qgislecture 1
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空間情報システム演習Quantum GIS 入門( 1 )
空間情報システム演習Quantum GIS 入門( 1 )
合同会社マイクロベース
本演習の構成
第1回
第2回
第3回
QGIS とは? 基本的な使い方 属性テーブルの操作
空間データの操作 空間解析
アドレスマッチング ポイントデータの作り方 座標について KML データの作り方 OSM データの利用
今日の内容
第1回
1 QGIS とは?
2 基本的な使い方2.1 QGIS の起動 2.2 データの追加 2.3 プロジェクト保存 2. 4 地物情報の
表示
2.5 シンボル表示の変更 2.6 ラベルの表示
2.7 シェープファイルの保存 2.8 マップのエクスポート
3 属性テーブルの操作3.1 属性とは? 3.2 属性テーブルの閲覧 3.3 属性検索
3.4 属性テーブルの編集 3.5 テーブル結合 3.6 フィールド演算
1. Quantum GIS (QGIS) とは?
• FOSS4G (Free and Open Source Software for Geospatial) と呼ばれるオープンソース系ソフトウェアのひとつ
• 無料で入手・使用できる
• 改造,再配布が可能
• ユーザーフレンドリーな GUI
• マルチプラットフォーム( Win, Mac OS X, Linux )
• 多言語対応
• プラグインの追加による機能拡張
QGIS でできること
空間データの入力・編集
空間データの表示(重ね合わせ,主題
図作成 ... )
地物データの検索(空間,属性) 空間データ解析
2. 基本的な使い方
2.1 QGIS の起動
• デスクトップのショートカットアイコンをダブルクリック
• 右のような画面が表示されます
このように表示されれば,無事起動しています.
画面の説明メニュー
表示領域TOC
各種情報
画面の説明
• メニュー
レイヤの追加やプラグインのショートカットアイコンが並んでいます.
• 表示領域
ここにデータが描画されます.
• TOC (Table of contents)
右側に表示されているレイヤの索引です.
• 各種情報
縮尺やカレント CRS などの情報が表示されます.
プラグインの設定
• メニューから「プラグイン」→「 Python プラグインを呼び出す」
• 「リポジトリ」タブの「サードパーティーのリポジトリを追加」を選択(※ 警告が出ますが無視して「 OK 」)
使用できるプラグインが増えました
• 「プラグイン」タブの「フィルター」でインストールしたいプラグインを検索‣ Plugin Installer や GdalTools などはデフォルトでインス
トール済み‣ Table Manager や fTools などをインストールしておきま
しょう
プラグインのインストール
• メニューから「プラグイン」→「プラグインの管理」• 有効にしたいプラグインにチェックを入れて「 OK 」
fTools , GdalTools ,スケールバー,北向き矢印,デリミテッドテキストレイヤを追加する, Table Manager など,よく使うものにチェックを入れておくといいでしょう
Table Manager が使えるようになりました
プラグインのメニュー表示
2.2 データの追加
GIS で扱うデータ形式には大きく2種類あります .
• ラスター( raster )形式 例) JPEG, PNG, TIFF
• ベクター( vector )形式 例)シェープファイル( .shp )
例えば「川」と「橋」を表現すると…
ラスター形式色の付いたドット(点)の集まりで表現される
ベクター形式始点と終点とそれをつなぐ線として表現される
※本演習ではベクターデータを扱います。
使用データ
lecture1_data
database
tokyo23
homework1
シェープファイル( Shapefile )とは?
•GIS で最も標準的に用いられるデータ形式
• 互換性が高く,ほとんどの GIS ソフトウェアで利用可能
• 基本的には,3つのファイルがセットになって構成される
*.shp ( 図形の形と位置情報を保存)
*.dbf (図形の属性情報(名称,数値など)を保存)
*.shx ( shp と dbf の対応関係を保存)
シェープファイル
同じファイル名
同じ場所に保存
NAME AREA PERIMETER
0 A 棟 18352 644
1 B 棟 22496 756
2 中庭 22050 602
3 生協購買 7548 352
4 ポスト NA NA
5 道路 NA NA
*.shp *.dbf *.shx
中庭
A 棟
生協購買
B 棟
・ポスト
ポイントデータ(点) 例)アメダスデータ,店舗データ
ラインデータ(線) 例)道路データ,鉄道データ,河川データ
ポリゴンデータ(面) 例)市区町村の形状データ,建物データ
【3 種類の地物(フィーチャ)】
① 「ベクタレイヤの追加」 アイコンをクリック
② ファイルをブラウズ③ Open
tokyo23 フォルダ内にある ku.shp を追加してみましょう
※ 「ファイル」→ 「プロジェクトを開く」 ではないので注意!
※ 注意 ※
• Mac ユーザーは属性テーブルの文字化けを避けるために,シェープファイルのエンコーディングを SHIFT-JIS にしてからファイルを読み込んでください
• 国土数値情報(国土交通省)や国勢調査(総務省)など,国が配布している GIS データの多くは SHIFT-JIS で記録されています
• あとから UTF-8 に変換して保存することが可能です
東京 23 区が表示されました.地図上に追加されたデータは「レイヤ」と呼ばれます。
2.3 プロジェクト保存
① フロッピーのアイコンをクリック ( Ctrl + S あるいは Command + S でも OK )
② 名前を付けて保存適当な場所に保存
③ .qgs 形式で保存されます
作業内容を保存します.
※ 注意 ※
QGIS の欠点として,落ちやすい(勝手にシャットダウンする)という特徴があります.
例)シンボル表示を変更した時など
Ctrl + S (あるいは Command + S )で,作業内容をまめに保存しておきましょう!
CtrlS+
2.4 地物情報の表示
① i マークの付いた矢印アイコン をクリック
② カーソルに i マークが付くので, 情報を見たい区の上でクリック
渋谷区の情報が新規ウィンドウに表示されました.
【演習1】
以下のデータを追加してみましょう
subway.shp (東京 23 区の地下鉄ラインデータ)
station.shp (東京 23 区の駅ポイントデータ)
convenience.shp (東京 23 区のコンビニポイントデータ)
elevation.shp (東京 23 区の標高ポリゴンデータ)
(すべて tokyo23 フォルダの中にあります)
ヒント1
Ctrl キー(あるいは Command キー)を押しながらクリックすると複数選択ができます
ヒント2
各レイヤについて CRS を聞かれるので,先に追加した ku.shp に合わせておきます( ku.shp の CRS は,「レイヤプロパティ」 > 「一般情報」から確認できます)
このように表示されたら OK !
レイヤの並べ替え
TOC にあるレイヤをドラッグして表示される順番を並べ替えることができます
手前
後ろ
レイヤは追加した順に階層構造で表示されます。レイヤを並び替えることで地図表示を変えることができます。
レイヤのチェックボックスのチェックを外すと非表示にできます
地下鉄の線路と駅だけが表示されました
レイヤの表示切替
このままでは見づらいですね…
2.5 シンボル表示の変更
標高値に応じて elevation レイヤを色分けしましょう
低 高
普通,高いところを暖色(赤や黄)低いところを寒色(青や緑)で表現します.
①「段階に分けられた」を選択
② 標高データが入っている カラム( ELEV )を選択
③ 適切な色階調を選択 (なければ,「新しいカラーランプ」 →「階調」から作成)
④ 階級数や分類方法 を適宜変更
⑤「分類」ここをダブルクリックすると,手動で閾値とラベルの変更ができます
地形の起伏がわかりやすくなりました
駅( station )のシンボル表示を変更してみましょう
station レイヤを右クリック→ 「プロパティ」を選択(レイヤをダブルクリックでも OK )
レイヤプロパティが開きます→ 「スタイル」タブの「変更」をクリック
シンボルプロパティが開きます→「シンボルレイヤタイプ」を「 SVG マーカー」に変更→ 一覧から電車のマークを選択し「 OK 」→「 OK 」を押してレイヤプロパティを終了
駅のシンボル表示が変更されました
オリジナルのシンボルをつくってみましょう
①「スタイルマネージャ」を選択
②「追加」を選択。「シンボルプロパティ」が開きます
ここではコンビニ( convenience.shp )のシンボルを作成します。→convenience レイヤのプロパティを開きます。
convenience レイヤのシンボルプロパティが開きます
緑の+ボタンでシンボルレイヤを追加
→ 上のレイヤをフォントマーカーの「 K 」に変更(大きさ = 5 ,色 = オレンジ)
→ 下のレイヤをシンプルマーカーの「○」に変更(大きさ = 5 ,ボーダーカラー = オレンジ)
K
「シンボルレイヤ」を追加
設定を終えたら「 OK 」を押しましょう。すると、シンボルの保存ウィンドゥが現れます。
東京中のコンビニがサークル K になりました
鉄道も同様に作成してみましょう
サークル K ばかりになると困る…そんな時は,今日の演習の最後の方で詳しく説明する「属性検索」の機能を使うと,サークル K だけを表示することができます.
①「ルールに基づいた」を選択
② 変更したいシンボルを ダブルクリック
⑤ シンボルを先ほど作ったものに変更
④ SQL where 句に 「 NAME LIKE ‘ サークルK% ’ 」と入力 して「 OK 」(※ Kは全角大文字)
③「ラベル」に適当な名前を付けて, 「フィルター」の「…」をクリック
サークル K だけが表示されました
こういうこともできます
【演習2】
ポプラとスリーエフのシンボルを表示をロゴに変更しましょう.
convenience_svg フォルダを
Windows → C:¥OSGeo4w¥apps¥qgis¥svg
Mac → Applications/QGIS.app/Contents/Resources/svg
に入れてください.
ヒント
ポプラは CODE = 24スリーエフは CODE = 12
← SVG マーカーが増えています
このように表示されましたか?
ポプラは港区や千代田区,スリーエフは大田区や世田谷区に多く立地していることがわかります.
レイヤの削除
余分なレイヤは定期的に削除しましょう。ここでは ku 以外のレイヤを削除します。
TOC で削除したいレイヤを右クリック → 「削除」を選択
※ シェープファイルそのものが削除されたわけではありません
2.6 ラベルの表示
① ku のレイヤプロパティ → 「ラベル」のタブを選択
②「ラベルを表示」 にチェックを入れる ③「ラベルが含まれている
フィールド」を「 NAME 」 にする
④「 OK 」をクリック
ポリゴンの上に区の名前が表示されました
フォントサイズを変えたり,文字を縁取りしたりもできます.
【演習3】
1) ku のラベルを消しましょう
2) pop.shp (町丁目単位の人口ポリゴンデータ)を追加しましょう
3) pop を 1995 年の定住人口( P1995 )で以下の 4 段階に色分けしましょう
分類 1 : 0 〜 1000 (青色)分類 2 : 1001 〜 2500 (緑色)分類 3 : 2501 〜 5000 (黄色)分類 4 : 5001 〜 (赤色)
4) railway.shp (鉄道のラインデータ)を追加し,目立つシンボルに変更しましょう
ヒント1
ここをクリックすると,シンボル,範囲,ラベルを自由に変更することができます
ヒント2実線と点線を重ね合わせて,鉄道( JR )の地図記号をつくることができます.
一番上:黒の点線(太さ 1.0 ,ダッシュ:空白 = 2 : 4 )真ん中:白の線(太さ 1.0 )一番下:黒の太線(太さ 1.5 )
都心部(特に皇居,丸の内,銀座周辺)で人口が少なく,山手線より外側の鉄道沿線沿いに定住人口の多い地域が分布する「ドーナツ化現象」がみられます.
東京 23 区の鉄道と人口分布が表示されました
2.7 シェープファイルの保存
ku レイヤを ward.shp という名前で保存しましょう.
• TOC で ku レイヤを右クリック → 「名前を付けて保存」
• 「ブラウズ」をクリック → tokyo23 フォルダ内に ward という名前で保存
※ Mac ユーザーは,ここでエンコーディングを UTF-8 に変更することができます
「選択を名前をつけて保存」から,特定の地物(フィーチャ)だけを新規シェープファイルとして保存することができます(地物の選択についてはこの後でやります)
渋谷区だけのシェープファイルを作成しました
2.8 マップのエクスポート
作成した地図を,印刷用の画像ファイルとして出力(エクスポート)しましょう.
方位や縮尺などをレイアウトして,レポートや論文に使うことができます.
• メニューの「新規コンポーザマネージャ」をクリック
• プリントコンポーザの新規ウィンドウが開きます
プリンターのアイコン
初期画面では何も表示されていません。画面上部のメニューボタンから適宜追加していきます。
①地図追加ボタンをクリック(選択状態になります)
②選択された状態で、白画面上の任意の場所でドラッグしてみましょう。
※ 地図追加後は、変更したり、四隅からサイズが変更できます。
画像, PDF , SVG として出力できます
※ 右画面にあるプロパティから修正が可能です
アイコン、画像の追加
属性テーブルの追加
縮尺の追加
凡例の追加ラベルの追加
3. 属性テーブルの操作
3.1 属性とは?
NAME AREA PERIMETER
0 A 棟 18352 644
1 B 棟 22496 756
2 中庭 22050 602
3 生協購買 7548 352
4 ポスト NA NA
5 道路 NA NA
中庭
A 棟生協購買
B 棟
・ポスト
属性テーブル
属性( attribute )とは,データベースに記録される名前や面積など , ひとつひとつの地物がもつ「性質」のことです.
シェープファイルの場合 , すべての情報は dbf ファイルに格納されており,属性テーブルとして閲覧・編集することができます.
0 番目の地物の名前は「 A 棟」で,面積が 18352 ,周囲の長さが 644 であることがわかります.
3.2 属性テーブルの閲覧
ku レイヤの属性テーブルを見てみましょう.
• TOC の ku レイヤを右クリック → 「属性テーブルを開く」
ku レイヤの属性テーブル
列のことを「フィールド」と呼びます
ヘッダ部分(フィールド名)をクリックすると,並べ替えができます
行はひとつひとつの地物に対応しています
マップ側から地物を選択することも可能です.
行頭の数字部分をクリックして,特定の地物を選択します.選択された行は青く反転します.
選択された渋谷区のポリゴンが黄色になりました.
3.3 属性検索
属性情報を検索して,特定の条件に当てはまる地物を選択します.
例として,面積が 20km2 以上の区を検索してみましょう.
【フィールド名の説明】
• KU = 各区の ID
• NAME = 各区の名称
• PERIMETER = 周囲の長さ [m]
• AREA = 面積 [m2]
「アドバンストサーチ」 をクリック
検索クエリビルダが開きます
フィールド名をダブルクリックすると,下の SQL ボックスにフィールド名が入力されます.
「サンプル」をクリックすると,青色に反転したフィールドのサンプル値が表示されます(名前を検索する際などに便利です).
演算子のショートカットボタン
「テスト」を押すと,式が正しいかどうか,または何件の地物が合致するかが表示されます.
最後に「 OK 」をクリック
AREA >= 20000000 と入力(※ 単位が m なので)
面積が 20km2 以上ある12 区が選択されました.
ここをクリックするとすべての選択が解除されます
複数条件を検索する方法
AND や OR を使って,複数の条件を設定します.
例 1 )面積が 10km2 以上かつ 20km2 未満の区
AREA >= 10000000 AND AREA < 20000000
例 2 )面積が 10km2 未満あるいは 20km2 以上の区
AREA < 10000000 OR AREA >= 20000000
また, NOT を使えば指定した条件「以外」を検索します.
例 3 )面積が 20km2 未満ではない区( = 20km2 以上)
NOT AREA < 20000000
【演習4】
1)区の周長( PERIMETER )が 50km 以上で,かつ面積が 50km2 未満ではない区の数と名前を求めましょう
2)条件 1) に当てはまる区だけのシェープファイルを「 large_wards.shp 」という名前で tokyo23 フォルダ内に保存しましょう
3)保存したシェープファイルを QGIS で 表示しましょう
【解答】
PERIMETER >= 50000 AND NOT AREA < 50000000
世田谷区と大田区の2つが条件を満たします.
文字列の検索
数値と同じように,文字列に対しても条件検索ができます(サークル K のシンボル表示変更を思い出してください).
スーパーマーケットのデータ( supermarket.shp )を追加してみましょう. NAME フィールドに店舗名が入っています.
例 1 )店舗名が「ふれっしゅふくだ」に完全一致するスーパーだけを探す場合
NAME = ‘ ふれっしゅふくだ’ (※ 文字列は ‘ ’ で囲ってください)
例 2 )店舗名が「成城石井」ではじまるスーパーだけを探す場合
NAME LIKE ‘成城石井% ’ (※ =ではなく LIKE を用います)
例 3 )店舗名が「渋谷店」で終わるスーパーだけを探す場合
NAME LIKE ‘% 渋谷店’
例 4 )店舗名に「ダイエー」を含むスーパーだけを探す場合
NAME LIKE ‘% ダイエー % ’
【演習5】
コンビニのポイントデータ( convenience.shp )を追加しましょう.
1) 「ユアマート」というコンビニが 23 区内に 1 店舗だけあります.何区に立地しているでしょうか
2) 23 区内にセブンイレブンは何店舗あるでしょうか
3) 世田谷区内にローソンは何店舗あるでしょうか
4) 店舗名に「新宿」を含むにもかかわらず,新宿区内にないコンビニは何店舗あるでしょうか
【解答】
1) 葛飾区
NAME = ‘ユアマート’
2) 473 店舗
NAME LIKE ‘% セブンイレブン % ’
3) 45 店舗
NAME LIKE ‘% ローソン % ’ AND ADDRESS LIKE ‘% 東京都世田谷区% ’
4) 2 店舗
NAME LIKE ‘% 新宿% ’ AND NOT ADDRESS LIKE ‘% 東京都新宿区% ’
3.4 属性テーブルの編集
フィールドカラム(列)を追加・削除・並べ替えしたり,セルの内容を編集したりすることができます.
ku の属性テーブルに,区名のローマ字読みのカラムを追加してみましょう.
属性テーブルの「編集モードを変更」をクリック
地物の編集をすることができるようになります.
例)ラインやポリゴンの形状変更 ポイントの削除
テーブルの中身も編集可能になりました.
「新規カラム」をクリックして,新しい行を追加しましょう.
カラムの追加ウィンドウが開きます
① 「名前」にフィールド名を入力(ここでは ENAME としましょう)
② 「コメント」は空白のままでも OK です
③ 文字列を入力する場合は,「タイプ」を「テキスト( string )」に変更します
④ 「幅」は入力できる文字・数字の最大数です(文字列の場合,最大半角 255 文字)
⑤ 最後に「 OK 」をクリック
ちなみに,• 整数を入力する場合は「整数値( integer )」 例) ID (1, 2, 3...)• 実数を入力する場合は「小数点付き数値( real )」 例) 3.14159...にします.小数は,「精度」で第何位まで入力できるようにするか決めます.
ENAME というフィールドが追加されました
セルをクリックして,文字や数字を入力します
再度 をクリックすると,編集を完了して変更をシェープファイルに上書き保存します
【演習6】
1) ENAME に 23 区すべての区名のローマ字読みを入力しましょう
例)渋谷区 → Shibuya-ku
2) ローマ字読みの区名をポリゴンの上に表示させましょう
東京 23 区のローマ字読みの区名が表示されました
3.5 テーブル結合
あるフィールドを手がかりに,異なるデータテーブル同士をくっつけることをテーブル結合といいます.
GIS では,シェープファイルの属性テーブルに外部データ( Excel スプレッドシートなど)や他のシェープファイルの属性データを追加したいときに,この機能を用います.
NAME AREA
0 北海道 83456.38
1 青森 8918.45
2 岩手 15278.85
PREF POP
0 北海道 5506419
1 青森 1373339
2 岩手 1330147
NAME AREA PREF POP
0 北海道 83456.38 北海道 5506419
1 青森 8918.45 青森 1373339
2 岩手 15278.85 岩手 1330147
都道府県名と面積
都道府県名と人口
NAME と PREF フィールドの対応関係をもとにして AREA と POP を結合
database フォルダ内にある ku_pop.xls というファイルを開いてみましょう.pop の列に, 2010 年の東京 23 区の人口データが入っています(単位は人).一行目には,フィールド名となる名前( ku_name と pop )が入っています.外部データをテーブル結合する場合には,一行目に必ずフィールド名を付ける必要があります.xls 形式のままでは QGIS に読み込めないので,カンマ区切りのテキストデータ( csv 形式)として保存しましょう.
名前を付けて保存 → ファイルの種類を「テキスト CSV (.csv) 」に変更保存した CSV ファイルを QGIS に読み込んでください. [ レイヤ ] > [ ベクタレイヤの追加 ] > Files of type を CSV にしてインポート
23 区の人口データを ku レイヤの属性テーブルにくっつけましょう.
ku レイヤのプロパティから [ 結合 ] タブを選択ku 人口
[ レイヤを結合する ]
「くっつける」データを選択
[ フィールドを結合する ]
「くっつけられる」データの結合キーフィールドを選択
[ ターゲットフィールド ]
「くっつけられる」データの結合キーフィールドを選択
+ ボタンをクリック
NAME と ku_name フィールドに含まれる区名が手がかり(キー)になっています
属性テーブルを開くと, ku_pop の属性が結合されています
ku の属性 ku_pop の属性
結合データをどんどん追加したり,− ボタンで結合を解除することもできます.
新しく作成したシェープファイルを QGIS に読み込むかどうかを聞かれるので,「 Yes 」を選択してください.
TOC に ku_new1 が自動で追加されました.
結合後の属性テーブルです
ku の属性 ku_pop の属性
フィールドの削除・並べ替え
区名が入ったフィールドカラムが 2 つできてしまったので,一方を削除しましょう.
フィールドカラムの削除には, Table Manager プラグインを用います.
フィールドの内容が重複
TOC で ku_new1 レイヤを選択した状態で,メニューの
「プラグイン」 > 「 Table 」 >
「 Table Manager 」
あるいは
のアイコンをクリック
Table Manager が開きます
ここでは ku_name を削除します.
① 左側で ku_name を選択
② 右側の「 Delete 」をクリック
③ 「 Save 」をクリックして保存
カラムの順番の並べ替え
カラムの削除
カラムの複製
カラムの名称変更
新規カラムの挿入
※ 保存後,レイヤスタイル(シンボル表示など)を変更するかどうか聞かれますが,変更しない場合は「 Yes 」を選択してください.
3.6 フィールド演算
フィールドの情報を用いて計算をおこなうことをフィールド演算といいます.
ここでは,先ほど結合したテーブルの人口( pop )と面積( AREA )を用いて各区の人口密度を計算してみます.
人口密度 = 人口/面積 [ 人 / km2]
ku_new1 の属性テーブルを開き,先ほどのように編集モードを変更して,「フィールド計算機のオープン」をクリックします.
属性テーブルの「フィールド計算機をオープン」をクリック
フィールド計算機が開きます.
さきほどのテーブル結合の際,人口( pop )が文字列( string )としてインポートされてしまったので,計算に使うためまずは数字に変換します.
pop2 というフィールドを新しく作ります.
① 「出力フィールド名」に pop2 と入力
② 「出力フィールドタイプ」を「整数値( integer )」に変更
③ 「出力フィールド幅」は 6
④ to int (pop) と入力
⑤ 「 OK 」をクリック
pop の値が最大 6 桁だから
to int ( ) = ( ) 内のフィールド値を整数に変換
pop2 というフィールドができました.
pop と比べると,数値が右寄せになっています.
スプレッドシートでは普通,
• 文字は左寄せ
• 数値は右寄せ
で表示されます.
※ 注意文字列に対してフィールド演算はできません.フィールド内の数字が文字列として認識されていることがたまにあるので,注意しましょう.
続いて,人口密度を計算します.
・フィールド名: pop_dens ・タイプ:小数点付き数値( real )
・幅: 12 ・精度: 4
人口密度 [ 人 / km2] を求める計算式は
pop2 / ( AREA / 1000000)
※ AREA の単位が m2 なので, 100万で除して km2 にする
最後に編集モードを終了し,変更を保存しましょう.
今日のおさらい
今日学んだこと
1 QGIS とは?
2 基本的な使い方2.1 QGIS の起動 2.2 データの追加 2.3 プロジェクト保存 2. 4 地物情報の
表示
2.5 シンボル表示の変更 2.6 ラベルの表示
2.7 シェープファイルの保存 2.8 マップのエクスポート
3 属性テーブルの操作3.1 属性とは? 3.2 属性テーブルの閲覧 3.3 属性検索
3.4 属性テーブルの編集 3.5 テーブル結合 3.6 フィールド演算
GIS
システム開発
データ解析
グラフィックデザイン
“サービスとして展開したい!”
“空間的な解析がしたい!”
“地図をつかったデザインがしたい!”
本演習の構成
第1回
第2回
第3回
QGIS とは? 基本的な使い方 属性テーブルの操作
空間データの操作 空間解析
アドレスマッチング ポイントデータの作り方 座標について KML データの作り方 OSM データの利用
宿題
使用データ
homework1
database
shape
pref_pop.xls
Japan_pref.shp
(1) 47 都道府県のシェープファイル( Japan_pref.shp )の PREF フィールドに,日本語で都道府県名を入力しましょう 例)東京都
(2) 都道府県庁所在地のフィールド(フィールド名: capital )を追加し,都市名を入力しましょう 例)東京
(3) 都道府県名と都道県庁所在地名が異なる都道府県を選択し,新しいシェープファイルとして保存しましょう(ファイル名は任意).保存したシェープファイルと 47 都道府県のシェープファイルを重ね,都道府県名と都道県庁所在地名が異なる都道府県の都道県庁所在地名を表示し,プリントコンポーザで方位・縮尺をレイアウトした地図をエクスポートしましょう
(4) 2010 年と 2035 年の都道府県別(推定)人口のデータ( pref_pop.xls )に, 47 都道府県の面積のカラムを追加しましょう.
(5) (4) のデータテーブルを Japan_pref に結合し, Japan_pref_new という名前で保存しましょう
(6) フィールド演算で,各都道府県の 2010 年の人口密度を求めましょう
(7) 人口密度上位 5都道府県と下位 5都道府県を調べましょう.また,人口密度に応じて都道府県を色分けし,地図としてエクスポートしましょう
(8) フィールド演算で各都道府県の 2010 年〜 2035 年の人口増減率を求め,下位 5都道府県を調べましょう(※ 増減率 = 増減量 / 増減前の量).また,増減率に応じて都道府県を塗り分け,地図として出力しましょう
(9)2010 年の人口・人口密度と人口増減率には,何かしら関係がありそうです.人口の増減に関係がありそうなデータを他にも探してみましょう.それらのデータを GIS で視覚化し,他のデータと重ねて比較してみましょう
(10) 「 2010 年〜 2035 年の人口増減の要因」というテーマについて簡潔に論じてください.その際,用いたデータの概要・出典と,論述内容をわかりやすく説明する地図を添付してください
例)○○のような条件をもつ都道府県は,将来人口が減少する傾向にあるようだ,など