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橋梁用斜材ケーブル 平成 22 3 建設技術審査証明事業(土木系材料・製品・技術) 概要書 FUT-H型斜材ケーブルⅡ 建技審証第 0906号

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表-3 「FUT-H型斜材ケーブルⅡ」を使用した斜張橋の実績

橋梁用斜材ケーブル

平成 22 年 3 月

建設技術審査証明事業(土木系材料・製品・技術)概要書

FUT-H型斜材ケーブルⅡ

橋梁用斜材ケーブル FUT-H型斜材ケーブルⅡ技術の適用範囲

平成22年3月31日~平成27年3月30日

審査証明有効期間

株式会社 エスイー 建設エンジニアリング本部 斜材部 TEL:03-3340-5527 FAX:03-3340-5537 URL:http://www.se-corp.com

技術保有会社/お問合せ先

本概要書は、財団法人土木研究センター(PWRC)が行った「建設技術審査証明(土木系材料・製品・技術)」の結果を、広く関係各位に紹介する目的で作成したものであります。財団法人 土木研究センター(PWRC)企画・審査部 TEL03-3835-3609 http://www.pwrc.or.jp/shinsa.html

建技審証第0906号

主な実績

◆適用箇所:斜張橋の斜材ケーブル◆ケーブル仕様:設計張力に合わせたストランド1本単位のケーブル構成の選択が可能です。ケーブル断面が正6角形になるケーブル構成を表-2に示します。◆疲労性能:PTI基準およびfib基準に準じた斜材ケーブルとしての疲労性能を有します。

表-2 ケーブル仕様の例

写真-5 矢部川橋 写真-6 鷹島肥前大橋

19H

37H

61H

91H

127H

19

37

61

91

127

2,783

5,420

8,936

13,331

18,605

φ140

φ180

φ225

φ280

φ315

22.3

43.4

71.6

107

149

24.5

47.7

78.6

117

164

4,959

9,657

15,921

23,751

33,147

呼び名 ストランド本数(本)

鋼材断面積(m㎡)

保護管外径(mm)

単位質量(kg/m)鋼材のみ PE被覆込

引張荷重Pu(kN)

平成21年 1月

平成21年 3月

平成21年 3月

平成22年 12月(竣工予定)

平成23年7月(竣工予定)

平成23年11月( 竣工予定 )

銚子大橋

矢部川橋

鷹島肥前大橋

生名橋

栄川大橋

新曽木大橋 (仮称 )

千葉県

国土交通省

長崎県

愛媛県

山口県

鹿児島県

473.7

517.0

840.0

515.0

290.0

204.0

4 径間連続複合斜張橋

3径間連続PC斜張橋

5径間連続複合斜張橋

3径間連続鋼・コンクリート混合斜張橋

3径間連続複合斜張橋

2径間連続PC斜張橋

11.0

19.5

9.75

7.5

24.3

10.5

192.6

261.0

400.0

315.0

190.0

107.0

47.5

87.5

100.0

62.6

66.0

55.5

19H,22H,31H

55H,61H,64H70H,77H,85H

19H,24H,31H

19H,24H,31H,37H

31H,37H,44H,49H55H,61H,64H,70H

77H,85H

23H,24H,29H,32H

竣工年月橋 梁 名 発注機関 橋長(m)構造形式 幅員

(m)主径間(m)

主塔高(m) ケーブルタイプ

FUT-H型斜材ケーブルⅡは、ストランドを束ねたケーブルと、ストランドを定着する定着装置で構成され、全体にわたって防食処理が施された現場組立型ケーブルです。定着装置は、供用下にストランドに生じると想定される張力変動などに対応した耐疲労構造となっています。本ケーブルの輸送・架設は、汎用的な機材を用いて、ストランド1本単位で行われます。ストランドは1本ずつ架線された後、緊張され、ウェッジによって定着されます。ストランド1本ごとの緊張作業は、各ストランドの導入張力のばらつきが生じないような管理手法が必要であり、本ケーブルの緊張管理は、従来から用いている管理方法(マーキング方法,実張力測定法,張力計算法)と独自に開発したAQ緊張管理方法のうち、いずれかの方法を用いて実施することができます。

橋梁用斜材ケーブル FUT-H型斜材ケーブルⅡ技術の概要

(1)疲労性能 ●定着装置は、活荷重や風の影響により生じる斜材ケーブルの張力変動や曲げ作用に対応した耐疲労構造となっています。

(2)防食性能 ●ストランドは、亜鉛めっき処理されたPC鋼より線をポリエチレンで被覆し、そのポリエチレン被覆の内側にグリースを充填した3重防食構造であるため、耐食性能に優れています。

 ●定着具は、ウレタン樹脂やワックス等の防錆材が充填可能な構造となっており、ポリエチレンが剥ぎ取られているウェッジ部についても耐食性能に優れています。

(3)施工性能 ●輸送から架設までの作業をストランド単位で取り扱うことができ、特殊な輸送手段や大型の吊上げ設備、緊張装置を用いることなく架設することが可能です。

 ●ケーブルの定着点座標測定と温度測定のリアルタイムデータを用いて精度良くストランドの緊張作業を行うAQ緊張管理方法を適用することができます。

技術の特徴

(1)斜材ケーブルの耐疲労性能  ①PTI基準1)に規定されるウェッジで定着するストランドの疲労性能評価試験の結果、本ケーブルはPTIの疲労

設計基準(許容応力度)が適用できることを確認しました。  ②fib基準2)に規定されるケーブル定着部の軸引張疲労試験と曲げ疲労試験の結果、本ケーブルはfibの疲労に関

する試験基準を満たすことを確認しました。

審査証明の結果

<ケーブル>

<定着装置>ケーブル

定着装置

グリース保護管

ストランド

緩衝装置

ストランド

ウェッジ

PEスペーサー

制震装置

ポリエチレン被覆

亜鉛めっき

図-1 FUT-H型斜材ケーブルⅡの一般構造

(2)斜材ケーブルの耐食性能   ストランドに対する塩水噴霧試験3)、複合サイクル試験4)、および促進耐候性試験5)の結果、PC鋼より線に腐食が生じないことを確認しました。また、定着具内への防錆材の注入施工を行った結果、防錆材が充填されていることを確認しました。

 表-1 試験後のストランド腐食状況

<参考文献>1)PTI GUIDE SPECIFICATION “RECOMMENDATIONS FOR STAY CABLE DESIGN, TESTING AND INSTALLATION” Fourth Edition, February, 20012)fib bulletin 30 “Acceptance of stay cable systems using prestressing steels” January 20053) JIS Z 2371に規定される「塩水噴霧試験方法」(1994)4) 日本道路公団規格 JHS403に規定される「塗料の耐複合サイクル防食試験方法」(1997)5) JIS K 7350に規定される「プラスチック-実験室光源による暴露試験方法-」(1995)

図-2 PTI 基準に規定されるS-N曲線1)と試験結果 写真-1 軸引張疲労試験状況

(3)施工性(ケーブルの張力管理)   AQ緊張管理方法による緊張作業を斜張橋の施工現場へ模擬適用ならびに実用し、ケーブル架設時間、緊張力管理精度を調査した結果、特段の問題は無いことを確認しました。

写真-2 ロードセル内蔵ジャッキによる緊張 写真-3 自動制御装置による緊張管理 写真-4 光波測定器による定着点座標測定

比較材(亜鉛めっきPC鋼より線)

塩水噴霧試験(1,000時間後) 複合サイクル試験(90時間後)

FUT-H型斜材用ストランド 比較材(亜鉛めっきPC鋼より線)FUT-H型斜材用ストランド

FUT-H型斜材ケーブルⅡは、ストランドを束ねたケーブルと、ストランドを定着する定着装置で構成され、全体にわたって防食処理が施された現場組立型ケーブルです。定着装置は、供用下にストランドに生じると想定される張力変動などに対応した耐疲労構造となっています。本ケーブルの輸送・架設は、汎用的な機材を用いて、ストランド1本単位で行われます。ストランドは1本ずつ架線された後、緊張され、ウェッジによって定着されます。ストランド1本ごとの緊張作業は、各ストランドの導入張力のばらつきが生じないような管理手法が必要であり、本ケーブルの緊張管理は、従来から用いている管理方法(マーキング方法,実張力測定法,張力計算法)と独自に開発したAQ緊張管理方法のうち、いずれかの方法を用いて実施することができます。

橋梁用斜材ケーブル FUT-H型斜材ケーブルⅡ技術の概要

(1)疲労性能 ●定着装置は、活荷重や風の影響により生じる斜材ケーブルの張力変動や曲げ作用に対応した耐疲労構造となっています。

(2)防食性能 ●ストランドは、亜鉛めっき処理されたPC鋼より線をポリエチレンで被覆し、そのポリエチレン被覆の内側にグリースを充填した3重防食構造であるため、耐食性能に優れています。

 ●定着具は、ウレタン樹脂やワックス等の防錆材が充填可能な構造となっており、ポリエチレンが剥ぎ取られているウェッジ部についても耐食性能に優れています。

(3)施工性能 ●輸送から架設までの作業をストランド単位で取り扱うことができ、特殊な輸送手段や大型の吊上げ設備、緊張装置を用いることなく架設することが可能です。

 ●ケーブルの定着点座標測定と温度測定のリアルタイムデータを用いて精度良くストランドの緊張作業を行うAQ緊張管理方法を適用することができます。

技術の特徴

(1)斜材ケーブルの耐疲労性能  ①PTI基準1)に規定されるウェッジで定着するストランドの疲労性能評価試験の結果、本ケーブルはPTIの疲労

設計基準(許容応力度)が適用できることを確認しました。  ②fib基準2)に規定されるケーブル定着部の軸引張疲労試験と曲げ疲労試験の結果、本ケーブルはfibの疲労に関

する試験基準を満たすことを確認しました。

審査証明の結果

<ケーブル>

<定着装置>ケーブル

定着装置

グリース保護管

ストランド

緩衝装置

ストランド

ウェッジ

PEスペーサー

制震装置

ポリエチレン被覆

亜鉛めっき

図-1 FUT-H型斜材ケーブルⅡの一般構造

(2)斜材ケーブルの耐食性能   ストランドに対する塩水噴霧試験3)、複合サイクル試験4)、および促進耐候性試験5)の結果、PC鋼より線に腐食が生じないことを確認しました。また、定着具内への防錆材の注入施工を行った結果、防錆材が充填されていることを確認しました。

 表-1 試験後のストランド腐食状況

<参考文献>1)PTI GUIDE SPECIFICATION “RECOMMENDATIONS FOR STAY CABLE DESIGN, TESTING AND INSTALLATION” Fourth Edition, February, 20012)fib bulletin 30 “Acceptance of stay cable systems using prestressing steels” January 20053) JIS Z 2371に規定される「塩水噴霧試験方法」(1994)4) 日本道路公団規格 JHS403に規定される「塗料の耐複合サイクル防食試験方法」(1997)5) JIS K 7350に規定される「プラスチック-実験室光源による暴露試験方法-」(1995)

図-2 PTI 基準に規定されるS-N曲線1)と試験結果 写真-1 軸引張疲労試験状況

(3)施工性(ケーブルの張力管理)   AQ緊張管理方法による緊張作業を斜張橋の施工現場へ模擬適用ならびに実用し、ケーブル架設時間、緊張力管理精度を調査した結果、特段の問題は無いことを確認しました。

写真-2 ロードセル内蔵ジャッキによる緊張 写真-3 自動制御装置による緊張管理 写真-4 光波測定器による定着点座標測定

比較材(亜鉛めっきPC鋼より線)

塩水噴霧試験(1,000時間後) 複合サイクル試験(90時間後)

FUT-H型斜材用ストランド 比較材(亜鉛めっきPC鋼より線)FUT-H型斜材用ストランド

表-3 「FUT-H型斜材ケーブルⅡ」を使用した斜張橋の実績

橋梁用斜材ケーブル

平成 22 年 3 月

建設技術審査証明事業(土木系材料・製品・技術)概要書

FUT-H型斜材ケーブルⅡ

橋梁用斜材ケーブル FUT-H型斜材ケーブルⅡ技術の適用範囲

平成22年3月31日~平成27年3月30日

審査証明有効期間

株式会社 エスイー 建設エンジニアリング本部 斜材部 TEL:03-3340-5527 FAX:03-3340-5537 URL:http://www.se-corp.com

技術保有会社/お問合せ先

本概要書は、財団法人土木研究センター(PWRC)が行った「建設技術審査証明(土木系材料・製品・技術)」の結果を、広く関係各位に紹介する目的で作成したものであります。財団法人 土木研究センター(PWRC)企画・審査部 TEL03-3835-3609 http://www.pwrc.or.jp/shinsa.html

建技審証第0906号

主な実績

◆適用箇所:斜張橋の斜材ケーブル◆ケーブル仕様:設計張力に合わせたストランド1本単位のケーブル構成の選択が可能です。ケーブル断面が正6角形になるケーブル構成を表-2に示します。◆疲労性能:PTI基準およびfib基準に準じた斜材ケーブルとしての疲労性能を有します。

表-2 ケーブル仕様の例

写真-5 矢部川橋 写真-6 鷹島肥前大橋

19H

37H

61H

91H

127H

19

37

61

91

127

2,783

5,420

8,936

13,331

18,605

φ140

φ180

φ225

φ280

φ315

22.3

43.4

71.6

107

149

24.5

47.7

78.6

117

164

4,959

9,657

15,921

23,751

33,147

呼び名 ストランド本数(本)

鋼材断面積(m㎡)

保護管外径(mm)

単位質量(kg/m)鋼材のみ PE被覆込

引張荷重Pu(kN)

平成21年 1月

平成21年 3月

平成21年 3月

平成22年 12月(竣工予定)

平成23年7月(竣工予定)

平成23年11月( 竣工予定 )

銚子大橋

矢部川橋

鷹島肥前大橋

生名橋

栄川大橋

新曽木大橋 (仮称 )

千葉県

国土交通省

長崎県

愛媛県

山口県

鹿児島県

473.7

517.0

840.0

515.0

290.0

204.0

4 径間連続複合斜張橋

3径間連続PC斜張橋

5径間連続複合斜張橋

3径間連続鋼・コンクリート混合斜張橋

3径間連続複合斜張橋

2径間連続PC斜張橋

11.0

19.5

9.75

7.5

24.3

10.5

192.6

261.0

400.0

315.0

190.0

107.0

47.5

87.5

100.0

62.6

66.0

55.5

19H,22H,31H

55H,61H,64H70H,77H,85H

19H,24H,31H

19H,24H,31H,37H

31H,37H,44H,49H55H,61H,64H,70H

77H,85H

23H,24H,29H,32H

竣工年月橋 梁 名 発注機関 橋長(m)構造形式 幅員

(m)主径間(m)

主塔高(m) ケーブルタイプ