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2008/12/22 1
TOC(制約理論)に基づくプロジェクト管理
2008年11月
MSI株式会社
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制約理論の要点
システムには、必ず制約があります。
システムの要素は、変動性と不確実性に影響されます。
システムの要素は、互いに従属性をもっています。
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制約理論の体系
25年以上かけて開発制約理論
DBRクリティカルチェーン
断り切れないオファー(マフィア・オファー)
物流
5段階継続的改善プロセス
思考プロセス
スループット会計
標準的なソリューション
情報技術は、必要条件
しかし、十分条件ではない!(TOCを前提にした利用)
バイアブルビジョン
出所:ビッグサイトで2005年4月8日に行われた「国際TOCシンポジューム」で行われたマーク・ウオッペルのプレゼンテーション
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CCPM<CCPM:クリテゖカルチェーン・プロジェクトマネージメント>
CCPMの命題
– 「プロジェクトを納期通り、あるいは納期前に完了すること」です。
CCPMの特性– 人の行動特性とプロジェクト管理の連携を計る– システムの要素は、変動性<マーフゖー>と不確実性に影響されます。
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変動性と不確実性
• 変動性と不確実性の違い
– 同一のプロセスを反復して適用したときに得られる異なった結果を説明するとき変動性<統計的変動>を使います。
変動性への対応:バッフゔ管理
– 特別な原因による変動で、その度合いが予見の範囲を超えた時をいいます。<不確実性>
予見の範囲を超えた変動への対応:リスク管理
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プロジェクトの特性
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プロジェクトは不確実性ばかり
仕事の要求条件は仕事が実際に行われるまでは完全にはわからない。
能力と志気は担当者によって大きく差がある。
依頼主による仕様変更や仕様追加がある。
与えられた仕事が本当はどれだけ時間がかかるのか。
どこに、どれだけのゆとりが必要なのか。
プロジェクトが完成するのに、どれだけの期間が本当に必要なのか。
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タスク作業時間の見積もり
過去の類似した経験を基に時間を見積もります。
変動性の高い作業の時間見積もりを行う場合;
無意識に悲観的経験に基き見積もります。
80%~90%の確率で納期通りに完了するよう余裕をもっています。
50%の確率では絶対に見積りません。
結果として作業時間の2倍が見積られます。
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工数に「余裕」を見込む理由
本来、工数の余裕は、次のような予期しない事象に対応するために見込んでいます。
① 作業の優先順位が変更になった
② 仕様変更等による手戻りが発生する
③ プロジェクトの開始が遅れた
④ 重要事項の承認が遅れ、待たされた
⑤ 期待したスキルの技術者が集まらなかった
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余裕=バッフゔ
顧客への約束を守るためのもので, 約束納期の前に余裕として設置します。
バッフゔは,クリテゖカルチェーンのタスクが変動性により遅れることから納期遅れにならないよう防護します。
バッフゔは, タスクのものではなく,プロジェクトで共有します。
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バッフゔの置き方
従来行われているバッフゔ管理の方法
タスク担当者が余裕を消費している
CCPMでおこなわれるバッフゔ管理の方法
バッフゔはプロジェクト全体で共有している
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プロジェクト遅延メカニズム(安全余裕時間をムダにする)
学生症候群
パーキンソンの法則
マルチタスク
従属関係にあるタスク
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工期短縮を可能とするクリテゖカルチェーン技法
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プロジェクト計画の制約
クリテゖカルチェーン 要員の競合があり、要員は一度に1つの作業しかできないという条件を考慮した作業連鎖で最も長いものがプロジェクトの本当の制約条件になります。この制約をクリテゖカルチェーンという。
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プロジェクト計画の確定
プロジェクト計画の作成が完了したら、計画を確定し、プロジェクトの実行に移ります。
プロジェクトが実行に移ったら、その遂行中に障害が発生しても、当初の計画を変更せず納期通りの完了を目指し遂行します。
プロジェクト遂行中に、発生した障害による進み/遅れは、予期した変動の範囲であれば、バッフゔで解決されます。
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プロジェクトの実行方法
CCPMには「リレー走者のような姿勢でタスクに取り組む」とう原理がありますが、これは、タスクが遅れる原因を除去するための防衛策です。
作業を受け取ったら、すぐ開始する。<「学生症候群」への対策>
一つの作業に集中する<「マルチタスク」対策>
作業が完了したら、すぐ、次の担当者に渡す<「パーキンソンの法則」対策>
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プロジェクト・バッフゔの残量管理
タスクの半数は、完了が遅れ、半数は早まると考えます。
クリテゖカルチェーン上にあるタスク完了の遅れ/進みにより、プロジェクトバッフゔの残量が増減します。
プロジェクト管理者は、プロジェクト・バッフゔを常に監視していれば、プロジェクトの進捗状況を把握できます。<プロジェクト進捗の見える化>
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プロジェクト進捗の見える化
• プロジェクトの進捗状況が要約され、表示されています。
• 進捗状況の見える化です。
Buff
er
Consu
mpti
on
Progress
OK
Project
Project likely
Late
Project
Early
バッフゔの消費%
プロジェクト進捗の度合い%
遅れそうだ 順調だ
早く終わる
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部門全体の業績を上げる
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部門全体の業績を上げる
• 個々のプロジェクトを納期通り完了させる。
• 部門が年間に完了するプロジェクト数の増加させる。
変動の少ないプロジェクト計画
要員の有効稼働時間の増加
複数プロジェクト間での要員割当の平準化
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複数プロジェクトの管理
• 企業では、新しいプロジェクトを開始するとき〃その仕事を実行するために新しく人を雇ったりしません。 出来るだけ、現在の人員で対処します。
• 部門の業績を高めるためには、現状の要員数の
ままで、一年度内に出来るだけ多数のプロジェ
クトを計画通り完了する必要があります。
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戦略的要員
複数プロジェクトの管理で最も重要な問題は、プロジェクト間に生ずる要員競合の問題です。特に、プロジェクトの成功を左右する要員、これを“戦略的要員”と言います、の競合です。
戦略的要員は、複数プロジェクトの制約です。
複数プロジェクト管理では、戦略的要員を主体にスケジュールして、他の要員は戦略的要員のスケジュールに従属させて計画します。
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複数プロジェクト
B Y BR C
R Y LB
B BR
G
LG
R Y M
M LB BR
B M
GY
B Y BR C
R Y LB
B BR
G
LG
R Y M
M LB R
R M
GY
B Y BR C
R Y LB
B BR
G
LG
R Y M
M LB R
R M
GY
P1
P2
P3
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複数プロジェクト
R
R
R
R
R
R
R
R
R
R
P1
P2
P3
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複数プロジェクト
R
R
R
R
R
R
R
R
R
R
P1
P2
P3
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複数プロジェクト-リソースバッフゔ挿入-
R
R
R
R
R
R
R
R
R
R
Capacity Buf f er
Cap. Buf f .
Capacity Buf f er
P1
P2
P3
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複数プロジェクト
B Y BR C
R Y LB
B BR
G
LG
R Y M
M LB R
R M
GY
B Y BR C
R Y LB
B BR
G
LG
R Y M
M LB BR
B M
GY
Capacity Buffer
戦略的リソースバッフゔの効果
戦略的資源バッファ
P1
P2
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事例の紹介
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CCPM導入事例の紹介
会社名:ボーング社、軍用輸送機の組立製造
プロジェクト名:
「航空機組立製造におけるCCPM」
状況:
– 納品スケジュールは、なかなか守れなかった。
– 予算超過が発生している。資源を追加割り当てしても、早めに問題を解決するには至らなかった。
– 作業員のモラールは低かった。
– リーン生産方式を導入している。
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CCPMの選択
解決のための適切なモデルは<
DBRではなく、CCPMが選ばれました 。
工場、業務をどのようにモデル化するか<
「ツール制約」があり「複数-単一プロジェクトスケジューリング・モデル」に到達した。
CCPMを、どのように各ステップ適用するか
約束期日を遵守するために、バッフゔで防護したスケジュールを作成した。
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タスク期間
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タスクネットワーク
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トレンドグラフ
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トレンドグラフの有効性
作業の管理、コストの節減、プロセスのコントロール、
仕事の標準化、タクトタムの遵守、そして、資源管理
の推測される結果は、すべて、たった一枚の単純なグラ
フから読み取れます。
トレンドグラフにより変動性の原因を見つけ、除去する
とプロセスは安定なものになり、その結果、効率性が増
しコストが低下します。
「新米の責任者」に、「真の洞察力、物事の実態を見抜
く力」を与えること、そして、問題の解決に責任のある
組織や部門をサポートするのに必要な可視化を高めます。
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事例の要約
CCPMとリーン生産方式の概念は、相互補完的であっ
て、相乗効果をもたらします。
CCPMは、ボトムゕップ方式の導入で成功しました。
コストとスケジュールで大幅な改善が見られました。
現場の作業レポートにより、個々の機体組立ごとに、そ
の進捗の状態が明確に見えるようになり、問題の優先順
位づけも適切に行えるようになりました。
工場の士気が、劇的に向上しました。
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終りに
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終りに
成功を確信できる計画があること。
プロジェクトマネージメント力が鍵