the macsquant® tyto® sorter - miltenyi biotec...は、sorting valve...
TRANSCRIPT
The MACSQuant® Tyto® Sorterセルソーティングに変革をもたらす
2
飛躍的な技術革新MACSQuant® Tyto はマイクロチップベースの革新的なセルソーターです。安全な閉鎖系のカートリッジを用いたマルチパラメーターの高速フローソーティングにより、基礎研究および臨床応用に新しい可能性を切り拓きます。
無菌細胞分離
MACSQuant Tyto Cartridgeにより、無菌で細胞が分離されます。また、カートリッジはディスポーザブルなので、サンプルキャリーオーバーの心配もありません。
迅速かつ簡単
液滴形成は不要で、光軸調整も必要ありません。カートリッジを挿入し、目的細胞にゲートして分取するだけです。
高い安全性
流路は閉鎖系カートリッジ内だけに存在するので、エアロゾルは発生しません。安全キャビネットに入れる必要もありません。
細胞に優しい
低い圧力で分離するため、細胞の viability や機能を損なわずにソーティングすることが出来ます。マイクロチップ技術に基づいたソーティングにより、細胞は荷電されず、高いソーティング圧力にさらされることもありません。
4
革新的なソーティング原理
Microchip テクノロジー
MACSQuant Tyto Cartridge の底部に格納されているmicrochip
において、蛍光に基づいた細胞分離を行います。microchip 内には、sorting valve が装備されており、バルブが開閉することで流路を切り換え、細胞を positive または negative chamber に送り込みます。一般的な液滴荷電方式のソーターとは異なり、ドロップレットの形成、細胞・バッファーの荷電は行いません。また、Tytoなら、細胞が高い圧力にさらされることはありません。
Input chamber
Positive collection chamber
Negative collection chamber
Air inlet port
Microchip
Positive collection chamber
Input chamber
Mixing propellor Microchip
Negative collection chamber
Figure 1: MACSQuant Tyto Cartridge
Figure 2 : MACSQuant Tyto Cartridge の底部および microchip の拡大写真。
MACSQuant® Tyto® は次世代のベンチトップソーターです。3種類のレーザーが搭載されており、最大10パラメーターを用いたソーティングが可能です。この装置のユニークなところは、細胞は
MACSQuant Tyto Cartridge 内だけを通り分離されることです。MACSQuant Tyto Cartridge は無菌・使い捨ての閉鎖系カートリッジで、コンタミネーションやキャリーオーバーのリスクがありません。
ソーター本体には流路はありません。ソーティングは MACSQuant Tyto Cartridge の 中だけで行われます。
MACSQuant Tyto Cartridge
MACSQuant Tyto Cartridge は、 input chamber、 positive および
negative chamber の 3 つのコンパートメントに分かれており、上部のキャップをはずすと各コンパートメント内の細胞を出し入れすることが出来ます(fig. 1)。蛍光標識された分離前の細胞は input
chamber に入れます。 input chamber 内ではプロペラが回り常に細胞を懸濁しています。カートリッジ底部には、ソーティングシステムの心臓部である、 microchip が格納されています (fig. 2)。
Microchip
Sort valve
Negative collection chamber
Positive collection chamber
Input chamber
Mixing propellor
0.1 μm filter
Microchip
Air pressure line
Negative collection chamberPositive collection chamber
Input chamber
Air inlet port
5
ユニークなマイクロチップによる細胞分離
バルブ開閉のタイミング
最適なソーティングを実現するために、細胞ごとに正確なタイミングでバルブの開閉が行われます。細胞が一定間隔で並ぶ3本のレーザーを通過すると、通過時間から、その細胞の流速が計算されます。その速度をもとに、バルブの開き始めのタイミングと、開放継続の時間を調整します (fig 3)。 Time
measurementSort valveTime
measurement
Red laser Blue laser Violet laser
Figure 3 : 個々の細胞スピードを測定することで、正確なタイミングで バルブを開閉することができる。
Lasers
3D filter
3D filter
1 フィルターを通った空気が Tyto 本体より供給され、カートリッジの底面にある air inlet port からカートリッジ内へ入ります。その空気はさらに、portの入り口にある 0.1 μm のフィルターを通り、 input chamber に向かって air pressure
line 中を流れます。再度 0.1 μm のフィルターを通って
input chamber に入り、 input chamber 中の細胞を大変弱い空気圧で(< 3 PSI)、 microchip に向けて押し流します。microchip と input chamber は 細い流路でつながれており、流路の入り口にある 3D フィルターを通ることで、細胞凝集塊が取り除かれます。
2 細胞は microchip 中で、 3 種類のレーザーによって検出されます。検出されたターゲット細胞は microchip 内の sort
valve で進路を変更されて、 positive collection chamber に集められます。それ以外の細胞は negative collection
chamber に向かって流れていきます（拡大図参照）。
3 磁力によって sort valve は開きます。バルブが開くと、細胞は positive collection chamber へ 向 か い ま す。 negative
collection chamber へ細胞を送る際は、sort valve が閉じます。
Reliable TranslationalClosed system
7
MACSQuant Tyto Cartridge なら、無菌で細胞分離が可能です。input chamber を加圧する空気は、あらかじめフィルトレーションされます。さらに、positive および negative chamber 上にある圧力の出口にも、0.1 μm のフィルターがセットされているので、サンプルの無菌性は保たれます。すべてのカートリッジはエチレンオキサイドにより滅菌されています。また各 lotが無菌であることを保証するために、滅菌プロセスは厳密に管理されています。
無菌の細胞分離
8
シンプルな操作でソーティング
MACSQuant Tyto は難しいトレーニング無しに使用することが出来るソーターです。クリーンベンチ内でカートリッジにサンプルをロードし、バーコードリーダーでカートリッジタイプと lot 番号を読み込ませて本体にセットすれば、ソーティングの準備は完了です。流速調整、光軸調整、細胞の通過速度検出、バルブ開閉のタイミング調整は、研究者自身で行う必要はございません。そのため熟練のオペレーターが装置のそばで監視していなくても、細胞分離を簡単に行えます。ターゲット細胞にゲートをかけた後、“purity”、“balanced”、“yield” モードのいずれかの分離モードを選ぶことが可能です。細胞分離自体はカートリッジ内だけで行われますので、貴重なサンプルをロスしてしまうリスクはありません。また、各チャンバー内の細胞はクリーンベンチ内で回収することが可能です。MACSQuant Tyto は、トレーニング不要で時間の節約が出来る便利でユニークなソーターです。
早くて簡単
Only 26 minutes hands-on time
Operator-fre
e sor
tingMACSQuant Tyto Sorter
Step Time
• Device / software startup• Defining sort settings• Instrument QC
00:15 h
• Experiment setup• Cartridge filling and alignment
00:10 h
• Sorting 02:30 h – operator-free
• Cleaning Not required
• Shutdown ≤ 00:01 h
オペレーター立会い時間合計 ≥ 00:26 h
Droplet sorter
Step Time
• Device / software startup• Fluidic startup and
stabilization• Nozzle selection and setting
sheath pressure• Defining sort settings• Adjust drop drive amplitude
and frequency• Focus side streams• Drop delay calculation• Turn on stream monitoring• Aim sort streams• Instrument QC
00:30– 01:00 h
• Experiment setup 00:05 h
• Sorting 02:30 h – operator required
• Cleaning 00:05 h – cleaning between users (without exchanging fluidics)
• Shutdown 00:20 h – complete shutdown
オペレーター立会い時間合計 ≥ 03:30 – 04:00 h
入れる
Table 1: ソーティング時間が2.5時間の場合の、MACSQuant Tytoと最新液滴荷電ソーターにおけるオペレーター立会い・操作時間の合計の比較。
9
Only 26 minutes hands-on time
Operator-fre
e sor
ting
240 min
26 min
Droplet sorter MACSQuant Tyto Sorter
9× LESS
HANDS-ON
T I M E
スキャン
置く
待つ
回収
10
10³-101
10¹ 10²0
10³
10²
10¹
-1 1
Sorted fraction
10³-101
10¹ 10²0
10³
10²
10¹
-1 1
GFP+ frequency: 36%
GFP+ frequency: 97%
Input
FSC
FSC
GFP
Figure 4: 野生型(オレンジ）とGFP発現(緑) E.coli をMACSQuant Tyto を用いてソーティングした。分離前と分離後のフラクションは MACSQuant Analyzer 10 で解析した。 (A) は分離前のサンプルの解析結果で、 GFP+ E.coli は 37%存在した。 (B) は分離後の GFP+ 画分の解析結果で、 GFP+ E.coli は 97% だった。
A
B
安全でキャリーオーバーフリー
MACSQuant Tyto Cartridge は使い捨てなので、サンプル間のキャリーオーバーはありません。さらに、閉鎖系カートリッジなので、有害なエアロゾルや液滴を発生させないため、オペレーターが安全に実験出来ます。
高リスクサンプルのソーティング
通常の液滴荷電方式のソーターでリスクの高いサンプルをソーティングするときは、様々な注意が必要になります。細菌や酵母をソーティングする場合は常に、次に流すサンプルへのキャリーオーバーや、流路のコンタミネーションと言う問題が起こります。さらに、オペレーターの安全を確保するために、セーフティーキャビネットにソーターを入れておかねばならず、研究室のスペースをとります。しかし、 MACSQuant Tyto Cartridge であれば、このような問題はすべて解決出来ます。使い捨てカートリッジなので、細菌や酵母などを流しても流路に細菌が残る心配はありません。また細菌等の解析にも問題はありません (fig. 4) 。さらに、キャリーオーバーの心配がなく、面倒な流路洗浄も安全キャビネットも不要なので、時間と費用の節約になります。
高い安全性
11
12
13
細胞に優しい
液滴荷電方式のソーターと異なり、MACSQuant Tyto で分離される細胞は高い圧力にさらされることや、荷電されることはありません。この細胞に優しいシステムにより、今までに無いほどの高い viability を得ることができ (fig. 5) 、細胞の機能も失いません。negative collection chamber 内の細胞の再ソーティングを繰り
Figure 5 : PBMCから3つのポピュレーションを連続で分離した。はじめにCD19+ B 細胞をソートし、その次にCD19- 画分から、 CD8+ T 細胞を分離した。 最後に CD19-, CD8- 画分から、CD14-, CD3-, CD56+ / CD16+ NK 細胞をソートした。各画分の分離にはそれぞれ1時間程度かかった。 すべての画分の生存率は、3回の分離が終わった後でも98%以上を保っていた。
返しても、 viability は保たれます。これはバルブ式細胞分離がいかに細胞へのダメージが少ないかと言うことをあらわしています。さらに、 MACSQuant Tyto には、温度コントロール機能が付いており、サンプルの温度を4℃ - 室温の間で保つことが出来ます。
Sort 1 Sort 2 Sort 3
Negative fraction
Negative fraction
Input
Sort 1: CD19+ B cells
Viability 98.9%
Sort 2: CD8+ T cells
Viability 99.4%
Sort 3: NK cells
Viability 99.6%
CD19-PE-Vio 770
CD19-PE-Vio® 770
CD8-APC-Vio 770
CD8-APC-Vio 770
CD56-PE/CD16-PE
CD56/CD16-PE
Sorted fraction
10³-101
10¹ 10²0
10³
10²
10¹
-1 1
94.7%
10³-101
10¹ 10²0
10³
10²
10¹
-1 1
4.1%
10³-101
10¹ 10²0
10³
10²
10¹
-1 1
96.3%
10³-101
10¹ 10²0
10³
10²
10¹
-1 1
21.5%
10³-101
10¹ 10²0
10³
10²
10¹
-1 1
PBMCs/CD14–/CD3– 99.0%
10³-101
10¹ 10²0
10³
10²
10¹
-1 1
PBMCs/CD14–/CD3– 66.0%
CD
45-V
iob
lue
14
再現性の高いフローサイトメトリー解析のための コンプリートパッケージ
再現性を高めるには、フローサイトメーターの品質だけでなく、 抗体の品質も重要です。ミルテニーバイオテクは高品質な抗体や各種フローサイトメトリー用試薬を提供いたしております。とりわけ弊社のリコンビナント技術で作成された抗体を使用すれば、試薬のばらつきによる影響が最小限になり、サンプルそのものの性質を反映した結果を得ることができ、再現性の向上が期待できます。
REAfinity™リコンビナント抗体 - フローサイトメトリー解析の神髄
ミルテニーバイオテクは、再現性の向上を目的として、独自のリコンビナント抗体であるREAfinity抗体を開発し、2012年から販売しております。クローン数や色素展開が大変豊富で、高い評価を受けております。REAfinity抗体はハイブリドーマ由来抗体の可変領域と、ヒトIgG1の重鎖およびκ軽鎖の定常領域の遺伝子を組み合わせて作られています。ミエローマ由来の特異性の無い軽鎖遺伝子は排除されているため、特異性の高い抗体の純度が高く、品質が安定しています。またFc領域に点変異を導入したことにより、Fcγレセプターにほとんど結合せず、ブロッキングステップを省略できます。さらにアイソタイプが1種類なので、異なるクローンを使用する場合でも、色素さえ同じであればアイソタイプコントロールを共有できます。REAfinity抗体を使用すれば、実験のセッティングを簡単に行え、再現性の向上が期待できます。こちらもご覧ください：www.miltenyibiotec.com/reafinity
Vio®Dyes – フローサイトメトリーのための明るい色素
弊社のオリジナル色素のVio Dyesシリーズは蛍光強度が強く、環境光への曝露や、パラホルムアルデヒドなどでの固定後も退色しにくい特長があります。弱陽性の抗原や、重要な抗原の検出に最適です。こちらもご覧ください：www.miltenyibiotec.com/vio
カスタム抗体サービス
研究にあわせて、抗体をカスタマイズすることが出来ます。 弊社取り扱いのクローンであれば、低エンドトキシンのFunctional
grade抗体の作成、蛍光色素標識*、標識無しのpure抗体作成などができます。 また、お客様のお持ちのクローンの蛍光色素標識*も承ります。詳しくはこちらもご覧ください：www.miltenyibiotec.com/customab
*弊社取り扱いの蛍光色素に限ります。
REAfinity抗体のアドバンテージ
• lot間差が最小• Fcγレセプターにほとんど結合しない• アイソタイプコントロールの共有が可能
15
MACSQuant® Tyto® Specifications
Optics
レーザー 405 nm, 100 mW | 488 nm, 100 mW | 638 nm, 100 mW
チャンネルとフィルター Channel:V1, V2B1, B2, B3, B4 R1, R2
Filter:450/50 nm, 525/50 nm 525/50 nm, 585/40 nm, 655–730 nm, 750 nm Long-Pass 655–730 nm, 750 nm Long-Pass
Backscatter and side scatter for detection of size and granularity of cells
蛍光表示スケール 5 decade logarithmic scales, display in lin, log or hlog scales
Performance
純度 > 99%
セルフローレート Up to 55.000 cells/s*
バルブ開閉スピード Up to 30.000 valve actuations/s*
生存率 > 99% for lymphocytes
ソーティングモード 2 way ソーティング：positive (目的)細胞および negative (非目的)細胞
サポート機能 ライブサポート機能(英語)
オペレーティングプレッシャー < 3 psi
温度設定 4 –25 °C (under standard environmental conditions)
キャリーオーバー 使い捨てカートリッジのため、キャリーオーバーはしない
Data management
測定パラメーター 全パラメーターにおけるHeightを測定
シグナルプロセシング 16-bit analog-to-digital conversion and signal processing
オペレーティングシステム Core i7, 64-bit, 32 GB SSD, 500 GB storage drive and Windows® 7 64-bit
コンペンセーション Full 8×8 matrix compensation
ファイル形式 .mqd (proprietary file type); .fcs (2.0, 3.0, 3.1 compatible)
Operation details
大きさ 1010×560×260 mm³
重さ 60 kg (130 lbs)
モニター 32" display and 12" touchscreen (internal)
電源/消費電力 100–240 VAC, 50/60 Hz /500 W
ポート 4× USB, Ethernet (100 Mbit/s), VGA
Environmental conditions
動作温度/湿度 20–25 °C / 0–85% relative humidity, non-condensing
騒音レベル < 70 dB(A)
Cartridge details
滅菌方法 全カートリッジの無菌を保証するためにETO validated sterilization 法を実施
無菌フィルター 0.1 µm hydrophobic filters at air inlet and outlet ports
流路径 25×50 µm
ローディングボリューム 100 µL–10 mL
最高ローディング濃度 5×10⁷ cells/mL
細胞の回収 目的細胞：positive collection chamber から回収。 非目的細胞： negative collection chamber から回収。
バーコード カートリッジは個別にバーコードで標識されており、同定およびトレースが可能*細胞の種類または計算方法に依存します。
Product table Order no.
MACSQuant Tyto Sorter 130-103-931
MACSQuant Tyto Cartridges 130-106-088MACSQuant Tyto Running Buffer 130-107-206
For more details visit www.miltenyibiotec.com/tyto
miltenyibiotec.com/tyto
特別な明示が無い限り、Miltenyi Biotec製品とサービスは研究目的にのみ提供され、治療・診断・検査に用いることは出来ません。MACS、MACSQuant、Tyto、 Vioは、Miltenyi Biotec GmbHの登録商標です。 またREAfinityは、Miltenyi Biotec GmbHの商標です。 本パンフレットに記載されている商品名等は、特に記載はなくても各社の商標、または登録商標です。製品の保証期間において、火災・地震・水害・雷害などの天災地変、およびその他の特殊な外部要因に よって故障した場合は有償での修理となります。本パンフレットの内容の一部または全部を無断で転載あるいは複製することはご遠慮ください。
2018
05d
E150