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一般財団法人 サウジアラビア王国の産業基盤 2015 年度改訂版 Saudi Arabia

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一般財団法人

サウジアラビア王国の産業基盤

2015年度改訂版

Saudi Arabiaサウジアラビア王国の産業基盤Saudi Arabia 発行者 一般財団法人 中東協力センター(JCCME)

〒102-0075 東京都千代田区三番町8-1 三番町東急ビル7階TEL:03-3237-6721 FAX:03-3237-8018

平成28年3月発行

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Saudi Arabia

サウジアラビアの国旗

サウジアラビア

サウジアラビアのエンブレム

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INFRASTRUCTUREインフラストラクチャー

道 路 2電 力 4造 水 6港 湾 8空 港 10鉄 道 12通 信 14

INDUSTRY産 業

工業都市・団地 16石油・ガス 18石油化学 20金 融 22農水産業 24

LIFE·BUSINESS ENVIRONMENT生活・ビジネス環境

医 療 26教 育 28ビジネス 30ホテル 32その他 34

JAPAN-SAUDI ARABIA RELATIONS日本とサウジアラビアの関係

日本・サウジアラビア外交樹立60周年 36

MAP地 図 38

Saudi Arabiaサウジアラビア王国の産業基盤

Contents

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ROAD【道 路】

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日本の約5.7倍という広大な国土を有するサウジアラビアで

は、鉄道網が未発達のため、道路が陸上交通の主役として、社

会・経済発展に重要な役割を担っています。第1次開発5カ年

計画(1970年〜1974年)の開始以降、サウジアラビア政府は

約20年以上の期間にわたり340億ドル強を投資し、道路網の整

備・拡充を行なってきました。2014年3月現在、高速道路を

含む主要・普通舗装道路の延長距離は6万1,400キロ、これに

未舗装道路の14万900キロを加えると、国内道路網の総延長距

離は20万2,300キロに達します。

国内の主要都市は、国際規格に基づき建設された片側2車

線から4車線の近代的な高速道路によって結ばれています。ア

ラビア湾岸のダンマン、中央部の首都リヤド、そして紅海岸の

ジェッダの3大都市は、アラビア半島を横断する全長約1,360

キロの高速道路によって連結されています。その他重要な都市

間高速道路としては、ダンマン=アブーハドリーヤ=ラス・タ

ヌーラ道路(257キロ)、マッカ=マディーナ道路(421キロ)、

リヤド=スデイル=カシーム道路(317キロ)、リヤド=ターイ

フ道路(750キロ)、ターイフ=アブハー=ジザーン道路(750

キロ)などがあります。高速道路の通行はすべて無料です。

公共の交通機関の整備が遅れているサウジアラビアはまさ

しく「自動車社会」です。車両台数は年々増加傾向にあり、リ

ヤドやジェッダなどの大都市は交通渋滞に悩まされています。

渋滞緩和策として、リヤドでは2014年4月から計6路線、総

延長176km の市内鉄道網「リヤド・メトロ」(路面・高架・地

下併用)の建設工事が進められており、2019年の運行開始を

目指しています。また、市内と郊外を結ぶ道路の渋滞を緩和す

るため、環状道路が都市周辺に整備されています。道路は立

体交差や高架道、地下道方式を採用して建設されており、照

明灯の設置などによる安全対策も強化されていることから、交

通渋滞の緩和のみならず、交通事故の減少と大気汚染の低減

にも寄与しています。主な環状道路は、リヤド道路(63.2キ

ロ)、マッカ道路(27.1キロ)、ジェッダ道路(103.6キロ)、東

部州の都市間を結ぶ道路(108キロ)、ブライダ道路(85キロ)

などです。

最も重要な道路のひとつでユニークなのが東部州のアル・コ

バールと隣国のバハレーンを、海を跨いで結んでいる「キン

グ・ファハド・コーズウェイ」です。総工費12億ドルを要した

この海上道路は全長が約25キロ、幅が25メートルあり、1986

年11月に開通しました。片道の通行料は車両の種類によって

異なり、例えば、普通乗用車が20リヤル(約670円)、小型バ

スやピックアップは30リヤル(約1,000円)となっています。

2013年の年間通行量は入出国合計で、車両が約863万台、旅客

は約1,975万人でした。年々需要が高まっていることから、第

2コーズウェイの建設も計画されています。

◆ 交通機関旅客鉄道はリヤド=ダンマン間の路線しかありませんの

で、国民の移動手段は主として自動車と飛行機になります。

公共バスは、「サウジ公共輸送会社(Saudi Public Transport

Company : SAPTCO)」がリヤド、ジェッダ、ダンマン、マッ

カなどの主要都市を含む計385の市町村間、国際路線に、2

階建ての近代的なバスを含め約4,500台のバスを運行してい

ます。国内の利用者数は年間1,880万人にのぼっています。一

方、国際線バスはエジプト、ヨルダン、スーダン、バハレー

ン、カタール、UAEなどの路線が運行しており、年間約60万

人の人々が利用しています。同社はまた、巡礼期には多くの

バスを動員し、巡礼者をマッカに輸送しています。タクシー

は数多く走っていますが、メーターを設置しているタクシー

であってもメーターを使わないで交渉制に持ち込もうとする

運転手もいるため、乗車前に確認する必要があります。レン

タカー会社は、ハーツ社(Hertz)、エイヴィス社(Avis)な

どの国際大手企業を含め多数ありますので、現地での運転に

慣れていれば、タクシーを利用するより便利なこともありま

す。車両の通行は日本とは反対の右側通行で、また、非イス

ラム教徒はマッカとマディーナの両聖地およびその周辺地域

に立ち入ることができませんので注意が必要です。なお、女

性は外国人も含め免許の取得・運転共に禁止されています。

サウジアラビアの運転免許証は、イカーマ(外国人居住許可

証)を取得後、日本の免許証と翻訳会社の認証印のあるアラ

ビア語の翻訳文、配属先のスポンサーレターなどの必要書類

を提出し、視力検査などを経て、取得することができます。

主要都市間の距離(単位:キロメートル)

リヤド ダンマン ジェッダ マッカ ターイフ マディーナリヤド − 416 958 858 782 855

ダンマン 416 − 1,374 1,274 1,198 1,271ジェッダ 958 1,374 − 100 176 421マッカ 858 1,274 100 − 76 433

ターイフ 782 1,198 176 76 − 509マディーナ 855 1,271 421 433 509 −アブハー 1,016 1,432 674 574 498 1,007ハーイル 627 1,043 1,032 1,044 1,120 611ジザーン 1,245 1,661 734 803 727 1,155

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ELECTRIC POWER【電 力】

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サウジアラビアの電力事業は従来、電力公団の管轄の下、

国内5地域に独立していた電力会社グループによって運営さ

れていました。「サウジ統合電力会社(Saudi Consolidated

Electricity Company : SCECO)」が1976年以降、東部、中部、

南部、西部の4地域にそれぞれ設立され、また、北部地域で

は6社が発電や配電事業に従事していました。

サウジアラビア政府は電力事業の効率化と民間部門の参入

を促進する目的で、電力事業の民営化に乗り出しました。

2000年2月、政府と既存の地域電力会社10社との間で会社統

合協定が調印され、同年4月にこれら電力会社が統合し、新

株式会社として政府50%出資の「サウジ電力会社(Saudi

Electric Company : SEC)」が設立されました。また、2003年

にはサウジアラビア政府の最高経済評議会の決議により、

SECと「海水淡水化公団(Saline Water Conversion Corporation

: SWCC)」が折半出資し、「水・電力会社(Water and Electricity

Company : WEC)」が設立されました。同社は、水・電力の売

買と、「独立水・電力プロジェクト(Independent Water and

Power Project : IWPP)」においてサウジ側の運営母体として

の役割を担うことを目的に設立されました。これらの設立に

よ っ て、民 間 の「独 立 電 力 事 業 者(Independent Power

Producer : IPP)」などが BOO(建設・所有・操業)方式また

は BOT(建設・操業・移転)方式などに基づき新規発電施設

の建設に参画する道が開けました。

2002年6月、最高経済評議会は、民間部門が実施するIWPP

として、4プロジェクトを承認しました。4プロジェクトの

中でまず最初に、「シュアイバ IWPP」がサウジアラビアとマ

レーシアのコンソーシアムによって実施されることが2005年

6月に決定されました。これを受けて、2007年7月には、「シ

ュ ア イ バ 水 ・ 電 力 会 社(Shuaibah Water and Electricity

Company : SWEC)」がジェッダ南東の紅海岸に設立されまし

た(出資比率:コンソーシアム60%、サウジアラビアの公共

投資基金32%、SEC 8%)。また、2009年には、発電能力900

メガワットと造水能力88万トン/日を有する施設がBOO方式

によって建設され、2010年1月に商業運転を開始しました。

さらには、2007年1月には、マッカ地域の水需要増加に対応

するため、「シュアイバ拡張事業会社(Shuaibah Expansion

Project Company : SEPCO)」がシュアイバ IWPP 事業の拡張

を目的に設立されました。同社は、2009年11月に逆浸透膜技

術を利用した造水能力88万トン/日を有するプラントの商業

運転を開始しました。IWPPは同国の水・電力需要を賄うと同

時に、水・電力部門の開発と民営化促進に大きな役割を果た

すものと期待されています。

一方、2000年10月にサウジアラビア政府の承認を得て設立

された「ジュベイル・ヤンブー水利公社(Power and Water

Utility Company for Jubail and Yanbu : Marafq)」がジュベイル

にて IWPP に着手しています。Marafq はジュベイル・ヤン

ブー王立委員会、公共投資基金、サウジアラムコ、「サウジア

ラ ビ ア 基 礎 産 業 公 社(Saudi Arabian Basic Industries

Corporation : SABIC)」および地元投資家によって設立された

会社で、ジュベイルとヤンブーにおいて水・電力プロジェク

トを手がけています。同社 IWPP は、2009年4月に、第1段

階として、能力2,743メガワットの発電プラントと能力80万

トン/日の海水淡水化プラントが建設され、2010年10月に商

業運転を開始しました。また、第2段階として、同社は、ヤ

ンブーにおいて、能力1,700メガワットの発電プラントと能力

55万トン/日の海水淡水化プラントを2016年下期までに建

設する予定です。発電プラントの増設や既存施設の能力増強

に加え、配電網の整備・拡充も必要となるため、今後も引き

続き莫大な資金が電力部門に投下されるものと予想されてい

ます。

EE統計2010年 2011年 2012年 2013年 2014年

発電能力(GWh) 59 61 65 71 77消費量(MMWh) 212 220 240 257 275

SEC顧客数(千人) 5,997 6,341 6,731 7,143 7,603

*発電量には海水淡水化プラントによる発電量は含まれていない。

E気基本料金(2016年1月現在)

用途/消費量(キロワット/月)

単価(ハララ/キロワット)

産業用18(約5.9円)

政府用32(約10.6円)

家庭用 農業用 商業用2,000まで 5(約1.6円) 10(約3.3円) 16(約3.9円)2,001〜4,000 10(約3.3円) 10(約3.3円) 16(約3.9円)4,001〜6,000 20(約6.6円) 12(約4.0円) 24(約3.9円)6,001〜8,000 30(約9.9円) 16(約4.0円) 24(約3.9円)8,001以上 30(約9.9円) 16(約5.3円) 30(約9.9円)注:1ハララは約0.33円。電圧127/240 V60サイクル

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WATER【造 水】

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国土のほとんどは年間降雨量が平均100mm 以下の乾燥地

帯ですので、河川や湖沼などの大規模な水供給源は存在して

いません。現在、サウジアラビアで利用されている水は、(1)

地表水、(2)地下水、(3)海水淡水化水、および(4)下水

の再生水、の4種類に分類することができます。地表水とは、

降雨後、ワーディ(涸谷)や小道に流れ込み、一時的な河川

を形成する流水と、地表近くに存在する地下水のことを指し

ています。アラビア半島南西部に位置するアシール州の山岳

高原地帯(平均標高1,500メートル)では平均して100mm〜

1,000mm の年間降雨量があるため、この大量の雨水を灌漑・

飲料用に利用する目的で、多くの貯水ダムが同地帯を中心に

建設されています。2010年12月現在、国内各地に建設された

ダムの総数は350、総貯水能力は約16億4,000万立方メートル

に達しています。今後、さらなるダムの建設により、2025年

までにダムの総貯水能力は、約20億立方メートルに達すると

予想されています。国内最大のダムはアシール州のビーシャ

にある「キング・ファハド・ダム」で、高さが103メートル、

最大貯水能力は3億2,500万立方メートルです。

地下水は国内各地で利用されていますが、特にカシーム州

やハーイル州、ジョウフ州、北部国境州などの内陸部におい

て飲料・農業用水として使用されています。地下水は、雨水

が地下に浸透し、貯留する比較的深度が浅い帯水層と、雨水

の浸透・貯留が不可能な地中深くに存在している帯水層を水

源としている有限資源です。この貴重な水資源保護の一環と

して、サウジアラビア政府は農業用の地下水の使用量を削減

するため、下水の再生利用に積極的に取り組んでいます。再

生水は農業のみならず工業用にも利用されるため、人口増と

工業開発による水需要の増大や海水淡水化コストの上昇など

多くの問題を解決する手段として、重要な役割を担うものと

期待されています。リヤド州、カシーム州、東部州など各地

において、近代的な下水処理プラントが建設されています。

また、サウジアラビアには、集中型下水処理施設および分散

型下水処理施設があり、後者の幾つかは政府によって所有さ

れています。

沿岸の市町村や人口が密集している内陸都市部の多くは飲

料用水を海水淡水化水に依存しており、サウジアラビアは今

や世界最大の淡水生産国になっています。淡水化事業の責任

機関は政府の「海水淡水化公団(SWCC)」です。同公団は現

在、合計28のプラントを操業しています。これらプラントの

2014年の年間総造水量は11億764万立方メートルで、総延長

約5,684キロの送水パイプラインによって、国内各地に供給さ

れています。

一般用・業務用上下WR料金(2016年1月現在)

月間使用量(立方メートル) 単価(SR/ 立方メートル)

上W 下W〜15 0.10(約3.3円) 0.05(約1.7円)

16〜30 1.00(約33円) 0.50(約17円)31〜45 3.00(約99円) 1.50(約50円)46〜60 4.00(約132円) 2.00(約66円)61以上 6.00(約198円) 3.00(約99円)

注:SR はサウジ・リヤルで、1リヤルは約33円。

海W淡W化プラントの総WW量と総発E量(SEEE)総WW量

(百万立方メートル)総発E量

(百万メガワット時)2010年 833.12 24.702011年 885.88 24.102012年 954.94 23.642013年 1,006.56 24.882014年 1,107.64 29.69

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PORT【港 湾】

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サウジアラビアには主要港が10港(商業港7、工業港3)

あり、サウジ港湾局によって管理されています。商業港は紅

海側にあるジェッダ・イスラミック港、ヤンブー商業港、ジ

ザーン港、ディバ港、KAEC(King Abdullah Economic City)

のキング・アブドラ港、そしてアラビア湾側のキング・アブ

ドルアジーズ港(ダンマン)、ジュベイル商業港の合計7港で

す。工業港は紅海側にあるヤンブーのキング・ファハド工業

港、そしてアラビア湾側のジュベイルのキング・ファハド工

業港、ラス・アル・ヘイル港の3港です。これら10港以外に

石油積出港としてサウジアラムコのラス・タヌーラやジュア

イマのほか小規模な港があります。上述の10港のうち、KAEC

のキング・アブドラ港を除く9港が取り扱った2013年の年間

総貨物量は約1億9,476万トン(荷揚げ6,449万トン、荷積み

1億26万トン)で、前年より3.7%増加しています。2大商業

港と工業港の概要は以下の通りです。

(1)ジェッダ・イスラミック港取扱貨物量が国内第1位の商業港で、合計58のバースを有

しています。バースの内訳は、一般貨物用22、コンテナ貨物

用11、ローロー船・旅客用10、穀物用7、冷蔵貨物用4、植

物油・砂糖用2、生きた家畜用2です。2013年の年間取扱貨

物量は前年比3.7%減の約6,038万トン(荷揚げ4,111万トン、

荷積み1,926万トン)に達しています。また、同港はマッカ巡

礼者の玄関口として昔から有名です。

(2)キング・アブドルアジーズ港(ダンマン)東部油田地帯に隣接する港で、商業港としては国内第2位

の規模を誇っています。一般貨物、コンテナ貨物、穀物のほ

か、肥料やセメントなどを専用に取り扱うバースなど合計39

のバースを備えています。2013年の年間取扱貨物量はジェッ

ダ・イスラミック港およびヤンブーとジュベイルのキング・

ファハド工業港に次いで第4位の約2,903万トン(荷揚げ

2,341万トン、荷積み560万トン)でした。

(3)キング・ファハド工業港ジュベイルおよびヤンブーにあるキング・ファハド工業港

は工業都市の開発計画に基づき建設された近代的設備を有す

る工業港で、ヤンブー工業港は紅海岸に、そしてジュベイル

工業港はアラビア湾岸に位置しています。鉄鉱石などの工業

用原材料の輸入および石油化学製品や石油製品の輸出港で

す。

・ヤンブー工業港

一般貨物・コンテナ貨物、石油製品(ベンジン、ディーゼ

ル油他)、天然ガス(ブタン、プロパン、ナフサ)、石油化学

製品(グリコール、プロピレンなど)、原油、硫黄などを扱う

専用バースが23あります。2013年の年間取扱貨物量は約

3,976万トン(荷揚げ912万トン、荷積み3,064万トン)で前年

より6.1%増加しています。

・ジュベイル工業港

国内最大の工業港で、6種類の石油製品用バースが2、4

種類のLPG製品用バースが1、18種類の化学製品用バースが

5など、合計27のバースを有しており、内19バースがフル稼

働しています。2013年の年間取扱貨物量は約4,463万トン(荷

揚げ803万トン、荷積み3,660万トン)に達しています。

PP別年間取扱貨物量(単位:トン)

2012年 2013年 増減(%)ジェッダ・イスラミック港 62,723,382 60,384,380 -3.72キング・ファハド工業港

(ジュベイル) 45,872,338 44,633,647 -2.70

キング・ファハド工業港(ヤンブー) 37,492,224 39,764,898 +6.06

キング・アブドルアジーズ港(ダンマン) 27,364,487 29,026,543 +6.07

ジュベイル商業港 6,786,596 9,107,264 +34.19ジザーン港 1,556,771 3,719,423 +138.91ヤンブー商業港 2,491,928 3,224,951 +29.45ラス・アル・ヘイル港 2,291,065 3,100,405 +35.32ディバ港 1,143,289 1,803,415 +57.73

合 計 187,722,080 194,764,927 +3.75

PP別旅客数(単位:人)

2012年 2013年 増減(%)ディバ港 618,376 555,192 -10.21ジザーン港 436,365 414,952 -4.90ジェッダ・イスラミック港 318,011 327,303 +2.92ヤンブー商業港 84,725 50,480 -40.41

合 計 1,457,477 1,347,927 -7.51

PP別コンテナ取扱量(単位:TEU)

2012年 2013年 E増減(%)ジェッダ・イスラミック港 4,738,002 4,561,368 -3.72キング・アブドルアジーズ港

(ダンマン) 1,619,684 1,659,281 +2.44

ジュベイル商業港 244,718 326,259 +33.32キング・ファハド工業港

(ヤンブー) 26,443 18,139 -31.40

ヤンブー商業港 51 24 -52.94合 計 6,628,898 6,565,071 -0.96

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AIRPORT【空 港】

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サウジアラビアでは、航空機が国民の重要な交通手段にな

っています。国内の主要都市と地方都市を結ぶ国内航空網は

十分に整備されており、現在28の空港が各地に開設されてい

ます。そのうち、(1)キング・アブドルアジーズ国際空港(ジ

ェッダ)、(2)キング・ハーリド国際空港(リヤド)および

(3)キング・ファハド国際空港(ダンマン)の3空港は、最

新設備と施設を備えた世界でも屈指の近代的な国際空港で

す。かつては、入国審査に長い時間を要することが多かった

のですが、2014年頃からリヤド空港を皮切りに大幅な改善が

なされています。

1981年4月に開港したキング・アブドルアジーズ国際空港

は、ジェッダの北19キロに位置しており、105平方キロの敷地

面積を有しています。南北2つのターミナルと特別機用のター

ミナルに加え、マッカ巡礼者用の専用ターミナルも設けられて

います。このマッカ巡礼者用の専用ターミナルの上にはガラス

繊維の布でできたテント状の構造を持つ屋根群がかかってお

り、これらは当時の日本鋼管(現JFEスチール)および太陽工

業による日本の技術が使われています。2014年の乗降客数は

約2,796万人(国内線873万人、国際線1,923万人)、取扱貨物量

は約50万トンでした。同空港は、2030年までに旅客収容能力

を年間7,000〜8,000万人までに拡大する計画となっています。

キング・ハーリド国際空港は首都リヤドへの玄関口として1983

年に開港しました。広さは225平方キロ、ターミナル数は特別機

用を含め合計4、滑走路(4,200メートル)は2本あり、付設の壮

麗なモスクが空港のランドマークになっています。2014年に同空

港を利用した旅客数は約2,005万人(国内線1,027万人、国際線

977万人)、取扱貨物量は約37万800トンでした。

国際空港の中で一番新しく、かつ、国内は勿論のこと世界

でも最大級の規模を誇っているのが1999年12月に開港した

キング・ファハド国際空港です。ダンマンの北西50キロ、ジ

ュベイル工業都市の南西75キロに位置する同空港は776平方

キロの広い敷地に、国内線用、国際線用および王室専用の3

ターミナルと4,000メートルの滑走路を2本有しています。

2014年の乗降客数は約790万人(国内線345万人、国際線444

万人)、取扱貨物量は約11万トンでした。

一方、地方空港はマディーナやヤンブー、タブーク、ナジュ

ラーン、ターイフなど国内23の地域に分散しています。これら

24の地方空港を2014年に利用した旅客総数は約1,202万人を

数え、また、1万3,128トンの貨物が取り扱われました。

全国26の空港における2014年の総乗降客数は約7,475万人

(前年比9.73%増)、取扱貨物量は約101万9,810トン(前年比

3.70%減)となり、空港別では乗降客数、取扱貨物量ともに

ジェッダのキング・アブドルアジーズ国際空港が1位でした。

また、同年の総発着便数は約58万9,200便で、前年より4.16%

増加しています。

国内線は、国営の「サウジアラビア航空(SAUDIA)」と「フ

ライナス(Flynas)」が運営しています。1945年にわずか1機

の航空機でもって設立されたサウジアラビア航空は、今や

ボーイング747型ジャンボ機やエアバスなど119機あまりを保

有する中東地域最大の航空会社に成長しています。三大都市

のリヤド、ジェッダおよびダンマン間に毎日10便あまりのシャ

トル便が運航されているほか、各地方空港も数多くの便で結

ばれています。また、同社の国際線はアジア、ヨーロッパ、北

米、アフリカなど世界各地域の50以上の主要都市に乗り入れ

ており、国内線・国際線を合わせた年間利用客は約2,520万人

(2013年)に達しています。また、2007年には、サウジ初の格

安航空会社であるフライナスが国内航空会社として操業を開

始しました。同社は、国内外の25都市に乗り入れており、2014

年の国内線・国際線を合わせた利用客数は約650万人で、前年

から倍増しています。同社の誕生以降、国内線における航空

会社間の競争は高まりつつあります。一方、フランス航空、英

国航空、ルフトハンザ航空、KLM、エジプト航空など、50社

あまりの外国航空会社が国内の国際空港に乗り入れていま

す。現在、日本とサウジアラビアを結ぶ定期直行便は運航さ

れていません。

地方・国際AP別乗降客数(単位:千人)

2010年 2011年 2012年 2013年 2014年地方空港

(24空港) 6,386 7,594 9,433 10,555 12,015

国際空港(4空港) 41,567 46,866 55,339 57,565 62,734

合 計 47,953 54,460 64,772 68,120 74,749

国際AP(4AP)乗降客数(単位:千人)

国内線 国際線 特別機など 合R計2010年 16,629 24,593 416 41,6382011年 17,991 28,474 402 46,8672012年 21,155 33,758 426 55,3392013年 21,961 35,151 453 57,5652014年 24,433 37,809 492 62,734

国際AP(4AP)取扱貨物量(単位:トン)

国内線 E国際線 特別機など 合R計2010年 100,761 532,468 6,166 639,3952011年 94,453 639,352 9,760 743,5652012年 111,214 882,521 9,827 1,003,5622013年 108,675 923,802 13,012 1,045,4892014年 88,016 902,061 16,600 1,006,677

地方・国際AP別取扱貨物量(単位:トン)

2010年 2011年 2012年 2013年 2014年地方空港

(24空港) 14,224 14,904 14,766 13,579 13,129

国際空港(4空港) 639,395 743,565 1,003,562 1,045,489 1,006,676

合 計 653,619 758,469 1,018,328 1,059,068 1,019,805

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RAILROAD【鉄 道】

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現在、稼働している主要な鉄道の経路はリヤド=ダンマン

間となっています。この「リヤド=ダンマン鉄道」の建設工

事は1947年9月、国有化される前のアラビアン・アメリカン・

オイル・カンパニー(アラムコ)によって開始されました。

当時、リヤド=ダンマン間の道路が十分に整備されていなか

ったため、ダンマン港で荷揚げされた物資を内陸のリヤドに

輸送する交通手段としてこの鉄道路線が建設されたもので、

1951年10月に571キロの単線が開通しました。その後1985年

に至り、リヤド=ホフーフ間の経路を短縮した新線(約449

キロ)が開通し、リヤド、ダンマン、ホフーフの各駅舎も新

築 さ れ ま し た。現 在、「サ ウ ジ 鉄 道 公 団(Saudi Railways

Organization)」が同国の鉄道事業の統括責任機関として、旅

客路線(約449キロ)と貨物路線(約556キロ)の運営を行な

っています。

旅客便はリヤド駅とダンマン駅からそれぞれ1日5便が運

行されており、途中の停車駅はホフーフ駅とアブーカイク駅

で、リヤド=ダンマン間の所要時間は約4時間半、大人1人

の片道料金は1等が65リヤル(約2,100円)、2等が38リヤル

(約1,200円)、3等が30リヤル(約1,000円)です。切符は乗

車日の6カ月前から各駅または電話にて予約することができ

ますが、乗車時刻の72時間前までに購入しなければ、予約は

無効になります。リヤドやダンマンの駅にはレストラン、売

店、待合室、礼拝場所、切符販売・予約窓口、現金自動預入

支払機(ATM)、メーター制の駐車場などが完備されており、

また、駅の営業時間はダンマンとアブーカイクが24時間、リ

ヤドとホフーフが午前6時から翌朝の午前1時までとなって

います。一方、貨物の輸送運賃はコンテナの大きさなどによ

り異なりますが、20フィートコンテナおよびそれ以下の場

合、一般貨物は650リヤル(2万1,400円)、冷凍貨物が1,125

リヤル(3万7,000円)です。貨物の保管・通関手続きを行な

う「ドライ・ポート(Dry Port)」と称される施設が1981年に

リヤドに開設されたため、ダンマン港で陸揚げされる輸入物

資を同港での通関手続きを経ずに直接、リヤドに鉄道輸送す

ることが可能になりました。ドライ・ポートの敷地面積は91

万8,639平方メートルで、一般貨物と冷凍物資用の倉庫を備え

ています。コンテナ取扱能力は年間20万TEU(20フィートコ

ンテナ換算個数)超で、取扱量は年々増加しており、1980/81

年度の2万1,000TEU から2007/08年度には約39万8,000TEU

へと約19倍に増えています。

鉄道は、一度に大量物資の輸送を可能にする経済性や輸送

時間の正確性、安全性など各面においてトラック輸送より優

れているため、サウジアラビア政府は鉄道網の拡張計画を推

進しており、一部が実施に移されています。中でも、最高経

済評議会によって承認された、(1)サウジ鉄道・ランドブリ

ッジ(Saudi Railway Landbridge)、そして、現在建設中であ

る(2)ハラメイン高速鉄道(Haramain High Speed Railway)

の2大プロジェクトがその実現に向け動き出しています。サ

ウジ鉄道・ランドブリッジは、紅海とアラビア湾を鉄道で結

ぶことを目的に、リヤド=ジェッダ間とダンマン=ジュベイ

ル間にそれぞれ950キロと115キロの新線を建設するととも

に、既存のリヤド=ダンマン路線を改良するプロジェクトで

す。一方、ハラメイン高速鉄道は、主として大量の巡礼者を

輸送する目的で、ジェッダからマッカとマディーナへ、そし

てジェッダ=マディーナ線からヤンブーへ延伸する高速鉄道

をそれぞれ新たに敷設するプロジェクトです。現在、鉄道用

地の造成、鉄橋の建設、主要駅(ジェッダ、マッカ、マディー

ナ、アブドゥッラー国王経済都市)の建設、鉄道車両の準備

が進められており、2015年末の運行開始を目指しています。

サウジ鉄道・ランドブリッジは民間部門による BOT(建設、

操業、移転)方式にて実施される予定です。また、ハラメイ

ン高速鉄道はEPC(エンジニアリング、調達、建設)方式に

て実施されています。上記2大プロジェクトの他に、南北線

(The North-South line)と呼ばれる鉄道の建設も進められて

おり、この内、ジャラミドのリン鉱石、ザビラのボーキサイ

トを東部の湾岸工業団地に運ぶ路線はすでに稼働していま

す。

旅客R線駅間距離(単位:キロメートル)

リヤド ホフーフ アブーカイク ダンマンダンマン 449 139 74 −

アブーカイク 375 65 − 74ホフーフ 310 − 65 139リヤド − 310 375 449

都市交通としては、リヤドの渋滞や大気汚染などの都市問

題を解消すべく、リヤドメトロが建設中である他、メッカ市

内の巡礼ポイントを結ぶメッカメトロなど、複数のメトロプ

ロジェクトが計画されています。

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COMMUNICATION【通 信】

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サウジアラビアの通信部門は1970年代後半から設備、サー

ビス面共に飛躍的な発展を遂げています。最先端技術による

通信網が国内全土をカバーしており、都市部のみならず地方

の農村部においても郵便、電話、ファクシミリ、インターネ

ットなどの最新の通信サービスを利用することができます。

◆ 電 話通信部門民営化の一環として1998年に設立された「サウ

ジ・テレコム社(STC)」が光ファイバー・ケーブルを整備

し、電話通信網の改良・拡張を進めています。現在、サウジ

アラビアには STC のほかに2つの携帯電話事業者がありま

す。2012年末現在、固定電話と携帯電話の回線数は各々約480

万回線と約5,300万回線に達しています。国内および国際電話

の通話状態は非常に良好で、国内は勿論のこと世界200カ国

以上の国々に電話をかけることができます。また、インター

ネット電話を使用した国際通話も可能です。携帯電話サービ

スはSTCが独占的に行なってきましたが、2005年5月から国

内で2番目の携帯電話事業者である「エティハード・エティ

サラート社(Etihad Etisalat):通称モバイリィ(Mobily)」が

サービスを開始しました。その後、2008年8月には、クウェ

イトの MTC 社が権益を保有する「ザイン(Zain)・サウジア

ラビア」がサービスを開始しており、携帯電話(4G)の利

用者は急速に増加しています。

1985年、サウジアラビアはアラブ連盟の加盟国と共同でア

ラブ世界初の通信衛星、アラブサットの打ち上げに成功しま

した。現在、国内に設置されている7局の地上衛星ステーシ

ョンがインテルサットにリンクし、国際通信ネットワークを

強化しています。1987年に完成した「キング・ファハド・テ

レコミュニケーションズ・シティ」は中東地域最大の規模を

誇る地上衛星ステーションであり、またアラブ世界の主要な

通信衛星であるアラブサットの地上衛生ステーションです。

◆ インターネットインターネット・サービスも普及しており、市内にはイン

ターネット・カフェが多くあります。また、2001年にブロー

ドバンド(ADSL)サービスが導入されたことで、通信状況

は 改 善 さ れ ま し た。イ ン タ ー ネ ッ ト の プ ロ バ イ ダ ー は

AwalNet、Integrated Telecom Company、SaudiNet など20社

以上が営業しており、それぞれ独自のサービス・料金プラン

を提供しています。

◆ 郵 便郵便事業は2002年10月の閣僚会議決議によって設立され

た「サウジ郵便公社(Saudi Postal Corporation : SPC)」、通称

サウジ・ポスト(Saudi Post)が中心になって運営されてい

ます。SPC 管轄の郵便局の他に、民間経営の郵便局もありま

す。住所の概念がない当国では、郵便物の受け取りは、最寄

の郵便局に備え付けの私書箱で受け取るシステムになってお

り、私書箱の使用料金は3年間で300リヤル(約10,000円)で

す。サウジアラビアから日本宛の郵便物は通常、1週間〜10

日で届きますが、クリスマスカードなど4週間ほどかかるも

のもあります。一方、速達(Express Mail Service:EMS)を

利用すれば、3〜4日で到着します。また、TNT や DHL、

Aramex、FedExなど国際大手運送会社の宅配サービスを利用

することもできます。なお、サウジ・ポストは郵便物の各家

庭や事務所などへの個別配達サービス(有料制)も提供して

います。

CC関連費用(単位:SR):STC の場合

電話架設料 無料電話基本料金(月額) 99.00(約3,300円)市内通話料 無料他の事業者向け固定電話通話料

(1分当り) 0.15(約5円)

携帯電話への通話料(1分当り) 0.40(約13円)日本向け固定電話通話料(3分) 2.97(約100円)携帯電話加入料 30.00(約1,000円)国内携帯通話料(1分当り) 0.55(約18円)日本向け(ピーク時間帯)携帯電話通話料(3分) 7.80(約260円)

インターネット接続料(電話回線)(1カ月定額)

149.00〜199.00(約4,970〜6,640円)

インターネット接続料(ブロードバンド)(1カ月定額)

449.00〜474.00(約14,980〜15,810円)

サウジアラビアから日本宛封書郵便料金の例(単位:SR)

51g未満まで 51g以上101g未満まで

101g以上251g未満まで

普通郵便 4(約130円) 7(約230円) 16(約530円)速達郵便 500g まで145(約4,800円)

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Page 18: Saudi Arabia - JCCME一般財団法人 サウジアラビア王国の産業基盤 2015年度改訂版 Saudi Arabia サウジアラビア王国の産業基盤 Saudi Arabia 発行者

INDUSTRIAL CITIES & ESTATES【工業都市・団地】

◆ 工業都市サウジアラビア政府は工業化促進のため、アラビア湾

に面したジュベイル(ダンマンの北約77キロ)と、紅海岸

に位置するヤンブー(ジェッダの北西約350キロ)の両地

域を工業都市として開発することを決定し、その担当責

任機関として「ジュベイル・ヤンブー王立委員会(Royal

Commission for Jubail and Yanbu)」を1975年9月に設立しま

した。同委員会の主導の下、極めて大規模な両地域の都市

開発が順次開始され、工業地区と居住区の整備をはじめ港

湾の浚渫工事などが急速に進められました。その結果、ジュ

ベイルとヤンブーは開発工事開始からわずか10年余りで世

界屈指の近代的な工業都市に変貌しました。両工業都市の

開発に投下された資金は200億ドルあまりに達しています。

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Page 19: Saudi Arabia - JCCME一般財団法人 サウジアラビア王国の産業基盤 2015年度改訂版 Saudi Arabia サウジアラビア王国の産業基盤 Saudi Arabia 発行者

豊富な石油・ガス資源を利用した基幹産業、その副次産

品を原料とする二次産業、そしてこれら産業に必要なサー

ビスを提供する補助産業が両工業都市に誘致されていま

す。合計200を超える業種の産業が両都市に進出しており、

累積投資額は総額1,000億ドル超となっています。工業地

区には、輸出用製油所や石油化学プラント、NGLプラント、

発電所、海水淡水化プラント、港湾施設などが立ち並び、

壮大な景観を呈しています。一方、居住地区は街路樹が植

えられた美しい町並みになっており、大規模ショッピング

センター、レストラン、高級ホテルなどの西洋風建物をは

じめ、幼稚園や小・中学校、技術専門学校、病院、モスク

などが建てられています。

現在、ジュベイル工業都市の拡張計画が進められてい

ま す。「第 2 ジ ュ ベ イ ル 工 業 都 市(Jubail Industrial City

Ⅱ)」と称される新工業都市が現工業都市の北側に建設さ

れ、19の基幹産業のほか二次産業、補助産業も進出する

予定です。建設計画は4段階に分かれており、第1期計画

は2004年に開始され、2007年に完了しました。全計画は

2022年までに終了し、建設費は総額約37.3億ドルとなる見

込みです。本計画の実施により、新たに5,500人の直接雇

用と330,000人の間接雇用が創出されると見込まれていま

す。さらには、アラビア湾に面したラス・アル・ヘイル(ジュ

ベイルの北約60キロ)に鉱工業を中心とした新たな大規模

工業都市の建設が進められています。

◆ 工業団地上記のジュベイルとヤンブーの両工業都市以外に、サウ

ジアラビア政府は中小企業の育成を主目的とした工業団地

を国内各地に設立しています。2015年8月現在、リヤド、

ジェッダ、ダンマン、アハサー、カシーム、マッカ、マディー

ナ、ジョウフ、アシール、タブーク、ハーイル、ナジュラー

ン、ハルジュ、ジザーン、アラール、スデイルの各地に設

置されている工業団地では、すでに各種製造工場が進出・

稼動しています。また、ズルフ、ターイフ、シャクラ、バ

ハでも開設される予定です。これらの工業団地では、電力、

水道、下水、通信などのインフラ施設の整備が進められて

おり、また、日常生活に欠かせない商業施設、医療・保健

施設、警察署、消防署、郵便局、モスクなども整備されて

います。工業団地に進出する企業には、借地料、ユーティ

リティ使用料金、租税、資金面などにおいて様々なインセ

ンティブが付与されています。例えば、借地料は1平方メー

トル当り年間1-5SR(32-160円)です(製造用地かサービ

ス用地かで価格体系が異なる他、製造用地の場合には最初

に手数料がかかります。)電気料金は消費時季に応じて1

キロワット時当り12〜15ハララ(約4円〜5円)、水道料

金は使用目的(飲用、排水用、工業用)に応じて1立方メー

トル当たり1.71〜7.47リヤル(約57円〜247円)に設定さ

れています。2001年11月、閣僚会議決議にて「サウジ工

業用地公団(Saudi Industrial Property Authority, MODON)」

が設立されました。同公団は、工業団地の開発戦略の立案・

実施や関係規則・手続きの制定など、団地の効率的な設立・

開発・管理・運営・維持のための諸業務を担っています。

◆ 投資インセンティブサウジアラビア政府は外国投資のさらなる誘致を目指

し、2000年4月に新外国投資法を制定しました。同法の

規定に基づき、投資全般の統括責任機関として、「サウ

ジアラビア総合投資院(Saudi Arabian General Investment

Authority : SAGIA)」が設立され、また、外国人投資家は

主として次の投資インセンティブを享受できるようになり

ました。

(1)外資100%出資による新会社の設立

(2) サウジアラビア事業体が享受しているすべての特典、

インセンティブ、保証の付与。これには合弁事業も含

まれる。

(3) 損失の無期限繰越と、利益発生時の所得税からの損失

控除

(4) 課税所得が10万リヤル(約320万円)を超える法人所

得税率の45%から20%への引き下げ

(5) 資本、利益、配当金の全額の国外移転

(6) 外国投資プロジェクトのパートナーによる、パートナー

間およびその他第3社間における株式移転の自由

(7) サウジ工業開発基金およびその他の金融機関からの優

遇条件による工業ローンの借り入れ

(8) 認可事業の実施に必要な商業不動産および従業員用を

含む住宅不動産の所有

2007年には、外国製造業の誘致による産業クラスター

形成を図るため、国家産業クラスター開発計画庁(NICDP:

National Industrial Clusters Development Program)が 設 立

されました。自動車関連、鉱物資源および金属加工関連、

プラスチックおよび包装関連、太陽光発電関連、製薬およ

びバイオテクノロジーといった重点分野を中心に、海外企

業の誘致に関する活動をしています。

なお、(一財)中東協力センターでは、上記のような機

関と連携もしながら、日本企業のサウジアラビア進出を支

援しています。

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OIL・GAS【石油・ガス】サウジアラビアは世界屈指の原油埋蔵量を誇り、世界最

大の原油生産・輸出国です。2014年末の確認埋蔵量は2,665

億7,800万バーレルで、世界全体の約17.9%を占めていま

す。2014年における同国の年間平均生産量は日量971万

2,700バーレルですので、これを基に計算するとこの確認埋

蔵量は約75年分の生産量に相当します。一方、天然ガスの

確認埋蔵量は世界全体の4.2%強の約299兆7,800億立方フ

ィートを占め、ロシア、イラン、カタール、トルクメニス

タン、米国に次いで世界第6位の座を占めています。

サウジアラビアの炭化水素資源に関する最高意思決定機

関は、これまでは2000年1月に設立された「最高石油・鉱

物 評 議 会(Supreme Council for Petroleum and Mineral

Affairs)」が担ってきました。同評議会は、石油、ガスなど

の炭化水素資源に関する国家政策や戦略、サウジアラムコ

の事業計画などを審議・決定し、その決定に基づきサウジア

ラムコが石油・ガス事業を包括的に実施してきました。サル

マン皇太子の新国王就任に伴い、2015年1月に同評議会は

廃止され、代ってムハンマド副皇太子を議長とし22閣僚を

従える「経済・開発事項最高評議会」が新設され、エネル

ギー政策全般に関する決定は同評議会が担うこととなりま

した。さらに4月にはサウジアラムコの最高意思決定機関と

して、同じくムハンマド副皇太子を議長とし閣僚・アラムコ

幹部から成る「アラムコ最高評議会」が新設されました。

世界有数の産油国とはいえ、長引く原油安、シェールオ

イル・ガスの台頭、また人口増加に伴う電力・水・燃料(自

動車・航空機)向けの石油自国消費の急増、さらに電力・

水・燃料の公定価格を格安に抑えるための莫大な国庫補助

(年間10数兆円と言われる)など、エネルギー政策の舵取

りはサウジアラビアにとって、短期・長期両面で最重要課

題となっています。

◆ 原油・ガス生産原油の生産量については、現在、OPEC の国別での生産

割当枠は決められてはいませんが、2014年末現在、日量971

万2,700バーレルとなっています。現在、サウジアラビアに

は110を超える石油・ガス田がありますが、その多くが未

開発のまま残されており、また、開発油田の内、世界最大

のガワール油田(陸上)とサファニア油田(海上油田では

世界最大)の2大油田を含む8あまりの油田が同国の確認

埋蔵量と原油・ガス生産量の大部分を賄っています。ガワー

ルとサファニアのほか、アブーハドリーヤ、アブーカイク、

カティーフ、アブーサファー、ベリー、ズルフ、マルジャ

ンなど1940年代から発見された古い油田に加え、1950年代

後半に発見され2009年から2013年にかけて本格的な生産

を開始したフライス(リヤド東部)、フラサニヤ(ジュベイ

ルの北西)、マニファ(アラビア湾沿岸の海上)、1968年に

発見され1998年から本格的な生産を開始したシュアイバ

油田(アブダビとの国境沿いのルブ・アルハーリー砂漠の

一角)、そして1989年以降にリヤド南部で発見されたヌア

イイム油田を含むナジド油田群など、新規油田の発見と開

発が国内各地で相次いでいます。また、サウジアラビアと

クウェイトとの分割地帯(旧中立地帯)の陸上では、「サウ

ジシェブロン(Saudi Arabian Chevron : SAC)」とクウェイ

トの「クウェイト・ガルフ石油会社(Kuwait Gulf Oil Company

: KGOC)」が折半出資する「ワフラ共同操業機構(Wafra

Joint Operations : WJO)」がワフラ、南フワリス、南ウンム・

グダイルの3油田の操業を行なっており、一方、同地帯沖

合いにあるカフジ、フート両油田は、サウジアラムコの子

会社「アラムコ・ガルフ・オペレーションズ社(Aramco

Gulf Operations Company : AGOC)」と KGOC との共同出資

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会社(各50%出資)である「カフジ共同操業機構(Al-Khafji

Joint Operations : KJO)」によって操業が行われています。

サウジアラビアの天然ガスは、原油の生産とともに産出

される石油随伴ガスが中心で、ガス埋蔵量の約57%を随伴

ガスが占めています。火力発電用燃料、海水淡水化用燃料、

そして石油化学の原料として天然ガスはサウジアラビアの

工業化に重要な役割を担っています。石油化学産業の原料

と燃料用として、ジュベイル、ヤンブー両工業都市に天然

ガスを供給するため、サウジアラビア政府は1975年に当時

のアラムコに対し、包括的なガス処理施設および国内ガス

配送ネットワークである「マスターガス・システム(Master

Gas System : MGS)」の建設と操業を要請しました。同社は

ガワール、サファニア、ズルフ、フライスなどの油田にガ

スセパレーターやガス圧縮施設を建設すると共に、随伴ガ

ス処理プラントをベリー(1977年)、シェドグム(1980年)、

ウスマニア(1981年)の各油田に建設しました。これら3

基のプラントはその後、構造性ガスも処理できるよう改造

されています。年々増大するガス需要に対応するため、構

造性ガスのみを処理する目的で2001年に第4番目のガス

処理プラントがハウィーヤ油田に、第5番目のプラントが

2003年にハラド油田に、そして第6番目のプラントが2010

年にフラサニヤ油田に建設され、操業を開始しました。こ

れら3基の新プラントに加えて、現在、アラビア湾内にあ

るアラビアとハスバのアラビア湾内の両海上ガス田から生

産された構造性ガスを処理するプラントがワシット(ジュ

ベイルの北部)に建設されており、今後、MGSの処理能力

のさらなる拡大が見込まれています。一方、サウジアラビ

ア政府は天然ガスの開発を外国企業に開放することを決定

し、1998年末からガワール油田南部や紅海のバルカン海上

油田などにおけるガス開発プロジェクトへの参画を国際石

油企業に要請しました。2003年11月、ルブ・アルハーリー

砂漠のキダン油田、シュアイバ油田の構造性ガス田の開発

プロジェクトがシェル(出資比率40%)、トタール(同30

%)およびサウジアラムコ(同30%)の3社間で合意され、

「南ルブ・アルハーリー会社(South Rub Al-Khali Company)」

が設立されました。その後、ロシアの「Lukoil」、中国の

「Sinopec」、イタリアの「Eni」、スペインの「Repsol」など

がサウジ国内のガス開発に乗り出しています。

◆ 石油精製サウジアラムコと外国企業との折半出資による5合弁製油

所を含め、ラス・タヌーラ、リヤド、ジェッダなど国内各地

に合計9つの製油所があります。2014年の総生産能力は約

290万7,000バーレル/日、ガソリンや軽油などの石油精製品

の総生産量は約220万2,300バーレル/日でした。合弁製油所

は、ジュベイルにある「Saudi Aramco Shell Refinery Company

(SASREF)」と「Saudi Aramco Total Refining and Petrochemical

Company(SATORP)」、ヤ ン ブ ー の「Saudi Aramco Mobil

Refinery Company(SAMREF)」と「Yanbu Aramco Sinopec

Refining Company(YASREF)」、そしてラービグの「Rabigh

Refining & Petrochemical Company(Petro Rabigh)」です。

これらの製油所以外に、潤滑油を生産する合弁精製会社と

して、「Saudi Aramco Lubricating Oil Refining Company

(LUBEREF)」と「Petromin Corporation」の2社があります。

◆ 輸 送1979 年 に 設 立 さ れ た The National Shipping Company of

Saudi Arabia(Bahri)は、1984年にサウジアラムコの100%

子会社として設立された Vela International Marine Limited

を2014年に買収するなどして、サウジアラムコへの Very

Large Crude Oil Carrie(VLCC)による輸送サービスの提供

者となっています。VLCC を32隻所有しており、世界的に

も最大規模の海上輸送会社となっています。

◆ 海外進出サウジアラムコは原油の安定的な販売と販路確保などを

目的として、海外の石油精製事業にも積極的に進出してい

ます。現在、サウジアラムコが出資している石油企業は次

の4社です。(1)Motiva Enterprises LLC(出資比率50%)、

米 国、(2)S-Oil Corporation(同 63%)、韓 国、(3)Fujian

Refining & Petrochemical Company Limited(同25%)、中国、

および(4)昭和シェル石油(同14.9%)、日本。また、サ

ウジアラムコは在エジプトの原油パイプライン操業会社、

「Arab Petroleum Pipeline Company(SUMED)」にも権益(15

%)を保有しています。

国内精製関連統計(単位:千バーレル/日)

2012年 2013年 2014年精製能力 2,107.0 2,507.0 2,907.0生産量 1,927.1 1,841.7 2,202.3輸出量 862.0 794.0 988.0

OO関連統計2012年 2013年 2014年

埋蔵量(百万バーレル) 265,850.0 265,789.0 266,578.0

生産量(千バーレル/日) 9,763.0 9,637.0 9,712.7

輸出量(千バーレル/日) 7,557.0 7,571.0 7,153.0

ガO関連統計(単位:10億立方フィート)

2012年 2013年 2014年埋蔵量 290,816 293,712 299,782生産量 3,927 4,030 4,121

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PETROCHEMICALS【石油化学】

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石油依存経済からの脱却を実現するため、サウジアラビ

ア政府は工業化推進の柱として石油随伴ガスを利用した石

油 化 学 産 業 の 開 発 に 着 手 し、1976年 に そ の 担 い 手 と し

SABIC を設立しました。現在、SABIC はサウジアラビア政

府(持分70%)ならびに、サウジおよびGCC諸国の民間投

資家(同30%)によって所有されています。設立以来、

SABIC はナショナル・プロジェクトの事業主体として先進

工業国企業と合弁形式で石油化学プロジェクトを推進する

と共に、鉄鋼や産業用ガスなどの事業も手がけています。

2014年末現在、SABIC傘下の製造企業21社がジュベイルと

ヤンブーの両工業都市でそれぞれ操業を行なっています。

特 に、2006 年 に 設 立 さ れ た 株 式 会 社、「Yanbu National

Petrochemical Company : YANSAB」のプラントが2010年3

月にヤンブーにて商業運転を開始しました。同プラント

は、SABIC の所有する石油化学コンビナートの中でも最大

級の規模を誇っています。このほか、2007年に設立された

株 式 会 社、「Saudi Kayan Petrochemical Company : Saudi

Kayan」のプラントが2010年10月にジュベイル工業都市に

て商業運転を開始しました。一方、SABIC は海外にも進出

しており、バハレーンには SABIC 出資の合弁企業が3社あ

り、その内2社がアルミニウム製造会社、1社がアンモニ

ア、尿素、メタノールの生産会社です。また、ヨーロッパ

では「SABIC Petrochemicals B.V.」がオランダで、そして

「SABIC Polyolefine GmbH」がドイツで石油化学製品の生産

基地を保有し、ポリプロピレン、ポリエチレンなどの製造、

販売事業を実施しています。SABIC は今や世界でも有数の

石油化学事業会社に成長しており、ポリエチレンとポリプ

ロピレンの生産量はそれぞれ世界第3位と第4位の地位を

占めています。SABIC の事業は、(1)基礎化学品(エチレ

ン、メタノール、スチレン、苛性ソーダ他)、(2)高機能化

学品(メタクリル酸メチル、ポリエチレン・グリコール、

ポリアセタール他)、(3)イノベーティブプラスチックス

(天然樹脂他)、(4)ポリマー(ポリ塩化ビニル、ポリスチ

レン、ポリエステル、ポリオレフィン他)、(5)肥料(アン

モニア、尿素他)、(6)金属(鋼板)、の6部門から構成さ

れています。これら6部門の総生産量は2001年の3,500万ト

ンから2013年の6,850万トンまで増加しています。業績面で

は、2014年度の純利益は前年度比7.6%減の233億リヤル(約

7,560億円)、売上高は0.5%減の1,881億リヤル(約6兆1,033

億円)を記録しています。

SABIC 傘 下 企 業 の 内、「Saudi Methanol Company(AR-

RAZI)」、「Eastern Petrochemical Company(SHARQ)」の 2

社は日本企業グループと SABIC の折半出資によって設立さ

れた合弁事業会社です。AR-RAZIは1979年に設立され、1983

年からジュベイル工業都市にて化学用メタノールの生産を

開始しました。一方、SHARQの設立は1981年で、低密度ポ

リエチレンとエチレングリコールが1985年からジュベイル

にて生産されています。なお、これら2社に加え、住友化

学工業がサウジアラビアの石油精製・石油化学事業分野に

新たに進出し、2005年9月に、サウジアラムコとの合弁で

「ペトロ・ラービグ社(Petro Rabigh)」を設立しました。同

社は、石油精製品から石油化学製品まで一貫生産を行なう

世界最大規模の大型プラントを建設し、2009年4月に商業

運転を開始しました。現在、ガソリンや灯油、ナフサなど

の石油精製品と、ポリエチレン、ポリプロピレン、モノエ

チレン・グリコールなどの石油化学製品を生産しています。

SRBEE 部門別の化P製品生産量(2013年)

部R門 生産量(単位:千トン)基礎化学品部門 42,845高機能化学品部門 441イノベーティブプラスチックス部門 1,343ポリマー部門 11,540肥料部門 6,531金属部門 5,890

OO化P関連主要会社(2015年)

場R所 操業開始 主な製品Saudi Methanol Co. ジュベイル 1983年 化学用メタノールSaudi Petrochemical Co. ジュベイル 1985年 エチレン、エタノールNational Methanol Co. ジュベイル 1985年 化学用メタノール、MTBESaudi-Yanbu Petrochemical Co. ヤンブー 1985年 エチレン、ポリエチレンArabian Petrochemical Co. ジュベイル 1985年 エチレン、ポリスチレンAl-Jubail Petrochemical Co. ジュベイル 1985年 ポリエチレン、エチレンEastern Petrochemical Co. ジュベイル 1985年 低密度ポリエチレンSaudi-European Petrochemical Co. ジュベイル 1988年 MTBE、ポリプロピレンArabian Industrial Fibers Co. ヤンブー 1995年 ベンゼン、キシレンYanbu National Petrochemical Co. ヤンブー 2008年 エチレン、プロピレンSaudi Kayan Petrochemical Co. ジュベイル 2010年 エチレン、プロピレン

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FINANCE【金 融】

サウジアラビアの金融システムは、国の中央銀行に相当

す る「サ ウ ジ ア ラ ビ ア 通 貨 庁(Saudi Arabian Monetary

Agency : SAMA)」、商業銀行、政府特殊金融機関ならびに株

式市場から構成されています。

◆ サウジアラビア通貨庁(SRCR)SAMA はサウジアラビアの中央銀行として1952年に設立

されました。SAMA の主な役割は次の通りです。

・国の通貨サウジ・リヤル(SR)の発行

・政府金融機関としての活動

・商業銀行、保険会社、リース会社、両替商の監督・指導

・政府外貨準備金の管理・運営

・物価・為替レートの安定を目的とした金融政策の実行

・金融制度の発展と安定の促進

・国内外資産の運用

◆ 商業銀行・政府特殊金融機関外国銀行との合弁銀行を含め、現在12の商業銀行がサウ

ジアラビア国内で営業を行なっています。歴史が最も古

く、かつ、サウジ最大の商業銀行は「National Commercial

Bank」です。また、2006年3月に設立された「Alinma Bank」

が一番新しい商業銀行です。各銀行の業績は年々拡大して

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Page 25: Saudi Arabia - JCCME一般財団法人 サウジアラビア王国の産業基盤 2015年度改訂版 Saudi Arabia サウジアラビア王国の産業基盤 Saudi Arabia 発行者

おり、2014年末の総資産は約2兆984億リヤル(約67兆

6,875億円)に達しています。2014年末現在、総数1,950の

支店が国内各地で営業を行っています。

政 府 の 特 殊 金 融 機 関 は、「農 業 開 発 基 金(Agricultural

Development Fund : ADF)」、「サウジ信用貯蓄銀行(Saudi

Credit and Savings Bank : SCB)」、「公 共 投 資 基 金(Public

Investment Fund : PIF)」、「サ ウ ジ 工 業 開 発 基 金(Saudi

Industrial Development Fund : SIDF)」および「不動産開発

基金(Real Estate Development Fund : REDF)」の5機関で、

それぞれの目的に沿った、無利子または低利子による融資

事業を実施しています。

◆ 株式市場サウジアラビアの株式市場は非公式な形で運営されてい

ましたが、2003年の資本市場法の公布以降、同国の株式市

場は資本市場庁の規制下にある公認市場となりました。そ

の後、2007年3月に、サウジ証券取引所(Tadawul)が誕

生したことは、同国の金融市場の発展を後押しする形とな

っています。2014年12月末現在、銀行、保険、工業、サー

ビスなど合計15部門に株式を公開している企業数は165社

に上っており、出来高、売買高、市場時価総額など急速に

伸びています。また、これまで、株取引はサウジ企業と国

民およびGCC(湾岸協力会議)加盟国の国民のみに認めら

れていましたが、2015年6月15日以降、海外投資家による

株式市場への直接投資が認められ、これを機に海外機関投

資家による取引拡大が期待されています。

商業銀行別支店・REC数(2014年末現在)

支R店 RECNational Commercial Bank 342 2,643

Riyadh Bank 318 −Banque Saudi Fransi 82 576Arab National Bank 156 −Saudi British Bank 81 854

Bank Al-Jazira 70 511Saudi Hollandi Bank 55 382

Saudi Investment Bank 48 429Al-Rajhi Banking &

Investment Corporation 552 −

Samba Financial Group 72 496Bank Al-Bilad 116 953Alinma Bank 58 1,022

合 計 1,950 −

特殊金F機関概要(貸出残高は2012年末現在、単位は百万 SR)

目R的 貸出残高農業開発基金 農家、農企業に対する資金支援 8,421サウジ信用貯蓄銀行 低所得者層および零細事業者への融資 25,257

公共投資基金 国営企業およびその合弁プロジェクトへの融資 72,199

サウジ工業開発基金 工業開発のための民間企業への融資 29,312

不動産開発基金 民間部門の住宅建設への資金支援 99,595

部門別株式取引統計(2014年、株価指数は1985年=1,000)

出来高(千株) 売買高(千SR) 株価指数 時価総額(百万SR)銀行部門 10,028,857 279,706,556 18,314.14 513,822

石油化学工業部門 10,866,373 332,611,730 5,857.20 423,283セメント部門 2,379,480 78,935,907 6,852.73 90,805サービス部門 2,035,020 129,827,694 15,518.48 75,987

電力部門 980,297 16,336,632 5,648.32 64,524農業・食品工業部門 3,880,567 171,529,017 11,669.72 122,678

通信部門 8,075,815 148,431,295 1,942.08 175,733保険部門 8,645,806 319,073,450 1,275.94 39,769

多角投資部門 2,364,293 63,044,668 3,679.06 73,576工業投資部門 3,892,702 162,773,077 6,592.86 57,520

ビル・建設部門 4,072,088 131,561,102 3,302.82 27,894不動産開発部門 11,300,335 198,436,591 5,915.87 99,223

運輸部門 1,277,638 48,277,410 7,242.87 19,830メディア・出版部門 373,466 18,669,392 2,200.66 3,809ホテル・観光部門 630,539 47,297,368 19,770.14 24,429

合 計 70,803,282 2,146,511,896 − 1,812,890注:時価総額は2014年12月31日の終値ベース。

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AGRICULTURE & FISHERIES【農水産業】

サウジアラビア政府は、食糧の安全保障、農村の過疎化

防止と所得向上、遊牧民の定着化などを目的として、農業

部門の育成を推進してきました。農民と農業会社への未開

墾地の無償提供、1962年設立のサウジ農業銀行を通じた農

民向け長期ローンの貸付と補助金の提供、低価格による種

苗の配布、農業指導、農業インフラの整備など、様々な農

業振興政策によって、農業部門は急成長を遂げています。

また、農畜産物の輸送に不可欠な農業道路は1970年の3,600

キロあまりから現在は10万キロ以上に達しています。農業

用水は主として海水から脱塩化された淡水と地下水に頼っ

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Page 27: Saudi Arabia - JCCME一般財団法人 サウジアラビア王国の産業基盤 2015年度改訂版 Saudi Arabia サウジアラビア王国の産業基盤 Saudi Arabia 発行者

ていますが、廃水の再生水利用も促進されています。主な

農業地域は、東部アル・ハサー地方やカティーフ地方のオ

アシス一帯、中央部リヤド近郊から北部のカシーム地域、

そして西南部のアシール地方です。大手農業会社経営や富

裕な農業者による近代的な大規模農場や世界最大級の牧場

なども各地に出現しています。農畜産物の生産高は増大を

続け、サウジアラビアは現在、デーツ、鶏卵、乳製品、一

部の野菜などにおいて自給を達成しています。

◆ 農畜産業主な農産物としては、デーツ(ナツメヤシ)、ナス、キュ

ウリ、トマト、ジャガイモ、オクラ、スイカ、メロン、ブ

ドウ、柑橘類などがあります。政府は過去に小麦の生産奨

励策を推し進め、買取保証制度を導入した結果、1985年に

小麦の自給が達成されましたが、2008年以降、地下水保全

を目的として、買取保証制度を縮小してきており、2016年

には国内で国内での小麦の生産が無くなる見込みです。

デーツはサウジアラビアの特産品で、年間100万トン以上

のデーツが2,300万本を超えるナツメヤシの木から収穫さ

れ、加工工場で缶詰や袋詰にされてから国内外で販売され

ています。ヨルダン国境に近い北部の都市タブークにある

大規模農場では、グリーンハウス栽培による各種野菜や果

物のほかに、バラやチューリップ、カーネーションなど100

種類以上の花も大量栽培されており、国内市場はもちろん

のことヨーロッパ市場にも出荷されています。また、ブド

ウや桃はヨーロッパのみならず台湾、シンガポールにも輸

出されています。一方、畜産業の開発も積極的に推進され

ており、鶏卵、鶏肉、牛乳、食肉の生産高も拡大していま

す。大規模牧場の一例として、リヤド南東の農村地ハルジ

ュにある近代的牧場を挙げることができます。同牧場は

1998年にギネスブックの認定を受けた世界最大規模の牧

場で、そこでは3万7,000頭を超える乳牛が飼育され、60万

リットルの牛乳が毎日生産されています。

◆ 水産業サウジアラビアの海岸線の長さは、紅海側が約1,800キ

ロ、アラビア湾側が約500キロあり、これら沿岸地域では、

古くから沿岸漁業が行なわれていました。現在も一本釣り

や定置網による伝統的な漁法と、底引き網を使った近代的

な漁法による漁業が行なわれているほか、エビやティラピ

アなどの養殖事業も進められています。養殖による漁獲高

は全体の約30%を占め、近年その割合が増加しています。

特に、エビの養殖が盛んであり、米国や日本にも輸出され

ています。2012年末現在の漁船数は1万556隻、漁業従事

者数は2万8,310人でした。農業省は水産資源の開発と漁業

従事者育成のため、中・長期計画を立案・実施するととも

に、漁具の改良、漁期、適正な漁法と漁獲高などに関する

研究も行なっています。魚の需要は人口増と魚類を常食と

する外国人の増加により拡大傾向にあります。

主要A作物生産量(単位:トン)

2010年 2011年 2012年野 菜 2,521,450 2,647,952 2,650,812小 麦 1,349,389 1,184,454 854,256大 麦 16,391 15,516 13,647

トウモロコシ 79,384 91,747 93,377デーツ 991,546 1,008,105 1,031,082果 物 1,548,792 1,609,182 1,639,408飼 料 3,603,068 3,651,225 3,919,257

主要野菜・果物生産量(単位:トン)

2010年 2011年 2012年トマト 492,402 520,034 549,119ナス 61,007 58,196 59,612

ニンジン 66,655 57,034 57,151キュウリ 220,978 228,762 240,584

ジャガイモ 398,993 404,679 405,680タマネギ 93,360 104,504 107,361オクラ 52,884 53,528 46,266メロン 267,347 269,522 226,540スイカ 338,881 365,903 374,203柑橘類 105,317 106,292 108,014ブドウ 138,576 139,327 135,368

家畜頭数2010年 2011年 2012年

ラクダ 213,321 219,931 223,441羊 5,921,726 6,562,871 6,249,904

山羊 1,057,929 1,068,883 1,075,394牛 393,324 426,204 486,503

漁場別漁獲高(単位:トン)

紅R海 アラビアP 遠洋漁業 養R殖 合R計2010年 23,700 50,295 100 26,376 100,4712011年 25,797 38,684 0 26,271 90,7522012年 25,583 38,363 0 26,053 89,999

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MEDICAL SERVICES【医 療】

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生活・ビジネス環境

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豊富な石油収入により、保健部門は着実に整備・拡充さ

れ、サウジアラビア国民は今日、世界でも最高水準の医療

サービスを享受しています。初診用のヘルスセンターをは

じめ最新の医療機器を備えた国公立・私立の総合病院が国

内各地に整備されており、治療のみならず衛生知識の普及

と予防対策を含む総合的医療サービス体制が確立されてい

ます。2013年末現在、2,259を数えるヘルスセンターが全国

津々浦々に配置された結果、病気の初期検診・治療と予防

措置が迅速に行なわれるようになり、小児に対する BCG、

B 型肝炎、DPT(ジフテリア、百日咳、破傷風)、ポリオ、

インフルエンザなどの予防ワクチンの接種率もほぼ100%

に達しています。ヘルスセンターでの治療が困難な場合、

その紹介により地域の総合病院や主要都市の専門病院にて

再検診を受けることになります。

国公立病院はそのほとんどが保健省管轄のものですが、

管轄外の政府系病院としては、王立病院のほか国防・航空

省、内務省、国家警備隊などによって設立・運営されてい

る病院があります。これらの国公立病院は基本的にはサウ

ジアラビア国民のための病院であり、医療費も原則無料で

すが、緊急の場合を除き外国人の利用は困難です。日本人

や欧米人は、外国人にも開放されている一部の王立病院ま

たは私立病院で診察を受けることになります。医療施設・

サービスともに欧米並みの水準を誇る私立病院は数多くあ

りますが、概して診療費は高く、例えば風邪の場合、初診

料を含めた初回の支払いは約300リヤル(約9,500円)、これ

に薬局で購入する薬代として数十リヤルが必要となりま

す。また、入院費用は、個室1泊で300リヤル(約9,500円)

ほどです。入院の場合、支払費用は全て前払いする必要が

あります。これら総合病院のほかに、「キング・ハーリド眼

科専門病院」や、医療研究センターを付属している「キン

グ・ファイサル専門病院/研究センター」など、世界でも

最高レベルの医療施設・技術を備えた専門病院もあります。

医療従事者については、近年、欧米系の医療スタッフが

減少傾向にあるため、医師はエジプト人、シリア人、レバ

ノン人などの周辺アラブ諸国の出身者とパキスタン人、バ

ングラデシュ人などのアジア人で占められています。ま

た、看護士の多くはフィリピン、インド、パキスタン、中

国などアジア諸国の出身者です。

サウジアラビア政府は、外国人に対する政府の医療負担

を軽減するため、健康保険制度を2005年に導入し、2006年

1月から健康保険の義務化を段階的に進めてきました。第

1段階として、500名以上の外国人従業員を有するサウジ

企業の加入が義務付けられました。第2段階では、2007年

1月から、外国人従業員数が99名以上500名未満のサウジ

企業の加入が義務付けられました。第3段階では、2008年

1月から、外国人従業員数が50名以上100名未満のサウジ

企業の加入が義務付けられることになりました。第4段階

では、2009年1月より、外国人従業員数が50名未満のサウ

ジ企業の加入が義務付けられたことで、サウジアラビアに

居住するすべての外国従業員に対する健康保険の義務化が

実施されることになりました。政府省庁・機関に勤務の外

国人従業員や家政婦は公立病院でも診察を受けることがで

きますが、その他の外国人は保険制度に加入後、公立病院

では診察を受けることができなくなり、私立の病院に行く

ことになります。また、保険加入が居住許可証取得の前提

条件になります。

地域特有の疾病としては2012年以降、中東呼吸器症候群

(MERS)が発生しています。ヒトコブラクダが、保有宿主

であると言われており、ラクダとの接触、ラクダの未加熱

肉や未殺菌乳の摂取による感染のリスクがあると考えられ

ている他、発症した人と濃厚接触した人での感染も報告さ

れており、注意喚起がなされています。

その他、高温乾燥気候や砂漠地など同国特有の風土環境

が一因の熱中症や角膜炎、鼻咽頭炎、皮膚炎、ウイルス性

肝炎などの病気が多く見られます。また、南西部のジザー

ンやイエメン国境近くの紅海沿岸地域は降雨量が多いた

め、蚊を媒介したマラリアが発生しています。巡礼月には

アフリカやアジア諸国から巡礼者が大挙して訪れるため、

髄膜炎などの感染症が流行することもあります。

MM関連統計(2013年末現在)

保健省管轄 その他政府省庁 私R立 合R計

ヘルスセンター数 2,259 − − 2,259

病院数 268 41 136 445ベッド数 38,970 11,497 14,310 64,777医師数 37,895 13,577 29,003 80,475

看護士数 83,862 25,355 40,737 149,954技士数 50,743 22,641 17,525 90,909

私立薬局数 − − 7,180 7,180

27

Saudi Arabia

LIFE·BUSINESS ENVIRONMENT

生活・ビジネス環境

CEREEREESER

MEEES

RMRMR

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EDUCATION【教 育】

28

Saudi Arabia

LIFE·BUSINESS ENVIRONMENT

生活・ビジネス環境

ERCEREER

C

RERER

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サウジアラビアは経済開発と同時に人的資源の開発にも

重点的に取り組んでいます。同国初の教育省が設立された

1953年以来、50年以上にわたり莫大な国家予算が教育部門

に投下された結果、初等教育から高等教育、実務・職業訓

練に至るまで、幅広い教育分野において飛躍的な発展を遂

げています。この15年以上に亘り、国家予算の4分の1が

教育・職業訓練向けとなっています。

小学校から高校までの普通教育制度は6・3・3制で、義

務教育は中学校までです。大学を含め公立学校は幼稚園を

除きすべて男女別学で、授業料は無料です。政府は、大学

生を対象に月額1,000リヤル(約32,000円)の奨学金を支給

しています。また、大学や短期大学、専門学校などに在籍

する男女学生の中には、医療費、住宅手当、生活費、交通

費の給付を受けている者もいます。私立学校も幼稚園から

大学まであります。若年層人口の急増に伴い、学校数、就

学者数ともに年々増加しており、普通教育課程の学校総数

は、1970年の3,283校から2013年の3万5,397校へと約10倍

に増え、また、同期間の生徒総数は60万人から544万人に

増加しています。

一方、高等教育部門も質量ともに充実しています。国立

大学は、キング・サウード大学(リヤド)、キング・アブド

ルアジーズ大学(ジェッダ)、イスラーム大学(マディー

ナ)、キング・ファハド石油鉱物大学(ダハラン)、カシー

ム大学、ターイフ大学、タイバ大学(マディーナ)、ジザー

ン大学、ハーイル大学、ジョウフ大学など、合計25の総合

大学が存在します。その中にはプリンセス・ヌーラ大学と

いう女子大も存在します。また、キング・アブドゥッラー

科学技術大学(KAUST)は大学院大学であり、男女共学で

す。私立大学は7つ存在します。1998年にサウジアラビア

初の私立大学としてプリンス・スルターン大学(リヤド)、

1999年にイファット大学(ジェッダ)とダール・アルハー

キマ大学(ジェッダ)、2001年にはプリンス・スルターン

大学(女子大学)がそれぞれ設立され、さらに2008年には

ダール・アルウルーム大学が新設されました。

これらの教育機関以外に、男女教員養成専門校や医療専

門校、女子教育専門校、技術短期大学、ビジネス専門校な

ど、公立と私立の各種専門学校が数多く設立されていま

す。サウジアラビア政府は技術教育・職業訓練にも力を入

れており、電気、電子、コンピューター、通信、建設、商

業、農業など多岐にわたる分野の職業訓練センターと研修

所を設置しています。職業訓練公社(TVTC)は、現在、122

の専門学校などで、11万人の訓練生を受け入れており、こ

れを30万人以上にまで増やそうと取り組んでいます。

また、すべての国民が平等に教育を受けられるよう、障

害者(目の不自由な人や聾唖者、知恵遅れの人など)のた

めの特殊学校や、幼少時に教育の機会に恵まれなかった

人々に対する社会人教育を目的とした夜間学校も開校して

います。

在留外国人子女が通学するインターナショナル・スクー

ルは、米国、英国、フランス、インドなど各国の学校が多

数あり、それぞれの国のカリキュラムを基準とした教育が

実施されています。日本人学校はリヤドとジェッダにあり、

ダハランには補習授業校があります。授業料は学校により

異なりますが、リヤドの「American International School」の

授業料と、日本人学校の概要は別表の通りです。

普CEE課程の概要P校数 生徒数 E師数

2010年 33,280 5,147,200 490,0972011年 34,749 5,187,000 501,1002013年 35,397 5,441,500 531,600

RmericanEEnternationalESchool年間授業料(2015/16年度)

P年と就P年齢 授業料(単位:SR)Pre-KindergartenⅠ

(3歳) 33,353(約106万5,390円)

KindergartenⅠ(4歳) 44,883(約143万3,560円)

Kindergarten Ⅱ〜Grade5(5歳〜10歳) 73,828(約235万8,060円)

Grade6〜Grade8(11歳〜13歳) 76,367(約243万9,160円)

Grade9〜Grade12(14歳〜17歳) 83,714(約267万3,820円)

注: 入学テストがあり、受験料は SR2,500(約7万9,850円)、入学金はPre-Kindergarten Ⅰ〜Grade8は SR9,000(約28万7,500円)、Grade9〜Grade12は SR15,000(約47万9,000円)。また、英語の習得を必要とする生徒のため、Pre-Kindergarten ⅠおよびKindergarten Ⅰを除く各学年の生徒を対象とした ELL(ENGLISH LANGUAGE LEARNERS)と称する英語教育プログラムがあり、年間授業料は SR5,400(約17万2,500円)です。

日本人P校の概要(2015年9月1日現在)

リヤド日本人P校 ジェッダ日本人P校開 校 1985年9月 1975年10月生徒数

(小学・中学部合計) 10名 8名

入学金

小学部 SR1,100(約3万5,000円)

SR3,000(約9万6,000円)

中学部 SR1,100(約3万5,000円)

SR3,200(約10万2,000円)

授業料(月額)

小学部 SR2,200(約7万円)

SR3,000(約9万6,000円)

中学部 SR2,400(約6万6,000円)

SR3,200(約10万2,000円)

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Saudi Arabia

LIFE·BUSINESS ENVIRONMENT

生活・ビジネス環境

ERCEREER

C

RERER

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BUSINESS【ビジネス】

30

Saudi Arabia

LIFE·BUSINESS ENVIRONMENT

生活・ビジネス環境

BCSEC

ESS

RビジBOR

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首都リヤド、紅海岸のジェッダ、そしてダンマンやアル・

コバールの東部地区の大都市には、官庁ビル、オフィスビ

ル、世界の有名店舗が入居している商業コンプレックスビ

ル、世界的チェーンのデラックスホテルなど、近代的な高

層ビルが立ち並んでいます。

サウジアラビア政府は現在、通信や輸送部門、公共事業

など多くの分野で大規模な民営化プログラムを実施してお

り、内外の民間企業に数多くの投資機会を提供していま

す。また、外国人投資家による投資プロジェクトの100%

保有の認可や法人税の引き下げなどの新たなインセンティ

ブを供与する新外国投資法を2000年4月に導入し、外資の

積極的な誘致活動を展開しています。さらには、2005年12

月には、長い交渉の末、世界貿易機関(WTO)への加盟以

降、民営化および市場開放により積極的に取り組んでいま

す。すでに1,400を越す合弁事業が国内で進められています

が、新投資法の下、さらなる外国企業の進出が期待されて

います。日本企業は石油化学製品やエアコン、医薬品、鋼

管などの製造業において合弁事業を行なっています。2014

年10月現在、925人の日本人がサウジアラビアに在留して

います。

◆ 言 語サウジアラビアの公用語は同国の統治基本法にて「アラ

ビア語」と定められていますので、政府省庁と会社間の通

信書簡や政府宛提出資料などはすべてアラビア語で記載す

る必要があります。英語など他の言語による翻訳文の添付

はできますが、アラビア語文が権威ある正文ですので、両

文書の内容に解釈の相違が生じた場合は、アラビア語が常

に優先されます。一方、米国や英国などの英語圏に留学し

た多くのサウジ人が政府機関やビジネス社会で活躍してい

ますので、英語は広く通用しています。

◆ 勤務時間イスラム暦に準拠しているため、金曜日が休日であり、

金・土が官庁や学校、金融機関などの休日です。営業時間

中、礼拝の時間になると業務は一時中断され、銀行やスー

パーマーケットなどすべての店は礼拝が終わるまで約20

〜30分間、閉店となります。また、ラマダン月(断食月)

の1ヶ月間は勤務時間が2時間ほど短縮されます。

◆ 祝祭日祝祭日はイスラムの宗教行事に準拠しており、「断食明け

大祭」と「犠牲祭」の2大祝日があります。官公庁や民間

企業は祭日をはさみ前後5日間ほどを公休日にしていま

す。官公庁の場合、断食明けの休日はラマダン月(イスラ

ム暦第9月)25日からシャウワール月(同第10月)5日ま

で、犠牲祭の休日はズルヒッジャ月(同第12月)5日から

15日までと定められています。なお、イスラム暦は太陰暦

に基づいており、西暦より通常11日短いため、祭日の西暦

対応月日は毎年変動します。また、9月23日は建国記念日

です。

◆ 現地時間GMT に3時間プラス(日本時間から6時間マイナス)

◆ 通 貨外貨と現地通貨サウジ・リヤルは銀行や両替商で自由に

交換することができます。

通貨単位: サウジ・リヤル(SR)

1リヤル=100ハララ

為替レート: US $1= SR 3.75(米ドルペッグ制)

1リヤル=約32円

紙 幣(リヤル) 1  5 10 20 50 100 200 500硬 貨(ハララ) 5 10 20 25 50 100

◆ オフィス賃借料オフィスビルの築年数や立地条件によりかなり相違があ

ります。リヤドのオフィス賃借料の相場(管理費・修繕費・

警備費を含む)は1平方メートル当り月額160リヤル(約

5,000円)ほどです。

31

Saudi Arabia

LIFE·BUSINESS ENVIRONMENT

生活・ビジネス環境

BCSEC

ESS

RビジBOR

Page 34: Saudi Arabia - JCCME一般財団法人 サウジアラビア王国の産業基盤 2015年度改訂版 Saudi Arabia サウジアラビア王国の産業基盤 Saudi Arabia 発行者

HOTEL【ホテル】

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Saudi Arabia

LIFE·BUSINESS ENVIRONMENT

生活・ビジネス環境

PREEE

RホテルR

Page 35: Saudi Arabia - JCCME一般財団法人 サウジアラビア王国の産業基盤 2015年度改訂版 Saudi Arabia サウジアラビア王国の産業基盤 Saudi Arabia 発行者

国内の主要都市や避暑地にはインターコンチネンタル、

シェラトン、マリオットなど5つ星の国際的に有名な欧米

系のホテルから手ごろな価格の庶民的なホテルにいたるま

で、数多くのホテルが開業しており、近年の経済成長もあ

り、ホテルの客室数もここ数年で急速に増加しています。

高級ホテルは、会議室や一流レストラン、スポーツ施設、

ショッピングモールなどを併設しており、施設面、サービ

ス面共に充実しています。サウジアラビアでは、豊富な観

光資源を有効活用するため、観光インフラの整備・拡充が

進められており、政府は観光産業の発展に積極的に取り組

んでいます。観光リゾート地として開発された山岳地帯や

海辺にはリゾートホテルやヴィラなどの宿泊施設が建設さ

れています。

主要ホテルの中には、長期滞在者用にキッチンなどを備

えたアパートメント形式の部屋(サービスレジデンス)を

用意しているところもありますので、滞在が長引く出張ビ

ジネスマンにとっては便利です。各地の主なホテルと宿泊

料金の例は別表の通りですが、朝食付のパック料金や顧客

割引、長期滞在割引などのサービスを提供しているホテル

もありますので、予約の際、各ホテルに問い合わせる必要

があります。

主要ホテルリOトホテル名 E話番号 FRX番号

《リヤド地区》Four Seasons Hotel (011)211-5000 (011)211-5001Al-Faisaliah Hotel (011)273-2000 (011)273-2001InterContinental Hotel Riyadh (011)465-5000 (011)465-7833Radisson Blu Hotel (011)479-1234 (011)478-7615Riyadh Marriott Hotel (011)477-9300 (011)477-9089Sheraton Riyadh Hotel & Towers (011)454-3300 (011)454-1889Al-Khozama Hotel (011)465-4650 (011)464-8576

《ジェッダ/ターイフ地区》Jeddah Hilton Hotel (012)659-0000 (012)659-1111InterContinental Hotel Jeddah (012)661-1800 (012)661-1145Sheraton Jeddah Hotel (012)699-2212 (012)699-2660Le Méridien Jeddah (012)663-3333 (012)663-2333Jeddah Marriott Hotel (012)671-4000 (012)671-5990Red Sea Palace Hotel Jeddah (012)642-8555 (012)642-2395InterContinental Taif (012)750-5050 (012)750-5040

《ダンマン/アル・コバール/ジュベイル地区》Sheraton Dammam Hotel & Convention Centre (013)834-5555 (013)834-9872Le Méridien Al Khobar (013)864-9000 (013)898-1651InterContinental Hotel Al Jubail (013)356-4000 (013)341-2212

《アブハー地区》InterContinental Hotel Abha (017)224-7777 (017)224-4113

宿泊料金の例(単位:SR/1泊、15%のサービス料込)

シングルルームInterContinental Hotel Riyadh(5つ星) 1,525(約4万9,230円)Riyadh Palace Hotel 715(約2万3,140円)Sheraton Jeddah Hotel(5つ星) 1,420(約4万5,840円)Le Méridien Al Khobar(5つ星) 930(約3万20円)

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Saudi Arabia

LIFE·BUSINESS ENVIRONMENT

生活・ビジネス環境

PREEE

RホテルR

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OTHERS【その他】

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Saudi Arabia

LIFE·BUSINESS ENVIRONMENT

生活・ビジネス環境

REPERS

Rその他R

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◆ 食 事リヤド、ジェッダ、アル・コバールなど外国人が多く居

住する都市には、中国料理、韓国料理、インド料理、フラ

ンス料理、イタリア料理など世界各国料理のレストランが

ありますので、個人の好みに合わせた様々な料理を楽しむ

ことができます。日本料理店はおもにリヤド(8店)、ジェ

ッダ(4店)、東部州(3店)にあり、寿司やてんぷら、刺

身、鉄板焼き、焼き鳥、うどんなどの料理を提供していま

す。また、海に面しているジェッダやアル・コバールには

シーフードレストランもありますので、新鮮な魚介類を味

わうことができます。なお、豚肉とアルコール類は宗教上

の理由で禁止されていますので、これらを提供するお店は

ありませんし、食事の際にビールなどのアルコール飲料を

楽しむこともできません。また、ホテル内のレストランを

除き、市中の一般レストランやカフェでは男性客専用の席

と、女性客と家族専用の席が別々に設けられています。

◆ 買い物各都市には欧米式の超モダンなショッピングモールから

大規模スーパーマーケット、アラブの伝統的なスーク(市

場)に至るまで、多種多様のショッピング・スポットがあ

り、サウジアラビアはまさに買い物天国といえます。洋服、

靴、時計、化粧品をはじめとする世界の有名ブランド品、

家具、家電製品、食料品、日常雑貨などすべての生活必需

品を購入することができます。食料品は酒類と豚肉(ハム

などの豚肉製品を含む)を除けば、ほとんどのものがスー

パーマーケットで手に入ります。大型店には、国産品や輸

入品の肉類、野菜、果物、米、調味料、冷凍食品など豊富

な品物が揃っており、営業時間も通常午前9時から深夜0

時までと長く、さらに24時間営業の店もあるため買い物に

は非常に便利です。ジェッダやダンマン、アル・コバール

の沿岸都市では近海で捕れた新鮮な魚介類を購入でき、ま

た、リヤドでもダンマンから直送の鮮魚をフィッシュ・マー

ケットで入手することができます。醤油、味噌、マヨネー

ズなどの日本食品は韓国系のスーパーマーケットで入手す

ることができますが、値段はおおむね日本の約3倍ぐらい

です。なお、酒類、豚肉および豚肉製品の国内持ち込みは

厳禁されていますので、注意が必要です。

◆ 娯楽・観光アラビア湾側のダンマン、アル・コバールと紅海に面し

ているジェッダでは、水泳、スキューバ・ダイビングなど

の海洋スポーツや海釣りを楽しむことができ、また、外国

人が多く居住しているコンパウンド内にはプールやテニス

コートなどのスポーツ施設が完備しています。リヤドには

芝の18ホールを持つゴルフ場が3か所あり、多くの日本人

が利用しています。レストランとショッピング施設を備え

た大規模な遊園地が国内各地にあるほか、ジェッダとリヤ

ドにはライオン、トラ、猿、象、鹿、鳥類など40種を超え

る動物を飼育している動物園もあります。映画館やナイト

クラブなどの娯楽施設は宗教上禁止されています。

サウジアラビア政府は観光事業を振興するため、「最高観

光 国 家 遺 産 委 員 会(Saudi Commission for Tourism and

National Heritage)」を設置し、そのホームページやサウジ

アラビア航空を通じ、国内のみならず海外からの観光客の

誘致を積極的に行なっています。国内には多くの観光資源

があり、それを活かすために政府も観光資源の整備・開発

に積極的に取り組んでいます。また、国内には観光ツアー

を企画・主催している旅行代理店が数多くあり、古代遺跡

巡りや紅海でのダイビングなど各種ツアーを提供していま

す。

◆ 外国人用住宅在留外国人ビジネスマンとその家族は、一般的には警備

体制が万全のコンパウンド形式の一戸建てヴィラやフラッ

ト(アパートメント)を借りて住んでいます。コンパウン

ド内の施設としては、プール、テニスコート、フィットネ

ス施設、衛星放送受信設備、子供の遊戯場、レストラン、

クリニックなどがあり、また、スクールバスやショッピン

グバスのサービスを提供しているところもありますが、各

コンパウンドによりこれら施設とサービスの内容に相違が

ありますので、家族構成を考慮してコンパウンドを選択す

る必要があります。各都市により多少の差異はあります

が、リヤド、ジェッダ、アル・コバールといった日本人が

多く居住する都市の場合、家具付住宅の年間家賃は15万リ

ヤル(約480万円)から30万リヤル(約960万円)程度です。

なお、家賃は1年分をまとめて前払いするのが一般的とな

っています。

35

Saudi Arabia

LIFE·BUSINESS ENVIRONMENT

生活・ビジネス環境

REPERS

Rその他R

Page 38: Saudi Arabia - JCCME一般財団法人 サウジアラビア王国の産業基盤 2015年度改訂版 Saudi Arabia サウジアラビア王国の産業基盤 Saudi Arabia 発行者

60-YEAR LONG FRIENDLY RELATIONS【日本・サウジアラビア外交樹立60周年】

日本とサウジアラビアが正式に外交関係を樹立したのは

1955年6月7日のことで、2015年は樹立60周年という節目

の年に当ります。過去60年間にわたり両国は友好関係を維

持・発展してきており、経済技術分野のみならず文化・教

育・スポーツ面においても協力関係を深めています。また、

両国要人の相互訪問も活発に行なわれています。なお、外

交樹立60周年を記念し、サウジアラビア政府主催公式記念

事業「日本・サウジアラビア外交関係樹立60周年記念フ

ォーラム」が5月に東京にて開催されました。

◆ 経済技術協力1975年3月、両国政府は経済技術協力協定を締結し、国

家レベルの協力関係が本格的に開始されました。同協定に

基づき設置された「日本・サウジアラビア合同委員会」は

翌1976年の第1回会議以降これまでに11回開催されてお

り、直近では、第11回の会合が2012年2月に東京で開催さ

れました。同会合では、経済、貿易、エネルギー、技術協

力など幅広い分野における両国関係が討議されています。

一方、民間レベルの合同会議は1987年から開催され、現在

は「日本・サウジアラビアビジネスカウンシル」の名称で

会議が毎年開催されています。2008年に開催された会合に

おけるサウジ側からの要望に基づいて、サウジアラビア電

子・家電製品研修所(SEHAI)がリヤドに開設され、多く

のサウジ人の若者が家電製品に関する技術を学んでおりま

す。2015年には、第15回の会議が東京にて開催されました。

SEHAI の卒業式

36

Saudi Arabia

JAPAN-SAUDI ARABIA RELATIONS

日本とサウジアラビアの関係

60-YERREERCOEFREEC

REYER

EEREERCS

【日本・サウジアラビア外交樹立60周年】

Page 39: Saudi Arabia - JCCME一般財団法人 サウジアラビア王国の産業基盤 2015年度改訂版 Saudi Arabia サウジアラビア王国の産業基盤 Saudi Arabia 発行者

同会議では、経済・貿易問題、対サウジアラビア合弁・投

資事業などに関し、建設的な意見交換が行なわれており、

具体的な協力案件も提案されています。

1997年11月、サウジアラビアを訪問した橋本首相はファ

ハド国王との会談において、両国関係の一層の促進を目指

した、「21世紀に向けた包括的パートナーシップ」構想を提

案し、同国王の賛同を得ました。この構想に基づき、「人造

り(教育・職業訓練)」、「環境」、「医療・科学技術」、「文

化・スポーツ」ならびに「投資・合弁」の5分野が協力の

重点分野として決定され、具体的な協力項目が網羅され

た、「日本・サウジアラビア協力アジェンダ報告書」が作成

されました。同報告書は、1998年10月にアブドッラー皇太

子が来日した際、自動車技術訓練所とスポーツ・文化協力

に関する2通の協力文書と共に、両国政府により調印され

ました。こうして2003年3月、日・サ協力関係の目に見え

る新たな成果として、「日サウジ自動車技術高等研修所

(SJAHI)」がジェッダに開設され、多くのサウジ人若者が

自動車整備技術などを学んでいます。

2007年の両国間の共同声明に基づいて、日本・サウジア

ラビア産業協力合同タスクフォースが設立されました。日

本側は「サウジアラビアへの投資を検討する日本企業への

支援」、「サウジアラビアにおける人材育成支援」、「サウジ

アラビアにおける中小企業政策協力」を三本柱とした活動

を行っています。これらの活動を担う(一財)中東協力セ

ンターは、1994年からリヤドに日本貿易振興機構(JETRO)

との共同でオフィスを構え、サウジアラビアへの投資を検

討する日本の企業のためのビジネス・サポート・オフィス

(BSO)も併設しています。さらに、ジェッダとダンマンに

も拠点を設けており、これまでに実現した投資案件を含

め、多くの日本の企業の支援を行っております。

2007年には、サウジ政府の要請に基づいて、プラスチッ

ク加工高等研修所(HIPF)が開設され、多くのサウジ人の

若者がプラスチック加工に関する技術を学んでおります。

◆ 文化・教育・スポーツ交流サウジアラビア政府の大阪万博と愛知万博への参加、民

族舞踊団の来日・公演、絵画展や写真展の開催などを通じ、

サウジアラビアの文化、伝統、宗教などが日本に紹介され

ている一方、日本国大使館や国際交流基金の主催による日

本文化展、版画展、生花展、和太鼓公演などの日本文化紹

介イベントがサウジ国内で開催されています。2011年4月

にはサウジアラビア政府の要請に応じ、第26回「サウジア

ラビア伝統と文化の国民祭典」(ジャナドリヤ祭)に官民共

同で日本館を出展しました。教育分野では、キング・サウー

ド大学に日本語学科が1994年度に開設され、サウジ人学生

が日本語を学んでいるほか、両国政府と民間企業の奨学制

度により、双方の学生が相手国の大学に留学しています。

2007年4月より、アブドッラー国王留学制度に基づき、サ

ウジ人留学生の日本への派遣が開始され、2015年現在では

およそ600名以上のサウジ人留学生が日本で学んでいま

す。また、1980年にサウジアラビア政府が東京都内に開校

した「アラブイスラーム学院」では、アラビア語講座やセ

ミナーなどが開催されています。スポーツ交流は、日本人

有段者による柔道の指導がサウジアラビアで開始された

1961年から本格的に始まりました。柔道や空手、剣道など

のスポーツ・ミッションがサウジアラビアを訪問し、親善

試合や技術指導を行なっている一方、サウジアラビアから

もサッカーや柔道、空手、卓球のチームなどが相次いで来

日するなど、両国のスポーツ交流は着実に進展していま

す。特に柔道はサウジ社会に深く根付き、サウジ空軍と警

察の正課に組み入れられています。2015年には、外交関係

樹立60周年記念の一環として、日本武道館の代表団による

演武会も開催されました。

◆ 要人交流1971年のファイサル国王の訪日を契機として両国の経

済関係が進展し、要人の交流も活発化しました。日本の皇

室からは1981年に皇太子明仁殿下(現天皇陛下)ご夫妻、

1994年には皇太子徳仁殿下ご夫妻、そして2011年10月のス

ルタン皇太子の薨去、2012年6月のナーイフ皇太子の薨

去、さらには2015年1月のアブドッラー国王崩御に際して

は弔問のため皇太子殿下がそれぞれサウジアラビアを訪問

されています。他方1998年にはアブドッラー皇太子、2014

年2月にはサルマン皇太子(現国王陛下)が公賓として、

それぞれ訪日されています。政府要人の相互訪問も頻繁に

行なわれており、2010年以降では、安倍総理を含む6人の

現職大臣と総理特使や副大臣が訪サし、また、サウジアラ

ビア政府からはナイミ石油・鉱物資源相、アッサーフ財務

相、アル=ラビーア商工相、ファキーフ経済・企画相など

11人の現職大臣が来日しています。

37

Saudi Arabia

JAPAN-SAUDI ARABIA RELATIONS

日本とサウジアラビアの関係

60-YERREERCOEFREEC

REYER

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【日本・サウジアラビア外交樹立60周年】

Page 40: Saudi Arabia - JCCME一般財団法人 サウジアラビア王国の産業基盤 2015年度改訂版 Saudi Arabia サウジアラビア王国の産業基盤 Saudi Arabia 発行者

シャローラSHAROURAH

ナジュラーンNAJRAN

ジーザーンJIZAN

カミース • ムシャイトKHAMIS MUSHAYT

アブハーABHA

クンフダQUNFUDAH

ジェッダJEDDA

ラービグRABIGH

ヤンブーYANBU

ウンムラジュUMMLAJ

アル • ワジュフAL-WAJH

ディバDHIBA

タブークTABUK

ジョウフJOUF

クライヤートQURAYYAT

トライフTRAIF

アルアルARAR

SAKAKAH

ラフハRAFHA

ハーイル HAIL

カシームQASIM

ブライダBURAIDAH

ダワードミーDAWADMI

リヤードRIYADH

カイスーマQAYSUMAH

ハラドHARAD

ジュベイルJUBAIL

RAS AL KHAIR

アル•カフジAL-KHAFJI

ラス • タヌーラRAS TANURAジュアイマ

JUAIMAH

ダハランDHAHRAN

ダンマンアル • コバル

DAMMAMAL-KHOBAR

ホフーフHOFUF

アハサーAHSA

ハフル•アル•バトンHAFR AL-BATIN

HAZM AL JALAMID(PHOSPHATE MINING)

マッカMAKKAH

マディーナMADINAH

ターイフTAIF

アル • バーハAL-BAHA

ビーシャBISHA

ワーディ • ダワーシルWADAI DAWASIR

イエメン共和国

アラブ首長国連邦

クウェイト

ヨルダン

エジプト

イスラエル

イ ラ  ク

バハレーン

カタール

オ マ ー ン

イ  ラ    ン

東 部 州

ナジュラーン州

EASTERN PROVINCE

NAJRAN

リヤード州RIYADH

カシーム州QASIM

ハーイル州HAIL 北部国境州

NORTHERN FRONTIER

ジョウフ州JOUF

タブーク州TABUK

マッカ州MAKKAH

マディーナ州

MADINAH

アシール州ASIR

バーハ州BAHA

ジーザーン州JIZAN

アラビア湾

紅     湾

一般道路

幹線道路

国 境 線

州境界線

空  港

鉄  道

38

Saudi Arabia

MA

P

地 図

Page 41: Saudi Arabia - JCCME一般財団法人 サウジアラビア王国の産業基盤 2015年度改訂版 Saudi Arabia サウジアラビア王国の産業基盤 Saudi Arabia 発行者

シャローラSHAROURAH

ナジュラーンNAJRAN

ジーザーンJIZAN

カミース • ムシャイトKHAMIS MUSHAYT

アブハーABHA

クンフダQUNFUDAH

ジェッダJEDDA

ラービグRABIGH

ヤンブーYANBU

ウンムラジュUMMLAJ

アル • ワジュフAL-WAJH

ディバDHIBA

タブークTABUK

ジョウフJOUF

クライヤートQURAYYAT

トライフTRAIF

アルアルARAR

SAKAKAH

ラフハRAFHA

ハーイル HAIL

カシームQASIM

ブライダBURAIDAH

ダワードミーDAWADMI

リヤードRIYADH

カイスーマQAYSUMAH

ハラドHARAD

ジュベイルJUBAIL

RAS AL KHAIR

アル•カフジAL-KHAFJI

ラス • タヌーラRAS TANURAジュアイマ

JUAIMAH

ダハランDHAHRAN

ダンマンアル • コバル

DAMMAMAL-KHOBAR

ホフーフHOFUF

アハサーAHSA

ハフル•アル•バトンHAFR AL-BATIN

HAZM AL JALAMID(PHOSPHATE MINING)

マッカMAKKAH

マディーナMADINAH

ターイフTAIF

アル • バーハAL-BAHA

ビーシャBISHA

ワーディ • ダワーシルWADAI DAWASIR

イエメン共和国

アラブ首長国連邦

クウェイト

ヨルダン

エジプト

イスラエル

イ ラ  ク

バハレーン

カタール

オ マ ー ン

イ  ラ    ン

東 部 州

ナジュラーン州

EASTERN PROVINCE

NAJRAN

リヤード州RIYADH

カシーム州QASIM

ハーイル州HAIL 北部国境州

NORTHERN FRONTIER

ジョウフ州JOUF

タブーク州TABUK

マッカ州MAKKAH

マディーナ州

MADINAH

アシール州ASIR

バーハ州BAHA

ジーザーン州JIZAN

アラビア湾

紅     湾

一般道路

幹線道路

国 境 線

州境界線

空  港

鉄  道

サウジアラビア王国全図―主要都市と13行政区―

●面積:214万9,690km2 ●言語:アラビア語●人口:3,077万人(2014年12月) ●宗教:イスラム教●首都:リヤド ●政体:君主制●民族:アラブ人

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Saudi Arabia

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地 図

Page 42: Saudi Arabia - JCCME一般財団法人 サウジアラビア王国の産業基盤 2015年度改訂版 Saudi Arabia サウジアラビア王国の産業基盤 Saudi Arabia 発行者

一般財団法人

サウジアラビア王国の産業基盤

2015年度改訂版

Saudi Arabiaサウジアラビア王国の産業基盤Saudi Arabia 発行者 一般財団法人 中東協力センター(JCCME)

〒102-0075 東京都千代田区三番町8-1 三番町東急ビル7階TEL:03-3237-6722 FAX:03-3237-8018

平成28年3月発行

在日サウジアラビア王国大使館

アラムコ・ジャパン(旧サウジペトロリアム東京支社)

サウジアラビア総合投資院(SAGIA)

サウジアラビア東部州商工会議所

サウジアラビア航空日本代表事務所

在リヤド日本国大使館

日本貿易振興機構(JETRO)リヤド事務所

日本サウディアラビア協会

【写真・資料提供】 (順不同)

筑波大学大学院ビジネス科学研究科/北アフリカ研究センター・助教上山 一 氏

【監 修】

Achievements of the plan 2014Ministry of Economy & Planning

Annual Report 2014Saudi Arabian Basic Industries Corporation

Statistics of Year 2013Ports Authority

Statistical Annual Report 2014Saudi Stock Exchange

2014 Annual ReviewSaudi Aramco

Annual Statistical Bulletin 2015Organization of Petroleum Exporting Countries (OPEC)

Health Statistics Annual Book 2013Ministry of Health

サウジアラビアへのいざない日本・サウジアラビア産業協力タスクフォース事務局

【主要参考資料】

Capital Market Authorityhttp://www.cma.org.sa/

Central Department of Statistics & Informationhttp://www.cdsi.gov.sa/

Ministry of Commerce and Industryhttp://mci.gov.sa/

Ministry of Economy and Planninghttp://www.mep.gov.sa/

Ministry of Petroleum and Mineral Resourceshttp://www.mopm.gov.sa/

Ministry of Water and Electricityhttp://www.mowe.gov.sa/

National Industrial Clusters Development Programhttp://www.ic.gov.sa/

Ports Authorityhttp://www.ports.gov.sa/

Royal Commission for Jubail & Yanbuhttp://www.rcjy.gov.sa/

Saline Water Conversion Corporation (SWCC)http://www.swcc.gov.sa/

Saudi Arabian Basic Industries Corporation (SABIC)http://www.sabic.com/

Saudi Arabian General Investment Authority (SAGIA)https://www.sagia.gov.sa/

Saudi Aramcohttp://www.saudiaramco.com/en/home.html

Saudi Government Open Data portalhttp://www.data.gov.sa/

Saudi Industrial Development Fund(SIDF)http://www.sidf.gov.sa/

Saudi Industrial Property Authority (MODON)http://www.modon.gov.sa/

Saudi Railways Organizationhttp://www.saudirailways.org/

国際協力機構(JICA)http://www.jica.go.jp/

在リヤド日本国大使館http://www.ksa.emb-japan.go.jp/

ジェッダ日本人学校http://www.geocities.co.jp/NeverLand/3248/

日本貿易振興機構(JETRO)http://www.jetro.go.jp/

リヤド日本人学校http://riyadhjps.web.fc2.com/index.html

【主要参考ウェブサイト】