pm胃 癌の臨床病理学的検討 とくにsm浸潤の大きさからみた...

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日消外会誌 14(11)i1549~ 1558,1981年 pm胃癌 臨床病理学的検討 とくに Sm浸 大 きさか らみ た予後 を中心に 久留 米大学 第 2 外科教室 (主任 :古 賀道弘教授) CLINICOPATHOLOGHCAL STUDIES OF PM GASTRIC CANCER RELAT10NSHIP BETWEEN PROGNOSIS AND SM INVAS10N Akira TOMOKIY0 The Second Department of Surgery,Kurume Universtty,Schoo (Director i Prof. MIichihiro Koga) 胃癌総数77942j中 50allの p m 胃癌 につ いて, 臨床病 理学 的 に予後 を含 め て検 討 した。5 0 例 全例が予後 追跡可能で,他病死 4 allを 除 く14例(30.4%)が 再発死亡であった。14例 中血行性転移が 8例と過半 数 を 占め, そのほ とん どが 2 年以 内 に死亡 して いた。s m 浸潤 の大 きさか ら リンパ 節転移率,予後を検 討 したが , s m 浸潤が大 きくなる程 リンパ 節転移率は高 く,また累積生存率 も低下 した。なお sm浸潤 と肉眼型 とに関 して も検 討 した結 果, B o r r l n a n n 型 の方が sm浸潤 が大 き く, こ れは Borrmann型 方 が早期 類似型 よ りも リンパ 節転移率が高 く,か つ生存率が低い 事の裏 け とな り,pm胃癌では sm 浸潤の大 きさが重要な因子だ と思われた。 索引用語 :pm胃 癌,m浸 潤,Borrmann型 ,早期胃癌類似型, 胃 癌累積 5年生存率 I . 般に胃癌の予後を検討する際 stage分 類が広 く用 い られ て い る 。 そ して S ( 奨膜浸潤 ) および P ( 腹 播種)因子のない早期胃癌は ,手術によって断端をと り残 さず, か 十 分 な リンパ 節郭清が行われたならば , その 予後は極めて良好なはずであ り,事実 5年生存率 も諸家の 報告では90%前 後である 。しか し,早期 胃 癌 よりさらに進み固有筋層 まで浸潤 した胃癌 (以下 p m 胃癌 と略す) で は ,S,P因子がないにもかかわ ら ず,その 予後は70%前 後に落ちている 61-11)。 それは早 期 目癌 に比 p m 胃癌 の方 が予後 を左右 す る因子 が よ り複 雑化 す るた めで あ ろ う。 この pm胃癌 の 予後に関 して諸家は大きさ,肉眼像,組織型,浸潤様式, リ 飾転移,脈管侵襲等より考察 しているが , こ れは 症例において諸因子別の予後が推側で きるばか りか , 予後を左右す る諸因子の重要性が不明確 とな り,か えって複雑化するきらいがある。そこで著者は 諸因子 を無視 して pm胃癌 を粘膜下層 (以下 smと略す)浸潤 の大 きさか ら画 的 に考 え,pm胃癌 にお いて も sm浸 潤 の大 きさが極 め て重要 で あ る とい う結論 を得 た ので 報 告す る, II.検 査材料および方法 1966年 より1976年 までの11年 間 に当教 室 で切 除 され た5904/1の 胃癌 , ならびに1 9 7 4 年 より1976ま での 3年間 に久留米大学第 病理学教室で集め得た1894/11の 胃癌 , 計7794211中 pm胃癌50例につ いて検 討 した。 これ らの 症frlは 十分に病理学的に検討され,組織型は中村に従 い分化型癌 (乳頭状腺癌,管状腺痛)32例 ,未分化型 ( 硬性癌, 粘液細胞 性腺癌 ) 1 8 例とに分 けた。 なお sm浸潤 は ラフィン 切片におけるsm浸潤 と切 り出 し写 真 を対比 させ なが ら, そ の長 径 を もって s m 浸潤 の大 きさとした。 正I.検査成績 I 頻度 (表1) 胃癌 7 7 9 例 を深達 度別 に頻 度 をみ る と, 粘膜 内 ( 以下 m と 略す) 胃癌6 9 例( 8 . 9 % ) , s m 胃 癌56例(7.2%) pm胃痛50例(6.4%),奨 膜下層以下 (ss~ seiと 略す) 胃癌604421(775%)と なり p m 胃癌 は深達 度別 で は

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  • 日消外会誌 14(11)i1549~ 1558,1981年

    pm胃 癌の臨床病理学的検討

    とくにSm浸 潤の大きさからみた予後を中心に一

    久留米大学第 2外 科教室 (主任 :古賀道弘教授)

    友 清 明

    CLINICOPATHOLOGHCAL STUDIES OF PM GASTRIC CANCER

    RELAT10NSHIP BETWEEN PROGNOSIS AND SM INVAS10N

    Akira TOMOKIY0

    The Second Department of Surgery,Kurume Universtty,School of Medicine,Kurume,Fukuoka

    (Director i Prof. MIichihiro Koga)

    胃癌総数77942j中50allのpm胃 癌について,臨 床病理学的に予後を含めて検討した。50例全例が予後

    追跡可能で,他 病死 4 allを除 く14例 (30.4%)が 再発死亡であった。14例中血行性転移が 8例 と過半

    数を占め,そ のほとんどが 2年 以内に死亡 していた。sm浸 潤の大きさからリンパ節転移率,予 後を検

    討したが,sm浸 潤が大きくなる程 リンパ節転移率は高 く,ま た累積生存率も低下した。なお sm浸 潤

    と肉眼型とに関しても検討した結果,Borrlnann型 の方が sm浸 潤が大きく, これは Borrmann型 の

    方が早期類似型よりもリンパ節転移率が高 く,か つ生存率が低い事の裏づけとなり,pm胃 癌では sm

    浸潤の大きさが重要な因子だと思われた。

    索引用語 :pm胃 癌,m浸 潤,Borrmann型 ,早 期胃癌類似型, 胃癌累積5年生存率

    I . 緒言一般に胃癌の予後を検討する際 stage分類が広 く用

    いられているゆ。そして S(奨 膜浸潤)お よび P(腹 膜

    播種)因 子のない早期胃癌は,手 術によって断端をと

    り残さず,かつ十分な リンパ節郭清が行われたならば,

    その予後は極めて良好なはずであ り,事 実 5年 生存率

    も諸家の報告では90%前 後である分~助。しかし,早期胃

    癌 よりさらに進み固有筋層まで浸潤 した胃癌 (以下

    pm胃 癌 と略す)で は,S,P因 子がないにもかかわら

    ず,そ の予後は70%前 後に落ちている61-11)。それは早

    期目癌に比べ pm胃 癌の方が予後を左右する因子がよ

    り複雑化するためであろう。この pm胃 癌の予後に関

    して諸家は大きさ,肉 眼像,組 織型,浸 潤様式, リン

    パ飾転移,脈 管侵襲等より考察しているが, これは一

    症例において諸因子別の予後が推側できるばか りか,

    予後を左右する諸因子の重要性が不明確 とな り,か

    えって複雑化するきらいがある。そこで著者は諸因子

    を無視 して pm胃 癌を粘膜下層 (以下 smと 略す)浸潤

    の大きさから画一的に考え,pm胃 癌においてもsm浸

    潤の大きさが極めて重要であるという結論を得たので

    報告する,

    II.検 査材料および方法

    1966年より1976年までの11年間に当教室で切除され

    た5904/1の胃癌,ならびに1974年より1976までの 3年 間

    に久留米大学第一病理学教室で集め得た1894/11の胃癌,

    計7794211中の pm胃 癌50例について検討した。これらの

    症frlは十分に病理学的に検討され,組 織型は中村に従

    い分化型癌 (乳頭状腺癌,管 状腺痛)32例 ,未 分化型

    癌 (硬性癌,粘 液細胞性腺癌)18例 とに分けた。なお

    sm浸 潤はパラフィン切片におけるsm浸 潤 と切 り出

    し写真を対比させながら,そ の長径をもって sm浸 潤

    の大きさとした。

    正I.検 査成績

    I 頻 度 (表 1)

    胃癌779例を深達度別に頻度をみると,粘 膜内(以下

    mと 略す)胃 癌69例 (8.9%),sm胃 癌56例 (7.2%)

    pm胃 痛50例 (6.4%),奨 膜下層以下 (ss~seiと略す)

    胃癌604421(775%)と なりpm胃 癌は深達度別では一

  • 26(155o

    番少ない頻度であった。

    2 年 齢

    各深達度別の平均年齢は表 1で 示す ようにm胃 癌

    54歳,sm胃 癌58歳,pm胃 癌58歳,ss~sei胃癌56歳で

    m胃 癌 とpm胃 癌の間には 4歳 の差が認められたが,

    sm胃 癌 とpm胃 癌には差は認められなかった。

    3 肉 眼型 と病巣の大きさ (表2)

    肉眼型を従来用いられてきた進行癌分類の Borr‐

    mann型 と早期胃癌の肉眼像に似た早期類似型 とに分

    けた。Borrmann型 は29例,早 期類似型は21例と若干

    Borrmann型 が多かった。さらに細分類するとBorr‐

    mann型 ではII型が194211と最も多 く,I型 4例 ,III型6

    例でIV型は 1771も認めなかった。早期類似型では隆起

    型の 2711に対し陥凹型は13711と最も多 く,残 る6例 は

    潰瘍を合併していた。次に大きさをみると2.1~4.Ocm

    が25例と最 も多 く,次 いで4 1cm以 上が18421であつ

    た。なお2 0cm以 下にも7例 あった。

    4 浸 潤様式 (表3)

    pmへ の浸潤様式を広田。に準じて大きく,圧排性の

    浸潤を示す結節性 と,pm内 へ雨滴状の浸潤を示す浸

    透性とに分け, さらに後者を浸潤の量により散在性と

    びまん性とに分類した。結節性18例(36%),散 在性15

    例 (30%),び まん性17例 (34%)で 三者に頻度の差は

    表1 深 達度別頻度および平均年齢

    深達度症例数( ) %

    平均年齢(歳)

    S m 56( 72)

    Pm 50( 64)

    SS々やSei 6114(775)

    779(100)

    日消外会議 14巻

    表 3 浸 潤形式

    ほとんどみられなかった.

    5 脈 管侵襲率 (表4)

    pm胃 癌において脈管侵襲を認めたのは22例 (44%)

    でこれを肉眼型,浸 潤相式,組 織型別に検討した。肉

    眼型では Borrmann型 の14例 (48%)が 侵襲いで,早

    期類似型の 8例 (38%)に 比べ若干侵嚢率が高かった。

    浸潤様式別ではびまん性が 9例 (53%)と 最も高 く,

    次いで結節性 8711(44%)散 在性 5例 (33%)の 順で

    あった。組織型では分化型が16例(50%),末 分化型が

    6例 (33%)の 侵襲l■)で分化型に脈管侵襲率が高かっ

    亨【=。

    6 リ ンパ節転移率 (表5)

    リンパ節転移についてみると,pm胃 癌全体では転

    移率は234211(46%)で,そ の内訳は nll■116例(32%),

    n2(十)7例 (14%)であった。これを諸因子別にみると肉

    眼型では Borrmann型 が nl(■112例夕n204711で計16例

    (55%)に転移がみられ,早 期類似型の nl(■14例,n21■l

    3例 の計 7例 (33%)に 比べ,高 頻度の転移率であっ

    た。浸潤様式では結節性が nll■18711,n21「14例の計12

    例 (67%)と 最も高 く,次 いでびまん性の nll■)5例,

    n2(十)2例の計 7例 (41%),散 在性では nll■13例,n21■l

    pm胃 癌の臨床病理学的検討 11号

    ) O r 。

    I 描 節 性 妨

    衰 2 肉 眼型と癌巣の大きさ

    ~20 21~ 40 41~ cm 計

    B O r r E l a n n 型29,珂

    I 1 3 4

    lI 7

    lll 1 4 1 6

    早 期類似型2 1例

    隆 起 l 1 2

    陥 凹 6

    潰場合併 1 5 6

    計 7(14) 25(50) 18(36) 50(100)

  • 1981年11月 27(1551)

    表4 脈 管侵襲率

    表5 ッ ンパ節転移率

    1例 ,計 4例 (27%)の 転移率であった。組織型別に

    みると分化型ではnll■112例,n21■15例 の計17例(53%)

    が n l rlで,未 分化型のnll「14例 ,n2(■12例 の計 6例

    (33%)に 比べ転移率は高かった。

    7 予 後 (表 6)

    pm胃 癌50例中全例 が追跡可能 で予後判 明率 は

    100%であった。生存は32例,明 らかに他病死 と思われ

    るものが 4例 ,再 発死亡 と思われるものが14例であっ

    た。再発形式については血行性転移 と思われる肝転移

    と肺転移がおのおの 7例 と1例で再発死亡の過半数を

    占め, しかも3年 10カ月の 1例を除き, 7カ 月の 2例

    を含めて全て 2年 以内に死亡 していた。局所再発は 4

    711あり平均255カ 月の生存期間で,血 行性転移よりや

    や長い傾向を示した。なお 1年 8カ 月後に再開腹にて

    確かめられた癌性腹膜炎もみられた。残る 1例 は 1年

    目に再発死亡したが,そ の形式は不明であった。

    生存率は累積法を用いて算出した。pm胃 癌の累積

    生存率は 1年 目94.0%,2年 目78.0%,3年 目70.0%,

    4,5年 目はともに67.8%であった。

    諸因子別に生存率をみると,肉 眼型では (表7)早

    期類似型が 4,5年 目が75.6%で あったのに対 し,

    BOrrmann型 では 1年 目は93.1%と高いが, 3年 日以

    後は62.1%と前者に対し生存率が低かった。pmへ の

    浸潤様式からみると(表8),散 在性がもっとも生存率

    が高 く,4,5年 目は86.7%であった。次いで結節性が

    3年 目以後 は66.7%で,び まん性 は 3年 目以後 は

    48.8%と もっとも低かった。組織型では未分化型は 3

    表 6 再 発形式およびその経過

    表 7 肉 眼型からみた累積生存率

    年 目以後でも77.7%と 高いが,分 化型では4,5年 目は

    619%と 未分化型に比べて低かった(表9).脈 管侵襲

    から生存率をみると(表10),侵 襲い)では 3年 目以後で

    も89.4%と 生存率は非常に高いが,侵 襲いでは 3年 目

    以後は38.9%と極端に低下していた。 リンパ節転移か

    らみると(表11),転 移(→では 3年 目以後でも81.5%と

    高かったが, 4年 目以後は51.4%と 極端に低 くなって

    いた。

    ‐00% 90

    肉 眼 型 浸潤様式 組織型

    Borrmann29夕刺

    早期類似21例

    節例

    結18 維卿

    びまえ17例

    化例

    分32

    未分化18例

    襲♭+

    侵ぐ 8 5

    侵襲率(%)

    4 4 4 8 4 4

    肉 眼 型 浸潤様式 組織型

    BorrIBnn29ク刑

    早期類似21例|

    節例

    結18

    在例

    散15

    びまえ17切|

    化例

    分32

    未分化18例

    nl(+) 4

    鞍皆)

    t 5

    計 7 4

    転移率(%)

  • 28(1552) pm胃 癌の臨床病理学的検討 日消外会誌 14巻 11号

    ‐00比

    00

    80

    40

    ‐00比 90

    表8 pmへ の浸潤様式からみた累積生存率

    ````一―十一~~~~86,

    、ヽ、_ _ _ _ _ _ _一 一- 6 6 7

    、ヽ、_______― 一―一―‐488

    2 3 4 3 y ぃ

    表9 組 織型からみた累積生存率

    未分イヒ型

    分4ヒ型

    3 yrs

    表10 脈 管侵裏からみた累積生存率

    脈皆侵R―l

    8 sm因 子

    今まで諸因子別に予後 との関連性を述べてきたが,

    著者はさらに予後を左右する重要な因子 として病巣に

    おけるsm浸 潤の大きさを考え,こ れと肉限型,組 織

    型,脈 管侵襲, リンパ節転移,さ らには予後 との関連

    性を検討した。

    表11 リ ンパ節転移からみた累積生存率

    り,「挿転移0

    表12 pm胃 癌におけるSm浸 潤の大きさ

    〈持且料H■l〉 く肉R型 〉

    40-

    1)pm胃 癌におけるsln浸潤の大きさ

    sm浸 潤 の大 きさを10m皿単位で区切ってみ ると,

    21~30mmが 15例 (30%)と 最も多かった.次 いで10mm

    以下 9例 (18%),31~ 40mllが8例 (61%),11~ 20111111

    が 7例 (14%)と 続き, 71~80mmも 1911(20%)み ら

    れた。次にこの sm浸 潤の大きさを肉眼型で分けてみ

    ると(表12),Borrmann型 は21~30mllが10例(34.5%)

    と最も多 く,次 いで41mm以上が 9例 (31.0%),31~ 40

    m皿が 4例 (13.8%)に みられた。逆に早期類似型では

    1~10anが 6例 (28.6%)と 最も多 く,次 いで21~30m皿

    が 5例 (23.8%)で ,4111ull以上ではわずか 2例 (9.5%

    となり,Borrmarm型 に比べ sln浸潤は小さい傾向に

    あつた。組織型別にみると(表12),分 化型,未 分化型

    共に21~30m皿がおのおの10例(31.2%), 5例 (27.8%)

    と最も多かった。そして肉眼型による違い程明らかな

    差はみられなかった。

    il)sm浸 潤の大きさからみた脈管侵襲率および リ

    ンパ節転移率 (表13)

    sm浸 潤の大きさと脈管侵襲率 との関係をみると,

    10mm以下では 971j中2例 (22.2%)が 侵襲l rlで,以 下

    m比

    90 的均

    m祐 90

  • 1981年11月

    表13 Sm浸 潤の大きさからみた脈管侵襲率およびリ

    ンパ節転移率

    表14 Sm浸 潤の大きさからみた累積生存率

    10mm)え 内

    29(1553)

    傾向が認められた。

    lil)sm浸潤の大きさと予後 (表14)

    sm浸 潤の大 きさからみた生存率を検討すると,10

    mm以下では 5年 目までは100%生 存 していた。11~20mm

    では 2年 目まで100%,3年 目以後は857%と 高い生存

    率であった。21~30mmでは 1年 目86.7%だ が, 4, 5

    年 目は52.0%と 低下していた。31~40mmでは21~30mm

    よりも生存率は高 く, 1年 目は100%, 3年 目以後は

    75.0%で あつた.411111以上では 1年 目は90.0%と 高い

    が 4, 5年 目は227%と 極めて低い生存率であった。

    IV 考 察

    胃癌は上皮性腫瘍である以上,癌 巣は粘膜から装膜

    へと浸潤するのは当然である。そして smま でにとど

    まる早期胃癌は予後良好であるが,奨膜まで達した癌,

    所謂末期胃癌は手術法1い1の

    ,制 癌剤10~2ゆ

    等の向上に

    もかかわらずその予後は未だ極めて不良である。また

    肉眼像からも早期胃癌は日本内視鏡学会分類が,末 期

    胃癌では Borrmann分 類が好んで用いられており,両

    者は形態的にも多少の断絶がみられる。 こ の様な点か

    ら早期目癌が末期胃癌へと進展して行 く途中に存在す

    る固有筋層にとどまる癌,す なわち pm胃 癌はただ単

    に両者の中間の深達度をもつ胃癌,中 間癌 とい うだけ

    でなく,臨 床的には深達度診断の追求,予 後の改善,

    病理学的には早期胃癌から末期胃癌への発育進展様式

    を知る上からも極めて重要である。

    胃癌 を深達度別 にその頻度をみ る とpm胃 癌 は

    6.4%と 最 も低値であった。諸家 もpm胃 癌の頻度は

    10%前 後 と述べてお り6J-1,,他の深達度別頻度に比べ

    低値であった2り3い。胃癌の全国集計を行った三輪のもま

    た m,sm胃 癌の頻度は年々増加しているのに比べ,

    pm胃 癌の頻度はほとんど変化がないと述べている。

    臨床的にも早期胃癌よりも診断容易である事を考えて

    も, もっと頻度が高 くなって当然 と思われる。この点

    について諸家6ル911ょ早期胃癌や末期 胃癌が集 ま りや

    すい施設の特殊性を考えたが,佐 野の3いは胃癌は早期

    胃癌の段階から直ちに末期胃癌へ進みやす く,従 つて

    pm内 へとどまっている期間が短いためだろうと考察

    している。そして三輪"は pmで の癌の発育浸潤が早

    くなる理由として,脈 管や組織間隙などの解割面,胃

    の嬬動などの機能面の要素がか らんでいるとしてい

    る.

    pm胃 癌の平均年齢は58歳で m胃 癌の平均年令54

    歳 と比べ 4年 の差がみ られた。広田。もpm胃 癌の平

    均年齢は56.6歳と報告 し,著 者とほぼ同様の年齢を示

    ――――_―___857

    7 ‐~~→ ~__,750

    10い20mm

    30ぃ40mm

    4520 20,30mm

    7 40mm以 上

    2 3 4 5y,3

    11~20mnでは 7例 中 3例 (42.9%)と侵襲率は上昇し,

    21~30mmでは15例中 8例 (53.3%),31~40mmでは 8例

    中 4例 (50%),41mm以上では11例中 5例 (45.5%)の

    侵襲率で,30mm以下では漫潤の大きさと脈管侵襲率に

    は相関を認めたが31m皿以上では相関を認めなかった。

    次にsm浸 潤 とリンパ節転移 との関係をみると,10回皿

    以下では 9例 中 3例 (33.3%)が n lrlを示 し,以 下

    11~20mmでは 7421中1例 (143%),21~ 30m皿では15例

    中 5例 (33.3%),31~40mmでは 8例 中 5例 (62.5%),

    413wll以上では11例中 9例 (81.8%)の 高い転移率を示

    し,sm浸 潤が大 きくなれば リンパ節転移 も高 くなる

    明|▼▼ 下十一十 一側

    9 0

  • 30は550

    している.

    著者は肉眼像を Borrmann型 と早期類似型に分類

    したが,諸 家いり2りも大きくこの 2つ に分類している.

    中間癌 としての pm胃 癌を考える時, これが大きく2

    つに分類できた事は, 胃癌が早期胃癌から直接 Borr‐

    mann型 へ進むものと,早 期類似型の時期を経て進行

    してゆくものの 2つ 経過が考えられる。事実細井31)は

    IIαtt Hcから4年 後に Borrmann II型に直接変化 し

    た症例を,郡32jはIIcからIIc tt III類似進行を経て Bor.

    mann III型となった症r71を報告 している.こ の様な胃

    癌の発育,経 過の違いについて八尾3めは病巣に対する

    消化性漬瘍の相対的侵襲の程度,す なわち悪性サイク

    ルを経ないものは Borrmann型 へ進みやす く,逆 に悪

    性サイクルを繰 り返す ものは,経 過 も緩徐で Borr_

    mann型 にな りに くい と考 えている。確かに Borr‐

    mann型 では I型 4例 ,II型 19例と漬瘍侵襲の少ない

    凸型を示すものが極めて多 く,逆 に早期類似型では陥

    凹型13例,潰 場合併型 6例 とそのほとんどが凹型で,

    漬瘍侵襲の強いものが多かった。また安井りも隆起型

    (凸)は Borrmann型 に,陥 凹型 (凹)は 早期類似型に

    多かったと述べている。 こ れは胃癌の発育経過に潰瘍

    が深 く関与している事を示唆する所見であろう。頻度

    的にみるとBorrmann型 ではII型が19例,早期類似型

    では陥凹型が13例と多かったが,高 木30,広田いも同様

    の結果を報告している。なお Borrmann IV型は 1例 も

    認めなかったが安井りもまた同様の結果を報告し,pm

    胃癌の特果性と考えている。病巣の大きさは諸家の報

    告 と同様2.1~4.Oclnに25例 (50%)と 多かったが,2.0

    cm以下が 7例 (14%)あ り,病 巣の大きさのみからの

    深達度診断は早期胃癌 と同様に困難であろう3,-3働

    .

    pm胃 癌全体の脈管侵襲率は22例,44%で ,これは三

    宅3りの59.4%に 比べ低 く,山 田的の31.5%よ りも高い

    値であった.次 に リンパ節転移は23471,46%であった。

    小黒2いは47.9%,広 田。も47.6%と ほぼ著者 と同じ転

    移率を報告し,逆 に平山4のは381%と 著者より低値を

    示 している。リンパ節転移の群別頻度をみるとnil■116

    Trll(32%),■21H l以上 7例 (14%)で あった.三 宅3りは

    nll■)33.3%,■2付)以上15.5%と述べ,三輪のの全国集計

    では nil■)225%,n21■)以上10.9%,不 明30`6%と 報告

    している。この脈管侵襲, リンパ節転移には種々の因

    子が関与 しているが,著 者は肉眼型,pmへ の浸潤様

    式,組 織型からその関連性を追求 した。肉眼型では

    8orrmann型 が脈管侵襲率48%, リ ンパ節転移率55%

    とともに早期類似型に比 して高かった,安 井りも同様

    日消外会議 14巻 11号

    に早期類似型の転移率が sm胃 癌のそれに近いと報告

    している。浸潤様式別にみると. リンパ節転移率は結

    節性が67%と 高 く,散 在性は27%と 低かった。同様の

    浸潤様式分類を行った広田いは,び まん性が最 も高 く

    53.3%,散 在性393%と 報告している。この差を生じ

    る主因子 として広日は脈管侵嚢を考えているが,著 者

    の検討では散在性33%と 低い侵襲率で リンパ節転移率

    をよく相関したが, リンパ節転移率が高かった結節性

    は44%と 低 く,逆 にびまん性は53%と 最高の侵襲率で

    あった。このようにpmへ の浸潤様式からみた脈管侵

    襲とリンパ節転移 とは必ずしも相関しなかった。組織

    型では早期胃癌 と同様脈管侵襲, リンパ節転移 ともに

    分化型が未分化型に比べ高い値を示 した.し か し山

    田めは未分化型の方が高頻度であったと,著 者 と逆の

    報告をしている。

    pm胃 癌は50例全allが予後追跡可能で,他 病死 4例

    を除 く46例中14例 (30,4%)が 再発死亡していた。肝

    転移 7例 ,肺 転移 1例 といわゆる血行性転移が過半数

    を占め,ほ とんどが 2年 以内に死亡 していた。山田りも

    pm胃 癌の再発21例中11例(52,4%)が肝転移で,平 均

    21カ月の経過であったと報告 し、pm胃 癌では肝転移

    を銘記すべきであるとしている。友田41)は

    肝転移再発

    死亡の平均は25カ月,草 間42jは

    平均163カ 月と述べて

    いる。このように肝を主体 とした pm胃 癌の血行性再

    発死はほぼ 2年 以内に起 こるようである。 リンパ節を

    含めた局所再発は 4例 (8。7%)に みられ,そ の経過も

    短いものは18カ月,長 いものは33カ月,平 均25.5カ月

    であつたが,山 田ゆも6例 (286%)が 局所再発で,そ

    の経過は34カ月,草間49は23.7カ月と報告 し,局所再発

    は血行性よりやや長い経過を示していた。なお P,S因

    子のないpm胃 癌では癌性腹膜炎による再発は起 こら

    ないと考えられるが, この再発形式が 1例 にみられた

    のは興味深い。山田めもpm胃 癌 といえども,腹膜播種

    による癌性腹膜炎は無視できないと考えている。 こ の

    癌性腹膜炎の病因は リンパ節転移から起こるとも考え

    られよう,以上の如 くP,S因 子のない pm胃 癌 もたと

    え十分に郭清を行っても比較的早期に癌死する症例が

    少なからず認められ,著 者はその予後を左右する因子

    として肉眼型,pmへ の浸潤様式,組 織型,脈 管侵襲,

    リンパ節転移を考えて累積法にて,そ の 5年 生存率を

    検討してみた。肉眼型では早期類似型が75.6%の 生存

    率で Borrmann型 の621%に 比べ良好 であった。城

    所4 3 ) もB o r r m a n n 型の5 4 % に対 し早 期 類 似 型 は

    93.8%の生存率 としている,こ のような点から安井り

    pm胃 癌の臨床病理学的検討

  • 1981年11月

    は,早 期類似の pm胃 癌はより早期胃癌に近い範疇に

    入ると考えている。浸潤様式では散在性が867%で

    あったが,広 田。も同様に散在性が839%と 他の様式

    に比べ良好の 5年 生存率を報告している。組織型では

    分化型が61.9%の 生存率で未分化型の77.7%よ り予後

    不良であった。 こ れは多淵4つの報告や予後不良な分化

    型早期胃癌 と同様な結果である.分 化型早期胃癌の予

    後不良因子として肝への血行性転移が述べられている

    がつ40,pm胃 癌でも同様の結果が得 られた事からも当

    然 といえよう。脈管侵襲(→の累積 5年 生存率は894%

    と侵襲付)の38ち9%に 比 して極めて予後良好であった。

    多淵40はリンパ管侵襲 と予後には相関は認めないとし

    ながらも静脈侵襲 とは密接に関連していると述べてい

    る。また n()で は81.5%と n付)の51.4%よ り良好 で

    あった。三輪のもpm胃 癌でもn(→であれば 5年 相対

    生存率が88.1%と sm胃 癌に近い成績を,逆 にnlいで

    は711%,n2(・lでは53.5%と悪い予後を示している。多

    淵40も予後良好群の リンパ節転移陽性率は22%,不 良

    群では38%と かなり明確な相関関係を認めている。以

    上諸因子からpm胃 癌の予後を検討 したが,逆 に考え

    れば一症例において諸因子ごとの生存率が得 られるこ

    とになり,そ の予後はかえって複雑 となる。したがっ

    てこれらの諸因子の多 くと強 く相関し,か つそれらの

    代わ りとなりうる別の因子を探す必要がある。最近馬

    場4ωは sm浸 潤の広が りを検討 し,早 期胃癌の予後や

    リンパ節転移 と強い相関を認めたと報告しているが,

    著者 もpm胃 癌におけるsm浸 潤 の大 きさに注 目し

    た。sm浸 潤の大きさと予後を検討してみると,sm浸

    潤の大きさが10mn以下の 9例 は全例生存 しているが,

    sm浸 潤が大 きくなるにしたがいその生存率は低下

    し,41mm以上の11例では22.7%の累積 5年生存率にと

    どまり,末 期胃癌に近い生存率 となり,両 者にはほぼ

    相関関係が認められた。よって pm胃 癌の予後には sm

    浸潤の大きさが極めて重要な因子であることがわかっ

    た。 このsm浸 潤の大きさと予後 との関係をより普遍

    的なものとするには、既述の諸因子 とsm浸 潤の大 き

    さとの関係を知る必要がある。pm胃 癌では sm漫 潤が

    大きくなれば リンパ節転移率も上昇し,両 者には極め

    て強い相関を認めた。これは n(十)症例が予後不良で

    あった著者の結果から考えても,sm浸 潤の大 きさが

    pm胃 癌の リンパ節転移, さらには予後に強 く関与 し

    ている事を示唆している。一方三宅3りはsmに おける

    癌細胞の浸潤範囲と脈管侵襲 との相関関係はそれ程密

    接ではないと述べている。しかし大岩4のが行った胃壁

    31(1555)

    内 リンパ系構築の研究では,粘 膜内の リンパ管は粘膜

    下層では集合して大 く網 目状になると述べてお り,sm

    では リンパ管が豊富であるといえよう.し たがって

    sm浸 潤の大 きさと脈管侵襲率 とのある程度の関係

    は,sm浸 潤の大きさからでも脈管侵襲の有無,さ らに

    は予後を十分に検討できよう.肉 眼分類からみた予後

    にもsm浸 潤の大きさは強 く相関していた,す なわち

    早期類似型では sm浸 潤が小さい症例が多 く,逆 に

    Borrmann型 では sm浸 潤が大 きい症4211が多かった。

    Bormann型 が不良なのは, この sm浸 潤の差による

    ものと解釈できよう.分 化型,未 分化型の組織型から

    の生存率には約20%の 差を認めたが,sm浸 潤の大き

    さには明らかな差を認めなかった.こ れは組織型によ

    る本質的な違いによるものと考えたい。最後に著者は

    pmへ の浸潤様式を大きく3つ に分類 し,予 後 との検

    討を行ったが,pm胃 癌では smに は必ず全層に浸潤 し

    ているはずであり,換 言すれば,smは あらゆるpm胃

    癌の共通の場所であ り,pmへ の浸潤様式からの予後

    の検討に比べ,sm漫 潤の大きさからの予後の検討の

    方がより普遍的である.

    以上のように考察すると,組 織型を除く他の因子は

    sm浸 潤の大きさからでも検討できることになり,pm

    胃癌の予後には sm浸 潤の大 きさが極めて重要で,症

    例ごとの予後が推預J可能となる利点がある。さらにも

    う1つ重要なことは,た とえpmま で浸潤 していても

    10mm以下の sm浸 潤であれば,極 めて良好な予後が得

    られた事である。pmま で浸潤すればいわゆる進行癌

    として処理されるが,深 達度を無視し「予後の良好な

    癌を早期胃癌」 とするならば,sm浸 潤が10m皿以下の

    pm胃 癌 も早期胃癌の範疇に入れる事 も可能 と思われ

    る。とすれば現在使われている深達度のみからの早期,

    図 Ia摘 出標本.胃 体部前壁に5.5×4 0cmのBorr‐

    mann II型を認める。

  • 32(1556) pm胃 癌の臨床病理学的検討 日 消外会誌 14巻 11号

    図 I b ttlaの ルーペ像 とそのシェーマ. 図 III a 結節性浸潤.分 化型腺癌 pm内 を圧排性に浸潤

    :古=若 |■!1!|111ⅢⅢⅢⅢⅢII■■|1111=!|■||11■ⅢⅢll■|||=■1lil■■1111 している。

    -52 mm ―

    図II a 摘出標本.早 期類似型 (潰場合併)

    pm胃 癌の肉眼像

    結節性の浸潤を示す。sm浸 潤の大きさ52mm.

    2年後血行性肺転移にて死亡.

    図II b ttII aのルーペ像とそのシェーマ.

    卜 8 m m 引

    pm内 は散在性浸潤を示す.卸 漫潤の大きさ8 mll

    術後 5年 2カ 月現在生存中.

    図III b 散在性浸潤.分 化型腺癌がpm内 の間隙を雨滴

    状に浸潤している.

    図III c びまん性浸潤.分化型腺癌がpm内 を雨滴状に,びまん性に浸潤している。

  • 1981年11月

    進行癌の定義では十分 とはいえず,sm浸 潤の大 きさ

    も加味 した方がより妥当ではなかろ うかとも思われ

    ブti.

    V 結 語

    pm胃 癌例について病理紙織学的に予後を含めて検

    討を行い,次 の如き結果を得た。

    1,pm胃 癌の頻度は胃癌総数779例中50例 (64%)

    で,深 達度別頻度では一番低かった。

    2,pm胃 癌の平均年齢は58歳で,m胃 癌の平均年

    齢54歳とは4歳の差がみられた.

    3 肉 眼型を大 きくBorrmann型 と早期類似型に

    分けることができ,早 期胃癌から末期胃癌への発育進

    展様式が推測できた。

    4,pmへ の浸潤形式を結節性,散在性,び まん性に

    分けたが,そ の頻度に差はなかった。

    5.脈 管侵襲l■lは224211(44%)で,肉 眼型では Borr‐

    mann型 が,浸潤形式ではびまん性が,組織型では分化

    型が,高 い頻度を示した.

    6.リ ンパ節転移は(■lは22例 (44%)で ,そ のうち

    nl(■116例(32%),n2(■l以上 7例 (14%)で あった。肉

    眼型では Borrmann型 が,浸 潤形式では結節性が,組

    織型では分化型がそれぞれ高かった。

    7.50例 全例が予後追跡可能で,他 病死 44/1を除 く

    464/11中14例 (30.4%)が 再発死亡であった。144/1中血

    行性転移が過半数を占めていて,そ のほとんどが 2年

    以内に死亡 していた。又癌性腹膜炎による再発死亡も

    1例 みられた。

    8.肉 眼型,浸 潤形式,組 織型,脈 管侵襲, リンパ

    飾転移から生存率をみた,肉 眼型では早期類似型が,

    浸潤形式では散在性が,組 織型では未分化型が生存率

    が高かった。脈管侵襲および リンパ節転移()pllでは,

    非常に予後良好であった。

    9,pm胃 癌の予後を sm浸 潤の大 きさから検討を

    行ったが,sm浸 潤が大きくなる程予後が不良となり,

    両者には相関が認められた。そして,既 述の諸因子が

    sm漫 潤の大きさからでも検討できたことから,pm胃

    癌においてもsm浸 潤の大きさは pm胃 癌の予後に極

    めて重要であることが半」った。

    本文の要旨は,第 15回日本消化器外科学会総会において

    発表した.

    稿を終るにあたり, ご指導とご校閲をいただいた古賀道

    弘教授,中山和道助教授に深謝する。また終始ご指導とご助

    言を下さいました内藤寿則先生に心より感謝する。

    33(1557)

    文 献

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  • 34(1558) pm胃 癌の臨床病理学的検討 日 消外会議 14巻 11号

    癌化学療法.胃 と腸,1411623-1637,1979. 37)安 井 昭 :表層拡大型胃癌の病理.胃 と腸,8125)坂野輝夫 i胃癌化学療法の現況と問題点.胃と腸, 1305-1310,1973.

    1411639-1654,1979。 38)井 日 潔 他 i発育パターンからみた胃癌の予後.26)大 友 晋 他 1化学療法により消褪 したBorr_ と くに進行胃癌を中心として。癌の臨床,14:

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    27)斉 藤利彦他 イヒ学療法を施行した噴門部進行癌の 行 性転移 に関す る検討.順 天堂 医学,22:1例.胃 と腸, 1411689-1692, 1979。 389-413,1976.

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    1 1 : 8 6 9 - 8 7 5 . 4 2 ) 草 間 信 ! 胃癌再発の病態生理. 外 科, 3 6 :

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    1974. 43)城 所 胸 t座談会/pm癌 について,胃 と腸,11: 〕31)細井董三他 i casell粘膜不整→IIc→II a tt IIc→ 891,1976.

    Borr.2の発育進展例.胃と揚,13:30-31,1978. 44)多 淵芳樹他 tsm―ss胃癌の臨床病理学的所見と

    32)郡 大 裕他 i case18.IIc型早期胃癌からBorr‐ 予 後との相関関係について。外科,38:807-814,mann 3型 進行胃癌に進展したと考えられる症 1976.

    例.胃 と腸,13144-45,1978. 45)山 田栄吉他 :胃癌の肝転移.外科,36:349-357,33)八尾恒良 i case13悪性サイクルをたどった進行癌 1976.

    の 1例.胃 と腸,13134-35,1978. 46)馬 場保昌他 tX線 診断の立場から内視鏡診断に期34)高木国夫 :早期胃痛と考えられた進行癌の検討. 待 するもの. とくに早期胃癌を中心として.胃 と

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    35)Stout A P i Superticial spreading oF carcinoma 47)大岩俊夫 :早期の胃癌のリンパ節転移の観点より

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