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英語教育リサーチメソッド July 31st, 2013 WATARI Yoichi [email protected]

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英語教育リサーチメソッドJuly 31st, 2013

WATARI [email protected]

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第15回 研究報告のまとめ

•研究の手順とよい研究の条件•卒業論文の基本的性格と骨格•APAスタイル•References

Presentation & Discussion

• Research Questionの設定: 最重要課題、リサーチ・テーマ、生徒に身につけさせたい力

• 調査項目と調査方法• 分析と結果の報告• 仮説の設定• 〔   〕すれば〔   〕になる(のではないか)

研究の手順

• 1. 研究テーマの選定•研究の出発点• 2. 研究課題の絞り込み、関連づけ•先行研究の分析• 3. 研究手法の選定

研究の手順

• 1. 研究テーマの選定• 外国語学習者としての自分の経験や関心• 学会発表等をまとめた研究誌、論集等• 英語教育に関する先行研究、書籍• 文献データベース• 英語教育関連分野の先行研究、書籍

研究の手順

• 2. 研究課題の絞り込み、関連づけ• (1) 選定したテーマがどのような切り口で扱われているのかを把握

• 該当する関連研究がない場合には…• (2) これまでの研究の経緯・成果・課題を検討• (3) これまでの研究の問題点(理論的欠陥、方法論的問題等)を検討

• (4) (2)と(3)から自分が何を研究すべきかを導出

研究の手順

• 3. 研究手法の選定• (1) 先行研究の分析をもとに、今回の研究で扱う研究課題を確定

• (2) Research questionの答えを導き出すのに最もよいと思われる手法を選択

• 「はじめにアンケートありき」や「はじめに実験ありき」ではなく…

「よい研究」の条件

• 1. ひとりよがりでないこと• 2. よい意味でsimpleであること• 3. よい意味でconservativeであること

「よい研究」の条件

• 1. ひとりよがりでないこと• 自分ひとりで新しい研究領域を開拓し、確立しようとするよりも…

• 自分の研究と他の研究との関連性を明確にする

• 全体像への意識:自分の研究活動が「英語教育研究」の何丁目何番地で行われているのか

「よい研究」の条件

• 2. よい意味でsimpleであること• 「ひとつの研究で全ての答えが出るわけではない」ことを認識

• 多くの研究課題、多くの要因を取り入れた研究→複雑で解釈の難しい結果

• 要因は(先行研究、文献研究の段階で)構成的・操作的に定義;仮説生成型の質的研究ではデータ収集過程で必要に応じて修正

「よい研究」の条件

• 3. よい意味でconservativeであること• ×論理の飛躍• ×自分の研究結果以上の結論• △結果とは直接結びつかない教育的示唆• 「考察」「結論」のセクションではそれ以前に提示されていない考えを持ち込まない

卒業論文の基本的性格と骨格

• 卒業論文に求められるもの• (1) 研究計画書の作成→途中挫折せずに自力で締め切りまでにプロジェクトを仕上げること

• (2) 完成した卒業論文が学術作品としていちおう成り立っていること

• (3) 選択したテーマに関する先行研究文献、ならびに周辺文献に関する知識が正確なこと

• (4) 資料・データ収集方法、分析方法の正しい駆使+分析結果の解釈が正確にできること。

卒業論文の基本的性格と骨格

• 学術論文が満たすべき最低ライン• (a) 目的が1つだけで明確なこと:概念の検討・整理、仮説検証、仮説創設、新事実の提示」

• (b) 綿密に研ぎ澄まされた中心命題が1つある• (c) 「問題と解決」の枠組みがあること: 「なぜこのようなことを書くのか」

• 先行研究の理解、分析手法の駆使の正確さ

卒業論文の基本的性格と骨格

• 学術論文が満たすべき最低ライン• (d) 中心命題が持つ含意に言及されていること• (e) 本文の整合的構成・展開• (f) 序論部・結論部の基本的パターンの成立• 序論部: 問題の提起 → 解決提示の主張 → 提示する議論のサマリー → 本論の行き先案内図

• 結論部: 提示する議論のサマリー → 中心命題の含意 → 将来の課題 → コーダ

卒業論文の基本的性格と骨格

• 学術論文が満たすべき最低ライン• (d) 中心命題が持つ含意に言及されていること• (e) 本文の整合的構成・展開• (f) 序論部・結論部の基本的パターンの成立• (g) 中心命題の説得力を増やす技術の駆使• 反論に対応する(≒自分がこの論文で主張していないことは何か)

• 採用した解決方法を正当化する

APAスタイル

• 英語論文が準拠すべき書式• The American Psychological Association(米国心理学会)による規定→多くの学会が準拠

• http://www.apastyle.org/• Publication Manual of the American Psychological Association (6th ed., 2009)

• 邦訳『APA論文作成マニュアル』

APAスタイル

• 英語論文が準拠すべき書式• 見出し・箇条書きの書き方• 引用の仕方• 図表の提示の仕方• 参考文献一覧の書き方• 基本フォーマット:著者名(発行年)タイトル:サブタイトル.発行地:出版社

References

• 研究情報のリソース:図書, 学術専門誌, 論文• 学術誌• 情報誌・専門誌・学会紀要

• 研究論文の見つけ方• CiNii/ GeNii• Web of Science• ScienceDirect/ Ingenta/

Evaluation

•授業中の活動への参加 (30%)•作業・発表•データ分析課題 (5%×8=40%)•課題1~8•最終レポート (30%)

最終レポート:次の内いずれかを選択

• 1. 研究課題を設定し、初回アンケートかアクションリサーチで収集したデータを用いて再分析する(授業で紹介したいずれかの手法を必ず使用すること)

• 2. Study box/リストの論文のいずれかを直接参照し、概要をまとめて論評する

• 3. 授業で紹介した各研究手法について、テキストの記述をまとめ所見を述べる

• 和文、枚数指定なし、8月14日まで