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複合情報学専攻複合情報学専攻複雑系工学講座複雑系工学講座 調和系工学研究室調和系工学研究室
MC2 MC2 松村松村 有祐有祐
待ち行列ネットワークにおける待ち行列ネットワークにおける段階的リンク設計問題の提案とその解法段階的リンク設計問題の提案とその解法
Ph ased Li n k D esi g n Pr ob l em i n Qu eu i n g Netw o r k
背景背景
skypeやgnutella等のP2Pネットワーク
• ネットワーク構造を工夫 ⇒ 特定の通信条件下で効率的なパケットフローを実現する仕組
• 通信の質の変化(音声→動画など)など通信条件の変化 ⇒有効性が保証されない
• 最適性の観点に基づかず試行錯誤的に設計 ⇒ 改良の余地がある
• 数万~数百万ノードの範囲でノード数が時系列的に変化
• ネットワーク全体の構造を把握し制御する仕組みの実現が困難
P2Pのネットワーク構造設計
x
n=10 n=50 n=100大幅な構造の改良は計算コスト等の観点から困難であるためできるだけ少ないリンク張り替えが求められる
最良 最良 最悪
最良
厳密な構造最適化が困難局所的な情報に基づきリンクを生成・張り替えなどするアルゴリズムによって構造を改良
構造改良の難しさ
ある構造から推移可能な構造に制限
このような状況下でのリンク生成・張り替えアルゴリズムの設計手法は未だ確立されていない
目的目的
大規模P2Pネットワークにおいて最適なパケットフローを実現する
リンク生成・張り替えアルゴリズムの設計に向けたアルゴリズム設計手法の提案とその有効性の検討
張り替えられるリンク数に制約のあるリンク最適化問題を解くことによるアプローチを提案
P2PP2Pネットワークのモデル化ネットワークのモデル化
a
b
• 任意のノード(i,j)間には単位時間当たりq ij個のパケットが定常的に発生
• 各ノードiは単位時間当たりμi個のパケットを中継できる(サービス率)
• 各パケットはなるべく最小の中継待ち時間で目的とするノードに到達すると仮定(フロー偏差法によるフロー生成)
各ノードがパケットを中継する際の中継コスト(経路を与えるなどの計算コスト)
P2Pネットワークの本質:情報通信ネットワーク⇒待ち行列ネットワークでモデル化
ネットワークの評価
i iijq
f 1各パケットの中継待ち時間平均待ち時間
通信コストの定義
各q ij , 各 iとネットワーク構造が与えられれば,各パケットの中継待ち時間が計算可能
段階的リンク生成・張り替えのモデル段階的リンク生成・張り替えのモデル
)1()1()()1(
)(tE
tEtEtEtPe
・各ステップtでノード一つずつ追加される・追加されたノードから,既存ノードに対し平均次数k/2本のリンクを生成
・リンクの張り替えを実施
G(t-1)
G(t)
リンク張り替え率の定義
張り替え率(元あって今ないリンクの本数)
(元のリンク本数)
・・・
実際のP2Pではノードの追加・除去が繰り返される
⇒ ノードの除去はユーザーの意向に従いランダムに発生するためここではまず,ノードが追加される状況のみ考慮
提案する設計手法提案する設計手法
各tにおいてG(t-1) から,張り替え率Pe(t)≦ 制約下で生成可能なG(t)のうち平均待ち時間が最小となるG(t)を選択
各tにおける最適化の際生成・除去されたリンク両端のノードの特徴量
生成・除去でその特徴に差異が観測されればリンク生成・張り替えのルールは少なくとも設計可能と考えられる
を分析
1. リンク生成・張替えを最適化
2. 最適なリンク生成・張り替えの分析によるアルゴリズム設計
G(t-1)
G(t-1)から生成可能なG(t)
・ノードの追加に伴うリンク生成
・リンクの張り替えG(t-1):t-1における
ネットワーク構造
リンク生成・張り替え最適化問題リンク生成・張り替え最適化問題
minE(t)
f(t)
)(tPe
subject to
ktn
tE)(
)(2
最大張り替え率を とする制約
各tで平均次数kを超えない
平均待ち時間を最小化するリンク集合の決定問題
given E(t-1), k,
where
1)1()( tntn
山登り法による解法山登り法による解法
1. [ノードの追加・リンクのランダム生成]G(t-1)にノードを1つ追加し,ランダムにリンクk/2本生成し,G(t)を生成
2. [リンクのランダム張り替えによる近傍解の生成]近傍解G*(t)をNp(=30)個作成
G(t)の各リンクについて,・ Pm(=2.5%)の確率でリンクを除去し・ リンクの無いノード対をランダムに選択しリンクを生成(ただし,各近傍解は最大張り替え率の制約を遵守)
3. [最良近傍解の採用]G*(t)のうち平均待ち時間が最小のものをG(t)に代入
4. 2~3を繰り返すただし,解の改善がNg(=200)回連続して発生しなければ,t:=t+1とし,1を実施.
実験実験
実験条件
• n(0) 10• n(tmax) 100• k 6• G(0) ERモデル(ランダムグラフ)で生成
• 各ノード間パケット発生量qij 1• サービス率の平均値 500
(正規分布乱数でμiを付与)
[ネットワーク構造] [パケットフロー]
1. どの程度少ないリンク張り替えによって小さい平均待ち時間の構造を実現できるか・ 各最大張り替え率制約 による平均待ち時間を比較
・ 各 の制約下おいて生成されるネットワークの構造を比較
2. 張り替えにより生成・除去されるリンクの特徴分析・比較によって本アプローチによるアルゴリズム設計が可能であるかを検討・各tにおける最適化の際,生成・除去されたリンク両端のノードの特徴量を比較
実験結果実験結果
平均待ち時間比の比較各 における平均待ち時間を =100%の場合の平均待ち時間で割ったもの
・リンク張り替えを実施しない場合,待ち時間が長くなる・ が小の場合,ネットワークの性質の変化に対しての追随性が悪い・全体的には ~ を上限とする張り替え率によって十分な通信性能
0.9
1.0
1.1
1.2
1.3
1.4
1.5
10 30 50 70 90
number of nodes: n(t)
wai
ting
time
ratio
ある1試行においてサービ
ス率が高いノードが追加
実験結果実験結果
構造の比較
・張り替えを実施する場合,張り替え率にかかわらず,およそ同様の構造
0.0
0.1
0.2
0.3
0.4
0.5
10 30 50 70 90number of nodes: n(t)
Clu
ster
ing
Coe
f.
1.5
1.7
1.9
2.1
2.3
2.5
2.7
2.9
3.1
3.3
3.5
10 30 50 70 90number of nodes: n(t)
Ave
. Sho
rtes
t Pat
h L
engt
h
クラスタリング係数 最短平均パス長
実験結果実験結果
生成・除去されたリンク両端ノードの特徴量の比較( の場合)
0.0020.0030.0040.0050.0060.0070.0080.0090.0100.0110.012
0.002 0.004 0.006 0.008 0.010 0.012
+-
300
350
400
450
500
550
600
300 350 400 450 500 550 600
+-
0
2
4
6
8
10
12
14
16
0 2 4 6 8 10 12 14 16
+-
0.0
0.2
0.4
0.6
0.8
1.0
0.0 0.2 0.4 0.6 0.8 1.0
+-
ノードにおける1パケットあたり待ち時間:τ ノードのサービス率:μ
ノードの次数:k ノードのクラスタリング係数:C
Cが小同士のノード間
のリンクを除去しCが小と大のノード間に
リンクを生成
特に傾向なし
kが3~6のノード間のリ
ンクを除去しkが小と大のノード間に
リンクを生成
τが同程度のノード間のリンクを除去しτが同程度のノード間にリンクを生成
生成されたリンク両端のノードの特徴量 除去されたリンク両端のノードの特徴量
除去しない
除去する
結論結論
待ち行列ネットワークにおける段階的リンク設計の手法の提案
• 段階的なリンク生成・張り替えを組み入れたリンク最適化問題を解くことによる設計手法を提案した
• 山登り法によるリンク最適化の手法を提案しその有効性を確認した
実験結果から
• 数%程度の軽微なリンク張り替えによって
ノード数にかかわらず平均待ち時間が小さい待ち行列ネットワークの構造を生成できることを確認した
• 張り替えの際に生成・除去されるリンクの性質に異なる傾向が観測され,これに基づくアルゴリズム設計の可能性が示唆された