teched2009_t1-402_effectivehyper-v
DESCRIPTION
2009年のTechEd Yokohama T1-402セッションで使った資料です。R2の新機能Live Migrationとそれを支えるCSVのご紹介。TRANSCRIPT
マイクロソフト株式会社コンサルティングサービス統括本部
佐々木邦暢 <[email protected]>
2
本日のテーマ
3
仮想化と
クラスタ化
4
5
仮想化とクラスタ化
仮想化一つのマシンを、複数に見せかける
クラスタ化複数のマシンを、一つに見せかける
6
一見、逆のテクノロジ
7
しかし両者に密接な関係
8
Hyper-Vとクラスタの関係
9
簡単に説明します
10
Hyper-V ホストのクラスタ化
Windows Server 2008 R2 Hyper-V
クラスタ化 ホスト サーバー
11
Hyper-V
ホストサーバー束ねると
12
仮想マシンは物理マシン間を往来可能に
13
そのメリット
14
例えばホスト停止時の可用性
15
Hyper-V ホストの停止時
Windows Server 2008 R2 Hyper-V
クラスタ化 ホスト サーバー
16
あるいは負荷に応じた
再配置
17
負荷に応じた再配置
Windows Server 2008 R2 Hyper-V
クラスタ化 ホスト サーバー
18
いやちょっとまった
19
この話去年も聞いた
20
Hyper-V 1.0 のクラスタ対応
クラスタ化はHyper-V 1.0で既に実現
Windows Server 2008のフェールオーバー クラスタは、仮想マシンを認識します
仮想マシンを別のノードに移行する「Quick Migration」機能もありました
去年のスライド
21
課題1Quick Migrationの
停止時間
仮想マシンのメモリ内容を共有ディスクへ書き込み、移行先ノードで読み込みます
仮想マシンのメモリ容量に比例したダウンタイムが発生します
22
共有ディスク
Quick Migrationの動き
メモリ内容をディスクへ書き込む
Quick Migration 開始
この間がダウンタイム
移行先ノード移行元ノード
メモリ内容をディスクから
読み込む
Quick Migration 完了
ディスクの所有権を
切り替える
Hyper-V 1.0ではこれが限界でした
23
課題2ストレージ管理の
複雑化
単一のLUNに複数の仮想マシンを格納すると、それらの仮想マシンは個別に移行することができませんでした
仮想マシン1台ごとに専用のLUNを割り当てることになり、LUN管理が複雑になりがちでした
24
複数VM/LUNの問題点
単一のLUN
1号機 2号機ストレージ
VM1を構成するファイル
VM2を構成するファイル
LUN所有権
VM1
VM2
いわゆる「一LUN托生」問題
25
VM2LUN2
VM1 LUN1
VM3 LUN3
LUN5VM5
LUN4 VM4
LUN6 VM6
VM7 LUN7
VM8LUN8
VM9 LUN9
LUN10 VM10
1号機 2号機ストレージ
結果として「LUN爆発」
26
Hyper-V 2.0 の進化
Hyper-V 1.0 Hyper-V 2.0
Quick Migration時のダウンタイム
(メモリ容量に比例して増大)
1LUN托生問題
Live Migrationでダウンタイム削減
Cluster Shared Volumes
複数VM/LUN配置個別にVM移動可能
27
百聞は一見に如かず
28
本日はHyper-V R2
4ノードクラスタを
29
ここに持ってきました
30Hyper-V 5号機
本セッションのデモ環境
Microsoft iSCSI Software Target
Hyper-V
1号機Hyper-V
2号機Hyper-V
3号機Hyper-V
4号機
Hyper-V 4ノード クラスタ
CSV用LUN
80GB80GB
通常のLUN監視ディスク
1GB
ドメインコントローラ
32GB 32GB
狂熱のライヴ
- The VM Remains the Same -
マイグレーション
32
Tech Ed会場でのデモの内容
今回のデモは、Live Migrationの一般的な紹介だけでなく、「実際の現場での利用例」がイメージできるように、以下の三本立てで実施しました。
ライブ マイグレーション基本編今回のデモ環境のシステム構成の紹介
クラスタ化仮想マシンの管理ツールの紹介(クラスタの管理ツール)
ライブ マイグレーションの基本的な動きの紹介
Dynamics CRM編Dynamics CRMの使われ方の紹介
営業担当員の実際の入力業務のデモンストレーションそのデモ中に、入力業務端末(仮想マシン)をライブ マイグレーション!
Windows HPC Server編Windows HPC Serverの紹介
実際の並列計算ジョブのデモンストレーションそのデモ中に、HPC Server仮想マシンをライブ マイグレーション!
ライヴマイグレーション基本編
Dynamicsが止まらない
コンサルティングサービス統括本部 並木 知己
35
営業担当の1日
営業担当者は、
朝チームでの打ち合わせの後、顧客折衝用の資料を準備し、1日に3~4件のお客様を訪問します
帰社後に、訪問結果を記録し、翌日または翌週の訪問計画を立てます
訪問計画
報告
客先訪問④
客先訪問③
客先訪問②
客先訪問①
外出準備
朝会昼食
8:50 10:00 13:00 17:00 18:00
資料準備
36
営業担当の1日客先訪問④
客先訪問③
客先訪問②
昼食
訪問計画報告
19:00
客先訪問①
外出準備
朝会
資料準備
お客様への訪問が終わって帰社するのはだいたいいつも19時くらい
早く帰りたいのにここからが大変なんです(それなのに情シスは、システム止めるなんていいっちゃってるし・・・ふざけんなよっ)、と心の声
(実態)
37
報告・計画業務を効率的に!
しかし
が導入されてから、効率的に業務が行えるようになりました。
客先訪問④
客先訪問③
客先訪問②
客先訪問①
外出準備
朝会昼食
資料準備
19:00
訪問計画
報告
38
報告・計画業務を効率的に!
訪問計画
報告
客先訪問④
客先訪問③
客先訪問②
客先訪問①
外出準備
朝会昼食
8:50 10:00 13:00 19:00 21:00
顧客情報の確認
• 訪問予定である顧客情報の確認・印刷
• 提案資料の準備
日報作成
• 各訪問ごと会話内容・案件確度などを登録
• 上司宛に結果を報告
訪問計画策定
• 翌日・翌週の訪問予定を登録
• 新規顧客の登録
資料準備
訪問計画
報告
外出準備
資料準備
39
これから行う業務内容@19:00
訪問結果を報告します本日の訪問したお客様との折衝記録を登録
新しいお客様を登録します本日訪問したお客様から別のお客様(子会社)をご紹介いただいたので、新規顧客登録を実施
次週の予定を登録しますDynamicsCRMから次週の訪問予定を登録
Ourlook予定表にも更新されていることを確認
シミュレーションだって止まらない
システムテクノロジー統括本部 柴田直樹
41
研究開発者の仕事(HPCな人のお仕事内容とは・・)
1分でも早く他社よりも新製品を出す為にサーバの性能を100%振り絞って計算計算
メモリもCPUもフル稼働!!(Disk I/Oも。)
やっている計算はシミュレーション!!
構造解析、流体解析 (自動車設計でおなじみ)
金融派生製品の開発 (ハイリスクな金融商品)
気象予報 (1時間後の気象は1時間以下で計算)
デジタルコンテンツクリエーション
42
Windows HPC Server 2008
主に並列計算用クラスタを構築するために必要なものをパッケージ化した製品
OS (Windows Server 2008 HPC Edition)
並列計算向けメッセージ通信ミドルウェア(MS-MPI)
計算ノードのデプロイ機能(OSの自動配信)
システムリソースのリアルタイム監視機能(HeatMap)
Windows HPC Server 2008管理ツール-数百台の計算用サーバを一括監視 -
クラスタ構成ウィザード
WDSで高速なOS配信
ヒートマップで視覚的な状態管理
各種診断ツール
レポーティング機能
44
HPCクラスタで行う「MPIによる並列計算」とは
MyMPI.exe
ヘッドノード MyMPIapp.exe MyMPIapp.exe MyMPIapp.exe
45
並列計算時に計算サーバが落ちたら・・・
MyMPI.exe
ヘッドノード MyMPIapp.exe MyMPIapp.exe MyMPIapp.exe
これが、10時間かかる計算で9時間目のおきたら。。。。 悪夢です。。
47
本セッションはもちろん
Hyper-Vが主題
48
しかしながら
49
Hyper-Vとフェールオーバ
クラスタ
50
非常に親密な関係
51
そこでいまさらではありますが
52
クラスタの基本用語を再確認
53
フェールオーバクラスタ
Windows Server Enterprise以上に標準装備のクラスタミドルウェア
いわゆる「MSCS」というやつです
最近は、MSFC (Microsoft Failover Clustering),
WSFC (Windows Server Failover Clustering)
などと呼ぶようです
NT 4.0時代の1997年登場
コードネーム "Wolfpack"
既に10年以上の歴史があります
54
ノード (マシン)
クラスタサービスclussvc.exe
ノード (マシン)
クラスタの構成要素リソース ホスト
モニタRHS.exe
リソースDLL
(clusres.dll)
クラスタサービスclussvc.exe
クラスタ ディスク ドライバ(clusdisk.sys)
リソースグループ
ホスト名を表す“r2cluster” 等
IPアドレスを表す“192.0.2.100” 等
共有ディスクのLUを表す
“ドライブQ:” 等
共有ディスク
clusdisk.sys
netft.sysクラスタネットワークドライバ
(netft.sys)
クラスタ内部通信
制御・監視
所有権調停
カーネルモード
ユーザーモード
リソースをまとめフェールオーバの
単位となる
ネットワーク名リソース
IPアドレスリソース
物理ディスクリソース
制御・
監視
55
ノード (マシン)ノード (マシン)
クラスタと仮想マシンリソース
ホスト モニタRHS.exe
リソースDLL
(clusres.dll)
クラスタサービスclussvc.exe
仮想マシン管理サービスvmms.exe
仮想マシンリソースDLL
(vmclusres.dll)
クラスタ ディスク ドライバ(clusdisk.sys)
共有ディスク
clusdisk.sys
netft.sysクラスタネットワークドライバ
(netft.sys)
クラスタ内部通信
所有権調停
リソースグループ
制御・
監視
仮想マシンを表す
仮想マシンの構成情報を表す
1仮想マシン/1リソースグループ
仮想マシンリソース
仮想マシン構成リソース
仮想マシンが物理マシン間を移動するというのは、クラスタ的には
リソースグループの移動です
56
クラスタのおさらい終了
57
では、あらためて
59
Live Migrationの動き(概略)
VMメモリ転送移行開始
移行先ノード移行元ノード
後片付け
移行準備
ブラックアウト期間
VM
状態転送
移行完了
60
Live Migrationの各フェーズについてもう少し詳しく
移行準備フェーズ
VMメモリ転送フェーズ
VM状態転送フェーズ
後片付けフェーズ
61
移行元ノード
移行準備フェーズリソースモニタresrcmon.exe
クラスタサービス(ClusSvc)
仮想マシン管理サービス (VMMS)
仮想マシンリソースDLL
(vmclusres.dll)
クラスタネットワークドライバ (netft.sys)
移行元VM
移行先ノード
クラスタネットワークドライバ (netft.sys)
仮想マシンワーカープロセス
(vmwp.exe)
クラスタディスクドライバ (clusdisk.sys) 共有
ディスク
クラスタディスクドライバ (clusdisk.sys)
リソースモニタresrcmon.exe
クラスタサービス(ClusSvc)
仮想マシン管理サービス (VMMS)
仮想マシンリソースDLL
(vmclusres.dll)
移行先VM
仮想マシンワーカープロセス
(vmwp.exe)
62
※まめ知識
この時、ライブマイグレーション用に使用されるネットワークは、仮想マシンリソースのプロパティで指定できます
63
移行元ノード
VMメモリ転送フェーズ
移行元VM
移行先ノード
移行先VM
仮想マシンワーカープロセス
(vmwp.exe)
仮想マシンワーカープロセス
(vmwp.exe)
ダーティページは再転送の必要あり
ワーカープロセス間で仮想マシンのメモリを転送
ダーティページが十分少なくなったところで、次のフェーズへ進む
64
メモリ転送フェーズのポイント
メモリ転送中もVMは稼働し続けます
転送済みのページが再度変更された場合は、変更されたページのリストを管理しておき、メモリ転送が一巡した後、再度転送します
このフェーズまでは、Live Migrationのキャンセルが可能です
キャンセルした場合、VMは移行元ホストでダウンタイムなしに稼働し続けます
65
移行元ノード
VM状態転送フェーズ
移行元VM
移行先ノード
移行先VM仮想マシンの状態情報
仮想マシンのVRAM
CPUのレジスタデバイスのキャッシュ等
仮想マシンを一時停止
最後まで残ったダーティページ
これですべての情報が移行されました
66
状態転送フェーズのポイント
このフェーズの間、移行元の仮想マシンは短時間ですが、停止しています
「ブラックアウト期間」と呼びます
Microsoft-Windows-Hyper-V-Worker/Adminログに結果が記録されます
ちょっとブラックアウトが長くなっているのは、
100BASEのネットワークを使ったからです
67
移行元ノード
後片付けフェーズリソースモニタresrcmon.exe
クラスタサービス(ClusSvc)
仮想マシン管理サービス (VMMS)
仮想マシンリソースDLL
(vmclusres.dll)
クラスタネットワークドライバ (netft.sys)
移行先ノード
クラスタネットワークドライバ (netft.sys)
仮想マシンワーカープロセス
(vmwp.exe)
クラスタディスクドライバ (clusdisk.sys) 共有
ディスク
クラスタディスクドライバ (clusdisk.sys)
リソースモニタresrcmon.exe
クラスタサービス(ClusSvc)
仮想マシン管理サービス (VMMS)
仮想マシンリソースDLL
(vmclusres.dll)
移行先VM
仮想マシンワーカープロセス
(vmwp.exe)
移行元VM
68
Live Migrationに関する注意点
「所要時間」短縮の肝はネットワーク「Live Migration専用」のギガビットネットワークが理想
「ダウンタイム(ブラックアウト期間)」削減のために仮想マシンはCluster Shared Volume (CSV)に配置することをお勧めします
CSVは必ずしも必須ではありませんが、CSVではない通常の共有ディスクにVMを配置した場合、Live Migration時のブラックアウト期間は若干増大します
Hyper-VおよびVMの設定仮想ネットワークの名前は全ノードで一致させておく
名前がずれていると、Live Migrationに失敗します
ISOイメージの場所に注意
ノードローカルなフォルダに置いてあるISOイメージをマウントしたままのVMは、Live Migrationに失敗します
69
次にフェールオーバクラスタの新兵器
Codename: "Centipede"
71
そもそもなぜ必要?
72
SANストレージ (Fibre Channel or iSCSI)
VM配置用ディスクボリューム
これでなぜダメ?
Hyper-V
1号機Hyper-V
2号機Hyper-V
3号機Hyper-V
4号機
VM1 VM2 VM3 VM4
VHD VHD VHDVHD
73
共有ディスクにつなぐだけ
確かに、SANストレージに接続さえしてしまえば、ボリュームをクラスタに登録しなくとも、全てのノードでディスクが同時に認識されます
例えば、本日のデモ機(4台)に、新しい共有ディスクボリューム「ディスク5」を接続すると、次ページのように見えます
74
同じディスクが4台から見える1号機 2号機
3号機 4号機
ID:216F23E5
ID:216F23E5
ID:216F23E5
ID:216F23E5
75
NTFSはクラスタファイルシステム
76
か?
77
いいえ、NTFSはクラスタファイルシステム
ではありません
何の制御も無しに複数のノードから同時アクセスすると、壊れてしまいます
何らかの形で、同時アクセスの調停を行う必要があります
78
SANストレージ (Fibre Channel or iSCSI)
通常のクラスタディスクHyper-V クラスタ
Hyper-V
1号機Hyper-V
2号機Hyper-V
3号機Hyper-V
4号機
LUN3
I:
LUN4
J:
LUN1
G:
LUN2
H:
予約 予約予約予約
VM2 VM3 VM4
VM1 VM2 VM3 VM4
VM1
79
SANストレージ (Fibre Channel or iSCSI)
VMの移動=LUN所有権の移動Hyper-V クラスタ
Hyper-V
1号機Hyper-V
2号機Hyper-V
3号機Hyper-V
4号機
LUN3
I:
LUN4
J:
LUN1
G:
LUN2
H:
予約 予約予約予約
VM2 VM3 VM4
VM1 VM2 VM3 VM4
VM1
80
SANストレージ (Fibre Channel or iSCSI)
CSVの場合
Hyper-V
1号機Hyper-V
2号機Hyper-V
3号機Hyper-V
4号機
LUN1
VM1 VM2 VM3 VM4
全ノードから同時かつ直接にアクセス可能
VM1 VM2 VM3 VM4
81
SANストレージ (Fibre Channel or iSCSI)
ノード間の移動も自由自在
Hyper-V
1号機Hyper-V
2号機Hyper-V
3号機Hyper-V
4号機
LUN1
VM1 VM2 VM3 VM4
全ノードから同時かつ直接にアクセス可能
VM2 VM3 VM4VM1
82
CSVはどうやって同時アクセスを実現しているのか
新しいファイルシステムを作ったのか?
NO!NTFSを大幅に機能拡張したのか?
NO!
83
そんなタイヘンなことはしていません
NTFSは10年以上の歴史を持つ、枯れた(安定した)ファイルシステムです
ファイルシステムとして必要な機能は揃っています
クラスタ対応のために全て作り直すなど、
84
車輪の再発明
85
NTFSをそのまま利用しつつ
同時アクセスを実現
ファイルシステム ミニフィルタ ドライバ
"CSVFilter.sys"
86
ミニフィルタドライバ
?
87
I/Oマネージャ
ファイルシステムドライバ (ntfs.sys)
Windowsストレージスタックの概観アプリケーション
プログラム
フィルタマネージャ
ミニフィルタ ドライバ 1
ストレージドライバディスククラス
ドライバ (disk.sys)
ポートドライバ
ミニポートドライバ ディスク装置
ユーザーモード
カーネルモード
ミニフィルタ ドライバ 2
ミニフィルタ ドライバ 3
88
ファイルシステムドライバ(ntfs.sys)
ミニフィルタドライバと「高度」
フィルタマネージャ
I/O
マネージャ 400000
409999
320000
329999
140000
149999
40000
49999
CSVFilter (404900)
グループ: FSFilter Top
グループ: FSFilter Anti-Virus
グループ: FSFilter Encryption
グループ: FSFilter Bottom
※ グループはたくさんあるので、上の図ではかなり省略してあります
高
低Superfetch (45000)
eraser.sys (329010)
prvflder.sys (148000)
89
CSVFilter が位置している
高度404900とは
現存するほぼ全てのミニフィルタより上
I/Oリクエストを真っ先に横取りします
横取りして、何をどうしているのか??
90
話がややこしくなってきたので
91
CSVの構成方法から
92
CSVの構成
CSVを利用するためには、「CSVの有効化」
「物理ディスクをCSVとして登録」
の2段階の手続きを踏みます
CSVの有効化「フェールオーバー クラスターマネージャー」を使ってGUIから
Power Shellを使ってコマンドラインから
93
CSVの有効化GUIで
「フェールオーバークラスター マネージャー」から有効化
94
こんなのが出てきます
95
CSVの有効化PowerShellで
(Get-Cluster).EnableSharedVolumes=“enabled/noticeread”
単に”enabled”ではなく、“noticeread”をつける必要があります。
96
CSVへのディスク追加
GUIで
97
CSVへのディスク追加PowerShellで
Add-ClusterSharedVolume
“物理ディスクリソース名"
98
利用可能になったCSV
99
CSVの特徴その1
アクセスポイント
CSVはドライブレターを持ちません
C:\ClusterStorage配下にマウントされます
ドライブレターの枯渇問題や、ボリュームGUIDの扱いにくさから解放されます
100
CSVの特徴その2
所有者
CSVの実体は、普通の”物理ディスクリソース”
です
他のクラスタリソースと同様に、「所有者」となるノードがいます
101
所有者?
102
全ノードから同時アクセスできるのに所有者?
103
「コーディネータ」ノード
C:\ClusterStorage\Volume1
CSVFilter
クラスタディスクドライバ
Hyper-V
1号機VM1
NTFS
I/Oマネージャ
フィルタマネージャ
Hyper-V
2号機VM2
VM1 VM2
ストレージ ドライバ
NTFS
I/Oマネージャ
フィルタマネージャ
ストレージ ドライバ
クラスタディスクドライバ
CSVFilter
予約
ディスクの所有権を持つノードが
CSVボリュームの「コーディネータ」
104
ボリュームをマウントしているのはコーディネータだけ
他のノードは、ボリュームをマウントしていないので、通常の方式ではボリュームにアクセスできません
「ダイレクトモード I/O」(後述)という方式でアクセスします
コーディネータノードでは、「ダイレクトモード I/O」 に備え、VHDファイルを「移動不能ファイル」に設定します
105
コーディネータノードのI/O
コーディネータノードでのI/Oは、通常通り
コーディネータノードは普通にボリュームをマウントしているので、特殊な処理は必要ない
C:\ClusterStorage\Volume1
VM1 VM2
CSVFilter
クラスタディスクドライバ
Hyper-V
1号機VM1
ストレージ ドライバ
NTFS
I/Oマネージャ
フィルタマネージャ
予約
106
非コーディネータノードのI/O
仮想マシンの動作に伴い、CSV上のVHDファイルなどへのI/O要求が発生
CSVFilterはこのアクセスを全てキャッチ
I/O要求の種類によって、次の動作が決まります
C:\ClusterStorage\Volume1
VM1 VM2
NTFS
I/Oマネージャ
フィルタマネージャ
Hyper-V
2号機VM2
ストレージ ドライバ1号機がコーディネータ
CSVFilter
予約
107
I/O要求の種類とは?
ファイルの実データへのアクセスか
要するに、ファイルの中身に対する読み書き
あるいはNTFSメタデータへのアクセスか
ファイルの新規作成
ファイル名の変更
などなど、ファイルシステムの属性情報に対する変更が発生する操作
これによってCSVFilterの振る舞いが変わってきます
108
実データへのアクセスは「ダイレクトモード」
CSVFilterによって、VHDファイルは移動不能と指
定され、ディスク上のブロック位置が固定されます
これにより、ボリュームをマウントしていない非コーディネータノードからも、コーディネータノードに頼らない直接アクセスが実現できます
109
C:\ClusterStorage\Volume1
VM1 VM2
NTFS
I/Oマネージャ
フィルタマネージャ
Hyper-V
2号機VM2
ストレージ ドライバ
CSVFilter
実データへのアクセス
この場合、CSVFilterは自分より低いミニフィルタをスキップ
NTFSのドライバすらスキップ!
直接ストレージドライバへI/O要求を送信
これが「ダイレクト モード」コーディネータノードでのI/Oと同等の性能
1号機がコーディネータ
予約
110
メタデータへのアクセスは「リダイレクトモード」
メタデータの変更が競合するとファイルシステムの整合性が失われる可能性があります
そのため、コーディネータノードがこれを調停することになります
ノード間の通信には、クラスタ用ネットワークが使用されます
111
メタデータへのアクセス
C:\ClusterStorage\Volume1
CSVFilter
Hyper-V
1号機VM1
NTFS
I/Oマネージャ
フィルタマネージャ
Hyper-V
2号機VM2
VM2 VM1
ストレージ ドライバ
NTFS
I/Oマネージャ
フィルタマネージャ
ストレージ ドライバ
CSVFilter
netft.sys netft.sys
Serverサービス
SMBリダイレクタ
こちらでメタデータI/Oが発生
CreateFile()
1号機がコーディネータ
予約
112
CSV共有
コーディネーターノードには、リダイレクトモードのアクセスを受け付けるためのファイル共有が自動的に作成されます
共有名は、CSVのボリュームIDです
113
CSVネットワーク要件
CSV共有へのアクセスのため以下の機能を有効にしておく必要があります
「Microsoft ネットワーク用クライアント」
「Microsoft ネットワーク用ファイルとプリンター共有」
114
SANストレージ (Fibre Channel or iSCSI)
CSVの障害ポイント
Hyper-V
1号機Hyper-V
2号機Hyper-V
3号機Hyper-V
4号機
LUN1
VM1 VM2 VM3 VM4
コーディネータ
予約
ネットワーク障害
ノード障害 ストレージ経路障害
115
ネットワーク障害
複数のネットワークをクラスタに登録しておくことで、自動的に障害経路を迂回
優先度の高いネットワークが回復した時は、自動復帰
Hyper-V
1号機Hyper-V
2号機Hyper-V
3号機Hyper-V
4号機
ネットワーク2
ネットワーク1
116
SANストレージ (Fibre Channel or iSCSI)
コーディネータノード障害
Hyper-V
1号機Hyper-V
2号機Hyper-V
3号機Hyper-V
4号機
LUN1
VM1 VM2 VM3 VM4予約
予約
コーディネータ
CSVのリソースグループがフェールオーバー
CSVのフェールオーバー中も、他ノードのVMには無影響
障害ノード上のVMもフェールオーバー
117
SANストレージ (Fibre Channel or iSCSI)
ストレージ経路障害
Hyper-V
1号機Hyper-V
2号機Hyper-V
3号機Hyper-V
4号機
LUN1
VM1 VM2 VM3 VM4
コーディネータ
予約
DATA
118
CSVとディスクメンテナンス
CSVの特性
CSVは複数のノードから同時並行的に読み書きされます
CSVFilterによってVHDファイルが移動不可にされる → デフラグできません
chkdskやデフラグの考慮点
ボリュームを「メンテナンスモード」に切替え、コーディネーターノードからメンテナンスを実施する必要があります
119
PowerShellコマンドレット
CSVのメンテナンス用のcmdletがあります"Repair-ClusterSharedVolume"
-ChkDskオプションでchkdsk
-Defragオプションでデフラグ
120
CSVとバックアップ(VSSとの関係)
要注意!ポイントが二つあります
バックアップ製品側の対応状況
VSSプロバイダの種類によるCSVの動作の違い
121
CSVとVSS
注意点その1
バックアップ製品の対応状況
CSVをVSSでバックアップするには、リクエスタがCSVのAPI
“ClusterPrepareSharedVolumeForBackup” を呼び出して準備をする必要があります
つまり、バックアップ製品側にCSV対応が必要です
※ Windows Server Backupは未対応です
122
CSVとVSS
注意点その2
VSSプロバイダによるCSV動作の違い
CSVが対応するVSSプロバイダは、2種類システムプロバイダ (Windows標準)
ハードウェアプロバイダ (ストレージ製品に付属)
※ サードパーティ製のソフトウェアプロバイダは未サポート
プロバイダの種類によって、バックアップ時の動作に違いが出ます
123
VSSプロバイダによる違い
バックアップ開始
スナップショット作成
バックアップ実行バックアップ完了
バックアップ開始
スナップショット作成
バックアップ実行バックアップ完了
システム プロバイダの場合
ハードウェア プロバイダの場合
バックアップ実行中はメンテナンスモード
スナップショット作成時のみメンテナンスモード
124
まとめ
Hyper-V 2.0はフェールオーバークラスタとの連携がさらに強化されました
新しく登場した"Live Migration"機能と、"クラスター共有ボリューム"を組み合わせると、ほとんどダウンタイム無しに、仮想マシンを別のHyper-Vノードに移行することができます
また、クラスター共有ボリューム(CSV)の登場により、単一のLUNに数多くの仮想マシンを格納
することができるようになり、ストレージ管理が効率化されます
125
関連セッション
T1-307: Hyper-V 2.0 設計と構築のポイント8/27(木) 9:20 - 10:30
T1-308: 仮想デスクトップ インフラストラクチャ(VDI)のアーキテクチャと運用管理手法の解説
8/28 (金) 10:55 - 12:05
T5-201: あらためて System Center Virtual
Machine Manager 2008 R2 機能概要8/27 (木) 15:15 - 16:25
T6-202: Dynamic IT
~自社運用もクラウドも方向性は同じ~8/28 (金) 16:50 - 18:00
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