグレードを配布するアップグレード保証

■ 地域別の業務時間帯、または 24 時間 365 日利用できるグローバルなサポート

■ アカウント管理サービスを含むプレミアムサービス製品

シマンテック社のサポート提供については、次の URL で当社の Web サイトを参照できます。

www.symantec.com/business/support/index?page=home&locale=ja_JP

すべてのサポートサービスは、サポート契約と現在のエンタープライズテクニカルサポー

トポリシーに応じて提供されます。

テクニカルサポートへのお問い合わせ

現在のサポート契約にご加入いただいているお客様は、以下の URL からテクニカルサポート情報にアクセスできます。

http://www.symantec.com/ja/jp/support/contact_techsupp_static.jsp

テクニカルサポートにお問い合わせになる前に、製品のマニュアルに記載されているシ

ステムの必要条件が満たされていることをご確認ください。また、問題を再現する必要が

ある場合は、問題が発生したコンピュータからお問い合わせください。

テクニカルサポートに連絡するときは、以下の情報をご用意ください。

■ 製品のリリースレベル

■ ハードウェアに関する情報

■ 使用可能なメモリ、ディスク容量、および NIC 情報

■ オペレーティングシステム

■ バージョンとパッチレベル

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■ ネットワークトポロジー

■ ルーター、ゲートウェイ、および IP アドレス情報

■ 問題についての詳細情報

■ エラーメッセージおよびログファイル

■ シマンテック社に連絡する前に行ったトラブルシューティング

■ 最近行ったソフトウェア設定の変更やネットワークの変更

ライセンスと登録

シマンテック製品に登録またはライセンスキーが必要な場合は、次の URL にあるテクニカルサポートの Web ページにアクセスしてください。

www.symantec.com/business/support/index?page=home&locale=ja_JP

カスタマサービス

カスタマサービス情報は、次の URL で入手できます。

www.symantec.com/business/support/index?page=home&locale=ja_JP

カスタマサービスは、次のような種類の技術関連以外のお問い合わせにご利用いただけ

ます。

■ 製品ライセンスまたはシリアル化に関する質問

■ 住所または名前の変更などの製品登録の更新

■ 一般的な製品情報(機能、使用できる言語、地域の販売店)

■ 製品の更新とアップグレードに関する最新情報

■ アップグレード保証とサポート契約に関する情報

■ シマンテック社の購入プログラムに関する情報

■ シマンテック社のテクニカルサポートオプションに関する相談

■ 技術関連以外の購入前の質問

■ CD-ROM またはマニュアル関連の問題

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サポート契約のリソース

現在のサポート契約についてシマンテック社にお問い合わせになる場合は、次に示すお

住まいの地域のサポート契約管理チームにお問い合わせください。

[email protected]アジア太平洋地域および日本

[email protected]ヨーロッパ、中東、およびアフリカ

[email protected]北米および中南米

マニュアル

製品マニュアルは PDF 形式でメディアに含まれています。 マニュアルの最新版を使用していることを確認してください。マニュアルのバージョンは各ガイドの 2 ページ目に記載されています。 最新の製品マニュアルはシマンテック社の Web サイトで入手できます。

https://sort.symantec.com/documents

製品マニュアルに関するご意見、ご感想をお待ちしています。 改善点のご提案、誤記や記載漏れなどをお送りください。 タイトル、マニュアルのバージョン(2 ページ目に記載されています)、報告する内容が含まれる章タイトルと項タイトルも記載してください。 次の宛先にお送りください。

[email protected]

最新の HOWTO 技術情報、マニュアルの更新、製品のマニュアルに関する質問については、Symantec Connect のストレージとクラスタのマニュアルのフォーラムを参照してください。

https://www-secure.symantec.com/connect/storage-management/forums/storage-and-clustering-documentation

Symantec Connect についてSymantec Connect はシマンテック社の企業のお客様向けのピアツーピアの技術コミュニティサイトです。 参加者はフォーラムへの投稿、記事、ビデオ、ダウンロード、ブログの作成や意見の提案などによって、他の製品ユーザーと連絡を取ったり情報を共有したり

できます。また、シマンテック社の製品チームやテクニカルサポートと対話できます。 内容はコミュニティによって評価され、メンバーは貢献に対する報酬ポイントを受け取ります。

http://www.symantec.com/connect/storage-management

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テクニカルサポート ............................................................................................. 3

第 1 部 概要 ..................................................................................... 11

第 1 章 VMware 環境での Veritas InfoScale ソリューションの概要 ......................................................................... 12

Veritas InfoScale 製品の仮想化ガイドの概要 ....................................... 12VMware 仮想化環境における Veritas InfoScale ソリューションの使用の

概要 ..................................................................................... 13VMware 環境での Veritas InfoScale ソリューションの働き .................. 15

Dynamic Multi-Pathing for VMware の使用の概要 ................................ 22SmartPool 機能について .......................................................... 23

Veritas InfoScale コンポーネントについて ............................................ 23VMware ESXi 環境の Veritas InfoScale ソリューションのサポートについ

て ........................................................................................ 26VMware 機能の Veritas InfoScale 製品のサポート .......................... 27

Veritas InfoScale 製品が対応する仮想化の使用例 ................................ 28

第 2 部 VMware 環境での Veritas InfoScale 製品の配備 ..................................................................... 32

第 2 章 初めに ................................................................................... 33

VMware ESXi 環境の Veritas InfoScale 製品のサポート対象設定 ............. 33ストレージ設定と機能の互換性 .......................................................... 34Veritas InfoScale 製品での VMware の設定について ............................. 35VMware 環境の Veritas InfoScale 製品のサポート ................................ 36VMware 仮想環境へのストレージソリューションのインストールと設定 ............ 36

目次

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第 3 部 VMware 環境での Veritas InfoScale 製品コンポーネントの使用例 ............................... 37

第 3 章 Veritas Operations Manager を使ったストレージからアプリケーションへの可視性 ............................... 38

を使ったストレージからアプリケーションへの可視性について ...................... 38Veritas IndfoScale Operations Manager の制御ホストについ

て .................................................................................. 39Veritas IndfoScale Operations Manager を使った VMWare インフラスト

ラクチャの検出について ............................................................ 41Veritas IndfoScale Operations Manager を使って vCenter と ESX

サーバーを検出するための必要条件 ...................................... 41Veritas IndfoScale Operations Manager による vCenter と ESX

サーバーの検出方法 .......................................................... 42Veritas IndfoScale Operations Manager が VMware インフラコン

ポーネントで検出する情報 ................................................... 43Veritas IndfoScale Operations Manager のデータストアについて ...

4 3VMware 環境のマルチパスの検出について .................................... 44の仮想マシン状態のニアリアルタイム(NRT)更新について .................. 46

Veritas IndfoScale Operations Manager での LPAR と VIO の検出について ..................................................................................... 49

Veritas IndfoScale Operations Manager でサポートされる LPAR のストレージの関連付けについて ........................................................ 51

第 4 章 ApplicationHA を使ったアプリケーションの監視 ...................................................................................... 52

ApplicationHA を使用したアプリケーション監視について .......................... 52ApplicationHA とは ........................................................................ 53

ApplicationHA と VMware vCenter Server との連携 ........................ 53vSphere デスクトップクライアントのサポートと vSphere Web クライア

ントのサポートの対比 .......................................................... 56vSphere Web Client 用の Veritas HA プラグインが ApplicationHA

と連携するしくみ ................................................................ 57ApplicationHA エージェント .............................................................. 59vCenter に統合された ApplicationHA 操作のスタートガイド ...................... 60VOM に統合された ApplicationHA 操作のスタートガイド ......................... 62

7目次

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第 5 章 Cluster Server を使ったアプリケーションの可用性 ...................................................................................... 65

ゲストの VCS (Veritas Cluster Server)によるアプリケーションの可用性について .................................................................................. 65

VCS のライブ移行のサポートについて ................................................. 66vSphere 用の VCS の設定について ................................................... 66アプリケーションの可用性の実装 ........................................................ 67VCS (Veritas Cluster Server)によるアプリケーションの可用性に必要な

設定 ..................................................................................... 68VCS(Cluster Server)によるアプリケーションの可用性のベストプラクティ

ス ........................................................................................ 69VMware ゲスト内の Cluster Server の可用性レベルの評価 ...................... 70

第 6 章 多層型ビジネスサービスのサポート ................................ 72

Virtual Business Service について .................................................... 72Virtual Business Service の設定例 .................................................... 72

第 7 章 Dynamic Multi-Pathing を使ったストレージの可視性、可用性、I/O パフォーマンスの向上 .................... 76

VMware 環境での DMP の使用例 ..................................................... 77Dynamic Multi-Pathing for VMware について ...................................... 77DMP の動作方法 .......................................................................... 78

パスでの I/O を DMP で監視する方法 ........................................... 82負荷分散 ............................................................................... 83DMP I/O ポリシーについて ........................................................ 83

ハイパーバイザでの DMP(Dynamic Multi-Pathing)を使ったストレージ表示について ............................................................................ 85

例: ハイパーバイザでの Dynamic Multi-Pathing を使ったストレージ可視性の実現 ............................................................................... 86

ハイパーバイザでの Dynamic Multi-Pathing を使ったストレージの可用性について ............................................................................... 88

例: ハイパーバイザでの Dynamic Multi-Pathing を使ったストレージ可用性の実現 ............................................................................... 89

ハイパーバイザの Dynamic Multi-Pathing での I/O パフォーマンスについて ........................................................................................ 91

例: ハイパーバイザの Dynamic Multi-Pathing での I/O パフォーマンスの改善 ..................................................................................... 92

ハイパーバイザとゲストでの Dynamic Multi-Pathing を使った簡素化された管理について ...................................................................... 93

例: ハイパーバイザとゲストでの Dynamic Multi-Pathing を使った簡素化された管理の実現 .................................................................... 94

8目次

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第 8 章 SmartPool による I/O パフォーマンスの向上 ............... 96

VMware ゲスト、および ESXi ホスト内の DMP for VMware での VeritasInfoScale 製品コンポーネントによる I/O パフォーマンスの向上 ............. 96

SmartIO および SmartPool ソリューションの実装 ................................... 97

第 9 章 データ保護、ストレージ最適化、データ移行、データベースパフォーマンスの向上 ...................................... 98

VMware ゲストの Veritas InfoScale 製品コンポーネントの使用例 ............... 98VMware ゲストでの Veritas InfoScale 製品コンポーネントを使ったデータ

保護 ................................................................................... 100PITC(Point-In-Time Copy)の概要 ............................................ 100VMware 環境での Veritas InfoScale 製品のための特定時点のスナッ

プショット ........................................................................ 101VMware ゲストでの Veritas InfoScale 製品コンポーネントを使ったストレー

ジの最適化 .......................................................................... 101VMware 環境の SmartTier について .......................................... 101VMware ゲストの Veritas InfoScale 製品コンポーネントによる圧縮に

ついて .......................................................................... 102VMware ゲストの Veritas InfoScale 製品コンポーネントによるシン再

生について .................................................................... 103VMware ゲストの Veritas InfoScale 製品コンポーネントによる

SmartMove について ....................................................... 103VMware ゲストの Veritas InfoScale 製品コンポーネントによる

SmartTier for Oracle について ............................................ 103VMware ゲストでの Veritas InfoScale 製品コンポーネントを使ったデータ

移行 ................................................................................... 104データ移行のタイプ ................................................................ 104

VMware ゲストでの Veritas InfoScale 製品コンポーネントを使ったデータベースのパフォーマンス改善 ..................................................... 105Veritas InfoScale 製品コンポーネントのデータベースアクセラレータ

について ....................................................................... 105VMware ゲストでの Veritas InfoScale 製品コンポーネントを使ったストレー

ジ管理の簡素化 .................................................................... 107

第 10 章 VMware ディスク上の Storage Foundation ClusterFile System High Availability を使った高速フェールオーバー用仮想マシンの設定 ................... 108

VMware ゲストでの Storage Foundation Cluster File System HighAvailability の使用例 .............................................................. 109

VMware 仮想環境での Storage Foundation Cluster File System HighAvailability の動作 ................................................................. 109

9目次

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Storage Foundation の機能と互換性のマトリックス ............................... 110VMware ESXi での Storage Foundation Cluster File High System High

Availability の設定について ...................................................... 111SFCFSHA 設定の計画 ........................................................... 112SFCFSHA の必須パッケージのインストール .................................. 113パスワードなし SSH の有効化 ................................................... 115CP サーバーと管理ポートへの TCP トラフィックの有効化 .................. 115CP サーバーの設定 ............................................................... 116SFCFSHA ソフトウェアの配備 ................................................... 121SFCFSHA の設定 ................................................................. 122非 SCSI3 フェンシングの設定 ................................................... 123

ストレージの設定 .......................................................................... 125仮想マシンでのディスク UUID の有効化 ....................................... 127クラスタノードへの Array Support Library (ASL) for VMDK のインス

トール ........................................................................... 128ボリュームマネージャ設定からのブートディスクの除外 ....................... 129VMDK ファイルの作成 ............................................................ 129各 VM への VMDK のマップ ..................................................... 130マルチライターフラグの有効化 ................................................... 131ノード間で一貫する名前の取得 .................................................. 133クラスタファイルシステムの作成 .................................................. 134

第 4 部 参照 .................................................................................... 135

付録 A 既知の問題と制限事項 .................................................... 136

実行できない Storage vMotion ....................................................... 136

付録 B 詳しい情報の入手先 ......................................................... 137

Veritas InfoScale のマニュアル ....................................................... 137サービスとサポート ....................................................................... 137Symantec Operations Readiness Tools について ............................... 138

10目次

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概要

■ 第1章 VMware 環境での Veritas InfoScale ソリューションの概要

1

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VMware 環境での VeritasInfoScale ソリューションの概要

この章では以下の項目について説明しています。

■ Veritas InfoScale 製品の仮想化ガイドの概要

■ VMware 仮想化環境における Veritas InfoScale ソリューションの使用の概要

■ Dynamic Multi-Pathing for VMware の使用の概要

■ Veritas InfoScale コンポーネントについて

■ VMware ESXi 環境の Veritas InfoScale ソリューションのサポートについて

■ Veritas InfoScale 製品が対応する仮想化の使用例

Veritas InfoScale 製品の仮想化ガイドの概要仮想化の技術ではソフトウェアパーティション化が使用され、オペレーティングシステム

サービスの仮想化の方法が提供されます。 パーティション化により、アプリケーションを実行するための分離された仮想マシン環境の作成が有効になります。 この分離により、1つの仮想マシンで動作中のプロセスが他の仮想マシンで動作中のプロセスに影響する

ことはありません。 仮想化されたコンピュータ環境はすべての物理デバイスから抽象化され、これにより作業負荷を 1 つのシステムに統合整理し、集中的に管理することができます。

このマニュアルでは、VMware 仮想化技術の Veritas InfoScale 製品のサポートについて説明します。 次が含まれます。

■ Veritas InfoScale 製品の大まかな概念情報と ESXi 環境での機能

1

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■ ESXi 環境で Veritas InfoScale 製品を設定するための大まかな実装情報。

■ Veritas InfoScale 製品が一般的な ESXi 使用例に対してパフォーマンス結果を改善する方法の例を記載した使用例の章。

このマニュアルでは、Dynamic Multi-Pathing for VMware の高レベルの実装情報について説明します。 DMP for VMware は、高可用性を維持し、ESXi からのストレージのアクセスを管理するための個別の製品です。

p.22 の 「Dynamic Multi-Pathing for VMware の使用の概要」 を参照してください。

このマニュアルの情報は、Veritas InfoScale 製品マニュアルに替わるものではなく、補足するものです。 Veritas InfoScale 製品について熟知したユーザーであり、仮想化技術に精通していることを前提としています。

p.137 の 「Veritas InfoScale のマニュアル」 を参照してください。

このマニュアルでは、VMware 製品については詳しく説明しません。 これらの VMware用語に関する十分な知識がない場合は、VMware のマニュアルをお読みください。 次の VMware の Web サイトを参照してください。

www.vmware.com

VMware 仮想化環境における Veritas InfoScale ソリューションの使用の概要

VMware サーバー仮想化は、データセンター環境にとって重要な利点があり、データセンターのアーキテクチャを変えつつあります。 オペレーティングシステムインスタンスの仮想化には優れていますが、ストレージの仮想化には対応していません。 VMware ストレージ機能は、VMware のお客様が配備するほとんどのアプリケーションに対応可能です。ただし、大規模データベースのような要求の多いストレージ集中型のアプリケーションが

仮想環境に配備されるにつれて、ストレージ管理技術の向上が求められます。

Veritas InfoScale ソリューションは、VMware 環境でストレージ集中型アプリケーションのニーズを満たします。 Veritas InfoScale ソリューションは、VMware ESXi ハイパーバイザの内部で表示される機能的なストレージ管理層を作成することによってストレージの

管理を容易にします。

Veritas InfoScale ソリューションは、ストレージ管理と異機種混在ストレージ環境での管理を実現する一連の製品です。 Veritas InfoScale ソリューションは、管理にかかる時間を短縮し、環境の複雑さを緩和する一貫したストレージ管理ツールを提供します。

p.23 の 「Veritas InfoScale コンポーネントについて」 を参照してください。

Veritas InfoScale ソリューション製品は VMware ESXi 環境でサポートされます。 ほとんどの場合に、Linux オペレーティングシステムを実行している VMware ESXi ゲストに製品をインストールします。

13第 1 章 VMware 環境での Veritas InfoScale ソリューションの概要VMware 仮想化環境における Veritas InfoScale ソリューションの使用の概要

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p.26 の 「VMware ESXi 環境の Veritas InfoScale ソリューションのサポートについて」を参照してください。

DMP for VMware (Dynamic Multi-Pathing for VMware) は、VMware ESXi ホストにインストールした個別または関連の製品です。

p.22 の 「Dynamic Multi-Pathing for VMware の使用の概要」 を参照してください。

仮想マシンで Veritas InfoScale ソリューションを使うと非仮想環境と同じコマンドセット、ストレージの名前空間、環境を提供できます。 選択した製品と設定に応じて VeritasInfoScale ソリューションには各種のメリットがあります。

VMware 環境で Veritas InfoScale ソリューションを使うと、次のようなメリットがあります。

■ 完全なアプリケーションの可用性

Veritas InfoScale ソリューションを使うと、仮想マシンを再起動しないでアプリケーションを再起動またはフェールオーバーできます。 アプリケーションは仮想マシンから別の仮想マシンにフェールオーバーする場合があります。

■ 一貫したアプリケーションパフォーマンス

この動作は、データベースやメールサーバーなどのミッションクリティカルなデータセ

ンターアプリケーションにとってきわめて重要です。 ソリューションのアーキテクチャは、物理環境と同じアプリケーションの必要条件と動作を処理しサポートできる必要

があります。

■ アレイ移行とデータ移行

アレイ移行やデータ移行などの強制的な操作では、特に 1 台の物理サーバーが 30台から 40 台の仮想サーバーをホストしている仮想環境において、多数のサーバーで長いダウンタイムが起きる可能性があります。 このような操作をサポートできるツールとインフラを備えておくことは、データセンターの長期的な成功にとって不可欠で

す。

■ アプリケーションごとに GCO を使う個別のディザスタリカバリ

■ VBS を使った全面的なアプリケーション制御

■ データセンター間のストレッチクラスタ

■ シン再生

Veritas InfoScale ソリューションを使ってシンプロビジョニングストレージの領域を再生することによってストレージ利用率を高めます。 シン再生は RDM 物理モードのストレージでのみサポートされます。

Veritas InfoScale ソリューションは VMware コンポーネントと機能のサポートも提供します。

p.27 の 「VMware 機能の Veritas InfoScale 製品のサポート」 を参照してください。

14第 1 章 VMware 環境での Veritas InfoScale ソリューションの概要VMware 仮想化環境における Veritas InfoScale ソリューションの使用の概要

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VMware 環境での Veritas InfoScale ソリューションの働きVMware 環境で Veritas InfoScale ソリューションを使うことは、Veritas InfoScale 製品が仮想マシン(VM)内部のオペレーティングシステムで動作することを意味します。

Storage Foundation などの Veritas InfoScale コンポーネントは、VMware ESXi カーネルの内部またはハイパーバイザでは動作しません。

Dynamic Multi-Pathing for VMware は、ESXi ハイパーバイザ層でストレージマルチパスを実行するシマンテック社の別個のコンポーネントです。

p.22 の 「Dynamic Multi-Pathing for VMware の使用の概要」 を参照してください。

例として図 1-1 に、仮想マシンで実行する Storage Foundation の高度なアーキテクチャの概略図を示します。

図 1-1 アーキテクチャの概要

図 1-2 は仮想マシンからストレージへのI/Oのパスを示します。

15第 1 章 VMware 環境での Veritas InfoScale ソリューションの概要VMware 仮想化環境における Veritas InfoScale ソリューションの使用の概要

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図 1-2 仮想マシンからストレージへの I/O パス

VMware では、次に示す複数の異なる方法で仮想マシンにブロックストレージを割り当てることができます。

■ VMFS で、または NFS から作成されるファイルベースの仮想ディスク - 仮想ディスク

■ ローカルディスク、ファイバーチャネル LUN、iSCSI からマップされるブロックストレージ - RAW デバイスマッピング

Veritas Volume Manager(VxVM)の特定の機能が物理サーバー環境の場合と同様に動作するようにするには、VMware が RAW デバイスマッピングを使うように設定する必要があります。

p.18 の 「RAW デバイスマッピングと Storage Foundation を使う状況」 を参照してください。

DMP (Dynamic Multi-Pathing)は、スタンドアロン製品または別の Veritas InfoScale製品のコンポーネントとして仮想マシンで使うことができます。 いずれにしても、DMP は仮想マシンでマルチパスを実行しません。 VMware アーキテクチャでは、仮想マシンは

16第 1 章 VMware 環境での Veritas InfoScale ソリューションの概要VMware 仮想化環境における Veritas InfoScale ソリューションの使用の概要

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単一のデータパスで示され、ハイパーバイザ層がマルチパスを処理します。 技術的には、2 つの異なるホストバスアダプタを介し、RAW デバイスマッピングを使って仮想マシンに同じディスクを設定することは可能です。 相互のディスク上で 2 つのマルチパスソリューションが実行されるのでこの設定はサポートされません。

DMP は VM でマルチパスを実行しませんが、Veritas InfoScale 製品のデータパスに不可欠な機能なので無効にできません。 DMP はデバイス検出やシン再生のようなデバイス管理タスクを実行します。

Dynamic Multi-Pathing for VMware は、ESXi ハイパーバイザ層でストレージマルチパスを実行するシマンテック社の別個のコンポーネントです。

詳しくは次の Web サイトを参照してください。

http://www.symantec.com/dynamic-multi-pathing-for-vmware

VMware 用 DMP が ESXi ホストで使われる場合、ゲストで DMP を使うとストレージの可視性が向上します。

p.93 の 「ハイパーバイザとゲストでの Dynamic Multi-Pathing を使った簡素化された管理について」 を参照してください。

Veritas InfoScale 製品コンポーネントで VMware 機能を拡張する方法

オペレーティングシステムのホスティング方法にかかわらず、一貫して使えるストレージ管

理ツールによって、管理にかかる時間が短縮され、環境の複雑さを緩和できます。 仮想マシンの Storage Foundation は非仮想環境と同じコマンドセット、ストレージの名前空間、環境を提供できます。

VMware vSphere では、VMFS にストレージをミラー化する機能がありません。 このため、ユーザーはミラー化された LUN を使ってこの機能を仮想マシンに提供する必要があります。 Veritas Volume Manager が仮想マシンで動作していて RAW デバイスマッピングを利用している場合は、仮想マシンでミラー化を使ってデータを保護できます。こ

れにはストレージアレイ間でミラー化する機能が含まれます。

SFCFSHA と Flexible Storage Sharing を使うと、リモート ESXi ホストからローカルディスク、ローカルディスクから ESXi ホストにそれぞれ直接接続したローカルディスクのストレージをミラー化することもできます。これらのディスクは RAW デバイスマッピングまたはVMDK ファイルとして提示されます。

物理環境から仮想環境への困難なデータ移行が Storage Foundation によって簡単で安全になります。 Storage Foundation では、管理者が同じストレージ (またはテスト移行用のストレージのコピー) を仮想環境に割り当て直すのみであり、移動元から移動先にデータをコピーする必要は実際にはまったくありません。 仮想マシンへのストレージの割り当てと設定が済むと、Veritas Volume Manager はデバイスツリーをスキャンし、ディスクグループとボリューム構造を検出します。

図 1-3 にワークフロー例を示します。

17第 1 章 VMware 環境での Veritas InfoScale ソリューションの概要VMware 仮想化環境における Veritas InfoScale ソリューションの使用の概要

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図 1-3 移行のワークフロー

仮想マシンで VxVM を起動する。ディスクグループをインポートする。ボリュームを起動する。ファイルシステムをマウントする。

ファイルシステムのマウントを解除する。VxVM ディスクグループを排除トする。

LUN を ESX サーバーにゾーニングする。

RDM を仮想マシンに作成する

移行元 移行先

Veritas Volume Manager は実際の物理デバイスエントリに依存しません。 つまり、VeritasVolume Manager にとっては、デバイスが /dev/sdb であるか /dev/sdaz であるかは問題ではありません。 この透過性により、あるノードから別のノードへ、または物理マシンとと仮想マシンの間でストレージを移動するのが容易になります。

RAW デバイスマッピングと Storage Foundation を使う状況RAW デバイスマッピング(RDM)を使うと、仮想マシンは VMFS を経由せずにストレージに直接アクセスできます。 RDM は、物理ストレージデバイスごとに設定されます。つまり、ディスクまたは LUN が 1 つ以上の仮想マシンに割り当てられます。 物理ストレージデバイスの一部を仮想マシンに割り当てることはできません。 RAW デバイスマッピングは、さまざまなタイプのストレージ (ローカル SCSI ディスク、iSCSI ディスク、ファイバーチャネルディスク) で使うことができます。Veritas Volume Manager は 3 つのタイプのディスクをすべてサポートします。

メモ: Storage Foundation 製品は仮想マシンに直接マップされる iSCSI ディスクで良好に動作します。

VMware では RAW デバイスマッピングに 2 つの異なるモードが用意されています。

■ 論理モードは、VMware ESXi 機能に関して仮想ディスクと同じ機能と互換性を提供します。

■ 物理モードは、非仮想環境でのストレージアクセスによく似た手法です。 VMware では、vMotion とその他のいくつかの機能を有効にする必要があるので SCSI コマンドREPORT_LUNS のみを仮想化します。Storage Foundation では物理モードを推奨します。物理モードにすると、VMware環境で Veritas Volume Manager の機能が最大限有効になるからです。

他のモードは Storage Foundation の機能と動作に影響します。 期待どおりに機能するように正しいモードを使うことが重要です。 各ストレージアクセス方法のメリットは、仮想マシンの作業負荷によって異なります。 長期的な影響を考慮せずに 1 つのストレージ配備方法で開始すると、仮想環境が使いやすくなるため、簡単です。

18第 1 章 VMware 環境での Veritas InfoScale ソリューションの概要VMware 仮想化環境における Veritas InfoScale ソリューションの使用の概要

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ストレージをほとんどまたはまったく使わないアプリケーションの場合、RAW デバイスマッピングの使用はやりすぎになるため、推奨されません。 また、環境が VMware スナップショットに依存している場合、物理モードでの RAW デバイスマッピングは VMware でサポートされないため、使用できません。

RAW デバイスマッピングは次のようなアプリケーションに最も適しています。

■ 大きなストレージを必要とするアプリケーション

■ 予測可能で測定可能なパフォーマンスを必要とするアプリケーション

■ ディスククォーラムを使うマルチノードクラスタ

■ 現在は Storage Foundation によって管理されているが、仮想環境に移動する予定のストレージを使っているアプリケーション

■ ストレージ管理アプリケーションなど、ストレージへの直接アクセスを必要とするアプリ

ケーション

アレイの移行

Storage vMotion を使ってディスクファイルを新しいディスクストレージ (DS) に移動するときに仮想マシン (VM) を選択した場合、次の処理が行われます。

■ VM のホームディレクトリ (config、log、swap、snapshots) が移動先 DS にコピーされます。

移動先 DS で "シャドー" VM がコピーされたファイルを使って起動します。"シャドー"VM は VM ディスクファイルのコピーが完了するのをアイドル状態で待機します。

■ VM ディスクファイルの最初のコピーが移動先 DS に対して行われます。コピー中は移動元への変更が記録されます (変更ブロック記録)。

■ Storage vMotion は、この移動元 DS から移動先 DS への変更ブロックのコピー処理を繰り返します。

■ 処理前の変更ブロックの量が十分に小さい場合、vMotion は (vMotion に似た) VMの FSR (Fast Suspend and Resume) を呼び出し、実行中の VM をアイドル状態のシャドー VM に転送します。通常の vMotion と同様に、この転送は通常は非常にすばやく行われるため、VM にとって完全に透過的です。

■ FSR が古いホームディレクトリを完了すると、VM ディスクファイルは移動元 DS から削除されます。

図 1-4 に VMware の処理の概要を示します。

19第 1 章 VMware 環境での Veritas InfoScale ソリューションの概要VMware 仮想化環境における Veritas InfoScale ソリューションの使用の概要

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図 1-4 ESXi ツールを使った仮想マシンデータの移行

VM VM VM VM

Vmware ESXi および ESX

Storage vMotion

VMware では、再ブートせずに ESXi サーバーと仮想マシンにディスクを追加できます。この機能は、Storage Foundation を使う処理を改善できるとともにオンラインデータ移行用に RAW デバイスマップストレージを提供できます。

図 1-5 に Storage Foundation の処理の概要を示します。

図 1-5 Storage Foundation を使った仮想マシンデータの移行

開始

仮想マシンにマッピングされている RAWデバイスで新しいディスクを設定します。

完了後、古いディスクを仮想マシン設定から削除します。

StorageFoundationでホストのデータの移行を開始します。

終了

Storage Foundation のデータ移行は、Veritas Volume Manager を備えた仮想マシンでローカルに実行するか、中央の 1 つの場所、つまり Storage Foundation 管理ホストによって利用されるアレイからすべてのストレージを移行する方法で実行することができ

ます。この強力な中央集中型のデータ移行機能は Veritas Operations Manager で利用できます。

Veritas Operations Manager の詳細は、次の Web サイトを参照してください。

http://www.symantec.com//veritas-operations-manager

20第 1 章 VMware 環境での Veritas InfoScale ソリューションの概要VMware 仮想化環境における Veritas InfoScale ソリューションの使用の概要

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ESXi 環境の Veritas InfoScale コンポーネントの制限事項VMware ESXi で Storage Foundation と Storage Foundation Cluster File SystemHigh Availability を使う場合は、いくつかの制限が適用されます。

■ Dynamic Multi-PathingVMware 環境では Dynamic Multi-Pathing(DMP)がサポートされます。 VMwareのアーキテクチャにより、DMP は仮想マシンに対してマルチパスを実行しません。 ただし、DMP は Veritas InfoScale 製品のデータパスの不可欠な機能であり、デバイスの検出やシン再生のようなデバイス管理タスクを実行します。

p.15 の 「VMware 環境での Veritas InfoScale ソリューションの働き」 を参照してください。

Dynamic Multi-Pathing for VMware は、ESXi ハイパーバイザ層でストレージマルチパスを実行するシマンテック社の別個のコンポーネントです。

詳しくは次の Web サイトを参照してください。http://www.symantec.com/dynamic-multi-pathing-for-vmwarep.22 の 「Dynamic Multi-Pathing for VMware の使用の概要」 を参照してください。

■ 仮想マシン間での VMDK ファイルの共有仮想マシンの間で VMDK ファイルを共有する場合、対応する SCSI コントローラのSCSI BUS 共有モードは、物理モードまたは仮想モードに設定できます。 このモードを「物理」に設定すると、DMP で SCSI 予約の競合と I/O エラーが起きます。この問題は、LVM ディスクと RAW ディスクでも起きます。ソリューション:マルチライターフラグを使って共有ディスクの同時書き込み禁止を無効にします。 手順は、次の VMware ナレッジベースの記事で説明しています。http://kb.vmware.com/kb/1034165

■ Volume Replicator(VVR)オプションVVR は、仮想マシンの内部でサポートされます。 VVR は(ディスクに書き込まれるデータの量に応じて)大量のネットワーク帯域幅を使うことができるため、他の仮想マ

シンで利用できるネットワーク帯域幅を減らすことができるという点に注意してくださ

い。 ネットワークカードは共有リソースであるため、ディスクへの書き込みを維持できる十分な帯域幅があること確認してください。

■ Veritas File SystemVeritas File System のすべての機能は、VMware 仮想マシン環境でサポートされます。

ESXi 環境での I/O フェンシングに関する注意事項SFCFSHA (Storage Foundation Cluster File System High Availability) は、仮想マシン内で実行される場合はサポートされますが、I/O フェンシングを使う場合には特別な注意が必要です。

21第 1 章 VMware 環境での Veritas InfoScale ソリューションの概要VMware 仮想化環境における Veritas InfoScale ソリューションの使用の概要

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VMware は、RDM 論理モードまたは VMDK ベースの仮想ディスクでの他のサードパーティ製クラスタソフトウェアを使った SCSI-3 Persistent Reservations をサポートしないため、I/O フェンシングもサポートしません。VMware 環境では、SFHA と SFCFSHA は次のフェンシング方法をサポートします。

■ RDM-P モードでのディスクベースフェンシング。SFHA と SFCFSHA バージョン 5.1 Service Pack 1 Rolling Patch 1 以降で使うことができます。

詳しくは、次の TechNote を参照してください。http://www.symantec.com/business/support/index?page=content&id=TECH169366

■ CP (Coordination Point の略でコーディネーションポイントの意味) サーバーを使う非 SCSI 3 PR ベースフェンシング。CP サーバーは複数のノードでアービトレーションを提供します。

I/O フェンシングは、HBA の WWN (World Wide Number) を利用してストレージに登録を作成します。これは、I/O フェンシングに使われる WWN が最終的に各仮想マシンで同じになってしまうため、HBA が同じ物理 ESXi ホスト上の仮想サーバー間で共有されている仮想環境に影響します。したがって、イベントでフェンシング機能がトリガされた場

合 I/O フェンシングの動作によってその物理 ESXi ホストのすべてのノードがフェンシングアウトされるため、(同じ SFCFSHA クラスタ内の)SFCFSHA 仮想マシンは物理サーバーを共有できません。 つまり、I/O フェンシングが設定されている場合、(同じ SFCFSHAクラスタ内の)SFCFSHA ノードは別の物理 ESXi ホストで実行する必要があります。

Dynamic Multi-Pathing for VMware の使用の概要VxDMP(Dynamic Multi-Pathing for VMware 7.0)は、VMware の vSphere インフラと統合されたマルチパスソリューションで、実績と定評のあるエンタープライズクラスの機能

を VMware 仮想環境に提供します。

VxDMP はシステムで設定されるデバイスにマルチパス機能を提供します。 VxDMP はVxDMP メタデバイス (VxDMP ノード) を作成して、同じ物理 LUN へのデバイスパスをすべて示します。

VxDMP は、多岐にわたるストレージアレイに対して高度なパスのフェールオーバーと負荷分散を行ってクラス最高の可用性、信頼性、パフォーマンスを提供します。 VxDMPはストレージの可視性と管理の向上にも役立ちます。

VxDMP は ESXi ホストにインストールされます。 VxDMP は ESX ハイパーバイザ層でストレージマルチパスを実行します。

メモ: VxDMP は、このマニュアルのいくつかの節では DMP と呼ばれます。

22第 1 章 VMware 環境での Veritas InfoScale ソリューションの概要Dynamic Multi-Pathing for VMware の使用の概要

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SmartPool 機能についてDynamic Multi-Pathing for VMware には、ESXi ホスト層の SSD のようなローカルに接続されたデバイスのプールを可能にする動作モードがあります。 ローカルデバイスの集合を SmartPool と呼びます。 SmartPool から、Veritas InfoScale を実行している ESXiゲストの SmartIO がキャッシュ領域として使う SmartDisk をプロビジョニングできます。SmartPool を複数 SmartDisk に分割すると、複数の仮想マシン間でキャッシュストレージを共有できます。 SmartPool を使うと、SmartIO キャッシュの進行中に ESXi ホスト全体の仮想マシンを移動する柔軟性を享受できます。 各ホストが自身の SSD を備えていますが、各ホストに SmartDisk の比較可能なビューを設定できます。 vMotionを使ってVeritas InfoScale を実行している仮想マシンを移行すると、SmartIO はソースノードのキャッシュを終了し、ターゲットホストのキャッシュを再開します。 移行中は SmartIO のキャッシュはオンラインのままになります。 ストレージデバイスを SmartPool に追加または SmartPool から削除することによって動的に SmartPool をサイズ変更できます。

DMP for VMware を使っているかどうかにかかわらず、このモードを使ってホスト内のストレージマルチパスを管理することができます。

SmartPool 機能は ESXi ホストに DMP for VMware をインストールすることで有効になります。 SmartPool 機能については、DMP の個別のライセンスを持つ必要はありません。

ESXi ゲスト内で SmartIO を使うには、ESXi ゲストに Veritas InfoScale をインストールする必要があります。

p.97 の 「SmartIO および SmartPool ソリューションの実装」 を参照してください。

ホストのマルチパスに DMP for VMware を使う場合は、適切なライセンスが必要です。

Veritas InfoScale コンポーネントについてVeritas InfoScale 製品は、ストレージ管理と異機種混在ストレージ環境での管理を実現する一連のコンポーネントです。

この節は、必要な製品の判断に役立ちます。

表 1-1 に各製品とそのコンポーネントのメリットを示します。

23第 1 章 VMware 環境での Veritas InfoScale ソリューションの概要Veritas InfoScale コンポーネントについて

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表 1-1 Veritas InfoScale コンポーネントの比較

メリットコンポーネントコンポーネント

■ ダウンタイムを最小化します

■ サーバーの統合とフェールオーバーを促進

します

■ 実際には異機種混合環境の広い応用範囲

を管理します

■ I/O フェンシングを使ってデータ整合性を保護します

■ アプリケーションの高可用性を実現します

VCSCluster Server(VCS)は、管理フレームワークによって、複数の独立したシステムを接続し、システム全体

の可用性を向上させます。 各システムまたはノードは、それぞれ個別にオペレーティングシステムを実行し

て、ソフトウェアレベルで連携してクラスタを形成しま

す。 VCS では、市販のハードウェアをインテリジェントソフトウェアにリンクすることで、アプリケーションの

フェールオーバーおよび制御を実現します。 ノードまたは監視下にあるアプリケーションで障害が発生する

と、別のノードがあらかじめ定義されたアクションを実

行し、クラスタ内のサービスをテイクオーバーして稼動

させることができます。

■ DMP メタデバイスを拡張して OS ネーティブの論理ボリュームマネージャ(LogicalVolume Manager)をサポートします

■ 負荷分散を使ってストレージの I/O パフォーマンスを高めます

■ ストレージパスの障害に対応し、迅速にフェー

ルオーバーします

■ オペレーティングシステムやストレージハー

ドウェアを問わずストレージパスを集中管理

します

DMPDMP(Dynamic Multi-Pathing)は、システムに設定されているストレージデバイスに対するマルチパス機能

を提供します。 この製品は、DMP メタデバイス(DMPノード)を作成して、同じ物理 LUN へのデバイスパスをすべて示します。

次のスタンドアロン DMP サービスを提供しています。

■ Dynamic Multi-Pathing for Linux/UNIXESXi ゲスト内で限定的なマルチパスを提供しています。

■ Dynamic Multi-Pathing for VMwareESXi ホスト内で統合機能を提供しています。

Volume Replicator(VVR)

■ ブロックベースの継続的なレプリケーションを

提供します

■ 帯域幅を効率的に管理します

■ プラットフォーム間のレプリケーションと PDC(Portable Data Container)環境でのレプリケーションをサポートします

VFR(File Replicator)

■ ファイルベースで定期的にレプリケーション

を行います

■ 可逆データ転送をサポートします

■ 重複排除

■ 手違いによる書き込みからターゲットファイル

システムを保護します

VVR

VFR

Veritas Replicator はディザスタリカバリを実現するためにコスト効率の高いデータレプリケーションを IP ネットワーク上で有効にし、従来のアレイベースのレプリ

ケーションアーキテクチャに代わって非常に柔軟なス

トレージハードウェア非依存型のアーキテクチャを組

織に提供します。

24第 1 章 VMware 環境での Veritas InfoScale ソリューションの概要Veritas InfoScale コンポーネントについて

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メリットコンポーネントコンポーネント

■ 異機種混在環境全体のストレージ利用率を

増やします

■ 重複排除と圧縮

■ ストレージの自動階層化

■ ストレージの集中管理

■ 最小停止時間での Easy OS とストレージの移行

■ DMP のすべてのメリット

DMP、VxVM、VxFS

SF(Storage Foundation)は、VxVM(Veritas VolumeManager)、VxFS(Veritas File System)、DMP から成るストレージ管理サービスです。

Veritas Volume Manager は、物理ディスクや論理ユニット番号(LUN)をボリュームと呼ばれる論理デバイスとして管理できるようにするストレージ管理サブシス

テムです。

Veritas File System は、エクステントを管理単位としたインテントログファイルシステムです。

■ DMP のすべてのメリット■ SF のすべてのメリット■ VCS のすべてのメリット

DMP、VxVM、VxFS、VCS

Veritas InfoScale 製品には VCS の高可用性と SFのすべての機能が組み込まれています。

■ DMP のすべてのメリット■ SF のすべてのメリット■ VCS のすべてのメリット■ 共有ストレージ全体の可用性とパフォーマン

スを強化した自動化/インテリジェント管理

DMP、VxVM、VxFS、VCS、CVM、SFCFSHA

SFCFSHA(Storage Foundation Cluster FileSystem High Availability)は、ストレージエリアネットワーク(SAN)環境で共有データをサポートするために Storage Foundation を拡張します。 複数のサーバーがアプリケーションに対して透過的に共有ストレー

ジとファイルに同時にアクセスできます。 FSS(FlexibleShared Storage)機能を使うと、CVM(ClusterVolume Manager)または CFS(Cluster File System)にローカルストレージまたは市販のストレージを使うこ

とができます。

CVM は VxVM を拡張して共有ディスクグループをサポートします。 CFS は VxFS を拡張して並列クラスタをサポートします。

■ DMP のすべてのメリット■ SF のすべてのメリット■ VCS のすべてのメリット■ SFCFSHA のすべてのメリット■ Oracle 社のクラスタ化ソリューションを使って完全統合すると同時にデータベース管理を

単純化する Oracle RAC をサポートします

DMP、VxVM、VxFS、VCS、CVM、SFCFSHAや Oracle RAC のサポート

SFRAC (Storage Foundation for Oracle RAC)は、ストレージ管理と高可用ソフトウェアを統合したスイー

トです。 ソフトウェアは Real Application Cluster(RAC) の環境のパフォーマンス、可用性と管理性を改善するために設計されます。

■ Veritas InfoScale 製品の各種機能を標準的な方法で集中的に管理します

■ 個々のホストとそのストレージを管理するビ

ジュアルインターフェース

■ 複数のオペレーティングシステム間で、デー

タセンターで動作している Veritas InfoScale製品のすべてのインスタンスを表示します

N/AVeritas InfoScale Operations Manager は VeritasInfoScale 製品に集中型管理コンソールを提供します。 Veritas InfoScale Operations Manager を使うと、ストレージリソースの監視、視覚化、管理、レポート

の生成が可能です。

25第 1 章 VMware 環境での Veritas InfoScale ソリューションの概要Veritas InfoScale コンポーネントについて

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メリットコンポーネントコンポーネント

VCS のすべてのメリットVCSCluster Server(VCS)エージェントは特定のリソースとアプリケーションに高可用性を提供します。 各エージェントは特定のタイプのリソースを管理します。 通常、エージェントはリソースの開始、停止、監視を行

い、状態の変化を報告します。

Veritas InfoScale の別売のオプション製品(HighAvailability Agent Pack)を使うと、このリリースで提供されるエージェントに加えて他のエージェントも利用で

きます。 エージェントパックは現在発売されているエージェントを含んでおり、現在開発中の新しいエージェ

ントを追加するために年 4 回再リリースされます。

最新のエージェントは、次の SORT (SymantecOperations Readiness) Web サイトでダウンロードできます。

https://sort.symantec.com/agents

VMware ESXi 環境の Veritas InfoScale ソリューションのサポートについて

VMware ESXi 環境の Veritas InfoScale コンポーネントのサポートは次のとおりです。

表 1-2 ESXi 仮想化コンポーネントの Veritas InfoScale ソリューションのサポート

ESXi ゲストESXi ホストVeritas InfoScale コンポーネント

NYDMP(Dynamic Multi-Pathing)for VMware

YNDMP(Dynamic Multi-Pathing)for Linux/UNIX

YNStorage Foundation(SF)

YNCluster Server(VCS)

YNSFHA(Storage Foundation and HighAvailability)

YNSFCFSHA(Storage Foundation Cluster FileSystem High Availability)

YNStorage Foundation for Oracle RAC(SF OracleRAC)

26第 1 章 VMware 環境での Veritas InfoScale ソリューションの概要VMware ESXi 環境の Veritas InfoScale ソリューションのサポートについて

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ESXi ゲストESXi ホストVeritas InfoScale コンポーネント

YNReplicator Option

YNApplicationHA

メモ: * ゲストでは DMP 機能は制限されます。マルチパスは機能しますが、単一のパスのみ示されます。物理ディスクをゲストにマップすると、DMP はディスクをカプセル化できます。

VMware 機能の Veritas InfoScale 製品のサポートVeritas InfoScale コンポーネントは VMware 機能に次のサポートを提供します。

■ VMware スナップショット次の仕様上の制限が VMware スナップショットに適用されます。

■ VMware スナップショットは、Veritas InfoScale コンポーネントをインストールしているかどうかに関係なく RAW デバイスマッピングを物理モードで使っている場合にはサポートされません。 VMware スナップショットに必要な REDO ログ機能は、RAW デバイスマッピングが物理モードで使われている場合には使用できません。Veritas InfoScale コンポーネントを使うと、VMDK ファイルをバックエンドストレージとして利用できるのでこの制限を回避できます。

Veritas InfoScale コンポーネントは、論理モードの RAW デバイスマッピングとVMware スナップショットもサポートします。RDM 論理モードが同じレベルの SCSI仮想化を VMDK ファイルとして使うためです。p.18 の 「RAW デバイスマッピングと Storage Foundation を使う状況」 を参照してください。

■ VMware スナップショットは、VMDK ファイルをバックエンドストレージとして使っていて、マルチライターフラグが設定されている場合にはサポートされません。 たとえば、VMDK ファイルで SFCFSHA を使う場合です。 これは VMware の限定事項です。

■ VMware スナップショットは、エージェントの制限により VMwareDisks エージェントが管理するディスクを使う仮想マシンではサポートされません。

■ vMotion (ライブ移行)

■ Storage Foundation の場合: vMotion はサポートされます。

■ SFHA (Storage Foundation High Availability)と VCS (Cluster Server)の場合:VMware vMotion には、すべてのクラスタ化ソフトウェアに影響する限定事項があります。 vMotion は、仮想 SCSI コントローラの共有が有効に設定されている場合にはサポートされません。 仮想 SCSI コントローラの共有は仮想マシンの属

27第 1 章 VMware 環境での Veritas InfoScale ソリューションの概要VMware ESXi 環境の Veritas InfoScale ソリューションのサポートについて

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性です。同じ物理 ESXi サーバーまたは複数の物理 ESXi サーバー間で相互にストレージを共有する仮想マシンに設定する必要があります。 基本的に、SAN ストレージを使うクラスタ化製品はすべて、この属性が設定されている必要がありま

す。

VCS は、この制限を強制変更する VMwareDisk エージェントを提供し、SFHA用の共有ストレージが動作できるようにします。 SFHA は、VMDK ファイルをサポートするので vMotion もサポートします。p.111 の 「VMware ESXi での Storage Foundation Cluster File High SystemHigh Availability の設定について」 を参照してください。この制限は、仮想 SCSI コントローラで共有属性がオンになっていない仮想マシンには影響しません。

■ SFCFSHA (Storage Foundation Cluster File System High Availability)の場合: vMotion はサポートされます。

■ NPIV (N_Port ID Virtualization)Storage Foundation で使われる NPIV は完全にサポートされます。 ストレージがNPIV 対応の場合、Storage Foundation で追加のセットアップタスクを行う必要はありません。

現時点では VMware は MSCS 以外のサードパーティ製クラスタ化ソフトウェアのNPIV を使った I/O フェンシングをサポートしません。 VMware 環境では、SFHA(Storage Foundation High Availability)と SFCFSHA は Coordination Point サーバーをアービトレーションメカニズムとして使って I/O フェンシングをサポートします。

Veritas InfoScale 製品が対応する仮想化の使用例Veritas InfoScale 製品コンポーネントは次の VMware 環境の使用例に対応します。

表 1-3 ESXi 環境の Veritas InfoScale 製品が対応する仮想化の使用例

実装についての詳細シマンテック社ソリューション仮想化の使用事例

ストレージからアプリケーションへの可視

性の設定方法。

p.38 の 「 を使ったストレージからアプリケーションへの可視性について」 を参照してください。

Veritas InfoScale Operations Managerのマニュアルを参照してください。

ゲストの Veritas InfoScaleOperations Manager

アプリケーションか

らストレージへの可

視性

28第 1 章 VMware 環境での Veritas InfoScale ソリューションの概要Veritas InfoScale 製品が対応する仮想化の使用例

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実装についての詳細シマンテック社ソリューション仮想化の使用事例

ApplicationHA を使って仮想マシンでアプリケーションの監視を管理する方法。

p.52 の 「ApplicationHA を使用したアプリケーション監視について」 を参照してください。

ApplicationHA のマニュアルを参照してください。

メモ: ApplicationHA はこのリリースでは提供されません。 ただし、VeritasInfoScale 製品は ApplicationHA 最新リリースのすべての機能をサポートします。

ゲストでの ApplicationHAアプリケーションの

監視と管理

VCS を使って仮想マシンでアプリケーションの監視とフェールオーバーを管理

する方法。

p.65 の 「ゲストの VCS (Veritas ClusterServer)によるアプリケーションの可用性について」 を参照してください。

ゲストでの VCS(Cluster Server)アプリケーションの

管理と可用性

vMotion によるライブ移行のための高可用性を提供するための VCS の使用方法。

p.66 の 「VCS のライブ移行のサポートについて」 を参照してください。

ゲストでの VCS(Cluster Server)ライブ移行のための

高可用性

ストレージの可視性を向上させるために

DMP 機能を使う方法

p.85 の 「ハイパーバイザでの DMP(Dynamic Multi-Pathing)を使ったストレージ表示について」 を参照してください。

DMP のマニュアルを参照してください。

ESXi ホストでの DMP(DynamicMulti-Pathing)

ストレージの可視性

ストレージの可用性を向上させるための

DMP 機能の使用方法

p.88 の 「ハイパーバイザでの DynamicMulti-Pathing を使ったストレージの可用性について」 を参照してください。

DMP のマニュアルを参照してください。

ESXi ホストでの DMPストレージの可用性

29第 1 章 VMware 環境での Veritas InfoScale ソリューションの概要Veritas InfoScale 製品が対応する仮想化の使用例

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実装についての詳細シマンテック社ソリューション仮想化の使用事例

I/O のパフォーマンスを向上させるためのDMP 機能の使用方法

p.91 の 「ハイパーバイザの DynamicMulti-Pathing での I/O パフォーマンスについて」 を参照してください。

ESXi ホストでの DMPI/O パフォーマンスの向上

I/O パフォーマンスが向上するようにSmartPool を使う方法

p.96 の 「VMware ゲスト、および ESXiホスト内の DMP for VMware でのVeritas InfoScale 製品コンポーネントによる I/O パフォーマンスの向上」 を参照してください。

ESXi ホストでの VMware ゲストとDMP for VMware の SFHA ソリューション

SmartPool によるI/O パフォーマンスの向上

エンドツーエンドのストレージパスの可視

性、簡素化した管理、向上したパフォー

マンスを実現する DMP 機能の使用方法

p.93 の 「ハイパーバイザとゲストでのDynamic Multi-Pathing を使った簡素化された管理について」 を参照してください。

DMP のマニュアルを参照してください。

ESXi ホストでの VMware 用DMP とゲストでの DMP

DMP による簡素化したパス管理

データ保護のための StorageFoundation バックアップとリカバリ機能の使用方法。

p.100 の 「VMware ゲストでの VeritasInfoScale 製品コンポーネントを使ったデータ保護」 を参照してください。

ゲストでの Storage Foundationまたは SFHA(StorageFoundation High Availability)

データ保護

VMware 環境でストレージを最適化するための Storage Foundation シンプロビジョニング、FileSnap、SmartTier、SmartIO 機能の使用方法。

p.101 の 「VMware ゲストでの VeritasInfoScale 製品コンポーネントを使ったストレージの最適化」 を参照してください。

ゲストでの Storage Foundationまたは SFHA

ストレージの最適化

30第 1 章 VMware 環境での Veritas InfoScale ソリューションの概要Veritas InfoScale 製品が対応する仮想化の使用例

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実装についての詳細シマンテック社ソリューション仮想化の使用事例

VMware ゲスト環境でデータを安全かつ簡単に移行するための StorageFoundation Portable Data Containersの使用方法

p.104 の 「VMware ゲストでの VeritasInfoScale 製品コンポーネントを使ったデータ移行」 を参照してください。

ゲストでの Storage Foundationまたは SFHA

データの移行

VMware ゲスト環境でデータベースパフォーマンスを改善させるための StorageFoundation データベースアクセラレータの使用方法

p.105 の 「VMware ゲストでの VeritasInfoScale 製品コンポーネントを使ったデータベースのパフォーマンス改善」 を参照してください。

ゲストでの Storage Foundationまたは SFHA

データベースのパ

フォーマンスの向上

エンドツーエンドのストレージの可視性、

パフォーマンス、最適化、管理の容易化

を目的とした VMware 用 DMP とStorage Foundation 機能の使用方法。

p.107 の 「VMware ゲストでの VeritasInfoScale 製品コンポーネントを使ったストレージ管理の簡素化」 を参照してください。

ESXi ホストでの VMware 用のDMPとゲストでの StorageFoundation または SFHA

StorageFoundation またはSFHA による簡素化したストレージ管

アプリケーションの高可用性と高速フェー

ルオーバーの管理方法

p.109 の 「VMware ゲストでの StorageFoundation Cluster File System HighAvailability の使用例」 を参照してください。

ゲストでの SFCFSHA(StorageFoundation Cluster File SystemHigh Availability)

アプリケーションの

高可用性と高速

フェールオーバー

31第 1 章 VMware 環境での Veritas InfoScale ソリューションの概要Veritas InfoScale 製品が対応する仮想化の使用例

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VMware 環境での VeritasInfoScale 製品の配備

■ 第2章 初めに

2

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初めに

この章では以下の項目について説明しています。

■ VMware ESXi 環境の Veritas InfoScale 製品のサポート対象設定

■ ストレージ設定と機能の互換性

■ Veritas InfoScale 製品での VMware の設定について

■ VMware 環境の Veritas InfoScale 製品のサポート

■ VMware 仮想環境へのストレージソリューションのインストールと設定

VMware ESXi 環境の Veritas InfoScale 製品のサポート対象設定

VMware ESXi 環境の Veritas InfoScale 製品の各種設定。

Veritas InfoScale 製品は VMware ESXi 環境に次の機能を提供します。

■ ストレージの可視性

■ ストレージの可用性

■ ストレージの I/O パフォーマンスの向上

■ ストレージ管理

■ ストレージのレプリケーションのサポート

■ アプリケーション監視と可用性

■ ディザスタリカバリ

以下の表に示す設定は、ストレージと可用性の目標を達成するために必要な最低要件

です。 ストレージの可視性、管理、レプリケーションサポート、可用性、クラスタフェール

2

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オーバーの望ましいレベルを達成するため、Veritas InfoScale 製品コンポーネントを必要に応じて組み合わせて使うことができます。

表 2-1 ESXi 環境の Veritas InfoScale 製品コンポーネントの機能

推奨される SFHA Solutions コンポーネントの設定

目標

ESXi ホストでの DMP(Dynamic Multi-Pathing)ストレージの可視性、可用性、I/O パフォーマンス

ゲストでの DMPゲストのストレージ可視性

ゲストでの SF (Storage Foundation)ゲストのストレージ管理機能とレプリケーションサ

ポート

ゲストでの SFCFSHA (Storage FoundationCluster File System High Availability)

ゲストの高度なストレージ管理機能とレプリケー

ションサポート

ホストとゲストでの DMPホストとゲストでのエンドツーエンドのストレージ

可視性

ホストと SF での DMP またはゲストでのSFCFSHA

ゲストでのストレージ管理機能とレプリケーション

サポート、ホストでのストレージ可視性

ゲストでの ApplicationHAゲストのアプリケーション監視と可用性

ゲストでの VCSゲストのアプリケーションフェールオーバー

各設定には特定の利点と制限事項があります。

ストレージ設定と機能の互換性Storage Foundation が仮想マシン内で実行されている場合、ESXi でサポートされるすべてのブロックストレージトポロジーがサポートされます。 ストレージ固有の詳細は、VMwareによって Storage Foundation では非表示にされていますが、FC、iSCSI、ローカルに接続されたディスクはサポートされます。

サポート対象のストレージについて詳しくは、Veritas InfoScale 製品のハードウェア互換性リスト(HCL)を参照してください。

http://www.symantec.com/docs/TECH230646

34第 2 章 初めにストレージ設定と機能の互換性

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表 2-2 共有ストレージ設定と互換性のある vSphere 機能

互換性のある vSphere 機能VM ストレージ設定

VMware スナップショット

VMware HADRSvMotion

NYNYVMFS の VMDK

NYNNFC SAN を使う物理 RDM と仮想 RDM

NYNNiSCSI SAN を使う物理 RDMと仮想 RDM

NNNNNFS の VMDK

YYYYゲスト内の iSCSI

YYYYゲスト内の NFS (Mount エージェントを使用)

* スナップショットは、VCS とすべてのアプリケーションが完全に停止している場合に作成できます。 スナップショットに復帰する前に、VCS とすべてのアプリケーションをシャットダウンしてから、スナップショットに復帰します。 スナップショットの後に、VCS に関連するソフトウェアの更新または設定の変更が適用されていないことを確認します。

ゲスト内の VCS の設定に進む前に、既知の制限事項について詳しくは、付録 A を参照してください。

Veritas InfoScale 製品での VMware の設定について仮想環境を設定する前に、計画している設定が Veritas InfoScale 製品のインストール必要条件を満たしていることを確認します。

Veritas InfoScale 製品コンポーネントのインストールのシステム必要条件、ライセンス、その他の注意事項については、以下の情報を参照してください。

■ ライセンス: VMware 環境で Storage Foundation または SFCFSHA (StorageFoundation Cluster File System High Availability)を実行するお客様は、ライセンスがあるサーバーまたは CPU ごとに無制限の数のゲストを使う資格があります。

■ VMware の必要条件: p.33 の 「VMware ESXi 環境の Veritas InfoScale 製品のサポート対象設定」 を参照してください。

■ Veritas InfoScale製品の必要条件: 各Veritas InfoScale製品にはシステムの必要条件とサポート対象ソフトウェアがあります。 各製品のリリースノートを参照してください。さらに、VMware 環境では Veritas InfoScale に特定の設定が必要な場合があります。

35第 2 章 初めにVeritas InfoScale 製品での VMware の設定について

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p.34 の 「ストレージ設定と機能の互換性」 を参照してください。

■ リリースノート: Veritas InfoScale 製品ごとのリリースノートには、システム必要条件やサポート対象ソフトウェアの更新など、最新情報と重要な詳細が記載されています。

製品のインストールを開始する前に、リリースノートで最新情報を確認してください。

製品のマニュアルは次の場所の Web で利用可能です。https://sort.symantec.com/documents

VMware 環境の Veritas InfoScale 製品のサポートVeritas InfoScale 製品は、ストレージ管理と異機種混在ストレージ環境での管理を実現する一連のコンポーネントです。 シマンテック社 は、VMware ESXi 上の仮想マシン内で実行する Veritas InfoScale 製品コンポーネントをサポートします。

次のバージョンの VMware ESXi 上の Veritas InfoScale 製品コンポーネントがテスト済みでサポートされています。

■ VMware ESXi 5.1U1

■ VMware ESXi 5.5

ゲストオペレーティングシステムには、このリリースの Veritas InfoScale 製品でサポートされるどの Linux オペレーティングシステムを使ってもかまいません。 物理コンピュータで Veritas InfoScale 製品によってサポートされる Linux オペレーティングシステムは、すべて仮想マシンでサポートされます。

サポート対象のオペレーティングシステムについては、使用バージョンの Veritas InfoScale製品の『Linux リリースノート』を参照してください。

p.26 の 「VMware ESXi 環境の Veritas InfoScale ソリューションのサポートについて」を参照してください。

VMware 仮想環境へのストレージソリューションのインストールと設定

Veritas InfoScale 製品を使って VMware 環境でゲストを設定するには、対象の仮想マシンで Veritas InfoScale 製品コンポーネントをインストールして設定します。

インストールと設定情報については、Veritas InfoScale 製品のインストールガイドを参照してください。

p.137 の 「Veritas InfoScale のマニュアル」 を参照してください。

36第 2 章 初めにVMware 環境の Veritas InfoScale 製品のサポート

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VMware 環境での VeritasInfoScale 製品コンポーネントの使用例

■ 第3章 Veritas Operations Manager を使ったストレージからアプリケーションへの可視性

■ 第4章 ApplicationHA を使ったアプリケーションの監視

■ 第5章 Cluster Server を使ったアプリケーションの可用性

■ 第6章 多層型ビジネスサービスのサポート

■ 第7章 Dynamic Multi-Pathing を使ったストレージの可視性、可用性、I/O パフォーマンスの向上

■ 第8章 SmartPool による I/O パフォーマンスの向上

■ 第9章 データ保護、ストレージ最適化、データ移行、データベースパフォーマンスの向上

■ 第10章 VMware ディスク上の Storage Foundation Cluster File System HighAvailability を使った高速フェールオーバー用仮想マシンの設定

3

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Veritas OperationsManager を使ったストレージからアプリケーションへの可視性

この章では以下の項目について説明しています。

■ を使ったストレージからアプリケーションへの可視性について

■ Veritas IndfoScale Operations Manager を使った VMWare インフラストラクチャの検出について

■ Veritas IndfoScale Operations Manager での LPAR と VIO の検出について

■ Veritas IndfoScale Operations Manager でサポートされる LPAR のストレージの関連付けについて

を使ったストレージからアプリケーションへの可視性について

データセンターは、効果的に IT インフラを使い、資本および運用支出を大幅に減らすために、仮想化技術を採用します。 データセンターで仮想化技術を採用すると、 は効率的に仮想ストレージとインフラ資産を検出して管理できます。

データセンターでは、 によって次の関係を表示できます。

■ が管理するデータセンターのアプリケーションとそれらが動作している仮想ホスト

■ データセンターの物理ストレージおよび仮想マシンの仮想ストレージ。

3

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は次の仮想化技術をサポートします。

■ VMware

VMware の仮想化技術では、指定した Control Host がデータセンターで VMwarevCenter Server を検出します。 この検出によって、VMware vCenter サーバーが管理する ESXi サーバーと、ESX サーバーに構成している仮想マシンが表示されます。

詳しくは、 のマニュアルを参照してください。

Veritas IndfoScale Operations Manager の制御ホストについてVeritas IndfoScale Operations Manager は制御ホストを検出機構として使います。Veritas IndfoScale Operations Manager では、制御ホストは次の情報を検出します。

■ VMware 仮想化インフラ(vSphere)と HMC (Hardware Management Console)サーバーに関する情報。

■ エージェントレスホスト。

Veritas IndfoScale Operations Manager 管理サーバー、または管理サーバーに報告を行う管理対象ホストに制御ホストアドオンをインストールします。

VMware 仮想化インフラ(vSphere)についての情報。

Veritas IndfoScale Operations Manager では、Veritas IndfoScale OperationsManager 管理サーバーまたは管理サーバーに報告を行う管理対象ホストを、VMware仮想化インフラに関する情報を検出するための制御ホストとして設定できます。この設定

では、制御ホストとして指定する物理または仮想ホストに制御ホストアドオンをインストー

ルする必要があります。Veritas IndfoScale Operations Manager では、シマンテック社Web サイトから制御ホストアドオンをダウンロードし、[配備管理リポジトリ(DeploymentManagement Repository)]にアップロードして、それを関連する物理または仮想ホストにインストールする必要があります。

データセンターでは、VMware 仮想化インフラに関する次の情報を管理サーバーで検出する場合に、制御ホストが役立ちます。

■ データセンターで設定される VMware vCenter サーバー。

■ vCenters が管理する VMware ESX サーバー。

■ VMware ESX サーバーで設定される VMware 仮想マシン。

■ VMware HA クラスタ。

メモ: Windows プラットフォームの制御ホストを管理するため、Veritas IndfoScaleOperations Manager は管理者権限を持つ「vomuser」という名前のユーザーを作成します。

39第 3 章 Veritas Operations Manager を使ったストレージからアプリケーションへの可視性を使ったストレージからアプリケーションへの可視性について

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制御ホストが VirtualCenter サーバーに ping を実行できることを確認します。制御ホストはこのサーバーから VMware インフラの情報を検出できます。

次の状況に対応するように、管理サーバーに報告する管理対象ホストを制御ホストとして

指定できます。

■ ファイアウォール内に管理サーバーをインストールしない場合に、ファイアウォールの

後ろにある vCenter サーバーを検出するため。

■ 管理サーバーの負荷を減らすため VMware インフラ検出から管理サーバーを除外するため。

HMC (Hardware Management Console)を使った検出

HMC サーバーは LPAR サーバーを管理し、VIO サーバーおよび VIO クライアントに関連する情報を検出することができます。 Veritas Operations Manager コンソールで仮想化管理オプションを使って HMC サーバーを管理サーバーに追加できます。

HMC サーバーを Veritas Operations Manager に追加するには、HMC サーバーを追加するホストに制御ホストのアドオンをインストールする必要があります。 LPAR クライアント上の仮想 SCSI ディスクがサポートされています。ただし、NPIV または仮想ファイバーチャネルのディスクはサポートされていません。現在、ネーティブデバイスまたは DMP デバイスが対応する仮想 SCSI ディスクのみがサポートされています。

HMC サーバーのみを(VRTSsfmh パッケージを使わずに)設定することで、VIO サーバーから VIO クライアントへエクスポートされるストレージと、SAN(記憶領域ネットワーク)から VIO サーバーに提供されるデバイスについての情報を検出できます。

リモートホストのエージェントレス検出

制御ホストを使って、VMware 仮想マシンのエージェントレス検出を実行できます。仮想マシンをエージェントレスホストとしてホストする vCenter サーバーを管理サーバーに追加します。

ホストのエージェントレス検出を実行するには、いずれかの管理対象ホストに制御ホスト

アドオンをインストールする必要があります。 管理サーバーに制御ホストアドオンをインストールできますが、管理サーバーに追加の負荷がかかるため、この方法は推奨されませ

ん。

UNIX 制御ホストは SSH を使ってのみ、UNIX エージェントレスホストを検出できます。Windows 制御ホストは、WMI を使うか、SSH を利用する UNIX エージェントレスホストを使って、Windows エージェントレスホストを検出できます。 エージェントレス方法を使って検出したいリモートホストのオペレーティングシステムに応じて、適切なプラットフォーム

に 1 つ以上の制御ホストをインストールしていることを確認します。

エージェントレスホストの検出について詳しくは、Veritas IndfoScale Operations Managerのマニュアルを参照してください。

p.42 の 「Veritas IndfoScale Operations Manager による vCenter と ESX サーバーの検出方法」 を参照してください。

40第 3 章 Veritas Operations Manager を使ったストレージからアプリケーションへの可視性を使ったストレージからアプリケーションへの可視性について

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p.43 の 「Veritas IndfoScale Operations Manager が VMware インフラコンポーネントで検出する情報」 を参照してください。

Veritas IndfoScale Operations Manager を使ったVMWare インフラストラクチャの検出について

Veritas IndfoScale Operations Manager では、制御ホストに指名された管理対象ホストは VMware インフラを検出できます。

制御ホストのアドオンをインストールした管理対象ホストは、データセンターで次の VMwareインフラコンポーネントの情報を検出します。

■ 1 つ以上の ESX サーバーを管理する vCenter サーバー

■ 個々の仮想マシンが設定される ESX サーバー

制御ホストが vCenter サーバーまたは ESX サーバーに ping を実行できることを確認します。制御ホストはこれらのサーバーから VMware インフラの情報を検出できます。 制御ホストと、制御ホストが VMware インフラ情報の検出元にする ESX サーバーまたはvCenter サーバーが同じサブネット上にある必要があります。

指定された制御ホストにインストールした制御ホストのアドオンには、VMware サーバーの標準インターフェースを提供する VMware インフラ SDK(VI SDK)と VMware インフラにアクセスする制御ホストが含まれています。 制御ホストは検出した VMware インフラの情報を管理サーバーに報告します。 管理サーバーは制御ホストから受信したデータをまとめ、関連する表示をポピュレートします。

vCenter サーバーおよび ESX サーバーのサポート対象のバージョンについて詳しくは、『Veritas IndfoScale Operations Manager のハードウェアとソフトウェアの互換性リスト(HSCL)』を参照してください。

p.41 の 「Veritas IndfoScale Operations Manager を使って vCenter と ESX サーバーを検出するための必要条件」 を参照してください。

p.42 の 「Veritas IndfoScale Operations Manager による vCenter と ESX サーバーの検出方法」 を参照してください。

Veritas IndfoScale Operations Manager を使って vCenter と ESXサーバーを検出するための必要条件

Veritas IndfoScale Operations Manager を使って VMware インフラを検出するための必要条件は、次のとおりです。

■ 制御ホストのアドオンをインストールする仮想または物理ホストに VRTSsfmh パッケージをインストールします。

41第 3 章 Veritas Operations Manager を使ったストレージからアプリケーションへの可視性Veritas IndfoScale Operations Manager を使った VMWare インフラストラクチャの検出について

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■ 制御ホストが vCenter サーバーまたは ESX サーバーに ping を実行できることを確認します。制御ホストはこれらのサーバーから VMware インフラの情報を検出できます。

■ vCenter サーバーまたは ESX サーバーにログオンする適切な権限があることを確認します。

■ Veritas IndfoScale Operations Manager に検出させる vCenter または ESX サーバーの Browse Datastore 権限があることを確認します。

p.41 の 「Veritas IndfoScale Operations Manager を使った VMWare インフラストラクチャの検出について」 を参照してください。

p.42 の 「Veritas IndfoScale Operations Manager による vCenter と ESX サーバーの検出方法」 を参照してください。

p.43 の 「Veritas IndfoScale Operations Manager が VMware インフラコンポーネントで検出する情報」 を参照してください。

Veritas IndfoScale Operations Manager による vCenter と ESX サーバーの検出方法

Veritas IndfoScale Operations Manager は指定された制御ホストを使用して仮想マシンの情報を検出します。制御ホストとして指定したい管理対象ホストには、制御ホストのア

ドオンをインストールする必要があります。 制御ホストは VMware インフラ SDK(VI SDK)を使って vCenter と ESX サーバーにアクセスします。

Veritas IndfoScale Operations Manager で仮想化検出を設定する場合、vCenter または ESX サーバーにアクセスする適切な権限があることを確認する必要があります。また、VMware インフラ情報を検出する ESX サーバーまたは vCenter に対する BrowseDatastore 権限があることも確認する必要があります。

vCenter サーバーには Apache Tomcat サーバーである Web サーバーが含まれます。Web サーバーでホストされている Web サービスは VMware インフラと通信します。仮想化検出の設定後、制御ホストは VI SDK を使って、Web サーバーでホストされているWeb サーバーと通信します。 この通信のために、制御ホストは HTTPS プロトコルを使います。

VMware SDK の Web サービスの URL は次のとおりです。

https://vCenter または ESX サーバーの従来のホスト名/sdk

VMware インフラ検出の後で、制御ホストは管理サーバーに検出されたデータを報告します。

p.41 の 「Veritas IndfoScale Operations Manager を使った VMWare インフラストラクチャの検出について」 を参照してください。

p.41 の 「Veritas IndfoScale Operations Manager を使って vCenter と ESX サーバーを検出するための必要条件」 を参照してください。

42第 3 章 Veritas Operations Manager を使ったストレージからアプリケーションへの可視性Veritas IndfoScale Operations Manager を使った VMWare インフラストラクチャの検出について

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p.43 の 「Veritas IndfoScale Operations Manager が VMware インフラコンポーネントで検出する情報」 を参照してください。

p.43 の 「Veritas IndfoScale Operations Manager のデータストアについて」 を参照してください。

p.39 の 「Veritas IndfoScale Operations Manager の制御ホストについて」 を参照してください。

Veritas IndfoScale Operations Manager が VMware インフラコンポーネントで検出する情報

VMware インフラコンポーネントの検出は、次の情報を提供します。

■ Veritas IndfoScale Operations Manager が検出する VMware インフラコンポーネントのホスト名と IP アドレス

■ Veritas IndfoScale Operations Manager が検出する VMware インフラコンポーネントのオペレーティングシステムハンドル

■ ESX サーバーで設定された仮想マシンに関連付けられる、仮想ディスクへのオペレーティングシステムハンドルの関連付け

p.41 の 「Veritas IndfoScale Operations Manager を使った VMWare インフラストラクチャの検出について」 を参照してください。

p.41 の 「Veritas IndfoScale Operations Manager を使って vCenter と ESX サーバーを検出するための必要条件」 を参照してください。

p.42 の 「Veritas IndfoScale Operations Manager による vCenter と ESX サーバーの検出方法」 を参照してください。

p.43 の 「Veritas IndfoScale Operations Manager のデータストアについて」 を参照してください。

Veritas IndfoScale Operations Manager のデータストアについてデータストアは ESX サーバーに接続されているディスクと LUN に基づいて作成される、物理ストレージのコレクションです。ストレージはデータストアから VMware 仮想マシンに割り当てられます。Veritas IndfoScale Operations Manager ではデータストアと仮想マシン間のストレージのマップを表示できます。

データストアは仮想マシンファイルのストレージの場所です。このストレージの場所は

VMFS ボリュームまたは NFS ファイルシステム上のディレクトリです。

また、VMware は ESX サーバーで利用可能である物理ディスクから仮想マシンにストレージを直接割り当てることができます。このストレージの割り当ては RAW デバイスマッピングと呼ばれます。

43第 3 章 Veritas Operations Manager を使ったストレージからアプリケーションへの可視性Veritas IndfoScale Operations Manager を使った VMWare インフラストラクチャの検出について

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p.41 の 「Veritas IndfoScale Operations Manager を使った VMWare インフラストラクチャの検出について」 を参照してください。

VMware 環境のマルチパスの検出についてVMware 環境のマルチパス検出のサポートにより、データセンターの ESX サーバーでディスクのマルチパスと関連する情報を検出できます。 ESX サーバーの VxDMP の下でディスクのパスを管理できるようになります。 これは、制御ホストのアドオンを使って有効になります。 各ディスクで、次の情報を検出できます。

■ パスの合計数と、アクティブなパスの合計数。

■ パスについての詳細。

■ マルチパスアプリケーションについての情報。 マルチパスアプリケーションは、VMwareネーティブのマルチパス(NMP)、EMC PowerPath/Virtual Edition、 DynamicMulti-Pathing (DMP) for VMware のいずれかになります。

DMP for VMware がマルチパスソリューションの場合は、Veritas IndfoScale OperationsManager コンソールを使う DMP 保守ウィザードでディスクのパスの有効と無効を切り替えることができます。

メモ: また VMware ESX サーバーにインストールされている DMP のライセンスについての詳細を含むレポートも生成できます。 ライセンスの検出は、制御ホストのアドオンでも有効になります。

p.44 の 「 VMware 環境のマルチパス検出のユーザー権限について」 を参照してください。

VMware 環境のマルチパス検出のユーザー権限について次の表は、ESX サーバーのマルチパス検出で必要な権限をリストしたものです。

44第 3 章 Veritas Operations Manager を使ったストレージからアプリケーションへの可視性Veritas IndfoScale Operations Manager を使った VMWare インフラストラクチャの検出について

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表 3-1

権限がない場合省略可能かどうか権限

このフラグは、仮想ディスクの詳

細を見つけるためにデータスト

アを参照する必要があるかどう

かを示します。

データストアの参照をスキップ

すると、以前のバージョンの

Veritas InfoScale OperationsManager と比較して VMware検出で相違点が検出されます。

■ VMware 仮想マシンに接続した仮想ディスクのみが検

出されます。

■ 物理的な割り当て、使用量、

利用率(%)、シン/シン以外などの一部の仮想ディスク

属性は検出されません。

はいDatastore¥Browse Datastore

■ VxDMP チューニングパラメータの検出が発生しませ

ん。

■ VxDMP ライセンスの検出が発生しません。

■ Veritas IndfoScaleOperations Manager のDMP のパスの保守作業が、VxDMP によって管理される ESX サーバーのディスクのパスで動作しなくなりま

す。

いいえ。

ただし、必要なのは VxDMP を実行する ESX サーバーでのみです。 VxDMP を実行するESX がない場合は必要ありません。

Host¥CIM¥CIM Interaction

Veritas IndfoScale OperationsManager が、VMware ESXサーバー内で実行される

VxDMP のバージョンを検出できません。 VxDMP を実行していない ESX サーバーには影響ありません。

はいHost¥Configuration¥ChangeSettings

p.44 の 「 VMware 環境のマルチパスの検出について」 を参照してください。

45第 3 章 Veritas Operations Manager を使ったストレージからアプリケーションへの可視性Veritas IndfoScale Operations Manager を使った VMWare インフラストラクチャの検出について

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の仮想マシン状態のニアリアルタイム(NRT)更新について仮想マシンの状態の NRT(Near Real-Time の略でニアリアルタイムの意味)更新を使うと、Veritas IndfoScale Operations Manager Management Server ドメイン内の仮想マシンの電源状態の変化を、ニアリアルタイムで Veritas IndfoScale Operations Managerデータベースに反映できます。

同じドメイン内の VMware vCenter Server と Management Server を設定します。仮想マシンの電源状態以外の情報はニアリアルタイムで更新されませんのでご注意ください。

メモ: 仮想マシンのニアリアルタイム更新は VMware vCenter Server 4.x および 5.x でサポートされます。

p.46 の 「 の仮想マシン状態のニアリアルタイム(NRT)更新の設定」 を参照してください。

の仮想マシン状態のニアリアルタイム(NRT)更新の設定仮想マシン状態のニアリアルタイム更新を設定するには、VOM サーバーのアドレスをレシーバー URL として VMware vCenter Server SNMP を設定します。 VMware vCenterServer を管理サーバーに追加すると、管理サーバーは更新を受信します。

仮想マシンの状態 (電源オン、電源オフ、一時停止) が変わると、Management Serverで検出された管理 VMware vCenter Server によって、対応する SNMP トラップが生成されます。次に、Management Server にトラップが送信されます。SNMP トラップには仮想マシン状態に関する情報が含まれており、Management Server データベースを更新するのに使われます。

メモ: SNMP バージョン 1(SNMPv1)およびバージョン 2(SNMPv2)がサポートされます。

ニアリアルタイム更新用の Veritas IndfoScale Operations Manager コンポーネントはxtrapd です。Linux ではデーモンとして、Windows ではサービスとして実行されます。xtrapd は VMware vCenter Server から送信された SNMP トラップを検出し、VeritasIndfoScale Operations Manager データベースの仮想マシンレコードを更新し、Management Server コンソールを更新して仮想マシンの最新の状態を表示します。

VMware 仮想マシンのニアリアルタイム更新を設定するには、次の手順を行います。

表 3-2 仮想マシン状態のニアリアルタイム(NRT)更新を設定する

説明アクションステップ

VMware vCenter Server コンソールを使用して

46第 3 章 Veritas Operations Manager を使ったストレージからアプリケーションへの可視性Veritas IndfoScale Operations Manager を使った VMWare インフラストラクチャの検出について

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説明アクションステップ

Management Server を SNMP トラップの受信者として設定するための情報を入力します。また、仮想

マシンの状態が変化したときに SNMP トラップを送信するためのアラームを設定します。

p.47 の 「VMware vCenter Server を設定してSNMP トラップを生成する」 を参照してください。

VMware vCenter Server コンソールへの ManagementServer の詳細の入力

手順 1

Management Server コンソールの使用:

VMware vCenter Server を Management Serverに追加すると、Management Server の xtrapdデーモンは指定した VMware vCenter Server からの SNMP トラップの受け入れを開始します。

メモ: VMware vCenter Server を VeritasIndfoScale Operations Manager ドメインに追加する前に設定しておかないと警告メッセージが表示さ

れます。これは vCenter Server の検出には影響しません。ただし、ニアリアルタイム仮想マシン状態検

出は機能しません。仮想マシン状態のニアリアルタ

イム更新を有効にするには、最初に VMwarevCenter Server を設定してから ManagementServer コンソールの VMware vCenter Server 設定を更新する必要があります。

Management Server へのVMware vCenter Server の追加

手順 2

デフォルトでは、仮想マシンのニアリアルタイム更新は有効になっています。無効にする

には、VMware vCenter Server から SNMP レシーバとして登録されている ManagementServer を削除する必要があります。

p.46 の 「 の仮想マシン状態のニアリアルタイム(NRT)更新について」 を参照してください。

VMware vCenter Server を設定して SNMP トラップを生成する次の情報を指定します。

■ VMware vCenter Server コンソールを使って Management Server を VMwarevCenter Server の SNMP トラップ受信者として設定します。vSphere Client の[ホーム(Home)]ページで、[vCenter Server の設定(vCenter Server Settings)]を選択して SNMP の設定を選択します。SNMP の受信者の 1 つを有効化して詳細を次のように入力します:

47第 3 章 Veritas Operations Manager を使ったストレージからアプリケーションへの可視性Veritas IndfoScale Operations Manager を使った VMWare インフラストラクチャの検出について

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説明フィールド

VMware vCenter Server に接続する Management Server のホスト名を指定します。VMware vCenter Server は SNMP トラップをこの Management Server に送信します。

また、SNMP ポートとしてポート 162 を設定します。ポート162 が他のどのアプリケーションでも使われていないことを確認します。

受信者 URL

コミュニティ文字列を提供します。SNMP バージョン v1 と v2 がサポート対象です。

コミュニティ文字列

■ 仮想マシンの状態が変更されたときに SNMP トラップを生成するアラームを設定します。これにはアラームを追加して仮想マシン状態の変更を監視したり、適切な操作

(たとえば、通知電子メールの送信) を追加することが含まれます。

■ VMware vSphere Client の[ホーム (Home)]ページで、[ホストとクラスタ (Hostsand Clusters)]を選択して VMware vCenter Server、データセンター、個々の仮想マシンを右クリックしてアラームを設定します。個々の仮想マシンレベル、デー

タセンターレベル、または VMware vCenter Server 全体レベルでアラームを設定できます。VMware vCenter Server レベルで設定することを推奨します。

■ [全般(General)]タブでは、仮想マシンを監視するために設定されたアラームのタイプを含むアラームの詳細を提供します。次のテーブルでリストされている詳細

を入力します:

説明フィールド

アラームの名前を提供します。アラームの名前

アラームについての追加情報を提供します。説明

[監視 (Monitor)]ドロップダウンリストで[仮想マシン (VirtualMachines)]を選択します。

たとえば、仮想マシンの電源が[オン(On)]など、このオブジェクトで起きる特定のイベントの[監視(Monitor)]オプションを選択します。[アラームの有効化(Enable this alarm)]チェックボックスが選択されていることを確認します。

アラームのタイプ

■ [トリガ(Triggers)]タブでは、電源がオンの仮想マシン、電源がオフの仮想マシン、一時停止した仮想マシン、電源がオンの DRS 仮想マシン(DRS 有効のクラスタ環境用)などの仮想マシンの状態を監視するのに必要なトリガを追加します。

フィールドの値は次のとおりです:

48第 3 章 Veritas Operations Manager を使ったストレージからアプリケーションへの可視性Veritas IndfoScale Operations Manager を使った VMWare インフラストラクチャの検出について

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次の状態を選択次のイベントの値に

設定解除電源がオンの DRS 仮想マシン

設定解除電源がオンの仮想マシン

設定解除電源がオフの仮想マシン

設定解除一時停止した仮想マシン

■ 通知トラップを送信するときについての情報を提供します。

[アラーム設定 (Alarm Settings)]パネルの[操作 (Actions)]タブで、[追加 (Add)]をクリックして新しい操作を追加します。[操作(Action)]ドロップダウンリストで、[通知トラップを送信(Send a notification trap)]オプションを選択します。操作を次の図に示されているとおりに設定します。

p.46 の 「 の仮想マシン状態のニアリアルタイム(NRT)更新について」 を参照してください。

p.46 の 「 の仮想マシン状態のニアリアルタイム(NRT)更新の設定」 を参照してください。

Veritas IndfoScale Operations Manager での LPARと VIO の検出について

Veritas IndfoScale Operations Manager を使って LPAR サーバーを設定し、データセンターの LPAR、VIO クライアント、VIO サーバーに関連する情報を検出することができます。 クライアントの LPAR と VIO サーバーのエージェントレス検出はサポートされません。

メモ: Veritas IndfoScale Operations Manager では、LPAR プロファイル名には正当なファイル名文字しか使用できません。 オペレーティングシステム使用向けに予約された特殊文字(スペース、“¥”、“$”、“!”、“&” など)はサポートされません。 LPAR のプロファイル名には、大文字と小文字の英字、数値(0-9)、"_"、"-" を使うことを推奨します。

LPAR の検出機構は次のカテゴリにグループ化できます。

■ ハードウェア管理コンソール(HMC)を使った検出: HMC サーバーは LPAR サーバーを管理し、VIO サーバーと VIO クライアントに関連する情報を検出できるように

49第 3 章 Veritas Operations Manager を使ったストレージからアプリケーションへの可視性Veritas IndfoScale Operations Manager での LPAR と VIO の検出について

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します。 Veritas IndfoScale Operations Manager コンソールで仮想化管理オプションを使って、HMC サーバーを管理サーバーに追加できます。HMC サーバーを Veritas IndfoScale Operations Manager に追加するためには、HMC サーバーが追加されるホストに制御ホストのアドオンをインストールする必要があります。 LPAR クライアント上の仮想 SCSI ディスクがサポートされています。 ただし、NPIV または仮想ファイバーチャネルのディスクはサポートされていません。 現在、ネーティブデバイスまたは DMP デバイスが対応する仮想 SCSI ディスクのみがサポートされています。 HMC サーバーのみを(VRTSsfmh パッケージを使わずに)設定することで、VIO サーバーから VIO クライアントへエクスポートされるストレージと、SAN(記憶領域ネットワーク)から VIO サーバーに提供されるデバイスについての情報を検出できます。

■ LPAR クライアントにインストールされた VRTSsfmh パッケージを使った検出: LPARクライアントに VRTSsfmh パッケージがある場合は、LPAR クライアントに関する追加情報が提供されます。 この情報は HMC サーバーを使って検出される情報と関連付けられます。 仮想 SCSI デバイスの検出、VIO サーバーのソースデバイス、仮想SCSI デバイスの関連付けもサポートされます。

メモ: Veritas IndfoScale Operations Manager では、VIO サーバーのバックエンドデバイスとしてのみネーティブディスクがサポートされます。 これらのディスクは、MPIO(Microsoft Multipath I/O)と DMP (Dynamic Multi-Pathing)によって制御できます。サードパーティのマルチパスソフトウェア(または論理ボリューム)によって制御される

ディスクをバッキングデバイスとして使う場合は、エンドツーエンドの関連付けを利用

できません。

■ VIO サーバーに DMP の一部としてインストールされる VRTSsfmh パッケージを使った検出: DMP 6.0 を備えた VIO サーバーを追加すると、通常の管理対象ホストの検出とともに、DMP が対応するエクスポートされたストレージの検出も提供されます。 エンドツーエンドを関連付けるには、VIO サーバー上に DMP 6.0 が必要です。 DMPが対応するデバイスのストレージマッピングは、(DMP がインストールされた)VIO サーバーが Veritas IndfoScale Operations Manager 管理サーバーに追加された場合のみ利用可能です。

■ Storage Insight Add-onでは、VIO サーバーに割り当てられた SAN からアレイとLUN に関する完全な情報を検出することができます。

メモ: (VIO サーバーによって消費される)アレイが設定されるとき、または(DMP を備えた)VIO サーバーが Veritas IndfoScale Operations Manager 管理サーバーに追加されるときに、Veritas IndfoScale Operations Manager コンソールでエンドツーエンドの相関をすぐに表示するために、対応する HMC 検出を更新することをお勧めします。

50第 3 章 Veritas Operations Manager を使ったストレージからアプリケーションへの可視性Veritas IndfoScale Operations Manager での LPAR と VIO の検出について

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Veritas IndfoScale Operations Manager でサポートされる LPAR のストレージの関連付けについて

Veritas IndfoScale Operations Manager は、VIO のサーバーとクライアントのストレージの関連付けをサポートします。VIO のサーバーとクライアントのストレージ関連付けサポートにより、各層の VIO のサーバーとクライアントのストレージ消費に関連する情報が提供されます。 次の VIO のサーバーとクライアント関連の情報が、ユーザーに提供されます。

■ VIO クライアントに割り当てられたストレージについての情報。VIO クライアントのストレージが SAN(Storage Area Network)から、または VIO サーバーを通して直接割り当てられているかどうか。

■ VIO サーバーの検出、VIO サーバーストレージと SAN との関連付けの検出。

■ VIO サーバーから VIO クライアントにエクスポートされるストレージの詳細、VIO サーバーのソースデバイスと VIO クライアントのターゲットデバイス間のマッピング。

■ どの VIO サーバーが VIO クライアントへのストレージ割り当てに加わり、どのくらいのストレージが割り当て済みであるかについての情報。

■ どのくらいのストレージが VIO サーバーに割り当てられており、どのくらいのストレージが VIO サーバーから VIO クライアントに割り当てられているかについての情報。

■ 各種アプリケーションとファイルシステムの VIO クライアントで、割り当て済みのストレージがどのくらい消費されているかについての情報。

p.49 の 「Veritas IndfoScale Operations Manager での LPAR と VIO の検出について」 を参照してください。

51第 3 章 Veritas Operations Manager を使ったストレージからアプリケーションへの可視性Veritas IndfoScale Operations Manager でサポートされる LPAR のストレージの関連付けについて

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ApplicationHA を使ったアプリケーションの監視

この章では以下の項目について説明しています。

■ ApplicationHA を使用したアプリケーション監視について

■ ApplicationHA とは

■ ApplicationHA エージェント

■ vCenter に統合された ApplicationHA 操作のスタートガイド

■ VOM に統合された ApplicationHA 操作のスタートガイド

ApplicationHA を使用したアプリケーション監視について

VCS (Viritas Cluster Server)または SFCFSHA (Storage Foundation Cluster FileSystem High Availability)などの別の Veritas InfoScale 製品コンポーネントを使って、クラスタ化やフェールオーバー機能を提供するだけでなく、アプリケーションの健全性を

監視できます。 ただし、仮想マシン内のアプリケーションを監視するためだけに VCS、SFHA または SFCFSHA のすべての機能は必要でない場合があります。 仮想環境では、アプリケーションに対するサイズおよびリソース要件は、重要な注意事項です。

シマンテック社は、シマンテック社と他のベンダーのクラスタ化やディザスタリカバリのソ

リューションとシームレスに組み合わせる仮想化ワークロード向けの軽量で単純なアプリ

ケーション可用性ソリューションを提供します。 ApplicationHA では、高可用性コンポーネントをインストールして設定し、仮想マシンでアプリケーション監視を管理するための簡

単な GUI やウィザード基準の方法を提供しています。

軽量で使いやすいアプリケーション監視機能には、ESXi ゲストの ApplicationHA を使用します。

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ApplicationHA とはApplicationHA は、シマンテック社のアプリケーション可用性管理ソリューションの 1 つです。 ApplicationHA は、VMware vCenter Server によって管理される仮想マシンで実行中のアプリケーションの監視機能を提供します。 ApplicationHA は、VMware の仮想化技術によって提供されるコアとなる HA 機能にアプリケーションを認識する層を追加します。

または、ApplicationHA は、VOM(Veritas Operations Manager)Management Server6.0 以降が管理する仮想マシン内部で実行するアプリケーションの監視機能を提供します。

ApplicationHA は、VCS (Cluster Server)に基づいてエージェント、リソース、サービスグループなどの類似概念を使います。 ただし、 ApplicationHA は、仮想化環境のより迅速なインストールと設定を可能にする軽量版のサーバーフットプリントを使用します。

主に次のような利点があります。

■ VMware vCenter Server HA とのアウトオブザボックス統合

■ アプリケーションの完全な可視性と制御 (仮想マシンで実行中のアプリケーションの起動、停止、監視を行う機能が含まれます)

■ アプリケーションの高可用性とアプリケーションが動作する仮想システムの高可用性

■ VMware vSphere クライアント、VMware vSphere Web クライアント、VOM 管理サーバーコンソールと統合した単一インターフェースを使ってアプリケーションを管理する

標準的な方法。

■ 特殊なアプリケーション保守モード (このモードでは、ApplicationHA により、保守またはトラブルシューティングの対象となっているアプリケーションを意図的に停止でき

ます)

■ リカバリサイトで仮想マシンが起動した後にアプリケーションの監視を再開する機能を

提供する VMware vCenter SRM (Site Recovery Manager) Server との統合

ApplicationHA と VMware vCenter Server との連携ApplicationHA は VMware HA と直接通信します。 ApplicationHA はアプリケーションハートビートの形でアプリケーションの健全性状態を伝達します。 これにより、VMwareHA は、指定された時間間隔内にアプリケーションハートビートを受信しなかった場合に、自動的に仮想マシンをリセットまたは再起動することができます。

メモ: この項では、Symantec High Availability Console を使用して、ApplicationHA がvSphere クライアント(デスクトップバージョン)を介してどのように vCenter と統合するのかについて説明します。 ApplicationHA が vSphere Web クライアントを介して vCenterとどのように統合するかの詳細:

53第 4 章 ApplicationHA を使ったアプリケーションの監視ApplicationHA とは

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次の図は、 ApplicationHA の配備例を示しています。

次の図は、VMware SRM 環境での ApplicationHA の配備例を示しています。

54第 4 章 ApplicationHA を使ったアプリケーションの監視ApplicationHA とは

Page 55: Veritas InfoScale™ 7.0 仮想化ガイド- Linux on ESXi...Veritas InfoScale™ 7.0 仮想化ガイド この本で説明されているソフトウェアは使用許諾契約の下で提供され、同意条項に従う場合にのみ

ApplicationHA は、VMware vSphere Client との統合ための vCenter プラグインを提供し、アプリケーションの監視タスクを実行するための次のインターフェースを追加しま

す。 これらのインターフェースは、Symantec High Availability Console をインストールした後に vSphere Client に表示されます。

■ [Symantec High Availability]タブ: このタブは仮想マシンでアプリケーションの監視操作を実行するためのプライマリインターフェースです。

このビューでは、アプリケーションの監視を設定し、設定したアプリケーションを仮想

マシンで監視して制御できます。 アプリケーションの監視を設定すると、[ApplicationHA]ビューにアプリケーションの状態とコンポーネントの依存関係が表示されます。

■ Symantec High Availability ダッシュボード: Symantec High Availability ダッシュボードは設定したアプリケーションを VMware クラスタまたはデータセンターで管理するためのプライマリインターフェースです。 アプリケーションの監視を設定すると、Symantec High Availability ダッシュボードにアプリケーションの状態が表示されます。

次の図は Symantec High Availability ダッシュボードを示します。データセンターのさまざまな仮想マシンで、さまざまなアプリケーションが ApplicationHA での監視のために設定されています。

55第 4 章 ApplicationHA を使ったアプリケーションの監視ApplicationHA とは

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vSphere デスクトップクライアントのサポートと vSphere Web クライアントのサポートの対比

ApplicationHA の vSphere Web クライアントのサポートと ApplicationHA の vSphereクライアント(デスクトップ)のサポートは多少異なります。 現在サポートされるタスクは、vSphere Web クライアントのほうが少ないです。

メモ: vSphere Web クライアントの シマンテック社のサポートに関する最新の更新については、TechNote http://www.symantec.com/docs/TECH222796 を参照してください。

次の表に、現在の相違点と共通点の一覧を示します。

56第 4 章 ApplicationHA を使ったアプリケーションの監視ApplicationHA とは

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表 4-1 ApplicationHA タスクの vSphere Web クライアントのサポートの相違点

vSphere Web クライアントvSphere デスクトップクライアント

タスク

Veritas Operations Managerとそのアドオン、vSphere WebClient 用 Veritas HA プラグインによりサポート

rted via Symantec HighAvailability Console によりサポート

vSphere Client メニューとの統合

サポート対象サポート対象仮想マシンレベルで

[Symantec High Availability]ビューを使ってアプリケーション

を監視する

サポート対象サポート対象データセンター/ESX クラスタレベルで[Symantec HighAvailability]ダッシュボードを使ってアプリケーションを監視

する

サポートなしサポート対象vSphere クライアントから仮想マシンに ApplicationHA ゲストコンポーネントをインストールす

単一の Veritas OperationsManager 管理サーバーを使って複数の vCenter サーバーをサポート

Symantec High AvailabilityConsole ごとに 1 台の vCenterサーバーのみをサポート

複数の vCenter サポート

サポート外: ホームページはサポートされません

サポート対象Symantec High Availabilityビューとホームページからライセ

ンスを管理する

サポートなしサポート対象VMware Site RecoveryManager ディザスタリカバリソリューションとの統合

vSphere Web Client 用の Veritas HA プラグインが ApplicationHA と連携するしくみ

次の図は、ApplicationHA タスクをサポートするために VMware 仮想環境で vSphereWeb Client 用 Veritas HA プラグインをどのように配備するかを示しています。

57第 4 章 ApplicationHA を使ったアプリケーションの監視ApplicationHA とは

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図 4-1 配備図

メモ: vSphere Web Client 用 Veritas HA プラグインは、Veritas Operations ManagerManagement Server (プライマリノードとセカンダリノード) の高可用性モードをサポートします。 また、プラグインは同時に複数の vCenter サーバーをサポートします。 簡便性のために、これらのコンポーネントは上記の図には示されていません。

vSphere Web Client 用 Veritas HA プラグインは、Veritas Operations ManagerManagement Server 6.1 のアドオンとして配布されます。

まず管理サーバーにアドオンをインストールする必要があります。 すべての必須の vCenterサーバーに Veritas HA プラグインを登録する必要もあります。 その結果、[SymantecHigh Availability]ビューが vSphere Web Client GUI に挿入されます。

ApplicationHA ゲスト(仮想マシン) を管理対象ホストとして Veritas Operations ManagerManagement Server に追加すると、管理サーバーは ApplicationHA によって監視されたアプリケーションの健全性状態を検出します。 管理サーバーは、この情報を vCenterサーバーにリレーします。 この情報は、vSphere Web Client の[Symantec HighAvailability]タブに表示されます。

vSphere Web Client の[監視(Monitor)]タブの内部に[Symantec High Availability]タブが挿入されます。 Web Client 内の仮想マシンに移動し、[Symantec HighAvailability]タブをクリックすると、[Symantec High Availability]ビューにはその仮想マシン上で実行する監視対象アプリケーションの診断情報が表示されます。

同様に、ESX クラスタまたはデータセンターに移動し、タブをクリックすると、[SymantecHigh Availability]ダッシュボードにはそのクラスタまたはデータセンターで実行するすべての監視対象アプリケーションについての集約型の診断情報が表示されます。

58第 4 章 ApplicationHA を使ったアプリケーションの監視ApplicationHA とは

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アプリケーション管理タスクは両方のビューから実行できます。 これには、監視対象アプリケーションの起動と停止が含まれます。 詳しくは、製品固有のユーザーズガイドを参照してください。

メモ: vSphere Web Client に対するサポートを導入するとともに、シマンテック社はSymantec High Availability Console を介した vSphere Desktop Client も引き続きサポートします。 vSphere Web Client を介した ApplicationHA の一部のタスクはまだサポートされていません。 詳しくは、p.56 の 「vSphere デスクトップクライアントのサポートと vSphere Web クライアントのサポートの対比」 を参照してください。

ApplicationHA エージェントエージェントはアプリケーション固有のモジュールであり、システムで事前定義されたリ

ソースタイプのアプリケーションとリソースを管理する ApplicationHA フレームワークにプラグインします。 Oracle Database、DB2、Apache HTTP Server、および汎用(カスタム)アプリケーションなど、一部のエンタープライズアプリケーションのエージェントは、

ApplicationHA ゲストコンポーネントのインストール時にインストールされます。 リリース6.2 以降、これらのエージェントは Intelligent Monitoring Framework をサポートします。

その他のアプリケーションについては、エージェントは四半期ごとの Agent Pack リリースによって配布されます。 最新のエージェントは、SORT からダウンロードしてインストールする必要があります。

ApplicationHA エージェントは、アプリケーションで設定されたリソースの開始、停止、監視を行い、状態の変化を報告します。 アプリケーションまたはコンポーネントが失敗すると、ApplicationHA は仮想マシンのアプリケーションおよびそのコンポーネントを再起動します。

ApplicationHA エージェントは次のように分類されます。

■ インフラのエージェント

NIC、IP および Mount といったエージェントがインフラのエージェントとして分類されます。 インフラエージェントは、ApplicationHA インストールの一部として自動的に仮想マシンにインストールされます。

インフラのエージェントの詳細については、『Cluster Server 付属エージェントリファレンスガイド(Linux)』を参照してください。

■ Application エージェントApplicationHA エージェントパックは年 4 回リリースされます。 エージェントパックは新しいアプリケーションのサポートのほかに、既存のエージェントへの修正と拡張が含

まれています。 既存の ApplicationHA ゲストコンポーネントのインストールでエージェントパックをインストールできます。

最新のエージェントパックが利用できるかについては、SORT (Services OperationsReadiness Tools)の Web サイトにアクセスしてください。

59第 4 章 ApplicationHA を使ったアプリケーションの監視ApplicationHA エージェント

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https://sort.symantec.com/agentsアプリケーションエージェントの詳細については、アプリケーションごとの設定ガイドを

参照してください。

vCenter に統合された ApplicationHA 操作のスタートガイド

ApplicationHA 操作を VMware vCenter サーバーと統合して、vSphere クライアントメニュー(デスクトップ版)と vSphere Web クライエントの両方で管理できます。 2 つのクライアントの開始手順は異なります。

■ 「vSphere クライアントサポートのスタートガイド 」

■ 「vSphere Web クライアントのサポートのスタートガイド」

ApplicationHA 操作と Veritas Operations Manager 管理サーバーの GUI を統合するために実行する必要がある手順については詳しくは、次を参照してください。

vSphere クライアントサポートのスタートガイド次の図は、vSphere クライアントを使って ApplicationHA を管理するために実行する必要がある手順と、詳細を参照できるマニュアルを示します。

60第 4 章 ApplicationHA を使ったアプリケーションの監視vCenter に統合された ApplicationHA 操作のスタートガイド

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『Symantec High Availability Console インストール/アップグレードガイド』を参照

『Symantec ApplicationHA インストール/アップグレードガイド』を参照

シングルサインオンを設定『Symantec ApplicationHAユーザーズガイド』を参照

サイト間のシングルサインオンを設定

『Symantec ApplicationHAユーザーズガイド』を参照

SRM のリカバリ計画を修正

アプリケーション監視を設定『アプリケーションごとの設定ガイド』を参照

『Symantec ApplicationHAユーザーズガイド』を参照vSphere Client を使用する場合- Symantec High Availability Tab 仮想マシンレベル- Symantec High Availability ダッシュボード VMware クラスタデータセンターレベル

ブラウザ(仮想マシンレベル)を使用の場合(https://<仮想マシン名または IP>:5634/vcs/admin/application_health.html?priv=ADMIN)

VMware HA 設定を構成

『Symantec ApplicationHAユーザーズガイド』を参照

ApplicationHA のアクセス制御の設定

Symantec High Availability Console をインストール

Symantec ApplicationHA ゲストコンポーネントをインストール

(vSphere Client を使用してアプリケーションの監視を設定した場合のみ

アプリケーションを監視

サイトリカバリ用

vSphere Web クライアントのサポートのスタートガイド次の図は、vSphere Web クライアントを使って ApplicationHA を管理するために実行する必要がある手順と、詳細を参照できるマニュアルを示します。

61第 4 章 ApplicationHA を使ったアプリケーションの監視vCenter に統合された ApplicationHA 操作のスタートガイド

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オプションで、VOM MS を HA モードで設定する

Veritas InfoScale Operations Manager インストールガイド

VOM ユーザーガイドとVOM アドオンユーザーガイド

このドキュメントの「[Symantec HA]タブへのアクセス」を参照

VOM MS に vSphere Web クライアント用の Veritas HAプラグインをインストールする

VOM ユーザーガイドとVOM アドオンユーザーガイド

Veritas HA プラグインと vCenter Server を登録する

Symantec High Availabilityゲストコンポーネントをインストールする

VOM アドオンユーザーガイド

VCS ゲストを管理対象ホストとして VOM MS に追加し、HA コンソールから VOM にゲストを移行する

VOM アドオンユーザーガイド

Veritas InfoScale インストールガイド

vSphere Web クライアントの[Symantec HA]タブに移動する

Symantec HA ビューからアプリケーションの可用性を監視する

Symantec High Availability ソリューションガイド(VMware 用)

VOM MS (Veritas InfoScale Operations ManagerManagement Server)をインストールする

ApplicationHA 操作に対する vSphere Web クライアントサポートの最新の更新については、次の TechNote を参照してください。

http://www.symantec.com/docs/TECH222796

VOM に統合された ApplicationHA 操作のスタートガイド

いくつかの簡単な手順を実行すると、ApplicationHA 操作と Veritas Operations Manager管理サーバー(VOM MS)の GUI を統合できます。

62第 4 章 ApplicationHA を使ったアプリケーションの監視VOM に統合された ApplicationHA 操作のスタートガイド

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次の図は、VOM 管理サーバーの GUI を使って ApplicationHA を管理するために実行する必要がある手順と、詳細を参照できるマニュアルを示します。

メモ: VOM 管理サーバー GUI のサーバーパースペクティブの[Symantec HighAvailability]ビューから ApplicationHA を使ってアプリケーションの可用性を設定して監視できます。 この GUI を使って ApplicationHA をインストールまたはアップグレードすることはできません。 この GUI から VMware Site Recovery Manager の設定を直接実行することもできません。

63第 4 章 ApplicationHA を使ったアプリケーションの監視VOM に統合された ApplicationHA 操作のスタートガイド

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vSphere Client(デスクトップおよび Web バージョン)から ApplicationHA をインストール、設定、管理するには:

64第 4 章 ApplicationHA を使ったアプリケーションの監視VOM に統合された ApplicationHA 操作のスタートガイド

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Cluster Server を使ったアプリケーションの可用性

この章では以下の項目について説明しています。

■ ゲストの VCS (Veritas Cluster Server)によるアプリケーションの可用性について

■ VCS のライブ移行のサポートについて

■ vSphere 用の VCS の設定について

■ アプリケーションの可用性の実装

■ VCS (Veritas Cluster Server)によるアプリケーションの可用性に必要な設定

■ VCS(Cluster Server)によるアプリケーションの可用性のベストプラクティス

■ VMware ゲスト内の Cluster Server の可用性レベルの評価

ゲストの VCS (Veritas Cluster Server)によるアプリケーションの可用性について

VMware HA は、仮想マシンの高可用性を確保するための VMware ソリューションで、ホスト障害、ハードウェア障害、OS (Operating System の略でオペレーティングシステムの意味)のクラッシュから仮想マシンを保護します。

VMware 環境で仮想から仮想への VCS のクラスタ化またはゲスト内部 VCS のクラスタ化を使うと、ホスト障害、ハードウェア障害、OS のクラッシュ、さらにソフトウェア層でのアプリケーション障害からゲスト内のアプリケーションが保護され、アプリケーションの高可用

性が実現します。 たとえば、アプリケーションが停止した場合、OS レベルでのファイルレベルの破損は再ブートによって解決できません。

スタンバイ VM(Virtual Machine の略で仮想マシンの意味)の保持にはコストがかかるため、ゲスト内部 VCS で特定のアプリケーションのみを保護し、VMware HA で残りのアプ

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リケーションを保護することを選択できます。 VMware HA とゲスト内部 VCS を組み合わせて使うと、ホストで障害が発生した場合に、そのホスト上で動作しているスタンバイ VCSノードがユーザーの介入なしに新しいホスト上の VMware HA によって自動的に再起動されます。これにより、複数のスタンバイを保持する必要がなくなる可能性があります。

p.70 の 「VMware ゲスト内の Cluster Server の可用性レベルの評価」 を参照してください。

VCS のライブ移行のサポートについてゲスト内部 VCS のクラスタ化は、仮想化技術によって開始されるライブ移行のシナリオにより、仮想マシンのアプリケーションの高可用性を常に提供します。ライブ移行を使っ

て、VCS 環境の仮想マシンのステートフルな移行を実行できます。この間、移行ノードがLLT のデフォルトのピアとのタイムアウト内でハートビートを実行できない場合に通知が表示される場合があります。不正なデールオーバーを防ぐには、移行ノードが環境内で無

応答になっている時間がどのくらいであるかを決定します。その時間がデフォルトの LLTのピアのタイムアウト(16 秒)よりも短ければ、VCS は正常に動作します。そうでない場合は、移行が開始する前にクラスタ内のすべてのノードでピアのタイムアウトを適切な値ま

で増やします。移行の完了後、値をデフォルトにリセットします。

vSphere 用の VCS の設定についてVMware HA (VMware High Availability) は、ホスト障害、ハードウェア障害、オペレーティングシステム障害が発生した場合に仮想マシンの高可用性を提供します。

ゲストオペレーティングシステムに配備した VCS (Cluster Server)は、ソフトウェアレイヤーレベルでアプリケーションエラーが起きた場合にアプリケーションの可用性を付加的

に提供します。 たとえば、ゲストオペレーティングシステムで実行しているアプリケーションが応答しなくなった場合やファイルが破損した場合は、再ブートでは問題を解決できま

せん。

VMware 環境では VCS は、物理環境の VCS がサポートする Linux フレーバーすべてのゲストでサポートされます。

サポート対象の Linux オペレーティングシステムについて詳しくは、『 Cluster Server 7.0リリースノート』を参照してください。

p.36 の 「VMware 環境の Veritas InfoScale 製品のサポート」 を参照してください。

クラスタ化を設定すると、OS 障害、ハードウェア障害、サイト全体の自然災害からの回復に必要なレベルの保護を提供できます。

66第 5 章 Cluster Server を使ったアプリケーションの可用性VCS のライブ移行のサポートについて

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表 5-1 サポートされている vSphere 用 VCS クラスタ設定

設定の目的クラスタ設定

アプリケーションレベルとオペレーティングシステムレベルの障害から

保護しますが、ハードウェア障害からは保護できません。 VCS クラスタはプライベートハートビート用のプライベートネットワークを共有し、ク

ラスタハートビートは UDP ベースである場合があります。

ローカルまたはリモートスト

レージに接続されている同

じ ESXi ホストの仮想マシン(VM)で実行されているVCS クラスタ

ソフトウェアエラーとハードウェアの故障の両方から保護します。 共有ストレージは SAN または NFS 上に配置され、SAN は iSCSI SANまたは FC SAN のいずれかです。 各 ESXi ホストの仮想マシンはクラスタソフトウェアを実行します。 両方の ESXi ホストの仮想マシンは、プライベートハートビート用にプライベートネットワークを相互に共有し

ます。

2 台の物理 ESXi ホストにまたがる VM 間の VCS クラスタ

フェールオーバーノードは仮想マシンです。物理マシンの 1 つ以上の VCS クラスタノードについて仮想マシンにスタンバイ VCS クラスタノードを設定できます。 そのため、いずれかまたはすべての物理マシンでハードウェアが故障した場合は、仮想マシンのスタンバイ VCS クラスタが物理マシンの操作を引き継ぐことができます(その逆も同様)。

物理マシンと仮想マシン間

の VCS クラスタ

複数の地理的位置にまたがって設定されたクラスタを使うと、一部の

ノードを同じ環境災害の被害から隔離できます。 このディザスタリカバリ (DR) クラスタ設定は、洪水、台風、地震などの自然災害の際にもシームレスなデータアクセスを提供できます。

プライマリ ESXi ホスト上の VM はプライマリサイトとして設定され、別の ESXi ホスト上の他の VM は DR サイトとして設定されます。 プライマリサイトは、通常の状況で通常の操作を実行します。 災害が発生した場合、プライマリサイトは DR サイトにフェールオーバーし、クラスタ化されたアプリケーションへのシームレスな接続を復元します。

異なる地理的位置の複数

の ESXi ホストにまたがるVM 間の VCS クラスタ

この設定により、両方のサイトで VMware を設定する必要がありません。 物理マシンまたは仮想マシンの一方をプライマリサイトとして設定し、もう一方を DR サイトとして設定できます。 災害が発生した場合、プライマリサイトは DR サイトにフェールオーバーし、アクセシビリティと中断のない運用を復元します。

DR 用の物理マシンと仮想マシン間の VCS クラスタ

アプリケーションの可用性の実装次のセクションでは、仮想マシンでアプリケーション監視を設定および管理する方法につ

いて説明します。

p.68 の 「VCS (Veritas Cluster Server)によるアプリケーションの可用性に必要な設定」を参照してください。

67第 5 章 Cluster Server を使ったアプリケーションの可用性アプリケーションの可用性の実装

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p.69 の 「VCS(Cluster Server)によるアプリケーションの可用性のベストプラクティス」を参照してください。

p.70 の 「VMware ゲスト内の Cluster Server の可用性レベルの評価」 を参照してください。

VCS (Veritas Cluster Server)によるアプリケーションの可用性に必要な設定

ゲスト内の VMware HA と VCS(Veritas Cluster Server)は異なるタイマーで動作するため、適切に連携させるには特定の設定が必要です。

システム上の LLT が、設定済みの任意の LLT インターフェースでシステムからのハートビートメッセージを事前設定された期間(peerinact)受信しなくなると、LLT はその特定のシステムからのハートビートの消失を GAB に通知します。 この事前設定済みの時間はデフォルトでは 16 秒ですが、この時間は設定可能です。 set-timer peerinact コマンドを使用して、この事前定義済みの時間を設定できます。

VMware HA の das.failuredetectiontime 時間は LLT の peerinact 時間の約10 倍に設定する必要があります。 この設定は、ゲストクラスタの VCS が、VMware HAアクションの結果として再起動と再参加を行っているノードを参照するのを防ぎ、ゲストク

ラスタの VCS と VMware HA 間のタイマーのずれを補正します。

2 つの HA ソリューションを確実に連携させるには、次の設定が必要です。 実際の値はこの例の値とは異なる場合があります。

LLT の peerinact 値と das.failuredetectiontime 値を揃える方法

◆ LLT の peerinact 値が 8 秒の場合は、das.failuredetectiontime 値を 80秒に設定します。

peerinact の設定について詳しくは、llttab のマニュアルページを参照してください。

この設定は VMware HA のフェールオーバー時間に悪影響を及ぼすため、次の方法を代わりに使うことができます。

68第 5 章 Cluster Server を使ったアプリケーションの可用性VCS (Veritas Cluster Server)によるアプリケーションの可用性に必要な設定

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UNIX 環境向けに LLT 起動スクリプトで遅延を設定するには

1 各 VM(Virtual Machine の略で仮想マシンの意味)の LLT 起動スクリプトで 10 *peerinact の遅延を追加します。

Unix 環境で LLT 起動スクリプトを編集します。

例:

/etc/init.d/llt on linux.

#

# start (load kernel module and configure) LLT.

# if either (or both) already done, do not do anything.

#

start()

{

sleep 60

# Check to see if this script is allowed to start llt

if ["$LLT_START"!=1]; then

exit 2

fi

2 ゲストクラスタ内の VCS のすべてのノードで VM の監視をオフにする必要があります。

VCS(Cluster Server)によるアプリケーションの可用性のベストプラクティス

VMware ゲストで VCS を使用するためのベストプラクティス:

表 5-2 Cluster Server によるアプリケーションの可用性のベストプラクティス

目的ベストプラクティス

単一のゲスト内部 VCS クラスタに属する 2 台の仮想マシンが同じホストで実行される結果に終

わるのを防ぐため。 単一のゲスト内部 VCS クラスタの複数の VM が同じホストで実行されると、そのホストの障害が複数の VCS ノードに影響します。

複数の ESX ホストにわたる VCS クラスタの一部として設定されたゲスト内部 VCS クラスタ内のすべてのノード間に反親和性ルールを作成し

ます。

69第 5 章 Cluster Server を使ったアプリケーションの可用性VCS(Cluster Server)によるアプリケーションの可用性のベストプラクティス

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目的ベストプラクティス

VMware HA は管理ネットワーク上でハートビートを送信します。 VCS に同じネットワークを使うと、ゲスト内部 VCS 用の追加の冗長ネットワークが不要になります。

管理ネットワーク (サービスコンソールネットワーク) をゲスト内部 VCS の LLT プライベートネットワークとして設定します。また、必ず 2 つのプライベートネットワークを設定します。

このプラクティスは、ネットワーク分割が発生した

場合にデータ破損から保護します。

ゲスト内部 VCS Unix クラスタに非 SCSI3 フェンシングを設定します。

このプラクティスは、ホスト隔離が発生した場合

の潜在的なデータ破損に対する部分的な保護

を提供します。 ただし、この設定のメリットを得るには、das.failuredetectiontime をpeerinact 値の半分よりもずっと小さく設定し、LLT 起動の遅延を 10 * peerinact に設定します。

フェンシングがない Windows ゲスト内部 VCSクラスタと Linux ゲスト内部 VCS クラスタで、ホスト隔離応答を電源オフ VM として設定します。

この場合、ホストが隔離されると、VMware は隔離されたゲスト内部 VCS VM を、このノードを参照している他のゲスト内部 VCS VM より先に、障害状態としてオフにします。

値の例: das.failuredetectiontime = 16、peerinact = 32、LLT 起動スクリプトの遅延 =320 秒

メモ: ゲストとホストのタイマーはずれが生じる場合があるため、この方法では潜在的なデータ破

損に対する保護は完全には保証されません。

VMware ゲスト内の Cluster Server の可用性レベルの評価

特定の状況では、VMware HA とゲスト内部 VCS はスタンドアロンのゲスト内部 VCS よりも高い可用性をもたらします。

次に例を示します。

3 つの ESXi ホスト H1、H2、H3 と 2 つの仮想マシン (VM) N1、N2 が 1 つのゲスト内部 VCS クラスタにあります。

N1 は H1 上で動作し、N2 は H2 上で動作しています。 N1 はアプリケーションを実行しています。

H2 で障害が発生した場合、VMware HA は H3 上で N2 を再起動します。

この時点で H1 で障害が発生すると、アプリケーションは N2 にフェールオーバーします。VMware HA がなければ、これは不可能です。

特定の状況では、VMware HA とゲスト内部 VCS はスタンドアロンのゲスト内部 VCS よりも低い可用性をもたらします。

70第 5 章 Cluster Server を使ったアプリケーションの可用性VMware ゲスト内の Cluster Server の可用性レベルの評価

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次に例を示します。

2 つの ESXi ホスト H1、H2 と 2 つのVM N1、N2 が 1 つのゲスト内部 VCS クラスタにあります。

N1 は H1 上で動作し、N2 は H2 上で動作しています。 N1はアプリケーションを実行しています。

H2 で障害が発生した場合、VMware HA は H1 上で N2 を再起動します。 N1 と N2 は同じホストで実行されることになります。

その後、H2 が復旧して H1 で障害が発生した場合、N1 と N2 の両方が障害状態になります。これは、ゲスト内部 VCS クラスタの観点からは、クラスタ全体が再ブートされたのと同様です。

メモ: これはスタンドアロンのゲスト内部 VCS よりも低い可用性をもたらします。スタンドアロンのゲスト内部 VCS では、H2 が復旧すると N2 が H2 上で起動し、H1 で障害が発生したときにアプリケーションがすばやく N2 にフェールオーバーできるからです。

目標は、ゲスト内部 VCS クラスタの VM をホスト間に均等に分散させることです。そうしないと可用性が失われる可能性があります。 これを DRS で実施することは困難です。DRS は定期的にしかトリガしないため、VM が均等に分散されない可能性がある期間が残ってしまうからです。

71第 5 章 Cluster Server を使ったアプリケーションの可用性VMware ゲスト内の Cluster Server の可用性レベルの評価

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多層型ビジネスサービスのサポート

この章では以下の項目について説明しています。

■ Virtual Business Service について

■ Virtual Business Service の設定例

Virtual Business Service についてVirtual Business Service 機能は視覚化やオーケストレーションを提供し、異機種混在オペレーティングシステムおよび仮想化技術に基づいて動作するマルチティアビジネス

アプリケーションに対してサービス中断の頻度および期間を縮小します。 Virtual BusinessService は、多層型アプリケーションをビジネスサービスの操作管理に役立つ統合エンティティとして表します。 Cluster Server などの Veritas InfoScale 製品によって個々のティアに提供される高可用性とディザスタリカバリに基づいて構築されます。

Cluster Server または Microsoft Failover Clustering が管理するアプリケーションコンポーネントは、Virtual Business Service でアクティブに管理できます。

Veritas IndfoScale Operations Manager 管理サーバーコンソールを使って VirtualBusiness Service を作成、設定、管理できます。

Virtual Business Service の設定例このセクションでは、マルチティアアプリケーションから構成される Virtual Business Serviceの設定例を示します。図 6-1 は、3 種類のオペレーティングシステムと 3 種類のクラスタで動作するコンポーネントに依存している財務アプリケーションを示しています。

■ Solaris オペレーティングシステムで実行される Oracle などのデータベースは、データベース階層を形成します。

6

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■ AIX オペレーティングシステムで実行される WebSphere などのミドルウェアアプリケーションは、中間階層を形成します。

■ Windows や Linux の仮想マシンで実行される Apache や IIS などの Web アプリケーションは Web 階層を形成します。各階層には、独自の高可用性機構があります。 たとえば、データベースには ClusterServer、Web サーバーにはミドルウェアアプリケーションを使うことができます。

73第 6 章 多層型ビジネスサービスのサポートVirtual Business Service の設定例

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図 6-1 Virtual Business Service の設定例

財務ビジネスアプリケーションを起動するたびに、通常は、Oracle データベース、WebSphere、Apache と IIS の順序でコンポーネントをオンラインにする必要があります。さらに、Web 階層を起動する前に、仮想マシンをオンラインにする必要があります。 財務アプリケーションを停止するには、逆の順序でコンポーネントをオフラインにする必要があ

74第 6 章 多層型ビジネスサービスのサポートVirtual Business Service の設定例

Page 75: Veritas InfoScale™ 7.0 仮想化ガイド- Linux on ESXi...Veritas InfoScale™ 7.0 仮想化ガイド この本で説明されているソフトウェアは使用許諾契約の下で提供され、同意条項に従う場合にのみ

ります。 ビジネスの観点から、いずれかの階層が利用できなくなると、財務サービスは利用できなくなります。

ただし、財務アプリケーションを Virtual Business Service として設定すると、データベースを最初に起動してその後に WebSphere と Web サーバーを起動するように指定できます。 Virtual Business Service を停止すると、その逆の順序が自動的に適用されます。Virtual Business Service を開始または停止すると、そのサービスのコンポーネントは定義された順序で開始または停止します。

Virtual Business Service について詳しくは、『Virtual Business ServiceAvailabilityユーザーズガイド』を参照してください。

75第 6 章 多層型ビジネスサービスのサポートVirtual Business Service の設定例

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Dynamic Multi-Pathing を使ったストレージの可視性、可用性、I/O パフォーマンスの向上

この章では以下の項目について説明しています。

■ VMware 環境での DMP の使用例

■ Dynamic Multi-Pathing for VMware について

■ DMP の動作方法

■ ハイパーバイザでの DMP(Dynamic Multi-Pathing)を使ったストレージ表示について

■ 例: ハイパーバイザでの Dynamic Multi-Pathing を使ったストレージ可視性の実現

■ ハイパーバイザでの Dynamic Multi-Pathing を使ったストレージの可用性について

■ 例: ハイパーバイザでの Dynamic Multi-Pathing を使ったストレージ可用性の実現

■ ハイパーバイザの Dynamic Multi-Pathing での I/O パフォーマンスについて

■ 例: ハイパーバイザの Dynamic Multi-Pathing での I/O パフォーマンスの改善

■ ハイパーバイザとゲストでの Dynamic Multi-Pathing を使った簡素化された管理について

■ 例: ハイパーバイザとゲストでの Dynamic Multi-Pathing を使った簡素化された管理の実現

7

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VMware 環境での DMP の使用例VMware 環境で DMP (Dynamic Multi-Pathing) を使うと、次の使用例が有効になります。

表 7-1 VMware 環境に対する DMP サポートの使用例

実装についての詳細シマンテック社のソリューション

仮想化の使用事例

ストレージの可視性を向上させるために DMP機能を使う方法

p.85 の 「ハイパーバイザでの DMP(DynamicMulti-Pathing)を使ったストレージ表示について」 を参照してください。

ESXi ハイパーバイザのDMP(DynamicMulti-Pathing)forVMware

ストレージの可視性

ストレージの可用性を向上させるための DMP機能の使用方法

p.88 の 「ハイパーバイザでの DynamicMulti-Pathing を使ったストレージの可用性について」 を参照してください。

ESXi ハイパーバイザのDMP

ストレージの可用性

I/O のパフォーマンスを向上させるための DMP機能の使用方法

p.91 の 「ハイパーバイザの DynamicMulti-Pathing での I/O パフォーマンスについて」 を参照してください。

ESXi ハイパーバイザのDMP

I/O パフォーマンスの向上

エンドツーエンドのストレージ可視性、簡素化さ

れた管理、パフォーマンスの向上を実現するた

めの DMP 機能の使用法。

p.93 の 「ハイパーバイザとゲストでの DynamicMulti-Pathing を使った簡素化された管理について」 を参照してください。

ESXi ハイパーバイザとVMware ゲストの DMP(DynamicMulti-Pathing)

簡素化した管理

Dynamic Multi-Pathing for VMware についてVxDMP (Dynamic Multi-Pathing for VMware 7.0) は、VMware の vSphere インフラと統合されたマルチパスソリューションで、実績と定評のあるエンタープライズクラスの機

能を VMware 仮想環境に提供します。

VxDMP はシステムで設定されるデバイスにマルチパス機能を提供します。 VxDMP はDMP メタデバイス(別名 DMP ノード)を作成して同じ物理 LUN のデバイスパスをすべて示します。

77第 7 章 Dynamic Multi-Pathing を使ったストレージの可視性、可用性、I/O パフォーマンスの向上VMware 環境での DMP の使用例

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VxDMP は、多岐にわたるストレージアレイに対して高度なパスのフェールオーバーと負荷分散を行ってクラス最高の可用性、信頼性、パフォーマンスを提供します。 VxDMP を使うと、接続したストレージアレイの可視性が向上するので VMware vCenter からストレージリソースを効率的に直接管理することもできます。

VxDMP により、SSD と他のローカルデバイスの集合である SmartPool を作成して管理できます。 SmartPool を作成すると、Veritas InfoScale 製品コンポーネントをゲストで実行している場合に SmartIO を使ってキャッシュに保存できます。

p.23 の 「SmartPool 機能について」 を参照してください。

VxDMP ソリューションは次のコンポーネントで構成されます。

■ ESXi サーバーの VxDMP バイナリ - VxDMP バイナリは ESXi オフラインバンドルとして提供されます。

■ 管理 UI - UI プラグインは vSphere Web クライアントと Windows ベースの vSphereクライアントの両方に登録されます。

■ 管理コマンドライン - このコマンドラインを使うと、Windows または Linux のリモートホストからリモート管理できます。

VxDMP のインストールでは次のコンポーネントがインストールされます。

■ 各 ESXi サーバーの VxDMP バイナリ

■ Windows ホストの UI プラグインサービス

■ Windows または Linux のリモートホストのコマンドライン

メモ: VxDMP は、このマニュアルのいくつかの節では DMP と呼ばれます。

『Dynamic Multi-Pathing インストールガイド - VMware ESXi』を参照してください。

DMP の動作方法DMP(Dynamic Multi-Pathing)では、パスフェールオーバー機能と負荷分散機能を使って、可用性、信頼性、パフォーマンスを向上します。 これらの機能は、さまざまなベンダーのマルチポートディスクアレイに対応しています。

ディスクアレイは、複数のパスを介して、ホストシステムに接続することができます。 ディスクへのさまざまなパスを検出するために、DMP では、対応している各アレイに特有の機構を使います。 また、DMP では、DMP に対応していて同じホストシステムに接続されているアレイの様々なエンクロージャを識別します。

DMP で使われるマルチパスポリシーは、ディスクアレイの特性によって異なります。

DMP では、次の標準アレイタイプをサポートします。

78第 7 章 Dynamic Multi-Pathing を使ったストレージの可視性、可用性、I/O パフォーマンスの向上DMP の動作方法

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表 7-2

説明アレイタイプ

複数のパスを同時に使って I/O を行うことができます。また DMP により、I/O 負荷が LUN への複数のパス上に均等に分散されるので I/O スループットが向上します。 1 つのパスが失われた場合、DMP は自動的に、そのアレイに対して使える他のパスを介して I/Oを行います。

アクティブ/アクティブ(A/A)

A/A-A または非対称アクティブ/アクティブアレイは、パフォーマンスをほとんど低下させずにセカンダリスト

レージパスからアクセスできます。 動作は、ALUA のアレイがサポートする SCSI コマンドをサポートしない点以外は ALUA と同じです。

非対称アクティブ/アクティブ(A/A-A)

DMP は ALUA のすべてのバリアントをサポートします。

非対称論理ユニットアクセス(ALUA)

通常の操作中に 1 つのコントローラ(アクセスポートまたはストレージプロセッサ)上のプライマリ(アクティブ)

パス経由で LUN(論理ユニット番号。ハードウェアを使って作成される実際のディスクまたは論理ディスク)

へのアクセスが可能です。

非明示的フェールオーバーモード(auto-trespassモード)では、プライマリパスに障害が発生した場合、

別のコントローラ上のセカンダリ(パッシブ)パスに I/Oをスケジューリングすることによって、A/P アレイが自動的にフェールオーバーします。 このパッシブポートは、アクティブポートに障害が発生するまで I/O には使われません。 A/P アレイでは、プライマリパスで I/O障害が発生すると、単一の LUN でパスのフェールオーバーが実行されます。

このアレイモードは、複数のプライマリパスを 1 つのコントローラに持つことで、同時 I/O と負荷分散をサポートします。 この機能は、複数のポートを持つコントローラにより、またはアレイとコントローラ間に SAN スイッチを挿入することによって、提供されます。 セカンダリ(パッシブ)パスへのフェールオーバーは、すべての

アクティブなプライマリパスに障害が発生した場合に

のみ実行されます。

アクティブ/パッシブ(A/P)

79第 7 章 Dynamic Multi-Pathing を使ったストレージの可視性、可用性、I/O パフォーマンスの向上DMP の動作方法

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説明アレイタイプ

LUN のセカンダリパスへのフェールオーバーを実行するには、該当するコマンドをアレイに発行する必要

があります。

このアレイモードは、複数のプライマリパスを 1 つのコントローラに持つことで、同時 I/O と負荷分散をサポートします。 この機能は、複数のポートを持つコントローラにより、またはアレイとコントローラ間に SAN スイッチを挿入することによって、提供されます。 セカンダリ(パッシブ)パスへのフェールオーバーは、すべての

アクティブなプライマリパスに障害が発生した場合に

のみ実行されます。

明示的フェールオーバーモードまたは非

auto-trespass モードのアクティブ/パッシブ(A/PF)

LUN グループフェールオーバーが設定されたアクティブ/パッシブアレイ(A/PG アレイ)の場合、1 つのコントローラを介して接続されている LUN のグループは単一のフェールオーバーエンティティとして扱われま

す。 A/P アレイの場合と異なり、フェールオーバーは個々の LUN レベルではなくコントローラレベルで実行されます。 プライマリコントローラとセカンダリコントローラは、それぞれ別の LUN グループに接続されます。 プライマリコントローラの LUN グループ内の LUNの 1 つに障害が発生した場合、そのグループ内のすべての LUN に対して、セカンダリコントローラへのフェールオーバーが実行されます。

このアレイモードは、複数のプライマリパスを 1 つのコントローラに持つことで、同時 I/O と負荷分散をサポートします。 この機能は、複数のポートを持つコントローラにより、またはアレイとコントローラ間に SAN スイッチを挿入することによって、提供されます。 セカンダリ(パッシブ)パスへのフェールオーバーは、すべての

アクティブなプライマリパスに障害が発生した場合に

のみ実行されます。

LUN グループフェールオーバーが設定されたアクティブ/パッシブ(A/PG)

アレイポリシーモジュール(APM)では、DMP がサポートする標準タイプ以外のアレイタイプを DMP に定義できます。

Storage Foundation and High Availability のコンポーネント は、DMP メタノード(DMPノード)を使って、システムに接続されているディスクデバイスにアクセスします。 DMP に対応しているアレイ内のディスクの場合は、DMP により各ディスクに接続するパスセットに 1 つのノードがマップされます。 さらに、DMP によりそのディスクアレイに適合するマルチパスポリシーがノードに関連付けられます。

図 7-1 では、DMP によりサポートされているディスクアレイ内のディスクにどのようにノードが設定されるかについて説明しています。

80第 7 章 Dynamic Multi-Pathing を使ったストレージの可視性、可用性、I/O パフォーマンスの向上DMP の動作方法

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図 7-1 DMP で、ディスクに対する複数の物理パスを 1 つのノードで表す方法

ホスト

ディスク

複数のパス

複数のパス

1 つの DMPノード

DMP によるマップDMP

VMkernel

vmhba2vmhba1

DMP では、ディスクが属するアレイを識別することができるディスクデバイス名前の付け方を導入しました。

図 7-2 には、エンクロージャ内の 1 つのディスクに 2 つのパス(vmhba1:C0:T0:L0 とvmhba2:C0:T0:L0)が存在し、VxVM により 1 つの DMP ノード(enc0_0)を使ってディスクにアクセスされる例が示されています。

図 7-2 SAN 環境における、ディスクエンクロージャに対するマルチパスの例

vmhba1:C0:T0:L0

enc0_0DMP

によるマップDMP

ホスト

ディスクエンクロージャenc0

ディスクは、パスに応じてvmhba1:C0:T0:L0 またはvmhba2:C0:T0:L0 になる

ファイバーチャネルスイッチ

vmhba1 vmhba2 VMkernel

vmhba2:C0:T0:L0

81第 7 章 Dynamic Multi-Pathing を使ったストレージの可視性、可用性、I/O パフォーマンスの向上DMP の動作方法

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パスでの I/O を DMP で監視する方法DMP が、エラー処理、パスリストア、統計情報収集、SCSI 要求コールバックなどのタスクに使うカーネルスレッドのプールを保守します。

1 つのカーネルスレッドは、パスで I/O エラーが発生すると、そのパスに対応する HBAの精査を開始することで応答します。 続いて、別のスレッドが HBA からの応答に従って適切な処理を行います。 適用した処理は、そのパスでの I/O 要求を再試行することも、そのパスを破棄して代替パスで I/O をスケジュール設定し直すこともできます。

リストアカーネルタスクは定期的(デフォルトでは 5 分間隔)に起動して、パスの健全性を調べ、リストアされたパスで I/O を再開します。 パスによっては断続的にエラーが起きることがあるため、パスが一定期間(デフォルトでは 5 分)健全であり続けた場合にのみ、このパスで I/O を再開します。 DMP ではパスのチェックに異なるポリシーを設定できます。

統計情報収集タスクは、各 I/O 要求の開始時間と終了時間、各パスでの I/O エラー数と再試行回数を記録します。 この情報を使って、I/O 要求によって SCSI ドライバのフラッドが起きないように、DMP を設定できます。 この機能を I/O 調整と呼びます。

p.82 の 「パスフェールオーバー機構」 を参照してください。

p.82 の 「I/O 調整」 を参照してください。

パスフェールオーバー機構

複数パスを持つディスクアレイで DMP を使うと、システムの可用性が向上します。ディスクアレイへのパスの 1 つが失われた場合、DMP では、管理者が介入しなくても、I/O 要求に対して次に使用可能なパスが自動的に選択されます。

また、接続が修復または復元されたり、OS が正しくデバイスを認識している場合にシステムが完全に起動した後にデバイスの追加や削除が行われると、DMP に通知されます。

必要に応じて、パスでの I/O エラーに対する DMP の応答は、個々のアレイへのパスごとに調整できます。DMP では、I/O 要求が成功することなく一定時間が経過した場合、またはパスでの一定回数の再試行が失敗した場合に、I/O 要求を時間切れにするように設定できます。

I/O 調整I/O 調整を有効にし、応答動作が低下したパスでの未処理の I/O 要求数が増加した場合、未処理の I/O 要求数が一定値に達したとき、またはそのパスで最後に I/O 要求が成功してから一定時間が経過したときに、新しい I/O 要求をそのパスに送らないように DMPを設定できます。 調整がパスに適用されると、そのパスでの新しい I/O 要求は、別の使用可能なパス上にスケジュール設定されます。この調整は、パスにエラーがないと HBAから報告があった場合、またはパスでの未処理の I/O 要求が成功した場合に、パスから削除されます。

82第 7 章 Dynamic Multi-Pathing を使ったストレージの可視性、可用性、I/O パフォーマンスの向上DMP の動作方法

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サブパスフェールオーバーグループ(SFG)サブパスフェールオーバーグループ(SFG)は、まとめて失敗およびリストアできるパスのグループを表します。 SFG のパスで I/O エラーが発生した場合、DMP は SFG のパス以外に、その他のパスでプロアクティブなパスのプローブを行います。 この動作により、パスのフェールオーバーのパフォーマンスが大幅に向上し、結果として I/O パフォーマンスが向上します。 サブパスフェールオーバーグループを形成するために DMP が現在従っている基準は、ホストからアレイまで同じエンドポイントを持つパスを、1 つの論理的なストレージフェールオーバーグループにまとめることです。

LIPP(Low-Impact Path Probing)DMP のリストアデーモンは、LUN パスを定期的にプローブし続けます。 この動作は、パスで I/O が発生しない場合でも、DMP がパスを最新の状態に保つのに役立ちます。パスの状態がリストアデーモンによって更新されている間に実行されるプローブの数を最適

化するため、LIPP(Low-Impact Path Probing)はリストアデーモンにロジックを追加します。 この最適化は、論理的なサブパスのフェールオーバーグループを使うことで実現されます。 LIPP のロジックが導入された DMP は、サブパスフェールオーバーグループ(SFG)内のすべてのパスをプローブする代わりに、SFG 内の限られた数のパスのみをプローブします。これらのプローブの結果に基づいて、DMP はその SFG 内のすべてのパスの状態を判断します。

負荷分散デフォルトでは、DMP は最小キュー I/O ポリシーを使ってすべてのアレイタイプのパス全体に負荷を分散します。 負荷分散が行われると、使用可能なパスすべての総帯域幅を使って、I/O スループットが最大化されます。 I/O は未処理の I/O が最小のパスを使って送信されます。

アクティブ/パッシブ(A/P)のディスクアレイ場合は、I/O はプライマリパスで送信されます。すべてのプライマリパスに障害が発生した場合、I/O は使用可能なセカンダリパスでの送信に切り替えられます。 あるコントローラから別のコントローラへ連続して LUN 制御が移動し I/O 処理が極端に遅くなると、A/P ディスクアレイに対するプライマリ/セカンダリパスの負荷分散は、複数 I/O の同時処理をサポートしていないかぎり行われません。

その他のアレイでは、負荷分散は現在アクティブなパスのすべてで実行されます。

エンクロージャやディスクアレイへのパスに適用する I/O ポリシーは変更できます。 この操作はサーバーに影響しない、ダウンタイムを必要としないオンライン操作です。

DMP I/O ポリシーについてDMP I/O ポリシーは、DMP がディスクアレイまたはエンクロージャへの複数のパスに I/O負荷を分散する方法を示します。 I/O ポリシーは、特定のエンクロージャ (HDS01 など)、特定のタイプのすべてのエンクロージャ(HDS など)、または特定のアレイタイプのすべて

83第 7 章 Dynamic Multi-Pathing を使ったストレージの可視性、可用性、I/O パフォーマンスの向上DMP の動作方法

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のエンクロージャ(アクティブ/アクティブの場合は A/A、アクティブ/パッシブの場合は A/Pなど)に対して設定できます。

設定できるポリシーは次のとおりです。

I/O をパスに動的にスケジュールしてディスクに対する全体的なI/O スループットを最大化するためのポリシーです。 このポリシーは、I/O 負荷が場合によって異なるような環境で使うと便利です。たとえば、I/O 転送が長い場合(テーブルのスキャン)や短い場合(無作為検索)があるデータベースなどで使います。 また、このポリシーはパスによってホップ数が異なる SAN 環境でも有効です。 このポリシーは DMP で自動的に管理されるため、設定を変更することはできません。

adaptive

I/O が各パスの I/O キューの長さに従ってスケジュールされること以外は adaptive ポリシーと同様です。 最も短いキューが付いているパスは最高優先度に割り当てられます。

adaptiveminq

ディスクドライブおよび RAID コントローラでのキャッシュ処理を最適化するためのポリシーです。 キャッシュのサイズは通常 120から 500 KB 以上で、各ハードウェアの特性によって異なります。通常の処理時は、ディスク(LUN)は複数の領域(パーティション)に論理的に分割され、指定した領域に対する I/O が 1 つのアクティブパスにのみ送出されます。 そのパスに障害が発生した場合は、作業負荷は自動的に別のアクティブパスに分散されます。

partitionsize 属性に size 引数を使って、パーティションサイズを指定することができます。 パーティションサイズのブロック数は、2 の累乗の値(2 から 231)に調整できます。 2 の累乗以外の値は、自動的に適切な値に切り下げられます。

0 のパーティションサイズを指定することは、デフォルトのパーティションサイズを指定することと同じです。

パーティションサイズのデフォルト値は 512 ブロック(256 KB)です。 パーティションサイズに 0 を指定すると、デフォルトのパーティションサイズである 512 ブロック(256 KB)が使われます。

デフォルト値を変更するには、dmp_pathswitch_blks_shiftチューニングパラメータの値を調整します。

メモ: キャッシュサイズより大きい値を設定する場合には、このポリシーを使う利点はありません。

たとえば、日立製 HDS 9960 A/A アレイの推奨パーティションサイズは、I/O 処理パターンが主に順次読み取りまたは書き込みである場合、32,768 から 131,072 ブロック(16 MB から 64 MB)です。

balanced[partitionsize=size]

84第 7 章 Dynamic Multi-Pathing を使ったストレージの可視性、可用性、I/O パフォーマンスの向上DMP の動作方法

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LUN のキューに残っている未処理の I/O 要求の数が最も少ないパスに I/O を送出するポリシーです。 キューが最も短いパスはDMP で自動的に判別されるため、設定を変更することはできません。

これはすべてのアレイでデフォルトの I/O ポリシーです。

minimumq

SAN 内のパスによって処理効率が異なるため負荷分散を手動で強制的に行う場合に便利なポリシーです。 使用可能なパスの設定や処理効率特性、およびシステムのその他の要素にも考慮

して、各パスに優先順位を割り当てることができます。

priority

I/O をラウンドロビンシーケンスのパス間で同等に共有するポリシーです。 たとえば、3 つのパスが存在する場合、最初の I/O要求で 1 つのパスが使われると、2 番目では別のパス、3 番目では残っている 3 つ目のパスが使われ、4 番目の I/O 要求では再度最初のパスというように割り当てられていきます。 このポリシーは DMP で自動的に管理されるため、設定を変更することはできません。

round-robin

I/O を単一のアクティブパスに送信するポリシーです。 このポリシーは、1 つのコントローラに 1 つのアクティブパスが存在し、他のパスはフェールオーバーを実行する場合に使われる、A/P アレイ用に設定できます。 A/A アレイ用に設定した場合、パス間での負荷分散は実行されず、代替パスは高可用性(HA)を得る場合にのみ使われます。 現在のアクティブパスに障害が発生した場合、I/O は代替アクティブパスに切り替えられます。 単一のアクティブパスは DMP で選択されるため、設定を変更することはできません。

singleactive

ハイパーバイザでの DMP(Dynamic Multi-Pathing)を使ったストレージ表示について

ハイパーバイザの VMware の DMP(Dynamic Multi-Pathing)for VMware を使うとVMware 環境のストレージを表示できます。 DMP は vCenter に統合されるユーザーインターフェースを提供するので容易に環境のストレージ属性、拡張属性、ストレージの種

類に関する情報にアクセスできます。 DMP にはコマンドラインインターフェースも用意されています。

ハイパーバイザに DMP をインストールすると、DMP は LUN のアレイボリューム識別子(AVID)のようなストレージ属性にアクセスできます。 アクティブな I/O ポリシー、パスの数、アクティブまたは有効なパスの数がすぐに表示されます。 vSphere クライアント内部のリアルタイムストレージのパフォーマンス統計情報を直接表示できます。 DMP のデータセンタービューで、どの ESX サーバーにどのストレージアレイを接続するかを判断できます。

85第 7 章 Dynamic Multi-Pathing を使ったストレージの可視性、可用性、I/O パフォーマンスの向上ハイパーバイザでの DMP(Dynamic Multi-Pathing)を使ったストレージ表示について

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ホストの DMP とゲストの DMP のデバイス名は同じです(物理 RDM を使う場合)。 この機能を使うとゲストから ESXi ホスト、ストレージアレイに至るまでエンドツーエンドの関連付けを簡単に設定できるので、間違えて設定する可能性を減らすことができます。

DMP を使うと、サポートされているストレージアレイの拡張属性を検出できます。 これらの属性の一部を次に示します。

■ RAID レベル

■ デバイスメディアタイプ (SSD、SATA)

■ アレイベースのスナップショット

■ ストレージプールのシンプロビジョニング機能とシン再生機能

■ アレイベースのレプリケーション

DMP から表示できる情報を使って、アプリケーションのストレージを効果的にプロビジョニングして管理できます。 DMP は次のタスクの実行に役立ちます。

■ 定義済みのパフォーマンス特性を備えたストレージのプロビジョニング

■ 適切な属性、サービスレベル、その他の性質を備えたストレージでのアプリケーション

の検出

■ ストレージのボトルネックを特定し、診断情報を提供してアプリケーションパフォーマン

スの問題を解決できます。

■ vMotion を使ってパフォーマンスやサービスレベルの向上を達成するために LUN間で仮想マシンを移行する

DMP を使用してストレージの可視性を実現するには、ハイパーバイザに VMware 用DMP をインストールします。

『 Dynamic Multi-Pathing インストールガイド - VMware ESX』を参照してください。

例: ハイパーバイザでの Dynamic Multi-Pathing を使ったストレージ可視性の実現

ハイパーバイザに DMP をインストールすると、DMP は LUN のストレージ属性に対する即時の可視性を提供します。 ストレージ属性を使って、LUN の性質を判定することができます。

次のシナリオはストレージの可視性のための典型的な使用事例について説明します。

ストレージの既存のプールがその容量の限界に近づいていることに気付いた ESX 管理者が、ストレージチームにストレージの追加を要求します。 アプリケーションの異なる層のストレージニーズを満たすために 2 つの LUN を要求します。

■ 500GB RAID 5 LUN

86第 7 章 Dynamic Multi-Pathing を使ったストレージの可視性、可用性、I/O パフォーマンスの向上例: ハイパーバイザでの Dynamic Multi-Pathing を使ったストレージ可視性の実現

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■ 500GB RAID 0+1 LUN

ストレージチームが要求を処理した後、ストレージ管理者から「ストレージの準備が完了し

ました(Your storage is ready)」という電子メールを受け取ります。 これ以外の情報は提供されません。どの LUN がどれに対応するのか、またストレージ設定が適切かどうか(RAID 5 と RAID 0+1)を自分で判断する必要があります。

アプリケーションを適切なストレージにセットアップするため、どの LUN がどれに対応するのかを判断する必要があります。 ミッションクリティカルで高パフォーマンスのアプリケーションを RAID 5 LUN に割り当てると、SLA が影響を受け、必要なアプリケーションの速度を得られない場合があります。 反対に、優先度の低いアプリケーションをハイエンドのストレージ層に割り当てることは回避したいと考えています。

DMP は LUN のストレージ属性に対する即時の可視性を提供するので、どのデバイスがどれに対応するかを正確に判断できます。

ストレージビューに移動すると、LUN を表示できます。 各 LUN の属性は、その LUN がRAID 5 なのか RAID 0+1 なのかを示します。

図 7-3 LUN RAID 設定を示すストレージビュー

また、ストレージ属性によって AVID 名を使う LUN を識別することもできます。 AVID 名はデバイスを参照するための明確な方法を提供し、ESXi システム管理者とストレージ管理者間の混乱を減らすことができます。

87第 7 章 Dynamic Multi-Pathing を使ったストレージの可視性、可用性、I/O パフォーマンスの向上例: ハイパーバイザでの Dynamic Multi-Pathing を使ったストレージ可視性の実現

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図 7-4 AVID 名を示すストレージ属性

LUN の問題が発生する場合、AVID 名によってストレージデバイスを参照することができます。 たとえば、LUN の 1 つにパフォーマンスの問題がある場合、その問題をプラットフォーム管理チームまたはストレージ管理チームに伝えることができます。 AVID 名はプラットフォーム管理チームとストレージ管理チーム間に共通の簡潔な言語を提供し、混乱

を最小限にします。 また、問題の修復時間を短縮し、コミュニケーションのあいまいさを低減します。

ハイパーバイザでの Dynamic Multi-Pathing を使ったストレージの可用性について

ハイパーバイザに DMP をインストールするとゲストでマルチパスを使うことができます。VMware 環境では、ゲストに示されるストレージはバックエンドストレージに ESX サーバーを物理的に接続するパスの数から抽出されます。 ゲストには、ハイパーバイザで利用可能な下位保護に関係なくすべてのパスが各ディスクデバイスの単一パスのみのように表

示されます。 したがって、ゲストに DMP をインストールするとマルチパス機能を使うことができません。 ただし、ハイパーバイザの DMP はすべてのパスを参照可能でパス間のマルチパスと I/O 負荷分散を提供します。

共有仮想化環境では、多数のアプリケーションが同じインフラで動作します。 信頼性が高く、ミッションクリティカルなインフラではストレージが継続して利用可能である必要があ

ります。 停止の影響が非常に多くのアプリケーションに及ぶので、ストレージの可用性は物理環境より仮想化環境でさらに重要です。

マルチパスを使うにはストレージが継続して利用可能であることが重要です。 DMP は仮想マシン(VM)間のマルチパスと I/O 負荷分散を提供します。

88第 7 章 Dynamic Multi-Pathing を使ったストレージの可視性、可用性、I/O パフォーマンスの向上ハイパーバイザでの Dynamic Multi-Pathing を使ったストレージの可用性について

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ほとんどのミッションクリティカルなサーバーは単一点障害を減らすように設計されていま

す。 VMware ESXi サーバーもこの例外ではありません。 通常は単一サーバーで多数の仮想マシンとアプリケーションをホストするので、ハードウェアの冗長性が重要です。

DMP for VMware を使うとストレージアレイとストレージを追加設定不要でシームレスに管理できるので、VMware のミッションクリティカルな作業負荷のプロビジョニングに必要な耐性を提供します。

DMP を使ってストレージの可用性を実現するには、ハイパーバイザに DMP for VMwareをインストールします。

『 Dynamic Multi-Pathing インストールガイド - VMware ESX』を参照してください。

例: ハイパーバイザでの Dynamic Multi-Pathing を使ったストレージ可用性の実現

ハイパーバイザに DMP をインストールすると、DMP を使って ESXi サーバーに新しいストレージを簡単にプロビジョニングできます。 DMP をインストールするとサーバー側の設定を追加しなくても、利用可能なすべてのストレージのパスを確実に使うことができま

す。 テンプレートに基づく設定を使うと同じ設定と調整を環境の各 ESX サーバーに適用できます。

次のシナリオは、ストレージの可用性を実現する典型的な使用例を説明します。

2 つのアレイ側コントローラを備えたストレージアレイとホストに 2 つの HBA コントローラがあるとします。 典型的な SAN 設定では、この設定によりバックエンドのストレージアレイに 4 つのパスが作成され、HBA、SAN スイッチ、アレイコントローラのいずれかを使えなくなってもストレージアレイにアクセスできます。

DMP を使わない場合には VMware はデフォルトで固定 I/O ポリシーを使うので、通常はバックエンドのストレージアレイのパス数に関係なく I/O の単一パスを使います。 このデフォルトの動作を変更する場合には、VMware 管理者は処理に時間のかかる特定ホストの LUN すべてのパス選択ポリシーを変更する必要があります。 この処理は、新しいストレージの LUN をホストにプロビジョニングするときに実行する必要があります。

89第 7 章 Dynamic Multi-Pathing を使ったストレージの可視性、可用性、I/O パフォーマンスの向上例: ハイパーバイザでの Dynamic Multi-Pathing を使ったストレージ可用性の実現

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図 7-5 VMware ネーティブマルチパスの例

一方、DMP は I/O に使う可能性があるすべてのパスを判断して管理者が操作しなくてもこれらのパスを使います。 新しいストレージの LUN が追加されると DMP 制御下の新しい LUN は同じストレージエンクロージャから使用中の他の LUN と同じ設定特性を自動的に継承するので、管理者はマルチパス設定に変更を加えることを覚えておく必要はあ

りません。 この機能は間違って設定する可能性を減らし、ストレージのプロビジョニング処理の合理化に役立ちます。

90第 7 章 Dynamic Multi-Pathing を使ったストレージの可視性、可用性、I/O パフォーマンスの向上例: ハイパーバイザでの Dynamic Multi-Pathing を使ったストレージ可用性の実現

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図 7-6 DMP によって最適化されるパスの設定

ハイパーバイザの Dynamic Multi-Pathing での I/Oパフォーマンスについて

ハイパーバイザに DMP をインストールするときに、DMP は I/O パスとパフォーマンスに対する可視性を提供します。 DMP は、アクティブな I/O ポリシー、パスの数、およびアクティブな/有効なパスの数などの情報を提供します。 vSphere クライアント内部のリアルタイムストレージのパフォーマンス統計情報を直接表示できます。 DMP のデータセンタービューによって、どのストレージアレイがどの ESXi サーバーに接続されているかを判断できます。 データセンタービューはまた、VMDK レベルでの I/O パフォーマンスの詳細を提供します。 この機能は、個々のゲスト内の I/O 負荷、およびゲストに割り当てられたディスクの実際のサブコンポーネントを理解するのに役立つ追加情報を提供します。

ハイパーバイザ内で Dynamic Multi-Pathing for VMware を使う場合、DMP の I/O 統計を使ってパフォーマンスを評価することができます。 ゲストの I/O ボトルネックを識別できます。 また、個々のゲストで DMP を実行している場合は、I/O 統計を特定のゲストに関連付けることができます。

ボトルネックまたは I/O パフォーマンスの問題を判定する場合、ネーティブの VMware機能を使って問題を解決することができます。 DMP と VMware の両方を使って、最適なパフォーマンスを実現できます。 たとえば、vMotion を使って 1 つのデータストアから別のデータストアにストレージを移動することができます。 この機能によって、仮想マシン全体で I/O 負荷をより簡単にバランスよく分散させることができます。

91第 7 章 Dynamic Multi-Pathing を使ったストレージの可視性、可用性、I/O パフォーマンスの向上ハイパーバイザの Dynamic Multi-Pathing での I/O パフォーマンスについて

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VOM は統計を一定時間にわたり集計できます。 VOM を使って傾向を分析し、キャパシティ計画に統計を使うことができます。 利用可能な領域だけではなく、ワークフローに基づいて、新しいゲストをどのデータストアに割り当てるかを判断することができます。

DMP を使用して I/O パフォーマンスを改善するには、ハイパーバイザの VMware にDMP をインストールします。

『 Dynamic Multi-Pathing インストールガイド - VMware ESX』を参照してください。

I/O 統計を特定のゲストに関連付けるには、Linux 向けのスタンドアロン DMP として、または Storage Foundation、Storage Foundation High Availability、または StorageFoundation Cluster File System High Availability のコンポーネントとして、DMP をゲストにインストールします。

ご利用の 製品の『インストールガイド』を参照してください。

例: ハイパーバイザの Dynamic Multi-Pathing でのI/O パフォーマンスの改善

ハイパーバイザに DMP をインストールするときに、DMP は I/O パスとパフォーマンスに対する可視性を提供します。 データセンタービューまたは個々の統計を使い、ある LUNのパフォーマンスが他の LUN よりも低いかどうかを判断することができます。 ボトルネックが検出された場合、一部の I/O 負荷(すなわち仮想マシン)を別のデータストアに移動して、I/O パフォーマンスの競合を緩和することができます。

次のシナリオは I/O パフォーマンスを改善するための典型的な使用事例について説明します。

DMP のデータセンタービューを使って、どのストレージアレイがどの ESXi サーバーに接続されているかを判断できます。 このシナリオでは、ストレージアレイの 1 つでパフォーマンスが低下しています。

パフォーマンスが低下しているストレージアレイを選択し、I/O パフォーマンスについての追加の詳細を VMDK レベルで確認することができます。 この情報を使って、個々のゲスト内の I/O 負荷、およびゲストに割り当てられたディスクの実際のサブコンポーネントを理解することができます。

図 7-7 にいくつかの LUN の統計を示します。 clariion0_5 デバイスの[平均書き込み時間(Avg Time Write)]列では、[仮想マシン(virtual machine)]列によって反映される負荷がほぼ同じであるにも関わらず、そのパフォーマンスは、clariion0_1 よりも著しく遅くなっています。

92第 7 章 Dynamic Multi-Pathing を使ったストレージの可視性、可用性、I/O パフォーマンスの向上例: ハイパーバイザの Dynamic Multi-Pathing での I/O パフォーマンスの改善

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図 7-7 I/O パフォーマンス統計の例

この例の場合、DMP はゲストで実行していません。 また、個々のゲストで DMP を実行している場合は、I/O 統計を特定のゲストに関連付けることができます。

特定の LUN の I/O 負荷が高いことを検出した場合、一部の I/O 負荷(すなわち仮想マシン)を別のデータストアに移動して、I/O パフォーマンスの競合を緩和することができます。

ハイパーバイザとゲストでの Dynamic Multi-Pathingを使った簡素化された管理について

Dynamic Multi-Pathing(DMP)for VMware は、そのままの状態ですぐにパス管理に使うことができます。 DMP ではパス管理が簡素化されているので、パス管理をカスタマイズする必要はありません。

DMP には、ESX クラスタ内のすべてのノードを同じように設定するためのテンプレートが備わっています。

DMP は vCenter に統合されるユーザーインターフェースを提供するので容易に環境のストレージ属性、拡張属性、ストレージの種類に関する情報にアクセスできます。 vCenterへの統合によってストレージの管理が簡素化され、vSphere クライアントを終了せずにストレージを管理することができます。

また、個々のゲストで DMP を実行している場合は、ハイパーバイザとゲストの両方に同じストレージと設定情報が表示されます。 この機能は統合された管理ソリューションを提供します。

93第 7 章 Dynamic Multi-Pathing を使ったストレージの可視性、可用性、I/O パフォーマンスの向上ハイパーバイザとゲストでの Dynamic Multi-Pathing を使った簡素化された管理について

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DMP にはコマンドラインインターフェースも用意されています。 物理(非仮想化)で VeritasInfoScale 製品コンポーネントを使っている場合は、VMware 環境で同じコマンドセット、ストレージの名前空間、プラットフォームを使うことができます。 コマンド構文はゲストのDMP とホストの DMP で同じです。

DMP を使用して管理を簡素化するには、DMP for VMware をハイパーバイザにインストールします。

『 Dynamic Multi-Pathing インストールガイド - VMware ESX』を参照してください。

追加された統合については、Linux 向けのスタンドアロン DMP として、または StorageFoundation、Storage Foundation High Availability、または Storage FoundationCluster File System High Availability のコンポーネントとして、DMP をゲストにインストールします。

ご利用の製品の『インストールガイド』をそれぞれ参照してください。

例: ハイパーバイザとゲストでの DynamicMulti-Pathing を使った簡素化された管理の実現

VMware 環境では、共通のストレージと設定を共有する VMware システムのクラスタを持つことは非常に一般的です。 複数のサーバー間でこれらの設定の同期を維持することは必ずしも簡単ではありません。そのため、同じクラスタのすべてのシステムで同じ設定

が維持されているかを確認するために、管理者の負荷が増える場合があります。 DMPfor VMware は、システム全体で同じ設定を維持するためのテンプレートを作成して適用するメカニズムを提供します。 管理者が単一のホストを設定した後、DataCenter Viewはそれらの設定をテンプレートとして保存し、VMware DataCenter の他のホストに共通のテンプレートを適用することができます。 このメカニズムによって、管理者の介入を最小限に抑えながら、すべてのホストに対して同じ設定を適用するための簡単で簡素化さ

れたプロセスが可能になります。

94第 7 章 Dynamic Multi-Pathing を使ったストレージの可視性、可用性、I/O パフォーマンスの向上例: ハイパーバイザとゲストでの Dynamic Multi-Pathing を使った簡素化された管理の実現

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図 7-8 DMP チューニングテンプレートのオプション

ネーティブのマルチパスの場合、管理者はしばしば手動で各ストレージ LUN を設定し、マルチパスポリシーを選択する必要があります。 それでも、利用可能な最良のポリシーはラウンドロビンであり、これは、SAN の負荷が異常な場合、あるいは共有ストレージのパスの競合が発生している場合に I/O の混雑を回避するのにはほとんど役に立ちません。

DMP では、ストレージが発見されると、適切な DMP の Array Support Library(ASL)によって自動的に認識されます。 ASL は、ストレージの特性を理解し、ストレージの属性に対するシームレスな可視性を提供するように最適化されます。 追加の管理タスクを行うことなく、ストレージデバイスへのすべてのパスがその最適なレベルで使われていることを

保証できます。 デフォルトで、DMP は利用可能な容量を持つ LUN パスに I/O が最適にルーティングされることを保証する最小キューアルゴリズムを使います。 ラウンドロビンポリシーとは異なり、最小キューアルゴリズムは、過負荷状態のパスへは I/O を強制しません(ラウンドロビンでは競合に対する可視性がないため、このような強制が発生します)。

追加のストレージを設定または追加する場合は、ストレージを VMware データストアに設定する以外に追加の管理が必要になりません。 ストレージエンクロージャに対する最適化を実行すると、新しい LUN はそのエンクロージャに対する最適化を自動的に継承します。 特定のマルチパスポリシーを使うために新しいストレージ LUN を設定する必要はありません。 DMP は自動的にすべての利用可能なパスを利用します。管理者が介入する必要はありません。

95第 7 章 Dynamic Multi-Pathing を使ったストレージの可視性、可用性、I/O パフォーマンスの向上例: ハイパーバイザとゲストでの Dynamic Multi-Pathing を使った簡素化された管理の実現

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SmartPool による I/O パフォーマンスの向上

この章では以下の項目について説明しています。

■ VMware ゲスト、および ESXi ホスト内の DMP for VMware での Veritas InfoScale製品コンポーネントによる I/O パフォーマンスの向上

■ SmartIO および SmartPool ソリューションの実装

VMware ゲスト、および ESXi ホスト内の DMP forVMware での Veritas InfoScale 製品コンポーネントによる I/O パフォーマンスの向上

Storage Foundation、Storage Foundation High Availability または Storage FoundationCluster File System High Availability を VMware ゲストにインストールすることができます。 Veritas InfoScale 製品の SmartIO 機能は、SSD または他のローカルに接続された高速デバイスをキャッシュとして使うことで I/O パフォーマンスを改善します。 SmartIOを効果的に機能させ、VMware 環境での SmartIO の制限を克服するには、ESXi ホスト内で SmartPool 機能を使います。 SmartPool 機能によって SSD および他のローカルデバイスのストレージプールを作成し、それを SmartIO を実行する仮想マシンに割り当てることができます。

SmartIO および SmartPool のソリューションには次の利点があります。

■ SmartPool 内の利用可能なデバイス全体にわたって I/O をストライプ化することにより、キャッシュのパフォーマンスを改善することができます。

■ 複数の VMware ゲスト間で SSD カードを共有することができます。

■ VMware ゲスト内で実行している SFHA から SmartIO 機能を使うことができます。

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■ 各仮想マシンで使われるキャッシュのサイズを動的に増やすまたは減らすことができ

ます。

■ SFHA が実行しデータをキャッシュしている間に、vMotion を使って仮想マシンを移行することができます。

p.97 の 「SmartIO および SmartPool ソリューションの実装」 を参照してください。

SmartIO および SmartPool ソリューションの実装SmartPool ソリューションは、マルチライターモードで物理 RDM を使い、仮想マシンのストレージへのアクセスを提供します。 物理 RDM によって、SmartPool は可能な限り最高の I/O パフォーマンスを実現できます。 マルチライターモードでは、特定の ESXi ホスト上の複数の仮想マシンの間で SmartPool を共有することができます。 SmartPool では、仮想マシンは操作に使うための SmartPool の排他的な部分を確実に保持します。

複数の仮想マシンへのアクセスを提供し、かつ vMotion を許可するには、SmartPool の物理 RDM マッピングファイルを共有 VMFS データストアに配置する必要があります。この要件は VMware 環境の制限事項です。 実際のデータストレージは、物理 RDM または仮想 RDM によってバックアップされる仮想ディスク、または、VMFS データストアまたは NFS データストア上の VMDK に配置することができます。

SmartIO および SmartPool ソリューションの実装

1 ハイパーバイザに DMP for VMware をインストールします。

DMP for VMware のインストールについて詳しくは、『DMP インストールガイド』を参照してください。

2 ゲストに SF、SFHA、または SFCFSHA をインストールします。

詳しくは、製品のインストールガイドを参照してください。

3 ホストに SSD を追加します。

4 SSD などのローカルに接続されたデバイスを使って SmartPool を作成します。

SmartPoolsの作成と管理について詳しくは、『Dynamic Multi-Pathing 管理者ガイド』を参照してください。

5 ゲストの仮想マシンに SmartDisk を割り当てます。

SmartPoolsの作成と管理について詳しくは、『Dynamic Multi-Pathing 管理者ガイド』を参照してください。

6 SmartDisk に SmartIO キャッシュを作成します。

シマンテック社は、SmartDisk を SmartIO キャッシュのみに使い、データストレージには使わないことを推奨します。

SmartIO の管理について詳しくは、『Veritas InfoScale 7.0 SmartIO for Solid-StateDrives ソリューションガイド』を参照してください。

97第 8 章 SmartPool による I/O パフォーマンスの向上SmartIO および SmartPool ソリューションの実装

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データ保護、ストレージ最適化、データ移行、データベースパフォーマンスの向上

この章では以下の項目について説明しています。

■ VMware ゲストの Veritas InfoScale 製品コンポーネントの使用例

■ VMware ゲストでの Veritas InfoScale 製品コンポーネントを使ったデータ保護

■ VMware ゲストでの Veritas InfoScale 製品コンポーネントを使ったストレージの最適化

■ VMware ゲストでの Veritas InfoScale 製品コンポーネントを使ったデータ移行

■ VMware ゲストでの Veritas InfoScale 製品コンポーネントを使ったデータベースのパフォーマンス改善

■ VMware ゲストでの Veritas InfoScale 製品コンポーネントを使ったストレージ管理の簡素化

VMware ゲストの Veritas InfoScale 製品コンポーネントの使用例

Veritas InfoScale 製品コンポーネントは VMware 環境のストレージを拡張するために多くの機能を提供します。 データ保護、ストレージの最適化、容易なデータ移行、最適化されたパフォーマンスのために Storage Foundation または Storage FoundationHigh Availability を使うことができます。

VMware ゲストで Storage Foundation または SFHA (Storage Foundation HighAvailability) を使うと、次の使用例が有効になります。

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表 9-1 VMware 環境に対する Storage Foundation サポートの使用例

実装についての詳細Veritas InfoScale製品コンポーネント

仮想化の使用事例

データ保護に Storage Foundation ポイントインタイムコピー機能を使う方法。

p.100 の 「VMware ゲストでの Veritas InfoScale製品コンポーネントを使ったデータ保護」 を参照してください。

ゲストでの StorageFoundation またはSFHA

データ保護

Storage Foundation シンプロビジョニング、SmartTier、SmartIO 機能を使って VMware環境のストレージを最適化する方法。

p.101 の 「VMware ゲストでの Veritas InfoScale製品コンポーネントを使ったストレージの最適

化」 を参照してください。

ゲストでの StorageFoundation またはSFHA

ストレージの最適化

VMware ゲスト環境でデータを安全かつ簡単に移行するための Storage FoundationPortable Data Containers の使用方法

p.104 の 「VMware ゲストでの Veritas InfoScale製品コンポーネントを使ったデータ移行」 を参照してください。

ゲストでの StorageFoundation またはSFHA

データの移行

VMware ゲスト環境でデータベースパフォーマンスを改善させるための Storage Foundationデータベースアクセラレータの使用方法

p.105 の 「VMware ゲストでの Veritas InfoScale製品コンポーネントを使ったデータベースのパ

フォーマンス改善」 を参照してください。

ゲストでの StorageFoundation またはSFHA

データベースのパ

フォーマンスの向上

エンドツーエンドのストレージの可視性、パ

フォーマンス、最適化、管理の容易化を目的と

した VMware 用 DMP と Storage Foundation機能の使用方法。

p.107 の 「VMware ゲストでの Veritas InfoScale製品コンポーネントを使ったストレージ管理の

簡素化」 を参照してください。

ゲストでのハイパーバイ

ザと StorageFoundation またはSFHA の DMP(DynamicMulti-Pathing)

Storage Foundationまたは SFHA による簡素化したストレージ管

99第 9 章 データ保護、ストレージ最適化、データ移行、データベースパフォーマンスの向上VMware ゲストの Veritas InfoScale 製品コンポーネントの使用例

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VMware ゲストでの Veritas InfoScale 製品コンポーネントを使ったデータ保護

VMware ゲストに Storage Foundation または Storage Foundation High Availabilityをインストールすると、次の Veritas InfoScale 製品の PITC 技術を使ってデータを保護できます。

表 9-2 Veritas InfoScale 製品コンポーネントのデータ保護オプション

説明データ保護機能

ボリュームベースのポイントインタイムスナップショットとリカバリ方法FlashSnap

データベース最適化ポイントインタイムボリュームスナップショットとリカバリ方法Database FlashSnap

ファイルシステムベースのポイントインタイムコピーとリカバリ方法Storage Checkpoint

データベース最適化ポイントインタイムファイルシステムコピーとリカバリ方法Database Storage Checkpoint

ファイルレベルのポイントインタイムスナップショットとリカバリ方法FileSnap

リモートの場所への継続的なボリュームレプリケーション方法ボリュームレプリケーション

リモートの場所への継続的なファイルシステムレプリケーション方法ファイルレプリケーション

PITC(Point-In-Time Copy)の概要Storage Foundation は、業務上の重要なデータを管理するための柔軟で効率的な手段です。 Storage Foundation を使うと、頻繁に更新されるデータベースのある瞬間におけるオンラインイメージ、すなわちポイントインタイムコピーを取得できます。

トランザクション処理、意思決定、知的財産の作成などに継続的に(週 7 日 24 時間)利用しなければならないデータ量がますます増えることが予想されています。 消失や破壊からデータを保護することもますます重要になっています。 以前は、データのバックアップが発生している間、データが変更されないように、データを停止状態にしていました。

ただし、このオプションはダウンタイム最小化のニーズを満たしません。

PITC(ポイントインタイムコピー)はデータのオンライン可用性を最大化させます。 PITCを使うと、システムのバックアップやアップグレード、その他の保守作業を行うことができま

す。 PITC は、アクティブデータと同じホストまたは異なるホスト上で処理できます。 必要な場合は、PITC の処理を別のホストにオフロードし、実稼動サーバーでのシステムリソースの競合を防止できます。 この方法はオフホスト処理と呼ばれます。 正しく実装されれば、オフホスト処理ソリューションが実稼動中のプライマリシステムの処理効率に影響を及

ぼすことはほとんどありません。

100第 9 章 データ保護、ストレージ最適化、データ移行、データベースパフォーマンスの向上VMware ゲストでの Veritas InfoScale 製品コンポーネントを使ったデータ保護

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VMware 環境での Veritas InfoScale 製品のための特定時点のスナップショット

VMware 環境では、Veritas InfoScale 製品の特定時点のスナップショットが完全にサポートされています。 特定時点のスナップショットは、バックアップの作成またはオフホスト処理の実行のほかに、追加の仮想マシンをプロビジョニングするためにも使うことができ

ます。

特定時点のスナップショットについて詳しくは、『Veritas InfoScale 7.0 ソリューションガイド』を参照してください。

VMware ゲストでの Veritas InfoScale 製品コンポーネントを使ったストレージの最適化

VMware ゲストに Storage Foundation または Storage Foundation High Availabilityをインストールすると、次の Veritas InfoScale ストレージ最適化技術を使ってストレージ利用率を最大化できます。

表 9-3 Veritas InfoScale 製品コンポーネントのストレージ最適化オプション

説明ストレージ最適化機能

ファイルサイズを縮小してストレージ利用率を最大化します。圧縮

シンストレージを設定してシンアレイ使用率を最適化します。シン再生

シンストレージを保守するシン再生ソリューションを使ってシンアレイ使用率を最適

化します。

SmartMove

経過時間、優先度、アクセス率の基準に基づいてデータをストレージ層に移動して、

ストレージ効率を最大化します。

SmartTier

経過時間、優先度、アクセス率の基準に基づいてデータをストレージ層に移動して、

ストレージ効率を最大化する Oracle 向けの最適化方法。SmartTier for Oracle

VMware 環境の SmartTier についてSmartTier は、作成したルールに従って異なるストレージ階層からファイルストレージ領域を割り当てることができる VxFS の機能です。 SmartTier では、現在より柔軟な方法で階層化されたストレージの管理を行うことができます。 ストレージの静的な階層化では、ストレージクラスへのアプリケーションファイルの割り当てを手動で 1 回のみ行いますが、これは長期的に見ると柔軟性に欠けます。 通常、階層型ストレージ管理のソリューションでは、アプリケーションのアクセス要求に対する処理を実行する前に、ファイルをファイル

システムの名前空間に戻す必要があり、その結果として遅延とランタイムのオーバーヘッ

ドが発生します。 一方、SmartTier では、以下のことが可能です。

101第 9 章 データ保護、ストレージ最適化、データ移行、データベースパフォーマンスの向上VMware ゲストでの Veritas InfoScale 製品コンポーネントを使ったストレージの最適化

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■ 時間とともにファイルの価値が変わると、最適なストレージ階層にファイルを動的に移

動することで、ストレージ資産を最適化します。

■ ユーザーまたはアプリケーションのファイルアクセス方法を変更せずに、ストレージ階

層間のデータの移動を自動化します。

■ 管理者が設定したポリシーに基づいてデータを自動的に移行します。これにより、階

層化されたストレージに対する操作要件や、データの移動に関連するダウンタイムが

不要になります。

メモ: SmartTier は、以前に Dynamic Storage Tiering(DST)と呼ばれていた機能を拡張し、名前を変更したものです。

VMware 環境での SF の SmartTier 機能は、物理環境の場合と同様の方法で使うことができます。 たとえば、SSD と HDD の 2 種類のストレージアレイを持っているとします。それぞれのディスクのタイプに 1 つの VMFS を割り当てることができます。 1 つのストレージ層として SSD デバイスを使い、第 2 のストレージ層として HDD デバイスを使うことができます。

SmartTier について詳しくは、『Storage Foundation Cluster File System HighAvailability 管理者ガイド』または『Storage Foundation 管理者ガイド』を参照してください。

VMware ゲストの Veritas InfoScale 製品コンポーネントによる圧縮について

ファイルを圧縮すると、ファイルのアクセスしやすさとアプリケーションに対する透過性を

確保しながら、ファイルで使用される領域を削減できます。 圧縮ファイルは、圧縮されていないファイルとほぼ同様に見え、動作も同様です。圧縮ファイルの名前は同じで、圧縮

されていないファイルと同様に読み込みと書き込みを行うことができます。 読み取りを行うと、メモリではデータが圧縮解除されます。ただし、ファイルのディスク上のコピーは圧縮

された状態のままです。 それに対して、書き込みが行われると、新しいデータはディスク上で圧縮解除されます。

VMware 環境における圧縮機能は、物理デバイスの場合と同じです。

ファイル圧縮について詳しくは、『Storage Foundation Cluster File System HighAvailability 管理者ガイド』または『Storage Foundation 管理者ガイド』を参照してください。

102第 9 章 データ保護、ストレージ最適化、データ移行、データベースパフォーマンスの向上VMware ゲストでの Veritas InfoScale 製品コンポーネントを使ったストレージの最適化

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VMware ゲストの Veritas InfoScale 製品コンポーネントによるシン再生について

Veritas InfoScale 製品コンポーネントは、シン再生対応アレイおよび LUN の未使用ストレージの再生をサポートします。 SFHA Solutions は、シン再生をサポートする LUN を自動的に検出します。

RAW デバイスマッピングモードで Veritas InfoScale 製品コンポーネントを設定すると、Veritas InfoScale 製品コンポーネントは VMware ゲスト内でストレージを直接管理することができます。 この設定では、Veritas InfoScale 製品コンポーネントのシン再生機能を VMware ゲスト上で使うことができます。 この設定では、vMotion などの一部の VMware機能が制限される場合があります。 ストレージが VMDK モードで設定されている場合は、Veritas InfoScale 製品コンポーネントのシン再生機能を使うことはできません。Veritas InfoScale 製品コンポーネントは、VMware ゲストの管理下にある物理ストレージから再生可能な解放済みストレージを特定することはできません。

シン再生について詳しくは、『Storage Foundation Cluster File System High Availability管理者ガイド』および『Storage Foundation 管理者ガイド』を参照してください。

VMware ゲストの Veritas InfoScale 製品コンポーネントによるSmartMove について

SmartMove ユーティリティは、移動操作とコピー操作を最適化します。 SmartMove ユーティリティは、VxFS(Veritas File System)での VxVM(Veritas Volume Manager)ストレージに関する知識を活用します。 VxFS は VxVM に、どのブロックにデータがあるか通知します。 VxVM がデータのコピー操作または移動操作を実行するときに、SmartMoveはファイルシステムによって使用されたブロックをコピーのみまたは移動のみする操作を

有効にします。

これによってコピーされるブロック数が減るため、この機能は同期、ミラー化、コピー操作

の処理効率が向上させます。 SmartMove は、VxVM ボリュームにマウントされる VxFSファイルシステムでのみ連携します。 ファイルシステムがマウントされない場合、ユーティリティからファイルシステムの使用状況を見ることはできません。

VMware 環境における SmartMove 機能は、物理デバイスの場合と同じです。

SmartMove について詳しくは、『Storage Foundation Cluster File System HighAvailability 管理者ガイド』または『Storage Foundation 管理者ガイド』を参照してください。

VMware ゲストの Veritas InfoScale 製品コンポーネントによる SmartTierfor Oracle について

SmartTier は、作成したルールに従って異なるストレージ階層からファイルストレージ領域を割り当てることができる VxFS の機能です。 SmartTier では、現在より柔軟な方法で階層化されたストレージの管理を行うことができます。

103第 9 章 データ保護、ストレージ最適化、データ移行、データベースパフォーマンスの向上VMware ゲストでの Veritas InfoScale 製品コンポーネントを使ったストレージの最適化

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Oracle データベース環境では、アクセス期間のルールを archivelog ファイルと Flashbackファイルに適用することができます。 Oracle ではデータベースチェックポイントごとに各データファイルのヘッダーが更新されるので、アクセス期間のルールをデータファイルに

使うことはできません。 パーティションテーブルの場合は、名前ベースのルールを使って(昨年など)、特定のパーティションに属するファイルをセカンダリのストレージ階層に再配

置することができます。 ただし、データベースにパーティションテーブルが存在しない場合、現在の方法による再配置は Oracle データベース環境に対応しません。

適切な SmartTier ポリシーを採用し、ストレージのコストを削減するには、頻繁にはアクセスされない Oracle オブジェクトをセカンダリ階層に再配置するための手段が必要です。 ファイル全体の再配置が、どのような場合にも有用とは限りません。

VMware 環境における SmartTier for Oracle は、物理環境の場合と同じように動作します。

SmartTier for Oracle について詳しくは、『Veritas InfoScale Oracle データベース用ストレージと可用性管理』を参照してください。

VMware ゲストでの Veritas InfoScale 製品コンポーネントを使ったデータ移行

VMware ゲストに Storage Foundation または Storage Foundation High Availabilityをインストールすると、次の Veritas InfoScale データ移行技術を使ってデータを安全に、しかも簡単に移行できます。

■ Portable Data Containers

■ ボリュームのミラー化

データ移行のタイプここでは、次のタイプのデータ移行について説明します。

■ CDS(Cross-Platform Data Sharing)を使ってプラットフォーム間でデータを移行する

Storage Foundation では、ディスクとボリュームを作成し、異なるオペレーティングシステムを実行するシステムでデータを読み取ることができるようにすることができます。

CDS のディスクとボリュームは、異なるオペレーティングシステムから同時にマウントしたり、アクセスしたりすることはできません。 CDS 機能を使うと、簡単な方法で、異なるオペレーティングシステムを実行するシステム間でデータを移行できます。

■ アレイ間でデータを移行する

Storage Foundation ではさまざまなベンダーのアレイをサポートしています。 ストレージのニーズが変わった場合、アレイ間でデータを移動できます。

104第 9 章 データ保護、ストレージ最適化、データ移行、データベースパフォーマンスの向上VMware ゲストでの Veritas InfoScale 製品コンポーネントを使ったデータ移行

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メモ: ファットアレイからシンアレイへの移行を計画している場合は、手順が異なります。

VMware ゲストでの Veritas InfoScale 製品コンポーネントを使ったデータベースのパフォーマンス改善

VMware ゲストに Storage Foundation または Storage Foundation High Availabilityをインストールすると、次の Veritas InfoScale データベースアクセラレータ技術を使ってデータベースパフォーマンスを拡張できます。

■ Veritas Oracle Disk Manager

■ Veritas Cached Oracle Disk Manager

■ Veritas Concurrent I/O

データベースアクセラレータを使うことで、データベースでファイルシステムの管理機能と

便利さを享受すると同時に RAW ディスクが高速化されます。

Veritas InfoScale 製品コンポーネントのデータベースアクセラレータについて

どのような環境でも、相応のパフォーマンスを維持することや、パフォーマンス SLA(ServiceLevel Agreements)を満たすことが主要な懸案事項です。 Veritas InfoScale 製品コンポーネントは、様々な方法によってデータベース環境全体のパフォーマンスを向上させ

ます。

105第 9 章 データ保護、ストレージ最適化、データ移行、データベースパフォーマンスの向上VMware ゲストでの Veritas InfoScale 製品コンポーネントを使ったデータベースのパフォーマンス改善

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表 9-4 Veritas InfoScale 製品コンポーネントのデータベースアクセラレータ

使用例と注意事項サポート対象のデータベース

Veritas InfoScaleデータベースアクセラレータ

■ ファイル I/O に対する最先端のカーネルサポートを含む改善されたアプリケーショ

ンプログラミングインターフェース(API)を利用して、Oracle のパフォーマンスを向上させ、システム帯域幅を管理します。

■ Oracle Resilvering を使い、VeritasVolume Manager DRL(Dirty RegionLogging)をオフにしてパフォーマンスを向上させるには、ODM を使います。

■ ミッションクリティカルなアプリケーションの

I/O 帯域幅をより多く利用できるようにして、データベースの一貫性を復元するた

めに必要な時間を短縮するには、

SmartSync Recovery Accelerator を使います。

OracleOracle Disk Manager(ODM)

選択した I/O でキャッシュを使って ODM I/Oのパフォーマンスを向上させるには、CachedODM を使います。

OracleCached Oracle DiskManager(Cached ODM)

CIO(Concurrent I/O)は、DB2 環境およびSybase 環境向けに最適化されています。

ファイルサイズの拡張に関する制限なしで、

VxFS ファイルシステム上で実行されるデータベースのパフォーマンスを向上させるには、

Veritas InfoScale Concurrent I/O を使います。

DB2

Sybase

ConcurrentI/O

これらのデータベースアクセラレータ技術によって、データベースのパフォーマンスは

RAW ディスクパーティションと同等になりますが、さらにファイルシステムの管理性が得られるという利点があります。 Storage Foundation の DMP(Dynamic Multi-Pathing)機能により、サーバーからアレイまでのすべての使用可能なパスで I/O アクティビティの負荷を分散することで、パフォーマンスが最大限に引き上げられます。 DMP は主要なハードウェア RAID ベンダーをすべてサポートしているので、サードパーティ製のマルチパスソフトウェアが不要となり、TCO を削減できます。

Veritas InfoScale データベースアクセラレータを使うと、データベースのパフォーマンスをより高精度で管理できるようになります。

106第 9 章 データ保護、ストレージ最適化、データ移行、データベースパフォーマンスの向上VMware ゲストでの Veritas InfoScale 製品コンポーネントを使ったデータベースのパフォーマンス改善

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VMware ゲストでの Veritas InfoScale 製品コンポーネントを使ったストレージ管理の簡素化

VMware ゲストに Storage Foundation または Storage Foundation High Availabilityをインストールすると、Veritas InfoScale 製品の機能によって多くの面で使いやすくなり、ストレージと可用性を管理するための管理機能が提供されます。

107第 9 章 データ保護、ストレージ最適化、データ移行、データベースパフォーマンスの向上VMware ゲストでの Veritas InfoScale 製品コンポーネントを使ったストレージ管理の簡素化

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VMware ディスク上のStorage FoundationCluster File System HighAvailability を使った高速フェールオーバー用仮想マシンの設定

この章では以下の項目について説明しています。

■ VMware ゲストでの Storage Foundation Cluster File System High Availability の使用例

■ VMware 仮想環境での Storage Foundation Cluster File System High Availabilityの動作

■ Storage Foundation の機能と互換性のマトリックス

■ VMware ESXi での Storage Foundation Cluster File High System High Availabilityの設定について

■ ストレージの設定

10

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VMware ゲストでの Storage Foundation ClusterFile System High Availability の使用例

SFCFSHA (Using Storage Foundation Cluster File System High Availability) を使うと、SFHA (Stroage Foundation High Availability) 向けに記述されたすべての機能サポートと使用例が提供され、並列クラスタの高速フェールオーバー機能が追加されます。

VMware 仮想環境での Storage Foundation ClusterFile System High Availability の動作

SFCFSHA (Storage Foundation Cluster File System High Availability)は、VMwareハイパーバイザで実行されているゲスト OS (Operating System の略でオペレーティングシステムの意味)内で使われる場合、次の 2 つの動作モードをサポートします。

■ モード 1: RDM-P によって外部ストレージに接続される SFCFSHAスプリットブレイン保護とデータフェンシング用に信頼性が高い SCSI-3 PGR キーが必要な場合は、ゲスト OS で実行され、RDM-P によって外部ストレージに接続されるSFCFSHA を使います。

■ モード 2: VMFS マルチライターフラグが有効になっている VMFS に接続されるSFCFSHAVMware vMotion を介したゲスト OS の移動性が必要な場合は、ゲスト OS で実行され、VMFS マルチライターフラグが有効になっている VMFS に接続されたSFCFSHA を使います。

モード 1 のための必要条件:

■ SFCFSHA は、VMware RDMP (Raw Disk Mapping Physical の略で RAW ディスク物理マップの意味)互換モードを使って VMDK (Virtual Machine Disk の略で仮想マシンディスクの意味)にマップされている物理 LUN に接続される必要があります。

■ このオプションは、高速フェールオーバー、スプリットブレイン保護、データフェンシン

グに対する完全な SFCFSHA 高可用性サポートを提供しますが、VMware スナップショット、vMotion、またはその他の VMware HA 機能を使うことはできません。

■ SFCFSHA スナップショット、クローン、重複排除、その他のストレージ最適化機能は、この設定で完全にサポートされます。

モード 2 のための必要条件:

■ ゲスト OS は VMFS VMDK を使う必要があります。

■ VMFS では通常複数のゲスト OS による同じ仮想ディスクへの接続は禁止されているため、SFCFSHA のようなパラレルファイルシステムではその VMDK は使うことができません。 ただし、新しい VMFS オプションのマルチライター(VMware ナレッジ

109第 10 章 VMware ディスク上の Storage Foundation Cluster File System High Availability を使った高速フェールオーバー用仮想マシンの設定

VMware ゲストでの Storage Foundation Cluster File System High Availability の使用例

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ベースの記事 1034165)を有効にすることによって、管理者は複数のゲスト OS から同時に読み書きできる VMDK を作成できます。

■ VMFS では SFCFSHA は LUN 上の SCSI-3 PGR (Persistent Group Reservation)ビットを表示できないため、SCSI ベースの I/O フェンシングは機能しません。SFCFSHA で VMFS マルチライターオプションを使うためには、CPS (CoordinationPoint Server の略でコーディネーションポイントサーバーの意味)をスプリットブレイン保護に使う必要があります。

CPS フェンシングの設定について詳しくは、『Storage Foundation Cluster FileSystem High Availability 管理者ガイド 』を参照してください。

■ CPS はフェンシングによるデータ保護をサポートしないため、非 SFCFSHA ゲストOS の VMDK への書き込みによる不注意なデータ破損が生じないように注意する必要があります。 SFCFSHA スナップショット、クローン、重複排除、その他のストレージ最適化機能は、この設定で完全にサポートされます。

ゲスト OS での SFCFSHA に対するシマンテック社のサポート

■ シマンテック社は物理 OS 環境の場合と同様に問題を解決します。 潜在的な問題が識別されると、シマンテック社のサポート担当者は、物理サーバーのネーティブ OSで適用可能な適切なソリューションをお勧めします。

■ そのソリューションが VMware 仮想化環境で機能しない場合、シマンテック社はお客様に物理環境での問題の再現を依頼する権利を有します。 場合によっては、VMwareによるサポートをお客様に紹介する場合があります。

Storage Foundation の機能と互換性のマトリックス表 10-1 に、VMware ESXi ディスクモードでの Storage Foundation の機能と互換性を示します。

表 10-1 VMware ディスクモードでの Storage Foundation の機能と互換性のマトリックス

VMware ESXi ディスクモード: RAWデバイスマップ物理モード

VMware ESXi ディスクモード: RAWデバイスマップ論理モード

VMware ESXi ディスクモード: VMDK

Storage Foundation

はいはいはいVxVM ディスク形式:simple、sliced

はいはいはいVxVM ディスク形式:cdsdisk

110第 10 章 VMware ディスク上の Storage Foundation Cluster File System High Availability を使った高速フェールオーバー用仮想マシンの設定

Storage Foundation の機能と互換性のマトリックス

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VMware ESXi ディスクモード: RAWデバイスマップ物理モード

VMware ESXi ディスクモード: RAWデバイスマップ論理モード

VMware ESXi ディスクモード: VMDK

Storage Foundation

あり(RDM-P モードで設定されたディスクを

使用)1

あり(非 SCSI3 PRベースフェンシングを

使用)1

あり(非 SCSI3 PRベースフェンシングを

使用)1

I/O フェンシング

はいいいえいいえPortable DataContainers

なし 2なし 2なし 2ゲストでの DynamicMulti-Pathing

はいはいはいVolume Replicator

はいはいはいCVM/VVR

はいはいはいバンカーノード (非 CVM環境)

はいいいえいいえDDL 拡張属性

はいいいえいいえシン再生

1. 詳細は I/O フェンシングに関する節で説明しています。

p.21 の 「ESXi 環境での I/O フェンシングに関する注意事項」 を参照してください。

2. DMP は VM でマルチパスを実行しませんが、Storage Foundation コンポーネントのデータパスに不可欠な機能なので無効にできません。 DMP はデバイス検出やシン再生のようなデバイス管理タスクを実行します。

VMware ESXi での Storage Foundation ClusterFile High System High Availability の設定について

このサンプル配備は、VMFS (VMware Filesystem の略で VMware ファイルシステムの意味) VMDK (Virtual Disk の略で仮想ディスクの意味) をストレージサブシステムとして使う VMware 仮想サーバーで SFCFSHA (Storage Foundation Cluster File SystemHigh Availability) をインストールして設定する方法を示しています。

ここで提供される情報は、SFCFSHA のマニュアルまたは VMware のマニュアルの代わりになるものではありません。 これは、他のマニュアルに記載されている情報を補完する配備例です。

この配備例では、次の製品バージョンとアーキテクチャが使われています。

111第 10 章 VMware ディスク上の Storage Foundation Cluster File System High Availability を使った高速フェールオーバー用仮想マシンの設定

VMware ESXi での Storage Foundation Cluster File High System High Availability の設定について

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■ RHEL (RedHat Enterprise Linux) Server 6.2

■ Storage Foundation Cluster File System High Availability 7.0

■ ESXi 5.1

4 ノード型仮想マシンクラスタが 2 つの VMware ESXi サーバーに設定されます。 ファイバーチャネルを使って 2 つの ESXi サーバー間の共有ストレージが設定されています。 クラスタファイルシステムは 4 つの仮想マシン (cfs01、cfs02、cfs03、cfs04) に存在します。 cps1、cps2、cps3 の 3 つのコーディネーションポイント(CP)を使います(このうち 1 つが別の ESXi サーバーに配置されます)。 ストレージ用に、5 つのデータストアが使われ、各データストアに 1 つの共有 VMDK ファイルが配置されます。

図 10-1 VMware ESXi の SFCFSHA 仮想クラスタ

VMFS

cps3

VMDK1 VMDK2 VMDK5仮想

マシンの 起動

ESX1 ESX2

cps1

cfs01

cfs03

cps2

cfs02

cfs04VMFS

データストア 1データストア データストア 2 データストア 5

2 つのプライベートネットワークがクラスタハートビートに使われます。 これらのネットワークは、PRIV1 と PRIV2 と呼ばれます。 仮想スイッチ vSwitch2 にも vMotion を有効にするための VMkernel ポートがあります。 vSwitch0 は管理トラフィックとパブリック IP ネットワークに使われます。

一部のブレードには 2 ネットワーク制限があります。 この場合は、1 つのネットワークをハートビート用、もう一方をハートビートバックアップ (優先度が低い設定) として設定します。

SFCFSHA 設定の計画この配備例では、CP サーバーを使って SFCFSHA (Storage Foundation Cluster FileSystem High Availability) 7.0 をインストールし、設定するための推奨手順を説明します。VMware で正しい SFCFSHA 実装を実現するためには、推奨の手順に従います。RHEL または ESXi のバージョンによって、異なる手順が必要になる場合があります。

112第 10 章 VMware ディスク上の Storage Foundation Cluster File System High Availability を使った高速フェールオーバー用仮想マシンの設定

VMware ESXi での Storage Foundation Cluster File High System High Availability の設定について

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詳しくは、SFCFSHA のマニュアルを参照してください。

表 10-2 VMware に SFCFSHA を配備するためのタスク

配備手順SFCFSHA 配備タスク

RHEL と ESXi のマニュアルを参照してください。

VM の配備

p.113 の 「SFCFSHA の必須パッケージのインストール」 を参照してください。

必要なパッケージをインストールします。

p.115 の 「パスワードなし SSH の有効化」 を参照してください。

パスワードなし SSH の有効化

p.115 の 「CP サーバーと管理ポートへの TCPトラフィックの有効化」 を参照してください。

CP サーバーと管理ポートへのトラフィックの有効化

p.115 の 「CP サーバーと管理ポートへの TCPトラフィックの有効化」 を参照してください。

CP サーバーの設定

p.121 の 「SFCFSHA ソフトウェアの配備」 を参照してください。

SFCFSHA ソフトウェアの配備

p.122 の 「SFCFSHA の設定」 を参照してください。

SFCFSHA の設定

p.113 の 「SFCFSHA の必須パッケージのインストール」 を参照してください。

非 SCSI3 フェンシングの設定

これらの手順については、以降のページで説明され、文書化されています。

SFCFSHA の必須パッケージのインストールパッケージをインストールするための前提条件が満たされているか検証するには

1 インストーラスクリプトを実行します。

2 /<mntpoint>/<platform>/<release>/install

3 Red Hat 6.2 バージョンに SFCFSHA (Storage Foundation Cluster File SystemHigh Availability) 6.2 をインストールするには、/SW/dvd1-redhatlinux/rhel6_x86_64のパスを使います。

4 インストーラには利用可能なすべてのオプションが表示されます。P と入力してインストール前のチェックを実行します。

5 インストールするコンポーネントは SFCFSHA であるため、オプション 5 を選択します。

113第 10 章 VMware ディスク上の Storage Foundation Cluster File System High Availability を使った高速フェールオーバー用仮想マシンの設定

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6 設定する 4 つのノードの名前 (cfs01、cfs02、cfs03、cfs04) を入力します。

インストール前のテストが開始されます。 最初に、すべてのノードの通信状態がチェックされます。

7 正常なインストールを実行するためには、ノードに SSH を設定する必要があります。SSH の選択を求めるメッセージが表示されたら、パスワードを入力します。

システムに SSH がすでに設定されている場合、この手順は必要ありません。 インストーラでは、自動的にパスワードなし SSH が有効になります。 推奨処理は、 インストーラでのパスワードの設定を許可することです。 他のクラスタ再設定を後で実行する必要がある場合、パスワードなし SSH/RSH は手動で有効にする必要があります。

p.115 の 「パスワードなし SSH の有効化」 を参照してください。

手順の 1 つでエラーが発生した場合、次のようになります。

RHEL 6.2/6.3 でインストーラを実行している場合、検出できない RPM のリストとともにエラーメッセージが表示されます (仮想サーバーはすべてクローン作成されているため、エラーは各仮想サーバーで同じです)。

このエラーの解決方法は、次のシマンテック社のサポート記事 TECH196954 で説明されています。

http://www.symantec.com/business/support/index?page=content&id=TECH196954

SFCFSHA を配備する前に、次のパッケージバージョンをインストールする必要があります。

glibc-2.12-1.25.el6.i686

libgcc-4.4.5-6.el6.i686

libstdc++-4.4.5-6.el6.i686

nss-softokn-freebl-3.12.9-3.el6.i686

pam-1.1.1-10.el6.i686.rpm

ksh-20100621-12.el6.x86_64.rpm

Red Hat 6.2 に配備するために、次の RPM をインストールします。

rpm -ivh --nodeps glibc-2.12-1.47.el6.i686.rpm

rpm -ivh --nodeps libgcc-4.4.6-3.el6.i686.rpm

rpm -ivh --nodeps libstdc++-4.4.6-3.el6.i686.rpm

rpm -ivh --nodeps nss-softokn-freebl-3.12.9-11.el6.i686.rpm

rpm -ivh --nodeps pam-1.1.1-10.el6.i686.rpm

rpm -ivh --nodeps ksh-20100621-12.el6.x86_64.rpm

すべての検証チェックが正常に完了するまでに、他の前提条件を完了します。

この時点でスクリプトを終了するか、新しいシェルを開いてクラスタの CP サーバー通信を設定できます。 このマニュアルの後半で、SFCFSHA のインストールに戻ります。

114第 10 章 VMware ディスク上の Storage Foundation Cluster File System High Availability を使った高速フェールオーバー用仮想マシンの設定

VMware ESXi での Storage Foundation Cluster File High System High Availability の設定について

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パスワードなし SSH の有効化インストーラでは、クラスタノード間のパスワードなし SSH/RSH を設定できますが、クラスタノードと CP サーバー間でこの必須機能を有効にすることはできません。たとえば、I/Oフェンシング設定の変更のように後から設定を変更する場合は、パスワードなし SSH/RSHが必要になる場合があります。この設定では、クラスタとノードの他の部分の設定に使う、

ノード間のパスワードなし SSH を設定します。

次は、パスワードなし SSH が有効になるインスタンスです。

表 10-3 パスワードなし SSH を有効にするインスタンス

原因Target[ソース(Source)]

クラスタ設定cfs02cfs01

クラスタ設定cfs03cfs01

クラスタ設定cfs04cfs01

非 SCSI-3 フェンシング設定cps01cfs01

非 SCSI-3 フェンシング設定cps2cfs01

非 SCSI-3 フェンシング設定cps3cfs01

セキュアクラスタ設定cps01cps01

セキュアクラスタ設定cps01cps2

セキュアクラスタ設定cps01cps3

パスワードなし SSH を有効にしない場合は、このマニュアルの終わりで説明する手動設定の指示に従います。

CP サーバーと管理ポートへの TCP トラフィックの有効化正常なクラスタ内通信を行うには、クラスタノードと CP (Coordination Point の略でコーディネーションポイントの意味) サーバーがポート 14250 (またはデフォルトを変更した場合は他のポート) に到達できることを確認します。Red Hat ファイアウォールが有効になっている場合は、ポート 14250 と 14149 への接続を許可するルールがあることを確認します。

115第 10 章 VMware ディスク上の Storage Foundation Cluster File System High Availability を使った高速フェールオーバー用仮想マシンの設定

VMware ESXi での Storage Foundation Cluster File High System High Availability の設定について

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CP サーバーと管理ポートへの TCP トラフィックを有効にするには

1 iptables サービスを停止します。

[root@cps3 sysconfig]# service iptables stop

iptables: Flushing firewall rules: [ OK ]

iptables: Setting chains to policy ACCEPT: filter [ OK ]

iptables: Unloading modules: [ OK ]

2 /etc/sysconfig/iptables ファイルで次の行を入力します。

-A INPUT -p tcp -m tcp --dport 14250 -j ACCEPT

-A INPUT -p tcp -m tcp --dport 14149 -j ACCEPT

3 サービスを起動します。

[root@cps2 ~]# service iptables restart

iptables: Flushing firewall rules: [ OK ]

iptables: Setting chains to policy ACCEPT: filter [ OK ]

iptables: Unloading modules: [ OK ]

iptables: Applying firewall rules: [ OK ]

[root@cps2 ~]#

4 新しいルールが設定されていることを確認します。

[root@cps3 sysconfig]# iptables --list

Chain INPUT (policy ACCEPT)

target prot opt source destination

ACCEPT tcp -- anywhere anywhere tcp dpt:cps

ACCEPT tcp -- anywhere anywhere tcp dpt:vrts-tdd

ACCEPT tcp -- anywhere anywhere tcp dpt:xprtld

SFCFSHA 配備例では、これらのルールを cfs01、cfs02、cfs03、cfs04、cps1、cps2、cps3 で有効にする必要があります。

CP サーバーの設定「スプリットブレイン」を引き起こすクラスタエラーによるデータ破損からクラスタを保護する

ために、CP (Coordination Point の略でコーディネーションポイントの意味) サーバーを配備する必要があります。 CP サーバーをまだ設定していない場合は、非 SCSI-3 フェンシング保護を提供するために使う CP サーバーを配備プロセスのこの時点で設定する必要があります。

116第 10 章 VMware ディスク上の Storage Foundation Cluster File System High Availability を使った高速フェールオーバー用仮想マシンの設定

VMware ESXi での Storage Foundation Cluster File High System High Availability の設定について

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CP サーバーは複数のクラスタに使うことができるため、この手順は最初にクラスタを設定するときと、CP サーバーが利用可能できない場合にのみ必要です。

新しい CP サーバーを設定するためのタスク:

表 10-4

説明手順

p.117 の 「SFCFSHA 用のコーディネーションポイントサーバーの設定」 を参照してください。

SFCFSHA (Storage Foundation Cluster FileSystem High Availability) 用の新しいコーディネーションポイントサーバーの設定

p.119 の 「VCS (Veritas Cluster Server)単一ノードクラスタの設定」 を参照してください。

VCS(Cluster Server)シングルノードクラスタの設定

p.118 の 「コーディネーションポイントサーバーサービスグループの設定」 を参照してください。

コーディネーションポイントサーバーサービスグ

ループの設定

SFCFSHA 用のコーディネーションポイントサーバーの設定SFCFSHA(Storage Foundation Cluster File System High Availability)の配備例では、3 つの CP サーバーが使われます。 各 CP サーバーは 1 つの仮想マシンに格納され、それぞれがシングルノードの CP サーバークラスタを形成します。 2 つの物理 ESXサーバーそれぞれに 1 つの CP サーバーが含まれ、3 つ目の CP サーバーは別の場所にあります。 このプロセスを説明するために、cps1 ノードを配備する手順を示します。

インストーラスクリプトを使って、Cluster Server(オプション 2)の配備を実行します。 インストール前のチェックを実行すると、次のパッケージはインストールされていないものとし

て検出されます。

CPI Error V-(-30-2225 The following required OS rpms (or higher

version) were not found on cfs01: nss-softokn-freebl-3.12.9-3.el6.i686

glibc-2.12-1.25.el6.i686 pam-1.1.1-8.el6.i686 libstdc++-4.4.5-6.el6.i686

libgcc-4.4.5-6.el6.i686 ksh-20100621-6.el6.x86_64

RHEL 6.2/6.3 でのこれらの検出されないパッケージ SF 6.0 と 6.0.1 に対する必要条件については、記事 TECH196954 を参照してください。

説明したように、Storage Foundation を配備する前に次のパッケージをインストールする必要があります。

■ glibc-2.12-1.25.el6.i686

■ libgcc-4.4.5-6.el6.i686

■ libstdc++-4.4.5-6.el6.i686

■ nss-softokn-freebl-3.12.9-3.el6.i686

Red Hat 6.2 に配備し、次の RPM をインストールします。

117第 10 章 VMware ディスク上の Storage Foundation Cluster File System High Availability を使った高速フェールオーバー用仮想マシンの設定

VMware ESXi での Storage Foundation Cluster File High System High Availability の設定について

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■ rpm -ivh --nodeps glibc-2.12-1.47.el6.i686.rpm

■ rpm -ivh --nodeps libgcc-4.4.6-3.el6.i686.rpm

■ rpm -ivh --nodeps libstdc++-4.4.6-3.el6.i686.rpm

■ rpm -ivh --nodeps nss-softokn-freebl-3.12.9-11.el6.i686.rpm

■ rpm -ivh --nodeps pam-1.1.1-10.el6.i686.rpm

■ rpm -ivh --nodeps ksh-20100621-12.el6.x86_64.rpm

CP サーバーがポート 14250 で応答準備できるか確認します。 ファイアウォールルールを無効にするか、このマニュアルの最初に説明したとおりに新しいルールを入力し、この

ポートへの通信を許可します。

フェンシング設定が実行されるクラスタノードに対して CP サーバーがパスワードなし SSH接続を使っていることを確認します。

コーディネーションポイントサーバーサービスグループの設定

シングルノードクラスタでも、VIP (Virtual IP Address の略で仮想 IP アドレスの意味) が使われます。これによって、VIP の可用性を制御する VCS リソースを作成できます。設定例では、各 CP サーバーに 1 つの VIP を割り当てて、このプロセスを説明します。

CP サーバーサービスグループを設定する方法

1 各 CP サーバーで利用できる VIP があることを確認します。

2 コマンドを実行します。

# /opt/VRTS/install/installvcs<version> -configcps

<version> は特定のリリースバージョンです。

3 インストーラで CP サーバーを設定するかどうかを確認するメッセージが表示された場合は、[シングルノード VCS システムに Coordination Point Server を設定する(Configure Coordination Point Server on single node VCS system)]を選択します。

4 CP サーバーの名前は、ホスト名と同じですが、終わりに「v」が付いています。 設定例の CP サーバーの場合は、cps1v です。

5 シングルノードクラスタに関連付けられる仮想 IP アドレスを入力します。 ノード cps1の例では、10.182.99.124 です。提案されるデフォルトポートを受け入れます。

6 前に説明したように、セキュリティはこの例で有効で、ベストプラクティスとして推奨さ

れます。

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VMware ESXi での Storage Foundation Cluster File High System High Availability の設定について

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7 メッセージが表示されたら、データベースの場所を入力します。この例では、データ

ベースはローカルにインストールされるため、デフォルトの場所を受け入れることが

できます。

8 設定パラメータを見直した後、CP サーバーサービスグループの設定を続行します。cps1 で使われる NIC は eth4 です。 例では NetworkHosts を使いません。 ネットマスクを入力して、設定は完了します。

これで CPSSG サービスグループはオンラインになります。

[root@cps1 rhel6_x86_64]# hastatus -sum

-- SYSTEM STATE

-- System State Frozen

A cps1 Running 0

-- GROUP STATE

-- Group System Probed AutoDisabled State

B CPSSG cps1 Y N ONLINE

[root@cps1 rhel6_x86_64]#

VCS (Veritas Cluster Server)単一ノードクラスタの設定コーディネーションポイントサーバー用に VCS (Veritas Cluster Server) シングルノードクラスタを設定します。 次の手順では、設定例のプロセスを説明します。

シングルノードクラスタを設定する方法

1 インストーラスクリプトを実行し、インストール前のチェックを実行してサーバーが VCSをインストールできる状態であるか検証します。

2 製品のインストールオプションを選択し、製品の選択を求めるメッセージが表示され

たら VCS を選択します。

3 すべての RPM をインストールするオプションを選択します。 VRTScps パッケージが含まれます。

4 設定を実行しているホストの名前 (この例では cps1) を入力します。 インストールされるすべてのパッケージを見直した後、パッケージのインストールが開始されます。

この例の環境では、Veritas Operation Manager ホストが配備されているため、キーレスライセンス付与が必要です。 グローバルクラスタオプションは有効になりません。

5 VCS の設定を確認するメッセージが表示されたら、y と入力します。

119第 10 章 VMware ディスク上の Storage Foundation Cluster File System High Availability を使った高速フェールオーバー用仮想マシンの設定

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6 フェンシングの設定を確認するメッセージが表示されたら、n と入力します。 シングルノードクラスタにはフェンシングは必要ありません。

7 シングルノードを設定する場合でも、CP (Coordination Point の略でコーディネーションポイントの意味) サーバークライアントが CP サーバーに接続できるように LLTと GAB を有効にする必要があります。 GAB と LLT の起動を確認するメッセージが表示されたら、y を選択します。

8 クラスタ名 (ノードと同じ) を入力します。 設定例では cps1 です。

9 [イーサネットでの LLT を使用してハートビートリンクを設定します (Configureheartbeat links using LLT over Ethernet)]を選択します。

10 設定例では、追加の NIC をプライベートネットワーク用に設定する必要があります。この手順はシングルノードクラスタでも必要です。

まだ使われていない一意のクラスタ ID を入力します。 インストーラによって、クラスタ ID が使われていないか検証されます。

11 仮想 IP を入力する必要はありません。ホストに使ったものと同じ仮想 IP を使います。

12 セキュアモードを設定するかどうかは、独自の設定必要条件に応じて決定する必要

があります。 設定例では、SFCFSHA はセキュアモードを使うように設定されているため、コーディネーションポイントサーバーでもセキュアモードを使う必要があります。

13 FIPS オプションは CP サーバーで指定されていません。 選択を求めるメッセージが表示されたら、[fips を使用しないセキュアモードでのクラスタの設定 (Configurethe cluster in secure node without fips)]を選択します。

これは、クラスタノードで実行した設定にも一致します。

14 設定例では、SMTP と SNMP は使われません。 独自の設定では、必要条件に基づいて選択する必要があります。

15 選択が完了すると、VCS 設定が開始されます。 完了したら、VCS が動作するかどうか確認できます。

[root@cps1 rhel6_x86_64]# hastatus -sum

-- SYSTEM STATE

-- System State Frozen

A cps1 Running 0

[root@cps1 rhel6_x86_64]#

120第 10 章 VMware ディスク上の Storage Foundation Cluster File System High Availability を使った高速フェールオーバー用仮想マシンの設定

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SFCFSHA ソフトウェアの配備クラスタを構成する 4 つの仮想マシンそれぞれに SFCFSHA (Storage FoundationCluster File System High Availability) を配備します。 このために、以前の CPI 手順でyes を選択した場合はインストールを続行することができ、選択していない場合はインストーラスクリプトを再度実行できます。 インストーラのスクリプトを再度実行した場合は、次の手順で SFCFSHA を配備します。

インストーラスクリプトを再実行した後に SFCFSHA を配備するには

1 インストーラスクリプトを実行するときに、次を選択します。

■ I) 製品のインストール

■ 5) SFCFSHA (Storage Foundation Cluster File System HA)

■ EULA の条件への同意

2 すべてのシステムにインストールする RPM の選択を求めるメッセージが表示されたら、オプション 3 の[すべての RPM をインストール (Install all RPMs)]を選択します。

3 RPM をインストールするクラスタのノード名 (cfs01 cfs02 cfs03 cfs04) を入力します。

インストーラは前提条件を再度検証し、インストールされるすべての RPM のリストを出力します。 RPM がインストールされます。

4 RPM をインストールすると、ライセンスを求めるメッセージが表示されます。 VeritasOperation Manager (VOM)でこのクラスタを管理できるように、キーレスライセンスの交付を有効にする場合はオプション 2 を選択します。

5 この SFCFSHA 配備で次のオプションを有効にするためにライセンスは不要です。

■ レプリケーション(Replication)

■ グローバルクラスタオプション(GCO)

ライセンスが登録されると、配備は終了します。

これで設定を開始できます。 SFCFSHA ソフトウェアがすでに配備されている仮想マシンテンプレートが必要な場合は、ここで停止し、このイメージのスナップショットまたは他の

コピーを作成します。 次の手順では、「installer –configure」を実行して設定を続けます。

121第 10 章 VMware ディスク上の Storage Foundation Cluster File System High Availability を使った高速フェールオーバー用仮想マシンの設定

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SFCFSHA の設定SFCFSHA (Storage Foundation Cluster File System High Availability) クラスタ設定を設定するには

1 installer –configure を実行するか、前の手順で y を入力して終了した時点から続行します。

2 通常、SFCFSHA 設定の次の手順はフェンシングです。 ただし、I/O フェンシング設定は、まだ決定されていない次の要因に応じて異なります。

■ VMDK または RDMP のどちらのストレージデバイスを使うか

■ I/O パスとネットワークパスの設定方法

■ CP (Coordination Point の略でコーディネーションポイントの意味) サーバー(場合によってはコーディネーションディスク) の設定

ここで、IO フェンシングを使用可能モードで設定するかどうかの確認メッセージが表示されたら n と入力し、後から設定プロセスのこの時点に戻ることができます。

3 メッセージが表示されたら、クラスタ名を設定します。

配備例のクラスタ名は cfs0 です。

4 メッセージが表示されたら、ハートビートに使う NIC を設定します。

LLT (Low Latency Protocol) をイーサネットまたは UDP 上で設定できます。 UDPはノード間のルーティングが必要な場合にのみ必要です。 UDP が必要ない場合は、イーサネットをお勧めします。

配備例では、eth4 と eth5 がプライベートリンクです。 eth3 はパブリックリンクで、優先度の低いハートビートパスとして使われます (そのため、他の 2 つのパスがエラーになった場合にのみ使われます)。

すべてのメディア速度チェックに成功する必要があります。 成功しない場合は、ノードの相互接続を見直してください。

5 メッセージが表示されたら、クラスタ ID を設定します。 一意のクラスタ ID が必要です。他のクラスタで使われていない番号を選択することが重要です。 これは、同じネットワーク相互接続 (プライベートとパブリックの両方) を使う場合は特に重要です。CPI は乱数を生成し、その ID を使っているパケットが存在しないことをネットワークで確認します。 ただし、CPI は ID が現在電源が切断されているクラスタで使われてないことは保証できません。 ベストプラクティスは重複した ID の使用を避けるのにデータセンターをわたって使われるクラスタ ID の登録を保守することです。 この設定例では、その ID を使っている他のクラスタは見つかっていません。

6 この時点で、配備される設定の概略が示されます。 概要を確認し、問題がない場合は、y と入力します。 問題がある場合は、n と入力し、手順をもう一度実行します。

122第 10 章 VMware ディスク上の Storage Foundation Cluster File System High Availability を使った高速フェールオーバー用仮想マシンの設定

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7 クラスタを管理する仮想 IP の入力を求めるメッセージが表示されます。 これは必須ではありません。この IP を入力しなくてもクラスタを設定できます。 実装によっては、この設定がベストプラクティスである可能性があります。

8 セキュアモードを使うかどうかを指定します。

以前は、 Cluster Server セキュアモードの設定が難しかったため、多くのユーザーはセキュアモードを使っていませんでした。 SFCFSHA の場合:

■ セキュアモード設定が大幅に簡素化されている

■ 設定全体がインストーラで処理される

■ 従来の admin/password ログインではなく、OS で検証されたユーザーとパスワードが使われる

この配備例では、デモンストレーション目的でセキュアモードが使われていますが、

ニーズに応じて自由にこのオプションを選択できます。

FIPS は、CP サーバーによる配備について認定されていないため、設定例に使われていません。 オプション 1 の [FIPS を使わないセキュアモード (secure modewithout FIPS)] が使われます。

9 SMTP はこの例に必要ありません。

10 SNMP 通知はこの例に必要ありません。

この時点でクラスタ設定が開始されます。

非 SCSI3 フェンシングの設定VMDK ファイルは現在 SCSI-3 Persistent Reservation をサポートしていないため、非SCSI-3 PR フェンシングを使う必要があります。CP (Coordination Point の略でコーディネーションポイントの意味) サーバーは、必須レベルのサーバーベースフェンシングを提供します。設定プロセスのこの時点では、このクラスタで使われる 3 つの CP サーバーが利用可能で、CP サービスが起動し、動作していることが必要です。

非 SCSI-3 フェンシングを設定するには

1 インストーラプロセスの開始時にフェンシングを起動し、[フェンシングの有効化

(Enable Fencing)]オプションを選択している場合は、フェンシングの設定を求めるメッセージが表示されます。

この時点でフェンシングの有効化を選択しない場合、クラスタ設定は終了します。ク

ラスタでフェンシングを有効にするためには、installsfcfsha61 -fencing を実行する必要があります。

2 インストーラのフェンシング設定までのナビゲート方法に関係なく、コーディネーショ

ンポイントクライアントベースのフェンシングを表すオプション 1 を選択します。

123第 10 章 VMware ディスク上の Storage Foundation Cluster File System High Availability を使った高速フェールオーバー用仮想マシンの設定

VMware ESXi での Storage Foundation Cluster File High System High Availability の設定について

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3 ストレージ環境が SCSI-3 PR をサポートしているときにメッセージが表示された場合、VMDK ファイルは SCSI-3 PR をサポートしないため、n を選択します。

4 非 SCSI-3 フェンシングを設定する場合にメッセージが表示されたら、y を選択します。

5 実稼動環境の場合は、3 つの CP サーバーをお勧めします。コーディネーションポイントの数を求めるメッセージを表示されたら、3 と入力します。

6 CP サーバーが応答準備するインターフェースの数と、各インターフェースの IP アドレスを指定します。CP サーバーに複数のネットワークを介して到達可能な場合、すべてのインターフェースを設定することをお勧めします。これによって、競合状態

が起きた場合、SFCFSHA ノードは最大の通信柔軟性を実現できます。

他の CP サーバーのホスト名と VIP を入力し、フェンシング設定を見直します。

7 メッセージが表示されたら、セキュアモードを選択します。クラスタノードと CP サーバー間のすべての信頼関係は自動的に設定されます。

8 クラスタ情報が正しいことを確認します。各ノードは各 CP サーバーに登録されます。この処理が完了すると、インストーラで VCS が再起動し、フェンシング設定が適用されます。現時点で、ファイルシステムはまだ設定していません。

9 メッセージが表示された場合は、クライアントにコーディネーションポイントエージェ

ントを設定し、CP サーバーがクラスタからプロアクティブに監視されるようにすることをお勧めします。この手順で、フェンシング設定は完了です。

フェンシング設定が完了したら、その設定が正しいか検証できます。

124第 10 章 VMware ディスク上の Storage Foundation Cluster File System High Availability を使った高速フェールオーバー用仮想マシンの設定

VMware ESXi での Storage Foundation Cluster File High System High Availability の設定について

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フェンシング設定を検証するには

1 各 CP サーバーをクエリーして、各ノードが登録されているか検証します。

# CCPS_USERNAME=CPSADM@VCS_SERVICES

# CPS_DOMAINTYPE=vx

[root@cfs01 install]# cpsadm -s cps1v -a list_nodes

ClusterName UUID Hostname(Node ID) Registered

=========== ====================================== ================ ==========

cfs0 {38910d38-1dd2-11b2-a898-f1c7b967fd89} cfs01(0) 1

cfs0 {38910d38-1dd2-11b2-a898-f1c7b967fd89} cfs02(1) 1

cfs0 {38910d38-1dd2-11b2-a898-f1c7b967fd89} cfs03(2) 1

cfs0 {38910d38-1dd2-11b2-a898-f1c7b967fd89} cfs04(3) 1

[root@cfs01 install]# cpsadm -s cps1v -a list_membership -c cfs0

List of registered nodes: 0 1 2 3

2 各 CP サーバーに対して同じコマンドもう一度実行します。

3 VCS Cluster Explorer の画面を使うと、CP サーバーを監視するために vxfen サービスグループが作成されていることと、そのグループが正常な状態であることを確認

できます。

ストレージの設定クラスタファイルシステムをホストする VM (Virtual Machine の略で仮想マシンの意味)にストレージを提供するためのオプションが 2 つ用意されています。

■ 最初のオプションの RDMP (Raw Device Mapping Protocol の略で RAW デバイスマッププロトコルの意味) では外部ストレージへの直接アクセスを使い、LUN へのパラレルアクセスをサポートしますが、vMotion または DRS は許可されません。 RDMP設定の場合、各 VM に RAW デバイスをマップし、物理 (RDM-P) 設定を選択して、SCSI-3 PGR コマンドがディスクに渡されるようにする必要があります。

■ 2 つ目のオプションの VMFS VMDK (Virtual Disk の略で仮想ディスクの意味) は、VMFS マルチライターオプションが有効な場合にのみ並行にアクセスできるファイルを提供します。 このオプションはサーバー vMotion と DRS をサポートしますが、現在 SCSI-3 PR IO フェンシングはサポートしていません。 このアーキテクチャの主な利点は、vMotion を使って、サービスを中断することなく異なる ESXi サーバー間でVMを移動できることです。

この配備例では、マルチライターオプションが有効になっている VMDK ファイルを使います。 ここでは、ESXi サーバーと仮想マシンで VMDK ファイルを共有するための設定方法と、SFCFSHA でそのストレージを使い、ファイルシステムを作成するための設定方法を示します。 VMDK ファイルのサポートは、VMware の記事(http://kb.vmware.com/kb/1034165) で説明されているマルチライターオプションに基

125第 10 章 VMware ディスク上の Storage Foundation Cluster File System High Availability を使った高速フェールオーバー用仮想マシンの設定ストレージの設定

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づきます。デフォルトでは、1 つの VM で一度にマウントできる VMDK ファイルは 1 つだけです。 VMware の記事に記載されている手順に従うと、VMFS によって提供される同時書き込み禁止は、マルチライターフラグを使って無効になります。 この設定を選択した場合、ユーザーは次の制限と利点を認識する必要があります。

制限事項:

■ 仮想ディスクは、eager zeroed thick にする必要がある。

■ VMDK 共有は、8 つの ESXi サーバーに制限される。

■ リンクされたクローンとスナップショットはサポートされない。 他の vSphere 操作でクローンを利用し、そのバックアップソリューションは vAPI 経由でスナップショットを利用するため、バックアップに悪影響を及ぼす可能性がある点に注意してください。

■ SCSI-3 PR IO フェンシングは、VMDK ファイルによってサポートされない。 VMDKを VM に割り当てる場合は、特に注意が必要です。 誤ってすでに使用中の VMDKファイルを正しくない VM に割り当てると、データが破損する可能性があります。

■ Storage vMotion はサポートされない。

利点は、サーバー vMotion がサポートされることです。

SCSI-3 PR IO フェンシングのサポートがない場合は、非 SCSI-3 フェンシング保護を提供するために少なくとも 3 つのコーディネーションポイントサーバーを使う必要があります。 スプリットブレイン状態の場合には、CP サーバーを使って、サブクラスタの中でサービスの提供を続行する部分が判断されます。 マルチライターフラグが VMDK ファイルで有効になると、どの VM でもそのファイルをマウントし、書き込むことができるため、プロビジョニングフェーズでは特に注意する必要があります。

SFCFSHA ノードの数が 9 個以上の場合、同じ VMDK ファイルを最大 8 つの ESXiサーバーで共有可能という制限に基づいて、複数のノードを同じ ESXi サーバーで実行する必要があることに注意してください。 たとえば、SFCFSHA で最大 64 のノードを実行している場合、それらの 64 の VM は同じ VMDK ファイルを共有しますが、クラスタのホストに使うことができるのは 8 つの ESXi サーバーだけです。

VMDK を共有バックストレージとして設定するときに実行する必要のある手順を示します。これらは次の節で説明します。

表 10-5 VMDK の設定手順

配備手順ストレージ配備タスク

p.127 の 「仮想マシンでのディスク UUID の有効化」 を参照してください。

VM でのディスク UUID の有効化

p.128 の 「クラスタノードへの Array SupportLibrary (ASL) for VMDK のインストール」 を参照してください。

クラスタノードへの Array Support Library (ASL)for VMDK のインストール

126第 10 章 VMware ディスク上の Storage Foundation Cluster File System High Availability を使った高速フェールオーバー用仮想マシンの設定ストレージの設定

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配備手順ストレージ配備タスク

p.129 の 「ボリュームマネージャ設定からのブートディスクの除外」 を参照してください。

ボリュームマネージャ設定からのブートディスク

の除外

p.129 の 「ボリュームマネージャ設定からのブートディスクの除外」 を参照してください。

VMDK ファイルの作成

p.130 の 「各 VM への VMDK のマップ」 を参照してください。

各仮想マシンへの VMDK のマップ

p.131 の 「マルチライターフラグの有効化」 を参照してください。

マルチライターフラグの有効化

p.133 の 「ノード間で一貫する名前の取得」 を参照してください。

ノード間で一貫する名前の取得

p.134 の 「クラスタファイルシステムの作成」 を参照してください。

クラスタファイルシステムの作成

仮想マシンでのディスク UUID の有効化各 VM (Virtual Machine の略で仮想マシンの意味) の disk.EnableUUID パラメータをTRUE に設定する必要があります。この手順は、VMDK が常に VM に対して一貫したUUID を示して、ディスクを正しくマウントできるようにするために必要です。クラスタに参加する VM ノードごとに、次の手順を vSphere クライアントから実行します。

仮想マシンでディスク UUID を有効にするには

1 ゲストの電源を切ります。

2 ゲストを選択し、[設定の編集 (Edit Settings)]を選択します。

3 上部の[オプション (Options)]タブを選択します。

4 [詳細 (Advanced)]セクションの[一般 (General)]を選択します。

5 右側の[設定パラメータ... (Configuration Parameters...)]を選択します。

6 パラメータ disk.EnableUUID が設定されているかどうかを確認し、このパラメータが設定されている場合は、TRUE に設定されていることを確認します。

このパラメータが設定されていない場合、[行の追加 (Add Row)]を選択し、パラメータを追加します。

7 ゲストの電源をオンにします。

127第 10 章 VMware ディスク上の Storage Foundation Cluster File System High Availability を使った高速フェールオーバー用仮想マシンの設定ストレージの設定

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クラスタノードへの Array Support Library (ASL) for VMDK のインストール

クラスタファイルシステムで VMDK ファイルを正しく使うためには、ASL(Array SupportLibrary)を仮想サーバーにインストールする必要があります。 VMDK ASL を含む ASLパッケージ(VRTSaslapm)のバージョンは 7.0.000.000 です。

ASL パッケージをダウンロードするには

1 SORT ダウンロードサイトに移動します。

http://sort.symantec.com

VMDK ASL パッケージへの直接リンクは次のとおりです。

https://sort.symantec.com/asl/details/609

2 [Array Support Library (ASL)/Array Policy Module (APM)]で、[VRTSaslapm[ダウンロード] - 674 K (VRTSaslapm [Download] - 674 K)]を選択します。

各クラスタファイルシステムノードで、次の手順を実行します。 手順はインストール例に合わせて説明されているため、詳細は異なる場合があります。

ASL パッケージをインストールするには

1 パッケージをインストールするには、上記の直接リンクの終わりの方に表示される

Readme ファイル (VRTSaslap_readme.txt) で説明されている手順に従います。

[名前を付けて保存... (Save As…)]オプションを選択して、この Readme ファイルを保存することもできます。

2 SFCFSHA リリースノートに従って、ダウンロードしたファイルが正しいサイズであるか確認し、インストールを準備します。

3 リリースノートで説明されているように、手順は以前のパッケージがインストールされ

ているかどうかによって異なります。 このインストール例では、GA バージョンがすでにインストールされているため、アップグレードを実行します。

インストール例の場合は、RHEL6 のバージョンです。 VMDK ASL に対する今後のすべての更新は http://sort.symantec.com で発行され、6.0.100.200 など 6.0.100.100 より上位のリビジョンになります。

ASL をインストールした後、ディスクの名前が disk_0 から vmdk0_0 に変更されます。ASL のインストール前:

# vxdisk list

DEVICE TYPE DISK GROUP STATUS

disk_0 auto:none - - online invalid

ASL が配備された後:

128第 10 章 VMware ディスク上の Storage Foundation Cluster File System High Availability を使った高速フェールオーバー用仮想マシンの設定ストレージの設定

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# vxdisk list

DEVICE TYPE DISK GROUP STATUS

vmdk0_0 auto:none - - online invalid

vmdk0_0 は Volume Manager 設定から除外されるブートディスクです。

ボリュームマネージャ設定からのブートディスクの除外Volume Manager からブートディスクを除外することをお勧めします。これにより、同じ名前を使うように共有 VMDK ファイルを設定できます。ディスクを除外するためには、ブートディスクの名前を指定してコマンド vxdmpadm を実行します。インストール例では、次のようになります。

[root@cfs01 RHEL6]# vxdmpadm exclude dmpnodename=vmdk0_0

ブートディスクが VxVM 設定でレポートされないことを確認します。

[root@cfs01 RHEL6]# vxdisk list

DEVICE TYPE DISK GROUP STATUS

[root@cfs01 RHEL6]#

VMDK ファイルの作成SFCFSHA(Storage Foundation Cluster File System High Availability)で使われるVMDK は、vSphere GUI またはコマンドインを使って作成できます。GUI を使うと、使われるファイルの名前を制御できず、それらのファイルは、ファイルを作成している VM に属しているフォルダに保存されます。ここでは、これらのファイル名を制御するために、コ

マンドラインを使って次の設定を作成します。

表 10-6 仮想ディスク設定

仮想サイズ (GB)SCSI ドライバ仮想デバイスVMDK 名ESXi の仮想ディスク

データストア

90準仮想SCSI 1:0cfs0/shared1.vmdkハードディスク 2DS1

90準仮想SCSI 1:1cfs0/shared2.vmdkハードディスク 3DS2

90準仮想SCSI 1:2cfs0/shared3.vmdkハードディスク 4DS3

90準仮想SCSI 1:3cfs0/shared4.vmdkハードディスク 5DS4

90準仮想SCSI 1:4cfs0/shared5.vmdkハードディスク 6DS5

129第 10 章 VMware ディスク上の Storage Foundation Cluster File System High Availability を使った高速フェールオーバー用仮想マシンの設定ストレージの設定

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インフラを作成するには

1 ESXi 仮想マシンの 1 つに接続します。

2 各データストアに cfs0(クラスタの名前)という名前のフォルダを作成します。

mkdir /vmfs/volumes/DS1/cfs0

mkdir /vmfs/volumes/DS2/cfs0

mkdir /vmfs/volumes/DS3/cfs0

mkdir /vmfs/volumes/DS4/cfs0

mkdir /vmfs/volumes/DS5/cfs0

3 使われる各 VMDK を作成します。

vmkfstools -c 90G -d eagerzeroedthick

/vmfs/volumes/DS1/cfs0/shared1.vmdk

vmkfstools -c 90G -d eagerzeroedthick

/vmfs/volumes/DS2/cfs0/shared2.vmdk

vmkfstools -c 90G -d eagerzeroedthick

/vmfs/volumes/DS3/cfs0/shared3.vmdk

vmkfstools -c 90G -d eagerzeroedthick

/vmfs/volumes/DS4/cfs0/shared4.vmdk

vmkfstools -c 90G -d eagerzeroedthick

/vmfs/volumes/DS5/cfs0/shared5.vmdk

各 VM への VMDK のマップ作成された各 VMDK ファイルを各 VM (Virtual Machine の略で仮想マシンの意味) にマップします。この例の手順では、cfs01 ノードに VMDK をマップする例を説明します。すべての手順は他のノードそれぞれに対して実行する必要があります。

VMDK を各 VM にマップするには

1 VM をシャットダウンします。

2 VM を選択し、[設定の編集... (Edit Settings...)]を選択します。

3 [追加 (Add)]を選択して、[ハードディスク (Hard disk)]を選択し、[次へ (Next)]をクリックします。

4 [既存の仮想ディスクを使う (Use an existing virtual disk)]を選択し、[次へ (Next)]をクリックします。

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5 [参照 (Browse)]を選択し、DS1 データストアを選択します。

6 フォルダ cfs0 を選択し、shared1.vmdk file を選択して、[次へ (Next)]をクリックします。

7 [仮想デバイスノード (Virtual Device Node)]で、[SCSI (1:0)]を選択し、

[次へ (Next)]をクリックします。

8 詳細を見直して正しいことを確認し、[完了 (Finish)]をクリックします。

9 これは SCSI コントローラ 1 に最初に追加されるディスクであるため、新しい SCSIコントローラが追加されます。

タイプを[準仮想 (Paravirtual)]に設定し、それがデフォルトでない場合は、[SCSIバス共有 (SCSI Bus Sharing)]が[なし (None)]に設定されていることを確認します。これは VM で vMotion を許可するために重要です。

10 各 VM に追加される残りのディスクに対して手順 3 から 8 までを実行します。

設定例について、手順 5 から 7 までのパラメータを下の表に示します。

仮想デバイスVMDK 名データストア

SCSI 1:0cfs0/shared1.vmdkDS1

SCSI 1:1cfs0/shared2.vmdkDS2

SCSI 1:2cfs0/shared3.vmdkDS3

SCSI 1:3cfs0/shared4.vmdkDS4

SCSI 1:4cfs0/shared5.vmdkDS5

例のクラスタ (cfs01) の最初のノードに対する最終設定:

ここで、クラスタの各ノードで同じ手順を実行し、上記の手順に従って各 VMDK ファイルを VM にマップします。すべての手順が完了すると、すべての VM は同じ VMDKファイルにアクセスできるようになります。この時点で、すべての VM は電源が切れており、マルチライターフラグはまだ有効になっていない (次の手順で実行します)ことに注意してください。この状態で VM の電源をオンにしようとすると、一度に 1 つのホストからのみ VMDK にアクセスするという制限に違反するため、2 つ目の VMは起動しません。

マルチライターフラグの有効化マルチライターフラグを有効にする方法について詳しくは、次の VMware の記事に記載されている手順を参照してください。

http://kb.vmware.com/kb/1034165

131第 10 章 VMware ディスク上の Storage Foundation Cluster File System High Availability を使った高速フェールオーバー用仮想マシンの設定ストレージの設定

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下に示す手順では、実行中の SFCFSHA (Storage Foundation Cluster File SystemHigh Availability) 設定の例を示します。5 つの VMDK ファイルが設定され、4 つの VM(Virtual Machine の略で仮想マシンの意味) で共有されています。これらの VM はクラスタの 4 つのノードを構成し、電源が切れています。ここでは、各 VM でマルチライターフラグを有効にします。

仮想マシンでマルチライターフラグを有効にするには

1 vSphere Client で、cfs01 仮想マシンを右クリックします。[設定の編集 (EditSettings)]、[オプション (Options)]、[詳細 (Advanced)]、[一般 (General)]、[設定パラメータ... (Configuration Parameters...)]の順に選択します。

2 [行の追加 (Add Row)]を選択します。

3 [名前 (Name)]列に scsi1:0.sharing と入力します。

4 [値 (Value)]列に multi-writer と入力します。

5 手順 2 から 4 までを繰り返し、残りの SCSI コントローラと配備先のマルチライター値を入力します。設定例では、次のようになります。

scsi1:1.sharing multi-writer

scsi1:2.sharing multi-writer

scsi1:3.sharing multi-writer

scsi1:4.sharing multi-writer

これらの手順が完了すると、VM 設定は次のようになります。

Truedisk.EnableUUID

multi-writerscsi1:0.sharing

multi-writerscsi1:1.sharing

multi-writerscsi1:2.sharing

multi-writerscsi1:3.sharing

multi-writerscsi1:4.sharing

6 [OK]をクリックして、確定します。

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7 他の仮想マシン (設定例では cfs02、cfs03、cfs04) に対して手順 1 から 6 までを繰り返します。

8 すべての仮想マシンが正しく設定されたら、それらのマシンの電源をオンにし、問題

がないか検証します。ディスクは各ホストに追加されています。

cfs01 の設定例:

# vxdisk list

DEVICE TYPE DISK GROUP STATUS

vmdk0_0 auto:none - - online invalid

vmdk0_1 auto:none - - online invalid

vmdk0_2 auto:none - - online invalid

vmdk0_3 auto:none - - online invalid

vmdk0_4 auto:none - - online invalid

vmdk0_5 auto:none - - online invalid

[root@cfs01 ~]#

ノード間で一貫する名前の取得VMDK ファイルはシステムごとに異なる順序で示されたり、Volume Manager によって割り当てられている名前が異なる場合があります。一貫した配備のための推奨のベストプラ

クティスは、設定が明確になるようにディスクの名前を変更することです。

cfs01 と cfs03 間の初期の不一致の例として、cfs01 ではシリアル番号 226 で終了するデバイスに関連付けられているディスク名は vmdk0_5 になっています。

[root@cfs01 ~]# /etc/vx/bin/vxgetdmpnames

enclosure vendor=VMware product=disk serial=vmdk name=vmdk0

dmpnode serial=6000c2993a8d6030ddf71042d4620cec name=vmdk0_1

dmpnode serial=6000c29ac083abd0a86fa46b509d69f5 name=vmdk0_2

dmpnode serial=6000c29e13f6aff58ac3d543b022dfe2 name=vmdk0_3

dmpnode serial=6000c29f2a8d6030ddf71042d4620cec name=vmdk0_4

dmpnode serial=6000c2993a8d6030ddf71042d4620cec name=vmdk0_5

cfs03 で同じデバイスに vmdk_0_0 の名前が付いていることを確認します。

[root@cfs01 ~]# /etc/vx/bin/vxgetdmpnames

enclosure vendor=VMware product=disk serial=vmdk name=vmdk0

dmpnode serial=6000c2993a8d6030ddf71042d4620cec name=vmdk0_1

dmpnode serial=6000c29ac083abd0a86fa46b509d69f5 name=vmdk0_2

dmpnode serial=6000c29e13f6aff58ac3d543b022dfe2 name=vmdk0_3

dmpnode serial=6000c29f2a8d6030ddf71042d4620cec name=vmdk0_4

dmpnode serial=6000c2993a8d6030ddf71042d4620cec name=vmdk0_5

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すべてのクラスタノードで同じ名前にするために、vxddladm コマンドが使われます。クラスタの各ノードで、このコマンドを実行します。

# vxddladm assign names

cfs03 でシリアル番号 226 で終了するデバイスに正しい名前が付いていることを確認します。

[root@cfs01 ~]# /etc/vx/bin/vxgetdmpnames

enclosure vendor=VMware product=disk serial=vmdk name=vmdk0

dmpnode serial=6000c2993a8d6030ddf71042d4620cec name=vmdk0_1

dmpnode serial=6000c29ac083abd0a86fa46b509d69f5 name=vmdk0_2

dmpnode serial=6000c29e13f6aff58ac3d543b022dfe2 name=vmdk0_3

dmpnode serial=6000c29f2a8d6030ddf71042d4620cec name=vmdk0_4

dmpnode serial=6000c2993a8d6030ddf71042d4620cec name=vmdk0_5

クラスタファイルシステムの作成次の手順では、同じストレージにマウントされたすべてのノードに共通のマウントポイント

を設定します。ここに示す例を簡素化するために、すべてのディスクを含む単一のディス

クグループと単一のボリュームを作成します。アプリケーション必要条件によって、ディス

クグループとボリュームの数は異なる場合があります。

ブートディスクは Volume Manager 設定から除外されているため、5 つの利用可能なディスク (vmdk0_1、vmdk0_2、vmdk0_3、vmdk0_4、vmdk0_5) はディスクグループに追加されるディスクです。次に手順を示します。

クラスタファイルシステムを作成するには

1 ディスクを初期化します。

2 新しいディスクグループを作成し、ディスクを追加します。

3 設定を確認します。ディスクとグループの情報に注意します。

4 利用可能な 5 つのディスクを含むストライプボリュームを作成します。

5 ファイルシステムを作成します。

6 新しく作成したファイルシステムをクラスタ設定に追加します。これがすべてのノード

によって同時にマウントされる場合、このファイルシステムをクラスタリソースとして追

加し、cfsmntadm と cfsmount のコマンドを使います。

7 最後に、cfscluster 状態コマンドを実行するか、各ノードで df を使って検証し、すべてのノードで新しいディレクトリが利用可能であることを確認します。

134第 10 章 VMware ディスク上の Storage Foundation Cluster File System High Availability を使った高速フェールオーバー用仮想マシンの設定ストレージの設定

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参照

■ 付録 A. 既知の問題と制限事項

■ 付録 B. 詳しい情報の入手先

4

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既知の問題と制限事項

この付録では以下の項目について説明しています。

■ 実行できない Storage vMotion

実行できない Storage vMotionVMDK ファイルがマルチライターフラグとともに使われる設定では、VMDK ファイルを別のデータストアへ移行しようしても、エラーが発生して実行されません。

この操作は正しく実行できません。

異なるストレージに VMDK を移行するためには、SFCFSHA 機能を使って異なるディスク間で透過的にデータを移行します。

A

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詳しい情報の入手先

この付録では以下の項目について説明しています。

■ Veritas InfoScale のマニュアル

■ サービスとサポート

■ Symantec Operations Readiness Tools について

Veritas InfoScale のマニュアルVeritas InfoScale のマニュアルは、製品メディアまたはダウンロード済みソフトウェアにAdobe の PDF(Portable Document Format)形式で利用可能です。

このリリースでのマニュアル変更について詳しくは、リリースノートを参照してください。

マニュアルは製品メディアの /docs ディレクトリにあります。

マニュアルの最新版を使用していることを確認してください。 マニュアルのバージョンは各ガイドの 2 ページ目に記載されています。 マニュアルの発行日付は、各マニュアルのタイトルページに記載されています。 マニュアルはエラーや修正のために定期的に更新されます。 最新のマニュアルはシマンテック社の Operations Readiness Tools(SORT)の Web サイトで利用可能です。

https://sort.symantec.com/documents

適切なドキュメントを見つけるには、製品、プラットフォーム、その他のフィルタを指定する

必要があります。

サービスとサポートセルフサービスナレッジベースにアクセスするには、次の URL に移動します。

http://entsupport.symantec.com

B

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Symantec Operations Readiness Tools についてSORT (Symantec Operations Readiness Tools)は、最も時間のかかる管理タスクの一部を自動化して単純化する Web サイトです。 SORT により、データセンターをさらに効率的に管理し、SFHA のコンポーネント を最大限に活用できるようになります。

SORT によって実行できるようになる操作は、次のとおりです。

■ 製品のインストールとアップグレートの必要条件(オペレーティング

システムバージョン、メモリ、ディスク容量、アーキテクチャを含む)

を一覧表示する。

■ Veritas InfoScale 製品コンポーネントをインストールまたはアップグレードする準備ができているかどうかを判断するためにシステム

を分析して、インストールとアップグレードのカスタムレポートを生

成する。

■ パッチを製品またはプラットフォームごとに、インストールする必要

がある順番で一覧表示する。 ごく最近のパッチまたは過去のパッチを表示してダウンロードする。

■ ASL(Array Support Library)の詳細をベンダー、プラットフォーム、Veritas InfoScale 製品バージョンごとに表示する。 ASL により、SFHA ベースのサーバーに接続されているアレイの管理が簡単になります。

■ エージェントのタイプ、アプリケーション、プラットフォームに基づい

て、VCS と ApplicationHA のエージェント、マニュアル、ダウンロードを一覧表示する。

次のインストールまたは

アップグレードのための準

■ 潜在的な環境リスクに備えサーバーを分析する。 システムの可用性、ストレージの使用状況、パフォーマンス、ベストプラクティスに

関する特定の推奨事項を使ってリスク評価カスタムレポートを生成

する。

■ 何千もの Veritas InfoScale 製品エラーコードの説明と解決策を表示する。

リスクの特定およびサー

バー固有の推奨事項の取

138付録 B 詳しい情報の入手先Symantec Operations Readiness Tools について

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■ パッチ、アレイ固有のモジュール(ASL、APM、DDI、DDL)、マニュアル、製品リリース、HCL (Hardware Compatibility List の略でハードウェア互換性リストの意味)、VCS/ApplicationHA エージェントの変更について自動電子メール通知を取得する。

■ インストールされている Veritas InfoScale 製品コンポーネントとライセンスキーの情報を運用環境からすばやく収集する。 製品名、バージョン、プラットフォーム、サーバー層、SPVU (SymantecPerformance Value Unit)、サポート終了期日を含む、ライセンスまたは配備のカスタムレポートを生成する。

■ 製品ガイド、マニュアルページ、互換性リスト、サポート記事などの

Veritas InfoScale 製品文書を一覧表示してダウンロードする。■ Veritas InfoScale 製品サポート、SymConnect フォーラム、カスタマケア、トレーニングと教育、シマンテック社の FileConnect、ライセンシングポータル、my.symantec.com などの重要なリソースへのリンクに 1 つのページからアクセスする。 このページには、主要ベンダーのサポートサイトへのリンクも含まれます。

■ iOS デバイスから SORT 機能のサブセットを使う。 次の Web サイトからアプリケーションをダウンロードする必要があります。

https://sort.symantec.com/mobile

効率の向上

メモ: SORT の機能の一部はすべての製品で使用できません。 SORT へは追加料金なしでアクセスできます。

SORT にアクセスするには、次に移動してください。

https://sort.symantec.com

139付録 B 詳しい情報の入手先Symantec Operations Readiness Tools について