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1 THE LEGENDARY SAXOPHONISTS THE LEGENDARY SAXOPHONISTS THE LEGENDARY SAXOPHONISTS THE LEGENDARY SAXOPHONISTS COLLECTION COLLECTION COLLECTION COLLECTION The LEGENDARY SAXOPHONIST COLLECTION of Vintage Saxophonists, Legendary Virtuosos, Great Artists and Extraordinary Saxophonic Entertainers sets the benchmark both for scholarship and for high-resolution picture and sound. この記録は、世界中の信頼あ情報源か収集したのです。”The Legendary Saxophonists Collection”はの演奏が、どのうな歴 史辿ってきたかということ知たの上での重要な手がかとなことでしう。そ ぞの音源のの質は、記録として残せうなであ確信してい す。復刻元のは、で Conn James “Jake” Gardner Charles “Doc”Julius Steinberg といった彫刻のが描き出すうな 美しさ湛えていす。 全ての DVD CD で、処理さた高品質な hi-fi 楽しことが できす。 の歴史辿上で、 Marcel Mule Sigurd Raschèr の名前外すことはできないでしう。1920 年代こ か、その 2 人のはそぞ平行して積重ねていきした。 しかし、こでに彼の功績が詳細に知ていとは言えせ。The Legendary Saxophonists Collection は、という楽器芸術の一端として位置づけう とす、の精神情熱といったの知手がかとなす。彼 の努力探求といったの感じてえ幸いです。 この歴史上の演奏は、現代に生き奏者にとって、あ種の指針と なことでしう。

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Page 1: THE LEGENDARY SAXOPHONISTS …¯なんと、1933 年の6月8日ョアヲヹケヺヅァヱギであり、Bennie Kruger と Rudy Vallee、そして Rudy Wiedoeft による演奏、とキリザチテされています。ヲァヺデヺビの

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THE LEGENDARY SAXOPHONISTS THE LEGENDARY SAXOPHONISTS THE LEGENDARY SAXOPHONISTS THE LEGENDARY SAXOPHONISTS COLLECTIONCOLLECTIONCOLLECTIONCOLLECTION

The LEGENDARY SAXOPHONIST COLLECTION of Vintage Saxophonists,

Legendary Virtuosos, Great Artists and Extraordinary Saxophonic Entertainers sets the benchmark both for scholarship and for high-resolution

picture and sound.

これらの記録は、世界中の信頼ある情報源から収集したものです。”The Legendary Saxophonists Collection”はクラシカル・サクソフォンの演奏スタイルが、どのような歴

史を辿ってきたかということを知るための上での重要な手がかりとなることでしょう。それ

ぞれの音源のリマスタリングの質は、記録として残せるようなクオリティである確信してい

ます。復刻元のディスクは、まるで Conn の James “Jake” Gardner や Charles “Doc”、Julius Steinberg といったサクソフォン彫刻のアーティスト達が描き出すような

美しさを湛えています。

全ての DVD と CDで、デジタル処理された高品質な hi-fi オーディオを楽しむことが

できます。

クラシカル・サクソフォンの歴史を辿る上で、マルセル・ミュール Marcel Mule とシガ

ード・ラッシャー Sigurd Raschèr の名前を外すことはできないでしょう。1920 年代ころ

から、その 2 人のヴィルトゥオーゾはそれぞれ平行してキャリアを積み重ねていきました。

しかし、これまでに彼らの功績が詳細に知られているとは言えません。The Legendary Saxophonists Collection は、サクソフォンという楽器を芸術の一端として位置づけよう

とする、ミュールやラッシャーの精神や情熱といったものを知る手がかりとなります。彼ら

の努力や探求といったものを感じてもらえれば幸いです。

これらの歴史上の演奏は、現代に生きるサクソフォン奏者にとっても、ある種の指針と

なることでしょう。

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NOTICE: Some selections on these DVDs and CDs contain offensive opinions, politically incorrect

language or racially derogatory material. Any views or opinions expressed in interviews or commentary are those of the individuals speaking and do not necessarily represent the views or opinions of the author. These are included here for their musical and historical significance, and their content and appearance does not reflect the views held by THE LEGENDARY SAXOPHONISTS COLLECTION

We Proudly We Proudly We Proudly We Proudly Present Present Present Present High Resolution High Resolution High Resolution High Resolution VIDEO DVDsVIDEO DVDsVIDEO DVDsVIDEO DVDs ビデオ DVDはデジタル技術を使用したフォーマットです。我々はアナログのソースか

ら、映像・音声共に高クオリティでの復刻を行いました。DVD Audio/Video ディスクは、

家庭用の DVD プレイヤーやパソコンを使用することで再生できます。DVD ディスクの

耐久性は、今後 50 年に渡って保障されるものです。また、ケースのフロントカバーには

中性紙を採用し参加による劣化を防ぐことができます。

これらミュール、ラッシャー、ヴィードーフらの映像と音声は、今までごく限られた一部

にのみ、知られていたものです。

MARCMARCMARCMARCEL MULEEL MULEEL MULEEL MULE MULEMULEMULEMULE Video DVD 35 and CD 36 Video DVD 35 and CD 36 Video DVD 35 and CD 36 Video DVD 35 and CD 36 INTERVIEWS I and II: MAITRE INTERVIEWS I and II: MAITRE INTERVIEWS I and II: MAITRE INTERVIEWS I and II: MAITRE

MULEMULEMULEMULE Audio CD 37 Audio CD 37 Audio CD 37 Audio CD 37 FIRING LINE: THE ROUNDTABLE DISCUSSIONFIRING LINE: THE ROUNDTABLE DISCUSSIONFIRING LINE: THE ROUNDTABLE DISCUSSIONFIRING LINE: THE ROUNDTABLE DISCUSSION

MULEMULEMULEMULE Video DVD 38 FILM SCORE Video DVD 38 FILM SCORE Video DVD 38 FILM SCORE Video DVD 38 FILM SCORE $29.95

two DVDs and two CDs

ミュールに対するインタビューフィルムです。この DVDでミュールは、時に雄弁に、時にユーモアを持って、自身

のキャリアについて語っています。オーケストラやオペラ

でのサクソフォン演奏、同業のサクソフォン奏者や作曲家

との邂逅…ラヴェルが作曲しようとしていた「サクソフォン

四重奏曲」についても語られています。また、サクソフォン

の練習、F 管ソプラニーノ、共同作業を行った指揮者、サ

クソフォンの音色、音楽批評、レコーディングスタジオで

の体験、ジャズバンドなどについても触れられています。

チャーリー・パーカーとの関係にも話が及んでいます。

CD には、そのほかのインタビューの英訳を収録しました。

CD37 には、未放映・未編集の放送用の録音を収録しました。マルセル・ミュールとと

もに、フレデリック・ヘムケ、ジャン=マリー・ロンデックス、マルセル・ジョセ、セシル・リー

スンそれぞれがサクソフォンについて語り、最後のトラックではディスカッションを行って

います。

DVD38 は、「CRONACA DI UN AMORE」という 1950 年のモノクロイタリア映画を

収録したもので、Giovanni FUSCO作曲の映画音楽の大部分を、ミュールが吹いてい

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ます。ミュールはミヨーやイベールの作曲した映画音楽で演奏を担当したと言われてい

ますが、実際に現存するものは多くありません。

SIGURD RASCHERSIGURD RASCHERSIGURD RASCHERSIGURD RASCHER RASCHER Video DVD 39 RECITAL, MASTER CLASS AND CONCERT IRASCHER Video DVD 39 RECITAL, MASTER CLASS AND CONCERT IRASCHER Video DVD 39 RECITAL, MASTER CLASS AND CONCERT IRASCHER Video DVD 39 RECITAL, MASTER CLASS AND CONCERT I

RASCHER Video DVD 40 QUARTET RECITAL AND MASTER CLASS IIRASCHER Video DVD 40 QUARTET RECITAL AND MASTER CLASS IIRASCHER Video DVD 40 QUARTET RECITAL AND MASTER CLASS IIRASCHER Video DVD 40 QUARTET RECITAL AND MASTER CLASS II

RASCHER CD 41 RASCHER CD 41 RASCHER CD 41 RASCHER CD 41 TRANSLATION of DVD 40 & INTERVIEW (English)TRANSLATION of DVD 40 & INTERVIEW (English)TRANSLATION of DVD 40 & INTERVIEW (English)TRANSLATION of DVD 40 & INTERVIEW (English)

$29.95 two DVDs and one CD

DVD39 は、サクソフォンメーカーの一つである Bouscher が制作した、レクチャーフィ

ルムをデジタル化したものです。フィルムの中でラッシャーは、奏法についてのレクチャ

ーを行い、デモンストレーションとして吹奏楽団と共に Maurice C. Whitney の Adagio and Samba を演奏しています。また、ラッシャーが晩年に頻繁に行っていたワ

ークショップの映像…ソプラニーノからコントラバスまでを使用したサクソフォンオーケスト

ラの映像も収録されています。DVD40では、ラッシャー四重奏団の演奏とインタビュー

を観ることができます。その内容については、CD41 に英訳して収録してあります。

RUDY WEIDOEFTRUDY WEIDOEFTRUDY WEIDOEFTRUDY WEIDOEFT WEIDOEFTWEIDOEFTWEIDOEFTWEIDOEFT Video DVD 40 Video DVD 40 Video DVD 40 Video DVD 40 SORCERER: MOVIE SHORTS & SORCERER: MOVIE SHORTS & SORCERER: MOVIE SHORTS & SORCERER: MOVIE SHORTS &

BIOGRAPHYBIOGRAPHYBIOGRAPHYBIOGRAPHY

WEIDOEFTWEIDOEFTWEIDOEFTWEIDOEFT AudioAudioAudioAudio DVD 41 DVD 41 DVD 41 DVD 41 RAGTIME SAXOPHONERAGTIME SAXOPHONERAGTIME SAXOPHONERAGTIME SAXOPHONE I I I I

WEIDOEFTWEIDOEFTWEIDOEFTWEIDOEFT AudioAudioAudioAudio DVD 42 DVD 42 DVD 42 DVD 42 RAGTIME SAXOPHONERAGTIME SAXOPHONERAGTIME SAXOPHONERAGTIME SAXOPHONE II II II II three DVDs

1920 年代のサクソフォン界最大のスター…ルディ・ヴ

ィードーフ(ウィードフト)は、サクソフォン黎明期最大の

名手といっても良いでしょう。これらの DVD では、ヴィー

ドーフの驚くほどの守備範囲の広さ…ラグタイム、ポピュ

ラー、ワルツ、ブルースや、無声音楽のためのライト・ミュ

ージックなどを聴くことができます。サクソフォンアンサン

ブルのためにアレンジされた賛美歌もまた、ポピュラー

音楽と同等の、素晴らしい印象を残すものばかりです。

1920 年代という、まだまだサクソフォンが黎明期を脱却

していなかった時代にもかかわらず、ヴィードーフの演奏はフレージング、テクニックを

始め、一貫して見事というほかありません。そして注目すべきは、彼が使用する特殊奏

法です。ルディのサクソフォンは、歌い、すすり泣き、そして大声で笑うのです。彼のサク

ソフォンはジャズとして使用されているというわけではありませんが、ここにはそのジャズ

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の源流を見て取ることができるのではないでしょうか。もちろん、ジャズのみならずクラシ

ックの演奏もすばらしいです。

1920 年は、アメリカの歴史において実にユニ

ークな時代です。このころ人々は、急速にライフ・

スタイルを進化させていったのです。個性的な生

活様式の拡がりは、もちろんサクソフォン界にも

…演奏法や楽器のデザインという点を始めとして、

影響を及ぼしました。この DVDでは、ルディは

The Clown of the Saxophone と呼ばれた名手、

Bernie Kruger とともにデュエットを披露してい

ます。Kruger は、サクソフォンを演奏しながらカ

クテルを作ったり、タバコをふかしたりといった芸

で一躍注目を浴びた奏者です。そのほか、ルデ

ィ・ヴィードーフ・サクソフォン 5重奏団の演奏の模様も収録されています。ここでルディ

は、高さが 25 フィートもあるサブ・コントラバスサクソフォンのオブジェのとなりで吹いたり、

Buescher が開発を手がけたストレート・バリトンサクソフォンを吹いたりしています。歌手

の Henry Burr を始めとする共演者の顔ぶれも豪華で、ルディのサクソフォンとよく溶

け合う歌声は一聴の価値があるでしょう。また、クラシック界のピアノの名手である Oscar Levant との 1926 年の共演録音も収録されています。当時これほどのレベルでサクソ

フォンが演奏されたとは、まさに驚異的です。

Bonus! ラグタイム・ミュージックはこの時代の大衆向け音楽の一つ

で、主にピアノによって演奏されていました。ボーナストラックとして、

1916 年に記録されたピアノロールの演奏を収録しています。これは

「メイプル・リーフ・ラグ(1897)」という作品で、演奏はスコット・ジョプリン

です。スタインウェイの Model-C を模して復刻されたピアノによる演奏

です。 Bonus! サクソフォン奏者であり研究家の Dr. Cecil Leeson が、ル

ディ・ヴィードーフの妹にインタビューをしたときの記録です。インタビュー中では、1920年代のルディの活躍について語られています。

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Fantastic! on C-Melody (C-Tenor) and also C-Soprano, Eb Alto and Bb Clarinet

WEIDOEFTWEIDOEFTWEIDOEFTWEIDOEFT CD 00000 CD 00000 CD 00000 CD 00000 LIVE LIVE LIVE LIVE RADIO PROGRAMRADIO PROGRAMRADIO PROGRAMRADIO PROGRAM (Included only with the complete LEGENDARY SAXOPHONIST COLLECTIO(Included only with the complete LEGENDARY SAXOPHONIST COLLECTIO(Included only with the complete LEGENDARY SAXOPHONIST COLLECTIO(Included only with the complete LEGENDARY SAXOPHONIST COLLECTION)N)N)N)

ヴィードーフが行ったレコードへの最後の吹き込みは、1927年 12 月の「La Golondrina」だと言われていました。その後

ヴィードーフがサクソフォンを手にしたかどうか、という証拠は、

長きに渡って失われていました。このセッション・レコーディン

グが、彼の最後の録音だと思われていたのです。

Andy Jackson は、このレコーディングをロシアの知人から

譲ってもらったそうです。その知り合いのさらに知り合いは、シ

ベリアの刑務所に勤務しており、夜毎に「Mighty Like A Rose」を流すことで、心の暖をとっていたそうです。その音源

はなんと、1933 年の 6 月 8 日ライヴ・コーディングであり、Bennie Kruger と Rudy Vallee、そして Rudy Wiedoeft による演奏、とクレジットされています。ヴィードーフの

演奏は、実に魅力的です。このレコーディングは、放送用のショウなどで観られる彼のパ

フォーマンスと共通するものがあるように感じられます。セッション・レコーディングとは違

った、音楽のドライヴ感、そして聴き手を惹きつけて離さない美しさ。この演奏は、アマチ

ュアのサクソフォン奏者のみならず、厳しい耳を持つプロフェッショナルのサクソフォン奏

者に対しても大きなインスピレーションを与えることは、間違いないでしょう。

しかしながら、ここでルディは彼らしくないことをしています。彼は、演奏中にミスを犯し

ているのです。これについて、クラシック・ギター奏者のジョン・ウィリアムズが、アンドレア

ス・セゴビアの演奏について語ったことを思い起こさせます。ウィリアムズ曰く、セゴビア

のギターでのミスは、実に音楽的であるのだそうです。セゴビアのミス有りの演奏は、数

多のギタリストの、ミスのない演奏よりも、ずっと価値があるものだと語っています。ここで

のヴィードーフも、瞬間的なターンによってもとの音符へと駆け戻っています。このとき彼

はすでにアルコールが原因による病魔に襲われていたようです。彼が亡くなったのは、

この数年後…1940 年 2 月 18 日のことでした。

このディスクの聴き所はそれに留まりません。Bernie Kruger は、良くコントロールさ

れたスラップタンギングで、まるでハワイアン・ギターのような音色を奏でています。そし

て一連のパフォーマンスの後には、3 重奏を披露していますが、この中にあってのルデ

ィのヴィルトゥオジティは、実に見事なものです。

ルディは、自身のキャリアの初期に、Eight Popular Victor Artists というコンサート

グループを結成し、ツアーを行っていました。そのグループの最初の吹き込みは、1925年 2 月 26 日でした。彼の独奏のキャリアは、そのグループを去って後、本格的に開始

されたものです。

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EDWARD LEFEBREEDWARD LEFEBREEDWARD LEFEBREEDWARD LEFEBRE LEFEBRE CD 0 LEFEBRE CD 0 LEFEBRE CD 0 LEFEBRE CD 0 THE POTENTIATETHE POTENTIATETHE POTENTIATETHE POTENTIATE

(Included only with the complete LEGENDARY SAXOPHONIST COLLECTION)(Included only with the complete LEGENDARY SAXOPHONIST COLLECTION)(Included only with the complete LEGENDARY SAXOPHONIST COLLECTION)(Included only with the complete LEGENDARY SAXOPHONIST COLLECTION)

19 世紀最高のサクソフォン奏者 コンサート・バンドのセクションリーダー…エドワード・ルフェー

ブル Edward Lefebre は、1873 – 1892 にはギルモア・バンド

に、 1893 – 1894にはスーザ・バンドに所属していた奏者です。

ここで聴かれる録音は、どれもが貴重なものです。トーマス・エジ

ソンは、1877 年にフォノグラフと呼ばれる録音機を発明し、サウ

ンド・エンジニアのテオドール・ワングマンとともに、1891 年 12月 17 日、ニュージャージーのオレンジにおいて、ごく個人的に

ギルモア・バンドのレコーディングを行いました。このレコーディン

グこそが、おそらく世界で初めてサクソフォンが録音媒体に記録

された瞬間だったと思われます。その最初のレコーディングは、

長きに渡って失われたと思われていました。しかし、25年に渡る

探索ののち、Andy Jackson によって発見されることとなりました。一つは、トルコのイス

タンブールの地下のワインセラーで発見されました。もう一つは、アリゾナの墓地で発見

されました。幸いなことに、音声が記録されたシリンダーは無傷でした。

ルフェーブルはアドルフ・サックスとヨーロッパのオーケストラの伝統、そしてサクソフォ

ンの 20 世紀における隆盛と認知…この 2 つをダイレクトに結ぶ存在で

す。ギルモア・バンドのバンドマスターであったパトリック・ギルモアは、自

身のオーケストレーションに際してアドルフ・サックスの発明品であったサ

クソフォンを取り入れました。これはおそらく、エドワード・ルフェーブルの

名人芸と情熱に突き動かされてのことだったのです。木管・サクソフォン・

金管という編成は、バンドに対して実に良いバランスをもたらしました。ま

た、サクソフォンはバンドに対して色彩感、輝き、をもたらしました。そして、

時には大音量をも…。 ルフェーブルは、フランス人の両親を持ち、オランダの La Hague に生まれました。 ヨーロッパでは、シャルル・グノーやリヒャルト・ワグナーにその才能を認められ、1871 年

にアメリカに渡ります。ところで、ルフェーブルはアドルフ・サックスのよき友人でした。実

際、彼のサクソフォンはアドルフによって制作されたものです。ルフェーブルはアドルフ・

サックスに対してこのように誓ったと言います…「クラリネットを捨て、サクソフォンを手に

取ろう。そして、サクソフォンがいかに優れており、価値のある楽器であるかを、世界に知

らしめようじゃないか。」 まさに彼は、その言葉通りのことを成し遂げたのです。彼はアメリカにわたった後、

Ferdinand August Buscher と親しくなります。ブッシャーはルフェーブルの所持して

いたアドルフ・サックス制作の楽器を参考にしながら、1885 年~1889 年頃に、初めてメ

イド・イン・アメリカのサクソフォンを制作しました。 ここで聴かれるルフェーブルの録音は、1800 年代のもので、ラグタイムの源流、コンサ

ート小品、マーチ、大学歌、戦争歌、オペラのアリアなどが演奏されています。

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また、1892 年のギャルド・レピュブリケーヌの演奏も収録されています。サクソフォンを

導入することで、当時の一般的な軍楽隊よりもリッチなサウンドを奏でていることがわかる

と思います。ギャルドがサクソフォンを導入した影には、ギルモア・バンドの影響があった

ことは間違いありません。1900 年代のサクソフォン独奏の録音…M.Lelievre の録音も

収録しました。

Bonus! James Robjohn (1843 – 1920)はキャロル・フロリオのメロディを使い、ルフェ

ーブルのために 3 つの作品を書きました。それは 1879 年のことで、作品は四重奏曲、

アルトサクソフォンとオーケストラのための 3 つのテーマと変奏、ピアノ五重奏曲です。こ

れらの作品は失われてしまいましたが、彼の、その他の作品を収録しました。1885年に

は John Philip Sousa が「Belle Mahone 」という序奏と変奏の形式のサクソフォンとバ

ンドのための作品を書きましたが、それも同じくして失われています。

また、1908 年の Steve Porpora の演奏も収録しました。彼は 1898 年から 1902 年

にかけて、その昔実在した、グランド・コンセルヴァトワール・ニューヨークの教授職につ

いていたそうです。かれはルフェーブルと同時代を生きたサクソフォン奏者です。ルフェ

ーブルは 1896 年から 1900 年までニューヨーク近郊のブルックリンに位置する、コー

ン・コンセルヴァトワールの教授でしたから、彼らの間に親交があったことは間違いない

でしょう。

これらのヴィルトゥオーゾの演奏の記録は、アドルフ・サックスとその後、ミュールとラッ

シャーによって興されたサクソフォン・ルネッサンス期をつなぐ、重要な資料の一つだと

言えます。

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JEAN H. B. MOEREMANSJEAN H. B. MOEREMANSJEAN H. B. MOEREMANSJEAN H. B. MOEREMANS MOEREMANS CD 1 MARINE BAND SOLOISTMOEREMANS CD 1 MARINE BAND SOLOISTMOEREMANS CD 1 MARINE BAND SOLOISTMOEREMANS CD 1 MARINE BAND SOLOIST ピアノとのデュエット、あるいはクラリネットやフルートとの

デュオ・リサイタル 1894 年から 1905 年にかけてスーザ・バンドのソロイスト

であった Moeremans は、ベルギー生まれのサクソフォン

奏者です。彼は、最も早い時期にレコーディングを行った

サクソフォン奏者の一

人で、ギルモア・バンド

とスーザ・バンドに所属

していたルフェーブルをお手本に、自身の演奏スタ

イルを確立していきました。つまり、この録音を参照

することは、アドルフ・サックスの意図を垣間見ること

に繋がるとも言えます。Moeremans のサウンドは、

フルートのような純粋さを持ち、そして時には暖かく

てメロウな、まるでホルンのようなサウンドを奏でます。

収録した作品の中には、ポルカ、セレナーデ、ノクタ

ーン、そしてスティーヴン・フォスターの作品がありま

す。そのほか、名人芸的なカデンツァを伴った変奏

曲スタイルの作品…これは、アメリカ海兵隊のクラリネ

ットの名手であった、Jacques L. van Poucke、そし

てフルーティストの Frank Badollet と共演した演奏

です。

Bonus! もっとも最初期と言われる、テナーサクソフォンの録音(1899 年ころ)

Bonus! ラグタイムよりも以前に存在した音楽ジャンルとして、楽器や

歌で演奏される、いわゆるポピュラー音楽というものが存在しました。こ

れらは欧米で発達したものです。ここでは、スティーヴン・フォスターの

作曲した「OId Folks at Home」のアレンジ版…声と小編成アンサンブ

ルのためのものを収録しました。ここで聴かれるサクソフォンは、声のト

ーンと非常に良く似たサウンドを奏でています。残念なことに、この時

代の声楽やサクソフォンのレコーディングは多くは残っていません。ア

コースティック録音を行っていた時代においては、レコーディング・エン

ジニアは、よりエッジのはっきりとしたサウンドを持つシロフォンやピアノ

といった楽器を好んだようです。

さて、フォスターの楽曲は、そもそも純粋なのアメリカの音楽として作曲されたものであ

り、この時代では「もっともアメリカ的な」音楽の一つであったと考えられます。彼は、ほか

の国の音楽を模倣するような作曲家を嫌いました。この時代、シンシナティ、ピッツバー

グ、ミシシッピでは黒人の歌い手が隆盛の兆しをみせていましたが、フォスターはその下

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で働いていたのです。そんなことも、彼がオリジナルな「アメリカ的な」ものを作ろうと考え

たきっかけであったのでしょう。フォスターの作品は、現代に氾濫する数ある楽曲のなか

でも、もっとも米国人の心に染み入る作品ではないでしょうか。

フォスターが亡くなったときの彼の持ち物は、たった 38 セントしか入っていない財布と、

「Dear Friends and gentle hearts」とだけ書かれた紙切れだったそうです。この紙切

れに書かれた言葉こそが、この時代のアトモスフェールを表しているとも言えるではない

でしょうか。

CLAY SMITH CLAY SMITH CLAY SMITH CLAY SMITH ANDANDANDAND G.E. G.E. G.E. G.E. HOLMES HOLMES HOLMES HOLMES SMITH and HOLMESSMITH and HOLMESSMITH and HOLMESSMITH and HOLMES CD 00 CD 00 CD 00 CD 00 THE FERVOR OF THE BROWN TENT THE FERVOR OF THE BROWN TENT THE FERVOR OF THE BROWN TENT THE FERVOR OF THE BROWN TENT

PERFORMERS PERFORMERS PERFORMERS PERFORMERS (Included only with the complete(Included only with the complete(Included only with the complete(Included only with the complete LEGENDARY SAXOPHONIST LEGENDARY SAXOPHONIST LEGENDARY SAXOPHONIST LEGENDARY SAXOPHONIST COLLECTION)COLLECTION)COLLECTION)COLLECTION)

PEDAGOGUES AND PERFORMERS OF THE CHAUTAUQUA AND LYCEUM TOURING

CIRCUITS 1904 - 1930 すでに軍楽隊やバンドの中ではクラシックのサクソ

フォン奏者が活躍していましたが、彼らはそういった

場所以外でサクソフォンをクラシックの楽器として演

奏したもっとも最初期のプレイヤーです。Clay Smith と G. E. Holmes はアメリカ全土をツアーとし

て周り、数多くの作品をサクソフォンのために編曲し、

サクソフォンのための多くのコラムを書きました。ラジ

オが普及する以前に、Chautauqua や Lyceum で演奏とレクチャーを行うこととで、アメリカにおけるサク

ソフォンに留まらない文化的な発展をも促したと考え

られています。彼らはまた、プロフェッショナルなサク

ソフォン四重奏団” The Apollo Quartette”を結成し

ました。

H. BENNE HENTONH. BENNE HENTONH. BENNE HENTONH. BENNE HENTON HENTON CD 2 BAND IN THE PARK VIRTUOSOHENTON CD 2 BAND IN THE PARK VIRTUOSOHENTON CD 2 BAND IN THE PARK VIRTUOSOHENTON CD 2 BAND IN THE PARK VIRTUOSO

SOLOS WITH CONCERT BAND AND CONCERT SOLOS WITH CONCERT BAND AND CONCERT SOLOS WITH CONCERT BAND AND CONCERT SOLOS WITH CONCERT BAND AND CONCERT BAND WITH STRINGS BAND WITH STRINGS BAND WITH STRINGS BAND WITH STRINGS

Bohumir Kryl バンドの 1906 年シーズンの主席奏者であり、

またスーザ・バンドにも 1919 年から 1920 年まで在籍しました。

注目すべき点は、初めてフラジオ音域の演奏を達成したアメリ

カ生まれのサクソフォニスト、ということです。これは、その H. Benne Henton が残したレコーディングをすべて網羅したデ

ィスクです。忘れられざるべきサクソフォン奏者であり、サクソフ

ォンの詩人とも形容できるのではないでしょうか。彼の奏法の

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アプローチは、当時の偉大なオペラ歌手やヴァイオリン奏者に近付こうとするものです。

豊かなヴィブラートに、まるで声のようなサウンド…彼のサックスは、たとえオーケストラを

バックに従えたとしても、目の前に浮かび上がってきます。また、最も良く知られた彼の

レコーディング以外に、1910 年の演奏を収録しました。ここでヘントンは「Laverne - Waltz Caprice 」を演奏しています。バンドのサウンドはそれほど厚みがないですが、

その中でもヘントンはたっぷりと歌い上げています。さらにこのディスクには、スーザが指

揮を振ったスーザ・バンドの演奏も収録しました。

Bonus! サクソフォン研究家でもあった、セシル・リースン Cecil Leeson 博士へのイン

タビュー。ここでリースンは、ヘントンと、サクソフォンの黎明期について語っています。

THE SIX BROWTHE SIX BROWTHE SIX BROWTHE SIX BROWN BROTHERSN BROTHERSN BROTHERSN BROTHERS BROWN BRS CD 3 1911BROWN BRS CD 3 1911BROWN BRS CD 3 1911BROWN BRS CD 3 1911----1919 SAXOPHONE CIRCUS & THE MINSTREL SHOWS1919 SAXOPHONE CIRCUS & THE MINSTREL SHOWS1919 SAXOPHONE CIRCUS & THE MINSTREL SHOWS1919 SAXOPHONE CIRCUS & THE MINSTREL SHOWS BROWN BRS CD 4 BROWN BRS CD 4 BROWN BRS CD 4 BROWN BRS CD 4 1919191919191919----1920 1920 1920 1920 VAUDEVILLE CIRCUITS & EARLY BROADWAYVAUDEVILLE CIRCUITS & EARLY BROADWAYVAUDEVILLE CIRCUITS & EARLY BROADWAYVAUDEVILLE CIRCUITS & EARLY BROADWAY

BROWN BRS CD 5 THE PRIVATE RECORDINGSBROWN BRS CD 5 THE PRIVATE RECORDINGSBROWN BRS CD 5 THE PRIVATE RECORDINGSBROWN BRS CD 5 THE PRIVATE RECORDINGS BROWN BRS CD 00BROWN BRS CD 00BROWN BRS CD 00BROWN BRS CD 000000 SIX BROWN BROTHERS VIDEO SIX BROWN BROTHERS VIDEO SIX BROWN BROTHERS VIDEO SIX BROWN BROTHERS VIDEO

This is the only existing video made in 1923. Of extreme rarity. (Included only with the complete LEGENDARY SAXOPHONIST COLLECTION)(Included only with the complete LEGENDARY SAXOPHONIST COLLECTION)(Included only with the complete LEGENDARY SAXOPHONIST COLLECTION)(Included only with the complete LEGENDARY SAXOPHONIST COLLECTION)

SAXOPHONE SEXTET Six Brown Brothers は、その名が示す通り、実際の肉親

関係にありました。メンバーは、Tom, Fred, Alex, Verne, Bill, Percy の 6 人でした。

ここに収録した 3 つのディスクは、彼らが残したすべての音源です。CD1 と CD2 は商

業用録音であり、CD3 はプライヴェートレコーディングです。この録音は彼らが最も活躍

した 1910 年代に記録されたものであり、実に楽しい音楽を聴くことができます。Six Brown Brothers は始め、Ringling Brothers Circus というサーカス団に属し、

Blackface Ragtime Minstrel Saxophone Show というショウに出演していました。ス

ティーヴン・フォスターは、この団体のために作品を書いたと伝えられています。ルフェ

ーブルやヴィードーフとともに、彼らはサクソフォンの黎明期を支えたのです。彼らのた

ったひとつの競合団体は、The Musical Spillers Saxophone Ensemble というサクソ

フォンアンサンブルでした。彼らは、アフリカン=アメリカンの一座であり、ラグ・ミュージッ

Page 11: THE LEGENDARY SAXOPHONISTS …¯なんと、1933 年の6月8日ョアヲヹケヺヅァヱギであり、Bennie Kruger と Rudy Vallee、そして Rudy Wiedoeft による演奏、とキリザチテされています。ヲァヺデヺビの

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クを演奏していたと伝えられています。同アンサンブルは、Tom Turpin や W.C. Handy と親交があったと伝えられています。また、 スコット・ジョプリン は「Pineapple

Rag」を The Musical Spiller に献呈しています。 メンバーの一人であった Tom Brown のコレクションを調査することで、長きにわたっ

て忘れ去られていた貴重な音源を数多く発見することができました。「Rosey Cheeks」では、トム・ブラウンがアドルフ・サックス自身の製作によるソプラノサクソフォンを吹いて

いるのです!しかし、最も貴重であろうメディアは、「The Original Six Brown Brothers Saxophonic Jazz Masters and Orchestra」という Vitaphone フィルムの

オーディオトラックに収録された録音でしょう。それは、このようなものです…Andy Jackson の言葉:「in the middle of which Tom, in a bridal veil, portrays a

colored pregnant negro fiancée who has been abandoned at the church and who carries on a musical "conversation" with the others. Incredibly, you can

hear Tom "talking" through his saxophone. The backgrounds include dramatic, death defying,」

Bonus! サクソフォン研究家でもあった、セシル・リースン Cecil Leeson 博士のインタ

ビュー。ここでリースンは、C. L. Brown に当時の様子を聞いています。

CLYDE DOERRCLYDE DOERRCLYDE DOERRCLYDE DOERR DOERR AudioDOERR AudioDOERR AudioDOERR Audio DVD 6 EARLY RADIO DAYS DVD 6 EARLY RADIO DAYS DVD 6 EARLY RADIO DAYS DVD 6 EARLY RADIO DAYS SOLOS WITH CONCERT BAND and RECITAL

WITH PIANO Doerr は彼の音楽的キャリアを San Jose Symphony Orchestra.で開始しました。1910 年代、彼はポピュラー

音楽のサックス吹きとして、またセッション・レコーディング

の現場における名手として名声を築き上げます。商業上

の成功によって、彼は 1920 年代には最高のサクソフォ

ン奏者として名を馳せました。Doerr はレコード、ライヴ、

トーキー映画、放送などのメディアに登場することにより、

サクソフォンの認知に貢献します。彼の見事なテクニック

は、ヴァイオリン奏者のボウイングからヒントを得たものだ

ったようです。また、喉でかけるヴィブラートを駆使する、実にユニークなサウンドを持っ

ていました。

Special Bonus! Included is his SAXOPHONE ORCHESTRA. 1920 年代、ラジオやトーキー映画などで流れるサクソフォンによるアンサンブルの音

を想像してみてください。ソプラノ、アルト、テナー、バリトン、バスの 5 種類のサクソフォ

ンが、溶け合い、えも言われぬ響きを創り出すのです。それぞれのトラックは、まるでカク

テルかシャンパンのような豊潤な味わいにあふれています。

Page 12: THE LEGENDARY SAXOPHONISTS …¯なんと、1933 年の6月8日ョアヲヹケヺヅァヱギであり、Bennie Kruger と Rudy Vallee、そして Rudy Wiedoeft による演奏、とキリザチテされています。ヲァヺデヺビの

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Bonus! サクソフォン研究家でもあった、セシル・リースン Cecil Leeson 博士の、

Doerr に対するインタビューの様子。

DOERR Video DVDDOERR Video DVDDOERR Video DVDDOERR Video DVD 000 000 000 0000000 EARLY TALKIES EARLY TALKIES EARLY TALKIES EARLY TALKIES FILM SCOREFILM SCOREFILM SCOREFILM SCORE of the 1920s of the 1920s of the 1920s of the 1920s (Included only with the complete LEGENDARY SAXOPHONIST COLLECTION)(Included only with the complete LEGENDARY SAXOPHONIST COLLECTION)(Included only with the complete LEGENDARY SAXOPHONIST COLLECTION)(Included only with the complete LEGENDARY SAXOPHONIST COLLECTION)

この時代、多くのサクソフォン奏者が映画録音のために吹き込みを行いました。何年か

前まで、我々現代人は、私たちは活気ある 20 世紀のことを、このように考えていました:

20 世紀は、社会的通念を通じてつまらないものとなり、真実は捻じ曲げられ、成果は他

者に侵食されてしまう、ひどい時代であった…と。そこで、私たちはこの 1920 年代の音

楽とフィルムを復刻しようと思い立ったわけです。まず我々は、多くのフィルムに対して調

査を行いました。目的は、当時の文化の大

転換期を代表するような、そしてその空気を

現代に伝えるようなフィルムを探すことです。

具体的には、ある一面では女性の社会的地

位向上を見せ、またある一面では戦争にお

ける暴力の悲惨さを見せ、そして他の一面

ではアメリカにおけるヨーロッパ文化のルー

トを辿る…というものです。そしてまた、ある

一面においては性社会の乱雑さ、アルコー

ルの過剰摂取を見せながら、その中で総合

的に文化の融合を見せる…というものです。

不幸なことに、フィルムの中では、これらの

事象を風刺するか、良く見せるかのどちらか

にとどまっています。”大衆の時代”における

精神・思想の変化や科学技術の発展という

ものは、一般的にすべて芸術に反映され、

それは音楽も例外ではありません。1920 年

代、Rudy Weidoeft と Clyde Doerr の 2 人はどちらも、社交場での演奏を多くこなし

ていました。おそらく、小説家のF・スコット・フィッツジェラルドが出席していたパーティで

も演奏していたことでしょう。フェッツジェラルドの代表作の一つ、「グレート・ギャッツビ

ー」の中には、サクソフォンに関する記述が登場します。批評家のレナード・フィーザー

は、フィッツジェラルドの紋章の絵柄は、2本のアルトサクソフォンとライオン、そしてカク

テルシェーカーであったと回想しています。

私たちは、1920 年代に作成されたあるサイレント・フィルムを発見しました。そこでは、

フラッパー(1920 年代に自由を求めて服装・行動などで慣習を破った女性たち)や情

火に燃えた若い世代の行動が、ドラマチックに、しかし同時にリアルに描写されていまし

た。このフィルムは、セクシーな描写を含んだフィルムであると同時に、時代の真実をも

しっかりと映し出しています。そのフィルムを入手して数年後、研究を続けるうちに、この

サイレント映画と一緒に作られた Vitaphone ディスク(蓄音器用のディスク)があること

Page 13: THE LEGENDARY SAXOPHONISTS …¯なんと、1933 年の6月8日ョアヲヹケヺヅァヱギであり、Bennie Kruger と Rudy Vallee、そして Rudy Wiedoeft による演奏、とキリザチテされています。ヲァヺデヺビの

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が判明しました。その音楽は、Clyde Doerr によって作曲され、演奏されているものだと

いうことでした。しかし、そのディスクは一体どこにあるのでしょうか?そして、どんな音が

するのでしょうか?世界中を探し回りましたが、数年後、ついにあきらめることとなりまし

た。…しかし、さらに数年後のことです。わたしの隣人が亡くなり、地所が売りに出されて

いたときに、その家屋の中で 1920 年代の黄色く変色した新聞を発見しました。その新

聞を手に取ったとき、固い感触がしました。何かが中に包まれているのです。驚くべきこ

とに、それは Clyde Doerr の Vitaphone のディスクだったのです。

当時の若者の娯楽はヨット、ゴルフ、そしてパーティとお酒でした。1920 年代のファッ

ションは、ハイ・ソサイエティと呼ぶにふさわしいものです。女性は服、靴、バッグ、髪を

着飾り、そして男性のステータスは Brooks Brothers ブランドのジャケットやズボンでし

た。

1920 年代は、ほとんど誰もが裕福で、誰もが猛々しい時代でした。この時代の人々は、

自分が得た富を、とにかく自分が楽しむために使うことが普通でした。そして、フラッパ

ーがダンスをする傍らには、必ずサクソフォン奏者がいたのです。彼女たちはスマートで

美しく、繊細で現代的でした。彼女たちは酒を飲み、煙草を吸い、そして音楽が始まると

スカートの裾を持ってテーブルの上で踊りました。豪勢な車を運転し、正装を脱ぎ捨て

て公共の噴水で泳いだのです…そう、F. Scott Fitzgerald の妻、Zelda,もまた、そうし

たように。

第一次世界大戦(1914 - 1918)ののち、若者たちは勝利に沸きました。それからの

10 年間は、「ジャズの時代」と呼ばれます。ジャズ=Jazz は、Jass とも綴られ、ポピュラ

ー音楽の新しい形として登場しました。それまでは、ポピュラー音楽と言えばせいぜい

オペラの一種や、ライト・クラシック、そしてある種のフォークというところでした。このフィ

ルムは、1920 年代の規範・道徳がどのようなものであったかを、一般向けに少し大げさ

に脚色し、視覚的に良く表しています。この時代、富を得たものたちは、1800 年代の厳

格さから解放され、大多数が性の自由と快楽主義の許容を楽しんでいたのです。このフ

ィルムが取り上げているのは、特に 1928 年に起こった出来事が中心となります。この時

代、女性の役割は、常に流動的でありました。若い女性たちは、常に「ふさわしい」ふる

まいを、自らのなかではなく外部に目を向けることで探そうとしたのです。1920 年代の

女性たちは、モダンであろうとしました。それまでに常識とされていた観念…伝統や格式

を重んじ、よき妻、よき母となるためだけの人生を、好しとしなかったのです。 ところで、そういった方向性は、女性の評判を落としたのでしょうか?この、1920 年代

のヒロインのモラルに関するジレンマは、この時代のサクソフォンの変遷に当てはめるこ

とができます。この時代、サクソフォンはオーケストラからジャズやポピュラー音楽へも飛

び出していき、次第に人々の認知を受けるようになったのです。サクソフォンが、オーケ

ストラ内部の楽器として最も新しいものであることは確実です。フラッパーたちが徹底的

に現代的であろうとしたこと、そしてサクソフォンがクラシック音楽から飛び出したことの間

には、共通点を感じずにはいられません。そこで、1920 年代に関する疑問が浮かびあ

がります:たとえばサクソフォンが、クラシックに留まりつづけていたら…威厳のあるオー

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ケストラの席に、ほかの音楽ジャンルを寄せ付けずにしがみつこうとし続けていたのなら

(そう、発明者のアドルフ・サックスが意図したように!)、果たしてサクソフォンは、現代ま

で生き残っていたのでしょうか。そしてこれほどまでの聴衆を獲得するに至っていたので

しょうか?これは未だに、解決されていない問題です。

この音源は、1920 年代に 2 人存在した本物のサクソフォン奏者の内のひとり、Clyde Doerr によって演奏されています。彼は、1920 年代の優れたメロディメーカー、そして

スコア書きでもありました。楽曲は、みずみずしいメロディラインで埋めつくされています。

時折変化するテンポや雰囲気、そしてオーケストレーションは見事としか言いようがあり

ません。このオーケストラの中には、サクソフォンのトリオのほかに、トランペット、トロンボ

ーン、ピッコロ、フルート、クラリネット、弦楽セクション、ハープ、ピアノ、ベース、ヴィブラ

フォン、ドラムス、ソプラノとテナー(声楽)、ヴォーカルアンサンブルが含まれています。

Clyde Doerr はソプラノサックス、アルトサックス、バリトンサックスを持ち替えて独奏して

います。彼の音色が弦楽オーケストラと良く溶け合っているのを、聴くことができると思い

ます。また、録音のなかで、彼はコンサートマスターとして、時折指揮を振っていると思

われます。

CECIL LEESONCECIL LEESONCECIL LEESONCECIL LEESON

LEESON CD 7 The Years of Paul CrestonLEESON CD 7 The Years of Paul CrestonLEESON CD 7 The Years of Paul CrestonLEESON CD 7 The Years of Paul Creston

LEELEELEELEESON CD 8 SON CD 8 SON CD 8 SON CD 8 String QuintetString QuintetString QuintetString Quintet

LEESON CD 9 LEESON CD 9 LEESON CD 9 LEESON CD 9 Violin Violin Violin Violin TriosTriosTriosTrios

LEESON CD 10 Sonatas ILEESON CD 10 Sonatas ILEESON CD 10 Sonatas ILEESON CD 10 Sonatas I

LEESON CD 11 Sonatas IILEESON CD 11 Sonatas IILEESON CD 11 Sonatas IILEESON CD 11 Sonatas II

LEESON CD 12 Sonatas IIILEESON CD 12 Sonatas IIILEESON CD 12 Sonatas IIILEESON CD 12 Sonatas III Six CDs

RECITAL WITH PIANO H. Benne Henton や Rudy Weidoeft をお手本とした

クラシック・サクソフォン奏者… セシル・リースンは、1930 年代に全盛を誇りました。モリ

ッツのソナタ、そしてポール・クレストンのソナタを、作曲者自身のピアノ伴奏で聴くことが

できます。リースンはカスタムキーを伴った Martin 社製のサクソフォンを使い、美しく、

清潔なサウンドを奏でています。彼のために書かれたいくつかのソナタの他に、弦楽四

重奏とサクソフォンのための作品、Jaromir Weinberger のサクソフォンとオーケストラ

のための協奏曲を収録しています。指揮をしているのは、Daniel Sternberg です。

Great straight-ahead virtuosity! on Alto

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MARCEL MULEMARCEL MULEMARCEL MULEMARCEL MULE サクソフォン史上、もっとも優れたヴィルトゥオーゾ、魅力的な芸術家

MULE Audio DVD 13 ORCHESTRAL SOLOSMULE Audio DVD 13 ORCHESTRAL SOLOSMULE Audio DVD 13 ORCHESTRAL SOLOSMULE Audio DVD 13 ORCHESTRAL SOLOS

ORCHESTRAL SOLOS WITH SYMPHONY ORCHESTRA モーリス・ラヴェル自身が指揮を振り、マルセル・ミュールがソプラノサ

クソフォンを吹いた「ボレロ」。カザルスが指揮を振り、ミュールがトラン

ペットパートをソプラノサクソフォンで吹いた「ブランデンブルグ協奏曲

第 2 番」。また、オットー・クレンペラーが指揮を振った同曲の録音では、

ミュールはソプラニーノサクソフォンを吹いていると伝えられています。

そして、ドビュッシーの「ラプソディ」、クリィタンスが指揮を振った「アル

ルの女」第一組曲、第二組曲。どの録音を聴いても、ミュールの音楽家としての素晴らし

さがわかります。

Spellbinding! on Sopranino, Soprano and Alto

MULE CD 14 MULE CD 14 MULE CD 14 MULE CD 14 CONCERTOSCONCERTOSCONCERTOSCONCERTOS LIVE LIVE LIVE LIVE GOD and BOSTONGOD and BOSTONGOD and BOSTONGOD and BOSTON

MULE CD 15 CONCERTMULE CD 15 CONCERTMULE CD 15 CONCERTMULE CD 15 CONCERTOS STUDIOOS STUDIOOS STUDIOOS STUDIO two CDs

CONCERTOS LIVE! WITH SYMPHONY ORCHESTRA シャルル・ミュンシュ指揮のボストン交響楽団と共に、イベールの「コンチェルティーノ・

ダ・カメラ」、そしてトマジの「バラード」を演奏しています。これぞ、マルセル・ミュールが

アメリカを征服したときの貴重な記録!ミュールがオーケストラと共に素晴らしい演奏を

繰り広げている様子をお聴きください。

Bonus! Live recording! 新たに発見された、モーリス・デュリュフレの「Trois Danses」から、「Tombouin」の録音。マルセル・ミュールが、スラップタンギングを使用し

ている様子を聞き取ることができます。スラップタンギングの名手といえばシガード・ラッ

シャーが思い浮かびますが、ミュールはスラップタンギングにおいても、彼自身の美音を

響きに残しながら吹いています。

2 枚目の CDは、マルセル・ミュールの協奏曲のスタジオ・レコーディングです。1937年録音(フィリップ・ゴーベール指揮)、そして 1953年録音(マニュエル・ロザンタール

指揮)のイベール、ヴェローヌの「協奏曲ヘ長調より”アンダンテ”」、そして、力強いボザ

の「コンチェルト」です。これらが、ミュールが録音した協奏曲のすべてです。

The definitive portrait of a great and important artist! on Alto

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MULE CD 16 THE EARLY QUARTETSMULE CD 16 THE EARLY QUARTETSMULE CD 16 THE EARLY QUARTETSMULE CD 16 THE EARLY QUARTETS 1930s FRANCE : YEARS OF THE1930s FRANCE : YEARS OF THE1930s FRANCE : YEARS OF THE1930s FRANCE : YEARS OF THE GARDE GARDE GARDE GARDE

REPUBLICAINEREPUBLICAINEREPUBLICAINEREPUBLICAINE ギャルド・レピュブリケーヌ吹奏楽団内の、音楽的に充実した

環境や団員間の友情は、自然にギャルド・レピュブリケーヌサク

ソフォン四重奏団 Le Quatuor de la Musique de la Garde Républicaine の結成を促していきました。そしてこの四重奏団

は、結成直後から急速にレパートリーを開拓していくのです。ヴ

ェローヌ、グラズノフ、ボザらが、この四重奏団のためにオリジナ

ルの作品を提供したほか、ギャルド四重奏団は自ら数多くの作

品を編曲しました。また、当初は Cuesnon の楽器を使用していましたが、後にセルマー

社製のサクソフォンとマウスピースを使用するようになったそうです。そのころのセルマー

社のサクソフォンは、アドルフ・サックスのデザインに比較的近かったと言われています。

そして、ここで聴くことのできる音楽は、まさにサクソフォン四重奏の黎明期のそれであり

ます。しかしこの圧倒的なヴィルトゥオジティからは、この編成が発足して 10 年も経って

いないことなど、言われるまで想像がつきません。最初のトラックでは、どうやらノンヴィブ

ラートでの演奏スタイルが貫かれているように思われます。その後の演奏ではヴィブラー

トが使用されていますが、この団体の発足初期のころには、注意深く使用されていたと

いいます。そして 1932 年の録音以降、この四重奏団はついにヴィブラートを正式に取

り入れ、表現の幅を飛躍的に拡げたのです。

Bonus! Rimsky-Korsakov の「くまんばちの飛行 Flight of the Bumble Bee」は、

曲がりくねった山道を急速に蛇行しながら進むスポーツカーのような演奏です。

MULE CD 17 THE MIDDLE QUARTETSMULE CD 17 THE MIDDLE QUARTETSMULE CD 17 THE MIDDLE QUARTETSMULE CD 17 THE MIDDLE QUARTETS

PROPHECY REVEALED: THE MULE PROPHECY REVEALED: THE MULE PROPHECY REVEALED: THE MULE PROPHECY REVEALED: THE MULE QUARTETQUARTETQUARTETQUARTET

セルマー社は、アドルフ・サックスの工房を買収し、

本格的にサクソフォン作りに乗り出しました。 マルセル・ミュール四重奏団 Marcel Mule

Quartet は、さらに”現代的”な音色の方向性を実

現した、セルマー社製の新しいサクソフォンとマウス

ピースを使用しています。それは、ラッシャー四重

奏団の人の声のようなサウンドのアプローチとはまったく異なるものです。このディスクに

は、さらに後になって作曲されたサクソフォン四重奏のためのオリジナル作品…アブシ

ル、ボルサリ、シュミットらの作品が含まれます。また、後期ロマン派の作品からの編曲で

あるチャイコフスキーや、スペインの作曲家であるアルベニス、スカルラッティ/ピエルネ

編曲の「3 つの小品」などの録音が含まれます。どの演奏も、アンサンブルを行ううえで

手本とすべき、素晴らしいものです。 この、デリカシーとパワーの素晴らしいバランス感覚は、デューク・エリントン楽団のサ

クソフォンセクションと並んで、賞賛すべきものではないでしょうか。

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MULE CD 18 THE LATE QUARTETSMULE CD 18 THE LATE QUARTETSMULE CD 18 THE LATE QUARTETSMULE CD 18 THE LATE QUARTETS

PHOPHETIC BLOSSOMING: THE MULE QUARTETPHOPHETIC BLOSSOMING: THE MULE QUARTETPHOPHETIC BLOSSOMING: THE MULE QUARTETPHOPHETIC BLOSSOMING: THE MULE QUARTET マルセル・ミュール四重奏団は、さらに後期の楽器を使用し

ています。ミュール自身がセルマー社のテスターとなり、楽器

とマウスピースの開発に参加しています。 この CDには、20 世紀の作曲家(アブシル、リヴィエ、ピエ

ルネ、デザンクロ)によるオリジナル作品が収録されています。

マルセル・ミュール四重奏団の演奏は、どこまでもエレガント

であり、それは誰にとっても手本とすべき演奏です。また、こ

れらの著名な四重奏曲を、完全にスタンダードな解釈として

提示しているのは驚くべきことです。

マルセル・ジョセ Marcel Josse は、16 歳の頃から Sakharoff Ballets の主席チェリ

ストであり、その数年後にパリ・オペラコーミクのバリトンサクソフォン奏者としての活動を

始めました。彼のエレガントなバリトンサクソフォンの扱いは、チェロ奏者としての音楽性

が存分に発揮されたものです。

MULE Audio DVD 19MULE Audio DVD 19MULE Audio DVD 19MULE Audio DVD 19 AMERICAN RECITAL AMERICAN RECITAL AMERICAN RECITAL AMERICAN RECITAL LIVELIVELIVELIVE

RECITAL LIVE! WITH PIANO Live recording. 1958 年、ミュールがアメリカツアーの最中にインディアナ州のエルカートに位置するセ

ルマーの工場に立ち寄り、トークを交えながらリサイタルを開きました。この CD は、その

時に演奏された楽曲をすべて収録したものです。サクソフォンのための著名なオリジナ

ル作品を多く演奏しており、貴重な記録です。ミュールの、温かい音楽性を感じ取ること

が出来ます。

グラズノフの「協奏曲」、一部にフラジオ音域を含んだイベール、そしてチェレプニンの

「ソナティネ・スポルティヴ」や、愛すべきバッハの小品「フルート・ソナタ」他が収録されて

います。

Spend an afternoon with the Master! on Alto

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MULE CD 20 MULE CD 20 MULE CD 20 MULE CD 20 YOUNG and PARISYOUNG and PARISYOUNG and PARISYOUNG and PARIS RECITAL I WITH PIANO

このディスクは、マルセル・ミュールのキャリアの初期の頃の演奏を聴

くことができます。若き日の演奏とは言え、彼の芸術的センス、技術の

高さをはっきりと聞き取ることができます。キャリア初期のこの時期にあ

って、彼の行く手を阻むものは何もないようにさえ感じられます。収録さ

れている作品は、主にミュール自身が編曲したクラシックの小品です。

ここで彼は、どこまでも自然で美しく、フレーズを歌っています。

Bonus! マルセル・ミュールの才能を発掘したギャルド・レピュブリケーヌ吹奏楽団のサ

クソフォン奏者、フランソワ・コンベルの 1905 年の演奏を、2 つ収録しています。

Passionate! on Alto

MULE CD 21 STORY TELLERMULE CD 21 STORY TELLERMULE CD 21 STORY TELLERMULE CD 21 STORY TELLER RECITAL II WITH PIANO

クレストンの「ソナタ」における、誰の耳をも納得させる解釈、モーリス「プロヴァンスの風

景」における際限のないテクニック、そして、ランティエ「ユースカルデュナーク・ソナタ」

の尋常ならざるアプローチや、マシスの無伴奏作品「カプリス」の見事なヴィルトゥオジテ

ィ。

Graceful virtuosity! on Alto

MULE CD 22 MOVEMENT & ANIMATIONMULE CD 22 MOVEMENT & ANIMATIONMULE CD 22 MOVEMENT & ANIMATIONMULE CD 22 MOVEMENT & ANIMATION RECITAL III WITH PIANO

デュボワの「ディヴェルティスマン」、トマジ「ジラシオン」、そ

して無伴奏のボノー「ワルツ形式のカプリス」、そのどれもが、

楽しさに満ちたものです。マルセル・ミュールはサクソフォンを

愛し、まさに人生を楽しみながら幸せに過ごしていたのでしょ

う。彼は、ひとたび楽器を手にすると、「物語の語り手」となりま

した。ひとつひとつのストーリーは短いですが、様々な感情が

その中では表現されていました…笑い、悲嘆、威厳、決意…。

Effortless fluency! on Alto

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SSSSIGURD RASCHERIGURD RASCHERIGURD RASCHERIGURD RASCHER Surely one of the greatest virtuosos and most fascinating artists in the entire

history of saxophone playing.

RASCHER Audio DVD 23 RADIO INTERVIEW & TRANSCRIPTIONSRASCHER Audio DVD 23 RADIO INTERVIEW & TRANSCRIPTIONSRASCHER Audio DVD 23 RADIO INTERVIEW & TRANSCRIPTIONSRASCHER Audio DVD 23 RADIO INTERVIEW & TRANSCRIPTIONS RADIO INTERVIEW and TRANSCRIPTIONS

1987 年のラジオにおけるインタビューで、シガード・ラッシャーは自身のサクソフォン

のキャリアについて語っています。その道は、成功と悲嘆の入り混じったものだったとい

います。知られざるストーリー、事実も語られており、資料価値の高い音源です。

Tremendously fascinating! on Soprano, Alto, Tenor, Baritone, Bass and Contrabass

RASCHER Audio DVD 24 THE CLASSICAL CONCERTOS LIVE !RASCHER Audio DVD 24 THE CLASSICAL CONCERTOS LIVE !RASCHER Audio DVD 24 THE CLASSICAL CONCERTOS LIVE !RASCHER Audio DVD 24 THE CLASSICAL CONCERTOS LIVE ! CONCERTOS LIVE! WITH SYMPHONY ORCHESTRA

オーケストラとのライヴレコーディング…イベール「コンチェルティーノ・ダ・カメラ」、マ

ルタン「バラード」、ウォーレイ「クレアモント・コンチェルト」、カウエル「アリアとスケルツォ」。

いくつかの個所で、リップスラーを使用した驚異的なベンドを聴くことができます。そして、

ラーション「コンチェルト」とグラズノフの「コンチェルト(2 種類の録音)」。ラーションやイ

ベールにおける素晴らしいこのヴィルトゥオジティはどうでしょう!ラッシャーは、サクソフ

ォンの限界を根底から覆し、世界中の作曲家に対してサクソフォンの有能さを知らしめ

たのです!

A magnificent and important artist at his peak! on Alto

RASCHER CD 25 THE DAHL CONCERRASCHER CD 25 THE DAHL CONCERRASCHER CD 25 THE DAHL CONCERRASCHER CD 25 THE DAHL CONCERTOTOTOTO CONCERTOS I WITH SYMPHONY ORCHESTRA

オリジナルバージョンのインゴルフ・ダール「協奏曲」と、エルランド・フォン=コックの

「サクソフォンコンチェルト」。物理、情緒、知性…この三者をバランスよくコントロールし

たのは、シガード・ラッシャーをおいてほかにありません。1953 年、ダールは他のどんな

サクソフォン奏者もこの曲を演奏できないと考え、改訂を行いました。 on Alto

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RASCHER CD 26 FROM MELODIOUS TO MICROTONARASCHER CD 26 FROM MELODIOUS TO MICROTONARASCHER CD 26 FROM MELODIOUS TO MICROTONARASCHER CD 26 FROM MELODIOUS TO MICROTONALLLL CONCERTOS II WITH SYMPHONY ORCHESTRA

この CDは、ラッシャーの挑戦的な側面と、親しみやすい側面、両極端なものを収録

しています。一つ目は、ハーバーの「ソナタ」。いわゆる”現代音楽”ではありますが、音

色の微妙な変化や微分音が使われながら、無伴奏の世界を構築しています。ここで聴

くことのできる音色は、ラッシャーの様々な録音のなかでもベストと言うべきものではない

でしょうか。もうひとつは、ヘンリー・ブラントの「協奏曲」。ユーモアたっぷりのこの作品は、

まるでチャップリンの喜劇映画音楽のようにコミカルです。驚くべきことに、ラッシャーは

ブラントの「協奏曲」において 4オクターブにわたる音域を自在に扱っています。 荒々しくもあり、そしてメロディアスでもあり、そしてときにはユーモアも…。

on Alto

RASCHER CD 27 MOODS & LANDSCAPESRASCHER CD 27 MOODS & LANDSCAPESRASCHER CD 27 MOODS & LANDSCAPESRASCHER CD 27 MOODS & LANDSCAPES CONCERTOS III WITH SYMPHONY ORCHESTRA

フランク・エリクソンの「協奏曲」、ドビュッシーの「ラプソディ」、ハーバー「協奏曲」…そ

のどれもが、さまざまな情景を呼び起こすものです。ウォーレン・ベンソンの「コンチェル

ティーノ」の中間楽章では、ラッシャーの、何かに対して祈りを捧げるような崇高にして美

麗な演奏を聴くことができます。

The quintessence of poetry! on Alto

RASCHER CD 28 RASCHER CD 28 RASCHER CD 28 RASCHER CD 28 SAXOPHONE QUARTET ISAXOPHONE QUARTET ISAXOPHONE QUARTET ISAXOPHONE QUARTET I

RASCHER CD 29 RASCHER CD 29 RASCHER CD 29 RASCHER CD 29 SAXOPHONE QUARTET IISAXOPHONE QUARTET IISAXOPHONE QUARTET IISAXOPHONE QUARTET II

RASCHER CD 30 RASCHER CD 30 RASCHER CD 30 RASCHER CD 30 SAXOPHONE QUARTET IIISAXOPHONE QUARTET IIISAXOPHONE QUARTET IIISAXOPHONE QUARTET III PATRIARCH: THE RASCHERPATRIARCH: THE RASCHERPATRIARCH: THE RASCHERPATRIARCH: THE RASCHER QUARTETQUARTETQUARTETQUARTET

Sigurd Rascher がアルト、Carina Rascher がソプ

ラノ、Bruce Weinberger はテナー、Linda Bangs は

バリトンを吹いています。これは、ラッシャー・サクソフォ

ン四重奏団 Rascher Saxophone Quartet の発足当

時のメンバーによって演奏された音源です。彼らは、ブ

ッシャーの楽器とマウスピースを使用して演奏していま

すが、これはサクソフォンの発明者、アドルフ・サックス

Page 21: THE LEGENDARY SAXOPHONISTS …¯なんと、1933 年の6月8日ョアヲヹケヺヅァヱギであり、Bennie Kruger と Rudy Vallee、そして Rudy Wiedoeft による演奏、とキリザチテされています。ヲァヺデヺビの

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が意図したサウンド・コンセプトを目指しているためです。この音色は、マルセル・ミュー

ルの四重奏団とは、まったく異なるものです。ここで彼らは、ルネッサンス期の音楽から

バロック、古典、ロマン派、近現代までの作品を吹いています。それぞれの作品が、その

時代の適切な”スタイル”で演奏されています。ダイナミクスの幅や、テンポの変化、アタ

ックに音色の陰影といった技術面も、素晴らしいものです。

Endless manifold incidental beauties! on Soprano, Alto, Tenor, Baritone

RRRRASCHER CD 31 GOLDEN SYMPHONYASCHER CD 31 GOLDEN SYMPHONYASCHER CD 31 GOLDEN SYMPHONYASCHER CD 31 GOLDEN SYMPHONY SAXOPHONE ENSEMBLE VOLUME I AND VOLUME II ラッシャー・サクソフォンアンサンブル Sigurd Rascher Saxophone

Ensemble.ラッシャーSE の発足当時のメンバーによる録音であり、ラッシ

ャー自身は指揮とコントラバスサックスを担当しています。Carina Rascher はソプラニーノとソプラノ、Bruce Weinberger はテナー。そして

Linda Bangs がバリトンを吹き、そのほかに David Bilger がバス、John Worley がテナー、Lawrence Gwozdz がアルトを吹いています。そのほ

かにも、著名な奏者がたくさん参加しています。ラッシャー指揮のもと、美

しいアンサンブルを繰り広げています。初めてサクソフォンのために書か

れたオリジナルのアンサンブル作品であるジャン=ジョルジュ・カストネ Jean-Georges Kastner の 1844 年の作品や、バッハ、グリーグ、ヘンデル、ベートーヴェン、メンデル

スゾーン、ヴィヴァルディいった作曲家の作品をトランスしたもの、そして、ラッシャー・サ

クソフォンアンサンブルのために書かれたオリジナルの作品も収録しています。編成は、

8 人~20 人と様々です。

An angelic sounding ensemble! on Sopranino, Soprano, Alto, Tenor, Baritone, Bass and Contrabass

RASCHERRASCHERRASCHERRASCHER Audio CD Audio CD Audio CD Audio CD 00000000000000000000 1930193019301930SSSS EUROPE : EUROPE : EUROPE : EUROPE : VIRTUOSO IN SEARCH OF A REPERTOIREVIRTUOSO IN SEARCH OF A REPERTOIREVIRTUOSO IN SEARCH OF A REPERTOIREVIRTUOSO IN SEARCH OF A REPERTOIRE

(Included only (Included only (Included only (Included only with the complete LEGENDARY SAXOPHONIST COLLECTION)with the complete LEGENDARY SAXOPHONIST COLLECTION)with the complete LEGENDARY SAXOPHONIST COLLECTION)with the complete LEGENDARY SAXOPHONIST COLLECTION)

サクソフォンの研究のため、オーストラリアに滞在していた祭、1930 年代に建

設されたある坑道の話を聞きました。その坑道内には、Australian Broadcasting Company の過去の放送録音のテープが収められている可能性がありました。私は地

元のパブに行き、この坑道についてもっと良く知っている人物を探しました。そして、私

はある一人の巡査を見つけました。彼は灰色の長い顎鬚をたたえ、椅子にもたれかかっ

てお酒を飲んでいました。自己紹介をし、その坑道について調査に協力をしてくれない

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かとお願いすると、彼はその願いを聞き入れてくれました。(翻訳不可能:Although seemingly avuncular I noticed a large and lethal roscoe at his side, which

gave me the idea that there was more to this man than met the eye.)彼は、南

シナ海を放浪する汽船のキャプテンが、バリトンサックスを吹くことで海賊の脅威による

恐ろしさを克服した、という話をしてくれました。彼は、バリトンサックスで「たゆたう小舟」

や「大きな古時計」のメロディを吹き、気持ちを落ち着けた、ということでした。坑道に関し

ては、答えよりも疑問点のほうが多くなってしまい、彼は周りの知人に訊いてみると約束

してくれました。

数日ののち、私は滞在先のホテルで暇をつぶしていたときに、ドアをノックする

音を聞きました。ドアノブを回すと、そこには先日の男性のほかに 17~8 人の男が集ま

っており、ボランティアとして坑道の調査に協力してくれるとのことでした。集まった人間

のうちほとんどが、Australian Broadcasting Company やそこで放送されていたラジ

オショウに関わった人と、比較的近い関係にあったということでした。

私の調査の結果、「Department of Structures & Buildings」という本に、そ

の坑道の青写真(1930 年代のもので、うっすらと光が差し込んでいる)が示されているこ

とが突き止められました。写真を見る限り、光が差し込んだトンネルは、およそ深さ 6 フィ

ート程度の位置にあると考えられます。この手がかりから、真夜中の調査はあまり好まし

くないように思われました。私たちは、地面に穴を掘り始めました。最初に声をかけた男

性は、後に引き連れてきた男性たちがこの過酷な作業に従事することに責任を負いまし

た。彼はバリトンサックス奏者としては熟練していました…彼は自分の芸術が崇高である

ことを、誰に対しても誓っていたとも言えるでしょうか。彼の”言葉”は、温かく、それは持

って生まれた才能でした。坑道を探し当てることは困難を極めましたが、最終的には、

Miss.Smyth 女学校の地下に張り巡らされていることがわかりました。Miss.Smyth 女

学校は、新旧 Australian Broadcasting Company のスタジオのうち、旧スタジオ側

になります。

私はさっそく、Miss.Smyth 女学校事長である Miss.Brianna Spencer にコ

ンタクトをとりました。彼女は驚くほどの美貌と仁徳を兼ね備えた人物であり、われわれの

申し出を快く受け入れ、調査のための時間を割いてくれました。われわれが学校に到着

したとき、ちょうどパーティが行われており、笑い声やおしゃべりに交じって音楽が演奏さ

れているのが聴こえました。美しいドレスに身を包んだ女性たちが、フランスの香水の香

りを放ちながら、パーティを楽しんでいます。その華やかなパーティの裏で、われわれの

調査は進行していました。順調に掘り進んでいくと、ブロックで構築された壁に突き当た

りました。これが入口だと睨んだわれわれは、その壁を破壊しました。すると驚いたことに、

大量の水があふれ出したのです!Miss. Spencer は、すぐに電話で彼女の兄を呼び

寄せてくれました…彼は英国海軍のダイバーだったのです。彼に、Australian Broadcasting Company放送音源の箱を引き揚げてもらうように頼みました。数分の

のち、彼は一つの箱を引き揚げてきました。開封すると、ほとんどが価値のないディスク

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ばかりではありましたが、その中から、ついに宝が姿を現したのです。それが、オーストラ

リアのみで放送されたラッシャーの録音だったのです。

これらの演奏は、1930 年代半ば、パリとロンドンにおけるラッシャーのサクソフォン奏

者としてのキャリア最初期を捉えたものです。商業盤としてはリリースされず、オーストラリ

アで放送されたのみでした。イベールの「コンチェルティーノ・ダ・カメラ」が完成するのは、

この録音の直後のことです。この録音は、そのころラッシャーが敢行したオーストラリアツ

アーの一環として、放送されたものであるようです。 サン=サーンス「白鳥」における演奏解釈は、不思議なものです。

ラッシャーは、アドルフ・サックスが夢にも思わなかったほどのサク

ソフォンのコントロールを達成しました。美しいことはもちろんのこと、

あるときにはどこまでも柔らかな音色を生み出し、またあるときには

極小の音量世界を表現しています。私は、ルーヴル美術館でモ

ナ=リザの絵を観た時のことを思い出しました。ぱっと見た感じで

は、比較的簡素な絵に観えるのですが、じっくりと観察し始めると

絵画の詳細な部分(服、髪の毛、スフマート)が丹念に計算されて

描きこまれていることに気づいたのです。そこには、粗いストローク

を使って走り描いた部分は、まったく見られませんでした。まさに、

言葉では言い表せない感動を、そのレオナルド・ダ=ヴィンチの絵に対して抱いたので

す。

グレウィッチの「カプリツィオ」でのラッシャーは、まるでハイフェッツのような領域に達し

ています。すべてのサクソフォン奏者に先駆けて、この楽器で何をすることができるかと

いうことを示したのです。それは、単なる技術の完璧さ、ヴィブラートのコントロールなど

ではなく、「聴き手の心に染み入る音楽を演奏する」ということです。ラッシャーのこれ以

降の協奏曲の録音は、すべてがこの録音よりも希薄に聴こえることでしょう。この録音が

知られずに、他の協奏曲やピアノとのデュオの演奏ばかりが聴かれていたことは、端的

に言ってしまえば罪なこととも言えるのです。

RASCHERRASCHERRASCHERRASCHER CD 32 CD 32 CD 32 CD 32 RECITAL IRECITAL IRECITAL IRECITAL I WITH PIANO WITH PIANO WITH PIANO WITH PIANO THE 1940s : THE SCANDINAVTHE 1940s : THE SCANDINAVTHE 1940s : THE SCANDINAVTHE 1940s : THE SCANDINAVIIIIAN AN AN AN LANDS IN NEW YORLANDS IN NEW YORLANDS IN NEW YORLANDS IN NEW YORKKKK

このディスクは、アメリカでのラッシャーのキャリアの、ごく初期

の演奏を捉えたものです。1932 年、Edmund con Borck の

「サクソフォン協奏曲」をベルリン・フィルと演奏したラッシャーは、

一躍ドイツを代表する音楽家として認知されるようになりますが、

この録音を聴けば、ラッシャーが当時からどれだけ優れた音楽

家であったか、ということが良く分かります。この時期において、

すでにラッシャーの技術にあいまいな部分は見られず、解釈の

面においても作曲家が要求したスタイルを見事に表現していま

す。1940 年代のピアノとのデュオの録音であり、まずはバロック

作品のトランスが聴きものです。そして、ジョージ・ガーシュウィ

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ンの「前奏曲」における、叙情性をたたえたブルースの演奏、さらに「”ヴェニスの謝肉

祭”変奏曲」におけるブレスコントロールと高速なフィンガリング、そしてフラジオ音域のコ

ントロールは現代にあってもなかなか聴けないほどのものです。

Spirited and virtuostic! on Alto

RASCHER CD 33 BOUQUET OF FOREST FLOWERSRASCHER CD 33 BOUQUET OF FOREST FLOWERSRASCHER CD 33 BOUQUET OF FOREST FLOWERSRASCHER CD 33 BOUQUET OF FOREST FLOWERS RECITAL II WITH PIANO

様々なスタイルの音楽が演奏されています。シューベルトの「蜂」では、循環呼吸を使

わずに長大なフレーズを吹ききっています。そのほかに、モーツァルトの小品、ホイットニ

ーのオリジナル作品などを収録しています。

Lovely pastiche! on Alto

RASCHER CD 34 DRAMAS & SONATASRASCHER CD 34 DRAMAS & SONATASRASCHER CD 34 DRAMAS & SONATASRASCHER CD 34 DRAMAS & SONATAS RECITAL III WITH PIANO I

多数のソナタ(エックレス、クレストン、ハイデン他)を収録

しています。

Bonus! ハイデンの「ソナタ」では、ラッシャーのテナーサク

ソフォンの演奏を聴くことができます。

Dramatic art! on Alto and Tenor

これら “The Legendary Saxophonist Collection”のコンプリートボックスには、A. A. A. A. JacksonJacksonJacksonJackson により編纂されたフルカラーの写真付き資料が付属します。

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The LEGENDARY SAXOPHONISTS COLLECTION A Critical Analytic Guide

to the Developmental Performance History of the Classical Saxophone